説明

工作機におけるパレット交換装置

【課題】シャトル型のパレット交換装置において、加工ステーションにおける加工完了後は遅滞なくパレットとともにワークを搬入出ステーションへ搬入できるようにすることにより、パレット交換の高速化を図ることである。
【解決手段】加工ステーションAの前部に設定された搬入出ステーションBの左右両側に設定された第一及び第二段取りステーションC1、C2の間を一定ストロークSで往復移動する台車14、台車14に搭載した第一及び第二パレット移載装置15a、15b、前記第一又は第二パレット移載装置15a、15bに載置したパレット17a、17bを搬入出ステーションBと加工ステーションAの間を搬送するパレット搬入出装置16を備えた工作機のパレット交換装置において、前記フック部材62が、パレット搬入出装置16上にある後退位置(イ)、加工ステーションA内に臨んだ前進位置(ロ)、加工ステーションAの直前に後退した待機位置(ハ)の3個所において停止位置をもつようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、立旋盤等の工作機におけるパレット交換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
立旋盤等の立型工作機に適したパレット交換装置として、工作機本体の加工ステーションの前部に設置され、左右方向に一定のストロークで往復移動するように構成したいわゆるシャトル型のパレット交換装置が従来から知られている(例えば、特許文献1参照。以下、「従来例1」と称する。)。
【0003】
従来例1のパレット交換装置は、図14及び図15に概略的に示すように、工作機本体の加工ステーションAの前方において油圧シリンダーの作用により左右方向に往復移動する台車1が設けられ、その台車1上に左右一対の作業台2a、2bが設けられる。
各作業台2a、2bには、搬入出装置4a、4bが設けられる。これら搬入出装置4a、4bは、各作業台2a、2bに搭載されたパレット3a、3bをそれぞれ個別にワークとともに加工ステーションAに搬出し、又は加工済みのワークとともにそのパレット3a、3bを作業台2a、2b上に搬入する作用を行う。図14(a)は、パレット3bが加工ステーションAに搬出され、ワークが加工状態にあることを示している。
【0004】
加工ステーションAの前方には前記の台車1を挟んで芯出し回転装置5が固定され、その芯出し回転装置5が前記各作業台2a、2bと対向した際に、クラッチ6の作用によって両者が個別に結合される。その結合によって、作業台2a、2b上のワークがパレット3a、3bとともに回転され、その回転に伴う芯振れを検出してワークの位置を調整する芯出し作業が行われる。
【0005】
前記の装置は、図14(a)に示したように、加工ステーションAの前方位置を搬入出ステーションB、台車1が左移動した場合の作業台2aの位置(同図の二点鎖線参照)を第一段取りステーションC1、右移動した場合の作業台2bの位置を第二段取りステーションC2と称する。
【0006】
いま、一方のワークがパレット3bとともに加工ステーションAに搬出され加工状態にあるとき、他方のワークは搬入出ステーションBの作業台2a上のパレット3aに保持され、芯出し回転装置5との結合により回転されワークの芯出し作業が行われる。芯出し作業が終了すると、台車1を左移動させる(図14(a)の左向き矢印参照)。
次に、図14(b)のように、台車1を左移動させ空き状態にある他方の作業台2bが搬入出ステーションBにある位置に台車1を停止させる。その作業台2b上の搬入出装置4bを駆動して加工済みワークをパレット3bとともにその作業台車2b上に搬入させる。このとき、作業台2aは第一段取りステーションC1に移動し待機状態にある。加工済みワークの搬入が終了すると、台車1を右向き矢印で示したように右移動させる。
次に、図15(c)のように、第二段取りステーションC2にある作業台2bのパレット3b上から加工済みワークを取り除き、新たなワークを搭載する作業を行う。また、搬入出ステーションBにおいては、作業台2a上のパレット3aとそれに保持された未加工のワークを搬入出装置4aにより加工ステーションAに搬出する。その後、台車1を左移動させる。
次に、図15(d)のように、搬入出ステーションBにおいて、芯出し回転装置5により作業台車2b上の未加工ワークの芯出し作業を行う。以後同様の作業を繰り返す。
前記従来例1のほかに、シャトル型のパレット交換装置において、ワークの搬入出装置を加工ステーションの前方に設置したものも従来から知られている(特許文献2参照。以下、「従来例2」と称する。)。
従来例2のパレット交換装置においては、工作機本体の加工ステーションの前方において、左右方向に往復移動する台車上の右側に段取り部、左側に受取部が設けられる。前記の台車を挟んで加工ステーションの前方に搬入出装置が設置される。段取り部と受取部には、それぞれパレット移動機構が設けられる。各パレット移動機構は台車上で90度の旋回が可能となっている。また、段取り部は芯出し回転装置を備えている。
前記のパレット交換装置は、台車が右移動した状態において、段取り部で段取り作業(芯出し作業を含む。)が行われ、また受取部では加工ステーションにあるパレットに係合された係合部材を前記搬入出装置の作動によって後退させることにより、加工済みワークを受け取る。加工済みワークを受け取ったのち台車を左移動させる。加工済みワークが左移動した受取部上に待機している間に、段取り部の未加工ワークを加工ステーションに搬出させる。
加工ステーションにおける加工中に台車を右移動するとともに、台車上の段取り部と受取部の各パレット移動機構を90度回転させ、左右方向に連続したガイドを形成する。受取部上の前記加工済みワークを一時的に拘束し、台車のみを左移動させる作業、即ち「摺り換え作業」を行う。
なお、段取り部と受取部の各パレット移動機構を90度支障なく回転させるために、搬入出装置の係合部材は受取部の外に後退した位置に退避させておく必要がある。
前記の摺り換え作業によって、加工済みワークが前記のガイド上を相対的に移行して右側の段取り部に移る。その後、加工済みワークの拘束を解除し、その加工済みワークとともに台車を右移動したのち、右側段取り部において加工済みワークを取り外し、未加工ワークの搭載、芯出し等の段取り作業を行う。その後、段取り部と受取部の各パレット移動機構を逆方向に90度回転させ元の状態に戻す。以下、同様の作用を繰り返す。
【特許文献1】特開昭62−292342号公報(第1実施例、図1から図5参照)
【特許文献2】特開2007−38348号公報(図1から図3参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記の従来例1は、芯出し回転装置5が両方の作業台2a、2bに共通に使用されるため、芯出し回転装置5の設置位置は両方の作業台2a、2bが停止する同一位置、すなわち、加工ステーションAの前方の搬入出ステーションBの位置に限られる。
【0008】
しかし、前記搬入出ステーションBにおいて芯出し作業を行う場合、加工ステーションAにおける加工時間が作業台2a、2b上での段取り時間に比べ相当長時間であるときは各別問題とならないが、加工時間が短い場合は、加工済みワークを加工ステーションAから作業台2a、2b上へ搬入するタイミングを芯出し作業が終了するまで待つ必要があり、その待ち時間だけパレット3a、3bの交換速度が低下する問題がある。
【0009】
また、前記搬入出ステーションBにおいて芯出し作業を行う場合、加工ステーションAの前面であることからスペース的な制限を受け、芯出しの作業性に影響を及ぼす問題もある。
【0010】
一方、前記従来例2の場合は、搬入出装置が加工ステーションの前方に設けられている点で一応前記の問題が解消されている。しかし、前述の摺り換え作業を行う際に、搬入出装置の係合部は受取部の外に後退した位置に退避していなければならない。このため、次の段階で加工済みワークを搬入するに際して、係合部は受取部の全長を移動して加工ステーションまで移動する必要がある。その移動ストロークの長さがパレット交換速度を低下させる要因となっている。
【0011】
そこで、この発明は、シャトル型のパレット交換装置において、加工完了後は待ち時間なくワークを搬入できるようにすること、及び搬入出装置の係合部の移動ストロークを短縮すること等によりパレットの交換速度の高速化を図ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記の課題を解決するために、この発明は、工作機本体11の加工ステーションAの前部に設定された搬入出ステーションBを基点として、その左右両側に設定された第一及び第二段取りステーションC1、C2の間を一定ストロークSで往復移動する台車14、前記台車14上に前記ストロークSの間隔で配置され、それぞれパレット17a、17bを着脱可能に搭載した第一及び第二パレット移載装置15a、15b、前記搬入出ステーションBにおいてパレット17a、17bをワークWとともに前記パレット移載装置15a、15bから加工ステーションAに搬出し、加工ステーションAからパレット移載装置15a、15bに搬入するパレット搬入出装置16を備え、前記パレット搬入出装置16が前記パレット17a、17bに係合して進退するフック部材62を有する工作機のパレット交換装置において、前記フック部材62が、前記パレット搬入出装置16上にある後退位置(イ)、その先端のフック65が前記加工ステーションA内に臨んだ前進位置(ロ)、前記前進位置(ロ)から加工ステーションAの直前に後退した待機位置(ハ)の3個所において停止位置をもつよう進退する構成としたものである。
【0013】
前記構成のパレット交換装置の作用の説明を、図12及び図13に基づいて説明する。図12(a)に示した初期状態においては、台車14が左移動し、第一パレット移載装置15aが搬入出ステーションBに、第二パレット移載装置15bが第一段取りステーションC1にそれぞれ移行し、パレット17aが加工済みワーク(図示省略)とともに加工ステーションAから第一パレット移載装置15a上に搬入され、第二パレット移載装置15bのパレット17bに未加工のワークが搭載された状態にある。パレット搬入出装置16のフック部材62は後退位置(イ)にあってパレット17aに係合している。
【0014】
前記の初期状態において、パレット17aをクランプする等してパレット17aに対するフック部材62の係合を外したのち、台車14を右移動させ、第一パレット移載装置15aを第二段取りステーションC2に、第二パレット移載装置15bを搬入出ステーションBに移行させる(図12(b)参照)。
搬入出ステーションBにおいては、パレット17bのクランプを解除する等してパレット17bをフック部材62に係合させ、パレット搬入出装置16の駆動によって未加工ワークをパレット17bとともに加工ステーションAに搬出させる。フック部材62はその先端部が加工ステーションA内に臨む前進位置(ロ)に達する(図12(c)参照)。その後、フック部材62を加工ステーションAのシャッター65の直前まで後退した待機位置(ハ)に停止させる(図12(d)参照)。
【0015】
次に、加工ステーションAのシャッター19を閉鎖したのち加工を開始する。その間第二段取りステーションC2においてはワークの積み替え等の段取り作業が行われる(図13(e)参照)。加工完了後、パレット搬入出装置16を駆動してフック部材62を待機位置(ハ)から前進位置(ロ)まで前進させる(図13(f)参照)。フック部材62をパレット17bに係合させ、加工済みワークをパレット17bとともに搬入出ステーションBに搬入させる(図13(g)参照)。その後台車14を左移動させ、第一段取りステーションC1において、第二パレット移載装置15b上のワークの積み替え等の段取り作業が行われる(図13(h)参照)。以下、同様の作業を繰り返す。
【0016】
以上の説明から明らかなように、加工ステーションAにおける加工中は搬入出ステーションBにある第一又は第二パレット移載装置15a、15bが常に待ち受け状態にある(図13(e)参照)。したがって、加工完了後のワークをパレットとともに待ち時間なく搬入出ステーションBに搬入させることができる。また、加工中は、フック部材62が加工ステーションAのシャッター19直前の待機位置(ハ)にあるので、シャッター19の開閉に支障がなく、かつ加工完了後は、加工済みワークの搬入のために最短ストロークでフック部材62の先端部を加工ステーションAに進めパレット17a、17bに係合させることができる。
また、段取り作業は周囲に十分の余裕がある第一又は第二段取りステーションC1、C2においてのみ行われるので、作業性が良好である。
【0017】
ワークの形状、チャックの機能等によって、ワークのパレットに対する芯出し作業が必要となる場合は、第一及び第二パレット移載装置15a、15bに芯出し回転機構35を設ける。この構成によれば、第一及び第二段取りステーションC1、C2において芯出し作業を行うことができるので、搬入出ステーションBにおいて芯出し作業を行うことはない。
前記搬入出ステーションBの加工ステーションAに対向した部分にブリッジ装置74を設けることができる。ブリッジ装置74は、前記搬入出ステーションBと加工ステーションAの間に進退自在に掛け渡すブリッジアーム77を有し、パレット17a、17bの搬入・搬出時に前記ブリッジアーム77を加工ステーションAの方向に進出させ(図12(c)、図13(f)参照)、加工時には加工ステーションAのシャッター19の外まで後退させる。これによって、シャッター19の開閉に支障を来すことがなく、かつパレット17a、17bの加工ステーションAと搬入出ステーションBの間の移行を円滑かつ安全に行うことができる。
【発明の効果】
【0018】
以上のように、この発明によれば、加工ステーションAにおける加工中は、フック部材62が加工ステーションAの直前の待機位置(ハ)にあるので、加工完了後、最短ストロークでフック部材62の先端部を加工ステーションAに進めることができる。このため、パレットの交換速度を短縮することができる。
【0019】
段取り作業は、第一及び第二段取りステーションC1、C2において行われ、搬入出ステーションBにおいて段取り作業を行うことがないので、加工完了後のワークを遅滞なく搬入出ステーションBに搬入させることができる。このため、パレットの交換速度を短縮することができ、また、段取り作業の作業性も向上する。
加工ステーションAと搬入出ステーションBとの間にある程度の隙間があっても、ブリッジ装置74のブリッジアーム77により、パレット17a、17bの移行を円滑かつ安全に行うことができ、また、そのブリッジアーム77の進退により加工ステーションAのシャッター19の開閉に支障を来すことがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、この発明の実施形態を添付の図1から図11に基づいて説明する。実施形態のパレット交換装置は、図1に示したように、立旋盤等の工作機本体11の加工ステーションAの前方に設置されたベッド12、そのベッド12上に敷設された複数のガイドレール13、そのガイドレール13上に直線案内ユニット22(図2、図3参照)を介して左右方向に一定ストロークSで移動するように設置された台車14、台車14上の移動方向に前記ストロークSの間隔をおいて設置された一対のパレット移載装置15a、15b、及び前記加工ステーションAの前方においてベッド12を挟んで対向状態に固定されたパレット搬入出装置16により構成される。
前記各パレット移載装置15a、15bにパレット17a、17bがそれぞれ着脱可能に搭載される。各パレット17a、17bにそれぞれワークWがチャック20(図2参照)により固定される。
加工ステーションAは、前記パレット交換装置に対向した前面が開放され、内部に回転テーブル18が設けられる。前記開放面に上下方向に開閉するシャッター19が取り付けられる。回転テーブル18上にクランプ板21が設けられる。シャッター19は加工ステーションAにおける加工中は閉鎖され、パレット17a、17bの搬入・搬出が行われるパレット交換中は開放される。
前記台車14の駆動装置はベッド12上に設けられた油圧シリンダー23により構成される。また、台車14のストロークSの両端においてこれを停止させるためのストッパー24a、24bがベッド12上に設けられる。
前記第一及び第二パレット移載装置15a、15bは、図1に示したように、台車14が左移動して左側のストッパー24bに当たって停止した状態において、右側の第一パレット移載装置15aのセンターが加工ステーションAのセンターと一致する。この場合の第一パレット移載装置15aの停止位置を搬入出ステーションBと称し、そのとき左側にある第二パレット移載装置15bの位置を第一段取りステーションC1と称する。
台車14が右移動して右側のストッパー24aに当たって停止した状態において、左側の第二パレット移載装置15bが加工ステーションAのセンターと一致する。この場合の第一パレット移載装置15aの位置を第二段取りステーションC2と称する(図1の二点鎖線参照)。このように台車14は、搬入出ステーションBを基点として、その左右両側に設定された第一及び第二の段取りステーションC1、C2の間を一定ストロークSで往復移動する。
前記の各パレット移載装置15a、15bは同一構造であるので、以下第一パレット移載装置15aを中心に説明し、第二パレット移載装置15bについては同一符号を付して示すに留める。
図2に示したように、パレット移載装置15aは、台車14に取り付けられた基台25、その基台25上に設置された円板形のテーブル26、そのテーブル26上に設置されたクランプ板27とから構成される組立体と、前記クランプ板27に一方向にスライド可能に搭載されたパレット17a(他方のパレット移載装置15bに搭載されるパレットは符号17bで示す。)とから構成される。
【0021】
前記の基台25は、水平方向及び垂直方向への調節が可能なねじ構造をもった連結調節手段28によって台車14に固定される。
テーブル26は、その中心穴36(図4参照)に基台25の上端中心部から上向きに突き出した支持軸29が貫通され、スラスト軸受30、ラジアル軸受31を介して水平面内で回転自在に支持される。前記テーブル26の下端面の同芯円の位置に環状歯車32が設けられ、基台25上に設置されたピニオン33と前記の環状歯車32が噛み合う。ピニオン33は軸受33aを介して基台25に設置された油圧モータ34によって駆動される。
前記の油圧モータ34、ピニオン33、環状歯車32等は、パレット17a上に搭載されたワークWの芯出し回転機構35を構成する。
テーブル26の中心穴36の周りおける等角度の同一半径上の4か所にクランプ用の油圧シリンダー37が設けられる。これらの油圧シリンダー37は、テーブル26上に設置されたクランプ板27の下方に設けられ、そのピストンロッド42がクランプ板27に固定される。
また、各油圧シリンダー37の外側にそれぞれ位置決めピン38と高さ規制ピン39が相互に接近して一対づつ上向きに突設される。これらの位置決めピン38及び高さ規制ピン39の位置は、平面視でクランプ板27の外側となる位置に設定され(図1、図4参照)、後述のように、パレット17aのクランプ時の位置と高さを規制する。
前記の高さ規制ピン39には、その中心にエアー通路41(図5参照)が貫通され、クランプの際にそのピン39が当接するパレット17aの下面にエアーを噴射し、クリーニングを行う。当接面にゴミ等が付着することにより、パレット17aの高さが不正確となる事態を防止するものである。
図1に示したように、前記のクランプ板27は、全体として長方形の板状のものであり、前記テーブル26と同心状態に配置され、その長さ方向が前記台車14の移動方向と直交する向きとなるように設置される。クランプ板27は油圧シリンダー37の作用によって、上下方向に一定のクランプストロークh(図3、図5参照)だけ作動され、後述のように、パレット17aのクランプとアンクランプの作用を行う。
前記各油圧シリンダー37への油圧の供給のために、前記支持軸29に設けられた油圧系統37aに外部の油圧ホースが接続される(図4の矢印a参照)また、支持軸29の中心部に設けたエアー系統44に外部のエアーホースが接続される(図4の矢印c参照)が接続される。
テーブル26の中心穴36の上端において、前記支持軸29の周りに嵌合された回転分配ジョイント45が取り付けられる。また、回転分配ジョイント45の上端から露出した支持軸29の上端面に固定分配ジョイント46が取り付けられる。
前記回転分配ジョイン45に前記油圧系統37aに連通した分配通路が設けられ、その分配通路を経て各油圧シリンダー37に油圧が分配される(図4の矢印b参照)。また、前記回転分配ジョイント45に前記固定分配ジョイント46に連通した分配通路が設けられ、その分配通路から各高さ規制ピン39のエアー通路41に圧縮エアーが分配される(図4の矢印d参照)。
前記クランプ板27は、図6(a)(b)に示したように、全体として長方形をなし、前記テーブル26の直径より若干小さい長辺と、その約半分の長さの短辺を有する。その長辺が前記パレット移載装置15a、15bの移動方向と直交する向きとなるよう前記テーブル26上に同芯状態に載置される。
【0022】
前記クランプ板27の上面において、その両短辺の中間に開放されるフックガイド溝47が設けられる。フックガイド溝47に沿って左右にガイド部材48、48が取り付けられ、これらの部材48、48によってガイド溝47にアンダーカット部分48a(図6(b)参照)が形成される。
前記フックガイド溝47のパレット搬入出装置16側の端部において、フックガイド溝47を延長するフックガイド補助部材47aが突設される。フックガイド補助部材47aは、前記のフックガイド溝47と同一断面の補助ガイド溝47bを有する。
【0023】
前記クランプ板27の長辺側の両側面に、一定の間隔をおいて、水平軸に支持された水平軸ガイドローラ49、垂直軸に支持された垂直軸ガイドローラ51が所要数設けられる。これらのガイドローラ49、51によって、クランプ板27の両側面においてパレットガイド部40が構成される。また、その両側面において、各側面から外側方へ突き出したクランプ片52が各側面に2か所づつ設けられる。クランプ片52は、後述のように、パレット17aの一部と係合してパレット17aをクランプするものである。
【0024】
次に、パレット搬入出装置16について説明する。パレット搬入出装置16は、図1に示したように、ベッド12を挟んで加工ステーションAと対向した位置に設置され、基台53(図7参照)に連結調節手段50を介して装置本体59が設けられる。図7に示したように、装置本体59の内部に駆動部54が設けられる。駆動部54は、駆動モータ55と、その駆動モータ55によって回転されるスプロケット60と、そのスプロケット60に係合された有端のローラチェン61とによって構成される。
【0025】
ローラチェン61を支持するガイドレール58は、上端部が前記スプロケット60の上方において水平に固定され、また下端部が駆動モータ55の下方において水平に固定される。上端部と下端部の間はS字状に屈曲され、駆動部54のコンパクト化を図っている。ガイドレール58の上端部分においてスプロケット60の一部が露出し、その露出部分にローラチェン61が係合される。
【0026】
ガイドレール58の上端部の先端にガイド部材57の一端部が連結される。ガイド部材57は、ケーシング59の上端部から加工ステーションA方向に水平状態に突き出す。ガイド部材57は、前記クラッチ板27のガイド溝47(図6参照)及びフックガイド補助部材47aの補助ガイド溝47bと同一の断面形状のガイド溝56を有する。
【0027】
前記のガイド部材57は、搬入出ステーションBに第一又は第二パレット移載装置15a、15bが停止した際に、前記のフックガイド補助部材47aの先端に合致する。これにより、パレット搬入出装置16のガイド溝56からフックガイド補助部材47aの補助ガイド溝47bを経て、第一又は第二パレット移載装置15a、15bのフックガイド溝47の終端(加工ステーションA側の端部)に至る一直線の統合ガイド溝66(図1参照)が形成される。統合ガイド溝66は全長にわたり、前記フックガイド溝47の断面形状(図6(b)参照)と同様のアンダーカット部48aをもった溝に形成される。
【0028】
前記のローラチェン61の先端にフック部材62が連結される。フック部材62は、ガイド部材57の長さと同程度の長さを有し、前記ガイド溝56のアンダーカット部の内側に嵌合される左右、前後一対の水平軸ガイドローラ63及び溝開口部に嵌合される4個の垂直軸ガイドローラ64によって走行可能に支持される。フック部材62の先端部に下向きに屈曲した逆L字形の係合フック65が設けられる。係合フック65の高さは、前記統合ガイド溝66を走行するいずれの部分においても一定高さに維持される。
【0029】
フック部材62は、前記の統合ガイド溝66にガイドされて進退するので、パレット17aを安定よく移行させることができる。
【0030】
前記パレット搬入出装置16のケーシング59は、連結バー70によって前記ベッド12と連結される(図3及び図7参照)。
【0031】
次に、前記のパレット17は、図5に示したように、その底面にクランプ板27に対しスライド自在に嵌合する嵌合溝67が設けられ、その両側部にクランプ溝72が設けられる。クランプ溝72にクランプ板27の前記クランプ片52が嵌合される。油圧シリンダー37の作動によってクランプ板27を引き下げたときに、前記クランプ片52によってパレット17aを所要のクランプストロークh(図3、図5参照)だけ引き下げ、パレット17aをクランプする。
【0032】
パレット17aがクランプされた際、前記の高さ規制ピン39がパレット17aの底面に当たって高さが規制され、また、位置決めピン39が位置決め凹部68に嵌合されることにより、テーブル26に対するパレット17aの位置が定められる。
【0033】
パレット17a底面の前記パレット搬入出装置16側の端部において、前記フックガイド補助部材47a上に重なる係合板69が水平に突き出して設けられる(図3参照)。係合板69の上面に係合凹部71が設けられ、前記フック部材62の係合フック65がその係合凹部71に係脱できるようになっている。
係合フック65の高さは一定不変であるので、パレット17aがクランプされる際に前記のクランプストロークhだけ下降することにより係合フック65が係合凹部71から外れ、逆に、アンクランプされる際にクランプストロークhだけ上昇することにより係合凹部71に係合される。図3は、パレット17aがアンクランプ状態にあり、係合フック65に係合凹部71が係合された状態を示している。
前記のパレット17a上部にチャック20が設けられる。ワークWをチャッキングする爪は、3個所の爪を連動させる三つ爪型と、4個所の爪を個別に作動させる四つ爪型のものがあり、四つ爪型はワークが非円形の場合に使用される。三つ爪型の場合は、三つの爪が連動することによりワークWのパレット17aに対する芯出しがチャッキングと同時に行われるので、改めて芯出し作業をする必要はないが、四つ爪型の場合は、四つの爪が個別に作動されるので芯出し機能をもたない。したがって、別途芯出し作業が必要となる。図示の実施例においては、四つ爪型の場合を示している。
【0034】
次に、搬入出ステーションBの加工ステーションAのシャッター19に面した部分に設けられた左右一対のブリッジ装置74について説明する(図1、図3)。ブリッジ装置74は、ベッド12に固定された基台75と基台75上に水平方向の軸76により揺動自在に支持されたブリッジアーム77及び油圧シリンダー78とから構成される。
ブリッジアーム77には、ガイドローラ79が設けられ、油圧シリンダー78の作動によってパレット17aの搬入出高さの位置で水平状態に延び出す(図3参照)。その延び出しによる前進位置は、シャッター19の厚さ方向の中間部分程度である。
前記ブリッジアーム77は、パレット17aが搬入出ステーションBと加工ステーションAの間を移動する場合に延び出し、パレット17aの底面を支持し、その安定な移行を確保する。
加工ステーションAにおいてワークの加工中はシャッター19が閉鎖されるので、その閉鎖の支障となるのを避けるため、ブリッジアーム77は油圧シリンダー78の作動によって回動し、図9に示したようにシャッター19の前面に後退する。
【0035】
次に、工作機本体11の加工ステーションAにおける関連部分について説明する。図8及び図9に示したように、加工ステーションAの前述の回転テーブル18上に、長方形のクランプ板21が同芯状態に取り付けられる。クランプ板21は、その長辺方向の中心線が、搬入出ステーションB上のパレット移載装置15aの統合ガイド溝66の中心線と一致する(図1参照)。クランプ板21の左右両側縁に所定の間隔をおいて水平軸に支持されたガイドローラ80が所要数設けられる。また、そのガイドローラ80より外方に突き出したクランプ片81が設けられる。
【0036】
また、前記クランプ板21と、その下方の回転テーブル18との間に、クランプ用の油圧シリンダー82が介在され、そのピストンロッド83がクランプ板21に固定される。この油圧シリンダー82は、中心点の周りの等角度、等半径の位置に設けられる。
【0037】
また、前記クランプ板12の外側において、回転テーブル18に位置決めピン84と高さ規制ピン85の対が左右2か所づつ、合計4か所に設けられる。
クランプ板12と回転テーブル18の中心に貫通穴86が設けられ(図9参照)、その貫通穴86に高さ検知ロッド87が貫通され、その上端がクランプ板12に固定される。
【0038】
その他、図9において、88は回転テーブル18とパレット17aとの間に介在されたシール部材、89は油圧系統、90は環状歯車、91は駆動源のピニオンである。回転テーブル88は、ピニオン91に噛み合った環状歯車90を介して回転される。
【0039】
図10及び図11は、前記のパレット交換装置に設けられるオイルパン92を概略的に示す。オイルパン92は、第一及び第二パレット移載装置15a、15bの前面(パレット搬入出装置16側の面)、左右両側面の3面と、各パレット移載装置15a、15bの周りを囲む底面とによって構成され、その底面部分において各パレット装置15a、15bと一体化される。工作機本体11側の面は開放される。
【0040】
前記のオイルパン92は、加工ステーションAにおける切削油がワークWや、パレット17a、17bに付着したままパレット移載装置15a、15bに搬入された際、これらの装置15a、15bの周辺に切削油が飛散することを防止するために設けられる。オイルパン92上に落下した切削油はオイルパン92の工作機本体11側の開放部分から外部に排出される。
【0041】
実施形態のパレット交換装置は以上のようなものであり、次にその作用について説明する。
【0042】
図1は、台車14が左移動して左方のストッパー24bに当って停止した状態にあり、加工ステーションAから加工済みワークWをパレット17aとともに搬入出ステーションB上の第一パレット移載装置15a上に搬入し、かつパレット17aがアンクランプ状態にある場合を示している。第二パレット移載装置15bは第一段取りステーションC1において段取り状態にある。
また、パレット移載装置15a、15bには、それぞれパレット17a、17bが搭載され、各パレット17a、17bには、それぞれワークWがチャック20(図2参照)により固定されている。
第二パレット移載装置15bにおける前記の段取り作業において、芯出し回転機構35が作動され、芯出し作業が行われる。このとき、加工ステーションAは空き状態(パレットのない状態)にあり、シャッター19は開放されている。
【0043】
上記装置の作用の概要を、図12(a)から(d)、図13(e)から(h)の作用図を参照しながら説明する。図1の状態は、図12(a)に示した初期状態に相当する。この状態においては、パレット17aはアンクランプ状態にあり、また、パレット搬入出装置16のフック部材62は後退位置(イ)にある。第二パレット移載装置15bにおいては芯出し回転機構35によってパレット17bの芯出し作業が完了した状態にある。パレット17aの係合凹部71は係合フック65から外れているので、台車14を右移動させることができる。
台車14を右移動させ、第一パレット移載装置15aを第二段取りステーションC2に、第二パレット移載装置15bを搬入出ステーションBに位置させる(図12(b)参照)。第二パレット移載装置15bのパレット17bがクランプされ、フック部材62の係合フック65にパレット17bの係合凹部71が係合される。これと同時に左右のブリッジ装置74が起動され、ブリッジアーム77が加工ステーションAの方向に水平状態に延び出す。その後、パレット搬入出装置16によってフック部材62が前進され、未加工ワークがパレット17bとともに加工ステーションAに搬出される(図12(c)参照)。
パレット17bは、搬入出ステーションBと加工ステーションAとの間隔部分を、前記ブリッジアーム77に支持されながら移動し、加工ステーションAに達する。この位置がフック部材62の前進位置(ロ)である。
次に、工作機本体11の制御装置において、油圧シリンダー82(図9参照)を駆動して、クランプ板21及びその上のパレット17bを回転テーブル18に対しクランプさせる。
【0044】
パレット17bが前記のクランプによって下降することにより、係合フック65がパレット17b側の係合凹部71から外れる(図3の二点鎖線参照)。前記のクランプを所定の検知手段により検知すると、パレット搬入出装置16を一時的に駆動して、フック部材62をシャッター19の前面の待機位置(ハ)まで後退させる(図12(d)参照)。
【0045】
次に、加工ステーションAのシャッター19を閉鎖したのち加工を開始する(図13(e)参照)。その間第二段取りステーションC2においてはワークの積み替え、芯出し作業等の段取り作業が行われる。
【0046】
加工完了後、シャッター19を開放し、パレット搬入出装置16を駆動してフック部材62を前記の待機位置(ハ)から前進させる。同時にブリッジ装置74を起動してブリッジアーム77を前進させる(図13(f)参照)。フック部材62が前進位置(ロ)に達した状態において、パレット17bのクランプを解除することにより、パレット17bの係合凹部71を係合フック65に係合させる。この場合、フック部材62は、待機位置(ハ)から前進位置(ロ)まで移行するだけであるから、後退位置(イ)から前進位置(ロ)まで移行する場合に比べ、移行ストロークが短縮される。
【0047】
次に、フック部材62を後退位置(イ)まで移動させ、加工済みワークをパレット17bとともに搬入出ステーションBに搬入させる(図13(g)参照)。その後台車14を左移動させ、第一段取りステーションC1において、第二パレット移載装置15b上のワークの積み替え、芯出し作業等の段取り作業が行われる(図13(h)参照)。以下、同様のサイクルを繰り返す。
なお、ワークWが円形の場合は三つ爪型のチャックを使用する。この場合は、チャック自身が芯出し機能を持っているので芯出し作業は不要である。したがって、芯出し回転機構35を起動させる必要はない。
【0048】
この実施形態における芯出し作業は、第一段取りステーションC1と第二段取りステーションC2において行われ、加工ステーションAの前方のパレット搬入出ステーションBにおいて芯出し作業を行うことはない。このため、加工完了後は、ワークWを遅滞なく搬入出ステーションBに搬入させることができ、次の加工に備えることができる。
【0049】
また、第一及び第二段取りステーションC1、C2は、加工ステーションAとパレット搬入出装置16から離れた位置であるので、芯出し作業のためのスペースを十分とることができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】実施形態の平面図
【図2】同上の正面図
【図3】同上の拡大側面図
【図4】同上のパレット移載装置の部分断面図
【図5】同上のパレット移載装置のパレット部分の断面図
【図6】(a)は同上のクランプ板の一部省略平面図、(b)は(a)図のX−X線の断面図
【図7】同上のパレット搬入出装置の断面図
【図8】同上の工作機本体の一部省略平面図
【図9】図8のY−Y線の断面図
【図10】同上のオイルパンの説明のための平面図
【図11】同上のオイルパンの説明のための正面図
【図12】(a)から(d)は、作用説明図
【図13】(e)から(h)は、作用説明図
【図14】(a)(b)は、従来例1の作用説明図
【図15】(c)(d)は、従来例1の作用説明図
【符号の説明】
【0051】
A 加工ステーション
B 搬入出ステーション
C1 第一段取りステーション
C2 第二段取りステーション
11 工作機本体
12 ベッド
13 ガイドレール
14 台車
15a 第一パレット移載装置
15b 第二パレット移載装置
16 パレット搬入出装置
17a、17b パレット
18 回転テーブル
19 シャッター
20 チャック
21 クランプ板
22 直線案内ユニット
23 油圧シリンダー
24a、24b ストッパー
25 基台
26 テーブル
27 クランプ板
28 連結調節手段
29 支持軸
30 スラスト軸受
31 ラジアル軸受
32 環状歯車
33 ピニオン歯車
33a 軸受
34 油圧モータ
35 芯出し回転機構
36 中心穴
37 油圧シリンダー
37a 油圧系統
38 位置決めピン
39 高さ規制ピン
40 パレットガイド部
41 エアー通路
42 ピストンロッド
43 ピストン
44 エアー系統
45 回転分配ジョイント
46 固定分配ジョイント
47 フックガイド溝
47a フックガイド補助部材
47b 補助ガイド溝
48 ガイド部材
48a アンダーカット部
49 水平軸ガイドローラ
50 連結調整手段
51 垂直軸ガイドローラ
52 クランプ片
53 基台
54 駆動部
55 駆動モータ
56 ガイド溝
57 ガイド部材
58 ガイドレール
59 装置本体
60 スプロケット
61 ローラチェン
62 フック部材
63 水平軸ガイドローラ
64 垂直軸ガイドローラ
65 係合フック
66 統合ガイド溝
67 嵌合溝
68 位置決め凹部
69 係合板
70 連結バー
71 係合凹部
73 クランプ溝
74 ブリッジ装置
75 基台
76 軸
77 ブリッジアーム
78 油圧シリンダー
79 ガイドローラ
80 ガイドローラ
81 クランプ片
82 油圧シリンダー
83 ピストンロッド
84 位置決めピン
85 高さ規制ピン
86 貫通穴
87 検知ロッド
88 シール部材
89 油圧系統
90 環状歯車
91 ピニオン
92 オイルパン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
工作機本体(11)の加工ステーション(A)の前部に設定された搬入出ステーション(B)を基点として、その左右両側に設定された第一及び第二段取りステーション(C1、C2)の間を一定ストローク(S)で往復移動する台車(14)、
前記台車(14)上に前記ストローク(S)の間隔で配置され、それぞれパレット(17a、17b)を着脱可能に搭載した第一及び第二パレット移載装置(15a、15b)、
前記搬入出ステーション(B)においてパレット(17a、17b)をワーク(W)とともに前記パレット移載装置(15a、15b)から加工ステーション(A)に搬出し、加工ステーション(A)からパレット移載装置(15a、15b)に搬入するパレット搬入出装置(16)を備え、
前記パレット搬入出装置(16)が前記パレット(17a、17b)に係合して進退するフック部材(62)を有する工作機のパレット交換装置において、
前記フック部材(62)が、前記パレット搬入出装置(16)上にある後退位置(イ)、その先端のフック(65)が前記加工ステーション(A)内に臨んだ前進位置(ロ)、前記前進位置(ロ)から加工ステーション(A)の直前に後退した待機位置(ハ)の3個所において停止位置をもつよう進退することを特徴とする工作機におけるパレット交換装置。
【請求項2】
前記の待機位置(ハ)は、加工ステーション(A)を開閉するシャッター(19)の直前であることを特徴とする請求項1に記載の工作機におけるパレット交換装置。
【請求項3】
前記フック部材(62)は、加工ステーション(A)にワーク(W)を搬出したのち、前記ワーク(W)の搬入を開始するまでの間、前記の待機位置(ロ)に停止することを特徴とする請求項1又は2に記載の工作機におけるパレット交換装置。
【請求項4】
前記各パレット移載装置(15a、15b)にそれぞれ芯出し回転機構(35)を設けたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の工作機におけるパレット交換装置。
【請求項5】
前記各パレット移載装置(15a、15b)は、基台(25)上に回転自在に支持されたテーブル(26)と、そのテーブル(26)上にクランプストローク(h)だけ上下動可能に設置されたクランプ板(27)を備え、
前記クランプ板(27)は、各パレット移載装置(15a、15b)の移動方向と直交する方向のフックガイド溝(47)と、そのフックガイド溝(47)を挟んで両側に設けられたパレットガイド部(40)と、そのパレットガイド部(40)より外方に突き出したクランプ片(52)を有し、
前記テーブル(26)とクランプ板(27)の間にそのクランプ板(27)を上下方向に作動させる油圧シリンダー(37)等によるクランプ装置を設けたことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の工作機におけるパレット交換装置。
【請求項6】
前記パレット(17a、17b)の上面にワーク(W)を固定するチャック(20)が設けられ、前記パレット(17a、17b)の下面に前記クランプ板(27)に対しスライド自在に嵌合するクランプ溝(72)が設けられ、前記クランプ溝(72)に前記クランプ板(27)のクランプ片(52)が嵌合されることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の工作機におけるパレット交換装置。
【請求項7】
前記テーブル(26)上にパレット(17a、17b)の位置決めピン(38)と高さ規制ピン(39)を設けたことを特徴とする請求項1から6のいずれか記載の工作機におけるパレット交換装置。
【請求項8】
前記クランプ板(27)のパレット搬入出装置(16)側の端部に、クランプ板(27)のフックガイド溝(47)と連通する補助ガイド溝(47b)を有するフックガイド補助部材(47a)が連結され、前記第一又は第二パレット移載装置(15a、15b)が搬入出ステーション(B)にあるときに、前記ガイド部材(57)のガイド溝(56)が前記補助ガイド溝(47b)を介してクランプ板(27)のフックガイド溝(47)と連通するように構成され、前記ガイド溝(56)、補助ガイド溝(47b)及びフックガイド溝(47)によって一直線状の統合ガイド溝(66)が形成されることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の工作機におけるパレット交換装置。
【請求項9】
前記搬入出ステーション(B)の加工ステーション(A)に対向した部分にブリッジ装置(74)が設けられ、前記ブリッジ装置(74)は前記搬入出ステーション(B)と加工ステーション(A)の間に進退自在に掛け渡すブリッジアーム(77)を有し、パレット(17a、17b)の搬入・搬出時に前記ブリッジアーム(77)を加工ステーション(A)の方向に進出させ、加工時には加工ステーション(A)の外部まで後退させることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の工作機におけるパレット交換装置。
【請求項10】
前記芯出し回転機構(35)は、前記第一及び第二パレット移載装置(15a、15b)が前記第一及び第二段取りステーション(C1、C2)にある場合においてのみ駆動されることを特徴とする請求項4から9のいずれかに記載の工作機におけるパレット交換装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−131718(P2010−131718A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−311011(P2008−311011)
【出願日】平成20年12月5日(2008.12.5)
【出願人】(508360062)ホンマ・マシナリー株式会社 (1)
【Fターム(参考)】