説明

床仕上げ組成物、ラミネート及び床の処理方法

皮膜形成剤、明るさ誘発剤、及び希釈剤を含む床仕上げ材が提供される。床仕上げ組成物は、皮膜形成剤、明るさ誘発剤、及び希釈剤を含み、明るさ誘発剤は、組成物が、レネタフォーム5C不透明度(LENETA Form 5C Opacity)チャート上の厚さ約0.005 mmの硬化済仕上げ材、及び45°照射及び0°観察ジオメトリーを有するミニスキャンXEプラス(MINISCAN XE Plus)カラー分光光度計を使用して評価して、(a)チャートの黒部分上の高められた明度値L*、及び(b)チャートの黒部分及び白部分上で評価して、コントラスト比(CR0.80)約0.7未満を提供するのに十分な量で含まれる。ラミネート、床の処理方法、及びキットも提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、床仕上げ組成物、床仕上げ組成物から調製されたラミネート、及び床の処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
床及び床仕上げ材の外観を維持する際には、頻繁な洗浄、バフ処理、及び定期的なリニューアルを含めて、かなりの労力が費やされる。「光沢」仕上げ材が、特に望ましい外観を持つものと考えられることがあり、また、高い光沢レベルを得るために、何らかの透明仕上げ材が調製される。磨耗、高通行量、環境条件又は他の要因により、床基材の上側に適切な保護コートを維持するのが難しい場合がある。このような事例において、細かくすり潰されて侵入した、又は吸着された汚れ及び崩壊片が、床基材を永続的に染色し、又は変色させるおそれがある。
【0003】
多くの床仕上げ材は、黄ばみを避け、下側の床材を隠すのを避け、そして複数の層が長期間にわたって塗布されるのを可能にするために、できる限り透明であるように調製されるか、又は薄いコートを使用して適切な被覆率を提供するために、大量に顔料を含有させられる。透明仕上げ材は黄色の着色を有することがあり、又は風雨に晒されると黄ばみやすいことがある。細かくすり潰されて侵入した、又は吸着された汚れ及び崩壊片は、化学剥離剤の過剰に攻撃的な使用を引き起し得るのと同様に、透明及び顔料含有仕上げ材の変色を招くおそれがある。
【0004】
床仕上げ組成物はしばしば、化学的に剥離可能な高分子皮膜として提供される。これらの皮膜は床基材(例えばタイル、シートビニル物品、木材床及びテラゾ)の上面にコートすることにより、基材使用寿命を延ばし、そして所望の光沢外観を有する基材を提供することができる。仕上げ材はこれが磨耗し又は汚れてきたときに、除去して交換することができる。床仕上げ材に関与し、また顔料又は着色剤に言及する特許明細書は、米国特許第4,680,237号、同第5,284,705号、同第5,851,618号及び同第6,472,027号の各明細書を含む。ONYX(登録商標)黒色ウレタン改質アクリル系シーラー(Perma, Inc製)、BLACKJACK(登録商標)黒色厚板床仕上げ材(Johnson Diversey Inc.製)、及びNo. 402光沢黒色床仕上げ材(Spartan Chemical Company, Inc. 製)を含む、種々の黒色顔料含有床仕上げ材が、米国内で市販されている。蛍光増白剤を含有する床仕上げ材が米国特許第4,371,398号明細書に記載されている。ISHINE(登録商標)床仕上げ材(25%非揮発分、Spartan Chemical Co.製)、及びBETCO BEST(登録商標)床仕上げ材(32%非揮発分、Betco Corp.製)を含む蛍光増白剤を含有する種々の仕上げ材が米国内で市販されている。研磨剤含有表面仕上げ材を有し、そして酸化チタン、例えば二酸化チタンを含む種々の研磨粒子を使用して形成されると言われる床仕上げ材が、米国特許第5,445,670号明細書に記載されている。
【発明の開示】
【0005】
概要
我々は、適量の明るさ誘発剤を透明又は半透明の床仕上げ材中に含むことにより、よりきれいな、そしてより望ましいものとして知覚される外観を床に与えることができることを見いだした。本発明はこうして、1つの観点において、皮膜形成剤、及び、高められた明度値又は白さ指数を有する硬化済仕上げ材を提供するのに十分な明るさ誘発剤を含む、床仕上げ組成物を提供する。
【0006】
床仕上げ組成物が本発明に従って提供される。床仕上げ組成物は、皮膜形成剤、明るさ誘発剤、及び希釈剤を含む。床仕上げ組成物は、該組成物が、LENETA(登録商標) Form 5C Opacityチャート上の厚さ約0.005 mmの硬化済仕上げ材、及び45°照射及び0°観察ジオメトリーを有するミニスキャンXEプラス(MINISCAN XE Plus)カラー分光光度計を使用して評価して:
a) 該チャートの黒部分上の高められた明度値L*、及び
b) 該チャートの黒部分及び白部分上で評価して、コントラスト比(CR0.80)約0.7未満
を提供するのに十分な量で存在する明るさ誘発剤を含む。
【0007】
ラミネートが本発明に従って提供される。ラミネートは、床基材、及び該床基材上に設けられた、明るくされた乾燥コーティングを含む。該明るくされた乾燥コーティングは、床仕上げ組成物を乾燥又は硬化させる結果を含む。明るくされた乾燥コーティング上にオーバーコートを設けることができ、或いは、オーバーコートを、明るくされた乾燥コーティングとして提供することもできる。
【0008】
床の処理方法が本発明に従って提供される。該方法は、床基材から仕上げ材を剥離することによって、剥離済床基材を用意し、そして該剥離済床基材上に、明るくされた床仕上げ組成物を塗布する工程を含む。
【0009】
床の付加的な処理方法が本発明に従って提供される。該付加的な方法は、床基材上に設けられた仕上げ材を清浄化することによって、清浄化済仕上げ材を用意し、そして該清浄化済仕上げ材上に、明るくされた床仕上げ組成物を塗布する工程を含む。
【0010】
キットが本発明に従って提供される。キットは、床仕上げ組成物、並びに、剥離剤、第2の床仕上げ組成物、アプリケーター・ヘッド、モップ、マスキング材料、安全装置、容器オープナー、該床仕上げ組成物を保持するためのバックパック、該床仕上げ組成物を使用するための指示書、又は混合工具のうちの1つ以上を含む。床仕上げ組成物は、フレキシブルなバッグ又は剛性容器であってよい容器内に提供することができる。
【0011】
更なるキットが本発明に従って提供される。キットは、第1容器内に提供された皮膜形成剤と、第2容器内に提供された明るさ誘発剤と、該第1容器、該第2容器又はその両方の容器内に提供された希釈剤とを、該第1容器及び該第2容器の内容物の一部又は全てを所期使用現場で混合することにより、明るくされた床仕上げ組成物を提供するための指示書と一緒に含む。
【0012】
詳細な説明
「床仕上げ組成物」という語句は、床に塗布され、そして乾燥又は硬化させることにより、硬化済仕上げ材を形成する組成物を意味する。床仕上げ組成物は、よりシンプルに組成物と呼ぶこともできる。基材(例えば床基材)上に設けられた、乾燥又は硬化前の床仕上げ組成物の皮膜又はコーティングは、「湿潤コーティング」と呼ぶことができる。言うまでもなく、「乾燥又は硬化」という語句は、乾燥、硬化、又は乾燥と硬化との組み合わせを意味する。同様に、「乾燥又は硬化させられた」という語句は、乾燥、硬化、又は乾燥と硬化との組み合わせを受けたコーティングを意味する。
【0013】
「硬化済仕上げ材」という語句は、仕上げ材を「不粘着性」として特徴付けることができるように、十分に乾燥又は硬化した床仕上げ材を意味する。一般に、不粘着性の仕上げ材は、受け入れがたいほど足跡をつけることなしに、その上を歩くことができるような、床仕上げ組成物の乾燥又は硬化のレベル又は程度を表す。硬化済仕上げ材にくっついて足跡を形成することなしに、硬化済仕上げ材を横切って歩くことができるように、そして、所望の場合にはその上に付加的な床仕上げ組成物を塗布することができるように、十分に床仕上げ組成物が乾燥又は硬化することが望ましい。硬化済仕上げ材は、「乾燥コーティング」又は「硬化済コーティング」と呼ぶことができる。「床仕上げ組成物」は、続いて基材、例えば床に塗布するために容器内に提供されたときの組成物を意味することができ、そして、基材、例えば床上に層として提供されたときの、乾燥又は硬化前の組成物(「湿潤コーティング」)を意味することができる。
【0014】
配向を表す言葉、例えば、開示された仕上げ材内の種々の層の位置に関する「上側」、「下側」、「上」、「下」、「上方」、「最も上側」、「最も下側」、「間」などの言葉は、1つ又は2つ以上の層の相互の相対位置、又は基礎となる床基材に対して文脈が必要とする相対位置を意味する。配向を表す言葉は、或る特定の層が隣接することを必要とすること、又は特定された層の間の介在層の存在を排除することを意図するものではない。
【0015】
「オリゴマー」という語句は、複数(例えば2〜約30)のモノマー単位を含有する重合可能(例えば架橋可能)部分である。「皮膜形成剤」という語句は、基材にコーティングとして塗布されたときに、基材上に不粘着性皮膜を形成するか、又は形成するのを容易にする床仕上げ組成物又は硬化済仕上げ材中のポリマー又はポリマー形成成分を意味する。皮膜形成剤はバインダーと呼ぶこともできる。皮膜形成剤は、湿潤コーティング又は乾燥コーティング中に明るさ誘発剤を所定の位置に保持することができる。「皮膜形成剤」という語句は、ポリマーを意味し、そしてポリマーを形成する成分(例えばモノマー、オリゴマー、プレポリマー、及び架橋剤)を意味することができる。一般に、「皮膜形成剤」という語句は、高分子明るさ誘発剤を意味することを意図するものではない。
【0016】
「硬化システム」という語句は、組成物が乾燥、架橋又はその他の形式で硬化させられるようになることにより不粘着性皮膜を形成する、化学的又は物理的なプロセス(溶剤蒸発又は他の乾燥プロセス、光化学反応、電気化学反応、ラジカル・プロセス、熱プロセス、イオン・プロセス、湿分硬化プロセス、及び複数成分(例えば2成分又は3成分)架橋プロセスを含む)を意味する。
【0017】
「光」という言葉は、UV又は可視範囲、ほぼ2.5 x 10-7〜7.7 x 10-7メートルの電磁線を意味する。
【0018】
「半透明」という言葉は、開示された床仕上げ組成物又は硬化済仕上げ材のうちのいくつかを記述するために使用することができる。パターン形成された床基材上にNo.10ドローダウン・バー(Paul N. Gardner Co.から入手)を使用して基材に塗布されたときに、床上に立つ観察者に通常の日光の下で床基材パターンが識別可能であり続ける場合に、硬化済仕上げ材を半透明として特徴付けることができる。このように塗布されたときに、硬化済仕上げ材が半透明である場合、床仕上げ組成物を半透明として特徴付けることができる。No.10ドローダウン・バーは、厚さ約1ミルの湿潤コーティングを提供すると推定され、そして固形分約20 wt%の床仕上げ組成物の場合、乾燥コーティングの厚さは約0.2ミル(0.005 mm)を有すると推定される。当業者には明らかなように、他のコーティング厚を採用することができ、また、所与の床仕上げ組成物の乾燥コーティング厚は、床仕上げ組成物固形分レベル、及び塗布された湿潤コーティング厚に依存する。硬化済コーティング半透明性はまた、推奨される塗布厚に依存することがある。例えば、床仕上げ組成物は、半透明硬化済仕上げ材を0.2ミル厚として提供することができるが、しかし、コーティングが十分に厚く塗布され、また十分に厚い多層コーティングで形成される場合には、不透明の硬化済仕上げ材を提供することもできる。当業者にさらに明らかなように、半透明として特徴付けられる床仕上げ組成物は、いくつかの事例において、バルク液体形態(例えば容器内)で考えるときには不透明であってよい。開示された床仕上げ組成物のいくつかは、このようなバルク液体形態で提供されるときにはミルク状の外観を有していてよい。
【0019】
「明るさ誘発剤」という語句は、床基材上に設けられた硬化済仕上げ材中に使用されるときに、同じ床基材上に設けられた、明るさ誘発剤を含有しないことを除けば同一の硬化済仕上げ材と比較して、高められた明度値L*又は白さ指数WIを付与する材料を意味する。「明るくされた床仕上げ組成物」という語句は、同じ床基材上に設けられた、明るさ誘発剤を含有しないことを除けば同一の床仕上げ組成物から調製された硬化済仕上げ材と比較して、高められた明度値L*又は白さ指数WIを、床基材上に設けられた硬化済仕上げ材に付与するのに十分な明るさ誘発剤の量を含有する床仕上げ組成物を意味する。明るくされた床仕上げ組成物から形成された硬化済仕上げ材は、「明るくされた乾燥コーティング」又は「明るくされた硬化済仕上げ材」を意味することができる。
【0020】
「現場でリニューアル可能」という語句は、そうするのが望ましいようなときに、床基材のほとんどの部分を除去することなしに、基礎となる床基材から除去することができる硬化済床仕上げ材を意味する。仕上げ材のこのような除去は、最小限に研磨性の手段、例えば塩化メチレン非含有又はアセトン非含有の化学的剥離剤、及びモップ、及び洗剤溶液、穏やかに研磨性ではあるがしかし床にとって安全な手段、例えば不織布床スクラブ・パッド、又はその他の手段、例えばピーリング(攻撃的な除去技術、例えばサンドブラスト、又は塩化メチレン又はアセトンを基剤とする剥離剤を必要としない手段)を使用することができ、次いでこれを、同じ又は実質的に同様の仕上げ材と交換し、そして硬化させることにより、視覚的に平滑な不粘着性皮膜を提供することができる。
【0021】
「コーティング・システム」という語句は、2つ以上のコーティング層を含む、基材上のコーティングを意味する。「アンダーコート」という言葉は、床基材とトップコートとの間に配置された1つ又は複数の層を意味する。「トップコート」又は「オーバーコート」という言葉は、床基材及びアンダーコート上に設けられた1つ又は複数の層を意味する。「シーラー」という言葉は、基材の上及びこれに隣接してシーラーを塗布することによりシーリング特性を提供できるような十分な基材接着力を有する1つ又は複数の層を意味する。「シーラー仕上げ材」という語句は、何らかの光沢レベルを示し、そして磨き仕上げ又はバフ処理し、そしてトップコートとして使用することができるシーラーを意味する。このように、開示されたコーティング・システムが、アンダーコートとトップコートとの両方を含む必要はないことは明らかである。さらに、明るくされた床仕上げ組成物を使用して、シーラー、シーラー仕上げ材、アンダーコート、及びトップコートのうちの任意の1つ又は2つ以上を提供することができる。加えて、明るくされた床仕上げ組成物を使用して、シーラー、シーラー仕上げ材、アンダーコート、及びトップコートのうちのいずれかの1つ又は2つ以上の層を提供することができる。
【0022】
「ラミネート」という言葉は、基材と、基材上の1つ以上のコーティングとを有する構造を意味する。基材は床基材であってよい。基材の例は、ビニル複合タイル、テラゾ、コンクリート、木材床、ビニルシート床、リノリウム、ゴムシート、ゴムタイル、コルク、合成スポーツ用床、ビニルアスベストタイル、竹、木材ラミネート、人工木材製品(例えば木材エポキシブレンド、永久コーテッド基材、例えばPERGO(登録商標)及びPARQUET(登録商標)の名称で入手可能なもの)、石、大理石、スレート、セラミックタイル、グラウト、及び乾燥シェイク床を含む。コーティングは、湿潤コーティング又は乾燥コーティングとして提供することができ、そして1つの層又は複数の層として提供することができる。層のうちの1つ以上は、明るくされた床仕上げ組成物の塗布の結果である。多層の場合には、層のうちの2つ又は3つ以上を、同一の明るくされた床仕上げ組成物から提供することができ、そして、明るくされた床仕上げ組成物の結果ではない付加的な1つ又は2つ以上の層が存在してよい。
【0023】
明るくされた床仕上げ組成物で床をコートすることにより、明るさ誘発剤を含有しない床仕上げ組成物でコートされた床よりも「きれいな外観」を有する床を提供することができる。なお、「よりきれいな外観」とは、明るさ誘発剤を含有する床仕上げ組成物で処理された後、床の外観を主観的に評価することを意味する。一般に明るさ誘発剤は、明るさ誘発剤を含有しないことを除いて同一の床仕上げ組成物と比較して、高められた明度値L*又は白さ指数WIを床に提供することができる。明るくされた床仕上げ組成物は、新しい床に塗布することができ、そして使用済み床に塗布することにより「よりきれいな外観」を提供することもできる。新しい床の場合、明るくされた床仕上げ組成物は、ベージュの床及びこれよりも若干暗めのパターンを備えた床のような白以外の床に対してより大きな効果を有することができる。明るくされた床仕上げ組成物は、歩行の結果として磨耗した、そして通行の結果として汚れを含有し得る使用済み床に有用である。
【0024】
明るくされた床仕上げ組成物は、工業用又は商業用床仕上げ作業において使用することができる。多くの工業用又は商業用床仕上げ作業において、床を一晩で処理することが望ましい。例えば、従業員や顧客が床を歩かない時間、及び剥離、清浄化及び新しい仕上げ材を塗布するために床を利用できる時間にはしばしば限りがある。1日24時間オープンしている或る特定の環境、例えば病院やコンビニエンスストアにおいて、床をできる限り素早く処理することが望ましい。慣用の工業用又は商業用床仕上げ技術は、床を剥離して既存の磨耗したコーティングを除去し、次いで複数の床仕上げ組成物層を塗布することを含む。明るさ誘発剤を含有する1つ以上の床仕上げ組成物層を導入することにより、よりきれいなものとして知覚される床外観が、全体的な効果として得られる。明るくされた床仕上げ組成物から成る複数の層は、このようなよりきれいな外観を増大又は向上させることができる。加えて、明るくされた硬化済仕上げ材上にオーバーコートを設けること、又は床基材上にシーラーを設けることが望ましい場合がある。
【0025】
商業用途又は工業用途の慣用の床処理作業の場合、床はしばしば、汚れを除去するためにクリーニングされ、又は既存の床コーティングを除去するために剥離される。1つ又は2つ以上(典型的には1〜約20)のコーティングを清浄化済又は剥離済床に塗布することにより、修復された仕上げを提供することができる。一般に、コーティングの数は、床を処理するのに利用可能な時間にしばしば依存する。約7又は8時間である一晩では、7つ又は8つを上回るコーティングを塗布することは難しい場合がある。加えて、特定のタイプのコーティングは、他よりも耐久性があると考えることができ、そして所望の保護レベル又は光沢レベルを得るために、より耐久性のあるコーティングから成る1つ又は2つを上回る層を塗布することが必要でない場合がある。或る特定のコーティングは、所望の保護レベル又は光沢レベルを達成するために、複数の層を必要とする場合がある。さらに、塗布された床仕上げ組成物は、互いに異なっていてもよく、結果として、互いに異なる乾燥速度又は硬化速度を有していてよい。
【0026】
ここで図1(a)〜(c)を参照すると、床基材10が、アンダーコート12及びオーバーコート14を有する状態で示されている。アンダーコート12は、単一の明るくされた乾燥コーティング16を含有するものとして、図1(a)に示されている。図1(b)には、アンダーコート12は、2つの明るくされた乾燥コーティング16を含有するものとして示されており、図1(c)には、アンダーコート12は、3つの明るくされた乾燥コーティング16を含有するものとして示されている。明るくされた乾燥コーティング層は所望の通りの多さで存在してよい。いうまでもなく、明るくされた床仕上げ組成物を塗布することにより、明るくされた各乾燥コーティング16を形成し、又は下側の層が不粘着性になったあと後続上側の層を塗布することができる。明るくされた乾燥コーティング多層16を設けることにより、単層と比較して、明るくされた乾燥コーティング16をより均一に、床基材10に塗布することができ、また、単層と比較して、「きれいな外観」又は明るくされた効果を高めることができる。明るくされた乾燥コーティング16から成る多層は、塗布中に床基材上に発生し得るギャップ、薄い領域、又は厚い領域の存在を低減するのを助けることができる。多数の層を提供することにより、より一貫して且つ均一に床への塗布を達成することができる。オーバーコート14は、所望の通り、複数の乾燥コーティング18を含むことができる。図1(a)-(c)は、4つから6つの乾燥コーティング層18を開示している。なお、わずか1つの乾燥コーティング18が存在してよく、また、所与の用途において望まれる光沢レベル又は保護レベルを提供するために、所望の数の乾燥コーティング層が存在してもよい。加えて、所望の場合にはオーバーコート14を省くことができることも明らかである。例えば、1つ以上の明るくされた乾燥コーティング16を含有するアンダーコート12が、所与の用途のための所望の光沢レベル又は保護レベルを提供することができる。同様に、アンダーコート12を省くこともでき、そして1つ以上の明るくされた乾燥コーティングを含有するオーバーコート14を提供することもできる。
【0027】
ここで図2を参照すると、床基材20が、アンダーコート22及びオーバーコート24を有する状態で示されている。アンダーコート22は、複数の明るくされた乾燥コーティング26を含む(しかし所望の場合には、単一の明るくされた乾燥コーティング26が設けられてもよい)。オーバーコート24は、単一の乾燥コーティング層28を含む。単一の乾燥コーティング層28は、ポリアクリレートを基剤とする水系コーティングとして提供することができ、或いは、比較的耐久性の高いタイプのコーティング、例えばポリウレタン・コーティング、エポキシ・コーティング、又は熱硬化性又はUV硬化性コーティングとして提供することもできる。比較的耐久性の高いタイプのコーティングのうちの多くはしばしば、より少ないコートを有する比較的厚い層として塗布することにより、所望の光沢レベル又は保護レベルを提供する。なお、複数の層を有するオーバーコート24を提供することができ、そしてオーバーコート層のうちの1つ以上を、明るくされた乾燥コーティングとして提供することができる。
【0028】
「スクラブ及び再コート」技術から生じる床が図3に示されている。床基材30は、アンダーコート32と、アンダーコート上に設けられたオーバーコート34とを有する状態で示されている。例えば、アンダーコート32は、複数の明るくされた乾燥コーティング36を有する状態で示されており、そしてオーバーコート34は、多数の乾燥コーティング38を有する状態で示されている。なお、アンダーコート32は任意の数の明るくされた乾燥コーティング36を有することができ、オーバーコート34は任意の乾燥コーティング38を有することができる。アンダーコート32及びオーバーコート34を含有する床基材30は、特定のレベルの磨耗を受けたあと、オーバーコート34を清浄化することができ、そして新しい明るくされた床仕上げ材をこの上に塗布することにより、明るくされた乾燥コーティング40を形成することができる。「スクラブ及び再コート」技術の利点は、床基材30からのオーバーコート34及びアンダーコート32の剥離を回避できることである。加えて、複数の明るくされた乾燥コーティング層40を塗布することにより、被覆の均一性を高め、或いは明化効果を増大させることができる。加えて、明るくされた乾燥コーティング層40上にオーバーコート42を設けることができ、オーバーコート42は1つ又は2つ以上の乾燥コーティング層44を含むことができる。さらに、明るくされた乾燥コーティング層40を省くことができ、乾燥コーティング層44の1つ又は2つ以上を、明るくされた乾燥コーティングとして提供することができる。
【0029】
「スクラブ及び再コート」技術の付加的な例が図4に示されている。この図面において、床基材50は、第1コーティング52を含む。第1コーティング52は、1つ又は2つ以上のアンダーコート層、又は1つ又は2つ以上のオーバーコート層を含むことができる。アンダーコート層又はオーバーコート層のうちで、明るくされた床仕上げ組成物の結果であるものはない。すなわち、第1コーティング52は、同じ又は異なる床仕上げ組成物から生じる1つ又は2つ以上のコーティングを含むことができるが、しかし、明るくされた乾燥コーティングと考えられるコーティングはない。第1コーティング52は、スクラブ処理することができ、そして、その上に明るくされた床仕上げ組成物を塗布することにより、明るくされた乾燥コーティング56を含有するアンダーコート54を形成することができる。この上にオーバーコート58を設けることができ、オーバーコート58は1つ又は2つ以上の乾燥コーティング層60を含むことができる。加えて、アンダーコート54を省くことができ、オーバーコート58内の乾燥コーティング層60のうちの1つ又は2つ以上を、明るくされた乾燥コーティングとして提供することができる。「スクラブ及び再コート」技術の利点は、床を剥離することなしに、磨耗された又は汚された床上で、明化効果が達成されることである。
【0030】
図5は、1つ又は2つ以上のシーラー層72を含む床基材70を示す。或る特定の基材、例えばコンクリート又はテラゾをコートする場合、1つ又は2つ以上のシーラー層72を設けることが望ましい場合がある。この上には、1つ以上の明るくされた乾燥コーティング76を含むアンダーコートを設けることができる。この上にはオーバーコート78を設けることができ、そしてオーバーコート78は1つ又は2つ以上の乾燥コーティング層80を含むことができる。
【0031】
なお、層1-5に示された層の種々の組み合わせは包括的なものではなく、明るくされた床仕上げ組成物を床仕上げ用途例に使用することにより、明化効果を提供する種々の方法を代表するものにすぎない。すなわち、明るくされた床仕上げ組成物を、床処理技術全体において他の床仕上げ組成物と組み合わせて使用することができる。加えて、明るくされた床仕上げ組成物を、アンダーコートを形成するものとして示しているが、他の床仕上げ組成物を使用することにより、明るさ誘発剤を含んでも含まなくてもよいアンダーコートを形成することもできる。さらに、アンダーコートは、明るくされた床仕上げ組成物から生じた層を含むことを必要とせず、そして、明るくされた床仕上げ組成物は、シーラー又はオーバーコートを含むラミネートの他の成分中に使用することができる。
【0032】
いくつかの異なるタイプの床仕上げ組成物が、市場で一般に入手可能である。1つのタイプの床仕上げ組成物は、水系ポリアクリレート系組成物と呼ぶことができる。一般に、水系ポリアクリレート系組成物は、ポリアクリレート又はポリアクリレート形成成分を含む。なお、「ポリアクリレート」という用語は、メチル置換型又は他のアルキル置換型のポリアクリレート又はポリアクリレート形成成分(ポリメタクリレート又はポリメタクリレート形成成分)を含む。組成物は水中に分散させてもさせなくてもよい。水系ポリアクリレート系組成物は、組成物が乾燥又は硬化するにつれて放出されるVOCが比較的低レベルであることにより、そしてこのような組成物が床基材にモップ塗布されやすいことにより望ましい。付加的なタイプの床仕上げ組成物は、ポリウレタン系組成物、エポキシ系組成物、UV硬化性組成物、熱硬化性組成物、及び当業者によく知られるその他の組成物を含む。これらの組成物は、より高いVOCレベルを含み、種々異なる成分又は部分を混合して硬化反応を形成すること必要とし、或いは、或る特定のタイプの光又は熱を利用して硬化反応を引き起すことができる。なお、このリストは、利用することができる又は将来利用可能になる種々のタイプの床仕上げ組成物を包括するものではない。加えて、挙げられたこれらの組成物は相互排他的ではない。「床仕上げ組成物」とは、記述内容が特定のカテゴリーに言及しない限り、種々のタイプの床仕上げ組成物のいずれかを意味する。
【0033】
種々の明るさ誘発剤を、床仕上げ組成物中に使用することができる。一般に、明るさ誘発剤は、明るさ誘発剤を含有しないことを除けば同一の硬化済仕上げ材と比較して、明度値L*が増大すること、又は白さ指数WIが増大することにより実証されるような明化効果を有する硬化済仕上げ材を提供することになる。高められた明度値L*のレベルは、所望の場合には定量化することができる。例えば、ミニスキャンXEプラス(MINISCAN XE Plus)カラー分光光度計(Hunter Associates Laboratory製)を使用して、レネタフォーム5C不透明度(LENETA Form 5C Opacity)チャートの黒部分上の乾燥コーティング厚約0.2ミル(約0.005 mm)で測定して、床仕上げ組成物が約6以上の明度値L*を提供するときに、明度値L*を高めたものとして床仕上げ組成物を特徴付けることができる。同じ試験下で、コートされていない不透明度チャートの明度値L*、及び慣用の商業的に利用可能な床仕上げ材(例えばEcolab Inc.製のGEMSTAR LASER(登録商標)仕上げ材)の明度値L*は、6未満である。同じ試験を用いた場合、明るさ誘発剤を含有する床仕上げ組成物の明度値L*は、例えば約10を上回り、約20を上回り、約30を上回り、又は約40を上回ることができる。高められた白さ指数WIのレベルは、所望の場合に定量化することもできる。例えば、レネタフォーム5C不透明度(LENETA Form 5C Opacity)チャートの黒部分上の乾燥コーティング厚約0.2ミル(約0.005 mm)で測定して、そしてミニスキャンXEプラス(MINISCAN XE Plus)カラー分光光度計を使用して、床仕上げ組成物が2を上回る白さ指数WIを提供するときに、白さ指数WIを高めたものとして床仕上げ組成物を特徴付けることができる。GEMSTAR LASER仕上げ材でコートされない場合、又はコートされる場合、レネタフォーム5C不透明度(LENETA Form 5C Opacity)チャートの黒部分の白さ指数は、約1未満で測定された。同じ試験下で、明るさ誘発剤を含有する床仕上げ組成物の白さ指数WIは、例えば約3を上回り、約5を上回り、約10を上回り、約20を上回ることができる。
【0034】
明るさ誘発剤の例は、顔料(例えば有機及び無機顔料)、可溶性塩、及び架橋剤を含む。明るさ誘発剤は、独立して、又は種々の床仕上げ組成物と組み合わせて使用することができる。明るさ誘発剤は、微粉砕された粒子を含むことができる。これらの粒子は、乾燥形態(例えば粉末、チップ又はフレーク)として、又はエマルジョン、懸濁液、ラテックス又はその他の液状又は半固形形態として得ることができる。明るさ誘発剤は例えば、ミクロン以下の平均粒子直径を有することができ、また例えば明るさ誘発剤の不存在において得られるものよりも入射光の拡散反射率又は正反射率が大きくなるように、皮膜形成剤の屈折率とは十分に異なる屈折率を有することができる。
【0035】
明るさ誘発剤の例は、National Association of Printing Ink Manufacturersによって、NPIRI Raw Materials Data Handbookにおいて不透明又は半透明顔料と指定された材料を含む。明るさ誘発剤の付加的な例は、Code of Federal Regulations (CFR), Title 21-Food and Drugs, parts 170〜186に記載されているような、間接的又は直接的な食品添加物又は物質として適合可能な食品等級材料として指定された材料を含む。明るさ誘発剤の付加的な例は、有機材料、例えば機能改質(例えば疎水性改質)ポリマー、高分子粒子(例えば高分子ナノ粒子)、ヒドロゲル、及び表面処理型無機粒子、及び表面処理型有機粒子(例えば粒子)を含む。
【0036】
コア-シェルポリマー系又はシース型ポリマー系、特に、皮膜形成剤中に溶解又は懸濁されたときに1つの視覚的形態(例えば透明又は僅かに不透明)を有し、そして皮膜形成剤が乾燥、架橋、又はその他の形式で硬化させられたときに、別の視覚的形態(例えば不透明、白又は有色)を有するポリマー系を、明るさ誘発剤として使用することができる。床仕上げ組成物が乾燥又は硬化したときに、明化効果を形成することにより、床仕上げ組成物が十分に硬化して別の床仕上げ組成物をその上に設けることができるほどになるとそれを識別するのを助けるために、視覚的な指標を利用することができる。加えて、このような明るさ誘発剤は、沈澱又は沈降に対する良好な抵抗性を示すことができる。このような明るさ誘発剤は例えば、より沈澱しやすい明るさ誘発剤、例えば二酸化チタン及び酸化亜鉛のための完全又は部分的な代替物として役立つことができる。種々の要因が、視覚的形態における上記変化の原因となる。明るさ誘発剤は例えば、皮膜形成剤が硬化された時に内部ミクロボイドを含有するか又は内部ミクロボイドを形成することができる。このようなミクロボイド型明るさ誘発剤は、ヘテロポリマーの連続エマルジョン重合分散型粒子を含む。これらの粒子において、高分子酸「コア」は、高分子「シェル」又は「シース」内に少なくとも部分的に取り囲まれる。「シェル」又は「シース」は、中和によってコアを膨潤させるように適合された揮発性塩基(例えばアンモニア又は有機アミン)を通すことができる。このような粒子の水性分散体は、水性コーティング組成物中で有用であり得る。コーティング塗布前に、粒子、又は粒子を含有する組成物にアルカリ(例えば水酸化カリウム、アンモニア、または低級有機アミン)を添加して、コアを少なくとも部分的に中和し(例えばpH約6に)、そしてこれを膨潤させることができる。膨潤された粒子を含有するコーティング組成物が基材に塗布され、乾燥するように放置又は促進されると、コアは膨潤されなくなり、ミクロボイドが形成され得る。このような明るさ誘発剤には、例えば、酸官能性を含有するエチレン系不飽和型モノマー、例えばアクリル酸、メタクリル酸、(メト)アクロルオキシプロピオン酸、イタコン酸、アコニット酸、マレイン酸又は無水マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、モノメチルマレエート、モノメチルフマレート、及びモノメチルイタコネートから成るポリマーを含む、種々のコア・ポリマーを採用することができる。このような明るさ誘発剤中には、例えば不飽和型モノマー、例えばスチレン、o-クロロスチレン、2,6-ジクロロスチレン、アルファメチルスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルナフタレン、ペンタクロロフェニルメタクリレート又はペンタブロモフェニルメタクリレートから成るポリマーを含む、種々のシェル又はシース・ポリマーを採用することもできる。コア及びシェル又はシースは、単一の段又は複数の段で形成することができる。堆積されるポリマーの量は、未膨潤粒子平均直径(すなわち、中和前の直径)が約0.05〜約5マイクロメートル、例えば約0.1〜約3.5マイクロメートル、又は約0.2〜約2マイクロメートルのヘテロポリマー粒子を提供するのに十分であってよい。このクラスの明るさ誘発剤に関する更なる情報は、米国特許第4,427,836号明細書及び同第4,594,363号明細書、及び2004年5月27日付けで出願された同時係属中の出願第10/857,593号明細書に見いだすことができる。これらの開示内容を参考のため本明細書中に引用する。
【0037】
ソサイアティーオブダイヤーアンドカラリストカラーインデックス(Society of Dyers and Colourists Colour Index)(「C.I.」)において「ピグメント・ホワイト」として指定され、そして開示された床仕上げ組成物中で使用するのに適した顔料は、酸化亜鉛(ピグメント・ホワイト4、C.I. 77947);リトポン(ピグメント・ホワイト5、C.I. 77115);二酸化チタン(ピグメント・ホワイト6、C.I. 77891);硫化亜鉛(ピグメント・ホワイト7、C.I. 77975);酸化アンチモン(ピグメント・ホワイト11、C.I. 77052);酸化ジルコニウム(ピグメント・ホワイト12、C.I. 77990);硫酸バリウム(ピグメント・ホワイト21、C.I. 77120);共沈3BaSO4/Al(OH)3(ピグメント・ホワイト23、C.I. 77122)及びオキシ塩化ビスマス(C.I. 77163)を含む。開示された仕上げ材中で高められた明るさ特性を誘発するのに適した他の無機顔料は、窒化ホウ素;混合された酸化チタン、酸化クロム及び酸化アンチモン(ピグメント・ブラウン24、C.I. 77310);硫化亜鉛(ピグメント・イエロー35、C.I. 77055);混合された酸化チタン、酸化ニッケル及び酸化アンチモン(ピグメント・イエロー53、C.I. 77788);混合された酸化チタン、酸化ニッケル及び酸化ニオブ(ピグメント・イエロー161、C.I. 77895);及びバナジウム酸ビスマス/モルブデン酸ビスマス(ピグメント・イエロー184、C.I. 771740)を含む。商業的に入手可能な二酸化チタン顔料は、E.I. Dupont de Nemours and Co.製のTI-PURE(登録商標)顔料、例えばTI-PURE R-746水性顔料分散体及びTI-PURE R-960顔料;Kemira Pigments Oy製のKEMIRA(登録商標)顔料及びUV-TITAN(登録商標)顔料、例えばKEMIRA 660アルミナ-シリカ-ポリオール表面処理型ルチル型二酸化チタン;KEMIRA RDI-Sアルミナ表面処理型ルチル型二酸化チタン;KEMIRA RD3アルミナ-ジルコニア表面処理型ルチル型二酸化チタン、及びKEMIRA RDE2及びKEMIRA RDDIアルミナ-シリカ表面処理型ルチル型二酸化チタン;Kerr-McGee Corp製のTRONOX(登録商標)塩化物プロセス及びTRONOX硫酸塩プロセス二酸化チタン顔料;及びSun Chemical Corp.製の二酸化チタン顔料を含む。商業的に入手可能な酸化亜鉛は、U.S. Zinc.製の酸化亜鉛粉末(種々の表面において利用可能)、及び「超微細酸化亜鉛」(平均粒子直径又は平均クリスタリット・サイズが、可視光の最短波長よりも小さい酸化亜鉛)、例えばNanophase Technoligies Corp.製のNANOGARD(登録商標)酸化亜鉛、NANOPHASE(登録商標)酸化亜鉛、及びNANOTEK(登録商標)酸化亜鉛;Greencorp Magnetics Pty. Ltd.製のNANOZINC OXIDE(登録商標);Rohm and Haas Co.製のUCD-1106E二酸化チタン、及びSumitomo-Osaka Cement co.製のZnO-310及びZnO-350超微細酸化亜鉛、及びAmerican Chemet Corp.製のZINOX(登録商標)350超微細酸化亜鉛を含む。
【0038】
開示された仕上げ材中の明るさ特性を高めるのに適した有機材料は、ACUSOL(登録商標)不透明剤(水性スチレン/アクリル系エマルジョンであると考えられる)、例えばACUSOL OP301、OP302P、OP303P、OP304及びOP305(全てRohm and Haas Co.製);アンモニウムノノキシノール-4スルフェート(ジエタノールアミン/スチレン/アクリレート/ジビニルベンゼンコポリマーとのブレンド中で利用可能であると考えられる);HIQUE(登録商標)スチレンアクリル系ポリマー・エマルジョン・ポリマーミクロビード、例えばHIQUE 821、HIQUE 168、及びHIQUE 280S(全てHankuck Lattices Co., Ltd.);中空球体プラスチック顔料、例えばHS 3000NA、HS 3020NA及びHSB 3042NA中空球体プラスチック顔料(全てDow Chemicals, Inc.);親水性及び疎水性ブロックを交互に有するポリアクリレート・ブロックコポリマー、例えばSA-100H及びSR-150Hアクリル酸/アクリロ窒素コポリマー、SS-201アンモニウムアクリレート/アクリロ窒素コポリマー、及びQT-100ポリクオタニウム-31コポリマーを含むHYPAN(登録商標)ヒドロゲル(全てLipo Chemicals, Inc.製);KESSCO(登録商標)不透明剤、例えばKESSCO GMS PUREグリセリルステアレート、KESSCO DGMS及びKESSCO DGS NEUTRAL PEG-2ステアレート、KESSCO DGDS PEG-2ジステアレート、KESSCO PGMS PUREプロピレングリコールステアレート、及びKESSCO PEG 200-6000 モノ-及びジ-ラウレート、オレエート及びステアレート(全てStepan Chemical Co.製);LIPONYL(登録商標)ポリアミド粉末、例えばLIPONYL 20LL及び10 BN 6058(両方ともLipo Chemical Co.製);LIPOLIGHT(登録商標)OAP/C ポリドデカンアミドアミニウムトリアザジフェニルエテンスルホネート/ポリビニルアルコールコポリマー(Lipo Chemical Co.製);Lipo PE BASE G-55グリセリン、及びジグリコール/シクロヘキサンジメタノール/イソフタレート/スルホン化イソフタレートコポリマー(Lipo Chemical Co.製);ORGASOL(登録商標)ポリアミド粉末、例えばORGASOL 2002 D Nat Cos, 2002 EX D Nat Cos, 2002 UD Nat Cos, 4000 EX D Nat Cos, 1002 EX D Blanc 10 Cos, 1002 D Nat Cos及び2002 EX D Nat Cos(全てLipo Chemical Co.製);PARALOID(登録商標)衝撃改質剤、例えばPARALOID KM-342、PARALOID KM-342B及びPARALOID KM-334(全てRohm and Haas Co.製);ROPAQUE(登録商標)不透明ポリマー・エマルジョン、例えばROPAQUE OP-96、ROPAQUE AF-1055及びROPAQUE ULTRA(全てRohm and Haas Co.製);及びSUNSPHERES(登録商標)LCGスチレン/アクリレートコポリマー(全てRohm and Haas Co.製)を含む。
【0039】
明るさ誘発剤の水系溶液又は分散体を、所望の場合には水系床仕上げ組成物とともに使用することができる。明るさ誘発剤のアクリル系分散体が望ましくは、アクリル系床仕上げ組成物中に使用することができる。明るさ誘発剤の混合物を採用することもできる。
【0040】
明るさ誘発剤の例はまた、希釈剤可溶性明るさ誘発剤を含む。希釈剤可溶性明るさ誘発剤は、希釈剤が除去されると、明化効果を提供する。一般に、「希釈剤可溶性明るさ誘発剤」という語句は、床仕上げ組成物中に提供された希釈剤中の溶解度が10 g/L以上の明るさ誘発剤を意味する。このような溶解度は、例えば約50 g/Lを上回っていてよい。希釈剤は例えば、水、又は1種又は2種以上の有機溶剤であってよい。
【0041】
希釈剤不溶性明るさ誘発剤(例えばいくつかの顔料)は、その希釈剤を含有する床仕上げ組成物中に沈降する傾向を有する場合がある。沈降の範囲は、分散物質又は分散剤を利用することにより低減することができる。沈降量を低減するために、そして分散剤の使用量を低減するために、明るさ誘発剤は、床仕上げ組成物の希釈剤中に可溶性の有機可溶性明るさ誘発剤として選択することができる。例えば床仕上げ組成物が水系である場合、明るさ誘発剤は水溶性であってよい。床仕上げ組成物が有機物を溶剤又は補助溶剤として含む場合、明るさ誘発剤は、これが溶剤又は補助溶剤中に可溶性であるように提供することができる。
【0042】
水溶性明るさ誘発剤の例は、塩、例えば酢酸カリウム、クエン酸カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムナトリウム、及びこれらの混合物を含む。
【0043】
別のクラスの明るさ誘発剤の例は、有機金属化合物を含む。有機金属化合物は、ヒドロキシ基又はカルボキシル基を含有する皮膜形成剤と相互作用して不透明効果を生じさせる。有機金属化合物の例は、チタン酸塩及びジルコン酸塩を含む。チタン酸塩及びジルコン酸塩の例は、TYZOR LA(水性系用途のための水性乳酸チタンキレートアンモニウム塩)、TYZOR 217(水性乳酸ジルコニウム)、TYZOR 212(水溶性のジルコニウムキレート)、及びTYZOR TEAZ(キレート剤としてトリエタノールアミンを有する有機ジルコニウムキレート)を含むTYZOR(登録商標)(E.I. Dupont de Nemours and Co.製)の名称で入手可能である。
【0044】
床仕上げ組成物中に十分な明るさ誘発剤を使用することにより、硬化済仕上げ材に、仕上げ材を非半透明にさせることなしに、明るさの顕著な増大を付与することができる。Byk-Gardner, Color-Tc Associates, Inc., Konica Minolta, Hunter Associates Laboratory, X-Rite Inc.、及び色測定分野においてよく知られたものを含む供給元から入手される、L*A*B色空間における色値(又はこれに変換することができる値)を提供する分光光度計を使用して、明度を測定することができる。明度はまた、人間の目によって評価することができる。人間の目は典型的には色相の変化に対して最も感受性が高く、そして色度(彩度)の変化に対して感受性が高いが、しかし明度の変化に対してもかなり感受性が高い。明るさ誘発剤レベルが最初に増大すると、明度値も高くなり、そして床は、よりきれいな、しかも知覚できるほどに自然な外観を有することができる。しかし、明るさ誘発剤レベルが増大すると、コーティング半透明性(及び透過率)が低減することもある。コーティングの半透明性が低ければ低いほど、下側のタイル表面又は下側のパターンは、より大幅にマスキングされるか、又は見えなくされることになる。明るさ誘発剤の添加レベルが高いと、床は不自然に白い外観又はペイントされた外観を成すことがある。適度な明化効果、及び適度は半透明性を得るために、明るさ誘発剤添加レベルのバランスを取ることにより、よりきれいに見え、しかも識別可能なコート済床を達成することができる。結果として得られる「きれいに見える」床は、使用者の立場では、より望ましい外観を有することができ、そして、管理者の立場では、クリーニング又は定期的なメンテナンスの必要が少なくて済む。
【0045】
明るさ誘発剤の所望の量は、選ばれた明るさ誘発剤の隠蔽力に依存することもある。隠蔽力は、床仕上げ組成物をレネタフォーム24Bグレイスケール(LENETA Form 24B Gray Scale)チャートに塗布して乾燥コーティング厚約0.015 mm(0.6ミル)を提供することにより、床仕上げ組成物に関して評価することができる。複数の層を塗布することにより、乾燥コーティング厚を達成することができる。コート済グレースケール・チャートから3メートル離れたところに位置する観察者が、白背景から明らかに区別することのできる最初のグレースケール・バーを識別し、これは床仕上げ組成物の隠蔽力に相当する。グレースケール・バーの値が高ければ高いほど、この値は、より大きい隠蔽力、及び下側層をマスキングするより良好な能力を有するコーティングに対応する。従って、隠蔽力の高い床仕上げ組成物を提供する明るさ誘発剤(例えば二酸化チタン)を、比較的少量で使用できることは明らかである。床仕上げ組成物は、約3未満の隠蔽力を提供するように調製することができ、また、約2未満の隠蔽力を提供するように調製することができる。明度値L*を隠蔽力で割算することにより更なる比を計算することができる。隠蔽力に対する明度値L*の比に関して、明度値L*及び隠蔽力値は、レネタフォーム5C不透明度(LENETA Form 5C Opacity)チャート及びレネタフォーム24Bグレイスケール(LENETA Form 24B Gray Scale)チャート上の乾燥コーティングから得られた約0.015 mmの乾燥コーティング厚に基づくことができる。明度値L*は、Opacity チャートの黒部分上で測定され、そして隠蔽力は、グレースケール・チャート上の白背景から明らかに区別することができる最初のグレースケール・バーとして見極められる。なお、隠蔽力に対する明度値L*の比に関して用いられる明度値L*は、前述の明度値L*とは若干異なる状態で見極められる。
【0046】
明るさ誘発剤は、トップコートに添加される場合、好ましくは、硬化された(又は必要ならば、バフ処理又は磨き仕上げされた)状態のコーティング20°光沢レベルを不都合なほどには低減しないレベルで添加される。不都合となり得る光沢低減度は、特定の用途に応じて変化する。一般的な数値ガイドとして、光沢レベル低減は25絶対ポイント(100ポイント・スケール上)が好ましく、10ポイント未満がより好ましい。アンダーコート(又は明るさ誘発剤を含有しない又は明るさ誘発剤をより低いレベルで含有する層でオーバーコートされることになる埋設上側層)に添加される場合、通常、より高い光沢低減度を許容することができる。それというのは、この光沢低減度は、上側層又はトップコートを塗布することにより補償することができるからである。より高い光沢層でコートされなくても、明るさレベルを増強することにより外観が全体的に改善されるので、これにより、かなりの程度の光沢低減を相殺できることがあり、光沢レベルが相当低減されるにもかかわらず、より良好な外観を有するものとして知覚されることになる仕上げがもたらされる。
【0047】
一般に、床仕上げ組成物中の明るさ誘発剤の総量は、特定の用途のための所望の明度値L*及び白さ指数WIを有する乾燥済コーティング又は硬化済仕上げ材、又は複数の乾燥済コーティング層又は硬化済仕上げ材層を提供するのに十分であるべきである。すなわち、明度値L*又は白さ指数WIのレベルは、コーティングを施される床基材、及び、十分によりきれいな又はより明るい床外観を望む人物の主観的評価に依存することができる。明るさ誘発剤は例えば、何らかの床基材に対する明度値L*及び白さ指数WIの効果を達成するために、約0.5 wt%以上の量で、何らかの床仕上げ組成物中に提供されてよい。なお、床仕上げ組成物中の明るさ誘発剤の最大量は、床仕上げ組成物の化学的性質に依存することもある。或るタイプの床仕上げ組成物は、より多量の明るさ誘発剤が、半透明性を維持しつつ、所望の明度値L*特性及び白さ指数WI特性を達成するのを可能にする。例えば、ポリアクリレート系水性床仕上げ材において、明るさ誘発剤の量は、約30wt%未満であってよく、約1wt%〜約20wt%であってよく、或いは約3wt%〜約15wt%であってよい。所望の量は、無機明るさ誘発剤、有機明るさ誘発剤、又は無機明るさ誘発剤と有機明るさ誘発剤との組み合わせを含む総明るさ誘発剤量を表すことができる。乾燥済コーティングは例えば、約1wt%〜約90wt%の明るさ誘発剤、又は約5wt%〜約70wt%の明るさ誘発剤を含有することができる。明るさ誘発剤の例、及びいくつかのクラスの明るさ誘発剤のための使用範囲例(乾燥又は硬化されている硬化済仕上げ材中の明るさ誘発剤の重量パーセントを基準とする)を下記表1に示す。
【0048】
【表1】

【0049】
床仕上げ組成物中には種々の皮膜形成剤を使用することができる。使用することができる種々の皮膜形成剤は、溶剤系、水系又は100%固形分の組成物として特徴付けることができる。皮膜形成剤はモノマー、オリゴマー、又はポリマーを含むことができ、そして種々の硬化システムを採用することができる。水系皮膜形成剤は水溶性、又は水分散性(そのものが水分散性であるか又は分散剤によって水分散性である)であってよい。皮膜形成剤の例は、遷移金属、アルカリ土類金属、アルカリ金属又はこれらの混合物(例えば亜鉛架橋型アクリル)を使用して架橋可能な酸含有ポリマー;無金属(例えば亜鉛非含有)アクリル系仕上げ材(例えばアクリル系コポリマー);ポリウレタン(例えば輻射線硬化性ポリウレタン、ポリウレタン分散体、多部分ポリウレタン、湿分硬化ポリウレタン、及びブロック型イソシアネートを含有する潜在的な一部分ポリウレタン組成物);アクリル系ポリウレタン;水性(例えば水系)ラテックス・エマルジョン;アジリジン架橋性分散体;カルボジイミドで架橋可能な組成物;ワックス・エマルジョン;ポリビニルアセテート・コポリマー(例えばポリビニルアセテート-ポリエチレンコポリマー);ポリビニルアルコール及びそのコポリマー;ポリビニルピロリドン及びそのコポリマー;改質セルロース;スルホン化ポリスチレン、及び当業者には明らかになるその他の種々の材料を含む。
【0050】
商業的に入手可能な代表的な皮膜形成剤は、DURAPLUS(登録商標)2改質アクリル系低臭気混合型金属架橋型ポリマー、DURAPLUS3亜鉛架橋型アクリル系分散体、DURAGREEN(登録商標)MF 1無金属アクリル系ポリマー・エマルジョン、PRIMAL(登録商標)B-336AFK改質アクリル系亜鉛架橋型ポリマー、PRIMAL B-924ER亜鉛架橋型の全アクリル系ポリマー・エマルジョン、PRIMAL E-2483金属架橋型アクリル系ポリマー、PRIMAL E-3188水系アクリル系ポリマー分散体、PRIMAL NT-2624無金属ポリマー、PRIMAL NT-6035無金属ポリマー、RHOPLEX(登録商標)B-924全アクリル系金属架橋型床艶出しポリマー、RHOPLEX 1421亜鉛架橋型アクリル系分散体、RHOPLEX B-1604金属架橋型改質アクリル系ポリマー、RHOPLEX NT-2624金属架橋剤非含有改質アクリル系艶出し剤、RHOPLEX 3479低発泡性金属架橋型改質アクリル系ポリマー、ROSHIELD(登録商標)3120 UV硬化性アクリレート・コーティング、及びUHS Plus(登録商標)金属架橋型改質アクリル系ポリマー(全てRohm & Haas Co.製);Interpolymer Corp.製のMEGATRAN(登録商標)205亜鉛架橋型アクリル系分散体、及びSYNTRAN(登録商標)1580亜鉛架橋型アクリル系分散体;MORGLO(登録商標) 亜鉛架橋型アクリル系分散体、及びMORGLO2(登録商標)アクリル系スチレンポリマー・エマルジョン(両方ともOmnova Solutions Inc.製);LAROMER(登録商標)PE 22 WNポリエステルアクリレート・エマルジョン、LAROMER LR 8949水性輻射線硬化性脂肪族ポリウレタン分散体、及びLAROMER LR 8983水性輻射線硬化性芳香族ポリウレタン分散体(全てBASF Corp.製);UV Coatings Limited製のUV硬化性コーティングのZVOC(登録商標)シリーズ;Zeneca Resins製のNEORAD(登録商標)NR-3709 UV硬化性脂肪族ウレタンコーティング;VIAKTIN(登録商標)VTE 6155脂肪族ウレタンアクリレート、VTE 6165芳香族ウレタンアクリレート、及びVTE 6169脂肪族ポリエステルウレタン輻射線硬化性樹脂(全てSolutia Inc.製);Hans Rahn & Co.製の98-283Wウレタンアクリレート;及び米国特許第4,517,330号、同第4,999,216号、同第5,091,211号、同第5,319,018号、同第5,453,451号、同第5,773,487号、同第5,830,937号、同第6,096,383号、同第6,197,844号、同第6,228,433号、同第6,316,535号、及び同第6,544,942号、米国特許出願公開第2002/0028621号の各明細書、及びこれらの明細書に引用された特許明細書に記載されているような材料を含む。好ましい皮膜形成剤は、水溶性又は水分散性の皮膜形成剤、例えば無金属アクリル系仕上げ材、遷移金属を使用して架橋された酸含有ポリマー、水溶性又は水分散性の多成分(例えば二成分)ポリウレタンを含む。皮膜形成剤の混合物を採用することもできる。
【0051】
商業的に入手可能な床仕上げ材料、例えばPADLOCK(登録商標)、GEMSTAR LASER(登録商標)、GEMSTAR POLARIS(登録商標)、RIVET(登録商標)及びTAJ MAHAL(登録商標)アクリル系床仕上げ材、GLOSSTEK 100(登録商標)及びORION(登録商標)ポリウレタン床仕上げ材、及びCOURTMASTER II(登録商標)、ISI STAR(登録商標)、TUKLAR MEDICAL(登録商標)床仕上げ材(全てEcolab Inc.製);3M製のCORNERSTONE(登録商標)及びTOPLINE(登録商標)アクリル系床仕上げ材;Betco Corp.製のBETCO BEST(登録商標)床仕上げ材;Butchers製のHIGH NOON(登録商標)アクリル系仕上げ材;Buckeye International, Inc.製のCITATION(登録商標)及びCASTLEGUARD(登録商標)アクリル系仕上げ材;SC Johnson Professional Products製のCOMPLETE(登録商標)、SIGNATURE(登録商標)、TECHNIQUE(登録商標)及びVECTRA(登録商標)アクリル系床仕上げ材;SC Johnson Professional Products製のOVER AND UNDER(登録商標)床シーラー;MINUTEMAN, INTERNATIONAL, Inc.製のSPLENDOR(登録商標)、DCADE 90(登録商標)、PRIME SHINE(登録商標)ULTRA及びPREMIER(登録商標)アクリル系仕上げ材、及びFIRST ROUND and FORTRESS(登録商標)ウレタンアクリル系仕上げ材;MINUTEMAN, INTERNATIONAL, Inc.製のACRYL-KOTE(登録商標) Seal and Finish及びPREP Floor Seal;MINUTEMAN, INTERNATIONAL, Inc.製のULTRA TC(登録商標)及びUV I-FINISH(登録商標)UV硬化性仕上げ材;ServiceMaster, Inc.製のFLOORSTAR(登録商標) Premium 25 床仕上げ材;及びSpartan Chemical Co. 製のUPPER LIMITS(登録商標)アクリル系仕上げ材及びISHINE(登録商標)蛍光増白含有床仕上げ材に、明るさ誘発剤を添加することにより、仕上げ材を調製することが好都合である。明るさ誘発剤と組み合わせることができる他の好適な配合物は、Air Products and Chemicals, Inc.製のNo. AD200C1ポリエステルポリウレタン配合物;Bayer AG製のNo. MG98-040ポリエステルポリウレタン配合物;Reichhold, Inc.製のSTAY-CLAD(登録商標)5900ヒドロキシル官能性アクリル系ポリマー分散体;U.S. Polymers, Inc. 製のNos. 979-1及び980-3ポリエステルポリウレタン配合物;及びZeneca Resins製のNo. G-2029アクリル系ポリウレタン配合物を含む。
【0052】
明るさ誘発剤、皮膜形成剤及び希釈剤、又はこれらの任意の組み合わせは、撹拌、超音波処理、又は当業者には明らかな他の混合方法を用いて合体させることができる。混合は使用前に行う(例えば仕上げ材を製造して包装するとき)か、或いは、使用前に行う(例えば仕上げ材を現場で使用するとき)ことができる。
【0053】
床仕上げ組成物中に使用することができる皮膜形成剤の例を、表2において特定する。なお、表2において言及する「ポリマー」は、金属含有ポリマー、無金属ポリマー、ホモポリマー、又は他の成分(モノマー、オリゴマー、ポリマー)の重合から生じる基を含有するコポリマーを含む。例えば、ポリアクリレート・ポリマーは、ポリアクリレート・ホモポリマー及びポリアクリレート・コポリマーを含むことができる。加えて、皮膜形成剤は、ポリマー、オリゴマー、又は示されたポリマーを形成するモノマーとして提供することができる。例えば熱硬化性ポリマー及び輻射線硬化性ポリマーは、ポリマー、オリゴマー及びモノマーを意味することができる。
【0054】
【表2】

【0055】
床仕上げ組成物は、所望の硬化済仕上げ材を提供するのに十分な量で、皮膜形成成分を含むことができる。皮膜形成剤の量は、所望の硬化済仕上げ材特性、及び床仕上げ組成物の所望の塗布特性に応じて変化することができる。例えば、硬化済仕上げ材は、乾燥又は硬化後の硬化済仕上げ材の重量を基準として、約0.5 wt%〜約99.5 wt%、約10 wt%〜約95 wt%、又は約50 wt%〜約90 wt%の皮膜形成剤を含有することができる。床仕上げ組成物中の皮膜形成剤の最大量は、床仕上げ組成物の化学的性質に依存することができる。或る特定の床仕上げ組成物は、かなり少量の希釈剤を含有することができ、従ってより多量の皮膜形成剤を収容することができる。水系ポリアクリレート系床仕上げ組成物は例えば、約 45wt%未満の皮膜形成剤を含有することができ、或いは、約 10wt%〜約 30wt%の皮膜形成剤を含有することができる。
【0056】
明るさ床仕上げ組成物は希釈剤を含むことができ、或いは100%固形分として提供することもできる。一般に、100%固形分床仕上げ組成物は、約5 wt%未満の蒸発溶剤を含有する組成物を意味する。すなわち、100%固形分床仕上げ組成物は実際に、希釈剤を含有することができるが、希釈剤の量は、水系又は溶剤系として特徴付けられる床仕上げ組成物と比較すると、比較的少なくてよい。水系又は溶剤系床仕上げ組成物は例えば、最大約97 wt%の希釈剤を含むことができる。希釈剤は例えば、全体的に水、全体的に溶剤、又は水/補助溶剤の混合物であってよい。一般に、有機蒸発溶剤の量は、環境規制により、例えば約7 wt%未満であってよい。溶剤系床仕上げ組成物は、補助溶剤として水を含むことができる。一般に、水系床仕上げ組成物中に存在する希釈剤(例えば水又は水及び補助溶剤)の量は、約30 wt%〜約97 wt%、約40 wt%〜約90 wt%、又は約70 wt%〜約85 wt%であってよい。ポリアクリレート系組成物は、前に特定した範囲の水を含んでよく、そして含水率約70 wt%〜約80 wt%を含むことができる。非ポリアクリレート系床仕上げ組成物は、少量、例えば約10 wt%〜約60 wt%の水を含むことができる。床仕上げ組成物中に提供することができる付加的な水の範囲は、約15 wt%〜約98 wt%、約25 wt%〜約95 wt%、約60 wt%〜約95 wt%、約50 wt%〜約89 wt%を含む。
【0057】
明るくされた床仕上げ組成物及び明るくされた乾燥コーティングは、多くの異なる特性によって特徴付けすることができ、これらの特徴は、特定の用途、使用環境、顧客の好み、及び使用者の要求に応じて変化することができる。明るくされた床仕上げ組成物及び明るくされた乾燥コーティングは、例えば、半透明として特徴付けることができる一方、明化効果又は白化効果をもたらす。なお、明るくされた床仕上げ組成物及び明るくされた乾燥コーティングは、下記に挙げた特性の全てを満たすことを必要としない。明るくされた床仕上げ組成物及び明るくされた乾燥コーティングは、下記特性のうちの1つ又は2つ以上を満たすことができる。特性を見極める技術が記載され、又はこれらの技術は、例において見いだすことができる。
【0058】
明るくされた床仕上げ組成物は、パーセント固形分として特徴付けることができる。パーセント固形分は、「固形分レベル」と呼ぶことができ、また、明るくされた床仕上げ組成物中の希釈剤以外又は溶剤以外の成分の重量パーセントを意味する。明るくされた床仕上げ組成物の固形分レベルは、組成物中に提供された希釈剤又は溶剤のレベルに応じて、幅広く変化することができる。100%固形分として特徴付けられる床仕上げ組成物は、もし希釈剤又は溶剤を含有するとしたら、極めてわずかな量を含有することができる。水系又は溶剤系床仕上げ組成物は、床表面上の床仕上げ組成物の所望の塗布を達成するのに十分に低い固形分レベルを含有することができる。一般に、モップを使用して、床仕上げ組成物がしばしば塗布される。床仕上げ組成物を床に塗布するときには、所望の流れ特性を達成するように、固形分レベルを制御することが望ましい。例えば、パーセント固形分が約50 wt%未満の水系又は溶剤系床仕上げ組成物を提供することができる。固形物の重量パーセントは、所望の流れ特性を達成するために、約40 wt%未満、約35 wt%未満、又は約30 wt%未満であってよい。一般に、床仕上げ組成物は、皮膜が床上に形成されるのを可能にし、そして所望の保護レベル又は光沢レベルを提供するパーセント固形分レベルで提供することができる。一般に、床仕上げ組成物は、約3 wt%よりも高いパーセント固形分を有してよい。一般に、固形分含有率が高くなり、例えば約50 %を上回ると、乾燥時間が低減されることがある。このことは、床に床仕上げ組成物を塗布するには望ましくない場合がある。
【0059】
床仕上げ組成物は、その粘度によって特徴付けることができる。一般に、床仕上げ組成物は、慣用のアプリケーター、例えばモップを使用して床に塗布できるように十分に低い粘度を有することが望ましい。床仕上げ組成物を床に塗布するのに使用することができる種々のモップは、ストリング・モップ、又はマイクロファイバー・パッド、布地又はスポンジとして提供することができるパッドを有するモップを含む。例えばモップ塗布の際には、床仕上げ組成物の粘度は、Brookfield DV-II粘度計(UL-アダプターを使用)によって測定して、約100 cps未満、約50 cps未満、又は約20 cps未満であることが望ましい。100 cpsを超える粘度は、慣用の床仕上げ材塗布において一般に使用されるモップ又はパッドを使用した、床仕上げ材塗布において良好に性能を発揮しない場合がある。
【0060】
比重及びバインダー:顔料比の特性を用いて、基材上の組成物のマスキング特性を特徴付けることができる。すなわち、比較的高い比重又は比較的低いバインダー:顔料比を有する組成物、例えばペイントは、これらが塗布される基材をマスキングする傾向がより大きい。対照的に、比較的低い比重又は比較的高いバインダー:顔料比を有する床仕上げ組成物は、半透明のままでいるが、依然として明化効果又は白化効果を提供する傾向を有し得る。一般に、METTLER TOLEDO(登録商標)DA-100M Density/Specific Gravity Meter(Mettler Toledo International Inc.製)によって測定して、明るさ誘発剤を含む床仕上げ組成物を比重約1.1未満で維持することが望ましい。
【0061】
バインダー:顔料比の特性を用いて、皮膜形成剤成分と明るさ誘発剤成分との重量比を特徴付けることができる。一般に、この比は、床仕上げ組成物を半透明であるとして特徴付けることができるように、床仕上げ組成物中に提供することができる顔料の量の一般的な上限を特徴付けるのを助けることができる。すなわち、バインダー:顔料比があまりにも低い(皮膜形成剤に対する顔料の量が相対的に多いことによって表される)場合、床仕上げ組成物から生じる乾燥済コーティングはあまりにも不透明であることがある。「バインダー:顔料比」はしばしば、ペイント分野における特性の特徴付けとして使用される。なお、開示された床仕上げ組成物との関連において使用される場合、「バインダー」という言葉は皮膜形成剤を意味し、そして「顔料」という言葉は明るさ誘発剤を意味する。加えて、「バインダー」という用語は、床仕上げ組成物中の皮膜形成剤の総量を意味し、「顔料」という用語は、床仕上げ組成物中の明るさ誘発剤の総量を意味する。一般に、特定の床仕上げ組成物のバインダー:顔料比は、特定の床仕上げ組成物に対する所望の明度値L*又は白さ指数WIを達成するように、床仕上げ組成物中に提供された明るさ誘発剤の量に依存する。バインダー:顔料比が約1.0を上回る床仕上げ組成物を提供することができる。バインダー:顔料比は、約1.5を上回ってよく、或いは2.0を上回ってもよい。
【0062】
モップによる塗布によって好都合に床に塗布されるのを可能にするレオロジーを有する床仕上げ組成物を提供することができる。相対ニュートン挙動を有する床仕上げ組成物を、所望の場合には提供することができる。相対ニュートン挙動は、ベキ乗則指数(n)が0.9を上回るものとして特徴付けることができる。1という(n)値はニュートン流体を表す。1を著しく下回る(n)値(例えば0.9未満)は、剪断減粘性挙動を示す流体を表す。床仕上げ組成物は剪断減粘性挙動(ベキ乗則指数0.9未満)を示すことができるが、相対ニュートン挙動を有する床仕上げ組成物を、モップを使用して塗布することが、より好ましい場合がある。所望の場合、床仕上げ組成物は、レオロジー改質剤又は粘性改質剤なしで調製することができる。加えて、床仕上げ組成物は、レオロジー改質剤又は粘性改質剤を用いて調製することができ、レオロジー改質剤又は粘性改質剤の量を、組成物のベキ乗則指数が約0.9を上回るように制御することができる。Brookfield, 「More Solutions to Sticky Problems」, Brookfield Engineering Labs, Inc.,第1-50頁に記載されているように、ベキ乗則指数を計算することができる。
【0063】
種々の商業的又は工業的用途において使用することができる床仕上げ組成物は、種々の塗布特性によって特徴付けることもできる。なお、塗布特性は、或る特定のファクター、例えば皮膜形成剤、明るさ誘発剤、希釈剤、基材、又は存在し得る種々の他の成分を含む床仕上げ組成物中の成分の選択に依存することができる。例えば、主にポリアクリレート皮膜形成剤を含有する床仕上げ組成物が、主にポリウレタン皮膜形成剤を含有する床仕上げ組成物と同様の、又はこれとは異なる塗布特性を示すことができる。固有塗布特性は変化することもできる。例えば、床仕上げ組成物(例えばポリアクリレート系床仕上げ組成物)のコーティング率は、約250 ft2/galを上回ることができ(つまり、1ガロンの床仕上げ組成物が、単層で、250 ft2を超える床表面をコートすることができる)、約500 ft2/gal又は1,000 ft2/galを上回ることができる。床仕上げ組成物(例えばポリアクリレート系床仕上げ組成物)のコーティング率は、5,000 ft2/galを下回ることができ、又は3,000 ft2/galを下回ることができる。「耐久性コーティング」として特徴付けることができる或る特定の床仕上げ組成物は、例えばコーティング率約300 ft2/gal〜800 ft2/galで塗布することができる。耐久性コーティング組成物の例は、ポリウレタン組成物、エポキシ組成物、及びUV硬化性組成物を含むことができる。なお、組成物を「耐久性コーティング」として特徴付けることは、一般に、比較的厚い組成物層を基材に塗布しようという一般的な意図を意味し、そして、全てのポリウレタン組成物が比較的厚いコーティングとして塗布されるようになっていると解釈すべきではない。すなわち、当業者には明らかなように、或るタイプのコーティングは、比較的厚く塗布されるようになっており、また、他のコーティングはより薄く塗布されるようになっている。加えて、所定の床仕上げ組成物(例えばポリアクリレート系床仕上げ組成物)は、比較的薄い、例えば約2ミル未満又は約1.5ミル未満の湿潤コーティングを提供することができる。耐久性コーティング組成物は、より大きい、例えば約2ミルを上回る湿潤厚で塗布することができる。加えて、床仕上げ組成物の乾燥時間は、一晩で複数のコーティングを塗布することができ、しかもこの場合見苦しい指紋を残すことがなく、また少なくとも最後のコート以外の全ての上を塗布直後に歩いて次のコートを塗布するのに十分に高速であってよい。
【0064】
床仕上げ組成物はいくつかの乾燥コーティング特性によって特徴付けることができる。これらの特性のうちのいくつかは、使用者の特定の好み及び意図された使用環境に依存することができる。1つの乾燥コーティング特性は、L*/隠蔽力と呼ぶことができる。L*/隠蔽力は、隠蔽力に対する明度値L*の比を表し、隠蔽力は、下側の表面をマスキングする能力を測定する。一般に、明るくされた床仕上げ組成物は、これが塗布される基材をマスキングすることを回避しながら、明度L*効果又は白さ指数WI効果を高めることになっている。高レベルのマスキング力又は隠蔽力を提供するために、ペイント及び或るタイプのステインがしばしば調製される。従って、明度L*効果と隠蔽力との間の関係を示すために、特性L*/隠蔽力に依存することができる。不透明な組成物は、極めて低いL*/隠蔽力比を有する傾向がある。なぜならば、これらの組成物は、マスキングを極めて良好に行うからである。L*/隠蔽力を計算する目的で、レネタフォーム5C不透明度(LENETA Form 5C Opacity)チャート及びLENETA Gray Scale Form 24Bチャート上に約0.5〜0.6ミルの最終乾燥コーティング厚を提供することにより、L*及び隠蔽力の特性を見極めることができる。下記例の項に記載するように、ミニスキャンXEプラス(MINISCAN XE Plus)カラー分光光度計を使用して、レネタフォーム5C不透明度(LENETA Form 5C Opacity)チャートの黒部分上で、明度値を見極めることができる。下記例の項に記載するように、LENETA Gray Scale Form 24Bチャート上で、隠蔽力を測定することができる。明るくされた床仕上げ組成物は、例えば約30を上回る、約35を上回る、約40を上回る、又は約50を上回るL*/隠蔽力比を提供することができる。
【0065】
明るくされた床仕上げ組成物から生じる乾燥コーティングを特徴付けるのに使用することができる別の特性は、ΔL*と呼ぶことができる。ΔL*は、床上の同様の汚れスポット間、又は同様の退色スポット間、又は同様の暗くされたパターンスポット間で、ミニスキャンXEプラス(MINISCAN XE Plus)カラー分光光度計を使用して測定された高度値の差を意味する。この場合一方の位置は、その上に0.2ミル以上の乾燥コーティング厚を含み、そして他方の位置はその上にコーティングを含まない。正のΔL*値は、明るくされた床仕上げ組成物の存在を示す。パーセンテージ増減として計算して、約5%以上のΔL*値、又は約10%以上のΔL*値を提供する、明るくされた床仕上げ組成物を提供することが望ましい場合がある。
【0066】
所望のレベリング効果度を有する床仕上げ組成物を提供することができる。すなわち、床仕上げ組成物が床に塗布されると、床仕上げ組成物は、比較的均一な湿潤コーティング厚を提供するのに十分にレベリングすることが望ましい。床に床仕上げ組成物を塗布する者は、一般に、結果として得られる硬化済仕上げ材が目に見える隆起又は溝の好ましい欠如を示すことを望む。このような隆起又は溝は、アプリケーター、例えばストリング・モップ又はスポンジによって生じるおそれがある。2種の試験によって、床仕上げ組成物のレベリング効果を評価することができる。一方の試験は、「X」試験と呼ぶことができる。X試験は、1インチ X 2インチのマイクロファイバー・パッドを使用して、水系ポリアクリレート床仕上げ組成物0.5〜0.6 gを6インチ X 6インチのタイル部分にコートすることにより、黒ビニルタイル(Congoleum Corp.から入手可能な12インチ X 12インチのForum SO-22黒ビニルタイル)を使用して、ビニル基材上で実施することができる。次いでマイクロファイバー・パッドを使用して、コーティング領域全体を横切って「X」を描くことができ、そして、組成物を乾燥させておくことができる。硬化済仕上げ材中に「X」が検出できない場合、優れたレべリングを観察することができる。硬化済仕上げ材中に「X」のぼやけた輪郭しか検出できないが、しかし隆起は観察されない場合には、極めて良好なレべリングが生じる。別のレべリング試験は「隆起試験」と呼ぶことができる。隆起試験は、Paul N. Gardner Company製のNo.5 ワイヤ巻き付けドローダウン・バーを使用して、不透明度チャート(例えばByk Gardner Corp.製のBYKO チャート)に組成物を塗布し、そして組成物を乾燥させておくことにより、実施することができる。望ましいレべリングは、1 cm x cmのボックス内に提供する隆起が約3つ未満であるコーティングを生じさせる。
【0067】
床仕上げ組成物の不粘着時間は、従業員や顧客が床表面上を歩かないときに一晩にわたって、又は他の時間中に床仕上げ組成物を複数回塗布できるほど十分に低くてよい。レネタフォーム5C不透明度(LENETA Form 5C Opacity)チャートに2ミル厚の湿潤コーティングとして塗布されたときに、床仕上げ組成物の湿潤コーティングが不粘着性になるための時間を見極めることにより、不粘着時間を計算することができる。2ミル厚コーティングは、慣用のポリアクリレート系床仕上げ組成物、例えばEcolab Inc.製のGEMSTAR LASER(登録商標)仕上げ材をモップ塗布したときの湿潤コーティングの最も厚い領域に近似することができる。塗布時間から周期的な時間インターバルを置いて、小さな綿片(1 cm平方未満)を表面上に置き、その上に2kgのおもりを30秒間にわたって置いた。不粘着性コーティングは、おもり及び綿片を取り除いた後に、表面上に残留綿を示さない。一般に、床仕上げ組成物が示す不粘着時間は、約2時間未満であることが望ましい。不粘着時間が約1.5時間未満、約1時間未満、約45分未満であることが望ましい。
【0068】
明るくされた床仕上げ組成物は、上記のように半透明な硬化済仕上げ材を提供するものとして特徴付けることができる。半透明性の程度は、所望の場合には定量化することができる。例えば半透明硬化済仕上げ材は、下記例の項で記載されたように、レネタフォーム5C不透明度(LENETA Form 5C Opacity)チャートの黒部分及び白部分上に所望のコーティング率で塗布し、ミニスキャンXEプラス(MINISCAN XE Plus)カラー分光光度計(0°観察ジオメトリーを伴う45°照射)を使用して測定すると、コントラスト比(CR0.80)約0.7未満を提供することができる。コントラスト比は、約0.05〜約0.7であってよく、又は約0.1〜約0.6であってよい。
【0069】
分散剤、レオロジー改質剤、懸濁剤、キレート剤、明るさ誘発剤表面処理剤、及びその他の手段(まとめて沈降防止剤と呼ぶ)を採用して、明るさ誘発剤及び皮膜形成剤を混合するのを助け、そして貯蔵中に沈降又は沈澱を防止又は阻止することができる。明るさ誘発剤の粒子サイズを考慮に入れることもできる。それというのも明るさ誘発剤は微細であればあるほど、より耐沈降性になり得るからである。多種多様の沈降防止剤を採用することができる。代表的な沈降防止剤がD. B. Brown及びM. R. Rosen、The Rheology Modifier Handbook (ChemTec, 1999)に開示されており、この開示内容を参考のため本明細書中に引用する。開示された仕上げ材中に有用な沈降防止剤は、ヒュームド・シリカ;澱粉及び改質澱粉;ヒドロキシエチルセルロース(HEC)及び官能化コポリマー、例えばアルカリ膨潤性エマルジョン(ASE)、疎水性改質アルカリ膨潤性エマルジョン(HASE)及び疎水性改質エトキシル化ウレタン樹脂(HEUR)を含む。開示された仕上げ材中で有用である商業的に入手可能な沈降防止剤は、Ashland Specialty Chemical Co.製のレオロジー改質剤のDREWTHIX(登録商標)シリーズ;Atofina製のANTISETTLE(登録商標)CVP、CRAYVALLAC(登録商標)シリーズ及びFLOWTONE GSTレオロジー改質剤;Cabot Corp製のヒュームド・シリカのCAB-O-SIL(登録商標)シリーズ;Ciba Specialty Chemicals製の分散剤のDISPEX(登録商標)シリーズ、及びレオロジー改質剤のVISCALEX(登録商標)及びRHEOVIS(登録商標)シリーズ;Degussa製のヒュームド・シリカのAEROSIL(登録商標)シリーズ;Dow Chemical Company製のアルカリ膨潤性ウレタン改質レオロジー改質剤のUCAR(登録商標)POLYPHOBE(登録商標)シリーズ;Hercules Inc. 製の非イオン性及びアニオン性会合ポリマーのAQUAFLOW(登録商標)シリーズ;Ineos Silicas製のヒュームド・シリカのNEOSIL(登録商標)シリーズ;Kia Inc.製の多酸及び親水性コポリマーのTAMOL(登録商標)シリーズ;National Starch & Chemical製の改質澱粉のSTRUCTURE(登録商標)シリーズ;Noveon製のホモポリマー及びコポリマーのCARBOPOL(登録商標)シリーズ、及びRohm & Haas Co. 製のACRYSOL(登録商標)、ACUSOL(登録商標)及びASE(登録商標)シリーズを含む。
【0070】
明るくされた床仕上げ組成物は沈降防止剤を含むことができるが、沈降防止剤の存在は任意であり、そして明るくされた床仕上げ組成物は、沈降防止剤なしで又は沈降防止剤の有効沈降防止量なしで提供することもできる。明るさ誘発剤、例えば二酸化チタン及び酸化チタンを含有する床仕上げ組成物は、より高い耐沈澱性の明るさ誘発剤、例えば高分子明るさ誘発剤を含有する組成物と比較して、貯蔵の結果として沈降する傾向が高くなる。Brookfield(登録商標)DV-IIシリーズ粘度計)を使用して、明るくされた床仕上げ組成物が比較的低い粘度(例えば約100 cps未満の粘度)を有する場合、使用者は所望されるならば、例えば或る程度の沈降又は沈澱が貯蔵中に生じ得るときに、過度の不便を被ることなしに使用直前に組成物を混合することができる。一般に、明るくされた床仕上げ組成物が沈降防止剤を含む場合、沈降防止剤の量は、明るさ誘発剤が貯蔵時に沈降又は沈澱に抵抗し、そして撹拌又は混合時に明るさ誘発剤の分配を促進するのを助けるのに十分な量であってよい。床仕上げ組成物は2部分系として提供することもできる。2部分系において、第1部分は床仕上げ組成物を含み、そして第2部分は明るさ誘発剤を含み、使用者は使用前に両部分を合体させて混合することができる。
【0071】
床仕上げ組成物は、床仕上げ組成物のガロンが、室温で1ヶ月間棚上で静止した後、明るさ誘発剤の沈降率(重量で)10%未満を示すのに十分な耐沈澱性明るさ誘発剤(例えば有機明るさ誘発剤)を含むことができる。好ましくは沈澱量は約5%未満であってよい。沈降の欠如を特徴付ける別の方法は、床仕上げ組成物によって形成される明度値に関与する。例えば、室温で1ヶ月間にわたって静止した床仕上げ組成物のガロンの場合、ガロンの上側部分から引き出された床仕上げ組成物は、混合されたばかりの床仕上げ組成物によって示された値の約90%以内の明度値を、基材への塗布後に示すことができる。
【0072】
組成物から沈降防止剤を全体的に排除することができ、或いはこれを限られた量、例えば約0.2 wt%未満で使用することもできる。当業者には明らかなように、種々異なる沈降防止剤が、種々異なる濃度でこれらの特性を提供することができる。例えば、このような特性を提供するために沈降防止剤が存在する場合、これらは、約0.005 wt%以上の量で使用することができる。同様に、分散剤に対する濃度範囲例は、約0.005 wt%〜約5 wt%であってよく、増粘剤又はレオロジー改質剤に対する範囲例は、約0.005 wt%〜約1 wt%であってよい。
【0073】
床仕上げ組成物は、ベンジルオキシエタノールのような化合物;エーテル又はヒドロキシエーテル、例えばエチレングリコールフェニルエーテル(Dow Chemical Co.から「DOWANOL EPh」として入手可能)又はプロピレングリコールフェニルエーテル(Dow Chemical Co.から「DOWANOL PPh」として入手可能);二塩基性エステル、例えばアジピン酸ジメチル、琥珀酸ジメチル、グルタル酸ジメチル、マロン酸ジメチル、アジピン酸ジエチル、琥珀酸ジエチル、グルタル酸ジエチル、琥珀酸ジブチル、及びグルタル酸ジブチル(DuPont Nylonから、DBE、DBE-3、DBE-4、DBE-5、DBE-6、DBE-9、DBE-IB、DBE-MEの商品記号で入手可能な商品を含む);炭酸ジアルキル、例えば炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジプロピル、炭酸ジイソプロピル、及び炭酸ジブチル;フタレートエステル、例えばジブチルフタレート、ジエチルヘキシルフタレート、及びジエチルフタレート;及びこれらの混合物を含む、任意の可塑剤又は融合剤を含有してもよい。床仕上げ組成物が可塑剤又は融合剤を含む場合、可塑剤又は融合剤は、所望の特性を付与するように意図された量で含むことができる。例えば、可塑剤又は融合剤はそれぞれ、組成物の重量を基準として、約0.1 wt%以上の量、約10 wt%未満の量、又は約1 wt%〜約7 wt%の量で含むことができる。
【0074】
所望の場合、床仕上げ組成物には補助溶剤を任意に添加して、仕上げ材の調製及び塗布を助けることができる。好適な補助溶剤は、ブトキシエチルPROPASOL(登録商標)、ブチル CARBITOL(登録商標)アセテート、ブチル CARBITOL(登録商標)、ブチルCELLOSOLVE(登録商標)アセテート、ブチルCELLOSOLVE(登録商標)、ブチルDIPROPASOL(登録商標)、ブチルPROPASOL(登録商標)、CARBITOL(登録商標)PM-600、CARBITOL(登録商標)低重力、CELLOSOLVE(登録商標)アセテート、CELLOSOLVE(登録商標)、エステルEEP(登録商標)、FILMER IBT(登録商標)、ヘキシルCARBITOL(登録商標)、ヘキシルCELLOSOLVE(登録商標)、メチルCARBITOL(登録商標)、メチルCELLOSOLVE(登録商標)アセテート、メチルCELLOSOLVE(登録商標)、メチルDIPROPASOL(登録商標)、メチルPROPASOL(登録商標)アセテート、メチルPROPASOL(登録商標)、プロピルCARBITOL(登録商標)、プロピルCELLOSOLVE(登録商標)、プロピルDIPROPASOL(登録商標)、及びプロピルPROPASOL(登録商標)(これら全てはUnion Carbide Corp.から入手可能);及びこれらの混合物を含む。融合剤が組成物中に含まれる場合、これは例えば、組成物の重量を基準として、約0.1 wt%以上の量、約10 wt%未満の量、又は約1 wt%〜約7 wt%の量で含むことができる。
【0075】
床仕上げ組成物は、任意には、皮膜形成剤を硬化させることができる1種又は2種以上の触媒、架橋剤又は開始剤(例えばUV開始剤及び熱開始剤)を含有することができる。例えば、選ばれた皮膜形成剤に部分的に応じて、床仕上げ材は遷移金属化合物、例えば亜鉛化合物又はジルコニウム化合物;錫化合物、例えばジブチル錫ジラウレート、オクタン酸錫及びFASCAT(登録商標)4224ジブチル錫ビス(1-チオグリセロール)触媒(ATOFINA Chemicals, Inc.から入手可能);アミン;他の亜鉛化合物、例えば亜鉛架橋型アクリル系分散体(AQUEOUS POLYURETHANE COATING SYSTEM CONTAINING ZINC CROSSLINKED ACRYLIC DISPERSIONと題される出願番号第10/755,972号明細書にさらに記載、2004年1月12日付け出願、この開示内容を参考のため本明細書中に引用する)、超微細酸化亜鉛(POLYURETHANE COATING CURE ENHANCEMENT USING ULTRAFINE ZINC OXIDEと題される出願番号第10/755,975号明細書にさらに記載、2004年1月12日付け出願、この開示内容を参考のため本明細書中に引用する)、炭酸亜鉛テトラアミン及び炭酸亜鉛アンモニウムを含む炭酸亜鉛(POLYURETHANE COATING CURE ENHANCEMENT USING CARBONATE INITIATORSと題される出願番号第10/755,976号明細書にさらに記載、2004年1月12日付け出願、この開示内容を参考のため本明細書中に引用する);及び当業者に知られる種々の他の材料を含有することができる。UV開始剤の例は、Ciba Specialty Chemicalsから入手可能なIRGACURE(登録商標)184、IRGACURE(登録商標)369、IRGACURE(登録商標)651、IRGACURE(登録商標)907、IRGACURE(登録商標)1700、DAROCURE(登録商標)4265、及びDAROCURE(登録商標)1173を含む。使用することができる熱開始剤又は触媒の例は、過酸化物及びアゾ化合物を含む。過酸化物の例は、過酸化ベンゾイル、過酸化ジクミル、及びt-ブチルペルベンゾエートを含む。アゾ化合物例は、2,2'-アゾビスイソブチロニトリル、1,1'-アゾビス(1-シクロ-ヘキサンカルボニトリル)、及び2,2'-アゾビス(イソブチルアミド)ジヒドレートを含む。
【0076】
床仕上げ組成物は、床への塗布前又は塗布後にその性能又は特性を変化させるために、種々のその他の任意のアジュバントを含有することができる。アジュバントの例は、艶消し剤、界面活性剤、表面滑り改質剤、消泡剤、湿潤剤、レベリング剤、抗菌剤、ワックス、UV吸収剤、光安定剤、抗酸化剤、香料、及び接着力促進剤を含む。このようなアジュバントのタイプ及び量は当業者には明らかとなる。仕上げ材は所望の場合には、光沢、臭気、粘度、耐発泡性、包装材料との適合性、基材及びその他の仕上げ層との接着力、凍結/解凍サイクルに対する抵抗性、有害性大気汚染物質(HAP)の不存在、又は当業者には明らかなその他の望ましくない成分及びその他の特性に関して、現在の床仕上げ組成物の特性と調和させるように調製することができる。付加的なアジュバントは、耐磨耗性、耐引掻き性、耐水性又は剥離性を高めるために、無機又は有機粒子を含む。2000年9月8日付けで出願されたSCRATCH-RESISTANT STRIPPABLE FINISHと題される、同時係属中の米国特許出願第09/657,420号明細書に記載されている。この開示内容を参考のため本明細書中に引用する。なお、上記参考文献に例示されたUV硬化性仕上げ材中の無機粒子は、光を拡散反射させなかった。
【0077】
床仕上げ組成物中に提供することができる付加的なタイプのアジュバントは、フロキュレーション防止剤及び凝集防止剤を含む。いくつかのフロキュレーション防止剤は、沈降防止剤として特徴付けることもできる。
【0078】
アジュバントとして蛍光増白剤を採用することもできる。或る特定の蛍光増白剤は、床仕上げ組成物の経時的な黄ばみに関与し得ると考えられる。従って、明るくされた床仕上げ組成物から、好ましくない黄ばみを引き起こすのに十分な量のこのような蛍光増白剤を排除することが望ましい場合がある。
【0079】
いくつかのステインは、基材中への浸透を助けるように構成された浸透性油又はポリマーを含有する。このような浸透性油又はポリマーは、床仕上げ組成物中に採用される場合には、不粘着時間を不所望に長くしてしまうおそれがある。従って、不粘着時間を約2時間超、約1.5時間超、又は約1時間超にするのに十分な量のこのような浸透性油又はポリマーを、明るくされた床仕上げ組成物から排除することが望ましい場合がある。
【0080】
床仕上げ組成物中に(又は明るさ誘発剤を含有してもしなくてもよい、組み合わされた他のコーティング組成物層中に)、インジケーター(例えば色インジケーター)を内蔵することにより、基材への塗布中に床仕上げ組成物の厚さ及び被覆量を視覚化するのを助けることができる。一般に床仕上げ組成物を塗布することの難しさは、床表面全体に一貫した厚さの組成物を塗布することに関する。また、いくつかの明るくされた床仕上げ組成物は、バルクで提供されると「ミルク状」の外観を示すことができ、また、コーティングとして塗布されると、これらのミルク状の外観を失うことができる。例えば、エマルジョンの形態で提供された組成物は、容器内にバルクの形態で包装されているときにはミルク状の外観を有することができ、そして、コーティングを提供するために広げられると、その外観を失うことができる。従って、組成物の塗布時に、或る特定の領域が厚すぎるか又は薄すぎるかを判断することが難しいときがある。加えて、表面に組成物が塗布されない場所には、ギャップが生じるときがある。さらに、典型的なS字又は8の字パターンでモップを個々に動かすことにより床仕上げ組成物を塗布するときに、モップの動きにより或る特定の領域に(例えばS又は8の字パターンのエッジに)、組成物が蓄積する傾向がある。これらの蓄積領域は、結果として、明るくされた床仕上げ組成物が乾燥又は硬化するのに伴って、影付け効果をもたらすおそれがある。これらの種々の問題は、組成物が乾燥又は硬化するのにつれて明度値L*又は白さ指数WIが増大する、明るくされた床仕上げ組成物を塗布するときに特に関連する。このように、乾燥又は硬化前の被覆が均一又は完全かどうかを判断することは難しく、そして、明るくされた床仕上げ組成物が一旦乾燥又は硬化されると、塗布の均一性又はギャップの存在がより容易に明らかになる。組成物を塗布する人物が、基材全体にわたる塗布厚が一貫しているか否かを判断することを可能にする量で、インジケータを組成物中に含むことができる。組成物中のインジケーターの存在は、組成物を塗布する人物がギャップ又は蓄積領域を検出し、そして乾燥又は硬化前にこれらを除去して、より均一なコーティングを提供するのを可能にすることができる。インジケーターは、床仕上げ組成物が乾燥又は硬化すると、事実上透明又は不可視になるように提供することができる。すなわち、インジケーターは、湿潤コーティングとしての塗布の均一性を判断するのを可能にする色表示を提供することができるが、しかしインジケーターは、組成物が乾燥又は硬化するのにつれて見えづらくなる。加えて、インジケーターは、別の床仕上げ組成物層がその上に塗布されるのを可能にするのに十分に、又は硬化済仕上げ材上を誰かが歩くのを可能にするのに十分に乾燥又は硬化されたときに、組成物を塗布する人物がそれを知るのを可能にすることができる。使用することができるインジケーターの例は酸/塩基インジケーター、蛍光インジケーター、レドックス・インジケーター、メタロクロム・インジケーター、又はフォトン感受性色素を含む。酸/塩基インジケーターの例は、Merk Index (第12版、Budavari, O'Neil, Smith, Heckelman, Kinneary編、1996年、Merck Research Laboratories)のTable 1又は2、又はLange's Handbook of Chemistry (第15版、Dean, J.A., 1999年、McGraw-Hill, Inc.)のTable 8.23、又はCRC Handbook of Chemistry and Physics (第72版、Lide編、1991年、CRC Press)の第8-13頁のTableに挙げられた色変化インジケーターを含む。これらの参考文献における酸/塩基インジケーターの開示内容を、参考のため本明細書中に引用する。床仕上げ組成物中に使用することができる酸/塩基インジケーターの例はまた、メチル・バイオレット、ブロモフェノール・ブルー、テトラブロモフェノール・ブルー、ブロモクロロフェノール・ブルー、コンゴ・レッド、アリザリンナトリウムスルホネート、ブロモクレゾール・グリーン、クロロフェノール・レッド、ブロモクレゾール・パープル、ブロモフェノール・レッド、ブロモチモール・ブルー、フェノール・レッド、ロゾール酸、クレゾール・レッド、トロペオリンOOO、m-クレゾール・パープル、キシレノール・ブルー、アリザリン・イエローGG、アリザリン・イエローR、ナイル・ブルー、トロペオリンO、ポイリエール・ブルーC4B、及びインディゴ・カルミンを含む。床仕上げ組成物中で使用されると有色から無色へ変化することができる他のインジケーター例は、キナルジン・レッド、2,4-ジニトロフェノール(α-ジニトロフェノール)、ニトラミン、1,3,5-トリニトロベンゼン、1,3,5-トリニトロベンゼン、及び2,4,6-トリニトロフェノールを含む。pH範囲4〜10.5で有色から無色へ変化することができる使用可能な他の酸/塩基インジケーター例は、2,5-ジニトロフェノール(γ-ジニトロフェノール)、p-ニトロフェノール、α-ナフトールフタレイン、キノリン・ブルー、エチルビス[2,4-ジニトロフェニル]アセテート、o-クレゾールフタレイン、フェノールフタレイン、チモールフタレイン、及びエチル・レッドを含む。Lange's Handbook of Chemistry (第15版、Dean, J.A., 1999年、McGraw-Hill, Inc.)のTable 8.25、又はCRC Handbook of Chemistry and Physics (第72版、Lide編、1991年、CRC Press)の第8-15頁に挙げられたものを含む。これらの文献に開示された蛍光インジケーターを、参考のため本明細書に引用する。床仕上げ組成物中に使用することができる他の蛍光インジケーターの例は、エスクリン、ベンゾフラビン、3,6-ジオキシフタルイミド、エオシンYS、エオシンBN、クマリン、シェーファー塩、SS-酸(ナトリウム塩)、コタルニン、α-ナフチオン酸、及びアントラニル酸を含む。pH範囲2〜10にわたって蛍光を変化させる蛍光インジケーター例は、クロモトロプ酸、1-ナフトエ酸、1-ナフチルアミン-5-スルホンアミド、マグダラ・レッド、α-ナフチルアミン、β-ナフチルアミン、サリチル酸、5-アミノサリチル酸、o-メトキシベンゾアルデヒド、P-フェニレンジアミン、モリン、3,6-ジオキシキサントン、β-メチルエスクレチン、ネビル-ウィンター酸、ブリリアント・ジアゾール・イエロー、マグネシウム-8-ヒドロキシキノリネート、β-メチウムベリフェロン、1-ナフトール-4-スルホン酸及びその誘導体、ウムベリフェロン、β-ナフトール、レソルフィン、及びルミノールを含む。蛍光インジケーターの例はまた、グリーン、イエロー又はオレンジの蛍光を発するものを含み、また、フルオレセイン、フルオレセイン誘導体(例えばエリトロシンB(テトラヨードフルオレセイン)、フロキシンBAエキストラ(テトラクロロテトラブロモフルオレセイン)、エオシン(テトラブロモフルオレセイン)、ジクロロフルオレセイン、ジヨードフルオレセイン、カルボキシフルオレセイン)、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、テトラブロモスルホンフルオレセイン)、 Cleves Acid、クマリン酸、3,6-ジオキシフタル酸ジニトリル、オルシナウリン、パテントホスフィン、チオフラビン、アクリジン・オレンジ及びフナフタゾール誘導体を含む。使用可能なレドックス・インジケーターの例は、Lange's Handbook of Chemistry (第15版、Dean, J.A., 1999年、McGraw-Hill, Inc.)のTable 8.26に挙げられたものを含む。この文献の開示内容を、参考のため本明細書中に引用する。使用可能なレドックス・インジケーターの例はまた、2-カルボキシジフェニルアミン、o,m'-ジフェニルアミンジカルボン酸、p-ニトロジフェニルアミン、ベンジジンジヒドロクロリド、o-トルイジン、ジフェニルアミン-4-スルホネート(Na塩)、3,3'-ジメトキシベンジジンジヒドロクロリド、N,N-ジフェニルベンジジン、ジフェニルアミン、N,N-ジメチル-p-フェニレンジアミン(ウルスター試薬)、バラミン・ブルーBヒドロクロリド、N-フェニル-1,2,4-ベンゼントリアミン、2,6-ジクロロインドフェノール(Na塩)、ブリリアント・クレシル・ブルー、2,6-ジブロモフェノールインドフェノール、澱粉、インジュリン・スカーレット、ニュートラル・レッド、ガロシアニン、インディゴ誘導体(インディゴ-5,5',7-トリスルホン酸(Na塩)、インディゴ5,5',7,7'-テトラスルホン酸(Na塩)、インディゴ-5,5'-ジスルホン酸(Na塩)、インディゴ-5-モノスルホン酸))、フェノサフラニン、ナイル・ブルーA、チオニン、メチレン・ブルー、メチル・ブルー(アシッド・ブルー93)を含む。メタロクロム・インジケーターの例は、カルマジット、エリオクロム・ブラックT、ムレキシド、PAX、ピロカテコール・バイオレット、サリチル酸、及びキシレノール・オレンジを含む。フォトン感受性色素の例は、BASF色素、バソニル・グリーン、バソニル・ブルー、ピラム・ブルー、トライルメタン、フレキソ・イエロー、ジアリールメタン、FD&C#2インディゴテン、FD&C#2レーキ、FD&C#1、FD&C#3レッド、FD&C#3グリーン、トリフェニルメタン、メチルブルー、FD&C#1レーキ、FD&C#5イエロー、ピラゾリン、エリスロシン・レーキ、及びFD&C#5イエロー・レーキを含む。
【0081】
床仕上げ組成物は上述のように、組成物を塗布する人物が、塗布される組成物の相対厚を判断し、そして湿潤コーティング内にギャップが存在するかしないかを見極めることを可能にするのに十分な量のインジケーターを含むことができる。インジケーターは使用される場合、例えば、床仕上げ組成物重量の約0.001 wt%以上、約0.001 wt%〜約5 wt%、又は約0.005 wt%〜約1 wt%で存在することができる。
【0082】
開示された床仕上げ材を、木材、プラスチック、金属、コンクリート、壁板及びその他の機械的又は建築用基材を含む種々の基材に塗布することができる。開示された仕上げ材は、これらのきれいな外観により、床基材に塗布するのに特に適している。代表的な床基材は、弾力的な基材、例えばシート物品(例えばビニル床、リノリウム、又はゴムシート)、ビニル複合タイル、ゴムタイル、コルク、及び合成スポーツ用床、並びに非弾力的な基材、例えばコンクリート、石、大理石、木材、セラミックタイル、グラウト、テラゾ、及びその他の注入床又は「乾燥シェイク」床を含む。コーティングは、基材が設置された後、床基材に現場で塗布することができ(例えばモノリシック床基材、例えばシートビニル物品、リノリウム、コルク、ゴムシート、合成スポーツ用床、コンクリート、石、大理石、グラウト、又はテラゾに、又はマルチピース床基材、例えばビニル複合タイル、木材床板、又はセラミックタイルに)、或いは、基材が設置される前に、床基材に工場で塗布することもできる(例えば、モノリシック床基材、例えばロール形態のシートビニル物品に、又はマルチピース床基材、例えばビニル複合タイル又は木材床板に)。現場塗布が好ましく、好適な現場は、新しい又は既存の居住施設、商業施設、及び国所有又は政府機関所有の施設に関与する屋内及び屋外の現場を含む。
【0083】
開示された床仕上げ組成物は、噴霧、ブラシ塗布、フラット・モップ又はストリング・モップ塗布、ロール・コーティング及びフラッド・コーティングを含む種々の方法を用いて、塗布することができる。モップ塗布、特にフラット・モップが、多くの床のコーティングにとって好ましい。好適なモップは、米国特許第5,315,734号、同第5,390,390号、同第5,680,667号、及び同第5,887,311号の各明細書に記載されているものを含む。使用可能な付加的なタイプのモップは、米国特許第6,695,516号明細書及び同第6,550,998号明細書に記載されているようなバックパック床モップと呼ぶことができる。床仕上げ組成物は、米国特許第6,695,516号明細書及び同第6,550,998号明細書に開示されているようなフラット・マイクロファイバー・パッドを使用して塗布することができる。
【0084】
床仕上げ組成物は、種々の容器内に提供することができる。図6(a)を参照すると、床仕上げ組成物は、床仕上げ組成物を定量分配するための開口92を有するフレキシブルな容器90内に提供することができる。フレキシブルな容器90は、米国特許第6,695,516号明細書及び同第6,550,998号明細書に記載されているようなバックパック床モップ内に提供することができる。これらの開示内容を参考のため本明細書中に引用する。バックパック内に提供される場合、フレキシブルな容器90内の床仕上げ組成物は使用者によって着用することができる。加えて、床仕上げ組成物は、図6(b)に示されたように比較的剛性の容器94内に提供することができる。比較的剛性の容器は、開口96を含み、この開口を通して、床仕上げ組成物を定量分配することができる。
【0085】
床仕上げ組成物のための容器にラベルを付け、これにより使用者が、明るくされた床仕上げ組成物と、明るさ誘発剤を含有しない別の床仕上げ組成物とを区別できるようにすることができる。ラベルは、使用者が他の床仕上げ組成物から、明るくされた床仕上げ組成物を区別するのを可能にする任意の印(例えば言葉又は色)であってよい。
【0086】
床に床仕上げ組成物を塗布する前に、床をしばしば剥離し、又は床を清浄化することにより、遊離した破片を除去する。床又は床基材に、シーラー又はアンダーコートを塗布することができる。加えて、その上にオーバーコートを設けることができる。シーラー、アンダーコート、オーバーコートは単層又は多層としてそれぞれ設けることができる。シーラー、アンダーコート、オーバーコートの一部又は全てとして設けられる層のいずれかを、明るくされた床仕上げ組成物から提供することができ、そして残りの層は、明るさ誘発剤を含有しない床仕上げ組成物であってよい。明るさ誘発剤を含有しない床仕上げ組成物の例は、商業的に入手可能な床仕上げ組成物を含む。ポリアクリレート系の商業的に入手可能な床仕上げ組成物の例は、Ecolab Inc.製のGEMSTAR LASER(登録商標)床仕上げ組成物である。複数のアンダーコート層が採用される場合、これらは同じであっても異なっていてもよい。各アンダーコート層は、乾燥コーティング厚約2.5〜約25 μm、より好ましくは約2.5〜約15 μmを有することになる。好ましくは、全アンダーコート乾燥コーティング厚は、約5〜約100 μm、より好ましくは5〜約50 μmとなる。
【0087】
1つ又は2つ以上(例えば1〜8つ)のトップコート層を、床又はアンダーコートに塗布することができる。各トップコート層の乾燥コーティング厚は好ましくは、約2.5〜約200 μm、より好ましくは約2.5〜約100 μmを有することになる。好ましくは、全トップコート乾燥コーティング厚は、原料コストを下げるために比較的薄くなり、例えば約5〜約150 μm、より好ましくは5〜約40 μmとなる。多層仕上げ材の全乾燥コーティング厚は、例えば約10〜約500 μm、より好ましくは10〜約80 μmとなる。
【0088】
仕上げ材が損傷されることなしに通常の通行を指示するのに十分に硬化したら、床を使用し始める(再び使用する)ことができる。上記出願第10/755,975号明細書にさらに記載するように、2Kポリウレタン・トップコートを採用する多層仕上げシステムのアンダーコート又はトップコート中に超微細酸化亜鉛を使用すること、このことは、より速いトップコート硬化を促進し、そして超微細酸化亜鉛が採用されない場合よりも著しく早く床が通常の通行に晒されるのを可能にする。
【0089】
仕上げ材は、これを除去して新しくすることが望まれるようなときまで、通常のメンテナンスを受けることができる。通常のメンテナンスは、定期的な掃除、清浄化、磨き仕上げ又は艶出しとして特徴付けることができる。例えば床を清浄化し(例えばブラシ又はモップを使用して)、これに続いて剥離剤を塗布することにより、除去を行うことができる。好適な剥離剤は当業者に知られており、AIR STRIP(登録商標)、CARESTRIP(登録商標)LO、HAWK(登録商標)及びLIBERTY(全てEcolab Inc.から入手可能である);Buckeye International製のARRIVA(登録商標)、JUGGERNAUT(登録商標)、LIQUID SHOVEL(登録商標)、REVELATION(登録商標)、及びS.W.A.T.NA(登録商標)剥離剤;及びJohnson Diversey製のATTACK(登録商標)、BRAVO(登録商標)、FREEDOM(登録商標)、LINOSAFE(登録商標)、及びPRO STRIP(登録商標)剥離剤を含む。剥離剤は、硬化済仕上げ材への塗布前又は塗布後にその性能又は特性を変化させるために、種々のアジュバントを含有することができる。有用なアジュバントは、研磨粒子、界面活性剤、消泡剤、湿潤剤、滑り低減剤、着色剤及び殺菌剤を含む。このようなアジュバントのタイプ及び量は、当業者に明らかである。剥離剤は、それが仕上げ材を軟化させている間、好適な時間にわたって(例えば1分間以上、好ましくは2時間以下、最も好ましくは約5分〜約1時間)静止しておかれるべきである。仕上げ材が十分に軟化した後、スクラブ、真空処理、モップ掛け、スクイージーの使用、掻き落とし、掃除、払拭、穏やかな研磨、又は床の大部分を除去しない他の手段を含む種々の技術によって、これを除去することができる。軟化された仕上げ材に水又は好適な洗剤溶液が塗布されると、除去は通常、より容易に行われる。
【0090】
任意のアンダーコート及びトップコートの成分を必要とされる通りに混合又は定量分配するための、そして床上にアンダーコートを塗布し、そしてアンダーコート上にトップコートを塗布するための好適な指示書と一緒に、好適な容器又はディスペンサー内にアンダーコート及びトップコートを含むキットの形態で、多層仕上げ材を販売することができる。所望の場合、アンダーコート又はトップコートは、塗布前に水又は別の好適な溶剤と混合されるように意図された濃縮物として包装することもできる。明るさ誘発剤は、アンダーコート又はトップコート成分中に含むか、又は別個に包装して、床への塗布の直前にアンダーコート又はトップコートと混合することができる。任意には、キットは、好適な容器内に剥離剤濃縮物を含むことができる。剥離剤濃縮物は典型的には、塗布前に水又は別の好適なキャリアと、例えば約5〜30重量%の活性成分で混合されることになる。キットは、アンダーコート及びトップコートの添加前に床に塗布することができる付加的なアンダーコート材料(例えばレべリング・コーティング及びシーリング・コーティング)、又は、トップコート上に塗布することができる種々の付加的な材料(例えばメンテナンス・コート又はワックス仕上げ材)を含有することもできる。メンテナンス・コートは典型的には、最初に塗布された多層床仕上げ材が目立った磨耗又は光沢の損失を示すときに塗布され、そして、明度値が高められた半透明硬化済仕上げ材を修復又は提供するのに十分な明るさ誘発剤顔料を含むことができる。
【0091】
キットは、床仕上げ組成物を定量分配するための種々異なるアプリケーター・ヘッドを含むことができる。1つのアプリケーターは、所定の明るくされた床仕上げ組成物を定量分配する際に使用するために連携させることができるように、何らかの形式(例えば色分け)で識別することができ、他のアプリケーターは、他の床仕上げ組成物の塗布のために識別することができる(例えば色分け)。さらに容器は、使用者が、どの床仕上げ組成物が明るさ誘発剤を含むか、そしてどの組成物が含まないかを識別することを可能にするラベル(例えば色分け)を含むことができる。加えて、キットは、Try Products, Inc製のSUREMASK(登録商標)の名称で入手可能なもののようなマスキング材料を含んでよい。キットは、付加的な安全装置、例えば手袋及び眼鏡を含有してよく、また他の工具、例えば容器オープナー、及び混合用工具を含有してよい。キットはさらに、床仕上げ組成物を保持して定量分配するためのバックパックを含有することができる。バックパック床モップは、米国特許第6,695,516号明細書及び同第6,550,998号明細書に開示されている。フレキシブルな容器、例えば図6(a)に示したフレキシブルな容器90内に床仕上げ組成物を提供することは、バックパック内に床仕上げ組成物を含むために有利である。
【0092】
第1の容器内に床仕上げ組成物を有し、そして第2の容器内に明るさ誘発剤を有するキットを提供することができる。使用前に、第1の容器及び第2の容器の内容物を合体させて、明るくされた床仕上げ組成物を形成し、これを次いで床基材に塗布することができる。
【0093】
所望の場合、多層床仕上げ材は、種々の床基材に工場で塗布することもできる。例えばマルチピース床材に工場で塗布される場合、これらのピースは典型的には、少なくとも上面にコートされ、そして任意には側面又は底面にコート又は部分コートされる。
【0094】

本発明を下記非限定的な例でさらに説明する。これらの例において、全ての部及びパーセンテージは、特に断りのない限り重量(wt)による。
【0095】
タイルの調製
【0096】
新しいビニル組成タイル及び使用済ビニル組成タイルを使用して、評価を行った。新しいタイル表面を清浄化し、そして、不織SCOTCH-BRITE(登録商標)グリーン研磨スクラブ・パッド(3M Companyから入手可能)を使用したMAGICSCRUB(登録商標)軽度研磨クリーナー(Ecolab Inc.から入手可能)で擦ることにより、輝きがもはやなくなるまで粗面化した。清浄化された新しいタイルを水道水ですすぎ、そして室温で乾燥させた。これは、工場で塗布された全てのコーティング及び表面の汚れを除去し、そして一貫して再生可能な表面を提供した。商業的な剥離剤CARESTRIP(登録商標)LO(Ecolab Inc.から入手可能)の1:8希釈物を使用して、使用済タイル表面から、残留仕上げ材及び残留物を剥離した。残留仕上げ材を除去するのが十分でない場合、下記表3に示された剥離剤の13%希釈物を使用して、タイル表面をさらに剥離した。
【0097】
【表3】

1. ベンジルアルコール、工業等級、Velsicol Chemical
2. モノエタノールアミン、99%、Dow Chemical
3. ジエチレングリコールモノブチルエーテル、99%、Equistar
4. ジプロピレングリコールn-ブチルエーテル、98.5%、Dow Chemical
5. プロピレングリコールフェニルエーテル、Dow Chemical
6. Linear Alcohol (C12-15)エトキシレート9 EO、Rhodia
7. ZONYL(登録商標)FSJ、40%活性、E.I. duPont de Nemours and Co.
【0098】
剥離された使用済タイルを水道水ですすぎ、そして室温で乾かしておいた。これは、現場条件下で直面し得る表面のような清浄化された表面を提供した。
【0099】
パーセント固形分
床仕上げ組成物のパーセント固形分値を、原料パーセント固形分値、及び調製されたコーティング中のこれらの比率を基準として計算した。商業製品(例えばペイント、プライマー、シーラー及びステイン)の製造業者によって特定されないパーセント固形分値は、Model HB43ハロゲン湿分アナライザー(Mettler Toledo International Inc.から入手可能)及び105℃の乾燥温度を使用して見極めた。平均重量変化が0.1 mg/sを下回ると、測定を停止した。パーセント固形分は、パーセント非揮発分を意味する。
【0100】
比重
床仕上げ組成物及び商業的に入手可能な希釈製品の比重値を、METTLER TOLEDO Density/Specific Gravity Meter DA-100M (Mettler-Toledo)によって測定した。商業的に入手可能な製品の比重値は、関連製品材料安全性データシート(MSDS)又は技術データシート(TDS)から得られた。
【0101】
顔料に対するバインダーの比
顔料が有機顔料でない場合には、下記技術によって試験により、顔料に対するバインダーの比を見極めることができた。有機顔料の場合、顔料に対するバインダーの比は、試験によって測定しなかった。
【0102】
アルミニウム秤量パン内で2グラムの量の組成物を計り分けることにより、組成物中の非揮発種の重量パーセントを見極めた。パン及び組成物の質量を記録し、そしてパンを1時間後に105℃真空炉内に入れた。1時間後に、炉からパンを取り出し、デシケーター内に入れることにより冷却した。冷却したら、試料パンを再秤量し、試料重量損失、パーセンテージ重量損失、パーセント揮発分及びパーセント非揮発分を計算した。605℃の炉内に一晩入れられた2グラムの量の組成物を用いて、組成物中のパーセント無機物を同様に測定し、そして冷却のためにデシケーター内に入れた。重量パーセント非揮発分から重量パーセント無機物を差し引くことにより、組成物中の有機物重量パーセントを見極めた。パーセント無機物に対するパーセント有機物の比は、組成物のパーセント顔料に対するパーセント・バインダーを表し、顔料が無機物の事実上全てを形成し、そしてバインダーが非揮発性有機物の事実上全てを形成するという想定に基づいている。
【0103】
コーティング溶液粘度
調製されたコーティング並びに商業的製品(未希釈及び希釈)の粘度を、Brookfield DV-II粘度計を使用して、周囲温度で測定した。粘度が100センチポアズ(cps)未満の溶液の場合、60 rpmのLV1 スピンドルを有する8 ozガラスジャー内で、粘度を測定した。粘度が100センチポアズ以上の試料の場合、粘度は、60 rpmのLV4 スピンドルを有する4 ozガラスジャー内で測定した。
【0104】
コーティング溶液レオロジー
調製されたコーティング並びに商業的製品のレオロジーを、Brookfield 「More Solutions to Sticky Problems」, Brookfield Engineering Labs, Inc.,第1-50頁の方法によって特徴付けた。この刊行物によれば、ベキ乗則指数(power law index)(n)と呼ばれる定数は、ニュートン流体からの組成物の挙動の偏差を表す。この指数は、剪断歪速度の対数に対して剪断応力の対数をプロットし、そして一次方程式を適用してデータを適合させることにより得ることができる。線の勾配が、ベキ乗則指数である。1未満の「n」の値は、液体が剪断減粘性であること、又は増大する剪断力がその系に加えられるにつれて粘度が減少することを示す。1に等しい(n)の値は、液体がニュートン流体であること、又は粘度が剪断速度とは独立していることを示す。1よりも大きい(n)の値は、液体が剪断減粘性であること、又は系に剪断力が加えられるにつれて、粘度が実際に増大することを示す。
【0105】
Brookfield DV-II粘度計を使用して、周囲温度のスピンドル速度範囲全体にわたる粘度プロフィールを、所定の組成物に関して記録した。スピードは1-100 RPMであった。粘度プロフィールのために使用されるスピンドル及び溶液容器は、測定される組成物の概算粘度範囲に従って変化した。粘度が100 cpsを超える組成物の場合、LV4スピンドルを使用し、そして試料を4 ozガラスジャー内に入れた。組成物粘度が約100 cps未満の場合には、ULアダプターを使用した。試験誤差を最小化するように、スピンドルを選択した。回転速度毎に、測定を60秒間にわたって平衡させておいた。パーセント・トルク、粘度及び回転速度(rpm)を記録した。粘度プロフィール毎に、スピンドル回転速度(rpm)を、剪断速度ファクターと呼ばれる比例定数で掛け算することにより、剪断速度を計算した。剪断速度ファクターは、使用されるスピンドルに対して特異的であり、これはBrookfield刊行物「More Solutions to Sticky Problems」, Brookfield Engineering Labs, Inc., Appendix A.4から得られた。表4は、使用されるスピンドル、並びに関連する剪断速度ファクター及びスピンドル寸法を挙げる。
【0106】
【表4】

【0107】
剪断速度に加えて、下記等式:
剪断応力=M/(2 x π x Rd2 x L)
によって測定トルクから剪断応力を計算した。
上記式中、Mはトルク(%トルク x フルスケール・トルク)、Rdはスピンドル半径(cm)、そしてLは有効スピンドル長(cm)である。次いで、剪断応力の対数を、剪断速度の対数に対してプロットし、そしてデータに直線を適用した。線の勾配を、ベキ乗則指数(n)であるとした。
【0108】
湿潤及び乾燥コーティング厚
1ガロンが0.134 ft3であると想定して、コーティングの湿潤厚を湿潤コーティング率から計算する。例えば、1600 ft2/ガロンの率で塗布されたコーティングは、0.00008 ft厚になる。これは、0.001インチ又は1ミルを意味する。湿潤コーティング厚を配合物のパーセンテージ固形分で掛け算することにより、乾燥厚を計算した。上記例において、1600 ft2/ガロンで塗布された20%固形分仕上げ材は、0.2ミル厚の乾燥コーティングをもたらす。この計算は、コーティングが基材内に浸透しないという想定に基づいている。湿潤コーティング厚は、ドローダウン・バーによって提供されたギャップによって特徴付けることもでき、固形分レベルを用いて、乾燥コーティング厚を計算することができる。例えばNo.10ドローダウン・バー(Paul N. Gardner Co.から入手可能)は、約0.025 mm(1 mil)厚の塗布済湿潤コーティングを提供する。固形分含有率約20 wt%の床仕上げ組成物の場合、No.10ドローダウン・バーは、約0.2ミル(0.005 mm)厚の乾燥コーティングを提供することになる。
【0109】
皮膜評価
コートされた基材を評価することにより、下記のように、剥離性、光沢、色、透明性、吸光度、及び視覚的な外観を見積もった。
【0110】
剥離性
接着剤を裏側に有する発泡リングをコーティング表面に取り付けることにより、化学-物理的除去可能性(剥離性)を評価した。各リングの内側部分に、商業的な剥離剤CARESTRIP(登録商標)(Ecolab Inc.から入手可能)の希釈組成物を満たした。希釈剥離剤を、所定の時間にわたってコーティング表面に接触させておき、次いでリングから注ぎ出した。コートされた又は剥離された表面を水道水ですすいだ。コーティングから発泡リングを引き剥がし、そして紙タオルで簡単に拭って、遊離したコーティング材料を除去することにより、処理済領域を未処理領域に関連して観察した。視覚的に測定されたパーセント・コーティング除去率を記録した。より高い値ほど、コーティングの除去可能性が高いことを示し、そして100%の値は完全な除去を示す。
【0111】
光沢
Micro-TRI-Glossメーター(Paul N. Gardner Co.から入手可能)を使用して、皮膜光沢を20°及び60°で測定した。4〜6つの不連続点における読出し値を測定した。
【0112】
コーティング色値
ミニスキャンXEプラス(MINISCAN XE Plus)カラー分光光度計(0°観察ジオメトリーを伴う45°照射)、又はカラークエスト(COLORQUEST)(登録商標)XEカラー分光光度計(球体ジオメトリーを組み入れる)(両方ともHunter Associates Laboratoryから入手可能)を使用して、コーティング色値を評価した。前者の機器は、コートされた床を評価するのに特に有用な手持ち式装置であるのに対して、後者の機器は、個々のコート済タイルを評価するのに特に有用なベンチトップ装置である。両機器は、表面の反射スペクトル及びL*A*B*座標における出力色値を測定する。これらの座標を使用することにより、明度(L*)、白さ指数(WI)、及び黄色指数(YI)を含むパラメーターを計算することができる。D65発光体を10°の観察者角で使用した。コーティング表面又は基材上の6〜8つの不連続点における読出し値平均から、全ての色値を見極めた。
【0113】
透過率及び吸光度
0.0127 mm厚の透明ポリエステル・シート(GE Polymershapes製)上に下記に報告した種々の湿潤コーティング厚で、1つ又は2つ以上の組成物コートを塗布することにより、コーティング透過率を測定した。コーティングを空気乾燥させておき、そしてSPECTRONIC GENESYS(登録商標)5UV-Visible分光計(Thermo Electron Corp.製)を使用して、下記に報告した不連続波長で、その%透過率を測定した。コートされていないポリエステル・シート(又はいくつかの事例では、下記の種々の無改質仕上げ材でコートされたシート)を、基準又は対照試料として使用した。等式A = -log(T)を使用して、%透過率値から吸光度値を計算した。上記式中、Aは吸光度値であり、Tは絶対透過率値(パーセント透過率を100で割算する)である。
【0114】
隠蔽力
レネタフォーム5C不透明度(LENETA Form 5C Opacity)チャート及びLENETA Gray Scale Form 24Bチャートに1つ又は2つ以上の組成物層を塗布することにより、隠蔽力を見極めた。厚さ約0.5〜0.6ミル(約0.015 mm)の乾燥コーティングを用意した。結果として生じたコーティングを、24時間以上にわたって空気乾燥させておいた。隠蔽力はLENETA Gray Scale Form 24Bチャート上で、チャートから3メートル離れたところに位置する観察者が、白背景から明らかに区別することができる最初のグレースケール・バーを記録することにより測定された。観察されたグレースケール・バーの値が高ければ高いほど、この値は、より大きい隠蔽力(下側層をマスキングするより良好な能力)を有するコーティングに対応する。明度値L*は、ミニスキャンXEプラス(MINISCAN XE Plus)カラー分光光度計を使用して、レネタフォーム5C不透明度(LENETA Form 5C Opacity)チャートの黒部分上で測定された。
【0115】
コントラスト比
Paul N. Gardner Co.製のドローダウン・バー(No. 5, 7又は10、又はこれらの組み合わせ)を使用して、レネタフォーム5C不透明度(LENETA Form 5C Opacity)チャートに1つ又は2つ以上の組成物層を塗布し、そして層間で空気乾燥させて、概算全乾燥コーティング厚約0.015 mmのコーティングを用意することにより、コントラスト比を見極めることができる。結果として生じたコーティングを24時間以上にわたって空気乾燥させておき、次いでミニスキャンXEプラス(MINISCAN XE Plus)カラー分光光度計(0°観察ジオメトリーを伴う45°照射)を使用して、不透明度チャートの黒領域及び白領域上のCIE三刺激Y値を測定することにより、評価した。コーティングの反射率を読出すように、機器を設定し、そしてD65発光体を10°の観察者角で使用した。コーティング上の不連続点における5つの読出し値の平均から、全ての色値を見極めた。加えて、ブランク(すなわちコートされていない) LENETAチャートの白部分及び黒部分のY刺激値を、参考のために測定した。白領域のY値は81.7であり、黒領域のY値は、0.51であった。下記等式を用いて、補正されたコントラスト比(CR0.80)を計算した。W0は、コートされていない不透明度チャートの白部分のY刺激値であり、R0は、不透明度チャートの黒領域上のコーティングのY値であり、そしてRwは、不透明度チャートの白領域上のコーティングのY値である:
【0116】
CR0.80 = f(R0, RW,W) = WR0 (1 - 0.80 R0)
R0(W - 0.80) + 0.80 RW(1-WR0)
上記式中、W = 試験基材の白領域の反射率、
RW = 反射率Wの白領域上の皮膜の反射率、
R0 = 黒領域上の皮膜の反射率、そして
CR0.80 = R0/ RW, W = 0.80のときのCR
である。
【0117】
例1
「タイルの調製」と題される項目において上記したように、実験室廊下の床の1.4 m x 1.8 mの2つの区分を剥離し、次いで、2層のアンダーコートと単層の2成分ポリウレタン・トップコートとでコートした。廊下の床材料は、0.3 m x 0.3 mのEXDELON(登録商標)ビニル組成タイル(Armstrong World Industries, Inc.製)であり、ベージュの背景、及び、パターンNo. 51839として特定される斑状表面パターンを有した。この廊下は、5年を上回って使用されており、通常の磨耗、及び中程度レベルの歩行者通行量に関連する裂断を被っていた。PADLOCK(登録商標)アクリル系ポリマー床仕上げ材(16%非揮発分、Ecolab Inc. 製)から成る2つの層から、第1床区分アンダーコートを形成し、商業的に入手可能なマイクロファイバー・パッド及び50 m2/Lの湿潤コーティング率を用いて塗布した。30分間の乾燥時間を層間に許した。NANOTEK(登録商標) No.Z1021W超微細酸化亜鉛の水中水性分散体(52%非揮発分、Nanophase Technologies Corp.製) 11.5%と、PADLOCKアクリル系床仕上げ材88.5 %とを混合することにより形成された2つの層から、第2床区分アンダーコートを形成した。アンダーコートの塗布に続いて、コート済廊下区分を1.5時間にわたって空気乾燥させておいた。次いで、下記表5に示した2成分ポリウレタン(「2K PUR」)トップコート配合物から成る単層を使用して、それぞれのコート済廊下区分に、同一のトップコートを塗布した。下記重量比に従って部分Aと部分Bとを合体させ、3分間にわたって強力に混合し、次いで16〜18.4 m2/L湿潤コーティング率で塗布する前に10〜12分間にわたって混合物を静止させておくことにより、ポリウレタン・トップコート配合物を塗布前に混合した。
【0118】
【表5】

1. BAYHYDROL(登録商標) XP-7093, 30%非揮発分、Bayer Corporation
2. BYK(登録商標)025, BYK Chemie
3. BYK(登録商標)348, BYK Chemie
4. BYK(登録商標)380, BYK Chemie
5. DESMODUR(登録商標)N-3600, Bayer Corporation
6. BAYHYDUR(登録商標)XP-7165, Bayer Corporation
【0119】
トップコートを有する廊下区分を、室温で一晩にわたって乾燥させておいた。両区分は、不粘着性の光沢皮膜表面を有し、下側のタイルパターンが識別されるのを可能にするのに十分な半透明性を有することが観察された。しかし、酸化亜鉛改質アンダーコートでアンダーコートされた区分(すなわち第2区分)は、観察者には、第1区分よりも著しく「明るく」、「白く」又は「輝いて」見えた。全体の印象は、第2区分が第1区分よりも著しくきれいであるということであった。
【0120】
例2
例1に記載された仕上げ材が塗布されてから2ヶ月後、同じ廊下において、視覚的な調査を行った。2つの区分における個々のタイルを、蛍光増白剤を含有する商業的に入手可能なアクリル系床仕上げ材で慣用のアクリル系床仕上げ材上にコートされた区分内部の2つのタイル、及び慣用のアクリル系床仕上げ材でのみコートされた区分内部の1つのタイルと比較した。これらの3つの比較タイルのそれぞれを、単層のGEMSTAR LASER(登録商標)アクリル系仕上げ材(20%固形分、Ecolab, St. Paul, MN製)で先ずコーティングし、そして乾かしておいた。全ての3つのタイルを次いで水で洗浄することにより、きれいな表面を用意した。調査の前日に、タイルのうちの2つを、2層のISHINE(登録商標)蛍光増白含有床仕上げ剤(25%固形分、Spartan Chemical Co. 製)、又は2層のBETCO BEST(登録商標)床仕上げ材(蛍光増白剤を含有する32%固形分、Betco Corp.製)で、マイクロファイバー・パッド、湿潤コーティング率50m2/L、及び層間乾燥時間1時間を用いてさらにコートした。
【0121】
次の日に、視覚的な調査を行った。この企画及びその目的を知らない6人の観察者に、表6に示す数値的白さランキングを用いて、廊下区分タイル及び3つの比較タイルをランク付けするように求めた。
【0122】
【表6】

【0123】
それぞれの観察者には、最初に、ランク1を有すると見なされる「汚い」タイルが示され、そしてランク5を有するとみなされる「白色」タイルが示された。汚いタイルは、上記第1及び第2区分の近くの同じ廊下に配置された。これは2ヶ月前に剥離され、再コートされず、そして2ヶ月間通常の廊下の通行に晒され、著しく退色して汚くなったものである。「タイルの調製」と題される項目に上記したように、新しいEXCELONタイルから工場で塗布された仕上げ材を除去し、そしてこうして清浄化された表面を、「パーセント固形分」と題される項目に上記したように、2層のExtra White CUPRINOL(登録商標)Solid Color Deck Stain(「パーセント固形分」と題される項目に上記したように測定して約56%固形分、Sherwin Williams Co.製、水を使用して20%まで希釈)でコートすることにより、白タイルを形成した。ステインを20%固形分に希釈することにより、GEMSTAR LASER(登録商標)アクリル系仕上げ材(20%固形分)との、より一様な比較を可能にした。希釈されたステインを、上記に用いたものと同じ手順で塗布することにより、蛍光増白剤含有仕上げ材を塗布した。結果として得られたコート済タイル上の下側パターンは概ね消し去られ、パターンのいくつかの残余物だけを、白色コーティングを通して見ることができた。このタイルは、コートされた白色終点を提供するために調査に含まれるが、所望の外観ターゲットではなかった。それというのもこのタイルは、死んだ不自然な外観を有し、その下側のパターンはその元の装飾目的及び汚れや破片をマスキングする目的をもはや効果的に果たすことはできないからである。この視覚的調査ランク付け結果、及び測定された白さ指数(MINISCAN(登録商標) XE Plusカラー分光光度計を使用)、及び光沢値を、下記表7に示す。
【0124】
【表7】

1 = 304 mm x 304 mmタイル上の6つの異なる点の平均光沢読出し値
2 = 304 mm x 304 mmのパターニングされたベージュのタイル上の8つの異なる領域の平均色値測定値
【0125】
観察者は、酸化亜鉛改質アンダーコートでコートされたタイルの外観(試験番号2-2)を、調査ランクが数値的により低い又はより高い全ての他のタイルよりも好んだ。驚くべきことに、予期された外観の好みは、種々のコーティングに関して得られた光沢又は白さの測定値と完全には相関しなかった。例えばISHINE仕上げ材(試験番号2-5)で、又はBETCO BEST仕上げ材(2-6)でコートされたタイルは、酸化亜鉛改質アンダーコート(試験番号2-2)でコートされた床区分、又はGEMSTAR LASER(登録商標)仕上げ材(試験番号2-4)でコートされたタイルよりも光沢が著しく高かったが、しかし、これらの蛍光増白剤含有仕上げ材でコートされたタイルの外観は、観察者によって好まれなかった。また、白さ基準タイル(試験番号2-1)は、全ての他のタイルよりも知覚される白さが大きかったが、しかしその外観は好まれなかった。試験番号2-2におけるコーティングに対して表明された観察者の好みは、大部分が、改質アンダーコートによって付与される明るさ及び半透明性の組み合わせ、並びに仕上げ材又はタイルがよりきれいであるという対応する印象によるものと考えられる。
【0126】
例3
例1の方法を用いて、例1の廊下における一連の1.4 m x 1.2 m床区分を、種々の量の酸化亜鉛を含有する2層のアンダーコートでコートし、続いて、図5に示す単層のポリウレタン・トップコートでコートした。使用される酸化亜鉛は、Nanophase Technologies Corp.から入手可能な、NANOTEK(登録商標) No.Z1021W超微細酸化亜鉛の水中分散体(52%非揮発分)であった。結果として生じる多層仕上げ材は、下側のタイル・パターンが識別されるのを可能にするのに十分な半透明性を有した。各コーティングの白さ指数(ミニスキャンXEプラス(MINISCAN XE Plus)カラー分光光度計を使用)を記録した。これらの結果を下記表8に示す。
【0127】
【表8】

【0128】
表8のデータが示すように、アンダーコート中の酸化亜鉛のレベルが高いと、より白く、知覚できるほどにより明るく、そしてよりきれいに見えるコーティングが提供された。全てのコーティングは半透明のままであり、そして下側タイル・パターンは容易に識別可能なままであった。
【0129】
例4
酸化亜鉛又は二酸化チタン粒子分散体を含有する一連のアクリル系床仕上げ材を調製した。結果として生じるコーティングの光沢、白さ、及び半透明性に対する効果を説明するために、粒子分散体濃度、及び塗布されるコートの数を変化させた。例2で採用されたGEMSTAR LASER(登録商標)アクリル系床仕上げ材に、粒子分散体を添加した。酸化亜鉛分散体は、例1及び3におけるのと同じであった。二酸化チタン分散体は、TI-PURE(登録商標)スラリーR-746、水性顔料分散体(76.4 %非揮発分、E.I. duPont de Nemours and Co.製)であった。各アンダーコート配合物に水を添加することにより、一定の20%固形分レベルを維持した。配合物を下記表9に示す。
【0130】
【表9】

【0131】
商業的に入手可能なデッキ・ステイン(例2に使用されたExtra White CUPRINOL(登録商標)Solid Color Deck Stain、水を使用して20%非揮発分に希釈)、及びデッキ・シール(CUPRINOL UV Sun Block Deck and Wood Seal、3503白樺色を有するクリアベース、「パーセント固形分」と題される項目に上記したように測定して14%固形分、Sherwin Williams Co.製)も評価した。白ビニル組成タイル(Congoleum Corporation製、「タイルの調製」と題される項目に上記したように清浄化)を、表9の配合物又は商業製品でコーティングした。各コーティング配合物又は商業製品の透過率及び吸光度も、「透過率及び吸光度」と題される項目に上記したように評価した。1, 2, 3又は4つの配合物層及びNo.7ドローダウン・バーを使用して、配合物4-1〜4-4を4つの白タイル及び4つのポリエステル・シートに塗布し(0.018 mm湿潤厚、Paul N. Gardner Co.製)、次いで、GEMSTAR LASER(登録商標)アクリル系仕上げ材の3, 2, 1つの層でオーバーコートするか、又はオーバーコートしなかった。30分以上の乾燥時間を層間に許した。この手順により、全乾燥厚約0.015 mmのコーティングを有する試験パネルをもたらした。全コーティングの25%、50%、75%又は100%が、明るさ誘発剤を含有する改質アクリル系仕上げ材を形成した。全乾燥厚約0.015 mmの、同様に塗布された4つのGEMSTAR LASER(登録商標)アクリル系仕上げ材層をそれぞれ担持する、対照コート済白タイル及びコート済ポリエステル・シートも調製した。全乾燥厚約0.015 mmの、同様に塗布された商業的デッキ・ステイン層をそれぞれ担持する比較コート済白タイル及びコート済ポリエステル・シートも調製した。No.50ドローダウン・バーを使用して塗布された、全乾燥厚約0.018 mmの単一の商業的デッキ・シール層をそれぞれ担持する比較コート済白タイル及びコート済ポリエステル・シートも調製した(0.127 mm湿潤厚、Paul N. Gardner Co.製)。コート済白タイルを評価して、これらの白さ指数及び光沢値を見極め、そしてポリエステル・シートを評価して、これらの透過率及び500 nmにおける吸光度を見極めた。白さ指数を500 nm吸収値で割算することにより、メリットの尺度を計算した。仕上げ材のうちのいくつかを評価することにより、CARESTRIP LO剥離剤の1:8希釈物及び10分間の希釈剤接触時間を用いて、これらの剥離性も見極めた。下記表10に示したものは、試験番号、(表9から)採用された配合物番号、塗布された配合物層の数(改質コートの数)、塗布されたGEMSTAR LASER(登録商標)アクリル系仕上げ材層の数(「無改質コートの数」)、%透過率、500 nmにおける吸光度係数、白さ指数(白ビニル組成タイル上で測定)、白さ指数/吸光度係数比(WI/A比)、20°光沢、60°光沢、及び%除去率(化学的剥離性)の結果である。白さ指数を測定した。COLORQUEST(登録商標)XEカラー分光光度計を使用して、白さ指数を測定した。
【0132】
【表10】

A. 無改質GEMSTAR LASER(登録商標)仕上げ材
B. NM = 吸光度がゼロに近いので、WI/A比は測定されなかった。
表10は、いくつかの仕上げ材の白さ指数及び吸光度に対する、粒子タイプ、粒子添加量、及びアンダーコート数の間の関係を示す。粒子添加量及びアンダーコート数が増大するにつれて、白さ指数は高まり、そして吸光度も高まり、またその結果、吸光度に対する白さ指数の比は減少する。
【0133】
No. 7ドローダウン・バーを使用して、LENETA Form N2A 不透明度チャートに単一コートを塗布して、厚さ約0.004 mmの乾燥コーティングを提供することにより、明度を評価した。デッキ・ステインを20%固形物まで希釈し、そしてNo. 7ドローダウン・バーを使用して、LENETAチャート上に希釈済ステインをコートすることにより、そしてNo. 10ドローダウン・バーを使用してデッキ・シールを塗布することにより、同様の厚さのコーティングを得た。LENETAチャートの黒領域に塗布されたコート済領域の色値を、「コーティング色値」と題される項目に上記したように測定した。L*値を下記表11に示す。コーティング色値は、COLORQUEST(登録商標)XEカラー分光光度計を使用して見極めた。
【0134】
【表11】

A. 無改質GEMSTAR LASER(登録商標)仕上げ材
NM = 測定されず
【0135】
図11に示すように、選ばれた明るさ誘発剤は、明度測定値を高めた。デッキ・ステイン製品及びデッキ・シール製品は、さらに高い明度値を有したが、しかしコーティング半透明性は、下側の黒背景が際立ってマスキングされるのに十分に低かった。
【0136】
例5
例4の一般的な方法を用いて、樹脂系水性二酸化チタン分散体(WFD-5006水性TiO2分散体、73.3%固形分、Sun Chemical Corp.)、又は例4で使用された超微細酸化亜鉛を含有する床仕上げ組成物を調製した。配合物を下記表12に示す。
【0137】
【表12】

A. 無改質GEMSTAR LASER(登録商標)仕上げ材
【0138】
例1における廊下の床の裸領域を7つの1.5 m x 2.4 m区分に分け、それぞれを「フィールド」と指定した。マイクロファイバー・モップ及び50 m2/L湿潤コーティング率を用いて、各配合物から成る5つの層を、下記表13に示すように各フィールドに塗布した。使用前にモップを飽和させるために、100gの過剰の仕上げ材を床上に注ぎ、そしてモップを使用してこれを吸い上げた。コート塗布間には、飽和したモップをプラスチック袋内に保存した。次の層の塗布前にもはや粘着性でなくなるまで(約30〜45分)、各層を乾かしておいた。下で「無改質」と特定した層は、無改質GEMSTAR LASER(登録商標)仕上げ材を含有した。
【0139】
【表13】

A. 無改質GEMSTAR LASER(登録商標)仕上げ材
【0140】
明るさ誘発剤を含有するアンダーコートを有するフィールド(フィールド5-2〜5-5)は、5つの無改質仕上げ材コートでコートされたフィールド(フィールド5-1)よりも、著しくきれいで明るい外観を有し、しかもタイル・パターンは、そのフィールド上に立つ観察者にとって、通常の日光のもとで明らかに識別可能であり続けた。フィールド5-2及び5-3は、酸化亜鉛レベルが異なるにもかかわらず、互いに極めて似ているように見えた。しかしフィールド5-4及び5-5は、著しく異なる外観(すなわち著しく異なる見かけ明るさレベル)を有した。明るさ誘発剤を含有する1つの仕上げ材コートでトップコートされたフィールド(フィールド5-6及び5-7)も、5つの無改質仕上げ材コートでコートされたフィールドよりもきれいで明るい外観を有するが、しかしその効果は、アンダーコート内に明るさ誘発剤を含有するフィールド(フィールド5-2〜5-5)よりも小さく、あまり顕著ではなかった。しかし、このことは、フィールド5-2〜5-5には2つの改質アンダーコート層が使用され、これに対して、フィールド5-6及び5-7はただ1つの改質トップコート層を採用したことに帰因し得る。
【0141】
商業的に入手可能な2種のペイント(VALSPAR(登録商標)100% アクリル・ホワイト内装艶消しラテックス(Acrylic White Interior Flat Latex)、及びVALSPAR(登録商標)ホワイト内装/外装光沢エナメル・ラテックス(White Interior/Exterior Gloss Enamel Latex)、両方ともValspar Corp.製)を分析して、これらのパーセント固形分レベルを測定し、そして、「パーセント固形分」と題される項目に上記した湿分バランス法を用いて、それぞれ58%及び61%固形分を含有することを見極めた。後続の試験のために一定の皮膜厚を維持するために、約20 gのペイントを40 gの脱イオン水に添加することにより、ペイントを20%固形分に希釈した。表12の配合物及び希釈されたペイントを、Paul N. Gardner Co.製のNo.10バーを使用して、LENETA Form 5C不透明度チャート上、及びGE Polymershapes製の0.127 mm厚の透明ポリエステル・シート上にドローダウンすることにより、概算乾燥コーティング厚約0.005 mmのコーティングを用意した。その結果として生じるコート済皮膜を、24時間以上にわたって空気乾燥させておいた。
【0142】
「コーティング色値」と題される項目に上記したようにCOLORQUEST(登録商標)XEカラー分光光度計を使用して、コート済LENETA Form 5Cチャートの黒及び白の背景領域を評価した。白領域の測定は、白さ指数値を提供し、そして黒領域の測定は、L*値を提供した。コート済ポリエステル・シートを測定することにより、「透過率及び吸光度」と題される項目に上記したような、透過率及び500 nmにおける吸光度を見極めた。配合物5(無改質GEMSTAR LASER(登録商標)仕上げ材)でコートされたポリエステル・シートが、基準又は背景試料として使用された。
【0143】
表12の配合物、及び希釈されていない(すなわち供給時の状態の)ペイントを、No. 10バーを使用して、レネタフォーム24Bグレイスケール(LENETA Form 24B Gray Scale)チャート上にドローダウンした。配合物5及び5-1〜5-4の場合、全部で3つの層をグレースケール・チャートに塗布し、次の層を塗布するまえに各層を空気乾燥させておいた。希釈されていないペイントの場合、1つの層をグレースケール・チャートに塗布し、これにより、乾燥コーティング厚約0.015 mmをもたらした。この厚さは、20%固形分の無改質及び改質床仕上げ組成物から成る3つの層をグレースケール・チャートに塗布することにより得られたコーティング厚に匹敵する。「隠蔽力」と題される項目に上記したように、各配合物の隠蔽力を評価した。
【0144】
LENETA グレースケール・チャートを、剥離性試験のためにも使用した。最終コーティングを、試験前に24時間にわたって乾燥させておき、「剥離性」と題される項目に上記した手順、商業的剥離剤CARESTRIP LOの1:32希釈物、及び2分間の接触時間を用いて、剥離性を見極めるために評価した。
【0145】
これらの種々の測定の結果を下記表14に示す。
【0146】
【表14】

A. 無改質GEMSTAR LASER(登録商標)仕上げ材
B. 不透明度チャートの白背景上
C. 不透明度チャートの黒背景上
D. 適用できず
【0147】
表14のデータは、配合物5-1〜5-4が剥離可能であり、そして現場リニューアル可能であるのに対して、商業的なペイント製品は、典型的な床仕上げ材剥離用溶液を使用して剥離不能であった。配合物5-1〜5-4の白さ指数:吸光度の比、及びL*/隠蔽力の比は、商業的なペイントによって示された値よりも著しく高かった。L*/隠蔽力比は、外観の知覚される望ましさと良好に相関するように見えた。配合物5-1〜5-4でコートされるタイルの外観は、所望の外観を提供した。観察者は特に、配合物5-3及び5-4でコートされたタイルの外観を好んだ。
【0148】
例6
種々の量のOP302有機不透明剤(Rohm and Haas Co.製、40%固形分)、NANOTEK No. T1021W 二酸化チタンの水中分散体(Nanotek製、37.08%固形分)、又は両方を明るさ誘発剤として採用する床仕上げ組成物は、種々の量の一方又は両方の明るさ誘発剤を10gのGEMSTAR LASER(登録商標)床仕上げ材に添加するか又は添加せず、そして混合して成分を完全に分散させることにより、調製された。下記表15には、配合物、添加された明るさ誘発剤のグラム数、及び総配合物固形分と比較した顔料固形分のパーセントを示す。
【0149】
【表15】

A. 無改質GEMSTAR LASER(登録商標)仕上げ材
【0150】
きれいな白色ビニル組成物タイルを、8つの区分に分けた。上記表15に示した配合物を個々に、ほぼ0.3 g/区分のコーティング率及び各配合物から成る2つのコートを使用して、最初の6つの区分に塗布した。結果として生じた仕上げ材は、下側のタイルが識別されるのを可能にするのに十分な半透明性を有した。最後の2つのタイル区分はコートしないままにした。タイル区分を評価して、L*A*B*座標における出力色値、及び白さ指数を見極めた。これらの結果を表16に示す。MINISCAN(登録商標) XE Plusカラー分光光度計を使用して、値を測定した。
【0151】
【表16】

A. 無改質GEMSTAR LASER(登録商標)仕上げ材(20%固形分)
【0152】
表16の結果が示すように、OP302P有機不透明剤の添加は、不透明剤濃度に応じて、40.82から44.83〜48.71に白さ指数を高め、そして、TiO2顔料の更なる添加は白さ指数をさらに高める。
【0153】
例7
例4の一般的な方法を用いて、ISI STAR床仕上げ材又はTUKLAR MEDICAL床仕上げ材の部分A(両方ともEcolab Inc.製)を含有する床仕上げ組成物を、床仕上げ組成物中2.77 %の顔料固形分を提供するのに十分な顔料を使用して、種々の二酸化チタン顔料分散体と合体させた。顔料添加剤なしの床仕上げ材の試料を、対照として使用した。白及びベージュの組成物タイルをそれぞれ四等分に線を引いた。1コート当たりのコーティング重量約0.6〜0.7 g、及びコート塗布間の乾燥時間45分以上を用いて、各配合物の3つのコートを各タイルの四分の一に塗布した。結果として得られた仕上げ材は、下側のタイルが識別されるのを可能にするのに十分な半透明性を有した。トップ層が完全に乾燥した後に、光沢値を測定した。コート済タイルを室温で一晩にわたって静止させておいた後、色値を測定した。下記表17及び18(それぞれ白タイル及び黒タイル上の結果を報告する)には、配合物番号、採用された明るさ誘発剤、20°及び60°光沢値、対照配合物及び白さ指数値と比較した光沢損失が示されている。ミニスキャンXEプラス(MINISCAN XE Plus)カラー分光光度計を使用して、色値を測定した。
【0154】
【表17】

A. 無改質ISI STAR仕上げ材
B. 無改質TUKLAR MEDICAL仕上げ材(部分Aのみ)
C. E.I. duPont de Nemours and Co.製
D. Kemira Pigments Oy製
【0155】
【表18】

A. 無改質ISI STAR仕上げ材
B. 無改質TUKLAR MEDICAL仕上げ材(部分Aのみ)
C. E.I. duPont de Nemours and Co.製
D. Kemira Pigments Oy製
【0156】
商業的に入手可能な種々の二酸化チタン顔料は、異なる表面処理又はコーティング、異なる分散体、異なる粒子サイズ、及び異なる形態を有すると考えられ、そしてこれらの特性は、白さ指数及び光沢に影響を与えることができる。表17及び表18が示すように、採用された二酸化チタンのタイプの変化によって、明るさの改善を変化させることもできる。特に顕著な明るさ及び低い光沢低減が、配合物7-6で得られた。
【0157】
例8
異なるタイプ及び量の明るさ誘発剤を含有する一連のアクリル系床仕上げ材配合物を調製した。例6において採用された明るさ誘発剤ACUSOL OP302P、WFD 5006 TiO2分散体(73.3%固形分、Sun Chemical Corp.製)、又はROPAQUE ULTRAコア-シェルポリマー・エマルジョン(30%固形分、Rohm and Haas Co.製)を、TAJ MAHALアクリル系床仕上げ材(20%固形分、Ecolab Inc.製)に添加した。各配合物に水を添加することにより、一定の20%固形分レベルを維持し、これにより一貫した乾燥コーティング厚を提供した。配合物を下記表19に示す。
【0158】
【表19】

【0159】
BYKO(登録商標)Chart Form AG-5304(Byk Gardner製、LENETA Chart Form 5Cに類似)を、No. 10ドローダウン・バーを使用して上記配合物でコートした。各配合物の1つのコートを各チャートに塗布した。コーティングを、1日以上にわたって乾燥させておき、そしてこれが半透明であることを観察した。「コーティング色値」と題される項目に上記したように、COLORQUEST(登録商標)XEカラー分光光度計を使用して、各チャートの黒区分から色読出し値を求めた。結果を下記表20に示す。
【0160】
【表20】

【0161】
図20の結果が示すように、同様の添加レベルで、ROPAQUE ULTRA不透明剤は、ACUSOL OP302P不透明剤又はWFD 5006 TiO2顔料よりも、黒基材上にコートされた床仕上げ材のL*値(明度値)に対して著しく大きな効果を有する。ROPAQUE ULTRA不透明剤が添加されると、ACUSOL OP302P不透明剤又はWFD 5006 TiO2顔料を含有する対照コーティングよりも、明るい「白い」外観を有するコーティングが提供された。ROPAQUE ULTRA不透明剤はまた、同じ重量パーセントで添加されたTiO2よりも強力な明るさ誘発剤であるように見えた。
【0162】
例9
例8の配合物を評価して、これらの耐沈澱性及び長期貯蔵性を見極めた。各配合物の測定された量を、50 mLの遠心分離管(VWR International製、カタログno. 21008-240)に移した。試料を10分間にわたって1500 rpmで遠心分離した。遠心分離直後に、数ミリリットルの仕上げ材を各管の頂部から引き出し、そして例8において採用されたBYKO(登録商標)Chart Form AG-5304上に、No.10ドローダウン・バーを使用してコーティングした。残りの仕上げ材を 遠心分離管からデカントし、そして(もしあれば)遠心分離管底部に残る沈殿物を、1日以上にわたって50℃の炉内で乾燥させた。乾燥したら、沈殿物を炉から取り出し、室温まで冷却し、そして秤量した。
【0163】
種々異なる配合物の安定性をランク付けするために、遠心分離して乾燥させた後に残った残留物の量を、床仕上げ材中の明るさ誘発剤の総グラム数で割算することにより、遠心分離時に失われた明るさ誘発剤のパーセンテージを見極めた。表21は、例8の配合物の遠心分離の結果を挙げる。
【0164】
【表21】

【0165】
表21の結果が示すように、ROPAQUE ULTRA又はACUSOL OP302P不透明剤を含有する配合物中の沈澱により失われた明るさ誘発剤は、WFD 5006 TiO2顔料を含有する配合物中のものよりも少ない。これらの高分子明るさ誘発剤配合物はこのように、WFD 5006 TiO2顔料を含有する配合物よりも良好な貯蔵安定性を有するはずである。
【0166】
コート済BYKOチャートの黒領域を評価することにより、「コーティング色値」と題される項目に上記したように、COLORQUEST XEカラー分光光度計を使用して、これらの色値を見極めた。各配合物に関して初期L*値から遠心分離後のL*測定値を差し引くことにより、沈澱によるL*値の変化(デルタL*)を計算した。これらの結果を下記表22に示す。
【0167】
【表22】

【0168】
表22の結果が示すように、ROPAQUE ULTRA不透明剤を含有する配合物は、遠心分離後の明るさ誘発剤特性を維持した(BYKOチャートの黒領域上のV*値の変化がほとんど又は全くないことにより、明らかにされる)。これらの結果がさらに示すように、WFD 5006 TiO2顔料を含有する配合物は、ΔL*がより高く、また明るさ誘発剤特性を若干失う。ACUSOL OP302P不透明剤を含有する配合物も、遠心分離後の明るさ誘発剤特性を維持するが、しかし、採用された添加レベルにおけるL*値はより低い。
【0169】
例10-テラゾ・タイル上のシーラーの使用
一連のシーラー配合物を、プレキャスト12" x 12"白テラゾ・タイル(Wausau Tileから商業的に入手可能、カタログ番号WT751CP)に塗布することにより、配合物11-a(例11参照)で形成されたコーティングの白さ指数に対するシーラーの効果を評価した。コートする前に、2つのテラゾ・タイルをOASIS(登録商標)299クリーナー(Ecolabから商業的に入手可能)の10%溶液で予め清浄化し、水ですすぎ、そしてタオルで乾燥させた。テラゾ・タイルを3時間以上にわたって、それぞれ42°F及び50°Fで平衡させておいた。平衡されたら、各テラゾ・タイルを四分の一に分割し(6"平方区分)、そして1.2〜1.5gのRIVET(登録商標)床仕上げシーラー(Ecolab Inc.から商業的に入手可能)、及びTAJ MAHAL(登録商標) 床仕上げシーラー(Ecolab Inc.から商業的に入手可能)を、マイクロファイバー・パッドで各タイル上の単一セクションに塗布し、そして適温(42°F又は50°F)で1.5時間以上にわたって乾燥させておく。乾燥後、配合物11-a(1コート当たりの1区分当たり1.2 g〜1.5 g)から成る2つのコートを、各タイル上の全ての区分に塗布し、コート塗布の間には、2.5時間以上、それぞれの温度で乾燥させておいた。次いでコート済タイルを、一晩にわたって乾燥させておき(ここでもやはりそれぞれの温度で)、そしてMARKETSTAR(登録商標)仕上げ材(25%固形分、Ecolab Inc.から商業的に入手可能、1コート当たりの1区分当たり1.2 g〜1.5 gで)から成る2つのコートを、各タイル上の全ての区分に塗布した。この場合もやはり、コーティングをコート塗布間に2時間にわたって42°F又は50°Fで乾燥させておいた。MARKETSTAR仕上げ材の最終コートを塗布した後、タイルをそれぞれの温度で一晩にわたって乾燥させておいた。次の日に、白テラゾ基材上の種々のコーティングの色読出し値を、「コーティング色」と題される項目に記載したようなMINISCAN XE機器を使用して記録した。各区分上の8つの明確なスポットの平均白さ指数(WI)及び明度値(L*)を、表23に記録する。
【0170】
【表23】

【0171】
表23が示すように、シーラー・コート(試験番号10-1、10-2、10-4、及び10-5)は、シーラーなしのテラゾ上のコーティング(試験番号10-3及び10-6)と比較して、コートされたテラゾの全体的な白さ指数及び明度値を増大させる。
【0172】
例11
Rohm and Haas Co.からROPAQUE(登録商標) ULTRAの名称で入手可能な有機顔料を、明るさ誘発剤として含有する2種のアクリル系床仕上げ組成物を、表24で特定された配合物に従って調製した。
【0173】
【表24】

A. Rohm and Haas Co.製の保存剤
B. Rhone-Poulenc, Inc. Surfactants and Specialty Chemicals製のアニオン性界面活性剤(35%固形分)
C. Mason Chemical Co. 製のフルオロ脂肪族アミンオキシド・フルオロ界面活性剤(1%活性溶液)
D. 米国特許第5,574,090号及び同第6,586,516号明細書(40.5%固形分)に記載されたように製造されたRohm and Haas Co.製の亜鉛非含有スチレンアクリル系エマルジョン
E. Rohm and Haas Co.製の不透明ポリマー粒子エマルジョン(30%固形分)
F. Rohm and Haas Co.製の疎水性改質されたマレイン酸/オレフィン・コポリマー(25%固形分)
G. Eastman Chemical Co.製の化学的に改質されたポリプロピレン(40%固形分)
H. Chemcor製のポリエチレン・ワックス(35%固形分)
I. Wacker Silicones製の消泡エマルジョン
J. 50 mlの0.2M KOH溶液中に1 gのフルオレセイン遊離酸(Sigma Aldrich)を溶解させることにより、フルオレセイン溶液を調製した。
【0174】
ベージュのタイルを設けられた実験室廊下区分を前述のように剥離し、次いで湿潤コーティング率2000 ft2/gallonで上記配合物でコーティングした。フラット・マイクロファイバー・モップを使用して全てのコーティングを塗布し、この塗布は図8のパターンで行った。
【0175】
配合物11-aの溶液色は、標準的な床仕上げ材と同様に不透明な白色であった。なお、商業的に入手可能な多くの床仕上げ組成物は一般に、バルクで見ると乳白色の外観を有する。この乳白色の外観は、エマルジョンの形態を成す組成物の結果であると考えられる。組成物がコーティングとして塗布されるにつれて、エマルジョンのミルク状の効果は顕著ではなくなり、コーティングは比較的透明に見え、そしてコーティング組成物が乾燥するにつれてさらに透明になる。配合物11-aをコーティングすると、塗布された皮膜は透明であり、ベージュ基材のコートされた領域から、コートされていない領域を視覚的に区別すること、並びに、薄い領域から厚い領域を視覚的に区別することは難しかった。塗布後、組成物は45分以上にわたって乾燥させておかれ、白化効果をもたらした。白化効果は不透明ポリマー粒子エマルジョン(ROPAQUE(登録商標) ULTRA不透明剤の名称で入手可能)が存在する結果であり、白化効果は、コーティングが乾燥するにつれて生じる。加えて、明るさ誘発剤が無機成分、例えばTiO2であるときには、コーティングが床に塗布されると湿潤コーティング中に白化効果を見ることができることが観察された。
【0176】
配合物11-bの色は、配合物中に少量のフルオレセイン(0.02重量%)が含まれていることにより、黄色蛍光であった。この配合物の塗布中、ベージュ基材のコートされていない領域から、コートされた領域を視覚的に区別することは極めて容易であった。なぜならば、コートされた領域は明るい黄色であったからである。さらに、わずかに「より薄い」配合物11-b層でコートされている領域は、周りの領域ほど黄色くはなかった。これらのより薄い領域は、一様なコーティングを達成するために仕上げ材を再分配することなしに、床上に意図的に残される。その結果生じるコーティングを、45分以上にわたって乾燥させておいた。コーティングが乾燥するにつれて、黄色の色は消え、そしてコーティングは不透明になり、白化効果をもたらした。より薄い床仕上げ材層でコートされている床領域は、白化効果をさほど示さなかった。
【0177】
例12
地元のスーパーマーケットのベージュのビニル組成タイルの区分に、配合物11-a及び11-bを塗布した。BLAST(登録商標)剥離剤(Ecolab Inc.から商業的に入手可能)を使用して、床を前述のように剥離した。約50 m2/Lの湿潤コーティング率で、フラットなマイクロファイバー・モップを用いて、配合物を塗布した。図8のパターンを使用して仕上げ材を塗布し、できる限り一様にコーティングを塗布するように、コーティングを塗布する人物に指示した。配合物11-aから成る単一コートを、スーパーマーケットの通路の8.5 m2の床面積に塗布した。配合物11-aの塗布中に、利用可能な明化条件下で、厚いコーティング領域から薄いコーティング領域を区別することは可能ではなく、ひいては、コーティングを塗布する人物が欠陥を補正することはできなかった。配合物11-bから成る単一コートを、隣接する8.5 m2の床面積に塗布した。配合物11-bの蛍光黄色は、塗布されたコーティング均一性のクリアな視覚的インジケーターを提供した。塗布者は、黄色の欠如により、塗布し損ねたスポットを識別し、その特定領域により多くの仕上げ材を塗布することにより、エラーを補正することができた。さらに、極めて薄い床仕上げ材層を有する領域は、より厚い層を有する領域から容易に区別された。この場合もまた、塗布者は、モップを持って薄い領域及び厚い領域上に戻って仕上げ材を一様にすることにより、これらの欠陥を補償することができた。上記コート済領域を60時間以上にわたって乾燥させておき、その時点で、配合物11-aから成る第2コートを、前述のように両セクションに塗布した。この場合もまた、コート済セクションを乾燥させておき、そしてMARKETSTAR仕上げ材から成る2つのコートを両セクションに塗布した。全てのコーティングが乾燥したあと、床セクションを視覚的に検査した。配合物11-aでアンダーコートされた第1セクションは白くそして輝いて見えた。同様に、配合物11-bでアンダーコートされた第2セクションも白くそして輝いて見えた。このセクション内の黄色は完全に消散していた。2つのセクションの白さレベル全体は同様であるが、しかし配合物11-aでアンダーコートされたセクションは、周りの領域ほど白くはないいくつかの分離領域を含有した。これはおそらく、一様でない第1コート塗布の結果であった。周りの領域ほど白くはない領域は、より薄い床仕上げ材層を有することが推定された。コーティングが薄ければ薄いほど、知覚される外観は白くなくなり、「影付けされた」外観を招く。白さが少ない、又は影付けされた領域は、配合物11-bでアンダーコートされた第2セクション内には見いだされなかった。なぜならば、仕上げ材を塗布する人物が、塗布中にコーティングのいかなる不一様も補償することができたからである。
【0178】
例13-組成物特性
総固形分レベル20%の二酸化チタンを含有する床仕上げ組成物を、表25に示された成分を使用して調製した。表25で特定された成分の多くは、例10との関連において前述したものである。
【0179】
【表25】

A. DuPont製のフルオロ界面活性剤(40%活性)
B. Ultra Additives製のシリコーン消泡剤(60%活性)
C. Rohm and Haas Co.製のアクリル系ポリマー・エマルジョン(41%固形分)
D. Omnova製のアクリル系スチレンポリマー・エマルジョン(38%固形分)
E. ChemCor製のポリエチレン・ワックス分散体(40%固形分)
F. ChemCor製のポリエチレン・ワックス(35%固形分)
G. DuPont製のTiO2スラリー(76.5%固形分)
【0180】
配合物11-a及び13、例5で使用された2種の商業的に利用可能なペイント(VALSPAR(登録商標)100% アクリル・ホワイト・インテリア艶消しラテックス、及びVALSPAR(登録商標)ホワイト・インテリア/エクステリア光沢エナメル・ラテックス、両方ともValspar Corp.製)、及び商業的なプライマー・コート(Conco Paints製のSTEP ONE(登録商標)Drywall PVA プライマー/シーラー)を、これらの固有の溶液特性に従って、表26において特徴付けする。表26には、製造業者の推奨希釈率に従って希釈されたときの2種の商業的なペイント及びプライマーの特性も含まれる。2種の商業的なペイント試料の推奨希釈率は、製品1ガロン当たり8 ozの水であり、そして製品容器に配置された製品指示書に見いだすことができる。商業的なプライマーの推奨希釈率は、Conco Paintsによって発行された製品データシート上に見いだすことができ、それは製品1ガロン当たり8 ozの水であった。
【0181】
表26は、「コーティング溶液粘度」の項目に記載されたように測定された試料粘度を挙げる。「パーセント固形物」の項目に記載されたような湿分バランス法を用いて、試験番号13-1〜13-6のパーセント固形物を分析した。配合物11-a及び13は、20%であることが計算された。比重値は、製品MSDSシートから採用するか、又は、「比重」の項目に従って測定した。バインダー:顔料の比は、「顔料に対するバインダーの比」の項目に記載されたように、全ての製品(配合物11-aを除く)に対して試験により見極めた。ベキ乗則指数は、「コーティング溶液レオロジー」の項目に従って見極めた。LV4スピンドル及び4 ozジャーを使用して、レオロジー試験番号13-1〜13-6を測定し、そしてUL-アダプターを使用して、試験番号13-7及び13-8のレオロジー・プロフィールを測定した。
【0182】
【表26】

A. 固形分レベルは希釈製品で測定されたものであり、計算値ではない。
B. 適用できず
【0183】
表26のデータは、試験番号13-1〜13-6、並びに13-7及び13-8の粘度及び固形分含有率の差を示している。床仕上げ組成物は典型的には、ストリング・モップ又はフラット・モップ・パッド(フロック処理、スポンジ、ストリング又はマイクロファイバー)を使用して塗布される。固形分レベルが増大するにつれて、コーティング組成物の粘度は増大し、そしてコーティングのレべリング能力は減少することがある。コーティング組成物の塗布に対するモップの障害又は抵抗は、固形分の増大とともに著しく増大することもある。
【0184】
ペイント及びプライマーは、いくつかの理由で、剪断減粘性効果を提供するように(そして0.9未満のベキ乗則指数(n)を有するように)調製されているように見える。例えば、ペイント及びプライマーが、静止時に、組成物中に分散された顔料を保持するように比較的高い粘度を有すること、及び、例えば鉛直方向壁のような表面上に組成物をブラシ、ロール又はスプレーにより塗布することによって剪断力が加えられるので、比較的低い粘度を有することが望ましい。加えて、剪断力が加えられた後の粘度が低いと、このことはレべリング効果を有するペイント又はプライマーを提供する助けとなる。こうしてペイント及びプライマーは、しばしば粘度改質剤又はレオロジー改質剤を含むことにより、これらの剪断減粘性特性を高め、そして非ニュートン剪断減粘性挙動を提供する。
【0185】
例14-コーティング塗布特性
表27は、種々異なる組成物の種々の塗布特性を挙げる。商業的に入手可能な製品(試験番号13-1;13-3;及び13-5)の塗布法、湿潤コーティング率、湿潤コーティング厚、乾燥時間、及び再コート時間パラメーターは、製品容器上の塗布指示書から得られた。商業的ペイントの塗布法を除いて、希釈された商業的製品(13-2;13-4;及び13-6)のリストに挙げたパラメーターは、対応する非希釈製品と類似するように見えた。2種の希釈Valsparペイントの塗布方法は、製品容器上の製品指示書によりスプレー塗布であることが見極められた。試験番号11-a及び13の塗布法、湿潤コーティング率、乾燥時間、及び再コート時間は、多くの慣用の床仕上げ材のために用いられるものに匹敵した。湿潤及び乾燥コーティング厚は、「湿潤及び乾燥コーティング厚」の項目に従って見極めた。乾燥コーティング厚のパーセント固形分計算値を表26から採用した。
【0186】
【表27】

1. 容器上のValspar指示書による。
2. 塗布方法を除いて、リストに挙げられた他の希釈製品特性は、リストに挙げられた未希釈製品特性に類似すると評価された。
3. 製品容器上の指示書による。この製品に関して挙げられた再コート時間には不一致がある。製品容器上の指示書は、再コート時間を1時間として挙げ、これに対して製品データシートは、再コート時間を4時間として挙げた。
4. リストに挙げられた希釈製品特性は、リストに挙げられた未希釈製品特性に類似すると評価された。
5. 塗布方法及びその他のリストに挙げられた特性は、多くの慣用の水系ポリアクリル系床仕上げ材のために用いられる特性に匹敵した。
【0187】
配合物11-a及び13は、慣用のストリング・モップ又はフラット・モップで塗布することができ、これに対して試験番号13-1〜13-6は、基材上にブラシ、ローラー又はスプレーによって塗布されるようになっている。床仕上げコーティングを床上にブラシで塗布することは、大きな表面積をカバーしなければならないため実用的でない。大きな面積上に床仕上げコーティングをスプレーすることは、一般に、多くの環境、例えば1日24時間営業している施設(例えば24時間営業のコンビニエンスストア)において、許容できるほどには実用的でない。ローラによる床仕上げコーティングの塗布は、いくつかの特定の床コーティングのために目下実用上受け入れることができる。しかしこの方法の効率は、コーティングを単純にモップで塗布する効率にはほど遠く、そしてこの方法は、「オレンジピール」及び「クレーター」と一般に呼ばれる表面欠陥を招くこともある。
【0188】
試験番号13-1〜13-6は、コーティング率250〜400 ft2/ガロンでコートされるようになっている。これらのコーティング率は、それぞれ4ミル及び2ミルの湿潤コーティング及び乾燥コーティングをもたらす。試験番号11-a及び13は、コーティング率約1500〜約2000 ft2/ガロンで塗布されるように調製される。これらの率は、それぞれ1.2ミル及び0.25ミルの湿潤コーティング厚及び乾燥コーティング厚をもたらす。当業者に明らかなように、下側の床基材を不所望に隠蔽することなしに、所望の明化特性を提供するように調製される場合には、開示された明るくされた床仕上げ組成物を、著しくより厚い湿潤及び乾燥コーティングを形成することができる。
【0189】
しばしば複数の床仕上げ材層が、数時間のタイムスパンで塗布されることになる。このことは、コート間の比較的短いターンアラウンドを必要とする。試験番号13-7及び13-8によって表される床仕上げ組成物の再コート時間は1時間以下であり、複数のコートが短時間で塗布されるのを可能にする。試験番号13-1〜13-4によって表されるペイント例は、慣用の床コーティング法で採用することが難しくなるのに十分に長い(>4時間)再コート時間を有する。
【0190】
例15-乾燥コーティング特性
GEMSTAR LASER(登録商標)アクリル系仕上げ材(20%非揮発分、Ecolab, Inc.から商業的に入手可能)の試料とともに、表26及び27に挙げられた硬化済製品の明度、隠蔽力、及びレべリングを分析し、そしてこれらの結果を表28に示す。この例の目的上、同様の乾燥コーティング厚を達成するように、種々のコーティングを塗布した。実際には、床仕上げ組成物よりも著しく厚いコーティング厚で、ペイント及びプライマーが塗布される。レネタフォーム5C不透明度(LENETA Form 5C Opacity)チャート及びレネタフォーム24Bグレイスケール(LENETA Form 24B Gray Scale)チャート(Leneta Companyから商業的に入手可能)上に、#5、#7又は#10のドローダウン・バー(Paul N. Gardner Co.)を使用して、各配合物の1〜3つのコートを塗布することにより、明度、コントラスト比、及び隠蔽力を評価した。最終乾燥コーティング厚が0.5〜0.6ミル(0.013 mm〜0.015 mm)となるように、コート及びドローダウン・バーの数が選択された。表28は、試験番号毎の塗布されたコーティング厚を挙げる。同じチャートに複数のコーティングが塗布される場合には、各コートを、再コート前に30分間以上にわたって乾燥させておいた。LENETA不透明度チャートの黒部分上のコーティングの明度値を、「コーティング色」の項目で記載されたミニスキャンXEプラス(MINISCAN XE Plus)で測定した。LENETA Gray Scaleチャート上のコーティングの隠蔽力は、「コーティング隠蔽力」の項目に従って測定した。種々のコーティングのコントラスト比は、「コーティング・コントラスト比」の項目に従って測定し、そして計算した。#5のドローダウン・バーを使用して、BYKO-Gardner Opacity Chart(Form AG-5304)に各配合物を塗布することにより(0.5湿潤ミル)、レべリング効果を見極めた。各製品の単一コートをチャートに塗布し、これらのコーティングを24時間以上にわたって乾燥させておいた。乾燥後、コーティングを顕微鏡で検査し、写真を撮影した。同じ倍率の定規の写真も撮影した。定規をガイドとして使用して、正方形のボックス1 cm x 1 cmを形成し、そしてこれを種々のコーティングの画像上に重ねた。画像毎にボックス内に存在する黒線の概数を記録し、下記表に示す。この値は、コーティングがいかに良好にレべリングするかの発送を与える。0の値は、隆起が存在しなかったこと、及びコーティングが良好にレべリングしたことを示す。20の値は、20個の隆起が存在し、コーティングがレべリングしなかったことを示す。
【0191】
【表28】

1. 同じコーティング厚で塗布され、推奨塗布率では塗布されない。
【0192】
一般に、より低いコントラスト比は、基材を明るくする効果を有する一方、下側の基材表面を完全にはマスキングしない、より半透明のコーティングを示す。コントラスト比が高ければ高いほど、コーティングはより不透明である。高いコントラスト比は、基材に対するマスキング効果を示す。
【0193】
表28は、評価されたペイント及びプライマー(試験番号13-1〜13-6)、並びに床仕上げ組成物(試験番号11-a、13及び15)の種々の特性を示す。評価されたペイント及びプライマーの明度値は80を超え、そして隠蔽力は3を超えた。ペイント及びプライマーは典型的には、極めて高い隠蔽力を有する、改善された彩度を提供するように調製される。評価されたペイント及びプライマーに関する、隠蔽力に対する明度値の比は30未満であった。慣用の床仕上げ材、例えば試験番号15仕上げ材は典型的には、クリア又は透明であるように調製され、改善された明るさ又は隠蔽力を提供することはなく、また、隠蔽力に対する明度の極めて低い比を有する傾向がある。試験番号11-a及び13の床仕上げ組成物は、基材を明るくする一方、下側のパターンをマスキングすることはない。試験番号11-a及び13の明度値は、不透明度チャートの黒部分上に塗布されると、約70を超え、Gray Scaleチャート上の隠蔽力は1であり、そして隠蔽力に対する明度値の比は70を超えた。
【0194】
3000 ft2/gal(0.5湿潤ミル)を用いて、レべリング力の差を観察した。このような塗布率は、床仕上げ材にとっては異常ではない。床仕上げ材は、いくつかの配合物の場合、250 ft2/gal〜5000 ft2/galの率で塗布することができる、所期塗布率で十分にレべリングする床仕上げ組成物の能力が望ましい。コーティングがレべリングしないと、モップの線及び隆起が残り、見苦しい又は望ましくない外観をもたらすおそれがある。試験番号13-1〜13-6は十分にレべリングせず、これに対して試験番号11-a, 13及び15は良好にレべリングし、そしてモップの線及び隆起がなかった。
【0195】
例16-組成物特性
商業的に利用可能な内装用木材ステイン(MINWAX(登録商標) Water-Based Wood Stain, White Oak, Minwax Company製)、及び商業的に利用可能な木材デッキ・ステイン(CABOT Solid Color Decking Stain #1801、White Base、Samuel Cabot Incorporated製)を、これらのコーティング組成物特性に従って、表29に特徴付ける。表29に報告された粘度は、「コーティング溶液粘度」の項目に記載されたように測定した。試験番号16-1及び16-2のパーセント固形分は、「パーセント固形分」の項目に記載されたような湿分バランス法を用いて分析した。試験番号16-3及び16-4のパーセント固形分は、20%であることが計算され、そして比重は「比重」の項目に従って測定した。商業的製品の比重値は、製品MSDSシートから得た。バインダー:顔料の比は、「顔料に対するバインダーの比」の項目に記載されたように、全ての製品に関して試験により見極めた。ベキ乗則指数は、「コーティング溶液レオロジー」の項目に従って見極めた。LV4スピンドル及び4 ozガラスジャーを使用して、CABOT Deck Stainのレオロジー・プロフィールを測定した。Minwax Wood Stain 及び配合物11-a及び13の場合、UL-アダプターをレオロジー測定のために使用した。
【0196】
【表29】

A. N.A. = 適用できず
【0197】
試験番号16-2デッキ・ステインの比重は1.1よりも大きい(有意な顔料含有率を示し、下側の基材を隠蔽するように意図された製品である)。配合物11-a及び13(試験番号16-3及び16-4)の比重は、1.05未満である。デッキ・ステイン・バインダー:顔料の比は1未満であり、これは、配合物中のバインダーよりも多量の顔料(重量で)があることを示す。配合物11-a及び13は、より少量の顔料を含有し、そしてバインダー:顔料のより高い比(2を上回る)を有する。デッキ・ステインのベキ乗則指数(n)は0.303であり、このことは、配合物が剪断減粘性であること、そしておそらく、レオロジー改質剤が存在することを示す。配合物11-a及び13のベキ乗則指数は、それぞれ0.96及び0.97においてニュートン状である。配合物11-a及び13は、デッキ・ステインよりもニュートン状に挙動し、そしてこれらの挙動は、これらの配合物中におけるレオロジー改質剤の不存在と一致して、剪断減粘性でなければ剪断増粘性でもない挙動である。
【0198】
例17-塗布特性
表30は、塗布技術、湿潤コーティング率、乾燥時間及び再コート時間を含む種々の塗布特性、並びに推奨される用途を挙げる。湿潤及び乾燥コーティング厚は、「湿潤及び乾燥コーティング厚」の項目に従って見極めた。乾燥コーティング厚のパーセント固形分計算値を表29から採用した。特性、及びMINWAX Wood Stain及びCABOT Deck Stainのために推奨される用途を、製品容器の指示書又は製品の資料から得た。配合物11-a及び13の塗布方法、湿潤コーティング率、乾燥時間及び再コート時間は、多くの慣用の床仕上げ材のために使用されるものに匹敵した。
【0199】
【表30】

【0200】
CABOTデッキ・ステインの粘度は、3000 cpsよりも大きく、床にモップ塗布されるには余りにも高すぎる。MINWAX木材ステイン製品は、多くのステインのために典型的に採用される方法を用いて塗布される。これらの方法において、コーティングが表面に先ず塗布され、次いで素早く拭い取られる。このようなプロセスは大きな面積のコーティングには役立たず、床のこのような塗布は実用的ではない。MINWAX木材ステイン(http://www.minwax.com/products/woodstain/waterbased-direct.cfmで入手可能)のための製品指示書によれば、Minwax(登録商標)Water-Based Wood Stainは、床上での使用には推奨されていない。
【0201】
MINWAX Wood Stain及びCABOT Deck Stainの再コート時間はそれぞれ、2時間及び4時間よりも長い。2時間以上の再コート時間は、多くの商業的な床コーティング用途において実用的でないことがある。なぜならば、複数の硬化済コーティングを、一晩で床に塗布しなければならない場合があるからである。配合物11-a及び13は、より短い再コート時間を有し、そして商業的な床コーティング用途に特に適している。
【0202】
例18-乾燥コーティング特性
GEMSTAR LASER(登録商標)アクリル系床仕上げ材(20%非揮発分、Ecolab, Inc.から商業的に入手可能)の試料とともに、表29及び30に挙げられた硬化済製品の明度、隠蔽力、コントラスト比、ビニルタイル上のレべリング、不粘着時間、ガラス転移曲線形状、及びガラス転移温度を分析し、そしてこれらの結果を表32に示す。この例の目的上、同様の乾燥コーティング厚約0.5〜0.6ミルで、コーティングを塗布した。実際の塗布では、MINWAX Wood Stain及びCABOT Deck Stainは、著しくより厚いコーティング厚で塗布されるように構成される。しかし、硬化済コーティングの明度/隠蔽力を比較する目的で、同様のコーティング厚を用いた。
【0203】
レネタフォーム5C不透明度(LENETA Form 5C Opacity)チャート及びLENETA Gray Scale Form 24Bチャート(Leneta Companyから商業的に入手可能)上に、#10のドローダウン・バー(Paul N. Gardner Co.)を使用して、各配合物の最大3つのコートを塗布することにより、明度、コントラスト比、及び隠蔽力を評価した。最終乾燥コーティング厚が0.5〜0.6ミル(0.013 mm〜0.015 mm)となるように、コートの数が選択された。表32は、塗布されたコーティング厚を挙げる。同じチャートに複数のコーティングが塗布される場合には、各コートを、再コート前に30分間以上にわたって乾燥させておいた。LENETA不透明度チャートの黒部分上のコーティングの明度値を、「コーティング色」の項目で記載されたミニスキャンXEプラス(MINISCAN XE Plus)カラー分光光度計で測定した。LENETA Gray Scaleチャート上のコーティングの隠蔽力は、「コーティング隠蔽力」の項目に従って測定した。隠蔽力に対する明度の比は、明度値を隠蔽力で割算することにより計算した。種々のコーティングのコントラスト比は、「コーティング・コントラスト比」の項目に従って測定し、そして計算した。ビニル基材上のレべリングを、上述のX試験によって見極めた。ビニル12" x 12" Forum SO-22黒タイルをミネラルスピリット及び石けん水で拭うことにより、工場で塗布された仕上剤を除去した。タイルを水でよくすすぎ、そして乾かしておいた。乾燥後、各タイルを四分の一(6" X 6"平方)に分け、各正方形に、マイクロファイバー・パッドの1" x 2"片を使用して、表32に挙げられた組成物0.5〜0.6gを塗布した。6" x 6"の正方形上にコーティングが一様に塗布された後、マイクロファイバー・パッドを使用することにより、コーティング領域全体を横切って「X」を描いた。次いでコーティングを乾かしておき、「X」の目に見える存在を、表31に従ってランク付けした。
【0204】
【表31】

【0205】
「不粘着」時間を下記方法によって見極めた。「タイルの調製」の項目に記載されたように、2種の黒ビニル組成タイルを調製した。各タイルを三分の一に分割し(4" x 12"区分)、マイクロファイバー・パッドを使用して、各区分に0.8〜0.9 gの溶液を塗布した。塗布時間から周期的な時間インターバルを置いて、小さな綿片(約1 cm平方)をコーティング表面上に置くことにより、コーティングを評価した。綿上に2kgのおもりを30秒間にわたって置いた。その後、おもりを取り除き、そして綿を表面から軽くブラシで取り除いた。表面に付着した綿の量を視覚的に見極めた。コーティングが「粘着性」であればあるほど、表面に付着する綿は多かった。「不粘着性」であるコーティングは、表面上に残留綿を有さなかった。基材をコーティングしてから30分後に試験を開始し、そしてコーティングが「不粘着性」であろうとなかろうと2時間後に終わらせた。
【0206】
2種の商業的ステインの示差走査熱量測定(DSC)プロフィールを獲得した。DSCの場合、基材として6" x 8"ガラス板を使用した。各板を水及びイソプロピルアルコールでよく清浄化し、そして乾かしておいた。板を半分に分割し(4" x 6"区分)、マイクロファイバー・パッドを使用して、表32に挙げられた約0.3 gのコーティング配合物を各区分に塗布した。コーティングを45〜55分にわたって乾かしておいた。乾燥したら、かみそりを使用して、コーティングをガラスから掻き取り、掻き取ったものをすぐにアルミニウムの非密封試料DSCパン内に装入し、そしてパンをシールした。装入された試料の質量は14 mg〜28 mgであった。DSC走査のための基準として、シールされた空のパンを使用した。試料をQ100 DSC(TA機器)上で、-50℃で初めて150℃まで上昇させながら、10℃/分の速度で試験した。各コーティングのガラス転移温度(Tg)を、DSC曲線内の変曲点として、コンピューター(TA Universal Analysis Software)によって見極めた。測定されたガラス転移温度を挙げ、ガラス転移温度における曲線形状の定性的記述を表32に示した。Sの文字はシャープな転移を示す。シャープな転移は、より低い温度におけるより軟質(よりゴム状)の状態のコーティングを表す。このコーティングは一般に、粘着性表面、又は、より容易に汚れを引き付け得る表面を形成する。Bの文字は、軟質(ゴム状)の状態に達するときの温度がより高いことを示す広範囲な転移を意味する。
【0207】
【表32】

1. 同様のコーティング厚で塗布し、推奨塗布率では塗布しない。
2. 1時間にわたって硬化されたコーティング。
3. 2時間目で試験終了
【0208】
配合物11-a及び13のための隠蔽力(L/HP)に対する明度値の比は、70を上回る。L/HP比は、コーティングが、基材が見られること(すなわち半透明のままであること)を可能にしつつ、これと同時にいかに良好に表面を明るくするかを示す。GEMSTAR LASER仕上げ材のような慣用の床仕上げ材は、基材に明るさを付与するようには構成されておらず、極めて低い明度値を有する。Deck Stainは、下側の基材を白化して隠蔽するように構成され、高い明度値及び隠蔽力、並びに低いL/HP比を有する。配合物11-a及び13は基材を明るくする一方、半透明のままである。これらの配合物は、慣用の床仕上げ材(GEMSTAR LASER)と比較して高い明度値を有し、またDeck Stainと比較して低い隠蔽力を有する。
【0209】
表32は、ビニル上のコーティングのレべリング結果を示す。これらの結果が示すように、GEMSTAR LASER仕上げ材及び配合物11-a及び13は、ビニル上で良から優のレべリングを示した。2種の木材ステイン・コーティングは、ビニル上で良好にレべリングしなかった。
【0210】
表32はまた不粘着時間を示す。典型的な床コーティング法は、複数の(例えば2つ又は3つ以上、3つ又は4つ以上、又は4つ又は5つ以上)の仕上げ層を一晩で塗布することを伴うことがある。これは、コーティングが素早く乾いて、これを再コートできるようになっていることを必要とする。コーティング皮膜は、指触乾燥状態でなければならないだけでなく、また「不粘着性」でなければならない。コーティングがまだ粘着性である場合、これは、塗布者がその上を歩いて次のコートを塗布するときに、汚れ又は指紋を捕らえることがある。2時間後、Minwax Wood Stainは粘着性のままであり、ひいては、多コート床コーティング法のために使用するのは難しいことになる。
【0211】
木材ステインは、基材を浸透するように構成された油又はポリマー樹脂で調製されることがあり、また、比較的低いガラス転移温度値(例えば約10℃未満)を有し、そして室温で粘着性であり続ける場合がある。主として、より高分子量のポリマー樹脂(例えば数平均分子量1,000,000以上)から床仕上げ材が調製されるのが典型的であり、床仕上げ材は室温に近い、又は室温よりも高いガラス転移温度を有することができる(例えば10℃超、15℃超、又は20℃超)。このようなより高いガラス転移温度値は、より速い再コート時間を可能にし、そしてコーティング寿命中の汚れの捕捉を低減することができる。配合物11-a及び13のガラス転移温度値は10℃超である。
【0212】
例19-可溶性塩
クエン酸ナトリウム二水和物を含まないPADLOCK(登録商標)床仕上げ材(配合物番号19-1)と、クエン酸ナトリウム二水和物(配合物番号19-1)を含むPADLOCK(登録商標)床仕上げ材(配合物番号19-2)とを調製して比較した。塩添加後、配合物19-2を磁気撹拌器で十分に混合した。表33は、添加された特定の塩、及び乾燥済コーティング中の塩のレベルと一緒に、種々の配合物を挙げる。
【0213】
【表33】

【0214】
表33の配合物を、「タイルの調製」の項目に従って、白ビニル組成タイル上に表33の配合物をコートした。コーティングを1050 ft2/ガロンでマイクロファイバー・パッドを用いて塗布した。各配合物の単一コートを基材に塗布し、そして一晩にわたって乾燥させておいた。「コーティング色」の項目に記載したように、Hunter MINISCAN XEを使用して、コーティング色測定値を記録した。表34は、乾燥済コーティングの、塗布された湿潤コーティング率並びに明度(L*)及び白さ指数(WI)の値を挙げる。
【0215】
【表34】

【0216】
表34が示すように、PADLOCK(登録商標)床仕上げ材にクエン酸ナトリウム二水和物を添加した(配合物19-2)結果、対照PADLOCK(登録商標)(配合物19-1)コーティングよりもコーティング白さ指数が2.55ポイント高められた。
【0217】
例20-有機チタン酸塩
ポリオールBAYHYDROL XP2542(Bayerから商業的に入手可能)を基剤とする40%固形分コーティング溶液を調製し、配合を表35に示す。リストに挙げた順番に材料を添加し、オーバーヘッド・ミキサーで十分に混合することにより、配合物を調製した。完全な混合後、コーティング溶液を数日間にわたって静止させておいた。
【0218】
【表35】

【0219】
何も添加しないか、又はTYZOR LA(水性乳酸チタン・キレート・アンモニウム塩、8%チタン、DuPontから商業的に入手可能)、TYZOR 217(水性乳酸ナトリウムジルコニウム、5.4 %ジルコニウム、DuPontから商業的に入手可能)、TYZOR 212(ジルコニウム・キレート、12% ZrO2、DuPontから商業的に入手可能)、又はTYZOR TEAZ (キレート剤としてトリエタノールアミンを含む有機ジルコニウム・キレート、17.8% ZrO2)を、表35に示された配合物(配合物20-1)、又はRivet(登録商標)床仕上げ材(アクリル系床仕上げ材、16%固形分、Ecolab Inc.から商業的に入手可能)に添加することにより、有機チタン酸塩又は有機ジルコン酸塩を含有するいくつかの床仕上げ材配合物を調製した。各コーティング溶液に添加された有機チタン酸塩の量を、表36に挙げる。
【0220】
【表36】

【0221】
表36に挙げた0.5〜1 gの配合物を、ピペットの端部を使用して、予め清浄化されたガラススライドの1.25インチ x 2.5インチの面積に塗布した。コーティングを5時間にわたって乾かしておき、次いで視覚的に評価した。乾燥済コーティングの視覚的外観を表37に挙げる。
【0222】
【表37】

【0223】
表37に示すように、ポリオールを基剤とする配合物20-1に、TYZOR LA及びTYZOR 217有機チタン酸塩材料を添加することにより、これがコートされる基材に、白化効果が提供される。さらに、Rivet(登録商標)床仕上げ材にTYZOR LAを添加すると、同様の白化効果が提供される。
【0224】
本発明の範囲及び思想を逸脱することなしに、本発明の種々の変更形及び改変形が当業者に明らかである。本発明が上記実施態様に制限されることがないことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0225】
【図1】図1(a)-(c)は、床と、本発明の原理に従って床上に設けられた一連のコーティングとから成るラミネートを示す概略図である。
【図2】図2は、床と、本発明の原理に従って床上に設けられた一連のコーティングとから成るラミネートを示す概略図である。
【図3】図3は、床と、本発明の原理に従って床上に設けられた一連のコーティングとから成るラミネートを示す概略図である。
【図4】図4は、床と、本発明の原理に従って床上に設けられた一連のコーティングとから成るラミネートを示す概略図である。
【図5】図5は、床と、本発明の原理に従って床上に設けられた一連のコーティングとから成るラミネートを示す概略図である。
【図6】図6(a)及び図6(b)は、本発明による床仕上げ組成物を含有するために使用することができる容器を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膜形成剤、明るさ誘発剤、及び希釈剤を含む床仕上げ組成物であって、該明るさ誘発剤は、該組成物が、レネタフォーム5C不透明度(LENETA Form 5C Opacity)チャート上の厚さ約0.005 mmの硬化済仕上げ材、及び45°照射及び0°観察ジオメトリーを有するミニスキャンXEプラス(MINISCAN XE Plus)カラー分光光度計を使用して評価して:
a) 該チャートの黒部分上の高められた明度値L*、及び
b) 該チャートの黒部分及び白部分上で評価して、コントラスト比(CR0.80)約0.7未満を提供するのに十分な量で存在する、床仕上げ組成物。
【請求項2】
該皮膜形成剤が、ポリアクリレートポリマー、ポリアクリレートポリマー形成成分、ポリアクリル系ポリマー、ポリアクリル系ポリマー形成成分、又はこれらの混合物のうちの1種以上を含む、請求項1に記載の床仕上げ組成物。
【請求項3】
該皮膜形成剤が、金属含有皮膜形成剤を含む、請求項2に記載の床仕上げ組成物。
【請求項4】
該皮膜形成剤が、無金属皮膜形成剤を含む、請求項2に記載の床仕上げ組成物。
【請求項5】
該皮膜形成剤が、ポリウレタンポリマー、エポキシポリマー、アジリジン架橋可能ポリマー、カルボジイミド架橋可能ポリマー、ワックスエマルジョン、クロロポリマー、フルオロポリマー、ポリビニルアルコールポリマー、ポリビニルピロリドンポリマー、ポリイミドポリマー、ポリアミドポリマー、ポリカーボネートポリマー、セルロースポリマー、輻射線硬化ポリマー、又はこれらの混合物のうちの1種以上を含む、請求項1に記載の床仕上げ組成物。
【請求項6】
該希釈剤は、約5 wt%未満の量で存在する、請求項1に記載の床仕上げ組成物。
【請求項7】
該組成物は、約30 wt%〜約97 wt%の該希釈剤を含む、請求項1に記載の床仕上げ組成物。
【請求項8】
該組成物が、約40 wt%〜約90 wt%の該希釈剤を含む、請求項1に記載の床仕上げ組成物。
【請求項9】
該組成物が、約70 wt%〜約85 wt%の該希釈剤を含む、請求項1に記載の床仕上げ組成物。
【請求項10】
該希釈剤の少なくとも一部が、有機溶剤を含む、請求項1に記載の床仕上げ組成物。
【請求項11】
該組成物が、約0.5 wt%〜約30 wt%の該明るさ誘発剤を含む、請求項1に記載の床仕上げ組成物。
【請求項12】
該組成物が、約1 wt%〜約20 wt%の該明るさ誘発剤を含む、請求項1に記載の床仕上げ組成物。
【請求項13】
該組成物が、約3 wt%〜約15 wt%の該明るさ誘発剤を含む、請求項1に記載の床仕上げ組成物。
【請求項14】
該明るさ誘発剤がポリマー系を含む、請求項1に記載の床仕上げ組成物。
【請求項15】
該ポリマー系は、コア-シェルポリマー系又はシース型ポリマー系のうちの少なくとも一方を含む、請求項14に記載の床仕上げ組成物。
【請求項16】
該明るさ誘発剤が、ソサイアティーオブダイヤーアンドカラリストカラーインデックス(Society of Dyers and Colourists Colour Index)に基づく「ピグメント・ホワイト」を含む、請求項1に記載の床仕上げ組成物。
【請求項17】
該明るさ誘発剤が、希釈剤中の溶解度レベル10 g/L以上の希釈剤可溶性明るさ誘発剤を含む、請求項1に記載の床仕上げ組成物。
【請求項18】
該明るさ誘発剤が、該皮膜形成剤上のヒドロキシル基又はカルボキシル基と反応する有機金属化合物を含む、請求項1に記載の床仕上げ組成物。
【請求項19】
該有機金属化合物は、有機チタン酸塩、有機ジルコン酸塩、又は有機チタン酸塩と有機ジルコン酸塩との混合物のうちの1種以上を含む、請求項18に記載の床仕上げ組成物。
【請求項20】
該明るさ誘発剤が二酸化チタンを含む、請求項1に記載の床仕上げ組成物。
【請求項21】
該明るさ誘発剤が、無機顔料とポリマー系との組み合わせを含む、請求項1に記載の床仕上げ組成物。
【請求項22】
さらに約0.001 wt%〜約5 wt%の可視インジケーターを含む、請求項1に記載の床仕上げ組成物。
【請求項23】
該インジケーターは、酸/塩基インジケーター、蛍光インジケーター、レドックス・インジケーター、メタロクロム・インジケーター、又はフォトン感受性色素のうちの1種以上を含む、請求項22に記載の床仕上げ組成物。
【請求項24】
さらに、フルオレセイン又はフルオレセイン誘導体を含む、請求項1に記載の床仕上げ組成物。
【請求項25】
該組成物がさらに、約0.005 wt%〜約5 wt%の分散剤を含む、請求項1に記載の床仕上げ組成物。
【請求項26】
該組成物がさらに、約0.1 wt%〜約10 wt%の可塑剤を含む、請求項1に記載の床仕上げ組成物。
【請求項27】
該組成物の固形分レベルは、約3 wt%〜約50 wt%である、請求項1に記載の床仕上げ組成物。
【請求項28】
該組成物の固形分レベルは、約5 wt%〜約40 wt%である、請求項1に記載の床仕上げ組成物。
【請求項29】
該組成物の固形分レベルは、約8 wt%〜約30 wt%である、請求項1に記載の床仕上げ組成物。
【請求項30】
該組成物が、No.20ドローダウン・バー(Paul N. Gardner Co.から入手)を使用してレネタフォーム5C不透明度(LENETA Form 5C Opacity)チャートに塗布されたときに、不粘着時間約2時間未満を提供する、請求項1に記載の床仕上げ組成物。
【請求項31】
該組成物が、No.20ドローダウン・バー(Paul N. Gardner Co.から入手)を使用してレネタフォーム5C不透明度(LENETA Form 5C Opacity)チャートに塗布されたときに、不粘着時間約1.5時間未満を提供する、請求項1に記載の床仕上げ組成物。
【請求項32】
該組成物が、No.20ドローダウン・バー(Paul N. Gardner Co.から入手)を使用してレネタフォーム5C不透明度(LENETA Form 5C Opacity)チャートに塗布されたときに、不粘着時間約1時間未満を提供する、請求項1に記載の床仕上げ組成物。
【請求項33】
該床仕上げ組成物の粘度が約100 cps未満である、請求項1に記載の床仕上げ組成物。
【請求項34】
該床仕上げ組成物の粘度が約50 cps未満である、請求項1に記載の床仕上げ組成物。
【請求項35】
該組成物が、コントラスト比(CR0.80)約0.1〜約0.6を提供する、請求項1に記載の床仕上げ組成物。
【請求項36】
該明度値L*が、約10を上回る、請求項1に記載の床仕上げ組成物。
【請求項37】
該明度値L*が、約20を上回る、請求項1に記載の床仕上げ組成物。
【請求項38】
該明るさ誘発剤は、該ミニスキャンXEプラス(MINISCAN XE Plus)カラー分光光度計を使用して測定して高められた白さ指数WIを有する、レネタフォーム5C不透明度(LENETA Form 5C Opacity)チャートの黒部分上の厚さ約0.005 mmの硬化済仕上げ材を提供するのに十分な量で、該組成物中に提供される、請求項1に記載の床仕上げ組成物。
【請求項39】
該白さ指数が約5以上である、請求項38に記載の床仕上げ組成物。
【請求項40】
該白さ指数が約10以上である、請求項38に記載の床仕上げ組成物。
【請求項41】
該組成物が、約35を上回る明度値L*/隠蔽力比を示し、該明度値L*は、レネタフォーム5C不透明度(LENETA Form 5C Opacity)チャート上の厚さ約0.015 mmの組成物の乾燥コーティングに基づき、そしてミニスキャンXEプラス(MINISCAN XE Plus)カラー分光光度計を使用して測定され、そして該隠蔽力は、レネタフォーム24Bグレイスケール(LENETA Form 24B Gray Scale)チャート上の厚さ約0.015 mmの組成物の乾燥コーティングに基づき測定される、請求項1に記載の床仕上げ組成物。
【請求項42】
(a) 床基材;及び
(b) 該床基材上に設けられた、明るくされた乾燥コーティング層
を含むラミネートであって、
該明るくされた乾燥コーティング層は、皮膜形成剤、明るさ誘発剤、及び希釈剤を含む床仕上げ組成物を塗布する結果を含み、該明るさ誘発剤は、該組成物が、レネタフォーム5C不透明度(LENETA Form 5C Opacity)チャート上の厚さ約0.005 mmの硬化済仕上げ材、及び45°照射及び0°観察ジオメトリーを有するミニスキャンXEプラス(MINISCAN XE Plus)カラー分光光度計を使用して評価して:
(i) 該チャートの黒部分上の高められた明度値L*、及び
(ii) 該チャートの黒部分及び白部分上で評価して、コントラスト比(CR0.80)約0.7未満、
を提供するのに十分な量で存在する、ラミネート。
【請求項43】
該床基材が、ビニルシート床、リノリウム、ゴムシート、ビニル複合タイル、ゴムタイル、コルク、合成スポーツ用床、石、大理石、木材、セラミックタイル、グラウト、テラゾ、又は乾燥シェイク床、又はビニルアスベストタイルのうちの1種以上を含む、請求項42に記載のラミネート。
【請求項44】
さらに、該床基材と、該明るくされた乾燥コーティング層との間にシーリング層を含む、請求項42に記載のラミネート。
【請求項45】
さらに、該明るくされた乾燥コーティング層上に設けられたオーバーコート層を含む、請求項44に記載のラミネート。
【請求項46】
該オーバーコート層は明るさ誘発剤を含まない、請求項45に記載のラミネート。
【請求項47】
該明るくされた乾燥コーティング層が、シーリング層の部分として提供される、請求項42に記載のラミネート。
【請求項48】
さらに、該床基材上に設けられた複数の明るくされた乾燥コーティング層を含む、請求項42に記載のラミネート。
【請求項49】
さらに、該床基材と、該明るくされた乾燥コーティング層との間に設けられたアンダーコート層を含む、請求項42に記載のラミネート。
【請求項50】
該皮膜形成剤が、ポリアクリレートポリマー、ポリアクリレートポリマー形成成分、ポリアクリル系ポリマー、ポリアクリル系ポリマー形成成分、又はこれらの混合物のうちの1種以上を含む、請求項42に記載のラミネート。
【請求項51】
該皮膜形成剤が、金属含有皮膜形成剤を含む、請求項50に記載のラミネート。
【請求項52】
該皮膜形成剤が、無金属皮膜形成剤を含む、請求項42に記載のラミネート。
【請求項53】
該皮膜形成剤が、ポリウレタンポリマー、エポキシポリマー、アジリジン架橋可能ポリマー、カルボジイミド架橋可能ポリマー、ワックスエマルジョン、クロロポリマー、フルオロポリマー、ポリビニルアルコールポリマー、ポリビニルピロリドンポリマー、ポリイミドポリマー、ポリアミドポリマー、ポリカーボネートポリマー、セルロースポリマー、輻射線硬化ポリマー、又はこれらの混合物のうちの1種以上を含む、請求項42に記載のラミネート。
【請求項54】
該明るさ誘発剤がポリマー系を含む、請求項42に記載のラミネート。
【請求項55】
該ポリマー系は、コア-シェルポリマー系又はシース型ポリマー系のうちの少なくとも一方を含む、請求項54に記載のラミネート。
【請求項56】
該明るさ誘発剤が、ソサイアティーオブダイヤーアンドカラリストカラーインデックス(Society of Dyers and Colourists Colour Index)に基づく「ピグメント・ホワイト」を含む、請求項42に記載のラミネート。
【請求項57】
該明るさ誘発剤が、希釈剤中の溶解度レベル10 g/L以上の希釈剤可溶性明るさ誘発剤を含む、請求項42に記載のラミネート。
【請求項58】
該明るさ誘発剤が、該皮膜形成剤上のヒドロキシル基又はカルボキシル基と反応する有機金属化合物を含む、請求項42に記載のラミネート。
【請求項59】
該有機金属化合物は、有機チタン酸塩、有機ジルコン酸塩、又は有機チタン酸塩と有機ジルコン酸塩との混合物のうちの1種以上を含む、請求項58に記載のラミネート。
【請求項60】
該明るさ誘発剤が二酸化チタンを含む、請求項42に記載のラミネート。
【請求項61】
該明るさ誘発剤が、無機顔料とポリマー系との組み合わせを含む、請求項42に記載のラミネート。
【請求項62】
該明るくされた乾燥コーティング層は、酸/塩基インジケーター、蛍光インジケーター、レドックス・インジケーター、メタロクロム・インジケーター、又はフォトン感受性色素のうちの1種以上を含む、請求項42に記載のラミネート。
【請求項63】
該明るくされた乾燥コーティングは、フルオレセイン又はフルオレセイン誘導体を含む、請求項42に記載のラミネート。
【請求項64】
該組成物が、No.20ドローダウン・バー(Paul N. Gardner Co.から入手)を使用してレネタフォーム5C不透明度(LENETA Form 5C Opacity)チャートに塗布されたときに、不粘着時間約2時間未満を提供する、請求項42に記載のラミネート。
【請求項65】
該組成物が、コントラスト比(CR0.80)約0.1〜約0.6を提供する、請求項42に記載のラミネート。
【請求項66】
該明度値L*が、約10を上回る、請求項42に記載のラミネート。
【請求項67】
該明度値L*が、約20を上回る、請求項42に記載のラミネート。
【請求項68】
該明るさ誘発剤は、該ミニスキャンXEプラス(MINISCAN XE Plus)カラー分光光度計を使用して測定して高められた白さ指数WIを有する、レネタフォーム5C不透明度(LENETA Form 5C Opacity)チャートの黒部分上の厚さ約0.005 mmの硬化済仕上げ材を提供するのに十分な量で、該組成物中に提供される、請求項42に記載のラミネート。
【請求項69】
該白さ指数が約5以上である、請求項68に記載のラミネート。
【請求項70】
該白さ指数が約10以上である、請求項68に記載のラミネート。
【請求項71】
該組成物が、約35を上回る明度値L*/隠蔽力比を示し、該明度値L*は、レネタフォーム5C不透明度(LENETA Form 5C Opacity)チャート上の厚さ約0.015 mmの組成物の乾燥コーティングに基づき、そしてミニスキャンXEプラス(MINISCAN XE Plus)カラー分光光度計を使用して測定され、そして該隠蔽力は、レネタフォーム24Bグレイスケール(LENETA Form 24B Gray Scale)チャート上の厚さ約0.015 mmの組成物の乾燥コーティングに基づき測定される、請求項42に記載のラミネート。
【請求項72】
床の処理方法であって、該方法が、
(a) 床基材から仕上げ材を剥離することによって、剥離済床基材を用意し;そして
(b) 該剥離済床基材上に床仕上げ組成物を塗布する
工程を含み、該床仕上げ組成物は、皮膜形成剤、明るさ誘発剤、及び希釈剤を含み、該明るさ誘発剤は、該組成物が、レネタフォーム5C不透明度(LENETA Form 5C Opacity)チャート上の厚さ約0.005 mmの硬化済仕上げ材、及び45°照射及び0°観察ジオメトリーを有するミニスキャンXEプラス(MINISCAN XE Plus)カラー分光光度計を使用して評価して:
(i) 該チャートの黒部分上の高められた明度値L*、及び
(ii) 該チャートの黒部分及び白部分上で評価して、コントラスト比(CR0.80)約0.7未満、
を提供するのに十分な量で存在する、床の処理方法。
【請求項73】
床仕上げ組成物の塗布工程が、モップによって該床仕上げ組成物を塗布することを含む、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
該モップが、ストリング・モップ又はマイクロファイバー・モップを含む、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
剥離済床基材上に床仕上げ組成物を塗布する工程が、該床仕上げ組成物を約250 ft2/gal〜約5,000 ft2/galの率で塗布することを含む、請求項72に記載の方法。
【請求項76】
剥離済床基材上に床仕上げ組成物を塗布する工程が、該床仕上げ組成物を約500 ft2/gal〜約3,000 ft2/galの率で塗布することを含む、請求項72に記載の方法。
【請求項77】
剥離済床基材上に床仕上げ組成物を塗布する工程が、該床仕上げ組成物を約300 ft2/gal〜約800 ft2/galの率で塗布することを含む、請求項72に記載の方法。
【請求項78】
さらに、
(a) 該床仕上げ組成物を乾燥させることにより、乾燥済コーティングを形成し;そして、
(b) 該乾燥済コーティング上に床仕上げ組成物を塗布する
ことを含む、請求項72に記載の方法。
【請求項79】
該乾燥済コーティング上に塗布された該床仕上げ組成物は、明るさ誘発剤を含む、請求項78に記載の方法。
【請求項80】
該乾燥済コーティング上に塗布された該床仕上げ組成物は、明るさ誘発剤を含まない、請求項78に記載の方法。
【請求項81】
該床仕上げ組成物は、不粘着時間約2時間未満を提供する、請求項72に記載の方法。
【請求項82】
床の処理方法であって、該方法が、
(a) 床基材上の仕上げ材を清浄化することによって、清浄化済仕上げ材を用意し;そして
(b) 該清浄化済仕上げ材上に床仕上げ組成物を塗布する
工程を含み、該床仕上げ組成物は、皮膜形成剤、明るさ誘発剤、及び希釈剤を含み、該明るさ誘発剤は、該組成物が、レネタフォーム5C不透明度(LENETA Form 5C Opacity)チャート上の厚さ約0.005 mmの硬化済仕上げ材、及び45°照射及び0°観察ジオメトリーを有するミニスキャンXEプラス(MINISCAN XE Plus)カラー分光光度計を使用して評価して:
(i) 該チャートの黒部分上の高められた明度値L*、及び
(ii) 該チャートの黒部分及び白部分上で評価して、コントラスト比(CR0.80)約0.7未満、
を提供するのに十分な量で存在する、床の処理方法。
【請求項83】
床仕上げ組成物の塗布工程が、モップによって該床仕上げ組成物を塗布することを含む、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
該モップが、フラット・モップ又はストリング・モップを含む、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
清浄化済仕上げ材上に床仕上げ組成物を塗布する工程が、該床仕上げ組成物を約250 ft2/gal〜約5,000 ft2/galの率で塗布することを含む、請求項82に記載の方法。
【請求項86】
清浄化済仕上げ材上に床仕上げ組成物を塗布する工程が、該床仕上げ組成物を約500 ft2/gal〜約3,000 ft2/galの率で塗布することを含む、請求項82に記載の方法。
【請求項87】
清浄化済仕上げ材上に床仕上げ組成物を塗布する工程が、該床仕上げ組成物を約300 ft2/gal〜約800 ft2/galの率で塗布することを含む、請求項82に記載の方法。
【請求項88】
さらに、
(a) 該床仕上げ組成物を乾燥させることにより、乾燥済コーティングを形成し;そして、
(b) 該乾燥済コーティング上に床仕上げ組成物を塗布する
工程を含む、請求項82に記載の方法。
【請求項89】
該乾燥済コーティング上に塗布された該床仕上げ組成物は、明るさ誘発剤を含む、請求項88に記載の方法。
【請求項90】
該乾燥済コーティング上に塗布された該床仕上げ組成物は、明るさ誘発剤を含まない、請求項88に記載の方法。
【請求項91】
該床仕上げ組成物は、不粘着時間約2時間未満を提供する、請求項82に記載の方法。
【請求項92】
キットであって:
(a) 床仕上げ組成物、及び
(b) モップ、アプリケーター・ヘッド、マスキング材料、安全装置、容器オープナー、該床仕上げ組成物を保持するためのバックパック、該床仕上げ組成物を使用するための指示書、又は混合工具のうちの1つ以上
を含み、
該床仕上げ組成物は、皮膜形成剤、明るさ誘発剤、及び希釈剤を含み、該明るさ誘発剤は、該組成物が、レネタフォーム5C不透明度(LENETA Form 5C Opacity)チャート上の厚さ約0.005 mmの硬化済仕上げ材、及び45°照射及び0°観察ジオメトリーを有するミニスキャンXEプラス(MINISCAN XE Plus)カラー分光光度計を使用して評価して:
(i) 該チャートの黒部分上の高められた明度値L*、及び
(ii) 該チャートの黒部分及び白部分上で評価して、コントラスト比(CR0.80)約0.7未満、
を提供するのに十分な量で存在する、キット。
【請求項93】
キットであって、第1容器内に提供された皮膜形成剤と、第2容器内に提供された明るさ誘発剤と、該第1容器、該第2容器又はその両方の容器内に提供された希釈剤とを、該第1容器及び該第2容器の内容物の一部又は全てを所期使用現場で混合することにより、明るくされた床仕上げ組成物を提供するための指示書と一緒に含む、キット。
【請求項94】
さらに、モップ、アプリケーター・ヘッド、マスキング材料、安全装置、容器オープナー、該床仕上げ組成物を保持するためのバックパック、該床仕上げ組成物を使用するための指示書、又は混合工具のうちの1つ以上を含む、請求項93に記載のキット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−519785(P2007−519785A)
【公表日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−549531(P2006−549531)
【出願日】平成17年1月12日(2005.1.12)
【国際出願番号】PCT/US2005/000834
【国際公開番号】WO2005/071032
【国際公開日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願人】(500320453)イーコラブ インコーポレイティド (120)
【Fターム(参考)】