説明

床置き室内機

【課題】熱交換効率の低下を防ぐ。
【解決手段】ケーシング10に収容された室内熱交換器22は、前面パネル4の背面に対向するように配置された前面熱交換器22aと、前面熱交換器22aの下端近傍から背面に近付くにつれて上方に傾斜する背面熱交換器22bとを有する。ケーシング10の下端部の前方に設けられた主吸込口10aから前面熱交換器22aに至る流路に、上部フィルタ16a及び下部フィルタ16bを設ける。そして、下部フィルタ16bの前面熱交換器22aよりも下方の部分の少なくとも一部を前方に凸に湾曲させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、前面熱交換器及び背面熱交換器を有する略V字形状の熱交換器を備えた床置き室内機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の床置き室内機としては、ケーシングの下端部の前方に設けられた吸込口から床面近傍にある空気を吸い込み、ケーシングの上端部に設けられた吹出口から吹き出すものが知られている(例えば、特許文献1参照)。吸込口から吸い込まれた空気は、ケーシング内に収容された熱交換器に供給され、熱交換器内を流れる冷媒との熱交換により加熱される。そして、吹出口からは、加熱された空気が吹き出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭63−185023号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のような構成の床置き室内機において、ケーシングの前面パネルの背面と対向するように配置された前面熱交換器と、前面熱交換器の下端近傍から背面に近付くにつれて上方に傾斜する背面熱交換器とを有する略V字形状の熱交換器を用いることが考えられる。このような熱交換器を用いた場合には、ケーシングの下端部の前方に設けられた吸込口から吸い込まれた空気は、前面熱交換器側に比べて背面熱交換器側には流れにくい。したがって、背面熱交換器に十分な空気が供給されず、熱交換器の熱交換効率が低下するという問題が生じる。
【0005】
そこで、本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、熱交換効率の低下を防ぐことができる床置き室内機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明にかかる床置き室内機は、前面パネルを有すると共に、熱交換器を収容したケーシングと、前記ケーシングの下端部の前方に設けられ、床面近傍にある空気を吸い込む吸込口と、前記ケーシングの上端部に設けられ、空気を吹き出す吹出口と、前記ケーシング内において前記吸込口から前記熱交換器に至る流路に設けられたフィルタとを備え、前記熱交換器が、前記前面パネルの背面に対向するように配置された前面熱交換器と、前記前面熱交換器の下端近傍から背面に近付くにつれて上方に傾斜する背面熱交換器とを有し、前記フィルタが、前記前面パネルと前記前面熱交換器との間に挿入されたものであって、前記フィルタの前記前面熱交換器より下方の少なくとも一部が前方に凸に湾曲している。
【0007】
なお、「(吸込口が)ケーシングの下端部の前方に設けられ」とは、ケーシングの下端部における前後方向中央位置よりも前方側に形成されている部分が、前後方向中央位置よりも背面側に形成されている部分よりも大きくなるように吸込口が設けられていることを意味している。
【0008】
この床置き室内機では、吸込口から背面熱交換器に至る流路において、フィルタが湾曲していない状態で設けられる場合に比べて、前面熱交換器よりも下方におけるフィルタの面積を増加させ、通風抵抗を小さくすることができる。したがって、ケーシングの下端部の前方に設けられた吸込口から吸い込まれた空気は、前面熱交換器よりも下方において、フィルタを通過して背面側に流れやすくなる。よって、背面熱交換器への空気の供給不足を抑制し、熱交換器の熱交換効率の低下を抑えることができる。
【0009】
第2の発明にかかる床置き室内機では、第1の発明にかかる床置き室内機において、前記熱交換器の下方に設けられたドレンパンを備える。
【0010】
この床置き室内機では、ドレンパンが備えられている場合には、ドレンパンによって背面熱交換器に空気が供給されにくくなる。よって、このような場合に、本発明を適用するのは効果的である。
【0011】
第3の発明にかかる床置き室内機では、第1または第2の発明にかかる床置き室内機において、前記前面熱交換器が、前記前面パネルに略平行に設けられている。
【0012】
この床置き室内機では、前面熱交換器が前面パネルに対して傾斜している場合に比べて、前面パネルと前面熱交換器との間に形成された空気流路の抵抗を小さくできる。
【0013】
第4の発明にかかる床置き室内機では、第1〜第3のいずれかの発明にかかる床置き室内機において、前記前面熱交換器の面積が、前記背面熱交換器の面積より大きい。
【0014】
この床置き室内機では、比較的面積の小さい背面熱交換器側は、前面熱交換器側に比べて空気が流れにくくなる。よって、このような場合に、本発明を適用するのは効果的である。
【0015】
第5の発明にかかる床置き室内機では、第1〜第4のいずれかの発明にかかる床置き室内機において、前記ケーシング内において前記前面熱交換器及び前記背面熱交換器と対向するように設けられたクロスフローファンを備える。
【0016】
この床置き室内機では、クロスフローファンの駆動によって吸込口から吸い込まれた空気を、前面熱交換器及び背面熱交換器に供給できる。
【0017】
第6の発明にかかる床置き室内機では、第1〜第5のいずれかの発明にかかる床置き室内機において、前記フィルタの前記前面熱交換器より下方の少なくとも一部が前方に凸に湾曲するようにガイドするガイド手段を備える。
【0018】
この床置き室内機では、ガイド手段によって、確実にフィルタを湾曲させることができる。
【発明の効果】
【0019】
以上の説明に述べたように、本発明によれば、以下の効果が得られる。
【0020】
第1の発明では、吸込口から背面熱交換器に至る流路において、フィルタが湾曲していない状態で設けられる場合に比べて、前面熱交換器よりも下方におけるフィルタの面積を増加させ、通風抵抗を小さくすることができる。したがって、ケーシングの下端部の前方に設けられた吸込口から吸い込まれた空気は、前面熱交換器よりも下方において、フィルタを通過して背面側に流れやすくなる。よって、背面熱交換器への空気の供給不足を抑制し、熱交換器の熱交換効率の低下を抑えることができる。
【0021】
第2の発明では、ドレンパンが備えられている場合には、ドレンパンによって背面熱交換器に空気が供給されにくくなる。よって、このような場合に、本発明を適用するのは効果的である。
【0022】
第3の発明では、前面熱交換器が前面パネルに対して傾斜している場合に比べて、前面パネルと前面熱交換器との間に形成された空気流路の抵抗を小さくできる。
【0023】
第4の発明では、比較的面積の小さい背面熱交換器側は、前面熱交換器側に比べて空気が流れにくくなる。よって、このような場合に、本発明を適用するのは効果的である。
【0024】
第5の発明では、クロスフローファンの駆動によって吸込口から吸い込まれた空気を、前面熱交換器及び背面熱交換器に供給できる。
【0025】
第6の発明では、ガイド手段によって、確実にフィルタを湾曲させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施形態に係る床置き室内機を備えた空気調和機の回路図である。
【図2】図1に示す床置き室内機の斜視図である。
【図3】図1に示す床置き室内機の正面図である。
【図4】図3に示す床置き室内機のIV-IV線に沿う断面図である。
【図5】図3に示す床置き室内機の前面グリル及び開閉パネルを外した状態を示す図である。
【図6】図5に示す状態の床置き室内機並びに前面グリル、サイドカバー、上部フィルタ、下部フィルタ及び開閉パネルの分解斜視図である。
【図7】図6に示す一点鎖線で囲まれた部分の拡大図である。
【図8】図4に示す断熱カバーの背面の斜視図である。
【図9】図8に示す断熱カバーのIX-IX線に沿う断面図である。
【図10】(a)は図8に示す断熱カバーのX-X線に沿う断面図であり、(b)は(a)において一点鎖線で囲まれた部分の拡大図である。
【図11】図3に示す床置き室内機の開閉パネルを外した状態を示す模式図である。
【図12】図11に示す前面グリル及び輻射パネルにそれぞれ設けられた主ガイドを示す模式図である。
【図13】図12に示す下フィルタガイド部材に下部フィルタを装着する手順を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態に係る床置き室内機1を備えた空気調和機100について説明する。
【0028】
<空気調和機100の概略構成>
図1に示すように、本実施形態の空気調和機100は、室内に設置される床置き室内機1(以下、単に「室内機」と称する)と、室外に設置される室外機5とを備えている。室内機1は、室内熱交換器22と、室内熱交換器22の近傍に配置されたクロスフローファン21と、輻射パネル30と、室内電動弁17と、室内の気温を検出するための室内温度センサ46とを備えている。また、室外機5は、圧縮機50と、四路切換弁51と、室外熱交換器52と、室外熱交換器52の近傍に配置された室外ファン53と、室外電動弁54とを備えている。
【0029】
冷媒回路60は、室内熱交換器22、圧縮機50、四路切換弁51、室外熱交換器52及び室外電動弁54が接続された環状の主流路61を有している。室外熱交換器52には、室外熱交温度センサ57が付設されている。主流路61を構成する室内機1内の配管における室内熱交換器22の両側には、分岐部60a、60bがそれぞれ設けられている。そして、分岐部60a、60bには、バイパス配管62の両端が接続されている。すなわち、室内熱交換器22の両側の配管が、バイパス配管62によって接続されている。このバイパス配管62には、輻射パネル30と室内電動弁17とが設けられている。バイパス配管62における輻射パネル30の両側には、パネル入温度センサ27とパネル出温度センサ28とが付設されている。また、主流路61における圧縮機50の吸入側と四路切換弁51との間にはアキュムレータ55が介設されており、圧縮機50の吐出側と四路切換弁51との間には、吐出温度センサ56が付設されている。
【0030】
室内熱交換器22は、冷媒回路60の一部を構成する配管を有しており、室内熱交温度センサ29が付設されている。室内熱交換器22は、クロスフローファン21の風上側に配置されている。室内熱交換器22内を流れる冷媒との熱交換により加熱または冷却された空気が、クロスフローファン21によって温風または冷風として室内に吹き出されることで、温風暖房または冷房が行われる。
【0031】
輻射パネル30は、後で詳述するように、室内機1の表面の一部を構成しており、冷媒回路60の一部を構成するパネル配管33(図4参照)を有している。このパネル配管33を流れる冷媒の熱が、室内に輻射されることで、輻射暖房が行われる。室内電動弁17は、輻射パネル30に供給される冷媒の流量を調整するために設けられている。
【0032】
本実施形態の空気調和機100において実施される運転モードとしては、冷房モード、温風暖房モード及び輻射暖房モードがある。冷房モードは、輻射パネル30に冷媒を流さないで室内熱交換器22に冷媒を流して冷房を行うモードであって、温風暖房モードは、輻射パネル30に冷媒を流さないで室内熱交換器22に冷媒を流して温風暖房を行うモードである。輻射暖房モードは、室内熱交換器22に冷媒を流して温風暖房を行いつつ、輻射パネル30に冷媒を流して輻射暖房を行うモードである。
【0033】
温風暖房モードにおいては、室内電動弁17が閉弁されると共に、四路切換弁51が図1中実線で示す状態に切り換えられる。そのため、図1中実線の矢印で示すように、圧縮機50から吐出された高温高圧冷媒は、四路切換弁51を通って、室内熱交換器22に流入する。そして、室内熱交換器22において凝縮した冷媒は、室外電動弁54で減圧された後、室外熱交換器52に流入する。そして、室外熱交換器52において蒸発した冷媒は、四路切換弁51及びアキュムレータ55を介して、圧縮機50に流入する。
【0034】
輻射暖房モードにおいては、室内電動弁17が開弁されると共に、四路切換弁51が図1中実線で示す状態に切り換えられる。そのため、図1中破線の矢印で示すように、圧縮機50から吐出された高温高圧冷媒は、四路切換弁51を通って、室内熱交換器22と輻射パネル30とに流入する。そして、室内熱交換器22と輻射パネル30において凝縮した冷媒は、室外電動弁54で減圧された後、室外熱交換器52に流入する。そして、室外熱交換器52において蒸発した冷媒は、四路切換弁51及びアキュムレータ55を介して、圧縮機50に流入する。
【0035】
<室内機1の構成>
次に、室内機1の構成について説明する。
図2に示すように、室内機1は、全体として直方体形状を有しており、室内の床面近傍に据え付けるものである。本実施形態においては、室内機1は、床面から10cm程度浮かした状態で、壁面に取り付けられている。なお、以下の説明において、室内機1が取り付けられる壁から突出する方向を「前方」と称し、その反対の方向を「後方」と称する。また、図2に示す左右方向を単に「左右方向」と称し、上下方向を単に「上下方向」と称する。
【0036】
図4に示すように、室内機1は、ケーシング10と、ケーシング10内に収容されたクロスフローファン21、室内熱交換器22、吹出口ユニット25及び電装品ユニット26などの内部機器と、前面グリル12とを主に備えている。後で詳述するように、ケーシング10は、その下端部の前方に形成された主吸込口10aと、その前壁に形成された補助吸込口10b、10cとを有している。さらに、ケーシング10の上端部には、吹出口10dが形成されている。ケーシング10内には、主吸込口10a及び補助吸込口10bから吹出口10dに至る流路が形成されている。室内機1においては、クロスフローファン21の駆動により、主吸込口10aから床面近傍にある空気を吸い込みつつ、補助吸込口10b、10cからも空気を吸い込む。そして、室内熱交換器22において、吸い込んだ空気に対して加熱または冷却などを行い調和し、調和後の空気を吹出口10dから吹き出して室内へと返流させる。
【0037】
ケーシング10は、本体フレーム11、吹出口カバー41、輻射パネル30、開閉パネル(開閉部材)42及びサイドパネル15(図6参照)で構成されている。なお、後述するように、吹出口カバー41は前面パネル部41aを有しており、輻射パネル30は前面パネル部31を有している。吹出口カバー41の前面パネル部41a、輻射パネル30の前面パネル部31及び開閉パネル42は、ケーシング10の前面において面一となるように配置され、前面パネル4を構成する。図2に示すように、前面パネル4の右上端部、すなわち吹出口カバー41の前面パネル部41aの右端部には、電源ボタン18と、運転状況を示す発光表示部19とが設けられている。
【0038】
本体フレーム11は、壁面に取り付けられるものであり、上述の各種内部機器を支持している。前面グリル12、吹出口カバー41、輻射パネル30及び開閉パネル42は、内部機器を支持している状態の本体フレーム11の前面に取り付けられている。吹出口カバー41は、本体フレーム11の上端部に取り付けられており、その上壁に左右方向に長い矩形状の開口である吹出口10dが形成されている。輻射パネル30は吹出口カバー41の下方に、開閉パネル42は輻射パネル30の下方にそれぞれ取り付けられている。本体フレーム11の下前端と開閉パネル42の下端との間は、左右方向に長い開口である主吸込口10aとなっている。なお、図4に示すように、主吸込口10aは、ケーシング10の下端部における前後方向中央位置(矢印で示す位置)よりも前方側に設けられている。
【0039】
ここで、ケーシング10内に収容される各内部機器について説明する。
クロスフローファン21は、ケーシング10の高さ方向中央部分のやや上方において、その軸方向が左右方向に沿うように配置されている。クロスフローファン21は、下前方から空気を吸い込んで、上後方に吹き出すようになっている。
【0040】
室内熱交換器22は、前面パネル4と略平行に配置されており、前面パネル4の背面と対向する前面熱交換器22aと、前面熱交換器22aの下端部近傍から背面に近付くにつれて上方に傾斜する背面熱交換器22bとで構成されている。前面熱交換器22aは、クロスフローファン21の前方に配置されており、その上半分がクロスフローファン21と対向している。図4に示すように、前面熱交換器22aの上端は、クロスフローファン21の上端よりも上方に位置している。背面熱交換器22bは、クロスフローファン21の下方に配置されている。すなわち、室内熱交換器22は、全体として略V字の形状を有しており、クロスフローファン21の前方と下方とを取り囲むように、クロスフローファン21と対向して配置されている。
【0041】
なお、図4に示すように、上下方向に延在する前面熱交換器22aの延在長さL1は、前面熱交換器22aの下端近傍から背面に向けて斜めに延在する背面熱交換器22bの延在長さL2よりも長い。また、前面熱交換器22aと背面熱交換器22bとの正面視における左右方向に沿う長さはほぼ同じである。したがって、前面熱交換器22aにおいて主吸込口10aからの空気が供給される部分の面積、すなわち、前面熱交換器22aの前方に向いた面の面積は、背面熱交換器22bにおいて主吸込口10aからの空気が供給される部分の面積、すなわち、背面熱交換器22bの後ろ斜め下方を向いた面の面積よりも大きい。
【0042】
正面視において室内熱交換器22の右側には、室外機5から送られてきた冷媒を室内熱交換器22及び輻射パネル30に供給するための配管が配置されている。より具体的には、図1において、分岐部60aから室内熱交換器22及び輻射パネル30にそれぞれ至る配管、並びに室内熱交換器22及び輻射パネル30から分岐部60bにそれぞれ至る配管が、室内熱交換器22の右側に配置されている。図5に示すように、これらの配管の前方には防滴カバー23が取り付けられている。
【0043】
室内熱交換器22の下端部近傍には、左右方向に延在するドレンパン24が配置されている。図5に示すように、正面視において、ドレンパン24の左側の端部は、室内熱交換器22の端部とほぼ対向する位置にあり、右側の端部は、室内熱交換器22の右側に配置された配管と対向する位置にある。また、図4に示すように、ドレンパン24の前後方向の端部は、室内熱交換器22の前後方向の端部とほぼ対向する位置にある。図4に示すように、主吸込口10aから吸い込まれた空気は、ドレンパン24の下方において前方側と後方側とに分かれ、前面熱交換器22aと背面熱交換器22bとにそれぞれ供給される。
【0044】
吹出口ユニット25は、クロスフローファン21の上方に配置されており、クロスフローファン21から吹き出された空気をケーシング10の上端部に形成された吹出口10dへと導くものである。吹出口ユニット25は、吹出口10dの近傍に配置される水平フラップ25aを備えている。水平フラップ25aは、吹出口10dから吹き出される空気流の上下方向の風向きを変更すると共に、吹出口10dの開閉を行う。
【0045】
電装品ユニット26は、図5に示すように、ドレンパン24の下方に配置されており、回路基板(図示せず)などを収容する電装品箱26aと、電装品箱26aに収容された基板と電気的に接続される端子台26bとを有している。電装品箱26aは、室内熱交換器22の右半分とほぼ対向する位置に配置されており、端子台26bは、室内熱交換器22の右側に配置された配管と対向する位置に配置されている。また、電装品ユニット26から引き出された配線は、端子台26bの右側からまっすぐ上方に引き回され、前面パネル4の右上端部に設けられた電源ボタン18及び発光表示部19のLED発光体に接続されている。
【0046】
前面グリル12は、図6に示すように、上述の各種内部機器と、吹出口カバー41と、輻射パネル30とが取り付けられた状態の本体フレーム11に取り付けられる。図4に示すように、前面グリル12は、前面熱交換器22aの上下方向略中央部分から、本体フレーム11の下端までを覆うように配置される。前面グリル12の下端部には、主吸込口10aに配置される吸込口グリル14が設けられている。また、前面グリル12の本体フレーム11を覆う部分には、後で詳述するように、輻射パネル30の背面に設けられた主ガイド72等と協働して、上部フィルタ16a及び下部フィルタ16bをガイドする主ガイド71、72等が設けられている。なお、図6に示すように、前面グリル12の左右両側方には、ケーシング10の側面の一部を構成するサイドパネル15が取り付けられる。
【0047】
ここで、図6に示すように、本実施形態の室内機1においては、左右に並んで配置される2枚の上部フィルタ16aと、各上部フィルタ16aの下方に配置される2枚の下部フィルタ16bとの合計4枚のフィルタが取り付けられる。上部フィルタ16aの上下方向に沿う長さL3は、下部フィルタ16bの上下方向に沿う長さL4よりも短く、上部フィルタ16aの幅(左右方向に沿う長さ)は、下部フィルタ16bの幅とほぼ同じである。すなわち、上部フィルタ16aの面積は、下部フィルタ16bの面積よりも小さい。
【0048】
ここで、図6に示すように、本実施形態の室内機1においては、左右に並んで配置される2枚の上部フィルタ16aと、各上部フィルタ16aの下方に配置される2枚の下部フィルタ16bとの合計4枚のフィルタが取り付けられる。上部フィルタ16aの上下方向に沿う長さL1は、下部フィルタ16bの上下方向に沿う長さL2よりも短く、上部フィルタ16aの幅(左右方向に沿う長さ)は、下部フィルタ16bの幅とほぼ同じである。すなわち、上部フィルタ16aの面積は、下部フィルタ16bの面積よりも小さい。
【0049】
図4に示すように、上部フィルタ16a及び下部フィルタ16bは、前面熱交換器22aと前面パネル4との間の空間、すなわち主吸込口10a及び補助吸込口10b、10cから前面熱交換器22aに至る流路に設けられている。上部フィルタ16aは、図4において上フィルタ装着領域(Aで示す領域)に装着されるものであり、上下方向に延在しており、その下端は前面熱交換器22aの上下方向略中央部分と対向している。下部フィルタ16bは、図4において下フィルタ装着領域(Bで示す領域)に装着されるものであり、上部フィルタ16aの下端の近傍から下方に設けられていると共に、その下半分が前方に凸に湾曲している。より詳細には、下部フィルタ16bは、室内熱交換器22の下端部近傍に配置されたドレンパン24よりも下方の部分が湾曲している。下部フィルタ16bの下端は、主吸込口10aの後端縁近傍に位置している。
【0050】
図11においては、左方に配置される上部フィルタ16aの上フィルタ装着領域は、網掛けハッチングで示された領域に対応する。また、左方に配置される下部フィルタ16bの下フィルタ装着領域は、ドットハッチングで示された領域に対応する。図11に示すように、上フィルタ装着領域のうち上端側の大部分(下端部を除いた領域であり、図11においてa1で示す領域)は、輻射パネル30によって覆われている。なお、輻射パネル30は、本発明の外周部分に対応する。上フィルタ装着領域の下端部(図11においてa2で示す領域)及び下フィルタ装着領域は、開閉パネル42と対向する領域にある。したがって、図11に示すように、開閉パネル42を取り外した状態では、上フィルタ装着領域の下端部及び下フィルタ装着領域は露出した状態となる。
【0051】
上部フィルタ16aは、その装着領域の下端部に設けられたa2で示す領域から上方に向かって挿入される。また、下部フィルタ16bは、その装着領域の上端部から下方に向かって挿入される。
【0052】
図6及び図11に示すように、前面グリル12には、上部フィルタ16aをガイドする上フィルタガイド部材70の一部を構成する主ガイド71と、下部フィルタ16bをガイドする下フィルタガイド部材80を構成する主ガイド81及び補助ガイド82とが設けられている。主ガイド71、81は、上フィルタ装着領域及び下フィルタ装着領域の左右に設けられた壁面13において背面側に設けられており、補助ガイド82は、壁面13において前面側に設けられている。これら主ガイド71、81及び補助ガイド82は、いずれも壁面13から上フィルタ装着領域または下フィルタ装着領域に向かって突出するように形成されている。主ガイド71、81及び補助ガイド82の詳細については、後述する。
【0053】
図4に示すように、吹出口カバー41は、吹出口ユニット25を覆っている。そして、上述のように、吹出口カバー41の上壁には吹出口10dが形成されている。また、吹出口カバー41の前面には、前面パネル部41aが設けられている。前面パネル部41aは、左右方向に長い矩形形状を有している。ここで、図3に示すように、前面パネル部41aの上下方向の長さをLとする。
【0054】
輻射パネル30は、左右に長い略矩形形状を有しており、ケーシング10の高さ方向中央より上方に設けられている。図4に示すように、輻射パネル30は、アルミ製の前面パネル部31と、前面パネル部31の背面を覆うように取り付けられた樹脂製の断熱カバー32と、前面パネル部31の背面に接触するように取り付けられたパネル配管33とで主に構成されている。パネル配管33は、冷媒回路60を構成する配管の一部である。室外機5から送られてきた冷媒はパネル配管33内に流入し、前面パネル部31の背面を正面視において右側端部から左側端部まで流れる。その後折り返して左側端部から右側端部まで流れ、右側端部からパネル配管33の外に流れ出る。
【0055】
前面パネル部31の上下方向の長さは、吹出口カバー41の前面パネル部41aのほぼ2倍である。すなわち、図3に示すように、前面パネル部31の上下方向の長さは約2Lである。前面パネル部31は、吹出口カバー41の前面パネル部41aの下方に位置している。図4に示すように、輻射パネル30の上下方向略中央部分は、前面熱交換器22aの上端部に対向している。
【0056】
図8及び図10に示すように、断熱カバー32の背面には、上部フィルタ16aをガイドする上フィルタガイド部材70の一部を構成する主ガイド72及び補助ガイド73が設けられている。なお、図11においては、主ガイド72を破線で示している。図11に示すように、主ガイド72は、前面グリル12に設けられた主ガイド71の上方に位置する。主ガイド72は、上フィルタ装着領域の左右に設けられた壁面34において背面側に設けられており、補助ガイド73は、壁面34において前面側に設けられている。これら主ガイド72及び補助ガイド73は、いずれも壁面34から上フィルタ装着領域に向かって突出するように形成されている。主ガイド72及び補助ガイド73の詳細については、後述する。
【0057】
開閉パネル42は、輻射パネル30の前面パネル部31の下方に開閉可能に設けられている。開閉パネル42は、左右方向に長い矩形形状を有しており、その上下方向の長さは、吹出口カバー41の前面パネル部41aのほぼ4倍である。すなわち、図3に示すように、開閉パネル42の上下方向の長さは約4Lである。図4に示すように、開閉パネル42の上端の上下方向位置は、前面グリル12の上端とほぼ同じである。上述のように、開閉パネル42の下端は、主吸込口10aの一部を構成している。したがって、上述のように、開閉パネル42を取り外すことにより、前面グリル12に設けられた上フィルタ装着領域の下端部(領域a2)と、下フィルタ装着領域(領域B)とを露出させ、上部フィルタ16a及び下部フィルタ16bの着脱を行うことができるフィルタ挿入可能状態となる。
【0058】
上述のように、前面パネル4は、吹出口カバー41に設けられた前面パネル部41aと、輻射パネル30に設けられた前面パネル部31と、開閉パネル42とで構成されている。そして、輻射パネル30の前面パネル部31と開閉パネル42との間には、左右方向(水平方向)に伸延するスリット状の開口である補助吸込口10bが形成されている。また、開閉パネル42の上端近傍にも、左右方向に伸延するスリット状の開口である補助吸込口10cが形成されている。図3に示すように、開閉パネル42の上端と補助吸込口10cとの上下方向に関する距離はLである。
【0059】
すなわち、前面パネル4の上下方向の長さは7Lであり、補助吸込口10bは、前面パネル4の上端から3Lの位置、補助吸込口10cは、前面パネル4の下端から3Lの位置にそれぞれ形成されている。つまり、補助吸込口10b、10cは、前面パネル4の上下方向(高さ方向)中央の領域に設けられている。また、図4に示すように、補助吸込口10b、10cは、前面熱交換器22aと対向している。
【0060】
<上フィルタガイド部材70及び下フィルタガイド部材80>
上フィルタガイド部材70は、左右に並んで配置される2枚の上部フィルタ16aの上フィルタ装着領域にそれぞれ設けられており、上部フィルタ16aをガイドする。上フィルタガイド部材70は、上述のように、前面グリル12に設けられた主ガイド71と、前面グリル12の一部である壁面13と、輻射パネル30に設けられた主ガイド72及び補助ガイド73と、輻射パネル30の一部である壁面34とで構成される。主ガイド71、72は、本発明の第1ガイド部に対応する。
【0061】
主ガイド71は、前面グリル12の上端部に形成されており、上フィルタガイド部材70によってガイドされる上部フィルタ16aのフィルタ面と略平行となっている。主ガイド71は、特に、上部フィルタ16aの挿入開始時において、上部フィルタ16aの左右両端部をガイドするものである。すなわち、主ガイド71が、第1ガイド部材の挿入開始部に対応する。より詳細には、主ガイド71は、上部フィルタ16aの左右両端部の背面と当接し、前面グリル12の壁面13と共に、上部フィルタ16aの挿入方向を規制する。
【0062】
主ガイド72は、主ガイド71よりも上方(上部フィルタ16aの挿入方向に関して主ガイド71よりも下流側)において、上部フィルタ16aの左右両端部をガイドするものであり、上部フィルタ16aのフィルタ面と略平行となっている。主ガイド72は、より詳細には、主ガイド72は、上部フィルタ16aの左右両端部の背面と当接し、輻射パネル30の壁面34と共に、上部フィルタ16aの挿入方向を規制する。
【0063】
補助ガイド73は、主ガイド72の前方に形成されている。図8及び図9に示すように、補助ガイド73の上半分は上下方向に延在しており、補助ガイド73の下半分は前方に向かって傾斜している。これにより、上フィルタガイド部材70に装着される上部フィルタ16aは、その上端部分の左右両端部が主ガイド72と補助ガイド73とによって挟持される。なお、補助ガイド73の下端は、断熱カバー32の下前端と一致している。したがって、輻射パネル30の下方から上方に向かって上部フィルタ16aを挿入する際に、上部フィルタ16aが挿入経路から外れるのを防ぐことができる。すなわち、上部フィルタ16aの背面を主ガイド72に当接させずに、主ガイド72から浮かした状態で挿入しても、断熱カバー32の下前端まで延びた補助ガイド73により、補助ガイド73の前方の領域に上部フィルタ16aが入り込むことがない。
【0064】
下フィルタガイド部材80は、左右に並んで配置される2枚の下部フィルタ16bの上フィルタ装着領域にそれぞれ設けられており、下部フィルタ16bをガイドする。下フィルタガイド部材80は、上述のように、前面グリル12に設けられた主ガイド81及び補助ガイド82と、前面グリル12の一部である壁面13で構成されている。
【0065】
主ガイド81は、前面グリル12の下端部から主ガイド71の下端まで延びており、下フィルタガイド部材80によってガイドされる下部フィルタ16bのフィルタ面と略平行に設けられている。そして、下部フィルタ16bの左右両端部の背面と当接し、前面グリル12の壁面13と共に、下部フィルタ16bの挿入方向を規制する。すなわち、主ガイド81が、本発明の第2ガイド手段に対応する。主ガイド81の上半分は上下方向に沿って延在しており、主ガイド81の下半分は前方に凸に湾曲している。図7に示すように、補助ガイド82は、主ガイド81の湾曲部分の前方に設けられている。これにより、下フィルタガイド部材80に装着される下部フィルタ16bは、その下半分の左右両端部が主ガイド81と補助ガイド82とによって挟持され、前方に凸に湾曲した状態になる。
【0066】
ここで、図12を参照しつつ、上フィルタガイド部材70及び下フィルタガイド部材80のガイド幅について説明する。ガイド幅とは、上フィルタガイド部材70または下フィルタガイド部材80において、フィルタ面と略平行であって、上部フィルタ16aまたは下部フィルタ16bの左右両端部をそれぞれガイドする部分の幅の合計である。すなわち、上フィルタガイド部材70の挿入開始部(領域a2)のガイド幅は、上フィルタ装着領域の左右両端部において、上部フィルタ16aの背面とそれぞれ当接してフィルタの挿入方向を規制する主ガイド71の合計幅である。また、上フィルタガイド部材70の挿入開始部よりもフィルタ挿入方向下流側の部分(領域a1)のガイド幅は、上フィルタ装着領域の左右両端部において、上部フィルタ16aの背面とそれぞれ当接してフィルタの挿入方向を規制する主ガイド72の合計幅である。さらに、下フィルタガイド部材80のガイド幅(すなわち、下フィルタ装着領域である領域Bのガイド幅)は、下フィルタ装着領域の左右両端部において、下部フィルタ16bの背面とそれぞれ当接してフィルタの挿入方向を規制する主ガイド81の合計幅である。
【0067】
図12に示すように、上フィルタ装着領域(領域A)の左側端部に位置する主ガイド71の幅は、W1である。なお、本実施形態においては、上フィルタ装着領域の左右両端部にそれぞれ設けられた主ガイド71の幅は等しい。したがって、上フィルタガイド部材70の挿入開始部(領域a2)のガイド幅は、2×W1である。また、上フィルタ装着領域(領域A)の左側端部に位置する主ガイド72の幅、及び、下フィルタ装着領域(領域B)の左側端部に位置する主ガイド81の幅は、いずれもほぼ等しく、W2である。なお、主ガイド71と同様に、領域Aの左右両端部にそれぞれ設けられた主ガイド72の幅、及び領域Bの左右両端部にそれぞれ設けられた主ガイド81の幅はいずれも等しい。したがって、上フィルタガイド部材70の挿入開始部よりもフィルタ挿入方向下流側の部分(領域a1)のガイド幅、及び下フィルタ装着領域(領域B)のガイド幅は、2×W2である。そして、上フィルタガイド部材70の挿入開始部である領域a2におけるガイド幅(2×W1)は、上フィルタガイド部材70の挿入開始部より挿入方向下流側の領域a1及び下フィルタ装着領域である領域Bにおけるガイド幅(2×W2)よりも大きい。
【0068】
また、主ガイド72、81の幅W2は、上部フィルタ16a及び下部フィルタ16bの左右両端部の桟の幅とほぼ同じ幅である。さらに、主ガイド72、81と対向する位置にそれぞれ配置される補助ガイド73、82の幅も、主ガイド72、81の幅W2とほぼ同じである。したがって、上フィルタガイド部材70及び下フィルタガイド部材80に上部フィルタ16a及び下部フィルタ16bを装着した際に、主ガイド72、81や補助ガイド73、82によって通風抵抗が増大したり、上部フィルタ16a及び下部フィルタ16bにおいて塵埃を除去できる範囲が狭くなったりするのを防ぐことができる。
【0069】
<下部フィルタ16bの装着手順>
次に、図13をさらに参照しつつ、下部フィルタ16bの装着手順について説明する。
まず、図11に示すように、開閉パネル42を取り外して、フィルタ挿入可能状態とする。これにより、下部フィルタ16bの装着領域である領域Bが露出した状態となる。そして、図13(a)に示すように、上部フィルタ16aの下端部分の左右両端部の背面を、下フィルタガイド部材80の主ガイド81の上端部と当接させる。このとき、主ガイド81及び前面グリル12の壁面13によって、下部フィルタ16bの挿入方向が規制される。
【0070】
続いて、上述のように挿入方向が規制された状態の下部フィルタ16bを、挿入方向(下方向)に沿って挿入する。そして、図13(b)に示すように、下部フィルタ16bの下端部が補助ガイド82と対向する位置まで達すると、下部フィルタ16bの左右両端部が主ガイド81と補助ガイド82とによって挟持され、前方に凸となるように曲げられる。その後図13(c)に示すように、下部フィルタ16b全体がフィルタ装着領域である領域B内に収まるまで下部フィルタ16bを挿入する。このとき、下部フィルタ16bの下半分が、前方に凸に湾曲した状態となる。
【0071】
<本実施形態の室内機1の特徴>
本実施形態の室内機1は、ケーシング10の下端部の前方に設けられた主吸込口10aから室内熱交換器22の前面熱交換器22aに至る流路に設けられた上部フィルタ16a及び下部フィルタ16bを備えている。そして、下部フィルタ16bは、前面熱交換器22aよりも下方の少なくとも一部が前方に凸に湾曲している。
したがって、下部フィルタ16bが湾曲していない場合に比べて、前面熱交換器22aよりも下方における上部フィルタ16aの面積を増加させ、通風抵抗を小さくすることができる。よって、ケーシング10の下端部の前方に設けられた主吸込口10aから吸い込まれた空気は、前面熱交換器22aよりも下方において、上部フィルタ16aを通過して背面側に流れやすくなる。これにより、背面熱交換器22bへの空気の供給不足を抑制し、室内熱交換器22の熱交換効率の低下を抑えることができる。
【0072】
また、本実施形態の室内機1は、室内熱交換器22の下方に設けられたドレンパン24を備えている。ドレンパン24を備えている場合には、ドレンパン24によって背面熱交換器22bに空気が供給されにくくなる。よって、このような場合に、本発明を適用するのは効果的である。
【0073】
また、本実施形態の室内機1では、前面熱交換器22aが、前面パネル4に略平行に設けられている。したがって、前面熱交換器22aが前面パネル4に対して傾斜している場合に比べて、前面パネル4と前面熱交換器22aとの間に形成された空気流路の抵抗を小さくできる。
【0074】
さらに、本実施形態の室内機1では、前面熱交換器22aの面積が、背面熱交換器22bの面積よりも大きい。比較的面積の小さい背面熱交換器22b側は、前面熱交換器22a側に比べて空気が流れにくい。よって、このような場合に、本発明を適用するのは効果的である。
【0075】
加えて、本実施形態の室内機1では、ケーシング10内において、前面熱交換器22a及び背面熱交換器22bと対向するように設けられたクロスフローファン21を備えている。したがって、クロスフローファン21の駆動によって主吸込口10aから吸い込まれた空気を、前面熱交換器22a及び背面熱交換器22bに供給できる。
【0076】
また、本実施形態の室内機1は、下部フィルタ16bの前面熱交換器22aよりも下方の部分を前方に凸に湾曲するようにガイドする主ガイド81及び補助ガイド82を備えている。したがって、主ガイド81及び補助ガイド82によって、確実に下部フィルタ16bを湾曲させることができる。
【0077】
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0078】
例えば、上述の実施形態では、下部フィルタ16bにおけるドレンパン24の下方の部分が前方に凸に湾曲している場合について説明したが、下部フィルタ16bにおいて湾曲している部分はこれに限定されず、前面熱交換器22aよりも下方の少なくとも一部分が前方に凸に湾曲していればよい。
【0079】
また、上述の実施形態では、主吸込口10aは、本体フレーム11の下前端と前面パネル4の下端との間に形成されており、ケーシング10の下端部における前後方向中央位置よりも前方側に設けられている場合について説明したが、これには限定されない。主吸込口10aは、ケーシング10の下端部の前後方向中央位置を跨いで形成されていても、中央位置よりも前方側に形成されている部分が、背面側に形成されている部分よりも大きければよい。また、主吸込口10aは、前面パネル4に設けられていてもよいし、前面パネル4とケーシング10の下壁とに跨って設けられていてもよい。
【0080】
さらに、上述の実施形態では、前面熱交換器22aが、前面パネル4に略平行に設けられている場合について説明したが、前面熱交換器22aは、前面パネル4に対して傾斜していてもよい。
【0081】
加えて、上述の実施形態では、前面熱交換器22aの面積が、背面熱交換器22bの面積よりも大きい場合について説明したが、前面熱交換器22aの面積は、背面熱交換器22bの面積と同じであってもよいし、背面熱交換器22bの面積よりも小さくてもよい。
【0082】
さらに、上述の実施形態では、前面熱交換器22a及び背面熱交換器22bと対向するように設けられたクロスフローファン21を備えている場合について説明したが、これには限定されない。すなわち、クロスフローファン21に代えてターボファン等を用いてもよい。
【0083】
また、上述の実施形態では、下部フィルタ16bの前面熱交換器22aよりも下方の部分を前方に凸に湾曲するようにガイドする主ガイド81及び補助ガイド82を備えている場合について説明したが、これには限定されない。すなわち、例えば、下部フィルタ16bが湾曲形状に形成されている場合には、下部フィルタ16bを湾曲させるガイドはなくてもよい。
【0084】
加えて、上述の実施形態では、床面から10cm程度浮かした状態で、壁面に取り付けられる床置き室内機1について説明したが、これには限定されない。本発明は、床面近傍に設置される床置き室内機全般に適用可能である。したがって、床面に設置される床置き室内機に適用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明を利用すれば、熱交換効率の低下を防ぐことができる。
【符号の説明】
【0086】
1 室内機
4 前面パネル
10 ケーシング
10a 主吸込口
10d 吹出口
16a 上部フィルタ
16b 下部フィルタ
21 クロスフローファン
22 室内熱交換器
22a 前面熱交換器
22b 背面熱交換器
24 ドレンパン
81 主ガイド(ガイド手段)
82 補助ガイド(ガイド手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面パネルを有すると共に、熱交換器を収容したケーシングと、
前記ケーシングの下端部の前方に設けられ、床面近傍にある空気を吸い込む吸込口と、
前記ケーシングの上端部に設けられ、空気を吹き出す吹出口と、
前記ケーシング内において前記吸込口から前記熱交換器に至る流路に設けられたフィルタとを備え、
前記熱交換器が、
前記前面パネルの背面に対向するように配置された前面熱交換器と、
前記前面熱交換器の下端近傍から背面に近付くにつれて上方に傾斜する背面熱交換器とを有し、
前記フィルタが、前記前面パネルと前記前面熱交換器との間に挿入されたものであって、
前記フィルタの前記前面熱交換器より下方の少なくとも一部が前方に凸に湾曲していることを特徴とする床置き室内機。
【請求項2】
前記熱交換器の下方に設けられたドレンパンを備えることを特徴とする請求項1に記載の床置き室内機。
【請求項3】
前記前面熱交換器が、前記前面パネルに略平行に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の床置き室内機。
【請求項4】
前記前面熱交換器の面積が、前記背面熱交換器の面積より大きいことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の床置き室内機。
【請求項5】
前記ケーシング内において前記前面熱交換器及び前記背面熱交換器と対向するように設けられたクロスフローファンを備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の床置き室内機。
【請求項6】
前記フィルタの前記前面熱交換器より下方の少なくとも一部が前方に凸に湾曲するようにガイドするガイド手段を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の床置き室内機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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