説明

就航船に追加設置する給電盤への母線ダクトの設置方法

【課題】就航船に、バラスト水処理設備等への電力供給のために、主配電盤の背面または最寄りの場所に新設給電盤を追加設置して給電する場合における主配電盤の発電機用母線と新設給電盤間を接続する新母線ダクトの設置方法を提供する。
【解決手段】主配電盤の背面または最寄りの場所に新設給電盤を追加設置し、主配電盤の発電機用母線からバラスト水処理設備等へ電力が供給できる様に、発電機用母線と新設給電盤間を接続する新母線ダクトを設置する場合、その新母線ダクトは発電機用母線とNO.2発電機へ至る母線の接続場所に接続する。新母線ダクトは発電機用母線から主配電盤のトップ面上へ立上げ、この場所から新設給電盤の真上まで主配電盤のトップ面上を敷設し、新設給電盤の方へ立ち下げ、新設給電盤内へ導設する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は「船舶電気」に関するものである。
さらに詳しくは「就航船に追加設置する給電盤への母線ダクトの設置方法」に関するものである。
【背景技術】
【0002】
「船舶バラスト水及び沈澱物の管制及び管理のための国際条約」により、就航後の船舶にバラスト水処理装置を設置することが義務化されることになっている。
【0003】
就航後の船舶に、バラスト水処理設備を新たに追加設置し、この設備及び関連設備へ電力を供給するため、主配電盤の背面または最寄りの場所に新たに「新設給電盤」を追加設置して給電するために、主配電盤内の発電機用母線と新設給電盤間を接続する新母線を主配電盤内に設置する方法は、既設の主配電盤内に新母線を設置するスペースが無いため設置することは困難である。バラスト水処理設備が今後設置されることは義務化事項であるが、これ等の設備に電力を供給するための、主配電盤内の発電機用母線と新設給電盤間を接続する新母線となる「新母線ダクト」の設置方法が確立化されていない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】 特許願中 提出日:平成22年12月16日 特許庁受付日:平成22年12月20日 特許出願人:山下博匡 特許願 整理番号:HY−1012Y01 発明の名称:就航船に設置するバラスト水処理設備等への給電方法
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
就航後の船舶に、バラスト水処理設備及び関連設備への電力供給のために、主配電盤の背面または最寄りの場所に新たに「新設給電盤」を追加設置して給電する場合、主配電盤内の発電機用母線と新設給電盤間を接続する母線の設置方法が確立されていない。そこで、本発明では主配電盤内の発電機用母線と新設給電盤間を接続する新母線となる「新母線ダクト」の設置方法を確立することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
主配電盤の背面または最寄りの場所に新たに「新設給電盤」を追加設置し、主配電盤の発電機用母線からバラスト水処理設備及び関連設備へ電力が供給できる様に、発電機用母線と新設給電盤間を接続する新母線となる「新母線ダクト」を設置する場合、その「新母線ダクト」は発電機用母線とNO.2発電機へ至る母線の接続場所に接続する。尚、その接続場所に接続できない場合には、その接続場所の直近に接続する。
【0007】
「新母線ダクト」は発電機用母線とNO.2発電機へ至る母線の接続場所に接続し、主配電盤のトップ面上へ立ち上げ、この場所から「新設給電盤」の真上まで主配電盤のトップ面上を敷設し、「新設給電盤」の方へ立ち下げ、「新設給電盤」内へ導設する。
【発明の効果】
【0008】
バラスト水処理設備及び関連設備への電力供給に伴い、従来の給電方法では、既設の発電機母線が1.2〜1.7倍に大きくなるため、また、「新設給電盤」への新母線を主配電盤内に敷設する方法では、主配電盤を新替しなければならなくなる。この方法を[0006]および[0007]に記述の方法にすると、既設の主配電盤を新替えすることなく使用することができる。また、「新母線ダクト」を事前に製作しておき、工事時に、既設の主配電盤に取付けるのみの方法とすれば、「新母線ダクト」の取付工事も容易となり、工事期間も短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】 主配電盤(MSB)及び集合始動器盤(GSP)上面平面図「新母線ダクト」の敷設要領及び立ち上がり部と立ち下がり部を示す。
【図2】 主配電盤(MSB)及び集合始動器盤(GSP)の正面図及び側面図「新母線ダクト」の敷設要領及び立ち上がり部と立ち下がり部を正面図及び側面図で示す。
【図3】 電気給電系統図「新母線ダクト」の敷設範囲を示す。また、「新母線ダクト」を発電機母線への接続個所を示している。
【図4】 シンボルリスト 本リストでは、[図3]に使用しているシンボルおよび英文名称を和文名称で示している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
新設給電盤(NEW FEEDER PANEL)は主配電盤(MSB)の背面で、発電機用母線(GEN BUS)から最短距離となる場所に設置する。尚、主配電盤の構造上、最短距離に設置できない場合には、その最寄りの場所に設置する。
この方法は、新設給電盤と発電機用母線間を接続する「新母線ダクト」の長さを最短にするための処置である。
【0011】
新設給電盤へ至る「新母線ダクト」は発電機用母線に接続するが、その「新母線ダクト」は既設の発電機用母線とNO.2発電機(GENERATOR)へ至る母線の接続場所に接続する。尚、その接続場所に接続できない場合には、その接続場所の直近に接続する。
この方法は、バラスト水処理設備及び関連設備等による増加電流が既設母線へ流れない様にし、既設母線がそのまま使用できる様にするための処置である。
【0012】
「新母線ダクト」を電機用母線とNO.2発電機へ至る母線の接続場所に接続し、この接続点から主配電盤のトップ面上へ立ち上げ、この場所から「新設給電盤」の真上まで主配電盤のトップ面上を敷設し、「新設給電盤」の方へ立ち下げ、「新設給電盤」内へ導設する。
この方法により、新設給電盤と発電機用母線間を接続する「新母線ダクト」の長さを最短にすることができる。
【符号の説明】
【0013】
「図4:シンボルリスト」に示しているので、図4を御覧下さい。

【特許請求の範囲】
就航後の船舶に、バラスト水処設備置等の新設備が追加設置されるのに伴い、これらに関連する設備へ給電する新設給電盤を主配電盤の背面または最寄りの場所に設置する場合の、主配電盤内の発電機用母線と新設給電盤間を接続するために新設する母線ダクトの設置方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−144234(P2012−144234A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−14565(P2011−14565)
【出願日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【出願人】(511010576)