説明

屋内配線結線装置の導通検査方法及び導通検査装置

【課題】 配線検査を容易に且つ短時間で行うことができる屋内配線結線装置の導通検査方法及び導通検査装置を提供する。
【解決手段】 スイッチ77が接続された全てのケーブ57ルからスイッチ77を外して電球若しくはブザー等の負荷79を接続した状態で、各ケーブル77に介装されたリレー部61の全ての接点63をオン/オフ制御する。これにより、各リレー部61の接点63がオン/オフする毎に導通検査装置51から負荷79までの間の配線が正常であれば負荷79が正常に動作/停止し、配線に不具合があれば負荷79は正常に動作/停止しない。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、屋内配線施工時の配線回路の組み替えを容易とする屋内配線の結線装置の導通検査方法及び導通検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】屋内配線工事では、現場作業の省力化、工期の短縮化、施工の信頼性が要求される。屋内配線工事では、接続部を集約ユニット化した結線装置(配電ボックス)を用い、現場作業の省力化、工期の短縮化を図る場合がある。この種の配線ボックスで分電盤に分岐手段と点滅手段とを付加した例えば特開平4−289708号公報記載のものを図7、図8に基づき説明する。図7R>7は従来の結線装置の配線を示すブロック図、図8は従来の結線装置を用いた屋内配線例を示す配線図である。
【0003】図7において、分岐回路付き配線ボックス(以下、分電ボックス)21には、引込線23から電力計25を介して給電される。この分電ボックス21は、電力計25に接続した引込開閉器27と、ここから分岐した複数の分岐線29に接続したブレーカ31とからなる分電部33を備えている。分電部33には分岐手段35、点滅機構(スイッチ)37及び外部接続端子39が接続されている。各ブレーカ31には分岐手段35がそれぞれ接続されており、ここで複数本の分岐回路41を形成している。分岐回路41はタンブラスイッチ等の点滅機構37を介して外部接続端子39に配線されている。
【0004】このように構成された分電ボックス21を用いて屋内配線を行うには、図8に示すように、一連に操作したい各電気器具43の取付け位置にそれぞれ渡り配線をしてコード先端を露出させておき、内装工事が完了した後に各コード先端部を処理して各電気器具を取り付ければよい。そして、各配線45は分電ボックス21の位置まで延ばし、外部接続端子39に接続するのみで配線が完了し、且つ分電ボックス21内の点滅機構37の操作により、それぞれの電気器具43の操作が一箇所で集中して行えるようになる。電気器具43としては、例えば照明装置、コンセント、点滅器(スイッチ)及び換気扇等がある。
【0005】この分電ボックス21によれば、屋内配線において、電気器具取付け位置に、予め渡り配線等で配線し、その延長線を分電ボックス21の配線位置まで延ばしておくのみでよく、配線の段階で各分岐回路端末負荷の許容量を計算しながらジョイントボックスを配置し分岐させる施工方法を採る必要がなく、熟練技術を有しない者であっても簡易に配線を行うことができる。また、電気回路端末負荷許容量に合致した配線は、内装工事に関係なく分電ボックス21内で、外部接続端子39への接続を適宜変更することにより自由に行うことができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような従来の分電ボックス21にあっては、量産化が可能であり、回路に変更が生じた場合には外部接続端子39への接続を適宜変更することにより対処できるという利点を有しているものの、配線の断線や未結線或いは電気器具43が設計通りに配線されているかどうか等の配線検査を行う場合、テスタを使用して外部接続端子39の各々について検査して行くしかなく、分配する配線が多くなればなるほどその作業が非常に煩わしくなるという問題点があった。
【0007】そこで本発明は、配線検査を容易に且つ短時間で行うことができる屋内配線結線装置の導通検査方法及び導通検査装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、本発明のうちで請求項1記載の発明による屋内配線結線装置の導通検査方法は、分配部と、夫々、一端が前記分配部に接続され、他端が負荷及び/又は該負荷に給電するためのスイッチが接続される複数本のケーブルと、これらケーブルの各々に直列に介装され、接点の両端に印加される電圧又は該接点間を流れる電流の変化を検知してこの検知結果を出力する検知部を有するリレー部と、前記スイッチに対応する前記負荷の結線パターンが予め記憶されたデータ部と、前記スイッチの開閉を該スイッチに接続された前記リレー部の検知部により検知し、この検知結果と前記データ部の結線パターンとに基づいて対応するリレー部を駆動する制御部とを備えた屋内配線結線装置の導通検査方法であって、前記複数本のケーブルのうちの他端にスイッチが接続されたものから該スイッチを取り外して負荷と交換した後、前記各ケーブルに介装された前記リレー部の全ての接点をオン/オフ制御することで前記各負荷の動作の有無を確認するものである。
【0009】この方法によれば、スイッチが接続された全てのケーブルからスイッチを外して電球若しくはブザー等の負荷を接続した状態で、各ケーブルに介装されたリレー部の全ての接点をオン/オフ制御する。これにより、各リレー部の接点がオン/オフする毎に結線装置から負荷までの間の配線が正常であれば負荷が正常に動作/停止し、配線に不具合があれば負荷は正常に動作/停止しない。
【0010】したがって、結線装置から負荷までの間の配線の導通検査を自動的に行うことから、配線検査を容易に且つ短時間で行うことができ、屋内配線の工事後又は定期検査時に配線の断線や未結線或いは漏電等の不具合があった場合に結線修正を迅速且つ容易に行うことができる。また、各ケーブルには一般的に配線番号が記されていることから、設計図面と照合することにより、実際に使用する負荷である電気器具が設計通りに接続されているどうかも同時に検査することができる。各リレー部の接点のオン/オフ制御としては、全ての接点を一旦オフさせ、その後一つずつ順次オンさせるものであっても良いし、全ての接点を一旦オンさせ、その後一つずつ順次オフさせるものであっても良い。
【0011】請求項4記載の発明による屋内配線結線装置の導通検査装置は、分配部と、夫々、一端が前記分配部に接続され、他端が負荷及び/又は該負荷に給電するためのスイッチが接続される複数本のケーブルと、これらケーブルの各々に直列に介装され、接点の両端に印加される電圧又は該接点間を流れる電流の変化を検知してこの検知結果を出力する検知部を有するリレー部と、前記スイッチに対応する前記負荷の結線パターンが予め記憶されたデータ部と、前記各ケーブルに介装された前記リレー部の全ての接点を所定の手順でオン/オフさせるテストデータが記憶されたテストデータ部と、このテストデータ部と前記データ部の切り替えを行う切替スイッチと、この切替スイッチにより前記データ部に切り替えられている状態では前記スイッチの開閉を該スイッチに接続された前記リレー部の検知部により検知し、この検知結果と前記データ部の結線パターンとに基づいて対応するリレー部を駆動し、前記切替スイッチにより前記テストデータ部に切り替えられたときには前記テストデータに基づいて、前記各ケーブルに介装された前記リレー部の全ての接点をオン/オフさせる制御を行う制御部とを備えるものである。
【0012】この構成によれば、切替スイッチにてデータ部からテストデータ部に切り替えられると、テストデータに基づいてリレー部の全ての接点がオン/オフする。この場合、テストデータ部への切り替えが行われる前に、スイッチが接続された全てのケーブルからスイッチが取り外されて電球若しくはブザー等の負荷が接続されているものとする。テストデータ部への切り替えが行われて、テストデータによる動作が開始されると、各リレー部の接点がオン/オフする毎に屋内配線結線装置の導通検査装置から負荷までの間の配線が正常であれば負荷が正常に動作/停止し、配線に不具合があれば負荷は正常に動作/停止しない。
【0013】したがって、導通検査装置から負荷までの間の配線の導通検査を自動的に行うことから、配線検査を容易に且つ短時間で行うことができ、屋内配線の工事後又は定期検査時に配線の断線や未結線或いは漏電等の不具合があった場合に結線修正を迅速且つ容易に行うことができる。また、各ケーブルには一般的に配線番号が記されていることから、設計図面と照合することにより、実際に使用する負荷である電気器具が設計通りに接続されているどうかも同時に検査することができる。テストデータとしては、各ケーブルに介装されたリレー部の全ての接点を一旦オンさせた後、一つずつ順次オフさせるものであっても良いし、各ケーブルに介装されたリレー部の全ての接点を一旦オフさせた後、一つずつ順次オンさせるものであっても良い。
【0014】請求項7記載の発明による屋内配線結線装置の導通検査装置は、分配部と、夫々、一端が前記分配部に接続され、他端が負荷及び/又は該負荷に給電するためのスイッチが接続される複数本のケーブルと、これらケーブルの各々に直列に介装され、接点の両端に印加される電圧又は該接点間を流れる電流の変化を検知してこの検知結果を出力する検知部を有するリレー部と、前記スイッチに対応する前記負荷の結線パターンが予め記憶されたデータ部と、テストデータを入力するための入力端子と、この入力端子と前記テストデータ部の切り替えを行う切替スイッチと、この切替スイッチにより前記データ部に切り替えられている状態では前記スイッチの開閉を該スイッチに接続された前記リレー部の検知部により検知し、この検知結果と前記データ部の結線パターンとに基づいて対応するリレー部を駆動し、前記切替スイッチにより前記入力端子に切り替えられた状態では該入力端子を介してテストデータを入力すると、そのテストデータに基づいて前記各ケーブルに介装された前記リレー部の全ての接点をオン/オフさせる制御を行う制御部と、本体とは別体に設けられ、前記各ケーブルに介装された前記リレー部の全ての接点をオン/オフさせるためのテストデータを作成するテストデータ作成部とを備えるものである。
【0015】切替スイッチにてデータ部から入力端子に切り替えられた状態で、外部よりテストデータが供給されると、このテストデータに基づいて各ケーブルに介装されたリレー部の全ての接点がオン/オフする。この場合、入力端子への切り替えが行われる前に、スイッチが接続された全てのケーブルからスイッチが取り外されて電球若しくはブザー等の負荷が接続されているものとする。入力端子への切り替えが行われてテストデータが供給された後、テストデータによる動作が開始されると、各リレー部の接点がオン/オフする毎に導通検査装置から負荷までの間の配線が正常であれば負荷が正常に動作/停止し、配線に不具合があれば負荷は正常に動作/停止しない。
【0016】したがって、導通検査装置から負荷までの間の配線の導通検査を自動的に行うことから、配線検査を容易に且つ短時間で行うことができ、屋内配線の工事後又は定期検査時に結線の断線や未結線或いは漏電等の不具合があった場合に結線修正を迅速且つ容易に行うことができる。また、各ケーブルには一般的に配線番号が記されていることから、設計図面と照合することにより、実際に使用する負荷である電気器具が設計通りに接続されているどうかも同時に検査することができる。また、様々な内容のテストデータを作成できるので、不具合箇所をより正確に特定することが可能になる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は本発明による屋内配線結線装置の導通検査装置を示すブロック図であり、図2は図1に示したリレー部の拡大図である。図1において、導通検査装置51には分配部53が設けられており、この分配部53には配電盤55からの電源線が接続されている。また、この分配部53には複数本のケーブル57が接続されており、各ケーブル57には点滅機構(スイッチ)及び/又は負荷が接続される。また、各ケーブル57は2線からなり、分配部53内の非接地線59aと接地線59bにそれぞれ接続されている。
【0018】接地線59bに接続されたケーブル57の配線にはリレー部61が接続されており、このリレー部61は図2に示すように接点63と、この接点63と並列接続される検知部65とから構成されている。接点63は入力信号に応じて回路を開閉する所謂継電器の接点として働く。この接点63としては、電磁継電器或いは半導体継電器のような無接点継電器を用いることができる。検知部65は接点63の両端に印加される電圧を検知するものであり、検知した電圧に応じた検知信号を出力する。
【0019】図1に戻り、分配部53には電源部67を介して制御部69が接続されている。この制御部69にはそれぞれリレー部61を構成する検知部65からの信号線71が接続されるとともに、リレー部61を構成する接点63へ制御線73を介して接続されている。また、制御部69には切替スイッチ74が接続されており、この切替スイッチ74はデータ部75とテストデータ部76の切り替えを行うものである。この場合、データ部75側に切り替えることによりデータ部75が制御部69に接続され、テストデータ部76側に切り替えることによりテストデータ部76が制御部69に接続される。制御部69は、内蔵したメモリ(ROM)に記憶されたプログラムにしたがって動作する所謂マイコンで構成されたものである。
【0020】データ部75には、制御部69が信号線71を介して送られてくる各検知部65からの検知信号に基づいて所定の接点63を開閉制御するための制御データ(結線パターン)が記憶されている。即ち、検知部65からの検知信号とデータ部75に記憶された制御データとに基づき、制御部69によって接点63を制御することで、各ケーブル57は所定の結線パターンを形成するようになっている。例えば、第1ケーブル57aにスイッチ77を接続した場合、このスイッチ77が閉じられると、検知部65により制御部69へ検知信号が送られる。制御部69は、この検知信号と、データ部75に予め設定されている結線パターンとに基づいて、リレー部61の接点63に接点駆動信号を供給する。これにより、制御部69は、対応するケーブル57、例えば第2ケーブル57bの接点63を閉じ、第2ケーブル57bに接続された負荷79への給電が可能となる。
【0021】テストデータ部76には、各ケーブル57の導通検査を行うためのテストデータが記憶されている。このテストデータは、全てのリレー部61の接点63を一旦オフさせ、その後一つずつ順次オンさせるものである。制御部69は、このテストデータに基づいて、全てのリレー部61の接点63をオフし、その後、一つずつ順次オンする。この場合、テストの関係上、図3に示すように、予めスイッチ77が接続されたケーブル57からスイッチ77を取り除いて電球若しくはブザー等の負荷79を接続しておく。
【0022】全てのリレー部61の接点63を順次オンすることにより、対応する負荷79が動作するか否かを視覚的又は聴覚的に確認することができ、動作しなければ、当該接点63に接続されたケーブル57に断線や未結線或いは漏電等の不具合があることが分かる。また、屋内配線工事の完了後、設計図面と各ケーブル57に記された配線番号とを照合することにより、結線ミスも発見することができる。更にこの導通検査ではテストデータを実行させることから、導通検査装置51自体の不具合も同時に発見することができる。即ち、導通検査装置51自体に何等かの不具合があれば、テストデータを実行させる操作を行っても正常に動作しなかったり、全く動作しなかったりするので、このような状態であれば導通検査装置51自体に不具合があること判断できる。
【0023】図4は導通検査装置51における導通検査時の動作を示すフローチャートである。まず、ステップS10で全てのリレー部61の接点63をオフする。次いで、ステップS12でカウンタnの値を「1」に設定した後、ステップS14でカウンタnの値により指定される番号の接点63をオンする。1番目の接点63をオンした直後、ステップS16で30秒タイマをスタートさせる。そして、ステップS18で30秒に達したか否かを判定し、30秒に達したと判断すると、ステップS20に進み、30秒タイマをクリアする。1番目の接点63をオンすることで、この接点63に対応する負荷79が動作すれば、導通検査装置51から負荷79までの間の配線に断線や未結線或いは漏電等の不具合がなく、正常であることが分かる。この場合、負荷79が動作したか否かの確認は30秒あれば十分である。
【0024】ステップS20で30秒タイマをクリアした後、ステップS22に進み、1番目の接点63をオフする。次いで、ステップS24で最終の接点63であるか否かを判定する。この判定において、最終の接点63でないと判断すると、ステップS26に進み、カウンタnの値を「1」増加させてステップS14に戻る。ステップS14に戻ると、2番目の接点63をオンして上記同様の処理を行う。そして、2番目の接点63に対する処理が終了すると、3番目の接点63以降も同様の処理が行われる。そして、最終の接点63に対する処理が終了すると、この導通検査処理が終了する。
【0025】図5は導通検査装置51を用いた屋内配線の結線方法を示す配線図である。導通検査装置51を使用して屋内配線の結線を行うには、一連に操作したい電気器具81の位置に、それぞれケーブル57を配索しておき、内装工事が完了した後、上述した導通検査を行い、結果に問題がなければ各ケーブルに各種の電気器具81を接続する。新規に導通検査装置51を取り付ける場合、ケーブル57に接続する電気器具81を特定し、このためのデータをデータ部75に記憶させておく。例えば、第一ケーブル57aをスイッチ77に接続し、第二ケーブル57bを天井照明81aに接続するよう、ケーブル57aとケーブル57bとの結線を特定しておく。
【0026】一方、データ部75には、第一ケーブル57aに接続されたリレー部を構成する検知部65からの信号により、第二ケーブル57bに接続されたリレー部を構成する接点63を開閉できるような結線パターンを示すデータを記憶させておく。これにより、スイッチ77を閉じることにより、第二ケーブル57bに接続された天井照明81aを点滅させることができる。また、導通検査装置51では、屋内配線工事の完了後、負荷の変更が生じた場合においても、ケーブル57を繋ぎ替えることなく、データ部75の変更のみにより、容易に対処することが可能となる。即ち、上述の例で、スイッチ77からの信号により、壁面照明81bも更に点滅制御させたい場合には、第一ケーブル57aに接続されたリレー部を構成する検知部からの信号に基づき、壁面照明81bの接続された第三ケーブル57cに接続されたリレー部を構成する接点63を開閉制御するように、データ部75の結線パターンデータを更新すればよい。
【0027】このように、データ部75のデータ変更のみで回路パターンを任意に形成できるため、装置の構造を標準化させることができる。この結果、量産化が可能となるとともに、先行生産による作り置きも可能になる。また、屋内配線の工事後においても、データ部75のデータ変更のみにより回路パターンを自在に変更できるので、例えば事務所等のレイアウト変更に応じて迅速且つ容易に回路変更を行うことがきる。
【0028】また、配線の導通検査を自動的に行うことができるので、配線検査を容易に且つ短時間で行うことができ、屋内配線の工事後又は定期検査時に配線の断線や未結線或いは漏電等の不具合があった場合に結線修正を迅速且つ容易に行うことができる。また、各ケーブルには一般的に配線番号が記されていることから、設計図面と照合することにより、実際に使用する負荷である電気器具が設計通りに接続されているどうかも同時に検査することができる。
【0029】また、導通検査ではテストデータを実行させることから、導通検査装置51自体の不具合も同時に発見することができ、導通検査装置51の修理或いは交換を迅速且つ容易に行うことができる。更に、ケーブル57に断線、漏電等の不具合が発生した場合においても、従来ではケーブルを切断しなければばらなかったが、この導通検査装置51によれば、不良の発生したケーブル57をデータの変更のみにより、使用対象から容易に取り除くことができる。また、データ部75のデータを変更することにより、高価な3路、4路スイッチ回路も容易に構成することができる。
【0030】図6は本発明による導通検査装置の他の例の一部分の構成を示すブロック図である。図1に示した導通検査装置では、配線の導通検査を行うためのテストデータ部76を内蔵させたが、図6に示す導通検査装置では、導通検査装置51とは別個にテストデータ作成部90を設け、このテストデータ作成部90により作成したテストデータを導通検査装置51に供給するようにしたものである。この場合、導通検査装置51には、図示のようにテストデータ作成部90からのテストデータを入力するための入力端子85が設けられており、この入力端子85が切替スイッチ74に接続されている。切替スイッチ74を入力端子85側へ切り替えることにより、制御部69はテストデータによる導通検査を開始する。この実施の形態2では、テストデータ作成部90にて様々内容のテストデータを作成できるので、不具合箇所をより正確に特定することが可能になる。
【0031】なお、本発明は図1及び図6に示した形態に限らず、本発明の目的の範囲内で各種の実施の形態が可能であり、具体的には、次のようにしても良い。
(イ)配線の導通検査が、全てのリレー部61の接点63を一旦オフし、その後一つずつ順次オンさせるものであったが、接点63のオン/オフを逆にしてもよい。即ち、全てのリレー部61の接点63を一旦オンし、その後一つずつ順次オフさせる。
【0032】(ロ)リレー部61の検知部65が接点63の両端に印加される電圧を検知するものであったが、接点63を流れる電流を検知するものであってもよい。
(ハ)制御部69をマイコンで構成したが、プログラマブルシーケンサーによって構成することもできる。
(ニ)導通検査装置51は、リレー部61が接続されたケーブル57を、同一の装置内に一体化して組み込んだもの、又はデータ部75、制御部69、分配部53までを一体化して組み込み、リレー部61が接続されたケーブル57を、分離して設けたもののいずれであってもよい。ケーブル57を同一の装置内に一体に組み込むものでは、導通検査装置51の取り付けを一度に行うことができ、装置の取り付け工事を迅速に行うことができる。また、ケーブル57を分離して設けたものでは、装置を小型化することができ、装置の取り付け工事を容易なものにすることができる。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1、2及び3の発明に係る屋内配線結線装置の導通検査方法によれば、複数本のケーブルのうちの他端にスイッチが接続されたものから該スイッチを取り外して負荷と交換した後、各ケーブルに介装されたリレー部の全ての接点を所定の手順でオン/オフさせて、各負荷が正常に動作/停止するかどうかを確認できるようにしたので、結線装置と各負荷間の配線の導通検査を容易に且つ短時間で行うことができ、屋内配線の工事後又は定期検査時に配線の断線や未結線或いは漏電等の不具合があった場合に結線修正を迅速且つ容易に行うことができる。また、各ケーブルには一般的に配線番号が記されていることから、設計図面と照合することにより、実際に使用する負荷である電気器具が設計通りに接続されているどうかも同時に検査することができる。
【0034】請求項4、5及び6の発明に係る屋内配線結線装置の導通検査装置によれば、各ケーブルに介装されたリレー部の全ての接点を所定の手順でオン/オフさせるテストデータを記憶したテストデータ部と、このテストデータ部とデータ部の切り替えを行う切替スイッチとを設け、テストデータ部に切り替えられたときにテストデータに基づいて各ケーブルに介装されたリレー部の全ての接点を所定の手順でオン/オフさせるようにしたので、各負荷が正常に動作/停止するかどうかを容易に確認できるようになり、これによって導通検査装置と各負荷間の配線の導通検査を容易に且つ短時間で行うことができ、屋内配線の工事後又は定期検査時に配線の断線や未結線或いは漏電等の不具合があった場合に結線修正を迅速且つ容易に行うことができる。また、各ケーブルには一般的に配線番号が記されていることから、設計図面と照合することにより、実際に使用する負荷である電気器具が設計通りに接続されているどうかも同時に検査することができる。
【0035】請求項7の発明に係る屋内配線結線装置の導通検査装置によれば、テストデータを入力するための入力端子と、この入力端子と前記テストデータ部の切り替えを行う切替スイッチと、本体とは別体であって、各ケーブルに介装されたリレー部の全ての接点をオン/オフさせるためのテストデータを作成するテストデータ作成部とを設け、入力端子に切り替えられた状態でテストデータ作成部よりテストデータが供給されたときに、そのテストデータに基づいて各ケーブルに介装されたリレー部の全ての接点を所定の手順でオン/オフさせるようにしたので、各負荷が正常に動作/停止するかどうかを容易に確認できるようになり、これによって導通検査装置と各負荷間の配線の導通検査を容易に且つ短時間で行うことができ、屋内配線の工事後又は定期検査時に配線の断線や未結線或いは漏電等の不具合があった場合に結線修正を迅速且つ容易に行うことができる。また、各ケーブルには一般的に配線番号が記されていることから、設計図面と照合することにより、実際に使用する負荷である電気器具が設計通りに接続されているどうかも同時に検査することができる。また、テストデータ作成部にて、様々な内容のテストデータを作成できるので、不具合箇所をより正確に特定することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る屋内配線結線装置の導通検査装置の一実施例の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した導通検査装置のリレー部の構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示した導通検査装置の配線部分の構成を示すブロック図である。
【図4】図1に示した導通検査装置の導通検査時の動作を示すフローチャートである。
【図5】図1に示した導通検査装置を用いた屋内配線の結線方法を示す配線図である。
【図6】本発明に係る屋内配線結線装置の導通検査装置の他の実施例の一部分の構成を示すブロック図である。
【図7】従来の結線装置の構成を示すブロック図である。
【図8】従来の結線装置を用いた屋内配線例を示す配線図である。
【符号の説明】
51 導通検査装置
53 分配部
57 ケーブル
61 リレー部
63 接点
65 検知部
69 制御部
74 切替スイッチ
75 データ部
76 テストデータ部
77 スイッチ
79 負荷
85 入力端子
90 テストデータ作成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】 分配部と、夫々、一端が前記分配部に接続され、他端が負荷及び/又は該負荷に給電するためのスイッチが接続される複数本のケーブルと、これらケーブルの各々に直列に介装され、接点の両端に印加される電圧又は該接点間を流れる電流の変化を検知してこの検知結果を出力する検知部を有するリレー部と、前記スイッチに対応する前記負荷の結線パターンが予め記憶されたデータ部と、前記スイッチの開閉を該スイッチに接続された前記リレー部の検知部により検知し、この検知結果と前記データ部の結線パターンとに基づいて対応するリレー部を駆動する制御部とを備えた屋内配線結線装置の導通検査方法であって、前記複数本のケーブルのうちの他端にスイッチが接続されたものから該スイッチを取り外して負荷と交換した後、前記各ケーブルに介装された前記リレー部の全ての接点をオン/オフ制御することで前記各負荷の動作の有無を確認することを特徴とする屋内配線結線装置の導通検査方法。
【請求項2】 前記各リレー部の接点のオン/オフ制御は、全ての接点を一旦オフさせ、その後一つずつ順次オンさせるものであることを特徴とする請求項1記載の屋内配線結線装置の導通検査方法。
【請求項3】 前記各リレー部の接点のオン/オフ制御は、全ての接点を一旦オンさせ、その後一つずつ順次オフさせるものであることを特徴とする請求項1記載の屋内配線結線装置の導通検査方法。
【請求項4】 分配部と、夫々、一端が前記分配部に接続され、他端が負荷及び/又は該負荷に給電するためのスイッチが接続される複数本のケーブルと、これらケーブルの各々に直列に介装され、接点の両端に印加される電圧又は該接点間を流れる電流の変化を検知してこの検知結果を出力する検知部を有するリレー部と、前記スイッチに対応する前記負荷の結線パターンが予め記憶されたデータ部と、前記各ケーブルに介装された前記リレー部の全ての接点を所定の手順でオン/オフさせるテストデータが記憶されたテストデータ部と、このテストデータ部と前記データ部の切り替えを行う切替スイッチと、この切替スイッチにより前記データ部に切り替えられている状態では前記スイッチの開閉を該スイッチに接続された前記リレー部の検知部により検知し、この検知結果と前記データ部の結線パターンとに基づいて対応するリレー部を駆動し、前記切替スイッチにより前記テストデータ部に切り替えられたときには前記テストデータに基づいて、前記各ケーブルに介装された前記リレー部の全ての接点をオン/オフさせる制御を行う制御部と、を備えたことを特徴とする導通検査装置。
【請求項5】 前記テストデータ部は、前記各ケーブルに介装された前記リレー部の全ての接点を一旦オンさせた後、一つずつ順次オフさせるテストデータを記憶していることを特徴とする請求項4記載の導通検査装置。
【請求項6】 前記テストデータ部は、前記各ケーブルに介装された前記リレー部の全ての接点を一旦オフさせた後、一つずつ順次オンさせるテストデータを記憶していることを特徴とする請求項4記載の導通検査装置。
【請求項7】 分配部と、夫々、一端が前記分配部に接続され、他端が負荷及び/又は該負荷に給電するためのスイッチが接続される複数本のケーブルと、これらケーブルの各々に直列に介装され、接点の両端に印加される電圧又は該接点間を流れる電流の変化を検知してこの検知結果を出力する検知部を有するリレー部と、前記スイッチに対応する前記負荷の結線パターンが予め記憶されたデータ部と、テストデータを入力するための入力端子と、この入力端子と前記テストデータ部の切り替えを行う切替スイッチと、この切替スイッチにより前記データ部に切り替えられている状態では前記スイッチの開閉を該スイッチに接続された前記リレー部の検知部により検知し、この検知結果と前記データ部の結線パターンとに基づいて対応するリレー部を駆動し、前記切替スイッチにより前記入力端子に切り替えられた状態では該入力端子を介してテストデータを入力すると、そのテストデータに基づいて前記各ケーブルに介装された前記リレー部の全ての接点をオン/オフさせる制御を行う制御部と、本体とは別体に設けられ、前記各ケーブルに介装された前記リレー部の全ての接点をオン/オフさせるためのテストデータを作成するテストデータ作成部と、を備えたことを特徴とする導通検査装置。

【図8】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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