層状体熱通過増大式熱交換器
【課題】、伝熱仕切板を通して効率良く熱伝達させることで、圧力開放と熱通過率の向上を同時に提供することができる。
【解決手段】 本発明の層状体熱通過増大式熱交換器には、熱通過促進を目的として上下の伝熱仕切板の中間に配置した熱通過促進挿入板を互い違いに配置することを特徴とする、また、互い違いに配置する熱通過促進挿入板に開口を複数施し、その面積は熱通過促進挿入板の面積の5%〜30%程度で、開口の形状は熱通過促進挿入板に沿ったスリットあるいは斜めスリット、さらに円口群などの形状を特徴とする。
【解決手段】 本発明の層状体熱通過増大式熱交換器には、熱通過促進を目的として上下の伝熱仕切板の中間に配置した熱通過促進挿入板を互い違いに配置することを特徴とする、また、互い違いに配置する熱通過促進挿入板に開口を複数施し、その面積は熱通過促進挿入板の面積の5%〜30%程度で、開口の形状は熱通過促進挿入板に沿ったスリットあるいは斜めスリット、さらに円口群などの形状を特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、層状体熱交換器の熱通過促進挿入板の配置における熱通過の増大に伴う空気流体の流通の圧力開放と熱伝達促進を有す層状体熱通過増大式熱交換器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
空気流体対空気流体の熱交換は空気流体の熱伝導率が極めて小さいため、小容積伝熱素体で空気流体を少量ずつ熱交換することで、高い熱交換率を達成しなお且つ必要流量の確保は少量ずつ熱交換する小容積伝熱素体を層状体に構成することで、空気流体の圧力損失を最小限に抑えることができ実用上充分であった。
【0003】
しかし、大容量の空気流体を熱交換するには、莫大な伝熱材を必要とする。そのため、交換熱量は熱通過率に伝熱面積を乗じたものに等しいという熱交換の原則から、熱通過率を高めることによって、伝熱面積の削減を可能とする熱交換器が登場してきた。
【0004】
以下、図7、図8、図9、より従来の熱通過率を高めた熱交換器について説明する。
図において、伝熱仕切板3で仕切られた低温流体層1と高温流体層4にそれぞれ中間に熱通過促進のため、各流体層の高さの50〜60%の熱通過促進挿入板2を配置することで、空気流体の中心部が熱通過促進挿入板2に衝突し上下の均等の隙間6を通過する際に加速効果が生じ伝熱仕切板3を通しての熱交換の促進が期待できる。
【特許文献1】特許第3396743号 特許公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
解決しようとする問題点は、中間に配置した熱通過促進挿入板2に空気流体が衝突し伝熱仕切板3の上下の均等の隙間6を通過後、熱通過促進挿入板2の後部に高圧の空気流体の渦(ア)が発生するため、圧力損失が増加し空気流体の流通を阻害するので、上下の均等の隙間6を通過する空気流体の流量が減少し空気流体が保有する熱量も同時に減少し3熱仕切板への熱伝達も減少するため、熱交換器全体の交換効率を低下させる問題点がある。
【0006】
本発明は、このような従来の構成が有していた問題を解決しようとするものであり、熱通過促進挿入板2の後部に生成される高圧の空気流体の渦を効果的に解消し、空気流体の流量を増大する層状体熱通過増大式熱交換器を実現することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の層状体熱通過増大式熱交換器には、熱通過促進を目的として上下の伝熱仕切板の中間に配置した熱通過促進挿入板を互い違いに配置することを特徴とする。
【0008】
また、互い違いに配置する熱通過促進挿入板に開口を複数施し、その開口の面積は熱通過促進挿入板の面積の5%〜30%程度で、開口の形状は熱通過促進挿入板に沿ったスリットあるいは斜めスリット、さらに円口群などの形状を特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の層状体熱通過増大式熱交換器は、熱通過促進を目的として上下の伝熱仕切板の中間に配置した熱通過促進挿入板を互い違いに配置することで、上下の伝熱仕切板との間に広狭の隙間が生じ、空気流体は各熱通過促進挿入板の広い隙間に主流の流れを形成し各挿入板の後部に生成される空気流体の渦は等圧線の緩やかな渦となり、圧力損失が少なく空気流体の流通を促進し、空気流体の流通量が増加し熱通過率を改善する。
【0010】
また、互い違いに配置する熱通過促進挿入板に開口を複数施すことで、熱通過促進挿入板に空気流体が衝突する衝撃が緩和され、熱通過促進挿入板後部の空気流体の渦は複数の空気溜り程度の小さな渦となり、圧力損失は大きく減少し空気流体の流通が著しく改善され空気流体の流通量は格段に増加する。
【0011】
また、この開口により、温度の高い空気流体は伝熱面を流通しないので開口通過時は、熱交換の効果に影響を及ぼさないが、次の流通において、各熱通過促進挿入板の広い隙間を流れる主流の空気流体に糾合されるため、温度の高い空気流体の熱も確実に広い隙間を流通した際に、伝熱仕切板を通して効率良く熱伝達させることで、圧力開放と熱通過率の向上を同時に提供することができる。
【0012】
著しい圧力損失の低減化と熱通過率を増大させることにより少量の伝熱材で構成する大容量対応の熱交換器の実現に効果を発揮する。
【発明を実施するための最良の形態】
【実施例1】
【0013】
熱通過率の改善法として、図1、図2、図3おいて、伝熱仕切板3で仕切られた低温流体層1と高温流体層4にそれぞれ中間に各流体層の高さの40〜80%程度の熱通過促進挿入板2を互い違いに配置すると、上下の伝熱仕切板3との間に広い隙間7と狭い隙間8が生じ、圧力損失は速度の2乗に比例するため従来技術の均等の隙間6に比べて低減される。空気流体は各熱通過促進挿入板2の広い隙間7に主流の流れ(エ)を形成し各熱通過促進挿入板2の後部に生成される空気流体の渦は、従来の技術の熱通過促進挿入板2を均等に中間配置するのに比べ、等圧線は緩やかな渦(イ)となり、空気流体の流通を促進し、空気流体の流通量は増加し熱通過率を改善する。
【実施例2】
【0014】
圧力開放と熱通過率の向上による熱伝達促進法として、図4、図5、図6おいて、伝熱仕切板3で仕切られた低温流体層1と高温流体層4にそれぞれ中間に各流体層の高さの40〜80%の熱通過促進挿入板2に開口5を複数施し互い違いに配置すると、上下の伝熱仕切板3との間に広い隙間7狭い隙間8が生じ、熱通過促進挿入板2に空気流体が衝突すると開口5から空気流体の一部が流通し衝撃が緩和され、熱通過促進挿入板2後部の空気流体の渦は複数の空気溜り程度の小さな渦(ウ)となり、圧力損失は大きく減少し空気流体の流通が著しく改善され空気流体の流通量は格段に増加する。
【0015】
また、熱通過促進挿入板2に複数施した開口5から、温度の高い空気流体が流通すると伝熱仕切板3との接触はないので開口5の通過時は、熱交換の効果に影響を及ぼさないが、次の流通において、各熱通過促進挿入板の広い隙間7を流れる主流の空気流体に糾合されるため、温度の高い空気流体の熱も確実に広い隙間7を流通した際に、伝熱仕切板3を通して効率良く熱伝達させることで、圧力開放と熱通過率の向上を同時に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の発明の構成の一例を示す斜視図である。(実施例1)
【図2】請求項1の発明の内部構成(a図b図で1組)の一例を示す説明図である。(実施例1)
【図3】請求項1の発明の垂直断面(図1A−A)の空気流体の流れの一例を示す説明図である。(実施例1)
【図4】請求項2の発明の構成の一例を示す斜視図である。(実施例2)
【図5】請求項2の発明の内部構成(c図d図で1組)の一例を示す説明図である。(実施例2)
【図6】請求項2の発明の垂直断面(図4B−B)の空気流体の流れの一例を示す説明図である。(実施例2)
【図7】従来の技術の構成の一例を示す斜視図である。
【図8】従来の技術の内部構成(e図f図で1組)の一例を示す説明図である。
【図9】従来の技術の垂直断面(図7C−C)の空気流体の流れを示す説明図である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、層状体熱交換器の熱通過促進挿入板の配置における熱通過の増大に伴う空気流体の流通の圧力開放と熱伝達促進を有す層状体熱通過増大式熱交換器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
空気流体対空気流体の熱交換は空気流体の熱伝導率が極めて小さいため、小容積伝熱素体で空気流体を少量ずつ熱交換することで、高い熱交換率を達成しなお且つ必要流量の確保は少量ずつ熱交換する小容積伝熱素体を層状体に構成することで、空気流体の圧力損失を最小限に抑えることができ実用上充分であった。
【0003】
しかし、大容量の空気流体を熱交換するには、莫大な伝熱材を必要とする。そのため、交換熱量は熱通過率に伝熱面積を乗じたものに等しいという熱交換の原則から、熱通過率を高めることによって、伝熱面積の削減を可能とする熱交換器が登場してきた。
【0004】
以下、図7、図8、図9、より従来の熱通過率を高めた熱交換器について説明する。
図において、伝熱仕切板3で仕切られた低温流体層1と高温流体層4にそれぞれ中間に熱通過促進のため、各流体層の高さの50〜60%の熱通過促進挿入板2を配置することで、空気流体の中心部が熱通過促進挿入板2に衝突し上下の均等の隙間6を通過する際に加速効果が生じ伝熱仕切板3を通しての熱交換の促進が期待できる。
【特許文献1】特許第3396743号 特許公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
解決しようとする問題点は、中間に配置した熱通過促進挿入板2に空気流体が衝突し伝熱仕切板3の上下の均等の隙間6を通過後、熱通過促進挿入板2の後部に高圧の空気流体の渦(ア)が発生するため、圧力損失が増加し空気流体の流通を阻害するので、上の均等の隙間6を通過する空気流体の流量が減少し空気流体が保有する熱量も同時に減少し熱仕切板3の熱伝達も減少するため、熱交換器全体の交換効率を低下させる問題点がある。
【0006】
本発明は、このような従来の構成が有していた問題を解決しようとするものであり、熱通過促進挿入板2の後部に生成される高圧の空気流体の渦を効果的に解消し、空気流体の流量を増大する層状体熱通過増大式熱交換器を実現することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の層状体熱通過増大式熱交換器には、熱通過促進を目的として上下の伝熱仕切板の中間に配置した熱通過促進挿入板を互い違いに配置することを特徴とする。
【0008】
また、互い違いに配置する熱通過促進挿入板に開口を複数施し、その開口の面積は熱通過促進挿入板の面積の5%〜30%程度で、開口の形状は熱通過促進挿入板に沿ったスリットあるいは斜めスリット、さらに円口群などの形状を特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の層状体熱通過増大式熱交換器は、熱通過促進を目的として上下の伝熱仕切板の中間に配置した熱通過促進挿入板を互い違いに配置することで、上下の伝熱仕切板との間に広狭の隙間が生じ、空気流体は各熱通過促進挿入板の広い隙間に主流の流れを形成し各挿入板の後部に生成される空気流体の渦は等圧線の緩やかな渦となり、圧力損失が少なく空気流体の流通を促進し、空気流体の流通量が増加し熱通過率を改善する。
【0010】
また、互い違いに配置する熱通過促進挿入板に開口を複数施すことで、熱通過促進挿入板に空気流体が衝突する衝撃が緩和され、熱通過促進挿入板後部の空気流体の渦は複数の空気溜り程度の小さな渦となり、圧力損失は大きく減少し空気流体の流通が著しく改善され空気流体の流通量は格段に増加する。
【0011】
また、この開口により、温度の高い空気流体は伝熱面を流通しないので開口通過時は、熱交換の効果に影響を及ぼさないが、次の流通において、各熱通過促進挿入板の広い隙間を流れる主流の空気流体に糾合されるため、温度の高い空気流体の熱も確実に広い隙間を流通した際に、伝熱仕切板を通して効率良く熱伝達させることで、圧力開放と熱通過率の向上を同時に提供することができる。
【0012】
著しい圧力損失の低減化と熱通過率を増大させることにより少量の伝熱材で構成する大容量対応の熱交換器の実現に効果を発揮する。
【発明を実施するための最良の形態】
【実施例1】
【0013】
熱通過率の改善法として、図1、図2、図3おいて、伝熱仕切板3で仕切られた低温流体層1と高温流体層4にそれぞれ中間に各流体層の高さの40〜80%程度の熱通過促進挿入板2を互い違いに配置すると、上下の伝熱仕切板3との間に広い隙間7と狭い隙間8が生じ、圧力損失は速度の2乗に比例するため従来技術の均等の隙間6に比べて低減される。空気流体は各熱通過促進挿入板2の広い隙間7に主流の流れ(エ)を形成し各熱通過促進挿入板2の後部に生成される空気流体の渦は、従来の技術の熱通過促進挿入板2を均等に中間配置するのに比べ、等圧線は緩やかな渦(イ)となり、空気流体の流通を促進し、空気流体の流通量は増加し熱通過率を改善する。
【実施例2】
【0014】
圧力開放と熱通過率の向上による熱伝達促進法として、図4、図5、図6おいて、伝熱仕切板3で仕切られた低温流体層1と高温流体層4にそれぞれ中間に各流体層の高さの40〜80%の熱通過促進挿入板2に開口5を複数施し互い違いに配置すると、上下の伝熱仕切板3との間に広い隙間7狭い隙間8が生じ、熱通過促進挿入板2に空気流体が衝突すると開口5から空気流体の一部が流通し衝撃が緩和され、熱通過促進挿入板2後部の空気流体の渦は複数の空気溜り程度の小さな渦(ウ)となり、圧力損失は大きく減少し空気流体の流通が著しく改善され空気流体の流通量は格段に増加する。
【0015】
また、熱通過促進挿入板2に複数施した開口5から、温度の高い空気流体が流通すると伝熱仕切板3との接触はないので開口5の通過時は、熱交換の効果に影響を及ぼさないが、次の流通において、各熱通過促進挿入板の広い隙間7を流れる主流の空気流体に糾合されるため、温度の高い空気流体の熱も確実に広い隙間7を流通した際に、伝熱仕切板3を通して効率良く熱伝達させることで、圧力開放と熱通過率の向上を同時に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】請求項1の発明の構成の一例を示す斜視図である。(実施例1)
【図2】請求項1の発明の内部構成(a図b図で1組)の一例を示す説明図である。(実施例1)
【図3】請求項1の発明の垂直断面(図1A−A)の空気流体の流れの一例を示す説明図である。(実施例1)
【図4】請求項2の発明の構成の一例を示す斜視図である。(実施例2)
【図5】請求項2の発明の内部構成(c図d図で1組)の一例を示す説明図である。(実施例2)
【図6】請求項2の発明の垂直断面(図4B−B)の空気流体の流れの一例を示す説明図である。(実施例2)
【図7】従来の技術の構成の一例を示す斜視図である。
【図8】従来の技術の内部構成(e図f図で1組)の一例を示す説明図である。
【図9】従来の技術の垂直断面(図7C−C)の空気流体の流れを示す説明図である。「図1」「図4」「図7」での部材の厚みを表す表現は省略する。
【符号の説明】
【0017】
1 低温流体層
2 熱通過促進挿入板
3 伝熱仕切板
4 高温流体層
5 開口
6 均等の隙間
7 広い隙間
8 狭い隙間
9 熱通過促進挿入板足
10側板
11天板
12底板
(ア)高圧の空気流体の渦
(イ)等圧線の緩やかな空気流体の渦
(ウ)空気溜り程度の小さな渦
(エ)空気流体の主流の流れ
(オ)空気流体の流れ
【技術分野】
【0001】
本発明は、層状体熱交換器の熱通過促進挿入板の配置における熱通過の増大に伴う空気流体の流通の圧力開放と熱伝達促進を有す層状体熱通過増大式熱交換器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
空気流体対空気流体の熱交換は空気流体の熱伝導率が極めて小さいため、小容積伝熱素体で空気流体を少量ずつ熱交換することで、高い熱交換率を達成しなお且つ必要流量の確保は少量ずつ熱交換する小容積伝熱素体を層状体に構成することで、空気流体の圧力損失を最小限に抑えることができ実用上充分であった。
【0003】
しかし、大容量の空気流体を熱交換するには、莫大な伝熱材を必要とする。そのため、交換熱量は熱通過率に伝熱面積を乗じたものに等しいという熱交換の原則から、熱通過率を高めることによって、伝熱面積の削減を可能とする熱交換器が登場してきた。
【0004】
以下、図7、図8、図9、より従来の熱通過率を高めた熱交換器について説明する。
図において、伝熱仕切板3で仕切られた低温流体層1と高温流体層4にそれぞれ中間に熱通過促進のため、各流体層の高さの50〜60%の熱通過促進挿入板2を配置することで、空気流体の中心部が熱通過促進挿入板2に衝突し上下の均等の隙間6を通過する際に加速効果が生じ伝熱仕切板3を通しての熱交換の促進が期待できる。
【特許文献1】特許第3396743号 特許公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
解決しようとする問題点は、中間に配置した熱通過促進挿入板2に空気流体が衝突し伝熱仕切板3の上下の均等の隙間6を通過後、熱通過促進挿入板2の後部に高圧の空気流体の渦(ア)が発生するため、圧力損失が増加し空気流体の流通を阻害するので、上下の均等の隙間6を通過する空気流体の流量が減少し空気流体が保有する熱量も同時に減少し3熱仕切板への熱伝達も減少するため、熱交換器全体の交換効率を低下させる問題点がある。
【0006】
本発明は、このような従来の構成が有していた問題を解決しようとするものであり、熱通過促進挿入板2の後部に生成される高圧の空気流体の渦を効果的に解消し、空気流体の流量を増大する層状体熱通過増大式熱交換器を実現することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の層状体熱通過増大式熱交換器には、熱通過促進を目的として上下の伝熱仕切板の中間に配置した熱通過促進挿入板を互い違いに配置することを特徴とする。
【0008】
また、互い違いに配置する熱通過促進挿入板に開口を複数施し、その開口の面積は熱通過促進挿入板の面積の5%〜30%程度で、開口の形状は熱通過促進挿入板に沿ったスリットあるいは斜めスリット、さらに円口群などの形状を特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の層状体熱通過増大式熱交換器は、熱通過促進を目的として上下の伝熱仕切板の中間に配置した熱通過促進挿入板を互い違いに配置することで、上下の伝熱仕切板との間に広狭の隙間が生じ、空気流体は各熱通過促進挿入板の広い隙間に主流の流れを形成し各挿入板の後部に生成される空気流体の渦は等圧線の緩やかな渦となり、圧力損失が少なく空気流体の流通を促進し、空気流体の流通量が増加し熱通過率を改善する。
【0010】
また、互い違いに配置する熱通過促進挿入板に開口を複数施すことで、熱通過促進挿入板に空気流体が衝突する衝撃が緩和され、熱通過促進挿入板後部の空気流体の渦は複数の空気溜り程度の小さな渦となり、圧力損失は大きく減少し空気流体の流通が著しく改善され空気流体の流通量は格段に増加する。
【0011】
また、この開口により、温度の高い空気流体は伝熱面を流通しないので開口通過時は、熱交換の効果に影響を及ぼさないが、次の流通において、各熱通過促進挿入板の広い隙間を流れる主流の空気流体に糾合されるため、温度の高い空気流体の熱も確実に広い隙間を流通した際に、伝熱仕切板を通して効率良く熱伝達させることで、圧力開放と熱通過率の向上を同時に提供することができる。
【0012】
著しい圧力損失の低減化と熱通過率を増大させることにより少量の伝熱材で構成する大容量対応の熱交換器の実現に効果を発揮する。
【発明を実施するための最良の形態】
【実施例1】
【0013】
熱通過率の改善法として、図1、図2、図3おいて、伝熱仕切板3で仕切られた低温流体層1と高温流体層4にそれぞれ中間に各流体層の高さの40〜80%程度の熱通過促進挿入板2を互い違いに配置すると、上下の伝熱仕切板3との間に広い隙間7と狭い隙間8が生じ、圧力損失は速度の2乗に比例するため従来技術の均等の隙間6に比べて低減される。空気流体は各熱通過促進挿入板2の広い隙間7に主流の流れ(エ)を形成し各熱通過促進挿入板2の後部に生成される空気流体の渦は、従来の技術の熱通過促進挿入板2を均等に中間配置するのに比べ、等圧線は緩やかな渦(イ)となり、空気流体の流通を促進し、空気流体の流通量は増加し熱通過率を改善する。
【実施例2】
【0014】
圧力開放と熱通過率の向上による熱伝達促進法として、図4、図5、図6おいて、伝熱仕切板3で仕切られた低温流体層1と高温流体層4にそれぞれ中間に各流体層の高さの40〜80%の熱通過促進挿入板2に開口5を複数施し互い違いに配置すると、上下の伝熱仕切板3との間に広い隙間7狭い隙間8が生じ、熱通過促進挿入板2に空気流体が衝突すると開口5から空気流体の一部が流通し衝撃が緩和され、熱通過促進挿入板2後部の空気流体の渦は複数の空気溜り程度の小さな渦(ウ)となり、圧力損失は大きく減少し空気流体の流通が著しく改善され空気流体の流通量は格段に増加する。
【0015】
また、熱通過促進挿入板2に複数施した開口5から、温度の高い空気流体が流通すると伝熱仕切板3との接触はないので開口5の通過時は、熱交換の効果に影響を及ぼさないが、次の流通において、各熱通過促進挿入板の広い隙間7を流れる主流の空気流体に糾合されるため、温度の高い空気流体の熱も確実に広い隙間7を流通した際に、伝熱仕切板3を通して効率良く熱伝達させることで、圧力開放と熱通過率の向上を同時に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の発明の構成の一例を示す斜視図である。(実施例1)
【図2】請求項1の発明の内部構成(a図b図で1組)の一例を示す説明図である。(実施例1)
【図3】請求項1の発明の垂直断面(図1A−A)の空気流体の流れの一例を示す説明図である。(実施例1)
【図4】請求項2の発明の構成の一例を示す斜視図である。(実施例2)
【図5】請求項2の発明の内部構成(c図d図で1組)の一例を示す説明図である。(実施例2)
【図6】請求項2の発明の垂直断面(図4B−B)の空気流体の流れの一例を示す説明図である。(実施例2)
【図7】従来の技術の構成の一例を示す斜視図である。
【図8】従来の技術の内部構成(e図f図で1組)の一例を示す説明図である。
【図9】従来の技術の垂直断面(図7C−C)の空気流体の流れを示す説明図である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、層状体熱交換器の熱通過促進挿入板の配置における熱通過の増大に伴う空気流体の流通の圧力開放と熱伝達促進を有す層状体熱通過増大式熱交換器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
空気流体対空気流体の熱交換は空気流体の熱伝導率が極めて小さいため、小容積伝熱素体で空気流体を少量ずつ熱交換することで、高い熱交換率を達成しなお且つ必要流量の確保は少量ずつ熱交換する小容積伝熱素体を層状体に構成することで、空気流体の圧力損失を最小限に抑えることができ実用上充分であった。
【0003】
しかし、大容量の空気流体を熱交換するには、莫大な伝熱材を必要とする。そのため、交換熱量は熱通過率に伝熱面積を乗じたものに等しいという熱交換の原則から、熱通過率を高めることによって、伝熱面積の削減を可能とする熱交換器が登場してきた。
【0004】
以下、図7、図8、図9、より従来の熱通過率を高めた熱交換器について説明する。
図において、伝熱仕切板3で仕切られた低温流体層1と高温流体層4にそれぞれ中間に熱通過促進のため、各流体層の高さの50〜60%の熱通過促進挿入板2を配置することで、空気流体の中心部が熱通過促進挿入板2に衝突し上下の均等の隙間6を通過する際に加速効果が生じ伝熱仕切板3を通しての熱交換の促進が期待できる。
【特許文献1】特許第3396743号 特許公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
解決しようとする問題点は、中間に配置した熱通過促進挿入板2に空気流体が衝突し伝熱仕切板3の上下の均等の隙間6を通過後、熱通過促進挿入板2の後部に高圧の空気流体の渦(ア)が発生するため、圧力損失が増加し空気流体の流通を阻害するので、上の均等の隙間6を通過する空気流体の流量が減少し空気流体が保有する熱量も同時に減少し熱仕切板3の熱伝達も減少するため、熱交換器全体の交換効率を低下させる問題点がある。
【0006】
本発明は、このような従来の構成が有していた問題を解決しようとするものであり、熱通過促進挿入板2の後部に生成される高圧の空気流体の渦を効果的に解消し、空気流体の流量を増大する層状体熱通過増大式熱交換器を実現することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の層状体熱通過増大式熱交換器には、熱通過促進を目的として上下の伝熱仕切板の中間に配置した熱通過促進挿入板を互い違いに配置することを特徴とする。
【0008】
また、互い違いに配置する熱通過促進挿入板に開口を複数施し、その開口の面積は熱通過促進挿入板の面積の5%〜30%程度で、開口の形状は熱通過促進挿入板に沿ったスリットあるいは斜めスリット、さらに円口群などの形状を特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の層状体熱通過増大式熱交換器は、熱通過促進を目的として上下の伝熱仕切板の中間に配置した熱通過促進挿入板を互い違いに配置することで、上下の伝熱仕切板との間に広狭の隙間が生じ、空気流体は各熱通過促進挿入板の広い隙間に主流の流れを形成し各挿入板の後部に生成される空気流体の渦は等圧線の緩やかな渦となり、圧力損失が少なく空気流体の流通を促進し、空気流体の流通量が増加し熱通過率を改善する。
【0010】
また、互い違いに配置する熱通過促進挿入板に開口を複数施すことで、熱通過促進挿入板に空気流体が衝突する衝撃が緩和され、熱通過促進挿入板後部の空気流体の渦は複数の空気溜り程度の小さな渦となり、圧力損失は大きく減少し空気流体の流通が著しく改善され空気流体の流通量は格段に増加する。
【0011】
また、この開口により、温度の高い空気流体は伝熱面を流通しないので開口通過時は、熱交換の効果に影響を及ぼさないが、次の流通において、各熱通過促進挿入板の広い隙間を流れる主流の空気流体に糾合されるため、温度の高い空気流体の熱も確実に広い隙間を流通した際に、伝熱仕切板を通して効率良く熱伝達させることで、圧力開放と熱通過率の向上を同時に提供することができる。
【0012】
著しい圧力損失の低減化と熱通過率を増大させることにより少量の伝熱材で構成する大容量対応の熱交換器の実現に効果を発揮する。
【発明を実施するための最良の形態】
【実施例1】
【0013】
熱通過率の改善法として、図1、図2、図3おいて、伝熱仕切板3で仕切られた低温流体層1と高温流体層4にそれぞれ中間に各流体層の高さの40〜80%程度の熱通過促進挿入板2を互い違いに配置すると、上下の伝熱仕切板3との間に広い隙間7と狭い隙間8が生じ、圧力損失は速度の2乗に比例するため従来技術の均等の隙間6に比べて低減される。空気流体は各熱通過促進挿入板2の広い隙間7に主流の流れ(エ)を形成し各熱通過促進挿入板2の後部に生成される空気流体の渦は、従来の技術の熱通過促進挿入板2を均等に中間配置するのに比べ、等圧線は緩やかな渦(イ)となり、空気流体の流通を促進し、空気流体の流通量は増加し熱通過率を改善する。
【実施例2】
【0014】
圧力開放と熱通過率の向上による熱伝達促進法として、図4、図5、図6おいて、伝熱仕切板3で仕切られた低温流体層1と高温流体層4にそれぞれ中間に各流体層の高さの40〜80%の熱通過促進挿入板2に開口5を複数施し互い違いに配置すると、上下の伝熱仕切板3との間に広い隙間7狭い隙間8が生じ、熱通過促進挿入板2に空気流体が衝突すると開口5から空気流体の一部が流通し衝撃が緩和され、熱通過促進挿入板2後部の空気流体の渦は複数の空気溜り程度の小さな渦(ウ)となり、圧力損失は大きく減少し空気流体の流通が著しく改善され空気流体の流通量は格段に増加する。
【0015】
また、熱通過促進挿入板2に複数施した開口5から、温度の高い空気流体が流通すると伝熱仕切板3との接触はないので開口5の通過時は、熱交換の効果に影響を及ぼさないが、次の流通において、各熱通過促進挿入板の広い隙間7を流れる主流の空気流体に糾合されるため、温度の高い空気流体の熱も確実に広い隙間7を流通した際に、伝熱仕切板3を通して効率良く熱伝達させることで、圧力開放と熱通過率の向上を同時に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】請求項1の発明の構成の一例を示す斜視図である。(実施例1)
【図2】請求項1の発明の内部構成(a図b図で1組)の一例を示す説明図である。(実施例1)
【図3】請求項1の発明の垂直断面(図1A−A)の空気流体の流れの一例を示す説明図である。(実施例1)
【図4】請求項2の発明の構成の一例を示す斜視図である。(実施例2)
【図5】請求項2の発明の内部構成(c図d図で1組)の一例を示す説明図である。(実施例2)
【図6】請求項2の発明の垂直断面(図4B−B)の空気流体の流れの一例を示す説明図である。(実施例2)
【図7】従来の技術の構成の一例を示す斜視図である。
【図8】従来の技術の内部構成(e図f図で1組)の一例を示す説明図である。
【図9】従来の技術の垂直断面(図7C−C)の空気流体の流れを示す説明図である。「図1」「図4」「図7」での部材の厚みを表す表現は省略する。
【符号の説明】
【0017】
1 低温流体層
2 熱通過促進挿入板
3 伝熱仕切板
4 高温流体層
5 開口
6 均等の隙間
7 広い隙間
8 狭い隙間
9 熱通過促進挿入板足
10側板
11天板
12底板
(ア)高圧の空気流体の渦
(イ)等圧線の緩やかな空気流体の渦
(ウ)空気溜り程度の小さな渦
(エ)空気流体の主流の流れ
(オ)空気流体の流れ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
低温流体層(1)高温流体層(4)に熱通過促進挿入板(2)を互い違いに配置した層状体熱通過増大式熱交換器。
【請求項2】
熱通過促進挿入板(2)に開口(5)を施した請求項1記載の層状体熱通過増大式熱交換器。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
伝熱仕切板3で仕切られた低温流体層1と高温流体層4にそれぞれ中間に各流体層の高さの40〜80%程度の熱通過促進板2を互い違いに配置して、上下の伝熱仕切版3との間に広い隙間7と狭い隙間8が生じることを特徴とする層状態熱通過増大式熱交換器。
【請求項2】
互い違いに配置する熱通過促進挿入板に開口を複数施し、その開口の面積は熱通過促進挿入板の面積の5%〜30%程度で開口の形状は熱通過促進挿入板に沿ったスリットあるいは斜めスリット、さらに円口群などの形状を特徴とする層状態熱通過増大式熱交換器。
【請求項1】
低温流体層(1)高温流体層(4)に熱通過促進挿入板(2)を互い違いに配置した層状体熱通過増大式熱交換器。
【請求項2】
熱通過促進挿入板(2)に開口(5)を施した請求項1記載の層状体熱通過増大式熱交換器。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
伝熱仕切板3で仕切られた低温流体層1と高温流体層4にそれぞれ中間に各流体層の高さの40〜80%程度の熱通過促進板2を互い違いに配置して、上下の伝熱仕切版3との間に広い隙間7と狭い隙間8が生じることを特徴とする層状態熱通過増大式熱交換器。
【請求項2】
互い違いに配置する熱通過促進挿入板に開口を複数施し、その開口の面積は熱通過促進挿入板の面積の5%〜30%程度で開口の形状は熱通過促進挿入板に沿ったスリットあるいは斜めスリット、さらに円口群などの形状を特徴とする層状態熱通過増大式熱交換器。
【図1】
【図4】
【図7】での部材の厚みを表す表現は省略する。
【符号の説明】
1 低温流体層
2 熱通過促進挿入板
3 伝熱仕切板
4 高温流体層
5 開口
6 均等の隙間
7 広い隙間
8 狭い隙間
9 熱通過促進挿入板足
10 側板
11 天板
12 底板
(ア) 高圧の空気流体の渦
(イ) 等圧線の緩やかな空気流体の渦
(ウ) 空気溜り程度の小さな渦
(エ) 空気流体の主流の流れ
(オ) 空気流体の流れ
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図4】
【図7】での部材の厚みを表す表現は省略する。
【符号の説明】
1 低温流体層
2 熱通過促進挿入板
3 伝熱仕切板
4 高温流体層
5 開口
6 均等の隙間
7 広い隙間
8 狭い隙間
9 熱通過促進挿入板足
10 側板
11 天板
12 底板
(ア) 高圧の空気流体の渦
(イ) 等圧線の緩やかな空気流体の渦
(ウ) 空気溜り程度の小さな渦
(エ) 空気流体の主流の流れ
(オ) 空気流体の流れ
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2006−112766(P2006−112766A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−329762(P2004−329762)
【出願日】平成16年10月14日(2004.10.14)
【出願人】(504193837)国立大学法人室蘭工業大学 (70)
【出願人】(500079137)有限会社ダイワ冷設工業 (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年10月14日(2004.10.14)
【出願人】(504193837)国立大学法人室蘭工業大学 (70)
【出願人】(500079137)有限会社ダイワ冷設工業 (2)
【Fターム(参考)】
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