説明

局部洗浄装置

【課題】ノズルクリーニングにより局部洗浄ノズルの先端部に付着した汚れを除去しやすくする。
【解決手段】局部洗浄ノズル2の上面部2dに洗浄水5を吐出する吐出口4を設け、局部洗浄ノズル2を局部洗浄を行う前方突出位置と後方収納位置との間で前後移動可能に設けると共に、前記後方収納位置にある局部洗浄ノズル2の吐出口4から洗浄水5を噴出させて局部洗浄ノズル2の外表面の汚れを除去するノズルクリーニングを行う局部洗浄装置である。局部洗浄ノズル2の先端部2aにその上端2bから下端2cに行く程前方に位置するように傾斜した水勾配6を形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、局部洗浄装置に関し、詳しくはノズルクリーニングにより局部洗浄ノズルの外表面の汚れを除去する局部洗浄装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、この種の局部洗浄装置として、人体の局部を洗浄する局部洗浄ノズルを、ノズルホルダーに収納した後方収納位置と局部洗浄を行う前方突出位置との間で前後移動させるようにしたものが一般的な構造である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この局部洗浄装置では、局部洗浄のときには前方に突出した局部洗浄ノズルが人体の局部に接近して吐出口から洗浄水を噴射する。この洗浄の際に局部洗浄ノズルは汚水や汚物を浴びやすい。そこで局部洗浄ノズルの外表面に付着した汚れを局部洗浄用の洗浄水を利用して洗い落とすためのノズルクリーニングを実施する。このノズルクリーニングは、局部洗浄動作の前或いは後で、後方収納位置にある局部洗浄ノズルの吐出口から所定量の洗浄水を吐出させる。この洗浄水は局部洗浄ノズルを覆っているノズルホルダーの内面に当たって局部洗浄ノズルの吐出口周辺部に跳ね返り、局部洗浄ノズルの外表面に付着した汚れを流し落とすというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特公平1−43101号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特許文献1に示される従来例にあっては、局部洗浄ノズル2”の先端部2aは、図5のように局部洗浄ノズル2”の軸線方向Mと直交する垂直面で形成されている。このため上面部2dの吐出口周辺部Nを洗浄する洗浄水5が図5の矢印方向に流れ落ち、垂直面からなる先端部2aには回り込みにくくなる。結果、先端部2aに付着している汚れAが残りやすいという問題があった。
【0006】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、ノズルクリーニングにより局部洗浄ノズルの先端部に付着した汚れを除去しやすくできる局部洗浄装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の課題を解決するために、本発明は、局部洗浄ノズルの上面部に洗浄水を吐出する吐出口を設け、局部洗浄ノズルを局部洗浄を行う前方突出位置と後方収納位置との間で前後移動可能に設けると共に、前記後方収納位置にある局部洗浄ノズルの吐出口から洗浄水を噴出させて局部洗浄ノズルの外表面の汚れを除去するノズルクリーニングを行う局部洗浄装置であって、前記局部洗浄ノズルの先端部にその上端から下端に行く程前方に位置するように傾斜した水勾配を形成してなることを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る局部洗浄装置は、局部洗浄ノズルの先端部に付着した汚れをノズルクリーニングにより除去しやすくできるものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施形態の局部洗浄ノズルを内蔵した局部洗浄装置を示す斜視図である。
【図2】同上の局部洗浄装置を設備した便器を示す斜視図である
【図3】同上の局部洗浄ノズルを前方突出位置に突出させた状態を示す斜視図である。
【図4】(a)は同上の局部洗浄ノズルの先端部付近の斜視図、(b)は側面図である。
【図5】従来の局部洗浄ノズルの先端部付近の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0011】
図1は本実施形態の局部洗浄ノズル2を内蔵した局部洗浄装置1を示す斜視図であり、図2はこの局部洗浄装置1を設備した便器3を示す斜視図である。
【0012】
便器3には衛生洗浄装置のケーシング7が固定され、このケーシング7には便座8及び便蓋9をそれぞれ開閉自在に取り付けている。ケーシング7の内部には局部洗浄のための局部洗浄装置1と供水配管系及び洗浄後の乾燥のための温風乾燥装置等(図示略)が収納され、各機能部は操作部(図示略)によって駆動操作される。
【0013】
おしり・ビデ洗浄用の局部洗浄ノズル2は、ケーシング7(図1参照)内に配置したモータの出力軸(図示略)に連接され、図1の後方収納位置と図3の前方突出位置との間を前後方向に所定のストロークで往復移動する。図中の20は開閉自在なノズルカバーである。
【0014】
局部洗浄ノズル2の上面部2dには洗浄水5を上方に向かって吐出する吐出口4が設けられている。局部洗浄時には局部洗浄ノズル2を前方突出位置に突出させて局部洗浄を行う。局部洗浄後は局部洗浄ノズル2が後方収納位置に収納され、局部洗浄ノズル2全体がノズルホルダー11で覆われた状態となる。このノズルホルダー11は、局部洗浄ノズル2の少なくとも吐出口4を所定隙間をあけて上方から覆う断面形状を持ち、吐出口4から吐出する洗浄水5を局部洗浄ノズル2の外表面に跳ね返すことで、局部洗浄ノズル2の外表面をクリーニング可能とする。
【0015】
局部洗浄ノズル2の軸線方向M(図4(b)参照)は、先端部2a側が後端部側よりも下になるように前下がり状に傾斜しており、この軸線方向Mと平行な方向に向けて局部洗浄ノズル2が前後移動する。
【0016】
局部洗浄ノズル2は、図4に示すように、先端部2aが閉塞された有頂円筒状に形成されている。局部洗浄ノズル2の先端部2aは、その上端2bから下端2cに行く程前方Fに位置するように傾斜した水勾配6を有している。本例では側面視で平坦面状に下り傾斜している。これにより、ノズルクリーニング時において局部洗浄ノズル2の吐出口周辺部Nを洗浄する洗浄水5が先端部2a全体に回り込みやすくなり、洗浄しやすい形状となっている。
【0017】
上記構成によれば、局部洗浄前或いは後に、ノズルクリーニングを実施する。つまり、後方収納位置にある局部洗浄ノズル2の吐出口4から洗浄水5を吐出させると、この洗浄水5はノズルホルダー11の内面に当たって局部洗浄ノズル2の上面部2dの吐出口周辺部N(図4(a)参照)に跳ね返り、局部洗浄ノズル2の外表面に付着している汚れを洗い流す。また吐出口周辺部Nに跳ね返った洗浄水5は図4の矢印で示す水勾配6に沿って、局部洗浄ノズル2の先端部2aの上端2bから下端2cに回り込むように流れ落ちる。これにより、局部洗浄ノズル2の先端部2aの汚れAも洗い流される。
【0018】
この結果、局部洗浄ノズル2の先端部2aの形状を傾斜させるという簡単な構造で、局部洗浄ノズル2の先端部2aに付着した汚れを除去しやすくなり、局部洗浄ノズル2の先端部2aの洗浄性が向上する。
【0019】
また本例では、局部洗浄ノズル2の先端部2aを平滑平面で下り傾斜させているので、洗浄水5が一層、流下しやすくなり、汚れが一層除去されやすくなる。
【0020】
仮りにノズルクリーニングだけでは局部洗浄ノズル2の汚れが落ちないときは、局部洗浄ノズル2を前方Fに引き出してブラシ等で拭き掃除をする。このとき局部洗浄ノズル2の先端部2aはその上端2bから下端2cに行く程前方Fに位置するように傾斜しているため、先端部2aが掃除をする人に向くようになり、拭き掃除がしやすいという利点もある。
【符号の説明】
【0021】
1 局部洗浄装置
2 局部洗浄ノズル
2a 先端部
2b 上端
2c 下端
4 吐出口
5 洗浄水
6 水勾配
F 前方

【特許請求の範囲】
【請求項1】
局部洗浄ノズルの上面部に洗浄水を吐出する吐出口を設け、局部洗浄ノズルを局部洗浄を行う前方突出位置と後方収納位置との間で前後移動可能に設けると共に、前記後方収納位置にある局部洗浄ノズルの吐出口から洗浄水を噴出させて局部洗浄ノズルの外表面の汚れを除去するノズルクリーニングを行う局部洗浄装置であって、前記局部洗浄ノズルの先端部にその上端から下端に行く程前方に位置するように傾斜した水勾配を形成してなることを特徴とする局部洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−172339(P2012−172339A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−33633(P2011−33633)
【出願日】平成23年2月18日(2011.2.18)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】