説明

広帯域減衰システムを含むガスタービンエンジンおよびそれを製造する方法

【課題】広帯域減衰システムを含むガスタービンエンジンおよび同を製造する方法を提供すること。
【解決手段】ガスタービンエンジンは、エンジンケースと、エンジンケースの内部に取り付けられているロータ組立体66と、ロータ組立体66とエンジンケースとの間の広帯域減衰システム20とを含む。広帯域減衰システム20は、回転軸の周囲に角度をなして離間されている第1の組の3パラメータ軸ダンパ60、61、62と、第1の組の3パラメータ軸ダンパ60、61、62と並列に連結されている第2の組の3パラメータ軸ダンパ63、64、65とを含む。第1の組の3パラメータ軸ダンパ60、61、62と第2の組の3パラメータ軸ダンパ63、64、65とは、異なる回転周波数でピーク減衰をもたらすように調整されて、ガスタービンエンジンの運転中に広帯域減衰システム20の減衰帯域幅を増大させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、全般的に振動減衰システムに関し、さらに詳細には、広帯域減衰システムと、広帯域減衰システムを含むガスタービンエンジンと、広帯域減衰型ガスタービンエンジンを製造する方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]最新のガスタービンエンジンには、複数の圧縮機を支持する複数の同軸ギア連結(gear−linked)シャフトと、空気タービンと、ターボファンエンジンの場合には比較的大きな吸気ファンとを含む、比較的複雑なロータ組立体が備え付けられていることが多い。ロータ組立体の高速回転中、ロータの不均衡、軸受の欠陥、不安定化力等から生じる振動が、回転軸受を介して、エンジンケースへ、かつ最終的に航空機胴体へ伝達される可能性がある。物理的かつ/または音響的に認識可能な場合、航空機胴体に伝達されるロータが発した振動は、乗客の快適さを減少させる可能性がある。ロータが発した振動はまた、ロータ軸受などのエンジン構成要素の作動寿命を短縮し、スラスト出力および燃料効率などのエンジン性能の種々の測定を劣化させる可能性がある。ロータ臨界モードの間、すなわち例えばロータ組立体スプールの撓みもしくは屈曲(「臨界撓みモード」と言われる)またはロータ軸受の偏心(「剛体臨界モード」と言われる)によるロータ組立体の回転周波数が、ロータ組立体の相当な軸外運動を誘発する場合、ロータが発した振動はそれらの最高振幅に達する。マルチスプールガスタービンエンジンのロータ組立体がガスタービンエンジンの運転領域全体に亘って分布している5つ以上の臨界モードを呈することは珍しくない。
【0003】
[0003]スクイーズ膜ダンパ(「SFD:squeeze−film damper」)と呼ばれる能動的油圧機械が、ロータ軸受の1つまたは複数の周囲に配設されて、エンジンケーシングおよび航空機胴体に伝達されるロータが発した振動の大きさを縮小するのを助けることができる。しかし、SFDは、いくつかの点で制限される。SFDは、非線形減衰プロファイルを特徴とし、その結果として、比較的狭い周波数範囲のみに亘って最適な振動減衰を実現することができる。このように、SFDは、単一の目標ロータ臨界モードでピーク減衰をもたらすように調整され得る一方、SFDは、通常、他の動作周波数で他のロータ臨界モードを通じて、最適とは言えない減衰をもたらす。さらに、ロータ臨界モードは変化するロータの不均衡と連動して変化するので、SFDは、ガスタービンエンジンの運転寿命に亘って振動を減衰することにおいて徐々に効果的でなくなる可能性がある。さらなる制限として、SFDの剛性プロファイルと減衰プロファイルとは本質的に結びついており、独立に調整され得ない。結果として、その剛性を低下させることなくSFDの減衰特性を最適化することは困難であり、その際、ある程度のロータの中心線制御を犠牲にする。不十分な中心線制御により、静的荷重条件(loading condition)(例えば、重力垂下)に対抗するSFDの能力が低下し、一般に、ガスタービンエンジンの内部により大きな先端隙間を設けることが必要となり、それにより、全体的なエンジン効率が低下する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
[0004]したがって、エンジンのロータ組立体の動作周波数範囲に亘る増大した減衰帯域幅を有する広帯域減衰システムを含むガスタービンエンジンの実施形態を提供して、複数の臨界モードによりロータ組立体から発せられた振動をより効果的に減衰することが望ましい。理想的に、そのような広帯域減衰システムの実施形態は、略線形の減衰プロファイルを有しており、広範な周波数および荷重条件により高減衰を可能にするであろう一方、また、略線形の独立に調整可能な剛性プロファイルを有しており、ロータの中心線制御を向上させるであろう。また、ターボチャージャなどの他の種類のターボ機械と併せて利用され得るであろうそのような広帯域減衰システムを提供することが望ましいと考えられる。最後に、広帯域減衰型ガスタービンエンジンを製造する方法の実施形態を提供することが望ましいと考えられる。本発明の実施形態の他の望ましい特徴および特性が、添付図面および先述の「発明の背景」と併用している後続の「発明を実施するための形態」および添付の「特許請求の範囲」から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0005]ガスタービンエンジンの実施形態が提供されている。一実施形態では、ガスタービンエンジンは、エンジンケースと、回転軸を中心とした回転のためにエンジンケースの内部に取り付けられているロータ組立体と、ロータ組立体とエンジンケースとの間に配設されている広帯域減衰システムとを含む。広帯域減衰システムは、回転軸の周囲に角度をなして離間されている第1の組の3パラメータ軸ダンパ(three parameter axial damper)と、回転軸の周囲に角度をなして離間されておりかつ第1の組の3パラメータ軸ダンパと並列に連結されている第2の組の3パラメータ軸ダンパとを含む。第1の組の3パラメータ軸ダンパと第2の組の3パラメータ軸ダンパとは、異なる回転周波数でピーク減衰をもたらすように調整されて、ガスタービンエンジンの運転中に広帯域減衰システムの減衰帯域幅を増大させる。
【0006】
[0006]広帯域減衰システムの実施形態が、ハウジングと、回転軸を中心に該ハウジング内で回転するように構成されているロータ組立体とを含むターボ機械内で使用するために、さらに提供されている。一実施形態では、広帯域減衰システムは、回転軸の周囲に角度をなして離間されておりかつロータ組立体とハウジングとの間に配置されている第1の組の3パラメータ軸ダンパと、回転軸の周囲に角度をなして離間されておりかつロータ組立体とハウジングとの間に配置されている第2の組の3パラメータ軸ダンパとを含む。第1の組の3パラメータ軸ダンパと第2の組の3パラメータ軸ダンパとは散在しており、ハウジング内でロータ組立体を支持する多点取付け台(multi−point mount)を形成する。第1の組の3パラメータ軸ダンパと第2の組の3パラメータ軸ダンパとは、ロータ組立体の動作周波数範囲に亘って異なる周波数でピーク減衰をもたらすように調整される。
【0007】
[0007]広帯域減衰型タービンエンジンを製造する方法の実施形態がさらに提供されている。一実施形態では、本方法は、ロータ組立体およびエンジンケースを設けるステップと、ガスタービンエンジンの運転領域に亘るロータ組立体の複数のロータ臨界モードを特定するステップと、複数のロータ臨界モードを包含する目標周波数範囲(target frequency range)に亘って分布している異なる周波数でピーク減衰をもたらすように、第1の組の3パラメータ軸ダンパと第2の組の3パラメータ軸ダンパとを調整するステップと、第1の組の3パラメータ軸ダンパと第2の組の3パラメータ軸ダンパとを並列にロータ組立体とエンジンケースとの間に設置するステップとを含む。
【0008】
[0008]本発明の少なくとも1つの例が、同様の数字が同様の要素を示す以下の図と関連して、本明細書以下に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】[0009]広帯域減衰システムを含みかつ本発明の例示的実施形態に基づいて示されているガスタービンエンジンの簡易横断面図である。
【図2】[0010]図1に示されている広帯域減衰システムの内部に含まれている複数の3パラメータ軸ダンパを示す概略図である。
【図3】[0011]2パラメータ軸ダンパおよび非減衰装置の伝達率プロファイルと比較して、3パラメータ軸ダンパの例示的伝達率プロファイルを示す、周波数(水平軸)対利得(垂直軸)の伝達率プロットである。
【図4】[0012]並列に連結されておりかつ様々な調整(実線)を有する、2つの3パラメータ軸ダンパの例示的減衰プロファイルと、並列に連結されておりかつ同一の調整(点線)を有する、2つの3パラメータ軸ダンパの例示的減衰プロファイルとを示す、周波数(水平軸)対位相(垂直軸)のグラフである。
【図5】[0013]並列に連結されておりかつ様々な調整(実線)を有する、2つの3パラメータ軸ダンパの例示的減衰プロファイルと、並列に連結されておりかつ同一の調整(点線)を有する、2つの3パラメータ軸ダンパの例示的減衰プロファイルとを示す、周波数(水平軸)対剛性(垂直軸)のグラフである。
【図6】[0014]図1に示されており、かつ図1および図2に示されている広帯域減衰システム内に含まれている3パラメータ軸ダンパの1つが構造的に実施され得る例示的方法を示す、ガスタービンエンジンの一部分を貫通した横断面である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0015]以下の「発明を実施するための形態」は、本質的に例示的なものに過ぎず、本発明または本発明の用途および使用を限定することを目的としていない。さらに、先行する「背景技術」または以下の「発明を実施するための形態」に提示されているいかなる理論によっても制約される意図はない。
【0011】
[0016]図1は、広帯域減衰システム20を含みかつ本発明の例示的実施形態に基づいて示されている広帯域減衰型ガスタービンエンジン(GTE)18の簡易横断面図である。例として、GTE18は、吸気部分22と、圧縮機部分24と、燃焼部分26と、タービン部分28と、排気部分30とを含む2スプールターボファンエンジンとして、図1に示されている。吸気部分22は、ナセル組立体34内に取り付けられている吸気ファン32を含む。図示の例では、圧縮機部分24は、単一の圧縮機36を含み、該圧縮機は、ナセル組立体34の内部に取り付けられているエンジンケース38の内部に回転可能に配設されている。タービン部分28は、高圧(HP)タービン40と低圧(LP)タービン42とを含み、それらは、エンジンケース38の内部に流動順に回転可能に配設されている。圧縮機36およびHPタービン40は、HPシャフトまたはHPスプール44の反対側の端部に取り付けられており、吸気ファン32およびLPタービン42は、LPシャフトまたはLPスプール46の反対側の端部に取り付けられている。LPスプール46とHPスプール44とは同軸である。すなわち、LPスプール46は、HPスプール44を貫通して設けられている長手方向経路を貫通して延在している。エンジンケース38は混合器ノズル48において、ナセル組立体34は推進ノズル50おいて終端する。混合器ノズル48は、中心本体52と協働して排気混合器54を形成し、該排気混合器は、GTE18の動作中に、タービン部分28から受け入れられた高温燃焼ガス流をより低温のバイパス気流と混合する。分かり易くするために図1に示されていないが、複数のロータ軸受組立体が、HPスプール44およびLPスプール46の周囲の様々な位置に配設されており、エンジンケース38内部でのスプール44および46の高速回転を容易にする。ロータ軸受組立体は、一般的に、HPスプール44およびLPスプール46の各端部の周囲に配設されている回転要素軸受の形をとる。
【0012】
[0017]図1に示されかつ本明細書に記載されている通り、広帯域減衰型GTE18が、単に例として提供されている。本発明の実施形態が、限定されないが他の種類のターボファンエンジン、ターボプロップエンジン、ターボシャフトエンジンおよびターボジェットエンジンを含む様々な他の種類のガスタービンエンジンに、ならびに他の種類のターボ機械に等しく適用可能であることが、容易に理解されよう。さらに、GTE18の特定の構造は、様々な実施形態の中で必然的に変化する。例えば、ある実施形態では、GTE18は、露出した吸気ファン(「オープンロータ構成」と言われる)を含んでいてもよいか、または吸気ファンを含んでいなくてもよい。他の実施形態では、GTE18は、軸流圧縮機に加えてまたはそれらの代わりに遠心圧縮機または羽根車を使用していてもよい。さらに別の実施形態では、GTE18は、様々な数の圧縮機およびタービンに従って、単一のスプールまたは3本のスプールを含んでいてもよい。航空機に搭載され配置されているように以下に主として記載されているが、GTE18は、何か特定の台に搭載して配置されることに決して限定されず、また、他の種類の乗り物(例えば、水上の乗り物および戦車などの地上の乗り物)に搭載して、補助電源装置内に含まれて、または工業発電機内に含まれて、配置されていてもよい。
【0013】
[0018]GTE18の運転中、空気が吸気部分22内に引き込まれ、吸気ファン32により加速される。加速された空気の一部分が、ナセル組立体34とエンジンケース38との間に設けられておりかつこの気流をエンジンケース38上にかつその周囲に導くバイパス流路56を通って方向付けられる。吸気ファン32から排出された空気の残部は、圧縮機部分36内に方向付けられ、圧縮機36により圧縮されて、コア気流の温度および圧力を上昇させる。高温の圧縮気流は、空気が燃料と混合されかつ部分26内に含まれる1つまたは複数の燃焼器58を利用して燃焼させられる燃焼部分26へ供給される。燃焼性ガスは急速に膨張し、タービン部分28を通って流動してHPタービン40およびLPタービン42を回転させる。タービン40および42の回転が、スプール44および46それぞれの回転を駆動し、それにより、圧縮機36および吸気ファン32の回転を駆動する。タービン部分28を通って流動した後、燃焼性ガス流は、次いで、混合器54が燃焼性ガス流をバイパス流路56から受け入れられるより低温のバイパス空気と混合する排気部分30内に方向付けられる。最後に、燃焼ガス流は、推進ノズル50を通してGTE18から排出され、前方推進力を生成する。
【0014】
[0019]ロータの不均衡、軸受の欠陥、不安定化力等により、スプール44および46の回転中に振動が生成され、図示されていないロータ軸受組立体を介して、エンジンケース38を介して、最終的に航空機胴体に伝達される。胴体への振動の伝達により、乗客の快適さが減少し、エンジン性能を損ね、ロータ軸受組立体および他のエンジン構成要素の作動寿命を制限する可能性がある。広帯域減衰システム20は、スクイーズ膜ダンパなどの従来の軸受支持ダンパと比較して、ロータシステムの振動の大きさおよび広帯域幅に亘ってロータ組立体からエンジンケース38に伝達される起振力を低減する。その際、広帯域減衰システム20は、GTE18の動作中、ロータ組立体の周波数範囲の全体に亘って分布する複数のロータ臨界モードにより、高度に効果的な振動減衰をもたらすことができる。さらなる利点として、広帯域減衰システム20は、高度に線形の独立に調整可能な剛性プロファイルをもたらす。結果として、広帯域減衰システム20は、比較的高い静剛性および動剛性をもたらすように調整されて、ロータの中心線制御を向上させ、それによりGTE18の全体的な効率性を向上させることができる。広帯域減衰システム20が比較的広い帯域に亘って振動を減衰させることができる方法は、図2〜図5と関連して、以下により十分に記載されている。ガスタービンエンジンと関連して以下に記載されているが、広帯域減衰システム20の実施形態が、例えばターボチャージャを含む他の種類のターボ機械と共に利用され得ることが強調される。
【0015】
[0020]図2は広帯域減衰システム20の内部に含まれている複数の3パラメータ軸ダンパ60〜65を示す概略図である。本明細書に出現する通り、用語「軸ダンパ」は、少なくとも単一自由度を有しかつ少なくとも軸方向に減衰をもたらすダンパまたは振動アイソレータを指すが、軸ダンパ60〜65が多自由度を有するであろう可能性は決して除外されない。軸ダンパ60〜65は、ロータ軸受組立体66からGTE18(図1)の取付け界面まで延在している外乱伝達経路に沿って、エンジンケース38とロータ軸受組立体66との間に動力学的に連結されている。ロータ軸受組立体66は、完全ではあるが非限定的な例を提供するために、図2にLPスプール46として確認される回転可能なシャフトまたはスプールを支持する。図2に示されている簡易概略図では、ロータ軸受組立体66は、全般的に、もっぱらボール軸受で構成されているように示されているが、ロータ軸受組立体66は、他の種類の回転要素軸受(例えば、ころ軸受)を含む任意の数および種類のロータ軸受、ならびに1つもしくは複数のロータ軸受を支持するかまたはそれに連結されている任意の数の付加的構造要素を含んでいてもよいことが、理解されよう。
【0016】
[0021]軸ダンパ60〜65は、円周方向に配置されているか、またはロータ軸受組立体66の回転軸、より一般的には、LPスプール46が含まれるロータ組立体の回転軸の周囲に離間されて配置されている。好適な実施形態では、軸ダンパ60〜65は、細長い支柱の形を取るかまたはそれらを含み、該細長い支柱は、径方向スポーク構造でロータ軸受組立体66から径方向外側に延在している。集合的に、軸ダンパ60〜65は、ロータ軸受の回転軸に対してかつエンジン中心線(Z軸)に対して略直交する平面(X−Y平面)内で2自由度で減衰をもたらす。別の言い方をすれば、軸ダンパ60〜65は、GTE18(図1)が搭載されているホスト航空機のヨー軸およびピッチ軸それぞれと略平行な垂直軸および横軸に沿って減衰を集合的にもたらす。
【0017】
[0022]以下に詳細に記載されている通り、広帯域減衰システム20は、少なくとも4つの軸ダンパを含み、該軸ダンパは、各々が少なくとも2つの軸ダンパを含む2つの個別調整群または組に分割されている。図示の例では、広帯域減衰システム20は、6つのダンパ60〜65を含み、該ダンパは、ダンパ60〜65が約60度の一定の間隔で離間されているように、ロータ軸受組立体66の周囲に左右対称に配置されている。有利に、そのような左右対象の離間により、ロータ軸受組立体66およびLPスプール46を支持する高度に安定した多点取付け台がもたらされる。しかし、さらなる実施形態では、異なる径方向において様々な剛性特性および減衰特性を広帯域減衰システム20に与えるように、軸ダンパ60〜65は、ロータ軸受組立体66の周囲に左右非対称に配置されていてもよい。例えば、軸ダンパ60〜65は、ロータ軸受組立体66の周囲に左右非対称に配置されて、既知のロータ動力学的問題により良好に適応する異方的剛性をもたらしてもよい。既知のロータ動力学的問題とは、例えば、GTE18の重量による静的荷重に対抗し、それにより重力垂下を防止すること、および航空機着陸中に下方向に発生する可能性がある高い衝撃力により良好に適応することである。左右非対称離間に加えてまたはその代替案として、ダンパ60〜65は、個々に調整される剛性特性および減衰特性を有していて、そのような異方的特性をもたらしてもよい。
【0018】
[0023]その名の通り、各3パラメータ軸ダンパは、(i)スプール46とエンジンケース38との間に連結されている第1のばね部材(主ばね)、(ii)スプール46とエンジンケース38との間に主ばねと平行に連結されている第2のばね部材(調整ばね)、および(iii)スプール46とエンジンケース38との間に主ばねと平行にかつ調整ばねと直列に連結されている減衰部材、の3つの機械部材を含む。主ばねはK、調整ばねはK、のばね定数を有する。ダンパは、Cの減衰定数を有する。有利に、3パラメータ装置は、所与の周波数範囲に亘って非減衰装置および2パラメータ装置と比較して、優れた減衰特性(すなわち、より低い全体的な伝達率)をもたらすように調整され得る。伝達率は以下の式で表されることができる。
【0019】
【数1】

【0020】
ここで、T(ω)は伝達率であり、Xinput(ω)は入力運動であり、Xoutput(ω)は出力運動である。具体的に、広帯域減衰システム20の場合、入力運動は、図2に矢印68で示されている通り、ロータ軸受組立体66の径方向変位であり、出力運動は、図2に矢印70で示されている通り、エンジンケース38の径方向変位である。
【0021】
[0024]図3は、2パラメータ軸ダンパ(曲線74)および非減衰装置(曲線76)と比較して、3パラメータ軸ダンパ(曲線72)の減衰特性を示す伝達率プロットである。図3に78で示されている通り、非減衰装置(曲線76)は、図示の例では適度に10ヘルツ(Hz)未満である共振周波数で比較的高いピーク利得をもたらす。比較すると、2パラメータ装置(曲線74)は、閾値周波数で著しくより低いピーク利得をもたらすが、閾値周波数が超過された後の周波数の増加に伴って、望ましくないことに利得が漸次減少する(「ロールオフ」と言う)。図示の例では、2パラメータ装置(曲線74)のロールオフは、1ディケード当たり約−20デシベル(「dB/decade」)である。最後に、3パラメータ装置(曲線72)は、2パラメータ装置(曲線74)により達成されるピーク利得に実質的に等しい低いピーク利得をもたらし、約−40dB/decadeの比較的急なロールオフをさらにもたらす。したがって、3パラメータ装置(曲線72)は、図3に曲線72および74により境界を定められている領域80により定量化されている通り、より高い周波数で顕著により低い伝達率をもたらす。
【0022】
[0025]軸ダンパ60〜65は、第1の組の3パラメータ軸ダンパ60〜62と第2の組の3パラメータ軸ダンパ63〜65の2つの群または組に分割されている。軸ダンパの組は、軸ダンパ60〜62が軸ダンパ63〜65と比較して異なる周波数でピーク減衰をもたらすように調整される。例えば、好適な実施形態では、軸ダンパ60〜62のピーク減衰周波数と軸ダンパ63〜65のピーク減衰周波数とは、少なくとも約10倍異なる。このことは、並列に連結されておりかつ100Hzと1000Hzの間の単一の周波数でピーク減衰をもたらすように同一の調整をされる、一対の3パラメータ軸ダンパの例示的減衰プロファイルに対して、並列に連結されておりかつ100Hz未満の周波数および1000Hzより大きい周波数でピーク減衰をもたらすように異なる調整をされる、一対の3パラメータ軸ダンパの例示的減衰プロファイルを示す、周波数(水平軸)対位相(垂直軸)のグラフである図4を参照することにより、より十分に理解される可能性がある。この例の目的のために、複数のロータ臨界モードC〜Cを包含する目標周波数範囲(図4に両矢印84で確認される)の最小減衰閾値(図4に水平線82で確認される)より上に減衰を維持することが望ましいと仮定する。目標周波数範囲は、ロータ組立体の動作周波数範囲と一致する可能性があるか、代わりに、その一部分を包含するのみである可能性がある。図4に認められるように、同一の調整をされたダンパ(点線)の減衰プロファイルは、目標周波数範囲の中点付近でピークに達するが、両方向に急速に減少する。したがって、同一の調整をされたダンパは、臨界モードCで例外的にかつ不必要に高い減衰をもたらし、臨界モードCおよびC付近で許容可能な減衰をもたらすが、中心から離れた臨界モードCおよびCで比較的低い減衰をもたらす。比較すると、異なる調整をされたダンパは、目標周波数範囲の全体に亘って最小減衰閾値を超過しかつ全てのロータ臨界モードC〜Cを包含する減衰をもたらす。
【0023】
[0026]ダンパ63〜65のパラメータは、ピーク減衰における前述の差異をもたらす任意の方法で選択され得る。多くの実施形態では、ダンパの組60〜62内に含まれるダンパの各々が、ダンパの組63〜65内に含まれるダンパの各々が有するのと実質的に同一のパラメータを有するように調整される。別の言い方をすれば、3パラメータ軸ダンパ60〜62の第1の組内の各ダンパは、KA1におおよそ等しい主ばね定数、KB1におおよそ等しい調整ばね定数、およびCA1におおよそ等しい減衰定数を有するように調整され得る。同様に、第2の組の3パラメータ軸ダンパ内に含まれる各ダンパは、KA2におおよそ等しい主ばね定数、KB2におおよそ等しい調整ばね定数、CA2におおよそ等しい減衰定数を有するように調整され得る。ピーク減衰における前述の差異をもたらすために、KA1、KB1、およびCA1の少なくとも1つが、KA2、KB2、およびCA2それぞれに対して異なるものになる。一般に、KB1およびCA1は、通常、KB2およびCA2それぞれと少なくとも10%異なる。ある実施形態では、KB1はKB2を2倍以上上回る。同時に、CA1は、通常、CA2より大幅に小さい。例えば、ある実施形態では、CA2は、CA1を少なくとも10倍上回る可能性がある。そのような実施形態では、KA1とKA2とはおおよそ等しい可能性がある。図4に示されている例示的グラフに関して、例えば、同一の調整をされたダンパ(点線)は、約17.5E6N/mの主ばね定数(K)、約87.5E6N/mの調整ばね定数(K)、および約17.5E3N/(m/s)の減衰係数(C)を有する。比較すると、異なる調整をされたダンパ(実線)の対の第1のダンパは、約17.5E6N/mのKA1値、約17.5E6N/mのKB1定数、および約3.5E3N/(m/s)のCA1係数を有し、一方、第2の異なる調整をされたダンパは、約17.5E6N/mのKA2定数、約43.8E6N/mのKB2定数、および約87.5E3N/(m/s)のCA2係数を有する。
【0024】
[0027]有利に、前述の種類の3パラメータ装置が、剛性プロファイルおよび減衰プロファイルの別個のまたは独立した調整を可能にする。広帯域減衰システム20の軸ダンパは、このように、ロータ組立体の動作周波数範囲に亘って比較的高い静剛性および動剛性をもたらすように調整され得る。この点をさらに示すと、図5は、図4に関連して前述されている、同一の調整をされたダンパ(点線)および異なる調整をされたダンパ(実線)の例示的剛性プロファイルを示す、周波数(水平軸)対剛性(垂直軸)のグラフである。前の場合のように、両矢印84が、例示的目標周波数範囲を特定し、該例示的目標周波数範囲は、ロータ組立体の動作周波数範囲の全体または一部分のみを包含する。所望の最小動剛性閾値が、図5に水平線86でさらに特定される。異なる調整をされたダンパ(実線)の剛性プロファイルは、同一の調整をされたダンパ(点線)の剛性プロファイルよりも、目標周波数範囲のより大きな部分に関して所望の動剛性閾値を超過する。異なる調整をされたダンパは、このように、動作周波数範囲に亘ってロータ組立体のより良好な中心線制御を可能にする向上した剛性プロファイルをもたらし、それにより、エンジン効率性の全体的な上昇をもたらす。図5の同一の調整をされたシステムおよび異なる調整をされたシステムはどちらも同じ静剛性をもたらし、したがって、準静的入力または低周波入力に対して同じ中心線運動を生じる。
【0025】
[0028]軸ダンパ63〜65(図2)が、任意の方法で実施されることが可能であり、前述の3パラメータ機能を実現する任意の数の構造要素を含んでいてもよい。図6は、広帯域減衰型ガスタービンエンジン18(図1および図2)の一部分を貫通した、軸ダンパ60(およびしたがって軸ダンパ61〜65)が構造的に実施され得る一方法を示す横断面である。軸ダンパ60に加えて、GTE18の図示の部分は、HPタービン40内に含まれる第1の回転羽根90と、LPタービン42内に含まれる第2の回転羽根92と、HPタービン40とLPタービン42との間に配置されている静翼94と、ロータ軸受組立体66とを含む。ロータ軸受組立体66は、第1のロータ軸受96と、第2のロータ軸受98と、固定軸受ハウジング部材100(例えば、円錐形壁)とを含む。軸ダンパ60は、エンジンケース38の外側に取り付けられている主ダンパユニット102と、径方向外端部がエンジンケース38に設けられている径方向開口部106を通って主ダンパユニット102に取り付いている細長い支柱104とを含む。支柱104は、主ダンパユニット102から、静翼94を通って、軸受ハウジング部材100まで、径方向内側に延在している。支柱104の径方向内端部は、例えば複数のボルト108または他のそのような留め具を利用して、軸受ハウジング部材100に固定されている。
【0026】
[0029]主ダンパユニット102が、第1の径方向に柔軟な撓み部(radially−compliant flexure)112と第2の径方向に柔軟な撓み部114とを含むダンパハウジング110を含む。撓み部114は、径方向調節装置116により、支柱104の外端部に固定されており、撓み部112は、径方向延長部品118により、支柱104の外端部に固定結合されている。特に、径方向調節装置116は、支柱104の径方向位置、およびしたがってロータ軸受組立体66の径方向位置がGTE18(図1)の組立て後に微調整されることを可能にして、中心線の調節すなわちロータ組立体スプールの精密な心出しを実現する。この構造配置により、撓み部112および114は各々、支柱104とダンパハウジング110との間に、またはより一般的には、ロータ軸受組立体66とエンジンケース38との間に、機械的に連結されている。撓み部112は、ハウジング110の内面と協働して、主ダンパユニット102の内部に油圧室120を画定し、該油圧室は、シリコンオイルまたは他の適切な減衰流体で満たされている。油圧室120は、流体導管または流体経路124により蛇腹部122に流体連結されている。集合的に、油圧室120、蛇腹部122、および導管124は、その中に含まれる減衰流体と共に、減衰装置126を形成する。主ダンパユニット102の動作中、油圧室120の形状は、撓み部112の撓みと関連して変化し、そのような形状変化に適応する必要に応じて、油圧流体が油圧室120と蛇腹部122との間を流動する。減衰は、このように、減衰流体が油圧室120と蛇腹部122との間で交換される際の粘性損失によりもたらされる。蛇腹部122は、システム内に予荷重圧力を供給する機能を果たし、ならびに減衰流体の体積変化に適応するように熱補償装置としての機能を果たす。さらなる実施形態では、蛇腹部122は、剛性減衰流体室に置き換えられてもよく、その場合、減衰装置126は、油圧室120に流体連結されている独立した熱補償装置(例えば、ばね荷重ピストン)を含んでいてもよい。減衰装置126には、注入口128がさらに備え付けられていて、油圧室120の組立て後の充填を可能にしてもよい。
【0027】
[0030]軸ダンパ60の動作中、ロータ組立体から発せられた振動が、ロータ軸受組立体66を介して、径方向に配設されている支柱104を介して、主ダンパユニット102まで伝達される。主ダンパユニット102は、エンジンケース38への2つの振動伝達経路を提供する3パラメータ装置としての機能を果たす。第1の振動伝達経路は、支柱104から、撓み部114を通って、減衰ハウジング110まで、したがってエンジンケース38まで延在している。この経路に沿って移動する振動が、撓み部112および油圧室120の周囲で効果的に分路される。この経路に沿って伝達される振動は、主ばねとしての機能を果たしかつ主ばね定数Kを完全にまたは大部分決定するような撓み部114の撓みにより減衰される。第2の振動伝達経路は、支柱104から、撓み部112を通って、油圧室120を通って、減衰ハウジング110まで延在している。したがって、この経路に沿って伝達される振動は、調整ばねとして機能する撓み部112の撓みおよび減衰装置126の内部の減衰流体の対応する変位の両方により減衰される。撓み部112は、全体的なKパラメータの小さな誘因であり、Kが撓み部112および114ならびに蛇腹部122により一般に形成される閉じ込め室の適合性により決定されるという点で、さらにはパラメータKの一部である。最後に、減衰装置126は、減衰定数Cを完全にまたは大部分決定する。
【0028】
[0031]図6と関連して前述されている軸ダンパ60の構造的実施は、非限定的な例として提供されているに過ぎない。さらなる実施形態では、軸ダンパ60〜65(図2)が他の形をとってもよい。特に、軸ダンパ60〜65としての使用に一般に適した3パラメータ軸ダンパは、衛星および他の宇宙船に搭載され配置されている精密分離システムと共に商業的に利用される。3パラメータ軸ダンパまたは振動アイソレータの例が、現在Morristown、New Jerseyに本社がおかれているHoneywell,Inc.により開発され市販されているD−STRUT(登録商標)アイソレータである。そのような市販の振動アイソレータは、一般的に細長い支柱として一まとめにされており、各支柱がロータ軸受組立体とエンジンケースとの間に固定されている状態で、スポーク型配列でロータ組立体の周囲に円周方向に配置されてもよい。図6に示されている例示的実施形態に関して、詳細には、各3パラメータ支柱は、支柱104が配置されているのと基本的に同じ方法でGTE18の内部に配置されて、それにより、主ダンパユニット102などのケース取付け型減衰ユニットの必要がなくなる。
【0029】
[0032]先述は、このように、複数の臨界モードによりロータ組立体から発せられた振動をより効果的に減衰するために、エンジンのロータ組立体の周波数範囲に亘って増大した減衰帯域幅を有する広帯域減衰システムを含むガスタービンエンジンの実施形態を提供してきた。前述の広帯域減衰システムは、略線形の減衰プロファイルをもたらして、広い周波数範囲および荷重条件(振幅)により高減衰を可能にし、一方、また、略線形の独立に調整可能な剛性プロファイルをもたらして、ロータの中心線制御を向上させる。主にガスタービンエンジンと関連して前述されたが、広帯域減衰システムの実施形態は、ターボチャージャを含む他の種類のターボ機械と併せた使用にもよく適していることが、理解されよう。そのような実施形態では、広帯域減衰システムは、振動伝達経路に沿った、ターボ機械のロータ組立体の回転軸の周囲に角度をなして離間されておりかつロータ組立体とターボ機械の固定ハウジングとの間に配置されている第1の組の3パラメータ軸ダンパおよび第2の組の3パラメータ軸ダンパを含んでいてもよい。
【0030】
[0033]先述はまた、GTE18(図1)などの広帯域減衰型ガスタービンエンジンを製造する方法の実施形態を提供してきた。一実施形態では、本方法は、ロータ組立体とエンジンケース(例えば、図1、図2および図6に示されているエンジンケース38)を設けるステップと、ガスタービンエンジンの運転領域に亘るロータ組立体の複数のロータ臨界モードを特定するステップと、図4にグラフで示されている複数のロータ臨界モードを包含する目標周波数範囲に亘って分布している異なる周波数でピーク減衰をもたらすように、第1の組の3パラメータ軸ダンパおよび第2の組の3パラメータ軸ダンパ(例えば、図5に示されているダンパ60〜65)を調整するステップと、第1の組の3パラメータ軸ダンパおよび第2の組の3パラメータ軸ダンパを並列にロータ組立体とエンジンケースとの間に設置するステップとを含む。設置中、第1の組の3パラメータ軸ダンパおよび第2の組の3パラメータ軸ダンパは、図2に全般的に示されている通り、第1の組の3パラメータ軸ダンパが第2の組の3パラメータ軸ダンパの間に撒き散らされているように、所定の間隔でロータ組立体の周囲で円周方向に離間されていてもよい。
【0031】
[0034]少なくとも1つの例示的実施形態が先述の「発明を実施するための形態」に提示されているが、莫大な数の変形形態が存在することを理解すべきである。また、1つまたは複数の例示的実施形態が例に過ぎず、決して、本発明の範囲、適用性、または構成を限定することを目的としていないことを理解すべきである。むしろ、先述の「発明を実施するための形態」は、当業者に、本発明の例示的実施形態を実施するための便利な手引きを提供する。例示的実施形態に記載されている要素の機能および配置の種々の変更が、添付の特許請求の範囲に記載されている本発明の範囲から逸脱することなく、施されてもよいことが分かる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスタービンエンジン(18)であって、
エンジンケース(38)と、
回転軸を中心とする回転のために前記エンジンケース(38)の内部に取り付けられているロータ組立体(66)と、
前記ロータ組立体(66)と前記エンジンケース(38)との間に配設されている広帯域減衰システム(20)であり、
前記回転軸の周囲に角度をなして離間されている、第1の組の3パラメータ軸ダンパ(60、61、62)、および
前記回転軸の周囲に角度をなして離間されておりかつ前記第1の組の3パラメータ軸ダンパ(60、61、62)と並列に連結されている、第2の組の3パラメータ軸ダンパ(63、64、65)であり、前記第1の組の3パラメータ軸ダンパ(60、61、62)および前記第2の組の3パラメータ軸ダンパ(63、64、65)は、異なる回転周波数でピーク減衰をもたらすように調整されて、前記ガスタービンエンジン(18)の動作中に前記広帯域減衰システム(20)の減衰帯域幅を増大させる、第2の組の3パラメータ軸ダンパ(63、64、65)
を含む、広帯域減衰システム(20)と
を含む、ガスタービンエンジン(18)。
【請求項2】
前記ロータ組立体(66)は、第1の臨界モードを有し、前記第1の組の3パラメータ軸ダンパ(60、61、62)は、前記第1の臨界モードが発生する前記周波数より少ない周波数で前記ピーク減衰をもたらすように調整され、前記第2の組の3パラメータ軸ダンパ(63、64、65)は、前記第1の臨界モードが発生する前記周波数より高い周波数で前記ピーク減衰をもたらすように調整される、請求項1に記載のガスタービンエンジン(18)。
【請求項3】
広帯域減衰型ガスタービンエンジン(18)を製造する方法であって、
ロータ組立体(66)およびエンジンケース(38)を設けるステップと、
前記ガスタービンエンジン(18)の運転領域に亘る前記ロータ組立体(66)の複数のロータ臨界モードを特定するステップと、
前記複数のロータ臨界モードを包含する目標周波数範囲に亘って分布している異なる周波数でピーク減衰をもたらすように、第1の組の3パラメータ軸ダンパ(60、61、62)と第2の組の3パラメータ軸ダンパ(63、64、65)とを調整するステップと、
前記第1の組の3パラメータ軸ダンパ(60、61、62)と前記第2の組の3パラメータ軸ダンパ(63、64、65)とを並列に前記ロータ組立体(66)と前記エンジンケース(38)との間に設置するステップと
を含む、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−50104(P2013−50104A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−185305(P2012−185305)
【出願日】平成24年8月24日(2012.8.24)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)