説明

平面映像の立体表現の方法及びその方法を利用した立体構造

【課題】本発明は、製品の包装、広告及び装置芸術等の方面に応用され、おもしろい視角的效果を表現することができる平面映像の立体表現の方法を提供する。
【解決手段】
本発明の平面映像の立体表現の方法は、立体の実体対象と相応する立体模型を少なくとも1つ設置するステップと;一定の角度で前記立体模型に1つの平面映像を投射し、前記立体模型は前記平面映像の投射経路に同一の平面上ではない少なくとも2つの面界が連接するインタフェースを備えるステップと;前記平面映像が前記2つの面に形成された少なくとも2つの子映像を取り出すステップと;且つ前記らの2つの子映像を前記立体実体対象の前記2つの面と相応する2つの実体面にそれぞれ形成するステップとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像の表現の方法及びその方法を利用した立体構造に関し、特に平面映像の立体表現の方法、及び映像の立体表現を備えた立体構造に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、映像の印刷技術の発展に従って、各種類の製品又は包装箱は一般的に格好良い映像で修飾して、消費者の目を引いて購買欲を強める。そのうえ、広告效果があるとか、又は、ある理念が伝達できる数多くの実体対象も、表面に附着された映像を通して概念を伝達する。
【0003】
前記らの映像は一般的にただ簡単に立体対象に付着し、ただ1つの面又は複数の面を囲んで付着する可能性が高い。対象物品のイメージを変える以外に、映像の内容が表す含意も全体的設計感を向上させるカギになる。しかし、対象物品自体の構造を利用して表面に映像を付着する方法に結合して、視角的效果を強める設計は少ない。
【0004】
従って、本発明では、立体対象での映像の表現方式に重点を置いて、且つ、映像の立体表現方法及び映像の立体表現を備えた立体構造を考案する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の1つの目的は、立体実体対象の元の幾何的特徴を利用して映像が表現される平面映像の立体表現の方法を提供することにある。
【0006】
本発明のもう1つの目的は、映像が奇異な視角的效果を表現する平面映像の立体表現の方法を提供することにある。
【0007】
本発明のもう1つの目的は、幾何的特徴を利用して映像の表現に結合して、特別な視角的效果を起こすことができる立体構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の平面映像の立体表現の方法は、立体実体対象と相応する少なくとも1つの立体模型を設置するステップと;一定の角度で前記立体模型に1つの平面映像を投射し、前記立体模型は前記平面映像の投射経路に同一の平面上ではない少なくとも2つの面が連接するインタフェースを備えるステップと;前記平面映像が前記2つの面に形成された少なくとも2つの子映像を取り出すステップと;前記少なくとも2つの子映像を前記立体実体対象の前記少なくとも2つの面と相応する少なくとも2つの実体面にそれぞれ形成するステップとを含むことを特徴とする。
【0009】
本発明の立体構造は、同一の平面上ではない少なくとも2つの実体面を連接するインタフェースと;及び前記少なくとも2つの実体面にそれぞれ位置する少なくとも2つの変形された子映像とを含み、そのうち、使用者が一定の角度から立体構造を見る時、前記少なくとも2つの変形された子映像が接合して構成され、変形されない正常な映像が見える。
【0010】
本発明の具体的な実施方式において、前記実体面の子映像は二種類の方式を利用して表現することができる。(1)子映像が転写印刷されたさまざまな紙製品を通して表現することができる。(2)各種類の表示装置の表示配列を通して表現することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明は製品の包装、広告及び装置芸術等の方面に応用され、おもしろい視角的效果を表現することができる。製品の包装の方面において、包装箱又は製品自体のような立体構造すべては本発明の創意を添加して、人々にとても新奇の感じを与えることができる。 その他、広告方面でも本発明を応用して、広告の効果を一層拡大することができる。具体的には、例えば、建築物外壁上の広告板、及び各種類の広告効益を得ることができる立体装置などに応用することができ、又は建築物の複数の外壁壁面にスクリーンをそれぞれ安置して、映像の放映又はビデオの方式で実施して、広告とかある種類の概念を伝達する役割を果たす。この他にも、立体構造を備えた各種類の物体はすべて本発明を応用することができ、実質的功能のない観賞用の物品も本発明の応用範囲に含まれることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明における平面映像の立体表現の方法の実施方式を示すフローチャート図である。
【図2】本発明における平面映像の立体表現の方法のもう1つの実施方式を示すフローチャート図である。
【図3】本発明における立体構造の第1実施例の概略図を示す。
【図4a】本発明における第1実施例のILLUSION文句が実は各実体面で歪曲された子映像であることを示す図である。
【図4b】本発明における第1実施例のILLUSION文句が実は各実体面で歪曲された子映像であることを示す図である。
【図4c】本発明における第1実施例のILLUSION文句が実は各実体面で歪曲された子映像であることを示す図である。
【図5】本発明における立体構造の第2実施例を示す概略図である。
【図6a】本発明における第2実施例の女性モデルの映像が実に各表示配列で現れたのが歪曲された子映像であることを示す図である。
【図6b】本発明における第2実施例の女性モデルの映像が実に各表示配列で現れたのが歪曲された子映像であることを示す図である。
【図6c】本発明における第2実施例の女性モデルの映像が実に各表示配列で現れたのが歪曲された子映像であることを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は本発明における平面映像の立体表現の方法の実施方式のフローチャートを示す。以下、図1に結合して本発明に対して詳しく説明する。
【0014】
ステップS102:先ず、立体実体対象に基づいてモデリングして、前記立体実体対象と相応する立体模型を作り、且つ立体実体対象と立体模型とが一定の比例を表現するとか大きさが同じようにする。このステップにおいて、MAYA、AutoCAD等のコンピュータ補助設計ソフトウェアを使用して、3Dモデリングをすることができる。
【0015】
ステップS104:次に、1つの平面映像を準備し、前記平面映像を一定の角度で前記立体模型に投射する。立体模型のインタフェース(頂点又は辺)が少なくとも2つの同一平面上ではない面を連接するため、投射した後に、前記平面映像は分割されて前記立体模型の投射経路上の面に複数の子映像を形成する。こんな子映像は曲げられたので、元の正常的な平面映像に比べると、変形がある。このステップにおいて、平面映像を立体模型に投射するプロセスはコンピュータ補助設計ソフトウェアを利用して実現することができる。
【0016】
ステップS106:ステップS104での前記平面映像が前記立体模型に形成された子映像を印刷する。このステップにおいて、まず前記立体模型に形成された子映像を取り出してそれぞれイメージ‐ファイルとして保存してから、またイメージ‐ファイルとして保存された子映像をそれぞれ印刷することができる。
【0017】
ステップS108:最後に、印刷された子映像を前記立体実体対象の実体面に直接に付着する。この時、前記立体模型のA面が前記立体実体対象のA’面に対応すると、前記立体模型のA面に形成された子映像を前記立体実体対象のA’面に付着する。ここの“対応”は、立体実体対象とモデリング以後の立体模型との間の構造上の対応を示す。
【0018】
上記のステップによると、前記立体実体対象に付着された子映像自体は歪曲され、変形されたので、前記平面映像を投射する時に一定の角度で見る時さえ、前記平面映像と一致し、歪曲とか変形がない正常な映像を見ることができて、他の角度から見るときに見えるのはすべて歪曲され、分割された映像であり、従っておもしろい視角的效果を起こす。
【0019】
図2を参照すると、本発明における平面映像の立体表現の方法のもう1つの実施方式のフローチャートを示すが、本実施方式と前の実施方式との重要な差異は、子映像の表れ方式であり、具体的には下記で説明する。
【0020】
ステップS202:立体実体対象に基づいて、立体実体対象と対応する立体模型を作る。
【0021】
ステップS204:1つの平面映像を一定の角度で前記立体模型に投射する。
【0022】
ステップS202及びステップS204が前記のステップS102及びステップS204とそれぞれ似るため、簡潔のためにこれ以上説明しないから、上記の説明を参照されたい。
【0023】
ステップS206:前記平面映像が前記立体模型に形成された子映像を取り出す。このステップにおいて、取り出されたのは歪曲された子映像であり、前記らの子映像は取り出された後に別にビットマップとして保存されてもよい。歪曲された情報を含んだベクターとして保存されてもよい。
【0024】
ステップS208:前記立体実体対象には前記立体模型と構造上で対応する実体面を備え、実体面には表示配列が配置されて、ステップS206から取り出された子映像をそれぞれ対応するように表示配列に表現する。このステップにおいて、いわゆる表示配列とは電子モジュールで構成されて、映像表示功能を実現できる画素配列である。応用上は、表示配列は液晶表示装置、電気泳動表示装置又はフレキシブル表示装置の表示配列を利用して実現することができる。例えば、現在発展中の電子紙技術を利用して、前記立体実体対象の実体面に電子紙を配置して表示配列とすることができる。
【0025】
本発明における平面映像の立体表現の方法は、製品の包装、広告及び装置芸術等の方面に応用されて、おもしろい視角的效果を表現することができる。製品包装の方面で、包装箱又は製品自体のような立体構造はすべて本発明の構想を結合することができて、人々にとても新奇の感じを与える。その他、広告の方面でも本発明を応用することができて、広告の効果を一層拡大することができ、具体的に例えば、建築物外壁の広告板及びさまざまな広告効益を得ることができる立体装置などに応用することができ、又は建築物の複数の外壁壁面にそれぞれのスクリーンを設置して映像の放映とかビデオの方式で実施して、広告に使用されるとかある種類の概念を伝達するのに使用することができる。そのほかにも、立体構造を備えた各種類の物体はすべて本発明を応用することができ、実質的功能のない観賞用の物品も本発明の応用範囲に含まれることができる。
【0026】
図3を参照すると、本発明における立体構造の第1実施例の概略図を示す。本実施例において、立体構造30はインタフェース33を備え、前記インタフェース33は立体構造30の頂点又は1つの辺であることができ、インタフェース33は同一の平面上ではない実体面301、302、303を連接する。実体面301、302、303にはそれぞれ歪曲または変形の子映像が付着されているが、それらはそれぞれ図4a、図4b、図4cに示したようである。図3に示したのは使用者が一定の角度で見た結果で、その他の角度から見る時、見えるのは歪曲、または変形された映像である。図3及び図4a−4cに示すように、ILLUSION文句35の映像は一定の角度から見る時には変形または歪曲がない正常な映像であるが、各実体面301、302、303の子映像は実際にすべて歪曲された映像であり、その他の視角から立体構造30を見る時には、相違程度の歪曲效果がある。
【0027】
図5を参照すると、本発明における立体構造の第2実施例の概略図を示す。本実施例において、それは表示配列を通して女性モデルの映像を組成する各子映像を表現する。ここで、いわゆる表示配列とは電子モジュールで構成されて、映像表示功能を実現する画素配列である。図5に示すように、立体構造50はインタフェース53を備え、前記インタフェース53は立体構造50の頂点又は1つの辺であることができ、インタフェース53は同一の平面上ではない表示配列501、502、503を連接し、各表示配列501、502、503はそれぞれ立体構造50の実体面に設置される。各表示配列501、502、503は実際に、図6a、図6b及び図6cに示すような歪曲、または変形の子映像をそれぞれ示すことができる。図5に呈したのは使用者が一定の角度から見た結果で、他の角度から見る時、歪曲、または変形の映像が見える。図5及び図6a−6cに示すように、一定の角度から女性モデルの映像55を見る時には歪曲または変形がない正常的な映像であるが、実際には各表示配列501、502、503が表した子映像はすべて歪曲された映像であり、その他の角度から立体構造50を見る時には、相違程度の歪曲効果がある。
【0028】
本発明の立体構造は包装箱とか製品自体であることができるし、建築物外壁に設置された広告板及び各種類の広告効益を得ることができる立体装置などであることもできる。立体構造を備えた物体はすべて本発明を応用することができ、本発明の立体構造は実質的功能のない観賞用の物品であることもできる。
【0029】
本発明において、実体面が平面であるとかその立体模型の面が平面である立体実体対象に限られなくて、凹面又は凸面を備えた立体実体対象も本発明の応用範囲に属することができ、それは映像投射の原理によると、どの面に投射するに関わらず、前記投射角度から見ると投射された初期映像を見ることができる。
【0030】
上記のように、好ましい実施例を利用して本発明に対して説明したが、本発明はこれに限られなく、本発明が属する技術分野の通常の知識を持った技術者は本発明の構想と範囲を離脱しない範囲でさまざまな修正と潤色の可能性があるため、本発明の保護の範囲は以下の特許請求の範囲に確定された範囲を基準とする。
【符号の説明】
【0031】
30、50 立体構造
33、53 インタフェース
35 ILLUSIONの文字
55 女性モデルの映像
301、302、303 実体面
501、502、503 表示配列

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面映像の立体表現の方法であって、
立体実体対象と相応する少なくとも1つの立体模型を設置するステップと、
一定の角度で前記立体模型に1つの平面映像を投射し、前記立体模型は前記平面映像の投射経路に、同一の平面上ではない少なくとも2つの面が連接するインタフェースを備えるステップと、
前記平面映像が前記少なくとも2つの面に形成された少なくとも2つの子映像を取り出すステップと、
前記少なくとも2つの子映像を、前記立体実体対象上の前記少なくとも2つの面と相応する少なくとも2つの実体面にそれぞれ形成するステップとを含むことを特徴とする平面映像の立体表現の方法。
【請求項2】
前記少なくとも2つの子映像を前記少なくとも2つの実体面に形成するステップの前に、前記少なくとも2つの子映像を印刷するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の平面映像の立体表現の方法。
【請求項3】
前記少なくとも2つの子映像を前記少なくとも2つの実体面にそれぞれ形成するステップにおいて、前記印刷された少なくとも2つの子映像を前記少なくとも2つの実体面にそれぞれ付着することを特徴とする請求項2に記載の平面映像の立体表現の方法。
【請求項4】
前記少なくとも2つの子映像を前記少なくとも2つの実体面にそれぞれ形成するステップにおいて、前記少なくとも2つの子映像をそれぞれ前記少なくとも2つの実体面の上の表示配列に表現することを特徴とする請求項1に記載の平面映像の立体表現の方法。
【請求項5】
前記表示配列は、液晶表示装置、電気泳動表示装置又はフレキシブル表示装置の表示配列であることを特徴とする請求項4に記載の平面映像の立体表現の方法。
【請求項6】
立体構造であって、
同一の平面上ではない少なくとも2つの実体面を連接するインタフェースと、
前記少なくとも2つの実体面にそれぞれ位置される少なくとも2つの変形した子映像とを含み、
使用者が一定の角度から立体構造を見る時、前記少なくとも2つの変形された子映像が接合して構成され、変形がない正常な映像を見ることを特徴とする立体構造。
【請求項7】
前記少なくとも2つの変形された子映像は前記少なくとも2つの実体面にそれぞれ付着されることを特徴とする請求項6に記載の立体構造。
【請求項8】
前記少なくとも2つの変形された子映像は、前記少なくとも2つの実体面の表示配列にそれぞれ表現することを特徴とする請求項6に記載の立体構造。
【請求項9】
前記表示配列は、液晶表示装置、電気泳動表示装置又はフレキシブル表示装置の表示配列であることを特徴とする請求項8に記載の立体構造。
【請求項10】
前記インタフェースが前記立体構造の頂点であることを特徴とする請求項11に記載の立体構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図5】
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【図6a】
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【図6b】
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【図6c】
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【公開番号】特開2011−138098(P2011−138098A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−167627(P2010−167627)
【出願日】平成22年7月26日(2010.7.26)
【出願人】(503378235)国立台湾科技大学 (32)