説明

屋根下地材

【課題】耐候性は元より、横走りによる横方向への雨水の拡散を防止しつつ水蒸気については通気性を確保して野地板の腐食を防止する屋根下地材の提供を図る。
【解決手段】軟質性合成樹脂のシート状基材の片面又は両面に被覆紙を一体的に被着して形成される屋根下地材であって、前記シート状基材の裏面又は両面には棟軒間方向を縦方向とする縦桟状突起部が延設して形成し、該縦桟状突起部は等間隔に並行に列設し、該縦桟状突起部の表面には通気溝を設け、該通気溝は隣設される該縦桟状突起部の通気溝と隣り合わないように交互に位相させて一定間隔を空けて列設し、該通気溝の深さは縦桟状突起部の表面からシート状基材の表面の間であって該通気溝からシート状基材の表面までの横走り防止領域を確保する位置に配設する構成を採用した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋根の瓦葺きの際に使用される屋根下地材に関し、より詳しくは、屋根下地材と野地板との間に、縦方向所定間隔の空間領域を作ることで、耐候性は元より、横走りによる横方向への雨水の拡散を防止するとともに、水蒸気については通気性を確保して積極的に横方向へ拡散させて野地板の腐食を防止し、更に、遮音性、断熱性及び防滑性を同時に備える屋根下地材に関する。
【背景技術】
【0002】
瓦屋根における水分の侵入は、瓦の割れやずれなどの原因のみならず、軒先からの吹き上げや、壁当たり、谷部、あるいは袖部等の不良箇所から雨水が侵入するなどその要因は様々である。侵入した水が横桟を伝って横走りすると、野地板上に広く水分が拡散されて腐食の原因となり問題である。また、水分は結露のように内部から発生することもあるため排水性も要求される。瓦葺き屋根構造における排水性は、その基本的な考え方を屋根の勾配に求め、実質的な耐候性としての高い防水性や高い排水性は屋根下地材に求めてきたといえる。近年では、その要望に応えるべく種々の技術が提案され、特に最近のアスファルト系ルーフィングや高分子系ルーフィングの発達には目を見張るものがある。また、同時に屋根部材の施工時における作業者の安全を図るべく、表面にすべり止め突起等を設けることで高い防滑性を備えたノンフォールレス構造体の屋根下地材の技術も多数提案されている。
【0003】
しかしながら、アスファルト系ルーフィングや高分子系ルーフィングを用いることの弊害も無視はできない。即ち、アスファルト系や高分子系のルーフィングは透過性を有しないため、一方では高い防水性を発揮するものの、他方では室内外の温度差が大きくなったときに結露しやすく、屋根下地材と野地板が接触状態であるために水分の排水性が悪く、更には、屋根下地材と野地板の間に発生した水蒸気も排出できず、却って野地板を腐食させてしまうという問題がある。
【0004】
従って、屋根下地材と瓦の隙間部分の領域に生じた水分や水蒸気の排水はもちろん、野地板と屋根下地材の隙間部分の領域に侵入してしまった水分や結露から生じた水蒸気なども滞在させずに排出する技術が求められるところである。しかしながら、安易に野地板と屋根下地材に通気性用の隙間部分等を設けると、暴風雨時などでは該隙間から雨水が侵入しやすくなり、横走りによって野地板の広範囲に雨水を拡散させてしまうことにもなる。そこで、横方向からの横走りによる雨水の拡散浸入は防止するが、水蒸気については横方向への通気性を確保して積極的に拡散することができる技術が求められている。
【0005】
また、遮音や断熱については、一般に、床、床下、天井裏、又は壁などの建材や、ガラスの二重化、或いは壁内に多層空間部を設けるなどの建築構造等に委ねられており、屋根下地材に、遮音や断熱についての効果はあまり求められてはこなかった。ここで、音には空気中を伝わって耳に届く「空気音」と、足音や物の落下音が床や壁を伝わって聞える「固体音」があり、壁や床などではいずれの伝達音も考慮して考えられる。これに対して、固定音が影響し難い屋根に関しては空気音のみ配慮すればよく、一般には上方からの騒音は少ないため、現実的な問題として屋根下地材に遮音効果を求める必要性は低かったといえる。また、瓦葺き屋根では、瓦そのものが吸音材となり雨音などを小さくし、さらに、瓦は熱伝導率が小さいので高い断熱効果を有していることもその理由の一つといえる。
【0006】
しかし、近年では事情が変わってきている。即ち、航空機による騒音問題や、隣設する高層住宅の存在、高速道路の高架下の住宅など、屋根の上方から伝わる「空気音」による騒音問題も大きくなってきている。また、近年の温暖化に伴う空調の高効率化へ寄与する必要性もあり、平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震から、我が国国民の節電意識も高まり、今後は建築部材のいずれにも高い断熱効果が求められることが予想される。
【0007】
このような問題に鑑みて、従来からも種々の技術が提案されている。例えば、排水性の問題を解決しようと、シートの裏面全体に平板状の突起を併設配備せしめて成ることを特徴とする屋根下地材が提案されている(特許文献1参照)。しかしながら、係る技術は、横方向からの横走りによる雨水の進入を防止できず拡散させてしまうという問題があり、また、平板状の突起の占める面積の割合が大きいため、該平板状突起と野地板との隙間に浸透してしまう水分量も多く、係る水分を排出できないため、野地板を早く腐食させてしまうという問題が残っている。
【0008】
また、排水性の問題を解決しようと、防水性を有するシート部材の表面に平行な突条部、及び多数の突起部を設け、裏面に多数の凹部を設けた屋根防水シート材も提案されている(特許文献2参照)。しかしながら、かかる技術は、表面上の水は平行突条部により横走りによる雨水の進入は防止できるが、結露により裏面側凹部内に発生した水分を逃がすことができず、野地板を早く腐食させてしまうという問題が残っている。
【0009】
また、降雨時の防雨性の問題点を解決しようと、表面に多数の滑り止め微小突起を形成した瓦屋根用防水シートであって、表面が平坦でタッカー針の幅より大きい幅を有し高さが前記滑り止め微小突起と同じ縦帯部を一定間隔で形成し、側縁に表裏両面が平坦で縦帯部と同じ高さを有し、隣接して敷かれるシート同士の重ね合わせ部となる縁帯部を形成した「瓦屋根用防水シート」が提案されている(特許文献3)。しかしながら、かかる技術は、室内外の温度差が大きくなったときに結露を生じやすく、該瓦屋根用防水シートと野地板が接触状態であるために排水性が悪く、屋根下地シート材と野地板の間に発生した水分を排出できずに野地板を腐食させてしまうという問題が残っている。
【0010】
また、通気性の問題点を解決しようと、本出願人による屋根下地材が既に提案されている。係る技術は、軟質性合成樹脂のシート状基材の上下両面に紙を一体的に接合すると共に、少なくともその一部には一方向に連続して直線状に伸びる一定の高さの突条を所定間隔で一体的に形成して成る屋根下葺材において、上記突条の長手方向の途中に、該突条を所定長さに毎に切断する切れ目を複数形成した「屋根下葺材」が提案され公知技術となっている(特許文献4)。しかしながら、かかる技術は、室内外の温度差が大きくなったときに結露を生じやすく、該瓦屋根用防水シートと野地板が接触状態であるために排水性が悪く、屋根下地シート材と野地板の間に発生した水分を排出できずに野地板を腐食させてしまうという問題が残っている。
【0011】
また、防滑性の問題点を解決しようと、本出願人による屋根下地材が既に提案されている。係る技術は、軟質性合成樹脂のシート状基材の上下両面に紙を一体的に接合して成り、屋根の野路板の上に敷く屋根下地材において、上記シート状基材の上面には、下部が大径で上部が小径とされ所定の高さだけ2段階に突出した多数のすべり止め突部を一体的に形成すると共に、これらのすべり止め突部を所定の単位面積中に複数個存在するように配置して全面に等方的に設けた「屋根下地材」である(特許文献5)。係る技術は極めて高い防滑性を発揮するノンフォールレス構造を採用している。しかしながら、かかる技術は、瓦屋根施工時における作業者の足の滑り止めとなる効果が得られるが、横走りによる雨水の浸入の拡散を防止することはできず、また、該屋根下地材と野地板の間に結露によって生じた水分を排出できずに野地板を腐食させてしまうという問題が残っている。
【0012】
また、通気性及び防滑性の問題点を解決しようと、本出願人によるが屋根下葺材が既に提案されている。係る技術は、屋根下葺材軟質性合成樹脂のシート状基材の上下両面に紙を一体的に接合すると共に、上記シート状基材の一方の面には一方向に直線状に延びる略一定高さの突条を所定間隔で一体的に形成し、且つそのシート状基材の反対側の面には所定の高さだけ突出した多数のすき間形成用突起を一体的に形成したことを特徴とする屋根下葺材である(特許文献6)。係る技術によれば、当該屋根下葺材と野地板との間に空間部が形成されるため、縦方向への排水性が良くなり、野地板の腐食を防止できる。また、上面に多数のすべり止め突部を一体形成する構成のものは、瓦屋根施工時における作業者の足の滑り止めとなる効果も得られる。しかしながら、該すき間形成用突起間領域に発生した水蒸気は横方向へは逃げることができず、側部領域へ拡散させることができないため、野地板の腐食を防止する機能としては十分といえるものではなく、課題が残るものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】実用新案全文昭50−124110号公報
【特許文献2】実用新案全文昭64−026427号公報
【特許文献3】特開2004-156280号公報
【特許文献4】実用新案登録第3074718号公報
【特許文献5】特許第2741655号公報
【特許文献6】特開2005−16109号公報
【特許文献7】特開平7−119263号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は上記問題点に鑑み、屋根の瓦葺きの際に使用される屋根下地材において、耐候性は元より、横走りによる横方向への雨水の拡散を防止しつつ水蒸気については通気性を確保して積極的に横方向へ拡散させて野地板の腐食を防止し、更に、遮音性、断熱性及び防滑性を同時に備える屋根下地材の提供を図る。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は上記目的を達成するためになされるもので、軟質性合成樹脂のシート状基材の片面又は両面に被覆紙を一体的に被着して形成される屋根下地材であって、前記シート状基材の裏面又は両面には、棟軒間方向を縦方向とする縦桟状突起部が延設して形成し、該縦桟状突起部は等間隔に並行に列設し、該縦桟状突起部の表面には通気溝を設け、該通気溝は隣設される該縦桟状突起部の通気溝と隣り合わないように交互に位相させて一定間隔を空けて列設し、該通気溝の深さは縦桟状突起部の表面からシート状基材の表面の間であって、該通気溝からシート状基材の表面までの横走り防止領域を確保する位置に配設する構成を採用した。
【0016】
また、本発明は、前記軟質性合成樹脂のシート状基材の裏面側又は前記被覆紙が、乾燥剤で被包するように被着されているか、又は、前記被覆紙が乾燥剤を含有している被覆紙である構成を採用することもできる。
【0017】
また、本発明は、連設される前記縦桟状突起部間のシート状基材の表面領域内に、前記縦桟状突起部の高さを超えない高さに突出した滑り止め突起部を等方間隔に多数配置した構成を採用することもできる。
【0018】
また、本発明は、前記シート状基材の上下辺縁部に連結部を有し、該連結部の形状は、一辺側はシート状基材の上面から、他辺側はシート状基材の裏面から、其々シート状基材の厚みの二分の一の厚みとする段差形状であり、屋根下地材を連結する際に該連結部を相互に組み合わせて重畳すると、シート状基材の厚みとなる構成を採用することもできる。
【0019】
また、本発明は、裏面側の前記通気溝の深さが裏面側縦桟状突起部の表面より0.1mmから1mmの範囲内の微細溝である構成を採用することも有効である。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る屋根下地材によれば、縦桟状突起部を設けることによって雨水の横走りの拡散を阻止しつつ、通気溝を設けたことでアスファルト系ルーフィングや高分子系ルーフィングを用いることの弊害、即ち、透過性を有しない素材特性により結露から発生した水分の排水又は排気も困難になってしまうという原因から野地板を早く腐食させてしまうという問題を解決できる優れた効果を発揮する。なお、シート状基材の表面における横走りについては、通気溝の深さが縦桟状突起部の表面からシート状基材の表面の間に設けられた横走り防止領域を確保しているため、従来技術の通気用の溝と異なり、隣接する縦桟状突起部間領域への拡散を大幅に防ぐことができるという優れた効果を奏する。
【0021】
また、本発明に係る屋根下地材によれば、裏面の縦桟状突起部により、野地板とシート状基材の間に空間部が形成されるため、遮音性や断熱性にも優れた屋根下地材となるという効果を奏する。
【0022】
また、請求項2に記載の本発明に係る屋根下地材によれば、前記軟質性合成樹脂のシート状基材の裏面側又は前記被覆紙にシリカゲル等の乾燥剤が被包するように被着されているか、又は、前記被覆紙が乾燥剤を含有している被覆紙であることから、空間層領域に発生した水滴が付着した野地板から、所定距離に位置するシリカゲル等の乾燥剤に水分を吸着させ、外気温度の上昇により水分を放出させ、該水蒸気は通気溝を通じて拡散放出させることで野地板の乾燥を図ることができるという優れた効果を奏する。
【0023】
また、請求項3に記載の本発明に係る屋根下地材によれば、連設される縦桟状突起部間のシート状基材の表面領域内に、前記縦桟状突起部の高さを超えない高さに突出した滑り止め突起部を同時に設けることによって、極めて高い防滑性を発揮するノンフォールレス構造となり、施工時の安全性が図られるという優れた効果を奏する。
【0024】
また、請求項4に記載の本発明に係る屋根下地材によれば、連結部を相互に組み合わせて重畳するとシート状基材の厚みとなる構成を有していることから、連結部に段差が生じることがないため、桟が不安定な状態で釘打ちされるようなことがなく、常にフラットな面に桟を備えることが可能となる優れた効果を奏する。
【0025】
また、例えば、通気溝の深さが縦桟状突起部の表面より0.1mmから1mmの範囲内の微細溝とする構成を採用した場合には、流体としての水分は透過させないが、水蒸気は透過できるため、仮に、屋根下地材と野地板との間に雨水が流れ込んだ場合であっても、横走りによる雨水の拡散を防止することができると共に、水蒸気については通気性を確保して積極的に横方向へ拡散させて野地板の腐食を防止できるという優れた効果を得ることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明に係る屋根下地材の第一の実施形態を示す説明図である。
【図2】本発明に係る屋根下地材の第二の実施形態を示す説明図である。
【図3】本発明に係る屋根下地材の第三の実施形態を示す説明図である。
【図4】本発明に係る屋根下地材の構成を示す断面図である。
【図5】本発明に係る通気溝説明図である。
【図6】本発明に係る屋根下地材の効果を示す説明図である。
【図7】本発明に係る屋根下地材の第四の実施形態を示す説明図である。
【図8】本発明に係る屋根下地材の第五の実施形態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明は、発明に係る屋根下地材10を野地板Nに敷設すると、連設される縦桟状突起部21により、隣設する縦桟状突起部21同士の間に空間部の領域R1又は該領域R1及び横走り防止領域R2が作られ、係る領域内の水滴、雨水Y及び水蒸気Sの流出量を調整する通気溝22を配設したことを最大の特徴とするものである。以下、本発明を実施するための実施形態を図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0028】
図1から図3は、本発明に係る屋根下地材10の第一から第三の其々の実施形態を示す説明図である。第一の実施形態は図1に示すように、シート状基材20の裏面U側にのみ縦桟状突起部21を形成した構成であり、第二の実施形態は図2に示すように、シート状基材20の両面に縦桟状突起部21を形成した構成であり、第三の実施形態は図3に示すように、前記構成の他に、更に表面Wに滑り止め突起部40を複数設けた構成を採用している。
【0029】
図4は本発明に係る屋根下地材10の構成を示す断面図である。図4(a)の左側の図は第一の実施形態におけるA−A断面図であり、右側の図は該形態における縦桟状突起部21の長手方向断面を示している。図4(b)の左側の図は第二の実施形態におけるB−B断面図であり、右側の図は該形態における縦桟状突起部21の長手方向断面を示している。図4(c)の左側の図は第三の実施形態におけるC−C断面図であり、右側の図は該形態における縦桟状突起部21の長手方向断面を示している。なお、図4は、縦桟状突起部21、通気溝22、及び滑り止め突起部40の各配置関係を明確にするためのものであり、図示上の各部の縮尺は統一したものではない。
【0030】
図5は本発明に係る通気溝22の説明図であり、図5(a)は第一の実施形態の場合における通気溝22を示し、通気溝22のP1は30mm〜150mm程度、通気溝深さH1は1mm〜3mm程度、溝長B2は2mm〜8mm程度とした場合を例示している。また、図5(b)は第一の実施形態の場合における通気性確保のための通気溝が、微小通気溝23を採用する場合を示している。連設される微小通気溝23の微小溝長B3は0.1mm〜1mm程度の範囲内とし、その深さは該微小溝径B3と同程度の0.1mm〜1mmとし、そのピッチP2は5mm〜100mm程度とすることで、水滴は透過させ難くしつつ水蒸気Sは隣の領域R1へ透過させる。なお、図5(b)は、微小通気溝23の配置等の関係を明確にするためのもので、裏面側縦桟状突起部高さH2との関係において同一縮尺ではない。また、図5(a)に示した通気溝は矩形であるが、通気溝22の形状は係る記載に限定されるものではなく、ロール成形で加工し易い形状で選択的に変更できるものとする。
【0031】
屋根下地材10は、軟質性合成樹脂のシート状基材20の片面又は両面に被覆紙30を一体的に接合して形成され、全体寸法が、例えば、幅1〜2m前後、長さ21mと42mのロール状のシート部材等で形成されるものである。
【0032】
シート状基材20は屋根下地材10の心材となるもので、ポリエチレンなどの軟質合成樹脂部材等を使用し、厚さ0.5mm〜1.5mm程度のロール状のシート部材で形成される。
【0033】
被覆紙30は、シート状基材20の片面又は両面を覆う表面保護紙となるもので、防水加工や撥水加工が施され、例えばクラフト紙等から成り、シート状基材20の表面に一体的に接合されて形成される。但し、乾燥剤60を含有させた被覆紙30を用いてもよい。
【0034】
縦桟状突起部21は、ロール成形等により、シート状基材20と一体に成形される突起であり、棟と軒を結ぶ方向を縦方向としたときに(以下、単に縦方向と言い、これに垂直となる方向を単に横方向という。)、該縦方向に連続的に延設して形成される。縦桟状突起部幅B1は2mm〜8mm程度、裏面側縦桟状突起部高さH2は3mm〜8mm程度とし、隣設される縦桟状突起部21の隣設ピッチP3は50mm〜150mm程度、該縦桟状突起部21の端辺には、通気溝22が30mm〜150mmの所定ピッチP1で連続して設けられる。
【0035】
通気溝22は、通気溝深さH1を1mm〜3mm程度とし、溝長B2は2mm〜8mm程度とし、隣設される縦桟状突起部21における該通気溝22との位置関係については、交互に位相させるように設ける。なお、形状は図に示したような矩形に限られず、縦桟状突起部21の側壁に開口する開口面積が等しく、裏面側縦桟状突起部高さH2の寸法が同程度であればよい。
【0036】
なお、通気性を確保しつつ横走り防止効果を更に高めるため、図5(b)で示すような微小通気溝23を採用する場合、即ち、微小通気溝隙間21を0.1mmから1mmの範囲内の微小溝深さB3である構成を採用した場合は、流体としての水分を透過させ難くするが、水蒸気は透過できるため、仮に、屋根下地材と野地板との間に雨水が流れ込んだ場合であっても、横走りによる雨水の拡散を大幅に防止することができると共に、水蒸気については通気性を確保して積極的に横方向へ拡散させて野地板の腐食を防止しできるという優れた効果を奏する。
【実施例2】
【0037】
図2に示す第二の実施形態の場合は、シート状基材20の表面Wと裏面Uの両面に縦桟状突起部21を形成した構成であり、裏面U側の構成は第一実施例と同様である。表面Wには、縦桟状突起部21が設けられ、該縦桟状突起部21はロール成形等により、シート状基材20及び裏面U側の縦桟状突起部21と一体に成形される突起であり、縦方向に連続的に延設して形成される。縦桟状突起部幅B1は2mm〜8mm程度、表面W側縦桟状突起部高さH4は3mm〜8mm程度とし、表面側通気溝深さH5が1mm〜5mm程度の通気溝22が30mm〜150mmの所定ピッチP1で連続して設けられる。
【0038】
但し、特に裏面U側の縦桟状突起部21と同寸法とする必要はなく、例えば図3(e)に示すように、裏面U側の通気溝22のピッチP1が150mmであるのに対し、表面W側の通気溝22のピッチP1は30mmと狭くして、通気溝22の段差部を利用して、作業者の靴底Zに引っ掛かりやすくさせることで防滑性の向上を図ることも有効である。同様に、表面W側の縦桟状突起部21の隣設ピッチP3も裏面U側のP3と異なる態様でもよい。
【0039】
なお、表面側通気溝深さH5と溝長B2を大きくとり過ぎると、横走りによる雨水Yの防止能力が低下するので、寸法の決定については、屋根勾配Kとの関係で決定するのがより望ましい。即ち、傾斜が緩やかであれば防滑性はそれほど求められないが、排水性が劣ることから横走り防止機能を高める方向の寸法へシフトし、傾斜がきつければ排水性は良くなるが高い防滑性が求められるので、防滑性重視の寸法へシフトするなどである。
【0040】
図6は、本発明に係る屋根下地材10の効果を示す説明図である。まず、裏面U側の領域R1と通気溝22との関係について説明する。本発明に係る屋根下地材10を野地板Nに敷設すると、裏面U側に連設される縦桟状突起部21により、隣設する縦桟状突起部21同士の間に空間部の領域R1が作られる。該領域R1という中間層の存在によって室内と屋外との急激な気温差は避けられ、領域R1は中間温度層となり結露しにくくなる。また、結露して生じてしまった水滴については、縦桟状突起部21の側壁でガイドしながら下方へ排水し、横走りによる野地板への拡散を防止する壁部となる。なお、領域R1に発生する水量は表面W側と比べてそれほど大量のものにはならないため、裏面側縦桟状突起部高さH2が3mm〜8mm程度で、通気溝22のピッチP1が30mm〜150mmあれば、領域R1内部が結露を原因とする水滴の発生によってオーバーフローし、これが隣接領域R1へ大量に流出することはほとんどなく、裏面U側での横走りによる野地板Nへの拡散はそれほど問題ではない。計算でも算出できるので、以下の条件を例にしたケースで説明する。
【0041】
瓦屋根の場合は4寸勾配以上の傾斜が必要となるので、水分の排水性が最も悪い4寸勾配(約22度)において、例えば、縦桟状突起部21の長さが軒先から550mm地点まで雨水が溜まったときは軒からの高さがは204mmとなる。以下の諸条件を更に加味して計算する。
裏面側縦桟状突起部高さH2が8mm、
通気溝22の溝長B2が8mm、
通気溝22のピッチP1が100mm、
片側の通気溝22の数が5箇所、
裏面U側の縦桟状突起部21の隣設ピッチP3が150mm、
水面から片側の通気溝22までの高さh1が約37mm・h2が約75mm・・・、
水面から片側の通気溝22までの高さh1・h2・h3・・・に対応する流速v1・v2・v3・・・、
軒部の領域R1断面積Aは150mm×8mm、
通気溝22の断面積aは8mm×3mmでいずれも同面積
としたとき、下記の式を用い、

流量Q=断面積A×流速v・・・(式1)
流速v=(2×重力加速度g×高さh)の平方根・・・(式2)

上記の条件で計算すると、5箇所の片側通気溝22から流出する雨水Yの総流出量は、排出口となる軒部から流出する雨水Yの流量に対して約7%にすぎない。係る数値はこの条件設定の場合だと、軒から縦桟状突起部21の長手方向50mmで軒からの高さ18.5mmに位置する通気溝22まで雨水Yは溜まらない位置である。従って、軒部のが閉塞されない限り、隣の領域R1から更に隣の領域R1へ拡散することはない。更に言えば、台風等の豪雨時において横からの強風によっても横走りすることなく、また、軒から棟への吹き上げが生じた場合でも隣接する領域R1への流出は極めて少ない。
【0042】
上記よりも重要な問題は、結露により付着した水滴が蒸発して領域R1内部で水蒸気Sとなることである。即ち、アスファルト系ルーフィングや高分子系ルーフィングは透過性を有しないため、一方では高い防水性を発揮するものの、他方では室内外の温度差が大きくなったときに結露しやすく、特に4寸勾配のように傾斜角(約22度)が小さい屋根では水滴が下方へ排出し難い。従って、屋根下地材10と野地板Nとの隙間に発生した水蒸気Sを排出できずに野地板Nを腐食させてしまうという問題である。
【0043】
しかし、本願発明によれば、領域R1の空間層の存在により、そもそも従来製品や従来先行技術と対比しても結露しにくいことは明らかである。また、結露により水滴が野地板Nの表面に付着し、その後水蒸気Sになった場合でも、水蒸気Sは通気溝22又は微小通気溝23を通じて拡散され易い構造である。
【0044】
次に、表面W側の横走り防止領域R2と通気溝22との関係について説明する。本発明の第二実施例に係る屋根下地材10を野地板Nに敷設すると、表面W側に連設される縦桟状突起部21により、隣設する縦桟状突起部21同士の間に横走り防止領域R2が作られる。このような縦方向へ縦桟状突起を延設して形成される屋根下地材は、本願出願人である「株式会社チャンピオン 」により、既に「チャンピオンスタンダード」という商品名で販売されている(但し、本発明のような通気溝は有していない)。また、横方向へ横桟状突起が延設され、所定間隔に排水路が列設され、該排水路が隣設する排水路とピッチを位相させて設けられている「防水浸透屋根シート」の技術(但し、該排水路は横桟状突起を分断するようにシート表面まで開口したものである。)も提案されている(特許文献6参照)。従って、屋根下地材の表面に縦又は横の桟状突起を延設することは公知技術といえる。しかし、本発明では表面W側の縦桟状突起部21にも通気溝22が設けられており、表側通気溝深さH5を所定の範囲(1mm〜5mm程度)とすることで、横走り防止高さH3と隣設ピッチP3との積を断面とする横走り防止領域R2を空間的に確保している。従って該横走り防止高さH3を超える雨量が侵入しなければ、隣の横走り防止領域R2へ水を伝達することはなく、野地板Nの広域腐食を効果的に防止することができる。
【0045】
なお、表面W側の通気溝は、図3(e)に示すように、瓦葺の作業の際の滑り止め機能も発揮し、防滑性の向上に貢献する構成である。
【実施例3】
【0046】
図3(a)に示す第三の実施形態の場合は、前記構成の他に、更に表面W側に滑り止め突起部40を複数設けた構成を採用している。図3(b)〜図3(e)は滑り止め突起部40の形態を例示したものである。滑り止め突起部40は、シート状基材20の表面Wに表面側縦桟状突起部高さH4を超えない高さに突出した滑り止め突起部40を等方間隔に多数配置する構成である。ここで、該滑り止め突起部40の形状、寸法、配置構成、及び個数については特に限定されるものではないが、作業者の靴底Zとの関係において、すべり止め効果が十分に発揮することが可能となる形状、寸法、配置構成、及び個数とすることが望ましい。
【0047】
例えば、表面側縦桟状突起部高さH4が5mmであれば、該滑り止め突起部40の高さは5mm以下となり、図3(b)のような円柱状で、その直径を3mm程度とした突起を18mm四方の単位面積当たりに4個以上設けるなどである。係る配置については縦桟状突起部21の長手方向と平行に一行おきに半ピッチだけずらして千鳥状に配設する。
【0048】
第三の実施形態を採用する理由は、シート状基材20の表面Wに縦桟状突起部21が設けられない構成を採用する場合は防滑性が低く、また、シート状基材20の表面Wに縦桟状突起部21を設ける構成を採用する場合は該縦桟状突起部21自体がある程度のすべり止め効果を発揮するものの、軒方向へ向かう連続した突起であるため、横方向への引っ掛かりや、靴底Zへ食い込み状態となるような強い引っ掛かり力が生じない。そこで、屋根勾配Kが大きな場合は、これを補助するように引っ掛かり力を高めて、作業者のより安全を図る構成とすることが望ましいからである。
【0049】
ここで、図3(c)に示すように、滑り止め突起部40の形状を下部が大径で上部を小径とし、表面側縦桟状突起部高さH4を超えない範囲の高さ内で二段階に突出した略凸形状の二段突起とすることも有効である。例えば、下部が直径4mmで高さが2.5mm、上部が直径2mmで高さが2.5mmなどである。
【0050】
更に、前記の効果が発揮される突起であれば、他にも半楕円形突起、多角形突起、或いは角柱突起としても良い。図3(d)に示すような上下端部が鋭利な形状で、靴底Zに食い込み状態となりやすい中太り形状なども有効である。係る形状とすれば、鋭利な端部のエッジが靴底Zに食い込むため、引っ掛かり状態となりやすく防滑性を高めることができるとともに、通常の縦方向の雨水Yの流れを妨げることがなく、尚且つ、横走りによる横方向からの雨水Yの流れを止める防止壁を兼ねることができる。
【0051】
そしてさらに、図3(e)に示すような略三角錐形状とすることも有効である。係る形状とすれば、屋根勾配Kとの関係において、作業者の靴底Zに食い込み易い角度となり、滑り止め突起部40の高さ方向への曲げ応力を極力減らし、可能な限り圧縮応力を作用させることで、作業者の靴底Zに食い込ませて、防滑性を高めることが可能になるからである。ここで、該略三角錐形状とする場合、作業者は屋根勾配Kとの関係において、体をやや屋根側に倒して作業をすることになるため、体重及び軒側の足にかかるベクトルは図3(e)に示すようにやや傾斜角を持って働くことになる。また、ロール成型で成形することを考慮すると、シート状基材20の表面Wから該略三角錐の頂点部への角度を90度以下にすることは困難であるため、該頂点部から軒方向である下部の頂点位置を下げて曲げ応力を減少させる。
【実施例4】
【0052】
図7は本発明に係る屋根下地材10の第四の実施形態を示す説明図であり、図7(a)は軟質性合成樹脂のシート状基材20の両面に被覆紙30を一体的に被着し、該被着された裏面U側の被覆紙30の表面には、更に乾燥剤60を被着させた構成の実施例を示しており、図7(b)は軟質性合成樹脂のシート状基材20の表面Wにのみ被覆紙30を被着させ、裏面Uには被覆紙30を用いないで、直接シート状基材20の裏面Uを乾燥剤60で被包するように被着させた状態の実施例を示しており、図7(c)は軟質性合成樹脂のシート状基材20の表面Wに被覆紙30を被着させ、裏面Uの被覆紙30には、該被覆紙内に乾燥剤60を含有する被覆紙30を用いた構成の実施例を示している。
【0053】
乾燥剤60には、例えば、シリカゲル(silica
gel:Na2SiO3)や沸石(zeolite)等を用いる。シリカゲルは広い表面積を持ち、吸着性が高いことから、乾燥剤・吸着剤として一般に用いられるガラス状多孔質の固体であるが、A型の乾燥用からB型の湿度調整用まで吸湿率の異なるものを用意しやすく、地理的な気候特性に応じたものを用意することもできる。なお、シリカゲルは二酸化ケイ素から出来ているので、水晶や石英の成分と同じ物質であり、人体に影響のない安全な物質である。最近ではケアドライ(登録商標)や、デシパック(登録商標)のように、特殊な毛細孔を持つ土壌成分を活性化したもので、物理的乾燥剤の中でも特に「クレイ(粘土)系」と呼ばれる乾燥剤もあり、これらを適宜用いてもよい。また、沸石もシリカゲルと同様の特性を有し、近年では疏水性を向上させた合成ゼオライトも多数販売されており、これらを適宜シート状基材20の裏面Uに付着又は被覆紙30に含有させる。
【実施例5】
【0054】
図8は、本発明に係る第五の実施形態を示している。第五の実施形態では、シート状基材20の上下辺縁部に連結部Dを有し、該連結部Dの形状は、一辺側はシート状基材の表面Wから、他辺側はシート状基材20の裏面Uから、其々シート状基材20の厚みの二分の一の厚みとする段差形状であり、屋根下地材10を連結する際に該連結部を相互に組み合わせて重畳すると、シート状基材20の厚みとなる構成を有している。上辺側の連結領域幅D1と、下辺側の連結領域幅D2とは同一寸法とし、其々50mmから150mmの範囲内となる。
【0055】
本発明にかかる屋根下地材10の施工方法については、通常の屋根下地材と同様であり、特殊な工具等も不要である。家屋等の屋根の野路板N上に軒下側から順に重ねて敷設し、その後横桟50が屋根下地材10の上から釘等で打ち付けられて固定されるものである。 また、縦桟状突起部21は、野路板Nが固定される垂木が設けられる一定間隔と同じくして列設させることも可能であるため、屋根下地材10を野路板Nの垂木の位置に釘やタッカー針で確実に固定することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明にかかる屋根下地材10は、瓦葺き用屋根の屋根下地材10としてのみならず、ガルバリウム鋼板等の金属屋根部材の下地材としても用いることが可能である。特に金属屋根部材では、瓦と比較すると遮音効果や断熱効果などが低いため、本願発明を用いることで、金属屋根部材の欠点を大きく補うことも可能である。また、本発明の屋根下地材10は、裏面U又は両面に縦桟状突起部21が設けられることによって、下地材と野地板Nの間に空間部領域R1が確保され、通気性が確保されると同時に断熱による冷暖房効率が高まる効果により環境にも資する有用な技術に関するものであることから、本発明による屋根下地材10の産業上の利用可能性は大きいものと思量する。
【符号の説明】
【0057】
10 屋根下地材
20 シート状基材
21 縦桟状突起部
22 通気溝
23 微小通気溝
30 被覆紙
40 滑り止め突起部
50 横桟
60 乾燥剤
H1 裏面側通気溝深さ
H2 裏面側縦桟状突起部高さ
H3 横走り防止高さ
H4 表面側縦桟状突起部高さ
H5 表面側通気溝深さ
B1 縦桟状突起部幅
B2 溝長
B3 微小溝長
P1 ピッチ
P2 微小通気溝ピッチ
P3 隣設ピッチ
R1 領域
R2 横走り防止領域
Y 雨水
S 水蒸気
D 連結設部
D1 連結領域幅
D2 連結領域幅
N 野地板
W 表面
U 裏面
K 屋根勾配
Z 靴底

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軟質性合成樹脂のシート状基材の片面又は両面に被覆紙を一体的に被着して形成される屋根下地材であって、
前記シート状基材の裏面又は両面には、棟軒間方向を縦方向とする縦桟状突起部を延設して形成し、
該縦桟状突起部は等間隔に並行に列設し、
該縦桟状突起部の表面には通気溝を設け、
該通気溝は隣設される該縦桟状突起部の通気溝と隣り合わないように交互に位相させて一定間隔を空けて列設し、
該通気溝の深さは縦桟状突起部の表面からシート状基材の表面の間であって、該通気溝からシート状基材の表面までの横走り防止領域を確保する位置に配設したことを特徴とする屋根下地材。
【請求項2】
前記軟質性合成樹脂のシート状基材又は前記被覆紙が、乾燥剤で被包するように被着されているか、又は、前記被覆紙が乾燥剤を含有している被覆紙であることを特徴とする請求項1に記載の屋根下地材。
【請求項3】
連設される前記縦桟状突起部間のシート状基材の表面領域内に、前記縦桟状突起部の高さを超えない高さに突出した滑り止め突起部を等方間隔に多数配置したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の屋根下地材。
【請求項4】
前記シート状基材の上下辺縁部に連結部を有し、
該連結部の形状は、一辺側はシート状基材の上面から、他辺側はシート状基材の裏面から、其々シート状基材の厚みの二分の一の厚みとする段差形状であり、屋根下地材を連結する際に該連結部を相互に組み合わせて重畳すると、シート状基材の厚みとなる構成を有していることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の屋根下地材。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−2253(P2013−2253A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−137887(P2011−137887)
【出願日】平成23年6月21日(2011.6.21)
【特許番号】特許第4855546号(P4855546)
【特許公報発行日】平成24年1月18日(2012.1.18)
【出願人】(391064614)株式会社チャンピオン (5)