説明

差動式駆動型螺旋形蓄積装置

物品の流れを管理する螺旋形蓄積装置のいろいろな設計が開示されている。蓄積装置は、第1の方向に駆動され、少なくとも部分的に湾曲している第1の経路に沿って、第1の方向にそれに沿って物品(4)を搬送する送り込みコンベア(26)、及び第2の方向に駆動され、少なくとも部分的に湾曲している第2の経路に沿って、第2の方向にそれに沿って物品を搬送する送り出しコンベア(34)を有している。移動可能な輸送部材(38)は、空間(36)を略横切り且つ該空間に沿って移動可能に配置されている。また、物品移送部材(58)は、輸送部材により支えられ、送り込みコンベアと送り出しコンベアとの間に動作可能に配置され、送り込みコンベアと送り出しコンベアとの間で物品を移送する。輸送部材用移動装置(48)は、輸送部材に接続されている。差動式駆動装置(50)は、輸送部材から間隔を置いて配置される固定位置に設置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概略、差動式駆動を用いて、上流の配送所から下流の受取所までの物品の流れを管理する螺旋形蓄積装置に関し、より詳細には、遠方の差動式駆動機構を介して移動する物品移送部材を含む装置に関する。
【背景技術】
【0002】
蓄積装置(accumulators)は、下流の受取所の能力が遮断するかまたは上流の配送所により供給されるたくさんの物品を取り扱うことができない速度で流れる何れか一方にあるとき、物品を蓄積するために、上流の配送所と下流の受取所との間で利用されてきた。1つの特定の蓄積装置が特許文献1に開示されている。そのような蓄積装置の持つ問題は、蓄積装置内に供給された最後の物品が蓄積装置から供給される最初の物品となることであり、結果として、特定の物品が出てきたバッチの進路及び物品が上流の配送所から供給される順序を保持することは難しい。
【0003】
蓄積装置は、先頭の物品が入り、先頭の物品が出るように作られてきた。そのような“先入れ先出し(first in, first out)”式蓄積装置は、時には、“FIFO”式蓄積装置として知られている。例えば、本件出願人は、FIFO式コンベアのいろいろな形態を全て開示し、実際上本明細書に参照により全て組み込まれている特許文献2乃至12の特許権者でもある。
【0004】
【特許文献1】米国特許第4,018,325号明細書
【特許文献2】米国特許第6,152,291号明細書
【特許文献3】米国特許第6,182,812号明細書
【特許文献4】米国特許第6,230,874号明細書
【特許文献5】米国特許第6,260,688号明細書
【特許文献6】米国特許第6,382,398号明細書
【特許文献7】米国特許第6,497,321号明細書
【特許文献8】米国特許第6,523,669号明細書
【特許文献9】米国特許第6,533,103号明細書
【特許文献10】米国特許第6,550,602号明細書
【特許文献11】米国特許第6,585,104号明細書
【特許文献12】米国特許第6,612,420号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
様々な上記特許文献は、コンベア間で搬送物体を移送するコンベア間に移送機構を持つ多層の湾曲経路に沿って延在するコンベアを有する蓄積装置を開示している。そのような蓄積装置は、一般に、螺旋形蓄積装置と称される。開示されるように、そのような螺旋形蓄積装置の移送機構は、移送点で逆方向に移動するコンベア(または、コンベアへの接続機構)に接触する回転可能な部材により駆動され得る。回転可能な部材は、コンベアの相対速度により誘導される位置で、コンベアに沿って移送機構とともに移動する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のいくつかの形態に従って、物品の流れを管理する螺旋形蓄積装置が開示される。蓄積装置は、支持構造体、該支持構造体に装着され、第1の方向に駆動され、少なくとも部分的に湾曲している第1の経路に沿って第1の方向に物品を搬送する送り込みコンベア(an infeed conveyor)、及び支持構造体に装着され、反対方向に駆動され、少なくとも部分的に湾曲している第2の経路に沿って反対方向に物品を搬送する送り出しコンベア(an outfeed conveyor)を含んでいる。送り込み及び送り出しコンベアは、それらの間に空間を画定するように、間隔をおいて、且つ、第1及び第2の経路の少なくとも一部に沿って略平行に配置されている。軌道が、空間の少なくとも一部に沿って、支持構造体に装着され、移動可能な輸送部材が、軌道空間を略横切り、該軌道空間に沿って移動可能に配置される。物品移送部材は、輸送部材により運ばれ、送り込み及び送り出しコンベアの間で操作可能に配置され、送り込みコンベアと送り出しコンベアとの間で物品を移送する。移送部材用作動装置が、輸送部材に接続されており、輸送部材用移動装置は、エンドレス・ループを含んでいる。差動式駆動機構が、輸送部材から間隔をおいて配置される固定位置に設置されている。差動式駆動機構は、相対速度差が送り込みコンベアと送り出しコンベアとの間に存在する時、輸送部材用移動装置に接触し、これを動かし、それにより、輸送部材を送り込み及び送り出しコンベアのうちのより早いコンベアの方向に移動させる出力部分を含んでいる。いろいろな選択や代替もまた、利用可能である。
【0007】
例えば、必要であれば、エンドレス・ループは、ベルト、ケーブル、または同等物であり得る。差動式駆動機構は、複数の歯車を含み得る。そうだとしたら、複数の歯車は、2つの入力歯車及び差動歯車を含み得る。この場合、一方の入力歯車は、送り込みコンベアの速度に関連する速度で回転する軸に取り付けられ、他方の入力歯車は、送り出しコンベアの速度に関連する速度で回転する軸に取り付けられ、差動歯車は、差動式駆動機構の出力部分を駆動するように、2つの入力歯車により駆動される。
【0008】
差動式駆動歯車は、送り込み及び送り出しコンベアにより駆動される軸と動作可能なように相互接続され得る。また、差動式駆動機構は、送り込み及び送り出しコンベアの速度を直接的または間接的に検出する状態応答装置、モータ、及び所望の速度で差動式駆動機構の出力部分を駆動するように、送り込み及び送り出しコンベアの速度に基づいてモータを駆動する駆動制御装置を含み得る。
【0009】
輸送部材用移動装置を案内する案内部材が、支持構造体に装着され得る。また、該案内部材は、歯車付きまたは溝付きプーリ及び/またはアイドラ・ローラを含み得る。
【0010】
差動式駆動機構は、送り込み及び送り出しコンベアの速度差の半分に等しい速度で輸送部材用移動装置を駆動し得る。また、差動式駆動機構は、(as−bs)に比例する速度で輸送部材用移動装置を駆動し得る。ここで、sは、送り込みコンベアの速度であり、sは、送り出しコンベアの速度であり、a及びbは、調整パラメータである。
【0011】
本発明の特定の別の形態に従って、物品の流れを管理する螺旋形蓄積装置が開示されている。該蓄積装置は、第1の方向に駆動され、少なくとも部分的に湾曲している第1の経路に沿って、第1の方向に物品を搬送する送り込みコンベア、及び反対方向に駆動され、少なくとも部分的に湾曲している第2の経路に沿って、反対方向に物品を搬送する送り出しコンベアを含んでいる。送り込み及び送り出しコンベアは、それらの間に間隔を画定するように、間隔をおいて配置され、且つ、第1及び第2の経路の少なくとも一部に沿って略平行に配置されている。また、移動可能な輸送部材が、空間をほぼ横切り、該空間に沿って移動可能に配置される。物品移送部材は、輸送部材により運ばれ、送り込み及び送り出しコンベアの間に動作可能に配置され、送り込みコンベアと送り出しコンベアとの間で物品を移送する。また、輸送部材用移動装置が、輸送部材に接続される。差動式駆動装置が、輸送部材から間隔を置いて配置される固定位置に設置され、差動式駆動機構は、送り込み及び送り出しコンベアの間に相対的速度差が存在するとき、輸送部材用移動装置に接触し、これを動かし、それにより、送り込み及び送り出しコンベアのうちのより早いコンベアの方向に輸送部材を移動させる出力部分を含んでいる。上述したように、この蓄積装置で、いろいろな追加の選択や代替が可能となる。
【0012】
本発明の別の形態に従って、物品の流れを管理する螺旋形蓄積装置が開示されている。蓄積装置は、第1の方向に駆動され、少なくとも部分的に湾曲している第1の経路に沿って第1の方向に物品を搬送する送り込みコンベア、及び反対方向に駆動され、少なくとも部分的に湾曲している第2の経路に沿って反対方向に物品を搬送する送り出しコンベアを含んでいる。送り込み及び送り出しコンベアは、それらの間の空間を画定するように、間隔をおいて配置され、且つ、第1及び第2の経路の少なくとも一部に沿って、略平行に配置されている。移動可能な輸送部材が、空間を略横切り、該空間に沿って移動可能に配置される。また、物品移送部材は、輸送部材により運ばれ、送り込み及び送り出しコンベアの間に動作可能に配置され、送り込みコンベアと送り出しコンベアとの間で物品を移送する。輸送部材用移動装置が、輸送部材に接続されている。差動式駆動機構が、輸送部材から間隔を置いて配置される固定位置に設置される。差動式駆動機構は、2つの入力歯車及び差動歯車を含み、一方の入力歯車は、送り込みコンベアの速度に関連する速度で回転する軸に取り付けられ、他方の入力歯車は、送り出しコンベアの速度に関連する速度で回転する軸に取り付けられ、差動歯車は、差動式駆動機構の出力部分を駆動するように、2つの入力歯車により駆動される。出力部分は、送り込み及び送り出しコンベアの間に相対速度差が存在する時、輸送部材用移動装置に接触し、これを動かし、それにより、送り込み及び送り出しコンベアのうちのより早いコンベアの方向に輸送部材を移動させる。また、上述したように、いろいろな選択や変更がこの蓄積装置で可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1−4を参照すると、上流の配送所12から下流の受取所14への物品Aの流れを管理する装置10が明白に示されている。物品は、通常のコンベア駆動機構により駆動される主コンベア16に乗って運ばれる。物品は、物品が装置10に到達するまで、主供給コンベア16に沿って供給され、到達点で物品はコンベア16を出、装置10に入る。最終的に、物品は、FIFO順に主コンベア16に戻される。
【0014】
装置10は、示されるように、種々の垂直部材20及び水平部材22を含み得る支持構造体18を含んでいる。支持構造体18のレイアウトは、装置の大きさ及び用途によって、どのような所望の形状をもとり得る。したがって、本明細書で示される支持構造体18は、単なる一例に過ぎず、示される構造体のいかなる変更も本発明の範囲内にあるとみなされるべきである。図1−3では、明確にするために、支持構造体の垂直部材20のみが示されている。
【0015】
装置10は、支持構造体18に保持される主コンベア16からそれて送り込みコンベア26に物品を移す、反れ曲がっているレール24を含んでいる。送り込みコンベア26は、エンドレス・コンベアであり、変速モータ30及びモータ制御装置32を含み得る送り込み駆動機構28により駆動される。
【0016】
送り出しコンベア34が、また、支持構造体18に保持されている。送り込み及び送り出しコンベア26及び34の工程のかなりの部分は、互いに平行であり、それらの間に空間36を備えている。変速モータ44及びモータ制御装置46を含み得る送り出し駆動機構42は、送り出しコンベア34を駆動する。反れ曲がっているレール24が、また、送り出しコンベア34からそれて主コンベア16に物品を戻すように設置されている。
【0017】
輸送部材38は、支持構造体18により保持されている軌道40上に乗っている。該軌道40は、輸送部材が、送り込み及び送り出しコンベア26及び34の全長に沿って前後に移動することを可能とする。送り込み駆動機構28は、軌道40の一方の側で、第1の方向に、送り込みコンベア28を駆動し、送り出し駆動機構42は、軌道の他方の側で、第2の方向に、送り出しコンベア34を駆動する。
【0018】
輸送部材用移動装置48は、輸送部材38に動作可能に接続され、差動式駆動機構50により駆動されている。輸送部材用移動装置48は、ベルト、ケーブルなどのようなエンドレス・ループを備え得る。該エンドレス・ループは、軌道40に乗っているかまたは該軌道40に沿っている。必要ならば、歯車付きまたは溝付きプーリまたはアイドラ・ローラのような案内部材41が、該輸送部材用移動装置48を案内するために利用され得る。
【0019】
差動式駆動機構50は、支持構造体18に装着され、送り込み及び送り出しコンベア26及び34に動作可能に係合している。以下に詳細に述べられるように、差動式駆動機構は、差動ハウジング56において連結される2つの回転軸52及び54を含んでいる。回転軸52及び54は、それぞれ、送り込み及び送り出しコンベア26及び34とともにコンベアの速度に応じて回転する。示されるように、回転軸52及び54は、ローラ53及び55を介してコンベア26及び34との接触により直接的に駆動される。しかしながら、必要ならば、コンベアまたはモータにより回転される別の遊び部材または駆動部材からの入力回転速度情報を、直接的にもまたは間接的にも取得することも可能である。輸送部材用移動装置48は、コンベアの速度に最終的に基づくシャフト52及び54の差動速度に依存してハウジングが移動すると、ハウジング56の出力部分の周りに回転する(図6−8)。
【0020】
したがって、輸送部材38は、コンベアに平行な経路に沿って、コンベアの相対的速度に依存する速度及び方向で、コンベア24及び34に関連して駆動される。送り込みコンベアから送り出しコンベアへ物品を移す物品移送部材58は、輸送部材38により運ばれる。
【0021】
コンベア26及び34の速度は、駆動機構28及び42により制御される。送り出しコンベア34の速度が送り込みコンベア36の速度より遅い場合、輸送部材38は、(図1−3に示されるように)反時計方向に移動し、それにより、蓄積装置10における物品を一時的に保管するために、送り込みコンベア及び送り出しコンベアの表面上の物品の数を増加させる。送り出しコンベア34の速度が送り込みコンベア26の速度より大きい場合は、輸送部材38は、(図1−3に示されるように)得方向に移動し、それにより、FIFO順に、送り込み及び送り出しコンベア上に保管される物品の数を減少させる。
【0022】
種々の状態に応答して信号を発生するために、状態応答装置がコンベアに沿って配置され得る。例えば、状態応答装置60が、主コンベア上の物品の詰まりを検出するために、主コンベア16の近くに配置され、そのような状態が発生すると、モータをより高速に移行させ、それにより送り込みコンベア26を加速させる信号がモータ制御装置32に送られ得る。状態応答装置60は、適切な従来の検出器であってもよいが、ある特定の実施態様においては、光電池が物品の非移動により一定の時間作動する場合信号が発生するように、タイマーを有する光電池が設けられる。主コンベアで運ばれる物品Aは、間隔をおいて配列され、物品間の間隔が所定の時間内で検出されている限り、光電池による信号は全く発生せず、送り込みコンベア26の速度の増大化を引き起こすことがない。1つの適切な光電池は、WT4−2P135S10の部品番号を有してシックA.G.社で製造されている。シックA.G.社は、ドイツのヴァルトキルヒにある。従来の適切な状態応答装置が必要とされるどのような位置にも使用され得ることが理解されるべきである。
【0023】
別の状態応答装置62が主コンベア16に沿ってレール24の先端部の非常に近くに配置され得る。この装置は、コンベア16の詰まりを検出するように設けられ、コンベア16の速度を中間の速度に減速させるために生成される信号を発生させる。別の状態応答装置64が、送り込みコンベアの物品の欠如を検出するために、送り込みコンベア26の入口近傍に配置され得る。この検出器は、そのような状態が起きると送り込みコンベアを停止させる信号を発生する。
【0024】
さらに別の状態応答装置66が主コンベア16の近くに配置されている。ここでは、物品が主コンベアに戻される。物品の詰まりが主コンベア16上で状態応答装置により検出されると、信号がモータ制御装置46に送られ、送り出しコンベア34を停止させる。送り出しコンベア34の外にある物品が主コンベア16上で互に押し付けられるとき詰まりが検出される。
【0025】
通常の動作の下では、主コンベア16は、送り出しコンベア34より速い速度で運行されている。また、物品が送り出しコンベアから主コンベア上に移送されるとき、物品間の間隔が広がる。従って、状態応答装置66は、この間隔が物品間に残っていることを確保するために設けられ、該間隔が物品の詰まりの結果として失われた場合、送り出しコンベア34が停止される。
【0026】
さらに別の状態応答装置68が、主コンベア16のさらにライン沿いに配置され得る。該応答装置68が主コンベア上に戻されている物品間に間隔が全く存在しないことを検出すると、信号が発生し、該信号は、変速モータ44の速度を減速させるために、送り出しコンベア34用の調節可能モータ制御装置46に供給される。
【0027】
状態応答装置60−68で発生した全ての信号は、プログラマブル論理制御装置のような従来の制御装置を備え得るモータ制御装置32及び46(または、図示されていないコンベア16用制御装置)に送られる。1つの適切なプログラマブル論理制御装置は、アレン・ブラッドレイ社で製造され、SLC500シリーズの型式番号を有する。アレン・ブラッドレイ社は、ウィスコンシン州ミルウォーキーにある。その他の制御装置がまた、本発明の範囲内で利用され得る。
【0028】
輸送部材38が図2に示される位置から図1に示される位置に移動するために、送り込みコンベア26の速度は、送り出しコンベア34の速度より早く走らなければならない。結果として、輸送部材38が反時計方向に移動するとき、物品を保管するために、送り込みコンベア26から送り出しコンベア34へ物品を積み込んでいる。先に述べたように、下流の受取所における要求量が増大するとき、送り出しコンベア34の速度は、輸送部材用移動装置48を介して送り込みコンベア26の速度を越えて増大し、輸送部材は、図1に示される位置から図2に示される位置まで時計方向に移動し、蓄積装置に保管されている物品を積み出す。送り込みコンベア26と送り出しコンベア34の並列運転のための構造は、蓄積装置のために利用される床面積の量に依存して変化し得る。図1及び2において、送り込み及び送り出しコンベアの構造は、螺旋形である。図3においては、送り込みコンベア26及び送り出しコンベア34の構造も螺旋形ではあるが、長く伸びた中間部分を有する。十分な床面積が存在する場合、2つのコンベアの運行は、水平面でなされ得る。
【0029】
図4に示されるように、送り込みコンベア26及び送り出しコンベア34の構造は、かなりの量の保管を比較的小さな空間内に置くことができるように、垂直螺旋形になっている。螺旋の高さが増大化する場合には、軌道のコンベアの抵抗を最小限にするように、螺旋の垂直経路に沿って送り込み及び送り出しコンベアをさらに駆動することが必要である。追加の駆動機構が図4に概略的に示されている。
【0030】
図4で理解され得るように、送り込みコンベア26及び送り出しコンベア34は、エンドレス・コンベアである。送り込みコンベア26は、モータ30により駆動され、その経路は、主コンベア16の近くから上方に螺旋形構造で延びており、駆動スプロケット70を通り過ぎ、続いて垂直走路を下がり、遊びスプロケット72を通って、垂直螺旋でコンベアを保持する軌道に戻る。コンベアを保持する軌道(不図示)は、適切な構造であればどのようなものでもよく、垂直部材20及び水平部材22に支持されている。送り出しコンベア34は、駆動スプロケット74による送り出し駆動モータ44で駆動される。コンベア・ベルト34は、その走路にある遊びスプロケット76及び78の回りを通過する。送り込みコンベア26及び送り出しコンベア34は、接続リンク80を有する、そして、ある特定の実施態様においては、図5に示されるような上面を有する、適切な従来のチェーン・ベルトで構成されてもよい。
【0031】
上述した螺旋形蓄積装置の設計で有用な歯車を使用した差動式駆動機構が図6及び7に示されている。示されるように、機構は、4つのかさ歯車82A−Dを含んでいる。(図示されていないがローラ53の回りを進む)送り出しコンベア34の速度で(示されるように)回転する送り出し回転軸52は、かさ歯車82Aに接続されている。(図示されていないがローラ55の回りを進む)送り込みコンベア26の速度で(示されるように)回転する送り込み軸54は、かさ歯車82Bに接続されている。該歯車は、ピニオン・シャフト84のピニオン歯車として同軸上に且つ回転可能に整列されている歯車82C及び82Dと噛み合う。継手86は、軸及びピニオン・シャフトの所定位置にかさ歯車を留め置く。ピニオン・シャフト84の端部は、回転軸52、54のための支持体を提供するスパイダ88から延びている。差動機構は、中央ハウジングの2つの嵌め合い半割り体92に形成されている空洞90内に嵌め込まれている。金属板96がスラスト軸受として働く。位置決めピン98が、通常、孔100を介してボルトまたはネジにより一緒にまとめられる2つのハウジング半割体を位置合わせする。歯付きスプロケット102は、半割り体各々に取り付けられている。該スプロケットの周辺部の歯は、輸送部材用移動装置48を備えている従動ベルトに係合し、該ベルトを駆動する。
【0032】
歯車付き差動部材は、通常、出力シャフト用かさ歯車82A及び82Bの相対的移動において、ピニオン歯車82C及び82Dを回転軸52、54の軸の周りに回転させる。ピニオン歯車が回転すると、ピニオン・シャフト84の端部は、ハウジング56及びスプロケット102を回転させる。その回転速度は、出力シャフト用かさ歯車の相対的回転速度に依存する。送り出しコンベア及び送り込みコンベアが反対方向に同じ速度で移動している状態において、送り出し出力かさ歯車82Aは、一定の速度で一方向に回転し、送り込み出力かさ歯車82Bは、同じ速度で反対方向に回転し、そのことは、ピニオン歯車アセンブリをピニオン・シャフトの静止状態のままに置くようにさせる。コンベア26または34の一方が他方に対して速度を上げると、差動式駆動機構50は、ハウジング及びスプロケットをより早く移動する回転アセンブリの方向に回転させるが、各回転アセンブリの速度差の半分の速度で回転させる。したがって、本実施例では、輸送部材用移動装置48の速度sは、s=1/2(s−s)で与えられる。ここで、sは、より早く移動するベルトの速度であり、sは、遅く移動するコンベアの速度である。もちろん、ギアリング比は、歯車減速器あるいは別の速度関係を引き出すその他の従来技術の使用により変更され得る。その関係は、sがas−bsに比例することにより概ね規定され得る。ここで、a及びbは、例えば、有効歯車比により設定されるパラメータである。このことは、輸送部材用移動装置が、特定の用途において、コンベアの他方よりも一方により大きく相対的に左右される速度で駆動されることを可能とする。また、その比は、コンベアの幅が等しくない場合、変更され得る。このことは、いくつかの状態において好ましい。
【0033】
図8に示されるように、輸送部材用移動装置48’を、例えば、例示されるベルトの代わりにケーブルを使うことにより変更することが可能である。そうであるとすると、部材41は、プーリなどであってもよい。また、案内軌道40も、それに応じて変更されなければならない。また、ハウジング56も同様に、多分変更されるであろう。その結果、出力部分駆動輸送部材用移動装置48’は、必ずしも2つの歯付きスプロケットを備えていることはなく、ケーブルを受け入れる溝102’を備えるであろう。差動ハウジングから輸送部材用移動装置まで差動回転運動を移送するいろいろなその他の変更も可能である。そのような変更や選択の全てが本発明の範囲内にあると考えられることが理解されるべきである。
【0034】
上述した螺旋形蓄積装置にとって有効な差動式駆動機構の別の例が図9に図式的に示されている。示されるように、差動式駆動機構50’は、輸送部材用移動装置48を駆動するために、コンベア26及び34の間に配置されるハウジング56’を含んでいる。示されるように、輸送部材用移動装置48は、ケーブルであるが、上述したように、その他の構造は、適切な対応する変更により使用され得る。送り込みコンベア速度検出器104及び送り出しコンベア速度検出器106のような状態応答装置も設けられている。図9に概略的に示されるように、検出器104及び106は、回転軸52及び54の回転速度を直接測定してもよいし、または、関連する回転軸あるいは差動ハウジング56’を介して測定するような別の方法で測定してもよい。したがって、検出器104及び106は、光学式または機械式変換器などを備え得る。あるいは、コンベア26または34の速度を直接測定してもよい。検出器104及び106は、検出された速度に依存するモータ110を駆動するモータ制御装置108と連通している。制御装置108は、上述したラインに沿って論理を使用し、ハウジング56’のための出力速度及び方向を決定し、それに応じてモータ110を駆動し得る。制御装置108は、上述したように、プログラマブル論理制御装置であり得る。
【0035】
本発明に係る好ましい実施態様が上で述べられてきたけれども、本発明の範囲及び精神には本発明の全て且つ多様な同等の実施例が含まれると理解されるべきである。したがって、表された実施態様は、ほんの一例として提示されたにすぎないものであって、本発明を限定するように意図されるものではない。本発明の特定の実施態様が記載され、示されてきたけれども、多くの変更がなされ得るので本発明がそれに限定されるものではないということが当業者にとって理解されるであろう。したがって、ありとあらゆるそのような実施態様は、添付されるクレームの文字通りのまたは均等の範囲内に入り得るので、本発明内に含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】その基本的形状にある物品の流れを管理する装置を例示する平面図である。
【図2】装置内に詰め込まれる物品を示す図1の装置の平面図である。
【図3】図1の設計を変更した形状の平面図である。
【図4】垂直螺旋状に物品を蓄積する装置を例示する概念図である。
【図5】本発明の特定の形態に従って、軌道上に装着され、輸送部材用移動装置に取り付けられた輸送部材の斜視図である。
【図6】本発明の特定の形態に従う差動式駆動機構の斜視図である。
【図7】図6の差動式駆動機構の部分拡大斜視図である。
【図8】クレーム6にあるような別の差動式駆動機構であって、ケーブル及びプーリーを有する斜視図である。
【図9】本発明の特定の形態に従う別の差動式駆動機構の斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の方向に駆動され、少なくとも部分的に湾曲している第1の経路に沿って、第1の方向にそれに沿って物品を搬送する送り込みコンベアと、
反対方向に駆動され、少なくとも部分的に湾曲している第2の経路に沿って、反対方向にそれに沿って物品を搬送する送り出しコンベアと、
送り込みコンベア及び送り出しコンベアは、間隔を置いて配置され、且つそれらの間に空間を画定するように、第1の経路及び第2の経路の少なくとも一部に沿って略平行に配置され、
空間を略横切り、該空間に沿って移動可能に配置されている移動可能な輸送部材と、
輸送部材により支えられ、送り込みコンベアと送り出しコンベアとの間に動作可能に配置され、送り込みコンベアと送り出しコンベアとの間で物品を移送する物品移送部材と、
輸送部材に接続されている輸送部材用移動装置と、
輸送部材から間隔を置いて配置されている固定部分に設置されている差動式駆動機構であって、送り込みコンベアと送り出しコンベアとの間に相対的な速度差が存在するとき、輸送部材用移動装置に接触し、これを移動させ、それにより、送り込みコンベア及び送り出しコンベアのうちのより早いコンベアの方向に輸送部材を移動させる出力部分を含んでいる差動式駆動機構と、
を備えていることを特徴とする物品の流れを管理する螺旋形蓄積装置。
【請求項2】
輸送部材用移動装置は、エンドレス・ループであることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
エンドレス・ループは、ベルトまたはケーブルのうちの1つであることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
差動式駆動機構は、複数の歯車を含んでいることを特徴とする請求項1−3のいずれかに記載の装置。
【請求項5】
複数の歯車は、2つの入力歯車と差動歯車を含み、一方の入力歯車は、送り込みコンベアの速度に関連する速度で回転する回転軸に取り付けられ、他方の入力歯車は、送り出しコンベアの速度に関連する速度で回転する回転軸に取り付けられ、差動歯車は、差動式駆動機構の出力部分を駆動するように、2つの入力歯車により駆動されることを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項6】
差動式駆動機構は、送り込みコンベア及び送り出しコンベアにより駆動される回転軸と動作可能なように相互接続されていることを特徴とする請求項1−3のいずれかに記載の装置。
【請求項7】
差動式駆動機構は、送り込みコンベア及び送り出しコンベアの速度を直接的または間接的に検出する状態応答装置、モータ、及び差動式駆動機構の出力部分を所望の速度で移動させるように、送り込みコンベア及び送り出しコンベアの速度に基づいてモータを駆動する駆動制御装置を含んでいることを特徴とする請求項1−3のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
支持構造体をさらに含み、
送り込みコンベア及び送り出しコンベアは、支持構造体に装着され、
支持構造体に装着され、送り込みコンベアと送り出しコンベアとの間の空間内に少なくとも部分的に配置されている軌道をさらに含み、
輸送部材は、該軌道に沿って移動可能であることを特徴とする請求項1−7のいずれかに記載の装置。
【請求項9】
輸送部材用移動装置を案内するために、支持構造体に装着されている案内部材をさらに含んでいることを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項10】
案内部材は、プーリまたはアイドラ・ローラのうちの1つを含んでいることを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項11】
差動式駆動機構は、送り込みコンベアと送り出しコンベアの速度差の半分に等しい速度で輸送部材用移動装置を駆動することを特徴とする請求項1−10のいずれかに記載の装置。
【請求項12】
差動式駆動機構は、as−bsに比例する速度、ここでsは、送り込みコンベアの速度であり、sは、送り出しコンベアの速度であり、a及びbは、調整可能なパラメータである、で輸送部材用移動装置を駆動することを特徴とする請求項1−11のいずれかに記載の装置。
【請求項13】
送り込みコンベア及び送り出しコンベアは、先入れ先出し順に物品を搬送するように構成されていることを特徴とする請求項1−12のいずれかに記載の装置。
【請求項14】
送り込みコンベア及び送り出しコンベアは、一列縦隊配向で物品を搬送するように構成されていることを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項15】
送り込みコンベア及び送り出しコンベアは、一列縦隊より多い配向で物品を搬送する用に構成されていることを特徴とする請求項13に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2007−530394(P2007−530394A)
【公表日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−506133(P2007−506133)
【出願日】平成16年11月5日(2004.11.5)
【国際出願番号】PCT/US2004/037232
【国際公開番号】WO2005/102880
【国際公開日】平成17年11月3日(2005.11.3)
【出願人】(501178938)ハートネス インターナショナル インコーポレイテッド (5)
【Fターム(参考)】