説明

尿失禁用装置のための調節可能なアプリケータ

【課題】挿入胴部、配備用プランジャ、および調節可能な挿入深度表示器を有する尿失禁用装置のためのアプリケータを提供する。
【解決手段】アプリケータは、尿失禁用装置が効果的と成るように適切な位置に置かれることを確実にするために、消費者のボディマス指数に対して補正するのに有用である。

【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔発明の背景〕
1.発明の分野
本発明は、尿失禁用装置のためのアプリケータに関する。アプリケータは、装置が効果的に機能できるように、膣の中で正しい位置に装置を置くのに有用である。アプリケータは、ボディマス指数(「BMI」)に対応する様々な陰唇の深さ(labial depths)を有する女性に有用である。
【0002】
2.先行技術の説明
タンポンは、吸収性物品であり、女性の膣に挿入されて、月経中、血液を吸収する。膣内尿失禁用装置は、女性の膣に挿入されて、尿失禁を減じるか、または抑制する。アプリケータは、尿失禁用装置およびタンポンの挿入を容易にするために用いられうる。アプリケータは、典型的には、タンポンまたは装置を保持し、かつ膣の中に置くための、概ね円筒形の胴部と、装置またはタンポンを膣の中に放出するためのプランジャと、を含む。ボール紙製アプリケータおよびプラスチックアプリケータが、当技術分野で知られている。
【0003】
尿失禁用装置の設置および向きは、装置が適切に機能できるようにする上で重要である。一部の装置については、圧力が膀胱頸で尿道に加えられる位置で、装置が配備されることが重要である。一部の尿失禁用装置は、拡張して、力を発生させるので、その力が尿道に向けられるように装置が方向付けられることが重要である。したがって、尿失禁用装置は、正しい場所に配備される必要がある。女性の陰唇の深さは、一般的に、その人のBMIに基づいて様々である。したがって、膣の中に尿失禁用装置を置くことを意図しているアプリケータは、すべての女性について、装置を適切に置くことはできない。
【0004】
タンポンアプリケータは、フィンガーグリップ部分を含むことが知られている。国際特許出願公開第2006/005009A1号は、胴部上の、膣の中で低く設置するための印を備えた、アプリケータを開示している。装置を正しい場所に配備し、女性の陰唇の深さに基づいた適切な設置に取り組む、尿失禁用アプリケータに対する必要性が引き続き存在する。
【0005】
〔発明の概要〕
一実施形態では、本発明は、尿失禁用装置アプリケータを提供する。アプリケータは、挿入胴部と;挿入胴部の中でスライド可能なプランジャと;前記アプリケータと結合されて使用者の膣内に入る挿入胴部の適切な挿入深度を示すための調節可能な手段と;複数の深度調節用印(depth adjustment indicia)であって、この印はそれぞれ、予め決められたBMI範囲と関連付けられている、複数の深度調節用印と、を有する。
【0006】
別の実施形態では、本発明は、膣内装置を送達するためのシステムを提供する。システムは、アプリケータと、そのアプリケータの中に収容された膣内装置と、を含む。アプリケータは、実質的に管状の挿入胴部、プランジャ、および調節可能な挿入深度表示器を含む。胴部は、挿入端部、反対側のグリッパー端部、および長さ方向軸を有する。プランジャは、挿入胴部のグリッパー端部から延びており、挿入胴部内でスライド可能である。挿入深度表示器は、使用者の大陰唇にもたれかかるように配列および構成され、グリッパー端部に近接した挿入胴部から延びている。膣内装置は、挿入胴部の中に実質的に収容されており、挿入胴部の適切な向きを示す手段は、膣内装置を、適切な向きで、使用者の膣内へ送達するように配列および構成されている。調節可能な挿入深度表示器は、複数の深度調節用印を含み、これらの印はそれぞれ、予め決められたBMI範囲と関連付けられている。
【0007】
別の実施形態では、本発明は、膣内尿失禁用装置を挿入する方法を提供する。この方法は、a)使用者のBMIを決定するステップと;b)使用者のBMIに対応するBMI範囲を選択するステップと;c)膣内尿失禁用装置を収容するアプリケータと結合された挿入深度表示器を、選択されたBMI範囲に調節するステップと;d)挿入深度表示器が使用者の大陰唇に接触するまで、膣内装置アプリケータの挿入部分を、使用者の膣内に挿入するステップと;e)アプリケータから膣の中に膣内尿失禁用装置を放出するステップと;f)アプリケータを膣から取り外すステップと、を含む。
【0008】
別の実施形態では、本発明は、膣内尿失禁用装置を挿入する方法を提供する。この方法は、a)使用者のBMIを決定するステップと;b)使用者のBMIに対応するBMI範囲を選択するステップと;c)挿入深度表示器を有しており、選択されたBMI範囲を有する膣内尿失禁用装置を収容している、アプリケータを選択するステップと;d)挿入深度表示器が使用者の大陰唇に接触するまで、膣内装置アプリケータの挿入部分を、使用者の膣内に挿入するステップと;e)膣内尿失禁用装置をアプリケータから膣の中に放出するステップと;f)アプリケータを膣から取り外すステップと、を含む。
【0009】
別の実施形態では、本発明は、尿失禁を軽減するシステムを提供する。このシステムは、複数のアプリケータと、使用者のBMIに基づいて適切なアプリケータを選択する手段と、を含む。各アプリケータは、膣内尿失禁用装置を収容しており、内部に収容された膣内尿失禁用装置を、使用者の尿道‐膀胱接合部に送達するのに適した寸法を有している。各アプリケータは、挿入胴部、挿入胴部の中でスライド可能なプランジャ、および挿入深度表示器を有する。
【0010】
以下の発明の詳細な説明、および添付図面を参照すれば、本発明は、より十分に理解されるであろうし、さらなる利点が明らかとなろう。
【0011】
〔好適な実施形態の詳細な説明〕
図1〜図2を参照すると、本発明によるアプリケータ10は、挿入胴部12を含む。挿入胴部は、内部に尿失禁用装置14を収容するようにサイズ決めされ成形されており、外部挿入深度表示器16を有する。(存在する場合、挿入端部に設けられたペタルの基部までの)胴部の長さは、約20mm〜約100mmの範囲、好ましくは約40mm〜約60mmの範囲、最も好ましくは約50mmであってよい。胴部の直径は、約5mm〜約20mm、好ましくは約18mm〜約20mmの範囲であってよい。胴部の厚さは、装置によって及ぼされる圧力に耐えるのに十分なものであり、例えば約1mm〜約3mmの範囲であってよい。胴部は、アプリケータの膣内への挿入を容易にするための挿入端部18、および、尿失禁用装置が中に装填されうる、反対側のグリッパー端部20を有する。挿入端部18は、開口していてよく、あるいは、タンポンの技術分野で既知のように、アプリケータの挿入を容易にするため、および配備まで装置を保持するために、ペタル22(必須ではない)を有してもよい。
【0012】
挿入胴部は、ポリエチレン、ポリプロピレン、アセタール樹脂、スチレンコポリマー(ゴム変性ガラス質プラスチック、例えばABS[スチレン‐アクリロニトリルコポリマーおよびスチレン‐ブタジエンコポリマー(styrene-budatidene copolymer)の2相系]など、を含む)など、あらゆる適切な材料から作られてよい。挿入深度表示器は、胴部内に成型されてよく、あるいは、単独に形成されて、接着剤、摩擦嵌め(friction fits)などの従来の方法によってアプリケータに取り付けられてもよい。
【0013】
挿入深度表示器16は、挿入胴部の長さ方向軸(ゆえに、挿入方向)に概ね垂直に方向付けられた、挿入胴部表面上の隆起した要素である。この挿入深度表示器は、例えば使用者の大陰唇17にもたれかかって、挿入が完了した際に触知できるフィードバックを与える。不連続な低い高さ(small height of discontinuity)が、触知できるフィードバックを与えるのに十分であり、不連続な高さはまた、ベアリング面を画定し、ベアリング面は、装置の配備中に正しい挿入深度を維持するために、身体に接して保持されうる。不連続な高さは、2mm〜20mmの範囲であってよい。
【0014】
挿入深度表示器は、あらゆる適切な材料、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、様々なコポリマー、シリコーン、およびエラストマー材料、例えばエチレンプロピレンジエンモノマーなど、から作られてよい。挿入深度表示器は、胴部の中に成型されてよく、あるいは、単独に形成されて、接着剤、摩擦嵌めなどの従来の方法によりアプリケータに取り付けられてよい。挿入深度表示器はまた、フィンガーグリップ24として機能し、かつ/またはフィンガーグリップ24を組み込むこともできる。挿入深度表示器は、装置が膣内部の適切な位置で配備されるように、位置付けられる。胴部12の挿入端部と挿入深度表示器16との間の距離は、40mm〜80mmの範囲、例えば60mmであってよい。挿入胴部周辺の周りを挿入深度表示器が延びる量、「覆い角度(angle of wrap)」αは、様々であってよい。図1〜図2に示される360°の覆い角度αは、最も大きく最も安定したベアリング面26をもたらすが、例えば図3〜図5に示されるような約90°などの、より小さな角度は、必要とする材料がより少なく、積み重ねて保管するのに、より都合がよい。ベアリング面26は、挿入胴部周辺の周りで間隔を置いた複数のセグメントから成ることもできる。これらの複数のセグメントは、表示器の種々の高さを有することもできる。
【0015】
外部深度表示器は、胴部と一体(持続的かつ不動に取り付けられることを含む)であってよく、あるいは、所望であれば調節可能であってよい。このことは、使用者の快適さを改善するのに役立つことができる。図6A〜図6Cに例証されるように、表示器16がヒンジ28の周りで旋回することを可能にするのが望ましいであろう。図6Bは、前方位置に旋回された表示器16を示し、図6Cは、グリッパー端部20に向かって旋回して戻った表示器16を示す。選択は、装置の挿入中の女性の姿勢次第であってよい。角度は、女性の特定の解剖学的構造、女性の陰唇の湾曲によって左右されることができる。加えて、女性は、身体に別様にもたれかかる(bear differently on her body)ように胴部12の周りで表示器16を回転させることを望む場合がある。最後に、図7A〜図7Bに示されるように、女性は、自分の解剖学的構造に関する自分の知識に基づいて挿入深度を微調整することを望む場合に、胴部12の長さに沿って表示器16の場所を変えたいと思うかもしれない。この調節を助けるために、印29が挿入胴部12に設けられうる。
【0016】
本発明によるアプリケータは、胴部12の中でスライドして嵌まるように設計された細長い装置である、配備用プランジャ30も含む。プランジャ30は、失禁用装置を押すため、および失禁用装置を配備するための前端部32と、プランジャがあまりに遠くまで押されることを防ぐため、および膣内での装置の適切な設置を確実にするための停止部36を有する反対側の端部34と、を有する。プランジャ30は、挿入胴部12内に軸方向に動かされて、装置を挿入端部18から膣内へと配備する。胴部12およびプランジャ30は、あらゆる適切な材料から作られてよい。例えば、胴部およびプランジャは、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、および様々なコポリマーなどであるが、これらに限定されない、従来の熱可塑性材料から成型されうる。
【0017】
図8を参照すると、失禁用装置の基部37の挿入深度は、アプリケータが十分に挿入されて配備されたときの2つの寸法により決定される。寸法「A」は、プランジャ停止部36から、プランジャが装置14に接触するプランジャ30の前端部32までの、プランジャの軸方向長さである。寸法「B」は、プランジャ停止部36から、挿入深度表示器16のベアリング面26までの軸方向長さである。身体の外面からの、装置の基部37の挿入深度は、A−Bである。図9に示されるように、尿道102に圧力を加える膣100内の装置14の部分が尿道‐膀胱接合部104に置かれ、かつ/または装置14の基部37が処女膜開口部106より少なくとも10mm〜20mm、例えば15mmだけ上にあるように(寸法D)、アプリケータは設計される。この寸法に、大陰唇17の外面と処女膜開口部との間の距離Dが加算される。
【0018】
アプリケータの有効長さ(失禁用装置を適切な場所に置くのに十分な長さ)は、消費者のBMIに対して補正するように様々であってよい。BMIは、人間の体重と身長との間の比率の既知の測定値である。この指数は、以下のように計算される:
BMI=m/h
式中、
mは、人の体重(キログラム)であり、
hは、人の身長(メートル)である。
【0019】
装置の適切な挿入深度が、使用者のBMIにより、強く影響を受けることをわれわれは発見した。とりわけ、女性のBMIが高くなるほど、女性の大陰唇108の深さ「D」が大きくなる。
【0020】
本発明により、消費者は自分のBMIを決定し、その後、それに応じてアプリケータを調節するか、または、自分のBMIに合う正しいアプリケータを選択することができる。これが達成されうる2つの方法がある。第1の実施形態では、調節可能なフィンガーグリップを利用する。胴部は、異なるBMIのための異なる深度の設置(different depth placement)と関連付けられたマークまたは隆起部を有することができる。使用者は、自分のBMIに従って、フィンガーグリップを調節するであろう。BMIが18.5〜25である場合、適切なマークまたは隆起部までフィンガーグリップをスライドさせるかまたは回すことによって、フィンガーグリップを調節して、(図7A〜図7Bに示されるように)身体内に挿入される胴部長さを短くすることができる。胴部およびフィンガーグリップは、ネジ山、および溝を備えていてよく、フィンガーグリップは、ネジのように回されるかまたはねじられて、設置の深度を調節する。より高いBMIを有する女性については、フィンガーグリップは、より大きな陰唇深さに適応するように、適切なマークまたは隆起部まで下方へ調節されうる。したがって、消費者は、自分のBMIに合わせて調節されうる1つのアプリケータを購入することができる。
【0021】
図10A〜図10Cに示される第2の実施形態では、フィンガーグリップとプランジャとの組み合わせにより、正しい設置深度が設定される。使用者は、自分のBMIに基づいて適切なサイズのアプリケータを選択するであろう。アプリケータは、BMIにより、適切にサイズ決めされている。プランジャ長さおよびフィンガーグリップ距離は、陰唇の深さに基づいて計算され、装置圧迫部材(device pressure member)が、処女膜輪より10mm上で、かつ対応的に尿道膀胱接合部に、置かれるようになっている。この実施形態では、消費者は、3つの異なるアプリケータのうちどれが自分に適切であるかを、自分のBMIに基づいて決定するためにパッケージを読んで、適切なアプリケータを購入することができる。本発明のアプリケータは、様々なBMIに適するように、表1に示されるとおり設計される。
【表1】

【0022】
本発明によるアプリケータは、向き表示部38も含むことができる。向き表示部38は、膣の中に失禁用装置を置くために用いられ、失禁用装置が配備されると、圧力を加える装置の部分は、尿道‐膀胱接合部に圧力を及ぼし、あらゆる固定部材が、膣の側面に位置する。向き表示部38は、アプリケータ内部の装置の向きを明らかに示す。表示部は、浮き出し線(raised line)、色付き線、点、打ち出し模様、または向きを示すあらゆる適切なマークもしくは形状であってよい。向き表示部は、従来のフィンガーグリップ、挿入深度表示器、および胴部自体のうちいずれか、またはすべてに設けられてよい。装置が、アプリケータ内部にあるときに向き表示部と整列されると、装置は、挿入後に身体に対して整合されるであろう。向き表示部38が、挿入深度表示器16の一部である場合、向き表示部38は、挿入深度表示器16の形状の一部であってよい。例えば、挿入深度表示器16は、表示部である先端を有することができる。
【0023】
本発明のアプリケータと共に用いるための適切な尿失禁用装置は、代理人整理番号PPC5238、2006年7月10日出願の米国特許出願第11/456,376号;代理人整理番号PPC5238USCIP1、2007年7月11日出願の米国特許出願第11/776,178号;代理人整理番号PPC5239、2006年7月10日出願の米国特許出願第11/456,390号;代理人整理番号PPC5240、2006年7月10日出願の米国特許出願第11/456,402号;代理人整理番号PPC5241、2006年7月10日出願の米国特許出願第11/456,424号;代理人整理番号PPC5241USCIP1、2007年7月11日出願の米国特許出願第11/776,185号;代理人整理番号PPC5242、2006年7月10日出願の米国特許出願第11/456,433号;および、代理人整理番号PPC5243、2006年7月10日出願の米国特許出願第11/456,442号の同時係属米国特許出願において教示された装置を含むが、これらに限定されない。
【0024】
本発明の本質、および本発明を実施するための方法をさらに例示するために、実施例が以下に記載される。しかしながら、本発明は、その詳細に限定されるものとみなされるべきではない。
【0025】
実施例1
図7A〜図7Bによる胴部およびプランジャ構成要素が、1%変性ポリエチレンスリップ添加剤で、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)から成型された。これらの構成要素のサンプルはまた、高密度ポリエチレン(HDPE)および低密度ポリエチレン(LDPE)からも成型された。しかしながら、LLDPEは、実際の使用試験用のえり抜きの材料(material of choice)であった。カラーおよびフィンガーグリップ構成要素も、単一キャビティ射出成型鋳型(single cavity injection molds)を用いた。フィンガーグリップスリーブおよび挿入深度表示器カラーは双方、アプリケータに、摩擦嵌めで取り付けられるように設計されており、カラーからペタルの基部までの距離は、約50mmであった。利用した材料は、C-flexという商用名の65‐デュロメーターの熱可塑性エラストマーであった。
【0026】
実施例2
本発明のアプリケータが装置を身体内に正確に置く能力を主に判断するために、使用試験が20人の女性に行われた。実施例1のアプリケータを用いて、膣内失禁用装置のプロトタイプが膣内に挿入された。1回目の試験は、被験者が、与えられたアプリケータおよび指示により、装置を挿入することであった。この試験では、医師は、挿入後に装置の設置をチェックし、装置が高すぎるか、正しい場所にあるか、または低すぎるかどうかを評価した。
【0027】
再び図9を参照すると、装置14は、膣100内の装置14の基部37が尿道‐膀胱接合部104より上に位置している場合に、高すぎるとみなされた。これは、触診および/または可視化により評価された。医師が装置14の基部37より前に恥骨110を感知することができた場合、装置は、高すぎるとみなされた。装置14は、装置14の作用部分(working portion)が尿道‐膀胱接合部104にある場合に、正しい場所にあるとみなされた。装置14が処女膜輪106を越えて少なくとも10mm膣100の中に入っていることを医師が見ることができた場合、または医師が恥骨110を感知する前に装置の基部37を感知することができた場合、装置14は、正しい場所にあるとみなされた。装置は、処女膜輪106の外側に置かれているか、または処女膜輪106を越えて10mm未満だけ膣100の中に入って置かれている場合に、低すぎるとみなされた。
【0028】
装置が不正確に置かれた場合(高すぎるか、または低すぎる)、被験者は、最初の設置についてのフィードバックにより、装置を再び挿入するよう求められた。アプリケータによる設置に関するこの研究の結果が、以下の表2に示される。
【表2】

【0029】
前記のデータに基づいて、本発明の装置は、最初に、またはガイダンスおよび熟練(practice)によって、膣の中の適切な位置に尿失禁用装置を置くのに効果的であることが、判断された。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】図1は、本発明のアプリケータの斜視図である。
【図2】図2は、図1のアプリケータの正面図である。
【図3】図3は、本発明の第2のアプリケータの斜視図である。
【図4】図4は、図3のアプリケータの側面図である。
【図5】図5は、図3のアプリケータの正面図である。
【図6A】図6Aは、本発明のアプリケータの代替的実施形態の部分側面図であり、挿入深度表示器の角度位置を示している。
【図6B】図6Bは、本発明のアプリケータの代替的実施形態の部分側面図であり、挿入深度表示器の別の角度位置を示している。
【図6C】図6Cは、本発明のアプリケータの代替的実施形態の部分側面図であり、挿入深度表示器の別の角度位置を示している。
【図7A】図7Aは、本発明のアプリケータの別の代替的実施形態の側面図であり、挿入深度表示器の長さ方向位置を示している。
【図7B】図7Bは、本発明のアプリケータの別の代替的実施形態の側面図であり、挿入深度表示器の別の長さ方向位置を示している。
【図8】図8は、尿失禁用装置が配備されるときの、図7Bのアプリケータの側面図である。
【図9】図9は、膣、膀胱、尿道、恥骨、尿道‐膀胱接合部、および陰唇の間の関係を示す、女性の骨盤の矢状方向断面図である。
【図10A】図10Aは、あるプランジャ長さを有する、本発明の別の代替的実施形態の側面図である。
【図10B】図10Bは、異なるプランジャ長さを有する、本発明の別の代替的実施形態の側面図である。
【図10C】図10Cは、異なるプランジャ長さを有する、本発明の別の代替的実施形態の側面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
膣内装置アプリケータにおいて、
長さ方向軸を有する挿入胴部と、
前記挿入胴部の中でスライド可能なプランジャと、
前記アプリケータと結合されて使用者の膣内に入る前記挿入胴部の適切な挿入深度を示すための調節可能な手段と、
複数の深度調節用印であって、前記深度調節用印のそれぞれは、予め決められたBMI範囲と関連付けられている、複数の深度調節用印と、
を含む、アプリケータ。
【請求項2】
請求項1に記載のアプリケータにおいて、
深度を示すための前記手段は、前記挿入胴部の前記長さ方向軸に沿って動くように配列され構成されている、アプリケータ。
【請求項3】
請求項1に記載のアプリケータにおいて、
深度を示すための前記手段は、複数の予め決められた位置を有する、アプリケータ。
【請求項4】
請求項3に記載のアプリケータにおいて、
前記複数の予め決められた位置は、18.5〜25のBMIを有する使用者のための前記膣内装置の適切な挿入深度を表す第1の場所、25〜30のBMIを有する使用者のための前記膣内装置の適切な挿入深度を表す第2の場所、および、30を超えるBMIを有する使用者のための前記膣内装置の適切な挿入深度を表す第3の場所を含む、アプリケータ。
【請求項5】
請求項1に記載のアプリケータにおいて、
向き表示部、
をさらに含む、アプリケータ。
【請求項6】
膣内装置を送達するためのシステムにおいて、
a)アプリケータであって、
i)挿入端部、反対側のグリッパー端部、および長さ方向軸を有する、実質的に管状の挿入胴部、
ii)前記挿入胴部の前記グリッパー端部から延び、前記挿入胴部の中でスライド可能である、プランジャ、ならびに、
iii)使用者の大陰唇にもたれかかるように配列され構成され、前記グリッパー端部に近接して前記挿入胴部から延びる、調節可能な挿入深度表示器、
を含む、アプリケータと、
b)前記挿入胴部内に実質的に収容された膣内装置と、
を含み、
前記調節可能な挿入深度表示器は、複数の深度調節用印を含み、前記深度調節用印のそれぞれは、予め決められたBMI範囲と関連付けられている、システム。
【請求項7】
請求項6に記載のシステムにおいて、
前記膣内装置は、失禁用装置である、システム。
【請求項8】
請求項6に記載のアプリケータにおいて、
前記挿入深度表示器は、前記挿入胴部の前記長さ方向軸に沿って動くように配列され構成されている、アプリケータ。
【請求項9】
請求項6に記載のアプリケータにおいて、
前記挿入深度表示器は、前記挿入胴部の表面の周りの実質的に螺旋状の通路に沿って動くように配列され構成されている、アプリケータ。
【請求項10】
請求項6に記載のアプリケータにおいて、
前記挿入深度表示器は、複数の予め決められた位置を有する、アプリケータ。
【請求項11】
膣内尿失禁用装置を挿入する方法において、
a)使用者のBMIを決定するステップと、
b)前記使用者のBMIに対応するBMI範囲を選択するステップと、
c)前記膣内尿失禁用装置を収容しているアプリケータと結合された挿入深度表示器を、選択された前記BMI範囲に調節するステップと、
d)前記挿入深度表示器が前記使用者の大陰唇に接触するまで、前記膣内装置アプリケータの挿入部分を前記使用者の膣の中に挿入するステップと、
e)前記アプリケータから前記膣の中に前記膣内尿失禁用装置を放出するステップと、
f)前記アプリケータを前記膣から取り外すステップと、
を含む、方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法において、
前記挿入深度表示器を調節する前記ステップは、挿入胴部の長さ方向軸に沿って前記挿入深度表示器を動かすステップを含む、方法。
【請求項13】
請求項11に記載の方法において、
前記挿入深度表示器を調節する前記ステップは、挿入胴部の表面の周りの実質的に螺旋状の通路に沿って前記挿入深度表示器を動かすステップを含む、方法。
【請求項14】
請求項11に記載の方法において、
前記挿入深度表示器を調節する前記ステップは、複数の予め決められた位置のうちの1つに、前記挿入深度表示器を動かすステップを含む、方法。
【請求項15】
膣内尿失禁用装置を挿入する方法において、
a)使用者のBMIを決定するステップと、
b)前記使用者のBMIに対応するBMI範囲を選択するステップと、
c)挿入深度表示器を有しており、選択された前記BMI範囲を有する膣内尿失禁用装置を収容しているアプリケータを選択するステップと、
d)前記挿入深度表示器が前記使用者の大陰唇に接触するまで、前記膣内装置アプリケータの挿入部分を前記使用者の膣内に挿入するステップと、
e)前記アプリケータから前記膣の中に前記膣内尿失禁用装置を放出するステップと、
f)前記アプリケータを前記膣から取り外すステップと、
を含む、方法。
【請求項16】
尿失禁を軽減するシステムにおいて、
a)複数のアプリケータであって、各アプリケータは、(1)膣内尿失禁用装置を収容しており、(2)前記アプリケータに収容された前記膣内尿失禁用装置を使用者の尿道‐膀胱接合部まで送達するのに適した寸法を有しており、(3)各アプリケータは、
i)挿入胴部、
ii)前記挿入胴部の中でスライド可能なプランジャ、
iii)挿入深度表示器、
を含む、複数のアプリケータと、
b)前記使用者のBMIに基づいて適切なアプリケータを選択する手段と、
を含む、システム。
【請求項17】
請求項16に記載のシステムにおいて、
前記アプリケータのうち少なくとも1つを収容するパッケージであって、前記パッケージは、前記パッケージと関連付けられ、かつ前記アプリケータを予め決められたBMI範囲と相互に関連させる、情報を有する、パッケージ、
をさらに含む、システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【公開番号】特開2009−240784(P2009−240784A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−80828(P2009−80828)
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【出願人】(591252839)マクニール−ピーピーシー・インコーポレイテッド (69)
【氏名又は名称原語表記】MCNEIL−PPC,INCORPORATED
【Fターム(参考)】