説明

巨大地震の分割,軽震化

【課題】有史以来人類は周期的に巨大地震を数多く受け続けて来ている。
【解決手段】プレート境界型の巨大地震を軽震化する為に、陸のプレートを貫通し太平洋プレートとの境界面までライザー掘削をする。海中のパイプと上部噴出防止装置を引き揚げ、下部にはブイ付きガイドロープと電動蓋を取付けておく。火薬を直、並列に隔離、収納した火薬筒をワイヤーで下部噴出防止装置と火薬筒頭部で逆止する盤(13)とを通してドリルビッド部まで垂下させる。広く公示して人畜の安全と構造物の補強を万全にした後秒読みで一せいに火薬群に点火して、そこに数万気圧レベルの超高圧力を発生させ、両プレート界面間を剥離、亀裂させて人工地震を発生させる。年月を経た後再びこの歪が蓄積してきても巨大化せぬ内に定期的に上述の手法で人工軽地震を発生させ、累積してくる歪を毎回取り除き、不意打ちの巨大地震と津波から生じる大災害を二度と起こさせぬようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は巨大地震に関するものである。
【背景技術】
【0002】
深い海底にドリルを下ろし、ウェルヘッドと噴出防止装置を設置してプレートを堀り下げる地球深部探査船によるライザー掘削システムが開発されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
有史以来、ある周期で不意に襲つてくるプレート境界型巨大地震を軽減する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
内核からの熱によりマントル対流が生じ、この結果年に数センチ海洋プレート(2)が移動する。太平洋プレート(2)(またはフィリッピン海プレート(4))がユーラシアプレート(3)(または陸のプレート)の下に潜り込む(海域下で地震発生)ものと陸のプレートの下にフイリッピン海プレートと太平洋プレートさらにその他プレートが重なつて潜り込む(陸の直下で地震発生)もの等のプレート境界型の巨大地震を分割、軽震化する為に、前者の場合、潜り込み帯を越えた地点で掘削船から陸のプレートを貫通し太平洋プレートとの境界面までライザー掘削をする。次にこの海底にはウエルヘッド(6)と上部と下部の噴出防止装置(10,7)が取り付けられているのをライザーパイプ(11)とドリルパイプ(12)ともどもこの装置の上部を切り離して引き揚げ下部には下部噴出防止装置に土砂除けの電動蓋と火薬筒の垂下をガイドするブイ付きガイドロープ(9)(電線等内蔵)を取り付ける。後者の場合には、陸上でウェルヘッド、下部噴出防止装置を取り付け海洋プレートのうちのいずれかのプレートの境界面付近までライザー掘削する。両者共このドリルパイプ内に火薬(17)を直、並列に隔離、収納した火薬筒(16)をワイヤー(12)で海上からまたは陸上から下部の噴出防止装置と火薬筒頭部で逆止する盤(13)を通してドリルビッド部(15)まで垂下させる。この設備を潜り込み帯に沿つて海底または陸上に多数設置する。これらの設備は波浪に悩む台船も海底までの長尺のパイプも無いので波浪に対しての保全は非常に楽、かつ安全なものとなる。広く公示して人畜の安全と構造物の補強を万全にして、秒読みで火薬に点火すると火薬群(17)は順次点火されて、そこに数万気圧レベルの超高圧力が発生、持続し、両プレート界面間の剥離、亀裂によつてまたは普段は固着している両プレート間も海洋プレートの基礎岩石からにじみ出る海水による岩盤界面の滑りによつて人工地震を発生させる.これは不意に襲う巨大地震より遥かに損害は軽くてすむ。この結果陸のプレート先端またはフィリッピン海プレートおよびその他のプレートの上下境界面に蓄積していた引きずり込み歪が解消する。この初回の人工地震から年月を経た後、再びこの歪が蓄積してきても巨大化せぬ内に定期的に上述の手法で人工の軽地震を発生させ、累積してくる歪を毎回取り除き不意打ちの巨大地震と津波から生じる大災害を二度と起こさせぬようにする。
【発明の効果】
【0005】
歴史上数多くの不意の巨大地震による大災害は今後は無くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
ライザー掘削システムを用いた別の方法として、海洋プレートが陸のプレートの下に潜り込む両プレートの境界面で陸のプレートを貫通し海洋プレート面上まで掘削した後、このライザーパイプをライザー掘削船から、櫓、ローワハル付きの半潜水型トップドライブ等を付けた特製、特装の台船に移設保持させながらパイプ内に火薬群を直、並列に隔離、収納した火薬筒を海洋プレート界面がある底部のドリルピッド部迄、ワイヤーで垂下させ、火薬に点火して人工地震を起こす方法があるがコストが異常にかかり、かつ、荒天時には特製台船と長尺パイプは共々非常に危険なものとなり実用化が難しい。この代わりに海洋プレートの潜り込み帯に沿つて深海のユーラシアプレートの海底に上述の設備を数多く布設すれば多数設備してもコストが比較的にかからず洋上にはブイだけの安全な設備となる。
【産業上の利用可能性】
【0007】
付加体が成長した日本列島の陸のプレートとその下に潜り込む海洋プレートとの境界面において、陸のプレート帯の先端が海洋プレート帯の潜り込みに引きずり込まれて、陸のプレートの先端に歪が蓄積し、これが限界に達したとき、跳ね上がつて不意に巨大な地震と津波が発生する。この代表例としてフィリッピン海プレートがユーラシアプレートに潜り込む駿河トラフを震源とする約90〜150年おきの巨大東海地震と津波により大災害を歴史上数多く受けて来ている。当面早急に上述の設備を海洋プレートの潜り込み帯に沿つた海底に長期に亘り安定したこの設備を多数設け、人工地震の時刻を広く公示し、人畜にも細心の注意を払い構造物の補強等にも万全の準備をした上で秒読みで人工地震を発生さる。ここ30年内に85パーセントの確率で起こるとされている東海地震も本方式により分割、軽震化する事が出来てかつその後周期的に蓄積する歪を毎回取り除き有史以来からの巨大地震、津波の恐怖から人々を完全に解放する事が出来よう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】海上または陸上から海洋プレート(2)との界面までライザー掘削システムで掘削しウエルヘット(6)と下部噴出防止装置(7)を深海底または陸上に設備している状態を示す側面図である。
【図2】パイプ底部の逆止盤(13)を通して頭部で逆止する火薬筒(16)をプレート界面上にあるドリルピット(15)部にワイヤー(18)(電線等内蔵)で垂下、設置している側面図を示す。
【符号の説明】
【0009】
1 マントル
2 海洋プレート
3 陸のプレート
4 フィリッピン海プレート
5 海水
6 ウエルヘッド
7 下部噴出防止装置
8 ウエルヘッドケーシング
9 ブイ付きガイドロープ(電線等内蔵)
10 上部噴出防止装置
11 ライザーパイプ
12 ドリルパイプ
13 逆止盤
14 バネ
15 ドリルビット
16 火薬筒
17 直、並列火薬群
18 火薬筒の垂下ワイヤー(電線等内蔵)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
「1」太平洋プレート(2)(またはフイリッピン海プレート(4))がユーラシアプレート(3)(または陸のプレート)の下に潜り込むものと陸のプレートの下にフイリッピン海プレートと太平洋プレートさらにその他のプレートが重なつて潜り込むもの等に起こるプレート境界型の巨大地震を分割、軽震化する為に、前者の場合、潜り込み帯を越えた地点で掘削船から陸のプレートを貫通し太平洋プレートとの境界面までライザー掘削をする。この海底にはウエルヘッド(6),ウェルヘツドケーシング(8)と上部と下部の噴出防止装置(10,7)が取り付けられているのをライザーパイプ(11)とドリルパイプ(12)ともどもこの装置の上部を切り離して引き揚げ、その下部に海上との連係用にブイ付きガイドロープ(9)(電線等内蔵)を取り付ける。後者の場合には、陸上でウェルヘッド、下部噴出防止装置を残して海洋プレートのうちのいずれかのプレートの境界面付近までライザー掘削する。
「2」このドリルパイプ内に火薬(17)を直、並列に隔離、収納した火薬筒(16)をワイヤー(18)(電線等内蔵)で海上から、後者では陸上から下部の噴出防止装置、火薬筒頭部等で逆止する盤(13)を通してドリルビッド部(15)まで垂下させる。それを潜り込み帯に沿つて海底、後者では陸上に多数設置する。
「3」広く公示して人畜の安全と構造物の補強を万全にして、秒読みで火薬に点火すると火薬群(17)は順次点火されて、そこに数万気圧レベルの超高圧力が発生、持続され、そこの両プレート界面間を剥離、亀裂させて人工地震を発生させる。これにより陸のプレート先端またはフィリッピン海プレートおよびその他のプレートの上下境界面に蓄積していた引きずり込み歪が解消する。
「4」年月を経た後再びこの歪が蓄積してきても巨大化せぬ内に定期的に上述の手法で人工の軽地震を発生させ、累積してくる歪を毎回取り除き、不意打ちの巨大地震と津波から生じる大災害を二度と起こさせぬようにする。

【図1】
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【図2】
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