説明

平面型表示装置の搬送装置及び搬送方法

【課題】平面型表示装置の搬送、移送、移動の合理化、簡素化を達成し得る平面型表示装置の搬送装置を提供する。
【解決手段】平面型表示装置の搬送装置10は、(イ)平面型表示装置50の画像表示部51を真空吸着する真空吸着装置40、及び、(ロ)真空吸着装置40を上下に昇降させ、且つ、真空吸着装置を水平方向に移動させる移動手段20,30を備えており、真空吸着装置40は、移動手段20の先端部に対して、取付け手段31,32によって回動自在に取り付けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平面型表示装置の搬送装置及び搬送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
平成21年4月から、テレビジョン受信機であって液晶式のもの(『液晶表示装置』と呼ぶ)及びプラズマ式のもの(『プラズマ表示装置』と呼ぶ)が、特定家庭用機器再商品化法(所謂、家電リサイクル法)の対象に追加された。それ故、液晶表示装置やプラズマ表示装置(以下、『平面型表示装置』と総称する)の解体作業に伴う搬送の合理化、簡素化等の確立が急務である。
【0003】
ブラウン管式のテレビジョン受信機の解体装置や解体方法は、例えば、特開2000−350980、特開平10−263518、特開平9−115448等、多数の特許公開公報に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−350980
【特許文献2】特開平10−263518
【特許文献3】特開平9−115448
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、現在のところ、人手によって平面型表示装置を作業台に載置し、人手によって、作業台上で平面型表示装置を水平方向に回転させ、あるいは、上下反転させて、平面型表示装置を解体しており、特に、解体作業のための平面型表示装置の搬送、移送、移動に多大の労力を要している。
【0006】
従って、本発明の目的は、平面型表示装置の搬送、移送、移動の合理化、簡素化を達成し得る平面型表示装置の搬送装置及び搬送方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するための本発明の平面型表示装置の搬送装置は、
(イ)平面型表示装置の画像表示部を真空吸着する真空吸着装置、及び、
(ロ)真空吸着装置を上下に昇降させ、且つ、真空吸着装置を水平方向に移動させる移動手段、
を備えていることを特徴とする。
【0008】
また、上記の目的を達成するための本発明の平面型表示装置の搬送方法は、
(イ)平面型表示装置の画像表示部を真空吸着する真空吸着装置、及び、
(ロ)真空吸着装置を上下に昇降させ、且つ、真空吸着装置を水平方向に移動させる移動手段、
を備えた平面型表示装置の搬送装置を用いた平面型表示装置の搬送方法であって、
下降位置に位置させた真空吸着装置によって平面型表示装置の画像表示部を真空吸着した後、移動手段によって真空吸着装置を上昇させ、且つ、水平方向に移動させて平面型表示装置を搬送することを特徴とする。
【0009】
本発明の平面型表示装置の搬送方法にあっては、移動手段の下方に、平面型表示装置を載置して移動させるためのコンベアが更に備えられている形態とすることができる。そして、この場合、移動手段によって平面型表示装置を搬送した後、コンベアに平面型表示装置を載置し、次いで、真空吸着装置による平面型表示装置の画像表示部の真空吸着を解き、その後、コンベア上の平面型表示装置を移動させる形態(より具体的には、平面型表示装置の画像表示部が上向き水平に位置する状態で移動させる形態)とすることが好ましい。コンベアとして、フリーローラーコンベア、ローラーコンベア、ベルトコンベアといった周知のコンベアを例示することができる。後述する本発明の平面型表示装置の搬送装置の一構成においても同様である。
【0010】
更には、上記の好ましい形態を含む本発明の平面型表示装置の搬送方法にあっては、真空吸着装置によって画像表示部が真空吸着される前の平面型表示装置の画像表示部は垂直に位置し、真空吸着装置によって画像表示部が真空吸着され、移動中の平面型表示装置の画像表示部は水平に位置する形態(より具体的には、平面型表示装置の画像表示部は上向き水平に位置する形態)とすることが好ましい。但し、これに限定するものではなく、真空吸着装置によって画像表示部が真空吸着される前の平面型表示装置の画像表示部を、水平あるいは斜めに位置させてもよいし、真空吸着装置によって画像表示部が真空吸着され、移動中の平面型表示装置の画像表示部を、垂直あるいは斜めに位置させてもよい。後述する本発明の平面型表示装置の搬送装置の一形態においても同様である。
【0011】
本発明の平面型表示装置の搬送装置、あるいは、以上に説明した好ましい形態を含む本発明の平面型表示装置の搬送方法における搬送装置にあっては、真空吸着装置を移動手段の先端部に対して回動自在に取り付ける取付け手段を更に備えている構成とすることが好ましく、これによって、移動手段に対する真空吸着装置の位置関係の自由度を高めることができる。そして、この場合、取付け手段は、
移動手段の先端部に取り付けられた取付け部材、及び、
水平軸部材を回転軸として回動自在に取付け部材に取り付けられ、真空吸着装置が取り付けられた保持部材、
から成る形態とすることができる。尚、保持部材の不所望の回動を防止するために、例えば、油圧シリンダーや空気圧シリンダーから成るストッパを、移動手段の先端部と保持部材との間、あるいは、取付け部材と保持部材との間に配置することが好ましい。取付け部材や保持部材、水平軸部材は、例えば、鉄や鋼、ステンレス鋼、アルミニウムやアルミニウム合金といった各種の金属や合金から作製すればよい。取付け部材は、例えば略「コ」の字状の部材であり、移動手段の先端部に溶接法やボルトとナットを用いて取り付けられている。保持部材は、例えば板状の部材であり、水平軸部材に取り付けられている。また、水平軸部材は、例えばボールベアリングを介して取付け部材に取り付ければよい。あるいは又、取付け手段をボールジョイントから構成することもできる。即ち、移動手段の先端部と保持部材との間にボールジョイントを介在させればよい。この場合にも、不所望の回動を防止するためにボールジョイントにストッパを配することが好ましい。
【0012】
以上に説明した好ましい構成、形態を含む本発明の平面型表示装置の搬送装置あるいは搬送方法において、移動手段は、
(ロ−1)真空吸着装置が取り付けられ、真空吸着装置を上下に昇降させる昇降装置、及び、
(ロ−2)昇降装置が取り付けられ、昇降装置を水平方向に移動させる移動装置、
から成る構成とすることができる。この場合、移動装置は、例えば、水平方向に延びるレール部材とローラ部材から成る構成とすることができる。具体的には、例えば、レール部材上を回動するローラ部材を昇降装置に取り付け、レール部材上におけるローラ部材の回動によって昇降装置を水平方向に直線状に移動させることができる。レール部材は、適切な固定部材によって水平に固定しておけばよい。昇降装置として、油圧シリンダーや空気圧シリンダーを挙げることもできる。また、昇降装置として、クレーンやホイスト式クレーン、チェーンブロックを例示することができる。あるいは又、移動手段は、
(ロ−1)垂直に延びる支持部材、
(ロ−2)一端部が支持部材の頂部に取り付けられ、他端部が支持部材の頂部に対して上下方向及び左右方向に自在に移動可能な第1腕部材、及び、
(ロ−3)一端部が第1腕部材の他端部に取り付けられ、他端部に真空吸着装置が取り付けられた第2腕部材、
から成る構成とすることができる。尚、このような構成の移動手段として、アイクコアルファ株式会社製の商品名「ラクラクハンド」を挙げることができる。
【0013】
更には、以上に説明した好ましい構成、形態を含む本発明の平面型表示装置の搬送装置において、真空吸着装置によって画像表示部が真空吸着される前の平面型表示装置の画像表示部は垂直に位置し、真空吸着装置によって画像表示部が真空吸着され、移動中の平面型表示装置の画像表示部は水平に位置する形態(より具体的には、平面型表示装置の画像表示部は上向き水平に位置する形態)とすることができる。
【0014】
更には、以上に説明した好ましい構成、形態を含む本発明の平面型表示装置の搬送装置において、移動手段の下方には、平面型表示装置を載置して移動させるためのコンベアが更に備えられている構成とすることができる。
【0015】
以上に説明した各種の好ましい構成、形態を含む本発明の平面型表示装置の搬送装置あるいは搬送方法(以下、これらを総称して、単に『本発明』と呼ぶ場合がある)にあっては、平面型表示装置として、液晶表示装置(LCD)やプラズマ表示装置(PDP)だけでなく、有機エレクトロルミネッセンス表示装置(有機EL表示装置)、冷陰極電界電子放出素子を組み込んだ冷陰極電界電子放出表示装置(FED)、表面伝導型電子放出素子を組み込んだ表示装置(SED)を例示することができる。平面型表示装置の画像表示部とは、実際に画像を表示する部分であり、平面型表示装置の表面(おもてめん)であり、通常、平坦である。平面型表示装置の大きさ(対角公称インチ数)には、特段の制限は無い。
【0016】
本発明における真空吸着装置は、例えば、真空吸着パッド、及び、保持部材としての真空吸着パッド取付け部材から構成されている。真空吸着パッドは、継手、配管等を介してバキュームユニットに接続され、バキュームユニットの作動によって真空吸着装置を真空吸着動作させる。本発明において、真空吸着装置やバキュームユニットは、周知の真空吸着装置、バキュームユニットを使用すればよい。真空吸着パッドの数や大きさ、バキュームユニットの真空引き能力は、解体すべき平面型表示装置の大きさ、重量等に基づき、適宜、選択すればよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明にあっては、平坦面である平面型表示装置の画像表示部を真空吸着装置によって真空吸着するので、搬送装置によって平面型表示装置を容易に、且つ、確実に搬送することができる。従って、極めて合理的に、簡単に、労力を要することなく、しかも、平面型表示装置の大きさ、重量、形状に拘わらず、平面型表示装置の搬送、移動を行うことができる。更には、解体すべき平面型表示装置の機種、種類が換わっても、搬送作業の切替え等を行うこと必要が無い。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、実施例1の平面型表示装置の搬送装置の模式的な正面図、及び、模式的な側面図であり、平面型表示装置の画像表示部を真空吸着装置が真空吸着した直後の状態を示す。
【図2】図2は、実施例1の平面型表示装置の搬送装置の模式的な側面図であり、平面型表示装置の画像表示部を真空吸着装置が真空吸着した後、移動を開始した直後の状態を示す。
【図3】図3は、実施例1の平面型表示装置の搬送装置を用いた搬送方法を説明するための図であり、平面型表示装置の画像表示部を真空吸着装置が真空吸着した状態を示す。
【図4】図4は、図3に続き、実施例1の平面型表示装置の搬送装置を用いた搬送方法を説明するための図であり、平面型表示装置の画像表示部を真空吸着装置が真空吸着した後、上方に移動中の状態を示す。
【図5】図5は、図4に続き、実施例1の平面型表示装置の搬送装置を用いた搬送方法を説明するための図であり、平面型表示装置の画像表示部を真空吸着装置が真空吸着した後、水平方向に移動中の状態を示す。
【図6】図6は、実施例2の平面型表示装置の搬送装置における移動手段の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して、実施例に基づき本発明を説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0020】
実施例1は、本発明の平面型表示装置の搬送装置及び搬送方法に関する。実施例1の平面型表示装置の搬送装置の模式的な正面図、及び、模式的な側面図を図1に示す。尚、図1は、平面型表示装置の画像表示部を真空吸着装置が真空吸着した直後の状態を示している。また、平面型表示装置の画像表示部を真空吸着装置が真空吸着した後、移動を開始した直後の状態を図2に模式的な側面図で示す。
【0021】
実施例1の平面型表示装置の搬送装置(以下、単に、搬送装置10と呼ぶ)は、
(イ)平面型表示装置50の画像表示部51を真空吸着する真空吸着装置40、及び、
(ロ)真空吸着装置40を上下に昇降させ、且つ、真空吸着装置40を水平方向に移動させる移動手段20、
を備えている。
【0022】
そして、実施例1の搬送装置10にあっては、真空吸着装置40を移動手段20の先端部に対して回動自在に取り付ける取付け手段30を更に備えている。ここで、取付け手段30は、移動手段20の先端部に取り付けられた取付け部材31、及び、水平軸部材33を回転軸として回動自在に取付け部材31に取り付けられ、真空吸着装置40が取り付けられた保持部材32から成る。尚、保持部材32の不所望の回動を防止するために、油圧シリンダーから成るストッパ(図示せず)が、取付け部材31と保持部材32との間に配置されている。取付け部材31や保持部材32、水平軸部材33は、ステンレス鋼から作製されている。そして、取付け部材31は、略「コ」の字状の部材であり、移動手段20の先端部に溶接法やボルトとナットを用いて取り付けられている。板状の部材から成る保持部材32は水平軸部材33に取り付けられており、水平軸部材33は、ボールベアリング(図示せず)を介して取付け部材31に取り付けられている。
【0023】
移動手段20は、
(ロ−1)真空吸着装置40が取り付けられ、真空吸着装置40を上下に昇降させる昇降装置21、及び、
(ロ−2)昇降装置21が取り付けられ、昇降装置21を水平方向に移動させる移動装置26、
から成る。昇降装置21は、具体的には、チェーンブロックから成る。即ち、昇降装置21は、チェーン23、及び、チェーン23を巻き取り、あるいは又、チェーン23を繰り出すブロック部22から構成されている。ブロック部22にはモータ(図示せず)が配されており、モータの作動によってチェーン23が巻き取られ、あるいは又、チェーン23が繰り出される。チェーン23の末端に取付け部材31が取り付けられている。ブロック部22は、ガイド部材28に取り付けられている。
【0024】
移動装置26は、水平方向に延びるレール部材27とローラ部材29から構成されている。具体的には、例えば、レール部材27上を回動するローラ部材29をガイド部材28に取り付ける。そして、レール部材27上におけるローラ部材29の回動によって昇降装置21を水平方向に直線状に移動させることができる。レール部材27は、適切な固定部材(図示せず)によって水平に固定しておけばよい。
【0025】
尚、実施例1にあっては、移動手段20の下方に、平面型表示装置50を載置して移動させるためのコンベア62が更に備えられている。ここで、コンベア62は、具体的には、ローラーコンベアから構成されている。
【0026】
真空吸着装置40は、真空吸着パッド、及び、保持部材32としての真空吸着パッド取付け部材から構成されており、真空吸着パッド取付け部材である保持部材32が、上述したように、取付け部材31を介して回転自在に移動手段20に取り付けられている。真空吸着パッドは、継手、配管等を介してバキュームユニット(これらは図示せず)に接続され、バキュームユニットの作動によって真空吸着装置40を真空吸着動作させる。
【0027】
実施例1の平面型表示装置の搬送方法にあっては、先ず、下降位置に位置させた真空吸着装置40によって平面型表示装置50の画像表示部51を真空吸着する。具体的には、作業者は、昇降装置21を作動させて、ブロック部22からチェーン23を繰り出し、取付け手段30に取り付けられた真空吸着装置40を下降位置に位置させる。そして、台車61に乗せられて、運ばれてきた液晶表示装置から成る平面型表示装置50の画像表示部51に真空吸着装置40の真空吸着パッドを押し付け、真空吸着装置40を作動させることで、真空吸着装置40によって平面型表示装置50の画像表示部51を真空吸着する。この状態を、図1、及び、図3に示す。尚、真空吸着装置40によって画像表示部51が真空吸着される前の平面型表示装置50の画像表示部51は垂直に位置している。
【0028】
次いで、移動手段20によって真空吸着装置40を上昇させる。具体的には、昇降装置21を作動させて、ブロック部22にチェーン23を巻き取る。そして、レバー34を用いて、取付け部材31に対して、水平軸部材33を回転軸として保持部材32を回転させる。こうして、平面型表示装置50の画像表示部51を水平に位置させることができる。より具体的には、平面型表示装置50の画像表示部51を上向き水平に位置させることができる。この状態を、模式的に図2及び図4に示す。尚、図4及び図5においては、便宜上、平面型表示装置50の台座部を取り除いて平面型表示装置50を図示している。尚、この状態で図示しないストッパを作動させれば、平面型表示装置50の画像表示部51を上向き水平に固定することができる。
【0029】
移動手段20によって真空吸着装置40を更に上昇させて、平面型表示装置50を最上部に位置させた後、昇降装置21を作動を停止させる。次いで、例えば、人力によって、(場合によっては、ガイド部材28に配設されたモータを作動させることで)、真空吸着装置40を水平方向に移動させて平面型表示装置50を搬送する。移動中の平面型表示装置50の画像表示部51は水平に位置している。より具体的には、平面型表示装置50の画像表示部51は上向き水平に位置している。この状態を、模式的に図5に示す。但し、これに限定するものではなく、真空吸着装置40によって画像表示部51が真空吸着される前の平面型表示装置の画像表示部を、水平あるいは斜めに位置させてもよいし、真空吸着装置40によって画像表示部51が真空吸着され、移動中の平面型表示装置50の画像表示部51を、垂直あるいは斜めに位置させてもよい。
【0030】
移動手段20によって平面型表示装置50を所望の位置まで搬送(移動)した後、移動手段20によって真空吸着装置40を下降させる。具体的には、昇降装置21を作動させて、ブロック部22からチェーン23を繰り出す。そして、コンベア62に平面型表示装置50を載置した後、真空吸着装置40による平面型表示装置50の画像表示部51の真空吸着を解く。そして、その後、コンベア62上の平面型表示装置50を移動させ、例えば、平面型表示装置の解体作業場に送り込み、平面型表示装置の解体作業を行う。
【0031】
実施例1にあっては、平坦面である平面型表示装置50の画像表示部51を真空吸着装置40によって真空吸着するので、搬送装置10によって平面型表示装置50を容易に、且つ、確実に搬送することができる。それ故、極めて合理的に、簡単に、労力を要することなく、しかも、平面型表示装置50の大きさ、重量、形状に拘わらず、平面型表示装置50の搬送、移動を行うことができる。更には、解体すべき平面型表示装置50の機種、種類が換わっても、搬送作業の切替え等を行うこと必要が無い。
【実施例2】
【0032】
実施例2は、実施例1の変形である。実施例2にあっては、図6に模式図を示すように、移動手段120は、
(ロ−1)垂直に延びる支持部材121、
(ロ−2)一端部が支持部材121の頂部に取り付けられ、他端部が支持部材121の頂部に対して上下方向及び左右方向に自在に移動可能な第1腕部材122、及び、
(ロ−3)一端部が第1腕部材122の他端部に取り付けられ、他端部に真空吸着装置40が取り付けられた第2腕部材123、
から成る。このような構成の移動手段120として、アイクコアルファ株式会社製の商品名「ラクラクハンド」を挙げることができる。尚、移動手段120には、第1腕部材122や第2腕部材123を移動させるための各種の装置が備えられ、また、第1腕部材122や第2腕部材123内にもこれらを移動させるための各種の装置が組み込まれているが、これらの装置の説明、図示は省略した。真空吸着装置40は、取付け手段130を介して、第2腕部材123の他端部に取り付けられている。ここで、取付け手段130はボールジョイント124から成り、板状の取付け部材131は、ボールジョイント124を介して、第2腕部材123の他端部に回動自在に取り付けられている。真空吸着装置40は取付け部材131に取り付けられている。
【0033】
以上の点を除き、実施例2の搬送装置は、実施例1の搬送装置と同じ構成、構造とすることができるので、詳細な説明は省略する。
【0034】
以上、本発明の平面型表示装置の搬送装置及び搬送方法を好ましい実施例に基づき説明したが、本発明はこれらの実施例に限定するものではない。移動手段、真空吸着装置等の構成、構造、形状は例示であり、適宜、変更することができる。
【符号の説明】
【0035】
10・・・・平面型表示装置の搬送装置、20,120・・・移動手段、21・・・昇降装置、22・・・ブロック部、23・・・チェーン、26・・・移動装置、27・・・レール部材、28・・・ガイド部材、29・・・ローラ部材、30,130・・・取付け手段、31,131・・・取付け部材、32・・・保持部材、33・・・水平軸部材、34・・・レバー、40・・・真空吸着装置、50・・・平面型表示装置、51・・・画像表示部、61・・・台車、62・・・コンベア、121・・・支持部材、122・・・第1腕部材、123・・・第2腕部材、124・・・ボールジョイント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(イ)平面型表示装置の画像表示部を真空吸着する真空吸着装置、及び、
(ロ)真空吸着装置を上下に昇降させ、且つ、真空吸着装置を水平方向に移動させる移動手段、
を備えていることを特徴とする平面型表示装置の搬送装置。
【請求項2】
真空吸着装置を移動手段の先端部に対して回動自在に取り付ける取付け手段を更に備えていることを特徴とする請求項1に記載の平面型表示装置の搬送装置。
【請求項3】
取付け手段は、
移動手段の先端部に取り付けられた取付け部材、及び、
水平軸部材を回転軸として回動自在に取付け部材に取り付けられ、真空吸着装置が取り付けられた保持部材、
から成ることを特徴とする請求項2に記載の平面型表示装置の搬送装置。
【請求項4】
移動手段は、
(ロ−1)真空吸着装置が取り付けられ、真空吸着装置を上下に昇降させる昇降装置、及び、
(ロ−2)昇降装置が取り付けられ、昇降装置を水平方向に移動させる移動装置、
から成ることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の平面型表示装置の搬送装置。
【請求項5】
移動手段は、
(ロ−1)垂直に延びる支持部材、
(ロ−2)一端部が支持部材の頂部に取り付けられ、他端部が支持部材の頂部に対して上下方向及び左右方向に自在に移動可能な第1腕部材、及び、
(ロ−3)一端部が第1腕部材の他端部に取り付けられ、他端部に真空吸着装置が取り付けられた第2腕部材、
から成ることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の平面型表示装置の搬送装置。
【請求項6】
真空吸着装置によって画像表示部が真空吸着される前の平面型表示装置の画像表示部は垂直に位置し、真空吸着装置によって画像表示部が真空吸着され、移動中の平面型表示装置の画像表示部は水平に位置することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の平面型表示装置の搬送装置。
【請求項7】
移動手段の下方には、平面型表示装置を載置して移動させるためのコンベアが更に備えられていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の平面型表示装置の搬送装置。
【請求項8】
(イ)平面型表示装置の画像表示部を真空吸着する真空吸着装置、及び、
(ロ)真空吸着装置を上下に昇降させ、且つ、真空吸着装置を水平方向に移動させる移動手段、
を備えた平面型表示装置の搬送装置を用いた平面型表示装置の搬送方法であって、
下降位置に位置させた真空吸着装置によって平面型表示装置の画像表示部を真空吸着した後、移動手段によって真空吸着装置を上昇させ、且つ、水平方向に移動させて平面型表示装置を搬送することを特徴とする平面型表示装置の搬送方法。
【請求項9】
移動手段の下方には、平面型表示装置を載置して移動させるためのコンベアが更に備えられていることを特徴とする請求項8に記載の平面型表示装置の搬送方法。
【請求項10】
移動手段によって平面型表示装置を搬送した後、コンベアに平面型表示装置を載置し、次いで、真空吸着装置による平面型表示装置の画像表示部の真空吸着を解き、その後、コンベア上の平面型表示装置を移動させることを特徴とする請求項9に記載の平面型表示装置の搬送方法。
【請求項11】
真空吸着装置によって画像表示部が真空吸着される前の平面型表示装置の画像表示部は垂直に位置し、真空吸着装置によって画像表示部が真空吸着され、移動中の平面型表示装置の画像表示部は水平に位置することを特徴とする請求項8乃至請求項10のいずれか1項に記載の平面型表示装置の搬送方法。
【請求項12】
真空吸着装置を移動手段の先端部に対して回動自在に取り付ける取付け手段を更に備えていることを特徴とする請求項8乃至請求項11のいずれか1項に記載の平面型表示装置の搬送方法。
【請求項13】
取付け手段は、
移動手段の先端部に取り付けられた取付け部材、及び、
取付け部材に対して水平方向に配置され、且つ、水平軸部材を回転軸として回動自在に取付け部材に取り付けられ、真空吸着装置が取り付けられた保持部材、
から成ることを特徴とする請求項12に記載の平面型表示装置の搬送方法。
【請求項14】
移動手段は、
(ロ−1)真空吸着装置が取り付けられ、真空吸着装置を上下に昇降させる昇降装置、及び、
(ロ−2)昇降装置が取り付けられ、昇降装置を水平方向に移動させる移動装置、
から成ることを特徴とする請求項8乃至請求項13のいずれか1項に記載の平面型表示装置の搬送方法。
【請求項15】
移動手段は、
(ロ−1)垂直に延びる支持部材、
(ロ−2)一端部が支持部材の頂部に取り付けられ、他端部が支持部材の頂部に対して上下方向及び左右方向に自在に移動可能な第1腕部材、及び、
(ロ−3)一端部が第1腕部材の他端部に取り付けられ、他端部に真空吸着装置が取り付けられた第2腕部材、
から成ることを特徴とする請求項8乃至請求項13のいずれか1項に記載の平面型表示装置の搬送方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−93634(P2011−93634A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−247242(P2009−247242)
【出願日】平成21年10月28日(2009.10.28)
【出願人】(501282659)グリーンサイクル株式会社 (5)
【Fターム(参考)】