説明

屋根用設置物取付具並びに屋根用設置物取付具の取付方法

【課題】挟持間隔を変更して様々なタイプの屋根板材の接合用重合板部に対して締付挟持固定可能となる屋根用設置物取付具、並びにこの屋根用設置物取付具の挟持固定力が著しく向上することになる屋根用設置物取付具の取付方法を提供すること。
【解決手段】屋根板材1の接合用重合板部2に対して上下から締付挟持固定する挟持部3を備えると共に、雪止め金具やソーラーパネル4Aや融雪装置やそれらの取付具4Bなどの屋根上設置物4を取付し得る取付部5を備えた取付用金具Aと、この取付用金具Aの前記挟持部3に装着することで挟持部3の挟持間隔を変更可能な挟持部用補助具B1とから成る屋根用設置物取付具。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋根上に雪止め金具やソーラーパネルや融雪装置やそれらの取付具などの屋根上設置物を取付するための屋根用設置物取付具並びにこの屋根用設置物取付具の取付方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、屋根上にソーラーパネルや融雪装置などの設置物を設置するための設置物取付金具が実施されており、装着対象の形状(屋根葺の種類)によって異なるが、基本的には、屋根板材の接合用重合板部に挟持固定可能な締付ボルトによる締付挟持部を備えた金具本体の上部に、雪止め金具やソーラーパネルや融雪装置やそれらの取付具などの屋根上設置物を取付し得る取付部(取付ボルトなど)が設けられた構成である(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−234423号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
金属製の屋根板材を用いた屋根葺には、横葺,縦葺,折板屋根葺などがあるが、どの種類にも色々なタイプが多数存在していて、上記のような屋根用設置物取付金具を挟持固定する屋根板材の接合用重合板部の厚みもタイプ別で大小様々である。
【0005】
しかし、屋根用設置物取付金具の挟持部の挟持間隔を広くして厚みの大きい接合用重合板部に適するようにすれば、厚みの小さい接合用重合板部を有する屋根板材への締付挟持固定には適さないものになるし、逆に挟持部の挟持間隔を狭くして厚みの小さい接合用重合板部に適するようにすれば、厚みの大きい接合用重合板部を有する屋根板材への締付挟持固定には適さないものになってしまうため、全てのタイプの屋根板材に対して使用可能な屋根用設置物取付金具は実現化が困難であった。
【0006】
本発明は、上記のようなこの種屋根用設置物取付金具の現状に鑑みて発案されたもので、挟持間隔を変更して様々なタイプの屋根板材(の接合用重合板部)に対して締付挟持固定可能となる実用性に優れた屋根用設置物取付具を提供するものである。
【0007】
また、本発明は、屋根用設置物取付具の挟持固定力が著しく向上する屋根用設置物取付具の取付方法を提供することも技術的課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0009】
横葺屋根用の屋根板材1の横設する接合用重合板部2に対して上下から締付挟持固定する挟持部3を備えると共に、雪止め金具やソーラーパネル4Aや融雪装置やそれらの取付具4Bなどの屋根上設置物4を取付し得る取付部5を備えた取付用金具Aと、この取付用金具Aの前記挟持部3の先端部に装着することで挟持部3の挟持間隔を変更可能な挟持部用補助具B1とから成ることを特徴とする屋根用設置物取付具に係るものである。
【0010】
また、前記挟持部用補助具B1は、前記取付用金具Aの挟持部3の先端部を差込する差込部6を備えたことを特徴とする請求項1記載の屋根用設置物取付具に係るものである。
【0011】
また、前記取付用金具Aは、締付により挟持間隔を調整可能な一対の挟持板部7・8を設けて前記挟持部3を構成し、前記挟持部用補助具B1は、一対の挟持板部7・8のいずれか一方の先端部に装着すると他方に向けて突出する形状に形成して、挟持部3の挟持間隔を狭め得るように構成したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の屋根用設置物取付具に係るものである。
【0012】
また、前記挟持部用補助具B1は、前記一対の挟持板部7・8のいずれか一方の先端部の表側板面に当接する表側当接部9と、裏側板面に当接する裏側当接部10とを有する差込部6を備えた構成として、この差込部6の表側当接部9と裏側当接部10との間に一対の挟持板部7・8のいずれか一方の先端部を差込することで、挟持部用補助具B1を挟持部3の先端部に装着し得るように構成したことを特徴とする請求項3記載の屋根用設置物取付具に係るものである。
【0013】
また、雪止め金具やソーラーパネル4Aや融雪装置やそれらの取付具4Bなどの屋根上設置物4を取付し得る取付部5を備えた取付具本体28に、横葺屋根用の屋根板材1の横設する接合用重合板部2に対して上下から挟むようにして配設可能な上下一対の挟着用突設部29を設け、この挟着用突設部29の上側突設部30に、前記接合用重合板部2の上部に当接する挟持当接部32を設けると共に、この挟持当接部32は、上側突設部30に対して昇降移動可能に設けて、この挟持当接部32の昇降移動により前記挟着用突設部29の下側突設部31との対向間隔を変更し得るように構成し、この挟持当接部32を締付により前記接合用重合板部2に圧接当接せしめる締付固定手段33を備えて、この締付固定手段33により挟持当接部32と下側突設部31とで接合用重合板部2に挟持固定し得るように構成したことを特徴とする屋根用設置物取付具に係るものである。
【0014】
また、前記挟着用突設部29の上側突設部30に昇降用支持体34を縦設状態に設ける共に、この昇降用支持体34に前記挟持当接部32を昇降移動自在に支持し、この昇降用支持体34に螺着可能な締付体35を有して、この締付体35により昇降用支持体34に支持した挟持当接部32を締付して前記接合用重合板部2に圧接当接せしめる前記締付固定手段33を備えるか、若しくは昇降用支持体34を上側突設部30に螺着し得るように構成してこの上側突設部30に螺着した昇降用支持体34によりこの昇降用支持体34に支持した挟持当接部32を締付して前記接合用重合板部2に圧接当接せしめる前記締付固定手段33を備えたことを特徴とする請求項5記載の屋根用設置物取付具に係るものである。
【0015】
また、前記上側突設部30に支持ボルト34を立設状態に設けると共に、この支持ボルト34に前記挟持当接部32を昇降移動自在に支持し、この支持ボルト34に螺着可能な締付用ナット35を有して、この締付用ナット35により支持ボルト34に支持した挟持当接部32を締付して前記接合用重合板部2に圧接当接せしめる前記締付固定手段33を備え、支持ボルト34を前記取付部5としたことを特徴とする請求項5,6のいずれか1項に記載の屋根用設置物取付具に係るものである。
【0016】
また、前記挟着用突設部29の下側突設部31は、前記屋根板材1の接合用重合板部2の下方の隙間に挿入配設可能な板状に形成し、前記挟持当接部32は、屋根板材1の接合用重合板部2の上部に当接する当接部分36を複数設けたことを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の屋根用設置物取付具に係るものである。
【0017】
また、前記挟着用突設部29の上側突設部30に前記取付部5を設けると共に、この取付部5は、上側突設部30に設けた前記挟持当接部32と前記下側突設部31とで接合用重合板部2を挟持した際の接合用重合板部2の上方位置若しくはこの接合用重合板部2より屋根の傾斜上方側に存する屋根下地材37への固定用板部38の上方位置に設けたことを特徴とする請求項5〜8のいずれか1項に記載の屋根用設置物取付具に係るものである。
【0018】
また、屋根の傾斜方向に複数並設接続される横葺屋根用の屋根板材1の接合用重合板部2間に補強金具体39を重合配設し、この補強金具体39が重合配設する接合用重合板部2に、前記請求項1〜9のいずれか1項に記載の屋根用設置物取付具を挟持固定することを特徴とする屋根用設置物取付具の取付方法に係るものである。
【0019】
また、前記補強金具体39は、前記屋根板材1の固定用板部38に重合可能な固定用重合板部40と、固定用板部38より屋根の傾斜下方側に存する屋根板材1の接合用重合板部2に重合可能な補強用重合板部41とを備えた板状体とし、この補強金具体39の固定用重合部40は、固定具42により屋根板材1の固定用板部38と共に屋根下地材37に固定し得るように構成したことを特徴とする請求項10記載の屋根用設置物取付具の取付方法に係るものである。
【0020】
また、縦葺屋根用の屋根板材20若しくは折板屋根用の屋根板材21の立設する接合用重合板部22に対して左右から締付挟持固定する挟持部3を備えると共に、雪止め金具やソーラーパネル4Aや融雪装置やそれらの取付具4Bなどの屋根上設置物4を取付し得る取付部5を備えた取付用金具Aと、この取付用金具Aの前記挟持部3の先端側に装着することで挟持部3の挟持間隔を変更可能な挟持部用補助具B2とから成ることを特徴とする屋根用設置物取付具に係るものである。
【0021】
また、前記挟持部用補助具B2は、前記取付用金具Aの前記挟持部3の先端側に設けた係止孔23に圧入係止する圧入部24を備えたことを特徴とする請求項12記載の屋根用設置物取付具に係るものである。
【0022】
また、前記取付用金具Aは、締付により挟持間隔を調整可能な一対の挟持板部7・8を設けて前記挟持部3を構成し、この一対の挟持板部7・8のいずれか一方の先端側に前記係止孔23を設け、前記挟持部用補助具B2は、前記圧入部24を前記係止孔23に圧入係止すると一対の挟持板部7・8のいずれか他方に向けて突出する形状に形成して、前記挟持部3の挟持間隔を狭め得るように構成したことを特徴とする請求項13記載の屋根用設置物取付具に係るものである。
【0023】
また、前記挟持部用補助具B2は、楔形の前記圧入部24を備えて、この圧入部24を前記挟持部3の先端側に設けた係止孔23に圧入係止することで、挟持部用補助具B2を挟持部3の先端側に装着し得るように構成したことを特徴とする請求項13,14のいずれか1項に記載の屋根用設置物取付具に係るものである。
【発明の効果】
【0024】
請求項1記載の発明は上述のように構成したから、単に挟持部の先端部に挟持部用補助具を装着するだけで挟持部の挟持間隔を変更することができ、これによりタイプによって異なる接合用重合板部の厚みに対応してどのようなタイプの横葺屋根用屋根板材に対しても締付挟持固定可能となり、しかも、取付用金具は、挟持部を備えた既存品を採用することで足りる上に、挟持部の先端部に対して装着可能な挟持部用補助具を追加することだけで本発明は構成可能であるので、簡易に設計実現可能となるなど、極めて実用性に優れた屋根用設置物取付具となる。
【0025】
また、請求項2記載の発明においては、差込操作により挟持部用補助具を取付用金具の挟持部の先端部に簡単に装着できる一層取り扱い性に優れた構成の屋根用設置物取付具となる。
【0026】
また、請求項3記載の発明においては、前記作用・効果を確実に発揮する取付用金具並びに挟持部用補助具を簡易に設計実現可能となる一層実用性に優れた構成の屋根用設置物取付具となる。
【0027】
また、請求項4記載の発明においては、差込操作により挟持部用補助具を取付用金具の挟持部の先端部に装着できる差込部の構成を簡易に設計実現可能となる一層実用性に優れた構成の屋根用設置物取付具となる。
【0028】
また、請求項5記載の発明は上述のように構成したから、単に挟持当接部を昇降移動させるだけで、タイプによって異なる接合用重合板部の厚みに対応でき、どのようなタイプの横葺屋根用屋根板材に対しても締付挟持固定可能となる極めて実用性に優れた屋根用設置物取付具となる。
【0029】
また、請求項6,7記載の発明においては、挟着用突設部の上側突設部に挟持当接部を昇降移動自在に設ける構成簡易に設計実現可能となる一層実用性に優れた屋根用設置物取付具となり、特に請求項7記載の発明においては、挟持当接部を昇降移動可能に支持する支持ボルトが屋根上設置物の取付部としても機能する構成としたから、部品点数が少なくコスト安に設計実現可能となる。
【0030】
また、請求項8記載の発明においては、挟持当接部と下側突設部とで屋根板材の接合用重合板部を挟持固定可能な構成を容易に設計実現可能となり、しかも、挟持当接部の複数の当接部分が接合用重合板部に当接して一層強固に挟持固定可能となるなど、一層実用性に優れた屋根用設置物取付具となる。
【0031】
また、請求項9記載の発明においては、取付部の位置と屋根板材の固定用板部の位置(屋根下地材への固定位置)とが近づくように構成したため、取付部を利用して横葺屋根上に取付られた屋根上設置物が風によって上方へ吹上げられた場合に、固定用板部を軸にして接合用重合板部が屋根用設置物取付具と共に上方へ回転しようとする力(曲げモーメント)がかかりにくくなり、これにより屋根上設置物の浮き上がりを良好に防止することができる一層実用性に優れた屋根用設置物取付具となる。
【0032】
また、請求項10記載の発明は上述のように、屋根の傾斜方向に複数並設接続される横葺屋根用の屋根板材の接合用重合板部間に補強金具体を重合配設し、この補強金具体が重合配設する接合用重合板部に、前記請求項1〜9のいずれか1項に記載の屋根用設置物取付具を挟持固定するから、接合用重合板部が補強金具体により高強度を発揮し、補強金具体を用いない場合に比べて屋根用設置物取付具の挟持固定力が著しく向上することになる極めて実用性に優れた屋根用設置物取付具の取付方法となる。
【0033】
また、請求項11記載の発明においては、板状の補強金具体は、接合用重合板部間に容易に重合配設可能であると共に、この接合用重合板部の厚みをさほど変化させることがなく、しかも、補強金具体を屋根下地材に固定したため、横葺屋根上に取付られた屋根上設置物が風によって上方へ吹上げられた場合に、この吹上荷重を補強金具体が支持して屋根上設置物の浮き上がりを良好に防止できることとなるなど、一層実用性に優れた屋根用設置物取付具の取付方法となる。
【0034】
また、請求項12記載の発明は上述のように構成したから、単に挟持部の先端側に挟持部用補助具を装着するだけで挟持部の挟持間隔を変更することができ、これによりタイプによって異なる接合用重合板部の厚みに対応してどのようなタイプの縦葺屋根用屋根板材若しくは折板屋根用屋根板材に対しても締付挟持固定可能となり、しかも、取付用金具は、挟持部を備えた既存品を採用することで足りる上に、挟持部の先端側に装着可能な挟持部用補助具を追加することだけで本発明は構成可能であるので、簡易に設計実現可能となるなど、極めて実用性に優れた屋根用設置物取付具となる。
【0035】
また、請求項13記載の発明においては、圧入部を係止孔に圧入するだけの簡単な操作で挟持部用補助具を取付用金具の挟持部の先端側に装着できる一層取り扱い性に優れた構成の屋根用設置物取付具となる。
【0036】
また、請求項14記載の発明においては、前記作用・効果を確実に発揮する取付用金具並びに挟持部用補助具を簡易に設計実現可能となる一層実用性に優れた構成の屋根用設置物取付具となる。
【0037】
また、請求項15記載の発明においては、係止孔に確実に圧入係止する圧入部を簡易に設計実現可能となる一層実用性に優れた構成の屋根用設置物取付具となる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】実施例1を示す分解斜視図である。
【図2】実施例1の、取付用金具の挟持部に挟持部用補助具を装着した状態を示す斜視図である。
【図3】実施例1の使用状態(挟持部用補助具を使用して挟持部の挟持間隔を狭め、厚みが小さい接合用重合板部に対して締付挟持固定した状態)を示す説明側面図である。
【図4】実施例1の、挟持部用補助具を使用しない場合の締付挟持固定状態(厚みが大きい接合用重合板部に対して締付挟持固定した状態)を示す説明側面図である。
【図5】実施例2を示す斜視図である。
【図6】実施例2を示す別角度からの斜視図である。
【図7】実施例2を示す分解斜視図である。
【図8】実施例2の、厚みが大きい接合用重合板部に対して締付挟持固定した使用状態を示す説明側面図である。
【図9】実施例2の、厚みが小さい接合用重合板部に対して締付挟持固定した使用状態を示す説明側面図である。
【図10】実施例3を示す斜視図である。
【図11】実施例3の使用状態(厚みが小さい接合用重合板部に対して締付挟持固定した状態)を示す説明側断面図である。
【図12】実施例4を示す斜視図である。
【図13】実施例4を示す別角度からの斜視図である。
【図14】実施例4を示す分解斜視図である。
【図15】実施例4の使用状態(厚みが小さい接合用重合板部に対して締付挟持固定した状態)を示す説明側面図である。
【図16】実施例5の補強金具体を示す斜視図である。
【図17】実施例5の使用状態(厚みが小さい接合用重合板部に対して実施例2の屋根用設置物取付具を締付挟持固定した状態)を示す説明側面図である。
【図18】実施例6の説明分解斜視図である。
【図19】実施例6の、取付用金具の挟持部に挟持部用補助具を装着した状態を示す説明斜視図である。
【図20】実施例6の、挟持部用補助具を使用して挟持部の挟持間隔を狭め、屋根板材(縦葺屋根用)の厚みが小さい接合用重合板部に対して締付挟持固定した状態を示す説明側面図である。
【図21】図20より厚みが大きい接合用重合板部に対して締付挟持固定した状態を示す説明側面図である。
【図22】実施例6の使用状態を示す説明側面図である。
【図23】実施例6の、挟持部用補助具を使用して挟持部の挟持間隔を狭め、厚みが小さい接合用重合板部に対して締付挟持固定した状態を示す説明側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0040】
・請求項1記載の発明
横葺屋根用の屋根板材1の横設する接合用重合板部2を挟持部3で上下から挟むように締付挟持固定して取付用金具Aを横葺屋根上に固定するが、この際、挟持固定する屋根板材1の接合用重合板部2の厚みが大きかったり小さかったりして、挟持部3の挟持間隔が接合用重合板部2の締付挟持固定に適さない場合には、挟持部3の先端部に挟持部用補助具B1を装着して挟持部3の挟持間隔を変更することができる。
【0041】
従って、単に挟持部3の先端部に挟持部用補助具B1を装着するだけで、タイプによって異なる接合用重合板部2の厚みに対応できるので、どのようなタイプの横葺屋根用屋根板材1に対しても挟持部3によって締付挟持固定可能となる極めて実用性に優れた屋根用設置物取付具となる。
【0042】
このようにして横葺屋根(屋根板材1)上に固定された本発明品の取付部5を利用して、雪止め金具やソーラーパネル4Aや融雪装置やそれらの取付具4Bなどの屋根上設置物4を横葺屋根上に取付できる。
【0043】
また、本発明の取付用金具Aは、挟持部3を備えた既存の屋根用設置物取付金具を採用することで足りる上、従来からある取付用金具Aに、挟持部3の先端部に対して装着可能な挟持部用補助具B1を追加するだけで本発明は構成可能であるので、簡易に設計実現可能である。
【0044】
また、挟持部用補助具B1に、挟持部3の挟持間隔を細かく変更可能となる数タイプを用意することも可能である。
【0045】
・請求項5記載の発明
横葺屋根用の屋根板材1の横設する接合用重合板部2を上下一対の挟着用突設部29で上下から挟むように配設すると共に、挟着用突設部29の上側突設部30に設けた挟持当接部32を接合用重合板部2の上部に当接し、締付固定手段33の締付により挟持当接部32を接合用重合板部2に圧接当接させてこの挟持当接部32と挟着用突設部29の下側突設部32とで接合用重合板部2を挟持固定すると、取付具本体28を横葺屋根上に固定することができる。
【0046】
この際、挟持固定する屋根板材1の接合用重合板部2の厚みに応じて挟持当接部32を上側突設部30に対し昇降移動させて下側突設部30との対向間隔を変更することができる。
【0047】
従って、単に挟持当接部32を昇降移動させるだけで、タイプによって異なる接合用重合板部2の厚みに対応できるので、どのようなタイプの横葺屋根用屋根板材1に対しても締付挟持固定可能となる極めて実用性に優れた屋根用設置物取付具となる。
【0048】
このようにして横葺屋根(屋根板材1)上に固定された本発明品の取付部5を利用して、雪止め金具やソーラーパネル4Aや融雪装置やそれらの取付具4Bなどの屋根上設置物4を横葺屋根上に取付できる。
【0049】
また、例えば、前記挟着用突設部29の上側突設部30に前記取付部5を設けると共に、この取付部5は、上側突設部30に設けた前記挟持当接部32と前記下側突設部31とで接合用重合板部2を挟持した際の接合用重合板部2の上方位置若しくはこの接合用重合板部2より屋根の傾斜上方側に存する屋根下地材37への固定用板部38の上方位置に設ければ、本取付具の取付部5の位置と、屋根板材1の固定用板部38の位置即ち屋根下地材37への固定位置とが近づくこととなる。
【0050】
従って、取付部5を利用して横葺屋根上に取付られた屋根上設置物4が風によって上方へ吹上げられた場合には、固定用板部38を軸にして接合用重合板部2が屋根用設置物取付具と共に上方へ回転しようとする力(曲げモーメント)がかかるが、この際に取付部5と固定用板部38の位置とが近いために前記曲げモーメントがかかりにくい構成となり、屋根上設置物4の浮き上がりが良好に防止されることとなる。
【0051】
・請求項10記載の発明
屋根の傾斜方向に複数並設接続される横葺屋根用の屋根板材1の接合用重合板部2間に補強金具体39を重合配設し、この補強金具体39が重合配設する接合用重合板部2に、前記請求項1〜9のいずれか1項に記載の屋根用設置物取付具を挟持固定する。
【0052】
すると、補強金具体39が重合配設された接合用重合板部2は、この補強金具体39の剛性が加わった高強度を発揮し、そのため、この接合用重合板部2に屋根用設置物取付具を挟持固定してもこの接合用重合板部2が必要以上に変形することがなく、よって、補強金具体39を用いない場合に比べて屋根用設置物取付具の挟持固定力が著しく向上することになる。
【0053】
また、補強金具体39を重合配設することによって接合用重合板部2の厚みが変化しても、請求項1〜9のいずれか1項に記載の屋根用設置物取付具は、この接合用重合板部2の厚みの変化に対応して挟持固定可能である。
【0054】
また、例えば、前記補強金具体39は、前記屋根板材1の固定用板部38に重合可能な固定用重合板部40と、固定用板部38より屋根の傾斜下方側に存する屋根板材1の接合用重合板部2に重合可能な補強用重合板部41とを備えた板状体とし、この補強金具体39の固定用重合部40は、固定具42により屋根板材1の固定用板部38と共に屋根下地材37に固定し得るように構成すれば、板状の補強金具体39は、接合用重合板部2間に容易に重合配設可能であると共に、この接合用重合板部2の厚みをさほど変化させることがない。
【0055】
また、屋根下地材37に固定した補強金具体39が、横葺屋根上に取付られた屋根上設置物4が風によって上方へ吹上げられた場合にこの吹上荷重を屋根用設置物取付具を介して支持することとなるので、屋根上設置物4の浮き上がりが良好に防止されることになる。
【0056】
・請求項12記載の発明
縦葺屋根用屋根板材20若しくは折板屋根用屋根板材21の立設する接合用重合板部22を挟持部3で左右から挟むように締付挟持固定して取付用金具Aを縦葺屋根上若しくは折板屋根上に固定するが、この際、挟持固定する屋根板材20若しくは屋根板材21の接合用重合板部22の厚みが大きかったり小さかったりして、挟持部3の挟持間隔が接合用重合板部22の挟持固定に適さない場合には、挟持部3の先端側に挟持部用補助具B2を装着して挟持部3の挟持間隔を変更することができる。
【0057】
従って、単に挟持部3の先端側に挟持部用補助具B2を装着するだけで、タイプによって異なる接合用重合板部22の厚みに対応でき、これによりどのようなタイプの縦葺屋根用屋根板材20若しくは折板屋根用屋根板材21に対しても挟持部3によって締付挟持固定可能となる極めて実用性に優れた屋根用設置物取付具となる。
【0058】
このようにして縦葺屋根(屋根板材20)若しくは折板屋根(屋根板材21)上に固定された本発明品の取付部5を利用して、雪止め金具やソーラーパネル4Aや融雪装置やそれらの取付具4Bなどの屋根上設置物4を縦葺屋根若しくは折板屋根上に取付できる。
【0059】
また、本発明の取付用金具Aは、挟持部3を備えた既存の屋根用設置物取付金具を採用することで足りる上、従来からある取付用金具Aに、挟持部3の先端側に装着可能な挟持部用補助具B2を追加するだけで本発明は構成可能であるので、簡易に設計実現可能である。
【0060】
また、挟持部用補助具B2に、装着することで挟持部3の挟持間隔を細かく変更可能となる数タイプを用意することも可能である。
【実施例1】
【0061】
本発明の具体的な実施例1について図1〜図4に基づいて説明する。
【0062】
本実施例は、横葺屋根用の屋根板材1の横設する接合用重合板部2に対して上下から締付挟持固定する挟持部3を備えると共に、雪止め金具やソーラーパネル4Aや融雪装置やそれらの取付具4Bなどの屋根上設置物4を取付し得る取付部5を備えた取付用金具Aと、この取付用金具Aの前記挟持部3の先端部に装着することで挟持部3の挟持間隔を変更可能な挟持部用補助具B1とから成るものである。即ち、本実施例は、横葺屋根用の屋根用設置物取付具に適用している。
【0063】
具体的には、本実施例の取付用金具Aは、図1,図2に示すように、一枚の長尺な金属板材11をプレス加工により略コ字状に折曲形成して中板部12(中間の立設板部)の両端部に一側挟持板部9(図面下側)と他側挟持板部10(図面上側)とが対向状態に連設する形状に構成している。
【0064】
本実施例の挟持部3は、一側挟持板部7と他側挟持板部8との間に締付ボルト13を架設してこの締付ボルト13の先端側にナット14を螺着し、このナット14を締付回動すると前記中板部12が弾性変形し、一側挟持板部7と他側挟持板部8との対向間隔が狭められて、屋根板材1の接合用重合板部2(折り返し板部)を前記一側挟持板部7と前記他側挟持板部8とで締付挟持固定可能な構成としている。即ち、コ字状の金属板材11と締付ボルト13とナット14とで、前記挟持部3を構成している。
【0065】
更に詳しくは、一側挟持板部7と他側挟持板部8とに前記締付ボルト13を挿通可能な挿通孔(図示省略)を貫通形成し、この一側挟持板部7側から他側挟持板部8に向けて各挿通孔に前記締付ボルト13の先端部を挿通架設し、この他側挟持板部8より外方(図面上方)へ突出する締付ボルト13の先端部に前記ナット14を螺着することで、金属板材11に対し締付ボルト13を脱落防止状態に保持した構成としている。
【0066】
また、図示していないが、この締付ボルト13の基端部の断面形状を角形に形成する一方、この締付ボルト13の角形基端部を挿通する前記一側挟持板部7の挿通孔を角孔に形成して、この締付ボルト13の角形基端部を一側挟持板部7の挿通孔に挿通した際に締付ボルト13が回り止め状態となるように構成し、この回り止め状態の締付ボルト13に対してナット14の回動操作を容易に行えるようにしている。
【0067】
また、本実施例では、他側挟持板部8の先端部を、一側挟持板部7の上面に向かって下方へ略直角に折曲し、この折曲先端部8Aの先端縁を前記接合用重合板部2に食い込み係止する係止縁部15としている。
【0068】
また、本実施例の前記取付部5は、前記他側挟持板部8より、この他側挟持板部8の外方へ突出している前記締付ボルト13の先端側部で構成している。即ち、本実施例の締付ボルト13は、その先端側部が屋根上設置物5の取付部5としての機能も兼ね備える構成としている。
【0069】
尚、図3では、この取付部5としての締付ボルト13の先端側部に、設置物取付用ナット16を利用してソーラーパネル取付用の取付具4Bを取付し、この取付具4Bを介して横葺屋根上にソーラーパネル4Aを取付した場合を示している。
【0070】
また、本実施例では、常態で一側挟持板部7に対し他側挟持板部8が外方へ開いて、一側挟持板部7と前記係止縁部15とに前記接合用重合板部2の挿入間隙が形成されるように構成し、前記ナット14を締付回動すると、前記中板部12が弾性変形して一側挟持板部7と他側挟持板部8との対向間隔が狭まるが、この際、同時にナット14による締付力に抗する復帰弾性力が中板部12に生じて他側挟持板部8の挿通孔周囲の上面がナット14の下面に圧接すると共に、一側挟持板部7の挿通孔周囲の下面が締付ボルト13のボルト頭部の図示上側面に圧接し、この他側挟持板部8とナット14との圧接摩擦力と一側挟持板部7とボルト頭部との圧接摩擦力により、締付ボルト13とナット14の緩み止め作用が得られるように構成している。
【0071】
また、本実施例の挟持部3は、一側挟持板部7と前記係止縁部15とに比較的厚みのある接合用重合板部2を挿入して挟持固定するのに適した挿入間隙が形成されるように構成している(図4参照。)。
【0072】
また、本実施例では、図1〜図4に示すように、前記中板部12の断面形状を、前記一側挟持板部7と前記他側挟持板部8との対向内側方向に向かって凸湾曲する断面湾曲形状に形成している。
【0073】
具体的には、中板部12は、その幅方向の全域を側方より見てこの中板部12の後側(一側挟持板部7と他側挟持板部8とが突出する側の反対側)へ反った断面湾曲形状に形成している。言い換えると、中板部12を前記金属板材11の外側(図3,図4おいて左側)に反りかえらせている。
【0074】
この反りかえり形状の中板部12は、前記ナット14を締付回動してこの中板部12が一側挟持板部7と他側挟持板部8とが対向を間隔を狭めようと弾性変形した際に、この弾性変形に抗する復帰弾性力を常時良好に発揮することになる。また、このような反りかえり形状の中板部12は、この中板部12が金属板材11の外方へ膨らむように突出変形することも防止される。
【0075】
即ち、ナット14を締付回動した際に中板部12が金属板材11の外方へ膨らむように突出変形してしまうと、そのまま中板部12の形がくせ付けられて前記復帰弾性力を発揮できなくなってしまうが、本実施例では、中板部12の断面湾曲形状(反りかえり形状)が保たれることで中板部12が復帰弾性力を失わず、この復帰弾性力が永続的に発揮されることになる構成としている。従って、この永続的な中板部12の弾性力により、締付回動した締付ボルト13とナット14に対して常時一側挟持板部7と他側挟持板部8が圧接して摩擦抵抗が付与されることになるので、締付ボルト13とナット14の極めて良好な緩み止め作用が得られ、長期間にわたって挟持部3による締付固定状態が確保されることになる。
【0076】
本実施例の挟持部用補助具B1は、一枚の横長の方形板材17で構成し、この板材17の一方の長縁側に前記取付用金具Aの挟持部3の前記他側挟持板部8の折曲先端部8Aを差込装着する差込部6を設け、他方の長縁を前記横葺屋根用屋根板材1の接合用重合板部2に当接する挟持縁部18としている。
【0077】
また、差込部6から挟持縁部18までの距離を、挟持部3の挟持間隔(一側挟持板部7と他側挟持板部8の折曲先端部8Aとの間の距離)より短い距離に設定し、この差込部6に他側挟持板部8の折曲先端部8Aを差込して挟持部用補助具B1を装着すると、一側挟持板部7と挟持縁部18の間に挿入間隔(挟持間隔)を保持したままこの挿入間隔が狭められる構成とし、この挟持部用補助具B1を装着した状態では、図3に示すように比較的厚みの小さい接合用重合板部2に対して良好に締付挟持固定できる構成としている。
【0078】
また、差込部6について詳しく説明すると、板材17の一方の長縁側を、この板材17の長手方向に間隔を置いて形成した切り込みにより複数枚(図面では三枚)に分割し、更に隣接する分割板部19同士が互いに板材17の表裏方向の異なる方向に折曲突出すると共に、隣接する分割板部19同士が互いに略平行関係となるようにして折曲突出している。
【0079】
また、この略平行関係の各分割板部19間を、前記他側挟持板部8の折曲先端部8Aが差込可能な間隔に設定して、この各分割板部19間を前記差込部6とすると共に、この各分割板部19の対向面のうち、分割板部19間に差し込まれた他側挟持板部8の折曲先端部8Aの表側板面に当接するものを表側当接部9とし、裏側板面に当接するものを裏側当接部10としている。即ち、差込部6は、差し込まれた他側挟持板部8の折曲先端部8Aの表裏両面が面接状態に挟み込まれて、挟持部用補助具B1がガタつかず安定的に装着される構成としている。
【0080】
尚、図示していないが、長さ(差込部6からの挟持縁部18の突出度)の異なる挟持部用補助具B1を数タイプ用意し、これを付け替えて挟持部3の挟持間隔を更に細かく変更し得るようにしても良い。
【実施例2】
【0081】
本発明の具体的な実施例2について図5〜図9に基づいて説明する。
【0082】
本実施例は、雪止め金具やソーラーパネル4Aや融雪装置やそれらの取付具4Bなどの屋根上設置物4を取付し得る取付部5を備えた取付具本体28に、横葺屋根用の屋根板材1の横設する接合用重合板部2に対して上下から挟むようにして配設可能な上下一対の挟着用突設部29を設け、この挟着用突設部29の上側突設部30に、前記接合用重合板部2の上部に当接する挟持当接部32を設けると共に、この挟持当接部32は、上側突設部30に対して昇降移動可能に設けて、この挟持当接部32の昇降移動により前記挟着用突設部29の下側突設部31との対向間隔を変更し得るように構成している。即ち、本実施例も、横葺屋根用の屋根用設置物取付具に適用したものである。
【0083】
具体的には、本実施例の取付具本体28は、図5〜図7に示すように、一枚の長尺な金属板材43をプレス加工により側面視で略コ字状に折曲形成して中板部44(中間の立設板部)の両端部に上側突設部30と下側突設部31とが対向状態に連設する形状に構成し、この上下一対の上側突設部30と下側突設部31を前記挟着用突設部29としている。
【0084】
また、この取付具本体28は、上側突設部30を下側突設部31より長く突設して、下側突設部31を接合用重合板部2の下方の隙間に挿入した際に上側突設部30が接合用重合板部2上方の広範囲を覆うようにして配設する構成としている。
【0085】
本実施例の挟持当接部32は、一枚の金属板を側面視で略コ字状に折曲形成し、中板部を前記上側突設部30の中ほどより突出先端側に重合可能に配設すると共に、一側端部(上側突設部30の突出先端側(前側)に配した端部)を上側突設部30より下方へ向けて垂下させ、一方、他側端部(後側端部)は、上側突設部30の途中部に形成したスリット孔45を介して上側突設部30の上方から下方へ貫通させると共に、この挟持当接部32の他側端部はスリット孔45を介して上側突設部30に対し昇降移動可能に設けている。
【0086】
また、この挟持当接部32の前後両側の垂下先端を対向内側に向かって折曲形成して、この両側の折曲先端部の下面を、前記接合用重合板部2の上面に面接当接する当接部分36としている。即ち、本実施例の挟持当接部32は、複数(前後二箇所)の当接部分36で接合用重合板部2の上部に確固に当接可能な構成としている。
【0087】
また、本実施例では、前記挟着用突設部29の上側突設部30に昇降用支持体34を縦設状態に設ける共に、この昇降用支持体34に前記挟持当接部32を昇降移動自在に支持している。
【0088】
具体的には、昇降用支持体34は、ボルト(支持ボルト34)を採用し、この支持ボルト34を上側突設部30に貫通形成したボルト通し孔46に下方から挿通することで上側突設部30に装着し、一方、挟持当接部32には、前記ボルト通し孔46と連通して前記支持ボルト34を挿通する支持孔47を貫通形成して、この支持孔47を介して支持ボルト34に挟持当接部32を昇降移動自在に支持した構成としている。
【0089】
即ち、本実施例の挟持当接部32は、支持ボルト34と前記スリット孔45とにより上側突設部30に対し昇降移動自在に支持される構成としている。
【0090】
また、前記ボルト通し孔46は角孔に形成し、支持ボルト34の基端部も角形に形成して、この支持ボルト34の角形基端部をボルト通し孔46に挿通装着した際に支持ボルト34が回り止め状態となるように構成し、この回り止め状態の支持ボルト34に対して後述する締付体35の回動操作を容易に行えるようにしている。
【0091】
また、本実施例では、ボルト通し孔46を介して挟持当接部32より上方へ立設突設する支持ボルト34のボルト先端に螺着可能な六角ナットを採用した締付体35(締付用ナット35)を有して、この締付用ナット35の締付回動操作により支持ボルト34に支持した挟持当接部32を上側突設部30に接近させて前記接合用重合板部2に前記当接部分36を圧接当接させる前記締付固定手段33を備えている。図中符号48は挟持当接部32と締付用ナット35の間に配した座金である。
【0092】
従って、横葺屋根用の屋根板材1の横設する接合用重合板部2を上下一対の挟着用突設部29で上下から挟むように配設すると共に、挟着用突設部29の上側突設部30に設けた挟持当接部32を接合用重合板部2の上部に当接し、締付固定手段33の締付により挟持当接部32を接合用重合板部2に圧接当接させてこの挟持当接部32と挟着用突設部29の下側突設部32とで接合用重合板部2を挟持固定すると、取付具本体28を横葺屋根上に固定することができる構成としている。
【0093】
また、この際、図8,図9に示すように、挟持固定する屋根板材1の接合用重合板部2の厚みに応じて挟持当接部32を上側突設部30に対し昇降移動させて下側突設部30との対向間隔を変更することができる構成としている。
【0094】
また、本実施例では、支持ボルト34を取付部5とし、図示していないが横葺屋根(屋根板材1)上に固定された本取付具のこの取付部5を利用して、雪止め金具やソーラーパネル4Aや融雪装置やそれらの取付具4Bなどの屋根上設置物4を横葺屋根上に取付できる構成としている。
【0095】
尚、例えば、上側突設部30のボルト通し孔46を雌螺子孔に形成し、この雌螺子孔に昇降用支持体34として採用した支持ボルト34のボルト先端を上方から螺着してこの支持ボルト34を立設状態に装着し得るように構成すると共に、この支持ボルト34に挟持当接部32を昇降移動自在に支持して、この支持ボルト34の締付回動操作によりこの支持ボルト34に支持した挟持当接部32を上側突設部30に接近させて前記接合用重合板部2に前記当接部分36を圧接当接させる締付固定手段33を備える構成としても良い。
【0096】
また、本実施例では、例えば、図9に示すような接合用重合板部2より屋根の傾斜上方側に屋根下地材37への固定用板部38が存する屋根板材1に対して使用する場合において、上側突設部30に設けた前記挟持当接部32と前記下側突設部31とで接合用重合板部2を挟持した際に、この上側突設部30の突出先端部が前記屋根板材1の接合用重合板部2より屋根の傾斜上方側に存する屋根下地材37への固定用板部38にまで達する長さを有する構成とし、この上側突設部30に前記取付部5を設けると共に、この取付部5は、前記接合用重合板部2の上方位置若しくは前記固定用板部38の上方位置に設けている。
【0097】
従って、本実施例は、前記実施例1と比較すると、取付部5の位置と固定用板部38の位置(屋根下地材37への固定位置)とが非常に近くなる構成としている。この構成により、取付部5を利用して横葺屋根上に取付られた屋根上設置物4が風によって上方へ吹上げられた場合には、固定用板部38位置、即ち屋根板材1の固定位置を軸にして接合用重合板部2が屋根用設置物取付具と共に上方へ回転しようとする力(曲げモーメント)がかかりにくくなり、屋根上設置物4の浮き上がりを良好に防止することができる構成としている。
【実施例3】
【0098】
本発明の具体的な実施例3について図10,図11に基づいて説明する。
【0099】
本実施例は、前記実施例2において、挟持当接部32の形状を異ならせて、この挟持当接部32の上部に屋根上設置物4を直接載置可能な載置部50を設けた場合である。
【0100】
具体的には、前記実施例2の挟持当接部32の形状を、前記中板部44の左右両端部に夫々上方へ立設する立ち上がり板部49を設けると共に、この左右夫々の立ち上がり板部49の中ほどから上側を対向外側に向けて直角に折曲し、この左右夫々の折曲先端部の上面を前記載置部50として、この載置部50に屋根上設置物4の下面を直接面接載置しつつ前記取付部5で取付できるように構成している。
【0101】
また、本実施例では、挟持当接部32の前後幅を前記実施例2より小幅に設定する一方、上側突設部30にはその途中部と先(前)端部近傍の二箇所に前記スリット孔45を貫通形成し、この前後二箇所のスリット孔45に挟持当接部32の前記一側端部と前記他側端部とを、上側突設部30の上方から下方へ昇降移動可能に貫通させている。
【0102】
また、本実施例では、この挟持当接部32の一側端部と他側端部の垂下先端を前記実施例2のように対向内側に向かって折曲形成することなく、この一側端部と他側端部の夫々の垂下先端を前記接合用重合板部2の上面に食い込み当接係止する当接部分36としている。
【0103】
他の構成は、前記実施例2と同様である。
【実施例4】
【0104】
本発明の具体的な実施例4について図12〜図15に基づいて説明する。
【0105】
本実施例は、前記実施例2において、取付具本体28の上側突設部30と下側突設部31を更に長く突設したロングタイプであり、この上側突設部30(の基端側部)と下側突設部31とで構成される前記挟着用突設部29には、前記実施例1の挟持部3と同等の締付挟持機能を設けた場合である。
【0106】
具体的には、上側突設部30の基端側部と下側突設部31との間に締付ボルト13を架設してこの締付ボルト13の先端側にナット14を螺着し、このナット14を締付回動すると取付具本体28を構成する金属板材43が弾性変形し、上側突設部30と下側突設部31との対向間隔が狭められて、屋根板材1の接合用重合板部2を上側突設部30と下側突設部31とで締付挟持固定可能な構成としている。
【0107】
更に詳しくは、上側突設部30と下側突設部31とに前記締付ボルト13を挿通可能な挿通孔51を貫通形成し、下側突設部31側から上側突設部30に向けて各挿通孔51に前記締付ボルト13の先端部を挿通架設し、上側突設部30より上方へ突出する締付ボルト13の先端部に前記ナット14を螺着することで、金属板材43(挟着用突設部29)に対し締付ボルト13を脱落防止状態に保持した構成としている。図中符号52は上側突設部30とナット14の間に配した座金である。
【0108】
また、この締付ボルト13の基端部の断面形状を角形に形成する一方、この締付ボルト13の角形基端部を挿通する前記下側突設部31の挿通孔51を角孔に形成して、この締付ボルト13の角形基端部を下側突設部31の挿通孔51に挿通した際に締付ボルト13が回り止め状態となるように構成し、この回り止め状態の締付ボルト13に対してナット14の回動操作を容易に行えるようにしている。
【0109】
図15は、厚みが小さい接合用重合板部2に対して本取付具を締付挟持固定した場合を示しているが、前記実施例2と同様に厚みが大きい接合用重合板部2に使用することも可能である。
【0110】
また、本実施例の場合、締付ボルト13と支持ボルト34の双方を取付部5とした場合を示しているが、双方の取付部5を使用する必要はなく、どちらか一方の取付部5を使用するようにしても良い。
【0111】
他の構成は、前記実施例2と同様である。
【実施例5】
【0112】
本発明の具体的な実施例5について図16,図17に基づいて説明する。
【0113】
本実施例は、屋根の傾斜方向に複数並設接続される横葺屋根用の屋根板材1の接合用重合板部2間に補強金具体39を重合配設し、この補強金具体39が重合配設する接合用重合板部2に、前記実施例1〜4で示したような、接合用重合板部2の厚みに応じて挟持間隔を変更可能な屋根用設置物取付具を挟持固定する屋根用設置物取付具の取付方法に係るものである。
【0114】
本実施例で使用する補強金具体39は、図16に示すように、金属性の帯板で構成すると共に、屋根板材1の接合用重合板部2の折曲形状に対応する折曲形状に形成して、既存の横葺屋根用の屋根板材1の接合用重合板部2間に無加工で重合配設し得るように構成している。
【0115】
また、この補強金具体39は、前記屋根板材1の固定用板部38に重合可能な固定用重合板部40(図16中の右手前側の水平板部)と、固定用板部38の近傍に存する屋根板材1の接合用重合板部2に重合可能な補強用重合板部41(図16中の左奥側の折曲板部)とから成る構成とし、この補強金具体39の固定用重合部40は、固定具42により屋根板材1の固定用板部38と共に屋根下地材37に固定し得るように構成している。
【0116】
また、本実施例の固定用重合部40には、数箇所(図面では三箇所)に前記固定具42として載用したビス42を挿通するための止孔53を貫通形成している。
【0117】
この補強金具体39の取付方法について説明する。尚、図面は、屋根に対して傾斜上方側に配される側の端部に固定用板部38を有し、この固定用板部38より屋根の傾斜下方側に接合用重合板部2が存する屋根板材1に対して使用した場合を示している。
【0118】
屋根下地材37(野地板など)上に順次軒側から頂部に向かって屋根板材1を一枚一枚重合させながら付設して行く際に、屋根軒側の屋根下地材37に載置した横葺屋根用の屋根板材1の固定用板部38上に前記固定用重合部40を重合すると共に固定用板部38より屋根の傾斜下方側に存する屋根板材1の接合用重合板部2上に前記補強用重合部41を重合して載置する。
【0119】
次いで、この補強金具体39の固定用重合部40を、前記止孔53を介して固定具42により前記固定用板部38と共に屋根下地材37に固定する。
【0120】
次いで、この補強金具体39の補強用重合部41が重合している接合用重合板部2に、屋根頂部側に配する屋根板材1の接合用重合板部2を上方から重合すると、屋根板材1の接合用重合板部2間に補強金具体39が重合配設される。
【0121】
この補強金具体39が重合配設する接合用重合板部2に、屋根用設置物取付具を挟持固定すると、補強金具体39の剛性が加わるために接合用重合板部2が必要以上に変形することがなく、よって、補強金具体39を用いない場合に比べて屋根用設置物取付具の挟持固定力が著しく向上することになる。
【0122】
この際、板状の補強金具体39は接合用重合板部2の厚みにさほどの変化を与えることはないが、たとえ厚みに変化があっても、実施例1〜4で示した屋根用設置物取付具は、この接合用重合板部2の厚みの変化に対応して挟持固定可能である。
【0123】
また、屋根下地材37に固定した補強金具体39は、横葺屋根上に取付られた屋根上設置物4が風によって上方へ吹上げられた場合に、この吹上荷重を屋根用設置物取付具を介して支持することとなるので、屋根上設置物4の浮き上がりを良好に防止することができる。
【0124】
尚、図17では、前記実施例2の屋根用設置物取付具を使用した場合を示しているが、実施例1や実施例3,4の屋根用設置物取付具を使用しても良い。
【実施例6】
【0125】
本発明の具体的な実施例6について図18〜図23に基づいて説明する。
【0126】
本実施例は、縦葺屋根用の屋根板材20若しくは折板屋根用の屋根板材21の立設する接合用重合板部22に対して左右から締付挟持固定する挟持部3を備えると共に、雪止め金具やソーラーパネル4Aや融雪装置やそれらの取付具4Bなどの屋根上設置物4を取付し得る取付部5を備えた取付用金具Aと、この取付用金具Aの前記挟持部3の先端側に装着することで挟持部3の挟持間隔を変更可能な挟持部用補助具B2とから成るものである。即ち、本実施例は、縦葺屋根用としても、折板屋根用としても使用可能な屋根用設置物取付具としたもので、図20,図21は、本実施例を縦葺屋根用の屋根板材20の接合用重合板部22に対して締付挟持固定した場合を示し、図23は、本実施例を折板屋根用の屋根板材21の接合用重合板部22に対して締付挟持固定した場合を示している。
【0127】
具体的には、本実施例の取付用金具Aは、前記実施例1と同様の構成であり、図面に実施例1と同様の符号を付すことで詳しく説明することは省略する。
【0128】
尚、本実施例の場合、縦葺屋根用の屋根板材20若しくは折板屋根用の屋根板材21の接合用重合板部22は、屋根板材20若しくは屋根板材21の板面に対して立設突出するため、取付用金具Aは、縦にして挟持部3が下向きとなるようにして使用し、この挟持部3で接合用重合板部22に対して左右から締付挟持固定する。また、図22では、取付部5にサポート金具25を取付し、このサポート金具25を介して屋根上設置物4を取付した場合を示している。
【0129】
本実施例の挟持部用補助具B2は、一枚の横長の方形板材26で構成し、この板材26の一方の長縁の両端部に、前記取付用金具Aの挟持部3の先端側に設けた係止孔23に圧入係止する圧入部24を外方へ向けて突設し、この板材26の他方の長縁を、前記縦葺屋根用の屋根板材20若しくは折板屋根用の屋根板材21の接合用重合板部22に当接する挟持縁部27としている。
【0130】
また、圧入部24は、板材26の一方の長縁の両端部をこの長縁の外側に向けて延設突設すると共に、この両端の延設部を直角に折曲し、この両端の延設部を、側方から見て延設先端部側程先細る楔形状に形成すると共に、上方から見ても延設先端側程先細る楔形状に形成したこの楔形状部分で構成している。
【0131】
一方、前記取付用金具Aの一側挟持板部7先端側の両側位置に、互いに対象形となるL字形の前記係止孔23を形成し、この係止孔23に前記圧入部24が深く差し込まれるにしたがって圧入部24の楔作用(圧入係止作用)により強固に挟持部用補助具B2が装着する構成としている。
【0132】
また、この係止孔23は、前記他側挟持板部8の折曲先端部8Aの対向位置に設け、この係止孔23に圧入部24を圧入係止すると、挟持部用補助具B2の挟持縁部27が折曲先端部8Aの係止縁部15と対向状態となるように構成している。
【0133】
また、圧入部24から挟持縁部27までの距離を、挟持部3の挟持間隔(一側挟持板部7と他側挟持板部8の折曲先端部8Aとの間の距離)より短い距離に設定し、この圧入部24を係止孔23に圧入係止して挟持部用補助具B2を装着すると、挟持先端部8Aの係止縁部15と挟持縁部27の間に挿入間隔(挟持間隔)を保持したままこの挿入間隔が狭められる構成とし、この挟持部用補助具B2を装着した状態では、図20に示すように比較的厚みの小さい接合用重合板部22に対して良好に締付挟持固定できる構成としている。
【0134】
また、本実施例の挟持部用補助具B2の装着構造は、圧入部24の楔形状や係止孔23の大きさ設定により一側挟持板部7からの挟持縁部27の突出度合い(挟持間隔)を変更可能であり、図21では、挟持部用補助具B2の圧入部24が係止孔23に更に深く差し込まれるように構成して図20の場合より挟持間隔を広く確保した場合を示している。
【0135】
また、図示していないが、長さ(圧入部24からの挟持縁部27の突出度)の異なる挟持部用補助具B1を数タイプ用意し、これを付け替えて挟持部3の挟持間隔を更に細かく変更し得るようにしても良い。
【0136】
尚、本発明は、実施例1〜6に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【符号の説明】
【0137】
1 屋根板材(横葺屋根用)
2 接合用重合板部
3 挟持部
4 屋根上設置物
4A ソーラーパネル
4B 取付具
5 取付部
6 差込部
7 挟持板部
8 挟持板部
9 表側当接部
10 裏側当接部
20 屋根板材(縦葺屋根用)
21 屋根板材(折板屋根用)
22 接合用重合板部
23 係止孔
24 圧入部
28 取付具本体
29 挟着用突設部
30 上側突設部
31 下側突設部
32 挟持当接部
33 締付固定手段
34 昇降用支持体(支持ボルト)
35 締付体(締付用ナット)
36 当接部分
37 屋根下地材
38 固定用板部
39 補強金具体
40 固定用重合部
41 補強用重合部
42 固定具
A 取付用金具
B1 挟持部用補助具
B2 挟持部用補助具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
横葺屋根用の屋根板材の横設する接合用重合板部に対して上下から締付挟持固定する挟持部を備えると共に、雪止め金具やソーラーパネルや融雪装置やそれらの取付具などの屋根上設置物を取付し得る取付部を備えた取付用金具と、この取付用金具の前記挟持部の先端部に装着することで挟持部の挟持間隔を変更可能な挟持部用補助具とから成ることを特徴とする屋根用設置物取付具。
【請求項2】
前記挟持部用補助具は、前記取付用金具の挟持部の先端部を差込する差込部を備えたことを特徴とする請求項1記載の屋根用設置物取付具。
【請求項3】
前記取付用金具は、締付により挟持間隔を調整可能な一対の挟持板部を設けて前記挟持部を構成し、前記挟持部用補助具は、一対の挟持板部のいずれか一方の先端部に装着すると他方に向けて突出する形状に形成して、挟持部の挟持間隔を狭め得るように構成したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の屋根用設置物取付具。
【請求項4】
前記挟持部用補助具は、前記一対の挟持板部のいずれか一方の先端部の表側板面に当接する表側当接部と、裏側板面に当接する裏側当接部とを有する差込部を備えた構成として、この差込部の表側当接部と裏側当接部との間に一対の挟持板部のいずれか一方の先端部を差込することで、挟持部用補助具を挟持部の先端部に装着し得るように構成したことを特徴とする請求項3記載の屋根用設置物取付具。
【請求項5】
雪止め金具やソーラーパネルや融雪装置やそれらの取付具などの屋根上設置物を取付し得る取付部を備えた取付具本体に、横葺屋根用の屋根板材の横設する接合用重合板部に対して上下から挟むようにして配設可能な上下一対の挟着用突設部を設け、この挟着用突設部の上側突設部に、前記接合用重合板部の上部に当接する挟持当接部を設けると共に、この挟持当接部は、上側突設部に対して昇降移動可能に設けて、この挟持当接部の昇降移動により前記挟着用突設部の下側突設部との対向間隔を変更し得るように構成し、この挟持当接部を締付により前記接合用重合板部に圧接当接せしめる締付固定手段を備えて、この締付固定手段により挟持当接部と下側突設部とで接合用重合板部に挟持固定し得るように構成したことを特徴とする屋根用設置物取付具。
【請求項6】
前記挟着用突設部の上側突設部に昇降用支持体を縦設状態に設ける共に、この昇降用支持体に前記挟持当接部を昇降移動自在に支持し、この昇降用支持体に螺着可能な締付体を有して、この締付体により昇降用支持体に支持した挟持当接部を締付して前記接合用重合板部に圧接当接せしめる前記締付固定手段を備えるか、若しくは昇降用支持体を上側突設部に螺着し得るように構成してこの上側突設部に螺着した昇降用支持体によりこの昇降用支持体に支持した挟持当接部を締付して前記接合用重合板部に圧接当接せしめる前記締付固定手段を備えたことを特徴とする請求項5記載の屋根用設置物取付具。
【請求項7】
前記上側突設部に支持ボルトを立設状態に設けると共に、この支持ボルトに前記挟持当接部を昇降移動自在に支持し、この支持ボルトに螺着可能な締付用ナットを有して、この締付用ナットにより支持ボルトに支持した挟持当接部を締付して前記接合用重合板部に圧接当接せしめる前記締付固定手段を備え、支持ボルトを前記取付部としたことを特徴とする請求項5,6のいずれか1項に記載の屋根用設置物取付具。
【請求項8】
前記挟着用突設部の下側突設部は、前記屋根板材の接合用重合板部の下方の隙間に挿入配設可能な板状に形成し、前記挟持当接部は、屋根板材の接合用重合板部の上部に当接する当接部分を複数設けたことを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の屋根用設置物取付具。
【請求項9】
前記挟着用突設部の上側突設部に前記取付部を設けると共に、この取付部は、上側突設部に設けた前記挟持当接部と前記下側突設部とで接合用重合板部を挟持した際の接合用重合板部の上方位置若しくはこの接合用重合板部より屋根の傾斜上方側に存する屋根下地材への固定用板部の上方位置に設けたことを特徴とする請求項5〜8のいずれか1項に記載の屋根用設置物取付具。
【請求項10】
屋根の傾斜方向に複数並設接続される横葺屋根用の屋根板材の接合用重合板部間に補強金具体を重合配設し、この補強金具体が重合配設する接合用重合板部に、前記請求項1〜9のいずれか1項に記載の屋根用設置物取付具を挟持固定することを特徴とする屋根用設置物取付具の取付方法。
【請求項11】
前記補強金具体は、前記屋根板材の固定用板部に重合可能な固定用重合板部と、固定用板部より屋根の傾斜下方側に存する屋根板材の接合用重合板部に重合可能な補強用重合板部とを備えた板状体とし、この補強金具体の固定用重合部は、固定具により屋根板材の固定用板部と共に屋根下地材に固定し得るように構成したことを特徴とする請求項10記載の屋根用設置物取付具の取付方法。
【請求項12】
縦葺屋根用の屋根板材若しくは折板屋根用の屋根板材の立設する接合用重合板部に対して左右から締付挟持固定する挟持部を備えると共に、雪止め金具やソーラーパネルや融雪装置やそれらの取付具などの屋根上設置物を取付し得る取付部を備えた取付用金具と、この取付用金具の前記挟持部の先端側に装着することで挟持部の挟持間隔を変更可能な挟持部用補助具とから成ることを特徴とする屋根用設置物取付具。
【請求項13】
前記挟持部用補助具は、前記取付用金具の前記挟持部の先端側に設けた係止孔に圧入係止する圧入部を備えたことを特徴とする請求項12記載の屋根用設置物取付具。
【請求項14】
前記取付用金具は、締付により挟持間隔を調整可能な一対の挟持板部を設けて前記挟持部を構成し、この一対の挟持板部のいずれか一方の先端側に前記係止孔を設け、前記挟持部用補助具は、前記圧入部を前記係止孔に圧入係止すると一対の挟持板部のいずれか他方に向けて突出する形状に形成して、前記挟持部の挟持間隔を狭め得るように構成したことを特徴とする請求項13記載の屋根用設置物取付具。
【請求項15】
前記挟持部用補助具は、楔形の前記圧入部を備えて、この圧入部を前記挟持部の先端側に設けた係止孔に圧入係止することで、挟持部用補助具を挟持部の先端側に装着し得るように構成したことを特徴とする請求項13,14のいずれか1項に記載の屋根用設置物取付具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2012−7436(P2012−7436A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−146228(P2010−146228)
【出願日】平成22年6月28日(2010.6.28)
【出願人】(000207436)日鉄住金鋼板株式会社 (178)
【出願人】(591109061)株式会社野島角清製作所 (25)