底泥置換装置、底泥置換システム及び底泥置換方法
【課題】底泥の除去及び改質材料の埋設を、一連の流れにて行うことが可能な底泥置換装置、底泥置換システム及び底泥置換方法を提供する。
【解決手段】底泥置換装置１により、次のように底泥の置換作業が行われる。バックホウ１９に取り付けられた底泥置換装置１を、底蓋４が開放されインナーケーシング３が底泥取り込み位置にある状態にて作業場所の底泥層２３上に設置する。その後、バックホウ１９により底泥置換装置１を底泥層２３内に圧入し、インナーケーシング３内に底泥１５を入れる。その後、底蓋開閉装置２１により底蓋４を閉鎖しバックホウ１９によりインナーケーシング３を持ち上げ、底泥１５が除去された空間をアウターケーシング２内に形成する。その後、改質材料投入部６より改質材料１７を投入し、底泥１５が除去された空間に改質材料１７を埋設した後、バックホウ１９により底泥置換装置１を底泥層２３内より持ち上げる。
【解決手段】底泥置換装置１により、次のように底泥の置換作業が行われる。バックホウ１９に取り付けられた底泥置換装置１を、底蓋４が開放されインナーケーシング３が底泥取り込み位置にある状態にて作業場所の底泥層２３上に設置する。その後、バックホウ１９により底泥置換装置１を底泥層２３内に圧入し、インナーケーシング３内に底泥１５を入れる。その後、底蓋開閉装置２１により底蓋４を閉鎖しバックホウ１９によりインナーケーシング３を持ち上げ、底泥１５が除去された空間をアウターケーシング２内に形成する。その後、改質材料投入部６より改質材料１７を投入し、底泥１５が除去された空間に改質材料１７を埋設した後、バックホウ１９により底泥置換装置１を底泥層２３内より持ち上げる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、河川等の水底の底泥を透水性のよい改質材料に置換する底泥置換装置、底泥置換システム及び底泥置換方法に関する。詳しくは、開閉可能な底蓋部を備え底泥の除去に用いられる内箱部及び、底泥が除去された空間への改質材料の埋設に用いられる外箱部を備え、内箱部と外箱部が連動して機能することで、底泥の除去と改質材料の埋設を一連の流れで行うことにより底泥置換作業の効率化を図るものである。
【背景技術】
【０００２】
近年、流水の停滞、生活排水による汚染等により、河川等の底に底泥（ヘドロ）が堆積する例が多くなっている。水底に底泥が堆積した場合、底生動物の生息環境が悪化して河川の浄化機能が損なわれ、その結果、水質の悪化、悪臭の発生等の原因になる。
【０００３】
この問題を解決するため、底泥の一部を透水性のよい改質材料に置換することで改質材料による底泥への酸素供給を可能にし、河川の底質及び底生動物の生息環境の改善を行う方法が提案されている。
【０００４】
この水質改善方法を実施する際には、底泥の一部を除去した後、底泥を除去した空間に改質材料を埋設することにより、底泥の改質材料への置換を行う。
【０００５】
従来の技術による底泥の置換は次のように行われる。まず底泥の除去方法としては、次のようなものがある。図２２はクラムシェル５０による底泥の除去方法を説明する断面図である。クラムシェル５０は断面されていない状態で示されている。
【０００６】
河川等の水底の砂層５１の上部に底泥が堆積し、底泥層５２が形成されている。底泥を除去する場所に円筒状のケーシング５３を打設する。ケーシング５３の打設後、ケーシング５３内部を排水し、ケーシング５３の内部をクラムシェル５０のバケット５０ａを開閉することにより掘削し、底泥を除去する。
【０００７】
図２３はオーガー５４による底泥の除去方法を説明する断面図である。オーガー５４は断面されていない状態で示されている。オーガー５４は、先端部にらせん状のスクリューを備えており、回転させながら底泥層５２内に圧入することにより、底泥層５２を掘削し、底泥を除去する。
【０００８】
上記のような方法にて底泥を除去した後、底泥を除去した空間に改質材料を埋設する。
【０００９】
また上記とは別に、河川等の水底における上層の底泥と下層の土又は砂等を置換することにより、底生動物の生息環境の改善を行う底泥置換装置が提案されている（例えば、特許文献１参照）。
【００１０】
特許文献１に開示される底泥置換装置は、攪拌装置により掘削された下層の土又は砂等を、吸引装置により上層の底泥の上又は水面上に持ち上げることにより、河川等の水底における上層の底泥と下層の土又は砂等を置換し、底生動物の生息環境の改善を行う底泥置換装置である。
【００１１】
【特許文献１】特開２００３−８２６４０公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【００１２】
しかし、前述した従来の底泥の置換方法では次のような問題がある。まず、クラムシェル５０により底泥を除去する場合、改質材料の埋設に適した小口径の穴での底泥の除去ができない。
【００１３】
また、オーガー５４にて底泥を除去する場合、除去した底泥が作業場所の周囲の水中に拡散してしまい回収が困難であるため、作業時の水質汚濁が発生する問題がある。ケーシング５３を使用してオーガー５４による底泥除去を行った場合も、ケーシング５３とオーガー５４の隙間から除去した底泥が落ちる、底泥がオーガー５４のスクリューに付着して撤去できない等の問題がある。
【００１４】
このため、オーガー５４にて底泥の除去を行った場合は、底泥除去後の改質材料の埋設が困難になる。
【００１５】
更に、従来の底泥の置換方法では、底泥の除去作業と改質材料の埋設作業を別々の装置を用いて行う必要があるため、作業効率が悪く、施工期間が長期化してしまう問題がある。
【００１６】
また、特許文献１にて提案されている底泥置換装置は、上層の底泥と下層の土又は砂等を置換する構成となっており、底泥の一部を改質材料に置換する作業には適用できない。
【００１７】
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、改質材料の埋設に適した小口径の底泥の除去及び改質材料の埋設を、一連の流れにて行うことが可能な底泥置換装置、底泥置換システム及び底泥置換方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１８】
上述した問題を解決するため、本発明に係る底泥置換装置は、水底の底泥を改質材料に置換する底泥置換装置であって、下面が開放され、外部と内部を連通する改質材料投入穴部を側面に備えた筒状の外箱部と、外箱部に対して挿入されて内接する筒状で、開閉可能な底蓋部を下面に備え、底蓋部を開放して底泥を取り込む底泥取り込み位置から、底蓋部を閉鎖して取り込んだ底泥を持ち上げて改質材料投入穴部を開放する改質材料投入位置まで、外箱部に対して上下方向に直動自在な内箱部を備えたことを特徴とするものである。
【００１９】
本発明に係る底泥置換装置では、次のような方法で底泥の置換作業が行われる。除去する底泥の高さに合わせて、底蓋部を開放した状態で内箱部及び外箱部を底泥層内に圧入する。これにより、底蓋部が開放した内箱部の下面より、除去対象の底泥を内箱部内に入れる。
【００２０】
その後、底蓋部を閉鎖し底蓋部により除去対象の底泥を内箱部内部に閉じ込めた状態にして、改質材料投入穴部を開放する位置まで、外箱部に対して内箱部を持ち上げる。これにより、底泥層より除去対象の底泥が取り除かれた空間を外箱部内に形成する。
【００２１】
その後、改質材料投入穴部より改質材料を投入し、除去対象の底泥が取り除かれた空間に改質材料を埋設する。
【００２２】
上述した問題を解決するため、本発明に係る底泥置換システムは、水底の底泥を改質材料に置換する底泥置換システムであって、下面が開放され、外部と内部を連通する改質材料投入穴部を側面に備えた筒状の外箱部と、外箱部に対して挿入されて内接する筒状で、開閉可能な底蓋部を下面に備え、底蓋部を開放して底泥を取り込む底泥取り込み位置から、底蓋部を閉鎖して取り込んだ底泥を持ち上げて改質材料投入穴部を開放する改質材料投入位置まで、外箱部に対して上下方向に直動自在な内箱部を備えた底泥置換装置と、底蓋部の開閉を行う開閉手段と、底泥置換装置を水底に降ろし、水底での昇降を行う上下装置と、改質材料投入穴部に対して改質材料の投入を行う改質材料投入装置を備えたことを特徴とするものである。
【００２３】
本発明に係る底泥置換システムでは、次のような方法で底泥の置換作業が行われる。底泥置換装置を上下装置に取り付け、上下装置により底泥置換装置を置換対象の底泥層の上部に設置する。その後、底蓋部を開放した状態で、除去する底泥の高さに合わせて内箱部及び外箱部を底泥層内に圧入し、除去対象の底泥を内箱部内部に入れる。
【００２４】
その後、除去対象の底泥が内箱部内部に入った状態で、開閉装置により前記底蓋部を閉鎖する。その後、改質材料投入穴部を開放する位置まで、上下装置により内箱部を外箱部に対して持ち上げ、底泥層より除去対象の底泥が取り除かれた空間を外箱部内に形成する。
【００２５】
その後、改質材料投入穴部より改質材料を投入し、除去対象の底泥が取り除かれた空間に改質材料を埋設する。改質材料の埋設後、上下装置により底泥層内から底泥置換装置を持ち上げる。
【００２６】
上述した問題を解決するため、本発明に係る底泥置換方法は、水底の底泥を改質材料に置換する底泥置換方法であって、下面が開放され、外部と内部を連通する改質材料投入穴部を側面に備えた筒状の外箱部及び、外箱部に対して挿入されて内接する筒状で、開閉可能な底蓋部を下面に備え、外箱部に対して上下方向に直動自在な内箱部を備えた底泥置換装置を用い、除去する底泥の高さに合わせて、底蓋部を開放した状態で内箱部及び外箱部を底泥層内に圧入して内箱部内に底泥を入れ、底蓋部を閉鎖して、改質材料投入穴部が開放される位置まで外箱部に対して内箱部を持ち上げ、底泥層より底泥を除去して、外箱部内に底泥が除去された空間を形成し、改質材料投入穴部より改質材料を投入し、外箱部内部の底泥が除去された空間に改質材料を埋設し、底泥置換装置を底泥層内から持ち上げることを特徴とするものである。
【００２７】
本発明に係る底泥置換方法では、除去する底泥の高さに合わせて、底蓋部が開放した状態で内箱部及び外箱部が底泥層内に圧入され、除去対象の底泥が内箱部内部に入れられる。その後、除去対象の底泥が内箱部内部に入れられた状態で底蓋部が閉鎖される。その後、改質材料投入穴部を開放する位置まで、外箱部に対して内箱部が持ち上げられ、底泥層より除去対象の底泥が取り除かれた空間が、外箱部内に設けられる。
【００２８】
その後、改質材料投入穴部より改質材料が投入され、除去対象の底泥が取り除かれた空間に改質材料が埋設される。
【発明の効果】
【００２９】
本発明の底泥置換装置によれば、開閉可能な底蓋部を備え底泥の除去に用いられる内箱部及び、底泥が除去された空間への改質材料の埋設に用いられる外箱部を備え、内箱部が外箱部に挿入されて内接して、内箱部と外箱部が連動して機能する構成により、底泥の除去作業と改質材料の埋設作業を同一の装置により、一連の流れにて行うことが可能になる。これにより、施工作業の容易化及び施工期間の短縮化が実現できる。
【００３０】
また、改質材料の埋設に適した小口径の穴での底泥の除去及び改質材料の置換を行うことができる。
【００３１】
また、開閉可能な底蓋部を備えた内箱部を用いて底泥を除去する構成により、底泥の除去を確実に行うことができる。
【００３２】
更に、底泥の除去作業と改質材料の埋設作業を同一の装置により行うことにより、底泥の置換作業に必要な装置の構成を単純化できる。
【００３３】
本発明の底泥置換システムによれば、開閉可能な底蓋部を備え底泥の除去に用いられる内箱部及び、底泥が除去された空間への改質材料の埋設に用いられる外箱部を備え、内箱部が外箱部に挿入されて内接して、内箱部と外箱部が連動して機能する底沼置換装置、底蓋部の開閉手段、底泥置換装置の上下装置及び改質材料投入装置を備えた構成により、底泥の除去作業と改質材料の埋設作業を同一の装置により、一連の流れにて行うことが可能になる。これにより、施工作業の容易化及び施工期間の短縮化が実現できる。
【００３４】
また、本発明の底泥置換システムによれば、水底の底泥層に所望の配置で改質材料の埋設を行うことができるので、改質材料による水質改善の効果を促進できる。
【００３５】
本発明の底泥置換方法によれば、開閉可能な底蓋部を備え底泥の除去に用いられる内箱部及び、底泥が除去された空間への改質材料の埋設に用いられる外箱部を備え、内箱部が外箱部に挿入されて内接して、内箱部と外箱部が連動して機能する底沼置換装置を用いた置換方法により、底泥の除去作業と改質材料の埋設作業を同一の装置により、一連の流れにて行うことが可能になる。これにより、施工作業の容易化及び施工期間の短縮化が実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００３６】
以下図面を参照して、本発明の底泥置換装置、底泥置換システム及び底泥置換方法の実施の形態について説明する。
【００３７】
＜本実施の底泥置換装置の構成例＞
図１から図６は、本実施の形態の底泥置換装置１の一例を示す説明図である。図１は概略斜視図であり、説明のため構成の一部を透視した状態で破線にて示している。図２から図５は底泥置換装置１の断面図であり、図２及び図４は図１のＡ−Ａ断面を示し、図３及び図５は図１のＢ−Ｂ断面を示したものである。図２から図５は全て後述する復動シリンダー７が切断されていない状態で示している。
【００３８】
図６は、底泥置換装置１の上方または下方から見た状態を示した図であり、図６（ａ）は図１の矢印Ｃで示すように底泥置換装置１を上方から見た状態を示し、図６（ｂ）は図４のＥ−Ｅ断面を示し、図６（ｃ）は図１の矢印Ｄで示すように底泥置換装置１を下方から見た状態を示したものである。
【００３９】
本実施の形態の底泥置換装置１は、円筒状のアウターケーシング２と、同じく円筒状でアウターケーシング２に内接したインナーケーシング３を備える。アウターケーシング２は外箱部の一例であり、インナーケーシング３は内箱部の一例である。
【００４０】
インナーケーシング３は、下面に開閉可能な底蓋４を備え、上部に上フランジ５ａ及び下フランジ５ｂから構成されるフランジ５を備える。底蓋４は底蓋部の一例である。
【００４１】
アウターケーシング２は下面が開放されており、側面の一部が開口されて外部と内部を連通する改質材料投入部６を、例えば二つ備える。改質材料投入部６は改質材料投入穴部の一例である。また、改質材料投入部６は、後述する改質材料投入管２２ｇが取り付け可能な構成となっている。
【００４２】
インナーケーシング３はアウターケーシング２に挿入され、アウターケーシング２に対して、底泥を取り込む底泥取り込み位置から、改質材料投入部６を開放して改質材料の投入を行う改質材料投入位置まで上下方向に直動自在な構成となっている。
【００４３】
図２及び図３は、底蓋４が開放され、インナーケーシング３がアウターケーシング２に対して底泥取り込み位置にある状態を示している。図４及び図５は、底蓋４が閉鎖され、インナーケーシング３がアウターケーシング２に対して改質材料投入位置にある状態を示している。
【００４４】
インナーケーシング３が底泥取り込み位置にある状態では、アウターケーシング２及びインナーケーシング３は、例えば次のような位置関係となる。図２及び図３に示すように、インナーケーシング３の上部に固定された下フランジ５ｂとアウターケーシング２の上部が接し、アウターケーシング２とインナーケーシング３の下端が同一の高さとなる。
【００４５】
また、下フランジ５ｂによりインナーケーシング３がアウターケーシング２に対して底泥取り込み位置より下部に位置することを防ぐ構成になっている。下フランジ５ｂによりインナーケーシング３が底泥取り込み位置より下方に位置することを防ぐ構成は、位置決め手段の一例である。
【００４６】
インナーケーシング３が改質材料投入位置にある状態では、アウターケーシング２及びインナーケーシング３は、例えば次のような位置関係となる。図４及び図５に示すように、改質材料投入部６が開放される位置に、インナーケーシング３はアウターケーシング２に対して上方に持ち上げられた状態となる。これにより、インナーケーシング３下方のアウターケーシング２内部の空間と外部が、改質材料投入部６を通じて連通した状態になる。
【００４７】
また、例えば図１、図３及び図５に示すように、アウターケーシング２のワイヤー取り付け部８及びインナーケーシング３のワイヤー取り付け部９がケーシングワイヤー１０にて結ばれている。
【００４８】
図５に示すように、ケーシングワイヤー１０はインナーケーシング３が改質材料投入位置にある時に張った状態になり、インナーケーシング３がアウターケーシング２に対して改質材料投入位置より上方に位置することを防ぐ構成になっている。ケーシングワイヤー１０により、インナーケーシング３が改質材料投入位置より上方に位置することを防ぐ構成は、位置決め手段の一例である。
【００４９】
底蓋４は、例えば上フランジ５ａにナットにより懸吊されて固定された、四本のクレビス１１に取り付けられている。クレビス１１は、例えば二つのクレビス可動部１１ａを備え、それぞれのクレビス可動部１１ａにて回転自在な構成となっている。図２等に示すように、一つのクレビス可動部１１ａを底蓋４への取り付け部に備え、もう一つのクレビス可動部１１ａを底蓋４上部の所定の高さに備える。
【００５０】
図７は底蓋４の構成の一例を示したものである。底蓋４は、例えば二枚の蓋部４ａ及び回転軸４ｂ等を備える。蓋部４ａは半円形で直線部に回転軸穴４ｃを備えており、二枚の蓋部４ａの回転軸穴４ｃが重なりあった状態でそれぞれの回転軸穴４ｃに回転軸４ｂが挿入されることで、二枚の蓋部４ａが回転軸４ｂを支点にして回転自在な構成となっている。
【００５１】
また、蓋部４ａは図１等に示す復動シリンダー７に取り付けられたピストンロッド１２を回転軸４ｂに取り付けるためのピストンロッド用穴４ｄ及び、図２等に示すクレビス可動部１１ａを取り付けるためのクレビス取り付け部４ｅを備える。
【００５２】
また、回転軸４ｂはピストンロッド用穴４ｄに対応した位置にピストンロッド取り付け部４ｆを備える。ピストンロッド１２が、ピストンロッド用穴４ｄを通ってピストンロッド取り付け部４ｆに取り付けられている。
【００５３】
また、復動シリンダー７によりピストンロッド１２を所定の範囲で上下に動かすことが可能となっている。復動シリンダー７は開閉手段の一例である。
【００５４】
図８（ａ）から図８（ｃ）は、底蓋４の開閉方法を説明した要部断面図であり、図１のＡ−Ａにて切断された状態を示している。まず図８（ａ）に示す底蓋４が閉鎖された状態では、図１等に示す復動シリンダー７によりピストンロッド１２が下方に下げられることで回転軸４ｂが下方へ移動し、二枚の蓋部４ａが回転軸４ｂを支点に開いて、インナーケーシング３に取り付けられた底蓋ストッパー１３により押さえられた状態となっている。
【００５５】
復動シリンダー７によりピストンロッド１２を持ち上げると、図８（ｂ）に示すように回転軸４ｂが持ち上げられることで、二枚の蓋部４ａは中心側の端部が持ち上げられ、それぞれの蓋部４ａが、各クレビス可動部１１ａを支点に回転しながら、回転軸４ｂを支点に回転して、蓋部４ａが底蓋ストッパー１３より外れ、底蓋４が開いた状態になる。
【００５６】
復動シリンダー７によりピストンロッド１２を更に持ち上げ、図８（ｃ）に示すように二枚の蓋部４ａが重なり合う状態になることで、底蓋４が完全に開放される。
【００５７】
図８（ｃ）に示す底蓋４が開放された状態で、復動シリンダー７によりピストンロッド１２を下方に下げると、開放時とは逆の動作にて回転軸４ｂ及び各クレビス可動部１１ａを支点にして二枚の蓋部４ａ及びクレビス１１が回転し、底蓋４が閉鎖する。図８（ａ）に示すように二枚の蓋部４ａが底蓋ストッパー１３により押さえられた状態になるまでピストンロッド１２を下方に下げることで、底蓋４が完全に閉鎖される。
【００５８】
本例の底蓋４では、二枚の蓋部４ａを連結する回転軸４ｂの上下動により、回転軸４ｂを支点とした回転動作で蓋部４ａを開閉するようにした。これにより、インナーケーシング３の下面の近傍に底蓋４を設けて、インナーケーシング３の下面を閉鎖すると共に、インナーケーシング３の下面から突出させることなく、底蓋４を開放することができる。
【００５９】
図９は図６（ｂ）のＦ−Ｆ断面図であり、負圧防止管１４を示す説明図である。底蓋４を閉鎖してインナーケーシング３をアウターケーシング２に対して底泥取り込み位置から上方に持ち上げた状態で、図６（ｂ）のＦ−Ｆ断面にて切断された部材のみを示している。負圧防止管１４は、負圧防止手段の一例である。
【００６０】
負圧防止管１４は、例えば図９に示すようにアウターケーシング２の側面の下方に設けられた側面負圧防止穴部２ａと、アウターケーシング２外部の側面の置換対象の底泥に応じた高さの位置とを連通する管状の部材等で構成される。負圧防止管上端部１４ａは、置換対象の底泥に応じた高さに位置する。
【００６１】
図９に示すように、底蓋４を閉鎖してインナーケーシング３をアウターケーシング２に対して底泥取り込み位置から持ち上げることにより、アウターケーシング２内部でインナーケーシング３の底蓋４の下方の空間と、アウターケーシング２外部の水中が、負圧防止管１４にて連通された状態となる。
【００６２】
図１０は図６（ｂ）のＧ−Ｇ断面にて切断された部材のみを示した断面図であり、補強板１６を示す説明図である。クレビス１１は図示していない。補強板１６は補強部の一例である。
【００６３】
アウターケーシング２の外部の側面に、上下方向に伸びた板状の補強板１６が備えられる。補強板１６は、例えば図１０に示すようにアウターケーシング２の外部側面下方部にて備えられる。更に、例えば図６（ｂ）に示すように、二つの補強板１６がアウターケーシング２の外部側面の向かい合う位置に備えられる。
【００６４】
＜本実施の底泥置換システムの構成例＞
次に、図１等で説明した構成の底泥置換装置１を用いた底泥置換システム１８について説明する。
【００６５】
図１１及び図１２は本実施の形態の底泥置換システム１８の一例を示す説明図である。底泥置換システム１８は、バックホウ１９、底蓋開閉装置２１及び改質材料投入装置２２等を備える。本例の底泥置換システム１８は、バックホウ１９、底蓋開閉装置２１及び改質材料投入装置２２が陸上に設置される例を示す。
【００６６】
底泥置換作業の対象となる水中では、図１２に示すように、河川等の水底の砂層２４の上部に底泥が堆積して底泥層２３が形成されている。底泥置換システム１８では底泥層２３の一部を除去し、改質材料１７の埋設を行う。
【００６７】
図１２に示すように底泥置換装置１は、例えば装置取り付け部２０を介してフランジ５にて汎用的なバックホウ１９のアーム部１９ａの先端に取り付け可能な構成となっている。バックホウ１９は上下装置の一例である。バックホウ１９により底泥置換装置１を水底に下ろし、水底での昇降を行うことができる。
【００６８】
図１１に示すように底蓋開閉装置２１は、油圧ユニット２１ａ及び油圧ユニット２１ａに接続された油圧ホース２１ｂにより構成され、図１２に示すように油圧ホース２１ｂは底泥置換装置１の復動シリンダー７に接続される。油圧ユニット２１ａ及び油圧ホース２１ｂにより復動シリンダー７を動作させピストンロッド１２を上下させることで、図８にて説明したように底蓋４の開閉を行う。
【００６９】
図１１に示すように改質材料投入装置２２は、作業用水槽２２ａ、作業用水中ポンプ２２ｂ、作業用水管２２ｃ、チーズ管２２ｄ、ボールバルブ２２ｅ、改質材料投入用ホッパー２２ｆ及び改質材料投入管２２ｇにより構成される。
【００７０】
作業用水槽２２ａ内に作業用水中ポンプ２２ｂが設置され、作業用水中ポンプ２２ｂに作業用水管２２ｃが接続される。作業用水管２２ｃはチーズ管２２ｄにより分岐され、ボールバルブ２２ｅを介して二つ改質材料投入用ホッパー２２ｆにそれぞれ接続される。
【００７１】
これにより、作業用水中ポンプ２２ｂを動作させて、改質材料１７の投入作業に用いられる作業用水を二つの改質材料投入用ホッパー２２ｆへ供給する。また、二つの改質材料投入用ホッパー２２ｆに対する作業用水の供給は、それぞれの改質材料投入用ホッパー２２ｆに接続されたボールバルブ２２ｅを開閉することにより、別々に行うことができる。
【００７２】
二つの改質材料投入用ホッパー２２ｆにそれぞれ改質材料投入管２２ｇが接続される。改質材料投入管２２ｇは、図１２に示すように底泥置換装置１の二つの改質材料投入部６にそれぞれ接続される。作業用水槽２２ａより改質材料投入用ホッパー２２ｆに対して作業用水を供給しながら、改質材料投入用ホッパー２２ｆに改質材料１７を投入することにより、改質材料投入部６への改質材料１７の投入が行われる。
【００７３】
図１１で示される底泥置換システム１８は、底泥置換対象の場所が陸上から近い場合に適用される。底泥置換作業に用いられる各装置を陸上に設置することが可能であるため、各装置の設置及び移動作業を容易に行うことが可能になる。
【００７４】
図１３は本実施の形態の底泥置換システム１８の他の例を示す説明図である。図１３で示される底泥置換システム１８においては、バックホウ１９、底蓋開閉装置２１及び改質材料投入装置２２が作業船２５上に設置される。
【００７５】
図１３で示される底泥置換システム１８では、改質材料投入装置２２は、作業用水中ポンプ２２ｂ、作業用水管２２ｃ、チーズ管２２ｄ、ボールバルブ２２ｅ、改質材料投入用ホッパー２２ｆ及び、改質材料投入管２２ｇにより構成される。また、作業用水中ポンプ２２ｂは図１３に示すように水中に設置される。
【００７６】
図１１で示される底泥置換システム１８の改質材料投入装置２２と同様に、作業用水中ポンプ２２ｂ、作業用水管２２ｃ、チーズ管２２ｄ、二つのボールバルブ２２ｅ、二つの改質材料投入用ホッパー２２ｆ及び二つの改質材料投入管２２ｇが接続され、図１２に示すように二つの改質材料投入管２２ｇが底泥置換装置１の改質材料投入部６にそれぞれ接続される。
【００７７】
改質材料投入部６に改質材料１７を投入する際の作業用水は、水中に設置された作業用水中ポンプ２２ｂにより水中から供給される。
【００７８】
図１３で示される底泥置換システム１８は、底泥置換対象の場所が陸上から離れている場合、陸上にバックホウ１９、底蓋開閉装置２１及び改質材料投入装置２２等の設置エリアが確保できない場合に適用可能である。
【００７９】
図１１及び図１３で示される底泥置換システム１８を用いることにより、河川等の水底の底泥層２３に所望の配置で底泥の置換及び改質材料１７の埋設を行うことができ、改質材料１７による水質改善の効果を促進することが可能になる。
【００８０】
＜本実施の底泥置換方法例＞
次に、図１等で説明した底泥置換装置１及び、図１１等で説明した底泥置換システム１８の動作を、底泥置換方法の実施の形態として説明する。
【００８１】
図１４から図２１は底泥置換の過程を示す断面図である。復動シリンダー７、アーム部１９ａ、油圧ホース２１ｂ、装置取り付け部２０及び、改質材料投入管２２ｇは切断されていない状態で示されている。図１４から図２１を用いて底泥置換の過程を説明する。
【００８２】
図１４はアウターケーシング２が底泥層２３に着底した状態を示し、図１５はインナーケーシング３が底泥層２３に着底した状態を示している。
【００８３】
バックホウ１９のアーム部１９ａに取り付けられた底泥置換装置１を、バックホウ１９により、水底の砂層２４の上部に形成された底泥層２３上の底泥置換作業場所に設置する。図１４に示すように、バックホウ１９により底泥置換装置１を降ろしてアウターケーシング２を底泥層２３に着底させる。
【００８４】
その後、図１５に示すようにバックホウ１９によりインナーケーシング３を降ろし、インナーケーシング３を底泥層２３に着底させる。この時、インナーケーシング３はアウターケーシング２に対して底泥取り込み位置に位置する状態になる。更に底蓋開閉装置２１により底蓋４を完全に開放した状態にする。
【００８５】
図１６は、インナーケーシング３及びアウターケーシング２を底泥層２３内に圧入した状態を示したものである。バックホウ１９によりインナーケーシング３及びアウターケーシング２を、除去対象の底泥１５の高さに合わせて底泥層２３内に圧入する。
【００８６】
この時、下フランジ５ｂによりインナーケーシング３がアウターケーシング２に対して底泥取り込み位置より下部に位置することを防ぐ構成になっているため、バックホウ１９により装置取り付け部２０を介してインナーケーシング３に下方へ力が加えられることにより、インナーケーシング３及びアウターケーシング２が一体となって底泥層２３内に圧入される。
【００８７】
また、図１０等で説明したアウターケーシング２の外部の側面に備えられた補強板１６により、バックホウ１９によるインナーケーシング３及びアウターケーシング２の底泥層２３への圧入時に、アウターケーシング２が歪むことが防止される。
【００８８】
またこの時、底蓋４が開放されたインナーケーシング３の下面より、除去対象の底泥１５がインナーケーシング３内に入れられる。
【００８９】
図１７は、インナーケーシング３及びアウターケーシング２を底泥層２３内に圧入した状態で、底蓋４を閉鎖した状態を示したものである。除去対象の底泥１５をインナーケーシング３内に入れた状態で、底蓋開閉装置２１により図８にて説明した動作で底蓋４を閉鎖し、除去対象の底泥１５をインナーケーシング３内に閉じ込めた状態にする。
【００９０】
図１８及び図１９は、底泥１５をインナーケーシング３内に閉じ込めた状態で、インナーケーシング３をアウターケーシング２に対して改質材料投入位置まで持ち上げた状態を示したものである。図１９は底泥置換装置１を図６（ｂ）のＦ−Ｆにて切断した状態を示している。
【００９１】
バックホウ１９により、底泥１５を内部に閉じ込めた状態でインナーケーシング３を改質材料投入位置まで持ち上げ、底泥層２３から底泥１５を除去し、アウターケーシング２内に底泥１５が除去された空間を形成する。またこの時、図１９に示すように負圧防止管１４の負圧防止管上端部１４ａが、底泥層２３の上面より上方に位置した状態にある。
【００９２】
このため、インナーケーシング３を持ち上げる際に、アウターケーシング２内部の底泥１５が除去された空間と、アウターケーシング２外部の水中が負圧防止管１４にて連通された状態になる。よって、アウターケーシング２内部の底泥１５が除去された空間に負圧が生じることが防がれ、底泥１５を内部に閉じ込めた状態でのインナーケーシング３の持ち上げを容易に行うことが可能になる。
【００９３】
図２０は、底泥層２３から底泥１５を除去した空間に改質材料１７を埋設した状態を示したものである。底泥層２３から底泥１５を除去した空間の形成後、図１１等で説明した改質材料投入装置２２により、改質材料１７を改質材料投入部６よりアウターケーシング２内に投入する。これにより、底泥層２３から底泥１５を除去した空間に改質材料１７を埋設する。
【００９４】
図２１は、底泥層２３内から底泥置換装置１を持ち上げた状態を示したものである。改質材料１７の埋設後、バックホウ１９により底泥層２３内から底泥置換装置１を持ち上げる。この時、図５に示すようにケーシングワイヤー１０が張った状態となり、改質材料投入位置より上方にインナーケーシング３がアウターケーシング２に対して位置することを防ぐ構成になっている。
【００９５】
このため、バックホウ１９により装置取り付け部２０を介してインナーケーシング３に上方へ力が加えられることにより、インナーケーシング３及びアウターケーシング２が一体となって上方に持ち上げられる。
【００９６】
この結果、河川等の水底において底泥層２３より底泥１５が除去され、改質材料１７が埋設された状態になる。
【００９７】
また、本実施の形態の底泥置換方法では、改質材料１７として例えば石炭灰を主材料として加水混合し、造粒方法により粒状に作製された石炭灰材料が用いられる。例えば潮の干満がある感潮河川にて、水底に堆積した底泥層の一部を石炭灰材料に置換することにより、潮の潮汐により埋設された石炭灰材料内に水の流れが生じ、石炭灰材料を介して底泥層内に酸素が供給される。また、干潮時には空気中より石炭灰材料を介して底泥層内に酸素が供給される。
【００９８】
これにより底泥層内の還元状態が解消され、河川の底質及び底生動物の生息環境が改善される。
【００９９】
本実施の形態の底泥置換装置１では、開閉可能な底蓋４を備えたインナーケーシング３により底泥１５を除去し、アウターケーシング２により改質材料１７の埋設を行う構成により、改質材料１７の埋設に適した径にて底泥１５の除去及び改質材料１７の埋設を行うことが可能となる。
【０１００】
また、本実施の形態の底泥置換装置１では、底泥除去時に底泥１５をインナーケーシング３内に閉じ込め、底泥除去後に陸上あるいは作業船２５上で底蓋４を開放して底泥１５を取り出す構成であるため、底泥置換作業時に除去した底泥１５を回収することが可能になる。これにより作業時の水質汚濁発生を防ぐことができる。
【０１０１】
更に、本実施の形態の底泥置換方法では、図１４等で説明した方法により、底泥１５の除去作業と改質材料１７の埋設作業を底泥置換装置１のみで一連の流れで行うことができる。このため、底泥の除去作業と改質材料の埋設作業を別々の装置を用いて行う必要のある従来の底泥置換方法と比べて、底泥の置換作業に必要な装置の構成を単純化でき、また、施工作業の容易化及び施工期間の短縮化が実現できる。
【産業上の利用可能性】
【０１０２】
本発明は、河川等の水底の底泥を透水性のよい改質材料に置換する底泥置換装置に適用される。
【図面の簡単な説明】
【０１０３】
【図１】本実施の形態の底泥置換装置の例を示す概略斜視図である。
【図２】本実施の形態の底泥置換装置の例を示す説明図である。
【図３】本実施の形態の底泥置換装置の例を示す説明図である。
【図４】本実施の形態の底泥置換装置の例を示す説明図である。
【図５】本実施の形態の底泥置換装置の例を示す説明図である。
【図６】本実施の形態の底泥置換装置の例を示す説明図である。
【図７】本実施の形態の底蓋の例を示す構成図である。
【図８】本実施の形態の底蓋の開閉方法を示す説明図である。
【図９】本実施の形態の負圧防止管の例を示す構成図である。
【図１０】本実施の形態の補強板の例を示す構成図である。
【図１１】本実施の形態の底泥置換システムの例を示す説明図である。
【図１２】本実施の形態の底泥置換システムの例を示す説明図である。
【図１３】本実施の形態の底泥置換システムの他の例を示す説明図である。
【図１４】本実施の形態の底泥置換方法の過程を示す説明図である。
【図１５】本実施の形態の底泥置換方法の過程を示す説明図である。
【図１６】本実施の形態の底泥置換方法の過程を示す説明図である。
【図１７】本実施の形態の底泥置換方法の過程を示す説明図である。
【図１８】本実施の形態の底泥置換方法の過程を示す説明図である。
【図１９】本実施の形態の底泥置換方法の過程を示す説明図である。
【図２０】本実施の形態の底泥置換方法の過程を示す説明図である。
【図２１】本実施の形態の底泥置換方法の過程を示す説明図である。
【図２２】従来技術による底泥の除去方法を示す説明図である。
【図２３】従来技術による底泥の除去方法を示す説明図である。
【符号の説明】
【０１０４】
１ 底泥置換装置
２ アウターケーシング
３ インナーケーシング
４ 底蓋
６ 改質材料投入部
７ 復動シリンダー
１４ 負圧防止管
１６ 補強板
１５ 底泥
１７ 改質材料
１９ バックホウ
２１ 底蓋開閉装置
２２ 改質材料投入装置
２５ 作業船
【技術分野】
【０００１】
本発明は、河川等の水底の底泥を透水性のよい改質材料に置換する底泥置換装置、底泥置換システム及び底泥置換方法に関する。詳しくは、開閉可能な底蓋部を備え底泥の除去に用いられる内箱部及び、底泥が除去された空間への改質材料の埋設に用いられる外箱部を備え、内箱部と外箱部が連動して機能することで、底泥の除去と改質材料の埋設を一連の流れで行うことにより底泥置換作業の効率化を図るものである。
【背景技術】
【０００２】
近年、流水の停滞、生活排水による汚染等により、河川等の底に底泥（ヘドロ）が堆積する例が多くなっている。水底に底泥が堆積した場合、底生動物の生息環境が悪化して河川の浄化機能が損なわれ、その結果、水質の悪化、悪臭の発生等の原因になる。
【０００３】
この問題を解決するため、底泥の一部を透水性のよい改質材料に置換することで改質材料による底泥への酸素供給を可能にし、河川の底質及び底生動物の生息環境の改善を行う方法が提案されている。
【０００４】
この水質改善方法を実施する際には、底泥の一部を除去した後、底泥を除去した空間に改質材料を埋設することにより、底泥の改質材料への置換を行う。
【０００５】
従来の技術による底泥の置換は次のように行われる。まず底泥の除去方法としては、次のようなものがある。図２２はクラムシェル５０による底泥の除去方法を説明する断面図である。クラムシェル５０は断面されていない状態で示されている。
【０００６】
河川等の水底の砂層５１の上部に底泥が堆積し、底泥層５２が形成されている。底泥を除去する場所に円筒状のケーシング５３を打設する。ケーシング５３の打設後、ケーシング５３内部を排水し、ケーシング５３の内部をクラムシェル５０のバケット５０ａを開閉することにより掘削し、底泥を除去する。
【０００７】
図２３はオーガー５４による底泥の除去方法を説明する断面図である。オーガー５４は断面されていない状態で示されている。オーガー５４は、先端部にらせん状のスクリューを備えており、回転させながら底泥層５２内に圧入することにより、底泥層５２を掘削し、底泥を除去する。
【０００８】
上記のような方法にて底泥を除去した後、底泥を除去した空間に改質材料を埋設する。
【０００９】
また上記とは別に、河川等の水底における上層の底泥と下層の土又は砂等を置換することにより、底生動物の生息環境の改善を行う底泥置換装置が提案されている（例えば、特許文献１参照）。
【００１０】
特許文献１に開示される底泥置換装置は、攪拌装置により掘削された下層の土又は砂等を、吸引装置により上層の底泥の上又は水面上に持ち上げることにより、河川等の水底における上層の底泥と下層の土又は砂等を置換し、底生動物の生息環境の改善を行う底泥置換装置である。
【００１１】
【特許文献１】特開２００３−８２６４０公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【００１２】
しかし、前述した従来の底泥の置換方法では次のような問題がある。まず、クラムシェル５０により底泥を除去する場合、改質材料の埋設に適した小口径の穴での底泥の除去ができない。
【００１３】
また、オーガー５４にて底泥を除去する場合、除去した底泥が作業場所の周囲の水中に拡散してしまい回収が困難であるため、作業時の水質汚濁が発生する問題がある。ケーシング５３を使用してオーガー５４による底泥除去を行った場合も、ケーシング５３とオーガー５４の隙間から除去した底泥が落ちる、底泥がオーガー５４のスクリューに付着して撤去できない等の問題がある。
【００１４】
このため、オーガー５４にて底泥の除去を行った場合は、底泥除去後の改質材料の埋設が困難になる。
【００１５】
更に、従来の底泥の置換方法では、底泥の除去作業と改質材料の埋設作業を別々の装置を用いて行う必要があるため、作業効率が悪く、施工期間が長期化してしまう問題がある。
【００１６】
また、特許文献１にて提案されている底泥置換装置は、上層の底泥と下層の土又は砂等を置換する構成となっており、底泥の一部を改質材料に置換する作業には適用できない。
【００１７】
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、改質材料の埋設に適した小口径の底泥の除去及び改質材料の埋設を、一連の流れにて行うことが可能な底泥置換装置、底泥置換システム及び底泥置換方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１８】
上述した問題を解決するため、本発明に係る底泥置換装置は、水底の底泥を改質材料に置換する底泥置換装置であって、下面が開放され、外部と内部を連通する改質材料投入穴部を側面に備えた筒状の外箱部と、外箱部に対して挿入されて内接する筒状で、開閉可能な底蓋部を下面に備え、底蓋部を開放して底泥を取り込む底泥取り込み位置から、底蓋部を閉鎖して取り込んだ底泥を持ち上げて改質材料投入穴部を開放する改質材料投入位置まで、外箱部に対して上下方向に直動自在な内箱部を備えたことを特徴とするものである。
【００１９】
本発明に係る底泥置換装置では、次のような方法で底泥の置換作業が行われる。除去する底泥の高さに合わせて、底蓋部を開放した状態で内箱部及び外箱部を底泥層内に圧入する。これにより、底蓋部が開放した内箱部の下面より、除去対象の底泥を内箱部内に入れる。
【００２０】
その後、底蓋部を閉鎖し底蓋部により除去対象の底泥を内箱部内部に閉じ込めた状態にして、改質材料投入穴部を開放する位置まで、外箱部に対して内箱部を持ち上げる。これにより、底泥層より除去対象の底泥が取り除かれた空間を外箱部内に形成する。
【００２１】
その後、改質材料投入穴部より改質材料を投入し、除去対象の底泥が取り除かれた空間に改質材料を埋設する。
【００２２】
上述した問題を解決するため、本発明に係る底泥置換システムは、水底の底泥を改質材料に置換する底泥置換システムであって、下面が開放され、外部と内部を連通する改質材料投入穴部を側面に備えた筒状の外箱部と、外箱部に対して挿入されて内接する筒状で、開閉可能な底蓋部を下面に備え、底蓋部を開放して底泥を取り込む底泥取り込み位置から、底蓋部を閉鎖して取り込んだ底泥を持ち上げて改質材料投入穴部を開放する改質材料投入位置まで、外箱部に対して上下方向に直動自在な内箱部を備えた底泥置換装置と、底蓋部の開閉を行う開閉手段と、底泥置換装置を水底に降ろし、水底での昇降を行う上下装置と、改質材料投入穴部に対して改質材料の投入を行う改質材料投入装置を備えたことを特徴とするものである。
【００２３】
本発明に係る底泥置換システムでは、次のような方法で底泥の置換作業が行われる。底泥置換装置を上下装置に取り付け、上下装置により底泥置換装置を置換対象の底泥層の上部に設置する。その後、底蓋部を開放した状態で、除去する底泥の高さに合わせて内箱部及び外箱部を底泥層内に圧入し、除去対象の底泥を内箱部内部に入れる。
【００２４】
その後、除去対象の底泥が内箱部内部に入った状態で、開閉装置により前記底蓋部を閉鎖する。その後、改質材料投入穴部を開放する位置まで、上下装置により内箱部を外箱部に対して持ち上げ、底泥層より除去対象の底泥が取り除かれた空間を外箱部内に形成する。
【００２５】
その後、改質材料投入穴部より改質材料を投入し、除去対象の底泥が取り除かれた空間に改質材料を埋設する。改質材料の埋設後、上下装置により底泥層内から底泥置換装置を持ち上げる。
【００２６】
上述した問題を解決するため、本発明に係る底泥置換方法は、水底の底泥を改質材料に置換する底泥置換方法であって、下面が開放され、外部と内部を連通する改質材料投入穴部を側面に備えた筒状の外箱部及び、外箱部に対して挿入されて内接する筒状で、開閉可能な底蓋部を下面に備え、外箱部に対して上下方向に直動自在な内箱部を備えた底泥置換装置を用い、除去する底泥の高さに合わせて、底蓋部を開放した状態で内箱部及び外箱部を底泥層内に圧入して内箱部内に底泥を入れ、底蓋部を閉鎖して、改質材料投入穴部が開放される位置まで外箱部に対して内箱部を持ち上げ、底泥層より底泥を除去して、外箱部内に底泥が除去された空間を形成し、改質材料投入穴部より改質材料を投入し、外箱部内部の底泥が除去された空間に改質材料を埋設し、底泥置換装置を底泥層内から持ち上げることを特徴とするものである。
【００２７】
本発明に係る底泥置換方法では、除去する底泥の高さに合わせて、底蓋部が開放した状態で内箱部及び外箱部が底泥層内に圧入され、除去対象の底泥が内箱部内部に入れられる。その後、除去対象の底泥が内箱部内部に入れられた状態で底蓋部が閉鎖される。その後、改質材料投入穴部を開放する位置まで、外箱部に対して内箱部が持ち上げられ、底泥層より除去対象の底泥が取り除かれた空間が、外箱部内に設けられる。
【００２８】
その後、改質材料投入穴部より改質材料が投入され、除去対象の底泥が取り除かれた空間に改質材料が埋設される。
【発明の効果】
【００２９】
本発明の底泥置換装置によれば、開閉可能な底蓋部を備え底泥の除去に用いられる内箱部及び、底泥が除去された空間への改質材料の埋設に用いられる外箱部を備え、内箱部が外箱部に挿入されて内接して、内箱部と外箱部が連動して機能する構成により、底泥の除去作業と改質材料の埋設作業を同一の装置により、一連の流れにて行うことが可能になる。これにより、施工作業の容易化及び施工期間の短縮化が実現できる。
【００３０】
また、改質材料の埋設に適した小口径の穴での底泥の除去及び改質材料の置換を行うことができる。
【００３１】
また、開閉可能な底蓋部を備えた内箱部を用いて底泥を除去する構成により、底泥の除去を確実に行うことができる。
【００３２】
更に、底泥の除去作業と改質材料の埋設作業を同一の装置により行うことにより、底泥の置換作業に必要な装置の構成を単純化できる。
【００３３】
本発明の底泥置換システムによれば、開閉可能な底蓋部を備え底泥の除去に用いられる内箱部及び、底泥が除去された空間への改質材料の埋設に用いられる外箱部を備え、内箱部が外箱部に挿入されて内接して、内箱部と外箱部が連動して機能する底沼置換装置、底蓋部の開閉手段、底泥置換装置の上下装置及び改質材料投入装置を備えた構成により、底泥の除去作業と改質材料の埋設作業を同一の装置により、一連の流れにて行うことが可能になる。これにより、施工作業の容易化及び施工期間の短縮化が実現できる。
【００３４】
また、本発明の底泥置換システムによれば、水底の底泥層に所望の配置で改質材料の埋設を行うことができるので、改質材料による水質改善の効果を促進できる。
【００３５】
本発明の底泥置換方法によれば、開閉可能な底蓋部を備え底泥の除去に用いられる内箱部及び、底泥が除去された空間への改質材料の埋設に用いられる外箱部を備え、内箱部が外箱部に挿入されて内接して、内箱部と外箱部が連動して機能する底沼置換装置を用いた置換方法により、底泥の除去作業と改質材料の埋設作業を同一の装置により、一連の流れにて行うことが可能になる。これにより、施工作業の容易化及び施工期間の短縮化が実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００３６】
以下図面を参照して、本発明の底泥置換装置、底泥置換システム及び底泥置換方法の実施の形態について説明する。
【００３７】
＜本実施の底泥置換装置の構成例＞
図１から図６は、本実施の形態の底泥置換装置１の一例を示す説明図である。図１は概略斜視図であり、説明のため構成の一部を透視した状態で破線にて示している。図２から図５は底泥置換装置１の断面図であり、図２及び図４は図１のＡ−Ａ断面を示し、図３及び図５は図１のＢ−Ｂ断面を示したものである。図２から図５は全て後述する復動シリンダー７が切断されていない状態で示している。
【００３８】
図６は、底泥置換装置１の上方または下方から見た状態を示した図であり、図６（ａ）は図１の矢印Ｃで示すように底泥置換装置１を上方から見た状態を示し、図６（ｂ）は図４のＥ−Ｅ断面を示し、図６（ｃ）は図１の矢印Ｄで示すように底泥置換装置１を下方から見た状態を示したものである。
【００３９】
本実施の形態の底泥置換装置１は、円筒状のアウターケーシング２と、同じく円筒状でアウターケーシング２に内接したインナーケーシング３を備える。アウターケーシング２は外箱部の一例であり、インナーケーシング３は内箱部の一例である。
【００４０】
インナーケーシング３は、下面に開閉可能な底蓋４を備え、上部に上フランジ５ａ及び下フランジ５ｂから構成されるフランジ５を備える。底蓋４は底蓋部の一例である。
【００４１】
アウターケーシング２は下面が開放されており、側面の一部が開口されて外部と内部を連通する改質材料投入部６を、例えば二つ備える。改質材料投入部６は改質材料投入穴部の一例である。また、改質材料投入部６は、後述する改質材料投入管２２ｇが取り付け可能な構成となっている。
【００４２】
インナーケーシング３はアウターケーシング２に挿入され、アウターケーシング２に対して、底泥を取り込む底泥取り込み位置から、改質材料投入部６を開放して改質材料の投入を行う改質材料投入位置まで上下方向に直動自在な構成となっている。
【００４３】
図２及び図３は、底蓋４が開放され、インナーケーシング３がアウターケーシング２に対して底泥取り込み位置にある状態を示している。図４及び図５は、底蓋４が閉鎖され、インナーケーシング３がアウターケーシング２に対して改質材料投入位置にある状態を示している。
【００４４】
インナーケーシング３が底泥取り込み位置にある状態では、アウターケーシング２及びインナーケーシング３は、例えば次のような位置関係となる。図２及び図３に示すように、インナーケーシング３の上部に固定された下フランジ５ｂとアウターケーシング２の上部が接し、アウターケーシング２とインナーケーシング３の下端が同一の高さとなる。
【００４５】
また、下フランジ５ｂによりインナーケーシング３がアウターケーシング２に対して底泥取り込み位置より下部に位置することを防ぐ構成になっている。下フランジ５ｂによりインナーケーシング３が底泥取り込み位置より下方に位置することを防ぐ構成は、位置決め手段の一例である。
【００４６】
インナーケーシング３が改質材料投入位置にある状態では、アウターケーシング２及びインナーケーシング３は、例えば次のような位置関係となる。図４及び図５に示すように、改質材料投入部６が開放される位置に、インナーケーシング３はアウターケーシング２に対して上方に持ち上げられた状態となる。これにより、インナーケーシング３下方のアウターケーシング２内部の空間と外部が、改質材料投入部６を通じて連通した状態になる。
【００４７】
また、例えば図１、図３及び図５に示すように、アウターケーシング２のワイヤー取り付け部８及びインナーケーシング３のワイヤー取り付け部９がケーシングワイヤー１０にて結ばれている。
【００４８】
図５に示すように、ケーシングワイヤー１０はインナーケーシング３が改質材料投入位置にある時に張った状態になり、インナーケーシング３がアウターケーシング２に対して改質材料投入位置より上方に位置することを防ぐ構成になっている。ケーシングワイヤー１０により、インナーケーシング３が改質材料投入位置より上方に位置することを防ぐ構成は、位置決め手段の一例である。
【００４９】
底蓋４は、例えば上フランジ５ａにナットにより懸吊されて固定された、四本のクレビス１１に取り付けられている。クレビス１１は、例えば二つのクレビス可動部１１ａを備え、それぞれのクレビス可動部１１ａにて回転自在な構成となっている。図２等に示すように、一つのクレビス可動部１１ａを底蓋４への取り付け部に備え、もう一つのクレビス可動部１１ａを底蓋４上部の所定の高さに備える。
【００５０】
図７は底蓋４の構成の一例を示したものである。底蓋４は、例えば二枚の蓋部４ａ及び回転軸４ｂ等を備える。蓋部４ａは半円形で直線部に回転軸穴４ｃを備えており、二枚の蓋部４ａの回転軸穴４ｃが重なりあった状態でそれぞれの回転軸穴４ｃに回転軸４ｂが挿入されることで、二枚の蓋部４ａが回転軸４ｂを支点にして回転自在な構成となっている。
【００５１】
また、蓋部４ａは図１等に示す復動シリンダー７に取り付けられたピストンロッド１２を回転軸４ｂに取り付けるためのピストンロッド用穴４ｄ及び、図２等に示すクレビス可動部１１ａを取り付けるためのクレビス取り付け部４ｅを備える。
【００５２】
また、回転軸４ｂはピストンロッド用穴４ｄに対応した位置にピストンロッド取り付け部４ｆを備える。ピストンロッド１２が、ピストンロッド用穴４ｄを通ってピストンロッド取り付け部４ｆに取り付けられている。
【００５３】
また、復動シリンダー７によりピストンロッド１２を所定の範囲で上下に動かすことが可能となっている。復動シリンダー７は開閉手段の一例である。
【００５４】
図８（ａ）から図８（ｃ）は、底蓋４の開閉方法を説明した要部断面図であり、図１のＡ−Ａにて切断された状態を示している。まず図８（ａ）に示す底蓋４が閉鎖された状態では、図１等に示す復動シリンダー７によりピストンロッド１２が下方に下げられることで回転軸４ｂが下方へ移動し、二枚の蓋部４ａが回転軸４ｂを支点に開いて、インナーケーシング３に取り付けられた底蓋ストッパー１３により押さえられた状態となっている。
【００５５】
復動シリンダー７によりピストンロッド１２を持ち上げると、図８（ｂ）に示すように回転軸４ｂが持ち上げられることで、二枚の蓋部４ａは中心側の端部が持ち上げられ、それぞれの蓋部４ａが、各クレビス可動部１１ａを支点に回転しながら、回転軸４ｂを支点に回転して、蓋部４ａが底蓋ストッパー１３より外れ、底蓋４が開いた状態になる。
【００５６】
復動シリンダー７によりピストンロッド１２を更に持ち上げ、図８（ｃ）に示すように二枚の蓋部４ａが重なり合う状態になることで、底蓋４が完全に開放される。
【００５７】
図８（ｃ）に示す底蓋４が開放された状態で、復動シリンダー７によりピストンロッド１２を下方に下げると、開放時とは逆の動作にて回転軸４ｂ及び各クレビス可動部１１ａを支点にして二枚の蓋部４ａ及びクレビス１１が回転し、底蓋４が閉鎖する。図８（ａ）に示すように二枚の蓋部４ａが底蓋ストッパー１３により押さえられた状態になるまでピストンロッド１２を下方に下げることで、底蓋４が完全に閉鎖される。
【００５８】
本例の底蓋４では、二枚の蓋部４ａを連結する回転軸４ｂの上下動により、回転軸４ｂを支点とした回転動作で蓋部４ａを開閉するようにした。これにより、インナーケーシング３の下面の近傍に底蓋４を設けて、インナーケーシング３の下面を閉鎖すると共に、インナーケーシング３の下面から突出させることなく、底蓋４を開放することができる。
【００５９】
図９は図６（ｂ）のＦ−Ｆ断面図であり、負圧防止管１４を示す説明図である。底蓋４を閉鎖してインナーケーシング３をアウターケーシング２に対して底泥取り込み位置から上方に持ち上げた状態で、図６（ｂ）のＦ−Ｆ断面にて切断された部材のみを示している。負圧防止管１４は、負圧防止手段の一例である。
【００６０】
負圧防止管１４は、例えば図９に示すようにアウターケーシング２の側面の下方に設けられた側面負圧防止穴部２ａと、アウターケーシング２外部の側面の置換対象の底泥に応じた高さの位置とを連通する管状の部材等で構成される。負圧防止管上端部１４ａは、置換対象の底泥に応じた高さに位置する。
【００６１】
図９に示すように、底蓋４を閉鎖してインナーケーシング３をアウターケーシング２に対して底泥取り込み位置から持ち上げることにより、アウターケーシング２内部でインナーケーシング３の底蓋４の下方の空間と、アウターケーシング２外部の水中が、負圧防止管１４にて連通された状態となる。
【００６２】
図１０は図６（ｂ）のＧ−Ｇ断面にて切断された部材のみを示した断面図であり、補強板１６を示す説明図である。クレビス１１は図示していない。補強板１６は補強部の一例である。
【００６３】
アウターケーシング２の外部の側面に、上下方向に伸びた板状の補強板１６が備えられる。補強板１６は、例えば図１０に示すようにアウターケーシング２の外部側面下方部にて備えられる。更に、例えば図６（ｂ）に示すように、二つの補強板１６がアウターケーシング２の外部側面の向かい合う位置に備えられる。
【００６４】
＜本実施の底泥置換システムの構成例＞
次に、図１等で説明した構成の底泥置換装置１を用いた底泥置換システム１８について説明する。
【００６５】
図１１及び図１２は本実施の形態の底泥置換システム１８の一例を示す説明図である。底泥置換システム１８は、バックホウ１９、底蓋開閉装置２１及び改質材料投入装置２２等を備える。本例の底泥置換システム１８は、バックホウ１９、底蓋開閉装置２１及び改質材料投入装置２２が陸上に設置される例を示す。
【００６６】
底泥置換作業の対象となる水中では、図１２に示すように、河川等の水底の砂層２４の上部に底泥が堆積して底泥層２３が形成されている。底泥置換システム１８では底泥層２３の一部を除去し、改質材料１７の埋設を行う。
【００６７】
図１２に示すように底泥置換装置１は、例えば装置取り付け部２０を介してフランジ５にて汎用的なバックホウ１９のアーム部１９ａの先端に取り付け可能な構成となっている。バックホウ１９は上下装置の一例である。バックホウ１９により底泥置換装置１を水底に下ろし、水底での昇降を行うことができる。
【００６８】
図１１に示すように底蓋開閉装置２１は、油圧ユニット２１ａ及び油圧ユニット２１ａに接続された油圧ホース２１ｂにより構成され、図１２に示すように油圧ホース２１ｂは底泥置換装置１の復動シリンダー７に接続される。油圧ユニット２１ａ及び油圧ホース２１ｂにより復動シリンダー７を動作させピストンロッド１２を上下させることで、図８にて説明したように底蓋４の開閉を行う。
【００６９】
図１１に示すように改質材料投入装置２２は、作業用水槽２２ａ、作業用水中ポンプ２２ｂ、作業用水管２２ｃ、チーズ管２２ｄ、ボールバルブ２２ｅ、改質材料投入用ホッパー２２ｆ及び改質材料投入管２２ｇにより構成される。
【００７０】
作業用水槽２２ａ内に作業用水中ポンプ２２ｂが設置され、作業用水中ポンプ２２ｂに作業用水管２２ｃが接続される。作業用水管２２ｃはチーズ管２２ｄにより分岐され、ボールバルブ２２ｅを介して二つ改質材料投入用ホッパー２２ｆにそれぞれ接続される。
【００７１】
これにより、作業用水中ポンプ２２ｂを動作させて、改質材料１７の投入作業に用いられる作業用水を二つの改質材料投入用ホッパー２２ｆへ供給する。また、二つの改質材料投入用ホッパー２２ｆに対する作業用水の供給は、それぞれの改質材料投入用ホッパー２２ｆに接続されたボールバルブ２２ｅを開閉することにより、別々に行うことができる。
【００７２】
二つの改質材料投入用ホッパー２２ｆにそれぞれ改質材料投入管２２ｇが接続される。改質材料投入管２２ｇは、図１２に示すように底泥置換装置１の二つの改質材料投入部６にそれぞれ接続される。作業用水槽２２ａより改質材料投入用ホッパー２２ｆに対して作業用水を供給しながら、改質材料投入用ホッパー２２ｆに改質材料１７を投入することにより、改質材料投入部６への改質材料１７の投入が行われる。
【００７３】
図１１で示される底泥置換システム１８は、底泥置換対象の場所が陸上から近い場合に適用される。底泥置換作業に用いられる各装置を陸上に設置することが可能であるため、各装置の設置及び移動作業を容易に行うことが可能になる。
【００７４】
図１３は本実施の形態の底泥置換システム１８の他の例を示す説明図である。図１３で示される底泥置換システム１８においては、バックホウ１９、底蓋開閉装置２１及び改質材料投入装置２２が作業船２５上に設置される。
【００７５】
図１３で示される底泥置換システム１８では、改質材料投入装置２２は、作業用水中ポンプ２２ｂ、作業用水管２２ｃ、チーズ管２２ｄ、ボールバルブ２２ｅ、改質材料投入用ホッパー２２ｆ及び、改質材料投入管２２ｇにより構成される。また、作業用水中ポンプ２２ｂは図１３に示すように水中に設置される。
【００７６】
図１１で示される底泥置換システム１８の改質材料投入装置２２と同様に、作業用水中ポンプ２２ｂ、作業用水管２２ｃ、チーズ管２２ｄ、二つのボールバルブ２２ｅ、二つの改質材料投入用ホッパー２２ｆ及び二つの改質材料投入管２２ｇが接続され、図１２に示すように二つの改質材料投入管２２ｇが底泥置換装置１の改質材料投入部６にそれぞれ接続される。
【００７７】
改質材料投入部６に改質材料１７を投入する際の作業用水は、水中に設置された作業用水中ポンプ２２ｂにより水中から供給される。
【００７８】
図１３で示される底泥置換システム１８は、底泥置換対象の場所が陸上から離れている場合、陸上にバックホウ１９、底蓋開閉装置２１及び改質材料投入装置２２等の設置エリアが確保できない場合に適用可能である。
【００７９】
図１１及び図１３で示される底泥置換システム１８を用いることにより、河川等の水底の底泥層２３に所望の配置で底泥の置換及び改質材料１７の埋設を行うことができ、改質材料１７による水質改善の効果を促進することが可能になる。
【００８０】
＜本実施の底泥置換方法例＞
次に、図１等で説明した底泥置換装置１及び、図１１等で説明した底泥置換システム１８の動作を、底泥置換方法の実施の形態として説明する。
【００８１】
図１４から図２１は底泥置換の過程を示す断面図である。復動シリンダー７、アーム部１９ａ、油圧ホース２１ｂ、装置取り付け部２０及び、改質材料投入管２２ｇは切断されていない状態で示されている。図１４から図２１を用いて底泥置換の過程を説明する。
【００８２】
図１４はアウターケーシング２が底泥層２３に着底した状態を示し、図１５はインナーケーシング３が底泥層２３に着底した状態を示している。
【００８３】
バックホウ１９のアーム部１９ａに取り付けられた底泥置換装置１を、バックホウ１９により、水底の砂層２４の上部に形成された底泥層２３上の底泥置換作業場所に設置する。図１４に示すように、バックホウ１９により底泥置換装置１を降ろしてアウターケーシング２を底泥層２３に着底させる。
【００８４】
その後、図１５に示すようにバックホウ１９によりインナーケーシング３を降ろし、インナーケーシング３を底泥層２３に着底させる。この時、インナーケーシング３はアウターケーシング２に対して底泥取り込み位置に位置する状態になる。更に底蓋開閉装置２１により底蓋４を完全に開放した状態にする。
【００８５】
図１６は、インナーケーシング３及びアウターケーシング２を底泥層２３内に圧入した状態を示したものである。バックホウ１９によりインナーケーシング３及びアウターケーシング２を、除去対象の底泥１５の高さに合わせて底泥層２３内に圧入する。
【００８６】
この時、下フランジ５ｂによりインナーケーシング３がアウターケーシング２に対して底泥取り込み位置より下部に位置することを防ぐ構成になっているため、バックホウ１９により装置取り付け部２０を介してインナーケーシング３に下方へ力が加えられることにより、インナーケーシング３及びアウターケーシング２が一体となって底泥層２３内に圧入される。
【００８７】
また、図１０等で説明したアウターケーシング２の外部の側面に備えられた補強板１６により、バックホウ１９によるインナーケーシング３及びアウターケーシング２の底泥層２３への圧入時に、アウターケーシング２が歪むことが防止される。
【００８８】
またこの時、底蓋４が開放されたインナーケーシング３の下面より、除去対象の底泥１５がインナーケーシング３内に入れられる。
【００８９】
図１７は、インナーケーシング３及びアウターケーシング２を底泥層２３内に圧入した状態で、底蓋４を閉鎖した状態を示したものである。除去対象の底泥１５をインナーケーシング３内に入れた状態で、底蓋開閉装置２１により図８にて説明した動作で底蓋４を閉鎖し、除去対象の底泥１５をインナーケーシング３内に閉じ込めた状態にする。
【００９０】
図１８及び図１９は、底泥１５をインナーケーシング３内に閉じ込めた状態で、インナーケーシング３をアウターケーシング２に対して改質材料投入位置まで持ち上げた状態を示したものである。図１９は底泥置換装置１を図６（ｂ）のＦ−Ｆにて切断した状態を示している。
【００９１】
バックホウ１９により、底泥１５を内部に閉じ込めた状態でインナーケーシング３を改質材料投入位置まで持ち上げ、底泥層２３から底泥１５を除去し、アウターケーシング２内に底泥１５が除去された空間を形成する。またこの時、図１９に示すように負圧防止管１４の負圧防止管上端部１４ａが、底泥層２３の上面より上方に位置した状態にある。
【００９２】
このため、インナーケーシング３を持ち上げる際に、アウターケーシング２内部の底泥１５が除去された空間と、アウターケーシング２外部の水中が負圧防止管１４にて連通された状態になる。よって、アウターケーシング２内部の底泥１５が除去された空間に負圧が生じることが防がれ、底泥１５を内部に閉じ込めた状態でのインナーケーシング３の持ち上げを容易に行うことが可能になる。
【００９３】
図２０は、底泥層２３から底泥１５を除去した空間に改質材料１７を埋設した状態を示したものである。底泥層２３から底泥１５を除去した空間の形成後、図１１等で説明した改質材料投入装置２２により、改質材料１７を改質材料投入部６よりアウターケーシング２内に投入する。これにより、底泥層２３から底泥１５を除去した空間に改質材料１７を埋設する。
【００９４】
図２１は、底泥層２３内から底泥置換装置１を持ち上げた状態を示したものである。改質材料１７の埋設後、バックホウ１９により底泥層２３内から底泥置換装置１を持ち上げる。この時、図５に示すようにケーシングワイヤー１０が張った状態となり、改質材料投入位置より上方にインナーケーシング３がアウターケーシング２に対して位置することを防ぐ構成になっている。
【００９５】
このため、バックホウ１９により装置取り付け部２０を介してインナーケーシング３に上方へ力が加えられることにより、インナーケーシング３及びアウターケーシング２が一体となって上方に持ち上げられる。
【００９６】
この結果、河川等の水底において底泥層２３より底泥１５が除去され、改質材料１７が埋設された状態になる。
【００９７】
また、本実施の形態の底泥置換方法では、改質材料１７として例えば石炭灰を主材料として加水混合し、造粒方法により粒状に作製された石炭灰材料が用いられる。例えば潮の干満がある感潮河川にて、水底に堆積した底泥層の一部を石炭灰材料に置換することにより、潮の潮汐により埋設された石炭灰材料内に水の流れが生じ、石炭灰材料を介して底泥層内に酸素が供給される。また、干潮時には空気中より石炭灰材料を介して底泥層内に酸素が供給される。
【００９８】
これにより底泥層内の還元状態が解消され、河川の底質及び底生動物の生息環境が改善される。
【００９９】
本実施の形態の底泥置換装置１では、開閉可能な底蓋４を備えたインナーケーシング３により底泥１５を除去し、アウターケーシング２により改質材料１７の埋設を行う構成により、改質材料１７の埋設に適した径にて底泥１５の除去及び改質材料１７の埋設を行うことが可能となる。
【０１００】
また、本実施の形態の底泥置換装置１では、底泥除去時に底泥１５をインナーケーシング３内に閉じ込め、底泥除去後に陸上あるいは作業船２５上で底蓋４を開放して底泥１５を取り出す構成であるため、底泥置換作業時に除去した底泥１５を回収することが可能になる。これにより作業時の水質汚濁発生を防ぐことができる。
【０１０１】
更に、本実施の形態の底泥置換方法では、図１４等で説明した方法により、底泥１５の除去作業と改質材料１７の埋設作業を底泥置換装置１のみで一連の流れで行うことができる。このため、底泥の除去作業と改質材料の埋設作業を別々の装置を用いて行う必要のある従来の底泥置換方法と比べて、底泥の置換作業に必要な装置の構成を単純化でき、また、施工作業の容易化及び施工期間の短縮化が実現できる。
【産業上の利用可能性】
【０１０２】
本発明は、河川等の水底の底泥を透水性のよい改質材料に置換する底泥置換装置に適用される。
【図面の簡単な説明】
【０１０３】
【図１】本実施の形態の底泥置換装置の例を示す概略斜視図である。
【図２】本実施の形態の底泥置換装置の例を示す説明図である。
【図３】本実施の形態の底泥置換装置の例を示す説明図である。
【図４】本実施の形態の底泥置換装置の例を示す説明図である。
【図５】本実施の形態の底泥置換装置の例を示す説明図である。
【図６】本実施の形態の底泥置換装置の例を示す説明図である。
【図７】本実施の形態の底蓋の例を示す構成図である。
【図８】本実施の形態の底蓋の開閉方法を示す説明図である。
【図９】本実施の形態の負圧防止管の例を示す構成図である。
【図１０】本実施の形態の補強板の例を示す構成図である。
【図１１】本実施の形態の底泥置換システムの例を示す説明図である。
【図１２】本実施の形態の底泥置換システムの例を示す説明図である。
【図１３】本実施の形態の底泥置換システムの他の例を示す説明図である。
【図１４】本実施の形態の底泥置換方法の過程を示す説明図である。
【図１５】本実施の形態の底泥置換方法の過程を示す説明図である。
【図１６】本実施の形態の底泥置換方法の過程を示す説明図である。
【図１７】本実施の形態の底泥置換方法の過程を示す説明図である。
【図１８】本実施の形態の底泥置換方法の過程を示す説明図である。
【図１９】本実施の形態の底泥置換方法の過程を示す説明図である。
【図２０】本実施の形態の底泥置換方法の過程を示す説明図である。
【図２１】本実施の形態の底泥置換方法の過程を示す説明図である。
【図２２】従来技術による底泥の除去方法を示す説明図である。
【図２３】従来技術による底泥の除去方法を示す説明図である。
【符号の説明】
【０１０４】
１ 底泥置換装置
２ アウターケーシング
３ インナーケーシング
４ 底蓋
６ 改質材料投入部
７ 復動シリンダー
１４ 負圧防止管
１６ 補強板
１５ 底泥
１７ 改質材料
１９ バックホウ
２１ 底蓋開閉装置
２２ 改質材料投入装置
２５ 作業船
【特許請求の範囲】
【請求項１】
水底の底泥を改質材料に置換する底泥置換装置であって、
下面が開放され、外部と内部を連通する改質材料投入穴部を側面に備えた筒状の外箱部と、
前記外箱部に対して挿入されて内接する筒状で、開閉可能な底蓋部を下面に備え、前記底蓋部を開放して底泥を取り込む底泥取り込み位置から、前記底蓋部を閉鎖して取り込んだ底泥を持ち上げて前記改質材料投入穴部を開放する改質材料投入位置まで、前記外箱部に対して上下方向に直動自在な内箱部を備えた
ことを特徴とする底泥置換装置。
【請求項２】
前記外箱部に対する前記内箱部の移動範囲を制限する位置決め手段を備えた
ことを特徴とする請求項１記載の底泥置換装置。
【請求項３】
前記内箱部が前記外箱部に対して、前記底泥取り込み位置と前記改質材料投入位置の間を移動する際に、前記外箱部内部で前記内箱部の前記底蓋部の下方の空間と、前記外箱部外部の水中を連通する負圧防止手段を、前記外箱部の側面に備えた
ことを特徴とする請求項１または請求項２記載の底泥置換装置。
【請求項４】
前記外箱部は、外部の側面に上下方向へ伸びた板状の補強部を備えた
ことを特徴とする請求項１、請求項２または請求項３記載の底泥置換装置。
【請求項５】
前記底蓋部は、回転軸を挟んで回転自在に連結された二枚の蓋部を備え、
二枚の前記蓋部が前記回転軸の昇降動作で前記回転軸を支点に回転することにより、前記底蓋部が開閉する
ことを特徴とする請求項１、請求項２、請求項３または請求項４記載の底泥置換装置。
【請求項６】
水底の底泥を改質材料に置換する底泥置換システムであって、
下面が開放され、外部と内部を連通する改質材料投入穴部を側面に備えた筒状の外箱部と、前記外箱部に対して挿入されて内接する筒状で、開閉可能な底蓋部を下面に備え、前記底蓋部を開放して底泥を取り込む底泥取り込み位置から、前記底蓋部を閉鎖して取り込んだ底泥を持ち上げて前記改質材料投入穴部を開放する改質材料投入位置まで、前記外箱部に対して上下方向に直動自在な内箱部を備えた底泥置換装置と、
前記底蓋部の開閉を行う開閉手段と、
前記底泥置換装置を水底に降ろし、水底での昇降を行う上下装置と、
前記改質材料投入穴部に対して前記改質材料の投入を行う改質材料投入装置を備えた
ことを特徴とする底泥置換システム。
【請求項７】
前記上下装置及び前記改質材料投入装置が、陸上に設置されている
ことを特徴とする請求項６記載の底泥置換システム。
【請求項８】
前記上下装置及び前記改質材料投入装置が、作業船上に設置されている
ことを特徴とする請求項６記載の底泥置換システム。
【請求項９】
水底の底泥を改質材料に置換する底泥置換方法であって、
下面が開放され、外部と内部を連通する改質材料投入穴部を側面に備えた筒状の外箱部及び、前記外箱部に対して挿入されて内接する筒状で、開閉可能な底蓋部を下面に備え、前記外箱部に対して上下方向に直動自在な内箱部を備えた底泥置換装置を用い、
除去する前記底泥の高さに合わせて、前記底蓋部を開放した状態で前記内箱部及び前記外箱部を底泥層内に圧入して前記内箱部内に前記底泥を入れ、
前記底蓋部を閉鎖して、前記改質材料投入穴部が開放される位置まで前記外箱部に対して前記内箱部を持ち上げ、前記底泥層より前記底泥を除去して、前記外箱部内に前記底泥が除去された空間を形成し、
前記改質材料投入穴部より前記改質材料を投入し、前記外箱部内部の前記底泥が除去された空間に前記改質材料を埋設し、
前記底泥置換装置を前記底泥層内から持ち上げる
ことを特徴とする底泥置換方法。
【請求項１】
水底の底泥を改質材料に置換する底泥置換装置であって、
下面が開放され、外部と内部を連通する改質材料投入穴部を側面に備えた筒状の外箱部と、
前記外箱部に対して挿入されて内接する筒状で、開閉可能な底蓋部を下面に備え、前記底蓋部を開放して底泥を取り込む底泥取り込み位置から、前記底蓋部を閉鎖して取り込んだ底泥を持ち上げて前記改質材料投入穴部を開放する改質材料投入位置まで、前記外箱部に対して上下方向に直動自在な内箱部を備えた
ことを特徴とする底泥置換装置。
【請求項２】
前記外箱部に対する前記内箱部の移動範囲を制限する位置決め手段を備えた
ことを特徴とする請求項１記載の底泥置換装置。
【請求項３】
前記内箱部が前記外箱部に対して、前記底泥取り込み位置と前記改質材料投入位置の間を移動する際に、前記外箱部内部で前記内箱部の前記底蓋部の下方の空間と、前記外箱部外部の水中を連通する負圧防止手段を、前記外箱部の側面に備えた
ことを特徴とする請求項１または請求項２記載の底泥置換装置。
【請求項４】
前記外箱部は、外部の側面に上下方向へ伸びた板状の補強部を備えた
ことを特徴とする請求項１、請求項２または請求項３記載の底泥置換装置。
【請求項５】
前記底蓋部は、回転軸を挟んで回転自在に連結された二枚の蓋部を備え、
二枚の前記蓋部が前記回転軸の昇降動作で前記回転軸を支点に回転することにより、前記底蓋部が開閉する
ことを特徴とする請求項１、請求項２、請求項３または請求項４記載の底泥置換装置。
【請求項６】
水底の底泥を改質材料に置換する底泥置換システムであって、
下面が開放され、外部と内部を連通する改質材料投入穴部を側面に備えた筒状の外箱部と、前記外箱部に対して挿入されて内接する筒状で、開閉可能な底蓋部を下面に備え、前記底蓋部を開放して底泥を取り込む底泥取り込み位置から、前記底蓋部を閉鎖して取り込んだ底泥を持ち上げて前記改質材料投入穴部を開放する改質材料投入位置まで、前記外箱部に対して上下方向に直動自在な内箱部を備えた底泥置換装置と、
前記底蓋部の開閉を行う開閉手段と、
前記底泥置換装置を水底に降ろし、水底での昇降を行う上下装置と、
前記改質材料投入穴部に対して前記改質材料の投入を行う改質材料投入装置を備えた
ことを特徴とする底泥置換システム。
【請求項７】
前記上下装置及び前記改質材料投入装置が、陸上に設置されている
ことを特徴とする請求項６記載の底泥置換システム。
【請求項８】
前記上下装置及び前記改質材料投入装置が、作業船上に設置されている
ことを特徴とする請求項６記載の底泥置換システム。
【請求項９】
水底の底泥を改質材料に置換する底泥置換方法であって、
下面が開放され、外部と内部を連通する改質材料投入穴部を側面に備えた筒状の外箱部及び、前記外箱部に対して挿入されて内接する筒状で、開閉可能な底蓋部を下面に備え、前記外箱部に対して上下方向に直動自在な内箱部を備えた底泥置換装置を用い、
除去する前記底泥の高さに合わせて、前記底蓋部を開放した状態で前記内箱部及び前記外箱部を底泥層内に圧入して前記内箱部内に前記底泥を入れ、
前記底蓋部を閉鎖して、前記改質材料投入穴部が開放される位置まで前記外箱部に対して前記内箱部を持ち上げ、前記底泥層より前記底泥を除去して、前記外箱部内に前記底泥が除去された空間を形成し、
前記改質材料投入穴部より前記改質材料を投入し、前記外箱部内部の前記底泥が除去された空間に前記改質材料を埋設し、
前記底泥置換装置を前記底泥層内から持ち上げる
ことを特徴とする底泥置換方法。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図１５】
【図１６】
【図１７】
【図１８】
【図１９】
【図２０】
【図２１】
【図２２】
【図２３】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図１５】
【図１６】
【図１７】
【図１８】
【図１９】
【図２０】
【図２１】
【図２２】
【図２３】
【公開番号】特開２００６−２７４５９９（Ｐ２００６−２７４５９９Ａ）
【公開日】平成１８年１０月１２日（２００６．１０．１２）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００５−９２９４８（Ｐ２００５−９２９４８）
【出願日】平成１７年３月２８日（２００５．３．２８）
【出願人】（５９４１２７３３０）中国高圧コンクリート工業株式会社 (37)
【出願人】（０００２１１３０７）中国電力株式会社 (6,505)
【公開日】平成１８年１０月１２日（２００６．１０．１２）
【国際特許分類】
【出願日】平成１７年３月２８日（２００５．３．２８）
【出願人】（５９４１２７３３０）中国高圧コンクリート工業株式会社 (37)
【出願人】（０００２１１３０７）中国電力株式会社 (6,505)
[ Back to top ]