説明

広告配信装置及びプログラム

【課題】ユーザに負担を強いることなく、より直接的で訴求力を持った広告を配信する。
【解決手段】インターネットで接続された、契約先のサーバ装置で提供するサイトのリンクボタンが操作された際、それを操作したユーザ端末のディスプレイの画像サイズ情報を取得する画面サイズ取得工程(S105)と、所得した画像サイズに基づき、予め記憶した広告画像データを合致する画像サイズとなるように調整する画像調整工程(S106〜S107)と、調整した広告画像データをユーザ端末に送信し、ディスプレイ全面で表示させる送信工程(S108)と、送信から一定時間を計時する計時工程(S109)と、計時中にユーザ端末で画像にクリック操作された場合(S110)、ユーザ端末を広告主指定のサイトへリンクさせる第1のリンク工程(S112)と、計時中にユーザ端末でクリック操作がない場合、ユーザ端末をリンクボタンに対応したサイトへリンクさせる第2のリンク工程(S111)とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターネットのウェブページ上で広告を配信する広告配信装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近時、インターネットのウェブサイトが手軽に閲覧可能となっている環境下で、バナー広告と称するビジネス手法が多く取り入れられている。バナー広告では、ウェブページ上で他のウェブサイトを紹介する画像を表示し、当該画像をクリック操作することで、ハイパーリンク機能によりその画像が紹介するサイトを表示するようになる。このバナー広告に関する各種技術が提案されている。(例えば、特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−151375号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現状のインターネット検索サイト、ホームページ等では、画面中に複数のバナー広告が乱立すると、画面構成が煩雑となり、個々のバナー広告が埋没して却って広告効率が低下することになる。一般に、バナー広告を含む画像を見る回数(インプレッション回数)に対して、実際に画像中からそのバナー広告をユーザがクリックして広告主のサイトへとジャンプ(クリックスルー)する確率は0.05[%]とも言われており、ユーザ側の反応の低さから、ウェブでの広告の新しい形態が模索されている。
【0005】
また今後、デジタルテレビ放送やケーブルテレビなどの一般メディアとインターネットの融合が予測され、「画面編成権」の問題で同一画面でのバナー広告の表示ができない問題が起こりうる懸念がある。
【0006】
本発明は上記のような実情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、サイト運営者側あるいは広告主側が負荷や法的係争などの諸問題にとらわれることなく、ユーザに対して負担を強いることなしに、より直接的で訴求力を持った広告を配信することが可能な広告配信装置及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、広告画像データを記憶する画像記憶手段と、インターネットを介して接続された、契約先のサーバ装置で提供するウェブサイト上のリンクボタンが操作された際、当該リンクボタンを操作したユーザ端末側のブラウザの画像サイズ情報を取得する画面サイズ取得手段と、上記画像サイズ取得手段で所得した画像サイズに基づき、上記画像記憶手段で記憶する広告画像データを合致する画像サイズとなるように調整する画像調整手段と、上記画像調整手段で調整した広告画像データを上記ユーザ端末に送信してブラウザ画面全面で表示させる送信手段と、上記送信手段で広告画像データを送信してから一定時間を計時する計時手段と、上記計時手段で一定時間を計時している間に上記ユーザ端末側でブラウザ画面に対してクリック操作がなされた場合、上記ユーザ端末を上記広告画像データを提供している広告主の指定するウェブサイトへリンクさせる第1のリンク手段と、上記計時手段で一定時間を計時する間に上記ユーザ端末側でブラウザ画面に対してクリック操作がなされなかった場合、上記ユーザ端末を上記リンクボタンに対応したウェブサイトへリンクさせる第2のリンク手段とを具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ユーザに負担を強いるこなく、より直接的で訴求力を持った広告を配信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態に係るシステム全体の構成を示す図。
【図2】同実施形態に係る広告ページの設定処理の内容を示すフローチャート。
【図3】同実施形態に係る広告配信サーバ装置での基本的な処理内容を示すフローチャート。
【図4】同実施形態に係るポータルサイトの画像の一部を例示する図。
【図5】同実施形態に係るポータルサイト上のリンクボタンをクリックして表示される広告画像を例示する図。
【図6】同実施形態に係るポータルサイトからジャンプした先の画像の一部を例示する図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下本発明を広告配信サーバ装置に適用した場合の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0011】
図1は、同広告配信サーバ装置10を含む、インターネット環境全体のシステム構成を示す図である。この広告配信サーバ装置10を含んで、検索サービスを含むポータルサイトを提供するための企業が運営するサーバ装置(以下「ポータルサーバ装置」と称する)20、広告代理店が複数の会社から依頼を受けて運営するサイトのためのサーバ、あるいは広告用の静止画像あるいは動画像の画像データの提供主が主催するサーバ装置(以下「画像提供サーバ装置」と称する)30、上記ポータルサイトを利用しようとする1ユーザが所有するユーザ端末のパーソナルコンピュータ(以下「PC」と称する)40が、それぞれ相互にインターネットNを介して接続される。
【0012】
広告配信サーバ装置10は、複数の広告画像データと、その広告画像データをユーザ側のPCに提供するためのプログラムとを記憶している。
画像提供サーバ装置30は、広告主となる複数の会社等から依頼を受けて上記広告配信サーバ装置10に広告画像データの設定、登録を行なう。
【0013】
なお、上記各サーバ装置10,20,30、及びPC40の各ハードウェア構成については、いずれもきわめて一般的な内容であるために、それらの図示と説明とを共に省略する。
【0014】
次に本実施形態の動作について説明する。
本実施形態では、ユーザが操作するPC40のブラウザ上で、ポータルサーバ装置20で提供するポータルサイト中の1ジャンルへのリンクボタン、例えば「ニュース」ページへのリンクボタンをクリック操作した場合に、PC40を直接当該「ニュース」ページへリンクするのではなく、一旦広告配信サーバ装置10が提供する広告画像データをブラウザ画面全面を用いて一定時間だけ表示させた後、ユーザの操作通り上記「ニュース」ページへリンク可能とするものである。
【0015】
すなわち、ポータルサーバ装置20で提供するポータルサイト中の「ニュース」ページへのリンクボタンには、予め当該「ニュース」ページに関するURL(Uniform Resource Locator)ではなく、契約により広告配信サーバ装置10で提供したURLが記述されており、PC40側で同リンクボタンをクリック操作することにより、PC40が広告配信サーバ装置10と接続される。
【0016】
以下、まずその広告ページの設定に関する動作について説明する。
広告ページの設定動作自体は、画像提供サーバ装置30を運営する代理店のID情報を有するユーザが行なう。広告ページの設定には、広告リンクページ、広告詳細ページ、及び広告画像データが必要となる。
【0017】
ここで広告リンクページは、ポータルサイトなどのウェブページであり、対象となるリンクの内容(URL)が設定に必要となる。本実施形態では、上記「ニュース」ページが広告リンクページに該当する。
【0018】
広告詳細ページは、広告ページをクリックした場合に移動するウェブページであり、本実施形態では例えば広告代理店が運営する画像提供サーバ装置30内に用意する。
広告画像データは、上記広告ページで表示する画像であり、広告配信サーバ装置10に登録する。
【0019】
図2は、広告代理店が運営する画像提供サーバ装置30側のユーザが広告配信サーバ装置10に対してログインした場合に広告配信サーバ装置10側で広告サーバ装置30に対して実行する広告ページの設定内容を示す。
【0020】
その当初、画像提供サーバ装置30のユーザが広告配信サーバ装置10の運営するサイトにログインした場合、まず広告配信サーバ装置10の運営者から予め発行される管理者IDの情報の提示が求められ、それにより登録済みであるか否かが判断される(ステップP101)。
【0021】
ここで未登録であった場合には、代理店としての新規登録に必要な処理、広告主としての新規登録に必要な処理を順次行なって、代理店IDの情報、広告主IDの情報を取得する(ステップP102)。
【0022】
ここで取得した代理店ID、広告主で同管理サイトへ再度ログインするために、一旦同管理サイトからログアウトする。
【0023】
次いで、上記取得した代理店IDを用いて広告配信サーバ装置10の管理サイトに再度ログインして広告主からの要求に該当する広告データを入稿する(ステップP104)。
【0024】
この入稿時に必要な情報としては、例えば
・広告主代理店の各ID
・広告画像データ
・画像処理の種類
・広告主、代理店提供サイトのURL、及び
・広告掲載期間
がある。
【0025】
広告画像データに関しては、その画像の画素数構成とファイルサイズの上限及び下限のチェックを行なうと共に、広告として公序良俗に反しないかなど、モラル上のチェックを別途行なう必要がある。
【0026】
画像処理の種類としては、広告画像の内容によってアスペクト比を変えるのを禁止しての背景調整センター処理と、アスペクト比の変更を容認するストレッチ処理のいずれか一方を画像提供サーバ装置30側の選択により指定する。
【0027】
広告主、代理店提供サイトのURLは、画像提供サーバ装置30が用意する広告詳細ページのURLを記述する。
広告掲載期間は、例えば、月、週、日、時間等の単位で指定可能とする。
【0028】
上記入稿に必要な情報の指定を終えると、広告主、代理店に広告のサンプルを表示できる仮URLをメールで通知して、確認、載架を促す(ステップP105)。
【0029】
ここで、広告主、代理店側から確認、載架がなされたか否かを判断する(ステップP106)。載架されなかった場合には、上記直前のステップP104で入稿した広告の指定内容を修正するよう依頼した上で(ステップP107)、再び上記ステップP104からの処理に戻る。
【0030】
また上記ステップS106で広告主。代理店側からの載架が得られたと判断した場合には、新URLを発行する(ステップP108)。ここで新URLは、広告が表示される場所を示すもので、契約サイトが自サイトに広告を設定する場合には、このURLの後方に、本来の移動先URLを含めるようにする。
【0031】
そして、発行した新URLを契約サイトであるポータルサーバ装置20側にメールで通知する(ステップP109)。
【0032】
ポータルサーバ装置20の側では、広告を埋め込むリンクの記述を、新URLを含むものに加工または変更した上で、広告配信サーバ装置10の運営者に対して完了の通知メールを送信する。
【0033】
広告配信サーバ装置10側では、ポータルサーバ装置20から完了通知のメールが届くのを待機し(ステップP110)、当該メールを受け取った時点で直ちに広告ページの公開処理を行ない(ステップP111)、以上で広告ページの設定処理を完了する。
【0034】
なお、ポータルサーバ装置20の側では、任意の公開済み広告をオン/オフ設定することができるものとする。これは、広告配信サーバ装置10の確認を必要とせずに行なうことができるもので、こうすることにより、一旦設定した広告の内容を後に再利用可能となるものである。
【0035】
次に上記のようにして設定された広告ページを配信する場合の動作について説明する。
図3は、広告配信サーバ装置10で実行する広告画像データを含む一連の処理内容を示す。同処理は、広告配信サーバ装置10内において図示しないCPUがハードディスク装置から読出して実行するアプリケーションプログラムの一部を示す。
【0036】
その処理当所に広告配信サーバ装置10では、ポータルサーバ装置20で提供するポータルサイト中の「ニュース」ページへのリンクボタンがクリックされ、広告配信サーバ装置10に対するリンク要求がなされるのを待機する(ステップS101)。
【0037】
図4は、ポータルサーバ装置20が提供する、サイト名「Search Engine」なるポータルサイトを、PC40が予めインストールしているブラウザにより閲覧している状態を示す。
【0038】
同ポータルサイトでは、図示する如くさまざまなウェブページへのリンク集や、検索サービス、ニュースなどの各種情報サービスをサイト上で提供している。同図では「SEサービス」として紹介されているいくつかのリンク集のうち、「ニュース」へのリンクボタン位置にポインタPTを移動させた状態を示している。
【0039】
この状態でPC40により上記「ニュース」へのリンクボタンをクリック操作した場合、本来であればそのままポータルサーバ装置20が提供する「ニュース」のウェブページへと直接リンクされる
しかしながら、ポータルサーバ装置20では上記図2で示した設定により「ニュース」のリンクボタンのリンク先を広告配信サーバ装置10としており、PC40を使用するユーザは意図しないものの、PC40は広告配信サーバ装置10とリンクされる。
【0040】
図3において、ポータルサーバ装置20が提供するポータルサイト上でPC40により契約サイトへのリンクボタンがクリックされた場合、ポータルサーバ装置20を介して広告配信サーバ装置10では上記ステップS101でそのリンク要求を判断し、次にそのボタンをクリックしたユーザ側のPC40のIPアドレスを取得し、取得したIPアドレスを、短期的、例えば30[分]だけ記憶している、過去に広告画像データの配信を行なったIPアドレスのリストと照合して同一のIPアドレスがあるか否かにより、今回のリンクが、例えばユーザ側のブラウザの「戻る」「進む」等の操作により同一のPC40から再度指示されたものであるか否かを判断する(ステップS102)。
【0041】
ここで該当するIPアドレスが存在せず、ブラウザの「戻る」等の操作によるリンク指示ではないことを判断すると、あらためてリンク先のPC40のIPアドレスを短期記憶用のリストに登録し(ステップS103)、併せてこの広告配信サーバ装置10へのアクセス回数をカウントするカウンタの値を「+1」更新設定する(ステップS104)。
【0042】
このように、リンク元からではない「戻る」「進む」等の操作である場合、リンク要求に応じた表示を決して行なわないようにした点が本実施形態における大きな特徴となる。
【0043】
次いでリンク先のPC40から使用しているディスプレイ装置の画像サイズの情報を取得する(ステップS105)。
【0044】
取得したディスプレイ装置の画像サイズの情報に基づいて、この広告配信サーバ装置10側で上記入稿時に指定した画像処理の種類に応じて、モードの広告画像のアスペクト比を変えたくない場合には背景調整センター処理、アスペクト比を変えても良い場合にはストレッチ処理を選択し(ステップS106)、選択した画像処理によって取得したPC40のディスプレイ装置の画像サイズに合致するように調整する(ステップS107)。
【0045】
そして、画像サイズをPC40のディスプレイ装置に調整した広告画像データをPC40に対して送信し、PC40側のディスプレイ装置の画面全面を用いて表示させる(ステップS108)。
【0046】
図5は、このときPC40側のディスプレイ装置の画面全面で表示される広告ページでの広告画像を例示するものである。図示する如く画像中の一部で「自動広告:約3秒後に「SEニュースにジャンプします」のようなガイドメッセージを添付して表示することにより、ユーザの意図しない広告画像であっても、すぐに自動的にユーザの意図するサイトへジャンプすることを理解させることができる。
【0047】
なおこの広告画像表示時には、背景部分でハーフトーンの文字等により広告であることを知らしめるものとしても良い。これは、広告主が利用方法によって、例えば指名手配犯の写真であれば警視庁の独自性を背景部分に入れる、などの「広告以外の利用方法」の場合には意図して行なわずに機能をオフすることも可能であるものとする。
【0048】
このようにすることで、例えばポータルサーバ装置20のサイト運営者が例えばテレビ放送会社であった場合に、「アナウンサ」のボタンをクリックして当該アナウンサの一言メッセージを出し、あるいは番組名など広告目的外の利用を提供できる。
【0049】
この広告ページをPC40側で表示する時間に関しては、例えば0.1[秒]単位で任意に可変設定することが可能であるものとする。ユーザが煩わしく感じてしまうと逆効果であるので、広告代理人はユーザに負担を強いることがないと思われる範囲内で、広告主の意向を勘案して任意の時間を設定することになる。
【0050】
上記のように広告ページをユーザのPC40側で表示させた状態で広告配信サーバ装置10のCPUは計時を開始し、その経過時間が、予め設定された時間、例えば3[秒]となったか否かを判断する(ステップS109)。そして、まだ経過していないと判断すると、次にPC40側で表示中の広告ページに対してクリック操作がなされたか否かを判断する(ステップS110)。ここでクリック操作がなされていないと判断すると、再び上記ステップS109からの処理に戻る。
【0051】
こうしてステップS109,S110の処理を繰返し実行することにより、広告画像をユーザのPC40側で表示させながら、設定した時間が経過するか、あるいは表示中の広告画像に対してユーザ側でクリック操作がなされるのを待機する。
【0052】
しかして上記広告画像の表示中設定した時間が経過した場合、広告配信サーバ装置10のCPUは上記ステップS109でそれを判断し、本来のユーザ側での操作通り、契約している正しいリンク先、例えばポータルサーバ装置20で提供する「ニュース」のウェブサイトにPC40をリンクさせ(ステップS111)、以上で一連の処理を一旦終了して、次のリンクに備えた上記ステップS101からの処理に戻る。
【0053】
図6は、ポータルサーバ装置20が提供する、サイト名「Search Engine ニュース」なるウェブサイトを、広告配信サーバ装置10が予めインストールしているブラウザにより閲覧している状態を示す。こうしてPC40側が所望するウェブサイトを表示できたことにより、以後PC40ではブラウザの機能により当該ウエブサイト上での任意の操作を実行できる。
【0054】
また、表示中の広告ページに対してユーザ側でクリック操作がなされた場合、上記ステップS110でそれを判断し、この広告ページを提供している広告主の広告代理店が運営している画像提供サーバ装置30にPC40をリンクさせ(ステップS112)、以上で一連の処理を一旦終了して、次のリンクに備えた上記ステップS101からの処理に戻る。
【0055】
なお、表示中の広告ページに対してPC40側でクリック操作が行なわれ、上記ステップS110で当該PC40を広告代理店が運営する画像提供サーバ装置30とリンクさせた後、PC40でブラウザの「戻る」ボタンの操作などによりこのポータルサーバ装置20へ再度リンクされた場合、上記ステップS101でそのリンク指示を受付けた後、続くステップS102で当該PC40のIPアドレスが短期的に記憶している過去のIPアドレスと一致することを判断し、既に少なくとも一度は広告画像データの送信と表示を行なっていることを確認できるので、上記ステップS103〜S110の処理をあえて簡略化し、直接上記ステップS111に進み、本来のユーザ側での操作に従った本来のリンク先、例えばポータルサーバ装置20で提供する「ニュース」のウェブサイトにPC40をリンクさせる。
【0056】
このPC40側のIPアドレスを短期的に記憶しておく時間に関しても、任意に可変設定することが可能であるものとする。この場合も、同一のユーザが何度も同じ広告画像データを表示することでユーザに煩わしい印象を与えると逆効果であるので、ユーザに負担を強いることがないと思われる範囲内で広告主の意向を勘案して任意の時間を設定することになる。
【0057】
以上詳述した如く本実施形態によれば、バナー広告のようにウェブサイト上のユーザが意図する領域以外の位置に併せて表示するのではなく、ユーザがなんらかの意図を持ってリンクボタンを操作することに起因して、一定時間だけユーザ側のディスプレイ装置の画面全面で広告画像のページを表示するようになるため、ユーザに負担を強いるこなく、より直接的で訴求力を持った広告を配信することができる。
【0058】
加えて上記実施形態では、広告画像データとして、リンクを指定してきたユーザ側のPC40のいかなるディスプレイ装置の画面サイズに合わせ、適切な広告画像データのサイズに調整した上で送信し、ユーザ側で表示させるものとした。
【0059】
これにより、ユーザ側のPC40のディスプレイ装置個々の画像サイズに適した広告画像データを記述した広告ページを、より短時間のうちに調整して送信してユーザ側のディスプレイ装置の画面全面で表示させることができ、応答性を高めると共に、広告配信サーバ装置10での負担を軽減できる。
【0060】
さらに上記実施形態では、一度広告ページを配信して表示させたユーザ端末側のPC40で、ブラウザの「戻る」ボタン等の操作により短時間内で再度広告配信サーバ装置10へのリンクがなされた場合には、広告ページの配信を省略し、ポータルサイトで操作したリンクボタンに対応する本来のウェブページへリンクさせるようにしたので、繰返し広告ページを配信することで、却ってユーザに当該広告に対する悪い印象を与えてしまうのを回避できる。
【0061】
なお、上記実施形態においてはポータルサイト上のリンクボタンの1つが操作された場合に広告画像データの配信を行なうように設定した場合について説明したが、同様のリンクを設定する場所はポータルサイトに限定するものではなく、広告主側が広告効果を見込むことができるようなウェブサイト上の場所であれば、例えば動画配信サイトの特定の動画再生を指示するボタンに設定するなど、いずれの場所でも同様に可能となる。
【0062】
その他、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、上述した実施形態で実行される機能は可能な限り適宜組み合わせて実施しても良い。上述した実施形態には種々の段階が含まれており、開示される複数の構成要件による適宜の組み合せにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、効果が得られるのであれば、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0063】
以下に、本願出願の当所の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
請求項1記載の発明は、広告画像データを記憶する画像記憶手段と、インターネットを介して接続された、契約先のサーバ装置で提供するウェブサイト上のリンクボタンが操作された際、当該リンクボタンを操作したユーザ端末側のディスプレイの画像サイズ情報を取得する画面サイズ取得手段と、上記画像サイズ取得手段で所得した画像サイズに基づき、上記画像記憶手段で記憶する広告画像データを合致する画像サイズとなるように調整する画像調整手段と、上記画像調整手段で調整した広告画像データを上記ユーザ端末に送信してディスプレイの画面全面で表示させる送信手段と、上記送信手段で広告画像データを送信してから一定時間を計時する計時手段と、上記計時手段で一定時間を計時している間に上記ユーザ端末側で画像に対してクリック操作がなされた場合、上記ユーザ端末を上記広告画像データを提供している広告主の指定するウェブサイトへリンクさせる第1のリンク手段と、上記計時手段で一定時間を計時する間に上記ユーザ端末側で画像に対してクリック操作がなされなかった場合、上記ユーザ端末を上記リンクボタンに対応したウェブサイトへリンクさせる第2のリンク手段とを具備したことを特徴とする。
【0064】
請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明において、広告画像データに対するアスペクト比を変更しての画像サイズの調整及びアスペクト比を変更しない画像サイズの調整のいずれか一方の設定を促す調整選択手段をさらに具備し、上記画像調整手段は、上記調整選択手段で選択した内容に基づいて広告画像データを上記画像サイズ取得手段で所得した画像サイズに合致するように調整することを特徴とする。
【0065】
請求項3記載の発明は、上記請求項1記載の発明において、契約先のサーバ装置で提供するウェブサイト上のリンクボタンを操作した上記ユーザ端末側の識別情報を所定時間記憶するユーザ記憶手段と、ユーザ端末から広告画像データの送信要求を受けた場合に、当該要求を行なったユーザ端末の識別情報が、上記ユーザ記憶手段で記憶する識別情報中にあるか否かを判断する判断手段とをさらに具備し、第2のリンク手段は、上記判断手段で上記ユーザ記憶手段で記憶する識別情報中に上記要求を行なったユーザ端末の識別情報があると判断した場合に、ユーザ端末を上記リンクボタンに対応したウェブサイトへ即時リンクさせることを特徴とする。
【0066】
請求項4記載の発明は、広告画像データを記憶する画像記憶部を備え、インターネットを介して上記広告画像データを配信する装置が内蔵したコンピュータが実行するプログラムであって、インターネットを介して接続された、契約先のサーバ装置で提供するウェブサイト上のリンクボタンが操作された際、当該リンクボタンを操作したユーザ端末側のディスプレイの画像サイズ情報を取得する画面サイズ取得工程と、上記画像サイズ取得工程で所得した画像サイズに基づき、上記画像記憶部で記憶する広告画像データを合致する画像サイズとなるように調整する画像調整工程と、上記画像調整工程で調整した広告画像データを上記ユーザ端末に送信してディスプレイの画面全面で表示させる送信工程と、上記送信工程で広告画像データを送信してから一定時間を計時する計時工程と、上記計時工程で一定時間を計時している間に上記ユーザ端末側で画像に対してクリック操作がなされた場合、上記ユーザ端末を上記広告画像データを提供している広告主の指定するウェブサイトへリンクさせる第1のリンク工程と、上記計時工程で一定時間を計時する間に上記ユーザ端末側で画像に対してクリック操作がなされなかった場合、上記ユーザ端末を上記リンクボタンに対応したウェブサイトへリンクさせる第2のリンク工程とを上記コンピュータで実行させることを特徴とする。
【符号の説明】
【0067】
10…広告配信サーバ装置、20…ポータルサーバ装置、30…画像提供サーバ装置、40…パーソナルコンピュータ(PC)、N…インターネット、PT…ポインタ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
広告画像データを記憶する画像記憶手段と、
インターネットを介して接続された、契約先のサーバ装置で提供するウェブサイト上のリンクボタンが操作された際、当該リンクボタンを操作したユーザ端末側のディスプレイの画像サイズ情報を取得する画面サイズ取得手段と、
上記画像サイズ取得手段で所得した画像サイズに基づき、上記画像記憶手段で記憶する広告画像データを合致する画像サイズとなるように調整する画像調整手段と、
上記画像調整手段で調整した広告画像データを上記ユーザ端末に送信してディスプレイの画面全面で表示させる送信手段と、
上記送信手段で広告画像データを送信してから一定時間を計時する計時手段と、
上記計時手段で一定時間を計時している間に上記ユーザ端末側で画像に対してクリック操作がなされた場合、上記ユーザ端末を上記広告画像データを提供している広告主の指定するウェブサイトへリンクさせる第1のリンク手段と、
上記計時手段で一定時間を計時する間に上記ユーザ端末側で画像に対してクリック操作がなされなかった場合、上記ユーザ端末を上記リンクボタンに対応したウェブサイトへリンクさせる第2のリンク手段と
を具備したことを特徴とする広告配信装置。
【請求項2】
広告画像データに対するアスペクト比を変更しての画像サイズの調整及びアスペクト比を変更しない画像サイズの調整のいずれか一方の設定を促す調整選択手段をさらに具備し、
上記画像調整手段は、上記調整選択手段で選択した内容に基づいて広告画像データを上記画像サイズ取得手段で所得した画像サイズに合致するように調整する
ことを特徴とする請求項1記載の広告配信装置。
【請求項3】
契約先のサーバ装置で提供するウェブサイト上のリンクボタンを操作した上記ユーザ端末側の識別情報を所定時間記憶するユーザ記憶手段と、
ユーザ端末から広告画像データの送信要求を受けた場合に、当該要求を行なったユーザ端末の識別情報が、上記ユーザ記憶手段で記憶する識別情報中にあるか否かを判断する判断手段と
をさらに具備し、
第2のリンク手段は、上記判断手段で上記ユーザ記憶手段で記憶する識別情報中に上記要求を行なったユーザ端末の識別情報があると判断した場合に、ユーザ端末を上記リンクボタンに対応したウェブサイトへ即時リンクさせる
ことを特徴とする請求項1記載の広告配信装置。
【請求項4】
広告画像データを記憶する画像記憶部を備え、インターネットを介して上記広告画像データを配信する装置が内蔵したコンピュータが実行するプログラムであって、
インターネットを介して接続された、契約先のサーバ装置で提供するウェブサイト上のリンクボタンが操作された際、当該リンクボタンを操作したユーザ端末側のディスプレイの画像サイズ情報を取得する画面サイズ取得工程と、
上記画像サイズ取得工程で所得した画像サイズに基づき、上記画像記憶部で記憶する広告画像データを合致する画像サイズとなるように調整する画像調整工程と、
上記画像調整工程で調整した広告画像データを上記ユーザ端末に送信してディスプレイの画面全面で表示させる送信工程と、
上記送信工程で広告画像データを送信してから一定時間を計時する計時工程と、
上記計時工程で一定時間を計時している間に上記ユーザ端末側で画像に対してクリック操作がなされた場合、上記ユーザ端末を上記広告画像データを提供している広告主の指定するウェブサイトへリンクさせる第1のリンク工程と、
上記計時工程で一定時間を計時する間に上記ユーザ端末側で画像に対してクリック操作がなされなかった場合、上記ユーザ端末を上記リンクボタンに対応したウェブサイトへリンクさせる第2のリンク工程と
を上記コンピュータで実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−230617(P2012−230617A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−99622(P2011−99622)
【出願日】平成23年4月27日(2011.4.27)
【出願人】(300050068)有限会社ラスト (1)
【Fターム(参考)】