説明

布地物品のリフレッシュの方法

追加の洗浄処理の必要なしに布地物品をリフレッシュする方法。この方法は、家電製品のドラム内に処理する布地物品を入れる工程と、その布地物品を、抗菌活性剤及び脱臭活性剤を含む水性の布地リフレッシュ組成物に、約30℃〜約120℃の温度で約1分間〜約120分間接触させる工程とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、布地物品をリフレッシュする方法に関する。具体的には本発明は、本発明のリフレッシュ処理を行うことにより、布地物品が任意の追加の洗浄処理の必要なしに使用できる、布地物品のリフレッシュのための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
布地物品の着用又は使用後、消費者は通常、次の着用又は使用のために、その布地物品を従来の水性洗濯洗浄又はドライクリーニングプロセスによってきれいにする。従来の水性洗濯洗浄は、比較的大量の水を使用して、典型的には消費者の自宅で洗濯機内で実行される。洗濯機及び洗濯洗剤は非常に洗練されてきているが、従来の水性洗濯プロセスは依然として、布地物品を移染及び/又は収縮などのリスクにさらしている。多くのドライクリーニングプロセスは、洗浄のために非水性溶媒を使用する。水を回避することにより、ドライクリーニングプロセスは収縮及びしわのリスクを最小限に抑える。しかしながら、大量の溶媒の取扱いと回収の必要があることから、ドライクリーニングプロセスは不便かつ高価であり、よって消費者の自宅で使用するには不適である。
【0003】
布地物品を洗浄する従来のニーズに加えて、特に、限定的な回数着用又は使用され、その物品に目立った汚れがない場合、布地物品を「リフレッシュ」するニーズも存在する。このような布地物品については、次の使用のために従来の水性洗濯洗浄又はドライクリーニングプロセスによって布地物品を洗浄するのは、不必要であり得る。加えて、上述のように、繰り返し水性洗濯洗浄又はドライクリーニングを行うと、必然的に布地物品を損傷のリスクにさらすことになり、環境に過剰な負荷を加えることになる。実際に、消費者にとっては、限定的な回数だけ着用又は使用した布地物品は、単純かつ便利なリフレッシュ処理を行った後に再び使用することができるのが好ましい。消費者調査によれば、消費者が行うリフレッシュ処理による布地物品の除菌及び脱臭が、重要な好ましい効果であることが明らかにされている。加えて、消費者が自宅で一般的な家電製品を使用してこのリフレッシュ処理を実施できることが好ましい。当該技術分野における既知の方法では、これらの望ましい効果すべてを消費者にもたらすことはできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、消費者が自宅で便利に実施でき、任意の追加の洗浄処理の必要なしに、リフレッシュ処理を行った布地物品がすぐに使用できる、布地物品のリフレッシュのための方法について、充足されていないニーズが存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、布地物品をリフレッシュする方法を提供する。本明細書の方法には、処理する布地物品を家電製品のドラム内に入れる工程と、その布地物品を約1〜約120分間、約30℃〜約120℃の温度で、水性の布地リフレッシュ組成物に接触させる工程とを含み、その布地リフレッシュ組成物が約0.001重量%〜約1.0重量%の抗菌活性剤と、約0.01重量%〜約20重量%の脱臭活性剤とを含む。驚くべきことに、本明細書の方法は、布地物品を実質的にリフレッシュできることが見出された。換言すれば、本明細書の方法は、処理される布地物品を実質的に殺菌し、及び/又は、微生物及び悪臭を除去することができる。よって、処理された布地物品は、追加の洗浄処理の必要なしに着用又は使用できる。加えて、本明細書の方法は、洗濯機、乾燥機などの一般的な家電製品を使用して消費者が自宅で便利に実施することができる。これにより、複数のさまざまな家電製品を自宅に置く不便さが回避される。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本明細書で使用される用語「布地物品」は、従来の水性洗濯洗浄プロセス又はドライクリーニングプロセスで慣例的に洗浄される任意の物品を意味する。同様に、この用語は衣服、リネン類(linen)及びカーテン、衣服アクセサリー、並びに敷物を包含する。また、この用語は、手さげバッグ、家具カバー、防水布などのような、全体又は一部分が布地で作られた他の品目も包含する。
【0007】
本明細書で使用される用語「リフレッシュ」「リフレッシュする」「リフレッシュされた」は、布地物品の処理の文脈で使用されるとき、その布地物品から悪臭を少なくとも実質的に除去し、その布地物品の実質的な殺菌及び/又は微生物除去を行うことを意味する。しわ低減、柔軟性、ぱりっとした仕上がり、撥水性及び/又は防汚性(stain repellency)、静電気防止、収縮防止などを含むがこれらに限定されない任意の追加的効果は、リフレッシュ処理の範囲から除外されるべきではないことを認識すべきである。
【0008】
本明細書で使用される用語「水性の布地リフレッシュ組成物」は、1つ以上の抗菌活性剤及び1つ以上の脱臭活性剤を含む組成物を意味する。この活性物質は、主に水からなる媒体に分散又は溶解される。
【0009】
本明細書で使用される冠詞「a」及び「an」は、特許請求の範囲で使用されるときには、請求又は記載される1以上の物質を意味するものと理解される。
【0010】
すべてのパーセンテージと割合は、特に指定のない限り、重量基準で計算されている。
【0011】
水性の布地リフレッシュ組成物
本明細書の布地物品をリフレッシュするための方法に従い、処理される布地物品は、約0.001重量%〜約1.0重量%、又は約0.005重量%〜約0.5重量%、又は約0.01重量%〜約0.1重量%の抗菌活性剤と、約0.01重量%〜20重量%、又は約0.1重量%〜約5重量%、又は約0.5重量%〜約2重量%の脱臭活性剤とを含む、水性の布地リフレッシュ組成物に接触する。
【0012】
抗菌活性剤
抗菌活性剤は、布地物品を殺菌するのに有用である。水性の布地リフレッシュ組成物中の抗菌活性剤の典型的な濃度は、水性の布地リフレッシュ組成物の約0.001重量%〜約1.0重量%、又は約0.005重量%〜約0.5重量%、又は約0.01重量%〜約0.1重量%の範囲である。本明細書において有用な抗菌活性剤について、特に制限はない。家庭用の消費者向け洗浄製品に一般に使用されている抗菌活性剤を、本明細書で使用することができる。例示的な抗菌活性剤には、抗菌性ハロゲン化化合物、第四級アンモニウム化合物、フェニル及びフェノール化合物、金属塩、有機酸及びその塩が挙げられるがこれらに限定されない。
【0013】
抗菌性ハロゲン化化合物。例示的なビグアニド類には、1,1’−ヘキサメチレンビス(5−(p−クロロフェニル)ビグアニド)(一般にクロルヘキシジンとして知られる)及びその塩(例えば塩酸、酢酸、グルコン酸との塩)が挙げられる。このジグルコン酸塩はきわめて水溶性に富み、水に約70%溶解し、この二酢酸塩の水に対する溶解度は約1.8%である。他の有用なビグアニド化合物には、ポリ(ヘキサメチレンビグアニド)塩酸塩を含め、Cosmoci(商標)CQ(商標)、Vantocil(商標)IBが挙げられる。他の有用なビグアニド類には、ビス−ビグアニドアルカンとその水溶性の塩(例えば塩化物、臭化物、硫酸塩、アルキルスルホン酸塩(メチルスルホネート、エチルスルホネートなど)、フェニルスルホン酸塩(p−メチルフェニルスルホネートなど)、硝酸塩、酢酸塩、グルコン酸塩、及び類似物が挙げられる。好適なビス−ビグアニド化合物の例には、クロルヘキサジン;1,6−ビス−(2−エチルへキシルビグアニドヘキサン)ジヒドロクロリド;1,6−ジ−(N,N’−フェニルジグアニド−N,N’)−ヘキサンテトラヒドロクロリド;1,6−ジ−(N,N’−フェニル−N,N’−メチルジグアニド−N,N’)−ヘキサンジヒドロクロリド;1,6−ジ(N,N’−o−クロロフェニルジグアニド−N,N’)−ヘキサンジヒドロクロリド;1,6−ジ(N,N’−2,6−ジクロロフェニルジグアニド−N,N’)ヘキサンジヒドロクロリド;1,6−ジ[N,N’−β−(p−メトキシフェニル)ジグアニド−N,N’]−ヘキサンジヒドロクロリド;1,6−ジ(N,N’−α−メチル−β−フェニルジグアニド−N,N’)−ヘキサンジヒドロクロリド;1,6−ジ(N,N’−p−ニトロフェニルジグアニド−N,N’)ヘキサンジヒドロクロリド;1,6−ジ(N,N’−2,4−ジクロロフェニルジグアニド−N,N’)ヘキサンテトラヒドロクロリド;1,6−ジ(N,N’−p−メチルフェニルジグアニド−N,N’)ヘキサンジヒドロクロリド;1,6−ジ(N,N’−2,4,5−トリクロロフェニルジグアニド−N,N’)ヘキサンテトラヒドロクロリド;1,6−ジ[N,N’−α−(p−クロロフェニル)エチルジグアニド−N,N’]ヘキサンジヒドロクロリド;ω,ω’−ジ(N,N’−p−クロロフェニルジグアニド−N,N’)m−キシレンジヒドロクロリド;1,12−ジ(N,N’−p−クロロフェニルジグアニド−N,N’)ドデカンジヒドロクロリド;1,10−ジ(N,N’−フェニルジグアニド−N,N’)−デカンテトラヒドロクロリド;1,12−ジ(N,N’−フェニルジグアニド−N,N’)ドデカンテトラヒドロクロリド;1,6−ジ(N,N’−o−クロロフェニルジグアニド−N,N’)ヘキサンジヒドロクロリド;1,6−ジ(N,N’−p−クロロフェニルジグアニド−N,N’)−ヘキサンテトラヒドロクロリド;エチレンビス(1−トリルビグアニド);エチレンビス−(p−トリルビグアニド);エチレンビス(3,5−ジメチルフェニルビグアニド);エチレンビス(p−tert−アミルフェニルビグアニド);エチレンビス(ノニルフェニルビグアニド);エチレンビス(フェニルビグアニド);エチレンビス(N−ブチルフェニルビグアニド);エチレンビス(2,5−ジエトキシフェニルビグアニド);エチレンビス(2,4−ジメチルフェニルビグアニド);エチレンビス(o−ジフェニルビグアニド);エチレンビス(混合アミルナフチルビグアニド);N−ブチルエチレンビス(フェニルビグアニド);トリメチレンビス(o−トリルビグアニド);N−ブチルトリメチレンビス(フェニルビグアニド);及び上記すべてに対応する薬剤として許容される塩(例えば酢酸塩、グルコン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、クエン酸塩、亜硫酸水素塩、フッ化物、ポリマレイン酸塩、N−やし油アルキルサルコシネート(coconutalkylsarcosinates)、亜リン酸塩、次亜リン酸塩、過フルオロオクタノン酸塩、ケイ酸塩、ソルビン酸塩、サリチル酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、エチレンジアミン四酢酸塩、イミノ二酢酸塩、桂皮酸塩、チオシアン酸塩、アルギン酸塩、ピロメリト酸塩、テトラカルボキシ酪酸塩、安息香酸塩、グルタル酸塩、モノフルオロリン酸塩、及び過フルオロプロピオン酸塩)、並びにこれらの混合物がある。この群のうち好ましい抗菌剤は、1,6−ジ−(N,N’−フェニルジグアニド−N,N’)−ヘキサンテトラヒドロクロリド;1,6−ジ(N,N’−o−クロロフェニルジグアニド−N,N’)−ヘキサンジヒドロクロリド;1,6−ジ(N,N’−2,6−ジクロロフェニルジグアニド−N,N’)ヘキサンジヒドロクロリド;1,6−ジ(N,N’−2,4−ジクロロフェニルジグアニド−N,N’)ヘキサンテトラヒドロクロリド;1,6−ジ[N,N’−α−(p−クロロフェニル)エチルジグアニド−N,N’]ヘキサンジヒドロクロリド;ω,ω’−ジ(N,N’−p−クロロフェニルジグアニド−N,N’)m−キシレンジヒドロクロリド;1,12−ジ(N,N’−p−クロロフェニルジグアニド−N,N’)ドデカンジヒドロクロリド;1,6−ジ(N,N’−o−クロロフェニルジグアニド−N,N’)ヘキサンジヒドロクロリド;1,6−ジ(N,N’−p−クロロフェニルジグアニド−N,N’)−ヘキサンテトラヒドロクロリド;及びこれらの混合物であり、より好ましくは、1,6−ジ(N,N’−o−クロロフェニルジグアニド−N,N’)−ヘキサンジヒドロクロリド;1,6−ジ(N,N’−2,6−ジクロロフェニルジグアニド−N,N’)ヘキサンジヒドロクロリド;1,6−ジ(N,N’−2,4−ジクロロフェニルジグアニド−N,N’)ヘキサンテトラヒドロクロリド;1,6−ジ[N,N’−α−(p−クロロフェニル)エチルジグアニド−N,N’]ヘキサンジヒドロクロリド;ω,ω’−ジ(N,N’−p−クロロフェニルジグアニド−N,N’)m−キシレンジヒドロクロリド;1,12−ジ(N,N’−p−クロロフェニルジグアニド−N,N’)ドデカンジヒドロクロリド;1,6−ジ(N,N’−o−クロロフェニルジグアニド−N,N’)ヘキサンジヒドロクロリド;1,6−ジ(N,N’−p−クロロフェニルジグアニド−N,N’)−ヘキサンテトラヒドロクロリド;及びこれらの混合物である。前述のように、選択されたビスビグアニドはクロルヘキシジン、その塩(例えばジグルコン酸塩、ジヒドロクロリド、二酢酸塩、及びこれらの混合物)である。これらの材料は、さまざまな供給元から市販されている。
【0014】
第四級アンモニウム化合物。幅広い種類の第四級アンモニウム化合物が、本明細書の水性の布地リフレッシュ組成物における抗菌活性剤として使用可能である。有用な第四級アンモニウム化合物の非限定的な例には:(1)塩化ベンザルコニウム及び/又は置換塩化ベンザルコニウム、例えば市販されているBarquat(商標)(Lonzaから市販)、Maquat(商標)(Masonから市販)、Variquat(商標)(Witco/Sherexから市販)、及びHyamine(商標)(Lonzaから市販);(2)ジ(C〜C14)アルキルジ−短鎖(C1〜4アルキル及び/又はヒドロキシアルキル)第四級アンモニウム化合物、例えばLonzaのBardac製品;(3)モノ(C〜C14)アルキルトリ−短鎖(C1〜4アルキル及び/又はヒドロキシアルキル)第四級アンモニウム化合物;(4)N−(3−クロロアリル)ヘキサミニウム塩化物、例えばDowicide(商標)及びDowicil(商標)(Dowから市販);(5)塩化ベンゼトニウム、例えばHyamine(商標)1622(Rohm&Haasから市販);(6)塩化メチルベンゼトニウム(Hyamine(商標)10Xに代表される)(Rohm&Haasから市販);(7)塩化セチルピリジニウム、例えば塩化セパコール(Cepacol)(Merrell Labsから市販)が挙げられる。好ましいジアルキル第四級アンモニウム化合物の例には、ジ(C〜C12)アルキルジメチルアンモニウムクロリドがあり、例えばジデシルジメチルアンモニウムクロリド(Bardac(商標)22)、及びジオクチルジメチルアンモニウムクロリド(Bardac(商標)2050)がある。
【0015】
フェニル及びフェノール化合物。本明細書の抗菌活性剤として使用するのに好適なフェニル及びフェノール化合物の非限定的な例には、次のものがある:水溶性約16%の4,4’−ジアミジノ−α,ω−ジフェノキシプロパンジイセチオネート(一般にプロパミジンイセチオネートとして知られる);及び4,4’−ジアミジノ−α,ω−ジフェノキシヘキサンジイセチオネート(一般にヘキサミジンイセチオネートとして知られる)。他の例としては、ベンジルアルコール(水溶性約4%);2−フェニルエタノール(水溶性約2%);及び2−フェノキシエタノール(水溶性約2.67%)がある;フェニル及びフェノキシアルコールの典型的な有効濃度は、布地リフレッシュ組成物の約0.1重量%〜約0.5重量%である。
【0016】
金属塩。金属塩は、本明細書の布地リフレッシュ組成物の抗菌活性剤として使用することができる。本明細書における有用な金属塩には、銅塩、亜鉛塩、銀塩及びこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない。本明細書における例示的な有用金属塩には、アビエチン酸第二銅(殺真菌剤)、酢酸銅(カビ阻害物質)、塩化第二銅(殺真菌剤)、乳酸銅(殺真菌剤)、及び硫酸銅(殺菌剤)が挙げられる。金属塩は、例えば低分子量のアミン及びイオウ含有化合物を吸収する、ある程度の悪臭制御能力も有している。低分子量のイオウ含有化合物(例えば硫化物及びメルカプタン類)並びに低分子量のアミン類は、例えば食品臭(ニンニク、タマネギ)、体臭/発汗臭、口臭などの多くの悪臭の構成成分である。米国特許第3,172,817号、Leupold,et al.も参照のこと。
【0017】
有機酸及びその塩。産業上の利用分野において抗菌効果を有することで知られる有機酸及びその塩を、本明細書の抗菌活性剤として使用することができる。好適な有機酸及びその塩は、クエン酸、乳酸、アスコルビン酸、イソアスコルビン酸、酒石酸、ギ酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、プロピオン酸、酢酸、デヒドロ酢酸、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、及びその塩であり得る。
【0018】
特定のタイプのにおいは、微生物によって生じることが、当該技術分野において既知である。よって、殺菌及び/又は微生物の除去及び/又は微生物の成長を防止することにより、一部の抗菌活性剤は、脱臭活性剤としても作用し得る。本明細書において抗菌活性剤としてのこのような材料の記述は、脱臭活性剤としての材料使用実施を本発明の範囲から除外するものではない。
【0019】
脱臭活性剤
脱臭活性剤は、布地物品から悪臭を除去するのに有用である。水性の布地リフレッシュ組成物中の脱臭活性剤の典型的な濃度は、水性の布地リフレッシュ組成物の約0.01重量%〜約20重量%、又は約0.1重量%〜約5重量%、又は約0.5重量%〜約2重量%の範囲である。例示的な脱臭活性剤には、シクロデキストリン、水溶性ポリイオンポリマー、pH調節無機塩、ゼオライト、活性炭などが挙げられるがこれらに限定されない。
【0020】
シクロデキストリン。本明細書で使用される用語「シクロデキストリン」は、6〜12個のグルコース単位を含有する非置換型シクロデキストリン、特に、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、及び/又はこれらの誘導体及び/又はこれらの混合物のような既知のシクロデキストリンのいずれかを含む。グルコース単位の特定のカップリング及び高次構造は、シクロデキストリンに特定の体積の中空内部を有する剛性、円錐分子構造を与える。空洞の独特の形状及び空洞の物理的−化学的性質により、シクロデキストリン分子は、空洞に収まることのできる有機分子又は有機分子の一部を吸収する(包接錯体を形成する)ことが可能になる。多くの悪臭分子及び香料分子などの、多くのにおい分子が空洞に収まることができる。したがって、シクロデキストリン及び特に異なる大きさの空洞を有するシクロデキストリンの混合物を用いて、反応性官能基を含有することも含有しないこともある、広域スペクトルの、においを発生する有機物質に起因するにおいを抑制することができる。布地リフレッシュ組成物溶液中のシクロデキストリン内の空洞は、溶液を表面に適用するとき、シクロデキストリンが種々のにおい分子を吸収できるように、溶液中では本質的に空である(シクロデキストリンが錯体化しないまま残っている)べきである。好ましくは、本明細書で使用されるシクロデキストリン、例えば、α−シクロデキストリン及び/又はその誘導体、γ−シクロデキストリン及び/又はその誘導体、誘導体化β−シクロデキストリン、及び/又はそれらの混合物は、きわめて水溶性に富む。シクロデキストリンの誘導体は、主に、一部の−OH基が−OR基に変換されている分子からなる。シクロデキストリン誘導体としては、例えば、メチル化シクロデキストリン及びエチル化シクロデキストリン(式中、Rはメチル基又はエチル基である)のように、短鎖アルキル基を有するもの;ヒドロキシプロピルシクロデキストリン及び/又はヒドロキシエチルシクロデキストリン(式中、Rは−CH−CH(OH)−CH又は−CHCH−OH基である)のような、ヒドロキシアルキル置換基を有するもの;マルトース結合シクロデキストリンのような分枝鎖シクロデキストリン;2−ヒドロキシ−3−(ジメチルアミノ)プロピルエーテル(式中、Rは、低pHでカチオン性である、CH−CH(OH)−CH−N(CHである)を含有するもののようなカチオン性シクロデキストリン;第四級アンモニウム、例えば、2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピルエーテルクロリド基(式中、RはCH−CH(OH)−CH−N(CHClである);カルボキシメチルシクロデキストリン、シクロデキストリンサルフェート及びシクロデキストリンスクシニレートのようなアニオン性シクロデキストリン;カルボキシメチル/第四級アンモニウムシクロデキストリンのような両性シクロデキストリン;少なくとも1個のグルコピラノース単位が3−6−アンヒドロ−シクロマルト構造を有するシクロデキストリン、例えば、「Optimal Performances with Minimal Chemical Modification of Cyclodextrins」,F.Diedaini−Pilard and B.Perly,The 7th International Cyclodextrin Symposium Abstracts,April 1994,p.49(この参考文献は参考として本明細書に組み込まれる)に開示されているようなモノ−3−6−アンヒドロシクロデキストリン;並びにこれらの混合物が挙げられる。他のシクロデキストリン誘導体は、米国特許第3,426,011号(Parmerter et al.)(1969年2月4日発行);同第3,453,257号;同第3,453,258号;同第3,453,259号;及び同第3,453,260号(これらはすべてParmerter et al.の名において1969年7月1日発行);同第3,459,731号(Gramera et al.)(1969年8月5日発行);同第3,553,191号(Parmerter et al.)(1971年1月5日発行);同第3,565,887号(Parmerter et al.)(1971年2月23日発行);同第4,535,152号(Szejtli et al.)(1985年8月13日発行);同第4,616,008号(Hirai et al.)(1986年10月7日発行);同第4,678,598号(Ogino et al.)(1987年7月7日発行);同第4,638,058号(Brandt et al.)(1987年1月20日発行);及び同第4,746,734号(Tsuchiyama et al.)(1988年5月24日発行)に開示されており、これらすべての特許は参考として本明細書に組み込まれる。
【0021】
極めて水溶性であるシクロデキストリンは、室温で100mLの水に少なくとも約10g、好ましくは100mLの水に少なくとも約20g、より好ましくは室温で100mLの水に少なくとも約25gの水溶性を有するものである。可溶化された、複合体化してないシクロデキストリンの有用性は、有効かつ効率的な臭気抑制性能には必須である。可溶化された水溶性シクロデキストリンは、表面、特に布地の上に付着すると、非水溶性シクロデキストリンよりも効率良く臭気抑制性能を示すことができる。本明細書に用いるのに好適な好ましい水溶性のシクロデキストリン誘導体の例は、ヒドロキシプロピルα−シクロデキストリン、メチル化α−シクロデキストリン、メチル化β−シクロデキストリン、ヒドロキシエチルβ−シクロデキストリン、及びヒドロキシプロピルβ−シクロデキストリンである。シクロデキストリン当たりの−OR基の総数を置換度として定義するとき、ヒドロキシアルキルシクロデキストリン誘導体は、好ましくは、約1〜約14、より好ましくは約1.5〜約7の置換度を有する。メチル化シクロデキストリン誘導体は、典型的には、約1〜約18、好ましくは約3〜約16の置換度を有する。既知のメチル化β−シクロデキストリンは、各グルコース単位が約14の置換度の約2個のメチル基を有する、一般にDIMEBとして知られる、へプタキス−2,6−ジ−O−メチル−β−シクロデキストリンである。より多く市販されている好ましいメチル化β−シクロデキストリンは、通常約12.6の異なる置換度を有する、一般にRAMEBとして知られる、ランダムにメチル化されたβ−シクロデキストリンである。DIMEBは、好ましい界面活性剤の界面活性にRAMEBよりも大きな影響を及ぼすため、RAMEBがDIMEBよりも好ましい。好ましいシクロデキストリンは、例えば、Cerestar USA,Inc.及びWacker Chemicals(USA),Inc.から入手可能である。
【0022】
シクロデキストリンの混合物を使用することも好ましい。このような混合物は、広範な分子サイズを有する広範な、においを発する分子と錯体化することにより、より広範なにおいを吸収する。好ましくは、シクロデキストリンの少なくとも一部は、α−シクロデキストリン及びその誘導体、γ−シクロデキストリン及びその誘導体、及び/又は誘導体化β−シクロデキストリンであり、より好ましくはα−シクロデキストリン又はα−シクロデキストリン誘導体と、誘導体化β−シクロデキストリンとの混合物であり、更により好ましくは誘導体化α−シクロデキストリンと誘導体化β−シクロデキストリンとの混合物であり、最も好ましくはヒドロキシプロピルα−シクロデキストリンとヒドロキシプロピルβ−シクロデキストリンとの混合物及び/又はメチル化α−シクロデキストリンとメチル化β−シクロデキストリンとの混合物である。
【0023】
水溶性ポリイオンポリマー。水溶性ポリイオンポリマーは、脱臭効果をもたらすために、本明細書の水性の布地リフレッシュ組成物に使用することができる。有用な水溶性ポリイオンポリマーは、ポリアミン類などのカチオン性ポリマー、又はポリアクリル酸などのアニオン性ポリマー、及びこれらの水溶性塩であり得る。ポリアミン類は、アミノ、アミドなどの官能基を有するものである。好ましいポリアクリル酸及びその塩は、平均分子量が約20,000未満であり、好ましくは約10,000未満であり、更に好ましくは約500〜約5,000である。スルホン酸基、リン酸基、ホスホン酸基を含むポリマー、及びこれらの水溶性塩もまた好適である。カチオン性とアニオン性の両方の官能基を含む水溶性ポリマーもまた好適である。これらのポリマーの例は、米国特許第4,909,986号(1990年3月20日発行、N.Kobayashi and A.Kawazoe)に記載されている。カチオン性とアニオン性の両方の官能基を含む別の水溶性ポリマーの例は、ジメチルジアリル塩化アンモニウムとアクリル酸とのコポリマーであり、これはMerquat 280(登録商標)の商品名でCalgonから市販されている。
【0024】
このようなポリマーは、アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、イソ吉草酸(isovaric acid)、酪酸、プロピオン酸などに関連するにおいなど、特定のアミンタイプのにおい又は酸タイプのにおいを制御すると考えられる。
【0025】
PH調節無機塩。水性の布地リフレッシュ組成物のpHを8〜12に調節するPH調節無機塩は、脱臭活性剤として使用することができる。布地リフレッシュ組成物のpHをアルカリ範囲に調節することによって、一部の酸タイプのにおいが、この布地リフレッシュ組成物によって中和され得る。本明細書で有用な、例示的なpH調節無機塩には、ホウ酸、炭酸、リン酸、ピロリン酸、トリリン酸などのアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩が挙げられる。特に好ましい、本明細書で有用なpH調節無機塩には、リン酸カリウム、リン酸水素カリウム、リン酸二水素カリウム、ピロリン酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0026】
ゼオライト。ゼオライトの好ましい等級は、「中程度」ケイ酸塩/アルミン酸塩ゼオライトとして特徴づけられる。中程度ゼオライトは、SiO/AlOのモル比が約10未満のものとして特徴付けられる。好ましくは、SiO/AlOのモル比は約2〜約10の範囲である。中程度ゼオライトは、「高級」ゼオライトに比べ、利点を有している。中程度ゼオライトは高級ゼオライトに比べ、アミンタイプのにおいに対してより高い親和性を有しており、より大きな表面積を有しているため、におい吸収について重量効率が良く、水分に対する耐性がより高く、水中でのにおい吸収性能をより良く維持する。本明細書に用いるのに好適な様々な中程度ゼオライトは、Valfor(登録商標)CP301−68、Valfor(登録商標)300−63、Valfor(登録商標)CP300−35、及びValfor(登録商標)CP300−56(PQ Corporationから販売)、並びにCBV100(登録商標)シリーズのゼオライト(Contekaから販売販)として市販されている。Abscents(登録商標)及びSmellrite(登録商標)の商品名でThe Union Carbide Corporation及びUOPから販売されている市販のゼオライト材料も、好適である。これらの材料は典型的に、3〜5マイクロメートルの粒径範囲の白色粉末として販売されている。このような材料は、チオール類やメルカプタン類など、イオウ含有のにおいの制御について、中程度ゼオライトよりも好ましい。
【0027】
活性炭。本発明における使用に好適な炭素材料は、有機分子の吸収材として、及び/又は空気清浄の目的で、市販されているよく知られた材料である。しばしば、このような炭素材料は「活性」炭又は「活性」チャコールと呼ばれる。このような炭素は、Calgon−Type CPG(登録商標);Type PCB(登録商標);Type SGL(登録商標);Type CAL(登録商標);及びType OL(登録商標)などの商品名で市販されている供給源から入手できる。
【0028】
キャリア
水は、低コスト、入手しやすさ、安全性、及び環境に対する適合性の点から、本明細書の水性の布地リフレッシュ組成物における抗菌活性剤及び脱臭活性剤の主な液体キャリアである。本明細書で使用される場合、水は、蒸留水、脱イオン水、又は水道水であり得る。水は抗菌活性剤及び脱臭活性剤の液体キャリアとして作用するだけでなく、それ自体がある程度のにおい制御効果を提供する。極性を有し低分子量である一部の有機アミン、酸、及びメルカプタン類によって生じたにおいの強度は、においで汚染した布地を水性溶液で処理すると低下することが見出されている。水はまた、布地のしわ除去又はしわ低減に非常に有用でもある。理論に拘束されるものではないが、水は、布地をしわ状態に維持している繊維内及び繊維間の水素結合の多くを破断すると考えられている。また、繊維を膨潤させ、潤滑し、弛緩させることにより、しわ除去プロセスを促進する。
【0029】
所望により、水に加えて、キャリアには水に対する可溶性が極めて高い低分子量有機溶媒、例えばエタノール、プロパノール、イソプロパノール、及び同等物、並びにこれらの混合物を含めることができる。低分子量アルコールは、処理した布地製品をより迅速に乾かすのに役立ち、ある程度の抗菌効果ももたらし得る。所望による水溶性低分子量溶媒は、合計組成物の重量に対し、最大約50%の濃度で、典型的には約1%〜約20%、好ましくは約2%〜約15%、より好ましくは約5%〜約10%の濃度で使用される。高濃度の溶媒をその組成物に使用するときに考慮することが必要な要素としては、におい、引火性、及び環境に対する影響が挙げられる。
【0030】
任意成分
本明細書の布地リフレッシュ組成物は更に、布地ケア製品の分野で典型的に使用される1つ以上の任意成分を含み得る。例示的な任意成分には、界面活性剤、布地しわ制御剤、布地柔軟化剤、香料、静電気防止剤、キレート剤、防虫・防蛾剤、着色剤、防腐剤、及びこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない。任意成分の合計濃度は低く、組成物に対して好ましくは約5重量%未満、又は約3重量%未満、又は約2重量%未満である。
【0031】
好ましい実施形態において、本明細書の水性の布地リフレッシュ組成物は、約0.005重量%〜0.1重量%、又は約0.01重量%〜0.5重量%の界面活性剤を含む。界面活性剤は、組成物を、ポリエステル及びナイロンのような疎水性表面上に、容易にかつより均一に展着させられる、低表面張力を提供する。界面活性剤を含む水性の布地リフレッシュ組成物は、布地物品の上に申し分なく広がることが見出されている。この組成物の広がりにより、乾燥も速くなり、よって処理した布地物品がより早く使用可能な状態になる。更に、界面活性剤を含む布地リフレッシュ組成物は、疎水性の油性の汚れにより良く浸透でき、悪臭制御が改善され得る。界面活性剤は、シリコーン及び/又は形状保持ポリマーなどのしわ制御剤を含む本明細書の布地リフレッシュ組成物においても必要である。これらの薬剤については、例えば分散剤、乳化剤、及び/又は可溶化剤としても、界面活性剤が必要となる。本明細書の組成物中に必要な低表面張力をもたらすのに使用する界面活性剤は、組成物中の他の構成成分に対して適合性であるべきである。例えば、シクロデキストリン及び/又は界面活性剤の性能を低減させることのないよう、シクロデキストリンとの錯体を形成するものであってはならない。錯体形成は、シクロデキストリンのにおいを吸収する能力及び界面活性剤の水性組成物の表面張力を低下させる能力の両方を低下させる。
【0032】
本明細書の別の好ましい実施形態において、布地リフレッシュ組成物は、約0.1重量%〜10重量%、又は約0.5重量%〜約7重量%、又は約1重量%〜5重量%の布地しわ制御剤を含み、好ましくはこの布地しわ制御剤は、シリコーン、形状保持ポリマー、親水性可塑剤、リチウム塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。シリコーンは、布地、特に衣類中の繊維に潤滑特性を付与するため、又は滑り性能を増大させるために、本明細書において使用できる。好ましいシリコーン類は、約8個未満、好ましくは約6個未満の炭素原子をもつペンダントアルキル基を有し、ペンダントアリール基は有さない。有用なシリコーン類の非限定的な例には、ポリジメチルシリコーン及び揮発性シリコーンなどの非硬化性シリコーン、並びに、アミノシリコーン及びヒドロキシシリコーンなどの硬化性シリコーンが挙げられる。所望によりこの組成物には、布地繊維、特に木綿繊維を柔軟にするための、親水性可塑剤を含めることができる。好ましい親水性可塑剤の例には、例えばグリセロール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ソルビトール、エリスリトール、又はこれらの混合物などの短鎖多価アルコール類があり、より好ましくは、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、及びこれらの混合物である。リチウム塩は、布地しわ制御性能を向上させるために、水性の布地リフレッシュ組成物に使用することができる。本明細書において有用なリチウム塩の非限定的な例には、臭化リチウム、臭化リチウム水和物、塩化リチウム、塩化リチウム水和物、酢酸リチウム、酢酸リチウム二水和物、乳酸リチウム、硫酸リチウム、硫酸リチウム一水和物、酒石酸リチウム、酒石酸水素リチウム、及びこれらの混合物がある。
【0033】
方法及び家電製品
本明細書の方法により、第一工程として、処理を行う布地物品は、家電製品のドラム内に入れられる。水性の布地リフレッシュ組成物及び高温の空気がこのドラム内に充填される。この水性の布地リフレッシュ組成物と高温の空気とがドラム内に同時に充填されるか否かは重要ではない。しかしながらドラム内の温度は、リフレッシュ処理プロセスの実質的な時間中、約30℃〜約120℃、又は約50℃〜約70℃の範囲に維持されるべきである。布地物品が水性の布地リフレッシュ組成物と接触する時間は、典型的には約1分間〜約120分間、又は約20分間〜約45分間である。驚くべきことに、本明細書の方法によって処理された布地物品は、実質的に除菌かつ脱臭されており、任意の追加の洗浄処理の必要なしに、次の着用又は使用が可能な状態であることが見出された。好ましい実施形態において、この布地リフレッシュ組成物は、ドラムが回転しているときに布地物品に適用される。ドラムの回転は水平又は垂直のいずれであってもよく、回転速度は典型的に約200回転/分(RPM)未満であり、又は約10RPM〜約100RPMであり、又は約20RPM〜約50RPMである。水性の布地リフレッシュ組成物の均一な分布と浸透は、水性の布地リフレッシュ組成物を与えながらドラムを回転させることによって達成できることが見出されている。
【0034】
水性の布地リフレッシュ組成物は好ましくは、リフレッシュ処理プロセスの最初の段階でドラム内部に分配される。例えば、水性の布地リフレッシュ組成物の分配は、リフレッシュ処理の開始後最初の30秒間〜約5分間の間に完了することができる。ドラム内に入れる水性の布地リフレッシュ組成物の量は、典型的には、入れる布地物品の乾燥重量に対して、約0.1重量%〜約50重量%、又は約1重量%〜約10重量%である。換言すれば、水性の布地リフレッシュ組成物と、搭載する布地物品の乾燥重量との比は、約1:1000〜約1:1、又は約1:100〜約1:10である。
【0035】
本発明の方法は、既知の家電製品を使用して消費者が自宅で便利に実施することができ、例えば、本明細書の方法は、洗濯機又は乾燥機の既存の乾燥サイクルで実施することができる。別の方法としては、リフレッシュサイクルは、本明細書の方法を実施するために市販の洗濯機又は乾燥機に特にプログラムすることができる。両方の場合において、この家電製品は元の洗濯及び/又は乾燥機能を保持する。本明細書で有用である代表的な家電製品は、典型的に次のものを含む。
【0036】
(i)液体不透過性の静置封入チャンバ。
【0037】
(ii)布地物品を受け入れて保持するよう配置された、液体不透過性のドラム、及び、前記ドラムを駆動するための
(iii)好ましくは可変速度を有する、電動モーター。
【0038】
(iv)前記モーターの速度を制御するためのモーター速度制御手段。
【0039】
(v)水性の布地リフレッシュ組成物を保管するための保管手段。この保管手段は、この家電製品と一体化しているか又は取り外しできないものであってよく、あるいは、取り外し可能なカートリッジ形態であってよく、又はカートリッジ以外の取り外し可能な容器であってよい。
【0040】
(vi)保管手段とともに、流動体で実施されるディスペンサー装置。このディスペンサー装置は、水性の布地リフレッシュ組成物を放出又は分配するために、及び、布地物品上に水性の布地リフレッシュ組成物を均一に適用するために、使用される。
【0041】
(vii)水性の布地リフレッシュ組成物、布地物品又は空気を加熱するためのヒーター。このヒーターは、空気がドラム内に流入する前に通過しなければならない加熱エレメントを含み得る。好適な加熱エレメントは、電気抵抗コイルであり、この温度はコイル電圧の調整によって調節される。例えば赤外線源、ヒートポンプシステム、又はマイクロ波放射源などの他の加熱手段も使用することができる。1つの代替の実施形態において、空気はスチームと共に供給され得る。
【0042】
(viii)例えば処理回路、及び入力・出力回路を備えた電子制御装置などの制御システム。制御システムは、例えば、ユーザーが布地搭載の量、リフレッシュ処理の時間などを選択するのを可能にし得る。あるいは、ユーザーはあらかじめ設定されたリフレッシュサイクルを使用することができ、又はその家電製品が、確認可能な任意のパラメータ値に基づいてサイクルの長さを制御することができる。本明細書の1つの実施形態において、使用される家電製品はプログラムセレクターを含み得る。このセレクターは任意の好適な形態であってよく、例えばダイヤル、ボタン、タッチパッド、パネル(典型的にボタン又は配置された選択手段を含み得る)、又はこれらの組み合わせであり得る。
【0043】
(viiii)温度センサー、においセンサー、湿度センサー、又は蒸気及び/又はガスセンサーなどの、1つ以上のセンサー。温度は温度センサーによって検知することができ、これは好ましくはサーミスタ型であり、ヒーターに信号を送信する。1つの好ましい実施形態において、温度センサーは、その家電製品の空気ダクト(流入口/流出口)又はドラム等の中に取り付けられる。温度センサーはヒータースイッチのオン及びオフを制御することができ、これにより布地リフレッシュ組成物の温度又はドラム内の温度を、布地リフレッシュ組成物の引火点以下に維持する。本明細書の別の好ましい実施形態において、この家電製品のドラム内のにおい濃度を検出するためのにおいセンサーが、例えば空気循環ライン内及び/又は流入口/流出口空気フィルター内に提供される。においセンサーは、水性の布地リフレッシュ組成物の搭載濃度を制御するのに使用することができ、又は、ドラム内若しくは空気循環フィルター内のにおいレベルを検出することにより空気フィルターのクリーニング若しくは交換の必要を知らせるために使用することができる。別の実施形態において、湿度センサーを提供し、これにより、水性の布地リフレッシュ組成物の搭載濃度、又は、湿度レベルを測定することで好適な加熱電力、加熱時間若しくは空気流量レベルを制御することができる。
【0044】
(x)制御パネルスイッチ、タッチパネルスイッチ、ワイヤレス入力システム及び/又はキーパッドなどの、1つ以上の入力装置。
【0045】
(xi)カラーライト又はLEDなどの、1つ以上の表示装置。
【0046】
1つの好ましい実施形態において、水性の布地リフレッシュ組成物は、微細な液滴の形態で分配され、この液滴の平均直径は約5mm、又は約10μm〜約1000μm、又は約20μm〜約300μm、又は約30μm〜約120μmである。微細な液滴は、布地物品における布地リフレッシュ組成物の均一な分布とより良い浸透をもたらし、これによってより良い除菌及び脱臭効果がもたらされることが見出されているため、本明細書において好ましい。水性の布地リフレッシュ組成物を微細な液滴の形態で放出するディスペンサー装置は、スプレーノズル又は液体噴霧ノズルなどとして、当該技術分野において既知である。スプレーノズル又は液体噴霧ノズルは典型的に、約1000マイクロメートル未満、典型的には約100〜約1000マイクロメートル、又は約120〜約500マイクロメートル、又は約150〜約300マイクロメートルの平均液滴直径をもたらす。より細かな霧を生成するためにスプレーノズルを微細なグリッド又は膜で覆った場合、その霧の平均粒径を100マイクロメートル未満にすることができる。ネブライザー、アトマイザー、及び当該技術分野において周知の同様の装置も、本明細書のディスペンサー装置として使用することができる。本明細書で使用するのに好適な装置は、少なくとも1つの超音波ソノトロード、又は超音波振動セルを有するネブライザーである。典型的なネブライザーは、Acu Mist(登録商標)の商品名でSono Tek Corporation(ニューヨーク州ミルトン)から市販されている。このような装置の更に他の例は、Omron Health Care,GmbH(ドイツ)及びFlaem Nuove,S.P.A(イタリア)から市販されている。布地リフレッシュ組成物を微細な液滴で分配するのに、1つ又は複数のノズルを使用することができる。このノズルは、家電製品に固定して取り付けることも、取り外し可能な状態で取り付けることもできる。1つの実施形態において、空気圧縮機が家電製品に取り付けられ、例えば家電製品の空気循環ラインに取り付けることによって、この家電製品のドラム内の圧力レベルを上昇させることができる。家電製品内の圧力を高くすることで、より良い除菌及び脱臭効果を得るために、水性の布地リフレッシュ組成物の布地物品への浸透を向上させるのに役立つ。
【0047】
1つの別の実施形態において、空気を、例えばコロナ放電により、布地物品に接触する前にイオン化することができる。別の代替の実施形態において、空気が布地物品に接触する前に、オゾンを加えることができる。あるいは、空気循環システムから独立した導管系を介して、回転可能なドラム内にオゾンを加えることができる。
【0048】
装置、構成要素及びエレメントのより詳細な開示は、米国特許出願第60/191,965号(Noyes et.al.)(2000年3月24日提出)に見出すことができる。
【0049】
試験方法
本明細書の方法の除菌効果は、下記の試験方法によって試験することができる:
1)綿編地を19cm×9.5cmに切断し(各断片が約4グラム)、この綿編地を約120℃で約25分間、オートクレーブで滅菌する。
【0050】
2)新鮮な栄養トリプシン大豆寒天上で、Proteus mirabilisストック培養をインキュベートする。
【0051】
3)インキュベーション1日後、インキュベーション寒天にリン酸緩衝液5mLを加え、活性化した細菌を寒天表面から除去する。
【0052】
4)この細菌懸濁液を、5gの滅菌ガラスビーズが入ったフラスコに入れる。
【0053】
5)フラスコにリン酸緩衝液5mLを加え、均質化した細菌溶液を作製し、数分間よく混合する。
【0054】
6)ウシ血清アルブミン(BSA)の0.6重量%溶液を調製する。
【0055】
7)細菌懸濁液とBSA溶液を体積比約1:1で混合する。この混合液を接種材料として使用する。
【0056】
8)接種材料1mLを、滅菌した綿編地の各断片に接種し、その接種材料を15分間そのままにする。綿編地の各断片上のProteus mirabilisの量は1.9×10cfu(コロニー形成単位、約9.27log)である。
【0057】
9)上記工程で調製された綿編地を、3つのグループに分ける。各グループには、3枚の綿編地断片が含まれる。
【0058】
10)下記の表2で記述されるように、約3グラムの水性の布地リフレッシュ組成物を、グループA及びグループBの綿編地各断片にスプレーする。その綿編地を約20分間そのままにする。グループCの綿編地は、この時間、何も処理を行わずに研究室の作業台上に置いておく。
【0059】
11)グループA及びグループCの綿編地は、Sanyo洗濯機(モデル:Sanyo AQ−1、SANYO Electric Co.,Ltd.製造)内のラック上に別々に置き、すぐに着用可能な非タブ回転サイクルで処理する。ただし、オゾン発生器への電源供給ラインは切断することによってドラムへのオゾン充填は行わない。Sanyo洗濯機内でリフレッシュ処理を行っている間、高温の空気がドラム内に吹付けられ、ドラム内部の温度は約25℃から約70℃へと徐々に上昇し、約30分間の全サイクルにわたって約70℃を維持する。
【0060】
12)グループBの綿編地は、何も追加処理を行わずに室温に置く。
【0061】
13)処理された綿編地を、それぞれ個別に滅菌袋に入れる。0.85%の生理食塩水、0.2%のTween 80、0.5%のチオ硫酸ナトリウムを含んだ50mL水溶液を加え、滅菌済み純水で袋を満たす。
【0062】
14)Stomacher(モデル:Stomacher 400T、ORGANO Corporation製造)を使用して、処理済み綿編地上に残ったProteus mirabilis細菌を5分間抽出する。
【0063】
15)0.00425%リン酸緩衝液で、段階希釈を行う。1mLの希釈溶液を、栄養寒天(TSA)で混釈平板にする。
【0064】
16)寒天が固まったら、固まった寒天平板を35℃で2日間インキュベーターに入れてインキュベーションする。インキュベーション後、その寒天平板上に形成されたコロニーの数を数える。処理された綿編地の各断片上に残留した細菌の数を、下の表1に示す。
【表1】

数値は細菌計数レベルであり、値が小さいほど、より良い除菌効果を示す
【0065】
上記のデータは、本発明の方法(布地リフレッシュ組成物及び加熱でのリフレッシュ処理:グループA)は、リフレッシュ組成物のみで布地を処理する方法(グループB)及び加熱のみで布地を処理する方法(グループC)に比べ、有意に良好な除菌効果をもたらすことを示している。
【表2】

【0066】
本明細書に開示されている寸法及び値は、列挙した正確な数値に厳しく制限されるものとして理解すべきではない。それよりむしろ、特に指定されない限り、各こうした寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味することを意図する。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
【0067】
「発明を実施するための形態」で引用した全ての文献は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に関して先行技術であることを容認するものとして解釈すべきではない。本明細書中の用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文献中の同一の用語の任意の意味又は定義と相反する限りにおいては、本明細書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0068】
本発明の特定の諸実施形態を図示し、記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが当業者には自明である。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を添付の特許請求の範囲で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理する布地物品を家電製品のドラム内に入れる工程と、前記布地物品を約1〜約120分間、約30℃〜約120℃の温度で、水性の布地リフレッシュ組成物に接触させる工程とを含み、前記布地リフレッシュ組成物が約0.001重量%〜約1.0重量%の抗菌活性剤と、約0.01重量%〜約20重量%の脱臭活性剤とを含む、布地物品をリフレッシュする方法。
【請求項2】
前記のようにリフレッシュされた布地物品が、追加の洗浄処理の必要なしに使用できる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記布地リフレッシュ組成物が、約10マイクロメートル〜約1000マイクロメートルの平均液滴直径を有する微細液滴の形態で前記布地物品に適用される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記微細液滴が、約20マイクロメートル〜約120マイクロメートルの平均液滴直径を有する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記布地リフレッシュ組成物と、処理される前記布地物品との重量比が、約1:1000〜約1:1である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記布地リフレッシュ組成物が、前記ドラムが回転しているときに、前記布地物品に適用される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記家電製品が、洗濯機及び乾燥機からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記抗菌活性剤が、抗菌性ハロゲン化化合物、第四級アンモニウム化合物、フェニル又はフェノール化合物、金属塩、有機酸又はその塩、並びにこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記抗菌活性剤が、ジ−(C〜C14)アルキルジ−(C〜C)アルキル第四級アンモニウム化合物である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記脱臭活性剤が、シクロデキストリン、水溶性ポリイオンポリマー、pH調節無機塩、ゼオライト、活性炭、又はこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記布地物品が、前記布地リフレッシュ組成物に、約50℃〜約70℃の温度で約20分間〜約45分間接触する、請求項1に記載の方法。

【公表番号】特表2011−510184(P2011−510184A)
【公表日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−543604(P2010−543604)
【出願日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際出願番号】PCT/IB2009/050236
【国際公開番号】WO2009/095820
【国際公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】