説明

尿素造粒プラントにおけるエーロゾル放出物の低減方法

本発明は、濃縮された尿素溶液を造粒するための方法に関し、その際、該造粒により尿素造粒物と粉塵を有する空気とが生成され、該空気は、その後、粗大な粉塵を低濃度の尿素溶液で除去する粉塵スクラバー中へ供給され、該スクラバーはアンモニア、二酸化炭素、水を含む空気、及び主としてイソシアン酸アンモニウムと非常に微小な尿素昇華物の一部とを含むエーロゾルを放出し、ここで、該エーロゾルは、その後分離されて、ストリッピングを含む異性化ユニット中へ供給され、イソシアン酸アンモニウムは蒸気と反応して尿素を形成し、その尿素は、次いで低濃度の尿素溶液として粉塵スクラバー中へ再び送られ、そして残余の空気は、清浄な空気を大気中に放出する酸性スクラバー中へ送られ、それにより、最終的には、イソシアン酸アンモニウムのエーロゾルが尿素中へ再循環される。本発明は関連する方法を遂行するための装置にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、尿素造粒プラントにおけるエーロゾルの放出物を、結果として生じるスクラバーブリードの回収によって低減する方法に関する。該方法は、ガス流からイソシアン酸アンモニウムを除去する尿素異性化ユニットに連結された造粒機中の尿素造粒物の公知の製造を説明する。造粒機からのブリード中のイソシアン酸アンモニウムは、更なる工程で一部は加水分解され、そして一部は尿素へ異性化される。この異性化された尿素は、液相中に供給されてその後粉塵除去システム又はスクラビングシステム中へ戻される。本発明は、上記の関連する方法を利用する尿素造粒物の製造のための装置にも関する。
【0002】
尿素は、普通、濃縮された尿素溶融物を結晶化することによって製造される。その溶融物は、高い温度で造粒を行い、そして溶融物中の水を蒸発させる造粒機中へ導入される。結果として得られる造粒された粒子は、通常、所望の用途で使える状態になる形状で得られる。高い温度に起因して、可逆化反応に従って、尿素の一部はイソシアン酸アンモニウムへと転化される。それぞれの化学反応式は次のとおり:
【化1】

この反応によって、尿素の一部が分解し、そして造粒機から出る空気流に入るイソシアン酸アンモニウムが生成する。この反応は、尿素の異性体であるイソシアン酸アンモニウムを所望の生成物尿素へと異性化できるという結果と可逆性である。イソシアン酸アンモニウムは、水により、最終的には高い温度で二酸化炭素、アンモニア、及び水を生じるカルバミン酸アンモニウムへとさらに分解する:
【化2】

しかしながら、最終分解生成物である二酸化炭素及びアンモニアは、尿素に異性化することはできないが、尿素製造工程中へ再循環させることはできる。
【0003】
工程全体の経済性を保つために、生成物尿素を副生成物から分離して、それを再び製造工程に送るのが好ましい選択肢である。イソシアン酸アンモニウムは、通常、エーロゾルとして得られるため、そのエーロゾルを分離することにより、イソシアン酸アンモニウムの尿素への異性化を可能にする。ガス状の副生成物である二酸化炭素とアンモニアは残され、そして製造工程中へ再び送られる。さらに、イソシアネートは、大気中へ放出される場合がしばしばあり、これは環境に有害となり得る。従って、工程は、イソシアネートの環境中への放出量を低減する又は放出を排除する方法も望まれている。
【0004】
尿素製造の排ガスからのアンモニアの回収は知られている。国際公開第2005/032696A1号パンフレット(特許文献1)は、肥料、好ましくは尿素の製造中に生成される廃棄ガスからアンモニア及び粉塵を除去する方法を記載している。廃ガスは、これをスクラビング水で洗浄する第一の洗浄機中に導入される。排気ガスによって引き起こされる環境汚染を目覚しく低減するのを可能にするために、造粒機からの廃棄ガス並びに造粒機からの冷却ガスの両方を上記の洗浄機を出る前に少なくとも一つの水滴除去装置(drop eliminator)に通過させる。しかしながら、上記の発明は、たびたび生じる造粒の副生成物であるイソシアン酸アンモニウムをどのように再循環させるかについては何も教示していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2005/032696A1号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2005/075383A1号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、副生成物であるイソシアン酸アンモニウム、アンモニア、及び水を捕獲し、そしてイソシアン酸アンモニウムを、通常、分離可能なエーロゾルとして又は微小な粒子として得られる尿素造粒由来の副生成物から分離する方法を見出すことが望まれている。さらに、その望ましい方法は、イソシアン酸アンモニウムを尿素へと異性化し、そしてこれを製造工程に再び送り込むべきである。望ましい方法は、ガスのスクラビングシステムも供給し、そして反応熱を回収する手段を供給するべきである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、尿素造粒に由来するアンモニア、二酸化炭素、及びエーロゾルを再循環する方法を記載する。エーロゾルはその主要な部分であるイソシアン酸アンモニウムを含み、該イソシアン酸アンモニウムは、第一のステップで分離され、そしてその後、製造工程へ再循環される前に、第二のステップで加水分解され、そして尿素へと異性化される。上記の製造工程への再循環ステップにより、尿素溶液を粉塵スクラバーへ送ることができる。粉塵スクラバーは、通常、尿素溶液も使用するが、通常の再循環ステップの結果生じる低減された濃度の尿素溶液を使用することも可能である。また、汚染された尿素をこの目的で使用することもできる。ガス状の副生成物である二酸化炭素、アンモニア、及び水は、尿素の製造工程中へ再度送られる。
【0008】
本発明は、製造工程によって与えられた反応熱を回収するための適当な手段も特許請求の範囲に記載している。本発明は、結果として生じる排ガスをスクラビングかつ洗浄する適当な手段も提供する。本発明は、この方法、及びその望ましい方法を遂行する装置を特許請求の範囲に記載する。本発明は、特許請求の範囲に記載の方法によって製造された、造粒された尿素生成物も特許請求の範囲に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明の方法の製法フローを示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、特に、尿素造粒物及び粉塵排気、アンモニア及びイソシアン酸アンモニウムを与える、濃縮された尿素溶液及び含まれている水の蒸発からの尿素を生成する造粒機、及び
引き続く粉塵をスクラビング又は除去する段、及び
引き続く、空気及びアンモニアの排気の第一のストリーム及びイソシアン酸アンモニウム及び水の第二のストリームを放出する、特別に設計された噴霧器及び収集パッドを用いるエーロゾル段、
を備える、尿素造粒プラントからのエーロゾル放出物を、結果として生じるスクラバーブリードの処理によって低減する方法であって、
前記イソシアン酸アンモニウム、幾分かの尿素及び水の第二のストリームが、イソシアン酸アンモニウムの部分が尿素へと異性化されて戻される異性化ユニット中へ供給され、その際に、イソシアン酸アンモニウムの尿素への異性化が、ストリッピングカラム中で、そのカラムの底部へ低圧蒸気を供給することで行われ、そして
前記ストリッピングカラム中で結果として得られた尿素が、液相中へ供給され、そして残存するアンモニア及び二酸化炭素が前記カラムの頂部から放出される、
ことを特徴とする、上記の方法を特許請求の範囲に記載する。
【0011】
本発明を用いることにより、所望のいずれの位置においても、方法中へ、熱交換器又は冷却器を含めることができる。特に、イソシアン酸アンモニウムの分離後に、熱交換器を方法中に含めることができ得る。特に、エーロゾルスクラバーからの低温ブリードストリームを、これがストリッピングカラムに入る前に加熱することができ得る。このステップにおいて工程温度がより高いことにより、異性化率が増大する。従って、温度は100〜200℃であるべきである。従って、方法全体の経済的な遂行のために、エーロゾル段から分離されたエーロゾルを熱交換器を通して良好に供給できる。熱交換器のための適当な熱源は、異性化ユニットからの尿素を有する液体再循環相である。熱交換器を組み込めない場合には、慣用の熱源を使用することもできる。
【0012】
典型的には、造粒後、その造粒に由来する残余の空気及び粉塵を粉塵段中に送る。この段は、アンモニアのような生成ガス由来の粉塵のほとんどを分離し、そして、通常、イソシアン酸アンモニウムと残余の尿素とを含む。空気は、その後、微小な粒子及び、圧倒的部分のイソシアン酸アンモニウム及び非常に微小な尿素昇華物の部分を含むエーロゾルを分離するエーロゾル段中へ送られる。エーロゾル段は、エーロゾルを適切に分離可能な、特別に設計された噴霧器及び収集パッドを好ましく備える。粉塵を含む廃ガスを、中間の粉塵分離段を用いずにエーロゾル段へ直接送ることもできる。しかし、この場合には、エーロゾル段における粉塵の装入量がより高いために、本発明の好ましい実施の形態においては粉塵分離段が使用される。
【0013】
エーロゾル分離段に由来する残余のガスは、空気及び残余のアンモニアを含んだままである。この方法の典型的な実行において、残余のガスは、酸性のスクラビングシステムで除去できる少量のアンモニアを含んだままである。従来の方法のいずれかでそのガスを洗浄することができる。物理液又は化学液でそのガスを洗浄することもできる。適当なスクラビングシステムは従来技術である。
【0014】
尿素の回収を目的とするイソシアン酸アンモニウムの異性化は、ストリッピングカラム中で行われる。ストリッピングカラムは、所望の構成のいずれのものであることもできる。構成の好ましい方法では、カラムを、ガスを放出するカラム頂部及び液体を放出するカラム底部を備えるように構成できる。カラムは、頂部で水蒸気、アンモニア及び二酸化炭素を、そして、カラムの底部で希釈された尿素溶液を効率的に分離するためのいくつかのトレイと共に供給できる。カラムは、加熱又は冷却する適当な手段全てと共に供給できる。回収ユニットも、圧力又は真空を設定するための手段全てと共に供給できる。構成の好ましい方法において、ストリッピングカラムは、温度及び圧力を維持するために低圧蒸気で加熱され、主としてアンモニア、二酸化炭素、及び水を含むガスをカラム頂部で放出する。イソシアン酸アンモニウムは、加熱された状態でカラムに入り、蒸気及び水の存在下で尿素へ異性化される。
【0015】
結果として得られた尿素溶液は、典型的には、40〜85質量%の濃度を有する。尿素は、水を含む高温の液体溶液を形成し、そして、通常、粉塵分離段へ再び送られる。任意に、結果として得られた尿素溶液の濃縮を採用してよい。しかしながら、結果として得られた尿素溶液を造粒工程へ再び送る、あるいはそれを非製造目的で使用することもでき得る。
【0016】
本発明の方法は、造粒物の製造にだけ適しているわけではない。同様に、尿素の粉末、溶液、凝集化材料、又は顆粒を製造するのに使用できる
【0017】
異性化ユニットから結果として生じたガス相はアンモニア、二酸化炭素及び水をなお含んでおり、これは通常、尿素合成ユニットの低圧カルバメート凝縮器中に供給される。本発明の好ましい実施形態において、二酸化炭素、アンモニア及び水から残されたカルバメートは凝縮器中へ導入され、そこでは、圧力が減じられ、そして比較的低温で低圧及び蒸気が導入される。その結果、残余のアンモニウムカルバメートがより良好に凝縮される。凝縮されたカルバメートのストリームは、その後、尿素合成ユニットへ再循環される。
【0018】
造粒ステップにおける工程条件は、通常、尿素造粒に典型的に用いられる条件である。造粒の出発材料としての尿素溶液の典型的な濃度は、90〜99質量%の濃度である。粉塵除去段のための供給物の濃度は低濃度であってよい。すなわち、粉塵スクラバーへ行く尿素溶液は、典型的には40〜85質量%の小さい濃度で供給できる。濃縮化ステップはいずれの工程段でも採用してよい。造粒は、通常、110〜130℃の温度で行う。尿素造粒の典型的な方法は、国際公開第2005/075383A1号パンフレット(特許文献2)に与えられている。
【0019】
異性化ユニット中の運転条件は、通常、造粒ステップにおける場合と異なる。異性化ユニットは、典型的には、100〜180℃の温度及び2.0〜9.0バールの圧力で稼動するストリッピングカラムを含む。回収条件に依存して、生成物の状態に依存して変わり得る。
【0020】
本発明は、上述の方法を行うための装置にも関する。本発明の装置は、典型的には、尿素造粒ユニット、粉塵を分離する粉塵分離ユニット、及び主としてイソシアン酸アンモニウム及び一部として非常に微小の尿素昇華物を含むエーロゾルを分離するエーロゾル分離ユニットを含む。任意に、この装置は、酸性成分由来の排気ガスを洗浄するスクラビングユニットも含む。関連する装置は従来技術であるため、本明細書のいずれかの箇所において説明されている。
【0021】
この装置は、加熱ユニット及びストリッピングカラムからなる異性化ユニットも含む。ストリッピングカラムは、従来技術のストリッピングカラムであることができる。ストリッピングカラムは、通常、加熱、冷却、及び排出のためのデバイス類を含む。場合によって、該カラムは加圧するためのデバイスを含んでよい。ストリッピングカラムは、液体又は気体を排出するための必要なデバイスを含む。該カラムは、リボイラー又は蒸気入り口も含む。蒸気入り口の場合には低圧蒸気入り口も含む。
【0022】
本発明は、尿素溶液を造粒するための造粒機、及び
引き続く、粉塵を除去するためのスクラバー、及び
引き続く、エーロゾルを除去するための、設計された噴霧システム及び収集パッドを備えるエーロゾル段、
からなる、尿素造粒物を製造する装置であって、
主としてイソシアン酸アンモニウム及び一部の非常に微小な尿素昇華物を含む前記分離されたエーロゾルが異性化ユニット中へ供給可能であること、その際に、
前記異性化ユニットがストリッピングカラムを含み、気体の取り出し部を該カラムの頂部に、かつ、液体の取り出し部を該カラムの底部に備えることを特徴とする、上記の装置を、特許請求の範囲に記載する。
【0023】
本発明はまた、尿素造粒物を製造する装置であって、エーロゾル段とストリッピングカラムとの間に組み込まれた熱交換器を含むことを特徴とする、上記の装置も特許請求の範囲に記載する。この熱交換器は、通常、生成物の汚染を避けるために、間接的なタイプのものである。しかしながら、冷却水タイプであり、かつ生成物の品質がこれを許容するものであれば、直接的なタイプであってもよい。かくして、運転費用及び投資費用を低減できる。本発明はまた、尿素回収システムからのガス状の排気を収集し、そして残余のカルバメートを凝縮でき、そして排気できるように、低圧カルバメート凝縮器を含む尿素造粒物を製造するための装置も、特許請求の範囲に記載する。
【0024】
本発明を、本発明を説明する図面によって説明するが、この図面は本発明の範囲を制限するものではない。これは説明的な例としての役割を果たすものである。
【0025】
図1は、本発明の方法のプロセスフローを示しており、左側の造粒機から出発する。乾燥空気及び濃度90〜99質量%の尿素溶融物が、造粒機の出発材料として使用され、該造粒機は生成物として尿素造粒物を製造する。乾燥空気は、粉塵、アンモニア、イソシアン酸アンモニウム、及び水を含む空気として造粒機を出て、粉塵スクラバーへ入る。粉塵スクラバーは、空気から粗大な粉塵粒子を除去し、そして、わずかに濃縮された、典型的には40〜85質量%の尿素溶液が供給される。添加された水の蒸発後、粉塵スクラバーからの尿素溶液が造粒された尿素生成物を生成する。粉塵スクラバーは、アンモニア、二酸化炭素、イソシアン酸アンモニウム及び水を含む空気も放出し、これはその後エーロゾル分離段に入る。エーロゾル段からのブリードは、主要な部分のイソシアン酸アンモニウム及び非常に微小の尿素昇華物の部分を含んでおり、これが熱交換器に入り、そしてその後、異性化ユニットとして機能するストリッピングカラムに入る。イソシアン酸アンモニウムは尿素へ異性化され、そして高温の溶液としてストリッピングカラムを出る。高温の溶液はカラムを出て、そして熱交換器によって入ってくる液体を加熱する。ストリッピングカラムの頂部では、ガスがアンモニア、二酸化炭素及び水と共に放出される。このガスは尿素合成工程に再び送ることができる。ストリッピングカラムからの尿素液は、粉塵スクラバーへ再び送られる。ストリッピングカラムには、低圧蒸気を供給できる。エーロゾル段は、イソシアン酸アンモニウムのエーロゾルの他に、残余部分のアンモニア及び酸性ガスを含む空気を放出する。その空気は、残余のアンモニアを除去し、そしてアンモニア及び酸性ガスのない清浄な排ガスを大気中に放出するための酸性スクラバーへ送られる。
【符号の説明】
【0026】
1 乾燥空気
2 溶融物
3 わずかに濃縮された尿素溶液
4 清浄な水
5 造粒機
6 生成物
7 粉塵、アンモニア、イソシアネートを含む空気
8 粉塵スクラバー
9 蒸発
10 アンモニア、イソシアネートを含む空気
11 エーロゾル分離段
12 アンモニアを含む空気
13 酸性スクラバー
14 大気中への排ガス
15 異性化ユニット
16 熱交換器
17 ストリッピングカラム
18 低圧蒸気
19 アンモニア、二酸化炭素、水

【特許請求の範囲】
【請求項1】
尿素造粒物及び粉塵、アンモニア及びイソシアン酸アンモニウムの排気を与える、濃縮された尿素溶液及び含まれている水の蒸発から尿素を生成する造粒機、及び
引き続く粉塵をスクラビング又は除去する段、及び
引き続く、空気及びアンモニアの排気の第一のストリーム及びイソシアン酸アンモニウム及び水の第二のストリームを放出する、特別に設計された噴霧器及び収集パッドを用いるエーロゾル段、
を備える、尿素造粒プラントからのエーロゾル放出物を、結果として生じるスクラバーブリードの処理によって低減する方法であって、
前記イソシアン酸アンモニウム及び水の第二のストリームが、イソシアン酸アンモニウムの部分が尿素へと異性化されて戻される異性化ユニット中へ供給され、その際に、イソシアン酸アンモニウムの尿素への異性化が、ストリッピングカラム中で、そのカラムの底部へ低圧蒸気を供給することで行われ、そして
前記ストリッピングカラム中で結果として得られた尿素が、液相中へ供給され、そして残存するアンモニア及び二酸化炭素が前記カラムの頂部から放出される、
ことを特徴とする、前記方法。
【請求項2】
前記ストリッピングカラムからの尿素を含む液相が、濃縮段階で濃縮されることを特徴とする、請求項1に記載の結果として生じるスクラバーブリードの処理によって尿素造粒プラントからのエーロゾル放出物を低減する方法。
【請求項3】
前記ストリッピングカラムからの尿素を含む液相が、前記造粒機又は分離ユニットへ再循環されるか、あるいは非製造目的で使用されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の結果として生じるスクラバーブリードの処理によって尿素造粒プラントからのエーロゾル放出物を低減する方法。
【請求項4】
前記イソシアン酸アンモニウム及び水の排気が、前記異性化ユニットへ入る前に熱交換器中へ供給されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つに記載の結果として生じるスクラバーブリードの処理によって尿素造粒プラントからのエーロゾル放出物を低減する方法
【請求項5】
前記異性化ユニットからの結果として生じるアンモニア、二酸化炭素及び水の気相が、カルバメートを液体に凝縮し、そしてこれを尿素合成に戻す、カルバメート凝縮機中へ供給されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一つに記載の、結果として生じるスクラバーブリードの処理によって尿素造粒プラントからのエーロゾル放出物を低減する方法。
【請求項6】
前記異性化ユニットにおける温度及び圧力を維持するために、前記ストリッピングカラムが低圧蒸気を使用することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一つに記載の、結果として生じるスクラバーブリードの処理によって尿素造粒プラントからのエーロゾル放出物を低減する方法。
【請求項7】
前記エーロゾル段からのガス状の排気が、そのガス状排気が粉塵及び微小な粒子及び残余のアンモニアから清浄される、酸性のスクラバー中に供給されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一つに記載の、結果として生じるスクラバーブリードの処理によって尿素造粒プラントからのエーロゾル放出物を低減する方法。
【請求項8】
前記ストリッピングカラムにおける操作条件が、100〜180℃及び2.0〜9.0バールの圧力に設定されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一つに記載の、結果として生じるスクラバーブリードの処理によって尿素造粒プラントからのエーロゾル放出物を低減する方法。
【請求項9】
前記造粒機に、90〜99質量%の濃度の濃縮された尿素溶液が供給されることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一つに記載の、結果として生じるスクラバーブリードの処理によって尿素造粒プラントからのエーロゾル放出物を低減する方法。
【請求項10】
尿素溶液を造粒するための造粒機、及び
引き続く、粉塵を除去するためのスクラバー、及び
引き続く、エーロゾルを除去するための、設計された噴霧システム及び収集パッドを備えるエーロゾル段、
からなる、尿素造粒物を製造する装置であって、
主としてイソシアン酸アンモニウムを含む前記分離されたエーロゾルが、異性化ユニット中へ供給可能であること、その際に、
前記異性化ユニットがストリッピングカラムを含み、該カラムが気体の取り出し部を該カラムの頂部に、かつ、液体の取り出し部を該カラムの底部に備えることを特徴とする、前記装置。
【請求項11】
前記装置が、前記エーロゾル段と前記ストリッピングカラムとの間に組み込まれた熱交換器を含むことを特徴とする、請求項10に記載の尿素造粒物を製造する装置。
【請求項12】
前記異性化ユニットが、前記異性化ユニットの前記ストリッピングカラムに低圧蒸気を供給する低圧蒸気供給器に接続されることを特徴とする、請求項10又は11に記載の尿素造粒物を製造する装置。
【請求項13】
前記装置が、前記異性化ユニットからのガス状の排気を収集し、そして残余のカルバメートを凝縮し、そして廃棄する低圧のカルバメート凝縮器を含むことを特徴とする、請求項10〜12のいずれか一つに記載の尿素造粒物を製造する装置。

【図1】
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【公表番号】特表2011−520749(P2011−520749A)
【公表日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−508818(P2011−508818)
【出願日】平成21年5月4日(2009.5.4)
【国際出願番号】PCT/EP2009/003171
【国際公開番号】WO2009/138178
【国際公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【出願人】(510300544)ウーデ・フェルティリツァー・テヒノロギー・ベスローテン・フェンノートシャップ (2)
【Fターム(参考)】