説明

広告表示装置、システム、方法及びプログラム

【課題】 広告を閲覧する者の興味を引く広告情報を表示することのできる広告表示装置を提供する。
【解決手段】 広告表示装置は路線バスに設置され、後部に配置された表示部18に広告情報を表示する。広告記憶部12は、後続車両がレンタカーであるか、登録地が同じであるか否かを示す車両種別情報に対応づけて広告情報を記憶する。路線バスの後部に設けられた撮像部19は、後続部車両のナンバープレートを含む被写体を撮影する。画像解析部20は、ナンバープレート部分の画像を解析して、後続車両がレンタカーであるか否か、登録地が同じか否かを検出する。広告抽出部17は、画像解析部20での検査結果に応じて、観光用の広告と地元住民用の広告のいずれかを表示部18に出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、路線バス等の車両や看板等に広告情報を表示する広告表示装置、システム、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
路線バス等の車両に液晶パネル等の表示装置を設け、この表示装置に広告情報を表示する広告システムが公知である。この広告システムでは、広告管理サーバにおいて、広告配信希望時間を含む広告情報を広告依頼者から受信して蓄積し、前記配信希望時間に広告管理サーバから無線通信手段を介して路線バスへ広告情報を送信することで、広告情報を車両に表示することができる。
【0003】
また、特許文献1記載の移動広告システムでは、GPS受信機を用いて移動中の車両の現在位置を特定するとともに、車両の現在位置に応じて割り当てられた広告映像を表示する技術が開示されている。これによれば、広告主の施設の付近を走行する車両に当該施設の広告情報を表示することで、効果的な宣伝広告を行うことができる。
【特許文献1】特開2003−241698号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1に記載のシステムによれば、表示すべき広告情報は予め割り当てられている。すなわち、広告を閲覧するユーザにとって興味のない広告情報が表示されていたとしても、同じ広告が表示され続けてしまうことから、広告としての効果を十分に発揮することができなかった。
【0005】
また、従来の広告表示システムによれば、広告情報が示す施設の名称は表示されるものの、当該施設の方向を示す情報は表示されなかった。このため、バスの乗客が車内広告に興味を示したとしても、最寄りの停留所からどの方向に行けば良いかが分からず、顧客を集客するという広告の効果を十分に発揮することができなかった。
【0006】
本発明は、従来の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、広告の閲覧する利用者の興味を引く広告情報を表示することにより、広告の効果を十分に発揮することのできる広告表示装置を提供することにある。
【0007】
また、本発明の別の目的は、広告を閲覧する利用者が、広告主の施設の所在を容易に識別することのできる広告表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の広告表示装置は、広告対象車両の種別を示す車両種別情報と対応づけて広告情報を記憶する広告情報記憶部と、前記広告対象車両を撮像する撮像部と、前記撮像部で撮像した画像情報を解析して、前記車両種別情報を検出する車両解析部と、検出された前記車両種別情報に対応する前記広告情報を、前記広告情報記憶部より抽出する広告抽出部と、前記広告情報を表示するために前記広告表示車両の外面に設けられた表示部とを備えたことを特徴とする。
【0009】
この構成により、広告対象車両の種別に応じた広告情報が抽出されるので、広告対象車両の乗員が関心をもつ広告情報を表示することが可能となる。よって、広告の効果を十分に発揮することができる。
【0010】
本発明の広告表示装置において、車両種別情報は、前記広告対象車両がレンタカーであるか否かを示す情報、または前記広告対象車両の登録地に関する情報であり、前記撮像部は前記広告対象車両のナンバープレートを含む被写体を撮像し、前記車両解析部は、前記ナンバープレートに記された文字情報を解析して前記車両種別情報を検出することを特徴とする。
【0011】
一般に、旅行者はレンタカーを利用するか、マイカーの場合には地元ではない登録地の車両を利用していると考えられる。本発明の構成により、レンタカーの場合や地元ではない登録地の広告対象車両に対して、例えば観光用の広告を表示するといった制御が可能となり、広告の効果を十分に発揮することができる。
【0012】
本発明の広告表示装置において、広告情報記憶部は、前記広告対象車両の乗員の年齢層及び/または性別を示す情報を、前記広告情報と対応づけて記憶し、前記撮像部は、前記広告対象車両の乗員の顔部分を含む被写体を撮像し、前記車両解析部は、前記顔部分の画像情報から前記乗員の年齢層及び/または性別を検出し、前記広告抽出部は、検出された前記乗員の年齢層及び/または性別に対応する前記広告情報を抽出することを特徴とする。
【0013】
この構成により、乗員の年齢層や性別に応じて、表示すべき広告を決定することができるので、乗員の興味にあった広告を表示することが可能となる。
【0014】
本発明の広告表示装置において、撮像部は前記広告対象車両の乗員の顔部分を含む被写体を撮像し、前記車両解析部は、前記顔部分の画像情報から前記乗員の視線方向を示す視線情報を検出し、前記広告抽出部は、前記視線情報に基づいて、前記乗員の前記視線方向に前記表示部が含まれるか否かを判定するとともに、乗員の視線が前記表示部が外れた場合には、前記表示部に表示する前記広告情報を変更することを特徴とする。
【0015】
この構成により、広告対象車両の乗員が広告情報を見ていない場合には、広告の内容を切り替えることができるので、乗員の興味に合った広告を表示することが可能となる。
【0016】
撮像部及び前記表示部は、前記広告表示車両の後部に配置されることが好ましい。
【0017】
本発明の広告表示装置は、広告対象車両の種別を示す車両種別情報に対応づけて、前記広告情報を記憶する広告情報記憶部と、前記広告対象車両との間でデータを送受信する通信部と、前記通信部を介して、前記広告対象車両の前記車両種別情報を取得する車両種別情報取得部と、前記車両種別情報に対応する前記広告情報を、前記広告情報記憶部より抽出する広告抽出部と、前記広告情報を表示するために、前記広告表示車両の外面に設けられた表示部とを備えたことを特徴とする。この構成によっても、前記本発明の効果が好適に得られる。
【0018】
本発明の広告表示装置において、広告情報記憶部は、広告主の施設の位置を示す施設位置情報を前記広告情報と対応づけて記憶し、前記車両の位置を示す車両位置情報を検出する車両位置検出部と、前記車両の進行方向を検出する進行方向検出部と、前記車両位置情報及び前記施設位置情報から前記施設の方向を示す方向情報を算出する方向算出部と、前記方向情報と前記広告表示車両の進行方向とに基づいて、前記施設の方向を指し示す指示情報を決定する指示方向決定部とを備え、前記表示部は前記広告情報とともに前記指示情報を表示することを特徴とする。
【0019】
この構成により、広告主の施設の方向を示す指示情報が、広告情報とともに表示されるので、広告対象車両の乗員は施設の所在を容易に識別することができる。
【0020】
本発明の広告表示装置において、指示情報は、前記広告主への方向を矢印で示した図形情報であることを特徴とする。
【0021】
この構成により、広告対象車両の乗員が施設の方向を容易に識別することができる。
【0022】
本発明の広告表示装置において、車両位置情報と前記店舗位置情報とに基づいて、前記車両と前記店舗との距離を示す距離情報を算出する距離算出部を備え、前記表示部は、前記距離情報に応じて前記指示情報の表示態様を変更することを特徴とする。
【0023】
この構成により、広告対象車両の乗員は施設が近づいていることを容易に認識することができる。
【0024】
本発明の広告表示装置において、広告表示車両は路線バスであることが好ましい。
【0025】
本発明の別の態様としての広告表示システムは、広告表示車両に搭載され、前記広告表示車両の周囲に位置する広告対象車両に対して広告情報を表示する広告表示装置と、前記広告情報を前記広告表示装置に送信する広告配信サーバから構成され、前記広告配信サーバは、前記広告対象車両の種別を示す車両種別情報と対応づけて前記広告情報を記憶する記憶部と、前記広告情報及び前記車両種別情報を送信する送信部とを備え、前記広告表示装置は、前記広告情報及び前記車両種別情報を受信する受信部と、前記広告情報及び前記車両種別情報を記憶する広告情報記憶部と、前記広告対象車両を撮像する撮像部と、前記撮像部で撮像した画像情報を解析して、前記車両種別情報を検出する車両解析部と、検出された前記車両種別情報に対応する前記広告情報を、前記広告情報記憶部より抽出する広告抽出部と、前記広告情報を表示するために、前記広告表示車両の外面に設けられた表示部とを備えたことを特徴とする。この構成によっても、上記の本発明の効果が好適に得られる。
【0026】
本発明の広告表示システムにおいて、前記広告表示装置は、前記表示部にて表示した広告と、前記広告を表示したときに前記車両解析部による解析によって得た前記広告対象車両のナンバープレートの情報とを広告の閲覧履歴として前記広告配信サーバに送信する送信部を備え、前記広告配信サーバは、前記広告表示装置から送信された前記閲覧履歴を受信する受信部と、前記閲覧履歴を記憶する閲覧履歴記憶部とを備えてもよい。
【0027】
この構成により、広告配信サーバに広告の閲覧履歴が蓄えられるので閲覧履歴を利用して、広告対象車両の乗員に合った広告を表示することが可能となる。例えば、閲覧履歴を参照して、乗員に対して過去に提示済みの広告であるかどうかを判定し、毎回異なる広告を表示することが可能となる。
【0028】
本発明の広告表示システムにおいて、前記広告表示装置の車両解析部は、前記顔部分の画像情報から広告対象車両の乗員の視線方向を示す視線情報を検出し、検出した前記視線情報から前記乗員が前記広告を注視した注視時間を検知し、前記広告表示装置の送信部は、前記閲覧履歴に前記注視時間を含めて送信してもよい。
【0029】
この構成により、注視時間から広告対象車両の乗員の興味を求めることができるので、乗員に合った広告を表示することが可能となる。例えば、過去に乗員が興味を持った広告のジャンルと同じジャンルの広告を表示する等の処理が可能となる。
【0030】
本発明の広告表示システムにおいて、前記広告配信サーバは、広告主から送信される広告結果の要求信号に応じて、前記閲覧履歴記憶部に記憶された閲覧履歴のうち、前記広告主が提供した広告の閲覧履歴に関するデータを前記広告主に送信する送信部を備えてもよい。
【0031】
このように閲覧履歴を広告主にフィードバックすることにより、広告主は、広告が効果的であったか否かを判断することが可能となる。
【0032】
本発明の別の態様としての広告表示方法は、広告対象車両の種別を示す車両種別情報と対応づけて前記広告情報を記憶し、前記広告対象車両を撮像し、撮像により得られる画像情報を解析して、前記車両種別情報を検出し、検出された前記車両種別情報に対応する前記広告情報を抽出し、前記広告表示車両の外面に設けられた表示部に前記広告情報を表示することを特徴とする。この構成によっても、上記の本発明の効果が好適に得られる。
【0033】
本発明の別の態様としての広告表示プログラムは、コンピュータに対し、前記広告対象車両の種別を示す車両種別情報と対応づけて前記広告情報を記憶部に記憶するステップと、撮像により得られた前記広告対象車両の画像情報を取得するステップと、前記画像情報を解析して、前記車両種別情報を検出するステップと、検出された前記車両種別情報に対応する前記広告情報を記憶部から抽出するステップと、抽出された前記広告情報を表示するために、前記広告表示車両の外面に設けられた表示部に前記広告情報を送信するステップとを実行させることを特徴とする。この構成によっても、上記の本発明の効果が好適に得られる。
【発明の効果】
【0034】
上記のように、本発明は、広告対象車両の種別に応じた広告情報が抽出されるので、広告対象車両の乗員が関心をもつ広告情報を表示することができるという優れた効果を奏する。
【0035】
また、本発明は、広告主の施設位置情報と、車両位置情報とに基づき、広告主の施設の方向を示す指示情報を広告情報とともに表示したので、広告対象車両の乗員が施設の方向を容易に識別することができるという優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、本発明の実施の形態の広告表示装置について、図面を参照して説明する。図1は、第1の実施の形態に係る広告表示装置の構成を示すブロック図である。広告表示装置10は、バス等の路線車両25(図2参照)に搭載される。広告表示装置10は、図示しないCPU、ROM、RAM、記憶装置及びこれらを接続するデータバス等を有するコンピュータを含んで構成され、ROMに書き込まれたプログラムに従って、CPUが演算処理を実行することにより、広告情報を後続車両26に対して表示出力するものである。
【0037】
図1において、広告表示装置10は、広告情報を入力するための無線通信部11及び広告記憶部12を備える。無線通信部11は、公知の無線通信ネットワーク13を介して広告配信サーバ14と接続され、広告内容を示す広告データを受信する。広告記憶部12は、ハードディスクやフラッシュメモリ等のストレージデバイスであり、広告配信サーバ14から送信される広告データを保存する。
【0038】
図3は、広告記憶部12に記録された広告データの一例を示す図である。広告データには広告内容、施設の緯度及び経度、広告停留所などの情報とともに、車両種別情報が含まれる。施設の経度及び緯度を示す施設位置情報は、広告配信サーバ14が、住所情報から緯度及び経度情報を出力する公知の位置情報サーバ(図示せず)にアクセスすることで取得することができる。
【0039】
また、車両種別情報は、広告を表示する対象としての後続車両26がレンタカーであるか、広告主の施設を含む地域と同じ登録地で登録された車両であるか否かを示す情報である。図3に示す例では、広告主の施設を含む登録地が品川の例を示している。従って、車両種別としては品川(登録地が同じ)か品川以外(登録地が異なる)かが記憶されている。この車両種別情報は、広告主が広告の注文時に入力しても良いし、広告配信サーバ14において広告内容を示すテキストデータを解析して自動的に生成しても良い。
【0040】
例えば、ID「01」に対応する広告データには、広告内容として、「○○パン屋情報 胚芽ブレッド 焼きたて時間13時 ××停留所から徒歩1分」のテキスト情報及びパンの絵柄を示す画像情報が含まれる。また、ID「01」の車両種別情報として、施設(品川)と同じ登録地で登録された車両に対する広告であることを示す「登録地:品川」の情報が含まれる。
【0041】
また、ID「02」に対応する広告データには、広告内容として「××旅館 リニューアルオープン 懐石付きプラン」のテキスト情報及び画像情報が含まれ、車両種別情報として、レンタカーに対する広告であることを示す「レンタカー」、施設を含む地域の登録地とは異なる場所で自動車登録された車両に対する広告であることを示す「登録地:品川以外」の情報が含まれる。なお、ここでは、登録地によって車両種別を区別し、ローカル向けの広告か否かを判定しているが、ローカル向け広告か否かを判定は、例えば、車両の登録地と同一の県内か、県外かという基準で行ってもよいし、行政区域とは異なる適切な大きさの範囲を設定し、その範囲を基準に判定してもよい。
【0042】
図1において、広告表示装置10は、設置された路線車両で広告情報を表示するために、車両位置検出部16、広告抽出部17及び表示部18を備える。車両位置検出部16は、例えばGPS衛星から所定時間毎にGPS信号を受信して、路線車両25の経度情報及び緯度情報を含む車両位置情報を取得するGPSセンサを備える。さらに、車両位置検出部16は、図示しない速度センサ及び地図データを備えており、GPSセンサによる検出が行われない期間に路線車両25が走行することによって生じる、車両位置情報の誤差を補正するとともに、例えば次に到着する停留所を示す停留所情報を検出する。車両位置検出部16により検出された車両位置情報及び停留所情報は、広告抽出部17及び画像解析部20に送られる。
【0043】
広告抽出部17は、広告記憶部12から広告データを読み出すとともに、広告内容を示すテキスト及び画像をレイアウト情報に従って表示部18に出力するものである。広告抽出部17は、図示しないタイマから出力された現在時刻が、広告データに含まれる広告希望時間帯に含まれ、かつ、車両位置検出部16からの停留所情報が広告データ内の広告希望停留所情報と一致する広告データを広告記憶部12から読み出す。
【0044】
表示部18は、LCDパネル、有機ELパネル、電子ペーパーといった薄型の表示デバイスであり、路線車両25の後部に配置されている。表示部18は、広告抽出部17から出力されたテキスト及び画像を、レイアウトデータに基づいてマッピングすることにより表示用画像データを生成し、後続車両26に対して広告情報を表示する。
【0045】
広告表示装置10は、撮像部19及び画像解析部20を備える。撮像部19は、路線車両25の後部に配置されるCCDカメラ又はCMOSカメラであり、例えば駐車場のバックモニタカメラが用いられる。撮像部19は、後続車両26のナンバープレート及び運転手を含む前側部分を撮像し、その被写体像に対応する画像データを生成して画像解析部20に出力する。
【0046】
画像解析部20は、撮像部19から出力された画像データに対して、所定のパターンマッチングの手法を用いることで、後部車両26のナンバープレート27(図4参照)の画像を切り出し、この切り出された部分の画像に対して文字認識処理を施すことで、ナンバープレート27に刻印された登録番号を検出する。検出された登録番号情報は、後続車両26がレンタカーであるか、登録地が施設を含む地域の登録地と異なるか否か(すなわち、後続車両26の車両種別情報)を決定する際に用いられる。また、特開2009−15478号公報に記載のように、露光量を変えて撮像した2つの画像に基づいて、ナンバープレートの番号を検出しても良い。
【0047】
さらに、画像解析部20は、撮像部19から出力された画像データに対して、所定のエッジ検出を施すことで、後部車両26の運転手28及び同乗者29の顔部分の画像(図4参照)を検出するとともに、所定のパターンマッチングを施すことで、当該顔部分の向き及び瞳孔部分の位置を検出し、運転手28及び同乗者29の視線を検出する。画像解析部20により検出された視線情報は広告抽出部17に送られ、表示部18に表示すべき広告情報を変更するか否かの判断に用いられる。
【0048】
次に、広告配信サーバ14について説明する。広告配信サーバ14は、図示しないCPU、ROM、RAM、記憶装置及びこれらを接続するデータバス等によって構成されるコンピュータであり、広告主15の店舗、営業所といった施設の宣伝文句を示すテキスト及び画像を、無線通信又は有線通信を介して広告主15より受信して保存する。また、広告配信サーバ14は、広告表示装置10での表示制御のために必要な各種データを前記テキスト及び画像のデータに付加して広告データを生成し、無線通信ネットワーク13を介して広告データを広告表示装置10へ送信する。
【0049】
ここで、広告データに付加される各種データには、施設名称、施設住所、広告のテキスト及び画像の表示態様を示すレイアウト情報、広告希望時間帯、広告希望停留所、車両種別といったデータを含む。これらのデータは、広告主15が図示しない入力端末を操作することで、広告配信サーバ14に送信される。
【0050】
広告配信サーバ14は、管理する各路線車両の運行スケジュールのデータを有しており、広告データに含まれる広告希望時間帯に、広告希望停留所を通過する予定の路線車両を検索し、検索された路線車両に対応する広告データを広告表示装置10に送信する。広告表示装置10は、受信した広告データを広告記憶部12に記録する。
【0051】
上記構成による広告表示装置10の動作について、図5のフローチャートを用いて説明する。広告主15は、施設の広告内容を示すテキスト及び画像とともに、施設名称、施設住所、広告のテキスト及び画像の表示態様を示すレイアウト情報、広告希望時間帯、広告希望停留所名、車両種別情報といった情報を入力し、広告配信サーバ14に送信する。
【0052】
広告配信サーバ14は、施設住所情報に基づいて施設の緯度及び経度情報から構成される施設位置情報を取得するとともに、広告内容を示すテキスト及び画像に、車両種別情報及び施設位置情報を含む各種データを付加して広告データを生成する。そして、広告配信サーバ14は、広告希望時間帯に広告希望停留所を走行する予定の路線車両25を抽出し、当該路線車両に広告データを送信する。路線車両25に搭載された広告表示装置10は、広告配信サーバ14から広告データを受信すると、これを広告記憶部12に保存する(S11)。
【0053】
広告表示装置10の車両位置検出部16は、路線車両25の現在位置情報を検出し、これを広告抽出部17に送る(S12)。この現在位置情報は、表示すべき広告を決定する際に用いられる。
【0054】
広告表示装置10の撮像部19は、後続車両26のナンバープレート27を含む被写体を撮像し、生成された画像データを画像解析部20に送る(S13)。画像解析部20では、ナンバープレート27に刻印された文字を解析して、ナンバーの平仮名表示および登録地を解析する(S14)。ナンバープレート27の平仮名表示が「わ」「れ」である場合、後続車両26がレンタカーであることを意味するため、画像解析部20は、後続車両26の車両種別が「レンタカー」であると判定できる。
【0055】
次に、広告抽出部17は、車両位置とナンバーの情報とに基づいて広告データを読み出す(S15)。広告抽出部17は、車両位置の最寄りの停留所に対応付けられた広告であって、かつ、広告対象車両のナンバーの情報(平仮名表示、登録地)と車両種別が合致する広告を抽出する。広告抽出部17は、最寄りの停留所を、車両位置と広告記憶部12に記憶された経度、緯度のデータに基づいて判定する。ナンバープレートの平仮名表示の情報から広告対象車両がレンタカーの場合には、車両種別がレンタカーの広告を抽出する。広告対象車両がレンタカーでない場合には、ナンバープレートの登録地に応じて広告を抽出する。
【0056】
広告抽出部17は、広告データに含まれる画像、テキスト、レイアウト情報を示すデータを表示部18に出力する。表示部18は、レイアウトデータに基づき広告用の画像及びテキストを表示する(S18)。図6は、表示部18に広告情報30が表示された例を示す説明図である。表示部18には、「○○パン屋」の広告テキスト及び画像からなる広告情報30が表示される。
【0057】
広告が表示されると、広告表示装置10は、撮影部19を駆動して、後続車両46の運転手28及び同乗者29の顔部分を含む被写体を撮影し、得られた画像データを画像解析部20に送る(S19)。画像解析部20では、後続車両26内の人物の視線方向を検出することにより、当該人物が広告情報を閲覧しているか否かを判定する(S20)。
【0058】
広告抽出部17は、後続車両26内の人物28,29が表示部18で表示された広告情報を閲覧していると判定された場合は、その人物は現在表示されている広告情報に興味があると判断し、同じ広告情報を継続して表示する。一方、後続車両26内の人物が表示部18に表示された広告情報を閲覧していないと判定された場合は、広告抽出部17は、その人物は広告情報に興味がないと判断し、現在時刻及び車両位置情報と対応する広告データを、広告記憶部12より抽出して、表示部18に広告情報を表示する。
【0059】
上記実施形態によれば、車両のタイプに応じて、表示すべき広告内容を決定するので、例えば車両の乗員が観光客の場合には観光用の広告を表示することができるから、乗員が関心のある広告を表示することができる。また、後部車両内の人物が広告情報を閲覧しているか否かに基づいて広告表示を切り替えることができるので、乗員が関心のある広告を長時間表示することができ、広告効果を高めることができる。
【0060】
図7は、本発明の第2の実施形態に係る広告表示装置の構成を示すブロック図である。広告表示装置40は、無線通信部11、広告記憶部12、車両位置検出部16、表示部18、撮像部19、画像解析部20、進行方向検出部41及び広告抽出部42を備える。
【0061】
進行方向検出部42は、例えばヨーレートセンサや操舵角センサが用いられ、路線車両25の進行方向を検出して、進行方向情報を広告抽出部41へ送る。
【0062】
広告抽出部42は、方向算出部43、指示方向決定部44及び距離算出部45を備える。方向算出部43は、車両位置検出部16からの車両位置情報と、広告データ内の施設位置情報とが入力され、各々の経度情報と緯度情報の差分を算出することにより、路線車両25を基準とした施設の方向を示す施設方向情報を検出する。指示方向決定部44は、施設方向情報と進行方向情報に基づいて、路線車両の進行方向に対する、施設の方向を示す指示方向を決定する。指示方向としては、例えば均等に分割された8方向のいずれかの方向を適用することができる。
【0063】
広告抽出部42は、施設への方向を示す矢印の図形データ(例えば、8方向を表示するための図形データ)を有しており、施設の指示方向に対応する図形データを抽出し、これを表示部18へ送る。
【0064】
距離算出部45は、車両位置情報と施設位置情報の経度・緯度情報の差分に基づいて路線車両から施設までの距離を算出し、距離情報として出力する。そして、表示部18は、距離算出部45からの距離情報に基づき、矢印図形の表示態様を変更する。
【0065】
以下、第2の実施形態にかかる広告表示装置40の動作について、図8のフローチャートを用いて説明する。第2の実施形態の広告表示装置40の基本的な動作は、第1の実施形態と同じであり、広告データを受信してから(S11)、広告データを読み出すまでは(S15)、第1の実施形態の広告表示装置40と同じように動作する。
【0066】
広告抽出部42によって広告データが読み出されると、進行方向検出部41によって路線車両25の進行方向が検出される(S21)。そして、方向算出部43が施設位置情報と車両位置情報とに基づいて施設の方向情報を算出する。その後、指示方向決定部44は、路線車両25の位置を基準とした施設の方向を検出し、この施設方向情報と路線車両の進行方向情報から、路線車両の方向を指し示す指示方向を決定する(S22)。
【0067】
次に、距離算出部45は、車両位置情報と施設位置情報とに基づき、路線車両25と施設との距離を算出する(S23)。
【0068】
広告抽出部42は、広告データに含まれる画像、テキスト、レイアウト情報、指示方向情報及び距離情報を示すデータを表示部18に出力する。表示部18は、レイアウト情報に従って広告用の画像及びテキストを配置するとともに、指示方向情報及び距離情報に応じた矢印の図形を表示する(S24)。
【0069】
図9は、表示部18に広告情報30と方向情報31とが表示された例を示す説明図である。表示部18の左側には、広告テキスト及び画像からなる広告情報30が表示され、表示部18の右側には、付近の停留所からの概ねの距離を示した位置情報とともに、広告主である施設の方向を示した方向情報31が表示される。図9の例では、方向情報31は、「○○パン屋」が路線車両25の進行方向に対して右前方の位置にあることを示している。これにより、広告を見た者は広告の施設がどの方向に位置するのかを視覚的に認識することができる。
【0070】
図10は、表示部18に方向情報31が表示された別の例を示す説明図である。広告主である施設と路線車両との距離が近い場合には、方向情報31を示す矢印が濃い色で表示される。あるいは、方向情報31を示す矢印を点滅表示させても良い。これにより、広告を見た者は、施設が近づいていることを容易に認識することができる。
【0071】
上記第1及び第2の実施形態では、後続車両のナンバープレートの情報に基づいて表示すべき広告を設定しているが、本発明はこれに限定されることはない。例えば、画像解析部20において後続車両26の運転手28または同乗者29の顔画像を解析して年齢層及び/または性別を検出し、広告抽出部17が当該年齢層及び/または性別に合った広告情報を抽出することで、運転手28または同乗者29の好みにあった広告を表示することができる。
【0072】
ここで、人物の顔画像から年代・性別を検出する方法としては、例えば、肌色情報から首部分を含めた顔領域を検出し、顔領域における皺及び目、鼻及び口の輪郭を検出して顔画像を正規化し、垂直方向及び水平方向の累積ヒストグラムを求めて特徴データを生成し、これを予め設けられた顔画像データベースと比較することで、検出することができる。
【0073】
上記第1及び第2の実施形態では、路線車両25の後部にある後続車両26に対して広告情報を表示しているが、本発明はこれに限定されることはない。例えば、表示部18と撮像部19とを路線車両の側面に設けてもよく、これにより路線車両25の側方にある車両に対して、当該車両の車両種別に応じた広告情報を表示することができる。
【0074】
上記第1及び第2の実施形態では、撮像で得られたナンバープレートの画像を解析して、ナンバープレートの情報を取得しているが、本発明はこれに限定されることはなく、例えば、車両ナンバーその他の情報を記録したマイクロチップを、広告対象車両のナンバープレートあるいはフロントガラスに取り付け、路線車両と広告対象車両との間でデータ通信を行うことによりナンバープレートの情報を取得しても良い。
【0075】
例えば、図11に示すように、広告表示装置35に、車車間通信部36と広告抽出部37を備える。車車間通信部36は、広告対象車両との間で車車間通信を確立してデータの送受信を行う。広告抽出部37に備えられた車両情報取得部38は、車車間通信部36を介して、広告対象車両のナンバープレートの情報を取得し、広告対象車両の車両種別を判定する。これにより、路線車両25は、撮像を行うことなく、側方または後方にある広告対象車両からナンバープレートの情報を取得することができる。
【0076】
なお、車車間通信の方式としては、無線通信でメッセージを送信する方式、ヘッドランプやテールランプ等の光源からの可視光にパルス信号を重畳させてメッセージを送信する可視光通信などの公知の通信方式を適用することができる。また、通信対象である広告対象車両の方向を検出する方法としては、例えば、図示しないレーダ装置から発せられたミリ波の反射波を検出する方法を適用することができる。
【0077】
さらに、本発明は、車両間で直接データ通信を行う車車間通信に限られることはなく、道路上に設置されたインフラ機器(例えば信号機に設置された無線基地局)との間でデータ通信を行う路車間通信により、車両間でデータ通信を行うように構成しても良い。
【0078】
上記第1及び第2の実施形態では、ナンバープレートの情報に基づき、観光用広告と地元住民用広告のいずれかを表示しているが、本発明はこれに限定されることはない。例えば、ナンバープレートの情報や車体前部の撮像画像より車種を特定し、その車種のグレードに応じて広告内容を決定しても良い。
【0079】
また、表示部18に広告情報のみを表示するのではなく、例えば路線車両25の前方の画像を表示しても良い。例えば、路線車両25の運転手が、停留所での停車のためにウインカーを操作した場合に、路線車両25の前方の画像を表示することにより、後続車両26の運転手は、路線車両25の前方の状況を容易に確認することができる。
【0080】
図12は、本発明の第3の実施形態にかかる広告表示装置50の構成を示すブロック図である。広告表示装置50は、無線通信部11、広告記憶部12、車両位置検出部16、進行方向検出部41、広告抽出部42及び表示部51を備える。
【0081】
表示部51は、路線車両の運転席の背部、座席の背部または窓の上部に取りつけられ、広告抽出部41により抽出された施設の広告情報を、当該施設の方向を示す指示情報とともに表示する。
【0082】
上記構成による広告表示装置50の動作について、図13のフローチャートを用いて説明する。路線車両に搭載された広告表示装置50は、広告配信サーバ14から広告データを受信すると、これを広告記憶部12に保存する(S31)。広告抽出部42は、図示しないタイマ及び車両位置検出部16からの時間情報及び車両位置情報に基づき、広告希望時間に一致する時間帯に、路線車両が広告希望停留所に向けて走行していることが検出されたときに、対応する広告データを広告記憶部12から読み出す(S32)。
【0083】
広告データが読み出された後、車両位置検出部16は車両の現在位置を検出し、車両位置情報として広告抽出部42に出力する(S33)。進行方向検出部41によって路線車両25の進行方向が検出されると(S34)、方向検出部43が施設位置情報と車両位置情報とに基づいて施設の方向情報を算出する。その後、指示方向検出部43は、路線車両25の位置を基準とした施設の方向を検出し、この施設方向情報と路線車両の進行方向情報から、路線車両の方向を指し示す指示方向を決定する(S35)。
【0084】
次に、距離算出部44は、車両位置情報と施設位置情報とに基づき、路線車両25と施設との距離を算出する(S36)。
【0085】
広告抽出部42は、広告データに含まれる画像、テキスト、レイアウト情報、指示方向情報及び距離情報を示すデータを表示部51に出力する。表示部51は、レイアウト情報に従って広告用の画像及びテキストを配置するとともに、方向情報及び距離情報に応じた矢印を表示する(S37)。
【0086】
広告情報を表示した後、広告抽出部42は、車両位置情報と広告データ内の広告希望停留所情報に基づき、路線車両が広告を希望する停留所を通過したか否かを検出する(S38)。路線バスが最寄りの停留所を通過したと判定された場合には、ステップS31に戻り、広告抽出部42は広告記憶部12から別の広告データを抽出して新しい広告情報を表示部51に表示する。停留所を通過していないと判定された場合は、ステップS32に戻り、同じ広告情報を表示する。
【0087】
上記実施形態では、表示部51を路線車両の内部に配置しているが、表示部51を路線車両の外側に配置しても良い。これにより、路線車両の付近にいる歩行者に対して矢印による方向情報とともに広告情報を表示することができるから、当該歩行者が施設の方向を容易に識別することができる。
【0088】
図14は、本発明の第4の実施の形態の広告表示システムの構成を示すブロック図である。第4の広告表示システムにおいて、広告表示装置60の基本的な構成は、第1の実施の形態の広告表示装置10と同じである。ただし、広告表示装置60は、広告抽出部17にて抽出した広告の情報と、画像解析部20にて検知した後方車両のナンバーの情報および後方車両の乗員がその広告を注視した注視時間の情報を、無線通信部11を通じて広告配信サーバ14に送信する。以下、この情報を広告の「閲覧履歴」という。なお、閲覧履歴には、広告を表示した日時の情報を含めてもよい。
【0089】
広告配信サーバ14は、広告表示装置60および広告主端末24と通信するための無線通信部21と、広告を記憶した広告記憶部22と、広告の閲覧履歴を記憶した閲覧履歴記憶部23と、閲覧履歴を加工して広告結果を生成する広告結果生成部32と、広告結果を記憶する広告結果記憶部33とを有している。広告記憶部22に記憶される広告データは、基本的には、広告表示装置60の広告記憶部12に記憶されるデータと同じである。広告配信サーバ14は、複数の広告表示装置60から送信されてくる閲覧履歴を受信し、閲覧履歴記憶部23に記憶する。
【0090】
図15は、閲覧履歴記憶部23に記憶されたデータの例を示す図である。閲覧履歴記憶部23には、広告対象車両を特定するナンバーと、表示した広告IDと、その広告主を特定する広告主IDと、広告のジャンルと、注視時間と、判定結果を記憶している。判定結果は、車両の乗員が興味を持ったか否かの判定結果を示し、本実施の形態では、注視時間が1秒以上の場合に、興味を持ったとの判定結果(図14で「○」と記載)、注視時間が1秒未満の場合に、興味を持たなかったとの判定結果(図14で「×」と記載)が記憶されている。
【0091】
このように閲覧履歴記憶部23に閲覧履歴を記憶することにより、(1)乗員の嗜好に合った広告を表示することができると共に、(2)広告が閲覧されたか否かの広告結果を広告主にフィードバックすることができる。以下、順に説明する。
【0092】
広告表示装置60は、表示する広告を抽出する際に後方車両のナンバーを取得したら、ナンバーの情報を広告配信サーバ14に送信し、そのナンバーの車両の乗員が興味を持っているジャンルを問い合わせる。広告表示装置60は、広告表示装置60から送信されたナンバーを受信すると、そのナンバーに対応する閲覧履歴の中から、判定結果が「○」であったジャンルを読み出す。そして、広告配信サーバ14は、そのジャンルのデータを広告表示装置60に送信する。広告表示装置14は、受信したジャンルに該当する広告を表示する。ただし、後方車両のナンバーがレンタカーであることを示す「わ」ナンバーまたは「れ」ナンバーである場合には、乗員が一定しないので、この処理は行わない。
【0093】
次に、広告結果のフィードバックについて説明する。広告結果生成部32は、閲覧履歴を加工して広告の閲覧状況を示す統計データを生成する。図16は、広告結果の一例を示す図である。図15では、各広告について、車両の登録地ごとの閲覧状況を分析した例を示している。図15において、「登録地」は広告対象車両の登録地を示し、「閲覧状況」は、乗員が広告に興味を持った割合を示している。例えば、登録地が「北海道」の車両に対して広告IDが「01」の広告を表示したところ、6台の車両のうち3台の車両の乗員が興味を持ったことが分かる。同様に、「青森」ナンバーでは、12台のうち10台、「秋田」ナンバーでは15台のうち3台が興味を持ったことが分かる。このような広告結果を生成することにより、どの地域の乗員に興味を持たれたかを把握することができる。
【0094】
広告結果生成部32は、生成した広告結果を広告結果記憶部33に記憶する。広告主15が広告主端末24から広告配信サーバ14に対して、広告結果を問い合わせ要求が送信すると、広告配信サーバ14は、問い合わせのあった広告主のIDに対応する広告結果を広告結果記憶部33から読み出し、広告主端末24に送信する。このように広告結果を受け取ることにより、広告主15は、どの広告が効果的であったのかを知ることができる。
【0095】
なお、本実施の形態において、広告表示装置60は、車両のナンバーだけではなく、乗員の性別や年代の情報を広告配信サーバ14に送信してもよい。これにより、広告配信サーバ14は、広告結果生成部32は、広告を見た乗員の性別、年代の情報に基づいて広告結果を生成することができる。これにより、広告主15は、自らがターゲットとした年齢層に広告が閲覧されているか等、より詳細な分析を行うことが可能となる。
【0096】
なお、本実施の形態では、広告結果生成部32にて生成した広告結果を広告主端末に送信する例について説明しているが、閲覧履歴記憶部23から、広告主に対応する閲覧履歴を読み出して閲覧履歴自体を広告主端末24に送信することとしてもよい。これにより、広告主15は、閲覧履歴を加工して所望の分析結果を得ることができる。
【0097】
以上に本発明の好適な実施の形態を説明した。しかし、本発明は上述の実施の形態に限定されず、当業者が本発明の範囲内で上述の実施の形態を変形可能なことはもちろんである。
【0098】
上記した実施の形態では、ローカル用の広告を表示するか否かを判定するために、広告対象車両の登録地が、広告主の施設を含む地域の登録地と一致するか否かによって判定することとしたが、例えば、広告対象車両の登録地と、現在走行中の地域の登録地とを比較することによって判定することとしてもよい。この場合、広告表示装置は、車両の現在位置から現在位置を含む地域の登録地を求める登録地算出部を有する。
【産業上の利用可能性】
【0099】
以上のように、本発明にかかる広告表示装置は、広告対象車両の種別に応じた広告情報を抽出することにより、広告対象車両の乗員が関心を持つ広告情報を表示することができるという効果を奏し、例えば路線バス用の広告表示装置として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】第1の実施形態に係る広告表示装置の構成を示すブロック図
【図2】路線車両が後続車両の前側部分を撮像する様子を示す説明図
【図3】広告データの一例を示す説明図
【図4】後続車両の前側部分を示す平面図
【図5】広告表示装置の動作を示すフローチャート
【図6】広告情報の表示例を示す説明図
【図7】第2の実施形態に係る広告表示装置の構成を示すブロック図
【図8】広告表示装置の動作を示すフローチャート
【図9】広告情報の表示例を示す説明図
【図10】広告情報の別の表示例を示す説明図
【図11】広告表示装置の別の構成を示すブロック図
【図12】第3の実施形態に係る広告表示装置の構成を示すブロック図
【図13】広告表示装置の動作を示すフローチャート
【図14】第4の実施形態に係る広告表示システムの構成を示すブロック図
【図15】閲覧履歴記憶部に記憶されたデータの一例を示す図
【図16】広告結果記憶部に記憶されたデータの一例を示す図
【符号の説明】
【0101】
10、35、40、50 広告表示装置
12 広告記憶部
14 広告配信サーバ
16 車両位置検出部
17、37、42 広告抽出部
18、51 表示部
19 撮像部
20 画像解析部
21 無線通信部
22 広告記憶部
23 閲覧履歴記憶部
24 広告主端末
25 路線車両
26 後続車両
27 ナンバープレート
32 広告結果生成部
33 広告結果記憶部
36 車車間通信部
38 車両情報取得部
41 進行方向検出部
43 方向算出部
44 指示方向決定部
45 距離算出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
広告表示車両に搭載され、前記広告表示車両の周囲に位置する広告対象車両に対して広告情報を表示する広告表示装置において、
前記広告対象車両の種別を示す車両種別情報に対応づけて、前記広告情報を記憶する広告情報記憶部と、
前記広告対象車両を撮像する撮像部と、
前記撮像部で撮像した画像情報を解析して、前記車両種別情報を検出する車両解析部と、
検出された前記車両種別情報に対応する前記広告情報を、前記広告情報記憶部より抽出する広告抽出部と、
前記広告情報を表示するために、前記広告表示車両の外面に設けられた表示部とを備えたことを特徴とする広告表示装置。
【請求項2】
前記車両種別情報は、前記広告対象車両がレンタカーであるか否かを示す情報、または前記広告対象車両の登録地に関する情報であり、
前記撮像部は、前記広告対象車両のナンバープレートを含む被写体を撮像し、
前記車両解析部は、前記ナンバープレートに記された文字情報を解析して、前記車両種別情報を検出することを特徴とする請求項1記載の広告表示装置。
【請求項3】
前記広告情報記憶部は、前記広告対象車両の乗員の年齢層及び/または性別を示す情報を対応づけて前記広告情報を記憶し、
前記撮像部は、前記広告対象車両の乗員の顔部分を含む被写体を撮像し、
前記車両解析部は、前記顔部分の画像情報から前記乗員の年齢層及び/または性別を検出し、
前記広告抽出部は、検出された前記乗員の年齢層及び/または性別に対応する前記広告情報を抽出することを特徴とする、請求項1又は2記載の広告表示装置。
【請求項4】
前記撮像部は、前記広告対象車両の乗員の顔部分を含む被写体を撮像し、
前記車両解析部は、前記顔部分の画像情報から前記乗員の視線方向を示す視線情報を検出し、
前記広告抽出部は、前記視線情報に基づいて、前記乗員の前記視線方向に前記表示部が含まれるか否かを判定するとともに、乗員の視線が前記表示部から外れた場合には、前記表示部に表示する前記広告情報を変更することを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の広告表示装置。
【請求項5】
前記撮像部及び前記表示部は、前記広告表示車両の後部に配置されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の広告表示装置。
【請求項6】
広告表示車両に搭載され、前記広告表示車両の周囲に位置する広告対象車両に対して広告情報を表示する広告表示装置において、
前記広告対象車両の種別を示す車両種別情報に対応づけて、前記広告情報を記憶する広告情報記憶部と、
前記広告対象車両との間でデータを送受信する通信部と、
前記通信部を介して、前記広告対象車両の前記車両種別情報を取得する車両種別情報取得部と、
前記車両種別情報に対応する前記広告情報を、前記広告情報記憶部より抽出する広告抽出部と、
前記広告情報を表示するために、前記広告表示車両の外面に設けられた表示部とを備えたことを特徴とする広告表示装置。
【請求項7】
前記広告情報記憶部は、広告主の施設の位置を示す施設位置情報を前記広告情報と対応づけて記憶し、
前記広告表示車両の位置を示す車両位置情報を検出する車両位置検出部と、
前記広告表示車両の進行方向を検出する進行方向検出部と、
前記車両位置情報及び前記施設位置情報から前記施設の方向を示す方向情報を算出する方向算出部と、
前記方向情報と前記広告表示車両の進行方向とに基づいて、前記施設の方向を指し示す指示情報を決定する指示方向決定部とを備え、
前記表示部は、前記広告情報とともに前記指示情報を表示することを特徴とする請求項1〜6のいずれか記載の広告表示装置。
【請求項8】
前記指示情報は、前記広告主への方向を矢印で示した図形情報であることを特徴とする請求項7記載の広告表示装置。
【請求項9】
前記車両位置情報と前記施設位置情報とに基づいて、前記車両と前記施設との距離を示す距離情報を算出する距離算出部を備え、
前記表示部は、前記距離情報に応じて前記指示情報の表示態様を変更することを特徴とする請求項7または8記載の広告表示装置。
【請求項10】
前記広告表示車両は路線バスであることを特徴とする、請求項7〜9のいずれか記載の広告表示装置。
【請求項11】
広告情報を表示する広告表示車両に搭載される広告表示装置において、
広告主の施設の位置を示す施設位置情報を前記広告情報と対応づけて記憶する広告情報記憶部と、
前記広告表示車両の位置を示す車両位置情報を検出する車両位置検出部と、
前記広告表示車両の進行方向を検出する進行方向検出部と、
前記車両位置情報及び前記施設位置情報から前記施設の方向を示す方向情報を算出する方向算出部と、
前記方向情報と前記広告表示車両の進行方向とに基づいて、前記施設の方向を指し示す指示情報を決定する指示方向決定部と、
前記広告情報とともに前記指示情報を表示する表示部を備えたことを特徴とする広告表示装置。
【請求項12】
広告表示車両に搭載され、前記広告表示車両の周囲に位置する広告対象車両に対して広告情報を表示する広告表示装置と、前記広告情報を前記広告表示装置に送信する広告配信サーバから構成される広告表示システムにおいて、
前記広告配信サーバは、前記広告対象車両の種別を示す車両種別情報と対応づけて前記広告情報を記憶する記憶部と、前記広告情報及び前記車両種別情報を送信する送信部とを備え、
前記広告表示装置は、
前記広告情報及び前記車両種別情報を受信する受信部と、
前記広告情報及び前記車両種別情報を記憶する広告情報記憶部と、
前記広告対象車両を撮像する撮像部と、
前記撮像部で撮像した画像情報を解析して、前記車両種別情報を検出する車両解析部と、
検出された前記車両種別情報に対応する前記広告情報を、前記広告情報記憶部より抽出する広告抽出部と、
前記広告情報を表示するために、前記広告表示車両の外面に設けられた表示部とを備えたことを特徴とする広告表示システム。
【請求項13】
前記広告表示装置は、
前記表示部にて表示した広告と、前記広告を表示したときに前記車両解析部による解析によって得た前記広告対象車両のナンバープレートの情報とを広告の閲覧履歴として前記広告配信サーバに送信する送信部を備え、
前記広告配信サーバは、
前記広告表示装置から送信された前記閲覧履歴を受信する受信部と、
前記閲覧履歴を記憶する閲覧履歴記憶部と、を備える請求項12に記載の広告表示システム。
【請求項14】
前記広告表示装置の車両解析部は、前記顔部分の画像情報から広告対象車両の乗員の視線方向を示す視線情報を検出し、検出した前記視線情報から前記乗員が前記広告を注視した注視時間を検知し、
前記広告表示装置の送信部は、前記閲覧履歴に前記注視時間を含めて送信する請求項13に記載の広告表示システム。
【請求項15】
前記広告配信サーバは、広告主から送信される広告結果の要求信号に応じて、前記閲覧履歴記憶部に記憶された閲覧履歴のうち、前記広告主が提供した広告の閲覧履歴に関するデータを前記広告主に送信する送信部を備える請求項14に記載の広告表示システム。
【請求項16】
広告表示車両の周囲に位置する広告対象車両に対して、広告情報を表示する広告表示方法において、
前記広告対象車両の種別を示す車両種別情報に対応づけて、前記広告情報を記憶し、
前記広告対象車両を撮像し、
撮像により得られる画像情報を解析して、前記車両種別情報を検出し、
検出された前記車両種別情報に対応する前記広告情報を抽出し、
前記広告表示車両の外面に設けられた表示部に前記広告情報を表示することを特徴とする広告表示方法。
【請求項17】
広告表示車両の周囲に位置する広告対象車両に対して、広告情報を表示する広告表示プログラムであって、前記広告表示車両に搭載されるコンピュータに対し、
前記広告対象車両の種別を示す車両種別情報に対応づけて、前記広告情報を記憶部に記憶するステップと、
撮像により得られた前記広告対象車両の画像情報を取得するステップと、
前記画像情報を解析して、前記車両種別情報を検出するステップと、
検出された前記車両種別情報に対応する前記広告情報を記憶部から抽出するステップと、
抽出された前記広告情報を表示するために、前記広告表示車両の外面に設けられた表示部に前記広告情報を送信するステップとを実行させることを特徴とする広告表示プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−237411(P2010−237411A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−84740(P2009−84740)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(502324066)株式会社デンソーアイティーラボラトリ (332)