広告分析装置、及び広告サーバ
【課題】広告と購買行動の対応をより正確に把握する。
【解決手段】登録サーバ31は、ユーザ端末2から電子マネーカード23のカードIDを受信すると共に、広告サーバ11からクッキーIDを受信してユーザ端末2に書き込み、クッキーIDとカードIDの対応を分析サーバ32に送信する。ユーザがユーザ端末2から広告サーバ11や広告主サーバ12が配信する広告を閲覧すると、クッキーIDにより広告閲覧履歴が生成され、分析サーバ32に送られる。ユーザが加盟店で商品を購入し、電子マネーカード23で決済すると、カードIDによる商品購買履歴が生成され、分析サーバ32に送られる。分析サーバ32は、ユーザのクッキーIDとカードIDの組からユーザの広告閲覧履歴と商品購買履歴を特定して突合することにより、ユーザに広告した後、ユーザが広告対象の商品を購入したか否かを確認することができる。
【解決手段】登録サーバ31は、ユーザ端末2から電子マネーカード23のカードIDを受信すると共に、広告サーバ11からクッキーIDを受信してユーザ端末2に書き込み、クッキーIDとカードIDの対応を分析サーバ32に送信する。ユーザがユーザ端末2から広告サーバ11や広告主サーバ12が配信する広告を閲覧すると、クッキーIDにより広告閲覧履歴が生成され、分析サーバ32に送られる。ユーザが加盟店で商品を購入し、電子マネーカード23で決済すると、カードIDによる商品購買履歴が生成され、分析サーバ32に送られる。分析サーバ32は、ユーザのクッキーIDとカードIDの組からユーザの広告閲覧履歴と商品購買履歴を特定して突合することにより、ユーザに広告した後、ユーザが広告対象の商品を購入したか否かを確認することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広告分析装置、及び広告サーバに関し、例えば、広告と購買行動の関係を分析するものに関する。
【背景技術】
【0002】
企業にとって、自社が提供した広告が消費者の購買行動にどのように影響しているかということを知ることは、広告戦略を立案する上で極めて重要である。
このような広告と購買の因果関係を解明する方法として、従来では、消費者からアンケートをとったり、割引チケットを配布してその回収状況から推定するなどの方法がとられていた。
【0003】
ところで、近年、IT技術の急激な発達により、ネットワークでの広告配信が盛んとなってきたため、例えば、特許文献1の消費者の購買履歴から当該消費者に適した広告を個別に提供する技術のように、ネットワークの特性を活かした広告方法が提案されるようになってきた。
しかし、消費者のネットワーク空間での広告閲覧と実社会での購買活動の対応を取得する効果的な方法はなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−282393号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、広告と購買行動の対応をより正確に把握することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、ユーザが、ネットワーク上で広告を閲覧する際に当該ユーザを特定する閲覧用IDと、前記ユーザが、店舗で商品を購入する際に当該ユーザを特定する購入用IDとの対応を記憶するID記憶手段と、閲覧用ID、広告商品、及び広告日時を含む広告閲覧情報を取得する広告閲覧情報取得手段と、購入用ID、購入商品、及び購入日時を含む商品購入情報を取得する商品購入情報取得手段と、前記取得した広告閲覧情報と商品購入情報のうち、閲覧用IDと購入用IDの対応が前記ID記憶手段に記憶した閲覧用IDと購入用IDの対応と一致し、広告商品と購入商品が対応し、かつ、広告日時が購入日時よりも前である広告閲覧情報と商品購入情報を特定する情報特定手段と、を具備したことを特徴とする広告分析装置を提供する。
請求項2に記載の発明では、前記広告閲覧情報は、広告を提供する側が選択して前記ユーザに提供した広告の広告閲覧情報であることを特徴とする請求項1に記載の広告分析装置を提供する。
請求項3に記載の発明では、前記情報特定手段で特定した結果を用いて広告効果を計測する広告効果計測手段を具備したことを特徴とする請求項1、又は請求項2に記載の広告分析装置を提供する。
請求項4に記載の発明では、前記情報特定手段で特定した結果を用いて、前記ユーザに提供する広告の内容を制御するための広告制御情報を生成する広告制御情報生成手段を具備したことを特徴とする請求項1、請求項2、又は請求項3に記載の広告分析装置を提供する。
請求項5に記載の発明では、前記情報特定手段で特定した結果を用いて、前記ユーザが商品購入の際に前記購入用IDを使用する動機づけとなる動機情報を生成する動機情報生成手段を具備したことを特徴とする請求項1から請求項4までのうちの何れか1の請求項に記載の広告分析装置を提供する。
請求項6に記載の発明では、広告群から広告を選択する広告選択手段と、前記選択した広告をユーザの端末に送信する広告送信手段と、請求項4に記載の広告分析装置から前記ユーザに対する広告制御情報を取得する広告制御情報取得手段と、前記受信した広告制御情報を用いて、前記広告送信手段で送信する広告の内容を制御する広告制御手段と、を具備したことを特徴とする広告サーバを提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によると、ネットワークでのユーザの広告閲覧履歴と、店舗での商品購買履歴を対応させることにより、広告と購買行動の対応をより正確に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】広告分析システムのシステム構成図を説明するための図である。
【図2】分析サーバのハードウェア的な構成などを説明するための図である。
【図3】登録情報の論理的な構成などを説明するための図である。
【図4】商品DBの論理的な構成などを説明するための図である。
【図5】広告管理DBの論理的な構成などを説明するための図である。
【図6】広告サーバ閲覧履歴の論理的な構成などを説明するための図である。
【図7】分析処理におけるデータの関係を説明するための図である。
【図8】登録処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】広告閲覧履歴を取得する手順を説明するためのフローチャートである。
【図10】商品購買履歴を取得する手順を説明するためのフローチャートである。
【図11】分析処理を説明するためのフローチャートである。
【図12】登録画面などを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(1)実施形態の概要
登録サーバ31(図1)は、ユーザ端末2から電子マネーカード23のカードIDを受信すると共に、広告サーバ11からクッキーIDを受信してユーザ端末2に書き込み、クッキーIDとカードIDの対応を分析サーバ32に送信する。
ユーザがユーザ端末2から広告サーバ11や広告主サーバ12が配信する広告を閲覧すると、クッキーIDにより広告閲覧履歴が生成され、分析サーバ32に送られる。
また、ユーザが加盟店で商品を購入し、電子マネーカード23で決済すると、カードIDによる商品購買履歴が生成され、分析サーバ32に送られる。
【0010】
分析サーバ32は、ユーザのクッキーIDとカードIDの組からユーザの広告閲覧履歴と商品購買履歴を特定して突合することにより、ユーザに広告した後、ユーザが広告対象の商品を購入したか否かを確認することができる。
このように、広告分析システム1によると、ウェブサイト上で広告した商品が購買に結びついたか把握でき、この情報を基として、広告ごと広告主ごとに最適な広告出稿モデルを把握したり、より精度を高めたターゲティング広告を行うことができる。
【0011】
なお、本実施の形態では、実社会での購買行動を把握するために電子マネーシステムを用いるが、これは一例であって、例えば、ポイントシステムやクレジットカードシステムなど、他のシステムを用いることも可能である。
【0012】
(2)実施形態の詳細
図1は、本実施形態が適用される広告分析システムのシステム構成図を説明するための図である。
広告分析システム1は、ユーザ端末2、広告システム10、電子マネーシステム20、及び分析システム30を用いて構成されている。
【0013】
ユーザ端末2は、ネットワーク(インターネット、その他の通信網)に接続可能な情報処理端末であり、例えば、PC(Personal Computer)、ゲーム機などの据置型の端末や、携帯電話などの携帯端末で構成されている。
ユーザ端末2は、ブラウザを用いてネットワーク上の各種ウェブサイトにアクセスすることができる。
また、ブラウザはクッキー(Cookie)と呼ばれる情報を記憶することができ、ユーザ端末2がウェブサイトにアクセスした場合、ウェブサイト側は、クッキーのクッキーIDによりユーザ端末2を識別することができる。
【0014】
広告システム10は、ウェブサイト上の広告を提供するシステムであって、広告サーバ11、広告主サーバ12、及び媒体サーバ13などを用いて構成されている。
媒体サーバ13は、例えば、広告エリア、ニュースエリア、検索エリアなどを備えた媒体サイト(例えば、ポータルサイト)を運営するサーバであって、媒体サイト画面上の広告エリアに表示される広告情報(動画、静止画、音声などによって構成されているものやバナー広告など)によってユーザ端末2に広告を提示することができる。
【0015】
広告サーバ11は、媒体サーバ13の媒体サイト画面上の広告エリアに表示する広告を媒体サーバ13に提供する。
媒体サイト上において、広告エリアの広告は、媒体サイトの一画面として視認されるが、この広告は、広告サーバ11が媒体サーバ13に送信している広告データを媒体サイト画面上の広告エリアで再生しているものである。
【0016】
即ち、媒体サーバ13は、媒体サイト画面上の広告エリアを広告サーバ11に提供し、広告サーバ11は、この広告エリアに広告を配信している。
広告サーバ11は、複数の広告主から提供された複数の広告を記憶しており、ユーザ端末2から媒体サーバ13にアクセスがあると、媒体サーバ13からの広告要求に応じて、これら複数の広告から特定のものを選択して媒体サーバ13経由でユーザ端末2に送信する。
【0017】
広告主サーバ12は、広告主が自社の詳細な広告を提供するサーバであって、媒体サーバ13で自社の広告がユーザによってクリックされるなどして選択された場合、ユーザ端末2に直接広告を配信する。
以上に説明した媒体サーバ13、広告主サーバ12は、図では1台のみ示しているが、これらは複数存在することができる。
【0018】
電子マネーシステム20は、電子マネーによる決済サービスを提供するシステムであって、電子マネーカード23、店舗端末22、電子マネーサーバ21などを用いて構成されている。
電子マネーカード23は、カードIDにより識別可能なICカードであり、ユーザが電子マネーによる決済に使用する。
電子マネーカード23は、バリューと呼ばれる金銭的な価値を記憶しており、外部の端末と通信することにより、この金額を増減することができる。バリューを増額する処理はチャージと呼ばれ、減額する処理は決済と呼ばれている。
なお、ユーザ端末2が携帯端末の場合、ユーザ端末2に電子マネーカード23の機能を内蔵して一体型に構成することもできる。
【0019】
店舗端末22は、電子マネーシステム20の加盟店に設置された端末であって、電子マネーカード23がセットされると、これと通信し、電子マネーカード23に記憶されたバリューを増減することができる。
加盟店で商品を購入すると、その代金を電子マネーカード23のバリューから減額することにより決済することができる。
【0020】
また、電子マネーカード23にチャージする場合、ユーザは、チャージ金額分の現金を加盟店に支払ってチャージしてもらう。
なお、図では加盟店と店舗端末22を単数図示しているが、これは複数存在し、また、1つの加盟店に複数の店舗端末22を設置する場合もある。
【0021】
電子マネーサーバ21は、店舗端末22から電子マネーカード23との決済情報やチャージ情報を収集し、集計処理する。
なお、決済情報には、店舗端末22が生成した情報のほか、POSシステム(Point Of Sales System)が生成した情報を含めることができる。
【0022】
分析システム30は、ユーザの広告システム10での広告閲覧履歴と電子マネーシステム20での商品購買履歴を対応させることにより、広告と当該広告による購買行動を分析するシステムであって、登録サーバ31と分析サーバ32などを用いて構成されている。
登録サーバ31は、ユーザが使用するユーザ端末2のクッキーIDと、当該ユーザが使用する電子マネーカード23のカードIDを対応づけるサーバである。
【0023】
分析サーバ32は、登録サーバ31からクッキーIDとカードIDの対応を取得し、広告サーバ11からクッキーIDが付与された広告閲覧情報を取得し、電子マネーサーバ21からカードIDが付与された商品購買履歴を取得する。
そして、分析サーバ32は、クッキーIDとカードIDの対応から、当該ユーザの広告閲覧履歴と商品購買履歴を特定し、両者を突合することにより広告と当該広告による購買行動の関係を分析する。
【0024】
次に、以上のように構成された広告分析システム1の動作を図に括弧で示した番号に従って説明する。
(1)まず、ユーザは、ユーザ端末2から登録サーバ31の登録サイトにアクセスし、自分が所有する電子マネーカード23のカードIDを登録サーバ31に登録する。
(2)登録サーバ31は、ユーザ端末2からカードIDの登録を受け付けるとタグによって広告サーバ11を呼び出す。
(3)広告サーバ11は、登録サーバ31から呼出を受けると、クッキーIDを発行して登録サーバ31に送信する。
【0025】
(4)登録サーバ31は、広告サーバ11からクッキーIDを受信すると、当該クッキーIDを含むクッキーをユーザ端末2に送信し、ユーザ端末2のブラウザにクッキーIDを書き込む。
ここで、クッキーIDとは、クッキーを識別するIDであって、以後、広告サーバ11、広告主サーバ12、媒体サーバ13は、ユーザ端末2からアクセスがあった場合、クッキーIDによりユーザ端末2を識別することができる。
【0026】
(5)登録サーバ31は、ユーザ端末2にクッキーIDを書き込むとクッキーIDとカードIDを対応づけて分析サーバ32に送信する。
以上の処理により、ユーザのサイバー空間での広告閲覧とリアル空間での商品購買を追跡する準備が整う。
【0027】
(6)次に、ユーザがユーザ端末2から媒体サーバ13の媒体サイトにアクセスする。
(7)媒体サーバ13は、ユーザ端末2から媒体サイトにアクセスを受けると、タグにより広告サーバ11の広告を呼び出す。
(8)広告サーバ11は、媒体サーバ13から広告の呼出を受けると、媒体サイト上の広告エリアに広告を配信することによりユーザ端末2に広告を配信する。この際、広告サーバ11は、クッキーID(タグにより媒体サーバ13から広告サーバ11に送信される)によりユーザ端末2を識別し、ユーザ端末2に配信した広告の履歴を記録する。
【0028】
(9)広告エリアには、広告サーバ11が配信する広告が提示され、ユーザは、興味のある広告である場合、これをクリックして選択することができる。そして、ユーザが広告をクリックすると、その旨の信号が広告サーバ11に送信され、当該広告がクリックされた旨の通知が行われる。
(10)広告サーバ11は、広告がクリックされると、ユーザ端末2の接続先を広告サーバ11から広告主サーバ12にリダイレクトにより切り替える。
【0029】
(11)広告主サーバ12は、ユーザ端末2の接続がリダイレクトされると、クッキーIDによってユーザ端末2を識別すると共に、ユーザ端末2に対して自社の広告を配信する。ユーザは、広告内の各項目をクリックするなどして、商品のより詳細な情報を閲覧する。広告主サーバ12は、ユーザが広告のどのサイトにアクセスしたかを記録しており、この記録とユーザ端末2のクッキーIDをアクセス情報(以下、広告主サーバ閲覧履歴)としてタグを用いて広告サーバ11に送信する。
【0030】
(12)広告サーバ11は、広告主サーバ12からアクセス情報を受信すると、自分がユーザ端末2に配信した広告の履歴(以下、広告サーバ閲覧履歴)と併せて、広告閲覧履歴として分析サーバ32に送信する。
広告閲覧履歴は、クッキーIDに対応づけて広告サーバ11及び広告主サーバ12がユーザ端末2に提示した広告に関する履歴情報が含まれている。
【0031】
(13)ユーザは、電子マネーカード23を持参して加盟店に赴き商品を購入する。そして、ユーザは、店舗端末22に電子マネーカード23をセットし、電子マネーカード23のバリューによって商品の購入代金を決済する。
(14)店舗端末22は、電子マネーカード23による決済情報を記憶しておき、電子マネーサーバ21に送信する。
(15)電子マネーサーバ21は、店舗端末22から受信した決済情報を用いて、カードID、購入商品、購入日時などを含む商品購買履歴を分析サーバ32に送信する。
【0032】
(16)分析サーバ32は、クッキーIDとカードIDの対応を用いて、当該ユーザの広告閲覧情報と商品購入履歴を特定し、例えば、ユーザに広告を提示した後に、ユーザが広告対象となっている商品を購入したか否かを分析する。
【0033】
図2(a)は、分析サーバ32のハードウェア的な構成を説明するための図である。
分析サーバ32は、CPU41、ROM(Read Only Memory)42、RAM(Random Access Memory)43、入出力部44、通信制御部45、記憶部46などから構成されている。
【0034】
CPU41は、分析サーバ32が広告の分析処理を行う際の情報処理を行ったり、分析サーバ32の各部の制御を行うための中央処理装置である。
ROM42は、読み取り専用の記憶媒体であって、分析サーバ32が動作するための基本的なプログラムやパラメータを記憶している。
RAM43は、CPU41が動作する際のワーキングメモリを提供する。
【0035】
入出力部44は、例えば、ディスプレイ、キーボード、マウスなど、分析サーバ32を操作する際の入出力デバイスに接続するほか、その他の外部周辺機器にも接続する。
通信制御部45は、分析サーバ32をネットワークに接続する。
記憶部46は、例えば、ハードディスクなどの大容量の記憶媒体を備えており、登録情報など、後述する情報を記憶する。
ユーザ端末2、登録サーバ31、広告システム10、広告サーバ11、広告主サーバ12、店舗端末22、電子マネーサーバ21のハードウェア的な構成は、基本的に分析サーバ32と同様である。
【0036】
次に、電子マネーカード23のハードウェア的な構成について説明する。
図示しないが、電子マネーカード23は、CPU(Central Processing Unit)、高周波回路、アンテナ、ROM、RAM、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)などを内蔵している。
【0037】
これらの素子は、電子マネーカード23内に埋め込まれたICチップ上に形成されている。
ただし、アンテナは、電子マネーカード23内部の外縁部付近に張り巡らされた空中線により構成され、端部がICチップに接続されている。
このように、本実施の形態では、ICチップを無線により送受信する非接触型とするが、電極によって接続する接触型のICチップにて構成することも可能である。
【0038】
CPUは、ROMやEEPROMに記憶されているプログラムに従って情報処理を行う中央処理装置である。
アンテナは、リーダライタ部に内蔵されたアンテナと近距離の無線通信を行うためのアンテナである。
電子マネーカード23は、アンテナを介して店舗端末22のリーダライタ部から無線により駆動電力を得ると共に無線通信を行う。
【0039】
高周波回路は、リーダライタ部からアンテナに送信されてきた高周波をデジタル信号に変換してCPUに出力したり、逆にCPUが出力したデジタル信号を高周波に変換してアンテナに出力し、リーダライタ部に送信する。
【0040】
RAMは、CPUが情報処理を行う際のワーキングメモリを提供する随時書き込み読み出しメモリである。
RAMは、電子マネーカード23に電力が供給されている間、記憶内容を保持することができるが、電力の供給が止まると記憶内容は失われる。
ROMは、電子マネーカードを機能させるための基本的なプログラムやパラメータ、データなどを記憶した読み出し専用メモリである。
【0041】
EEPROMは、情報の書込消去が可能なROMである。EEPROMに記憶してある情報は、電子マネーカード23への電力の供給がない場合でも保たれる。
EEPROMには、例えば、電子マネーカード23を機能させるための基本的なプログラムであるOS(Operating System)や、金額更新情報に基づいてバリューの残高を更新したりなど、バリューに関する処理を行うバリュー処理プログラムや、各種データが記憶されている。
【0042】
図2(b)は、電子マネーカード23の機能を概念的に示したブロック図である。
電子マネーカード23は、通信部51、バリュー処理部52、記憶部53などから構成されている。
通信部51は、アンテナ、高周波回路などを用いて構成されており、店舗端末22の有するリーダライタ部と近距離の無線通信を行う。
【0043】
バリュー処理部52は、EEPROMに記憶されているバリュー処理プログラムをCPUで実行することにより構成され、通信部51を介して店舗端末22との通信処理を行って、決済コマンドによってバリュー残高を減額したり、チャージコマンドによってバリュー残高を増額したりする。
【0044】
記憶部53は、EEPROMの所定領域に形成されており、電子マネーカード23に対応して一意に付与されたID情報であるカードID、バリュー残高、その他のデータが記憶されている。
【0045】
以上のように構成された電子マネーカード23において、商品を決済する場合、店舗端末22は、電子マネーカード23に決済コマンドを送信して、バリュー処理部52に商品代金分のバリューを減額させ、チャージの場合は、店舗端末22は、電子マネーカード23にチャージコマンドを送信して、バリュー処理部52にチャージ分のバリューを増額させる。
店舗端末22は、これらの処理を行う際の決済情報(ログデータ)を記憶しておき、後ほど電子マネーサーバ21に送信する。
【0046】
図3(a)は、登録情報の論理的な構成を説明するための図である。
登録情報は、登録サーバ31で生成されて分析サーバ32に送信される。
登録情報は、項目「カードID」、「クッキーID」を用いて構成されている。
「カードID」は、ユーザの有する電子マネーカード23のカードIDであり、「クッキーID」は、当該ユーザのユーザ端末2が記憶するクッキーのクッキーIDである。
このように、登録情報では、ユーザごとにカードIDとクッキーIDを対応づけている。
【0047】
図3(b)は、変換テーブルの論理的な構成を説明するための図である。
変換テーブルは、分析サーバ32が記憶している。
変換テーブルは、項目「商品ID」、「JANコード」を用いて構成されている。
「商品ID」は、広告システム10において商品を特定するIDである。
「JANコード」は、電子マネーシステム20において商品を特定するIDである。
このように、商品コードとJANコードは、何れも商品を特定するIDであるが、広告システム10と電子マネーシステム20で使用するコード体系が異なるため、分析サーバ32は、広告閲覧履歴と商品購買履歴を対比する場合に、変換テーブルを用いてIDを変換する。
【0048】
図3(c)は、広告商品対応情報の論理的な構成を説明するための図である。
広告商品対応情報は、分析サーバ32が記憶している。
広告商品対応情報は、項目「広告ID」、「商品ID」を用いて構成されている。
「広告ID」は、ユーザが閲覧した広告の広告IDである。
「商品ID」は、広告IDで特定される広告が広告対象としている商品の商品IDである。広告IDに対応する商品IDは、単数の場合もあるし複数の場合もある。
このように、広告商品対応情報は、ある広告が広告対象とする商品の範囲を規定している。
【0049】
図4(a)は、商品DB(データベース)の論理的な構成を説明するための図である。
商品DBは、分析サーバ32に記憶されている。
商品DBは、項目「JANコード」、「商品名」、「メーカ」、「商品属性」、「消費サイクル」などから構成されている。
【0050】
「JANコード」は、加盟店で販売している商品のJANコードである。
「商品名」、「メーカ」は、それぞれ商品の名称と、当該商品を製造しているメーカである。
「商品属性」は、日用品、食料品などの商品の属性であり、「消費サイクル」は、ユーザが商品を購入してから消費して、新たな商品を購入するまでに想定される期間である。
例えば、消費サイクルを用いることにより、消費サイクル30日の商品をユーザが購入した場合は、その後30日間は当該ユーザにその商品の広告を配信しないなど、広告の最適化に利用することができる。
【0051】
図4(b)は、商品購買履歴の論理的な構成を説明するための図である。
商品購買履歴は、電子マネーサーバ21が店舗端末22からの決済情報を用いて生成し、分析サーバ32に送信する情報である。
商品購買履歴は、項目「カードID」、「JANコード」、「決済日時」、「端末ID」、「金額」、「加盟店名」、「加盟店所在地」などから構成されている。
【0052】
「カードID」は、店舗端末22で決済に使用した電子マネーカード23のカードIDである。
「JANコード」は、決済によってユーザが購入した商品のJANコードである。
「決済日時」は、店舗端末22で決済した決済日時であり、秒の単位まで記録されている。
「端末ID」は、決済に使用した店舗端末22のID情報である。
「金額」、「加盟店名」、「加盟店所在地」は、それぞれ、決済金額、店舗端末22を設置している加盟店の名称、及び当該加盟店の所在地である。
【0053】
図5(a)は、広告管理DBの論理的な構成を説明するための図である。
広告管理DBは、広告サーバ11が配信する広告に関する情報を記憶しており、広告サーバ11に設けられている。
広告管理DBは、項目「広告ID」、「広告CPID」、「媒体ID」、「広告主ID」、「リンク先URL」、「掲載商品ID」、「配信開始日」、「配信終了日」、「広告サイズ」などから構成されている。
「広告ID」は、広告サーバ11が媒体サーバ13を介してユーザ端末2に提供するために記憶している広告の広告IDである。
【0054】
「広告CPID」は、広告CP(キャンペーン)のIDである。
「媒体ID」は、媒体サーバ13で動作している媒体(ポータルサイトなど)のIDである。
「広告主ID」は、広告主のIDであり、「リンク先URL」は、当該広告で広告主サーバ12にリダイレクトした際のURLである。
「掲載商品ID」は、当該広告で掲載されている商品の商品IDである。
「配信開始日」と「配信終了日」は、それぞれ、当該広告の配信開始日、配信終了日である。
「広告サイズ」は、ユーザ端末2で広告が表示される画面のサイズである。
【0055】
図5(b)は、媒体管理DBの論理的な構成を説明するための図である。
媒体管理DBは、広告サーバ11が広告の配信に利用する媒体に関する情報を記憶しており、広告サーバ11に設けられている。
媒体管理DBは、項目「媒体ID」、「媒体名」、「媒体属性」、「媒体URL」などから構成されている。
「媒体ID」、「媒体名」は、それぞれ媒体のIDと名称である。
「媒体属性」、「媒体URL」は、それぞれ媒体の属性とURLである。
【0056】
図6(a)は、広告サーバ閲覧履歴の論理的な構成を説明するための図である。
広告サーバ閲覧履歴は、広告サーバ11が媒体サーバ13を介してユーザ端末2に配信した広告を記録した閲覧履歴であって、広告サーバ11で生成されて分析サーバ32に送信される。
広告サーバ閲覧履歴は、項目「クッキーID」、「広告ID」、「広告配信有無」、「広告配信日時」、「媒体ID」、「クリック有無」、「クリック履歴」、「ユーザIP」などから構成されている。
【0057】
「クッキーID」は、広告サーバ11が広告を配信したユーザ端末2に付与されているクッキーIDである。
「広告ID」は、ユーザ端末2に配信した広告の広告IDである。
「広告配信有無」は、広告配信の有無である。
「広告配信日時」は、広告をユーザ端末2に配信した日時であり秒の単位まで記録されている。
「媒体ID」は、広告の配信に利用した媒体のIDである。
【0058】
「クリック有無」は、当該広告に対してユーザが行ったクリックの有無である。
「クリック履歴」は、ユーザが当該広告をクリックした場合の日時であり、秒の単位まで記録されている。
「ユーザIP」は、ユーザ端末2のIPアドレスである。
【0059】
図6(b)は、広告主サーバ閲覧履歴の論理的な構成を説明するための図である。
広告主サーバ閲覧履歴は、リダイレクトにより広告主サーバ12がユーザ端末2に配信した広告を記録した閲覧履歴であって、広告主サーバ12が生成し、広告サーバ11を介して分析サーバ32に送信される。
広告主サーバ閲覧履歴は、項目「クッキーID」、「広告ID」、「URL」、「アクセス日時」、「ユーザIP」、「ユーザリファラー」、「ユーザエージェント」などから構成されている。
【0060】
「クッキーID」は、広告主サーバ12が広告を配信したユーザ端末2に付与されているクッキーIDである。
「広告ID」は、ユーザ端末2に配信した広告の広告IDである。
「URL」は、ユーザ端末2に配信した広告のURLである。
「アクセス日時」は、ユーザ端末2が広告にアクセスした日時であって、秒の単位まで記録されている。
「ユーザIP」は、ユーザ端末2のIPアドレスである。
「ユーザリファラー」は、ユーザがどの媒体サイトを経由してアクセスしてきたか、また媒体サイト内でどのような軌跡を辿ったのかを示すURLである。
「ユーザエージェント」は、ユーザの使用ブラウザ情報である。
【0061】
以上のように、広告閲覧履歴には、広告サーバ11が配信した広告に関する広告サーバ閲覧履歴と広告主サーバ12が配信した広告に関する広告主サーバ閲覧履歴がある。
【0062】
図7は、分析サーバ32が行う分析処理におけるデータの関係を説明するための図である。
分析サーバ32は、あるユーザの登録情報によってクッキーIDとカードIDの対応を特定すると共に、登録情報のクッキーIDと広告閲覧履歴のクッキーIDを紐づけし、決済情報のカードIDを紐づけすることにより、当該ユーザの広告閲覧履歴と決済履歴を対応づけることができる。
そして、広告閲覧履歴に含まれる広告IDに、広告商品対応情報で対応づけられている商品IDが決済履歴に含まれているか否かを確認することにより、広告閲覧履歴の広告IDと決済履歴の商品IDを突合することができる。
【0063】
図8は、クッキーIDとカードIDの対応(登録情報)の登録処理を説明するためのフローチャートである。
まず、ユーザは、ユーザ端末2から登録サーバ31の登録サイトにアクセスし、登録要求を行う(ステップ5)。
登録サーバ31は、ユーザ端末2から登録要求を受けるとタグを用いて広告サーバ11に接続する(ステップ10)。
【0064】
一方、ユーザ端末2は、電子マネーカード23からカードIDを読み取る(ステップ15)。
ユーザ端末2は、リーダライタ部を備えており、ユーザがリーダライタ部に電子マネーカード23をセットし、ユーザ端末2は、リーダライタ部を介して電子マネーカード23からカードIDを読み込む。なお、ユーザがキーボードからカードIDを入力してもよい。
【0065】
登録サーバ31は、広告サーバ11からクッキーIDを受信すると、これをユーザ端末2に書き込み(ステップ23)、ユーザ端末2は、当該クッキーIDを記憶する(ステップ25)。
【0066】
次に、ユーザ端末2は、カードIDとクッキーIDの対応を記録した登録情報を登録サーバ31に送信する(ステップ30)。
登録サーバ31は、登録情報を受信すると、これを分析サーバ32に送信し(ステップ35)、分析サーバ32は、登録情報を記憶する(ステップ40)。
以上のようにして、ユーザのクッキーIDとカードIDを対応づけて分析サーバ32に記憶することができる。
【0067】
図9は、分析サーバ32が広告閲覧履歴を取得する手順を説明するためのフローチャートである。
まず、ユーザがユーザ端末2から媒体サーバ13の媒体サイトにアクセスする(ステップ105)。
すると、媒体サーバ13は、広告サーバ11の広告を呼び出し(ステップ110)、これに対して、広告サーバ11は、ユーザ端末2に広告を配信する(ステップ115)。
更に、広告サーバ11は、ユーザ端末2のクッキーIDを確認する(ステップ120)。
【0068】
ユーザ端末2は、この確認を受け、クッキーIDがある場合(ステップ125;Y)、そのクッキーIDを広告サーバ11に送信し(ステップ135)、クッキーIDがない場合(ステップ125;N)、図8で説明した登録処理を経て(ステップ130)、クッキーIDを広告サーバ11に送信する(ステップ135)。
【0069】
広告サーバ11は、ユーザ端末2からクッキーIDを受信すると、ステップ115で配信した広告について広告サーバ閲覧履歴を生成する(ステップ140)。
ユーザ端末2で広告サーバ11が配信した広告がクリックされると(ステップ145)、広告サーバ11は、ユーザ端末2の接続を広告管理DB(図5)の「リンク先URL」で規定されている広告主サーバ12の接続先にリダイレクトする(ステップ150)。
【0070】
広告主サーバ12は、リダイレクトされるとユーザ端末2に広告を配信する(ステップ155)。
そして、広告主サーバ12は、ユーザが広告主サーバ12で閲覧した広告の履歴を広告主サーバ閲覧履歴として生成し(ステップ160)、後ほど広告サーバ11に送信する(ステップ165)。
【0071】
広告サーバ11は、広告サーバ閲覧履歴と広告主サーバ閲覧履歴を蓄積しておき、所定の時期に、これら広告閲覧履歴を分析サーバ32に送信する(ステップ170)。
これに対し、分析サーバ32は、広告サーバ11から広告閲覧履歴を受信して記憶する(ステップ175)。
以上のようにして、分析サーバ32は、ユーザが閲覧した広告の広告閲覧履歴を取得することができる。
【0072】
図10は、分析サーバ32が商品購買履歴を取得する手順を説明するためのフローチャートである。
店舗端末22は、電子マネーカード23との決済情報を記憶しておき、これを所定の時期に電子マネーサーバ21に送信する(ステップ205)。
電子マネーサーバ21は、各店舗端末22からの決済情報を蓄積しておき、これらから所定の時期に商品購買履歴を生成して分析サーバ32に送信する(ステップ210)
なお、電子マネーサーバ21は、加盟店からPOSデータを受信し、決済情報とPOSデータを用いて商品購買履歴を生成するように構成することもできる。
分析サーバ32は、電子マネーサーバ21から商品購買履歴を受信して記憶する(ステップ215)。
【0073】
図11は、分析サーバ32が行う分析処理を説明するためのフローチャートである。
分析サーバ32は、登録サーバ31から受信した登録情報、広告サーバ11から受信した広告閲覧履歴、電子マネーサーバ21から受信した商品購買履歴を用いて、例えば、次のように分析を行う。
まず、分析サーバ32は、登録情報において(図3(a))クッキーIDとカードIDの組を特定する(ステップ305)。これにより、当該クッキーIDとカードIDの組に係るユーザの広告閲覧と商品購入について分析処理が行われる。
【0074】
次に、分析サーバ32は、当該クッキーIDに対して生成された広告閲覧履歴を検索する(ステップ310)。
この処理は、広告サーバ閲覧履歴(図6(a))と広告主サーバ閲覧履歴(図6(b))について、項目「クッキーID」がステップ305で特定したクッキーIDであるものを抽出することにより行われる。
【0075】
次に、分析サーバ32は、当該カードIDに対して生成された商品購買履歴を検索する(ステップ315)。
この処理は、商品購買履歴(図4(b))について、項目「カードID」がステップ305で特定したカードIDであるものを抽出することにより行われる。
【0076】
次に、分析サーバ32は、検索した広告閲覧履歴の中から1の広告を特定する(ステップ320)。
この処理は、ステップ310で抽出した広告閲覧履歴の中から、所定のアルゴリズムに従って(例えば、広告IDが最も小さいものを)1つを選択することにより行われる。
【0077】
次に、分析サーバ32は、ステップ320で特定した広告の対象とする商品を特定する(ステップ325)。
この処理は、ステップ320で特定した広告閲覧履歴の広告IDに広告商品対応情報(図3(c))で対応づけられた商品IDを特定することにより行われる。
【0078】
次に、分析サーバ32は、ステップ315で検索した商品購買履歴から、ステップ320で特定した広告閲覧履歴の広告閲覧日時よりも後のものを抽出する(ステップ330)。
この処理は、広告閲覧日時(広告サーバ閲覧履歴の場合は、項目「広告配信日時」、広告主サーバ閲覧履歴の場合は項目「アクセス日時」で特定される日時)を特定し、ステップ315で検索した商品購買履歴の項目「決済日時」が当該広告閲覧日時よりも後であるものを特定することにより行われる。広告による商品購買行動を分析するためである。
【0079】
次に、分析サーバ32は、ステップ325で特定した商品と、ステップ330で抽出した商品購買履歴を突合する(ステップ335)。
この突合処理は、まず、ステップ330で抽出した商品購買履歴の項目「JANコード」のJANコードを変換テーブル(図3(b))に従って商品IDに変換する。
次いで、ステップ325で特定した商品IDが、ステップ330で抽出した商品購買履歴の項目「JANコード」から変換された商品IDと一致するか否かを判断する。
突合処理を行うと、分析サーバ32は、当該突合結果を記憶する(ステップ340)。
【0080】
次に、分析サーバ32は、ステップ310で検索した全ての広告閲覧履歴について突合処理を行ったか否かを判断する(ステップ345)。
まだ、突合処理していない広告閲覧履歴がある場合(ステップ345;N)、分析サーバ32は、ステップ320に戻って、まだ、突合処理を行っていない広告閲覧履歴について処理を続行する。
【0081】
一方、全ての広告閲覧履歴について突合処理を行った場合(ステップ345;Y)、分析サーバ32は、更に、登録情報で登録されている全てのクッキーIDについて突合したか否かを判断する(ステップ350)。
まだ、突合処理を行っていないクッキーIDがある場合(ステップ350;N)、分析サーバ32は、ステップ305に戻って、まだ突合処理を行っていないクッキーIDとカードIDの組について処理を続行し、全てのクッキーIDについて突合処理した場合(ステップ350;Y)、分析サーバ32は、分析処理を終了する。
【0082】
突合結果によって、ユーザがある商品の広告を閲覧した後に、当該商品を購入したか否かを確認することができ、これによって広告がユーザの購買行動に影響したか否かを確認することができる。
また、広告閲覧履歴と商品購入履歴は、各種の細かい項目が設定されているため、これらを活用することにより、様々な分析を行うことができる。
例えば、広告閲覧履歴として広告サーバ閲覧履歴と広告主サーバ閲覧履歴の一方を用いたり、媒体ごと、あるいは、広告主ごとの広告閲覧履歴を用いることにより、これらの個別の効果を調べることができる。
【0083】
また、次のような効果を測定することが可能である。
(1)広告の配信数に対するクリック率(広告クリック数÷広告の配信数)。
(2)広告配信数に対する加盟店での商品の購入率(加盟店での商品購入数÷広告配信数)。
(3)1人当たりの広告クリック数(広告クリック数÷広告閲覧者数)。
(4)1人当たりの店舗での商品の購入数(加盟店での商品の購入数÷広告閲覧者数)。
(5)広告費用に対する1クリック当たりの単価(広告費用÷広告クリック数)。
(6)広告費用に対する加盟店での1商品購入当たりの単価(広告費用÷加盟店での商品の購入数)。
【0084】
(7)広告配信日時からクリックするまでの平均時間(広告配信日時からクリックするまでの時間の総和÷広告クリック数)。
(8)広告配信日時から加盟店で商品を購入するまでの時間の平均値(広告配信時から加盟店で商品を購入するまでの時間÷加盟店での商品購入数)。
(9)広告のクリエイティブ(同じ商品に対する異なる広告)の違いによる加盟店での商品の購入数の変化。
(10)広告配信時間(開始から終了までの日数)の違いによる加盟店での商品購入有無、又は購入数の変化。
【0085】
また、次のように、広告配信の最適化を行うことも可能である。
(1)加盟店での商品購入の有無を用い、商品を購入している場合は広告の配信を行わず、商品を購入していない場合は別のクリエイティブを配信する。
(2)加盟店での商品購入履歴から、ユーザの興味商品分野を推定し、当該分野の広告を配信して当該分野でない広告は配信しない。
(3)加盟店での決済日時から、商品購入から所定期間内(例えば、消費サイクル内)は当該商品の広告を配信せず、所定期間経過後に当該商品の広告を配信する。
(4)加盟店での商品購入履歴から、ユーザの活動地域と購入加盟店を特定し、ユーザの活動地域、又は購入加盟店をもとにした広告配信の制御。
【0086】
なお、広告配信の制御は、分析サーバ32から広告サーバ11に広告制御情報を送信し、広告サーバ11が当該広告制御情報に基づいて広告を配信することにより可能となる。
例えば、ユーザがある商品を購入した場合、分析サーバ32は、そのユーザのクッキーID、商品の広告ID、及び非配信期間を広告制御情報として広告サーバ11に送信し、広告サーバ11は、当該クッキーIDのユーザ端末2には、当該広告IDの広告を非配信期間の間は配信しないようにする。
以上のような効果測定や最適化を行うために、その解析対象の情報として広告サーバ11の広告管理DB(図5(a))、媒体管理DB(図5(b))、電子マネーサーバ21の商品DB(図4(a))を分析サーバ32に送信してもよい。
【0087】
図12の各図は、登録サーバ31で登録する際にユーザ端末2で表示される画面を説明するための図である。
図12(a)は、図8のステップ5でユーザ端末2に表示される画面の例を示した図である。
ユーザ端末2から登録サーバ31にアクセスすると登録画面51が表示され、ユーザがカードIDと電子メールアドレスを入力して送信ボタンをクリックすると、会員登録後に広告画面52が表示される。
なお、カードIDは、ユーザ端末2がリーダライタ部を有する場合、これを用いて電子マネーカード23から読み取って自動入力することができる。
この形態は、事前にキャンペーンなどをユーザに通知しておく場合に有効である。
【0088】
図12(b)は、図9のステップ115を行った際に、クッキーIDがない場合(ステップ125;N)の画面の例を示した図である。
この場合、ステップ115でポータルサイトやポイントサイトなどの媒体サイトに表示された広告をクリックすると広告画面52が表示され、これをクリックすると登録画面51が表示される。
【0089】
以上に本実施の形態について説明したが、各種の変形が可能である。
例えば、電子マネーシステム20をポイントシステムやクレジットカードシステムとすることもできる。
この場合、電子マネーカード23としてポイントカードやクレジットカードが用いられる。
【0090】
また、ユーザ端末2を携帯端末とし、ユーザ端末2にキャンペーン広告を電子メールによって送信して、電子メール中の所定のURLをクリックすると登録サーバ31の登録画面に接続するように構成することもできる。
【0091】
また、登録したユーザが広告を閲覧した後に、広告対象の商品を電子マネーカード23によって購入する動機づけとなるように、広告した商品を電子マネーカード23で購入した場合には、電子マネーカード23に無料で所定金額のバリューをチャージする権利を付与したり、あるいはポイントサービスのポイントを提供するように構成することもできる。
この場合、分析サーバ32は、突合結果により、ユーザが広告後に広告対象商品を購入していることが判明した場合、そのカードIDや決済金額などを電子マネーサーバ21に通知し、電子マネーシステム20によってこれら特典をユーザに提供する。
【0092】
更に、登録サーバ31への登録や電子マネーカード23の使用を促すため、登録したユーザに対しては、電子マネーカード23に無料で所定金額のバリューをチャージする権利を付与したり、あるいはポイントサービスのポイントを提供するように構成することもできる。
この場合、分析サーバ32は、新規に登録した登録情報のカードIDを電子マネーサーバ21に通知し、電子マネーシステム20によってこれら特典をユーザに提供する。
【0093】
また、本実施の形態では、ネットワークでユーザ端末2を識別する情報としてクッキーIDを用いたが、これは識別情報をクッキーIDに限定するものではなく、ユーザ端末2やユーザを識別できるものであれば何でもよい。
【0094】
また、本実施の形態は、ユーザの広告閲覧履歴は、ネットワークを介して配信するものに限定するものではなく、デジタルテレビ放送によって視聴者を特定できる場合は、その視聴者のデジタルテレビ放送システムでの識別情報と、カードIDを対応づけてもよい。
あるいは、デジタルテレビ放送システムでの識別情報とクッキーIDとカードIDを対応づけて、デジタルテレビでの広告閲覧、ネットワークでの広告閲覧、及び電子マネーカード23での購買を関連づけてもよい。
【0095】
また、テレビリモコンを「トラッキングモードオン」に設定し、視聴履歴をリモコンのメモリに記憶させ、視聴履歴をユーザ端末2や携帯電話で読み取って分析サーバ32に送信するように構成することもできる。
【0096】
以上に説明した実施の形態により次のような効果を得ることができる。
(1)1のユーザのクッキーIDとカードIDを対応づけることができる。
(2)1のユーザのクッキーIDとカードIDを対応づけることにより、当該ユーザのネットワーク空間での広告閲覧をクッキーIDにより追跡し、現実空間での購買行動をカードIDによって追跡することができる。
(3)広告後にユーザが広告対象商品を購入したか否かを確認することができ、広告の効果を測定することができる。
(4)広告日時や購買日時など、更に細かな情報を用いてより詳細な分析をすることができる。
(5)ユーザのネットワーク上での行動履歴と現実社会(リアル)での行動履歴を得ることができ、これに基づいてより精度の高いターゲッティング広告を行うことができる。
【0097】
以上に説明した実施の形態により、次の構成を得ることができる。
分析サーバ32は、広告分析装置として機能しており、また、クッキーIDは、閲覧用IDとして機能し、カードIDは、購入用IDとして機能している。
そして、分析サーバ32は、登録サーバ31によって、ネットワーク上で広告を閲覧する際に当該ユーザを特定する閲覧用IDであるクッキーIDと、前記ユーザが、店舗で商品を購入する際に当該ユーザを特定する購入用IDであるカードIDとの対応を登録情報として受信して記憶するため、ユーザが、ネットワーク上で広告を閲覧する際に当該ユーザを特定する閲覧用IDと、前記ユーザが、店舗で商品を購入する際に当該ユーザを特定する購入用IDとの対応を記憶するID記憶手段を備えている。
また、分析サーバ32は、広告サーバ11から広告閲覧履歴を受信し、電子マネーサーバ21から商品購買履歴を受信するため、閲覧用ID、広告商品(広告ID)、及び広告日時を含む広告閲覧情報(広告閲覧履歴)を取得する広告閲覧情報取得手段と、購入用ID、購入商品(JANコード)、及び購入日時を含む商品購入情報(商品購入履歴)を取得する商品購入情報取得手段を備えている。
そして、分析サーバ32は、登録情報のクッキーIDとカードIDで対応する広告閲覧履歴と商品購入履歴について、突合により、広告の後の商品購入履歴であって、広告対象の商品の商品購入履歴を特定するため、前記取得した広告閲覧情報と商品購入情報のうち、閲覧用IDと購入用IDの対応が前記ID記憶手段に記憶した閲覧用IDと購入用IDの対応と一致し、広告商品と購入商品が対応し、かつ、広告日時が購入日時よりも前である広告閲覧情報と商品購入情報を特定する情報特定手段を備えている。
【0098】
また、突合に用いる広告閲覧履歴を広告サーバ閲覧履歴とした場合、この履歴は、ユーザの意向に関係なくユーザ端末2に送信された広告の閲覧履歴となる。
そのため、この場合、前記広告閲覧情報(広告サーバ閲覧履歴)は、広告を提供する側(広告サーバ11)が選択して前記ユーザに提供した広告の広告閲覧情報となる。
【0099】
また、分析サーバ32は、突合結果により各種の広告効果を計測できるため、前記出力した突合結果を用いて広告効果を計測する広告効果計測手段を備えている。
【0100】
また、分析サーバ32は、前記情報特定手段で特定した結果、即ち突合結果を用いて広告制御情報を生成して広告サーバ11に送信し、広告サーバ11は、当該広告制御情報を用いて広告配信の内容を制御することが可能であるため、前記情報特定手段で特定した結果を用いて、前記ユーザに提供する広告の内容を制御するための広告制御情報を生成する広告制御情報生成手段を備えている。
【0101】
また、分析サーバ32は、ユーザに対して、広告後に広告対象商品を電子マネーカード23で購入する動機づけとなるように、当該ユーザのカードIDを電子マネーサーバ21に送信して、電子マネーシステム20でユーザに特典を付与するように構成することができるため、前記情報特定手段で特定した結果を用いて、前記ユーザが商品購入の際に前記購入用ID(カードID)を使用する動機づけとなる動機情報(カードID)を生成する動機情報生成手段を備えている。
【0102】
更に、広告サーバ11は、広告主から依頼を受けた広告群から1の広告を選択して媒体サーバ13経由でユーザ端末2に送信でき、また、分析サーバ32から広告制御情報を受信してユーザ端末2に配信する広告の内容を個別に制御できるため、広告群から広告を選択する広告選択手段と、前記選択した広告をユーザの端末に送信する広告送信手段と、広告分析装置から前記ユーザに対する広告制御情報を取得する広告制御情報取得手段と、前記受信した広告制御情報を用いて、前記広告送信手段で送信する広告の内容を制御する広告制御手段と、を備えている。
【符号の説明】
【0103】
1 広告分析システム
2 ユーザ端末
10 広告システム
11 広告サーバ
12 広告主サーバ
13 媒体サーバ
20 電子マネーシステム
21 電子マネーサーバ
22 店舗端末
23 電子マネーカード
30 分析システム
31 登録サーバ
32 分析サーバ
【技術分野】
【0001】
本発明は、広告分析装置、及び広告サーバに関し、例えば、広告と購買行動の関係を分析するものに関する。
【背景技術】
【0002】
企業にとって、自社が提供した広告が消費者の購買行動にどのように影響しているかということを知ることは、広告戦略を立案する上で極めて重要である。
このような広告と購買の因果関係を解明する方法として、従来では、消費者からアンケートをとったり、割引チケットを配布してその回収状況から推定するなどの方法がとられていた。
【0003】
ところで、近年、IT技術の急激な発達により、ネットワークでの広告配信が盛んとなってきたため、例えば、特許文献1の消費者の購買履歴から当該消費者に適した広告を個別に提供する技術のように、ネットワークの特性を活かした広告方法が提案されるようになってきた。
しかし、消費者のネットワーク空間での広告閲覧と実社会での購買活動の対応を取得する効果的な方法はなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−282393号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、広告と購買行動の対応をより正確に把握することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、ユーザが、ネットワーク上で広告を閲覧する際に当該ユーザを特定する閲覧用IDと、前記ユーザが、店舗で商品を購入する際に当該ユーザを特定する購入用IDとの対応を記憶するID記憶手段と、閲覧用ID、広告商品、及び広告日時を含む広告閲覧情報を取得する広告閲覧情報取得手段と、購入用ID、購入商品、及び購入日時を含む商品購入情報を取得する商品購入情報取得手段と、前記取得した広告閲覧情報と商品購入情報のうち、閲覧用IDと購入用IDの対応が前記ID記憶手段に記憶した閲覧用IDと購入用IDの対応と一致し、広告商品と購入商品が対応し、かつ、広告日時が購入日時よりも前である広告閲覧情報と商品購入情報を特定する情報特定手段と、を具備したことを特徴とする広告分析装置を提供する。
請求項2に記載の発明では、前記広告閲覧情報は、広告を提供する側が選択して前記ユーザに提供した広告の広告閲覧情報であることを特徴とする請求項1に記載の広告分析装置を提供する。
請求項3に記載の発明では、前記情報特定手段で特定した結果を用いて広告効果を計測する広告効果計測手段を具備したことを特徴とする請求項1、又は請求項2に記載の広告分析装置を提供する。
請求項4に記載の発明では、前記情報特定手段で特定した結果を用いて、前記ユーザに提供する広告の内容を制御するための広告制御情報を生成する広告制御情報生成手段を具備したことを特徴とする請求項1、請求項2、又は請求項3に記載の広告分析装置を提供する。
請求項5に記載の発明では、前記情報特定手段で特定した結果を用いて、前記ユーザが商品購入の際に前記購入用IDを使用する動機づけとなる動機情報を生成する動機情報生成手段を具備したことを特徴とする請求項1から請求項4までのうちの何れか1の請求項に記載の広告分析装置を提供する。
請求項6に記載の発明では、広告群から広告を選択する広告選択手段と、前記選択した広告をユーザの端末に送信する広告送信手段と、請求項4に記載の広告分析装置から前記ユーザに対する広告制御情報を取得する広告制御情報取得手段と、前記受信した広告制御情報を用いて、前記広告送信手段で送信する広告の内容を制御する広告制御手段と、を具備したことを特徴とする広告サーバを提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によると、ネットワークでのユーザの広告閲覧履歴と、店舗での商品購買履歴を対応させることにより、広告と購買行動の対応をより正確に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】広告分析システムのシステム構成図を説明するための図である。
【図2】分析サーバのハードウェア的な構成などを説明するための図である。
【図3】登録情報の論理的な構成などを説明するための図である。
【図4】商品DBの論理的な構成などを説明するための図である。
【図5】広告管理DBの論理的な構成などを説明するための図である。
【図6】広告サーバ閲覧履歴の論理的な構成などを説明するための図である。
【図7】分析処理におけるデータの関係を説明するための図である。
【図8】登録処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】広告閲覧履歴を取得する手順を説明するためのフローチャートである。
【図10】商品購買履歴を取得する手順を説明するためのフローチャートである。
【図11】分析処理を説明するためのフローチャートである。
【図12】登録画面などを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(1)実施形態の概要
登録サーバ31(図1)は、ユーザ端末2から電子マネーカード23のカードIDを受信すると共に、広告サーバ11からクッキーIDを受信してユーザ端末2に書き込み、クッキーIDとカードIDの対応を分析サーバ32に送信する。
ユーザがユーザ端末2から広告サーバ11や広告主サーバ12が配信する広告を閲覧すると、クッキーIDにより広告閲覧履歴が生成され、分析サーバ32に送られる。
また、ユーザが加盟店で商品を購入し、電子マネーカード23で決済すると、カードIDによる商品購買履歴が生成され、分析サーバ32に送られる。
【0010】
分析サーバ32は、ユーザのクッキーIDとカードIDの組からユーザの広告閲覧履歴と商品購買履歴を特定して突合することにより、ユーザに広告した後、ユーザが広告対象の商品を購入したか否かを確認することができる。
このように、広告分析システム1によると、ウェブサイト上で広告した商品が購買に結びついたか把握でき、この情報を基として、広告ごと広告主ごとに最適な広告出稿モデルを把握したり、より精度を高めたターゲティング広告を行うことができる。
【0011】
なお、本実施の形態では、実社会での購買行動を把握するために電子マネーシステムを用いるが、これは一例であって、例えば、ポイントシステムやクレジットカードシステムなど、他のシステムを用いることも可能である。
【0012】
(2)実施形態の詳細
図1は、本実施形態が適用される広告分析システムのシステム構成図を説明するための図である。
広告分析システム1は、ユーザ端末2、広告システム10、電子マネーシステム20、及び分析システム30を用いて構成されている。
【0013】
ユーザ端末2は、ネットワーク(インターネット、その他の通信網)に接続可能な情報処理端末であり、例えば、PC(Personal Computer)、ゲーム機などの据置型の端末や、携帯電話などの携帯端末で構成されている。
ユーザ端末2は、ブラウザを用いてネットワーク上の各種ウェブサイトにアクセスすることができる。
また、ブラウザはクッキー(Cookie)と呼ばれる情報を記憶することができ、ユーザ端末2がウェブサイトにアクセスした場合、ウェブサイト側は、クッキーのクッキーIDによりユーザ端末2を識別することができる。
【0014】
広告システム10は、ウェブサイト上の広告を提供するシステムであって、広告サーバ11、広告主サーバ12、及び媒体サーバ13などを用いて構成されている。
媒体サーバ13は、例えば、広告エリア、ニュースエリア、検索エリアなどを備えた媒体サイト(例えば、ポータルサイト)を運営するサーバであって、媒体サイト画面上の広告エリアに表示される広告情報(動画、静止画、音声などによって構成されているものやバナー広告など)によってユーザ端末2に広告を提示することができる。
【0015】
広告サーバ11は、媒体サーバ13の媒体サイト画面上の広告エリアに表示する広告を媒体サーバ13に提供する。
媒体サイト上において、広告エリアの広告は、媒体サイトの一画面として視認されるが、この広告は、広告サーバ11が媒体サーバ13に送信している広告データを媒体サイト画面上の広告エリアで再生しているものである。
【0016】
即ち、媒体サーバ13は、媒体サイト画面上の広告エリアを広告サーバ11に提供し、広告サーバ11は、この広告エリアに広告を配信している。
広告サーバ11は、複数の広告主から提供された複数の広告を記憶しており、ユーザ端末2から媒体サーバ13にアクセスがあると、媒体サーバ13からの広告要求に応じて、これら複数の広告から特定のものを選択して媒体サーバ13経由でユーザ端末2に送信する。
【0017】
広告主サーバ12は、広告主が自社の詳細な広告を提供するサーバであって、媒体サーバ13で自社の広告がユーザによってクリックされるなどして選択された場合、ユーザ端末2に直接広告を配信する。
以上に説明した媒体サーバ13、広告主サーバ12は、図では1台のみ示しているが、これらは複数存在することができる。
【0018】
電子マネーシステム20は、電子マネーによる決済サービスを提供するシステムであって、電子マネーカード23、店舗端末22、電子マネーサーバ21などを用いて構成されている。
電子マネーカード23は、カードIDにより識別可能なICカードであり、ユーザが電子マネーによる決済に使用する。
電子マネーカード23は、バリューと呼ばれる金銭的な価値を記憶しており、外部の端末と通信することにより、この金額を増減することができる。バリューを増額する処理はチャージと呼ばれ、減額する処理は決済と呼ばれている。
なお、ユーザ端末2が携帯端末の場合、ユーザ端末2に電子マネーカード23の機能を内蔵して一体型に構成することもできる。
【0019】
店舗端末22は、電子マネーシステム20の加盟店に設置された端末であって、電子マネーカード23がセットされると、これと通信し、電子マネーカード23に記憶されたバリューを増減することができる。
加盟店で商品を購入すると、その代金を電子マネーカード23のバリューから減額することにより決済することができる。
【0020】
また、電子マネーカード23にチャージする場合、ユーザは、チャージ金額分の現金を加盟店に支払ってチャージしてもらう。
なお、図では加盟店と店舗端末22を単数図示しているが、これは複数存在し、また、1つの加盟店に複数の店舗端末22を設置する場合もある。
【0021】
電子マネーサーバ21は、店舗端末22から電子マネーカード23との決済情報やチャージ情報を収集し、集計処理する。
なお、決済情報には、店舗端末22が生成した情報のほか、POSシステム(Point Of Sales System)が生成した情報を含めることができる。
【0022】
分析システム30は、ユーザの広告システム10での広告閲覧履歴と電子マネーシステム20での商品購買履歴を対応させることにより、広告と当該広告による購買行動を分析するシステムであって、登録サーバ31と分析サーバ32などを用いて構成されている。
登録サーバ31は、ユーザが使用するユーザ端末2のクッキーIDと、当該ユーザが使用する電子マネーカード23のカードIDを対応づけるサーバである。
【0023】
分析サーバ32は、登録サーバ31からクッキーIDとカードIDの対応を取得し、広告サーバ11からクッキーIDが付与された広告閲覧情報を取得し、電子マネーサーバ21からカードIDが付与された商品購買履歴を取得する。
そして、分析サーバ32は、クッキーIDとカードIDの対応から、当該ユーザの広告閲覧履歴と商品購買履歴を特定し、両者を突合することにより広告と当該広告による購買行動の関係を分析する。
【0024】
次に、以上のように構成された広告分析システム1の動作を図に括弧で示した番号に従って説明する。
(1)まず、ユーザは、ユーザ端末2から登録サーバ31の登録サイトにアクセスし、自分が所有する電子マネーカード23のカードIDを登録サーバ31に登録する。
(2)登録サーバ31は、ユーザ端末2からカードIDの登録を受け付けるとタグによって広告サーバ11を呼び出す。
(3)広告サーバ11は、登録サーバ31から呼出を受けると、クッキーIDを発行して登録サーバ31に送信する。
【0025】
(4)登録サーバ31は、広告サーバ11からクッキーIDを受信すると、当該クッキーIDを含むクッキーをユーザ端末2に送信し、ユーザ端末2のブラウザにクッキーIDを書き込む。
ここで、クッキーIDとは、クッキーを識別するIDであって、以後、広告サーバ11、広告主サーバ12、媒体サーバ13は、ユーザ端末2からアクセスがあった場合、クッキーIDによりユーザ端末2を識別することができる。
【0026】
(5)登録サーバ31は、ユーザ端末2にクッキーIDを書き込むとクッキーIDとカードIDを対応づけて分析サーバ32に送信する。
以上の処理により、ユーザのサイバー空間での広告閲覧とリアル空間での商品購買を追跡する準備が整う。
【0027】
(6)次に、ユーザがユーザ端末2から媒体サーバ13の媒体サイトにアクセスする。
(7)媒体サーバ13は、ユーザ端末2から媒体サイトにアクセスを受けると、タグにより広告サーバ11の広告を呼び出す。
(8)広告サーバ11は、媒体サーバ13から広告の呼出を受けると、媒体サイト上の広告エリアに広告を配信することによりユーザ端末2に広告を配信する。この際、広告サーバ11は、クッキーID(タグにより媒体サーバ13から広告サーバ11に送信される)によりユーザ端末2を識別し、ユーザ端末2に配信した広告の履歴を記録する。
【0028】
(9)広告エリアには、広告サーバ11が配信する広告が提示され、ユーザは、興味のある広告である場合、これをクリックして選択することができる。そして、ユーザが広告をクリックすると、その旨の信号が広告サーバ11に送信され、当該広告がクリックされた旨の通知が行われる。
(10)広告サーバ11は、広告がクリックされると、ユーザ端末2の接続先を広告サーバ11から広告主サーバ12にリダイレクトにより切り替える。
【0029】
(11)広告主サーバ12は、ユーザ端末2の接続がリダイレクトされると、クッキーIDによってユーザ端末2を識別すると共に、ユーザ端末2に対して自社の広告を配信する。ユーザは、広告内の各項目をクリックするなどして、商品のより詳細な情報を閲覧する。広告主サーバ12は、ユーザが広告のどのサイトにアクセスしたかを記録しており、この記録とユーザ端末2のクッキーIDをアクセス情報(以下、広告主サーバ閲覧履歴)としてタグを用いて広告サーバ11に送信する。
【0030】
(12)広告サーバ11は、広告主サーバ12からアクセス情報を受信すると、自分がユーザ端末2に配信した広告の履歴(以下、広告サーバ閲覧履歴)と併せて、広告閲覧履歴として分析サーバ32に送信する。
広告閲覧履歴は、クッキーIDに対応づけて広告サーバ11及び広告主サーバ12がユーザ端末2に提示した広告に関する履歴情報が含まれている。
【0031】
(13)ユーザは、電子マネーカード23を持参して加盟店に赴き商品を購入する。そして、ユーザは、店舗端末22に電子マネーカード23をセットし、電子マネーカード23のバリューによって商品の購入代金を決済する。
(14)店舗端末22は、電子マネーカード23による決済情報を記憶しておき、電子マネーサーバ21に送信する。
(15)電子マネーサーバ21は、店舗端末22から受信した決済情報を用いて、カードID、購入商品、購入日時などを含む商品購買履歴を分析サーバ32に送信する。
【0032】
(16)分析サーバ32は、クッキーIDとカードIDの対応を用いて、当該ユーザの広告閲覧情報と商品購入履歴を特定し、例えば、ユーザに広告を提示した後に、ユーザが広告対象となっている商品を購入したか否かを分析する。
【0033】
図2(a)は、分析サーバ32のハードウェア的な構成を説明するための図である。
分析サーバ32は、CPU41、ROM(Read Only Memory)42、RAM(Random Access Memory)43、入出力部44、通信制御部45、記憶部46などから構成されている。
【0034】
CPU41は、分析サーバ32が広告の分析処理を行う際の情報処理を行ったり、分析サーバ32の各部の制御を行うための中央処理装置である。
ROM42は、読み取り専用の記憶媒体であって、分析サーバ32が動作するための基本的なプログラムやパラメータを記憶している。
RAM43は、CPU41が動作する際のワーキングメモリを提供する。
【0035】
入出力部44は、例えば、ディスプレイ、キーボード、マウスなど、分析サーバ32を操作する際の入出力デバイスに接続するほか、その他の外部周辺機器にも接続する。
通信制御部45は、分析サーバ32をネットワークに接続する。
記憶部46は、例えば、ハードディスクなどの大容量の記憶媒体を備えており、登録情報など、後述する情報を記憶する。
ユーザ端末2、登録サーバ31、広告システム10、広告サーバ11、広告主サーバ12、店舗端末22、電子マネーサーバ21のハードウェア的な構成は、基本的に分析サーバ32と同様である。
【0036】
次に、電子マネーカード23のハードウェア的な構成について説明する。
図示しないが、電子マネーカード23は、CPU(Central Processing Unit)、高周波回路、アンテナ、ROM、RAM、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)などを内蔵している。
【0037】
これらの素子は、電子マネーカード23内に埋め込まれたICチップ上に形成されている。
ただし、アンテナは、電子マネーカード23内部の外縁部付近に張り巡らされた空中線により構成され、端部がICチップに接続されている。
このように、本実施の形態では、ICチップを無線により送受信する非接触型とするが、電極によって接続する接触型のICチップにて構成することも可能である。
【0038】
CPUは、ROMやEEPROMに記憶されているプログラムに従って情報処理を行う中央処理装置である。
アンテナは、リーダライタ部に内蔵されたアンテナと近距離の無線通信を行うためのアンテナである。
電子マネーカード23は、アンテナを介して店舗端末22のリーダライタ部から無線により駆動電力を得ると共に無線通信を行う。
【0039】
高周波回路は、リーダライタ部からアンテナに送信されてきた高周波をデジタル信号に変換してCPUに出力したり、逆にCPUが出力したデジタル信号を高周波に変換してアンテナに出力し、リーダライタ部に送信する。
【0040】
RAMは、CPUが情報処理を行う際のワーキングメモリを提供する随時書き込み読み出しメモリである。
RAMは、電子マネーカード23に電力が供給されている間、記憶内容を保持することができるが、電力の供給が止まると記憶内容は失われる。
ROMは、電子マネーカードを機能させるための基本的なプログラムやパラメータ、データなどを記憶した読み出し専用メモリである。
【0041】
EEPROMは、情報の書込消去が可能なROMである。EEPROMに記憶してある情報は、電子マネーカード23への電力の供給がない場合でも保たれる。
EEPROMには、例えば、電子マネーカード23を機能させるための基本的なプログラムであるOS(Operating System)や、金額更新情報に基づいてバリューの残高を更新したりなど、バリューに関する処理を行うバリュー処理プログラムや、各種データが記憶されている。
【0042】
図2(b)は、電子マネーカード23の機能を概念的に示したブロック図である。
電子マネーカード23は、通信部51、バリュー処理部52、記憶部53などから構成されている。
通信部51は、アンテナ、高周波回路などを用いて構成されており、店舗端末22の有するリーダライタ部と近距離の無線通信を行う。
【0043】
バリュー処理部52は、EEPROMに記憶されているバリュー処理プログラムをCPUで実行することにより構成され、通信部51を介して店舗端末22との通信処理を行って、決済コマンドによってバリュー残高を減額したり、チャージコマンドによってバリュー残高を増額したりする。
【0044】
記憶部53は、EEPROMの所定領域に形成されており、電子マネーカード23に対応して一意に付与されたID情報であるカードID、バリュー残高、その他のデータが記憶されている。
【0045】
以上のように構成された電子マネーカード23において、商品を決済する場合、店舗端末22は、電子マネーカード23に決済コマンドを送信して、バリュー処理部52に商品代金分のバリューを減額させ、チャージの場合は、店舗端末22は、電子マネーカード23にチャージコマンドを送信して、バリュー処理部52にチャージ分のバリューを増額させる。
店舗端末22は、これらの処理を行う際の決済情報(ログデータ)を記憶しておき、後ほど電子マネーサーバ21に送信する。
【0046】
図3(a)は、登録情報の論理的な構成を説明するための図である。
登録情報は、登録サーバ31で生成されて分析サーバ32に送信される。
登録情報は、項目「カードID」、「クッキーID」を用いて構成されている。
「カードID」は、ユーザの有する電子マネーカード23のカードIDであり、「クッキーID」は、当該ユーザのユーザ端末2が記憶するクッキーのクッキーIDである。
このように、登録情報では、ユーザごとにカードIDとクッキーIDを対応づけている。
【0047】
図3(b)は、変換テーブルの論理的な構成を説明するための図である。
変換テーブルは、分析サーバ32が記憶している。
変換テーブルは、項目「商品ID」、「JANコード」を用いて構成されている。
「商品ID」は、広告システム10において商品を特定するIDである。
「JANコード」は、電子マネーシステム20において商品を特定するIDである。
このように、商品コードとJANコードは、何れも商品を特定するIDであるが、広告システム10と電子マネーシステム20で使用するコード体系が異なるため、分析サーバ32は、広告閲覧履歴と商品購買履歴を対比する場合に、変換テーブルを用いてIDを変換する。
【0048】
図3(c)は、広告商品対応情報の論理的な構成を説明するための図である。
広告商品対応情報は、分析サーバ32が記憶している。
広告商品対応情報は、項目「広告ID」、「商品ID」を用いて構成されている。
「広告ID」は、ユーザが閲覧した広告の広告IDである。
「商品ID」は、広告IDで特定される広告が広告対象としている商品の商品IDである。広告IDに対応する商品IDは、単数の場合もあるし複数の場合もある。
このように、広告商品対応情報は、ある広告が広告対象とする商品の範囲を規定している。
【0049】
図4(a)は、商品DB(データベース)の論理的な構成を説明するための図である。
商品DBは、分析サーバ32に記憶されている。
商品DBは、項目「JANコード」、「商品名」、「メーカ」、「商品属性」、「消費サイクル」などから構成されている。
【0050】
「JANコード」は、加盟店で販売している商品のJANコードである。
「商品名」、「メーカ」は、それぞれ商品の名称と、当該商品を製造しているメーカである。
「商品属性」は、日用品、食料品などの商品の属性であり、「消費サイクル」は、ユーザが商品を購入してから消費して、新たな商品を購入するまでに想定される期間である。
例えば、消費サイクルを用いることにより、消費サイクル30日の商品をユーザが購入した場合は、その後30日間は当該ユーザにその商品の広告を配信しないなど、広告の最適化に利用することができる。
【0051】
図4(b)は、商品購買履歴の論理的な構成を説明するための図である。
商品購買履歴は、電子マネーサーバ21が店舗端末22からの決済情報を用いて生成し、分析サーバ32に送信する情報である。
商品購買履歴は、項目「カードID」、「JANコード」、「決済日時」、「端末ID」、「金額」、「加盟店名」、「加盟店所在地」などから構成されている。
【0052】
「カードID」は、店舗端末22で決済に使用した電子マネーカード23のカードIDである。
「JANコード」は、決済によってユーザが購入した商品のJANコードである。
「決済日時」は、店舗端末22で決済した決済日時であり、秒の単位まで記録されている。
「端末ID」は、決済に使用した店舗端末22のID情報である。
「金額」、「加盟店名」、「加盟店所在地」は、それぞれ、決済金額、店舗端末22を設置している加盟店の名称、及び当該加盟店の所在地である。
【0053】
図5(a)は、広告管理DBの論理的な構成を説明するための図である。
広告管理DBは、広告サーバ11が配信する広告に関する情報を記憶しており、広告サーバ11に設けられている。
広告管理DBは、項目「広告ID」、「広告CPID」、「媒体ID」、「広告主ID」、「リンク先URL」、「掲載商品ID」、「配信開始日」、「配信終了日」、「広告サイズ」などから構成されている。
「広告ID」は、広告サーバ11が媒体サーバ13を介してユーザ端末2に提供するために記憶している広告の広告IDである。
【0054】
「広告CPID」は、広告CP(キャンペーン)のIDである。
「媒体ID」は、媒体サーバ13で動作している媒体(ポータルサイトなど)のIDである。
「広告主ID」は、広告主のIDであり、「リンク先URL」は、当該広告で広告主サーバ12にリダイレクトした際のURLである。
「掲載商品ID」は、当該広告で掲載されている商品の商品IDである。
「配信開始日」と「配信終了日」は、それぞれ、当該広告の配信開始日、配信終了日である。
「広告サイズ」は、ユーザ端末2で広告が表示される画面のサイズである。
【0055】
図5(b)は、媒体管理DBの論理的な構成を説明するための図である。
媒体管理DBは、広告サーバ11が広告の配信に利用する媒体に関する情報を記憶しており、広告サーバ11に設けられている。
媒体管理DBは、項目「媒体ID」、「媒体名」、「媒体属性」、「媒体URL」などから構成されている。
「媒体ID」、「媒体名」は、それぞれ媒体のIDと名称である。
「媒体属性」、「媒体URL」は、それぞれ媒体の属性とURLである。
【0056】
図6(a)は、広告サーバ閲覧履歴の論理的な構成を説明するための図である。
広告サーバ閲覧履歴は、広告サーバ11が媒体サーバ13を介してユーザ端末2に配信した広告を記録した閲覧履歴であって、広告サーバ11で生成されて分析サーバ32に送信される。
広告サーバ閲覧履歴は、項目「クッキーID」、「広告ID」、「広告配信有無」、「広告配信日時」、「媒体ID」、「クリック有無」、「クリック履歴」、「ユーザIP」などから構成されている。
【0057】
「クッキーID」は、広告サーバ11が広告を配信したユーザ端末2に付与されているクッキーIDである。
「広告ID」は、ユーザ端末2に配信した広告の広告IDである。
「広告配信有無」は、広告配信の有無である。
「広告配信日時」は、広告をユーザ端末2に配信した日時であり秒の単位まで記録されている。
「媒体ID」は、広告の配信に利用した媒体のIDである。
【0058】
「クリック有無」は、当該広告に対してユーザが行ったクリックの有無である。
「クリック履歴」は、ユーザが当該広告をクリックした場合の日時であり、秒の単位まで記録されている。
「ユーザIP」は、ユーザ端末2のIPアドレスである。
【0059】
図6(b)は、広告主サーバ閲覧履歴の論理的な構成を説明するための図である。
広告主サーバ閲覧履歴は、リダイレクトにより広告主サーバ12がユーザ端末2に配信した広告を記録した閲覧履歴であって、広告主サーバ12が生成し、広告サーバ11を介して分析サーバ32に送信される。
広告主サーバ閲覧履歴は、項目「クッキーID」、「広告ID」、「URL」、「アクセス日時」、「ユーザIP」、「ユーザリファラー」、「ユーザエージェント」などから構成されている。
【0060】
「クッキーID」は、広告主サーバ12が広告を配信したユーザ端末2に付与されているクッキーIDである。
「広告ID」は、ユーザ端末2に配信した広告の広告IDである。
「URL」は、ユーザ端末2に配信した広告のURLである。
「アクセス日時」は、ユーザ端末2が広告にアクセスした日時であって、秒の単位まで記録されている。
「ユーザIP」は、ユーザ端末2のIPアドレスである。
「ユーザリファラー」は、ユーザがどの媒体サイトを経由してアクセスしてきたか、また媒体サイト内でどのような軌跡を辿ったのかを示すURLである。
「ユーザエージェント」は、ユーザの使用ブラウザ情報である。
【0061】
以上のように、広告閲覧履歴には、広告サーバ11が配信した広告に関する広告サーバ閲覧履歴と広告主サーバ12が配信した広告に関する広告主サーバ閲覧履歴がある。
【0062】
図7は、分析サーバ32が行う分析処理におけるデータの関係を説明するための図である。
分析サーバ32は、あるユーザの登録情報によってクッキーIDとカードIDの対応を特定すると共に、登録情報のクッキーIDと広告閲覧履歴のクッキーIDを紐づけし、決済情報のカードIDを紐づけすることにより、当該ユーザの広告閲覧履歴と決済履歴を対応づけることができる。
そして、広告閲覧履歴に含まれる広告IDに、広告商品対応情報で対応づけられている商品IDが決済履歴に含まれているか否かを確認することにより、広告閲覧履歴の広告IDと決済履歴の商品IDを突合することができる。
【0063】
図8は、クッキーIDとカードIDの対応(登録情報)の登録処理を説明するためのフローチャートである。
まず、ユーザは、ユーザ端末2から登録サーバ31の登録サイトにアクセスし、登録要求を行う(ステップ5)。
登録サーバ31は、ユーザ端末2から登録要求を受けるとタグを用いて広告サーバ11に接続する(ステップ10)。
【0064】
一方、ユーザ端末2は、電子マネーカード23からカードIDを読み取る(ステップ15)。
ユーザ端末2は、リーダライタ部を備えており、ユーザがリーダライタ部に電子マネーカード23をセットし、ユーザ端末2は、リーダライタ部を介して電子マネーカード23からカードIDを読み込む。なお、ユーザがキーボードからカードIDを入力してもよい。
【0065】
登録サーバ31は、広告サーバ11からクッキーIDを受信すると、これをユーザ端末2に書き込み(ステップ23)、ユーザ端末2は、当該クッキーIDを記憶する(ステップ25)。
【0066】
次に、ユーザ端末2は、カードIDとクッキーIDの対応を記録した登録情報を登録サーバ31に送信する(ステップ30)。
登録サーバ31は、登録情報を受信すると、これを分析サーバ32に送信し(ステップ35)、分析サーバ32は、登録情報を記憶する(ステップ40)。
以上のようにして、ユーザのクッキーIDとカードIDを対応づけて分析サーバ32に記憶することができる。
【0067】
図9は、分析サーバ32が広告閲覧履歴を取得する手順を説明するためのフローチャートである。
まず、ユーザがユーザ端末2から媒体サーバ13の媒体サイトにアクセスする(ステップ105)。
すると、媒体サーバ13は、広告サーバ11の広告を呼び出し(ステップ110)、これに対して、広告サーバ11は、ユーザ端末2に広告を配信する(ステップ115)。
更に、広告サーバ11は、ユーザ端末2のクッキーIDを確認する(ステップ120)。
【0068】
ユーザ端末2は、この確認を受け、クッキーIDがある場合(ステップ125;Y)、そのクッキーIDを広告サーバ11に送信し(ステップ135)、クッキーIDがない場合(ステップ125;N)、図8で説明した登録処理を経て(ステップ130)、クッキーIDを広告サーバ11に送信する(ステップ135)。
【0069】
広告サーバ11は、ユーザ端末2からクッキーIDを受信すると、ステップ115で配信した広告について広告サーバ閲覧履歴を生成する(ステップ140)。
ユーザ端末2で広告サーバ11が配信した広告がクリックされると(ステップ145)、広告サーバ11は、ユーザ端末2の接続を広告管理DB(図5)の「リンク先URL」で規定されている広告主サーバ12の接続先にリダイレクトする(ステップ150)。
【0070】
広告主サーバ12は、リダイレクトされるとユーザ端末2に広告を配信する(ステップ155)。
そして、広告主サーバ12は、ユーザが広告主サーバ12で閲覧した広告の履歴を広告主サーバ閲覧履歴として生成し(ステップ160)、後ほど広告サーバ11に送信する(ステップ165)。
【0071】
広告サーバ11は、広告サーバ閲覧履歴と広告主サーバ閲覧履歴を蓄積しておき、所定の時期に、これら広告閲覧履歴を分析サーバ32に送信する(ステップ170)。
これに対し、分析サーバ32は、広告サーバ11から広告閲覧履歴を受信して記憶する(ステップ175)。
以上のようにして、分析サーバ32は、ユーザが閲覧した広告の広告閲覧履歴を取得することができる。
【0072】
図10は、分析サーバ32が商品購買履歴を取得する手順を説明するためのフローチャートである。
店舗端末22は、電子マネーカード23との決済情報を記憶しておき、これを所定の時期に電子マネーサーバ21に送信する(ステップ205)。
電子マネーサーバ21は、各店舗端末22からの決済情報を蓄積しておき、これらから所定の時期に商品購買履歴を生成して分析サーバ32に送信する(ステップ210)
なお、電子マネーサーバ21は、加盟店からPOSデータを受信し、決済情報とPOSデータを用いて商品購買履歴を生成するように構成することもできる。
分析サーバ32は、電子マネーサーバ21から商品購買履歴を受信して記憶する(ステップ215)。
【0073】
図11は、分析サーバ32が行う分析処理を説明するためのフローチャートである。
分析サーバ32は、登録サーバ31から受信した登録情報、広告サーバ11から受信した広告閲覧履歴、電子マネーサーバ21から受信した商品購買履歴を用いて、例えば、次のように分析を行う。
まず、分析サーバ32は、登録情報において(図3(a))クッキーIDとカードIDの組を特定する(ステップ305)。これにより、当該クッキーIDとカードIDの組に係るユーザの広告閲覧と商品購入について分析処理が行われる。
【0074】
次に、分析サーバ32は、当該クッキーIDに対して生成された広告閲覧履歴を検索する(ステップ310)。
この処理は、広告サーバ閲覧履歴(図6(a))と広告主サーバ閲覧履歴(図6(b))について、項目「クッキーID」がステップ305で特定したクッキーIDであるものを抽出することにより行われる。
【0075】
次に、分析サーバ32は、当該カードIDに対して生成された商品購買履歴を検索する(ステップ315)。
この処理は、商品購買履歴(図4(b))について、項目「カードID」がステップ305で特定したカードIDであるものを抽出することにより行われる。
【0076】
次に、分析サーバ32は、検索した広告閲覧履歴の中から1の広告を特定する(ステップ320)。
この処理は、ステップ310で抽出した広告閲覧履歴の中から、所定のアルゴリズムに従って(例えば、広告IDが最も小さいものを)1つを選択することにより行われる。
【0077】
次に、分析サーバ32は、ステップ320で特定した広告の対象とする商品を特定する(ステップ325)。
この処理は、ステップ320で特定した広告閲覧履歴の広告IDに広告商品対応情報(図3(c))で対応づけられた商品IDを特定することにより行われる。
【0078】
次に、分析サーバ32は、ステップ315で検索した商品購買履歴から、ステップ320で特定した広告閲覧履歴の広告閲覧日時よりも後のものを抽出する(ステップ330)。
この処理は、広告閲覧日時(広告サーバ閲覧履歴の場合は、項目「広告配信日時」、広告主サーバ閲覧履歴の場合は項目「アクセス日時」で特定される日時)を特定し、ステップ315で検索した商品購買履歴の項目「決済日時」が当該広告閲覧日時よりも後であるものを特定することにより行われる。広告による商品購買行動を分析するためである。
【0079】
次に、分析サーバ32は、ステップ325で特定した商品と、ステップ330で抽出した商品購買履歴を突合する(ステップ335)。
この突合処理は、まず、ステップ330で抽出した商品購買履歴の項目「JANコード」のJANコードを変換テーブル(図3(b))に従って商品IDに変換する。
次いで、ステップ325で特定した商品IDが、ステップ330で抽出した商品購買履歴の項目「JANコード」から変換された商品IDと一致するか否かを判断する。
突合処理を行うと、分析サーバ32は、当該突合結果を記憶する(ステップ340)。
【0080】
次に、分析サーバ32は、ステップ310で検索した全ての広告閲覧履歴について突合処理を行ったか否かを判断する(ステップ345)。
まだ、突合処理していない広告閲覧履歴がある場合(ステップ345;N)、分析サーバ32は、ステップ320に戻って、まだ、突合処理を行っていない広告閲覧履歴について処理を続行する。
【0081】
一方、全ての広告閲覧履歴について突合処理を行った場合(ステップ345;Y)、分析サーバ32は、更に、登録情報で登録されている全てのクッキーIDについて突合したか否かを判断する(ステップ350)。
まだ、突合処理を行っていないクッキーIDがある場合(ステップ350;N)、分析サーバ32は、ステップ305に戻って、まだ突合処理を行っていないクッキーIDとカードIDの組について処理を続行し、全てのクッキーIDについて突合処理した場合(ステップ350;Y)、分析サーバ32は、分析処理を終了する。
【0082】
突合結果によって、ユーザがある商品の広告を閲覧した後に、当該商品を購入したか否かを確認することができ、これによって広告がユーザの購買行動に影響したか否かを確認することができる。
また、広告閲覧履歴と商品購入履歴は、各種の細かい項目が設定されているため、これらを活用することにより、様々な分析を行うことができる。
例えば、広告閲覧履歴として広告サーバ閲覧履歴と広告主サーバ閲覧履歴の一方を用いたり、媒体ごと、あるいは、広告主ごとの広告閲覧履歴を用いることにより、これらの個別の効果を調べることができる。
【0083】
また、次のような効果を測定することが可能である。
(1)広告の配信数に対するクリック率(広告クリック数÷広告の配信数)。
(2)広告配信数に対する加盟店での商品の購入率(加盟店での商品購入数÷広告配信数)。
(3)1人当たりの広告クリック数(広告クリック数÷広告閲覧者数)。
(4)1人当たりの店舗での商品の購入数(加盟店での商品の購入数÷広告閲覧者数)。
(5)広告費用に対する1クリック当たりの単価(広告費用÷広告クリック数)。
(6)広告費用に対する加盟店での1商品購入当たりの単価(広告費用÷加盟店での商品の購入数)。
【0084】
(7)広告配信日時からクリックするまでの平均時間(広告配信日時からクリックするまでの時間の総和÷広告クリック数)。
(8)広告配信日時から加盟店で商品を購入するまでの時間の平均値(広告配信時から加盟店で商品を購入するまでの時間÷加盟店での商品購入数)。
(9)広告のクリエイティブ(同じ商品に対する異なる広告)の違いによる加盟店での商品の購入数の変化。
(10)広告配信時間(開始から終了までの日数)の違いによる加盟店での商品購入有無、又は購入数の変化。
【0085】
また、次のように、広告配信の最適化を行うことも可能である。
(1)加盟店での商品購入の有無を用い、商品を購入している場合は広告の配信を行わず、商品を購入していない場合は別のクリエイティブを配信する。
(2)加盟店での商品購入履歴から、ユーザの興味商品分野を推定し、当該分野の広告を配信して当該分野でない広告は配信しない。
(3)加盟店での決済日時から、商品購入から所定期間内(例えば、消費サイクル内)は当該商品の広告を配信せず、所定期間経過後に当該商品の広告を配信する。
(4)加盟店での商品購入履歴から、ユーザの活動地域と購入加盟店を特定し、ユーザの活動地域、又は購入加盟店をもとにした広告配信の制御。
【0086】
なお、広告配信の制御は、分析サーバ32から広告サーバ11に広告制御情報を送信し、広告サーバ11が当該広告制御情報に基づいて広告を配信することにより可能となる。
例えば、ユーザがある商品を購入した場合、分析サーバ32は、そのユーザのクッキーID、商品の広告ID、及び非配信期間を広告制御情報として広告サーバ11に送信し、広告サーバ11は、当該クッキーIDのユーザ端末2には、当該広告IDの広告を非配信期間の間は配信しないようにする。
以上のような効果測定や最適化を行うために、その解析対象の情報として広告サーバ11の広告管理DB(図5(a))、媒体管理DB(図5(b))、電子マネーサーバ21の商品DB(図4(a))を分析サーバ32に送信してもよい。
【0087】
図12の各図は、登録サーバ31で登録する際にユーザ端末2で表示される画面を説明するための図である。
図12(a)は、図8のステップ5でユーザ端末2に表示される画面の例を示した図である。
ユーザ端末2から登録サーバ31にアクセスすると登録画面51が表示され、ユーザがカードIDと電子メールアドレスを入力して送信ボタンをクリックすると、会員登録後に広告画面52が表示される。
なお、カードIDは、ユーザ端末2がリーダライタ部を有する場合、これを用いて電子マネーカード23から読み取って自動入力することができる。
この形態は、事前にキャンペーンなどをユーザに通知しておく場合に有効である。
【0088】
図12(b)は、図9のステップ115を行った際に、クッキーIDがない場合(ステップ125;N)の画面の例を示した図である。
この場合、ステップ115でポータルサイトやポイントサイトなどの媒体サイトに表示された広告をクリックすると広告画面52が表示され、これをクリックすると登録画面51が表示される。
【0089】
以上に本実施の形態について説明したが、各種の変形が可能である。
例えば、電子マネーシステム20をポイントシステムやクレジットカードシステムとすることもできる。
この場合、電子マネーカード23としてポイントカードやクレジットカードが用いられる。
【0090】
また、ユーザ端末2を携帯端末とし、ユーザ端末2にキャンペーン広告を電子メールによって送信して、電子メール中の所定のURLをクリックすると登録サーバ31の登録画面に接続するように構成することもできる。
【0091】
また、登録したユーザが広告を閲覧した後に、広告対象の商品を電子マネーカード23によって購入する動機づけとなるように、広告した商品を電子マネーカード23で購入した場合には、電子マネーカード23に無料で所定金額のバリューをチャージする権利を付与したり、あるいはポイントサービスのポイントを提供するように構成することもできる。
この場合、分析サーバ32は、突合結果により、ユーザが広告後に広告対象商品を購入していることが判明した場合、そのカードIDや決済金額などを電子マネーサーバ21に通知し、電子マネーシステム20によってこれら特典をユーザに提供する。
【0092】
更に、登録サーバ31への登録や電子マネーカード23の使用を促すため、登録したユーザに対しては、電子マネーカード23に無料で所定金額のバリューをチャージする権利を付与したり、あるいはポイントサービスのポイントを提供するように構成することもできる。
この場合、分析サーバ32は、新規に登録した登録情報のカードIDを電子マネーサーバ21に通知し、電子マネーシステム20によってこれら特典をユーザに提供する。
【0093】
また、本実施の形態では、ネットワークでユーザ端末2を識別する情報としてクッキーIDを用いたが、これは識別情報をクッキーIDに限定するものではなく、ユーザ端末2やユーザを識別できるものであれば何でもよい。
【0094】
また、本実施の形態は、ユーザの広告閲覧履歴は、ネットワークを介して配信するものに限定するものではなく、デジタルテレビ放送によって視聴者を特定できる場合は、その視聴者のデジタルテレビ放送システムでの識別情報と、カードIDを対応づけてもよい。
あるいは、デジタルテレビ放送システムでの識別情報とクッキーIDとカードIDを対応づけて、デジタルテレビでの広告閲覧、ネットワークでの広告閲覧、及び電子マネーカード23での購買を関連づけてもよい。
【0095】
また、テレビリモコンを「トラッキングモードオン」に設定し、視聴履歴をリモコンのメモリに記憶させ、視聴履歴をユーザ端末2や携帯電話で読み取って分析サーバ32に送信するように構成することもできる。
【0096】
以上に説明した実施の形態により次のような効果を得ることができる。
(1)1のユーザのクッキーIDとカードIDを対応づけることができる。
(2)1のユーザのクッキーIDとカードIDを対応づけることにより、当該ユーザのネットワーク空間での広告閲覧をクッキーIDにより追跡し、現実空間での購買行動をカードIDによって追跡することができる。
(3)広告後にユーザが広告対象商品を購入したか否かを確認することができ、広告の効果を測定することができる。
(4)広告日時や購買日時など、更に細かな情報を用いてより詳細な分析をすることができる。
(5)ユーザのネットワーク上での行動履歴と現実社会(リアル)での行動履歴を得ることができ、これに基づいてより精度の高いターゲッティング広告を行うことができる。
【0097】
以上に説明した実施の形態により、次の構成を得ることができる。
分析サーバ32は、広告分析装置として機能しており、また、クッキーIDは、閲覧用IDとして機能し、カードIDは、購入用IDとして機能している。
そして、分析サーバ32は、登録サーバ31によって、ネットワーク上で広告を閲覧する際に当該ユーザを特定する閲覧用IDであるクッキーIDと、前記ユーザが、店舗で商品を購入する際に当該ユーザを特定する購入用IDであるカードIDとの対応を登録情報として受信して記憶するため、ユーザが、ネットワーク上で広告を閲覧する際に当該ユーザを特定する閲覧用IDと、前記ユーザが、店舗で商品を購入する際に当該ユーザを特定する購入用IDとの対応を記憶するID記憶手段を備えている。
また、分析サーバ32は、広告サーバ11から広告閲覧履歴を受信し、電子マネーサーバ21から商品購買履歴を受信するため、閲覧用ID、広告商品(広告ID)、及び広告日時を含む広告閲覧情報(広告閲覧履歴)を取得する広告閲覧情報取得手段と、購入用ID、購入商品(JANコード)、及び購入日時を含む商品購入情報(商品購入履歴)を取得する商品購入情報取得手段を備えている。
そして、分析サーバ32は、登録情報のクッキーIDとカードIDで対応する広告閲覧履歴と商品購入履歴について、突合により、広告の後の商品購入履歴であって、広告対象の商品の商品購入履歴を特定するため、前記取得した広告閲覧情報と商品購入情報のうち、閲覧用IDと購入用IDの対応が前記ID記憶手段に記憶した閲覧用IDと購入用IDの対応と一致し、広告商品と購入商品が対応し、かつ、広告日時が購入日時よりも前である広告閲覧情報と商品購入情報を特定する情報特定手段を備えている。
【0098】
また、突合に用いる広告閲覧履歴を広告サーバ閲覧履歴とした場合、この履歴は、ユーザの意向に関係なくユーザ端末2に送信された広告の閲覧履歴となる。
そのため、この場合、前記広告閲覧情報(広告サーバ閲覧履歴)は、広告を提供する側(広告サーバ11)が選択して前記ユーザに提供した広告の広告閲覧情報となる。
【0099】
また、分析サーバ32は、突合結果により各種の広告効果を計測できるため、前記出力した突合結果を用いて広告効果を計測する広告効果計測手段を備えている。
【0100】
また、分析サーバ32は、前記情報特定手段で特定した結果、即ち突合結果を用いて広告制御情報を生成して広告サーバ11に送信し、広告サーバ11は、当該広告制御情報を用いて広告配信の内容を制御することが可能であるため、前記情報特定手段で特定した結果を用いて、前記ユーザに提供する広告の内容を制御するための広告制御情報を生成する広告制御情報生成手段を備えている。
【0101】
また、分析サーバ32は、ユーザに対して、広告後に広告対象商品を電子マネーカード23で購入する動機づけとなるように、当該ユーザのカードIDを電子マネーサーバ21に送信して、電子マネーシステム20でユーザに特典を付与するように構成することができるため、前記情報特定手段で特定した結果を用いて、前記ユーザが商品購入の際に前記購入用ID(カードID)を使用する動機づけとなる動機情報(カードID)を生成する動機情報生成手段を備えている。
【0102】
更に、広告サーバ11は、広告主から依頼を受けた広告群から1の広告を選択して媒体サーバ13経由でユーザ端末2に送信でき、また、分析サーバ32から広告制御情報を受信してユーザ端末2に配信する広告の内容を個別に制御できるため、広告群から広告を選択する広告選択手段と、前記選択した広告をユーザの端末に送信する広告送信手段と、広告分析装置から前記ユーザに対する広告制御情報を取得する広告制御情報取得手段と、前記受信した広告制御情報を用いて、前記広告送信手段で送信する広告の内容を制御する広告制御手段と、を備えている。
【符号の説明】
【0103】
1 広告分析システム
2 ユーザ端末
10 広告システム
11 広告サーバ
12 広告主サーバ
13 媒体サーバ
20 電子マネーシステム
21 電子マネーサーバ
22 店舗端末
23 電子マネーカード
30 分析システム
31 登録サーバ
32 分析サーバ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが、ネットワーク上で広告を閲覧する際に当該ユーザを特定する閲覧用IDと、前記ユーザが、店舗で商品を購入する際に当該ユーザを特定する購入用IDとの対応を記憶するID記憶手段と、
閲覧用ID、広告商品、及び広告日時を含む広告閲覧情報を取得する広告閲覧情報取得手段と、
購入用ID、購入商品、及び購入日時を含む商品購入情報を取得する商品購入情報取得手段と、
前記取得した広告閲覧情報と商品購入情報のうち、閲覧用IDと購入用IDの対応が前記ID記憶手段に記憶した閲覧用IDと購入用IDの対応と一致し、広告商品と購入商品が対応し、かつ、広告日時が購入日時よりも前である広告閲覧情報と商品購入情報を特定する情報特定手段と、
を具備したことを特徴とする広告分析装置。
【請求項2】
前記広告閲覧情報は、広告を提供する側が選択して前記ユーザに提供した広告の広告閲覧情報であることを特徴とする請求項1に記載の広告分析装置。
【請求項3】
前記情報特定手段で特定した結果を用いて広告効果を計測する広告効果計測手段を具備したことを特徴とする請求項1、又は請求項2に記載の広告分析装置。
【請求項4】
前記情報特定手段で特定した結果を用いて、前記ユーザに提供する広告の内容を制御するための広告制御情報を生成する広告制御情報生成手段を具備したことを特徴とする請求項1、請求項2、又は請求項3に記載の広告分析装置。
【請求項5】
前記情報特定手段で特定した結果を用いて、前記ユーザが商品購入の際に前記購入用IDを使用する動機づけとなる動機情報を生成する動機情報生成手段を具備したことを特徴とする請求項1から請求項4までのうちの何れか1の請求項に記載の広告分析装置。
【請求項6】
広告群から広告を選択する広告選択手段と、
前記選択した広告をユーザの端末に送信する広告送信手段と、
請求項4に記載の広告分析装置から前記ユーザに対する広告制御情報を取得する広告制御情報取得手段と、
前記受信した広告制御情報を用いて、前記広告送信手段で送信する広告の内容を制御する広告制御手段と、
を具備したことを特徴とする広告サーバ。
【請求項1】
ユーザが、ネットワーク上で広告を閲覧する際に当該ユーザを特定する閲覧用IDと、前記ユーザが、店舗で商品を購入する際に当該ユーザを特定する購入用IDとの対応を記憶するID記憶手段と、
閲覧用ID、広告商品、及び広告日時を含む広告閲覧情報を取得する広告閲覧情報取得手段と、
購入用ID、購入商品、及び購入日時を含む商品購入情報を取得する商品購入情報取得手段と、
前記取得した広告閲覧情報と商品購入情報のうち、閲覧用IDと購入用IDの対応が前記ID記憶手段に記憶した閲覧用IDと購入用IDの対応と一致し、広告商品と購入商品が対応し、かつ、広告日時が購入日時よりも前である広告閲覧情報と商品購入情報を特定する情報特定手段と、
を具備したことを特徴とする広告分析装置。
【請求項2】
前記広告閲覧情報は、広告を提供する側が選択して前記ユーザに提供した広告の広告閲覧情報であることを特徴とする請求項1に記載の広告分析装置。
【請求項3】
前記情報特定手段で特定した結果を用いて広告効果を計測する広告効果計測手段を具備したことを特徴とする請求項1、又は請求項2に記載の広告分析装置。
【請求項4】
前記情報特定手段で特定した結果を用いて、前記ユーザに提供する広告の内容を制御するための広告制御情報を生成する広告制御情報生成手段を具備したことを特徴とする請求項1、請求項2、又は請求項3に記載の広告分析装置。
【請求項5】
前記情報特定手段で特定した結果を用いて、前記ユーザが商品購入の際に前記購入用IDを使用する動機づけとなる動機情報を生成する動機情報生成手段を具備したことを特徴とする請求項1から請求項4までのうちの何れか1の請求項に記載の広告分析装置。
【請求項6】
広告群から広告を選択する広告選択手段と、
前記選択した広告をユーザの端末に送信する広告送信手段と、
請求項4に記載の広告分析装置から前記ユーザに対する広告制御情報を取得する広告制御情報取得手段と、
前記受信した広告制御情報を用いて、前記広告送信手段で送信する広告の内容を制御する広告制御手段と、
を具備したことを特徴とする広告サーバ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−96202(P2011−96202A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−252377(P2009−252377)
【出願日】平成21年11月2日(2009.11.2)
【出願人】(501044116)ビットワレット株式会社 (48)
【出願人】(500453821)デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社 (10)
【出願人】(394025924)株式会社博報堂 (14)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月2日(2009.11.2)
【出願人】(501044116)ビットワレット株式会社 (48)
【出願人】(500453821)デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社 (10)
【出願人】(394025924)株式会社博報堂 (14)
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