工業用小型電子撮像カメラ
【課題】外部インターフェイスケーブルの接続機構を備えた工業用小型電子撮像カメラにおいて、経済的に有利な構成で外部インターフェイスケーブルの引出方向を任意に選定して容易に組立ることができるとともに、カメラ機能を集約化し、信頼性の高い回路動作を期待できる。
【解決手段】レンズマウント10と基板実装フレーム20と三面カバー30と外部インターフェイスコネクタ50を取り付けたコネクタ取付金具40とにより、前面を除いた5面を対象に任意の面に外部インターフェイスコネクタを設けることのできる4ピース構造の箱形カメラ筐体1を構成し、かつ、カメラ筐体1内の撮像室2に、センサ基板15の他に、センサ基板を制御する制御基板21およびセンサ基板と制御基板の動作用電源を供給制御する電源基板22を収容してカメラ機能を集約化した。
【解決手段】レンズマウント10と基板実装フレーム20と三面カバー30と外部インターフェイスコネクタ50を取り付けたコネクタ取付金具40とにより、前面を除いた5面を対象に任意の面に外部インターフェイスコネクタを設けることのできる4ピース構造の箱形カメラ筐体1を構成し、かつ、カメラ筐体1内の撮像室2に、センサ基板15の他に、センサ基板を制御する制御基板21およびセンサ基板と制御基板の動作用電源を供給制御する電源基板22を収容してカメラ機能を集約化した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マシンビジョンシステムに適用して好適な外部インターフェイスケーブルの接続機構を備えた工業用小型電子撮像カメラに関する。
【背景技術】
【0002】
マシンビジョンシステムにおいて超小型カメラと称される、例えば一辺が20〜30mm程度の箱形筐体構造の小型電子撮像カメラにおいては、筐体内における外部インターフェイスコネクタの占有スペースが大きく、外部インターフェイスコネクタの実装スペースを筐体内の複数箇所に確保することが困難であることから、外部インターフェイスコネクタを筐体の一カ所に固定して設けていた。具体例を挙げると箱形カメラ筐体の背面(後面)から光軸方向に沿う延長方向に外部インターフェイスケーブルが引き出されるように、箱形カメラ筐体の背面(後面)部に外部インターフェイスコネクタを設けていた。従って、従来では、外部インターフェイスコネクタに接続される外部インターフェイスケーブルの引出方向が一方向に定まり、ケーブルの引出方向を変更することができなかった。このため、例えば、設置場所の変更、監視対象の変更、カメラ構成の変更等によるカメラ環境設定の変更に対して自由度に乏しく、また、外部インターフェイスコネクタの取付位置(ケーブルの取り出し位置)が固定であることから、製品として、汎用性の面で問題があった。さらに、上記した超小型カメラと称される箱形筐体構造の小型電子撮像カメラにおいては、外部インターフェイスケーブルの接続構成を容易化する(カメラ機能の集約化を図る)ため、固体撮像素子(エリアイメージセンサ)を実装したセンサ基板の他に、センサ基板を制御する制御基板およびセンサ基板と制御基板の動作用電源を供給制御する電源基板をそれぞれ単一のカメラ筐体に収容する実装構造が要求されている。しかしながら、上記した超小型カメラと称される箱形筐体構造の小型電子撮像カメラにおいては、カメラ筐体の内部に形成される撮像室の室空間が非常に狭く、センサ基板の他に、上記した制御基板および電源基板を収容する実装スペースの確保が困難であった。
【0003】
カメラのケーブル引出方向の可変機構として、外筐体の一側面部に、外筐体に対し直交する二軸回り方向に回動可能なコネクタ回動機構を設けて、コネクタのケーブル接続方向に自由度を持たせたビデオカメラが存在した(特許文献1参照)。このコネクタ回動機構を設けたビデオカメラにおいては、ケーブル引出方向を可変できるが、配線を施したコネクタを回動可能に支持する機構が煩雑であり、経済性並びに信頼性に問題があるとともに、上記した箱形構造の超小型カメラ筐体に適用しようとした場合、実装スペースの確保が困難であり、さらに、ケーブルの引出方向は可変可能であってもコネクタの取付部は筐体の予め定められた位置に固定されることになり、上述した自由度並びに汎用性の問題が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−207342号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、従来のマシンビジョン用小型電子撮像カメラにおいては、カメラ環境設定の変更に対して自由度に乏しく、かつ製品として汎用性の面で問題があった。また、カメラ機能の集約化を図るべく、カメラ筐体内に、センサ基板の他に、制御基板、電源基板等の複数の回路基板を実装することが困難であった。
【0006】
本発明は上記実情に鑑みなされたもので、マシンビジョンシステムに適用される、外部インターフェイスケーブルの接続機構を備えた工業用小型電子撮像カメラにおいて、経済的に有利な構成で、外部インターフェイスケーブルの引出方向を任意に選定して容易に組立ることができるとともに、カメラ筐体内の撮像室に、センサ基板の他に、センサ基板を制御する制御基板およびセンサ基板と制御基板の動作用電源を供給制御する電源基板を収容してカメラ機能を集約化でき、かつ信頼性の高い回路動作を期待できる工業用小型電子撮像カメラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、レンズマウントにより構成される前面部を除いた複数の面部を対象に、任意の面部に外部インターフェイスコネクタを取付可能にした、六面体構造をなす箱形カメラ筐体と、前記カメラ筐体の内部に形成された撮像室に収容された、固体撮像素子を実装したセンサ基板と、前記撮像室に収容され、前記センサ基板に実装された前記固体撮像素子を駆動制御する制御基板と、
前記撮像室に収容され、前記センサ基板および前記制御基板に動作用電源を供給制御する電源基板と、を具備し、前記制御基板と前記電源基板は、中央部分が膨出した円柱形状の複数個の樹脂コアはんだボールにより、対向する基板面の間に一定の間隔を存して一体にはんだ結合されるとともに相互に回路接続された二段構造のPOP(Package On Package)基板を構成している工業用小型電子撮像カメラを特徴とする。
【0008】
また、前記工業用小型電子撮像カメラにおいて、前記カメラ筐体は、撮像窓を有し、六面体構造をなす箱形カメラ筐体の前面部を構成するレンズマウントと、前記レンズマウントの各辺に対し前記撮像窓の光軸と平行な垂直軸回りに辺を替えて前記レンズマウントに取付可能な、前記カメラ筐体の任意の三側面部若しくは任意の二側面部と背面部を構成する断面コ字状の三面カバーと、前記カメラ筐体の内部に形成された撮像室に複数の基板を収容し支持する基板取付機構を有し、前記レンズマウントに取り付けられて前記カメラ筐体の任意の一側面部を構成する基板実装フレームと、前記レンズマウントに取り付けられて前記カメラ筐体の任意の一側面部若しくは前記カメラ筐体の背面部を構成するコネクタ取付金具と、外部インターフェイスケーブルを接続する外部接続端子を有し、該外部接続端子を外部に露出させて前記コネクタ取付金具に取り付けられた外部インターフェイスコネクタと、を具備して構成され、前記レンズマウントに、前記センサ基板が支持され、前記基板取付機構に、前記POP基板が支持されて、前記センサ基板および前記POP基板が前記撮像室に収容されていることを特徴とする。
【0009】
また、前記工業用小型電子撮像カメラにおいて、前記POP基板は、前記対向する基板面において、一方の基板面に動作時に熱を発散する能動回路部品が実装され、この能動回路部品の上面と、前記一方の基板面に対向する他方の基板面との間に、前記樹脂コアはんだボールにより、一定の間隙が形成されていることを特徴とする。
【0010】
また、前記工業用小型電子撮像カメラにおいて、前記POP基板は、前記能動回路部品の両側に前記樹脂コアはんだボールを配設しており、前記間隙は前記能動回路部品から発散される熱を前記樹脂コアはんだボールに導く廃熱路を形成していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、外部インターフェイスケーブルの接続機構を備えた工業用小型電子撮像カメラにおいて、経済的に有利な構成で、外部インターフェイスケーブルの引出方向を任意に選定して容易に組立ることができるとともに、汎用性の高い工業用小型電子撮像カメラを提供することができる。さらに、カメラ筐体内の撮像室に、センサ基板の他に、センサ基板を制御する制御基板およびセンサ基板と制御基板の動作用電源を供給制御する電源基板を収容してカメラ機能を集約化でき、かつ信頼性の高い回路動作を期待できる工業用小型電子撮像カメラを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態における、筐体の背面部から外部インターフェイスケーブルを引出す場合のカメラ組立構造を示す分解斜視図。
【図2】上記実施形態における、筐体の側面部(上側面部/下側面部/左側面部/右側面部)から外部インターフェイスケーブルを引出す場合のカメラ組立構造の一部(レンズマウント組込モジュールを除いた組立構造)を示す斜視図。
【図3】上記図1に示すカメラ組立構造(組立後)を示す側断面図。
【図4】上記図2に示すカメラ組立構造(組立後)を示す側断面図。
【図5】上記実施形態における、筐体の背面部から外部インターフェイスケーブルを引出す場合のカメラ組立構造および組込状態と組立後の外観構成を示す斜視図。
【図6】上記実施形態における、筐体の上側面部から外部インターフェイスケーブルを引出す場合のカメラ組立構造および組込状態と組立後の外観構成を示す斜視図。
【図7】上記実施形態における、筐体の下側面部から外部インターフェイスケーブルを引出す場合のカメラ組立構造および組込状態と組立後の外観構成を示す斜視図。
【図8】上記実施形態における、筐体の左側面部から外部インターフェイスケーブルを引出す場合のカメラ組立構造および組込状態と組立後の外観構成を示す斜視図。
【図9】上記実施形態における、筐体の右側面部から外部インターフェイスケーブルを引出す場合のカメラ組立構造および組込状態と組立後の外観構成を示す斜視図。
【図10】上記実施形態における、筐体の背面部から外部インターフェイスケーブルを引出す場合の組立手順を説明するための分解斜視図。
【図11】上記実施形態における、筐体の背面部から外部インターフェイスケーブルを引出す場合の組立手順を説明するための分解斜視図および側断面図。
【図12】上記実施形態における、筐体の背面部から外部インターフェイスケーブルを引出す場合の組立手順を説明するための分解斜視図。
【図13】上記実施形態における、筐体の側面部(上側面部/下側面部/左側面部/右側面部)から外部インターフェイスケーブルを引出す場合の組立手順を説明するための分解斜視図。
【図14】上記実施形態における、筐体の側面部から外部インターフェイスケーブルを引出す場合の組立手順を説明するための分解斜視図および側断面図。
【図15】上記実施形態における、筐体の側面部から外部インターフェイスケーブルを引出す場合の組立手順を説明するための分解斜視図。
【図16】上記実施形態における、POP基板の概要を説明するための斜視図。
【図17】上記実施形態における、POP基板の要部の構造を示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0014】
本発明の実施形態に係る、工業用小型電子撮像カメラのカメラ組立構造を図1乃至図4に示している。六面体構造をなす箱形カメラ筐体の背面部(後面部)に外部インターフェイスコネクタを設けて箱形カメラ筐体の背面部から外部インターフェイスケーブルを引き出す場合の組立構造を図1(分解斜視図)および図3(側断面図)に示し、上記箱形カメラ筐体の任意の側面部(上、下、左、右の何れか一側面部)に外部インターフェイスコネクタを設けて箱形カメラ筐体の側面部から外部インターフェイスケーブルを引き出す場合の組立構造を図2(一部分解斜視図)および図4(側断面図)に示している。以下、図1および図3に示すカメラ組立構造を背面ケーブル引出組立構造と称し、図2および図4に示すカメラ組立構造を側面ケーブル引出組立構造と称す。
【0015】
図1乃至図4に示すように、本発明の実施形態に係る工業用小型電子撮像カメラは、撮像窓101を有し、六面体構造をなす箱形カメラ筐体1の前面部を構成するレンズマウント10と、レンズマウント10の各辺に対し撮像窓101の光軸O1と平行な垂直軸回りに辺を替えてレンズマウント10に取付可能な、カメラ筐体1の任意の三側面部若しくは任意の二側面部と背面部を構成する断面コ字状の三面カバー30と、カメラ筐体1の内部に形成された撮像室2に複数の基板を収容し支持する基板取付機構205を有し、レンズマウント10に取り付けられてカメラ筐体1の任意の一側面部を構成する基板実装フレーム20と、レンズマウント10に取り付けられてカメラ筐体1の任意の一側面部若しくはカメラ筐体1の背面部を構成するコネクタ取付金具40と、外部インターフェイスケーブルを接続する外部接続端子51を有し、この外部接続端子51を外部に露出させてコネクタ取付金具40に取り付けられた外部インターフェイスコネクタ50とを具備して構成されている。
【0016】
上記した箱形カメラ筐体1の構成要素をなす、レンズマウント10、基板実装フレーム20、三面カバー30、および外部インターフェイスコネクタ50を取り付けたコネクタ取付金具40は、それぞれ、背面ケーブル引出組立構造および側面ケーブル引出組立構造に共通の筐体構成部品である。このレンズマウント10と基板実装フレーム20と三面カバー30と外部インターフェイスコネクタ50を取り付けたコネクタ取付金具40とにより本発明の実施形態に係る、前面を除いた5面を対象に任意の面に外部インターフェイスコネクタを設けることのできる4ピース立方体構造の箱形カメラ筐体1が実現される。
【0017】
なお、図2(a),(b)に示す背面ケーブル引出組立構造のときと、図3(a),(b)に示す側面ケーブル引出組立構造のときでは、図の対比から明らかなように、コネクタ取付金具40に対してコネクタ端子導出孔403から導出される外部接続端子502の向きが上下逆になる。これに伴い外部接続端子502の接続端面503の端子配列の向きも逆になる。
【0018】
本発明の実施形態に係る箱形カメラ筐体1においては、コネクタ取付金具40がカメラ筐体1の背面部を構成した背面ケーブル引出組立構造であるとき、外部インターフェイスコネクタ50に設けられた外部接続端子502のケーブル接続方向が光軸O1に平行し(外部接続端子502の接続端面503が光軸O1に直交し)、コネクタ取付金具40がカメラ筐体1の右側面部、左側面部、上側面部、下側面部のいずれかを構成した側面ケーブル引出組立構造であるとき、上記外部接続端子502のケーブル接続方向が光軸O1に対して直交する(外部接続端子502の接続端面503が光軸O1に平行する)。
【0019】
コネクタ取付金具40がカメラ筐体1の背面部を構成した背面ケーブル引出組立構造であるとき、図1および図3に示すように、コネクタ取付金具40が基板実装フレーム20を介してレンズマウント10にねじ止め固定されるとともに、三面カバー30を介してレンズマウント10にねじ止め固定され、コネクタ取付金具40がカメラ筐体1の右側面部、左側面部、上側面部、下側面部のいずれかを構成した側面ケーブル引出組立構造であるとき、図2および図4に示すように、上記コネクタ取付金具40がレンズマウント10に直接ねじ止め固定されるとともに、三面カバー30および基板実装フレーム20を介してレンズマウント11にねじ止め固定される。なお、ねじ止め固定に用いられる螺子Tについては一部を省略して示している。
【0020】
レンズマウント10は、外部に露出する表面部の撮像窓101の周囲にトップマーク103を付したレンズ枠部102を有し、裏面部の四辺各角部に、直交する二辺に平行する2つの螺子孔(螺刻孔)をそれぞれに有した螺子止め固定片104,105,106,107を有して構成される。この螺子止め固定片104,105,106,107の計8つの螺子孔を用いて、レンズマウント10と基板実装フレーム20と三面カバー30と外部インターフェイスコネクタ50を取り付けたコネクタ取付金具40とを相互に螺子止め固定することにより撮像室2を形成した箱形カメラ筐体の組立構造が構成される。上記トップマーク103は、箱形カメラ筐体の各種組立構造に対して常に固体撮像素子の撮像面(後述する)における上下方向を明示している。ここではレンズ枠部102にトップマーク103を刻設している。
【0021】
基板実装フレーム20は、外部に露出する表面部に銘板が貼着され、裏面部に、螺子挿入孔をそれぞれ穿設した2つの係止片202,203と、螺子孔(螺刻孔)をそれぞれに有した2つの螺子止め固定片201,204と、基板取付機構を構成する基板固定片205とを具備する。係止片202は辺a上の辺b側角部に設けられ、係止片203は辺c上の辺b側角部に設けられている。係止片202,203は辺bと平行する方向に螺子止め孔が穿設されている。螺子止め固定片201は辺a上の辺d側角部に設けられ、螺子止め固定片204は辺d上の辺c側角部に設けられている。螺子止め固定片201は辺aと直交する方向に螺子孔が穿設され、螺子止め固定片204は辺dと直交する方向に螺子孔が穿設されている。基板固定片205は辺a上に設けられ、辺aと平行する方向に螺子孔が穿設されている。
【0022】
螺子止め固定片201は、背面ケーブル引出組立構造であるとき、三面カバー30の螺子止め孔314に係合し、側面ケーブル引出組立構造であるとき、三面カバー30の螺子止め孔315に係合する。係止片202は、背面ケーブル引出組立構造であるとき、レンズマウント10の螺子止め固定片107に螺子止め固定され、側面ケーブル引出組立構造であるとき、レンズマウント10の螺子止め固定片105に螺子止め固定される。係止片203は、背面ケーブル引出組立構造であるとき、レンズマウント10の螺子止め固定片106に螺子止め固定され、側面ケーブル引出組立構造であるとき、レンズマウント10の螺子止め固定片104に螺子止め固定される。螺子止め固定片204は、背面ケーブル引出組立構造であるとき、コネクタ取付金具40の螺子止め孔411に係合し、側面ケーブル引出組立構造であるとき、三面カバー30の螺子止め孔311に係合する。
【0023】
三面カバー30は、中間(中央)の面部301と両側の面部302,303とにより断面コ字状に形成され、コ字状の一方端縁は同一平面上(面一)にあり、他方端縁は、中間の面部301の端縁が両側の面部302,303の端縁より突出(延出)形成され、この突出面部(延出部)304が張出部402(コネクタ収容室6)のカバーおよびコネクタ取付金具40の取付片(コネクタ取付金具40にねじ止め固定される片部)を形成している。
【0024】
三面カバー30の中間の面部301には、一方端縁の面部303側の角部に螺子止め孔311が穿設され、他方端縁の両角部に螺子止め孔312,313が穿設されている。両側の面部302,303のうち、面部302の面部301側の角部に螺子止め孔314が穿設され、面部303の他方端縁側の端部に螺子止め孔315が穿設されている。三面カバー30の両側の面部302,303の一方端縁の終端は、基板実装フレーム20に設けられた係止片202,203に嵌合する切欠部316,317を形成している。
【0025】
螺子止め孔311は、背面ケーブル引出組立構造であるとき、レンズマウント10の螺子止め固定片104に螺子止め固定され、側面ケーブル引出組立構造であるとき、基板実装フレーム20の螺子止め固定片204に螺子止め固定される。螺子止め孔312,313は、コネクタ取付金具40の螺子止め固定片406,407に螺子止め固定される。螺子止め孔314は、背面ケーブル引出組立構造であるとき、レンズマウント10の螺子止め固定片105に螺子止め固定され、側面ケーブル引出組立構造であるとき、基板実装フレーム20の螺子止め固定片201に螺子止め固定される。
【0026】
コネクタ取付金具40は、取付固定片401と張出部402とコネクタ端子導出孔403とコネクタ支持部404とを備え、張出部402の内部に外部インターフェイスコネクタ50の本体部(コネクタ本体)501を収容するコネクタ収容室6を形成している。
【0027】
取付固定片401には、背面ケーブル引出組立構造であるとき、基板実装フレーム20の螺子止め固定片204に螺子止め固定され、側面ケーブル引出組立構造であるとき、レンズマウント10の螺子止め固定片104,105,106,107のいずれかに螺子止め固定される螺子止め孔411が穿設されている。この取付固定片401に対して張り出した張出部402はコネクタの支持枠部を形成している。張出部402には、取付固定片401の取付面と平行する張出面に、外部インターフェイスコネクタ50の外部接続端子502を外部に導出するコネクタ端子導出孔403が設けられ、その両側部に、コネクタ本体501を嵌合支持するコネクタ支持部404が設けられる。張出部402の張出端には、三面カバー30の突出面部304に設けられた螺子止め孔312,313を螺子止め固定する螺子止め固定片406,407が設けられている。
【0028】
外部インターフェイスコネクタ50は一対のロック端子付き締め付け螺子41,41によりコネクタ取付金具40に螺子止め固定される。このロック端子付き締め付け螺子41,41は、外部インターフェイスコネクタ50の外部接続端子502に図示しない外部インターフェイスケーブルの接続プラグ(コネクタ)がインターフェイス接続されるとき、プラグ(コネクタ)を外部接続端子502に固着するためのプラグ締め付け用ロック端子(ターミナル端子)を備えている。この外部インターフェイスコネクタ50は、カメラリンク規格に準拠したカメラリンクコネクタを構成する。
【0029】
上記した4ピース構造の箱形カメラ筐体1の内部に形成された撮像室2には、センサーモジュールを構成するレンズマウント組込モジュール3と、制御モジュールを構成するフレーム組込モジュール4が収容され、撮像室2に連通してコネクタ取付金具40の張出部402内に形成されたコネクタ収容室6には、外部インターフェイスコネクタ50の本体部501が収容されている。このコネクタ取付金具40と同コネクタ取付金具40に取り付けられた外部インターフェイスコネクタ50とによりコネクタモジュール5を構成している。
【0030】
センサーモジュールを構成するレンズマウント組込モジュール3は、レンズマウント10と、Oリング11と、フランジバック調整用のシム12と、エリアイメージセンサを構成する矩形状の撮像面13aを有した固体撮像素子13と、固体撮像素子13を保持するデバイスホルダ14と、デバイスホルダ14を介して固体撮像素子13を実装するセンサ基板(リジッド基板)15とにより構成される。
【0031】
上記したレンズマウント組込モジュール3の構成要素において、固体撮像素子13は、CCD(Charge Coupled Device)またはCMOSイメージセンサ(Complementary Metal Oxide Semiconductor Image Sensor)により構成される。この実施形態では固体撮像素子13にCCDを用い、デバイスホルダ14を介してCCD13がセンサ基板15に実装される。このCCD13は光軸O1上のフランジバックを確保した位置に矩形状の撮像面13aが位置するように、シム12により位置調整され、センサ基板15に固定支持される。なお、フランジバック調整用のシム12は光学調整作業において必要に応じて適宜用いられるもので調整によって実装されない場合もある。また、フランジバック(FB)は、レンズマウント10に設けた撮像窓101の開口端(レンズのフランジ面)を基準に、焦点(撮像面13a)までの距離(フランジ焦点距離)により定まる。
【0032】
デバイスホルダ14を介在してCCD13を実装したセンサ基板15を、リング11とシム12を介挿し、デバイスホルダ14を固定支持部材として、レンズマウント10に螺子止め固定することによりレンズマウント組込モジュール3が構成される。
【0033】
制御モジュールを構成するフレーム組込モジュール4は、基板実装フレーム20と、制御基板(リジッド基板)21と、電源基板22とにより構成される。制御基板21と電源基板22は、互いに重ね合わされ、中央部分が膨出した円柱形状の複数個の樹脂コアはんだボール(バレル形樹脂コアはんだボール)SBにより、物理的に一体に結合され、相互に回路接続されて、二段構造のPOP(Package On Package)基板を構成している。このバレル形樹脂コアはんだボールSBを用いたPOP基板については図16および図17を参照して後述する。
【0034】
この制御基板21と電源基板22により構成されたPOP基板が基板実装フレーム20の基板固定片205に螺子止め固定され、制御基板21と電源基板22が基板実装フレーム20の面上に立設した状態で基板実装フレーム20に支持固定されることにより制御モジュールを構成するフレーム組込モジュール4が構成される。
【0035】
上記したコネクタモジュール5とフレーム組込モジュール4の間がコネクタ接続用フレキシブルプリント配線板(外部インターフェイスフレキシブルプリント配線板)23によりコネクタを介し接離可能に回路接続され、フレーム組込モジュール4とレンズマウント組込モジュール3との間がセンサ回路用フレキシブルプリント配線板25によりコネクタを介し接離可能に回路接続されている。外部インターフェイス用フレキシブルプリント配線板23は中途部に信号処理用のIC部品24を有している。センサ回路用フレキシブルプリント配線板25は、レンズマウント組込モジュール3に対してフレーム組込モジュール4およびコネクタモジュール5を光軸O1と平行な垂直軸回りに回動可能に多重折り込み可能な長さを有している。
【0036】
上記したカメラ組立構造における、背面ケーブル引出組立構造と側面ケーブル引出組立構造の組込状態および組込後の外観構成を図5乃至図9に示している。
【0037】
コネクタモジュール5を箱形カメラ筐体1の背面(後面)部に設ける場合の組込状態を図5(a)に示し、組込後の外観構成を図5(b)に示している。この組立構造(外部インターフェイスケーブルを背面から引き出す組立構造)においては、基板実装フレーム20がカメラ筐体1の底面部を構成している。
【0038】
コネクタモジュール5を箱形カメラ筐体1の上面部に設ける場合の組込状態を図6(a)に示し、組込後の外観構成を図6(b)に示している。この組立構造(外部インターフェイスケーブルを上面から引き出す組立構造)においては、基板実装フレーム20が上記図5に示す組立構造と同様にカメラ筐体1の底面部を構成している。
【0039】
コネクタモジュール5を箱形カメラ筐体1の下面部に設ける場合の組込状態を図7(a)に示し、組込後の外観構成を図7(b)に示している。この組立構造(外部インターフェイスケーブルを下面から引き出す組立構造)においては、基板実装フレーム20がカメラ筐体1の上面部を構成している。
【0040】
コネクタモジュール5を箱形カメラ筐体1の左面部(カメラ筐体を基準にした)に設ける場合の組込状態を図8(a)に示し、組込後の外観構成を図8(b)に示している。この組立構造(外部インターフェイスケーブルを左側面から引き出す組立構造)においては、基板実装フレーム20がカメラ筐体1の右側面部を構成している。
【0041】
コネクタモジュール5を箱形カメラ筐体1の右面部(カメラ筐体を基準にした)に設ける場合の組込状態を図9(a)に示し、組込後の外観構成を図9(b)に示している。この組立構造(外部インターフェイスケーブルを右側面から引き出す組立構造)においては、基板実装フレーム20がカメラ筐体1の左側面部を構成している。
【0042】
上記した背面ケーブル引出組立構造の組立手順を図10(a),(b)、図11(a),(b)および図12(a),(b)に示し、側面ケーブル引出組立構造の組立手順を図13(a),(b)、
図14(a),(b)および図15(a),(b)に示している。
【0043】
背面ケーブル引出組立構造の組立手順においては、図10(a)に示すように、外部インターフェイス用フレキシブルプリント配線板23に実装されたIC部品24の両面にクッション材C5を貼着した後、外部インターフェイス用フレキシブルプリント配線板23をはんだ接続した外部インターフェイスコネクタ50の外部接続端子502をコネクタ取付金具40のコネクタ端子導出孔403よりコネクタ収容室6外へ導出し、ロック端子付き締め付け螺子41,41により、外部インターフェイスコネクタ50をコネクタ取付金具40に螺子止め固定してコネクタモジュール5を構成する。さらに、図10(b)に示すように、コネクタモジュール5から延出した外部インターフェイス用フレキシブルプリント配線板23をフレーム組込モジュール4の制御基板21にコネクタ接続する。
【0044】
続いて、フレーム組込モジュール4とコネクタモジュール5とを回路接続した外部インターフェイス用フレキシブルプリント配線板23を図11(a),(b)に示すように折り畳み、コネクタ取付金具40を基板実装フレーム20に係合させた後、図12(a)に示すように、レンズマウント組込モジュール3をフレーム組込モジュール4に組み込み、クッション材C1,C2を介挿して、三面カバー30をレンズマウント組込モジュール3とフレーム組込モジュール4とコネクタモジュール5に螺子止め固定する。なお、レンズマウント組込モジュール3をフレーム組込モジュール4に組み込む工程において、図3(a)および図5(a)に示すように、センサ回路用フレキシブルプリント配線板25が折り畳まれてセンサ基板15と制御基板21の間に収められる。
【0045】
これにより図12(b)に示す、背面ケーブル引出組立構造の工業用小型電子撮像カメラが構成される(図5(b)参照)。
【0046】
側面ケーブル引出組立構造の組立手順においては、図13(a)に示すように、外部インターフェイス用フレキシブルプリント配線板23をはんだ接続した外部インターフェイスコネクタ50の外部接続端子502をコネクタ取付金具40のコネクタ端子導出孔403よりコネクタ収容室6外へ導出し、ロック端子付き締め付け螺子41,41により、外部インターフェイスコネクタ50をコネクタ取付金具40に螺子止め固定してコネクタモジュール5を構成する。なお、側面ケーブル引出組立構造と背面ケーブル引出組立構造ではコネクタ取付金具40に対してコネクタ端子導出孔403に挿入する外部接続端子502の向きが上下逆さになる。さらに、図13(b)に示すように、コネクタモジュール5から延出した外部インターフェイス用フレキシブルプリント配線板23をフレーム組込モジュール4の制御基板21にコネクタ接続し、電源基板22にクッション材C4を貼着する。
【0047】
続いて、フレーム組込モジュール4とコネクタモジュール5とを回路接続した外部インターフェイス用フレキシブルプリント配線板23を図14(a),(b)に示すように折り畳み、図15に示すように、レンズマウント組込モジュール3をフレーム組込モジュール4に組み込み、三面カバー30をレンズマウント組込モジュール3とフレーム組込モジュール4とコネクタモジュール5に螺子止め固定する。この組立工程において、カメラ筐体1の右側面、左側面、上側面、下側面のいずれに外部インターフェイスコネクタ50を設けるかにより、レンズマウント組込モジュール3に対してフレーム組込モジュール4を光軸O1と平行な垂直軸回りに90度単位で回動(図示矢印r方向参照)させ、所望する側面ケーブル引出組立構造とする。なお、この場合、センサ回路用フレキシブルプリント配線板25は多重折り込み可能な長さを有しており、レンズマウント組込モジュール3とフレーム組込モジュール4を回路接続した状態で、カメラ筐体1のケーブル引出方向を、右側面と左側面と上側面と下側面のいずれかに任意に変更することができる。
【0048】
また、カメラ筐体1の一面部を構成する基板実装フレーム20の面上に、制御基板21と電源基板22とをPOP基板とし、立位状態で支持したことにより、上記した背面ケーブル引出組立構造、側面ケーブル引出組立構造のいずれであっても、上記POP基板が、レンズマウント組込モジュール3に組み込まれたセンサ基板15と重ね合わせたように同配列に実装されることから、撮像室2の基板実装スペースを最小限に抑制できる。
【0049】
さらに、制御基板21と電源基板22とをコネクタ接続とせず、熱変形および圧力変形に対してロバストなバレル形樹脂コアはんだボールSBを用いたPOP基板構造としたことで、制御基板21と電源基板22とを長期間にわたり安定した状態を維持して回路接続できるとともに、基板間を設定した一定間隔で強固に一体結合できる。
【0050】
この背面ケーブル引出組立構造と側面ケーブル引出組立構造の双方におけるセンサ基板15とPOP基板の同配列実装手段と、バレル形樹脂コアはんだボールSBを用いたPOP基板構造とにより、センサ基板15と制御基板21と電源基板22を20mm角程度の超小型カメラ筐体1の撮像室2に実装することができた。
【0051】
上記したバレル形樹脂コアはんだボールSBを用いた制御基板21と電源基板22のPOP基板構造を図16と図17(a)に示している。制御基板21は、電源基板22と対向する基板面に、動作時に熱を発散する能動回路部品P1を実装している。電源基板22の制御基板21と対向するパターン形成面に、能動回路部品P1と対向する面部を避け、その両側にバレル形樹脂コアはんだボールSBを配列して、電源基板22と制御基板21をはんだリフロー処理により相互にはんだ接合する。これにより制御基板21に実装された能動回路部品P1の両側にバレル形樹脂コアはんだボールSBが配列された状態で制御基板21と電源基板22がバレル形樹脂コアはんだボールSBにより一体結合され回路接続されて二段構造のPOP基板が製造される。なお、図17(a)に示すP2は制御基板21の部品実装面に実装された回路部品であり、P3は電源基板22の部品実装面に実装された回路部品である。
【0052】
この制御基板21と電源基板22とで構成された二段構造のPOP基板は、図17(a)に示すように、能動回路部品P1の両側にバレル形樹脂コアはんだボールSBを配列している。ここで、バレル形樹脂コアはんだボールSBの基板面に対して垂直な高さ方向の寸法(ga)を能動回路部品P1の実装高さより大きい値とすることで、能動回路部品P1の上面と電源基板22のパターン形成面との間に、一定間隔(gb)の間隙(hr)を形成することができる。実機においては、ga=1,5mmのバレル形樹脂コアはんだボールSBを用いて、gb=0,3mmの間隙(hr)を形成している。この間隙(hr)により、能動回路部品P1から発散される熱を能動回路部品P1の両側に配列したバレル形樹脂コアはんだボールSBに導く廃熱路を形成している。
【0053】
制御基板21と電源基板22の互いに対向する面に、それぞれ動作時に熱を発散する能動回路部品を実装した場合のPOP基板構造を図17(b)に示している。ここでは、制御基板21と電源基板22の互いに対向する基板面において、制御基板21に能動回路部品Pa、電源基板22に回路部品Pbを互いに対面する状態で実装している。この場合、バレル形樹脂コアはんだボールSBの基板面に対して垂直な高さ方向の寸法(ga)を能動回路部品Paと回路部品Pcの合計実装高さより大きい値とすることで、能動回路部品Paの上面と回路部品Pcの上面との間に、一定間隔(gd)の間隙(hr)を形成することができる。なお、図17(b)に示すPbは制御基板21の部品実装面に実装された回路部品、Pdは電源基板22の部品実装面に実装された回路部品、gbは能動回路部品Paの上面と電源基板22の基板面との間に形成された間隙、gcは回路部品Pcの上面と制御基板21の基板面との間に形成された間隙である。
【0054】
上記したように本発明の実施形態によれば、外部インターフェイスコネクタの取付面を、箱形カメラ筐体の前面部(レンズマウント)を除く五面を対象に、任意の面(背面、右側面、左側面、上側面、下側面)に設定並びに変更でき、これによってカメラ筐体からの外部インターフェイスケーブルの引出方向を、カメラの光軸に平行な後出し、カメラの光軸に直交する右出し、左出し、上出し、下出しの5方向を対象に、任意の方向に引き出すことができる。これにより、外部インターフェイスケーブルの接続機構を備えた工業用小型電子撮像カメラにおいて、経済的に有利な構成で、外部インターフェイスケーブルの引出方向を任意に選定して容易に組立ることができる、汎用性の高い工業用小型電子撮像カメラを提供することができる。
【0055】
また、カメラ筐体内の撮像室に、センサ基板の他に、センサ基板を制御する制御基板およびセンサ基板と制御基板の動作用電源を供給制御する電源基板を収容してカメラ機能を集約化でき、かつ信頼性の高い回路動作を期待できる工業用小型電子撮像カメラを提供することができる。
【0056】
なお、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して種々のカメラ組立構造を実現可能である。
【符号の説明】
【0057】
1…カメラ筐体、2…撮像室、3…レンズマウント組込モジュール、4…フレーム組込モジュール、5…コネクタモジュール、6…コネクタ収容室、10…レンズマウント、11…Oリング、12…シム、13…固体撮像素子(CCD)、14…デバイスホルダ、15…センサ基板、20…基板実装フレーム、21…制御基板、22…電源基板、23…外部インターフェイス用フレキシブルプリント配線板、24…IC部品24、25…センサ回路用フレキシブルプリント配線板、30…三面カバー、40…コネクタ取付金具、41…ロック端子付き締め付け螺子、50…外部インターフェイスコネクタ、101…撮像窓、102…レンズ枠部、103…トップマーク、401…取付固定片、402…張出部、403…コネクタ端子導出孔、501…本体部(コネクタ本体)、502…外部接続端子、503…接続端面、O1…光軸、SB…中央部分が膨出した円柱形状の樹脂コアはんだボール(バレル形樹脂コアはんだボール)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、マシンビジョンシステムに適用して好適な外部インターフェイスケーブルの接続機構を備えた工業用小型電子撮像カメラに関する。
【背景技術】
【0002】
マシンビジョンシステムにおいて超小型カメラと称される、例えば一辺が20〜30mm程度の箱形筐体構造の小型電子撮像カメラにおいては、筐体内における外部インターフェイスコネクタの占有スペースが大きく、外部インターフェイスコネクタの実装スペースを筐体内の複数箇所に確保することが困難であることから、外部インターフェイスコネクタを筐体の一カ所に固定して設けていた。具体例を挙げると箱形カメラ筐体の背面(後面)から光軸方向に沿う延長方向に外部インターフェイスケーブルが引き出されるように、箱形カメラ筐体の背面(後面)部に外部インターフェイスコネクタを設けていた。従って、従来では、外部インターフェイスコネクタに接続される外部インターフェイスケーブルの引出方向が一方向に定まり、ケーブルの引出方向を変更することができなかった。このため、例えば、設置場所の変更、監視対象の変更、カメラ構成の変更等によるカメラ環境設定の変更に対して自由度に乏しく、また、外部インターフェイスコネクタの取付位置(ケーブルの取り出し位置)が固定であることから、製品として、汎用性の面で問題があった。さらに、上記した超小型カメラと称される箱形筐体構造の小型電子撮像カメラにおいては、外部インターフェイスケーブルの接続構成を容易化する(カメラ機能の集約化を図る)ため、固体撮像素子(エリアイメージセンサ)を実装したセンサ基板の他に、センサ基板を制御する制御基板およびセンサ基板と制御基板の動作用電源を供給制御する電源基板をそれぞれ単一のカメラ筐体に収容する実装構造が要求されている。しかしながら、上記した超小型カメラと称される箱形筐体構造の小型電子撮像カメラにおいては、カメラ筐体の内部に形成される撮像室の室空間が非常に狭く、センサ基板の他に、上記した制御基板および電源基板を収容する実装スペースの確保が困難であった。
【0003】
カメラのケーブル引出方向の可変機構として、外筐体の一側面部に、外筐体に対し直交する二軸回り方向に回動可能なコネクタ回動機構を設けて、コネクタのケーブル接続方向に自由度を持たせたビデオカメラが存在した(特許文献1参照)。このコネクタ回動機構を設けたビデオカメラにおいては、ケーブル引出方向を可変できるが、配線を施したコネクタを回動可能に支持する機構が煩雑であり、経済性並びに信頼性に問題があるとともに、上記した箱形構造の超小型カメラ筐体に適用しようとした場合、実装スペースの確保が困難であり、さらに、ケーブルの引出方向は可変可能であってもコネクタの取付部は筐体の予め定められた位置に固定されることになり、上述した自由度並びに汎用性の問題が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−207342号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、従来のマシンビジョン用小型電子撮像カメラにおいては、カメラ環境設定の変更に対して自由度に乏しく、かつ製品として汎用性の面で問題があった。また、カメラ機能の集約化を図るべく、カメラ筐体内に、センサ基板の他に、制御基板、電源基板等の複数の回路基板を実装することが困難であった。
【0006】
本発明は上記実情に鑑みなされたもので、マシンビジョンシステムに適用される、外部インターフェイスケーブルの接続機構を備えた工業用小型電子撮像カメラにおいて、経済的に有利な構成で、外部インターフェイスケーブルの引出方向を任意に選定して容易に組立ることができるとともに、カメラ筐体内の撮像室に、センサ基板の他に、センサ基板を制御する制御基板およびセンサ基板と制御基板の動作用電源を供給制御する電源基板を収容してカメラ機能を集約化でき、かつ信頼性の高い回路動作を期待できる工業用小型電子撮像カメラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、レンズマウントにより構成される前面部を除いた複数の面部を対象に、任意の面部に外部インターフェイスコネクタを取付可能にした、六面体構造をなす箱形カメラ筐体と、前記カメラ筐体の内部に形成された撮像室に収容された、固体撮像素子を実装したセンサ基板と、前記撮像室に収容され、前記センサ基板に実装された前記固体撮像素子を駆動制御する制御基板と、
前記撮像室に収容され、前記センサ基板および前記制御基板に動作用電源を供給制御する電源基板と、を具備し、前記制御基板と前記電源基板は、中央部分が膨出した円柱形状の複数個の樹脂コアはんだボールにより、対向する基板面の間に一定の間隔を存して一体にはんだ結合されるとともに相互に回路接続された二段構造のPOP(Package On Package)基板を構成している工業用小型電子撮像カメラを特徴とする。
【0008】
また、前記工業用小型電子撮像カメラにおいて、前記カメラ筐体は、撮像窓を有し、六面体構造をなす箱形カメラ筐体の前面部を構成するレンズマウントと、前記レンズマウントの各辺に対し前記撮像窓の光軸と平行な垂直軸回りに辺を替えて前記レンズマウントに取付可能な、前記カメラ筐体の任意の三側面部若しくは任意の二側面部と背面部を構成する断面コ字状の三面カバーと、前記カメラ筐体の内部に形成された撮像室に複数の基板を収容し支持する基板取付機構を有し、前記レンズマウントに取り付けられて前記カメラ筐体の任意の一側面部を構成する基板実装フレームと、前記レンズマウントに取り付けられて前記カメラ筐体の任意の一側面部若しくは前記カメラ筐体の背面部を構成するコネクタ取付金具と、外部インターフェイスケーブルを接続する外部接続端子を有し、該外部接続端子を外部に露出させて前記コネクタ取付金具に取り付けられた外部インターフェイスコネクタと、を具備して構成され、前記レンズマウントに、前記センサ基板が支持され、前記基板取付機構に、前記POP基板が支持されて、前記センサ基板および前記POP基板が前記撮像室に収容されていることを特徴とする。
【0009】
また、前記工業用小型電子撮像カメラにおいて、前記POP基板は、前記対向する基板面において、一方の基板面に動作時に熱を発散する能動回路部品が実装され、この能動回路部品の上面と、前記一方の基板面に対向する他方の基板面との間に、前記樹脂コアはんだボールにより、一定の間隙が形成されていることを特徴とする。
【0010】
また、前記工業用小型電子撮像カメラにおいて、前記POP基板は、前記能動回路部品の両側に前記樹脂コアはんだボールを配設しており、前記間隙は前記能動回路部品から発散される熱を前記樹脂コアはんだボールに導く廃熱路を形成していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、外部インターフェイスケーブルの接続機構を備えた工業用小型電子撮像カメラにおいて、経済的に有利な構成で、外部インターフェイスケーブルの引出方向を任意に選定して容易に組立ることができるとともに、汎用性の高い工業用小型電子撮像カメラを提供することができる。さらに、カメラ筐体内の撮像室に、センサ基板の他に、センサ基板を制御する制御基板およびセンサ基板と制御基板の動作用電源を供給制御する電源基板を収容してカメラ機能を集約化でき、かつ信頼性の高い回路動作を期待できる工業用小型電子撮像カメラを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態における、筐体の背面部から外部インターフェイスケーブルを引出す場合のカメラ組立構造を示す分解斜視図。
【図2】上記実施形態における、筐体の側面部(上側面部/下側面部/左側面部/右側面部)から外部インターフェイスケーブルを引出す場合のカメラ組立構造の一部(レンズマウント組込モジュールを除いた組立構造)を示す斜視図。
【図3】上記図1に示すカメラ組立構造(組立後)を示す側断面図。
【図4】上記図2に示すカメラ組立構造(組立後)を示す側断面図。
【図5】上記実施形態における、筐体の背面部から外部インターフェイスケーブルを引出す場合のカメラ組立構造および組込状態と組立後の外観構成を示す斜視図。
【図6】上記実施形態における、筐体の上側面部から外部インターフェイスケーブルを引出す場合のカメラ組立構造および組込状態と組立後の外観構成を示す斜視図。
【図7】上記実施形態における、筐体の下側面部から外部インターフェイスケーブルを引出す場合のカメラ組立構造および組込状態と組立後の外観構成を示す斜視図。
【図8】上記実施形態における、筐体の左側面部から外部インターフェイスケーブルを引出す場合のカメラ組立構造および組込状態と組立後の外観構成を示す斜視図。
【図9】上記実施形態における、筐体の右側面部から外部インターフェイスケーブルを引出す場合のカメラ組立構造および組込状態と組立後の外観構成を示す斜視図。
【図10】上記実施形態における、筐体の背面部から外部インターフェイスケーブルを引出す場合の組立手順を説明するための分解斜視図。
【図11】上記実施形態における、筐体の背面部から外部インターフェイスケーブルを引出す場合の組立手順を説明するための分解斜視図および側断面図。
【図12】上記実施形態における、筐体の背面部から外部インターフェイスケーブルを引出す場合の組立手順を説明するための分解斜視図。
【図13】上記実施形態における、筐体の側面部(上側面部/下側面部/左側面部/右側面部)から外部インターフェイスケーブルを引出す場合の組立手順を説明するための分解斜視図。
【図14】上記実施形態における、筐体の側面部から外部インターフェイスケーブルを引出す場合の組立手順を説明するための分解斜視図および側断面図。
【図15】上記実施形態における、筐体の側面部から外部インターフェイスケーブルを引出す場合の組立手順を説明するための分解斜視図。
【図16】上記実施形態における、POP基板の概要を説明するための斜視図。
【図17】上記実施形態における、POP基板の要部の構造を示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0014】
本発明の実施形態に係る、工業用小型電子撮像カメラのカメラ組立構造を図1乃至図4に示している。六面体構造をなす箱形カメラ筐体の背面部(後面部)に外部インターフェイスコネクタを設けて箱形カメラ筐体の背面部から外部インターフェイスケーブルを引き出す場合の組立構造を図1(分解斜視図)および図3(側断面図)に示し、上記箱形カメラ筐体の任意の側面部(上、下、左、右の何れか一側面部)に外部インターフェイスコネクタを設けて箱形カメラ筐体の側面部から外部インターフェイスケーブルを引き出す場合の組立構造を図2(一部分解斜視図)および図4(側断面図)に示している。以下、図1および図3に示すカメラ組立構造を背面ケーブル引出組立構造と称し、図2および図4に示すカメラ組立構造を側面ケーブル引出組立構造と称す。
【0015】
図1乃至図4に示すように、本発明の実施形態に係る工業用小型電子撮像カメラは、撮像窓101を有し、六面体構造をなす箱形カメラ筐体1の前面部を構成するレンズマウント10と、レンズマウント10の各辺に対し撮像窓101の光軸O1と平行な垂直軸回りに辺を替えてレンズマウント10に取付可能な、カメラ筐体1の任意の三側面部若しくは任意の二側面部と背面部を構成する断面コ字状の三面カバー30と、カメラ筐体1の内部に形成された撮像室2に複数の基板を収容し支持する基板取付機構205を有し、レンズマウント10に取り付けられてカメラ筐体1の任意の一側面部を構成する基板実装フレーム20と、レンズマウント10に取り付けられてカメラ筐体1の任意の一側面部若しくはカメラ筐体1の背面部を構成するコネクタ取付金具40と、外部インターフェイスケーブルを接続する外部接続端子51を有し、この外部接続端子51を外部に露出させてコネクタ取付金具40に取り付けられた外部インターフェイスコネクタ50とを具備して構成されている。
【0016】
上記した箱形カメラ筐体1の構成要素をなす、レンズマウント10、基板実装フレーム20、三面カバー30、および外部インターフェイスコネクタ50を取り付けたコネクタ取付金具40は、それぞれ、背面ケーブル引出組立構造および側面ケーブル引出組立構造に共通の筐体構成部品である。このレンズマウント10と基板実装フレーム20と三面カバー30と外部インターフェイスコネクタ50を取り付けたコネクタ取付金具40とにより本発明の実施形態に係る、前面を除いた5面を対象に任意の面に外部インターフェイスコネクタを設けることのできる4ピース立方体構造の箱形カメラ筐体1が実現される。
【0017】
なお、図2(a),(b)に示す背面ケーブル引出組立構造のときと、図3(a),(b)に示す側面ケーブル引出組立構造のときでは、図の対比から明らかなように、コネクタ取付金具40に対してコネクタ端子導出孔403から導出される外部接続端子502の向きが上下逆になる。これに伴い外部接続端子502の接続端面503の端子配列の向きも逆になる。
【0018】
本発明の実施形態に係る箱形カメラ筐体1においては、コネクタ取付金具40がカメラ筐体1の背面部を構成した背面ケーブル引出組立構造であるとき、外部インターフェイスコネクタ50に設けられた外部接続端子502のケーブル接続方向が光軸O1に平行し(外部接続端子502の接続端面503が光軸O1に直交し)、コネクタ取付金具40がカメラ筐体1の右側面部、左側面部、上側面部、下側面部のいずれかを構成した側面ケーブル引出組立構造であるとき、上記外部接続端子502のケーブル接続方向が光軸O1に対して直交する(外部接続端子502の接続端面503が光軸O1に平行する)。
【0019】
コネクタ取付金具40がカメラ筐体1の背面部を構成した背面ケーブル引出組立構造であるとき、図1および図3に示すように、コネクタ取付金具40が基板実装フレーム20を介してレンズマウント10にねじ止め固定されるとともに、三面カバー30を介してレンズマウント10にねじ止め固定され、コネクタ取付金具40がカメラ筐体1の右側面部、左側面部、上側面部、下側面部のいずれかを構成した側面ケーブル引出組立構造であるとき、図2および図4に示すように、上記コネクタ取付金具40がレンズマウント10に直接ねじ止め固定されるとともに、三面カバー30および基板実装フレーム20を介してレンズマウント11にねじ止め固定される。なお、ねじ止め固定に用いられる螺子Tについては一部を省略して示している。
【0020】
レンズマウント10は、外部に露出する表面部の撮像窓101の周囲にトップマーク103を付したレンズ枠部102を有し、裏面部の四辺各角部に、直交する二辺に平行する2つの螺子孔(螺刻孔)をそれぞれに有した螺子止め固定片104,105,106,107を有して構成される。この螺子止め固定片104,105,106,107の計8つの螺子孔を用いて、レンズマウント10と基板実装フレーム20と三面カバー30と外部インターフェイスコネクタ50を取り付けたコネクタ取付金具40とを相互に螺子止め固定することにより撮像室2を形成した箱形カメラ筐体の組立構造が構成される。上記トップマーク103は、箱形カメラ筐体の各種組立構造に対して常に固体撮像素子の撮像面(後述する)における上下方向を明示している。ここではレンズ枠部102にトップマーク103を刻設している。
【0021】
基板実装フレーム20は、外部に露出する表面部に銘板が貼着され、裏面部に、螺子挿入孔をそれぞれ穿設した2つの係止片202,203と、螺子孔(螺刻孔)をそれぞれに有した2つの螺子止め固定片201,204と、基板取付機構を構成する基板固定片205とを具備する。係止片202は辺a上の辺b側角部に設けられ、係止片203は辺c上の辺b側角部に設けられている。係止片202,203は辺bと平行する方向に螺子止め孔が穿設されている。螺子止め固定片201は辺a上の辺d側角部に設けられ、螺子止め固定片204は辺d上の辺c側角部に設けられている。螺子止め固定片201は辺aと直交する方向に螺子孔が穿設され、螺子止め固定片204は辺dと直交する方向に螺子孔が穿設されている。基板固定片205は辺a上に設けられ、辺aと平行する方向に螺子孔が穿設されている。
【0022】
螺子止め固定片201は、背面ケーブル引出組立構造であるとき、三面カバー30の螺子止め孔314に係合し、側面ケーブル引出組立構造であるとき、三面カバー30の螺子止め孔315に係合する。係止片202は、背面ケーブル引出組立構造であるとき、レンズマウント10の螺子止め固定片107に螺子止め固定され、側面ケーブル引出組立構造であるとき、レンズマウント10の螺子止め固定片105に螺子止め固定される。係止片203は、背面ケーブル引出組立構造であるとき、レンズマウント10の螺子止め固定片106に螺子止め固定され、側面ケーブル引出組立構造であるとき、レンズマウント10の螺子止め固定片104に螺子止め固定される。螺子止め固定片204は、背面ケーブル引出組立構造であるとき、コネクタ取付金具40の螺子止め孔411に係合し、側面ケーブル引出組立構造であるとき、三面カバー30の螺子止め孔311に係合する。
【0023】
三面カバー30は、中間(中央)の面部301と両側の面部302,303とにより断面コ字状に形成され、コ字状の一方端縁は同一平面上(面一)にあり、他方端縁は、中間の面部301の端縁が両側の面部302,303の端縁より突出(延出)形成され、この突出面部(延出部)304が張出部402(コネクタ収容室6)のカバーおよびコネクタ取付金具40の取付片(コネクタ取付金具40にねじ止め固定される片部)を形成している。
【0024】
三面カバー30の中間の面部301には、一方端縁の面部303側の角部に螺子止め孔311が穿設され、他方端縁の両角部に螺子止め孔312,313が穿設されている。両側の面部302,303のうち、面部302の面部301側の角部に螺子止め孔314が穿設され、面部303の他方端縁側の端部に螺子止め孔315が穿設されている。三面カバー30の両側の面部302,303の一方端縁の終端は、基板実装フレーム20に設けられた係止片202,203に嵌合する切欠部316,317を形成している。
【0025】
螺子止め孔311は、背面ケーブル引出組立構造であるとき、レンズマウント10の螺子止め固定片104に螺子止め固定され、側面ケーブル引出組立構造であるとき、基板実装フレーム20の螺子止め固定片204に螺子止め固定される。螺子止め孔312,313は、コネクタ取付金具40の螺子止め固定片406,407に螺子止め固定される。螺子止め孔314は、背面ケーブル引出組立構造であるとき、レンズマウント10の螺子止め固定片105に螺子止め固定され、側面ケーブル引出組立構造であるとき、基板実装フレーム20の螺子止め固定片201に螺子止め固定される。
【0026】
コネクタ取付金具40は、取付固定片401と張出部402とコネクタ端子導出孔403とコネクタ支持部404とを備え、張出部402の内部に外部インターフェイスコネクタ50の本体部(コネクタ本体)501を収容するコネクタ収容室6を形成している。
【0027】
取付固定片401には、背面ケーブル引出組立構造であるとき、基板実装フレーム20の螺子止め固定片204に螺子止め固定され、側面ケーブル引出組立構造であるとき、レンズマウント10の螺子止め固定片104,105,106,107のいずれかに螺子止め固定される螺子止め孔411が穿設されている。この取付固定片401に対して張り出した張出部402はコネクタの支持枠部を形成している。張出部402には、取付固定片401の取付面と平行する張出面に、外部インターフェイスコネクタ50の外部接続端子502を外部に導出するコネクタ端子導出孔403が設けられ、その両側部に、コネクタ本体501を嵌合支持するコネクタ支持部404が設けられる。張出部402の張出端には、三面カバー30の突出面部304に設けられた螺子止め孔312,313を螺子止め固定する螺子止め固定片406,407が設けられている。
【0028】
外部インターフェイスコネクタ50は一対のロック端子付き締め付け螺子41,41によりコネクタ取付金具40に螺子止め固定される。このロック端子付き締め付け螺子41,41は、外部インターフェイスコネクタ50の外部接続端子502に図示しない外部インターフェイスケーブルの接続プラグ(コネクタ)がインターフェイス接続されるとき、プラグ(コネクタ)を外部接続端子502に固着するためのプラグ締め付け用ロック端子(ターミナル端子)を備えている。この外部インターフェイスコネクタ50は、カメラリンク規格に準拠したカメラリンクコネクタを構成する。
【0029】
上記した4ピース構造の箱形カメラ筐体1の内部に形成された撮像室2には、センサーモジュールを構成するレンズマウント組込モジュール3と、制御モジュールを構成するフレーム組込モジュール4が収容され、撮像室2に連通してコネクタ取付金具40の張出部402内に形成されたコネクタ収容室6には、外部インターフェイスコネクタ50の本体部501が収容されている。このコネクタ取付金具40と同コネクタ取付金具40に取り付けられた外部インターフェイスコネクタ50とによりコネクタモジュール5を構成している。
【0030】
センサーモジュールを構成するレンズマウント組込モジュール3は、レンズマウント10と、Oリング11と、フランジバック調整用のシム12と、エリアイメージセンサを構成する矩形状の撮像面13aを有した固体撮像素子13と、固体撮像素子13を保持するデバイスホルダ14と、デバイスホルダ14を介して固体撮像素子13を実装するセンサ基板(リジッド基板)15とにより構成される。
【0031】
上記したレンズマウント組込モジュール3の構成要素において、固体撮像素子13は、CCD(Charge Coupled Device)またはCMOSイメージセンサ(Complementary Metal Oxide Semiconductor Image Sensor)により構成される。この実施形態では固体撮像素子13にCCDを用い、デバイスホルダ14を介してCCD13がセンサ基板15に実装される。このCCD13は光軸O1上のフランジバックを確保した位置に矩形状の撮像面13aが位置するように、シム12により位置調整され、センサ基板15に固定支持される。なお、フランジバック調整用のシム12は光学調整作業において必要に応じて適宜用いられるもので調整によって実装されない場合もある。また、フランジバック(FB)は、レンズマウント10に設けた撮像窓101の開口端(レンズのフランジ面)を基準に、焦点(撮像面13a)までの距離(フランジ焦点距離)により定まる。
【0032】
デバイスホルダ14を介在してCCD13を実装したセンサ基板15を、リング11とシム12を介挿し、デバイスホルダ14を固定支持部材として、レンズマウント10に螺子止め固定することによりレンズマウント組込モジュール3が構成される。
【0033】
制御モジュールを構成するフレーム組込モジュール4は、基板実装フレーム20と、制御基板(リジッド基板)21と、電源基板22とにより構成される。制御基板21と電源基板22は、互いに重ね合わされ、中央部分が膨出した円柱形状の複数個の樹脂コアはんだボール(バレル形樹脂コアはんだボール)SBにより、物理的に一体に結合され、相互に回路接続されて、二段構造のPOP(Package On Package)基板を構成している。このバレル形樹脂コアはんだボールSBを用いたPOP基板については図16および図17を参照して後述する。
【0034】
この制御基板21と電源基板22により構成されたPOP基板が基板実装フレーム20の基板固定片205に螺子止め固定され、制御基板21と電源基板22が基板実装フレーム20の面上に立設した状態で基板実装フレーム20に支持固定されることにより制御モジュールを構成するフレーム組込モジュール4が構成される。
【0035】
上記したコネクタモジュール5とフレーム組込モジュール4の間がコネクタ接続用フレキシブルプリント配線板(外部インターフェイスフレキシブルプリント配線板)23によりコネクタを介し接離可能に回路接続され、フレーム組込モジュール4とレンズマウント組込モジュール3との間がセンサ回路用フレキシブルプリント配線板25によりコネクタを介し接離可能に回路接続されている。外部インターフェイス用フレキシブルプリント配線板23は中途部に信号処理用のIC部品24を有している。センサ回路用フレキシブルプリント配線板25は、レンズマウント組込モジュール3に対してフレーム組込モジュール4およびコネクタモジュール5を光軸O1と平行な垂直軸回りに回動可能に多重折り込み可能な長さを有している。
【0036】
上記したカメラ組立構造における、背面ケーブル引出組立構造と側面ケーブル引出組立構造の組込状態および組込後の外観構成を図5乃至図9に示している。
【0037】
コネクタモジュール5を箱形カメラ筐体1の背面(後面)部に設ける場合の組込状態を図5(a)に示し、組込後の外観構成を図5(b)に示している。この組立構造(外部インターフェイスケーブルを背面から引き出す組立構造)においては、基板実装フレーム20がカメラ筐体1の底面部を構成している。
【0038】
コネクタモジュール5を箱形カメラ筐体1の上面部に設ける場合の組込状態を図6(a)に示し、組込後の外観構成を図6(b)に示している。この組立構造(外部インターフェイスケーブルを上面から引き出す組立構造)においては、基板実装フレーム20が上記図5に示す組立構造と同様にカメラ筐体1の底面部を構成している。
【0039】
コネクタモジュール5を箱形カメラ筐体1の下面部に設ける場合の組込状態を図7(a)に示し、組込後の外観構成を図7(b)に示している。この組立構造(外部インターフェイスケーブルを下面から引き出す組立構造)においては、基板実装フレーム20がカメラ筐体1の上面部を構成している。
【0040】
コネクタモジュール5を箱形カメラ筐体1の左面部(カメラ筐体を基準にした)に設ける場合の組込状態を図8(a)に示し、組込後の外観構成を図8(b)に示している。この組立構造(外部インターフェイスケーブルを左側面から引き出す組立構造)においては、基板実装フレーム20がカメラ筐体1の右側面部を構成している。
【0041】
コネクタモジュール5を箱形カメラ筐体1の右面部(カメラ筐体を基準にした)に設ける場合の組込状態を図9(a)に示し、組込後の外観構成を図9(b)に示している。この組立構造(外部インターフェイスケーブルを右側面から引き出す組立構造)においては、基板実装フレーム20がカメラ筐体1の左側面部を構成している。
【0042】
上記した背面ケーブル引出組立構造の組立手順を図10(a),(b)、図11(a),(b)および図12(a),(b)に示し、側面ケーブル引出組立構造の組立手順を図13(a),(b)、
図14(a),(b)および図15(a),(b)に示している。
【0043】
背面ケーブル引出組立構造の組立手順においては、図10(a)に示すように、外部インターフェイス用フレキシブルプリント配線板23に実装されたIC部品24の両面にクッション材C5を貼着した後、外部インターフェイス用フレキシブルプリント配線板23をはんだ接続した外部インターフェイスコネクタ50の外部接続端子502をコネクタ取付金具40のコネクタ端子導出孔403よりコネクタ収容室6外へ導出し、ロック端子付き締め付け螺子41,41により、外部インターフェイスコネクタ50をコネクタ取付金具40に螺子止め固定してコネクタモジュール5を構成する。さらに、図10(b)に示すように、コネクタモジュール5から延出した外部インターフェイス用フレキシブルプリント配線板23をフレーム組込モジュール4の制御基板21にコネクタ接続する。
【0044】
続いて、フレーム組込モジュール4とコネクタモジュール5とを回路接続した外部インターフェイス用フレキシブルプリント配線板23を図11(a),(b)に示すように折り畳み、コネクタ取付金具40を基板実装フレーム20に係合させた後、図12(a)に示すように、レンズマウント組込モジュール3をフレーム組込モジュール4に組み込み、クッション材C1,C2を介挿して、三面カバー30をレンズマウント組込モジュール3とフレーム組込モジュール4とコネクタモジュール5に螺子止め固定する。なお、レンズマウント組込モジュール3をフレーム組込モジュール4に組み込む工程において、図3(a)および図5(a)に示すように、センサ回路用フレキシブルプリント配線板25が折り畳まれてセンサ基板15と制御基板21の間に収められる。
【0045】
これにより図12(b)に示す、背面ケーブル引出組立構造の工業用小型電子撮像カメラが構成される(図5(b)参照)。
【0046】
側面ケーブル引出組立構造の組立手順においては、図13(a)に示すように、外部インターフェイス用フレキシブルプリント配線板23をはんだ接続した外部インターフェイスコネクタ50の外部接続端子502をコネクタ取付金具40のコネクタ端子導出孔403よりコネクタ収容室6外へ導出し、ロック端子付き締め付け螺子41,41により、外部インターフェイスコネクタ50をコネクタ取付金具40に螺子止め固定してコネクタモジュール5を構成する。なお、側面ケーブル引出組立構造と背面ケーブル引出組立構造ではコネクタ取付金具40に対してコネクタ端子導出孔403に挿入する外部接続端子502の向きが上下逆さになる。さらに、図13(b)に示すように、コネクタモジュール5から延出した外部インターフェイス用フレキシブルプリント配線板23をフレーム組込モジュール4の制御基板21にコネクタ接続し、電源基板22にクッション材C4を貼着する。
【0047】
続いて、フレーム組込モジュール4とコネクタモジュール5とを回路接続した外部インターフェイス用フレキシブルプリント配線板23を図14(a),(b)に示すように折り畳み、図15に示すように、レンズマウント組込モジュール3をフレーム組込モジュール4に組み込み、三面カバー30をレンズマウント組込モジュール3とフレーム組込モジュール4とコネクタモジュール5に螺子止め固定する。この組立工程において、カメラ筐体1の右側面、左側面、上側面、下側面のいずれに外部インターフェイスコネクタ50を設けるかにより、レンズマウント組込モジュール3に対してフレーム組込モジュール4を光軸O1と平行な垂直軸回りに90度単位で回動(図示矢印r方向参照)させ、所望する側面ケーブル引出組立構造とする。なお、この場合、センサ回路用フレキシブルプリント配線板25は多重折り込み可能な長さを有しており、レンズマウント組込モジュール3とフレーム組込モジュール4を回路接続した状態で、カメラ筐体1のケーブル引出方向を、右側面と左側面と上側面と下側面のいずれかに任意に変更することができる。
【0048】
また、カメラ筐体1の一面部を構成する基板実装フレーム20の面上に、制御基板21と電源基板22とをPOP基板とし、立位状態で支持したことにより、上記した背面ケーブル引出組立構造、側面ケーブル引出組立構造のいずれであっても、上記POP基板が、レンズマウント組込モジュール3に組み込まれたセンサ基板15と重ね合わせたように同配列に実装されることから、撮像室2の基板実装スペースを最小限に抑制できる。
【0049】
さらに、制御基板21と電源基板22とをコネクタ接続とせず、熱変形および圧力変形に対してロバストなバレル形樹脂コアはんだボールSBを用いたPOP基板構造としたことで、制御基板21と電源基板22とを長期間にわたり安定した状態を維持して回路接続できるとともに、基板間を設定した一定間隔で強固に一体結合できる。
【0050】
この背面ケーブル引出組立構造と側面ケーブル引出組立構造の双方におけるセンサ基板15とPOP基板の同配列実装手段と、バレル形樹脂コアはんだボールSBを用いたPOP基板構造とにより、センサ基板15と制御基板21と電源基板22を20mm角程度の超小型カメラ筐体1の撮像室2に実装することができた。
【0051】
上記したバレル形樹脂コアはんだボールSBを用いた制御基板21と電源基板22のPOP基板構造を図16と図17(a)に示している。制御基板21は、電源基板22と対向する基板面に、動作時に熱を発散する能動回路部品P1を実装している。電源基板22の制御基板21と対向するパターン形成面に、能動回路部品P1と対向する面部を避け、その両側にバレル形樹脂コアはんだボールSBを配列して、電源基板22と制御基板21をはんだリフロー処理により相互にはんだ接合する。これにより制御基板21に実装された能動回路部品P1の両側にバレル形樹脂コアはんだボールSBが配列された状態で制御基板21と電源基板22がバレル形樹脂コアはんだボールSBにより一体結合され回路接続されて二段構造のPOP基板が製造される。なお、図17(a)に示すP2は制御基板21の部品実装面に実装された回路部品であり、P3は電源基板22の部品実装面に実装された回路部品である。
【0052】
この制御基板21と電源基板22とで構成された二段構造のPOP基板は、図17(a)に示すように、能動回路部品P1の両側にバレル形樹脂コアはんだボールSBを配列している。ここで、バレル形樹脂コアはんだボールSBの基板面に対して垂直な高さ方向の寸法(ga)を能動回路部品P1の実装高さより大きい値とすることで、能動回路部品P1の上面と電源基板22のパターン形成面との間に、一定間隔(gb)の間隙(hr)を形成することができる。実機においては、ga=1,5mmのバレル形樹脂コアはんだボールSBを用いて、gb=0,3mmの間隙(hr)を形成している。この間隙(hr)により、能動回路部品P1から発散される熱を能動回路部品P1の両側に配列したバレル形樹脂コアはんだボールSBに導く廃熱路を形成している。
【0053】
制御基板21と電源基板22の互いに対向する面に、それぞれ動作時に熱を発散する能動回路部品を実装した場合のPOP基板構造を図17(b)に示している。ここでは、制御基板21と電源基板22の互いに対向する基板面において、制御基板21に能動回路部品Pa、電源基板22に回路部品Pbを互いに対面する状態で実装している。この場合、バレル形樹脂コアはんだボールSBの基板面に対して垂直な高さ方向の寸法(ga)を能動回路部品Paと回路部品Pcの合計実装高さより大きい値とすることで、能動回路部品Paの上面と回路部品Pcの上面との間に、一定間隔(gd)の間隙(hr)を形成することができる。なお、図17(b)に示すPbは制御基板21の部品実装面に実装された回路部品、Pdは電源基板22の部品実装面に実装された回路部品、gbは能動回路部品Paの上面と電源基板22の基板面との間に形成された間隙、gcは回路部品Pcの上面と制御基板21の基板面との間に形成された間隙である。
【0054】
上記したように本発明の実施形態によれば、外部インターフェイスコネクタの取付面を、箱形カメラ筐体の前面部(レンズマウント)を除く五面を対象に、任意の面(背面、右側面、左側面、上側面、下側面)に設定並びに変更でき、これによってカメラ筐体からの外部インターフェイスケーブルの引出方向を、カメラの光軸に平行な後出し、カメラの光軸に直交する右出し、左出し、上出し、下出しの5方向を対象に、任意の方向に引き出すことができる。これにより、外部インターフェイスケーブルの接続機構を備えた工業用小型電子撮像カメラにおいて、経済的に有利な構成で、外部インターフェイスケーブルの引出方向を任意に選定して容易に組立ることができる、汎用性の高い工業用小型電子撮像カメラを提供することができる。
【0055】
また、カメラ筐体内の撮像室に、センサ基板の他に、センサ基板を制御する制御基板およびセンサ基板と制御基板の動作用電源を供給制御する電源基板を収容してカメラ機能を集約化でき、かつ信頼性の高い回路動作を期待できる工業用小型電子撮像カメラを提供することができる。
【0056】
なお、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して種々のカメラ組立構造を実現可能である。
【符号の説明】
【0057】
1…カメラ筐体、2…撮像室、3…レンズマウント組込モジュール、4…フレーム組込モジュール、5…コネクタモジュール、6…コネクタ収容室、10…レンズマウント、11…Oリング、12…シム、13…固体撮像素子(CCD)、14…デバイスホルダ、15…センサ基板、20…基板実装フレーム、21…制御基板、22…電源基板、23…外部インターフェイス用フレキシブルプリント配線板、24…IC部品24、25…センサ回路用フレキシブルプリント配線板、30…三面カバー、40…コネクタ取付金具、41…ロック端子付き締め付け螺子、50…外部インターフェイスコネクタ、101…撮像窓、102…レンズ枠部、103…トップマーク、401…取付固定片、402…張出部、403…コネクタ端子導出孔、501…本体部(コネクタ本体)、502…外部接続端子、503…接続端面、O1…光軸、SB…中央部分が膨出した円柱形状の樹脂コアはんだボール(バレル形樹脂コアはんだボール)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズマウントにより構成される前面部を除いた複数の面部を対象に、任意の面部に外部インターフェイスコネクタを取付可能にした、六面体構造をなす箱形カメラ筐体と、
前記カメラ筐体の内部に形成された撮像室に収容された、固体撮像素子を実装したセンサ基板と、
前記撮像室に収容され、前記センサ基板に実装された前記固体撮像素子を駆動制御する制御基板と、
前記撮像室に収容され、前記センサ基板および前記制御基板に動作用電源を供給制御する電源基板と、
を具備し、
前記制御基板と前記電源基板は、中央部分が膨出した円柱形状の複数個の樹脂コアはんだボールにより、対向する基板面の間に一定の間隔を存して一体にはんだ結合されるとともに相互に回路接続された二段構造のPOP基板を構成していることを特徴とする工業用小型電子撮像カメラ。
【請求項2】
前記カメラ筐体は、
撮像窓を有し、六面体構造をなす箱形カメラ筐体の前面部を構成するレンズマウントと、
前記レンズマウントの各辺に対し前記撮像窓の光軸と平行な垂直軸回りに辺を替えて前記レンズマウントに取付可能な、前記カメラ筐体の任意の三側面部若しくは任意の二側面部と背面部を構成する断面コ字状の三面カバーと、
前記カメラ筐体の内部に形成された撮像室に複数の基板を収容し支持する基板取付機構を有し、前記レンズマウントに取り付けられて前記カメラ筐体の任意の一側面部を構成する基板実装フレームと、
前記レンズマウントに取り付けられて前記カメラ筐体の任意の一側面部若しくは前記カメラ筐体の背面部を構成するコネクタ取付金具と、
外部インターフェイスケーブルを接続する外部接続端子を有し、該外部接続端子を外部に露出させて前記コネクタ取付金具に取り付けられた外部インターフェイスコネクタと、
を具備して構成され、
前記レンズマウントに、前記センサ基板が支持され、
前記基板取付機構に、前記POP基板が支持されて、前記センサ基板および前記POP基板が前記撮像室に収容されていることを特徴とする請求項1に記載の工業用小型電子撮像カメラ。
【請求項3】
前記POP基板は、前記対向する基板面において、一方の基板面に動作時に熱を発散する能動回路部品が実装され、この能動回路部品の上面と、前記一方の基板面に対向する他方の基板面との間に、前記樹脂コアはんだボールにより、一定の間隙が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の工業用小型電子撮像カメラ。
【請求項4】
前記POP基板は、前記能動回路部品の両側に前記樹脂コアはんだボールを配設しており、前記間隙は前記能動回路部品から発散される熱を前記樹脂コアはんだボールに導く廃熱路を形成していることを特徴とする請求項3に記載の工業用小型電子撮像カメラ。
【請求項5】
前記撮像室において、前記センサ基板と、前記POP基板は、前記センサ基板に対して前記POP基板を前記レンズマウントの光軸と平行な垂直軸回りに回動可能に多重折り込み可能な長さを有するセンサ回路用フレキシブルプリント配線板により接離可能に回路接続されていることを特徴とする請求項1または2に記載の工業用小型電子撮像カメラ。
【請求項1】
レンズマウントにより構成される前面部を除いた複数の面部を対象に、任意の面部に外部インターフェイスコネクタを取付可能にした、六面体構造をなす箱形カメラ筐体と、
前記カメラ筐体の内部に形成された撮像室に収容された、固体撮像素子を実装したセンサ基板と、
前記撮像室に収容され、前記センサ基板に実装された前記固体撮像素子を駆動制御する制御基板と、
前記撮像室に収容され、前記センサ基板および前記制御基板に動作用電源を供給制御する電源基板と、
を具備し、
前記制御基板と前記電源基板は、中央部分が膨出した円柱形状の複数個の樹脂コアはんだボールにより、対向する基板面の間に一定の間隔を存して一体にはんだ結合されるとともに相互に回路接続された二段構造のPOP基板を構成していることを特徴とする工業用小型電子撮像カメラ。
【請求項2】
前記カメラ筐体は、
撮像窓を有し、六面体構造をなす箱形カメラ筐体の前面部を構成するレンズマウントと、
前記レンズマウントの各辺に対し前記撮像窓の光軸と平行な垂直軸回りに辺を替えて前記レンズマウントに取付可能な、前記カメラ筐体の任意の三側面部若しくは任意の二側面部と背面部を構成する断面コ字状の三面カバーと、
前記カメラ筐体の内部に形成された撮像室に複数の基板を収容し支持する基板取付機構を有し、前記レンズマウントに取り付けられて前記カメラ筐体の任意の一側面部を構成する基板実装フレームと、
前記レンズマウントに取り付けられて前記カメラ筐体の任意の一側面部若しくは前記カメラ筐体の背面部を構成するコネクタ取付金具と、
外部インターフェイスケーブルを接続する外部接続端子を有し、該外部接続端子を外部に露出させて前記コネクタ取付金具に取り付けられた外部インターフェイスコネクタと、
を具備して構成され、
前記レンズマウントに、前記センサ基板が支持され、
前記基板取付機構に、前記POP基板が支持されて、前記センサ基板および前記POP基板が前記撮像室に収容されていることを特徴とする請求項1に記載の工業用小型電子撮像カメラ。
【請求項3】
前記POP基板は、前記対向する基板面において、一方の基板面に動作時に熱を発散する能動回路部品が実装され、この能動回路部品の上面と、前記一方の基板面に対向する他方の基板面との間に、前記樹脂コアはんだボールにより、一定の間隙が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の工業用小型電子撮像カメラ。
【請求項4】
前記POP基板は、前記能動回路部品の両側に前記樹脂コアはんだボールを配設しており、前記間隙は前記能動回路部品から発散される熱を前記樹脂コアはんだボールに導く廃熱路を形成していることを特徴とする請求項3に記載の工業用小型電子撮像カメラ。
【請求項5】
前記撮像室において、前記センサ基板と、前記POP基板は、前記センサ基板に対して前記POP基板を前記レンズマウントの光軸と平行な垂直軸回りに回動可能に多重折り込み可能な長さを有するセンサ回路用フレキシブルプリント配線板により接離可能に回路接続されていることを特徴とする請求項1または2に記載の工業用小型電子撮像カメラ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2011−139138(P2011−139138A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−296194(P2009−296194)
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【出願人】(000220620)東芝テリー株式会社 (116)
【出願人】(504426126)東芝ディーエムエス株式会社 (21)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【出願人】(000220620)東芝テリー株式会社 (116)
【出願人】(504426126)東芝ディーエムエス株式会社 (21)
【Fターム(参考)】
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