説明

平滑性の高い低密度板紙の製造方法

【課題】低密度断熱性板紙において、低密度とともに、平滑な表面を有する板紙の提供。
【解決手段】少なくとも2層または3層を有する板紙製品である。この層の1つは、少なくとも 25重量%の嵩高いセルロース繊維を有し、この層の他の1つは外層であり、ソフトバッキング表面を使用して10 kg/cm2にて測定すると3〜6μのパーカープリントサーフ測定値を有する外表面を有し、上記板紙製品は、0.5 g/cm3以下の密度を有する。1つの態様は、0.4〜1.2 mmの範囲の厚さを有する。また、1つの態様は、200〜500 g/m2の範囲の坪量を有する。ウェブをソフトニップカレンダーとエクステンデッドニップカレンダー(シューカレンダーであってよい)との間に上記の表面特性と密度特性を付与する条件下にて通すことによって、板紙製品を製造する方法。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、一般に、嵩高繊維を含み、平滑な表面を有する低密度板紙に関する。また、本発明は、板紙をカレンダーして、このような結果を得ることに関する。
【0002】
温かい食品(特に温かい液体)は、一般に、ディスポーザブル容器にて提供され、消費されている。このような容器は、板紙や発泡ポリマーシート材料を始めとする様々な材料から製造されている。板紙材料の最も安価な材料の一つはセルロース繊維である。セルロース繊維を用いて、温かいもの用のカップや紙皿、さらに他の飲食物用容器として優れた板紙が製造される。しかしながら、セルロース繊維から製造される従来の板紙は比較的高密度であり、そのため、例えば、発泡ポリマーシート材料に比べて、熱を伝えやすかった。したがって、温かい液体は、典型的には、2重のカップにて提供されたり、あるいは、複数の従来の板紙の層を有するカップにて提供されていた。
【0003】
低密度断熱性板紙は、板紙における温度低下を抑制する目的を有する繊維を含有する。この板紙が容器にされ、この容器は容器中の製品の熱を維持し、不快感なく手に取れるような温度の外表面を有する。この断熱性板紙中の材料は、その性質上、塊が多く(lumpy)、平滑ではないことがある。そのため、板紙表面が平滑でなくなることがあり、ある種の印刷に用いることが難しくなることがある。
【0004】
平滑な表面を有する低密度板紙であることが好ましい。というのは、容器は小売店によって使用され、商売名やロゴを容器に付することが望まれるからである。また、小売店は、容器中の製品の温度に関する記載を付することを望んでいる。平滑な表面は印刷するためにより有用である。
【0005】
そこで、低密度を維持しつつ、平滑な表面をどのように得るかが問題である。平滑な表面を得るために必要な圧力をかけると、受け入れられない程、密度が上昇してしまうのだろうか。
【0006】
本発明の1つの態様は、低い密度と平滑な表面を有する板紙である。本発明の他の態様は、低い密度と平滑な表面を有する板紙の製造方法である。低密度断熱性板紙は、2層または3層であってよい。これらの層の少なくとも1つは、通常の漂白化学パルプ繊維、半漂白(semi-bleached)化学パルプ繊維、または未漂白化学パルプ繊維と、嵩高繊維との両方を含む。嵩高繊維によって、その層に断熱性が付与される。というのは、嵩高繊維によってその層が嵩高になり、低密度の層が得られるからである。このような嵩高繊維の目的は、嵩高繊維が使用されなかった場合と比較して、板紙の厚さ方向の温度低下を大きくすることができる点である。他の層は表面層であり、それは嵩高繊維を含んでおらず、平滑性の高い外表面を有する。
【0007】
嵩高繊維は、機械的に製造することもでき、また、セルロース繊維を架橋することによって製造することもできる。嵩高繊維によると、板紙の表面が粗くなる。板紙の密度を低く維持しつつ、板紙表面を平滑にすることが必要である。本発明の1つの態様において、板紙の少なくとも1つの表面は平滑である。本発明の1つの態様において、板紙の少なくとも1つの表面は、10S(ここで、「10」は、10 kgのクランプ圧を意味し、「S」は、試験する板紙にソフトバッキングを使用することを意味する)において、3〜6μのパーカープリントサーフ測定値をを有する。
【0008】
本発明の板紙は幅広い範囲の特性を有しうる。1つの態様において、坪量は、200 g/m2〜500 g/m2の範囲であってよい。他の態様において、坪量は、250 g/m2〜400 g/m2の範囲であってよい。他の態様において、板紙の坪量は、250 g/m2以上である。本発明の断熱特性を得るために、本発明の板紙は、0.5 g/cc未満の密度を有しうる。他の態様において、密度は、0.3 g/cc〜0.45 g/ccであってよい。他の態様において、密度は、0.35 g/cc〜0.40 g/ccであってよい。本発明の1つの態様において、板紙の厚さは、カレンダー後において0.4〜1.2 mmの範囲である。
【0009】
図1は、2層板紙の断面の概略図である。
【0010】
図2は、3層板紙の断面の概略図である。
【0011】
本発明の板紙は少なくとも2つの層を有する。図1は、板紙10が層12と層14とを有する2層構造物を図示している。図2は、板紙20が層22と層24と層26とを有する3層構造物を図示している。本発明の板紙は合成繊維を使用してもよいが、通常、すべてあるいは実質的にすべてセルロース繊維を含むであろう。
【0012】
層12、22および26は、従来の広葉樹または針葉樹セルロース繊維からなる。これらは、漂白されていても、未漂白でもよい。これらは、化学パルプ、機械パルプ、ケミメカニカルパルプ、またはサーモメカニカルパルプであってよい。
【0013】
層14および24は嵩高繊維を含有する。嵩高繊維は板紙の嵩密度を向上させ、したがって、断熱特性を向上させる。本明細書で使用するように、嵩高繊維とは、折れ曲がり(kinked)、ねじれた(twisted)、カール(curly)のあるセルロース繊維である。しかしながら、以下に記載するように、セルロース繊維の繊維内架橋により製造される繊維が好ましい。従来の広葉樹または針葉樹セルロース繊維は、これらの層において嵩高繊維とともに使用することができる。
【0014】
化学的に架橋されたセルロース繊維は、板紙において、嵩高繊維として使用するのに好適である。必要ならば、多くの架橋剤および架橋触媒のいずれかを使用して、層に含有させる架橋繊維を得ることができる。以下は、有用な架橋剤および架橋触媒の代表的なリストである。
【0015】
好適な尿素系架橋剤としては、置換尿素(例えば、メチロール化尿素、メチロール化環状尿素、メチロール化低級アルキル環状尿素、メチロール化ジヒドロキシ環状尿素、ジヒドロキシ環状尿素、および低級アルキル置換環状尿素など)が挙げられる。具体的な尿素系架橋剤としては、ジメチルジヒドロキシ尿素(DMDHU:1,3-シ゛メチル-4,5-シ゛ヒト゛ロキシ-2-イミタ゛ソ゛リシ゛ノン)、ジメチロールジヒドロキシエチレン尿素(DMDHEU:1,3-シ゛ヒト゛ロキシメチル-4,5-シ゛ヒト゛ロキシ-2-イミタ゛ソ゛リシ゛ノン)、ジメチロール尿素(DMU:ヒ゛ス[N-ヒト゛ロキシメチル]尿素)、ジヒドロキシエチレン尿素(DHEU:4,5-シ゛ヒト゛ロキシ-2-イミタ゛ソ゛リシ゛ノン)、ジメチロールエチレンジメチロールエチレン尿素(DMEU:1,3-シ゛ヒト゛ロキシメチル-2-イミタ゛ソ゛リシ゛ノン)、およびジメチルジヒドロキシエチレン尿素(DMeDHEUまたはDDI:4,5-シ゛ヒト゛ロキシ-1,3-シ゛メチル-2-イミタ゛ソ゛リシ゛ノン)が挙げられる。
【0016】
また、好適な架橋剤としては、C2-C8ジアルデヒド(例えば、グリオキサル)、少なくとも1つのアルデヒド基を有するC2-C8ジアルデヒド酸類似物などのアルデヒド、および、これらのアルデヒドやジアルデヒド酸類似物のオリゴマーが挙げられる。他の好適な架橋剤としては、アルデヒドおよび尿素系のホルムアルデヒド付加物、尿素のグリオキサル付加物、およびグリオキサル/環状尿素付加物が挙げられる。
【0017】
他の好適な架橋剤としては、ポリカルボン酸などのカルボン酸架橋剤が挙げられる。ポリカルボン酸架橋剤としては、クエン酸、トリカルボン酸プロパン、およびテトラカルボン酸ブタン、および触媒が挙げられる。少なくとも3つのカルボキシル基を有するC2-C9ポリカルボン酸(例えば、クエン酸およびオキシジコハク酸)も架橋剤として好適である。
【0018】
ポリメリックポリカルボン酸も好適な架橋剤である。ポリアクリル酸および関連するコポリマーを架橋剤として使用してもよい。ポリマレイン酸を架橋剤として使用してもよい。
【0019】
具体的な好適なポリカルボン酸架橋剤としては、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、グルタル酸、シトラコン酸、イタコン酸、モノコハク酸酒石酸塩、マレイン酸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリマレイン酸、ポリメチルビニルエーテル・マレイン酸コポリマー、ポリメチルビニルエーテル・イタコン酸コポリマー、アクリル酸コポリマー、マレイン酸のコポリマーが挙げられる。
【0020】
好適な架橋触媒として、酸性塩(例えば、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、塩化アルミニウム、塩化マグネシウム、硝酸マグネシウム)やリン含有酸のアルカリ金属塩を挙げることができる。1つの態様において、架橋触媒は、次亜リン酸ナトリウムである。
【0021】
架橋剤を、それらが製造されるのに繊維内架橋が生じるのに十分な量にて、セルロース繊維に適用する。セルロース繊維に適用する量は、繊維の全重量に基づいて約1重量%〜約25重量%であってよい。1つの態様において、繊維の全重量に基づいて約4重量%〜約6重量%の量の架橋剤である。架橋剤や架橋触媒の混合物やブレンドを使用することもできる。
【0022】
また、断熱性繊維は、機械的にパルプ化された繊維、サーモメカニカルパルプ化繊維
、ケミサーモメカニカルパルプ化繊維、またはこれらの組み合わせであってよい。
【0023】
断熱性繊維は、多くの場合、平滑ではない。断熱性繊維は、しばしばカールしていたりねじれている。断熱性繊維は、低密度断熱性板紙の表面を平らでなくする傾向がある。
【0024】
繊維材料についてさらに、本発明の板紙は、結合剤を有していてもよい。好適な結合剤は、水に可溶、水に分散可能、あるいは水中で懸濁液を形成可能である。好適な結合剤としては、製紙産業において通常使用され、製品に湿潤あるいは乾燥での引張強度および引裂強度を付与する薬剤を挙げることができる。好適な湿潤紙力剤としては、窒素含有基(例えばアミノ基)を有するカチオン性加工澱粉(例えば、National Starch and Chemical Corp(Bridgewater, N.J.)から市販のもの);ラテックス;湿潤紙力樹脂(例えば、ポリアミド−エピクロロヒドリン樹脂(例えば、KYMENE 557LX(Hercules Inc.、Wilmington、Del.)、ポリアクリルアミド樹脂(例えば、米国特許第3,556,932号や、American Cyanamid Co.(Stanford, Conn.)からPAREZ 631 NCとの商品名で上市されている市販のポリアクリルアミドを参照されたい);尿素ホルムアルデヒド樹脂およびメラミンホルムアルデヒド樹脂;および、ポリエチレンイミン樹脂が挙げられる。製紙業界で使用される湿潤紙力樹脂に関する一般的な議論は、本発明に一般に適用可能であり、TAPPIモノグラフシリーズ29号「Wet Strength in Paper and Paperboard」(紙パルプ技術協会(New York、1965))に見出すことができる。
【0025】
他の好適な結合剤としては、澱粉、加工澱粉、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ポリエチレン・アクリル酸コポリマー、アクリル酸ポリマー、ポリアクリル酸塩、ポリアクリルアミド、ポリアミン、ガーガム、酸化ポリエチレン、ポリビニルクロライド、ポリビニルクロライド・アクリル酸コポリマー、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレンコポリマー、およびポリアクリロニトリルが挙げられる。これらの多くは、水中で分散液または懸濁液としてラテックスポリマー中に形成させることができる。
【0026】
断熱性繊維を、断熱性が低い他のセルロース繊維と混合してもよい。他のものから得ることもできるが、他の繊維は木材パルプから主に得ることができる。本発明と共に使用するために好適な木材パルプ繊維は、公知の化学プロセス(例えば、クラフトプロセスおよび亜硫酸プロセス)によって得ることができ、その後に漂白してもしなくてもよい。好適なパルプ繊維は、化学的な方法により製造される。リサイクルされた木材パルプ繊維または2次的な木材パルプ繊維、ならびに、漂白および未漂白の木材パルプ繊維を使用することができる。針葉樹と広葉樹を使用することができる。木材パルプ繊維の選択の詳細は当業者によく知られている。これらの繊維は、本発明の譲受人であるウェアハウザー社を始めとする多くの会社から市販されている。例えば、本発明に使用可能なサザンパインから製造された好適なセルロース繊維が、ウェアハウザー社からCF416、NF405、PL416、FR516、およびNB416の名で市販されている。これらは、層12、22および26で使用する繊維と同じである。
【0027】
本発明の板紙は幅広い特性を有しうる。1つの態様において、坪量は、200 g/m2〜500 g/m2の範囲であり得る。他の態様において、坪量は、250 g/m2〜400 g/m2の範囲であり得る。他の態様において、本発明の板紙の坪量は、250 g/m2と同じかそれより大きい。本発明の断熱特性を得るために、本発明の板紙は、0.5 g/cc未満の密度を有し得る。他の態様において、密度は、0.3 g/cc〜0.45 g/ccであり得る。他の態様において、密度は、0.35 g/cc〜0.40 g/ccであり得る。
【0028】
2層構造においては、例えば、第1層は100重量%の非嵩高繊維を有することがあり、第2層は、1つの態様において、25重量%〜100重量%の嵩高繊維を有することがあり、他の態様において、30重量%〜70重量%の嵩高繊維を有することがある。3層においては、例えば、下層と上層は100重量%の非嵩高繊維を有していてよく、中間層は、1つの態様において、約25重量%〜約100重量%の嵩高繊維、他の態様において、約30重量%〜約70重量%の嵩高繊維を有していてよい。
【0029】
これらの態様のそれぞれにおいて、平滑で印刷可能な表面を有することが望ましい。表面は、10 kg/cm2のクランプ圧にてソフトバッキングシートを使用して、3〜6μのパーカープリントサーフ(TAPPI試験法:T-555 om-04)を有するだろう。
【0030】
TAPPI試験法T-555は表面平滑性を測定するためのよく知られた方法である、と理解されている。また、Collaborative Testing Services社(21331 Gentry Drive, Sterling, VA 20166)は、長年にわたって、10 kg/cm2のクランプ圧と標準試験片を用いる多くのパーカープリントサーフ試験の読み取り誤差を検査しており、平均測定値から±1μと同等の誤差を見出している。したがって、本明細書および特許請求の範囲において使用する3〜6μとの測定値は平均値であり、現実の測定値は3〜6μ±1μであろう。
【0031】
本発明の板紙は、従来の抄紙機(例えば、Rotoformer(商標)、長網抄紙機、傾斜ワイヤーデルタ抄紙機(inclined wire Delta former)、および、ツインワイヤー抄紙機)を用いて作成することができる。
【0032】
多層板紙は、湿紙形成工程に順次配列された複数のヘッドボックスを用いて製造することもできるし、受容容量を有し、次いで複数のパルプ供給物を形成するバッフルヘッドボックス(baffled headbox)によって製造することができる。多層構造物において、印刷表面層は他の繊維からなっていてよく、2層構造物の非印刷層または3層以上の構造物の中間層は、断熱性繊維または断熱性繊維と他の繊維との混合物である。
【0033】
液体包装用多層板紙の材料は、多層製品を製造することができる抄紙機上で形成させることができる。このような抄紙機は、複数のヘッドボックスを備えた従来の長網抄紙機であってもよい。各層は、長網抄紙機において、ヘッドボックスの1つによって形成され、多層のウェブが形成される。減圧をかけてウェブから水を除去しうる。次いで、ウェブを従来のプレス工程でプレスし、さらに水を除去しうる。
【0034】
次いで、板紙ウェブを乾燥する。次いで、場合により、この乾燥したウェブを、液溜型(puddle)または媒介型(metering type)のサイズプレスに通すか、ブレードコーターに通して、付加的な薬品をウェブに塗工する。
【0035】
サイズプレスにおいて添加できる材料は、澱粉、ポリビニルアルコール、顔料(炭酸カルシウムやクレー)、または、澱粉や他のバインダーと相溶性のある滑剤である。次いで、このウェブは、他のドライヤーセクションに送られる。
【0036】
本発明に基づいて板紙に嵩高い繊維を使用する場合、抄紙機を出る板紙は種々の程度に圧縮され得ることが分かっている。本発明の1つの態様において、板紙の厚さは、カレンダー後において0.4〜1.2 mmの範囲である。
【0037】
サイズプレス処理と乾燥の後、板紙は、カレンダー工程を通過する。カレンダー工程において、板紙は、まずソフトニップカレンダーによってカレンダーされ、次いで、エクステンデッドニップカレンダーまたはシューカレンダーによってカレンダーされる。
【0038】
ソフトニップカレンダー処理において、ウェブは、弾力性のあるカバーを有するロールによるニップにおいて、温かい表面に押し当てられる。弾力性のあるカバーによって、ハード金属ニップと比較して、紙がニップ中に滞留する時間が長くなり、また、紙の幅方向において比較的均一な密度にて平滑性と光沢が生じる。ソフトニップカレンダーにおいて、板紙は、120℃〜160℃の温度を有する加熱表面に曝され、40〜150 N/mmの線圧下にある。
【0039】
エクステンデッドニップカレンダーでは、バッキングロールにエンドレスバンド/ベルトを用い、ペーパーウェブ(加熱シリンダーに押し当てられる)のサポートとなる。本概念のバリエーションであるシューカレンダーにおいては、板紙のバッキングとしてロールの代わりにシューを用いる。このバッキングシューによって長いニップ幅がもたらされ、それによって、滞留時間が大きくなる。いずれの態様においても、最良の結果には、ニップは6〜12 cmの幅を有するだろう。カレンダーにおいて、板紙は、180℃〜250℃の温度を有する加熱表面に曝され、100〜300 N/mmの線圧下にあるだろう。
【0040】
以下の実施例において、板紙は、抄紙用パイロット設備において形成され、カレンダー用パイロット設備においてカレンダーされた。板紙は、中間層に嵩高繊維を有する3層であった。板紙は、それぞれの外層においては20%のその繊維、中間層においては60%のその繊維を有していた。嵩高繊維は、中間層の重量の50%だった。嵩高繊維は、繊維内化学架橋セルロール繊維(漂白されたセルロース系木材化学パルプを出発原料として用いた)だった。外層の繊維と中間層の繊維の残りは、漂白されたセルロース系木材化学パルプだった。
【0041】
【表1】

【0042】
上記の発明を、好ましい態様や種々の改変およびバリエーションとともに説明した。当業者であれば、開示された発明において、本明細書にて伝えられた広い概念から離れることなく均等物に置換することができるであろう。したがって、本発明は添付の特許請求の範囲に含まれる定義によってのみ限定されるものと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】図1は、2層の板紙の概略的な断面図である。
【図2】図2は、3層の板紙の概略的な断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2層を有する板紙製品であって、
前記板紙製品は、0.5 g/cm3以下の密度を有し、
前記層の1つは、少なくとも25重量%の嵩高いセルロース繊維を含んでなり、
前記層のもう1つは外層であり、ソフトバッキング表面を使用して10 kg/cm2にて測定すると3〜6μのパーカープリントサーフ測定値を有する外表面を有している、上記板紙製品。
【請求項2】
前記板紙製品の密度が、0.3〜0.45 g/cm3である、請求項1に記載の板紙製品。
【請求項3】
少なくとも3層を有し、前記層の1つが中間層を含んでなる、請求項1に記載の板紙製品。
【請求項4】
前記板紙製品の密度が、0.3〜0.45 g/cm3である、請求項3に記載の板紙製品。
【請求項5】
前記板紙製品が、0.4〜1.2 mmの範囲の厚さを有する、請求項1〜4に記載の板紙製品。
【請求項6】
前記板紙製品が、200〜500 g/m2の範囲の坪量を有する、請求項1〜4に記載の板紙製品。
【請求項7】
少なくとも2層のパルプをウェットで形成させ、ウェブを形成させる工程、ここで、前記層の1つは、少なくとも25重量%の嵩高いセルロース繊維を含んでなり、前記層のもう1つは、前記板紙製品の外層であり、外表面を有する、
前記ウェブから水を除去する工程、
前記ウェブをソフトニップカレンダーに通す工程、ここで、前記カレンダーによって、120℃〜160℃の範囲の温度がウェブ表面に与えられ、40〜150 N/mmの範囲の線圧がかけられる、
次いで、前記ウェブを、6〜12 cmの範囲のエクステンデッドニップを有するエクステンデッドニップカレンダーに通す工程、ここで、ウェブ表面上は180℃〜250℃の範囲の温度であり、線圧は100〜300 N/mmである、
を有する板紙製品の製造方法であって、
0.5 g/cm3以下の密度を有する板紙製品を提供し、
前記もう1つの層の前記外表面が、10 kg/cm2のクランプ圧とソフトバッキング表面を用いて測定すると3〜6μのパーカープリントサーフ測定値を有する、上記方法。
【請求項8】
前記ソフトニップカレンダーと前記エクステンデッドニップカレンダーとの間に乾燥工程を有する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記エクステンデッドニップカレンダーがシューカレンダーである、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記方法が、0.3〜0.45 g/cm3の密度を有する板紙製品を提供する、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記方法が、0.4〜1.2 mmの範囲の厚さを有する板紙製品を提供する、請求項7〜10に記載の方法。
【請求項12】
前記方法が、200〜500 g/m2の坪量を有する板紙製品を提供する、請求項7〜10に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−169870(P2007−169870A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−333949(P2006−333949)
【出願日】平成18年12月12日(2006.12.12)
【出願人】(302009279)ウェヤーハウザー・カンパニー (36)
【Fターム(参考)】