説明

工事管理システム

【課題】各種複数の工事管理データを各部門が時機に応じて有効に利用することができる工事管理システムを提供する。
【解決手段】工事管理システム10は、各種複数の工事管理データを保管するサーバ11と、工事管理データをサーバ11に送信可能かつ工事管理データをサーバ11から受信可能な管理端末12と、工事管理データをサーバ11から受信可能かつ工事管理データをサーバ11に送信可能な現場端末13とを備えている。サーバ11は、管理端末12から送信された工事管理データを格納する第1格納手段と、格納した工事管理データを現場端末13に送信する第1送信手段と、現場端末13から送信された工事管理データを格納する第2格納手段と、格納した工事管理データを管理端末12に送信する第2送信手段とを実行する。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設工事や土木工事における工事管理を行う工事管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークに接続されたサーバおよび複数のクライアントから形成され、サーバが工事管理データ格納手段を有し、クライアントが工事計画登録データ入力手段、工事購入依頼登録データ入力手段、業者選定データ入力手段、発注登録データ入力手段、検収日データ入力手段、進捗状況表示手段を有する工事管理システムがある(特許文献1参照)。
【0003】
この工事管理システムでは、担当部門において工事計画書が作成されると、年度や事業所区分、工事区分、工事計画名称、予算額、月別検収予想の工事計画登録データがクライアントからサーバに入力され、さらに、工事購入名称や原価、仕様、数量、見積区分、希望納期、固定資産番号の工事購入依頼登録データがクライアントからサーバに入力される。その工事購入が認証されると、見積希望先や希望メーカー、勘定科目の業者選定データがクライアントからサーバに入力される。また、業者が選定されると、業者名や決定納期、決定金額、支払条件の発注登録データがクライアントからサーバに入力される。その後、工事が行われて検収が完了すると、検収日データがクライアントからサーバに入力される。各クライアントでは、発注一覧表や検収一覧表、工事予測管理台帳、工事費実績表、納品予定リストの進捗状況をディスプレイに表示することができる。
【特許文献1】特開2004−70482号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1に記載の工事管理システムは、各種複数の工事管理データをサーバに入力し、発注一覧表や検収一覧表、工事予測管理台帳、工事費実績表、納品予定リストの進捗状況をクライアントのディスプレイに表示することで、工事計画から検収までを管理することができる。しかし、管理部門と現場部門とが各種複数の工事管理データをリアルタイムかつ適時に確認することはできず、それら部門が工事状況を時系列に把握することができないから、サーバに保持された工事に関する各種データをそれら部門が時機に応じて有効に利用することができない。また、この工事管理システムは、管理部門の工事管理データと現場部門の工事管理データとの間に乖離がある場合にそれを警告する手段がなく、データの異常を利用して工事の不具合を見つけ出すことができない。
【0005】
本発明の目的は、各種複数の工事管理データを各部門が時機に応じて有効に利用することができる工事管理システムを提供することにある。本発明の他の目的は、工事管理データから工事の不具合を確認することができる工事管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するための本発明の特徴は、各種複数の工事管理データを保管するサーバと、管理部門に設置されてサーバにネットワークを介して接続され、工事管理データをサーバに送信可能かつ該工事管理データを該サーバから受信可能な管理端末と、現場部門に設置されてサーバにネットワークを介して接続され、工事管理データをサーバから受信可能かつ該工事管理データを該サーバに送信可能な現場端末とを備え、サーバが、管理端末から送信された工事管理データを格納する第1格納手段と、第1格納手段によって格納した工事管理データを現場端末に送信する第1送信手段と、現場端末から送信された工事管理データを格納する第2格納手段と、第2格納手段によって格納した工事管理データを管理端末に送信する第2送信手段とを有することにある。
【0007】
本発明の一例としては、サーバが、管理端末から送信された工事管理データと現場端末から送信された工事管理データとを比較してそれらデータ間に乖離がある場合に所定の警告情報を生成する警告情報生成手段と、警告情報生成手段によって生成した警告情報を管理端末と現場端末との少なくとも一方に送信する警告情報送信手段とを有する。
【0008】
本発明の他の一例として、工事管理データには、管理部門と現場部門との少なくとも一方において入力される各種複数の工事計画指示情報と、それら工事計画指示に対して現場部門において入力される各種複数の工事進捗情報とが含まれる。
【0009】
本発明の他の一例としては、警告情報生成手段が工事計画指示情報と工事進捗情報とを比較しつつ、工事計画に対する工事進捗の遅延レベルに対応した段階的な遅延警告情報を生成し、警告情報送信手段が遅延警告情報を管理端末と現場端末との少なくとも一方に送信する。
【0010】
本発明の他の一例として、工事管理データには、管理部門と現場部門との少なくとも一方において入力される各種複数の資機材使用予定情報と、現場部門において入力される各種複数の資機材使用済情報とが含まれる。
【0011】
本発明の他の一例としては、警告情報生成手段が資機材使用予定情報と資機材使用済情報とを比較しつつ、資機材使用予定に対する資機材使用済の過不足レベルに対応した段階的な過不足警告情報を生成し、警告情報送信手段が過不足警告情報を管理端末と現場端末との少なくとも一方に送信する。
【0012】
本発明の他の一例として、工事管理データには、管理部門と現場部門との少なくとも一方において入力される各種複数の検査指示情報と、それら検査指示に対して現場部門において入力される各種複数の検査結果情報とが含まれる。
【0013】
本発明の他の一例としては、警告情報生成手段が検査指示情報と検査結果情報とを比較しつつ、検査指示に対する検査結果の不足レベルに対応した段階的な検査不足警告情報を生成し、警告情報送信手段が検査不足警告情報を管理端末と現場端末との少なくとも一方に送信する。
【0014】
本発明の他の一例として、工事管理データには、管理部門と現場部門との少なくとも一方において入力される各種複数の測量指示情報と、それら測量指示に対して現場部門において入力される各種複数の測量結果情報とが含まれる。
【0015】
本発明の他の一例としては、警告情報生成手段が測量指示情報と測量結果情報とを比較しつつ、測量指示に対する測量結果の不足レベルに対応した段階的な測量不足警告情報を生成し、警告情報送信手段が測量不足警告情報を管理端末と前記現場端末との少なくとも一方に送信する。
【0016】
本発明の他の一例として、工事管理データには、管理部門と現場部門との少なくとも一方において入力される各種複数の自走重機による施工指示情報と、施工指示に対して現場部門から出力されるそれら自走重機の各種複数の施工結果情報とが含まれる。
【0017】
本発明の他の一例としては、警告情報生成手段が施工指示情報と施工結果情報とを比較しつつ、施工指示に対する自走重機の施工結果の施工不足レベルに対応した段階的な施工不足警告情報を生成し、警告情報送信手段が施工不足警告情報を管理端末と現場端末との少なくとも一方に送信する。
【0018】
本発明の他の一例として、工事管理データには、管理部門と現場部門との少なくとも一方において入力される各種複数の工事運送車両の走行経路指示情報と、走行経路指示に対して現場部門から出力されるそれら工事運送車両の各種複数の走行経路出力情報とが含まれる。
【0019】
本発明の他の一例としては、警告情報生成手段が走行経路指示情報と走行経路出力情報とを比較しつつ、走行経路指示に対する工事運送車両の走行経路の逸脱レベルに対応した段階的な走行警告情報を生成し、警告情報送信手段が走行警告情報を管理端末と現場端末との少なくとも一方に送信する。
【0020】
本発明の他の一例として、工事管理データには、管理部門と現場部門との少なくとも一方から測定機器に入力される各種複数の設定値の入力情報と、測定機器から出力される各種複数の測定値の出力情報とが含まれ、警告情報生成手段が入力情報と出力情報とを比較しつつ、入力情報に対する出力情報の異常値レベルに対応した段階的な測定警告情報を生成し、警告情報送信手段が測定警告情報を管理端末と現場端末との少なくとも一方に送信する。
【発明の効果】
【0021】
本発明にかかる工事管理システムによれば、サーバが管理端末から受信した工事管理データを現場端末に送信し、現場端末から受信した工事管理データを管理端末に送信するから、各種複数の工事管理データがサーバにおいて一元管理され、それら工事管理データがサーバを経由して管理部門や現場部門にリアルタイムかつ適時に送受信されることで、各部門がそれら工事管理データを時機に応じて有効に利用することができる。この工事管理システムは、各種複数の工事管理データが管理端末と現場端末との間で直接送受信されることによるデータの不整合を防ぐことができ、各種複数の工事管理データが散在した状態で管理部門や現場部門に送受信されることによるそれら部門の混乱を防ぐことができる。
【0022】
サーバが管理端末からの工事管理データと現場端末からの工事管理データとを比較し、それらデータ間に乖離がある場合に所定の警告情報を管理端末と現場端末との少なくとも一方に送信する工事管理システムは、サーバから送信された警告情報によって管理部門や現場部門が工事の不具合を確認することができるから、それら工事管理データを利用して工事の不具合を是正することができ、工事を計画に沿って円滑に進めることができる。この工事管理システムは、警告情報を受け取った各部門が工事計画の変更や工事に対する支援措置等の検討を行うことができるとともに、工事工程や工事期間、必要資機材、必要経費等の検討を行うことができる。
【0023】
工事管理データに管理部門や現場部門において入力される各種複数の工事計画指示情報と現場部門において入力される各種複数の工事進捗情報とが含まれる工事管理システムは、管理部門や現場部門が工事進捗情報によって現場部門における工事の進み具合をリアルタイムかつ適時に把握することができ、各部門が工事計画情報や工事進捗情報を時機に応じて有効に利用することができる。この工事管理システムは、工事計画指示情報と工事進捗情報とを利用して工事計画の立案や工事計画の変更、工事の支援措置等の検討を行うことができ、工事を計画に沿って円滑に進めることができる。
【0024】
サーバが工事計画に対する工事進捗の遅延レベルに対応した段階的な遅延警告情報を管理端末と現場端末との少なくとも一方に送信する工事管理システムは、軽度の遅延や中度の遅延、重度の遅延等に対応した段階的な遅延警告情報を管理端末や現場端末に送信するから、管理部門や現場部門がそれら遅延警告情報によって工事遅延の程度を確認することができる。この工事管理システムは、それら遅延警告情報を送信することで工事の計画通りの進行の徹底を図ることができる。また、それら遅延警告情報を受け取った各部門が工事計画の変更や工事の支援措置等の検討を行うことができ、工事の軌道修正を行うことで工事を計画に沿って円滑に進めることができる。
【0025】
工事管理データに管理部門や現場部門において入力される各種複数の資機材使用予定情報と現場部門において入力される各種複数の資機材使用済情報とが含まれる工事管理システムは、管理部門や現場部門が資機材使用済情報によって現場部門における資機材の使用状況をリアルタイムかつ適時に把握することができ、現場部門における資機材の過不足を把握することができる。この工事管理システムは、資機材使用予定情報と資機材使用済情報とを利用して資機材調達計画の立案や資機材調達の計画変更、資機材使用の計画変更、資機材運用の適正化、資機材の利用促進等の検討を行うことができ、資機材を無駄なく利用することで工事を計画に沿って円滑に進めることができる。
【0026】
サーバが資機材調達に対する資機材使用の過不足レベルに対応した段階的な過不足警告情報を管理端末と現場端末との少なくとも一方に送信する工事管理システムは、軽度の過不足や中度の過不足、重度の過不足等に対応した段階的な過不足警告情報を管理端末や現場端末に送信するから、管理部門や現場部門がそれら過不足警告情報によって資機材の過不足の程度を確認することができる。この工事管理システムは、それら過不足警告情報を受け取った各部門が資機材調達計画の変更や資機材使用の計画変更、資機材運用の適正化、資機材の利用促進等を検討することができ、資機材の過不足を解消することで工事を計画に沿って円滑に進めることができる。
【0027】
工事管理データに管理部門や現場部門において入力される各種複数の検査指示情報と現場部門において入力される各種複数の検査結果情報とが含まれる工事管理システムは、現場部門や管理部門が検査結果情報によって各現場部門における検査の実施状況をリアルタイムかつ適時に把握することができ、各部門が検査指示情報や検査結果情報を時機に応じて有効に利用することができる。この工事管理システムは、検査指示情報と検査結果情報とを利用して検査計画の立案や検査計画の変更、検査方法の変更、検査の再実施、検査の支援措置等の検討を行うことができ、検査を滞りなく適正に行うことで工事を計画に沿って円滑に進めることができる。
【0028】
サーバが検査指示に対する検査結果の不足レベルに対応した段階的な検査不足警告情報を管理端末と現場端末との少なくとも一方に送信する工事管理システムは、軽度の検査不足や中度の検査不足、重度の検査不足等に対応した段階的な検査不足警告情報を管理端末や現場端末に送信するから、管理部門や現場部門がそれら検査不足警告情報によって検査実施の不足の程度を確認することができる。この工事管理システムは、それら検査不足警告情報を送信することで検査実施の徹底を図ることができる。また、それら検査不足警告情報を受け取った各部門が検査方法の変更、検査の再実施、検査の支援措置等を検討することができ、検査を滞りなく適正に行うことで工事を計画に沿って円滑に進めることができる。
【0029】
工事管理データに管理部門や現場部門において入力される各種複数の測量指示情報と現場部門において入力される各種複数の測量結果情報とが含まれる工事管理システムは、現場部門や管理部門が測量結果情報によって各現場部門における測量の実施状況をリアルタイムかつ適時に把握することができ、各部門が測量指示情報や測量結果情報を時機に応じて有効に利用することができる。この工事管理システムは、測量指示情報と測量結果情報とを利用して測量計画の立案や測量計画の変更、測量方法の変更、測量の再実施、測量の支援措置等の検討を行うことができ、測量を滞りなく適正に行うことで工事を計画に沿って円滑に進めることができる。
【0030】
サーバが測量指示に対する測量結果の不足レベルに対応した段階的な測量不足警告情報を管理端末と現場端末との少なくとも一方に送信する工事管理システムは、軽度の測量不足や中度の測量不足、重度の測量不足等に対応した段階的な測量不足警告情報を管理端末や現場端末に送信するから、管理部門や現場部門がそれら測量不足警告情報によって測量実施の不足の程度を確認することができる。この工事管理システムは、それら測量不足警告情報を送信することで測量実施の徹底を図ることができる。また、それら測量不足警告情報を受け取った各部門が測量方法の変更、測量の再実施、測量の支援措置等を検討することができ、測量を滞りなく適正に行うことで工事を計画に沿って円滑に進めることができる。
【0031】
工事管理データに管理部門や現場部門において入力される各種複数の自走重機による施工指示情報と現場部門から出力される自走重機の施工結果情報とが含まれる工事管理システムは、現場部門や管理部門が施工結果情報によって各現場部門における自走重機の施工実施状況をリアルタイムかつ適時に把握することができ、各部門が施工指示情報や施工結果情報を時機に応じて有効に利用することができる。この工事管理システムは、施工指示情報と施工結果情報とを利用して施工計画の立案や施工計画の変更、施工方法の是正、施工方法の変更、施工の再実施、施工の支援措置等の検討を行うことができ、自走重機による施工を適正に行うことで工事を計画に沿って円滑に進めることができる。
【0032】
サーバが施工指示に対する自走重機の施工結果の施工不足レベルに対応した段階的な施工不足警告情報を管理端末と現場端末との少なくとも一方に送信する工事管理システムは、軽度の施工不足や中度の施工不足、重度の施工不足等に対応した段階的な施工不足警告情報を管理端末や現場端末に送信するから、管理部門や現場部門がそれら施工不足警告情報によって自走重機による施工の不具合の程度を確認することができる。この工事管理システムは、それら施工不足警告情報を受け取った各部門が自走重機による施工方法の是正や施工方法の変更、施工の再実施、施工の支援措置等を検討することができ、自走重機による施工を適正に行うことで工事を計画に沿って円滑に進めることができる。
【0033】
工事管理データに管理部門や現場部門において入力される各種複数の工事運送車両の走行経路指示情報と現場部門から出力されるそれら工事運送車両の走行経路出力情報とが含まれる工事管理システムは、現場部門や管理部門が工事運送車両の走行経路出力情報によって運送車両の走行経路をリアルタイムかつ適時に把握することができ、各部門が走行経路指示情報や走行経路出力情報を時機に応じて有効に利用することができる。この工事管理システムは、走行経路指示情報と走行経路出力情報とを利用して運送計画の立案や運送計画の変更、運送経路の変更、運送の支援措置等の検討を行うことができ、工事運送車両による運送を適正に行うことができる。
【0034】
サーバが走行経路指示に対する工事運送車両の走行経路の過誤レベルに対応した段階的な第7警告情報を管理端末と現場端末との少なくとも一方に送信する工事管理システムは、工事運送車両の走行経路に対する軽度の逸脱や中度の逸脱、重度の逸脱等に対応した段階的な走行警告情報を管理端末や現場端末に送信するから、管理部門や現場部門がそれら走行警告情報によって運送車両による走行経路の逸脱の程度を確認することができる。この工事管理システムは、それら走行警告情報を受け取った各部門が工事運送車両による運送経路の遵守の徹底を図ることができる。また、それら走行警告情報を受け取った各部門が運送経路の変更、運送の支援措置等を検討することができ、運送車両による資機材等の円滑な輸送を実現することができる。
【0035】
各測定機器の設定値の入力情報に対する測定値の出力情報の異常値レベルに対応した段階的な測定警告情報を管理端末と現場端末との少なくとも一方に送信する工事管理システムは、設定値に対する測定値の軽度の異常や中度の異常、重度の異常等に対応した段階的な測定警告情報を管理端末や現場端末に送信するから、管理部門や現場部門がそれら測定警告情報によって測定対象物の異変の程度を確認することができる。この工事管理システムは、それら測定警告情報を利用して測定対象物の物性を正常に復帰させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
添付の図面を参照し、本発明に係る工事管理システムの詳細を説明すると、以下のとおりである。図1は、一例として示す工事管理システム10の概略構成図である。図1ではコンピュータ12A,12B,13Aや携帯電話13C、PDA13D(Personal Digital Assistant)、測量機器14、自走重機15、工事運送車両16、測定機器17を1つだけ示しているが、実際の社屋や作業所、工事現場には複数のそれらが存在する。この工事管理システム10は、サーバ11と管理端末12と現場端末13とから形成され、建設工事や土木工事における工事管理を行う。管理端末12や現場端末13はインターネット(ネットワーク)を介してサーバ11にアクセス可能であり、サーバ11はインターネットを介して管理端末12や現場端末13にアクセス可能である。このシステム10では、サーバ11や管理端末12、現場端末13がサーバ11を中心としたネットワークを形成している。なお、サーバ11と管理端末12や現場端末13との間の通信手段としては、インターネットの他に、無線LANや無線WANを利用することもできる。
【0037】
サーバ11は、中央処理部(CPUまたはMPU)とメモリとを備えたコンピュータであり、大容量ハードディスクを内蔵している。サーバ11には、キーボードやマウス等の入力装置、ディスプレイやプリンタ等の出力装置がインターフェイスを介して接続されている。メモリの内部アドレスファイルには、サーバ11にこのシステム10の各手段を実行させるための工事管理アプリケーションが格納されている。サーバ11の中央処理部は、オペレーティングシステムによる制御に基づいて、メモリに格納された工事管理アプリケーションを起動し、起動したアプリケーションに従って以下の各手段を実行する。
【0038】
サーバ11の中央処理部は、管理端末12から送信された工事管理データをハードディスクに格納する第1格納手段を実行し、第1格納手段によって格納した工事管理データを現場端末13に送信する第1送信手段を実行する。中央処理部は、現場端末13から送信された工事管理データをハードディスクに格納する第2格納手段を実行し、第2格納手段によって格納した工事管理データを管理端末12に送信する第2送信手段を実行する。中央処理部は、管理端末12から送信された工事管理データと現場端末13から送信された工事管理データとを比較してそれらデータ間に乖離がある場合、乖離の程度に応じた段階的な警告情報を生成する警告情報生成手段を実行し、警告情報生成手段によって生成した警告情報を管理端末12と現場端末13とに送信する警告情報送信手段を実行する。
【0039】
管理端末12には、本支社(管理部門)社屋に設置された本支社コンピュータ12A、各現場の管理事務所(管理部門)や作業所(管理部門)に設置された管理用コンピュータ12Bがある。現場端末13には、各現場の管理事務所(現場部門)や作業所(現場部門)に設置された作業用コンピュータ13A、測定機器に接続された機器コンピュータ13B、各現場の責任者(現場部門)や作業者(現場部門)が所持する携帯電話13CやPDA13Dがある。それらコンピュータ12A,12B,13Aには、キーボードやマウス等の入力装置、ディスプレイやプリンタ等の出力装置がインターフェイスを介して接続されている。それらコンピュータ12A,12B,13Aや携帯電話13C、PDA13Dには、インターネットを利用してサーバ11に工事管理データを送信し、サーバ11から工事管理データを受信するデータ送受信アプリケーションが格納されている。
【0040】
携帯電話13CやPDA13Dには、中央処理部(CPUまたはMPU)とメモリとを備えたコンピュータが内蔵されている。携帯電話13CやPDA13Dは、GPS測位システム(全地球測位システム)またはPHS(Personal Handyphone System)によって位置情報をリアルタイムに取得することが可能な位置検出機能を備え、自走重機15や運送車両16の位置情報を時系列に取得可能である。GPS測位システムは、GPS衛星が発信した電波をGPS受信機が受信するまでの時間から各GPS衛星と携帯電話13CやPDA13Dとの距離を測定し、それによって携帯電話13CやPDA13Dの現在位置を割り出す。PHSによる位置検出は、1つまたは複数の基地局からPHS携帯電話に発信された電波の電界強度を測定することで、基地局からPHS携帯電話までの距離を算出し、それによってPHS用携帯電話13Cの現在位置を割り出す。
【0041】
工事管理データには、各種複数の工事計画指示情報およびそれら工事計画指示に対する各種複数の工事進捗情報、各種複数の資機材使用予定情報および各種複数の資機材使用済情報、各種複数の検査指示情報およびそれら検査指示に対する各種複数の検査結果情報、各種複数の測量指示情報およびそれら測量指示に対する各種複数の測量結果情報、各種複数の自走重機15による施工指示情報および施工指示に対する各種複数の施工結果情報、各種複数の工事運送車両16の走行経路指示情報および走行経路指示に対する各種複数の走行経路出力情報、測定機器17に入力される各種複数の設定値の入力情報および各種複数の測定値の出力情報が含まれる。
【0042】
工事計画指示情報や資機材使用予定情報、検査指示情報、測量指示情報、施工指示情報、走行経路指示情報、測定機器17に入力される設定値の入力情報は、管理端末12や現場端末13において入力され、それら端末12,13からサーバ11に送信(出力)される。工事進捗情報や資機材使用済情報、検査結果情報、測量結果情報は、現場端末において入力され、現場端末13からサーバ11に送信される。施工結果情報は、自走重機15を操作する作業者が所持した携帯端末13CやPDA13Dからサーバ11に送信される。走行経路出力情報は、運送車両16を操作する作業者が所持した携帯端末13CやPDA13Dからサーバ11に送信される。測定値の出力情報は、各測定機器17に接続された機器コンピュータ13Bからサーバ11に送信される。
【0043】
図2は、工事計画指示情報および工事進捗情報の送受信の一例を説明する図である。工事計画指示情報および工事進捗情報の送受信は、サーバ11とコンピュータ12A,12B,13Aや携帯電話13C、PDA13Dとの間で行われる。工事計画は、本支社や管理事務所、現場作業所において立案、作成され、工事計画指示情報として本支社コンピュータ12Aや管理用コンピュータ12Bに格納される。本支社社員、管理事務所や作業所の管理者は、コンピュータ12A,12Bを利用してインターネットに接続した後、サーバ11のURLを使用してサーバ11にアクセスし、工事計画指示情報をサーバ11に送信する。工事計画指示情報を受信したサーバ11は、それら情報をハードディスクに格納する(第1格納手段)。工事計画指示情報には、担当現場特定項目(管理事務所ID番号または作業所ID番号、住所、電話番号、FAX番号、現場責任者ID番号または作業者ID番号等)、工事着工日、工事工程、工事日数、工事終了日付、各日の工事予定項目、各日の工事工程、見取り図、設計図等がある。
【0044】
現場責任者や作業者は、所定期間の工事計画指示情報や当日の工事計画指示情報、翌日以降の工事計画指示情報を作業用コンピュータ13Aや携帯端末13C、PDA13Dにおいて確認することができる。現場責任者や作業者は、作業用コンピュータ13Aや携帯端末13C、PDA13Dを利用してインターネットに接続した後、サーバ11のURLを使用してサーバ11にアクセスし、工事計画指示情報の送信をサーバ11に要求する。工事計画指示情報の送信要求は、管理事務所ID番号または作業所ID番号を入力して工事現場を指定し、日付または期間を指定して行われる。サーバ11は、工事計画指示情報の送信要求があると、ID番号に対応した工事現場の指定日付または指定期間における工事計画指示情報をハードディスクから取り出し、インターネットを介してその工事計画指示情報を作業用コンピュータ13Aや携帯端末13C、PDA13Dに送信する(第1送信手段)。サーバ11から送信された工事計画指示情報は、作業用コンピュータ13Aや携帯端末13C、PDA13Dのディスプレイに表示される。現場責任者や作業者は、工事計画指示情報を確認することで、指定日付または指定期間における工事計画指示を知ることができる。
【0045】
工事進捗は、当日の作業が終了した後、現場責任者や作業者が作業用コンピュータ13Aや携帯端末13C、PDA13Dに入力し、工事進捗情報として作業用コンピュータ13Aや携帯端末13C、PDA13Dに格納される。現場責任者や作業者は、作業用コンピュータ13Aや携帯端末13C、PDA13Dを利用してインターネットに接続した後、サーバ11のURLを使用してサーバ11にアクセスし、工事進捗情報をサーバ11に送信する。工事進捗情報を受信したサーバ11は、それら情報をハードディスクに格納する(第2格納手段)。工事進捗情報には、担当現場特定項目(管理事務所ID番号または作業所ID番号、住所、電話番号、FAX番号、現場責任者ID番号または作業者ID番号等)、工事日数、工事日付、工事日付における工事終了項目、工事日付における工事工程等がある。
【0046】
本支社社員や管理者は、工事進捗情報を本支社コンピュータ12Aや管理用コンピュータ12Bにおいて確認することができる。本支社社員や管理者は、コンピュータ12A,12Bを利用してインターネットに接続した後、サーバ11のURLを使用してサーバ11にアクセスし、工事進捗情報の送信をサーバ11に要求する。工事進捗情報の送信要求は、管理事務所ID番号または作業所ID番号を入力して現場を指定し、日付または期間を指定して行われる。サーバ11は、工事進捗情報の送信要求があると、ID番号に対応した工事現場の指定日付または指定期間における工事進捗情報をハードディスクから取り出し、インターネットを介してその工事進捗情報を本支社コンピュータ12Aや管理用コンピュータ12Bに送信する(第2送信手段)。サーバ11から送信された工事進捗情報は、コンピュータ12A,12Bのディスプレイに表示される。本支社社員や管理者は、工事進捗情報を確認することで、指定した工事現場の指定日付または指定期間における工事進捗状況を知ることができる。
【0047】
サーバ11は、工事計画情報から当日の工事予定項目を抽出し、工事進捗情報から当日の工事終了項目を抽出した後、工事予定項目と工事終了項目とを比較する。サーバ11は、それら項目を比較し、当日の工事予定項目に対して工事終了項目の数が少ない場合、工事が予定どおりに進んでいないと判断する。また、当日の工事予定項目に対して工事終了項目の数が同じ場合、工事が予定どおりに進んでいると判断する。サーバ11は、工事が予定どおりに進んでいないと判断すると、工事予定項目の数から工事終了項目の数を減算し、工事予定項目と工事終了項目との差を算出する。サーバ11は、それら項目どうしの差によって遅延レベルを判断し、遅延レベルに応じた段階的な遅延警告情報を生成する(警告情報生成手段)。たとえば、それら項目どうしの差が1〜2の場合を軽度の遅延として第1遅延警告情報を生成し、3〜4の場合を中度の遅延として第2遅延警告情報を生成するとともに、5以上の場合を重度の遅延として第3遅延警告情報を生成する。
【0048】
サーバ11は、インターネットに接続した後、本支社コンピュータ12Aや管理用コンピュータ12B、作業用コンピュータ13A、携帯端末13C、PDA13DのURLを使用してそれらにアクセスし、生成した第1〜第3遅延警告情報のうちのいずれかをそれらコンピュータ12A,12B,13Aや携帯端末13C、PDA13Dに送信する(警告情報送信手段)。第1〜第3遅延警告情報は、12A,12B,13Aや携帯端末13C、PDA13Dのディスプレイに表示される。第1〜第3遅延警告情報には、担当現場特定項目(管理事務所ID番号または作業所ID番号、住所、電話番号、FAX番号、管理者ID番号または責任者ID番号等)、工事予定項目と工事終了項目、工事予定項目と工事終了項目との差、工事工程等がある。この工事管理システム10は、管理部門や現場部門が工事進捗情報によって現場部門における工事の進み具合をリアルタイムかつ適時に把握することができ、工事計画指示情報と工事進捗情報とを利用して工事計画の立案や工事計画の変更、工事に対する支援措置等の検討を行うことができる。また、工事が遅延している場合、第1〜第3遅延警告情報によって遅延の程度を把握することができるとともに、それら遅延警告情報を管理部門や現場部門に送信することで工事の計画通りの進行の徹底を図ることができる。
【0049】
図2を援用して資機材使用予定情報および資機材使用済情報の送受信の一例を説明すると、以下のとおりである。資機材使用予定情報および資機材使用済情報の送受信は、サーバ11とコンピュータ12A,12B,13Aや携帯電話13C、PDA13Dとの間で行われる。資機材使用予定は、本支社や管理事務所、現場作業所において立案、作成され、資機材使用予定情報として本支社コンピュータ12Aや管理用コンピュータ12Bに格納される。本支社社員や管理者は、コンピュータ12A,12Bを利用してインターネットに接続した後、サーバ11のURLを使用してサーバ11にアクセスし、資機材使用予定情報をサーバ11に送信する。資機材使用予定情報を受信したサーバ11は、それら情報をハードディスクに格納する(第1格納手段)。資機材使用予定情報には、担当現場特定項目、資機材名、資機材到着日、資機材使用期間、資機材使用期間における資機材使用予定項目、各日の資機材使用予定項目、資機材使用終了日等がある。
【0050】
現場責任者や作業者は、使用期間における資機材使用予定情報や当日の資機材使用予定情報、翌日以降の資機材使用予定情報を作業用コンピュータ13Aや携帯端末13C、PDA13Dにおいて確認することができる。現場責任者や作業者は、作業用コンピュータ13Aや携帯端末13C、PDA13Dを利用してインターネットに接続した後、サーバ11のURLを使用してサーバ11にアクセスし、資機材使用予定情報の送信をサーバ11に要求する。資機材使用予定情報の送信要求は、管理事務所ID番号または作業所ID番号を入力して工事現場を指定し、日付または期間を指定して行われる。サーバ11は、資機材使用予定情報の送信要求があると、ID番号に対応した工事現場の指定日付または指定期間における資機材使用予定情報をハードディスクから取り出し、インターネットを介してその資機材使用予定情報を作業用コンピュータ13Aや携帯端末13C、PDA13Dに送信する(第1送信手段)。サーバ11から送信された資機材使用予定情報は、作業用コンピュータ13Aや携帯端末13C、PDA13Dのディスプレイに表示される。現場責任者や作業者は、サーバ11から送信された資機材使用予定情報を確認することで、指定日付または指定期間における資機材使用予定を知ることができる。
【0051】
資機材使用は、当日の作業が終了した後、現場責任者や作業者が作業用コンピュータ13Aや携帯端末13C、PDA13Dに入力し、資機材使用済情報として作業用コンピュータ13Aや携帯端末13C、PDA13Dに格納される。現場責任者や作業者は、作業用コンピュータ13Aや携帯端末13C、PDA13Dをインターネットに接続した後、サーバ11のURLを使用してサーバ11にアクセスし、資機材使用済情報をサーバ11に送信する。資機材使用済情報を受信したサーバ11は、それら情報をハードディスクに格納する(第2格納手段)。資機材使用済情報には、担当現場特定項目、資機材名、資機材使用期間における資機材使用済項目、当日の資機材使用済項目、資機材返却日等がある。
【0052】
本支社社員や管理者は、資機材使用済情報を本支社コンピュータ12Aや管理用コンピュータ12Bにおいて確認することができる。本支社社員や管理者は、コンピュータ12A,12Bをインターネットに接続した後、サーバ11のURLを使用してサーバ11にアクセスし、資機材使用済情報の送信をサーバ11に要求する。資機材使用済情報の送信要求は、管理事務所ID番号または作業所ID番号を指定し、日付または期間を指定して行われる。サーバ11は、資機材使用済情報の送信要求があると、ID番号に対応した工事現場の指定日付または指定期間における資機材使用済情報をハードディスクから取り出し、インターネットを介してその資機材使用済情報を本支社コンピュータ12Aや管理用コンピュータ12Bに送信する(第2送信手段)。サーバ11から送信された資機材使用済情報は、コンピュータ12A,12Bのディスプレイに表示される。本支社社員や管理者は、資機材使用済情報を確認することで、指定した工事現場の指定日付または指定期間における資機材使用状況を知ることができる。
【0053】
サーバ11は、資機材使用予定情報から資機材使用期間における資機材使用予定項目を抽出し、資機材使用済情報から資機材使用期間における資機材使用済項目を抽出した後、資機材使用予定項目と資機材使用済項目とを比較する。サーバ11は、使用予定項目の数から使用済項目の数を減算し、使用予定項目と使用済項目との差を算出する。サーバ11は、算出したそれら項目の差に基づいて、使用期間における使用予定項目に対して使用済項目の数が必要以上に少ない場合、資機材過多と判断し、使用予定項目に対して使用済項目の数が必要以上に多い場合、資機材不足と判断する。サーバ11は、資機材が過不足と判断すると、それら項目どうしの差によって過不足レベルを判断し、過不足レベルに応じた段階的な過不足警告情報を生成する(警告情報生成手段)。たとえば、それら項目どうしの差が±1〜±3を過不足無とし、−4〜−6を軽度の過多として第1過多警告情報を生成し、−7〜−9を中度の過多として第2過多警告情報を生成するとともに、−10以上を重度の過多として第3過多警告情報を生成する。また、+4〜+6を軽度の不足として第1不足警告情報を生成し、+7〜+9を中度の不足として第2不足警告情報を生成するとともに、+10以上を重度の不足として第3不足警告情報を生成する。
【0054】
サーバ11は、インターネットに接続した後、本支社コンピュータ12Aや管理用コンピュータ12B、作業用コンピュータ13A、携帯端末13C、PDA13DのURLを使用してそれらにアクセスし、生成した第1〜第3過不足警告情報のうちのいずれかをそれらコンピュータ12A,12B,13Aや携帯端末13C、PDA13Dに送信する(警告情報送信手段)。第1〜第3過不足警告情報は、12A,12B,13Aや携帯端末13C、PDA13Dのディスプレイに表示される。第1〜第3過不足警告情報には、担当現場特定項目(管理事務所ID番号または作業所ID番号、住所、電話番号、FAX番号、管理者ID番号または責任者ID番号等)、使用期間における資機材使用予定項目と資機材使用済項目、使用予定項目と使用済項目との差がある。
【0055】
この工事管理システム10は、管理部門や現場部門が資機材使用済情報によって現場部門における資機材の使用状況をリアルタイムかつ適時に把握することができ、現場部門における資機材の過不足を確実に把握することができる。この工事管理システム10は、資機材使用予定情報と資機材使用済情報とを利用して資機材調達計画の立案や資機材調達の計画変更、資機材使用の計画変更、資機材運用の適正化、資機材の利用促進等の検討を行うことができ、資機材を無駄なく利用することで工事を計画に沿って円滑に進めることができる。
【0056】
図2を援用して検査指示情報および検査結果情報の送受信の一例を説明すると、以下のとおりである。検査指示情報および検査結果情報の送受信は、サーバ11とコンピュータ12A,12B,13Aや携帯電話13C、PDA13Dとの間で行われる。検査指示は、本支社や管理事務所、現場作業所において立案、作成され、検査指示情報として本支社コンピュータ12Aや管理用コンピュータ12Bに格納される。本支社社員や管理者は、コンピュータ12A,12Bを利用してインターネットに接続した後、サーバ11のURLを使用してサーバ11にアクセスし、検査指示情報をサーバ11に送信する。検査指示情報を受信したサーバ11は、それら情報をハードディスクに格納する(第1格納手段)。検査指示情報には、担当現場特定項目、検査機器名、検査開始日、検査期間、検査期間における検査予定項目、各日の検査予定項目、検査終了日等がある。なお、検査には、配置鉄筋数量検査や打設コンクリート圧縮強度検査等がある。
【0057】
現場責任者や作業者は、検査期間における検査指示情報や当日の検査指示情報、翌日以降の検査指示情報を作業所コンピュータ13Aや携帯端末13C、PDA13Dにおいて確認することができる。作業所管理者や現場責任者、作業者は、作業所コンピュータ13Aや携帯端末13C、PDA13Dを利用してインターネットに接続した後、サーバ11のURLを使用してサーバ11にアクセスし、検査指示情報の送信をサーバ11に要求する。検査指示情報の送信要求は、管理事務所ID番号または作業所ID番号を入力して工事現場を指定し、日付または期間を指定して行われる。サーバ11は、検査指示情報の送信要求があると、ID番号に対応した工事現場の指定日付または指定期間における検査指示情報をハードディスクから取り出し、インターネットを介してその検査指示情報を作業所コンピュータ13Aや携帯端末13C、PDA13Dに送信する(第1送信手段)。サーバ11から送信された検査指示情報は、作業所コンピュータ13Aや携帯端末13C、PDA13Dのディスプレイに表示される。現場責任者や作業者は、検査指示情報を確認することで、指定日付または指定期間における検査指示を知ることができる。
【0058】
検査結果は、当日の作業が終了した後、現場責任者や作業者が作業所コンピュータ13Aや携帯端末13C、PDA13Dに入力し、検査結果情報として作業所コンピュータ13Aや携帯端末13C、PDA13Dに格納される。現場責任者や作業者は、作業所コンピュータ13Aや携帯端末13C、PDA13Dを利用してインターネットに接続した後、サーバ11のURLを使用してサーバ11にアクセスし、検査結果情報をサーバ11に送信する。検査結果情報を受信したサーバ11は、それら情報をハードディスクに格納する(第2格納手段)。検査結果情報には、担当現場特定項目、検査機器名、検査開始日、検査期間、検査期間における検査終了項目、当日の検査終了項目、検査終了日等がある。
【0059】
本支社社員や管理者は、検査結果情報を本支社コンピュータ12Aや管理用コンピュータ12Bにおいて確認することができる。本支社社員や管理者は、コンピュータ12A,12Bを利用してインターネットに接続した後、サーバ11のURLを使用してサーバ11にアクセスし、検査結果情報の送信をサーバ11に要求する。検査結果情報の送信要求は、管理事務所ID番号または作業所ID番号を入力して作業現場を指定し、日付または期間を指定して行われる。サーバ11は、検査結果情報の送信要求があると、ID番号に対応した工事現場の指定日付または指定期間における検査結果情報をハードディスクから取り出し、インターネットを介してその検査結果情報をそれらコンピュータ12A,12Bに送信する(第2送信手段)。サーバ11から送信された検査結果情報は、コンピュータ12A,12Bのディスプレイに表示される。本支社社員や管理者は、検査結果情報を確認することで、検査実施状況を知ることができる。
【0060】
サーバ11は、検査指示情報から実施期間(検査開始日から当日までの期間)における検査予定項目または当日の検査予定項目を抽出し、検査結果情報から実施期間(検査開始日から当日までの期間)における検査終了項目または当日の検査終了項目を抽出した後、実施期間における検査予定項目と実施期間における検査終了項目とを比較し、当日の検査予定項目と当日の検査終了項目とを比較する。サーバ11は、それら項目を比較し、検査予定項目に対して検査終了項目の数が少ない場合、検査が予定どおりに実施されていないと判断する。また、検査予定項目に対して検査終了項目の数が同じ場合、検査が予定どおり実施されていると判断する。
【0061】
サーバ11は、検査が予定どおりに実施されていないと判断すると、実施期間における検査予定項目の数から検査終了項目の数を減算し、検査予定項目と検査終了項目との差を算出する。また、当日における検査予定項目の数から検査終了項目の数を減算し、検査予定項目と検査終了項目との差を算出する。サーバ11は、それら項目どうしの差によって検査の不足レベルを判断し、不足レベルに応じた段階的な検査不足警告情報を生成する(警告情報生成手段)。たとえば、それら項目どうしの差が1〜2の場合を軽度の検査不足として第1検査不足警告情報を生成し、3〜4の場合を中度の検査不足として第2検査不足警告情報を生成するとともに、5以上の場合を重度の検査不足として第3検査不足警告情報を生成する。
【0062】
サーバ11は、インターネットに接続した後、本支社コンピュータ12Aや管理用コンピュータ12B、作業用コンピュータ13A、携帯端末13C、PDA13DのURLを使用してそれらにアクセスし、生成した第1〜第3検査不足警告情報のうちのいずれかをそれらコンピュータ12A,12B,13Aや携帯端末13C、PDA13Dに送信する(警告情報送信手段)。第1〜第3検査不足警告情報は、12A,12B,13Aや携帯端末13C、PDA13Dのディスプレイに表示される。第1〜第3検査不足警告情報には、担当現場特定項目、実施期間における検査予定項目と検査終了項目、実施期間における検査予定項目と検査終了項目との差、当日における検査予定項目と検査終了項目、当日における検査予定項目と検査終了項目との差、検査工程等がある。
【0063】
この工事管理システム10は、管理部門や現場部門が検査結果情報によって現場部門における検査の実施状況をリアルタイムかつ適時に把握することができ、現場部門における検査の実施不足を確実に把握することができる。この工事管理システム10は、第1〜第3検査不足警告情報を送信することで検査実施の徹底を図ることができる。また、それら検査不足警告情報を受け取った各部門が検査計画の立案や検査計画の変更、検査方法の変更、検査の再実施、検査の支援措置等を検討することができ、検査を滞りなく適正に行うことで工事を計画に沿って円滑に進めることができる。
【0064】
図3は、測量指示情報および測量結果情報の送受信の一例を説明する図である。測量指示情報および測量結果情報の送受信は、サーバ11とコンピュータ12A,12B,13Aや携帯電話13C、PDA13Dとの間で行われる。測量は、携帯電話13CやPDA13Dを所持した現場責任者または作業者が測量機器14を使用して行う。測量指示は、本支社や管理事務所、現場作業所において立案、作成され、測量指示情報として本支社コンピュータ12Aや管理用コンピュータ12Bに格納される。本支社社員や管理者は、コンピュータ12A,12Bを利用してインターネットに接続した後、サーバ11のURLを使用してサーバ11にアクセスし、測量指示情報をサーバ11に送信する。測量指示情報を受信したサーバ11は、それら情報をハードディスクに格納する(第1格納手段)。測量指示情報には、担当現場特定項目、測量機器名、測量開始日、測量期間、測量期間における測量予定項目、各日の測量予定項目、測量終了日等がある。なお、測量には、出来形測量や測地測量等がある。
【0065】
現場責任者や作業者は、測量期間における測量指示情報や当日の測量指示情報、翌日以降の測量指示情報を作業用コンピュータ13Aや携帯端末13C、PDA13Dにおいて確認することができる。現場責任者や作業者は、作業用コンピュータ13Aや携帯端末13C、PDA13Dを利用してインターネットに接続した後、サーバ11のURLを使用してサーバ11にアクセスし、測量指示情報の送信をサーバ11に要求する。測量指示情報の送信要求は、管理事務所ID番号または作業所ID番号を入力して工事現場を指定し、日付または期間を指定して行われる。サーバ11は、測量指示情報の送信要求があると、現場ID番号に対応した工事現場の指定日付または指定期間における測量指示情報をハードディスクから取り出し、インターネットを介してその測量指示情報を作業所コンピュータ13Aや携帯端末13C、PDA13Dに送信する(第1送信手段)。サーバ11から送信された測量指示情報は、コンピュータ13Aや携帯端末13C、PDA13Dのディスプレイに表示される。現場責任者や作業者は、測量指示情報を確認することで、指定日付または指定期間における測量指示を知ることができる。
【0066】
測量結果は、現場責任者や作業者が作業用コンピュータ13Aや携帯端末13C、PDA13Dに入力し、測量結果情報としてコンピュータ13Aや携帯端末13C、PDA13Dに格納される。現場責任者や作業者は、作業用コンピュータ13Aや携帯端末13C、PDA13Dを利用してインターネットに接続した後、サーバ11のURLを使用してサーバ11にアクセスし、測量結果情報をサーバ11に送信する。測量結果情報を受信したサーバ11は、それら情報をハードディスクに格納する(第2格納手段)。測量結果情報には、担当現場特定項目、測量機器名、測量開始日、測量期間、測量期間における測量終了項目、当日の測量終了項目、測量終了日等がある。
【0067】
本支社社員や管理者は、測量結果情報を本支社コンピュータ12Aや管理用コンピュータ12Bにおいて確認することができる。本支社社員や管理者は、コンピュータ12A,12Bを利用してインターネットに接続した後、サーバ11のURLを使用してサーバ11にアクセスし、測量結果情報の送信をサーバ11に要求する。測量結果情報の送信要求は、管理事務所ID番号または作業所ID番号を入力して作業現場を指定し、日付または期間を指定して行われる。サーバ11は、測量結果情報の送信要求があると、ID番号に対応した工事現場の指定日付または指定期間における測量結果情報をハードディスクから取り出し、インターネットを介してその測量結果情報をそれらコンピュータ12A,12Bに送信する(第2送信手段)。サーバ11から送信された測量結果情報は、コンピュータ12A,12Bのディスプレイに表示される。本支社社員や管理者は、測量結果情報を確認することで、測量実施状況を知ることができる。
【0068】
サーバ11は、測量指示情報から実施期間(測量開始日から当日までの期間)における測量予定項目または当日の測量予定項目を抽出し、測量結果情報から実施期間(測量開始日から当日までの期間)における測量終了項目または当日の測量終了項目を抽出した後、実施期間における測量予定項目と実施期間における測量終了項目とを比較し、当日の測量予定項目と当日の測量終了項目とを比較する。サーバ11は、それら項目を比較し、測量予定項目に対して測量終了項目の数が少ない場合、測量が予定どおりに実施されていないと判断する。また、測量予定項目に対して測量終了項目の数が同じ場合、測量が予定どおり実施されていると判断する。
【0069】
サーバ11は、測量が予定どおりに実施されていないと判断すると、実施期間における測量予定項目の数から測量終了項目の数を減算し、測量予定項目と測量終了項目との差を算出する。また、当日における測量予定項目の数から測量終了項目の数を減算し、測量予定項目と測量終了項目との差を算出する。サーバ11は、それら項目どうしの差によって測量の不足レベルを判断し、不足レベルに応じた段階的な測量不足警告情報を生成する(警告情報生成手段)。たとえば、それら項目どうしの差が1〜2の場合を軽度の測量不足として第1測量不足警告情報を生成し、3〜4の場合を中度の測量不足として第2測量不足警告情報を生成するとともに、5以上の場合を重度の測量不足として第3測量不足警告情報を生成する。
【0070】
サーバ11は、インターネットに接続した後、本支社コンピュータ12Aや管理用コンピュータ12B、作業用コンピュータ13A、携帯端末13C、PDA13DのURLを使用してそれらにアクセスし、生成した第1〜第3測量不足警告情報のうちのいずれかをそれらコンピュータ12A,12B,13Aや携帯端末13C、PDA13Dに送信する(警告情報送信手段)。第1〜第3測量不足警告情報は、コンピュータ12A,12B,13Aや携帯端末13C、PDA13Dのディスプレイに表示される。第1〜第3測量不足警告情報には、担当現場特定項目、実施期間における測量予定項目と測量終了項目、実施期間における測量予定項目と測量終了項目との差、当日における測量予定項目と測量終了項目、当日における測量予定項目と測量終了項目との差、測量工程等がある。
【0071】
この工事管理システム10は、管理部門や現場部門が測量結果情報によって現場部門における測量の実施状況をリアルタイムかつ適時に把握することができ、現場部門における測量の実施不足を確実に把握することができる。この工事管理システム10は、第1〜第3測量不足警告情報を送信することで測量実施の徹底を図ることができる。また、それら測量不足警告情報を受け取った各部門が測量計画の立案や測量計画の変更、測量方法の変更、測量の再実施、測量の支援措置等を検討することができ、測量を滞りなく適正に行うことで工事を計画に沿って円滑に進めることができる。
【0072】
図4は、自走重機15による施工指示情報および施工結果情報の送受信の一例を説明する図である。施工指示情報および施工結果情報の送受信は、サーバ11とコンピュータ12A,12B,13Aや携帯電話13C、PDA13Dとの間で行われる。施工は、携帯電話13CやPDA13Dを所持した現場責任者または作業者が自走重機15を操作して行う。施工指示は、本支社や管理事務所、現場作業所において立案、作成され、施工指示情報として本支社コンピュータ12Aや管理用コンピュータ12Bに格納される。本支社社員や管理者は、コンピュータ12A,12Bを利用してインターネットに接続した後、サーバ11のURLを使用してサーバ11にアクセスし、施工指示情報をサーバ11に送信する。施工指示情報を受信したサーバ11は、それら情報をハードディスクに格納する(第1格納手段)。施工指示情報には、担当現場特定項目(管理事務所ID番号または作業所ID番号、住所、電話番号、FAX番号、現場責任者ID番号または作業者ID番号、自走重機ID番号等)、使用自走重機名、各日の施工予定項目等がある。
【0073】
現場責任者や作業者は、当日の施工指示情報、翌日以降の施工指示情報を作業用コンピュータ13Aや携帯端末13C、PDA13Dにおいて確認することができる。現場責任者や作業者は、作業用コンピュータ13Aや携帯端末13C、PDA13Dを利用してインターネットに接続した後、サーバ11のURLを使用してサーバ11にアクセスし、施工指示情報の送信をサーバ11に要求する。施工指示情報の送信要求は、管理事務所ID番号または作業所ID番号を入力して工事現場を指定するとともに、自走重機ID番号を入力して自走重機を指定し、さらに日付を指定して行われる。サーバ11は、施工指示情報の送信要求があると、現場ID番号に対応した工事現場の自走重機の指定日付における施工指示情報をハードディスクから取り出し、インターネットを介してその施工指示情報を作業用コンピュータ13Aや携帯端末13C、PDA13Dに送信する(第1送信手段)。サーバ11から送信された施工指示情報は、コンピュータ13Aや携帯端末13C、PDA13Dのディスプレイに表示される。現場責任者や作業者は、施工指示情報を確認することで、指定日付における施工指示を知ることができる。なお、施工指示として、ロードローラー15(自走重機)を同一箇所において前後方向へ7回往復移動させて舗装道路を踏み固める指示があったものとする。
【0074】
現場責任者や作業者は、携帯端末13CやPDA13Dを保持してロードローラー15に乗り込み、ロードローラー15を操作して施行指示どおりに道路の所定箇所を前後方向へ7回往復移動する。携帯端末13CやPDA13Dは、GPS測位システムまたはPHSを利用し、道路におけるロードローラー15の移動状況(往復移動)を測位し、施工結果情報(ロードローラー15の位置情報)を格納する。現場責任者や作業者は、携帯端末13CやPDA13Dを利用してインターネットに接続した後、サーバ11のURLを使用してサーバ11にアクセスし、施行結果情報をサーバ11に送信する。施行結果情報を受信したサーバ11は、それら情報をハードディスクに格納する(第2格納手段)。施行結果情報には、担当現場特定項目(管理事務所ID番号または作業所ID番号、住所、電話番号、FAX番号、現場責任者ID番号または作業者ID番号、自走重機ID番号等)、使用自走重機名、当日の施工結果(ロードローラー15の位置情報)等がある。なお、施工結果情報のうちの施工結果(ロードローラー15の位置情報)は、ロードローラー15による施工中(移動中)に携帯端末13CやPDA13Dからサーバ11に送信される場合がある。
【0075】
本支社社員や管理者は、施工結果情報を本支社コンピュータ12Aや管理用コンピュータ12Bにおいて確認することができる。本支社社員や管理者は、コンピュータ12A,12Bを利用してインターネットに接続した後、サーバ11のURLを使用してサーバ11にアクセスし、施工結果情報の送信をサーバ11に要求する。施工結果情報の送信要求は、管理事務所ID番号または作業所ID番号を入力して作業現場を指定し、日付を指定して行われる。サーバ11は、施工結果情報の送信要求があると、ID番号に対応した工事現場の指定日付における施工結果情報をハードディスクから取り出し、インターネットを介してその施工結果情報をそれらコンピュータ12A,12Bに送信する(第2送信手段)。サーバ11から送信された施工結果情報は、コンピュータ12A,12Bのディスプレイに表示される。本支社社員や管理者は、施工結果情報を確認することで、施工実施状況を知ることができる。
【0076】
サーバ11は、施工指示情報から当日の施工予定項目を抽出し、施工結果情報から当日の施工終了項目を抽出した後、当日の施工予定項目と当日の施工終了項目とを比較する。サーバ11は、それら項目を比較し、施工予定項目に対して施工終了項目の数が少ない場合(たとえば、ロードローラー15の往復移動が5回の場合)、自走重機15による施工が予定どおりに実施されていないと判断する。また、施工予定項目に対して施工終了項目の数が同一または多い場合(たとえば、ロードローラー15の往復移動が7回以上の場合)、自走重機15による施工が予定どおり実施されていると判断する。
【0077】
サーバ11は、施工が予定どおりに実施されていないと判断すると、施工予定項目の数から施工終了項目の数を減算し、施工予定項目と施工終了項目との差を算出する。また、当日における施工予定項目の数から施工終了項目の数を減算し、施工予定項目と施工終了項目との差を算出する。サーバ11は、それら項目どうしの差によって施工の不足レベルを判断し、不足レベルに応じた段階的な施工不足警告情報を生成する(警告情報生成手段)。たとえば、それら項目どうしの差が1〜2の場合(ロードローラー15の往復移動が6回または5回)を軽度の施工不足として第1施工不足警告情報を生成し、3〜4の場合(ロードローラー15の往復移動が4回または3回)を中度の施工不足として第2施工不足警告情報を生成するとともに、5以上の場合(ロードローラー15の往復移動が2回以内)を重度の施工不足として第3施工不足警告情報を生成する。
【0078】
サーバ11は、インターネットに接続した後、本支社コンピュータ12Aや管理用コンピュータ12B、作業用コンピュータ13A、携帯端末13C、PDA13DのURLを使用してそれらにアクセスし、生成した第1〜第3施工不足警告情報のうちのいずれかをそれらコンピュータ12A,12B,13Aや携帯端末13C、PDA13Dに送信する(警告情報送信手段)。第1〜第3施工不足警告情報は、コンピュータ12A,12B,13Aや携帯端末13C、PDA13Dのディスプレイに表示される。第1〜第3施工不足警告情報には、担当現場特定項目(管理事務所ID番号または作業所ID番号、住所、電話番号、FAX番号、現場責任者ID番号または作業者ID番号、自走重機ID番号等)、当日における施工予定項目と施工終了項目、当日における施工予定項目と施工終了項目との差、施工工程等がある。
【0079】
この工事管理システム10は、管理部門や現場部門が施工結果情報によって現場部門における自走重機15の施工実施状況をリアルタイムかつ適時に把握することができ、現場部門における施工の実施不足を確実に把握することができる。この工事管理システム10は、第1〜第3施工不足警告情報を送信することで施工実施の徹底を図ることができる。また、それら施工不足警告情報を受け取った各部門が施工計画の立案や施工計画の変更、施工方法の変更、施工の再実施、施工の支援措置等を検討することができ、自走重機15による施工を滞りなく適正に行うことで工事を計画に沿って円滑に進めることができる。
【0080】
図5は、工事運送車両16の走行経路指示情報および走行経路出力情報の送受信の一例を説明する図であり、図6は、ディスプレイに表示された運送車両16の走行経路の一例を示す図である。図6では、運送車両16の走行予定ルートを実線R1で示し、走行予定ルートから外れた運送車両16の走行ルートを点線R2で示す。走行経路指示情報および走行経路出力情報の送受信は、サーバ11とコンピュータ12A,12B,13Aや携帯電話13C、PDA13Dとの間で行われる。運送は、携帯電話13CやPDA13Dを所持した現場責任者または作業者が運送車両16を運転して行う。
【0081】
走行経路指示は、本支社や管理事務所、現場作業所において立案、作成され、走行経路指示情報として本支社コンピュータ12Aや管理用コンピュータ12Bに格納される。本支社社員や管理者は、コンピュータ12A,12Bを利用してインターネットに接続した後、サーバ11のURLを使用してサーバ11にアクセスし、走行経路指示情報をサーバ11に送信する。走行経路指示情報を受信したサーバ11は、それら情報をハードディスクに格納する(第1格納手段)。走行経路指示情報には、担当現場特定項目(管理事務所ID番号または作業所ID番号、住所、電話番号、FAX番号、現場責任者ID番号または作業者ID番号、運送車両ID番号等)、使用運送車両名、出発地、目的地、各日の走行経路予定、走行距離等がある。
【0082】
現場責任者や作業者は、当日の走行経路指示情報、翌日以降の走行経路指示情報を作業所コンピュータ13Aや携帯端末13C、PDA13Dにおいて確認することができる。現場責任者や作業者は、作業用コンピュータ13Aや携帯端末13C、PDA13Dを利用してインターネットに接続した後、サーバ11のURLを使用してサーバ11にアクセスし、走行経路指示情報の送信をサーバ11に要求する。走行経路指示情報の送信要求は、管理事務所ID番号または作業所ID番号を入力して工事現場を指定するとともに、運送車両ID番号を入力して運送車両16を指定し、日付を指定して行われる。サーバ11は、走行経路指示情報の送信要求があると、現場ID番号に対応した工事現場の指定日付における走行経路指示情報をハードディスクから取り出し、インターネットを介してその走行経路指示情報を作業用コンピュータ13Aや携帯端末13C、PDA13Dに送信する(第1送信手段)。サーバ11から送信された走行経路指示情報は、コンピュータ13Aや携帯端末13C、PDA13Dのディスプレイに表示される。走行経路予定は、図6に示すように、道路地図に経路が示された地図情報としてディスプレイに表示される。現場責任者や作業者は、走行経路指示情報を確認することで、指定日付における走行経路指示を知ることができる。
【0083】
現場責任者や作業者は、携帯端末13CやPDA13Dを保持して運送車両16に乗り込み、運送車両16を運転して出発地P1から目的地P2へ向かい、積荷を下ろした後、再び目的地P2から出発地P1に戻る。携帯端末13CやPDA13Dは、GPS測位システムまたはPHS位置検出機能を利用し、出発地P1から目的地P2までと目的地P2から出発地P1までとの走行経路出力情報(走行距離を含む)をサーバ11に送信する。走行経路出力情報を受信したサーバ11は、それら情報をハードディスクに格納する(第2格納手段)。走行経路出力情報には、担当現場特定項目(管理事務所ID番号または作業所ID番号、住所、電話番号、FAX番号、現場責任者ID番号または作業者ID番号、運送車両ID番号等)、使用運送車両名、出発地住所、目的地住所、各日の走行経路予定、実際の走行経路、走行距離等がある。
【0084】
携帯電話13CやPDA13Dは、メモリに格納されたオペレーティングシステムによる制御に基づいて、メモリからアプリケーションプログラムを起動し、起動したアプリケーションプログラムに従って、以下の各手段を実行する。携帯電話13CやPDA13Dは、メモリに格納された走行経路指示情報をディスプレイに表示する走行経路指示情報表示手段を実行する。携帯電話13CやPDA13Dは、GPS測位システムまたはPHSによる位置検出機能を利用し、出発地P1から目的地P2までの道程と目的地P2から出発地P1までの道程とにおける運送車両16の位置情報を取得する位置情報取得手段を実行し、位置情報取得手段によって取得した出発地P1から目的地P2までの位置情報と目的地P2から出発地P1までの位置情報とをサーバ11に送信する位置情報送信手段を実行する。各位置情報のサーバ11への送信は、所定の間隔で行われる。具体的には、秒単位で等間隔に各位置情報が携帯電話13CやPDA13Dからサーバ11へ送信され、または、分単位で等間隔に各位置情報が携帯電話13CやPDA13Dからサーバ11へ送信される。なお、携帯電話13CやPDA13Dは、各位置情報のサーバ11への送信を時間的に連続して行うこともできる。
【0085】
本支社社員や管理者は、走行経路出力情報を本支社コンピュータ12Aや管理用コンピュータ12Bにおいて確認することができる。本支社社員や管理者は、コンピュータ12A,12Bを利用してインターネットに接続した後、サーバ11のURLを使用してサーバ11にアクセスし、走行経路出力情報の送信をサーバ11に要求する。走行経路出力情報の送信要求は、管理事務所ID番号または作業所ID番号を入力して作業現場を指定するとともに、運送車両ID番号を入力して運送車両を指定し、さらに日付を指定して行われる。サーバ11は、走行経路出力情報の送信要求があると、ID番号に対応した工事現場の運送車両16の指定日付における走行経路出力情報をハードディスクから取り出し、インターネットを介してその走行経路出力情報を本支社コンピュータ12Aや管理用コンピュータ12Bに送信する(第2送信手段)。サーバ11から送信された走行経路出力情報は、コンピュータ12A,12Bのディスプレイに表示される。走行経路は、道路地図に経路が示された地図情報としてディスプレイに表示される。本支社社員や管理者は、走行経路出力情報を確認することで、運送状況を知ることができる。
【0086】
サーバ11は、走行経路指示情報から当日の走行経路予定を抽出し、走行経路出力情報から当日の走行経路を抽出した後、当日の走行経路予定と当日の走行経路とを比較する。サーバ11は、それらを比較し、走行経路予定に対して走行経路が逸脱している場合、逸脱レベルに応じた段階的な走行警告情報を生成する(警告情報生成手段)。たとえば、走行コースの相違が全走行工程の5%〜10%を軽度の逸脱として第1走行警告情報を生成し、走行コースの相違が全走行工程の11%〜15%を中度の逸脱として第2走行警告情報を生成するとともに、走行コースの相違が全走行工程の16%以上を重度の逸脱として第3走行警告情報を生成する。
【0087】
サーバ11は、インターネットに接続した後、本支社コンピュータ12Aや管理用コンピュータ12B、作業用コンピュータ13A、携帯端末13C、PDA13DのURLを使用してそれらにアクセスし、生成した第1〜第3走行警告情報のうちのいずれかをそれらコンピュータ12A,12B,13Aや携帯端末13C、PDA13Dに送信する(警告情報送信手段)。第1〜第3走行警告情報は、コンピュータ12A,12B,13Aや携帯端末13C、PDA13Dのディスプレイに表示される。第1〜第3走行警告情報には、担当現場特定項目(管理事務所ID番号または作業所ID番号、住所、電話番号、FAX番号、現場責任者ID番号または作業者ID番号、運送車両ID番号等)、使用運送車両名、出発地、目的地、当日の走行経路予定、実際の走行経路、走行距離等がある。
【0088】
この工事管理システム10は、現場部門や管理部門が工事運送車両16の走行経路出力情報によって運送車両16の走行経路をリアルタイムかつ適時に把握することができ、現場部門における運送車両16の運送状況を各日に把握することができる。また、走行経路指示情報と走行経路出力情報とを利用して運送計画の立案を行うことができ、工事運送車両16による運送を適正に行うことができる。この工事管理システム10は、それら走行警告情報を受け取った各部門が工事運送車両16による運送経路の遵守の徹底を図ることができる。また、それら走行警告情報を受け取った各部門が運送経路の変更、運送の支援措置等を検討することができ、運送車両16による資機材等の円滑な輸送を実現することができる。
【0089】
図7は、湿潤養生管理装置17(測定機器)に入力される設定値の入力情報および湿潤養生管理装置17から出力される測定値の出力情報の送受信の一例を説明する図であり、図8は、一例として示す湿潤養生管理装置17の概略構成図である。図9は、相対湿度と経過時間との関係の一例を示す図である。図7は、自動撒水機22がコンクリート19に向かって水を撒水している状態で示す。図7では、上下方向を矢印A、横方向を矢印Bで示し、厚み方法を矢印Cで示す。図9では、縦軸に相対温度が示され、横軸に経過時間が示されている。設定値の入力情報および測定値の出力情報の送受信は、サーバ11とコンピュータ12A,12B,13Bとの間で行われる。
【0090】
湿潤養生管理装置17は、図8に示すように、コンクリート19(セメント硬化物)の相対湿度を時系列に測定する湿度センサ20と、コンクリート19の温度を時系列に測定する温度センサ21と、コンクリート19の表面に水を撒水する自動撒水機22(撒水機構)と、撒水機22から撒水される水の温度を時系列に測定する温度センサ(図示せず)と、撒水機22から撒水される水を所定の温度に加熱するヒータ23と、湿度センサ20から出力された相対湿度や温度センサ21から出力された温度に基づいて撒水機22やヒータ23を制御する機器コンピュータ13Bとから形成されている。コンクリート19は、原料セメントと水と骨材とを混合して混合物を作り、その混合物を所定形状の型枠に打設することで作ることができる。図示のコンクリート19は、型枠が外された後の養生中の状態にある。型枠は、それを付けたまま混合物の表面が硬化するまで養生し、その後に外す。
【0091】
湿度センサ20には、高分子型湿度センサを使用することが好ましいが、セラミック型湿度センサを使用することもできる。湿度センサ20は、図示はしていないが、プラスチック製のケースと、測定部と、測定部から延びるリード線24とから形成されている。ケースは、6面を有する直方体であって、その内部に収納室を備え、頂面に開口が形成されている。ケースの頂面を除く底面および各側面には、防水フィルムが固着され、防水加工が施されている。頂面には、開口全域を覆う不透液性かつ透湿性のプラスチックフィルムが固着されている。測定部は、ケースの収納部に収納されている。リード線24は、収納室からケースの外側に延出している。ケースに収納された湿度センサ20の測定部は、コンクリート19の表面(一側面)からその内部(厚み方向内部)に向かって所定深さに設置されている。センサ20の測定部を設置する深さLは、コンクリート19の表面からその内部に向かって1cm以上5cm以下の範囲にある。
【0092】
ケースの外側に延出するリード線24は、コンクリート20の表面から外側に露出している。リード線24には、図示はしていないが、無線通信可能な無線ユニットが接続されている。無線ユニットは、ハウジングと送受信装置とから形成されている。湿度センサ20は、コンクリート19の表面近傍におけるコンクリート19内部の相対湿度を測定し、測定した相対湿度を無線ユニットに出力する。無線ユニットは、センサ20からリード線24を介して出力された相対湿度を機器コンピュータ13Bに時系列に送信する。
【0093】
温度センサ21には、熱電対や抵抗温度センサ、サーミスタ、IC温度センサ、磁気温度センサを使用することができる。温度センサ21の測定部は、湿度センサ20のそれと同様に、コンクリート19の表面(一側面)からその内部(厚み方向内側)に向かって所定深さに設置されている。センサ21の測定部を設置する深さLは、コンクリート19の表面からその内部に向かって1cm以上5cm以下の範囲にある。温度センサ21の測定部は、無線通信可能な無線ユニットに接続されている(図示せず)。無線ユニットは、湿度センサ20に接続されたそれと同一であるから、その説明は省略する。センサ21は、コンクリート19の表面近傍におけるコンクリート19内部の温度を測定し、測定した温度を無線ユニットに出力する。無線ユニットは、センサからリード線25を介して出力された温度を機器コンピュータ13Bに内蔵された無線ユニット(図示せず)に時系列に送信する。
【0094】
撒水機22の温度センサは、その測定部が撒水機22の貯水槽(図示せず)に設置されている。ヒータ23は、制御装置と加熱装置とから形成され(図示せず)、水を所定温度に加熱する。ヒータ23の加熱装置は、撒水機22の貯水槽に設置されている。ヒータ23の制御装置と温度センサとは、撒水機22の制御装置とともに無線通信可能な無線ユニットに接続されている(図示せず)。温度センサは、貯水槽に貯水された水の温度を時系列に測定し、測定した温度を無線ユニットに出力する。無線ユニットは、温度センサから出力された水の温度を無線によって機器コンピュータ13Bに送信する。ヒータの制御装置は、機器コンピュータ13Bから無線ユニットに送信される指定温度信号に従って、貯水槽に貯水された水を加熱装置を介して加熱し、撒水機22から撒水される水の温度を指定温度に加熱する。
【0095】
自動撒水機22は、制御装置とポンプと噴射ノズルとから形成され(図示せず)、ノズルから水を自動的に撒水する。撒水機22は、コンクリート19の表面全域に水を撒水することができる位置に設置されている。撒水機22では、弁機構を調節することで撒水水量を調整可能であり、コンクリート19の大きさに応じてその撒水水量が事前に調整されている。撒水機22の制御装置は、センサと同様の無線通信可能な無線ユニットに接続されている(図示せず)。撒水機22の制御装置は、機器コンピュータ13Bから無線ユニットに送信されるON信号によって撒水を開始し、機器コンピュータ13Bから無線ユニットに送信されるOFF信号によって撒水を停止する。
【0096】
機器コンピュータ13Bは、センサ20に接続された無線ユニットから送信される実測相対湿度を無線ユニットを介して受信し、受信した実測相対湿度を時系列に格納する。機器コンピュータ13Bは、ON信号またはOFF信号を無線ユニットを介して撒水機22に接続された無線ユニットに送信する。機器コンピュータ13Bのメモリには、各種手段(各種プロセス)をコンピュータ13Bに実行させるためのアプリケーションが格納されている。さらにメモリには、下限相対湿度とセメントの種類および養生温度に対応した養生期間とが格納されている。下限相対湿度は、95%RHに設定されている。ただし、下限相対湿度を95%RHに限定するものではなく、下限相対湿度を自由に変更することができる。養生期間の一例として、たとえばセメントが普通ポルトランドセメントで養生温度が5℃の場合の養生期間は9日以上である。養生期間は、ディスプレイに表示される各種類のセメントのうちの特定のそれを選択するとともに、養生温度を指定することで、自動的に設定される。
【0097】
機器コンピュータ13Bの中央処理部は、オペレーティングシステムによる制御に基づいて、メモリからアプリケーションを起動し、起動したアプリケーションに従って、以下の各手段を実行する。中央処理部は、湿度センサ20から送信(出力)された実測相対湿度とあらかじめ設定された下限相対湿度とを比較する湿度比較手段を実行し、実測相対湿度が下限相対湿度未満になった時点で、自動撒水機22を介してコンクリート19の表面に水を撒水させる撒水開始指示手段を実行する。
【0098】
機器コンピュータ13Bの中央処理部は、温度センサ21から送信(出力)された実測温度と温度センサから送信された水の温度とを比較演算する水温比較手段を実行し、水の温度が実測温度の範囲以下であると判断すると、撒水機22から撒水される水の温度を、温度センサ21から送信(出力)された実測温度付近にヒータを介して加熱する水温調節手段を実行する。中央処理部は、センサ21から送信された温度をそのまま指定温度として撒水機22の無線ユニットに送信する。あるいは、センサ21から送信された温度を±5℃の範囲で調節し、調節した温度を指定温度として撒水機22の無線ユニットに送信する。センサ21からの温度に対する±の範囲は自由に変更することができる。中央処理部は、撒水機22を介して水を撒水中に、湿度センサ20から出力された実測相対湿度が飽和した場合、撒水機22からの水の撒水を停止させる撒水停止指示手段を実行する。なお、中央処理部は、あらかじめ選択された養生期間が経過するまで撒水開始指示手段と撒水停止指示手段とを繰り返し実行する。
【0099】
設定値入力情報および測定値出力情報の送受信は、サーバ11とコンピュータ12A,12B,13Bとの間で行われる。下限相対湿度(設定値)は、本支社や管理事務所、現場作業所において決定され、設定値入力情報として本支社コンピュータ12Aや管理用コンピュータ12Bに格納される。本支社社員や管理者は、コンピュータ12A,12Bを利用してインターネットに接続した後、サーバ11のURLを使用してサーバ11にアクセスし、設定値入力情報をサーバ11に送信する。設定値入力情報を受信したサーバ11は、それら情報をハードディスクに格納する(第1格納手段)。設定値入力情報には、下限相対湿度の他に、担当現場特定項目(管理事務所ID番号または作業所ID番号、住所、電話番号、FAX番号、現場責任者ID番号または作業者ID番号等)、測定機器名、測定機器ID番号、測定対象物名、測定内容等がある。
【0100】
サーバ11は、ハードディスクに格納した設定値入力情報の測定機器ID番号から湿潤養生管理装置17を割り出し、インターネットに接続した後、装置17を形成する機器コンピュータ13BのURLを使用してそれにアクセスし、設定値入力情報のうちの下限相対湿度(設定値)をコンピュータ13Bに送信する(第1送信手段)。機器コンピュータ13Bは、サーバ11から送信された下限相対湿度をメモリに格納し、その下限相対湿度に基づいて各手段を実行する。なお、現場責任者や作業者は、設定値入力情報を作業用コンピュータ13Aや携帯端末13C、PDA13Dにおいて確認することができる。現場責任者や作業者は、作業所コンピュータ13Aや携帯端末13C、PDA13Dを利用してインターネットに接続した後、サーバ11のURLを使用してサーバ11にアクセスし、設定値入力情報の送信をサーバ11に要求する。設定値入力情報の送信要求は、測定機器ID番号を入力し、湿潤養生管理装置17を指定して行われる。サーバ11は、設定値入力情報の送信要求があると、測定機器ID番号に対応した湿潤養生管理装置17における設定値入力情報をハードディスクから取り出し、インターネットを介してその設定値入力情報を作業用コンピュータ13Aや携帯端末13C、PDA13Dに送信する(第1送信手段)。サーバ11から送信された設定値入力情報は、コンピュータ13Aや携帯端末13C、PDA13Dのディスプレイに表示される。現場責任者や作業者は、設定値入力情報を確認することで、コンクリート19の下限相対湿度を知ることができる。
【0101】
湿潤養生管理装置17におけるコンクリート19の湿潤養生の一例を説明すると、以下のとおりである。装置17を起動させると、湿度センサ20や温度センサ21、自動撒水機22、ヒータ23、機器コンピュータ13Bが稼動する。湿度センサ20は、コンクリート19の相対湿度をエンドレスかつ時系列に測定し、測定した実測相対湿度を無線ユニットを介して機器コンピュータ13Bの無線ユニットに送信(出力)する。温度センサ21は、コンクリート19の温度をエンドレスかつ時系列に測定し、測定した実測温度を無線ユニットを介して機器コンピュータ13Bの無線ユニットに送信(出力)する。温度センサは、撒水機22の水の温度をエンドレスかつ時系列に測定し、測定した水の温度を無線ユニットを介して機器コンピュータ13Bの無線ユニットに送信(出力)する。
【0102】
機器コンピュータ13Bは、温度センサ21から受信した実測温度をメモリに時系列に格納しつつ、実測温度と温度センサから送信された水の温度とを比較演算する(水温比較手段)。機器コンピュータ13Bは、水の温度が実測温度の範囲以下であると判断すると、温度センサ21から送信された温度を指定温度として撒水機22およびヒータ23の無線ユニットに送信する。または、温度センサ21から送信された実測温度を±5℃の範囲で調節し、調節した温度を指定温度として撒水機22およびヒータ23の無線ユニットに送信する。無線ユニットは、受信した指定温度をヒータ23の制御装置に出力する。ヒータ23の制御装置は、貯水槽に貯水された水を加熱装置を介して指定温度に加熱する(水温調節手段)。
【0103】
なお、機器コンピュータ13Bは、温度センサ21から送信された実測温度と温度センサから送信された水の温度とを比較演算することなく、実測温度を指定温度として撒水機22およびヒータ23の無線ユニットに送信し、または、温度センサ21から送信された実測温度を±5℃の範囲で調節し、調節した温度を指定温度として撒水機22およびヒータ23の無線ユニットに送信することもできる。この場合、撒水機22の温度センサは、無線ユニットに接続されることなく、ヒータ23の制御装置に接続される。ヒータ23の制御装置は、温度センサ21が測定した温度が指定温度以下であると判断すると、貯水槽に貯水された水を加熱装置を介して指定温度に加熱する(水温調節手段)。
【0104】
機器コンピュータ13Bは、湿度センサ20から受信した実測相対湿度をメモリに時系列に格納しつつ、実測相対湿度と下限相対湿度とを比較演算する(湿度比較手段)。機器コンピュータ13Bは、センサ20から送信された相対湿度が95%RH(下限相対湿度)未満になると、無線ユニットを介して撒水機22およびヒータ23の無線ユニットにON信号を送信する。ON信号を受信した無線ユニットは、ON信号を撒水機22の制御装置に出力する。ON信号を受信した撒水機22の制御装置は、ポンプを起動し、噴射ノズルからコンクリート19の表面への撒水を開始する(撒水開始指示手段)。撒水機22の噴射ノズルから撒水される水は、ヒータ23を介してあらかじめ指定温度に加熱されている。
【0105】
水を撒水すると、その水がコンクリート19表面から内部に滲入し、コンクリート19の表面近傍の相対湿度が回復する。機器コンピュータ13Bは、水の撒水中に湿度センサ20から出力された相対湿度が飽和(湿度センサ20の最大表示99%RH)すると、無線ユニットを介して撒水機22およびヒータ23の無線ユニットにOFF信号を送信する。OFF信号を受信した無線ユニットは、OFF信号を撒水機22の制御装置に出力する。OFF信号を受信した撒水機22の制御装置は、ポンプを停止し、コンクリート19表面への撒水を停止する(撒水停止指示手段)。再び相対湿度が95%RH(下限相対湿度)未満になると、撒水機22を介して撒水を開始し、水の撒水中に相対湿度が飽和すると、撒水機22からの撒水を停止する。
【0106】
機器コンピュータ13Bは、養生開始時からの経過期間が養生期間内にあると判断すると、撒水開始指示手段と撒水停止指示手段とを継続して実行する。コンピュータ13Bは、経過期間が養生期間を経過したと判断すると、撒水機22およびヒータ23の無線ユニットに対するON信号やOFF信号の送信を停止するとともに、無線ユニットを介し、湿度センサ20や温度センサ21、自動撒水機22およびヒータ23が接続された無線ユニットにスイッチ停止信号を送信する。湿度センサ20や温度センサ21、撒水機22、ヒータ23は、スイッチ停止信号に従ってスイッチをOFFにし、その稼動を停止する。
【0107】
機器コンピュータ13Bは、養生期間中、実測相対湿度をサーバ11に送信する。サーバ11は、下限相対湿度(入力情報)と実測相対湿度(出力情報)とを比較し、下限相対湿度に対して実測相対湿度が著しく異なる場合、下限相対湿度に対する実測相対湿度の異常値レベルに対応した段階的な測定警告情報を生成する(警告情報生成手段)。たとえば、実測相対湿度が下限相対湿度の−1%〜−3%を軽度の異常として第1異常警告情報を生成し、実測相対湿度が下限相対湿度の−4%〜−6%を中度の異常として第2異常警告情報を生成するとともに、実測相対湿度が下限相対湿度の−7%以下を重度の異常として第3異常警告情報を生成する。
【0108】
サーバ11は、インターネットに接続した後、本支社コンピュータ12Aや管理用コンピュータ12B、作業用コンピュータ13A、携帯端末13C、PDA13DのURLを使用してそれらにアクセスし、生成した第1〜第3異常警告情報のうちのいずれかをそれらコンピュータ12A,12B,13A、携帯端末13C、PDA13Dに送信する(警告情報送信手段)。第1〜第3異常警告情報は、コンピュータ12A,12B,13A、携帯端末13C、PDA13Dのディスプレイに表示される。第1〜第3異常警告情報には、担当現場特定項目(管理事務所ID番号または作業所ID番号、住所、電話番号、FAX番号、現場責任者ID番号または作業者ID番号等)、測定機器名、測定機器ID番号、測定対象物名、測定内容、下限相対湿度、実測相対湿度、実測相対湿度と下限相対湿度との差等がある。
【0109】
この工事管理システム10は、下限相対湿度(設定値)に対する実測相対湿度(測定値)の軽度の異常や中度の異常、重度の異常等に対応した段階的な測定警告情報をコンピュータ12A,12B,13Aや携帯端末13C、PDA13Dに送信するから、管理部門や現場部門がそれら測定警告情報によってコンクリート19(測定対象物)の異変の程度や装置17の故障を確認することができる。この工事管理システム10は、それら測定警告情報を利用してコンクリート19の物性を正常に維持したまま、コンクリート19の養生を行うことができる。
【0110】
工事管理システムは、サーバ11が管理端末12から受信した各種工事管理データを現場端末13に送信し、現場端末13から受信した各種工事管理データを管理端末12に送信するから、各種複数の工事管理データがサーバ11において一元管理され、それら工事管理データがサーバ11を経由して管理部門や現場部門にリアルタイムかつ適時に送受信されることで、各部門がそれら工事管理データを時機に応じて有効に利用することができる。この工事管理システム10は、各種複数の工事管理データが管理端末12と現場端末13との間で直接送受信されることによるデータの不整合を防ぐことができ、各種複数の工事管理データが散在した状態で管理部門や現場部門に送受信されることによるそれら部門の混乱を防ぐことができる。
【0111】
工事管理システム10は、サーバ11から送信された警告情報によって管理部門や現場部門が工事の不具合を確認することができるから、それら工事管理データを利用して工事の不具合を是正することができ、工事を計画に沿って円滑に進めることができる。この工事管理システム10は、警告情報を受け取った各部門が工事計画の変更や工事に対する支援措置等の検討を行うことができるとともに、工事工程や工事期間、必要資機材、必要経費等の検討を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】一例として示す工事管理システムの概略構成図。
【図2】工事計画指示情報および工事進捗情報の送受信の一例を説明する図。
【図3】測量指示情報および測量結果情報の送受信の一例を説明する図。
【図4】自走重機による施工指示情報および施工結果情報の送受信の一例を説明する図。
【図5】工事運送車両の走行経路指示情報および走行経路出力情報の送受信の一例を説明する図。
【図6】運送車両の走行経路の一例を示す図。
【図7】測定機器に入力される設定値の入力情報および湿潤養生管理装置から出力される測定値の出力情報の送受信の一例を説明する図。
【図8】一例として示す湿潤養生管理装置の概略構成図。
【図9】相対湿度と経過時間との関係の一例を示す図。
【符号の説明】
【0113】
10 工事管理システム
11 サーバ
12 管理端末
12A 本支社コンピュータ
12B 管理用コンピュータ
13 現場端末
13A 作業用コンピュータ
13B 機器コンピュータ
13C 携帯電話
13D PDA
14 測量機器
15 ロードローラー(自走重機)
16 工事運送車両
17 湿潤養生管理装置(測定機器)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各種複数の工事管理データを保管するサーバと、管理部門に設置されて前記サーバにネットワークを介して接続され、前記工事管理データを前記サーバに送信可能かつ該工事管理データを該サーバから受信可能な管理端末と、現場部門に設置されて前記サーバにネットワークを介して接続され、前記工事管理データを前記サーバから受信可能かつ該工事管理データを該サーバに送信可能な現場端末とを備え、
前記サーバが、前記管理端末から送信された工事管理データを格納する第1格納手段と、前記第1格納手段によって格納した工事管理データを前記現場端末に送信する第1送信手段と、前記現場端末から送信された工事管理データを格納する第2格納手段と、前記第2格納手段によって格納した工事管理データを前記管理端末に送信する第2送信手段とを有する工事管理システム。
【請求項2】
前記サーバが、前記管理端末から送信された工事管理データと前記現場端末から送信された工事管理データとを比較してそれらデータ間に乖離がある場合に所定の警告情報を生成する警告情報生成手段と、前記警告情報生成手段によって生成した警告情報を前記管理端末と前記現場端末との少なくとも一方に送信する警告情報送信手段とを有する請求項1記載の工事管理システム。
【請求項3】
前記工事管理データには、前記管理部門と前記現場部門との少なくとも一方において入力される各種複数の工事計画指示情報と、それら工事計画指示に対して前記現場部門において入力される各種複数の工事進捗情報とが含まれる請求項1または請求項2に記載の工事管理システム。
【請求項4】
前記警告情報生成手段が、前記工事計画指示情報と前記工事進捗情報とを比較しつつ、工事計画に対する工事進捗の遅延レベルに対応した段階的な遅延警告情報を生成し、前記警告情報送信手段が、前記遅延警告情報を前記管理端末と前記現場端末との少なくとも一方に送信する請求項3記載の工事管理システム。
【請求項5】
前記工事管理データには、前記管理部門と前記現場部門との少なくとも一方において入力される各種複数の資機材使用予定情報と、前記現場部門において入力される各種複数の資機材使用済情報とが含まれる請求項1ないし請求項4いずれかに記載の工事管理システム。
【請求項6】
前記警告情報生成手段が、前記資機材使用予定情報と前記資機材使用済情報とを比較しつつ、資機材使用予定に対する資機材使用済の過不足レベルに対応した段階的な過不足警告情報を生成し、前記警告情報送信手段が、前記過不足警告情報を前記管理端末と前記現場端末との少なくとも一方に送信する請求項5記載の工事管理システム。
【請求項7】
前記工事管理データには、前記管理部門と前記現場部門との少なくとも一方において入力される各種複数の検査指示情報と、それら検査指示に対して前記現場部門において入力される各種複数の検査結果情報とが含まれる請求項1ないし請求項6いずれかに記載の工事管理システム。
【請求項8】
前記警告情報生成手段が、前記検査指示情報と前記検査結果情報とを比較しつつ、検査指示に対する検査結果の不足レベルに対応した段階的な検査不足警告情報を生成し、前記警告情報送信手段が、前記検査不足警告情報を前記管理端末と前記現場端末との少なくとも一方に送信する請求項7記載の工事管理システム。
【請求項9】
前記工事管理データには、前記管理部門と前記現場部門との少なくとも一方において入力される各種複数の測量指示情報と、それら測量指示に対して前記現場部門において入力される各種複数の測量結果情報とが含まれる請求項1ないし請求項8いずれかに記載の工事管理システム。
【請求項10】
前記警告情報生成手段が、前記測量指示情報と前記測量結果情報とを比較しつつ、測量指示に対する測量結果の不足レベルに対応した段階的な測量不足警告情報を生成し、前記警告情報送信手段が、前記測量不足警告情報を前記管理端末と前記現場端末との少なくとも一方に送信する請求項9記載の工事管理システム。
【請求項11】
前記工事管理データには、前記管理部門と前記現場部門との少なくとも一方において入力される各種複数の自走重機による施工指示情報と、施工指示に対して前記現場部門から出力されるそれら自走重機の各種複数の施工結果情報とが含まれる請求項1ないし請求項10いずれかに記載の工事管理システム。
【請求項12】
前記警告情報生成手段が、前記施工指示情報と前記施工結果情報とを比較しつつ、施工指示に対する自走重機の施工結果の施工不足レベルに対応した段階的な施工不足警告情報を生成し、前記警告情報送信手段が、前記施工不足警告情報を前記管理端末と前記現場端末との少なくとも一方に送信する請求項11記載の工事管理システム。
【請求項13】
前記工事管理データには、前記管理部門と前記現場部門との少なくとも一方において入力される各種複数の工事運送車両の走行経路指示情報と、走行経路指示に対して前記現場部門から出力されるそれら工事運送車両の各種複数の走行経路出力情報とが含まれる請求項1ないし請求項12いずれかに記載の工事管理システム。
【請求項14】
前記警告情報生成手段が、前記走行経路指示情報と前記走行経路出力情報とを比較しつつ、走行経路指示に対する工事運送車両の走行経路の逸脱レベルに対応した段階的な走行警告情報を生成し、前記警告情報送信手段が、前記走行警告情報を前記管理端末と前記現場端末との少なくとも一方に送信する請求項13記載の工事管理システム。
【請求項15】
前記工事管理データには、前記管理部門と前記現場部門との少なくとも一方から測定機器に入力される各種複数の設定値の入力情報と、前記測定機器から出力される各種複数の測定値の出力情報とが含まれ、前記警告情報生成手段が、前記入力情報と前記出力情報とを比較しつつ、前記入力情報に対する前記出力情報の異常値レベルに対応した段階的な測定警告情報を生成し、前記警告情報送信手段が、前記測定警告情報を前記管理端末と前記現場端末との少なくとも一方に送信する請求項1ないし請求項14いずれかに記載の工事管理システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2009−193406(P2009−193406A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−34163(P2008−34163)
【出願日】平成20年2月15日(2008.2.15)
【出願人】(000235543)飛島建設株式会社 (132)