説明

廃熱回収システム

【課題】ランキンサイクル回路の最終的な出力を向上させる。
【解決手段】廃熱回収システムにおいて、ランキンサイクル回路10のポンプ11の駆動部11dを冷凍サイクル回路20の圧力の異なる部分に接続し、圧力の異なる部分の圧力差によりポンプ11を駆動するように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発熱体の廃熱エネルギーを回収するランキンサイクル回路を備えた廃熱回収システムに関する。
【背景技術】
【0002】
発熱体の廃熱エネルギーを回収し、電力や動力に変換する方法としてランキンサイクル回路を用いる方法が知られている(特許文献1)。
【0003】
ランキンサイクル回路は、廃熱によってR134a、水等のランキン媒体を加熱して気体にする蒸発器、気体となったランキン媒体を膨張させて動力を回収する膨張機、膨張後のランキン媒体を凝縮液化する凝縮器、ランキン媒体を回路内に循環させるポンプとで構成されるシステムである。膨張機によって回収された動力はそのまま利用してもよいし、回収された動力で発電機を駆動すれば、電力として回収することができる。
【特許文献1】特開2005−56787公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、ランキンサイクル回路のポンプは電動モータにより駆動されており、ランキンサイクル回路の最終的な出力は、電動モータの消費エネルギー分だけ少ないものとなっていた。
【0005】
本発明は、このような技術的課題を鑑みてなされたもので、ランキンサイクル回路の最終的な出力を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明では、発熱体からの廃熱によってランキン媒体を加熱して気体にする蒸発器、気体となった前記ランキン媒体を膨張させて動力を回収する膨張機、膨張後の前記ランキン媒体を凝縮液化する凝縮器、及び、前記ランキン媒体を回路内に循環させるポンプを有するランキンサイクル回路を備えた廃熱回収システムにおいて、前記ポンプの駆動部を、前記ランキンサイクル回路とは別個に構成され回路内に作動流体を循環させる循環回路の圧力の異なる部分に接続し、前記圧力の異なる部分の圧力差により前記ポンプを駆動するように構成した。
【0007】
また、第2の発明では、第1の発明において、前記ポンプは、駆動側ピストンを収装し、前記駆動側ピストンの両側に前記循環回路から圧力の異なる作動流体を導入することで前記駆動側ピストンを移動させる前記駆動部としての駆動側シリンダと、前記駆動側ピストンに連結部材を介して連結される従動側ピストンを収装し、前記駆動側ピストンの移動により前記従動側ピストンが一方に移動するとシリンダ内に前記ランキン媒体を吸い込み、他方に移動するとシリンダ内の前記ランキン媒体を吐出する従動側シリンダと、
を備える。
【0008】
また、第3の発明では、第2の発明において、前記駆動側ピストンの受圧面積を前記従動側ピストンの受圧面積よりも大きくした。
【0009】
また、第4の発明では、第1から第3の発明において、前記ポンプの駆動部に接続される電動の補助モータを備え、前記循環回路における圧力差が十分でないときは前記補助モータにより前記ポンプを駆動するように構成した。
【0010】
また、第5の発明では、第1から第4の発明において、前記循環回路は冷凍サイクル回路であり、前記圧力の異なる部分は、前記冷凍サイクル回路の蒸発器と圧縮機の間の部分とそれよりも高圧となる圧縮機と凝縮器の間の部分である。
【0011】
また、第6の発明では、第1から第4の発明において、前記循環回路は前記発熱体からの廃熱を回収する第2ランキンサイクル回路であり、前記圧力の異なる部分は、前記第2ランキンサイクル回路の凝縮器と膨張機の間の部分とそれよりも高圧となる膨張機と蒸発器の間の部分である。
【発明の効果】
【0012】
第1から第5の発明によれば、ランキンサイクル回路とは別個に構成される循環回路が稼働しているときは、その回路内の圧力差を利用してランキンサイクル回路のポンプを駆動できるので、電動モータでポンプを駆動しない分、ランキンサイクルシステムの最終的な出力を向上させることができる。循環回路としては、回路内に圧力差を有する冷凍サイクル回路やランキンサイクル回路を用いることができる(第5、第6の発明)。
【0013】
また、第3の発明によれば、循環回路内の圧力差をポンプで利用することによる循環回路で圧力差を発生させる圧縮機等の仕事の増分を抑え、従来のモータでポンプを駆動する構成に比べ、システム全体の効率を向上させることができる。
【0014】
また、第4の発明によれば、循環回路が停止していて回路内に圧力差がない場合や、循環回路の稼働レベルが低く回路内の圧力差が十分でない場合には、補助モータによりポンプを駆動することができるので、循環回路の稼働状況によらずランキンサイクル回路の稼働を継続することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0016】
第1実施形態
図1は本発明の第1実施形態を示しており、ランキンサイクル回路10により車両用廃熱回収システムを構成した例である。車両は、水冷式のエンジン1を搭載した車両であり、エンジン1の冷却水から廃熱を回収するランキンサイクル回路10の他、空調用の冷凍サイクル回路20、エンジン1の冷却水回路30、及び、ヒータ回路40を備えている。以下、各回路の構成について説明する。
【0017】
[ランキンサイクル回路]
ランキンサイクル回路10は、ポンプ11、逆止弁12、蒸発器13、膨張機14、凝縮器15、気液分離器16を備え、回路内にはR134a等のランキン媒体が流通する。
【0018】
ポンプ11の駆動部11dは冷凍サイクル回路20の高圧部分と低圧部分に接続され、冷凍サイクル回路20内の圧力差を利用してポンプ11を駆動する(詳しくは後述)。ポンプ11の駆動部11dには電動の補助モータ51が接続されており、冷凍サイクル回路20が稼働しておらず回路内に圧力差がない場合や稼働レベルが低く回路内の圧力差が十分でない場合は、補助モータ51によりポンプ11を駆動することができる。
【0019】
ポンプ11により加圧されたランキン媒体は逆止弁12を介して蒸発器13へと送られる。蒸発器13では、ランキン媒体−冷却水間の熱交換によりランキン媒体が加熱されて気体になる。気体となったランキン媒体は膨張機14へと送られる。
【0020】
膨張機14では気体となったランキン媒体を膨張させることにより動力を回収する。膨張機14には発電機52が接続されており、発電機52は回収された動力により駆動され、発電を行う。発電機52によって発電された電力はオルタネータ53によって発電された電力と同じくバッテリ55へと送られ、バッテリ55が充電される。膨張機14を出たランキン媒体は凝縮器15へと送られる。
【0021】
凝縮器15では外気−ランキン媒体間の熱交換によりランキン媒体が凝縮液化される。凝縮液化したランキン媒体は気液分離器16により気液分離され、液相のランキン媒体のみがポンプ11へと送られる。
【0022】
[冷凍サイクル回路]
冷凍サイクル回路20は、膨張弁21、蒸発器22、圧縮機23、凝縮器24、気液分離器25を備え、回路にはR134a等の冷媒が流通する。
【0023】
膨張弁21では液相の冷媒が減圧膨張され、減圧膨張された冷媒は蒸発器22へと送られる。
【0024】
蒸発器22では、減圧膨張された冷媒を気化させ、その蒸発潜熱により蒸発器22を通過する空調空気を冷却する。気化した冷媒は圧縮機23へと送られる。
【0025】
圧縮機23はエンジン1により駆動され、気相の冷媒を高温高圧に圧縮する。圧縮機23はエンジン1に代えて電動モータにより駆動するようにしてもよい。高温高圧となった冷媒は凝縮器24へと送られる。
【0026】
凝縮器24では外気−冷媒間の熱交換により冷媒が凝縮液化される。凝縮液化した冷媒は気液分離器25により気液分離され、液相の冷媒のみが膨張弁21へと送られる。
【0027】
圧縮機23と凝縮器24の間は冷媒の圧力が高い高圧部分、蒸発器22と圧縮機23の間は高圧部分よりも冷媒の圧力が低い低圧部分となっており、高圧部分、低圧部分はそれぞれランキンサイクル回路10のポンプ11の駆動部11dに接続している。
【0028】
[冷却水回路及びヒータ回路]
冷却水回路30は、ウォータポンプ31、三方弁32、ラジエータ33、サーモスタット34を備え、回路には冷却水(不凍液)が流通する。
【0029】
ウォータポンプ31はエンジン1により駆動され、冷却水を回路内に循環させる。ウォータポンプ31は電動モータにより駆動してもよい。
【0030】
三方弁32はエンジン1から流出する高温の冷却水を、ラジエータ33とランキンサイクル回路10の蒸発器13に流す際の割合を切り替える弁であり、電動モータ56によって駆動される。
【0031】
サーモスタット34は冷却水の温度が低い時に閉弁し、冷却水温度が設定温度に達したところで開弁する弁であり、ラジエータ33に流通させる冷却水の量を冷却水温度に応じて調節し、冷却水の温度を所望の温度(約90℃)に維持する。冷却水温度が低くサーモスタット34が閉じているときは、冷却水はバイパス通路35のみに流通し、冷却水の昇温を促進する。
【0032】
また、ヒータ回路40は、ヒータコア41を備え、冷却水回路30に接続して冷却水回路30から冷却水が導入される。高温の冷却水がヒータコア41に流れると、ヒータコア41を通過する空調空気が加熱される。加熱された空調空気は冷凍サイクル回路20の蒸発器22で冷却された空調空気と混合されて所望の温度に調節され、車室内へと送られる。
【0033】
続いてポンプ11の構造・動作について説明する。
【0034】
図2はポンプ11及びその補助モータ51の概略構成図である。
【0035】
ポンプ11は、駆動側シリンダ111、駆動側シリンダ111に収装されて駆動側シリンダ111内を第1液室111aと第2液室111bに区画する駆動側ピストン112、従動側シリンダ113、従動側シリンダ113に収装されて従動側シリンダ113内を第3液室113aと第4液室113bに区画する従動側ピストン114、駆動側ピストン112と従動側ピストン114を連結するポンプ軸115とを備える。駆動側シリンダ111及び駆動側ピストン112がポンプ11の駆動部11dを構成する。駆動側ピストン112の受圧面積は従動側ピストン114の受圧面積よりも大きい。
【0036】
第1液室111aには冷凍サイクル回路20の高圧部分に接続する吸込ポートP1、冷凍サイクル回路20の低圧部分に接続する吐出ポートP3が開口している。同様に、第2液室111bには冷凍サイクル回路20の高圧部分に接続する吸込ポートP2、冷凍サイクル回路20の低圧部分に接続する吐出ポートP4が開口している。ポートP1〜4はそれぞれソレノイド駆動される吸込弁V1、V2、吐出弁V3、V4により開閉することができる。
【0037】
一方、第4液室113bにはランキンサイクル回路10の低圧側(気液分離器側)に接続する吸込ポートP5と、ランキンサイクル回路10の高圧側(逆止弁側)に接続する吐出ポートP6が開口している。ポートP5、P6はそれぞれソレノイド駆動される吸込弁V5、吐出弁V6により開閉することができる。
【0038】
また、ポンプ軸115の端部はピン116を介してコンロッド117に揺動自在に連結されている。図3に示すように、コンロッド117の内側にはベアリング118を介して偏心カム119が保持されており、偏心カム119は補助モータ51の出力軸51sに固定されている。これにより、出力軸51sの回転運動を偏心カム119、ベアリング118、コンロッド117、ピン116を介してポンプ軸115の軸方向の往復運動に変換することができ、補助モータ51を駆動すれば冷凍サイクル回路20の圧力差によらずにポンプ11を駆動することができる。
【0039】
補助モータ51はクラッチ(図示せず)を内蔵した電動モータであり、補助モータ51でポンプ11を駆動しないときはクラッチを解放し、冷凍サイクル回路20の圧力差によってポンプ11を駆動する際の補助モータ51の連れ回り負荷を低減する。
【0040】
図4を参照しながら上記ポンプ11の動作について説明する。
【0041】
図4(a)はポンプ11の吐出行程を示している。図4(a)に示すように、吸込弁V1及び吐出弁V4、V6を開き、吸込弁V2、V5及び吐出弁V3を閉じると、冷凍サイクル回路20の高圧部分から高圧の冷媒が第1液室111aに導入されると共に第2液室111b内の冷媒が冷凍サイクル回路20の低圧部分に戻される。この結果、駆動側ピストン112、従動側ピストン114が図中右側に押されて移動し、第4液室113b内のランキン媒体が圧縮されて吐出ポートP6から高圧のランキン媒体が吐出される。
【0042】
図4(b)はポンプ11の吸込行程を示している。図4(b)に示すように、吸込弁V2、V5及び吐出弁V3を開き、吸込弁V1及び吐出弁V4、V6を閉じれば、冷凍サイクル回路20の高圧部分から高圧の冷媒が第2液室111bに導入されると共に第1液室111a内の冷媒が冷凍サイクル回路20の低圧部分に戻される。この結果、駆動側ピストン112、従動側ピストン114が図中左側に戻され、負圧となった第4液室113bには吸込ポートP5から低圧のランキン媒体が導入される。
【0043】
したがって、図4(a)、(b)に示すバルブ開閉状態を交互に作り出せば、ランキン媒体の吸込、吐出を連続的に行うことができる。
【0044】
続いて上記構成による作用効果について説明する。
【0045】
上記構成によれば、ランキンサイクル回路10とは別個に構成される冷凍サイクル回路20が稼働しているときは、その回路内の圧力差を利用してランキンサイクル回路10のポンプ11を駆動できるので、ポンプ11を電動モータで駆動しない分、ランキンサイクル回路の最終的な出力を向上させることができる。
【0046】
また、駆動側ピストン112の受圧面積を従動側ピストン114の受圧面積よりも大きくしたことにより、冷凍サイクル回路20内の圧力差をポンプ11で利用することによる冷凍サイクル回路20の圧縮機23の仕事の増分を抑え、従来のモータでポンプを駆動する構成に比べ、システム全体の効率を向上させることができる。
【0047】
また、冷凍サイクル回路20が停止していて回路内に圧力差がない場合や、冷凍サイクル回路20の稼働レベルが低く回路内の圧力差が十分でない場合には、補助モータ51によりポンプ11を駆動することができるので、冷凍サイクル回路20の稼働状況によらずランキンサイクル回路10の稼働を継続することが可能となる。
【0048】
第2実施形態
続いて本発明の第2実施形態について説明する。
【0049】
第2実施形態は、エンジン1の排気から廃熱を回収する第2ランキンサイクル回路60を備え、ランキンサイクル回路10のポンプ11を第2ランキンサイクル回路60における圧力差を利用して駆動するようにした点が第1実施形態と相違する。以下、第1実施形態と共通の構成については共通の符号を用いて説明を省略し、第1実施形態と相違する部分を中心に説明する。
【0050】
図5は本発明の第2実施形態を示す。第2ランキンサイクル回路60は、ランキンサイクル回路10と同様に、ポンプ61、逆止弁62、蒸発器63、膨張機64、凝縮器65、気液分離器66を備え、回路には水等のランキン媒体が流通する。
【0051】
第2ランキンサイクル回路60においては、ポンプ61は電動モータ71により駆動される。また、蒸発器63はエンジン1の排気通路2に取り付けられ、ランキン媒体−排気間の熱交換によりランキン媒体を加熱し気体にする。また、凝縮器65は第1ランキンサイクル回路10のランキン媒体−第2ランキンサイクル回路60のランキン媒体間の熱交換により、第2ランキンサイクル回路60のランキン媒体を凝縮液化させる。
【0052】
ランキンサイクル回路10にあっては、ポンプ11の駆動部11dが、第2ランキンサイクル回路60の高圧部分(蒸発器63−膨張機64間)と低圧部分(膨張機64−凝縮器65間)に接続しており、ポンプ11は第2ランキンサイクル回路60の高圧部分と低圧部分の圧力差を利用して駆動される。
【0053】
ポンプ11の構造は、図2に示したものと同じであるが、吸込ポートP1、P2には第2ランキンサイクル回路60の高圧部分から高圧のランキン媒体が導入され、吐出ポートP3、P4から吐出されるランキン媒体は第2ランキンサイクル回路60の低圧部分へと戻される。
【0054】
このように、車両が複数のランキンサイクル回路を備える場合は、他方のランキンサイクル回路における圧力差を利用してランキンサイクル回路のポンプを駆動するように構成することも可能である。
【0055】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例を示したものであり、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【0056】
例えば、上記実施形態では、本発明を車両用廃熱回収システムに適用した例を示したが、本発明は車両用に限らず、様々な用途の廃熱回収システムに適用することが可能である。
【0057】
また、図2に示したポンプの構造は圧力差を利用するポンプの一例を示したものであり、その他の構造を採用することも可能である。
【0058】
また、第2実施形態では第2ランキンサイクル回路60のポンプ61を電動モータ71で駆動しているが、第2ランキンサイクル回路60に対して本発明を適用し、ランキンサイクル回路10における圧力差を利用してポンプ61を駆動するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の第1実施形態を示す。
【図2】ポンプ及び補助モータの概略構成図である。
【図3】補助モータを上から見た図である。
【図4】ポンプの動作説明図である。
【図5】本発明の第2実施形態を示す。
【符号の説明】
【0060】
10 ランキンサイクル回路
11 ポンプ
11d 駆動部
111 駆動側シリンダ
112 駆動側ピストン
113 従動側シリンダ
114 従動側ピストン
51 補助モータ
20 冷凍サイクル回路
30 冷却水回路
40 ヒータ回路
60 第2ランキンサイクル回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発熱体(1)からの廃熱によってランキン媒体を加熱して気体にする蒸発器(13)、気体となった前記ランキン媒体を膨張させて動力を回収する膨張機(14)、膨張後の前記ランキン媒体を凝縮液化する凝縮器(15)、及び、前記ランキン媒体を回路内に循環させるポンプ(11)を有するランキンサイクル回路(10)を備えた廃熱回収システムにおいて、
前記ポンプ(11)の駆動部(11d)を、前記ランキンサイクル回路(10)とは別個に構成され回路内に作動流体を循環させる循環回路(20、60)の圧力の異なる部分に接続し、前記圧力の異なる部分の圧力差により前記ポンプ(11)を駆動するように構成したことを特徴とする廃熱回収システム。
【請求項2】
前記ポンプ(11)は、
駆動側ピストン(112)を収装し、前記駆動側ピストン(112)の両側に前記循環回路(20、60)から圧力の異なる作動流体を導入することで前記駆動側ピストン(112)を移動させる前記駆動部(11d)としての駆動側シリンダ(111)と、
前記駆動側ピストン(112)に連結部材(115)を介して連結される従動側ピストン(114)を収装し、前記駆動側ピストン(112)の移動により前記従動側ピストン(114)が一方に移動するとシリンダ内に前記ランキン媒体を吸い込み、他方に移動するとシリンダ内の前記ランキン媒体を吐出する従動側シリンダ(113)と、
を備えることを特徴する請求項1に記載の廃熱回収システム。
【請求項3】
前記駆動側ピストン(112)の受圧面積は前記従動側ピストン(114)の受圧面積よりも大きいことを特徴とする請求項2に記載の廃熱回収システム。
【請求項4】
前記ポンプ(11)の駆動部(11d)に接続される電動の補助モータ(51)を備え、
前記循環回路(20、60)における圧力差が十分でないときは前記補助モータ(51)により前記ポンプ(11)を駆動するように構成したことを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の廃熱回収システム。
【請求項5】
前記循環回路(20、60)は冷凍サイクル回路(20)であり、
前記圧力の異なる部分は、前記冷凍サイクル回路(20)の蒸発器(22)と圧縮機(23)の間の部分とそれよりも高圧となる圧縮機(23)と凝縮器(24)の間の部分である、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の廃熱回収システム。
【請求項6】
前記循環回路(20、60)は前記発熱体(1)からの廃熱を回収する第2ランキンサイクル回路(60)であり、
前記圧力の異なる部分は、前記第2ランキンサイクル回路(60)の凝縮器(65)と膨張機(64)の間の部分とそれよりも高圧となる膨張機(64)と蒸発器(63)の間の部分である、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の廃熱回収システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−185787(P2009−185787A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−29457(P2008−29457)
【出願日】平成20年2月8日(2008.2.8)
【出願人】(000004765)カルソニックカンセイ株式会社 (3,404)
【Fターム(参考)】