説明

巻取り管のチャック装置

【課題】巻取り管の中心とチャック本体の中心の一致を保証できると共に、係合部材の突出、退避の動作も安定、確実になるようにした巻取り管のチャック装置を提供する。
【解決手段】チャック本体20の外周に一対のテーパピストン23a、23bが嵌装されている。テーパピストンを互いに近接させることによってチャック本体の外周に設けられた係合部材40の環状の弾性部材41の外径が拡大し、テーパピストンを互いに離隔させることによって環状の弾性部材の外径が縮小する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、紙板、合成樹脂フィルム等のシート状物を巻き取る巻取り管のチャック装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、巻取り管のチャック装置は、巻取り管の軸方向に沿って挿入するチャック本体と、チャック本体の外周に設けられた係合部材であって、チャック本体の径方向で突出および退避して、突出により巻取り管の内周面に係合し、退避により係合を離脱する係合部材を備えた構成とされている。前記係合部材の突出および退避をさせる機構には、機械的に行う構成としたもの(特許文献1、2参照)や、圧縮空気などの流体圧によって行う構成のものが知られている。
【0003】
流体圧によって係合部材を突出および退避させる構成としたものには、係合部材をタイヤ状の弾性ゴムリングとしてチャック本体に嵌装したものがある。弾性ゴムリングを圧縮空気で膨らませて、その外径を拡大し、外周面を巻取り管の内周面に係合させるようにしている。
【0004】
また、図6のように構成されたものも知られている。図6において、100がチャック本体であり、チャック本体100の端部外周に沿って、複数(3〜6個)の係合部材101が設けられている。複数の係合部材101は、放射状に等間隔で設けられている。係合部材101の中心にテーパコーン102が設けられ、このテーパコーン102とチャック本体100の外部に設けた駆動ピストン104が駆動軸105で連結されている。空気室103の一方(図において右側)に圧縮空気を圧入するとテーパコーン102が矢示106の方向に移動し、係合部材101が突出して鎖線図示の巻取り管107と係合する。空気室103の他方に圧縮空気を圧入するとテーパコーン102が矢示108の方向に移動して係合部材101が退避し、巻取り管107との係合が解かれるようにしている。
【特許文献1】実開平3−4178号公報
【特許文献2】特開平6−345295号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は、前記のようなチャック装置のうち、圧縮空気などの流体圧によってチャック本体に設けた係合部材を突出および退避させる構成における種々の問題を解決することを課題としている。
【0006】
即ち、図6に示した、係合部材をテーパコーンの移動を介して突出および退避させるようにしたものにおいては、係合部材をその一側から押す構造のため、係合部材の突出および退避の動作に無理が生じて、係合部材が動かなくなったり、また、巻取り管の中心とチャック本体の機械的中心にずれが生じて、巻取り管とチャック本体の間で中心のずれが生ずることもあるという問題点があった。
【0007】
特に、図6図示のチャック装置では、係合部材101として、通常、焼入れ金属製の爪が使用されており、爪の幅が狭く、巻取り管(紙管やプラスチック管)の面圧強度が不足し、紙粉等のゴミを発生させてしまい、電子材料製造工程においては不都合が生じるという問題があった。
【0008】
また、前記の流体圧を介してタイヤ状のゴム弾性リングを膨らませて巻取り管と係合できるように構成したものにおいては、前述したような紙粉等のゴミを発生させて、電子材料製造工程において不都合を生じさせるという問題はないが、巻取り管に巻き取られるシート状物の重量が重い場合に、ゴム弾性リングが重量に耐え切れずにへこみ、巻取り管の中心とチャック本体の機械的中心にずれが生じて、製造工程に不具合が生じ、また、シート状物に悪影響を及ぼすおそれがあるという点において改善の余地があった。
【0009】
この発明は、紙粉等のゴミを発生させて、電子材料製造工程において不都合を生じさせるおそれがないという、前述した流体圧を介して係合部材を突出および退避させる構成の巻取り管のチャック装置を更に改善、改良することを目的としてなされたもので、巻取り管の中心とチャック本体の中心の一致を保証できると共に、係合部材の突出、退避の動作も安定、確実になるようにした巻取り管のチャック装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するこの発明の巻取り管のチャック装置は、巻取り管の端部に、巻取り管の軸方向に沿って挿入するチャック本体と、チャック本体の外周に設けられた係合部材であって、チャック本体の径方向で突出および退避して巻取り管の内周面に係合・離脱する係合部材とを備えている巻取り管のチャック装置において、前記チャック本体の外周に一対のテーパピストンが嵌装されて、チャック本体の軸方向に摺動自在とされていると共に、一対のテーパピストンは、それぞれ他方のテーパピストンに近いほうの端部が他方のテーパピストンに向かって外径が次第に小さくされて、端部外周に第1のテーパ面が互いに向き合うように形成されており、前記チャック本体の外周に設けられた係合部材が、環状の弾性部材と、環状の弾性部材の内周に設けられたテーパ部品で構成されて、テーパ部品には、前記一対のテーパピストンのそれぞれの第1のテーパ面と対向して接するようにした第2のテーパ面が形成されており、前記一対のテーパピストンを互いに近接させることによって前記係合部材の環状の弾性部材の外径が拡大し、一対のテーパピストンを互いに離隔させることによって前記係合部材の環状の弾性部材の外径が縮小するようにされていることを特徴とする巻取り管のチャック装置である。
【0011】
前記一対のテーパピストンは、第1のテーパ面が形成された端部と反対側の端部に、一対のテーパピストンを互いに近接させるための空気室が設けられていると共に、一対のテーパピストン間には、一対のテーパピストンを互いに離隔させるための圧縮ばねが設けられている構成とすることができる。
【0012】
そして、この一対のテーパピストンを離隔させるための圧縮ばねは、一対のテーパピストンを互いに離隔させるために、一対のテーパピストン間に設けた空気室内に設けることができる。
【0013】
また、前記一対のテーパピストンは、第1のテーパ面が形成された端部と反対側の端部に、第1、第2の円板が取り付けてあり、第1、第2の円板の中心軸に沿って設けた駆動軸が前記チャック本体の外部に設けた空気室内の一対の駆動ピストンに連結されており、一対の駆動ピストンを互いに離れる方向に駆動することによって前記一対のテーパピストンが互いに近接し、一対の駆動ピストンを互いに近づく方向に駆動することによって前記一対のテーパピストンが互いに離隔するようにされている構成とすることもできる。
【発明の効果】
【0014】
上記のように構成したこの発明の巻取り管のチャック装置によれば、一対のテーパピストンを互いに近接させると、それぞれの第1のテーパ面がテーパ部品に形成した第2のテーパ面を押して、テーパ部品をチャック本体の径方向に押し出し、環状の弾性部材は外径を拡大させて、径方向に突出する。この結果、環状の弾性部材の外周面を巻取り管の内周面に密着させてチャックすることができる。外径を拡大した環状の弾性部材は、テーパ部品と一対のテーパピストンによって、第1、第2のテーパ面を当接させた状態で支持されている。このため、一対のテーパピストンの互いに近接した状態を維持することで、環状の弾性部材の中心をチャック本体の中心と一致した状態に保持することができ、しかも巻取り管に巻き取るシート状物の重量が重い場合でも、その外径を縮小することがない。したがって、チャック装置の中心と巻取り管の中心が常に一致することを保証できる。
【0015】
また、テーパ部品は、一対のテーパピストンによって両側から支持され、かつ、第1、第2のテーパ面を介して外側に押し出される構成であるので、テーパ部品に必要以上の無理な力が働かないようにできる。この結果、係合部材の突出、退避の動作も安定し、しかも確実に動作する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、この発明の実施の形態を添付の図を参照して説明する。
【0017】
図1〜3は、第1の実施形態の巻取り管のチャック装置10を示している。図1は断面図、図2(a)、(b)は外観正面図であり、(a)は巻取り管をチャックする前の状態、(b)は巻取り管をチャックしたときの状態である。また、図3は巻取り管と巻取り管のチャック装置の関係を示す概念図である。また、図4はチャック装置10を構成した係合部材40の断面図である。
【0018】
この巻取り管のチャック装置10は、駆動軸11の端部に連結されたチャック本体20と、チャック本体20の外周に設けられた係合部材40とで構成されている。
【0019】
チャック本体20は、フランジ部21と、フランジ部21の中心軸に沿ってフランジ部21の一側に延びる軸部22を一体に有している。軸部22には一対のテーパピストン23a、23bが嵌装されて、各テーパピストン23a、23bは軸部22に沿って摺動可能になっている。軸部22のフランジ部21側の端部にはシリンダ部品24が設けられて、その筒状部24aが一方のテーパピストン23aの外側に嵌められて、テーパピストン23aとシリンダ部品24の間に空気室25が形成されている。また、軸部22の反対側の端部にもシリンダ部品26が設けられて、その筒状部26aが他方のテーパピストン23bの外側に嵌められて、テーパピストン23bとシリンダ部品26の間にも空気室27が形成されている。
【0020】
前記空気室25、27は、チャック本体20のフランジ部21に形成した通路28と、軸部22の中心軸に沿って形成されたエアタンク室29および軸部22を径方向に貫通するように設けた通路30、30と連通させてある。フランジ部21の周縁に設けたエア供給口31から通路28、エアタンク室29、通路30を通して圧縮空気を圧入できるようにされている。
【0021】
また、テーパピストン23a、23bの互いに対向する面には、スプリング受穴32が互いに対向させて形成してあり、このスプリング受穴32に支持されるようにして、テーパピストン23a、23b間に圧縮ばね(コイルスプリング)33が設けてある。圧縮ばね33は、その弾発力でテーパピストン23a、23bを互いに離れる方向に付勢している。そして、一対のテーパピストン23a、23bの間隙とスプリング受穴32によって第2の空気室34が形成され、この第2の空気室34が軸部22の径方向に形成した通路35を介して軸部22からフランジ部21にわたって形成した通路36に連通している。
【0022】
更に、テーパピストン23a、23bは、それぞれ他方のテーパピストン23a、23bに近い方の端部が他方のテーパピストン23a、23bに向かって外径が次第に小さくされて、端部外周に第1のテーパ面37a、37bが形成されている。
【0023】
上記のように構成されたチャック本体20の外周に設けられた係合部材40は、図1、4に示されているように、環状に形成されたウレタンゴム環41と、ウレタンゴム環41の内周に等間隔で設けた複数のテーパ部品42、42とで構成されている。複数のテーパ部品42、42を所定の位置に配置して、弾性部材となるウレタンゴムをオーバーモールドしてウレタンゴム環41が成形されている。
【0024】
複数のテーパ部品42の内側はウレタンゴム環41に埋没することなく露出しており、内面に前記テーパピストン23a、23bの第1のテーパ面37a、37bと対向して接することができるようにした第2のテーパ面43a、43bが形成してある。また、ウレタンゴム環41の開口している両端部には、前記シリンダ部品24、26の筒状部24a、26aの外側に嵌まるようにした筒状部44、45が設けてある。
【0025】
係合部材40を構成した複数のテーパ部品42、42のそれぞれの第2のテーパ面43a、43bをテーパピストン23a、23bの第1のテーパ面37a、37bに当接するようにして、チャック本体20の外周に係合部材20が嵌装され、ウレタンゴム環41の両端に設けた筒状部44、45が、それぞれシリンダ部品24、26に取り付けたウレタン押え38、39でシリンダ部品24、26に固定されている。ウレタン押え38、39に設けた筒状の押え部分38a、39aの内周面とウレタンゴム環41の筒状部44、45の外周面が図に表れているように傾斜しており、筒状部44、45がシリンダ部品24、26の筒状部24a、26a側に強く押し付けられるようになっている。駆動軸11からチャック本体20に加えられる回転トルクが係合部材40にロスを生ずることなく確実に伝達できるようにしてある。この確実性を更に増すために、シリンダ部品24、26の筒状部24a、26aの外周面にローレットを形成して、ウレタンゴム環41の筒状部44、45がローレット面に食い込むようにすることもできる。
【0026】
尚、図1において符号46は、気密性を得るために設けられたOリングなどのシール部材である。
【0027】
以上のように構成した実施形態の巻取り管のチャック装置10を図3に示したようにシート状物60の巻取り管61の端部に挿入した後、チャック本体20のフランジ部21に設けたエア供給口31から圧縮空気を空気室25、27に圧入することによって、巻取り管61をチャックすることができる。圧縮空気を空気室25、27に圧入すると、テーパピストン23a、23bは互いに近接するように軸部22に沿って摺動する。テーパピストン23a、23bが互いに近接すると、テーパピストン23a、23bに設けた第1のテーパ面37a、37bと、係合部材40側のテーパ部品42の第2のテーパ面43a、43bの間で、テーパ部品42を軸部22の径方向で外側に押し出す力が生じて、テーパ部品42を介してウレタンゴム環41の外径を、図2(b)に示したように、拡大させる。ウレタンゴム環41の外形の拡大によって、ウレタンゴム環41の外周面は巻取り管61の内周面に密着し、巻取り管61を巻取り管のチャック装置10でチャックすることができる。
【0028】
ウレタンゴム環41の外径が拡大した状態は、空気室25、27に圧入した圧縮空気の圧力を保持することで維持することができる。通路28、30間にエアタンク室29を介在させてあるので、空気漏れの影響を少なくでき、テーパピストン23a、23bを近接させた状態を確実に維持することができる。巻取り管61に巻き取られているシート状物60の重量は、ウレタンゴム環41からテーパ部品42、テーパピストン23a、23bを介して直接軸部22に伝達されるので、ウレタンゴム環41の外径が縮小することを防止し、軸部22の中心、即ちチャック装置10の中心と巻取り管61の中心が常に一致することを保証できる。
【0029】
巻取り管61のチャックを解除する時は、エア供給口31から圧入した圧縮空気を抜けばよい。圧縮空気を抜くと、圧縮ばね33の弾発力とウレタンゴム環41の収縮力によってテーパピストン23a、23bは互いに離隔する方向に移動し、ウレタンゴム環41の外径が縮小し、チャックが解除される。チャックの解除に際して、エア供給口31から圧入した圧縮空気を抜くと共に、第2の空気室34へ通路35、36を通して圧縮空気を圧入して、圧縮ばね33の弾発力と協働するようにすることもできる。
【0030】
テーパピストン23a、23bの軸部に沿う近接および離隔によってテーパ部品42を軸部22の径方向に移動させる場合、第1のテーパ面37a、37bおよび第2のテーパ面43a、43bの傾斜角度θを第1、第2のテーパ面間の摩擦係数より大きい角度とすることで、テーパ部品42の動作を安定、確実にすることができる。そして、テーパ部品42は、その両側のテーパピストン23a、23bから同時に、同じ強さの作用を受けるので、テーパ部品42を傾動させるような無理な力が働くことはなく、結局、巻取り管61のチャックおよびその解除の動作を安定、確実に行うことができる。しかも、第1、第2のテーパ面37a、37b、43a、43bは密閉された空間内に配置されているので、摩擦によって生ずる磨耗粉を外部に飛散させるおそれがなく、クリーンルームでの使用にも適している。
【0031】
次に、図5に示したこの発明の第2の実施形態について説明する。この実施形態は、テーパピストン23a、23bを駆動する空気室を外部に設けたもので、その他の部分は前記の実施形態と同様に構成されている。したがって、前記の実施形態と共通の部材には同一の符号を付して説明は省略する。
【0032】
テーパピストン23a、23bの第1のテーパ面37a、37bと反対側の端部に、第1、第2の円板51、52が取り付けてある。また、チャック本体20のフランジ部21の外側には空気室53が設けてある。空気室53内には一対の駆動ピストン54a、54bが設けてある。そして、第1の円板51と一方の駆動ピストン54aが中空の駆動軸55で連結してあり、第2の円板52と他方の駆動ピストン54bが中空の駆動軸55に挿通された充実の駆動軸56で連結してある。
【0033】
この実施形態では、空気室53内に設けた一対の駆動ピストン54a、54b間に圧縮空気を圧入すると共に、一対の駆動ピストン54a、54bの外側の空気を排出して駆動ピストン54a、54bを離隔させると、テーパピストン23a、23bは互いに近接して、第1の実施形態と同様に、係合部材40のウレタンゴム環41の外径を拡大させ、巻取り管をチャックすることができる。また、一対の駆動ピストン54a、54bの外側に圧縮空気を圧入すると共に、一対の駆動ピストン54a、54b間の空気を排出して駆動ピストン54a、54bを近接させると、テーパピストン23a、23bは互いに離隔し、巻取り管のチャックを解除することができる。
【0034】
テーパピストン23a、23bを動かす空気室を外部の空気室53とすることで大型化し、係合部材40のチャック力を増強することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】この発明の第1の実施形態の断面図である。
【図2】同じく第1の実施形態の外観正面図であり、(a)は巻取り管をチャックする前の状態の図、(b)は巻取り管をチャックしたときの状態の図である。
【図3】巻取り管と巻取り管のチャック装置の関係を示す概念図である。
【図4】実施形態の係合部材の断面図である。
【図5】この発明の第2の実施形態の断面図である。
【図6】従来の巻取り管のチャック装置の断面図である。
【符号の説明】
【0036】
10 巻取り管のチャック装置
11 駆動軸
20 チャック本体
21 フランジ部
22 軸部
23a テーパピストン
23b テーパピストン
24 シリンダ部品
24a 筒状部
25 空気室
26 シリンダ部品
26a 筒状部
27 空気室
28 通路
29 エアタンク室
30 通路
31 エア供給口
32 スプリング受穴
33 圧縮ばね
34 第2の空気室
35 通路
36 通路
37a 第1のテーパ面
37b 第1のテーパ面
38 ウレタン押え
39 ウレタン押え
40 係合部材
41 ウレタンゴム環
42 テーパ部品
43a 第2のテーパ面
43b 第2のテーパ面
44 筒状部
45 筒状部
46 シール部材
51 第1の円板
52 第2の円板
53 空気室
54a 駆動ピストン
54b 駆動ピストン
55 駆動軸
56 駆動軸
60 シート状物
61 巻取り管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
巻取り管の端部に、巻取り管の軸方向に沿って挿入するチャック本体と、チャック本体の外周に設けられた係合部材であって、チャック本体の径方向で突出および退避して巻取り管の内周面に係合・離脱する係合部材とを備えている巻取り管のチャック装置において、
前記チャック本体の外周に一対のテーパピストンが嵌装されて、チャック本体の軸方向に摺動自在とされていると共に、一対のテーパピストンは、それぞれ他方のテーパピストンに近いほうの端部が他方のテーパピストンに向かって外径が次第に小さくされて、端部外周に第1のテーパ面が互いに向き合うように形成されており、
前記チャック本体の外周に設けられた係合部材が、環状の弾性部材と、環状の弾性部材の内周に設けられたテーパ部品で構成されて、テーパ部品には、前記一対のテーパピストンのそれぞれの第1のテーパ面と対向して接するようにした第2のテーパ面が形成されており、
前記一対のテーパピストンを互いに近接させることによって前記係合部材の環状の弾性部材の外径が拡大し、一対のテーパピストンを互いに離隔させることによって前記係合部材の環状の弾性部材の外径が縮小するようにされていることを特徴とする巻取り管のチャック装置。
【請求項2】
前記一対のテーパピストンは、第1のテーパ面が形成された端部と反対側の端部に、一対のテーパピストンを互いに近接させるための空気室が設けられていると共に、一対のテーパピストン間には、一対のテーパピストンを互いに離隔させるための圧縮ばねが設けられている請求項1に記載の巻取り管のチャック装置。
【請求項3】
一対のテーパピストンを離隔させるための圧縮ばねは、一対のテーパピストンを互いに離隔させるために、一対のテーパピストン間に設けた空気室内に設けられている請求項2に記載の巻取り管のチャック装置。
【請求項4】
前記一対のテーパピストンは、第1のテーパ面が形成された端部と反対側の端部に、第1、第2の円板が取り付けてあり、第1、第2の円板の中心軸に沿って設けた駆動軸が前記チャック本体の外部に設けた空気室内の一対の駆動ピストンに連結されており、一対の駆動ピストンを互いに離れる方向に駆動することによって前記一対のテーパピストンが互いに近接し、一対の駆動ピストンを互いに近づく方向に駆動することによって前記一対のテーパピストンが互いに離隔するようにされている請求項1に記載の巻取り管のチャック装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−131419(P2007−131419A)
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−326858(P2005−326858)
【出願日】平成17年11月11日(2005.11.11)
【出願人】(391061473)株式会社ハイメックス (9)
【Fターム(参考)】