説明

床温度体感装置

【課題】実生活に即した床の温度を体感できかつ持ち運びの便利な床温度体感装置を提供する。
【解決手段】本発明の床温度体感装置は、箱体2の下方内部に設けられた電球6と箱体2の上面に箱体2の内部を塞ぐようにして設けられたフローリング部材7とからなる本体部1と電球6を制御する制御部11とを備え、電球6とフローリング部材7との間に空気層8が設けられ、フローリング部材7と電球6との間に熱反射部材9が空気層の空気の対流を許容するようにして設けられ、フローリング部材7と熱反射部材9との間に温度センサ10が設けられ、制御部11は温度センサ10の検出出力に基づきフローリング部材7の温度を調節する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、床の温度を擬似的に感得することのできる床温度体感装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、窓ガラスの相違による遮熱の効果を擬似的に体感することのできる遮熱効果体感装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この遮熱効果体感装置は、熱源としてのライトを直接ガラスに照射して、ガラスの遮熱効果を体感する構造となっている。
【特許文献1】特許第3657426号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、太陽光はむらなくガラス面に照射されるのであり、この従来の遮熱効果体感装置は、ライトによる照射であるので、ガラス面に照射むらが生じ、実生活に即した遮熱効果を体感できるとは必ずしもいえない構造となっている。また、簡単に持ち運びができないという不都合がある。
【0005】
更に、ガラス面に温度むらが生じているので、ガラス面に対して手をかざす場所が異なると、体感が異なるという不具合がある。
【0006】
従って、この従来の遮熱効果体感装置を床温度度体感装置に単に適用したとしても、実生活に即した床の温度を体感できないという不都合がある。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑みて為されたもので、実生活に即した床の温度を体感できかつ持ち運び便利な床温度体感装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の床温度体感装置は、箱体の下方内部に設けられた熱源部と前記箱体の上面に該箱体の内部を塞ぐようにして設けられて温度を体感させるための体感部材とからなる本体部と前記熱源部を制御する制御部とを備え、前記熱源部と前記体感部材との間に空気層が設けられ、該体感部材と前記熱源部との間に熱の反射率が大きくかつ吸収率が低い材料からなる熱反射部材が対流を許容するようにして設けられ、前記体感部材と前記熱反射部材との間に温度センサが設けられ、前記制御部は前記温度センサの検出温度に基づき前記体感部材の温度を調節することを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の床温度体感装置は、請求項1に記載の床温体感装置において、前記熱源部が電球又は蓄熱式暖房機であることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の床温体感装置は、請求項1又は請求項2に記載の床温体感装置において、前記箱体を構成する壁体の内面に熱の反射率が大きくかつ吸収率が低い材料からなる熱反射部材が設けられていることを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の床温度体感装置は、箱体の下方内部に設けられた冷却源と前記箱体の上面に該箱体の内部を塞ぐようにして設けられて温度を体感させるための体感部材とからなる本体部と前記冷却源を制御する制御部とを備え、前記冷却源と前記体感部材との間に空気層が設けられ、前記体感部材の下方に温度センサが設けられ、前記箱体を構成する壁体の内面に熱の反射率が大きくかつ吸収率が低い材料からなる熱反射部材が設けられ、前記制御部は前記温度センサの検出温度に基づき前記体感部材の温度を調節することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1〜請求項3に記載の発明によれば、熱源部と体感部材との間に空気層を設けると共に、熱源部と体感部材との間に熱反射部材を設け、熱源部からの輻射により体感部材を直接暖めるのではなく、体感部材の全面を空気の対流により間接的に暖めることにしたので、体感部材の全面をむらなく暖めることができ、実生活に即した床の温度を体感できるという効果を奏する。
【0013】
また、温度センサにより設定温度を監視し、熱源部をコントロールして体感部材の温度調節を行う構成であるので、体感部材の温度調整を容易に行うことができ、構造も簡単であるので、持ち運びにも便利である。
【0014】
例えば、体感部材の表面温度を低温から高温までの広範囲に渡ってきめ細かに調節して設定できるという効果、住宅展示場に来店して頂き床温度を体感して頂くことや、顧客の自宅に持参して自宅の床温度と床を暖めたときの床温度との相違を体感して頂くことができる。
【0015】
更に、請求項3に記載の発明によれば、箱体を構成する壁体の内壁にも熱の反射率が大きくかつ吸収率が低い材料からなる熱反射部材を設けたので、熱効率の向上を図ることができる。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、冷却源を用いて体感部材を冷やすことにすると、床温度体感装置として冷却源と熱源とを用い、夏場に冷えた床と暖めた床とを比較させることによって、夏場でも冬の冷えた床を顧客にイメージして頂いて、冬場の暖めた床の快適性を顧客に体感して頂くことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、本発明に係わる床温体感装置の発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【実施例】
【0018】
図1は本発明に係わる床温度体感装置の実施例を示す説明図であって、この図1において、1は本体部である。この本体部1は箱体2を有し、箱体2は底部壁体3と側部壁体4とから構成されている。その箱体2の各壁体の内面には、熱の反射率が大きくかつ吸収率が低い材料からなる熱反射部材としてのアルミニウム箔5が貼られている。
【0019】
箱体2の内部でかつ底部壁体3の上面には、熱源部としての電球6が設けられている。箱体2の上面にはこの箱体2の内部を塞ぐようにして温度を体感させるための体感部材としてのフローリング部材7が設けられている。
【0020】
箱体2には電球6とフローリング部材7との間に空気層8が設けられている。フローリング部材7と電球6との間に熱の反射率が大きくかつ吸収率が低い材料からなる熱反射部材としてのアルミニウム板9が対流を許容するようにして設けられている。
【0021】
フローリング部材7の下面には温度センサ10が設けられている。この温度センサ10は電球6をオンオフ制御する制御部11に接続され、制御部11は電源12から電力が供給されて、温度センサ10の検出温度に基づきフローリング部材7の温度を調節する。
【0022】
ここでは、温度センサ10はフローリング部材7の下面に設けられているが、アルミニウム板9とフローリング部材7との間に温度センサ10を設けてもよい。
【0023】
この発明の実施例1によれば、制御部11により温度を設定し、温度センサ10により検出温度と設定された床温度とを比較して、電球6をオン・オフ制御することにより、フローリング部材7の床温度を設定温度に設定できる。
【0024】
また、電球6とフローリング部材7との間に空気層8を設けると共に、電球6とフローリング部材7との間にアルミニウム板9を設け、フローリング部材7の全面を空気の対流により間接的に暖めることにしたので、フローリング部材7の全面をむらなく暖めることができ、実生活に即した床の温度を体感できるという効果を奏する。
【0025】
また、温度センサ10により設定温度を監視し、電球6をコントロールしてフローリング部材7の温度調節を行う構成であるので、フローリング部材7の温度調整を容易に行うことができ、構造も簡単であるので、持ち運びにも便利である。
【0026】
なお、フローリング部材7は、手で床の温度を体感する場合には、縦横250mm×200mm程度の大きさ、足で体感する場合には縦横350mm×200mm程度の大きさが望ましい。
【0027】
図2は本発明に係わる床温度体感装置の他の実施例を示す図であり、この図2に示す実施例の場合には、熱源部として電球6の代わりに蓄熱式暖房機13を設ける構成としたものであり、その他の構成は図1に示す床温度体感装置と同一であるので、同一構成要素に同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0028】
図3は本発明に係わる床温度体感装置の他の実施例を示す図であり、この図3に示す実施例の場合には、本体部1の箱体2を構成する底部壁体3に冷却源としての冷風装置14を設ける構成としたものであり、その他の構成は、アルミニウム板9が設けられていない点を除いて、図1に示す実施例と同一であるので、同一構成要素に同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0029】
この図3に示す床温度体感装置と図1又は図2に示す床温度体感装置とを併用すると、夏場に冷えた床と暖めた床とを比較させることによって、夏場でも冬の冷えた床を顧客にイメージして頂いて、冬場の暖めた床の快適性を顧客に体感して頂くことができる。
【0030】
なお、体感部材には、フローリング部材7の他、床下地材とフローリング部材を組み合わせた部材、床下地材と畳とを組み合わせたもの、床下地材とタイルとを組み合わせたもの、床下地材とクッションフロアーを組み合わせたもの等が含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明に係わる床温度体感装置の実施例を説明するための断面図である。
【図2】図1に示す床温度体感装置の他の実施例を説明するための断面図である。
【図3】図1に示す床温度体感装置の更に他の実施例を説明するための断面図である。
【符号の説明】
【0032】
1…本体部
2…箱体
6…電球
7…フローリング部材
8…空気層
9…アルミニウム板(熱反射部材)
10…温度センサ
11…制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱体の下方内部に設けられた熱源部と前記箱体の上面に該箱体の内部を塞ぐようにして設けられて温度を体感させるための体感部材とからなる本体部と前記熱源部を制御する制御部とを備え、前記熱源部と前記体感部材との間に空気層が設けられ、該体感部材と前記熱源部との間に熱の反射率が大きくかつ吸収率が低い材料からなる熱反射部材が空気層の空気の対流を許容するようにして設けられ、前記体感部材と前記熱反射部材との間に温度センサが設けられ、前記制御部は前記温度センサの検出温度に基づき前記体感部材の温度を調節することを特徴とする床温度体感装置。
【請求項2】
前記熱源部が電球又は蓄熱式暖房機であることを特徴とする請求項1に記載の床温度体感装置。
【請求項3】
前記箱体を構成する壁体の内面に熱の反射率が大きくかつ吸収率が低い材料からなる熱反射部材が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の床温度体感装置。
【請求項4】
箱体の下方内部に設けられた冷却源と前記箱体の上面に該箱体の内部を塞ぐようにして設けられて温度を体感させるための体感部材とからなる本体部と前記冷却源を制御する制御部とを備え、前記冷却源と前記体感部材との間に空気層が設けられ、前記体感部材の下方に温度センサが設けられ、前記箱体を構成する壁体の内面に熱の反射率が大きくかつ吸収率が低い材料からなる熱反射部材が設けられ、前記制御部は前記温度センサの検出温度に基づき前記体感部材の温度を調節することを特徴とする床温度体感装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−111933(P2008−111933A)
【公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−293936(P2006−293936)
【出願日】平成18年10月30日(2006.10.30)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】