説明

尿沈渣分析装置

【課題】従来の尿沈渣自動分析装置においては、シース液タンクとシリンジポンプの間に加圧用ポンプを設けることでシリンジポンプでのシース液吸引時の負圧による発泡を抑制していた。しかし、加圧用ポンプの振動を装置に伝達させないために装置外側に配置する必要があり、設置床面積が増大する課題があった。また、一方で装置を長時間放置した後の使用の際、装置内の温度上昇により流路内のシース液温度が上昇し発生した気泡がフローセルに流れ込み、粒子検出数が高値になる課題があった。
【解決手段】従来、シース液の脈動を抑制するために設置していたエアバッファタンクに脱ガス機能を付加する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、尿中粒子の粒子数検出,粒子画像撮像を行う尿沈渣自動分析装置に係り、特に流路内脱ガス装置、および該脱ガス装置を搭載した尿沈渣自動分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
尿中に存在する結晶成分などの粒子状成分の撮影,解析を行う尿沈渣自動分析装置は、スライドガラス上に試料を塗布し、顕微鏡で自動観察するものと、フローセルを用いて試料液を流し、粒子状成分のみを撮影するものの2つに大別される。本発明は後者の分析装置を対象としており、以下、当該装置について説明を行う。
【0003】
検体である原尿をスピッツ管内で攪拌し、原尿が含む粒子成分を均一にした状態でスピッツ管からサンプリングする。
【0004】
次に染色液を吐出された染色容器にサンプリングされた尿サンプルを吐出し尿サンプルを染色する。
【0005】
染色された染色尿を染色容器からサンプリングし別流路からの誘導用のシース液と共にフローセルと呼ぶ薄い直方体状の空間に一定流速で流し込む。誘導用のシース液はシース液タンクから加圧用ポンプにてシリンジポンプへ圧送されシリンジポンプにより一定流速でフローセルへ送液する。シリンジポンプとフローセルの間にはエアバッファタンクが配置され、シース液の脈動を抑制する。
【0006】
フローセルの撮像部通過前のサンプルに対し、レーザダイオードからレーザ光を照射し、尿中の粒子成分の散乱光をとらえることにより、尿サンプル中の細胞の有無を検出する(フローサイトメトリー法)。尿中の粒子成分の散乱光は、反射鏡及び絞りを介して、検出器に到達する。検出器では、サンプル中の細胞を検出すると、その情報を粒子検出処理部に送る。粒子検出処理部では、検出器の検出情報を受け、レーザ検出から実際のカメラ撮像エリアへの遅れ時間後にランプ点灯制御部、および、同期制御部にそれぞれ検出情報を送出する。ランプ点灯制御部では、検出に応じ一定のパルス幅を発生して、ランプ駆動部に対して送り、ランプ駆動部がそのパルス幅の時間に合わせランプを点灯させる。ランプから出た光は非球面レンズ,視野絞り,開口絞り,コンデンサレンズを介して、フローセル上の撮像エリアにて集束する。その後、対物レンズを介してカメラに画像が到達する。このとき、ランプが点灯するタイミングに同期して、同期制御部からカメラに対し、トリガ信号,シャッター制御信号を送出し、カメラは該トリガ信号,シャッター制御信号に同期して、1フレームの撮像を行う。このようにランプの点灯とカメラの撮像を同期することにより、尿の測定サンプル中の細胞がフローセル中のカメラ撮像エリアを通過した瞬間にカメラが1フレームに画像として、該細胞を含んだ尿サンプルの画像を取り込むことができる。このような尿分析装置が例えば特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−300063号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
フローセル内に流れるシース液に混入した気泡はレーザユニットにより粒子として検出されるため分析結果に影響を与える恐れがある。
【0009】
シース液流路内に気泡が発生する要因は、シリンジポンプでのシース液吸引時の負圧による発泡、および流路内の温度上昇による発泡である。
【0010】
従来の尿沈渣自動分析装置においては、シース液タンクとシリンジポンプの間に加圧用ポンプを設けることでシリンジポンプでのシース液吸引時の負圧による発泡を抑制していた。しかし、加圧用ポンプの振動を装置に伝達させないために装置外側に配置する必要があり、設置床面積が増大する課題があった。
【0011】
また、一方で装置を長時間放置した後の使用の際、装置内の温度上昇により流路内のシース液温度が上昇し発生した気泡がフローセルに流れ込み、粒子検出数が高値になる課題があった。
【0012】
本発明の目的は、安価で小型な構成でシース液流路内の気泡のフローセルへの流入を抑制し、分析結果の信頼性確保とシステムの構成要素の簡略化を両立した尿沈渣自動分析装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するためには、気泡発生の抑制,発生した気泡の除去,気泡検出の抑制の解決手段が考えられるが、本発明では、発生した気泡除去の観点から以下の手段を提案する。
【0014】
従来、シース液の脈動を抑制するために設置していたエアバッファタンクに脱ガス機能を付加する。
【0015】
具体的にはエアバッファタンクの容積をシリンジポンプ容積と同等以上、かつシース液流入口から流入口よりも低位置に配置した流出口までの距離と断面積との比を規定した形状とする。エアバッファタンク内のシース液の流速が減速されることで、気泡の浮力が流速に勝り、気泡を流れから分離しタンク上方のエア抜き流路に捕捉することが可能となる。
【0016】
また、特許文献に記載の脱ガス装置の機能を上記尿沈渣自動分析装置に搭載されたエアバッファタンクに付加する。
【0017】
内部断面形状を円形とし、シース液流入口を中心から外した位置に配置する。エアバッファタンク内の流れを渦上に旋回させながら下降させることで垂直方向の流速を減速し気泡を分離,捕捉することが可能となる。
【0018】
また、シース液流入口をエアとシース液の境界面に向かう角度で配置する。気泡を含んだシース液流れとエアとシース液の境界層との接触により気泡をエア層に取り込み易くする。
【0019】
また、エアバッファタンク内に気泡除去用のフィルタを設ける。気泡による目詰まりが懸念される場合は定期的に逆流させる流路構成を採用する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、従来使用していた加圧用ポンプが不要になり、また、装置を長時間放置した後の先頭検体の粒子検出数が高値になる課題が解決できるため、システムの構成要素の簡略化および分析結果の信頼性確保を両立した尿沈渣自動分析装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態に係る尿沈渣自動分析装置の構成図。
【図2】本発明の第1の実施例を示す脱ガス装置構成図1。
【図3】本発明の第1の実施例を示す脱ガス装置構成図2。
【図4】本発明の第1の実施例を示す脱ガス装置構成図3。
【図5】本発明の第1の実施例を示す脱ガス装置構成図4。
【図6】本発明の別の実施例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明を以下実施例により詳細に説明する。
【実施例1】
【0023】
本実施形態に係る尿沈渣自動分析装置は、図1に示すように、主として、尿検体サンプリング機構2,尿検体染色機構3,尿検体染色槽4,染色尿サンプリング機構5,フローセル6,シース液タンク7,加圧用ポンプ8,シリンジポンプ9,エアバッファタンク10,フラッシュランプ11,レーザ照射部12,集光レンズ13,対物レンズ14,CCDカメラ15,フラッシュランプ制御部16,画像レビュー部17を備えて構成されている。図1において、検体ラック18には採取した尿検体1が入れられた複数の試験管が並べられている。検体ラック18は図示しないモータや回転軸等から構成されるラック搬送機構により位置決め可能に移動ができる構成となっている。
【0024】
尿検体サンプリング機構2は、尿検体分注用のシリンジポンプにより、尿検体を吸引,吐出可能であり、プローブ部分を上下,回転動作させるためのモータ、検知器,検知板を備え、位置決め可能に動作可能な構成となっている。
【0025】
尿検体染色機構3は、尿検体1を染色するための染色液を定量吐出するポンプ,位置固定のノズルを備えている。
【0026】
尿検体染色槽4は、円形のディスクの円周上に等間隔で複数個配置され、ディスク回転モータにより、尿検体1吐出位置,染色尿吸引位置,洗浄位置に移動することが可能な構成となっている。
【0027】
染色尿サンプリング機構5は染色尿分注用のシリンジポンプにより、染色尿を吸引,吐出可能であり、プローブ部分を上下,回転動作させるためのモータ,検知器,検知板を備え、位置決め可能に動作可能な構成となっている。
【0028】
フローセル6は、染色尿およびシース液の導入部分,厚さ数100μmの透明な流路を備え、染色尿,シース液を流し込み、かつ流体中の粒子検出,画像撮像が可能な構成となっている。
【0029】
また、加圧用ポンプ8,シリンジポンプ9,エアバッファタンク10によりシース液タンク7からフローセル6へシース液を脈流なく供給することが可能な構成となっている。
【0030】
フローセル内を流れる染色尿中の粒子は、レーザ照射部12により検出される。粒子検出信号がフラッシュランプ制御部16に送られ、フラッシュランプ制御部16によりフラッシュランプ11がレーザ検出信号と同期して動作するよう制御される。フラッシュランプ11より発光した光は集光レンズ13を介しフローセル6の測定部に照射され、照射された粒子画像は対物レンズ14により拡大されCCDカメラ15により撮像される構成となっている。
【0031】
以上のように構成された尿沈渣自動分析装置の動作について、以下に説明する。
【0032】
検体ラック18は図示しないモータや回転軸等から構成されるラック搬送機構により、サンプリング位置まで移動する。次に尿検体サンプリング機構2のプローブ部分が、回転動作用モータによりサンプリング位置まで到達した尿検体1上に移動する。その後、尿検体サンプリング機構2は、プローブ部分を上下動作用モータにより尿検体1吸引位置まで下降させ、図示しないシリンジポンプにより尿検体1を定量吸引する。尿検体1を吸引後、尿検体サンプリング機構は、プローブ部分を回転,上下動作用モータにより、あらかじめ尿検体染色機構3により染色液が定量吐出された尿検体染色槽4上に移動させ、尿検体1を定量吐出する。以上の動作により染色された染色尿は、尿検体染色槽4が図示しないモータにより染色尿サンプリング位置まで運ばれる。
【0033】
染色尿サンプリング機構5は、プローブ部分を回転動作用モータにより染色尿サンプリング位置上に移動させる。次に上下動作用モータによりプローブ部分を染色尿吸引位置まで下降させ、図示しないシリンジポンプにより定量吸引する。染色尿を吸引後、染色尿サンプリング機構5は、プローブ部分を回転,上下動作用モータによりフローセル6上に移動する。
【0034】
一方、フローセル内には、加圧用ポンプ8,シリンジポンプ9によりシース液タンク7から脈流抑制用のエアバッファタンク10を介して染色尿導入用のシース液が一定流速で流し込まれる。
【0035】
染色尿サンプリング機構5が、プローブ部分を上下動作用モータによりフローセル6の染色尿導入部分に押し当て、図示しないシリンジポンプにより染色尿を一定流速でフローセル6内に流し込む。
【0036】
フローセル6内に流し込まれた染色尿中の粒子は、レーザ照射部12より照射されたレーザ光の散乱光により粒子検出され、粒子検出信号と同期して動作するフラッシュランプ11,CCDカメラ15により、粒子画像を撮像する。
【0037】
撮像された粒子画像と粒子検出情報は画像レビュー部17に送られる。
【0038】
画像レビュー部では撮像された画像や粒子検出情報が格納され、随時ディスプレイで確認することが可能である。
【0039】
このような一連の動作は予め定められたシーケンスによって制御される。
【0040】
さて、本発明の実施形態は上記に説明された尿沈渣自動分析装置の構成のうちシース液タンク7からフローセル6までの流路構成に係る。
【0041】
図2にエアバッファタンク10に脱ガス機能を付加した例を示す。
【0042】
エアバッファタンク10の容積をシリンジポンプ9容積と同等以上とした形状となっている。
【0043】
本実施形態のエアバッファタンク10を係る装置に組み込んだ際には、エアバッファタンク10内にシース液は充填されていない。そのため、染色尿サンプリング機構5にてフローセル6の染色尿導入部分を密封し、フローセル6出口側流路に配置される弁を閉じ、エアバッファタンク10のエア抜き流路側に配置された弁19を開放した状態でシリンジポンプ9を動作させ、エアバッファタンク10内にシース液を流し込み充填させる分析前動作を実施する。
【0044】
分析動作においては、染色尿サンプリング機構5が尿検体1をフローセル6に流し込む動作を実施する前にエア抜き流路側に配置された弁19を閉じた状態でシリンジポンプ9を動作させフローセル6内にシース液を流量およそ0.1〜1ml/sで流し込む。染色尿サンプリング機構5が尿検体1をフローセル6に流し込む動作を終了した後は、フローセル6出口側流路に配置される弁を閉じ、エアバッファタンク10のエア抜き流路側に配置された弁19を開放し、エアバッファタンク10内の気泡24を除去する。
【0045】
そのため、エアバッファタンク10の容積をシリンジポンプ9の容積と同等以上とすることでシリンジポンプ9が押出すシース液中に含まれる気泡24がエアバッファタンク10の流出口に届く前に動作を終了することができる。すなわち、前動作の最終工程ではエアバッファタンク10内に充填されているシース液は脱気された状態であるので、次動作において気泡24を含んだシース液がエアバッファタンク10に流入した際にも前動作で脱気されたシース液が流出口22より流出されやすく、次動作で流入された気泡が流出口22より流出されにくい。
【実施例2】
【0046】
図3にエアバッファタンク10に脱ガス機能を付加した例を示す。
【0047】
シース液流入口21と、流入口21よりも低位置に配置した流出口22と、流入口21よりも高位置に配置したエア流出口20を備えたエアバッファタンク10において、流入口21から流出口22までの距離と内部断面積との比をおよそ1:10となる形状とする。
【0048】
シース液のエアバッファタンク10への流入流量がおよそ0.1〜1ml/sである尿沈渣自動分析装置の分析動作においては、図中Aのように容積一定で流入口21と流出口20の距離を短くすると、内部断面積が大きくなるためエアバッファタンク10内でのシース液流速は減速されるが、気泡が滞留する領域25内に流出口22が配置された状態になるため、気泡24が流出されやすい。
【0049】
逆に図中Bのように容積一定で流入口21と流出口22の距離を長くすると、流出口22を気泡が滞留する領域25から離すことができるが、エアバッファタンク10内でのシース液流速が十分に減速されないため、シース液の流速が気泡24の浮力に勝り、気泡24が流出されやすい。
【0050】
そのため、流入口21から流出口22までの距離と内部断面積との比により気泡24の流出の少ない条件を規定することができる。
【0051】
シース液のエアバッファタンク10への流入流量がおよそ0.1〜1ml/sで、容積一定の条件では、流入口21から流出口22までの距離と内部断面積との比が1:10前後で気泡24流出抑制効果が得られる。
【実施例3】
【0052】
図4にエアバッファタンク10に脱ガス機能を付加した例を示す。
【0053】
シース液流入口21と、流入口21よりも低位置に配置した流出口22と、流入口21よりも高位置に配置したエア流出口20を備え、内部断面形状を円形とし、シース液流入口21を中心から外した位置に配置する。
【0054】
つまり、この構成によれば、エアバッファタンク10において、流入口21からの液流入、及び、平面視円形の容器内部断面形状による案内により、容器内の液を平面視において容器中心軸芯周りで旋回させ、この旋回により、流入液中の気泡24を液との旋回慣性の差で容器内液の旋回中心部に効率的に集合させて液との分離を促進した状態で、それら気泡24を液面上へ浮上させることができ、これにより、流出口22を流入口21よりも低位置に配置して流出口22からの流出液に気泡24が随伴するのを防止した状態の下で、流入液から液中の気泡24を能率良く分離除去することができる。
【0055】
本実施例によれば旋回慣性の差を利用して気泡24を分離することで、従来装置の如くシース液の脈流を抑制する機能だけでなく脱ガス装置としての機能を付加することができる。
【実施例4】
【0056】
図5にエアバッファタンク10に脱ガス機能を付加した例を示す。
【0057】
シース液流入口21と、流入口21よりも低位置に配置した流出口22と、流入口21よりも高位置に配置したエア流出口20を備え、シース液流入口21をエアとシース液の境界面に向かう角度で配置する。
【0058】
つまり、この構成によれば、エアバッファタンク10において、シリンジポンプ9より流入する気泡24を含んだシース液流れを、エアバッファタンク10上部のエアバッファ層に向けることで、エアバッファ23とシース液の境界層との接触により気泡24をエア層に取り込み易くできる。また、エアバッファタンク10上部に向けることで、気泡が滞留する領域25がエアバッファタンク10高位置に遷移するため、流出口22より気泡24が流出するのを抑制する効果が得られる。
【実施例5】
【0059】
図6にエアバッファタンク10に脱ガス機能を付加した例を示す。
【0060】
シース液流入口21と、流入口21よりも低位置に配置した流出口22と、流入口21よりも高位置に配置したエア流出口20と、流入口21と流出口22の間に配置したフィルタ26と、フィルタ26と流出口22の間に配置した逆流用流入口28と、逆流用流入口28およびシース液流入口21に接続された三方弁27を備える。
【0061】
つまり、この構成によれば、エアバッファタンク10において、シリンジポンプ9より流入するシース液中に含まれる気泡24を、流入口21と流出口22の間に配置したフィルタ26により捕捉することができる。
【0062】
尿沈渣自動分析装置における分析動作は、逆流用流入口28およびシース液流入口21に接続された三方弁27をシース液流入口21に流れるように切り替えた状態で行い、シリンジポンプ9にて押出されたシース液は三方弁27を通り、シース液流入口21よりエアバッファタンク10に流れ込む。流れ込んだシース液に含まれる気泡24はエアバッファタンク10内の流れに随伴し、流入口21と流出口22の間に配置したフィルタ26により捕捉されるため、フィルタ26を通過した気泡24を含まないシース液が流出口22より流出される。
【0063】
繰返し動作の際の気泡24によるフィルタ26の目詰まりが懸念される場合には、逆流用流入口28およびシース液流入口21に接続された三方弁27を逆流用流入口28に流れるように切り替え、エア抜き流路を開放した状態でシリンジポンプ9を動作させエアバッファタンク10内の流れを逆流させる。フィルタ26に捕捉された気泡24は、本逆流動作によりフィルタ26から離脱しエア抜き流路にて除去される。
【0064】
本実施例によれば、フローセル6への気泡24流入を抑制し、フィルタ26の交換周期を伸ばすことができる。
【符号の説明】
【0065】
1 尿検体
2 尿検体サンプリング機構
3 尿検体染色機構
4 尿検体染色槽
5 染色尿サンプリング機構
6 フローセル
7 シース液タンク
8 加圧用ポンプ
9 シリンジポンプ
10 エアバッファタンク
11 フラッシュランプ
12 レーザ照射部
13 集光レンズ
14 対物レンズ
15 CCDカメラ
16 フラッシュランプ制御部
17 画像レビュー部
18 検体ラック
19 エア抜き弁
20 エア抜き流出口
21 シース液流入口
22 シース液流出口
23 エアバッファ
24 気泡
25 気泡が滞留する領域
26 フィルタ
27 三方弁
28 逆流用流入口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
尿サンプルを包み込むシース液によりフローセル中に尿サンプルの流れを形成し、前記フローセルを通過する尿中粒子を分析する尿沈渣自動分析装置において、
前記シース液を前記フローセルに供給する流路の途中に設けられたエアバッファタンクにシース液流入口と、流入口よりも低位置に配置した流出口と、流入口よりも高位置に配置したエア流出口を備え、容積をシリンジポンプ容積と同等以上としたことを特徴とする尿沈渣自動分析装置。
【請求項2】
尿サンプルを包み込むシース液によりフローセル中に尿サンプルの流れを形成し、前記フローセルを通過する尿中粒子を分析する尿沈渣自動分析装置において、
前記シース液を前記フローセルに供給する流路の途中に設けられたエアバッファタンクが、シース液流入口と、流入口よりも低位置に配置した流出口と、流入口よりも高位置に配置したエア流出口を備え、シース液流入口から流出口までの距離と断面積との比を1:10前後としたことを特徴とする尿沈渣自動分析装置。
【請求項3】
尿サンプルを包み込むシース液によりフローセル中に尿サンプルの流れを形成し、前記フローセルを通過する尿中粒子を分析する尿沈渣自動分析装置において、
前記シース液を前記フローセルに供給する流路の途中に設けられたエアバッファタンクが、シース液流入口と、流入口よりも低位置に配置した流出口と、流入口よりも高位置に配置したエア流出口を備え、内部断面形状を円形とし、シース液流入口を中心から外した位置に配置し、エアバッファタンク内のシース液の流れを渦状に旋回させる構成としたことを特徴とする尿沈渣自動分析装置。
【請求項4】
尿サンプルを包み込むシース液によりフローセル中に尿サンプルの流れを形成し、前記フローセルを通過する尿中粒子を分析する尿沈渣自動分析装置において、
前記シース液を前記フローセルに供給する流路の途中に設けられたエアバッファタンクが、シース液流入口と、流入口よりも低位置に配置した流出口と、流入口よりも高位置に配置したエア流出口を備え、シース液流入口をエアとシース液の境界面に向かう角度で配置したことを特徴とする尿沈渣自動分析装置。
【請求項5】
尿サンプルを包み込むシース液によりフローセル中に尿サンプルの流れを形成し、前記フローセルを通過する尿中粒子を分析する尿沈渣自動分析装置において、
前記シース液を前記フローセルに供給する流路の途中に設けられたエアバッファタンクが、シース液流入口と、流入口よりも低位置に配置した流出口と、流入口よりも高位置に配置したエア流出口と、流入口と流出口の間に配置したフィルタと、フィルタと流出口の間に配置した逆流用流入口と、逆流用流入口およびシース液流入口に接続された三方弁を備えたことを特徴とする尿沈渣自動分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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