説明

履物に装着される足首支持具および該足首支持具を装備した履物

本発明において、足首支持具(200)を有する履物が開示される。本発明の履物は、底部(310)、甲部(320)、および踵部(340)を備える。足首支持具は、足首関節が介在する足の一部と脚の一部とをくるんで着用するように構成され、足首支持具の下部が履物の内側に装着されている。本発明により、履物に拘束されることなく着用者の足首関節を足首支持具と一体に動かすことができるため、足首の動作の柔軟性が確保されて動作に制約を受けない。また、足首支持具の下部が履物の内側に固定されているため、激しい動きによる無理な衝撃が足首に加えられても、履物と足首支持具の両者により支持されるため、足首を効率よく支えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、履物に装着する足首支持具に関し、より詳細には履物の底部に装着して足首関節の上部の脚部までくるむように着用される足首支持具に関する。また、本発明はそのような足首支持具を装備した履物に関する。
【背景技術】
【0002】
履物は、底部、甲部および踵部からなり、踵部の上端が足首関節の下方に位置する短靴と足首関節の上部まで延びる長靴とに大別される。
長靴は、比較的劣悪な環境で活動しなければならない着用者に適しており、作業靴、安全靴、軍靴などがこれに属する。作業靴や安全靴は、異物が脚に接触したり履物内に入ることを防止することのみが求められるため、足を緩く覆うように着用される。一方、軍靴などは、着用者の怪我を防止する必要があり、例えば、着用中に脚部と足部(これらの間に足首関節が位置する)を過度にねじったり、回転させたり、曲げたりすることによる足首のねんざを防止する。したがって、軍靴などは、脚部に密着するように着用される。
【0003】
上記のような長靴は、異物の侵入を防止および怪我を防止するなどの多くの利点を有するが、着用者の足や足首関節の自然な動きを妨げるという欠点を有する。
したがって、一般に使用される靴または運動靴としては長靴より短靴が好ましい。
【0004】
短靴の場合は、着用者が迅速に行動できるが、足や足首関節の過度なねじれ、回転または曲げを防止する手段がない。
したがって、運動靴の中でも、乗馬靴などのように足首関節の自然な動きがあまり要求されない場合には長靴が好まれる。一方、バスケットシューズなどのように、活動性を維持しながらも足首関節の怪我を防止する必要がある場合には、半長靴という折衷形態が使用される。
【0005】
しかしながら、サッカーシューズまたは野球シューズなどのようにより活動性が求められる場合には、やむを得ず短靴を着用しなければならないため、着用者は常に怪我の危険に晒されている。
【0006】
活動性に鑑みて、半長靴形態の運動靴を開発する試みが行われてきた。例えば、特許文献1および特許文献2は、本発明の発明者により出願されたものである。
また、半長靴形態をなす多くの運動靴が、特許文献3、特許文献4および特許文献5に開示されている。
【0007】
上記の半長靴形態の運動靴は、短靴の踵部の上端から延びて着用者の足首関節の上部まで足をくるんで着用するように構成された足首保護部を備える。
このような従来の半長靴型の運動靴は、着用者が自由に運動できるように多様な手段を備えているにもかかわらず、バスケットシューズを除く半長靴型の運動靴は消費者の興味を引いていない。
【0008】
怪我の危険性を減少させるために、図1に示すような足首保護具が市販されており、多くの運動選手がこのような足首保護具を着用して履物を使用する。
しかしながら、この足首保護具100は、着用者の足の踵から足首関節の上部までの脚部をくるんでいるだけであり、履物と足首保護具が互いに分離しているため、履物に対して自由に動く。
【0009】
したがって、このような足首保護具100を着用していても、履物に加えられた力によって着用者の足首関節が過度にねじれたり回転したり曲がったりすることがある。
特許文献6では、履物に装着して着用できる足首保護具が開示されている。
【0010】
しかしながら、このような足首保護具は、ジッパーを利用して短靴の踵部の上端に固定するように構成されたものであり、短靴に固定すれば従来の半長靴形態の運動靴と同じ形態をなす。
【特許文献1】大韓民国実用新案登録出願第1998−5838号明細書
【特許文献2】大韓民国実用新案登録出願第2003−16830号明細書
【特許文献3】実開昭57−34804号公報
【特許文献4】米国特許第5430960号号明細書
【特許文献5】米国特許第5943793号明細書
【特許文献6】大韓民国実用新案登録出願第1989−5433号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上記した懸案を鑑みて、履物の内側の底部に装着して着用者の足首関節の上部の脚部分をくるむように着用できる足首支持具を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、そのような足首支持具が底部に装着された履物を提供することにある。
【0012】
本発明のさらなる目的は、足首支持具を履物の内側の底部に装着するために、足首支持具の下端に形成された装着手段と係合または協動する相互作用手段を備えた履物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本明細書において、足首支持具を履物の底部に装着することは、必ずしも中底に直接装着することに限定するものではなく、足首支持具の全体または一部を履物の底部に連結された踵部または甲部に装着することも可能である。このような装着の形態は、本発明の範囲を限定するものではない。したがって、本発明の好適な実施例に関する説明のほかに特許請求の範囲の記載においても、「足首支持具を履物の底部に装着する」という表現は、直接装着することと間接的に装着することの両者を含むことが理解されるべきである。
【0014】
間接的に装着する場合には、足首支持具をできるだけ履物の底部に接近して装着することが望ましい。しかしながら、足首支持具を中底から離間した位置に装着する場合においても、本発明の一実施形態と見なされるべきである。
【0015】
上記の目的を達成するために、本発明は、履物の内側に固定されて、足首関節が介在する足の一部と脚の一部とをくるんで着用するように構成された足首支持具を提供する。
足首支持具は、その下端に配置されて履物の内側に装着可能に構成された装着手段と、足首支持具の少なくとも一部が着用者の足首関節上部で脚部分をくるむように構成された脚被覆手段と、脚被覆手段と装着手段との間に形成されて、着用者の足が足首関節を中心にして所定の範囲を越えて動くことを防止する支持手段とを含む。
【0016】
支持手段は少なくとも1つの補強ストリップを含むことが可能である。補強ストリップは、着用者のアキレス腱に沿って配置されて脚被覆手段を装着手段に対して連結する第1ストリップ部と、着用者の内側くるぶし上に配置されて脚被覆手段を装着手段に対して連結する第2ストリップ部と、着用者の外側くるぶし上に配置されて脚被覆手段を装着手段に対して連結する第3ストリップ部とを備える。
【0017】
脚被覆手段は、支持手段の上端に連結されて着用者の足首関節上部の脚部をくるむように構成されたストリップを含むことも可能である。
また、本発明による履物は、履物の内側の底部に対して連結されて、足首関節が介在する足の一部と脚の一部とをくるんで着用される足首支持具を備える。
【0018】
足首支持具の脚被覆手段は、足首支持具の少なくとも一部が着用者の足首関節上部で脚部をくるむように構成される。
支持手段は、履物に装着された下部から延びて脚被覆手段に達し、着用者の足が足首関節を中心にして所定の範囲を越えて動くことを防止する。
【0019】
支持手段は少なくとも1つの補強ストリップを含むことが可能である。補強ストリップは、着用者のアキレス腱に沿って配置されて履物に固定された下部から延びて脚被覆手段に達する第1ストリップ部と、着用者の内側くるぶし上に配置されて脚被覆手段まで延びる第2ストリップ部と、着用者の外側くるぶし上に配置されて脚被覆手段まで延びる第3ストリップ部とを含む。
【0020】
第1、第2、第3ストリップ部の間には、履物の内外部への空気の流出入が可能な通気部を形成することができる。
脚被覆手段は、支持手段の上端に連結されて、着用者の足首関節上部の脚部をくるむように構成されたストリップを含むことができる。
【0021】
履物の甲部は、着用者の足先を覆うトウトップと、足の甲の内側を覆う第1バンプと、足の甲の外側を覆う第2バンプと、トウトップに一端が連結されて足の甲を覆うように構成された舌部とを含むことができる。
【0022】
足首支持具の少なくとも一部は、履物の踵部、第1バンプ、または第2バンプに装着されてもよい。
舌部は、着用者の足首が曲がる位置から上方へ延設されて、履物内部の熱を外部へ放出する放熱部と、放熱部の両側から延びて履物の内側にそれぞれ固定される1対の延長部とを含む。
【0023】
各延長部の少なくとも一部は、弾力性を有する弾性バンドから構成され、履物の内側と足首支持具の外側との間に位置する状態で履物の内側に固定される。
さらに履物は、第1バンプの側端と第2バンプの側端を引き寄せて互いに近づけるバンプ締め付け部を備えることができる。
【0024】
足首支持具の脚被覆手段は、着用者の足の甲から脛骨に至る位置において切開かれており、締め付け部は切開かれた位置において形成されて脚被覆手段の両端を引き寄せて互いに近づける。
【0025】
切開かれた脚被覆手段の第1端は第1バンプの側端に対して連続して連結され、脚被覆手段の第2端は第2バンプの側端に対して連続して連結される。
上記の目的を達成するために、本発明は、底部、甲部、および踵部を有する履物を提供し、足首支持具を履物に装着するための装着手段を履物の内部に配置し、足首支持具は着用されると足首関節が介在する足の一部と脚の一部とをくるむ。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明による足首支持具および足首支持具を備える履物の好適な実施例について、添付した図面に基づいて詳細に説明する。
図2は本発明の一実施例による履物に装着される足首支持具を示す斜視図であり、図3は図2の足首支持具に着用者の足が収まっている状態を概略的に示す斜視図であり、図4は図3の足首支持具を示す展開図である。
【0027】
図2〜図4に示すように、本発明の足首支持具200は、足首以下の高さを有する通常の短靴の内側の底部に装着されるとともに、履物の踵部の上端から延びて着用者の足首関節の上部の脚部をくるむように形成される。すなわち、足首支持具200は、履物の内側の底部(例えば、中底の上面)に装着される形態を取っている。したがって、足首支持具200の下部には、履物の内側の底部に装着するための装着手段210が設けられている。装着手段210は、底部に装着することが可能であればいずれの形状を有していてもよいが、ベルクロ(Velcro登録商標)ファスナーなどの別の装着部材をさらに備えることが望ましい。この場合、装着手段210は、一部が開いた形態を有するか、あるいは全体が閉じた形態を有することも可能である。図2は一部が開いた形態の装着手段210を示す。
【0028】
また、足首支持具200には足首支持部220が形成されている。装着手段210は履物の内側の底部に装着され、足首支持部220は踵部の上端に延びて、着用者の足首関節が介在する足の一部と脚の一部とをくるんで足首を支持する。足首支持部220は、脚被覆手段と支持手段を備える。脚被覆手段は、着用者の足首関節の上部の脚部をくるむように構成されており、支持手段は、脚被覆手段と装着手段210との間に形成されて、着用者の足が所定の範囲を越えて足首関節を中心にして動くことを防止する。
【0029】
足首支持部220の上端には、足入口221が形成されており、足首支持部220に着用者の足を入れることができる。また、開口部222が足首支持部220の所定の位置に形成されて、着用者の足を足首支持部220に適宜入れることができる。本実施の形態において、足首支持部220は同一材料から一体的に形成することが可能である。これに代えて、異なる種類の材料から形成してもよく、異なる部分は互いに縫着されて足首支持部220を形成する。
【0030】
足首支持部220は、その所定の位置に形成された開口部222を閉じる締め付け部をさらに備えることにより、足首支持具200を着用者の足首に密着させることができる。締め付け部は、足首支持部220の両側にそれぞれ形成された複数の貫通孔と、履物を締める一般的な靴紐とを備える。また、締め付け部は、足首支持部220の両側に形成されたベルクロファスナーを備えていてもよい。さらに、締め付け部は、足首支持部220の両端に沿って縫着されたスライドファスナーを備えていてもよく、加えて、足首支持部220の両面にそれぞれバックルやパンチ穴を有するベルトを備えていてもよい。締め付け部は、前記構成要素の組合せからなっていてもよい。
【0031】
本発明の足首支持具200を一般的な履物に使用する場合、開口部222から異物などが内部に侵入しないように足首支持部220を構成することが望ましい。したがって、足首支持部220が舌部(図示せず)をさらに備えることが望ましい。舌部はその一端において足首支持部220の内面に固定され、開口部222を覆うことができる大きさを有する。足首支持部220の舌部は、その下部が履物に形成された舌部の一部に重なり合うように形成されることが望ましい。また、一般的な履物の舌部に連結できるような他の部材を足首支持部220の舌部に形成することもできる。
【0032】
さらに、足首支持部220を着用者の足首サイズよりも大きく形成することにより、異物が内部に侵入しないようにすることも可能である。すなわち、一般的な履物に使用される足首支持部220が着用者の足首よりも大きい場合、足首支持部220の両面を重ね合わせて着用者の足首を完全に覆うこともできる。
【0033】
一方、本発明の足首支持具200は、開口部222のない閉鎖した形態に構成することもできる。本実施の形態において、足首支持部220の一部を伸縮可能な弾性部材で構成、または足首支持部220全体を弾性部材で構成することもできる。
【0034】
前記のように、本発明の足首支持具200は、従来技術とは異なり、その下部が履物の内側に装着されるように形成されるため、所定の範囲内で履物に対して動かすことが可能である。したがって、本発明の足首支持具200を有する履物は、着用者の足首関節の動きを制限することなく、足首支持具200と一体に動くため、足首の可動域が確保されて動作に制約を受けない。また、本発明の足首支持具200を備える履物は、足首支持具200の下部が履物の内側に固定されるように形成される。そのため、激しい動きによる無理な衝撃が足首に加えられても、履物と足首支持具200の両者が足首を保護するために、足首の保護性を効率よく高めることができる。
【0035】
以下、本発明による足首支持具の好適な実施例について詳細に説明する。
図2〜図4に示すように、本発明の足首支持具200は、異なる材料から形成されている。これらの部分は互いに縫着されている。締め付け部は貫通孔と紐を備える。足入口221および開口部222は、足首支持部220の上端および前方にそれぞれ形成される。足首支持部220は脚被覆手段と支持手段とを備える。脚被覆手段は着用者の足首関節上部で脚部をくるみ、支持手段は着用者の足が所定の範囲を超えて足首関節を中心にして動くことを防止する。
【0036】
脚被覆手段は、支持手段の上端に連結され、着用者の足首関節上部の脚部をくるむストリップ224を備える。
また、支持手段は通気部223および補強ストリップを備える。通気部223は、履物の踵部に沿って所定の位置に形成されて、履物の内外部への空気の流出入を可能にする。補強ストリップは足首を部分的に補強する。通気部223は、履物を着用して動いたり運動をすることにより履物の内部で発生した熱を外部へ放出し、さらに外部の新鮮な空気を内部で循環させることができる。通気部223は通気性のある軟質材料から形成される。通気部223は、下端部から延びて所定の高さまで達することが望ましい。
【0037】
さらに、補強ストリップは、第1ストリップ部225、第2ストリップ部226および第3ストリップ部227を備える。第1ストリップ部225は、着用者のアキレス腱に沿って配置され、脚被覆手段のストリップ224を装着手段210に対して連結する。第2ストリップ部226は、着用者の内側くるぶし上に配置されて、ストリップ224を装着手段210に対して連結する。さらに、第3ストリップ部227は、着用者の外側くるぶし上に配置されて、ストリップ224を装着手段210に対して連結するように構成される。本実施の形態において、補強ストリップは、各第1、第2、第3ストリップ部225,226,227の少なくとも1つを有するように構成することも可能である。補強ストリップは、運動に先立ち、足の筋肉神経が急激に弛緩または収縮しないように、筋肉神経に沿って行うマッサージ効果を有するテープとして機能する。このような補強ストリップは、革材などの履物の材料と同様の硬質材料から形成することが望ましい。
【0038】
ストリップ224、第1、第2および第3ストリップ部225,226,227が展開されると、エム(m)字形状を形成する。このように、足首支持部220は、足首をくるんで支持するとともに、補強ストリップを構成する要素により、足首と足を連結する足首関節およびアキレス腱を含む様々な靭帯を効率よく保護することができる。
【0039】
一方、足首支持部220は、着用者が前方に足首を曲げる場合に、自然に折り曲げられて着用者の足首の可動域を増大させる複数の折曲部228を有するように構成される。すなわち、足首支持部220は、その両側が凹凸状に構成されて複数の折曲部228を有する。また、足首支持部220にはその上端に突出するように足首締め付け部229が形成されることにより、足首支持具200を着用者の足首に効率よく固定することができる。締め付け部229はストリップ224の両端に連結される。足首支持部220には複数の貫通孔230が形成され、紐325がそれらの貫通孔230を貫通して開口部222の両側を互いに連結する。
【0040】
本発明による足首支持具を備える履物に関して、サッカーシューズを一例として以下に詳細に説明する。しかしながら、本発明がサッカーシューズに限定されるものではなく、スポーツ(サッカー、バスケットボール、テニス、野球、ラグビー、ベドミントン、スケート、バレーボール等)シューズ、作業靴、安全靴、登山靴、軍靴などの様々な履物に適用することができる。すなわち、本発明の足首支持具を足首よりも低い短靴に使用する場合は、靴の高さに適応させる必要がない。また、足首よりも高い長靴に使用する場合は、靴の高さを足首よりも低く下げてから本発明による足首支持具をはめ込んで使用する。
【0041】
図5は、本発明の一実施例による足首支持具が装着されたサッカーシューズの斜視図であり、サッカーシューズの一部は紐が通されていない。図6は、図5のサッカーシューズの紐が完全に通された状態を示す斜視図である。図7は、図6のA−A線における部分断面図である。
【0042】
図5〜図7に示すように、本発明による足首支持具が装着されたサッカーシューズ300は、底部310、甲部320、踵部340を備える。足首支持具は、踵部の上端に延びて着用者の足首関節が介在する足の一部と脚の一部とをくるみ、足首支持具の下部はサッカーシューズの底部に固定される。
【0043】
底部310は、複数のすべり防止突起312が形成された表底311、および表底311上に一体に形成された中底313を備える。
甲部320は、着用者の足先を覆うためのトウトップ321と、甲の内側を覆うための第1バンプ322と、甲の外側を覆うための第2バンプ323と、舌部330とを備える。舌部330は、その一端においてトウトップ321に連結されるとともに甲を覆う。また、甲部320は、第1バンプ322の側端と第2バンプ323の側端を引き寄せて互いに近づけるバンプ締め付け部を含む。バンプ締め付け部は複数の貫通孔と紐325とを備える。貫通孔は、第1バンプ322および第2バンプ323の側端に形成され、紐325は、これらの貫通孔を貫通する。しかしながら、バンプ締め付け部がこの構造に限定されるものではなく、上述した足首支持具の締め付け部と同様に形成されてもよい。
【0044】
足首支持具200は前述したように形成される。すなわち、足首支持具200は、その下部がサッカーシューズの内側で底部に固定されるとともに、踵部340に沿って上方へ延びて着用者の足首関節が介在する足の一部と脚の一部とをくるむように構成される。
【0045】
図5〜図7に示すサッカーシューズ300には、図2〜図4のように構成された足首支持具200が形成される。しかしながら、その下部に形成された装着手段210は、表底311と中底313との間に装着される。すなわち、足首支持具200は、脚被覆手段が着用者の足甲から脛骨に至る位置で切開かれるように構成される。切開かれた位置において、締め付け部を用いて脚被覆手段の両端を引き寄せて互いに近づける。足首支持具200の装着手段210は、履物の踵部340、第1バンプ322または第2バンプ323に装着されてもよい。
【0046】
本発明において、切開かれた脚被覆手段の第1端部が第1バンプ322の側端に対して連続して連結され、第2端が第2バンプ323の側端に対して連続して連結されるように構成することもできる。
【0047】
図8は、図5のサッカーシューズの舌部を示す展開平面図である。図8に示すように、舌部330は、外部の異物などが履物の内部に侵入することを防止する役目をするもので、その一端においてスリット324の内面に縫着されて、スリット324および足首支持具200の開口部222を覆う。
【0048】
舌部330は、スリット被覆部331、開口被覆部332、および紐固定部333を備える。スリット被覆部331は、その一端においてスリット324の内面に縫着されてスリット324の内面に縫着される。開口被覆部332は、開口部222を覆うためにスリット被覆部331に対して連結される。紐固定部333は、開口被覆部332の一端において折り曲げられて、開口被覆部332の上面に連結されて、紐が不必要に解けることを防止する。
【0049】
スリット被覆部331と開口被覆部332との連結部は、着用者の足首が曲がる位置に配置されることが望ましい。より詳細には、足首の動作の柔軟性を高めることに加えて舌部330の折曲性を高めるために、複数の切欠部334を舌部330の両側に形成することが望ましい。切欠部334は、足首支持部220の折曲部228と同様な効果を発揮する。
【0050】
開口被覆部332は、放熱部335と1対の延長部336とを有する。放熱部335は、履物内部の熱を外部へ放出する。延長部336は、放熱部335の両側から突設されて切欠部334を形成するとともに、履物の内側底面に装着されることにより舌部330が着用者の足の甲に位置する。放熱部335は、スリット被覆部331と開口被覆部332との間の連結部、すなわち着用者の足首が曲がる位置から上方へ延びることが望ましい。弾力性を有する弾性バンド337を延長部336の所定の位置に形成することにより、舌部330を適宜動かすことができることが望ましい。また、延長部336は、履物の内側と足首支持具200の外側との間に位置する状態で、履物の内側の底面に装着されることがより望ましい。このように構成されることにより、履物を容易に着用することができる。図8は、各延長部336の一端において形成された弾性バンド337を示す。
【0051】
紐固定部333は、開口被覆部332の上端で折り畳まれるとともに、固定部材により放熱部335の上面に装着されることにより、紐が解けることを防止する。固定部材は、放熱部335の上面に形成されるベルクロファスナーからなる第1片部338、および紐固定部333の下面に形成されるベルクロファスナーからなる第2片部339から構成される。本形態において、第1片部338は、紐325に影響を及ぼさないように開口被覆部332の上面にその一端のみが装着されることにより、開口被覆部332は自由に折れ曲がることが可能である。一方、第2片部339は紐固定部333に全体が固定される。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明による履物を着用した着用者は、足首関節を履物に拘束されることなく足首支持具と一体に動かすことができるため、足首の動作の柔軟性が確保されて動作に制約を受けない。また、本発明は、足首支持具の下部が履物の内側に装着されているため、激しい動きにより無理な衝撃が足首に加えられても、履物と足首支持具の両者により支持されるため、足首を効率よく支えることができる。
【0053】
特に、本発明をスポーツシューズに適用する場合には、外部の衝撃または着用者の不注意による足首の骨折を予防して、足首と足を連結する足首関節およびアキレス腱などの様々な靭帯を効率よく保護するとともに、着用者の足首の自由な動きを可能にする。したがって、足首の怪我を懸念することなく所望のスポーツを楽しむことができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】従来の足首保護具を示す斜視図。
【図2】本発明の一実施例による履物に装着する足首支持具を示す斜視図。
【図3】図2の足首支持具に着用者の足が挿入された状態を概略的に示す斜視図。
【図4】図3の足首支持具を示す展開図。
【図5】本発明の一実施例による足首支持具を装着したサッカーシューズを示す斜視図であって、紐が完全に結ばれていない状態を示す。
【図6】図5のサッカーシューズの紐が完全に結ばれた状態を示す斜視図。
【図7】図6のA−A線における部分断面図。
【図8】図5のサッカーシューズの舌部を示す平面図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
履物の内側に固定されて、足首関節が介在する足の一部と脚の一部とをくるむように着用される足首支持具において、
前記足首支持具の下端に配置されて、該足首支持具を該履物の内側に装着する装着手段と、
該足首支持具の少なくとも一部が着用者の足首関節の上部の脚部分をくるむように構成された脚被覆手段と、
該脚被覆手段と該装着手段との間に配置された支持手段とを備え、該支持手段は、着用者の足が足首関節を中心にして所定の範囲を越えて動くことを防止することを特徴とする足首支持具。
【請求項2】
前記支持手段が少なくとも1つの補強ストリップを含む請求項1に記載の足首支持具。
【請求項3】
前記補強ストリップが、
着用者のアキレス腱に沿って配置されて、前記脚被覆手段を前記装着手段に対して連結する第1ストリップ部と、
着用者の内側くるぶし上に配置されて、前記脚被覆手段を前記装着手段に対して連結する第2ストリップ部と、
着用者の外側くるぶし上に配置されて、前記脚被覆手段を前記装着手段に対して連結する第3ストリップ部とを含む請求項2に記載の足首支持具。
【請求項4】
前記脚被覆手段が、前記着用者の足首関節上部の脚部分をくるむように前記支持手段の上端に連結されたストリップを含む請求項1に記載の足首支持具。
【請求項5】
底部、甲部および踵部を含む履物において、
足首関節が介在する足の一部と脚の一部とをくるむように着用される足首支持具を備え、該足首支持具の下部が該履物の内側に固定されていることを特徴とする履物。
【請求項6】
前記足首支持具の少なくとも一部が着用者の足首関節上部の脚部分をくるむように構成された脚被覆手段と、
前記履物に固定された足首支持具の下部から延びて前記脚被覆手段に達する支持手段とを備え、該支持手段は着用者の足が足首関節を中心にして所定の範囲を越えて動くことを防止することを特徴とする請求項5に記載の履物。
【請求項7】
前記支持手段が少なくとも1つの補強ストリップを含む請求項6に記載の履物。
【請求項8】
前記補強ストリップが、
着用者のアキレス腱に沿って配置されて、前記履物に固定された下部から延びて前記脚被覆手段に達する第1ストリップ部と、
着用者の内側くるぶし上に配置されて、前記脚被覆手段まで延びる第2ストリップ部と、
着用者の外側くるぶし上に配置されて、前記脚被覆手段まで延びる第3ストリップ部とを含む請求項7に記載の履物。
【請求項9】
前記第1、第2および第3ストリップ部の間に配置されて、前記履物の内外部へ空気の流出入を可能にする通気部をさらに備える請求項8に記載の履物。
【請求項10】
前記脚被覆手段が、着用者の足首関節上部の脚部をくるむように前記支持手段の上端に連結されるストリップを含む請求項6に記載の履物。
【請求項11】
前記甲部が、
着用者の足先を覆うトウトップと、
足の甲の内側を覆う第1バンプと、
足の甲の外側を覆う第2バンプと、
該トウトップに対して一端が連結されて足の甲を覆う舌部とを備える請求項6に記載の履物。
【請求項12】
前記足首支持具の少なくとも一部が前記踵部、前記第1バンプ、または前記第2バンプに固定される請求項11に記載の履物。
【請求項13】
前記舌部が、着用者の足首が曲がる位置から上方へ延設されて、前記履物内部の熱を外部へ放出する放熱部を含む請求項11に記載の履物。
【請求項14】
前記舌部が、前記放熱部の両側から外方へ延びて前記履物の内側に固定される1対の延長部を含む請求項13に記載の履物。
【請求項15】
前記延長部の各々の少なくとも一部が弾力性を有する弾性バンドからなる請求項14に記載の履物。
【請求項16】
前記延長部の各々が、前記履物の内側と前記足首支持具の外側との間に位置する状態で前記履物の内側に固定される請求項14に記載の履物。
【請求項17】
前記第1バンプの側端と前記第2バンプの側端を引き寄せて互いに近づけるバンプ締め付け部をさらに備える請求項11に記載の履物。
【請求項18】
前記足首支持具の脚被覆手段が、着用者の足の甲から脛骨に至る位置において切開かれていることと、
締め付け部が、前記脚被覆手段の両端を引き寄せて互いに近づけるために前記切開かれた位置において形成されることとを特徴とする請求項17に記載の履物。
【請求項19】
前記切開かれた脚被覆手段の第1端は前記第1バンプの側端に対して連続して連結されることと、
前記切開かれた脚被覆手段の第2端は前記第2バンプの側端に対して連続して連結されることとを特徴とする請求項17に記載の履物。
【請求項20】
底部、甲部および踵部を含む履物において、
足首支持具を該履物に装着するための装着手段を該履物内に配置することと、該足首支持具が足首関節が介在する足の一部と脚の一部とをくるんで着用されることとを特徴とする履物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2007−529265(P2007−529265A)
【公表日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−503830(P2007−503830)
【出願日】平成17年3月15日(2005.3.15)
【国際出願番号】PCT/KR2005/000741
【国際公開番号】WO2005/087030
【国際公開日】平成17年9月22日(2005.9.22)
【出願人】(506313707)セルビオ カンパニー リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】CERBIO CO.,LTD.
【Fターム(参考)】