説明

岩盤空洞削岩用穿孔パターン設計方法およびソフトウェア製品

本発明は、岩盤空洞削岩用穿孔パターン設計方法およびその方法を実行するソフトウェア製品に関する。穿孔パターン(9)は設計プログラムによって作られる。穿孔パターンは、誘導面(N)における掘削孔のいくつかの開始点(29)、円(22)の底部における掘削孔の終点(30)、ならびに掘削孔の方向および長さを画成する。円の面は、所望の面プロファイル(31)について終点の位置を決定することによって、所望の形状を有するように設計される。三次元面プロファイルを設計プログラムに入力し、次にこれは、終点を面プロファイルに自動的に配置する。

【発明の詳細な説明】
【発明の背景】
【0001】
本発明は岩盤空洞削岩用穿孔パターンの設計方法に関するものである。岩盤空洞の面において掘削する円について、穿孔パターンは少なくとも、穿孔パターンの座標系における掘削孔の位置および方向角を決定する。本方法では、設計者は設計ソフトウェアを使って穿孔パターンを作図する。本発明の対象物は、第1の独立請求項1の前段に詳細に記載されている。
【0002】
本発明はまた、第2の独立請求項に記載のソフトウェア製品に関するものでもあり、本製品を設計コンピュータ等で実行すると、穿孔パターン設計に必要な動作を生ずる。
【0003】
隋道、地下倉庫、その他の岩盤施設は、多数の円で削岩される。岩盤空洞の面には、掘削後装薬され爆破される掘削孔がある。1回爆破すると、1つの円の岩石物が岩盤から外れる。岩盤空洞を削岩するには、あらかじめ計画を作成し、理論上の削岩プロファイルを作図し、たとえば岩盤のタイプについてのデータを求める。一般に発注者は、削岩すべき空間についてさまざまな品質条件も設定する。それぞれの円について、設計板において、岩盤に所望の円を形成する穿孔を掘削する岩盤掘削装置に供給される穿孔パターンを設計する。穿孔パターンは、完成すると、岩盤掘削装置において実行することができる。複雑な形状の岩盤施設を削岩する場合、一連の各円を掘削するのに同じ穿孔パターンを用いることはできず、それぞれの円ごとに固有の穿孔パターンが必要なことがあり、または、それぞれの円ごとに穿孔パターンの修正が必要なことがある。
【0004】
フィンランド国特許公報105942 B号には、いずれの特定の時点でも、掘削する円の長さに応じて既存の穿孔パターンの長さを連続的に変えることができる解決法が開示されている。掘削における開始面の位置は、掘削方向またはその反対方向にシフトする。掘削孔の終点の位置は維持するが、その代わり、掘削孔の新たな開始点を新たな開始面上に決め、または掘削孔の方向角を変更する。この公報の解決法では、掘削円の形状は同じに維持して、穿孔パターンの長さを調節するにすぎない。
【0005】
しかし、岩盤空洞は曲状表面を含むことがあり、または掘削する円の面は水平または垂直方向に傾斜することがある。さらに、岩盤空洞は、作業方向から見て鋭く屈曲していることがあり、そのため、穿孔パターンを真直ぐに配向すると、所望の鋭い曲状部が得られない。その場合、前記公報に開示のように穿孔パターンの区間を真直ぐに変更することは十分ではない。そこで現状では、複数の二次元投影面を作成して、穿孔パターンについて掘削孔の長さ、位置およびの方向を決定することによって、複雑な面形状の円をいくつか設計しなければならない。しかしこれは、遅くて困難である。そのうえ、この設計はいくつかの様々な投影面を使用して行うので、設計者が全体を把握し、穿孔パターンの間違いを見つけることは、困難である。
【発明の簡単な説明】
【0006】
本発明の目的は、複雑な形状の円において面を掘削する新規で改良された穿孔パターン設計方法を提供することである。更なる目的は、新規で改良された穿孔パターン設計用ソフトウェア製品を提供することである。
【0007】
本発明の方法は、掘削する円において面の形状を表す面プロファイルを設計プログラムに提供し、穿孔パターンにおいて掘削する掘削孔の終点を穿孔パターンの座標系における面プロファイルに従う位置に設計コンピュータによって配置し、これによって穿孔パターンにおいて様々な長さの掘削孔が所定の面プロファイルの形状を画成することを特徴とする。
【0008】
本発明のソフトウェア製品は次の特徴を有する。すなわち、設計プログラムは、実行すると、掘削する円における面の形状を表す面プロファイルの供給に応動して、掘削する掘削孔の終点の位置を穿孔パターンに配置するように配備され、これによって穿孔パターンにおいて様々な長さの掘削孔が、所定の面プロファイルの形状を画成する。
【0009】
本発明の基本概念は、穿孔パターン設計で、円における面の形状のデータ、すなわち面プロファイルを備えた設計プログラムを使用することである。したがって、備えられたデータに基づいて設計プログラムは、パターンに含まれる掘削孔の終点を円の底部における面プロファイルに従った位置に配置して、所望の面形状が達成される。その場合、穿孔パターンにおいて様々な長さの掘削孔は、面の底部について所定の面プロファイルの形状を画成する。
【0010】
本発明は、複雑な表面および形状を含む円の穿孔パターンの設計であっても、速く容易に行うことができる利点を有し、これは、設計プログラムが掘削孔の位置を底部に正確に配置して所望の形状を達成するからである。さらに、設計コンピュータは、掘削孔の終点の座標を決定するのに必要な、たとえば掘削孔の長さを計算するのに要な計算をする。さらに、本発明の構成によれば、エラー数が減少する。なぜなら、さまざまな投影面において多様な手動による計算工程および手動による設計を実行する必要は、もはやない。
【0011】
実施例の基本概念は、掘削する岩盤空洞の所定の三次元プロファイルモデルを設計プログラムが備えることである。プロファイルモデルは、たとえばCADプログラム等を使って岩盤施設の発注者が作成してよい。また、本実施例は設計プログラム対して前記プロファイルモデルにおける円の位置を定義し、これによって設計プログラムは、掘削する円の底部の面プロファイルを円の位置および三次元プロファイルモデルによって画成することが可能である。面プロファイルは、形成すべき岩盤空洞の曲状輪郭を画成する少なくとも1つの曲状部、および円の底部における少なくとも1つの実質的な平面部を含んでよい。最後に、掘削孔の終点は前記面プロファイルに配置される。実際に、面の形状はある程度、カップ状であってよいが、明確にするため、本願文書中では「実質的な平面部」と呼ぶ。
【0012】
一実施例の基本概念は、鋭い曲状部を含む岩盤空洞のための穿孔パターンを設計することを含む。その場合、円の面プロファイルは、円の方向で見て、側面プロファイルの一部および円の底部における実質的な平面部を含む。
【0013】
一実施例の基本概念は、曲状天井プロファイルを含む岩盤プロファイル用穿孔パターンを設計することを含む。その場合、円の面プロファイルは、円の方向に見て、天井プロファイルおよび円の底部において実質的な平面部を含む。
【0014】
一実施例の基本概念は、掘削すべき岩盤空洞の所定の三次元プロファイルモデルを設計プログラムに備えること、および杭番号によってプロファイルモデルにおける円の位置を定義することを含む。杭番号は、所定の基準点、たとえば岩盤空洞の初期点から始まる距離として定義される。
【0015】
一実施例の基本概念は、まず掘削孔の終点を円の底部における面に配置することを含む。その後、所定の円の外側で延びる掘削孔を切り出し、これらの孔の終点を掘削孔および面プロファイルの交点に配置する。
【0016】
一実施例の基本概念は、まず掘削孔の終点を円の底部における面に配置することを含む。その後、穿孔パターンは、誘導面の方向に掘削孔の開始点および終点の座標を維持し、すなわち終点のxおよびz座標を不変に保ったまま、掘削孔の終点を所定の面プロファイルに移動することによって、修正する。その代わりに、終点のy座標は変化する。同様に、掘削孔の方向角も変化する。
【0017】
一実施例の基本概念は、まず円の底部における面に掘削孔の終点を配置することを含む。その後、穿孔パターンは、掘削孔の元の方向を維持し、終点の座標を誘導面の方向に維持したまま、掘削孔の終点を所定の面プロファイルに移動することによって、修正する。言い換えると、終点のxおよびz座標は不変に保たれるが、そのy座標は変化する。同様に、誘導面における掘削孔の開始点も変化する。
【0018】
一実施例の基本概念は、設計者が岩盤掘削装置の設計コンピュータまたは制御装置の表示装置において円の底部の形状を手動で定義することである。円の底部の形状を設計すると、そのデータ、すなわち面プロファイルは、穿孔パターン設計用の設計コンピュータに適用される。表示装置は、掘削方向におけるxz投影面や上面すなわちxy投影面などの所望の投影面において円を表示することができる。また、設計プログラムはスライスツールを含んでよく、これによって、設計者は円をスライス面でスライスできる。その後、設計者は、スライス面ごとに個別に直線および円弧を使用する面プロファイルを画成できる。これら直線、円弧または同様の形状線が使用者によって画成された状態で、この円について所望の形状を様々なスライス面で切り出し、設計コンピュータにおいてスライス面データを組み合わせると、三次元面プロファイルが得られる。本適用例は、たとえば掘削すべき岩盤空洞について紙の技術図面しか存在せず、三次元電子モデルがないとき、活用することができる。
【0019】
一実施例の基本概念は、設計プログラムに新たな面プロファイルを与え、または岩盤空洞の理論上の新たな削岩プロファイルおよびその円の位置を備えることによって、既存の穿孔パターンを修正できることである。その場合、設計プログラムは、掘削孔の終点について新たな位置を決定し、他の穿孔パターンデータを更新することができる。
【0020】
一実施例の基本概念は、岩盤空洞から離れた設計コンピュータにおいて穿孔パターンを設計し、その穿孔パターンを岩盤掘削装置の制御装置に転送して掘削することを含む。
【0021】
一実施例の基本概念は、岩盤掘削装置の制御装置において穿孔パターンを設計または修正することを含む。
【0022】
一実施例の基本概念は、まず誘導面において穿孔パターンをいわゆる傾斜面に対して設計し、その後、パターンを修正して掘削孔の終点が誘導面に対して角度をなす所望の面プロファイルに配置することを含む。設計者は、面プロファイルの形状を、たとえば誘導面および傾斜面の間の角度データまたは距離として設計コンピュータに入力できる。あるいは、レーザで前の傾斜面の形状を測定し、たとえば測定データを設計コンピュータに転送し、誘導面における穿孔パターンを修正して面の傾斜が新しい円と以前の円とで実質的に同じに保たれるようにすることが可能となる。傾斜面は、少なくとも削岩すべき円と共に延びる、いわゆる試掘坑をまず削岩した後、この試掘坑の側で使用してよい。その場合、試掘坑の側で削岩される円の面は傾斜してよく、試掘坑側の境界で最も深くなる。このことが原因で、岩盤は試掘坑に向かって簡単に壊れる。さらに、強度関連の要素により、削岩における傾斜面の使用を支えることができる。
【0023】
一実施例の基本概念は、円面の傾斜を模擬することによって誘導面にて設計される穿孔パターンを設計コンピュータが修正することである。模擬作成は、補助面を使って実現することができ、補助面は設計コンピュータで設定し、その方向によって誘導面および岩盤空洞の面の間に方位差を作成する。
【0024】
一実施例の基本概念は、傾斜面について穿孔パターンを修正すると、誘導面において設計された掘削孔は、掘削孔の方向角および終点のxおよびz座標を維持したまま、所望の面プロファイルに向けて移動する。一方、終点のy座標は、この面プロファイル上に位置すると、変化する。また、掘削孔の初期点のy座標も同様に変化する。しかし、移動後、穿孔パターンを含む掘削孔は、開始点から誘導面まで掘削孔の方向に延びる。その場合、それぞれの掘削孔の開始点は、誘導面まで戻るが、新たな位置において、新たな座標を得る。
【0025】
一実施例の基本概念は、穿孔パターン設計用のソフトウェア製品を、メモリスティック、メモリディスケット、ハードディスク、ネットワークサーバ等の蓄積または記憶媒体から設計コンピュータにロードし、設計コンピュータ等の処理装置でソフトウェア製品を実行すると、本出願書類に記載の穿孔パターン設計および修正作業を行う。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本発明のいくつかの実施例を添付図面に関連してより詳細に説明する。すなわち、
【図1】は、岩盤掘削装置および穿孔パターンの設計および編集手段の概略側面図であり、
【図2】は、xz投影面で見た穿孔パターンの概略図であり、
【図3】は、掘削する岩盤空洞およびそこで使用される杭番号の概略上面図であり、
【図4】は、曲状天井表面を含む岩盤空洞の概略側面図であり、
【図5】は、側面プロファイルによって画成され、鋭い曲状部を有する岩盤空洞の概略上面図であり、
【図6】は、設計コンピュータまたは制御装置の表示装置に表示されるスライスツールのxz投影面における概略図であり、
【図7】は、スライスツールの様々なスライス投影面のxy投影面における概略図であり、
【図8】および
【図9】は、傾斜面底部を有する円の穿孔パターンを設計する工程を概略的に示し、
【図10】および
【図11】は、許容プロファイル境界線AおよびBの中での掘削孔の位置決めを表示装置が表示する適用例を概略的に示し、
【図12】および
【図13】は、大きな断表面を有する岩盤空間を各部分に分割して特定の穿孔パターンを各部分ごとに設計可能なオプションを概略的に示し、
【図14】は、すでに削岩された空洞に面する側面がいわゆる自由線によって画成された部分穿孔パターンを概略的に示し、前記線に最も近い掘削孔は定義された間隔をとって配置され、
【図15】は、上から見た部分穿孔パターンの掘削順序と、さらに試掘坑および削岩における傾斜面の使用を概略的に示し、
【図16】および
【図17】は、設けられた面プロファイルに掘削孔の終点を配置するオプションを概略的だがいくつか示す。
【発明のいくつかの実施例の詳細な説明】
【0027】
明確にするため、本発明のいくつかの実施例は、簡略化された方法で図面に示す。各図において、同様の参照記号は同様の部分を示す。
【0028】
図1は岩盤掘削装置1を示し、これは、可動台車2、1本以上の掘削ブーム3、および掘削ブーム3に配設されたドリルユニット4を含む。ドリルユニット4は給送装置5を含み、これによって岩盤ドリル6は移動することができる。給送装置5は、給送ビーム、および岩盤ドリル6を移動するための給送機構を含んでよい。ドリルユニット4はさらにツール7を含み、これによって、岩盤ドリルの打撃装置から伝わる衝撃波は掘削する岩盤に伝播する。岩盤掘削装置1はまた、少なくとも1つの制御装置8を含み、これは、岩盤掘削装置1に含まれるアクチュエータを制御するように配設されている。制御装置8はコンピュータ等でよく、これは、表示装置と、命令およびテータを制御装置8に伝える操作手段を有するユーザインタフェースを含んでよい。
【0029】
典型的には、それぞれの円を掘削するために、図2に示されるような穿孔パターン9を設計し、これは少なくとも、穿孔パターンの座標系において掘削すべき孔の位置および方向角を定義するものである。さらに、穿孔パターン9は掘削すべき孔の長さを決定することができ、または、長さは掘削孔の初期位置および終点によって決定することができる。掘削孔の位置は、その開始点および終点の座標によって、または、開始点、方向角および長さに基づいて定義してもよい。穿孔パターンは事務所10などの現場から離れた場所で設計してよく、メモリスティックまたはディスクなどの記憶媒体に格納してよく、またはデータ伝送接続部11を通して岩盤掘削装置の制御装置8に直接伝えられ、ハードディスクまたはディスケットなどの記憶手段に格納してよい。あるいは、穿孔パターン9の設計および編集は、たとえば岩盤掘削装置1の操縦室12における制御装置8によって行ってもよい。さらに、既存の穿孔パターンを掘削現場で、または別の場所で編集してもよい。穿孔パターン9の設計および編集は、コンピュータ補助処理であり、一般に反復操作型である。設計プログラムは、設計コンピュータ13、制御装置8等で実行され、設計者Sが設計プログラムとインタラクティブに操作して、必要なデータを入力し、設計工程を選択および制御する。設計過程において、穿孔パターンの実行部分を繰返し編集して、より良い最終結果を達成することができる。
【0030】
穿孔パターンが設計されると、これは、岩盤掘削装置の制御装置8にロードされて、実行することができる。設計された掘削孔は岩盤15に掘削され、装薬され爆破される。岩盤15からは、所望の円に相当する量の岩石物が分離され、現場から搬出される。その後、新しい穿孔パターン9に従って次の円の新しい掘削孔が掘削される。
【0031】
図2は穿孔パターン9を示し、これは、複数の入れ子列17ないし19に配置された複数の掘削孔16を含んでよい。最外側の孔列は、掘るべき円の外輪郭を画成する終端プロファイル17である。掘削孔列17ないし19に加えて、穿孔パターン9は最内側の掘削孔列19および切出し21の間の部分に配置された領域孔20を含んでもよい。切出し21は爆破の際、初期空間を形成するために配置され、円を爆破するとき、これによってその円の他の部分を開口することができる。たとえば掘削孔の間の間隔、および掘削孔列の間の距離を決定する場合、穿孔パターン設計では爆発物に関する技術的詳細を考慮する。
【0032】
図3は、岩盤空洞23に対する円22の位置を決定するための配置を上から見た状態で示す。岩盤空洞23は、後に図4および図5で示す所定の中央線24および理論上の外輪郭25および26を含んでよい。岩盤空洞23はさらに、中央線24上に相互間隔をとって配置された点27を含んでよい。岩盤空洞23の発注者は、あらかじめ岩盤空洞の外輪郭、すなわち理論上の削岩プロファイル、中央線24の位置、さらには点27の座標を定義することができる。それぞれの点27は特定の杭番号28を有し、これは、ある位置における基準点からの岩盤空洞23の深度を示す。杭番号28は、たとえば岩盤空洞の開始点からメートル単位で与えることができる。杭番号28は岩盤掘削装置を掘削現場に誘導するのに用いることができる。杭番号28に基づいてxz方向における誘導面Nの位置を決定することができ、その後、穿孔パターン9は誘導面Nに配置される。さらに、杭番号28は穿孔パターン設計に用いることができる。すなわち、杭番号28を使うと、岩盤空洞23において設計する円22の位置に関するデータを設計プログラムに与えることができ、これによって前記円の面プロファイルも定義される。
【0033】
図4は図3の岩盤空洞23における杭番号180と195との間の部分23aのプロファイルを示し、これは岩盤空洞が曲状の外輪郭、この場合は天井輪郭25を有することを示す。さらに、岩盤空洞は、曲線部分を含む側面プロファイルを含んでよく、またはこれらは何らかの他の形状をとってもよい。したがって、岩盤空洞は三次元形状を有してよく、すなわちこれはいわゆる空間的形状であってよい。杭番号180、185、188、192および195の位置は破線で示す。穿孔パターン9の誘導面Nは円22において杭番号188で定義された点に配置されてよい。その際、掘削孔の開始点29は誘導面Nに配置されてよい。掘削孔の終点30のいくつかは、杭番号192における面に配置され、また終点30のいくつかは、曲状の天井輪郭25に配置されてよい。その結果、円の面プロファイル35は平面部31aおよび曲状部31bを含む。岩盤空洞23のくい番号28および外輪郭25が設計プログラムに入力されていると、設計プログラムは円22の面プロファイル31を自動的に画成することができ、面プロファイルに終点30を配置することができる。
【0034】
典型的に、掘削孔の開始点29および終点30は、面に配置されている。また、設計プログラムはそこで、すべての開始点30をまず円22の底部の平面部、この場合は杭番号192に配置し、その後にのみ、天井輪郭25および掘削孔の交点で曲状天井輪郭25の外側へ延びる掘削孔の部分を切り出すことも可能である。その後、面プロファイル31の外側へ延びる掘削孔の終点30を掘削孔の方向において開始点29に向けて移動することができ、これによって、掘削孔の長さが元の長さと比較して減少する。移動は図4において矢印32によって示される。
【0035】
図5は、図3の岩盤空洞23における杭番号195および198の間の部分23bにおける鋭い曲状部を示す。岩盤空洞23は、中心線24の両側が側面プロファイル26aおよび26bによって制限されていてよい。側面プロファイル26、天井輪郭25、およびこれに対応する理論上の外輪郭は、岩盤空洞の三次元形状を画成してよく、あらかじめ発注者または岩盤空洞設計者によって、たとえばCADプログラムを使って設計することができる。岩盤空洞の外輪郭は穿孔パターン設計用の設計プログラムに供給してよい。図5の状況では、掘削孔の開始点29は杭番号195の誘導面Nに配置してよく、掘削孔の終点30のいくつかは杭番号198における面に配置してもよい。さらに、終点30のいくつかは、曲状部の外縁における側面プロファイル26aに配置されている。したがって、この円の面プロファイル31は平面部31aおよび曲状部31bを含んでよい。この場合もまた、設計プログラムはまず、すべての終点30を平面部に配置し、その後、側面プロファイル26aおよび掘削孔の交点において掘削孔を切り出すことができる。あるいは、設計プログラムは、終点30を面プロファイルの曲状部31bに直接、配置してもよい。
【0036】
図6は削岩装置における設計コンピュータまたは制御装置の表示装置の図である。設計プログラムはスライスツールを含んでよく、これによって設計者は、岩盤空洞の面プロファイル32を1つ以上のスライス面33aないし33cでスライスすることができる。その後、設計者は所望の投影面でスライス面33を観ることができる。
【0037】
図7はxy投影面におけるスライス面33aないし33cを示す。設計者は円底部の形状を手動で決定することができる。設計者は直線および円弧または同様の形状線を用いてスライス面ごとに個別の面プロファイルを決定することができ、これによってその円の面について様々なスライス面における所望の形状が切り出される。その後、必要な補間を各スライス面の間の部分に対して行うと、面の形状についての各データが設計コンピュータによって組み合わされ、これによって三次元の面プロファイルが形成され、これは穿孔パターン設計用の設計コンピュータに供給される。そこでこの場合、設計者は設計プログラムと共に三次元面プロファイルを作成する。
【0038】
図8は岩盤空洞における面34を示し、これはxy方向すなわち水平方向に傾斜している。ある円から他の円に面が連続的に傾斜するように意図的に岩盤空洞を削岩する場合もある。傾斜面34の使用は、たとえば、大きな岩盤空洞の作業において最初に、隣接する面を後で爆破する開口部として働く試掘坑を掘るときに、十分に確立したものである。その結果、試掘坑に隣接する部分的穿孔パターンには、特定の切出しが設計されていない。図8および図9において、面の左側には、面34よりさらに遠くにy方向に延びる試掘坑が見える。さらに本文では、図15に関連して、試掘坑に基づく削岩について詳細に論じる。
【0039】
誘導面Nは傾斜面34の最外側点35を通るよう配置してよい。あるいは、たとえば面の最内側点を通るよう配置してもよい。穿孔パターンによる掘削孔の初期位置は、穿孔パターン設計の際、誘導面Nに従来の方式で配置される。図8にはまた、削岩プロファイルの許容プロファイル境界線AおよびB、ならびに既に削岩された円の傾斜面プロファイル31aおよび新しい円の所望の傾斜面31bも表示され、面プロファイル31aおよび31bは誘導面Nに対して方位差を有する。
【0040】
図8は、どのようにして面34の傾斜を補助面Mで形成し得るかを示す。最初に、補助面Mを誘導面Nに配置し、誘導面Nから開始するある長さの掘削孔を誘導面Nから補助面Mに移動することができる。その後、補助面MをK方向に面34の最外側点35を中心に回転させて、誘導面Nおよび補助面Mの間に誘導面Nおよび面プロファイル31の間と同じ方位差ができるようにする。方位差は角度または距離データとして設計プログラムに供給してよい。面プロファイル31a、31bは同じ方位差を有してよく、すなわち傾斜面は同じ傾斜を有し続けてよく、または傾斜を変更してもよく、これによって、面プロファイル31a、31bは様々な方位差を有する。補助面Mに移動される掘削孔は、回転中にy方向に位置を変える。図9において、元の掘削孔は参照記号38aによって示され、移動された掘削孔は参照記号38bで示される。掘削孔38は回転中、それらの初期の方向および長さを保持する。さらに、掘削孔の終点のすべての他の座標はy座標を除いて同じままである。したがって、掘削孔の終点は、元の位置に従って許容プロファイル境界線AおよびBの範囲内にある。
【0041】
図9は、穿孔パターンに含まれる掘削孔をそれらの起点で掘削孔の方向に誘導面Nにまでさらに延長し得ることを示す。その場合、それぞれの掘削孔は終点30および開始点29の間に新たな長さ部分を有する。
【0042】
図10および図11は、岩盤掘削装置の制御装置において実行され掘削前に表示装置に表示することができ、または穿孔パターン設計の後で設計コンピュータでシミュレートすることができる配置を示す。
【0043】
設計のために、削岩すべき岩盤空洞には、所定の理論上の外輪郭、許容プロファイル境界線AおよびBが与えられ、終端プロファイル17において掘削すべき掘削孔の終点すなわち終端孔は、その間の部分に入れるべきである。終端孔の掘削を内側プロファイル境界線Aの内側で開始する場合、劣破損が掘削孔の開始点で起こる。一方、終端孔の終点が外プロファイル境界線Bの外側にあれば、爆破によって計画より多い岩石を引き離す、すなわち過破損が発生する。劣破損および過破損は望ましくない。なぜならその場合、削岩すべき岩盤空洞は設定された寸法および品質条件に合わなくなるからである。
【0044】
図10は、岩盤掘削装置の表示装置において、給送装置5が終端プロファイルにおける穿孔用岩盤空洞の理論上の破壊プロファイルの許容プロファイル境界線AおよびBの外側に位置して間違った掘削開始点のために岩盤空洞の輪郭に劣破損が起ころうとしている状況を示す。この表示は岩盤掘削装置の操作者に自動的に提供され、そのうえ操作者には、切迫した状況において何らかの他の方法で警報を発することができる。警報を受けると、操作者は給送装置5の位置を手動で変更して、状況を正すことができる。給送装置の位置および方向は、移動中、画面表示にて提供することができ、その結果、操作者は行った修正の効果が容易に分かる。これは、とくに何らかの理由で岩盤空洞における面の形状が設計プログラムにおいて形成された形状と対応せず、その結果、設計した穿孔パターンをそのまま適用できない場合には、有用な特徴となる。図10および図11において、実線は作成中の掘削孔39aを示し、破線39cは受けた警告に基づいて長さを調整した掘削孔を示す。しかし、削岩の見地からは、受けた警告に基づいて破線で示す掘削孔39bに従うように掘削孔39aの位置を調整することは最も有利なことであり、これによって岩盤空洞の前進はより大きくなるであろう。
【0045】
図11は、岩盤掘削装置の表示装置に表示される状況のxy投影面における概略図である。この場合、給送装置5は終端プロファイルに孔を掘削する位置にあるが、そのような位置では、掘削すべき孔39aが岩盤空洞における理論上の削岩プロファイルの許容プロファイル境界線AおよびBの外側で延びるような位置に配置され、その結果、間違った掘削開始点に起因して岩盤空洞のプロファイルにおいて過破損が発生してしまうであろう。
【0046】
そこで、劣破損または過破損の警告方法は、少なくとも以下の操作を含んでよい。すなわち、削岩すべき空洞の理論上の削岩プロファイル、削岩プロファイルの許容最小プロファイルおよび削岩プロファイルの許容最大プロファイルを決定し、いずれか1つのプロファイル孔の開始点または終点が許容最小プロファイルおよび許容最大プロファイルで画成された領域の外側に位置すると、操作者に通知することを含む。
【0047】
図12ないし図14は大きなパターンの分割に関する事柄を図示する。掘削すべき大きな岩盤空洞23に対して穿孔パターンを設計するとき、大きな穿孔パターンを二つ以上の小さな部分穿孔パターンに分割する必要があり得る。大きな穿孔パターンは、単にそのサイズが大きなだけで分割する必要があり得るし、またはある場合では、弱い岩盤質または振動の制限があるために小さな部分に分けて掘削を行う必要があり得る。パターンを小さな部分穿孔パターンに分割するのは任意としてよい典型的な大断面の岩盤空洞には、地下駐車場、倉庫、防空壕、大きな道および鉄道トンネル等がある。大きな岩盤空洞の面を掘削するとき、典型的には、削岩装置を部分穿孔パターンごとに個別に配置する。さらに、それぞれの部分穿孔パターンは、あらかじめ設計された順序で別々に爆破され、これによって最初に爆破される部分穿孔パターンの空間は、後に爆破される部分穿孔パターンのための開口部として働くことがある。したがって、それに含まれる切断部および掘削孔は、最初に爆破される部分穿孔パターンについてのみ決める必要がある。あるいは、各部分穿孔パターンは一斉に爆破してもよい。さらに、穿孔パターンは、あたかも大きな穿孔パターン全体の各掘削孔を一度に掘削するかのように設計してもよい。しかし、設計の完了段階では、大きな穿孔パターンは部分穿孔パターンに分割してもよい。
【0048】
大きなパターンを分割するために、パターンに配置される分割点41を通る1本以上の分割線40を決定することが可能である。分割線40の位置は穿孔パターン設計に関連してすでに決定しておいてよいが、完成した穿孔パターンにおいて後の工程で分割点41を作成することも可能である。さらに、分割線40の位置は自由に選択でき、それらの位置は通常穿孔パターンとして後の工程で編集してよい。
【0049】
底部42、壁面部43、天井部44および自由部45などの様々な線形式を部分穿孔パターンで決定することができる。図13および図14は線形式の使用を示す。自由線45は、先に掘削された部分穿孔パターンの自由空間に面する部分穿孔パターンの一部に対して決定することができ、それゆえに用語は「自由部」である。この場合、設計プログラムは、自由部の線形式で画成される壁面部に最も近い掘削孔位置46を、図14において見られるように、自由線45上ではなく当該線から所望の孔距離Eに配置する。したがって、自由線45を用いると、削岩部分および非削岩部分の間の境界領域における掘削孔の配置が容易である。それゆえに、すでに削岩された領域の側面における部分で不必要に孔を掘削するのを避けることが可能である。
【0050】
図12は、最上部分Aすなわちある種の試掘坑のために設計された部分穿孔パターンを示す。穿孔パターンは、それぞれの部分穿孔パターンごとに個別に設計してもよい。図13では、部分穿孔パターンBおよびCが設計され、最初に爆破すべき試掘坑、すなわち部分穿孔パターンAの側面における部分に自由線がある。また、部分DおよびEの削岩は、いわゆる引き上げ削岩として行ってもよい。その場合、部分Dは部分Eに先立って削岩される。部分DおよびEの部分穿孔パターンにおいて、最上表面は自由線によって画成される。様々な部分AないしEの削岩順序および前進は、場合に応じて選択することができる。図15は掘削配置の上面図を示し、最上部すなわち、いわゆる天井部Aは最初に前進して、傾斜面34を備えた部分BおよびCがこれに続き、底部DおよびEは明らかに後で削岩される。
【0051】
分割するような大きな穿孔パターンは、掘削する円の断面を画成する少なくとも1本のプロファイル線を含むべきである。その後、たとえば図12および図13に示すように、プロファイル線上に分割点を配置し、大きな断表面を小さな部分に分割することが可能である。分割線は図12および図13に見られるように垂直または水平に配置してもよいが、分割線を所望の角度に配置することも可能である。さらに、いくつかの分割線を通り、いくつかの直線部または曲状部から成る分割線を形成することが可能である。分割後、部分の穿孔順序および線形式を定義することが可能である。その後、部分穿孔パターンは、それぞれの部分AないしEについて独立した統一体として設計してもよい。
【0052】
したがって、大きなパターンを分割する方法は、少なくとも以下の過程を含んでよい。すなわち、大きな断面を有する岩盤空洞のプロファイル線を決定し、分割線が通るよう配置された少なくとも2つの分割点をプロファイル線に配置し、分割線によって岩盤空洞の元の大きな断面を少なくとも2つの小部分に分割し、各部分の掘削順序を定義し、それぞれの部分に対して独立した穿孔パターンを画成することである。この方法の実施例は、以下の特徴を含んでよい。すなわち、第1の部分穿孔パターンは最初に削岩される試掘坑円を考慮し、第2の部分穿孔パターンは、試掘坑に隣接して爆破の際、試掘坑に開口する円を考慮することである。さらに、この方法の第2の実施例は、以下の特徴を含んでよい。すなわち、第2の部分穿孔パターンにおいて掘削孔の終点の位置を決定して、そこを通る面と誘導面との間の各方向で水平な差があるようにし、形成された面と誘導面との間の方位差が各円について同じになるように試掘坑に隣接する坑を削岩することである。さらに、この方法の第3の実施例は以下の特徴を含んでよい。すなわち、第2の部分穿孔パターンにおいて試掘坑に面する少なくとも1つの自由線を決定し、穿孔パターン設計プログラムによって、自由線からある距離にあって自由線に最も近い掘削孔を自動的に配置することである。さらになお、付加的な方法は、以下の特徴を含んでよい。すなわち、大きな断面の岩盤空洞用の1つの穿孔パターンを最初に設計し、元の穿孔パターンにおける所望の位置に少なくとも2つの分割点を決定することで穿孔パターンを編集し、分割点を通り元の穿孔パターンを少なくとも2つの独立した部分穿孔パターンに分割する分割線を形成し、少なくとも分割領域において隣接する部分穿孔パターンを更新して余計な掘削孔を取り除くことである。
【0053】
図16および図17は更なるいくつかの実施例を示し、その基本的な概念は、掘削孔の終点30aをまず円の底部における面50に配置することである。その後、穿孔パターンは、設計プログラムに供給される面プロファイル31に掘削孔の元の終点30aを移動することによって修正される。図16の解決策では、移動中、誘導面Nの方向における終点および開始点の座標は保持され、すなわち元の終点30aおよび移動された終点30bのxおよびz座標は同じに保たれる。だが一方、終点のy座標は変化する。同様に、掘削孔の方向角も変化する。そこで図17において、面50から面プロファイル31に終点を移動することは、掘削孔の元の方向および誘導面Nの方向における終点の座標を保持することによって実行される。言い換えると、元の終点30aおよび移動後の終点30bが同じxおよびz座標を有する。だが一方、終点のy座標は変化する。同様に、誘導面Nにおける掘削孔の開始点は位置29aから位置29bに変化する。図16および図17に示される解決策は、図4に示す配置の代案であり、掘削孔の終点は面プロファイルに移動されて掘削孔の元の方向が保たれ座標が変化する。
【0054】
ある場合では、本願に記載された特徴は、他の特徴に拘らず同様に用いてもよい。一方、必要であれば、本願に記載された特徴を組み合わせて、様々な組合せを提供するようにしてよい。
【0055】
図面および関係する明細書は発明の概念を示すことを意図するにすぎない。本発明の細部は特許請求の範囲の範囲内で変化することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
穿孔パターン(9)によって、岩盤空洞(23)の面において掘削する円(22)に対して、少なくとも前記穿孔パターンの座標系における掘削孔の位置および方向角、ならびに該掘削孔の長さを決定し、
設計プログラムを使用するコンピュータによる補助で前記穿孔パターン(9)を作成し、
該穿孔パターンの誘導面(N)を決定し、
該誘導面において掘削する孔の開始点(29)を決定し、
前記掘削する孔の終点(30)を決定することを含む岩盤空洞削岩用穿孔パターン設計方法において、該方法は、
前記設計プログラムに前記掘削する円における面の形状を表す面プロファイル(31)を供給し、
前記穿孔パターン(9)において前記掘削する掘削孔の終点(30)を前記穿孔パターンの座標系における面プロファイル(31)に従う位置に設計コンピュータによって配置し、これによって前記穿孔パターン(9)において様々な長さの掘削孔によって前記与えられた面プロファイル(31)の形状を作成することを特徴とする岩盤空洞削岩用穿孔パターン設計方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、該方法は、
前記設計プログラムに、前記掘削する岩盤空洞の所定の木次元プロファイルモデル(25、26)を供給し、
該プロファイルモデル(25、26)における前記円(22)の位置を前記設計プログラムに定義し、
前記掘削する円(22)の位置および前記三次元プロファイルモデル(25、26)によって前記掘削する円(22)の底部における面プロファイル(31)を画成し、
前記掘削孔の元の方向を維持したまま、前記面プロファイル(31)における掘削孔の終点(30)を配置することを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法において、該方法は、
まず掘削孔の終点(30)を前記円の底部における面に配置し、
前記誘導面の方向において前記掘削孔の開始点および終点の座標を維持したまま、該掘削孔の終点(30)を前記面プロファイル(31)に移動することによって前記穿孔パターンを修正し、これによって前記終点のy座標が変化し、xおよびz座標が不変に保たれることを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法において、該方法は、
まず前記円の底部における面に掘削孔の終孔(30)を配置し、
該掘削孔の元の方向および前記誘導面の方向における前記終孔の座標を維持したまま、前記掘削孔の終孔(30)を前記面プロファイル(31)上に移動することによって、前記穿孔パターンを修正することを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項2ないし4のいずれかに記載の方法において、該方法は、
前記プロファイルモデル(25)における前記円(22)の位置を所定の基準点からの距離として決まる杭番号(28)によって決定することを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項2ないし5のいずれかに記載の方法において、該方法は、
鋭い曲状部を含む岩盤空洞(23)に対する穿孔パターンを設計し、これによって前記円(22)の面プロファイル(31)は、該円の方向から見て、曲状の側面プロファイル(31b)の一部および該円(22)の底部における実質的な平面部(31a)を含むことを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項2ないし5のいずれかに記載の方法において、該方法は、
穿孔パターン(9)を、曲状天井輪郭を含む岩盤空洞(23)に対して設計し、これによって前記円(22)の面プロファイル(31)は、該円の方向から見て、前記曲状天井輪郭(31b)の一部および該円の底部における実質的な平面部(31a)を含むことを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法において、該方法は、前記設計コンピュータにおいて前記円(22)における底部の形状を手動で決定し、該決定した面プロファイル(31)を前記設計する穿孔パターン(9)用の設計プログラムに供給することを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法において、該方法は、
前記円の底部を少なくとも2つのスライス面(33aないし33c)にスライスし、
面プロファイルを、形状線を用いることによって、スライス面ごとに個別に画成して、これによって所望の形状をスライス面における前記円(22)対して切り出し、
前記スライス面についてのデータを前記設計プログラムに組み込み、これによって三次元面プロファイル(31)を得ることを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法において、該方法は、
穿孔パターン(9)を傾斜面(34)に対して形成し、該傾斜面において前記円の面は実質的に平面であり、前記誘導面(N)に対して角度をなし、
前記傾斜面の形状を表す面プロファイル(31b)を前記設計プログラムに供給し、
前記穿孔パターンにおける前記面プロファイル(31b)において、前記掘削する掘削孔の終点(30)を前記設計コンピュータによって配置し、
該終点(30)および誘導面(N)の間の距離に基づいてそれぞれの掘削孔の長さを計り、これによって前記穿孔パターンにおける様々な長さの掘削孔は、傾斜形状を前記面プロファイルに従って前記円の面に対して画成することを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法において、該方法は、
まず穿孔パターンを前記誘導面(N)において設計し、
前記面の傾斜を前記与えられた面プロファイル(31a、31b)によって作成し、
前記誘導面(N)に対して垂直なy方向において該誘導面において設計される掘削孔を、それらの長さおよび方向を維持したまま移動して、それぞれの掘削孔の新たな終点(30)が前記面プロファイル(31b)に配置され、
前記掘削孔の移動後、それぞれの掘削孔の前記開始点(29)を移動して該掘削孔の長手方向において前記誘導面(N)へ戻し、これによって、それぞれの掘削孔の長さが変化することを特徴とする方法。
【請求項12】
設計コンピュータにおいて実行されると、以下の作業、すなわち
穿孔パターン(9)を設計者(S)とインタラクティブに設計し、
該穿孔パターン(9)において複数の掘削孔およびその開始点(29)を誘導面(N)に配置し、
前記穿孔パターンにおける円の底部に前記掘削孔の終点(30)を配置するように配備されたソフトウェア製品において、
前記設計プログラムは、実行すると、前記掘削する円における面の形状を表す面プロファイル(31)の供給に応動して、前記穿孔パターンに前記掘削する掘削孔の終点(30)の位置を配置するように配備され、これによって前記穿孔パターン(9)において様々な長さの掘削孔が、与えられた面プロファイルに従った形状を画成することを特徴とするソフトウェア製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公表番号】特表2010−539363(P2010−539363A)
【公表日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−525380(P2010−525380)
【出願日】平成20年9月19日(2008.9.19)
【国際出願番号】PCT/FI2008/050517
【国際公開番号】WO2009/037381
【国際公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(506286478)サンドビク マイニング アンド コンストラクション オサケ ユキチュア (70)
【氏名又は名称原語表記】SANDVIK MINING AND CONSTRUCTION OY