広告支援システム及び広告支援方法
【課題】広告を出稿する広告主に対して、広告主が発想するに至らないキーワードを提示することができる広告支援システム及び広告支援方法。
【解決手段】広告支援システムにおいては、複数のWEBページからテキストデータが収集され、テキストデータ内での2つの単語間の距離に基づいて、近接して配置される単語同士を関連付けられて近接キーワードテーブル26Aが作成される。入札キーワード設定部31では、近接キーワードテーブル26Aが参照され、ユーザにより指定されたキーワードに関連する近接キーワードが次々に提示される。
【解決手段】広告支援システムにおいては、複数のWEBページからテキストデータが収集され、テキストデータ内での2つの単語間の距離に基づいて、近接して配置される単語同士を関連付けられて近接キーワードテーブル26Aが作成される。入札キーワード設定部31では、近接キーワードテーブル26Aが参照され、ユーザにより指定されたキーワードに関連する近接キーワードが次々に提示される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アイデア創出を支援する広告支援システムに関し、特に、検索連動型広告を出稿する際に指定するキーワードの選定を支援する広告支援システム及び広告支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アイデア創造を支援する広告支援装置では、発想を広げるための情報、又は、発想のきっかけとなる情報がユーザに提示される。この発想支援装置は、例えば、検索連動型広告(リスティング広告)を出稿する際に指定するキーワードを決定したり、出稿する広告のタイトル及び説明文を作成する際に利用される。ここで、検索連動型広告とは、検索エンジンで検索された検索キーワードに関連するテキスト広告(タイトル及び説明文)を検索結果画面に露出する広告方法である。
【0003】
検索連動型広告では、ユーザが検索したキーワードに関連した広告、即ち、ユーザが関心ある物品又は事案に関連した広告が露出されることから、広告効果が大きい。広告主は、検索数が一定以上あり、競合する広告があまり出稿されていないキーワードを指定して広告を出稿することで、少ない広告費で高い広告効果を得ることができる。特許文献1には、検索連動型広告に使用する広告効果の高いキーワードを提示する方法として、検索エンジンで検索される検索数が上昇傾向にある検索キーワードを分析する検索キーワード分析方法が開示されている。この検索キーワード分析方法では、ユーザが入力したキーワードに関連し、且つ人気が上昇傾向にあるキーワードがユーザに提示される。しかしながら、ユーザには、入力されたキーワードと直接関連するキーワードが提示されるため、このようなキーワードには、既に競合相手により広告が出稿されている虞がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−79454号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、広告支援システム及び広告支援方法においては、ユーザが指定したキーワードに関連し、且つ発想に至るのが困難なキーワードがユーザに提示されることが求められている。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、検索連動型広告に使用するキーワードの選定を支援することができ、さらに、掲載する広告のタイトル及び説明文を作成するための発想を広げることができる広告支援システム及び広告支援方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、
複数のWEBページから第1のテキストデータを収集するテキストデータ収集部と、
前記第1のテキストデータを複数の単語に分割し、前記第1のテキストデータ内での2つの単語間の距離に基づいて、第1の単語及び第2の単語間の距離が近接して配置される度合を示す近接度を算出するテキストデータ解析部と、
前記算出された近接度に応じて前記第1の単語に前記第2の単語を関連づけ、前記第1の単語を参照元単語として、及び前記第2の単語を参照先単語として参照テーブルに記述する参照テーブル作成部と、
前記参照テーブルを記憶する記憶部と、
入力装置から入力される入力キーワード及びURLを受け付けるための入力受付部と、
前記入力装置で入力される前記入力キーワードで前記参照テーブルの前記参照元単語を参照し、前記参照元単語で特定される前記参照先単語の中から所定数の前記参照先単語を抽出して参照キーワードとして表示させる第1の参照キーワード表示手段であって、
前記表示された参照キーワードが前記入力装置で選択された場合には、当該選択された参照キーワードで前記参照テーブルの前記参照元単語を参照し、前記参照元単語で特定される前記参照先単語の中から所定数の前記参照先単語を抽出して前記参照キーワードとして表示させる第1の参照キーワード表示手段と、
前記入力装置で入力される前記URLで特定されるWEBページに含まれる第2のテキストデータを単語に分解し、当該単語が前記第2のテキストデータ内に含まれる数とともに前記単語を参照キーワードとして表示させる第2の参照キーワード表示手段と、
前記参照テーブルの前記参照元単語を前記参照キーワードとしてティッカー表示させる第3の参照キーワード表示手段と、
前記参照キーワードを表示するための表示装置と、
を具備することを特徴とする広告支援システムが提供される。
【0008】
また、本発明によれば、
複数のWEBページから第1のテキストデータを収集するテキストデータ収集部と、
前記第1のテキストデータを複数の単語に分割し、前記第1のテキストデータ内での2つの単語間の距離に基づいて、第1の単語及び第2の単語間の距離が近接して配置される度合を示す近接度を算出するテキストデータ解析部と、
前記算出された近接度に応じて前記第1の単語に前記第2の単語を関連づけ、前記第1の単語を参照元単語として、及び前記第2の単語を参照先単語として参照テーブルに記述する参照テーブル作成部と、
前記参照テーブルを記憶する記憶部と、
入力装置から入力される入力キーワード及びURLを受け付けるための入力受付部と、
参照キーワードを表示するための表示装置と、を備え、
前記入力装置で入力される前記入力キーワードで前記参照テーブルの前記参照元単語を参照し、前記参照元単語で特定される前記参照先単語の中から所定数の前記参照先単語を抽出して前記参照キーワードとして表示させ、前記表示された参照キーワードが前記入力装置で選択された場合には、当該選択された参照キーワードで前記参照テーブルの前記参照元単語を参照し、前記参照元単語で特定される前記参照先単語の中から所定数の前記参照先単語を抽出して前記参照キーワードとして表示させる第1の参照キーワード表示ステップと、
前記入力装置で入力される前記URLで特定されるWEBページに含まれる第2のテキストデータを単語に分解し、当該単語が前記第2のテキストデータ内に含まれる数とともに前記単語を参照キーワードとして表示させる第2の参照キーワード表示ステップと、
前記参照テーブルの前記参照元単語を前記参照キーワードとしてティッカー表示させる第3の参照キーワード表示ステップと、
を備えたことを特徴とする広告支援方法が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、指定されたキーワードに関連し、発想に至るのが困難なキーワードを提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施の形態に係る広告支援システムの全体構成を概略的に示すブロック図である。
【図2】図1に示したサイト解析部の概略構成を示すブロック図である。
【図3A】図2に示した解析データ記憶部に格納されるクロールデータ解析テーブルのレコードのデータ構造の一例を示す図である。
【図3B】図2に示した解析データ記憶部に格納される除外単語テーブルのレコードのデータ構造の一例を示す図である。
【図3C】図2に示した解析データ記憶部に格納される近接度テーブルのレコードのデータ構造の一例を示す図である。
【図3D】図2に示した解析データ記憶部に格納される近接キーワードテーブルのレコードのデータ構造の一例を示す図である。
【図4】図2に示したサイト解析部においてテキストデータを解析する処理手順を示すフローチャートである。
【図5】図1に示した予算シミュレーション部の概略構成を示すブロック図である。
【図6】図5に示した入札キーワード候補設定部において入札キーワード候補を選定するための近接キーワード表示画面を示す概略図である。
【図7】図5に示した入札キーワード候補設定部において入札キーワード候補を選定するためのワードティッカー表示画面を示す概略図である。
【図8A】図5に示した入札キーワード候補選定部において指定ページ解析を実行する指定ページ解析画面を示す概略図である。
【図8B】図5に示した入札キーワード候補選定部で解析した指定ページの解析結果画面を示す概略図である。
【図9A】図5に示した予算シミュレーション部で予算シミュレーションをするシミュレートワードを選定する選定画面の一例を示す図である。
【図9B】図5に示した予算シミュレーション部で予算シミュレーションをするシミュレートワードを選定する選定画面の他の例を示す図である。
【図9C】図10A及び図10Bで選定されたシミュレートワードを掛け合わせてシミュレートワードを選定する選定画面のさらに他の例を示す図である。
【図10】図5に示した予算シミュレーション部でのシミュレーション結果を表示した表示画面を示す概略図である。
【図11】図5に示した予算シミュレーション部において予算シミュレーションを実行する手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、必要に応じて図面を参照しながら、本発明の一実施の形態に係る広告支援システムを説明する。以下では、本発明の一実施の形態に係る広告支援システムの一例として、検索連動型広告(リスティング広告)向け広告支援システムを説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施の形態に係る検索連動型広告向け広告支援システム10の概略構成を示している。検索連動型広告向け広告支援システム10は、図1に示されるように、インターネット等の通信ネットワークNWを介して1以上の検索サイト11、複数のWEBサイト12、及び1以上のユーザ端末13と通信する。図1では、説明を簡単にするために、広告支援システム10が1つの検索サイト11、WEBサイト12及びユーザ端末13に接続されている例が示されている。
【0013】
広告支援システム10は、ネットワークNW上の複数のWEBサイト12に含まれるテキストデータを解析するサイト解析部20、及び検索連動型広告の出稿を希望するキーワードに対して予算シミュレーションを実行する予算シミュレーション部30を備えている。この広告支援システム10は、CPU等のプロセッサ、動作プログラムが格納された記憶部、入力装置及び表示装置から構成されており、プロセッサは、記憶部から動作プログラムを読み出して実行することにより、後に詳細に説明するように、サイト解析部20及び予算シミュレーション部30として機能する。
【0014】
検索サイト11は、通信ネットワークNW上の複数のWEBサイト12に関する情報を記憶するWEBページデータベース(図示せず)を有し、ユーザ端末13からの検索要求に応答して検索結果情報を要求元のユーザ端末13に送信する。また、検索サイト11は、検索連動型広告をユーザ端末13等に配信する広告配信サイトであり、ユーザ端末13から入力された検索キーワードに連動して、検索キーワードに関連する広告情報をユーザ端末13に配信する。従って、検索サイト11がユーザ端末13に送信する検索結果情報には、検索キーワードに関連する広告情報が含まれ、ユーザ端末13の表示装置に表示される検索結果画面には、検索結果とともに検索キーワードに関連する広告が表示される。
【0015】
検索サイト11に検索連動型広告の掲載を希望する広告主は、キーワードに対して入札することで、即ち、キーワードを指定して広告条件(例えば、クリック単価又は1日当たりの費用合計等)を設定することで、検索サイト11に広告を出稿することができる。以下では、広告の入札時に指定するキーワードを入札キーワードと称する。
【0016】
検索連動型広告方法では、検索サイトにおいて入札キーワードと一致する検索キーワード、或いは、入札キーワードを含む検索キーワードが入力された場合に、検索結果画面上にタイトル及び説明文を含むテキスト広告が露出される。検索結果画面上に表示されるテキスト広告がユーザにより選択される(例えば、マウスでクリックされる)と、ユーザは、広告のリンク先のWEBページ(ランディングページ)に案内される。
【0017】
また、検索サイト11は、広告を出稿する際に設定する広告条件に関連する広告予算情報、例えば、平均予想クリック単価、予想掲載順位、1日当たりの予想クリック回数、及び1日当たりの予想費用合計等を通信ネットワークNWを介して広告主に提供する。
【0018】
WEBサイト12は、WEBページ及びブログ等のテキストデータ(テキストファイル)を有しており、ユーザ端末13からのアクセスに応答してこれらのテキストデータを要求元のユーザ端末13に送信する。
【0019】
ユーザ端末13は、キーボード及びマウス等の入力装置、並びに液晶表示装置等の表示装置を備えるパーソナルコンピュータであり、携帯電話及び携帯情報端末(PDA)等であってもよい。ユーザ端末13は、通信ネットワークを介して広告支援システム10との間でデータを送受信する。ユーザ端末13の入力装置で入力された情報が広告支援システム10に送信され、広告支援システム10で処理された処理結果等がユーザ端末13に送信される。このユーザ端末13のオペレータが検索サイト11に広告の出稿を希望する広告主の場合には、オペレータは、ユーザ端末13を操作することにより、通信ネットワークNWを介して接続された広告支援システム10を使用して広告を出稿するための予算シミュレーションを実行することができる。
【0020】
図2は、サイト解析部20の概略構成を機能ブロックで示している。サイト解析部20は、図2に示されるように、複数のURL(Uniform Resource Locator)が予め設定されたURLマスタ(図示せず)に従って複数のWEBページに通信ネットワークNWを介して定期的にアクセスしてテキストデータを受信するクローラ21、及び受信したテキストデータを格納するテキストデータ記憶部22を備えている。クローラ21により収集されたテキストデータは、テキストデータに含まれるHTML(Hyper Text Markup Language)タグ、メタ情報、及び不要な空白等の文字が削除され、テキストデータが収集されたURL毎に解析履歴IDが付与されてテキストファイルとして保存される。また、テキストデータを収集する対象となる各WEBページは、電気製品、自動車及び旅行等のカテゴリに分類されており、収集された各テキストデータは、カテゴリ情報が関連づけられて保存される。
【0021】
さらに、サイト解析部20は、テキストデータ記憶部22に格納されたテキストデータを解析するテキストデータ解析部23、テキストデータを解析した解析結果を格納する解析データ記憶部24、解析データ記憶部24に格納された解析結果からテキストデータ内で近接して配置される単語を互いに関連づけて近接キーワードテーブル26Aに記述する近接キーワードテーブル作成部25、並びに、近接キーワードテーブル(参照テーブル)26A及びカテゴリ分類キーワードテーブル26Bを格納する参照テーブル記憶部26を備えている。
【0022】
テキストデータ解析部23は、テキストデータ記憶部22に格納されたテキストデータ(文字列)に対して形態素解析処理を実行し、後に説明する近接度テーブルを定期的に更新する。テキストデータ解析部23では、テキストデータは、形態素解析処理により単語に分割され、各単語は、その品詞を判別される。テキストデータ解析部23では、個々の解析履歴IDが付与されたテキストデータ毎にテキストデータの解析処理が実行される。
【0023】
形態素解析処理されたテキストデータ内で名詞が連続して出現する場合、これらの単語は、複合名詞(以下、単に名詞と称す)として結合される。続いて、所定の品詞(例えば、名詞、形容詞及び動詞)以外の品詞(例えば、助詞及び副詞等)の単語が削除される。残りの単語は、解析処理されたテキストデータ内に出現する順番に従って出現番号を付与され、クロールデータ解析テーブルに記述される。このクロールデータ解析テーブルは、解析データ記憶部24に格納されている。
【0024】
図3Aは、クロールデータ解析テーブルのレコードのデータ構造を示している。図3Aに示されるように、クロールデータ解析テーブルの各レコードには、単語、解析履歴ID、品詞及び出現番号が含まれる。
【0025】
また、図3Bは、除外単語テーブルのレコードのデータ構造を示している。除外単語テーブルには、図3Bに示されるように、広告を出稿するのに好ましくない除外単語がその品詞に関連づけられて記述されている。この除外単語テーブルは、解析データ記憶部24に格納されている。テキストデータ解析部23は、除外単語テーブルを参照してクロールデータ解析テーブルのレコードを検索し、除外単語テーブルに記述されている除外単語及び品詞と一致する単語及び品詞を含むレコードをクロールデータ解析テーブルから削除する。
【0026】
さらに、テキストデータ解析部23は、クロールデータ解析テーブルに格納された単語間の単語距離を算出し、算出結果を近接度テーブルに格納する。ここで、単語距離は、ある単語(参照元単語)の出現番号と他の単語(参照先単語)の出現番号との差の絶対値で定義され、この単語距離は、同一解析履歴IDを有する単語間で計算される。この単語距離は、その値が小さいほど、参照元単語と参照先単語とがテキストデータ内で近接して配置されていることを表わす。ただし、単語距離は、参照元単語及び参照先単語の少なくとも一方の品詞が名詞である場合にのみ算出される。即ち、参照元単語及び参照先単語の各々の品詞が形容詞及び形容詞、動詞及び形容詞、形容詞及び動詞、並びに、動詞及び動詞の場合、単語距離が算出されない。
【0027】
テキストデータ解析部23には、単語距離を算出した参照元単語及び参照先単語の組み合わせを近接度テーブルに記述するか否かを判断するための設定値が予め設定されており、近接度テーブルには、算出された単語距離がこの設定値(例えば、7)以下の値になる参照元単語及び参照先単語の組み合わせが格納される。この設定値は、適宜変更されてもよい。
【0028】
単語距離の計算において、同一解析履歴IDを有する単語間で参照元単語及び参照先単語の同一の組み合わせが複数出現する場合、単語距離の小さい方が近接度テーブルに格納される。例えば、あるテキストデータ内において、「単語A」と「単語B」の組み合わせが2組あり、算出された単語距離が夫々2及び5である場合、このテキストデータにおける単語A及び単語B間の単語距離は、2であるとして近接度テーブルに記述される。
【0029】
図3Cは、近接度テーブルのレコードのデータ構造を示している。図3Cに示されるように、単語距離テーブルの各レコードには、処理年月、参照元単語、参照元品詞、参照先単語、参照先品詞、単語距離、共起度及び近接度が含まれる。処理年月は、テキストデータを解析処理した時刻情報を示し、参照元品詞及び参照先品詞は、夫々参照元単語及び参照先単語の品詞を示している。また、共起度は、参照元単語及び参照先単語間の単語距離が算出されたWEBページの数を示す。近接度テーブルの単語距離は、共起度が示す数のWEBページで、同一の組み合わせ(参照元単語、参照元品詞、参照先単語及び参照先品詞が一致する組み合わせ)に対して算出された単語距離が加算された値を示す。また、近接度は、単語距離を共起度で除算した値である。この近接度は、各WEBページから算出された単語距離の平均値に相当し、その値が小さいほど参照元単語及び参照先単語の関連性が高いことを示す。
【0030】
さらに、テキストデータ解析部23は、テキストデータに関連づけられたカテゴリ情報に従って、テキストデータを分割して得られた単語を処理時刻情報及びカテゴリ情報に関連づけてカテゴリ分類キーワードテーブル26Bに記述する。
【0031】
近接キーワードテーブル作成部25は、近接度テーブルを参照して、参照テーブル記憶部26に格納されている近接キーワードテーブル26Aを更新する。具体的には、近接キーワードテーブル作成部25は、近接度テーブルが更新されると、近接度テーブル中から特定の参照元単語のレコードを抽出し、この参照元単語を近接キーワードテーブル26Aの参照元単語に記述し、抽出したレコードの中から参照先単語を近接度の小さい順に参照先単語を抽出して近接キーワードテーブル26Aの参照先単語に記述して近接キーワードテーブル26Aの1つのレコードを作成する。近接キーワードテーブル26Aには、参照元単語に関連性の高い単語として所定数の参照先単語(例えば、近接度が小さい順に50個の参照先単語)が記述される。これらの参照先単語は、共起度が予め設定された設定値(例えば、2)以上ある近接度テーブルのレコードから取得される。共起度に対して予め設定される設定値は、任意に設定されてよい。
【0032】
図3Dは、近接キーワードテーブル26Aのレコードのデータ構造を示している。図3Dに示されるように、近接キーワードテーブル26Aの各レコードには、処理年月、参照元単語、参照元品詞、出現回数、及び第1から第50の参照先単語が含まれる。ここで、出現回数は、同一の処理年月に解析した全てのテキストデータに出現する参照元単語の数を示している。
【0033】
次に、図4を参照して、近接キーワードテーブルを更新する手順を説明する。
【0034】
図4は、クローラ21により収集されたテキストデータから、テキストデータに含まれる単語間の近接度を算出して近接キーワードテーブル26Aを更新する手順を概略的に示している。クローラ21により収集されたテキストデータは、図4に示されるように、形態素解析処理されて単語に分割され(ステップS101)、分割された各単語間の単語距離が算出される(ステップS102)。単語距離が算出された単語の組み合わせに対して、図3Cに示した近接度テーブルのレコードに同一の単語の組み合わせが含まれるか否かが判断される(ステップS103)。より詳細には、同一の処理期間内で以前に同一の単語の組み合わせに対して単語距離が算出されたか否かが判別される。ステップS102で単語距離が算出された単語の組み合わせと一致する単語の組み合わせを有するレコードが近接度テーブルに作成されている場合、算出された単語距離がこのレコードに記述された単語距離の値に加算され、このレコードに記述された共起度の値が1だけ加算される(ステップS104)。
【0035】
ステップS102で単語距離が算出された単語の組み合わせと一致する単語の組み合わせを有するレコードが近接度テーブルに作成されていない場合、この単語の組み合わせに対して、単語距離を算出された単語距離として、及び共起度を1としてレコードが追加される(ステップS105)。
【0036】
次に、近接度テーブルの各レコードにおいて、単語距離を共起度で除算して近接度が算出され(ステップS106)、ステップS101からステップS105で解析処理されたテキストデータがクロールデータ解析テーブルから削除される(ステップS107)。クローラ21により収集されたテキストデータには、前述したように、夫々個別の解析履歴IDが付与されており、図4のステップS101からステップS106で示される手順は、同一解析履歴IDを有するテキストデータ毎に実行される。
【0037】
続いて、同一参照元単語が記述された図3Cに示した近接度テーブルのレコードから、近接度が小さい順に参照先単語が抽出され(ステップS108)、抽出された参照先単語が参照元単語の近接キーワードとして、参照元単語に関連付けられて近接キーワードテーブルに記述され(ステップS109)、近接キーワードテーブル26Aが更新される。
【0038】
このように、サイト解析部20では、複数のWEBページから収集したテキストデータが解析され、テキストデータ内で近接して配置される単語同士を関連付けられて近接キーワードテーブル26Aに記述される。
【0039】
図5は、予算シミュレーション部30の概略構成を機能ブロックで示している。予算シミュレーション部30は、図5に示されるように、広告を出稿する際に指定する入札キーワードの候補を設定する入札キーワード候補設定部31、入札キーワード候補を格納する入札キーワード候補記憶部32、及び格納された入札キーワード候補に対して広告を出稿するための予算シミュレーションを実行するシミュレーション実行部33を備えている。また、予算シミュレーション部30は、近接キーワードテーブル26Aに格納された単語を表示する表示画面及び予算シミュレーション結果画面等の各種画面を表示装置に表示するための表示部34、並びに入力装置からの入力を受け付ける入力受付部35を備えている。
【0040】
入札キーワード候補設定部31は、図1に示したユーザ端末13の入力装置からユーザ(広告主)によって入力された入札キーワード候補を入札キーワード候補記憶部32に格納する。入札キーワード候補設定部31には、入札キーワード候補を設定する複数の方法が用意されている。入札キーワード候補を設定する方法の一例として、入札キーワード候補設定部31は、参照テーブル記憶部26の近接キーワードテーブル26A及びカテゴリ分類キーワードテーブル26Bに記述されている単語をユーザ端末13の表示装置に表示させ、ユーザ(広告主)に対して入札キーワード候補を選定するように促す。また、入札キーワード候補を設定する方法の他の例として、入札キーワード候補設定部31は、ユーザにより指定されたURLのWEBページに通信ネットワークNWを介してアクセスし、このWEBページのテキストデータを解析してテキストデータに含まれる単語の出現回数を集計し、単語を出現回数順に並び替えて表示装置に一覧表示させ、ユーザ(広告主)に対して入札キーワード候補を選定するように促す。表示された単語がユーザにより入力装置で選定されると、選定された単語が入札キーワード候補として入札キーワード候補記憶部32に格納される。
【0041】
シミュレーション実行部33は、入札キーワード候補記憶部32に格納された入札キーワード候補をユーザ装置13の表示装置に表示させ、予算シミュレーションを実行するシミュレートワード(複数のキーワードの組み合わせを含む)をユーザに選定させる。さらに、シミュレーション部33は、選定されたシミュレートワードを入札キーワードに指定して広告を出稿する場合における広告予算情報を通信ネットワークNWを介して検索サイト11に問い合わせて受信し、選定されたシミュレートワードに対する広告予算情報をユーザ端末13の表示装置に表示させる。
【0042】
このように、予算シミュレーション部30では、入力されたキーワードで近接キーワードテーブル26Aの参照元単語が参照され、入力されたキーワードに関連した近接キーワードが近接キーワードテーブル26Aから抽出されて表示装置に表示される。ユーザは、表示された近接キーワードを参照して検索連動型広告に使用する入札キーワード候補(複数のキーワードの組み合わせを含む)を決定し、決定した入札キーワード候補を入札キーワードに指定して広告を出稿するのに必要になる費用を見積もることができる。
【0043】
尚、広告支援システム10は、上述した例に示されるような通信ネットワークNWを介して接続されたユーザ端末13から利用される場合に限らず、ユーザにより直接操作されてもよい。
【0044】
次に、図6から図8を参照して、入札キーワード候補設定部31において入札キーワード候補を設定する方法を説明する。
【0045】
図6は、入札キーワード候補を選定する方法の一例として、入力されたキーワードに関連する近接キーワードを表示する近接キーワード表示画面を示している。この近接キーワード表示画面は、図6に示されるように、キーワードを入力するためのキーワード入力部53を有している。キーワード入力部53にキーワードが入力されると、入力されたキーワードで近接キーワードテーブル26Aの参照元単語が参照され、この参照元単語で特定される参照先単語のうち所定数(例えば、4つ)の参照先単語が抽出され、入力されたキーワードの近接キーワードとして近接キーワード表示部51に表示される。近接キーワード表示部51では、入力されたキーワードとその近接キーワードとがラインで結合されて示されている。
【0046】
近接キーワードテーブル26Aには、参照先単語を近接キーワードとして抽出するための抽出範囲が設定されている。近接キーワード表示部51に4つの近接キーワードが表示される例では、4以上の参照先単語、例えば、第10から第20の参照先単語が抽出範囲に設定される。近接キーワード表示部に表示される近接キーワードの数を越えて抽出範囲が設定される場合、例えば、近接キーワード画面に表示される近接キーワードの数が4に設定され、抽出範囲に5以上の参照先単語が設定される場合、設定された抽出範囲から4つの近接キーワードが任意に抽出される。
【0047】
尚、参照先単語の抽出範囲は、上記の例のように連続した範囲に設定される場合に限らず、例えば、第5から第10の参照先単語及び第15から第20の参照先単語のように、複数の範囲にわたって設定されてもよい。
【0048】
近接キーワード表示部51には、入力されたキーワードの近接キーワードとして所定数の第1の近接キーワードが近接キーワードテーブル26Aから抽出されて表示され、表示された第1の近接キーワードのいずれかがユーザ端末13の入力装置で選択される(例えば、マウスでダブルクリックされる)と、選択された第1の近接キーワードの近接キーワードとして所定数の第2の近接キーワードが抽出されて表示される。また、これら第2の近接キーワードのいずれかが選択されると、選択された第2の近接キーワードの近接キーワードとして所定数の第3の近接キーワードが抽出されて表示される。このように、近接キーワード表示部に表示されたキーワードが入力装置で選択されると、次々に近接キーワードが近接キーワードテーブル26Aから抽出されて表示される。図4に示される具体例では、キーワード入力部53にワードAが入力されると、近接キーワード表示部51にワードAの近接キーワードとしてワードB1からB4が表示され、ワードB1がユーザにより選択されると、「カラー」、「接続」及び「鮮やか」がワードB1の近接キーワードとして近接キーワード表示部51に表示される。
【0049】
また、近接キーワード表示画面には、抽出される近接キーワードの集計期間を指定するためのプルダウンメニュー52が設けられている。プルダウンメニュー52には、集計期間として、今月、先月及び今年等の期間メニューが用意されており、集計期間は、これら期間メニューから選択されて指定される。指定された集計期間で近接キーワードテーブル26Aの処理年月が参照され、指定された集計期間に作成されたレコード中から近接キーワードが抽出されて近接キーワード表示部51に表示される。
【0050】
さらに、近接キーワード表示画面には、入札キーワード候補記憶部32に格納された入札キーワード候補を表示する保存データ表示部55が設けられている。近接キーワード表示部51に表示されたキーワードがユーザによって入力装置で選択される(例えば、保存データ表示部55にドラッグ・アンド・ドロップ操作される)と、選択されたキーワードが入札キーワード候補として入札キーワード候補記憶部32に格納され、保存データ表示部55に表示される。
【0051】
また、近接キーワード表示画面には、後述する指定ページ解析処理で抽出された解析キーワードを一覧表示する指定ページキーワード表示部54が設けられている。近接キーワード表示画面では、キーワード入力部53に入力されるキーワードは、指定ページキーワード表示部54に表示される解析キーワード又は保存データ表示部55に表示されている入札キーワード候補から選択されてもよい。
【0052】
図6に示される近接キーワード表示画面では、入力されたキーワードに近接する第1の近接キーワードが提示され、第1の近接キーワードに近接する第2の近接キーワードが提示される。このように、入力されたキーワードを基点に次々に近接キーワードが提示されることから、入力キーワードと関連しているが、広告主が発想するに至らないようなキーワードが提示される。
【0053】
図7は、入札キーワード候補を選定する方法の他の例として、複数のキーワードをティッカー表示するワードティッカー表示画面を示している。ワードティッカー表示画面のティッカー表示部63には、図7に示されるように、複数のキーワードが図中の右から左に所定の速度で流れるように次々に表示される。表示されるキーワードの文字の大きさ及び色は、その時々で任意に決定されるように設定される。ティッカー表示部63に表示されるキーワードの中からユーザが関心を持ったキーワードがユーザ装置13の入力装置で選択されると、選択されたキーワードが入札キーワード候補として入札キーワード記憶部32に格納されて保存データ表示部55に表示される。
【0054】
このティッカー表示による入札キーワード選定方法には、3つのモード、即ち、フリーモード、集計期間モード、及びカテゴリモードが用意されており、ティッカー表示画面には、集計期間モード及びカテゴリモードを指定するための2つのプルダウンメニュー61及び62が設けられている。集計期間は、今月、先月及び今年等の予め設定されたプルダウンメニュー61の期間メニューから選択されて指定され、カテゴリは、電気製品、自動車及び旅行等の予め設定されたプルダウンメニュー62のカテゴリメニューから選択されて指定される。
【0055】
集計期間及びカテゴリを指定しないフリーモードでは、近接キーワードテーブル26Aの参照元単語が任意に抽出され、抽出されたキーワードがティッカー表示部63にティッカー表示される。集計期間モードでは、指定された集計期間に従って、近接キーワードテーブル26Aから参照元単語が抽出されてティッカー表示部63にティッカー表示される。また、カテゴリモードでは、指定されたカテゴリに従って、カテゴリ分類キーワードテーブル26Aから単語が抽出されてティッカー表示部63にティッカー表示される。指定期間モード及びカテゴリモードは、同時に選択されてもよい。
【0056】
図8A及び図8Bは、入札キーワード候補を選定する方法のさらに他の例として、指定されたWEBページを解析する指定ページ解析画面及び指定ページ解析結果画面を示している。指定ページ解析画面は、図8Aに示されるように、URLを入力するためのURL入力部71を有している。URL入力部71にURLが入力されると、入札キーワード候補設定部31は、入力されたURLで特定されるWEBページにアクセスしてこのWEBページに含まれるテキストデータを受信する。受信されたテキストデータは、入札キーワード候補選定部31でテキストデータが形態素解析処理されて単語に分割され、各単語は、その品詞を判別される。テキストデータ内で連続して出現する名詞は、結合され、複合名詞が作成される。続いて、所定の品詞(例えば、名詞、動詞及び形容詞)以外の品詞に判別された単語が削除され、残りの単語のうち各単語がWEBページ内に出現する回数が集計され、出現回数の多い順に並び替えられ、図8Bに示されるように、指定されたWEBページに含まれる単語が解析キーワードとして指定ページ解析結果画面に一覧表示される。
【0057】
ユーザは、指定したWEBページを解析した結果を指定ページ解析結果画面で確認し、指定ページ解析結果画面のチェック欄に入力装置でフラグを立てて表示された解析キーワードを選択し、選択した単語を入札キーワード候補として入札キーワード候補記憶部32に格納することができる。指定ページ解析結果画面に一覧表示された単語は、図6に示した近接キーワード表示画面の解析キーワード表示部54に表示される。
【0058】
図8Aに示した指定ページ解析画面において、URL入力部にURLを入力するとともに解析名入力部72に解析名が入力されると、入力された解析名で指定ページ解析の解析結果が保存される。ユーザは、図8Aに示した指定ページ解析画面のチェック欄にフラグを立てることで保存されている解析結果を、図8Bに示した指定ページ解析結果画面に表示させることができ、また、図8Aに示した指定ページ解析画面のチェック欄に複数のフラグを立てることで、複数の解析結果を同時に図8Bに示した指定ページ解析結果画面に表示させることができる。
【0059】
図8A及び図8Bに示される入札キーワード候補を選定する方法では、例えば、指定ページ解析するWEBページとして出稿する広告のランディングページ(広告のリンク先のWEBページ)が指定され、出向する広告に関連するキーワードが抽出される。このような出稿する広告に関連するキーワードに対して、図6に示したように、近接キーワードを表示させることで、ユーザは、出稿する広告に関連する好適な入札キーワードの候補を選定することができる。
【0060】
図6から図8Bを参照して説明したように、入札キーワード候補設定部31では、検索連動型広告で使用するためのキーワードが様々な方法でユーザに対して提示される。これにより、ユーザは、出稿する広告に関連するが、自分では発想するに至らなかったキーワードを見つけることができ、広告のタイトル及び説明文を作成する際の発想を広げることができる。
【0061】
図9A、図9B及び図9Cを参照して、予算シミュレーションを実行する入札キーワードを選定する方法を説明する。図9Aは、入札キーワード候補記憶部32に保存された入札キーワード候補を参照してシミュレート条件を設定するための第1のシミュレート条件設定画面を示し、図9Bは、指定ページ解析の解析結果を参照してシミュレート条件を設定するための第2のシミュレート条件設定画面を示している。また、図9Cは、図9Aで設定された入札キーワード候補と図9Bで設定された入札キーワード候補とを掛け合わせてシミュレート条件を設定するための第3のシミュレーション画面を示している。図9Aに示されるように、第1のシミュレート条件設定画面において、ユーザは、保存データ一覧表示部81に表示された入札キーワード候補から、チェック欄にフラグを立てることで入札キーワード候補を、予算シミュレーションするシミュレートワードに選定することができる。選定されたシミュレートワードは、条件設定表示部82に表示される。
【0062】
また、図9Bに示されるように、第2のシミュレート条件設定画面において、ユーザは、解析結果一覧表示部84に表示された解析キーワードから、チェック欄にフラグを立てることで解析キーワードをシミュレートワードに選定することができる。選定されたシミュレートワードは、同様に、条件設定表示部82に表示される。
【0063】
さらに、図9Cに示されるように、第3のシミュレート条件設定画面において、掛け合わせキーワード表示部85に示されている図9A及び図9Bのシミュレート条件設定画面で選定されたシミュレートワードを掛け合わせてシミュレートワードを作成することができる。作成されたシミュレートワードは、同様にキーワード条件表示部82に表示される。
【0064】
シミュレーション実行部33では、図9Aから図9Cで示したシミュレート条件設定画面で設定されたシミュレートワード(複数のキーワードの組み合わせを含む)に対して、広告を出稿するための予算シミュレーションが実行される。予算シミュレーションを実行する際に、図9Aから図9Cに示される上限クリック単価入力部83に値が入力されると、図10に示されるシミュレーション結果には、予想上限クリック単価が入力された値を超えないシミュレーション結果のみが表示される。
【0065】
図10は、予算シミュレーションを実行した実行結果が表示されたシミュレーション結果画面を示している。図10に示されるように、シミュレーション結果画面には、選定したシミュレートワード毎に、広告予算情報、例えば、予想平均クリック単価、予想掲載順位、1日当たりの予想クリック数、及び1日当たりの予想費用合計が表示される。図10のシミュレーション結果画面において、ユーザは、チェック欄にフラグを立てたシミュレートキーワードに対して再度予算シミュレーションすることができ、また、上限クリック単価83に値を入力した後に再度予算シミュレーションすることができる。
【0066】
図11は、予算シミュレーションを実行する手順の一例を概略的に示している。入札キーワード候補設定部31は、図11に示されるように、図8Aに示した指定ページ解析画面をユーザ端末13の表示装置に表示させ(ステップS201)、ユーザに対してURL入力部に解析すべきWEBページのURLを入力するように促す。ユーザにより入力装置からURLがURL入力部に入力指定されると、入札キーワード候補設定部31は、指定されたURLで特定されるWEBページに含まれるテキストデータを解析し(ステップS202)、図6Bに示した指定ページ解析結果画面に解析結果を表示させる(ステップS203)。解析結果として一覧表示された単語からいくつかの単語がユーザにより選定されると、選定された単語が入札キーワード候補として保存される(ステップS204)。
【0067】
次に、入札キーワード候補設定部31は、図5に示したワードティッカー表示画面をユーザ端末13の表示装置に表示させる(ステップS205)。ティッカー表示されるキーワードがユーザによって選定されると、入札キーワード候補設定部31は、ステップS204と同様に、選定されたキーワードを入札キーワード候補として保存する(ステップS206)。
【0068】
続いて、入札キーワード候補設定部31は、図6に示した近接キーワード表示画面を表示する(ステップS207)。保存データ表示部55に表示された入札キーワード候補、又は指定ページキーワード表示部54に表示された解析キーワードがユーザにより選択される、或いは、キーワード入力部53にキーワードがユーザにより入力されると、入札キーワード候補設定部31は、近接キーワードテーブル26Aを参照して、選択された解析キーワード又は入札キーワード候補、或いは、入力されたキーワードに関連した近接キーワードを近接キーワード表示画面に表示する(ステップS208)。近接キーワード表示画面に表示された近接キーワードがユーザにより選定されると、ステップS204と同様に、入札キーワード候補設定部31は、選定されたキーワードを入札キーワード候補として保存する(ステップS209)。
【0069】
次に、シミュレーション実行部33は、入札キーワード候補記憶部32に保存された入札キーワード候補、及び解析結果に含まれる解析キーワードをシミュレート条件設定画面に表示し(ステップS210)、予算シミュレーションを実行する対象となるキーワードを選択するように促す。具体的には、シミュレーション実行部33は、図9A及び図9Bに示した第1及び第2のシミュレート条件設定画面を順次表示させて予算シミュレーションを実行するシミュレートワードを選定させる。また、シミュレーション実行部31は、図9Cに示したシミュレート条件設定画面を表示させ、ユーザからの入力に従って、第1及び第2のシミュレート条件設定画面で選定されたシミュレートキーワードの掛け合わせ処理を実行する。シミュレートワードが決定されると、シミュレーション実行部33は、シミュレートワードに対して予算シミュレーションを実行し(ステップS211)、予算シミュレーション結果を表示画面に表示する(ステップS212)。
【0070】
以上のように、広告支援システム10においては、複数のWEBページからテキストデータが収集され、テキストデータ内で近接して配置される単語同士が関連づけられて近接キーワードテーブル(参照テーブル)26Aに記述される。また、出稿する広告のランディングページが解析され、ランディングページに含まれる解析キーワードが抽出される。広告支援システム10では、広告を出稿するランディングページに含まれる解析キーワードで近接キーワードテーブル26Aが参照され、この解析キーワードを基に近接キーワードが広告主に提示される。これにより、広告主に対して、広告を入札する際に指定するのに好適なキーワードを提示することができる。
【符号の説明】
【0071】
10…広告支援システム、11…検索サイト、12…WEBサイト、13…ユーザ端末、20…サイト解析部、21…クローラ、22…テキストデータ記憶部、23…テキストデータ解析部、24…解析データ記憶部、25…近接キーワードテーブル作成部、26…参照テーブル記憶部、26A…近接キーワードテーブル、26B…カテゴリ分類キーワードテーブル、30…予算シミュレーション部、31…入札キーワード候補設定部、32…入札キーワード候補記憶部、33…シミュレーション実行部、34…表示部、35…入力受付部、51…近接キーワード表示部、52,61,62…プルダウンメニュー、53…キーワード入力部、54…指定ページキーワード表示部、55…保存データ表示部、63…ティッカー表示部、71…URL入力部、72…解析名入力部、81…保存データ一覧表示部、82…条件設定表示部、83…上限クリック単価入力部、84…解析結果一覧表示部、85…掛け合わせキーワード表示部
【技術分野】
【0001】
本発明は、アイデア創出を支援する広告支援システムに関し、特に、検索連動型広告を出稿する際に指定するキーワードの選定を支援する広告支援システム及び広告支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アイデア創造を支援する広告支援装置では、発想を広げるための情報、又は、発想のきっかけとなる情報がユーザに提示される。この発想支援装置は、例えば、検索連動型広告(リスティング広告)を出稿する際に指定するキーワードを決定したり、出稿する広告のタイトル及び説明文を作成する際に利用される。ここで、検索連動型広告とは、検索エンジンで検索された検索キーワードに関連するテキスト広告(タイトル及び説明文)を検索結果画面に露出する広告方法である。
【0003】
検索連動型広告では、ユーザが検索したキーワードに関連した広告、即ち、ユーザが関心ある物品又は事案に関連した広告が露出されることから、広告効果が大きい。広告主は、検索数が一定以上あり、競合する広告があまり出稿されていないキーワードを指定して広告を出稿することで、少ない広告費で高い広告効果を得ることができる。特許文献1には、検索連動型広告に使用する広告効果の高いキーワードを提示する方法として、検索エンジンで検索される検索数が上昇傾向にある検索キーワードを分析する検索キーワード分析方法が開示されている。この検索キーワード分析方法では、ユーザが入力したキーワードに関連し、且つ人気が上昇傾向にあるキーワードがユーザに提示される。しかしながら、ユーザには、入力されたキーワードと直接関連するキーワードが提示されるため、このようなキーワードには、既に競合相手により広告が出稿されている虞がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−79454号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、広告支援システム及び広告支援方法においては、ユーザが指定したキーワードに関連し、且つ発想に至るのが困難なキーワードがユーザに提示されることが求められている。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、検索連動型広告に使用するキーワードの選定を支援することができ、さらに、掲載する広告のタイトル及び説明文を作成するための発想を広げることができる広告支援システム及び広告支援方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、
複数のWEBページから第1のテキストデータを収集するテキストデータ収集部と、
前記第1のテキストデータを複数の単語に分割し、前記第1のテキストデータ内での2つの単語間の距離に基づいて、第1の単語及び第2の単語間の距離が近接して配置される度合を示す近接度を算出するテキストデータ解析部と、
前記算出された近接度に応じて前記第1の単語に前記第2の単語を関連づけ、前記第1の単語を参照元単語として、及び前記第2の単語を参照先単語として参照テーブルに記述する参照テーブル作成部と、
前記参照テーブルを記憶する記憶部と、
入力装置から入力される入力キーワード及びURLを受け付けるための入力受付部と、
前記入力装置で入力される前記入力キーワードで前記参照テーブルの前記参照元単語を参照し、前記参照元単語で特定される前記参照先単語の中から所定数の前記参照先単語を抽出して参照キーワードとして表示させる第1の参照キーワード表示手段であって、
前記表示された参照キーワードが前記入力装置で選択された場合には、当該選択された参照キーワードで前記参照テーブルの前記参照元単語を参照し、前記参照元単語で特定される前記参照先単語の中から所定数の前記参照先単語を抽出して前記参照キーワードとして表示させる第1の参照キーワード表示手段と、
前記入力装置で入力される前記URLで特定されるWEBページに含まれる第2のテキストデータを単語に分解し、当該単語が前記第2のテキストデータ内に含まれる数とともに前記単語を参照キーワードとして表示させる第2の参照キーワード表示手段と、
前記参照テーブルの前記参照元単語を前記参照キーワードとしてティッカー表示させる第3の参照キーワード表示手段と、
前記参照キーワードを表示するための表示装置と、
を具備することを特徴とする広告支援システムが提供される。
【0008】
また、本発明によれば、
複数のWEBページから第1のテキストデータを収集するテキストデータ収集部と、
前記第1のテキストデータを複数の単語に分割し、前記第1のテキストデータ内での2つの単語間の距離に基づいて、第1の単語及び第2の単語間の距離が近接して配置される度合を示す近接度を算出するテキストデータ解析部と、
前記算出された近接度に応じて前記第1の単語に前記第2の単語を関連づけ、前記第1の単語を参照元単語として、及び前記第2の単語を参照先単語として参照テーブルに記述する参照テーブル作成部と、
前記参照テーブルを記憶する記憶部と、
入力装置から入力される入力キーワード及びURLを受け付けるための入力受付部と、
参照キーワードを表示するための表示装置と、を備え、
前記入力装置で入力される前記入力キーワードで前記参照テーブルの前記参照元単語を参照し、前記参照元単語で特定される前記参照先単語の中から所定数の前記参照先単語を抽出して前記参照キーワードとして表示させ、前記表示された参照キーワードが前記入力装置で選択された場合には、当該選択された参照キーワードで前記参照テーブルの前記参照元単語を参照し、前記参照元単語で特定される前記参照先単語の中から所定数の前記参照先単語を抽出して前記参照キーワードとして表示させる第1の参照キーワード表示ステップと、
前記入力装置で入力される前記URLで特定されるWEBページに含まれる第2のテキストデータを単語に分解し、当該単語が前記第2のテキストデータ内に含まれる数とともに前記単語を参照キーワードとして表示させる第2の参照キーワード表示ステップと、
前記参照テーブルの前記参照元単語を前記参照キーワードとしてティッカー表示させる第3の参照キーワード表示ステップと、
を備えたことを特徴とする広告支援方法が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、指定されたキーワードに関連し、発想に至るのが困難なキーワードを提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施の形態に係る広告支援システムの全体構成を概略的に示すブロック図である。
【図2】図1に示したサイト解析部の概略構成を示すブロック図である。
【図3A】図2に示した解析データ記憶部に格納されるクロールデータ解析テーブルのレコードのデータ構造の一例を示す図である。
【図3B】図2に示した解析データ記憶部に格納される除外単語テーブルのレコードのデータ構造の一例を示す図である。
【図3C】図2に示した解析データ記憶部に格納される近接度テーブルのレコードのデータ構造の一例を示す図である。
【図3D】図2に示した解析データ記憶部に格納される近接キーワードテーブルのレコードのデータ構造の一例を示す図である。
【図4】図2に示したサイト解析部においてテキストデータを解析する処理手順を示すフローチャートである。
【図5】図1に示した予算シミュレーション部の概略構成を示すブロック図である。
【図6】図5に示した入札キーワード候補設定部において入札キーワード候補を選定するための近接キーワード表示画面を示す概略図である。
【図7】図5に示した入札キーワード候補設定部において入札キーワード候補を選定するためのワードティッカー表示画面を示す概略図である。
【図8A】図5に示した入札キーワード候補選定部において指定ページ解析を実行する指定ページ解析画面を示す概略図である。
【図8B】図5に示した入札キーワード候補選定部で解析した指定ページの解析結果画面を示す概略図である。
【図9A】図5に示した予算シミュレーション部で予算シミュレーションをするシミュレートワードを選定する選定画面の一例を示す図である。
【図9B】図5に示した予算シミュレーション部で予算シミュレーションをするシミュレートワードを選定する選定画面の他の例を示す図である。
【図9C】図10A及び図10Bで選定されたシミュレートワードを掛け合わせてシミュレートワードを選定する選定画面のさらに他の例を示す図である。
【図10】図5に示した予算シミュレーション部でのシミュレーション結果を表示した表示画面を示す概略図である。
【図11】図5に示した予算シミュレーション部において予算シミュレーションを実行する手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、必要に応じて図面を参照しながら、本発明の一実施の形態に係る広告支援システムを説明する。以下では、本発明の一実施の形態に係る広告支援システムの一例として、検索連動型広告(リスティング広告)向け広告支援システムを説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施の形態に係る検索連動型広告向け広告支援システム10の概略構成を示している。検索連動型広告向け広告支援システム10は、図1に示されるように、インターネット等の通信ネットワークNWを介して1以上の検索サイト11、複数のWEBサイト12、及び1以上のユーザ端末13と通信する。図1では、説明を簡単にするために、広告支援システム10が1つの検索サイト11、WEBサイト12及びユーザ端末13に接続されている例が示されている。
【0013】
広告支援システム10は、ネットワークNW上の複数のWEBサイト12に含まれるテキストデータを解析するサイト解析部20、及び検索連動型広告の出稿を希望するキーワードに対して予算シミュレーションを実行する予算シミュレーション部30を備えている。この広告支援システム10は、CPU等のプロセッサ、動作プログラムが格納された記憶部、入力装置及び表示装置から構成されており、プロセッサは、記憶部から動作プログラムを読み出して実行することにより、後に詳細に説明するように、サイト解析部20及び予算シミュレーション部30として機能する。
【0014】
検索サイト11は、通信ネットワークNW上の複数のWEBサイト12に関する情報を記憶するWEBページデータベース(図示せず)を有し、ユーザ端末13からの検索要求に応答して検索結果情報を要求元のユーザ端末13に送信する。また、検索サイト11は、検索連動型広告をユーザ端末13等に配信する広告配信サイトであり、ユーザ端末13から入力された検索キーワードに連動して、検索キーワードに関連する広告情報をユーザ端末13に配信する。従って、検索サイト11がユーザ端末13に送信する検索結果情報には、検索キーワードに関連する広告情報が含まれ、ユーザ端末13の表示装置に表示される検索結果画面には、検索結果とともに検索キーワードに関連する広告が表示される。
【0015】
検索サイト11に検索連動型広告の掲載を希望する広告主は、キーワードに対して入札することで、即ち、キーワードを指定して広告条件(例えば、クリック単価又は1日当たりの費用合計等)を設定することで、検索サイト11に広告を出稿することができる。以下では、広告の入札時に指定するキーワードを入札キーワードと称する。
【0016】
検索連動型広告方法では、検索サイトにおいて入札キーワードと一致する検索キーワード、或いは、入札キーワードを含む検索キーワードが入力された場合に、検索結果画面上にタイトル及び説明文を含むテキスト広告が露出される。検索結果画面上に表示されるテキスト広告がユーザにより選択される(例えば、マウスでクリックされる)と、ユーザは、広告のリンク先のWEBページ(ランディングページ)に案内される。
【0017】
また、検索サイト11は、広告を出稿する際に設定する広告条件に関連する広告予算情報、例えば、平均予想クリック単価、予想掲載順位、1日当たりの予想クリック回数、及び1日当たりの予想費用合計等を通信ネットワークNWを介して広告主に提供する。
【0018】
WEBサイト12は、WEBページ及びブログ等のテキストデータ(テキストファイル)を有しており、ユーザ端末13からのアクセスに応答してこれらのテキストデータを要求元のユーザ端末13に送信する。
【0019】
ユーザ端末13は、キーボード及びマウス等の入力装置、並びに液晶表示装置等の表示装置を備えるパーソナルコンピュータであり、携帯電話及び携帯情報端末(PDA)等であってもよい。ユーザ端末13は、通信ネットワークを介して広告支援システム10との間でデータを送受信する。ユーザ端末13の入力装置で入力された情報が広告支援システム10に送信され、広告支援システム10で処理された処理結果等がユーザ端末13に送信される。このユーザ端末13のオペレータが検索サイト11に広告の出稿を希望する広告主の場合には、オペレータは、ユーザ端末13を操作することにより、通信ネットワークNWを介して接続された広告支援システム10を使用して広告を出稿するための予算シミュレーションを実行することができる。
【0020】
図2は、サイト解析部20の概略構成を機能ブロックで示している。サイト解析部20は、図2に示されるように、複数のURL(Uniform Resource Locator)が予め設定されたURLマスタ(図示せず)に従って複数のWEBページに通信ネットワークNWを介して定期的にアクセスしてテキストデータを受信するクローラ21、及び受信したテキストデータを格納するテキストデータ記憶部22を備えている。クローラ21により収集されたテキストデータは、テキストデータに含まれるHTML(Hyper Text Markup Language)タグ、メタ情報、及び不要な空白等の文字が削除され、テキストデータが収集されたURL毎に解析履歴IDが付与されてテキストファイルとして保存される。また、テキストデータを収集する対象となる各WEBページは、電気製品、自動車及び旅行等のカテゴリに分類されており、収集された各テキストデータは、カテゴリ情報が関連づけられて保存される。
【0021】
さらに、サイト解析部20は、テキストデータ記憶部22に格納されたテキストデータを解析するテキストデータ解析部23、テキストデータを解析した解析結果を格納する解析データ記憶部24、解析データ記憶部24に格納された解析結果からテキストデータ内で近接して配置される単語を互いに関連づけて近接キーワードテーブル26Aに記述する近接キーワードテーブル作成部25、並びに、近接キーワードテーブル(参照テーブル)26A及びカテゴリ分類キーワードテーブル26Bを格納する参照テーブル記憶部26を備えている。
【0022】
テキストデータ解析部23は、テキストデータ記憶部22に格納されたテキストデータ(文字列)に対して形態素解析処理を実行し、後に説明する近接度テーブルを定期的に更新する。テキストデータ解析部23では、テキストデータは、形態素解析処理により単語に分割され、各単語は、その品詞を判別される。テキストデータ解析部23では、個々の解析履歴IDが付与されたテキストデータ毎にテキストデータの解析処理が実行される。
【0023】
形態素解析処理されたテキストデータ内で名詞が連続して出現する場合、これらの単語は、複合名詞(以下、単に名詞と称す)として結合される。続いて、所定の品詞(例えば、名詞、形容詞及び動詞)以外の品詞(例えば、助詞及び副詞等)の単語が削除される。残りの単語は、解析処理されたテキストデータ内に出現する順番に従って出現番号を付与され、クロールデータ解析テーブルに記述される。このクロールデータ解析テーブルは、解析データ記憶部24に格納されている。
【0024】
図3Aは、クロールデータ解析テーブルのレコードのデータ構造を示している。図3Aに示されるように、クロールデータ解析テーブルの各レコードには、単語、解析履歴ID、品詞及び出現番号が含まれる。
【0025】
また、図3Bは、除外単語テーブルのレコードのデータ構造を示している。除外単語テーブルには、図3Bに示されるように、広告を出稿するのに好ましくない除外単語がその品詞に関連づけられて記述されている。この除外単語テーブルは、解析データ記憶部24に格納されている。テキストデータ解析部23は、除外単語テーブルを参照してクロールデータ解析テーブルのレコードを検索し、除外単語テーブルに記述されている除外単語及び品詞と一致する単語及び品詞を含むレコードをクロールデータ解析テーブルから削除する。
【0026】
さらに、テキストデータ解析部23は、クロールデータ解析テーブルに格納された単語間の単語距離を算出し、算出結果を近接度テーブルに格納する。ここで、単語距離は、ある単語(参照元単語)の出現番号と他の単語(参照先単語)の出現番号との差の絶対値で定義され、この単語距離は、同一解析履歴IDを有する単語間で計算される。この単語距離は、その値が小さいほど、参照元単語と参照先単語とがテキストデータ内で近接して配置されていることを表わす。ただし、単語距離は、参照元単語及び参照先単語の少なくとも一方の品詞が名詞である場合にのみ算出される。即ち、参照元単語及び参照先単語の各々の品詞が形容詞及び形容詞、動詞及び形容詞、形容詞及び動詞、並びに、動詞及び動詞の場合、単語距離が算出されない。
【0027】
テキストデータ解析部23には、単語距離を算出した参照元単語及び参照先単語の組み合わせを近接度テーブルに記述するか否かを判断するための設定値が予め設定されており、近接度テーブルには、算出された単語距離がこの設定値(例えば、7)以下の値になる参照元単語及び参照先単語の組み合わせが格納される。この設定値は、適宜変更されてもよい。
【0028】
単語距離の計算において、同一解析履歴IDを有する単語間で参照元単語及び参照先単語の同一の組み合わせが複数出現する場合、単語距離の小さい方が近接度テーブルに格納される。例えば、あるテキストデータ内において、「単語A」と「単語B」の組み合わせが2組あり、算出された単語距離が夫々2及び5である場合、このテキストデータにおける単語A及び単語B間の単語距離は、2であるとして近接度テーブルに記述される。
【0029】
図3Cは、近接度テーブルのレコードのデータ構造を示している。図3Cに示されるように、単語距離テーブルの各レコードには、処理年月、参照元単語、参照元品詞、参照先単語、参照先品詞、単語距離、共起度及び近接度が含まれる。処理年月は、テキストデータを解析処理した時刻情報を示し、参照元品詞及び参照先品詞は、夫々参照元単語及び参照先単語の品詞を示している。また、共起度は、参照元単語及び参照先単語間の単語距離が算出されたWEBページの数を示す。近接度テーブルの単語距離は、共起度が示す数のWEBページで、同一の組み合わせ(参照元単語、参照元品詞、参照先単語及び参照先品詞が一致する組み合わせ)に対して算出された単語距離が加算された値を示す。また、近接度は、単語距離を共起度で除算した値である。この近接度は、各WEBページから算出された単語距離の平均値に相当し、その値が小さいほど参照元単語及び参照先単語の関連性が高いことを示す。
【0030】
さらに、テキストデータ解析部23は、テキストデータに関連づけられたカテゴリ情報に従って、テキストデータを分割して得られた単語を処理時刻情報及びカテゴリ情報に関連づけてカテゴリ分類キーワードテーブル26Bに記述する。
【0031】
近接キーワードテーブル作成部25は、近接度テーブルを参照して、参照テーブル記憶部26に格納されている近接キーワードテーブル26Aを更新する。具体的には、近接キーワードテーブル作成部25は、近接度テーブルが更新されると、近接度テーブル中から特定の参照元単語のレコードを抽出し、この参照元単語を近接キーワードテーブル26Aの参照元単語に記述し、抽出したレコードの中から参照先単語を近接度の小さい順に参照先単語を抽出して近接キーワードテーブル26Aの参照先単語に記述して近接キーワードテーブル26Aの1つのレコードを作成する。近接キーワードテーブル26Aには、参照元単語に関連性の高い単語として所定数の参照先単語(例えば、近接度が小さい順に50個の参照先単語)が記述される。これらの参照先単語は、共起度が予め設定された設定値(例えば、2)以上ある近接度テーブルのレコードから取得される。共起度に対して予め設定される設定値は、任意に設定されてよい。
【0032】
図3Dは、近接キーワードテーブル26Aのレコードのデータ構造を示している。図3Dに示されるように、近接キーワードテーブル26Aの各レコードには、処理年月、参照元単語、参照元品詞、出現回数、及び第1から第50の参照先単語が含まれる。ここで、出現回数は、同一の処理年月に解析した全てのテキストデータに出現する参照元単語の数を示している。
【0033】
次に、図4を参照して、近接キーワードテーブルを更新する手順を説明する。
【0034】
図4は、クローラ21により収集されたテキストデータから、テキストデータに含まれる単語間の近接度を算出して近接キーワードテーブル26Aを更新する手順を概略的に示している。クローラ21により収集されたテキストデータは、図4に示されるように、形態素解析処理されて単語に分割され(ステップS101)、分割された各単語間の単語距離が算出される(ステップS102)。単語距離が算出された単語の組み合わせに対して、図3Cに示した近接度テーブルのレコードに同一の単語の組み合わせが含まれるか否かが判断される(ステップS103)。より詳細には、同一の処理期間内で以前に同一の単語の組み合わせに対して単語距離が算出されたか否かが判別される。ステップS102で単語距離が算出された単語の組み合わせと一致する単語の組み合わせを有するレコードが近接度テーブルに作成されている場合、算出された単語距離がこのレコードに記述された単語距離の値に加算され、このレコードに記述された共起度の値が1だけ加算される(ステップS104)。
【0035】
ステップS102で単語距離が算出された単語の組み合わせと一致する単語の組み合わせを有するレコードが近接度テーブルに作成されていない場合、この単語の組み合わせに対して、単語距離を算出された単語距離として、及び共起度を1としてレコードが追加される(ステップS105)。
【0036】
次に、近接度テーブルの各レコードにおいて、単語距離を共起度で除算して近接度が算出され(ステップS106)、ステップS101からステップS105で解析処理されたテキストデータがクロールデータ解析テーブルから削除される(ステップS107)。クローラ21により収集されたテキストデータには、前述したように、夫々個別の解析履歴IDが付与されており、図4のステップS101からステップS106で示される手順は、同一解析履歴IDを有するテキストデータ毎に実行される。
【0037】
続いて、同一参照元単語が記述された図3Cに示した近接度テーブルのレコードから、近接度が小さい順に参照先単語が抽出され(ステップS108)、抽出された参照先単語が参照元単語の近接キーワードとして、参照元単語に関連付けられて近接キーワードテーブルに記述され(ステップS109)、近接キーワードテーブル26Aが更新される。
【0038】
このように、サイト解析部20では、複数のWEBページから収集したテキストデータが解析され、テキストデータ内で近接して配置される単語同士を関連付けられて近接キーワードテーブル26Aに記述される。
【0039】
図5は、予算シミュレーション部30の概略構成を機能ブロックで示している。予算シミュレーション部30は、図5に示されるように、広告を出稿する際に指定する入札キーワードの候補を設定する入札キーワード候補設定部31、入札キーワード候補を格納する入札キーワード候補記憶部32、及び格納された入札キーワード候補に対して広告を出稿するための予算シミュレーションを実行するシミュレーション実行部33を備えている。また、予算シミュレーション部30は、近接キーワードテーブル26Aに格納された単語を表示する表示画面及び予算シミュレーション結果画面等の各種画面を表示装置に表示するための表示部34、並びに入力装置からの入力を受け付ける入力受付部35を備えている。
【0040】
入札キーワード候補設定部31は、図1に示したユーザ端末13の入力装置からユーザ(広告主)によって入力された入札キーワード候補を入札キーワード候補記憶部32に格納する。入札キーワード候補設定部31には、入札キーワード候補を設定する複数の方法が用意されている。入札キーワード候補を設定する方法の一例として、入札キーワード候補設定部31は、参照テーブル記憶部26の近接キーワードテーブル26A及びカテゴリ分類キーワードテーブル26Bに記述されている単語をユーザ端末13の表示装置に表示させ、ユーザ(広告主)に対して入札キーワード候補を選定するように促す。また、入札キーワード候補を設定する方法の他の例として、入札キーワード候補設定部31は、ユーザにより指定されたURLのWEBページに通信ネットワークNWを介してアクセスし、このWEBページのテキストデータを解析してテキストデータに含まれる単語の出現回数を集計し、単語を出現回数順に並び替えて表示装置に一覧表示させ、ユーザ(広告主)に対して入札キーワード候補を選定するように促す。表示された単語がユーザにより入力装置で選定されると、選定された単語が入札キーワード候補として入札キーワード候補記憶部32に格納される。
【0041】
シミュレーション実行部33は、入札キーワード候補記憶部32に格納された入札キーワード候補をユーザ装置13の表示装置に表示させ、予算シミュレーションを実行するシミュレートワード(複数のキーワードの組み合わせを含む)をユーザに選定させる。さらに、シミュレーション部33は、選定されたシミュレートワードを入札キーワードに指定して広告を出稿する場合における広告予算情報を通信ネットワークNWを介して検索サイト11に問い合わせて受信し、選定されたシミュレートワードに対する広告予算情報をユーザ端末13の表示装置に表示させる。
【0042】
このように、予算シミュレーション部30では、入力されたキーワードで近接キーワードテーブル26Aの参照元単語が参照され、入力されたキーワードに関連した近接キーワードが近接キーワードテーブル26Aから抽出されて表示装置に表示される。ユーザは、表示された近接キーワードを参照して検索連動型広告に使用する入札キーワード候補(複数のキーワードの組み合わせを含む)を決定し、決定した入札キーワード候補を入札キーワードに指定して広告を出稿するのに必要になる費用を見積もることができる。
【0043】
尚、広告支援システム10は、上述した例に示されるような通信ネットワークNWを介して接続されたユーザ端末13から利用される場合に限らず、ユーザにより直接操作されてもよい。
【0044】
次に、図6から図8を参照して、入札キーワード候補設定部31において入札キーワード候補を設定する方法を説明する。
【0045】
図6は、入札キーワード候補を選定する方法の一例として、入力されたキーワードに関連する近接キーワードを表示する近接キーワード表示画面を示している。この近接キーワード表示画面は、図6に示されるように、キーワードを入力するためのキーワード入力部53を有している。キーワード入力部53にキーワードが入力されると、入力されたキーワードで近接キーワードテーブル26Aの参照元単語が参照され、この参照元単語で特定される参照先単語のうち所定数(例えば、4つ)の参照先単語が抽出され、入力されたキーワードの近接キーワードとして近接キーワード表示部51に表示される。近接キーワード表示部51では、入力されたキーワードとその近接キーワードとがラインで結合されて示されている。
【0046】
近接キーワードテーブル26Aには、参照先単語を近接キーワードとして抽出するための抽出範囲が設定されている。近接キーワード表示部51に4つの近接キーワードが表示される例では、4以上の参照先単語、例えば、第10から第20の参照先単語が抽出範囲に設定される。近接キーワード表示部に表示される近接キーワードの数を越えて抽出範囲が設定される場合、例えば、近接キーワード画面に表示される近接キーワードの数が4に設定され、抽出範囲に5以上の参照先単語が設定される場合、設定された抽出範囲から4つの近接キーワードが任意に抽出される。
【0047】
尚、参照先単語の抽出範囲は、上記の例のように連続した範囲に設定される場合に限らず、例えば、第5から第10の参照先単語及び第15から第20の参照先単語のように、複数の範囲にわたって設定されてもよい。
【0048】
近接キーワード表示部51には、入力されたキーワードの近接キーワードとして所定数の第1の近接キーワードが近接キーワードテーブル26Aから抽出されて表示され、表示された第1の近接キーワードのいずれかがユーザ端末13の入力装置で選択される(例えば、マウスでダブルクリックされる)と、選択された第1の近接キーワードの近接キーワードとして所定数の第2の近接キーワードが抽出されて表示される。また、これら第2の近接キーワードのいずれかが選択されると、選択された第2の近接キーワードの近接キーワードとして所定数の第3の近接キーワードが抽出されて表示される。このように、近接キーワード表示部に表示されたキーワードが入力装置で選択されると、次々に近接キーワードが近接キーワードテーブル26Aから抽出されて表示される。図4に示される具体例では、キーワード入力部53にワードAが入力されると、近接キーワード表示部51にワードAの近接キーワードとしてワードB1からB4が表示され、ワードB1がユーザにより選択されると、「カラー」、「接続」及び「鮮やか」がワードB1の近接キーワードとして近接キーワード表示部51に表示される。
【0049】
また、近接キーワード表示画面には、抽出される近接キーワードの集計期間を指定するためのプルダウンメニュー52が設けられている。プルダウンメニュー52には、集計期間として、今月、先月及び今年等の期間メニューが用意されており、集計期間は、これら期間メニューから選択されて指定される。指定された集計期間で近接キーワードテーブル26Aの処理年月が参照され、指定された集計期間に作成されたレコード中から近接キーワードが抽出されて近接キーワード表示部51に表示される。
【0050】
さらに、近接キーワード表示画面には、入札キーワード候補記憶部32に格納された入札キーワード候補を表示する保存データ表示部55が設けられている。近接キーワード表示部51に表示されたキーワードがユーザによって入力装置で選択される(例えば、保存データ表示部55にドラッグ・アンド・ドロップ操作される)と、選択されたキーワードが入札キーワード候補として入札キーワード候補記憶部32に格納され、保存データ表示部55に表示される。
【0051】
また、近接キーワード表示画面には、後述する指定ページ解析処理で抽出された解析キーワードを一覧表示する指定ページキーワード表示部54が設けられている。近接キーワード表示画面では、キーワード入力部53に入力されるキーワードは、指定ページキーワード表示部54に表示される解析キーワード又は保存データ表示部55に表示されている入札キーワード候補から選択されてもよい。
【0052】
図6に示される近接キーワード表示画面では、入力されたキーワードに近接する第1の近接キーワードが提示され、第1の近接キーワードに近接する第2の近接キーワードが提示される。このように、入力されたキーワードを基点に次々に近接キーワードが提示されることから、入力キーワードと関連しているが、広告主が発想するに至らないようなキーワードが提示される。
【0053】
図7は、入札キーワード候補を選定する方法の他の例として、複数のキーワードをティッカー表示するワードティッカー表示画面を示している。ワードティッカー表示画面のティッカー表示部63には、図7に示されるように、複数のキーワードが図中の右から左に所定の速度で流れるように次々に表示される。表示されるキーワードの文字の大きさ及び色は、その時々で任意に決定されるように設定される。ティッカー表示部63に表示されるキーワードの中からユーザが関心を持ったキーワードがユーザ装置13の入力装置で選択されると、選択されたキーワードが入札キーワード候補として入札キーワード記憶部32に格納されて保存データ表示部55に表示される。
【0054】
このティッカー表示による入札キーワード選定方法には、3つのモード、即ち、フリーモード、集計期間モード、及びカテゴリモードが用意されており、ティッカー表示画面には、集計期間モード及びカテゴリモードを指定するための2つのプルダウンメニュー61及び62が設けられている。集計期間は、今月、先月及び今年等の予め設定されたプルダウンメニュー61の期間メニューから選択されて指定され、カテゴリは、電気製品、自動車及び旅行等の予め設定されたプルダウンメニュー62のカテゴリメニューから選択されて指定される。
【0055】
集計期間及びカテゴリを指定しないフリーモードでは、近接キーワードテーブル26Aの参照元単語が任意に抽出され、抽出されたキーワードがティッカー表示部63にティッカー表示される。集計期間モードでは、指定された集計期間に従って、近接キーワードテーブル26Aから参照元単語が抽出されてティッカー表示部63にティッカー表示される。また、カテゴリモードでは、指定されたカテゴリに従って、カテゴリ分類キーワードテーブル26Aから単語が抽出されてティッカー表示部63にティッカー表示される。指定期間モード及びカテゴリモードは、同時に選択されてもよい。
【0056】
図8A及び図8Bは、入札キーワード候補を選定する方法のさらに他の例として、指定されたWEBページを解析する指定ページ解析画面及び指定ページ解析結果画面を示している。指定ページ解析画面は、図8Aに示されるように、URLを入力するためのURL入力部71を有している。URL入力部71にURLが入力されると、入札キーワード候補設定部31は、入力されたURLで特定されるWEBページにアクセスしてこのWEBページに含まれるテキストデータを受信する。受信されたテキストデータは、入札キーワード候補選定部31でテキストデータが形態素解析処理されて単語に分割され、各単語は、その品詞を判別される。テキストデータ内で連続して出現する名詞は、結合され、複合名詞が作成される。続いて、所定の品詞(例えば、名詞、動詞及び形容詞)以外の品詞に判別された単語が削除され、残りの単語のうち各単語がWEBページ内に出現する回数が集計され、出現回数の多い順に並び替えられ、図8Bに示されるように、指定されたWEBページに含まれる単語が解析キーワードとして指定ページ解析結果画面に一覧表示される。
【0057】
ユーザは、指定したWEBページを解析した結果を指定ページ解析結果画面で確認し、指定ページ解析結果画面のチェック欄に入力装置でフラグを立てて表示された解析キーワードを選択し、選択した単語を入札キーワード候補として入札キーワード候補記憶部32に格納することができる。指定ページ解析結果画面に一覧表示された単語は、図6に示した近接キーワード表示画面の解析キーワード表示部54に表示される。
【0058】
図8Aに示した指定ページ解析画面において、URL入力部にURLを入力するとともに解析名入力部72に解析名が入力されると、入力された解析名で指定ページ解析の解析結果が保存される。ユーザは、図8Aに示した指定ページ解析画面のチェック欄にフラグを立てることで保存されている解析結果を、図8Bに示した指定ページ解析結果画面に表示させることができ、また、図8Aに示した指定ページ解析画面のチェック欄に複数のフラグを立てることで、複数の解析結果を同時に図8Bに示した指定ページ解析結果画面に表示させることができる。
【0059】
図8A及び図8Bに示される入札キーワード候補を選定する方法では、例えば、指定ページ解析するWEBページとして出稿する広告のランディングページ(広告のリンク先のWEBページ)が指定され、出向する広告に関連するキーワードが抽出される。このような出稿する広告に関連するキーワードに対して、図6に示したように、近接キーワードを表示させることで、ユーザは、出稿する広告に関連する好適な入札キーワードの候補を選定することができる。
【0060】
図6から図8Bを参照して説明したように、入札キーワード候補設定部31では、検索連動型広告で使用するためのキーワードが様々な方法でユーザに対して提示される。これにより、ユーザは、出稿する広告に関連するが、自分では発想するに至らなかったキーワードを見つけることができ、広告のタイトル及び説明文を作成する際の発想を広げることができる。
【0061】
図9A、図9B及び図9Cを参照して、予算シミュレーションを実行する入札キーワードを選定する方法を説明する。図9Aは、入札キーワード候補記憶部32に保存された入札キーワード候補を参照してシミュレート条件を設定するための第1のシミュレート条件設定画面を示し、図9Bは、指定ページ解析の解析結果を参照してシミュレート条件を設定するための第2のシミュレート条件設定画面を示している。また、図9Cは、図9Aで設定された入札キーワード候補と図9Bで設定された入札キーワード候補とを掛け合わせてシミュレート条件を設定するための第3のシミュレーション画面を示している。図9Aに示されるように、第1のシミュレート条件設定画面において、ユーザは、保存データ一覧表示部81に表示された入札キーワード候補から、チェック欄にフラグを立てることで入札キーワード候補を、予算シミュレーションするシミュレートワードに選定することができる。選定されたシミュレートワードは、条件設定表示部82に表示される。
【0062】
また、図9Bに示されるように、第2のシミュレート条件設定画面において、ユーザは、解析結果一覧表示部84に表示された解析キーワードから、チェック欄にフラグを立てることで解析キーワードをシミュレートワードに選定することができる。選定されたシミュレートワードは、同様に、条件設定表示部82に表示される。
【0063】
さらに、図9Cに示されるように、第3のシミュレート条件設定画面において、掛け合わせキーワード表示部85に示されている図9A及び図9Bのシミュレート条件設定画面で選定されたシミュレートワードを掛け合わせてシミュレートワードを作成することができる。作成されたシミュレートワードは、同様にキーワード条件表示部82に表示される。
【0064】
シミュレーション実行部33では、図9Aから図9Cで示したシミュレート条件設定画面で設定されたシミュレートワード(複数のキーワードの組み合わせを含む)に対して、広告を出稿するための予算シミュレーションが実行される。予算シミュレーションを実行する際に、図9Aから図9Cに示される上限クリック単価入力部83に値が入力されると、図10に示されるシミュレーション結果には、予想上限クリック単価が入力された値を超えないシミュレーション結果のみが表示される。
【0065】
図10は、予算シミュレーションを実行した実行結果が表示されたシミュレーション結果画面を示している。図10に示されるように、シミュレーション結果画面には、選定したシミュレートワード毎に、広告予算情報、例えば、予想平均クリック単価、予想掲載順位、1日当たりの予想クリック数、及び1日当たりの予想費用合計が表示される。図10のシミュレーション結果画面において、ユーザは、チェック欄にフラグを立てたシミュレートキーワードに対して再度予算シミュレーションすることができ、また、上限クリック単価83に値を入力した後に再度予算シミュレーションすることができる。
【0066】
図11は、予算シミュレーションを実行する手順の一例を概略的に示している。入札キーワード候補設定部31は、図11に示されるように、図8Aに示した指定ページ解析画面をユーザ端末13の表示装置に表示させ(ステップS201)、ユーザに対してURL入力部に解析すべきWEBページのURLを入力するように促す。ユーザにより入力装置からURLがURL入力部に入力指定されると、入札キーワード候補設定部31は、指定されたURLで特定されるWEBページに含まれるテキストデータを解析し(ステップS202)、図6Bに示した指定ページ解析結果画面に解析結果を表示させる(ステップS203)。解析結果として一覧表示された単語からいくつかの単語がユーザにより選定されると、選定された単語が入札キーワード候補として保存される(ステップS204)。
【0067】
次に、入札キーワード候補設定部31は、図5に示したワードティッカー表示画面をユーザ端末13の表示装置に表示させる(ステップS205)。ティッカー表示されるキーワードがユーザによって選定されると、入札キーワード候補設定部31は、ステップS204と同様に、選定されたキーワードを入札キーワード候補として保存する(ステップS206)。
【0068】
続いて、入札キーワード候補設定部31は、図6に示した近接キーワード表示画面を表示する(ステップS207)。保存データ表示部55に表示された入札キーワード候補、又は指定ページキーワード表示部54に表示された解析キーワードがユーザにより選択される、或いは、キーワード入力部53にキーワードがユーザにより入力されると、入札キーワード候補設定部31は、近接キーワードテーブル26Aを参照して、選択された解析キーワード又は入札キーワード候補、或いは、入力されたキーワードに関連した近接キーワードを近接キーワード表示画面に表示する(ステップS208)。近接キーワード表示画面に表示された近接キーワードがユーザにより選定されると、ステップS204と同様に、入札キーワード候補設定部31は、選定されたキーワードを入札キーワード候補として保存する(ステップS209)。
【0069】
次に、シミュレーション実行部33は、入札キーワード候補記憶部32に保存された入札キーワード候補、及び解析結果に含まれる解析キーワードをシミュレート条件設定画面に表示し(ステップS210)、予算シミュレーションを実行する対象となるキーワードを選択するように促す。具体的には、シミュレーション実行部33は、図9A及び図9Bに示した第1及び第2のシミュレート条件設定画面を順次表示させて予算シミュレーションを実行するシミュレートワードを選定させる。また、シミュレーション実行部31は、図9Cに示したシミュレート条件設定画面を表示させ、ユーザからの入力に従って、第1及び第2のシミュレート条件設定画面で選定されたシミュレートキーワードの掛け合わせ処理を実行する。シミュレートワードが決定されると、シミュレーション実行部33は、シミュレートワードに対して予算シミュレーションを実行し(ステップS211)、予算シミュレーション結果を表示画面に表示する(ステップS212)。
【0070】
以上のように、広告支援システム10においては、複数のWEBページからテキストデータが収集され、テキストデータ内で近接して配置される単語同士が関連づけられて近接キーワードテーブル(参照テーブル)26Aに記述される。また、出稿する広告のランディングページが解析され、ランディングページに含まれる解析キーワードが抽出される。広告支援システム10では、広告を出稿するランディングページに含まれる解析キーワードで近接キーワードテーブル26Aが参照され、この解析キーワードを基に近接キーワードが広告主に提示される。これにより、広告主に対して、広告を入札する際に指定するのに好適なキーワードを提示することができる。
【符号の説明】
【0071】
10…広告支援システム、11…検索サイト、12…WEBサイト、13…ユーザ端末、20…サイト解析部、21…クローラ、22…テキストデータ記憶部、23…テキストデータ解析部、24…解析データ記憶部、25…近接キーワードテーブル作成部、26…参照テーブル記憶部、26A…近接キーワードテーブル、26B…カテゴリ分類キーワードテーブル、30…予算シミュレーション部、31…入札キーワード候補設定部、32…入札キーワード候補記憶部、33…シミュレーション実行部、34…表示部、35…入力受付部、51…近接キーワード表示部、52,61,62…プルダウンメニュー、53…キーワード入力部、54…指定ページキーワード表示部、55…保存データ表示部、63…ティッカー表示部、71…URL入力部、72…解析名入力部、81…保存データ一覧表示部、82…条件設定表示部、83…上限クリック単価入力部、84…解析結果一覧表示部、85…掛け合わせキーワード表示部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のWEBページから第1のテキストデータを収集するテキストデータ収集部と、
前記第1のテキストデータを複数の単語に分割し、前記第1のテキストデータ内での2つの単語間の距離に基づいて、第1の単語及び第2の単語間の距離が近接して配置される度合を示す近接度を算出するテキストデータ解析部と、
前記算出された近接度に応じて前記第1の単語に前記第2の単語を関連づけ、前記第1の単語を参照元単語として、及び前記第2の単語を参照先単語として参照テーブルに記述する参照テーブル作成部と、
前記参照テーブルを記憶する記憶部と、
入力装置から入力される入力キーワード及びURLを受け付けるための入力受付部と、
前記入力装置で入力される前記入力キーワードで前記参照テーブルの前記参照元単語を参照し、前記参照元単語で特定される前記参照先単語の中から所定数の前記参照先単語を抽出して参照キーワードとして表示させる第1の参照キーワード表示手段であって、
前記表示された参照キーワードが前記入力装置で選択された場合には、当該選択された参照キーワードで前記参照テーブルの前記参照元単語を参照し、前記参照元単語で特定される前記参照先単語の中から所定数の前記参照先単語を抽出して前記参照キーワードとして表示させる第1の参照キーワード表示手段と、
前記入力装置で入力される前記URLで特定されるWEBページに含まれる第2のテキストデータを単語に分解し、当該単語が前記第2のテキストデータ内に含まれる数とともに前記単語を参照キーワードとして表示させる第2の参照キーワード表示手段と、
前記参照テーブルの前記参照元単語を前記参照キーワードとしてティッカー表示させる第3の参照キーワード表示手段と、
前記参照キーワードを表示するための表示装置と、
を具備することを特徴とする広告支援システム。
【請求項2】
前記第2の単語は、前記近接度に従って順位を付けられて前記参照先単語として前記参照テーブルに格納され、前記参照テーブルには、前記第1の参照キーワード表示手段が前記参照キーワードを抽出するための抽出範囲が前記順位に対応して設定されており、前記第1の参照キーワード表示手段は、当該抽出範囲に含まれる前記参照先単語中から前記所定数の参照先単語を抽出することを特徴とする請求項1に記載の広告支援システム。
【請求項3】
前記入力装置で入力される前記入力キーワードは、前記第2の参照キーワード表示手段により表示された前記参照キーワードから選定されることを特徴とする請求項1に記載の広告支援システム。
【請求項4】
前記表示部に表示された前記参照キーワードを使用して検索サイトに検索連動型広告を出稿するための予算をシミュレーションする予算シミュレーション実行部をさらに具備することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の広告支援システム。
【請求項5】
複数のWEBページから第1のテキストデータを収集するテキストデータ収集部と、
前記第1のテキストデータを複数の単語に分割し、前記第1のテキストデータ内での2つの単語間の距離に基づいて、第1の単語及び第2の単語間の距離が近接して配置される度合を示す近接度を算出するテキストデータ解析部と、
前記算出された近接度に応じて前記第1の単語に前記第2の単語を関連づけ、前記第1の単語を参照元単語として、及び前記第2の単語を参照先単語として参照テーブルに記述する参照テーブル作成部と、
前記参照テーブルを記憶する記憶部と、
入力装置から入力される入力キーワード及びURLを受け付けるための入力受付部と、
参照キーワードを表示するための表示装置と、を備え、
前記入力装置で入力される前記入力キーワードで前記参照テーブルの前記参照元単語を参照し、前記参照元単語で特定される前記参照先単語の中から所定数の前記参照先単語を抽出して前記参照キーワードとして表示させ、前記表示された参照キーワードが前記入力装置で選択された場合には、当該選択された参照キーワードで前記参照テーブルの前記参照元単語を参照し、前記参照元単語で特定される前記参照先単語の中から所定数の前記参照先単語を抽出して前記参照キーワードとして表示させる第1の参照キーワード表示ステップと、
前記入力装置で入力される前記URLで特定されるWEBページに含まれる第2のテキストデータを単語に分解し、当該単語が前記第2のテキストデータ内に含まれる数とともに前記単語を参照キーワードとして表示させる第2の参照キーワード表示ステップと、
前記参照テーブルの前記参照元単語を前記参照キーワードとしてティッカー表示させる第3の参照キーワード表示ステップと、
を備えたことを特徴とする広告支援方法。
【請求項1】
複数のWEBページから第1のテキストデータを収集するテキストデータ収集部と、
前記第1のテキストデータを複数の単語に分割し、前記第1のテキストデータ内での2つの単語間の距離に基づいて、第1の単語及び第2の単語間の距離が近接して配置される度合を示す近接度を算出するテキストデータ解析部と、
前記算出された近接度に応じて前記第1の単語に前記第2の単語を関連づけ、前記第1の単語を参照元単語として、及び前記第2の単語を参照先単語として参照テーブルに記述する参照テーブル作成部と、
前記参照テーブルを記憶する記憶部と、
入力装置から入力される入力キーワード及びURLを受け付けるための入力受付部と、
前記入力装置で入力される前記入力キーワードで前記参照テーブルの前記参照元単語を参照し、前記参照元単語で特定される前記参照先単語の中から所定数の前記参照先単語を抽出して参照キーワードとして表示させる第1の参照キーワード表示手段であって、
前記表示された参照キーワードが前記入力装置で選択された場合には、当該選択された参照キーワードで前記参照テーブルの前記参照元単語を参照し、前記参照元単語で特定される前記参照先単語の中から所定数の前記参照先単語を抽出して前記参照キーワードとして表示させる第1の参照キーワード表示手段と、
前記入力装置で入力される前記URLで特定されるWEBページに含まれる第2のテキストデータを単語に分解し、当該単語が前記第2のテキストデータ内に含まれる数とともに前記単語を参照キーワードとして表示させる第2の参照キーワード表示手段と、
前記参照テーブルの前記参照元単語を前記参照キーワードとしてティッカー表示させる第3の参照キーワード表示手段と、
前記参照キーワードを表示するための表示装置と、
を具備することを特徴とする広告支援システム。
【請求項2】
前記第2の単語は、前記近接度に従って順位を付けられて前記参照先単語として前記参照テーブルに格納され、前記参照テーブルには、前記第1の参照キーワード表示手段が前記参照キーワードを抽出するための抽出範囲が前記順位に対応して設定されており、前記第1の参照キーワード表示手段は、当該抽出範囲に含まれる前記参照先単語中から前記所定数の参照先単語を抽出することを特徴とする請求項1に記載の広告支援システム。
【請求項3】
前記入力装置で入力される前記入力キーワードは、前記第2の参照キーワード表示手段により表示された前記参照キーワードから選定されることを特徴とする請求項1に記載の広告支援システム。
【請求項4】
前記表示部に表示された前記参照キーワードを使用して検索サイトに検索連動型広告を出稿するための予算をシミュレーションする予算シミュレーション実行部をさらに具備することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の広告支援システム。
【請求項5】
複数のWEBページから第1のテキストデータを収集するテキストデータ収集部と、
前記第1のテキストデータを複数の単語に分割し、前記第1のテキストデータ内での2つの単語間の距離に基づいて、第1の単語及び第2の単語間の距離が近接して配置される度合を示す近接度を算出するテキストデータ解析部と、
前記算出された近接度に応じて前記第1の単語に前記第2の単語を関連づけ、前記第1の単語を参照元単語として、及び前記第2の単語を参照先単語として参照テーブルに記述する参照テーブル作成部と、
前記参照テーブルを記憶する記憶部と、
入力装置から入力される入力キーワード及びURLを受け付けるための入力受付部と、
参照キーワードを表示するための表示装置と、を備え、
前記入力装置で入力される前記入力キーワードで前記参照テーブルの前記参照元単語を参照し、前記参照元単語で特定される前記参照先単語の中から所定数の前記参照先単語を抽出して前記参照キーワードとして表示させ、前記表示された参照キーワードが前記入力装置で選択された場合には、当該選択された参照キーワードで前記参照テーブルの前記参照元単語を参照し、前記参照元単語で特定される前記参照先単語の中から所定数の前記参照先単語を抽出して前記参照キーワードとして表示させる第1の参照キーワード表示ステップと、
前記入力装置で入力される前記URLで特定されるWEBページに含まれる第2のテキストデータを単語に分解し、当該単語が前記第2のテキストデータ内に含まれる数とともに前記単語を参照キーワードとして表示させる第2の参照キーワード表示ステップと、
前記参照テーブルの前記参照元単語を前記参照キーワードとしてティッカー表示させる第3の参照キーワード表示ステップと、
を備えたことを特徴とする広告支援方法。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−267001(P2010−267001A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−116631(P2009−116631)
【出願日】平成21年5月13日(2009.5.13)
【出願人】(500453821)デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社 (10)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月13日(2009.5.13)
【出願人】(500453821)デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社 (10)
【Fターム(参考)】
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