説明

常備灯

【課題】従来の常備灯は、家屋の損傷により、常備灯の発光面が損傷物に覆われた場合、常備灯を認識することが難しい問題があり、電磁リレーや複雑な回路構成を有するものは、衝撃により内部の回路を破損して、常備灯として機能しない問題があった。
【解決手段】透明な樹脂を用いた防水の本体ハウジングと裏蓋を用い、内部の発光回路は、二次電池と、MOS−FETを用いた電子スイッチと、定電流ダイオードと、抵抗器を用いた簡便な回路を実装したプリント基板と、プリント基板の稜を、衝撃保護の為にシリコンゴムチューブで支持し、照明用に発光ダイオードで構成された、災害時の照明として信頼性を向上させた手段。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は停電時に発光し、常時充電された防水の全方向照明に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の常備灯は、一方向に照らすものであり、電磁リレーや複雑な回路を有するものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述の常備灯では、家屋の損傷により、常備灯の発光面が損傷物に覆われた場合、常備灯を認識することが難しい問題があった。
【0004】
また、電磁リレーや複雑な回路構成を有するものは、衝撃により内部の回路を破損して、常備灯として機能しない問題があった。
【0005】
本発明は、このような従来の構成が有していた問題を解決しようとするものであり、点灯用スイッチを半導体で構成することにより、耐衝撃性を向上させ、全方向に発光面を用いることで、災害時の視認性を向上させたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そして本発明は上記目的を達成するために、透明な樹脂を用いた防水の本体ハウジングと裏蓋を用い、内部の発光回路は、二次電池と、MOS−FETを用いた電子スイッチと、定電流ダイオードと、抵抗器を実装したプリント基板と、プリント基板の稜を、衝撃保護の為のシリコンゴムチューブで支持し、照明用に発光ダイオードで構成されたものである。
【発明の効果】
【0007】
上述したように、本体ハウジングは透明な樹脂を使用しているために、全方向から、視認することができ、発光回路はMOS−FETを用いた電子スイッチと定電流ダイオードと抵抗器で構成されたプリント基板で構成されており、複数個の発光用LEDは独立して定電流で駆動しているため、常備灯のLEDが損傷し、ショート状態に陥っても、損傷のないLEDの発光に影響を及ぼさないため、信頼性の高い常備灯を提供できる。
【0008】
また、本発明は防水構造にしているため、水没しても常備灯として機能することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態を示す斜視図
【0010】
【図2】本発明の回路図
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図1、図2に基づいて説明する。
【0012】
図1においては、透明な樹脂を用いた本体ハウジング1と防水のシーリング2をした透明な樹脂を用いた裏蓋3。
【0013】
ハウジング中央に、二次電池5と二次電池5の充電回路と停電時にLED4を発光させるための電子スイッチと、LED4の発光用に定電流ダイオードが実装されているプリント基板6と、プリント基板6を衝撃から保護するためのシリコンゴムチューブ7でプリント基板6の稜を保護し、それらを中心に、その回りに配置した、停電時に照明として発光させる複数個のLED4で構成される。
【0014】
この二次電池5には充電回路が簡便にできるニッケルカドニウム電池、ニッケル水素電池等が使用される。
【0015】
二次電池5を充電するために、交流電源ACはAC/DCアダプターに入力され、AC/DCアダプター内で直流にして本体ハウジングコネクター8に接続される。
【0016】
本体ハウジングの入力コネクタ8は、本体ハウジング1の内部にて、防水のためにシリコン樹脂等を使用して防水処理をされている。
【0017】
本体ハウジング1に入力された直流電圧は、二次電池5の充電回路と停電時にLED4を発光させるための電子回路が実装されているプリント基板6に接続される。
【0018】
図2においては、回路図を説明する。
【0019】
二次電池5を充電するために、交流電源ACはAC/DCアダプターのトランスT1の一次巻線Pに入力され、その二次巻線Sから所定の電圧に変換されて出力され、整流器BDにて整流された後、コンデンサC1にて平滑されて直流出力として、本体ハウジング1の入力コネクタ8に接続される。勿論AC/DCアダプターはトランスを用いたものに限らず、スイッチング方式のAC/DCアダプターでも構わない。
【0020】
入力コネクタ8から入力された電圧は、抵抗器9に接続され、抵抗器9はダイオード10のアノードに接続され、ダイオード10のカソードは定電流ダイオード11のアノードに接続され、定電流ダイオード11のカソードは直列接続された二次電池5の正極と、電子スイッチとして使用するPチャンネルMOS−FET12のソースに接続される。
【0021】
PチャンネルMOS−FET12のゲートはダイオード10のアノードに接続され、PチャンネルMOS−FET12のドレインは定電流ダイオード13のアノードに接続され、定電流ダイオード13のカソードからLED4のアノードに接続されており、LED4のカソードから直列接続された二次電池5の負極に接続されている。
【0022】
AC/DCアダプターから電圧が供給されているときは、ダイオード10と定電流ダイオード11から定電流で、二次電池5に常時充電されている。
【0023】
AC/DCアダプターの出力電圧の正極側には、電子スイッチとして用いているPチャンネルMOS−FET12のゲートが接続されているため、充電時にはPチャンネルMOS−FET12のゲート電位は、PチャンネルMOS−FET12のソース電位以上になり、電子スイッチとして使用するPチャンネルMOS−FET12はオフしてLED4には電流は流れない。
【0024】
停電時にAC/DCアダプターから電流の供給が停止すると、抵抗器9がAC/DCアダプターの出力電圧を0Vになるように放電するため、PチャンネルMOS−FET12のゲート電位は0Vになり、直列接続された二次電池5の正極に接続されているPチャンネルMOS−FET12のソース電位とは電位差を持つことにより、PチャンネルMOS−FET12はオンするので、二次電池5から電流がPチャンネルMOS−FET12を通して、定電流ダイオード13を流れ、定電流でLED4を発光させる。
【0025】
ダイオード10は、停電時に二次電池5から電流が定電流ダイオード11を通して抵抗器9に接続されているPチャンネルMOS−FET12のゲート電位が0Vから正の電位に上昇してPチャンネルMOS−FET12がオフする事を防ぐ。
【符号の説明】
【0026】
1 本体ハウジング
2 シーリング
3 裏蓋
4 LED
5 二次電池
6 プリント基板
7 シリコンチューブ
8 入力コネクタ
9 抵抗器
10 ダイオード
11 定電流ダイオード
12 PチャンネルMOS−FET
13 定電流ダイオード
T1 トランス
P 一次巻線
S 二次巻線
BD 整流器
C1 コンデンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明なハウジングと裏蓋。
【請求項2】
請求項1の中心に設置した二次電池と充電回路と発光回路。
【請求項3】
請求項2の周りに配置した複数個の照明用LED。
【請求項4】
請求項3のLEDを停電時に点灯させるPチャンネルMOS−FET。
【請求項5】
請求項4のPチャンネルMOS−FETを停電時にオンさせるための抵抗器。
【請求項6】
請求項5のPチャンネルMOS−FETが停電時にオフを防ぐためのダイオード。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−198731(P2011−198731A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−88148(P2010−88148)
【出願日】平成22年3月19日(2010.3.19)
【出願人】(510070809)
【Fターム(参考)】