説明

巻取りスピンドル

本発明は、巻取り機のための巻き取りスピンドルであって、少なくとも1つの巻管(24)を収容するための外側の周壁ブシュ(1)と、クランプ装置(6)とを有していて、該クランプ装置(6)が、周壁ブシュ(1)の下側で、駆動可能な中空スピンドル(2)の周面に同心的に配置されており、クランプ装置(6)が、複数のクランプ体(8)を有しており、該クランプ体(8)が、周壁ブシュ(1)の開口(9)内に案内されていて、かつクランプ体(8)が、軸方向に摺動可能な少なくとも1つの環状ピストン(12)によって、巻管(24)を緊締または緊締解除するために半径方向に可動であり、環状ピストン(12)が、周壁ブシュ(1)と、中空スピンドル(2)との間に形成された環状室(5)内に配置されていて、複数のばね(18)によって緊締位置に保持されている形式のものに関する。本発明によれば、ばね(18)が、それぞれ環状ピストン(12)の周方向に整列された扁平な複数の曲折区分(25)を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念部に記載の形式の巻取り機に用いられる巻取りスピンドルであって、少なくとも1つの巻管を収容するための外側の周壁ブシュと、クランプ装置とを有していて、該クランプ装置が、周壁ブシュの下側で同心的に、駆動可能な中空スピンドルの周面に配置されており、クランプ装置が、複数のクランプ体を有しており、該クランプ体が、周壁ブシュの開口内に案内されていて、かつクランプ体が、軸方向に摺動可能な少なくとも1つの環状ピストンによって、巻管を緊締するかまたは緊締解除するために、半径方向に可動であり、環状ピストンが、周壁ブシュと、中空スピンドルとの間に形成された環状室内に配置されていて、複数のばねによって緊締位置に保持されている形式のものに関する。
【0002】
巻取り機に用いられるこのような形式の巻取りスピンドルは、ドイツ連邦共和国特許出願公開第19607916号明細書から公知である。
【0003】
このような形式の巻取りスピンドルは、巻取り機において、有利には紡糸されたばかりの合成糸をボビンに巻き上げるために使用される。このためには、1つまたは複数の巻管が、巻取り機に内に突出して配置された巻取りスピンドル上に相前後して被せ嵌められている。巻管を巻取りスピンドルの周面において位置固定するためには、クランプ装置が設けられている。このクランプ装置は、巻管の緊締および緊締解除を可能にする。
【0004】
公知の巻取りスピンドルでは、クランプ装置は、外側の周壁ブシュと、内側の中空スピンドルとの間の環状室内に配置されている。周壁ブシュと、中空スピンドルとは、相対回動不能に互いに結合されている。この場合、中空スピンドルは、駆動軸によって駆動される。巻管をクランプするために、クランプ装置は複数のクランプ体を有している。これらのクランプ体は、周壁ブシュの開口内に案内されていて、巻管を緊締または緊締解除するために、中空スピンドルの周面における環状ピストンの摺動によって、半径方向に可動である。この場合、環状ピストンは、通常複数のばねによって緊締位置に保持される。たとえば巻取りスピンドルから満管ボビンを引き出すことができるように、巻管を緊締解除するためにだけ、クランプ装置の作動が必要である。
【0005】
公知の巻取りスピンドルでは、支持能力、ひいては曲げ剛性は、主に中空スピンドルによって、かつ該中空スピンドルの外径によって規定されている。したがって、長く突出している巻取りスピンドルでは、できるだけ曲げ剛性の中空スピンドルを得ることが所望される。これによって臨界的な回転数と、ひいては高められた共振の危険とが遅らされる。
【0006】
巻取りスピンドルの曲げ剛性を高めるために、さらに欧州特許出願公開第1456108号明細書から公知の巻取りスピンドルでは、周壁ブシュと、中空スピンドルとの間に複数の支持手段が配置されている。これらの支持手段は、周壁ブシュと、中空スピンドルとの間で緊定を生ぜしめる。これによって、巻取りスピンドルの支持能力を改善することができるが、このことは、巻取りスピンドルにおける付加的な手段によってしか達成されない。
【0007】
したがって、本発明の課題は、冒頭で述べた形式の巻取りスピンドルを、付加的な手段なしに改良して、高められた支持能力を達成することである。
【0008】
上記課題は、本発明によれば、ばねが、それぞれ、環状ピストンの周方向に整列された扁平な複数の曲折区分(Windung)を有していることにより解決される。
【0009】
本発明の有利な実施の形態は、請求項2以下の各請求項に記載された特徴およびそれらの特徴の組合せにより規定されている。
【0010】
本発明の特別な利点は、クランプ装置のための組込みスペースが著しく減じられ得ることにある。これによって、巻取りスピンドルの外径が同じままで、最大の可能な直径を備えた中空スピンドルを形成することができる。ばねの組込みスペースは、もはや巻条直径によって規定されるのではなく、実質的に1つの平面に位置する曲折区分の線材厚さによって規定されている。したがって、クランプ装置を収容するために必要となる環状室は最小限にまで減じられ得る。したがって、従来のクランプ装置に比べて、クランプ装置の構造高さを40%以上減じることができる。
【0011】
比較的短い移動距離、ひいては比較的短いばね距離(たわみ)で、巻管を周壁ブシュの周面において緊締するために十分なばね力を得るためには、本発明の有利な1態様によれば、ばねの曲折区分は、それぞれ1つの平面内でメアンダ状もしくはジグザグ状に屈曲されたばね線材によって形成されている。したがって、たとえば円筒状に巻成されたばねにおいて通常であるばね特性と同じばね特性を実現することができる。
【0012】
クランプ装置全体の組込みスペースをさらに最適化するためには、本発明の有利な1態様によれば、環状ピストンの周方向に延びるばねの曲折区分が、屈折部または湾曲部を有している。
【0013】
この場合、ばねにおける曲折区分の屈折部もしくは湾曲部は、環状ピストンの中間の直径に適合しているように選択されている。
【0014】
巻管を緊締するために、クランプ装置は半径方向で可動な複数のクランプ体を有している。クランプ体は、巻管を緊締および緊締解除するために、外側の周壁ブシュから出入りして案内される。巻管の、できるだけ均等に周面において分配されたクランプを行うために、本発明の有利な態様によれば、ばねが、環状ピストンの周面に均等に分配されて配置されていて、かつ環状ピストンの切欠き内に案内されている。これによって、環状ピストンの均等な軸方向の摺動を生ぜしめることができるので、1つの平面に配置されたクランプ体は同期的に案内され得る。
【0015】
ばねは、有利には圧縮ばねとして形成されていて、ストッパと環状ピストンとの間の環状室内に緊締されている。緊締された状態におけるクランプ装置の運転時間は、弛緩された状態での運転時間に比べてはるかに長いので、有利には耐疲労性のばねが実現され得る。
【0016】
弛緩のためには、環状ピストンがばね力に抗して中空スピンドルの周面に沿って戻されることが必要である。このためには、有利には圧力流体が使用される。圧力流体は、圧力源により圧力室内に案内される。圧力室は、環状ピストンの受圧面によって直接に画定されている。このためには、環状ピストンは、一体的に、つまりワンピースに形成されていて、圧縮ばねとは反対側に位置する端部に上記受圧面を有している。
【0017】
本発明の特に有利な別の態様によれば、環状ピストンは、クランプ体毎に、緊締シューを有している。この緊締シューは、対応するクランプ体と協働し、環状ピストンにおける切抜き部によって形成されている。クランプ装置の多数の構造エレメントを最小限に減じることができるようにするために、環状ピストンによって、各クランプ体に1つの緊締シューが対応配置されている。
【0018】
択一的には、クランプ体に対応配置された緊締シューが、別個の部材として、形状接続式に環状ピストンに結合されてもよい。これによって、緊締シューを特に滑りやすい別の材料から形成することができる。
【0019】
巻管の緊締時に、緊締シューを半径方向で十分に支持するために、緊締シューは、それぞれ1つの弾性的なウェブによって環状ピストンに結合されている。これによって、各緊締シューにおいて、支持が中空スピンドルの周面において直接に行われ得る。
【0020】
巻管を位置固定するためには、本発明の別の態様では特に、クランプ体が、複数の緊締エッジを備えた波状の表面または複数の緊締尖端を備えたワッフル状の表面をそれぞれ有していることが示されている。したがって、特に厚紙から成る巻管の使用時に形状接続式の緊締接続が生ぜしめられ得る。
【0021】
本発明に係る巻取りスピンドルにおいて使用される本発明に係るばねは、扁平な曲折区分が、各環状ピストン直径に対応する湾曲された平面に適合されていることにより傑出している。これにより、ばねの組込みスペースは特にコンパクトに形成され得る。
【0022】
本発明に係る巻取りスピンドルの実施の形態および別の利点を、添付の図面を参照しながら以下に詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係る巻取りスピンドルの1つの実施の形態を示す概略図である。
【図2】図1に示した実施の形態を変更した運転状態で示す概略図である。
【図3】図1に示した実施の形態の横断面を示す概略図である。
【図4】クランプ装置のばねを概略的に示す平面図である。
【図5】クランプ装置のばねを概略的に示す側面図である。
【図6】クランプ装置のばねを概略的に示す側面図である。
【図7】クランプ装置の、環状ピストンに一体的に成形された緊締シューを示す概略図である。
【図8】本発明に係る巻取りスピンドルの別の実施の形態を示す概略図である。
【0024】
図1,図2および図3には、本発明に係る巻取りスピンドルの第1の実施の形態が複数の見方で概略的に示されている。図1および図2には、第1の実施の形態が側面図で示されていて、この場合、巻取りスピンドルの突出した自由端は断面図で示されていて、巻取りスピンドルの支承端部は側面図で示されている。図1には、緊締されたクランプ装置によって周面において張設された巻管を有する実施の形態が、図2には、弛緩されたクランプ装置を有する、巻管を有しない実施の形態が示されている。この場合、図1には、図左半部において巻管が単に点線により示されている。
【0025】
図3は、図1のように緊締されたクランプ装置を有する実施の態様の横断面を示している。
【0026】
図1〜図3のうちの1つに明確に関連付けられることがない限り、以下の説明は全ての図面に適用される。
【0027】
巻取りスピンドルは、外側の周壁ブシュ1を有している。この周壁ブシュ1は、中空スピンドル2の周面に被せられていて、つば23と、カバー20との間に保持されている。中空スピンドル2は、駆動軸4に連結されていて、中空円柱(円筒)状のスピンドル支持体3に回転可能に支承されている。中空スピンドル2と駆動軸4との結合ならびに駆動軸4と中空スピンドル2との軸受部は、この実施の形態では詳しく示されていない。なぜならば、駆動軸4と中空スピンドル2とは、このような巻取りスピンドルにおいて一般的に知られており、本発明にとって重要な意味を成さないからである。
【0028】
図1,図2および図3の断面図から判るように、外側の周壁ブシュ1と、中空スピンドル2との間には環状室5が形成されている。この環状室5内に、クランプ装置6が配置されている。クランプ装置6は、周壁ブシュ1の全長にわたって延びていて、巻取りスピンドルに収容されるべき巻管の個数に応じて、複数の基準平面(Normalebene)において分配して配置された複数のクランプ体8を有している。
【0029】
図1および図2には、クランプ体8のそれぞれ2つのグループが示されている。これらのクランプ体8により、たとえば巻管24が、周壁ブシュの周面において緊締され得る。クランプ体8の各グループは、同様に構成されているので、クランプ装置6のさらなる説のためには、突出した端部に配置されたクランプ体8が詳細に説明される。
【0030】
クランプ体8は、それぞれ周壁ブシュ1に設けられた周壁開口7内に半径方向に案内される。
【0031】
図3の図面から判るように、クランプ体は、半径方向で、互いに反対の側に位置する2つの保持カラー10を有している。保持カラー10は、クランプ体8が周壁ブシュ1の周壁開口7から脱落することを阻止する。
【0032】
クランプ体8は、上面に、平行に配向された複数の緊締エッジ9を備えた波状の表面を有している。クランプ体8の下面は、楔状のガイド面11により形成されている。ガイド面は環状ピストン12と協働している。
【0033】
図1,図2および図3から判るように、環状ピストンは、中空スピンドル2の周面に配置されていて、軸方向では環状室5において軸方向に摺動可能である。環状ピストン12は、各クランプ体8に対して緊締シュー14を支持している。該緊締シュー14は、楔形に形成されていて、クランプ体8に設けられたガイド面11と共に作用する。緊締シュー14は、弾性的なウェブ15を介して環状ピストン12に結合されている。環状ピストン12の周面には、複数の緊締シュー14が分配されて配置されている。
【0034】
緊締シュー14の構成を理解するために、図7には環状ピストン12の一部が平面図で示されている。環状ピストン12は、緊締シュー14毎に、1つの切抜き部13を有している。この切抜き部13内で緊締シュー14はウェブ15を介して弾性的に運動可能である。
【0035】
図1,図2および図3から判るように、緊締シュー14の弾性的な結合は、クランプ体8と緊締シュー14とが一緒に中空スピンドル2の周面において支持され得ることにつながる。
【0036】
環状ピストン12には、周面において均等に分配された複数のばね18が作用している。ばね18は、圧縮ばねとして形成されていて、ばね線材26の、扁平な複数の曲折区分(Windung)25を環状ピストン12の周方向で有している。このためには、ばねが環状ピストン12の切欠き19内に案内されている。
【0037】
図1および図2の図面から判るように、ばね18は、カバー20により形成されたストッパと、環状ピストン12との間で緊締されている。図1に図示された状態において、ばね18は、中空シリンダ2の周面の環状ピストンを支承端部の方向に押圧しているので、環状ピストン12の緊締シュー14は、クランプ体8を周壁ブシュ1から突出するように押圧している。この状態において、巻管24は緊締されている。
【0038】
図1および図2の図面から判るように、環状ピストン12は、ばね18に対する端部とは反対の側に位置する端部に受圧面17を有している。この受圧面17は、圧力室21を画定している。圧力室21は、圧力接続部22を介して中空スピンドル2の内室に連結している。中空スピンドル2の内室は、接続部(図示せず)を介して圧力源に接続することができるので、圧力流体が圧力室21内に案内され得る。環状ピストン12は、圧力室21に対して、2つのシール部材16.1,16.2を有している。これらのシール部材16.1,16.2は、周壁ブシュ1に対しても、中空スピンドル2に対しても、圧力室21のシールを生ぜしめる。
【0039】
巻管24において満管のボビンが得られた場合のためには、中空スピンドルがボビンを交換するために制動される。中空スピンドル2の停止後に、圧力源がクランプ装置を弛緩させるために接続されるので、圧力室21内に圧力流体が導入される。圧力流体によって、環状ピストン12がばね18のばね力に抗して自由端の方向に摺動させられる。これにより、巻管の緊締が解除され、クランプ体8は、周壁ブシュ1の内部に戻ることができる。巻取りスピンドルのこの運転状態は図2にも示されている。
【0040】
クランプ装置6の組込みスペースおよび環状室5をできるだけ小さく形成するために、ばね18が、曲折区分の方向でも、曲折区分形状でも環状ピストン12に適合されている。図4から判るように、ばね18は、メアンダ状に屈曲されたばね線材26により形成されている。したがって、互いに相前後して配置された扁平な複数の曲折区分25が生じる。これらの曲折区分25は、製造時にまず1つの平面内で製作される。次いで、ばね18は、屈折部または湾曲部によって、曲折区分25が、環状ピストン12の中間付近の、特に切欠き19の底面の直径に適合された形状となるように変形させられる。したがって、本発明に係るばね18は、湾曲された平面に適合された曲折区分25を有している。湾曲された平面は、有利には、ばねが案内される環状ピストンの湾曲に相応して適合されている。
【0041】
図5に示した実施の形態では、曲折区分25が屈折部により変形されているばね18を示している。このためには、曲折区分25の両脚部が、中心の曲げエッジ27を基準として対称的に屈折されている。
【0042】
図6では、ばね18の別の実施の形態が示されている。この実施の形態では、曲折区分25が、環状ピストン12の中間の直径にほぼ適合する曲率半径Rを備えた均一な湾曲を有している。これにより、構造高さが数ミリメートルである、極めてコンパクトなクランプ装置を実現することができる。
【0043】
図8では、本発明に係る巻取りスピンドルの別の実施の形態が概略的に示されている。この実施の形態は、図1および図2に示した実施の形態とほぼ同一であるので、以下には実質的に差異についてのみ説明し、それ以外は上記の説明に関連する。
【0044】
図8に示した実施の形態では、クランプ体8に対応配置された緊締シュー14がそれぞれ、環状ピストン12に形状接続式に、つまり形状に基づく束縛によって結合された別個の構成部分として形成されている。緊締シュー14の個数は、クランプ体8の個数と同じである。
【0045】
環状ピストン12への結合のために、各緊締シュー14が、ガイド面11に対して反対の側に保持カラー28を有している。この保持カラー28は、環状ピストン12に形成された保持溝29内に形状接続式に係合する。したがって環状ピストン12と緊締シュー14とが形状接続式に互いに結合しているので、環状ピストン12による緊締シュー14の確実な往復ガイドが保証されている。
【0046】
クランプ装置6のこの実施の形態では、緊締シュー14と環状ピストン12とが互いに異なる材料から形成されている可能性が与えられている。これによって、特に緊締シュー14を滑りやすい耐摩耗性の材料から形成することができる。
【0047】
図8に示された実施の形態の機能は、上述の図1および図2による実施の形態と同一であるので、機能についてこれ以上の説明は行わない。巻管を、突出するクランプ体8を介して位置固定するために、クランプ体8の表面は、図8に示した実施の形態では、ワッフル状に形成されているので、クランプ体8の表面には、複数のピラミッド状の緊締尖端30が保持されている。これらの緊締尖端30は、特に紙管において、クランプ体8と巻管との間の確実な保持を生ぜしめる。
【0048】
本発明によれば、巻取りスピンドルの強度を著しく上昇させることが可能である。クランプ装置の構造高さの減少は、直接に中空スピンドルを拡大するために利用することができる。
【0049】
既に述べたように、巻取りスピンドルの長さに応じて、10,12または16個の巻管が収容され得る。したがって、上記のクランプ装置は、複数の環状ピストンを有していてよく、これによって、複数のクランプ体をガイドすることができる。この場合、周壁ブシュと中空スピンドルとの間の環状室内に配置された各環状ピストンの機能は、上述の実施の形態と同一である。したがって、本発明は、1つの巻管が周面に緊締される巻取りスピンドルにも、複数の巻管が同時に周面に保持される巻取りスピンドルにも適用される。
【符号の説明】
【0050】
1 周壁ブシュ
2 中空スピンドル
3 スピンドル支持体
4 駆動軸
5 環状室
6 クランプ装置
7 周壁開口
8 クランプ体
9 緊締エッジ
10 保持カラー
11 ガイド面
12 環状ピストン
13 切抜き部
14 緊締シュー
15 ウェブ
16.1,16.2 シール部材
17 受圧面
18 ばね
19 切欠き
20 カバー
21 圧力室
22 圧力接続部
23 つば
24 巻管
25 曲折区分
26 ばね線材
27 曲げエッジ
28 保持カラー
29 保持溝
30 緊締尖端

【特許請求の範囲】
【請求項1】
巻取り機に用いられる巻取りスピンドルであって、少なくとも1つの巻管(24)を収容するための外側の周壁ブシュ(1)と、クランプ装置(6)とを有していて、該クランプ装置(6)が、周壁ブシュ(1)の下側で、駆動可能な中空スピンドル(2)の周面において同心的に配置されており、クランプ装置(6)が、複数のクランプ体(8)を有しており、該クランプ体(8)が、周壁ブシュ(1)の開口(7)内に案内されていて、クランプ体(8)が、軸方向に摺動可能な少なくとも1つの環状ピストン(12)によって、巻管(24)を緊締または緊締解除するために半径方向に可動であり、環状ピストン(12)が、周壁ブシュ(1)と、中空スピンドル(2)との間に形成された環状室(5)内に配置されていて、複数のばね(18)によって緊締位置に保持されている形式のものにおいて、
ばね(18)が、それぞれ環状ピストン(12)の周方向に整列された、扁平な複数の曲折区分(25)を有していることを特徴とする、巻取り機に用いられる巻取りスピンドル。
【請求項2】
ばね(18)の曲折区分(25)が、それぞれ1つの平面内でメアンダ状またはジグザグ状に曲折されたばね線材(26)から形成されている、請求項1記載の巻取りスピンドル。
【請求項3】
ばね(18)の曲折区分(25)が、環状ピストン(12)の周方向の屈折部または湾曲部を有している、請求項2記載の巻取りスピンドル。
【請求項4】
ばね(18)の曲折区分(25)に設けられた屈折部または湾曲部が、環状ピストン(12)の中間の直径に適合されている、請求項3記載の巻取りスピンドル。
【請求項5】
ばね(18)が、環状ピストン(12)の周面に均等に分配されて配置されていて、環状ピストン(12)の切欠き(19)内において案内されている、請求項3または4記載の巻取りスピンドル。
【請求項6】
ばね(18)が、圧縮ばねとして形成されていて、ストッパ(20)と環状ピストン(12)との間の環状室(5)内に緊締されている、請求項1から5までのいずれか1項記載の巻取りスピンドル。
【請求項7】
環状ピストン(12)が、圧縮ばね(18)に対する端部とは反対の側に位置する端部に受圧面(17)を有していて、該受圧面(17)が、圧力流体を導入するための圧力室(21)を画定している、請求項6記載の巻取りスピンドル。
【請求項8】
環状ピストン(12)が、クランプ体(8)毎に緊締シュー(14)を有していて、該緊締シュー(14)が、対応するクランプ体(8)と協働し、緊締シュー(14)が、環状ピストン(12)における切抜き部(13)によって形成されているか、または環状ピストン(12)に形状接続式に結合されている、請求項1から7までのいずれか1項記載の巻取りピストン。
【請求項9】
緊締シュー(14)が、それぞれ1つの弾性的なウェブ(15)によって環状ピストン(12)に結合されている、請求項8記載の巻取りピストン。
【請求項10】
クランプ体(8)がそれぞれ、複数の緊締エッジ(9)を有する波状の表面または複数の緊締尖端(30)を有するワッフル状の表面を有している、請求項1から9までのいずれか1項記載の巻取りピストン。
【請求項11】
請求項1から10までのいずれか1項記載の巻取りスピンドルに使用するためのばねであって、複数の曲折区分(25)を有している形式のものにおいて、曲折区分(25)が、扁平状に、湾曲された平面において整列されている、巻取りスピンドルに使用するためのばね。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2013−517190(P2013−517190A)
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−548442(P2012−548442)
【出願日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際出願番号】PCT/EP2011/050419
【国際公開番号】WO2011/086142
【国際公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(307031976)エーリコン テクスティル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト (105)
【氏名又は名称原語表記】Oerlikon Textile GmbH & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Leverkuser Strasse 65, D−42897 Remscheid, Germany
【Fターム(参考)】