説明

工作用マット

【課題】 表面側には紙等をカッターナイフにより切断する際に使用するカッター用マット面部が形成されると共に裏面側は粘土細工を行う際に使用する粘土細工用マット面が形成された工作用マットにおいて、カッター用マット面部を使用する場合に、机の作業面に当接する粘土細工用マット面が滑る可能性がなく、安全にカッターにより被切断物の切断作業を行うことができる工作用マットを提供する。
【解決手段】
一側には紙等をカッターナイフにより切断する際に使用するカッター用マット面部が形成されると共に他側には粘土細工を行う際に使用する粘土細工用マット面部が形成された工作用マットであって、上記粘土細工用マット面部には滑り止め部が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工作用マットの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、小学校の低学年の授業等で使用される工作用マットとして、表面側には紙等をカッターナイフにより切断する際に使用するカッター用マット面部が形成されると共に、裏面側は粘土細工を行う際に使用する粘土細工用マット面が形成された工作用マットが使用されている。
【0003】
上記カッター用マット面は、ゴム等によりカッター刃を吸収できるように形成されていると共に、上記粘土細工用マット面は、ポリオレフィン系樹脂により平滑な滑りやすい表面を有し、使用時に粘土がマット面に付かないように形成されている(特許文献1)。
【0004】
このような工作用マットを、例えば、低学年の児童が使用する場合、カッター用マット面を使用してカッターで紙等を切断する場合、裏面側の粘土細工用マット面が滑りやすいことから、児童がカッターを使用した場合に、工作用マットそのものが机の天板上で滑ってしまい、カッターを使用している児童がカッターにより腕又は指等を損傷する可能性がある、という不具合があった。
【特許文献1】特開2000−129941号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明はこのような従来からの不具合を解決するためのものであって、その課題は、表面側には紙等をカッターナイフにより切断する際に使用するカッター用マット面部が形成されると共に裏面側は粘土細工を行う際に使用する粘土細工用マット面が形成された工作用マットにおいて、カッター用マット面部を使用する場合に、机の作業面に当接する粘土細工用マット面が滑る可能性がなく、安全にカッターにより被切断物の切断作業を行うことができる工作用マットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題達成のため、請求項1記載の発明にあっては、一側には紙等をカッターナイフにより切断する際に使用するカッター用マット面部が形成されると共に他側には粘土細工を行う際に使用する粘土細工用マット面部が形成された工作用マットであって、上記粘土細工用マット面部には滑り止め部が形成されていることを特徴とする。
【0007】
従って、請求項1記載の発明にあっては、カッター用マット面部を使用する場合に、机の作業面には粘土細工用マット面が当接するが、上記滑り止め部が形成されていることから、机の作業面上において工作用マットが滑ってしまうという事態を防止することができる。
【0008】
請求項2記載の発明にあっては、上記滑り止め部は合成樹脂製であることを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の発明にあっては、上記マット本体部は平面長方形状に形成され、上記滑り止め部は、マット本体部の周縁部に形成されていることを特徴とする。
【0010】
従って、請求項3記載の発明にあっては、カッター用マット面部を使用してカッターにより被切断物を切断する場合に、マット本体部にどの方向の力が作用した場合であっても、上記滑り止め部はマット本体部の周縁部に形成されていることから、いずれの方向への滑りの事態も防止することができる。
【0011】
請求項4記載の発明にあっては、上記滑り止め部は、マット本体部の周縁部全域に亘って形成されていることを特徴とする。
【0012】
従って、請求項4記載の発明にあっては、マット本体部の周縁部に形成されていることから、粘土細工用マット面部を使用する際の作業の邪魔になることがない。
【0013】
請求項5記載の発明にあっては、上記滑り止め部は、合成樹脂が塗布されて粘土工作用マット面部の一般面上にわずかに突出して形成され、多数の小さな平面上の凹凸部が形成されていることを特徴とする。
【0014】
従って、請求項5記載の発明にあっては、上記滑り止め部が粘土工作用マット面部の一般面上に僅かに突出して形成されると共に、多数の小さな凹凸部が形成されていることから、粘土用マットが載置されている机の作業面に対する、滑り止め部の当接面積を増大することができる。
【発明の効果】
【0015】
請求項1記載の発明に係る工作用マットにあっては、カッター用マット面部を使用する場合に、机の作業面には粘土細工用マット面部が当接するが、上記滑り止め部が形成されていることから、机の作業面上において工作用マットが滑ってしまうことがない。
【0016】
その結果、工作用マットの使用者である、例えば、児童がカッターを使用した場合に、工作用マットそのものが机の天板上で滑ってしまい、カッターを使用している児童がカッターにより腕又は指等を損傷する、という事態を有効に防止することができる。
【0017】
請求項2記載の発明にあっては、上記滑り止め部は合成樹脂製であることから、マット本体部に対して塗布等の手段により、容易かつ低コストで滑り止め部を形成することができる。
【0018】
請求項3記載の発明にあっては、上記マット本体部は平面長方形状に形成され、上記滑り止め部は、マット本体部の周縁部に形成されていることから、粘土細工用マット面部を使用する際の作業の邪魔になることがない。
【0019】
その結果、請求項3記載の発明にあっては、使用性と安全性を両立させうる作業用マットを提供することができる。
【0020】
請求項4記載の発明にあっては、上記滑り止め部は、マット本体部の周縁部全域に亘って形成されており、カッター用マット面部を使用してカッターにより被切断物を切断する場合に、マット本体部にどの方向の力が作用した場合であっても、いずれの方向への滑りの事態も防止することができるため、マット本体部が机の作業面上で滑ってしまう事態をより確実に防止することができる。
【0021】
請求項5記載の発明にあっては、上記滑り止め部は、合成樹脂が塗布されて粘土工作用マット面部の一般面上にわずかに突出して形成され、多数の小さな平面上の凹凸部が形成され、上記滑り止め部が粘土工作用マット面部の一般面上に僅かに突出して形成されると共に、多数の小さな凹凸部が形成されていることから、上記凹凸部が水平方向におけるストッパーとして有効に機能する。
【0022】
その結果、請求項5記載の発明にあっては、より確実に滑る事態を防止できる作業用マットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係る作業用マットの一実施の形態を示す平面図であって、カッターナイフ用マット面部を示す図である。
【図2】本発明に係る作業用マットの一実施の形態を示す平面図であって、粘土細工用マット面部を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づき、本発明を詳細に説明する。
図1及び図2に示すように、本実施の形態に係る作業用マット10にあっては、一側には紙等をカッターナイフにより切断する際に使用するカッター用マット面部11が形成されると共に他側には粘土細工を行う際に使用する粘土細工用マット面部12が形成されている。
本実施の形態に係る作業用マット10は、カッター用マット面部11は軟質PVC樹脂、粘土細工用マット面部12は皇室PVC樹脂を素材とし、全体として5層構造に形成されている。
【0025】
図1に示すように、カッター用マット面部11には1cm径の方眼目盛17が表示されている。また、所有者の名前を記すことができる名前欄18が隅部に形成されている。
【0026】
図2に示すように、上記粘土細工用マット面部12には滑り止め部13が形成されている。上記マット本体部14は平面長方形状に形成され、上記滑り止め部13は、マット本体部14の周縁部全域に亘って形成されている。
【0027】
本実施の形態にあっては、上記滑り止め部13は、合成樹脂が塗布されて粘土工作用マット面部の一般面15上にわずかに突出して形成され、多数の小さな平面上の凹凸部16が形成されている結果、上記滑り止め部13は、一般面15上において、全体として方形枠状に形成されている。また、滑り止め部13の表面には、微細な凹凸が形成されている。
【0028】
また、本面部にも、所有者の名前を記すことができる名前欄19が隅部に形成されており、この名前欄19も滑り止め部13と同一の素材により形成されているが、名前書き込み上の便宜の観点から表面は平滑に形成されている。
【0029】
従って、本実施の形態に係る作業用マット10のカッター用マット面部11を使用する場合には、粘土工作用マット面部12が、例えば、机の作業面に当接することとなる。
【0030】
この場合、本実施の形態に係る作業用マット10にあっては、上記のように上記粘土細工用マット面部12にはマット本体部15の周縁部全域に亘って、表面部に微細な凹凸が形成された滑り止め部13が形成されていることから、カッター用マット面部11を使用してカッターにより被切断物を切断する場合に、マット本体部14にどの方向の力が作用した場合であっても、いずれの方向への滑りの事態も防止することができる。
【0031】
また、上記滑り止め部13は、合成樹脂が塗布されて粘土工作用マット面部12の一般面15上にわずかに突出して形成され、多数の小さな平面上の凹凸部16が形成されていることから、上記凹凸部16が、載置面に対して水平方向におけるストッパーとして有効に機能する。
【0032】
その結果、作業用マット10が机の作業面上で滑ってしまう事態を確実に防止することができる。
【0033】
なお、本実施の形態にあっては、マット本体部14が平面長方形状に形成された場合を例に説明したが、マット本体部14の具体的形態は上記実施の形態に限定されない。
【0034】
本実施の形態にあっては、滑り止め部13を構成する合成樹脂がPVCの場合を例に説明したが、これに限定されず、載置される机等の作業面との間で摩擦抵抗係数の大きな素材であればよい。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明に係る作業用マットは、広く作業用マットに適用することができ、産業上の利用可能性を有している。
【符号の説明】
【0036】
10 作業用マット
11 カッター用マット面部
12 粘土工作用マット面部
13 滑り止め部
14 マット本体部
15 一般面
16 凹凸部
17 方眼目盛
18 名前欄
19 名前欄

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一側には紙等をカッターナイフにより切断する際に使用するカッター用マット面部が形成されると共に、他側には粘土細工を行う際に使用する平滑面を有する粘土細工用マット面部が形成された工作用マットであって、上記粘土細工用マット面部には滑り止め部が形成されていることを特徴とする工作用マット。
【請求項2】
上記滑り止め部は合成樹脂製であることを特徴とする請求項1記載の工作用マット。
【請求項3】
上記マット本体部は平面長方形状に形成され、上記滑り止め部は、マット本体部の周縁部に形成されていることを特徴とする請求項2記載の工作用マット。
【請求項4】
上記滑り止め部は、マット本体部の周縁部全域に亘って形成されていることを特徴とする請求項3記載の工作用マット
【請求項5】
上記滑り止め部は、上記滑り止め部は、合成樹脂が塗布されて粘土工作用マット面部の一般面上にわずかに突出して形成され、多数の小さな平面上の凸凹部が形成されていることを特徴とする請求項4記載の工作用マット

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−52198(P2013−52198A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−195995(P2011−195995)
【出願日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【出願変更の表示】意願2011−5132(D2011−5132)の変更
【原出願日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(591284760)大山株式会社 (3)
【Fターム(参考)】