説明

廃蛍光灯のリサイクル方法

【課題】ガラス管を破砕することなく、ガラス管の内壁に形成された膜を剥離できる廃蛍光灯のリサイクル方法を提供する。
【解決手段】廃蛍光灯10の下端を剥離液30に浸けて、突起34で口金14を貫通させ排気管を破砕し、ガラス管12内の真空を利用して、剥離液をガラス管内に吸引し充填する。充填された剥離液によってガラス管内面の膜を剥離した後、突起状工具42で廃蛍光灯上端の口金14を貫通させ排気管を破砕する。廃蛍光灯を剥離液から引き上げると、廃蛍光灯上端の排気管から空気が流入するので、廃蛍光灯下端の排気管から、ガラス管に充填されていた剥離液が剥離膜とともに、排出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃蛍光灯のリサイクル方法、特に廃蛍光管を破砕することなく、したがって水銀を飛散させることなく資源の回収を可能とした廃蛍光灯のリサイクル方法に関する。
【背景技術】
【0002】
蛍光灯(熱陰極蛍光灯)は、基本的に、蛍光体などの膜が内面に形成されたガラス管と、ガラス管の両端に取り付けられた電極とで構成されている。ガラス管内には、例えば2〜4hPa(1気圧は約1013hPa)の希ガスと水銀が封じ込まれている。
【0003】
このような蛍光灯の廃棄量は、1年間あたり5〜6億本ある。そのうちの約40%が40W蛍光灯である。40W蛍光灯を例にとれば、リサイクルされるのは10%未満であり、残りは土中に廃棄されている。
【0004】
従来、廃蛍光灯のリサイクル方法としては、下記に記載の特許文献に開示されている方法がある。
【0005】
特許文献1には、ガラス管を破砕した後に、ガラス片に付着している蛍光体膜や水銀を洗浄液で洗い流す湿式方式と、ガラス管を破砕した後に、ガラス片に付着している蛍光体や水銀をブラッシングで剥離する乾式方式とが開示されている。
【0006】
特許文献2には、直線状のガラス管(いわゆる直管)の両端を切り取り、ガラス管内に剥離ヘッドを挿入して、ガラス管内面に付着している蛍光体膜や水銀を剥離する乾式方式が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−2868282号公報
【特許文献2】特開昭62−116685号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ガラス管を破砕する従来技術では、原型を保ったガラス素管は回収できない。
【0009】
両端を切り取ったガラス管内に剥離ヘッドを挿入する従来技術は、直管には適しているが、いわゆる曲管には適用できない。
【0010】
また、いずれの従来技術においても、水銀の飛散を防止するためには密閉された空間を用意する必要があり、設備が複雑になるという問題がある。また、このような設備が不完全であれば、大気中への水銀の拡散を防止することは、困難である。
【0011】
水銀による環境汚染は、食物連鎖で動物や魚貝類、そして人間への健康被害が懸念されている。
【0012】
また、資源の有効活用の視点から、廃蛍光灯の形状に制限されずに、ガラス素管を回収し、リサイクル製品に再利用したいという潜在的な要求がある。
【0013】
本発明の目的は、水銀を飛散させることなしに確実に回収できる廃蛍光灯のリサイクル方法を提供することにある。
【0014】
本発明の他の目的は、ガラス管を破砕することなく、ガラス管の内壁に形成された膜を剥離できる廃蛍光灯のリサイクル方法を提供することにある。
【0015】
本発明のさらに他の目的は、ガラス管の形状に制限されることなく、ガラス素管を回収できる廃蛍光灯のリサイクル方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、蛍光灯のガラス管の内部は真空状態にあるという事実から発想したものである。ガラス管の内部は真空であるので、負圧(標準大気圧より圧力が低い状態)を構成する。
【0017】
真空すなわち負圧を利用して、剥離液をガラス管の内部に吸引し充填する。剥離液によって、ガラス管の内面に形成されている膜が剥離する。剥離された膜を剥離液とともにガラス管から排出する。
【0018】
なお、膜は、ガラス管の内面に形成されている蛍光体膜などのすべての膜を含むものである。蛍光灯の種類によって含まれる膜は異なる。例えば、ラピッドスタート式の蛍光灯は、透明導電膜をさらに含んでいる。また、保護膜、反射膜などが形成される場合もある。
【0019】
ガラス管に封入されている水銀は、膜に付着しているので、水銀もガラス管から排出される。
【0020】
塗布膜が剥離された廃蛍光灯から、ガラス素管、口金、電極、リード線、ガラスなどを回収する。また、剥離液からは、塗布膜を構成する物質、水銀などを回収する。
【0021】
なお、本発明は、熱陰極蛍光灯(Hot Cathode Fluorescent Lamp;HCFL)のみならず、冷陰極蛍光灯(Cold Cathode Fluorescent Lamp;CCFL)にも適用できるので、本明細書では、蛍光灯という用語を、HCFLおよびCCFLの両方を含むものとして用いる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、廃蛍光灯のガラス管内部の真空を利用して、ガラス管内に剥離液を吸引することにより、ガラス管内面に形成された膜を剥離液で剥離するので、廃蛍光灯を破砕することなく、ガラス素管を初め、資源を有効に回収し、リサイクルすることができる。
【0023】
また、ガラス管を破砕することがないので、水銀が大気中に拡散することがないので、水銀による環境汚染を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】直管形蛍光灯を示す平面図である。
【図2】蛍光灯の端部の内部構造を示す断面図である。
【図3】第1の実施の形態のリサイクル処理工程を説明するための図である。
【図4】排気管の破砕の様子を示す断面図である。
【図5】ガラス素管を回収する工程を説明するための図である。
【図6】第2の実施の形態のリサイクル処理工程を説明するための図である。
【図7】環管形蛍光灯を示す平面図である。
【図8】口金を取り去った環管形蛍光灯を示す平面図である。
【図9】第3の実施の形態のリサイクル処理工程を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の廃蛍光灯のリサイクル方法の実施の形態を、図面を参照して説明する。以下の説明においては、リサイクル処理がどのような工程によって進行していくのかを説明する。各工程を実施する具体的な設備は、当業者であれば容易に実現できるものである。
【0026】
(第1の実施の形態)
まず、廃蛍光灯の一例として、直管形のラピッドスタート形蛍光灯の構造を、簡単に説明しておく。図1に示す直管形蛍光灯10のガラス管12の両端には、口金14が設けられている。ガラス管12の両端の内部には、それぞれ、図2に示すように、電極16がリード線18に支持され、リード線はステム20を経て、口金14のピン22に接続されている。
【0027】
ステム20は、蛍光灯を製造するときに真空引きするための排気管24を有している。排気管は、ガラス管12の内部と連通し、ガラス管が真空排気されて、希ガスおよび水銀(液体水銀、またはZn−Hg,Ti−Hgのような水銀アマルガムとして)が封入された後、基端部がチップオフされている。
【0028】
一般に、ガラス管12の本体部にはソーダガラスが、ステムには鉛ガラスが用いられている。
【0029】
ガラス管の内面には、酸化錫膜より成る透明導電膜26が形成されており、透明導電膜の上に蛍光体膜28が形成されている。蛍光体膜は、ユーロピウム、イットリウム、テルビウムなどの希土類元素と蛍光体粉とを含む蛍光体より成る。
【0030】
次に、図3を参照して、管径32.5mm、長さ1498mmの上記したラピッドスタート形の40W廃蛍光灯のリサイクル方法を説明する。
【0031】
剥離液30が貯留される槽32を準備する。以下、この槽を剥離液槽という。剥離液槽32の底部には、先端が尖った突起34が設けられている。剥離液槽の底部には、また、底部に沈殿したスラリーを排出するダクト36が配設されている。ダクトには、バルブ38が設けられている。ダクトの排出口には、スラリー貯留槽40が配置されている。図を簡単にするために、ダクト36,バルブ38,スラリー貯留槽40は、図3(g)にのみ示している。
【0032】
剥離液は、一例として、スルホン酸、リン酸、フッ化アンモン、サルチル酸メチルを含む水溶液を用いる。
【0033】
以下、各工程ごとに説明する。
【0034】
工程(a)
図3(a)に示すように、廃蛍光灯10を、剥離液槽32の上に垂直に保持する。
【0035】
工程(b)
図3(b)に示すように、廃蛍光灯10を剥離液槽32に向かって下ろしていき、廃蛍光灯の下端を剥離液30に浸けるとともに、廃蛍光灯の下端を突起34に強く押し込み、突起が廃蛍光灯下端の口金14を貫通し、排気管24の基端部を破砕するようにする。破砕された様子を、図4に示す。
工程(c)
図3(c)に示すように、排気管の基端部が破砕されると、廃蛍光灯を上に少し引き上げて、突起34が口金14からはずれるようにする。ガラス管の内部は真空(負圧)であるので、口金に開けられた貫通穴および破砕された排気管を経て、剥離液30がガラス管12の内部に吸い込まれ、充填される。
【0036】
ガラス管内に剥離液が充填された状態を、約40分ほど保つ。この間に、ガラス管12の内壁に形成されている蛍光体膜28および透明導電膜26が、ガラス管の内面から剥離する。
【0037】
工程(d)
蛍光体膜および透明導電膜が剥離し終わると、図3(d)に示すように、先端が尖った突起状工具42を廃蛍光灯上端の口金14に向かって押し下げていく。
【0038】
工程(e)
図3(e)に示すように、突起状工具42が、ガラス管上端の口金14を貫通し、排気管24の基端部を破砕する。
【0039】
工程(f)
図3(f)に示すように、突起状工具42を引き上げて、口金14から離す。これにより、口金に開けられた貫通穴および破砕された排気管を経て、ガラス管内部が大気に連通する。
【0040】
工程(g)
図3(g)に示すように、廃蛍光灯10を剥離液30から引き上げる。ガラス管12の上端の破砕された排気管から空気が入るので、剥離膜は剥離液とともにガラス管下端の破砕された排気管から剥離液槽32に自然排出される。
【0041】
なお、排出速度を上げたい場合には、ガラス管12の上端の破砕された排気管から、空気をポンプで圧入することにより強制排出してもよい。
【0042】
排出された剥離液30には、剥離された透明導電膜および蛍光体膜が含まれており、透明導電膜および蛍光体膜に付着している水銀も、剥離液とともに剥離液槽に排出される。透明導電膜、蛍光体膜、水銀は、スラリー44として、剥離液槽32の底に沈殿する。
【0043】
剥離液が完全に排出された廃蛍光灯は、次工程に送られる。
【0044】
以上の処理を多数本の廃蛍光灯に対して実施すると、剥離液槽32の底には多量のスラリー44が溜まってくる。溜まったスラリーは、バルブ38を開いてダクト36を経てスラリー貯留容器40に移される。
【0045】
スラリーからは、例えば、以下のような材料を回収できる。
【0046】
酸化スズ(透明導電膜の材料)
蛍光体粉、希土類(蛍光体の材料)
水銀
また、透明導電膜および蛍光体膜が剥離された廃蛍光灯からは、図5に示す工程を経て、ガラス素管を回収できる。
【0047】
工程(a)
図5(a)に示すように、それぞれモータ50により回転駆動される2台のディスクカッター52の近くに、透明導電膜および蛍光体膜が剥離された廃蛍光灯54を配置する。
【0048】
工程(b)
図5(b)に示すように、ディスクカッターにより、廃蛍光灯54のガラス管56の両端(電極,口金を含んだ部分)を切断する。
【0049】
切断は、ガラス管56を回転させて、ガラス管の周囲を切るようにしてもよい。
【0050】
工程(c)
図5(c)に示すように、両端を切断したガラス管56は、水を循環させて、内面を洗浄する。
【0051】
工程(d)
洗浄後、図5(d)に示すように、温風を吹き込んで、乾燥させる。
【0052】
工程(e)
図5(e)に示すように、乾燥後、ガラス素管58が回収できる。
【0053】
回収されたガラス素管は、リサイクル蛍光灯のガラス管として、再利用できる。
【0054】
他方、切断された廃蛍光灯54の両端部分からは、以下のような材料を回収できる。
【0055】
アルミニウム(口金)
黄銅(口金ピン)
タングステン(電極)
銅(リード線)
鉛ガラス(ステム)
以上のようにして、廃蛍光灯から種々の材料を回収できる。一例として、管径32.5mm、長さ1498mm、重量250gの40W廃蛍光灯から回収できた材料の重量は、次のとおりであった。
【0056】
ガラス素管・・・・・219.7g
鉛ガラス・・・・・・18.0g
アルミニウム・・・・10.5g
黄銅・・・・・・・・0.5g
タングステン・・・・1.0g
水銀・・・・・・・・0.1g
蛍光体粉・・・・・・0.1g
希土類・・・・・・・0.00075g
以上の実施の形態では、口金が付いたままの状態で廃蛍光灯をリサイクル処理しているが、口金を取り去った状態の廃蛍光灯をリサイクル処理してもよい。この場合には、口金がないので、排気管の基端部を破砕するのが容易となる。破砕する手段は、いかなるものであってもよい。例えば、突起および突起状工具に代えて、ドリルとすることもできる。
【0057】
以上の実施の形態では、廃蛍光灯を剥離液槽の上に垂直に保持して、剥離液をガラス管の内部に充填させているが、これに限られるものではなく、剥離液槽の中に廃蛍光灯を浸けた状態で行ってもよい。その実施の形態を、次に説明する。
【0058】
(第2の実施の形態)
図6は、直管形蛍光灯のリサイクル処理工程を説明するための図である。第1の実施の形態と同一の要素には、同一の番号を付して示す。なお、第1の実施の形態と同一の処理については、説明を省略する。
【0059】
工程(a)
図6(a)に示すように、廃蛍光灯10を、剥離液槽32の剥離液30中に水平に保持する。
【0060】
工程(b)
図6(b)に示すように、廃蛍光灯の両端に突起状工具42に強く押し込み、突起状工具が廃蛍光灯両端の口金14をそれぞれ貫通し、排気管の基端部を破砕するようにする。
【0061】
工程(c)
図6(c)に示すように、口金にあけられた貫通穴および破砕された排気管(図示せず)を経て、剥離液30がガラス管12の内部に吸い込まれ、充填される。
【0062】
剥離液によって、ガラス管12の内壁に形成されている蛍光体膜および透明導電膜が、ガラス管の内面から剥離する。
【0063】
工程(d)
蛍光体膜および透明導電膜が、ガラス管の内面から剥離したら、図6(d)に示すように、廃蛍光灯10を剥離液30から引き上げ、廃蛍光灯を垂直に保持する。剥離膜が剥離液とともにガラス管下端の破砕され排気管から自然排出される。
【0064】
以上の実施の形態では、直管形の廃蛍光灯のリサイクル方法について説明したが、直管形に限るものではなく、いかなる形状の廃蛍光灯、例えば環管形の廃蛍光灯にも、本発明を適用できる。さらには、電球形の蛍光灯にも適用できる。
【0065】
以下、第3の実施の形態として、環管形廃蛍光灯のリサイクル処理について、説明する。なお、直管形廃蛍光灯と同様の工程については、説明を省略するものとする。
【0066】
(第3の実施の形態)
図7に示すような環管形廃蛍光灯60のリサイクル処理にあたっては、図8に示すように、予め口金62を取り除いて、ガラス管64の両端を露出させておく。各端には、排気管66およびリード線68が、それぞれ露出している。
【0067】
工程(a)
図9(a)に示すように、剥離液槽32には、ガラス管64の両端を剥離液30中に浸ける。
【0068】
工程(b)
次に、図9(b)に示すように、ガラス管の両端にある排気管66の基端部をそれぞれ破砕する。
【0069】
工程(c)
排気管66の基端部が破砕されると、図9(c)に示すように、破砕された片方あるいは両方の排気管から、剥離液30がガラス管64の内部に吸い込まれ、充填される。
【0070】
工程(d)
剥離液によって、ガラス管の内面から蛍光体膜および透明導電膜が剥離される。その後、図9(d)に示すように、ガラス管64を剥離液30から引き上げる。剥離膜が剥離液とともに破砕された排気管66から自然排出される。この場合、一方の排気管から空気が流入し、他方の排気管から剥離液が自然排出されるように、図示のように、ガラス管の両端の位置に高さの高低差が出るように、ガラス管を傾けるようにする。
【0071】
また、一方の排気管から空気を圧入すれば、他方の排気管から剥離液を強制排出できる。
【0072】
あるいは、両方の排気管から剥離液を自然排出するようにしてもよい。
【0073】
以上の第1〜第3の各実施の形態では、排気管を破砕してガラス管に穴を開けるようにしたが、これに限るものではない。例えば、ガラス管のステム近辺に、サンドブラストで穴を開けてもよいし、あるいは、カッターによりガラス管の端部を切り取ってもよい。
【0074】
以上の第1〜第3の各実施の形態では、廃蛍光灯のリサイクルについて説明したが、廃蛍光灯に限るものではない。蛍光灯と同様に、ガラス管の内面に蛍光体膜が形成された冷陰極管(Cold Cathode Fluorescent Lamp;CCFL)にも適用できる。
【0075】
CCFLは、代表的には液晶バックライト用の光源として用いられており、管径が細いので、第2の実施の形態のように、CCFLを剥離液中に浸けて処理するのがよい。この場合、ガラス管の両端をカッターで切断して、穴を開けるのがよい。
【符号の説明】
【0076】
10 直管形廃蛍光灯
12 ガラス管
24 排気管
26 透明導電膜
28 蛍光体膜
30 剥離液
32 剥離液槽
34 突起
42 突起状工具
60 環管形廃蛍光灯
64 ガラス管
66 排気管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部が真空に保持されたガラス管を有する廃蛍光灯のリサイクル方法であって、
(a)前記ガラス管の一端に穴を開け、前記ガラス管の内部の負圧を利用して、前記穴から前記ガラス管の内部に剥離液を吸引し充填する工程と、
(b)前記剥離液により、前記ガラス管の内面に形成されている膜を剥離する工程と、
(c)前記ガラス管の他端に穴を開け、剥離された膜を前記剥離液とともに、前記一端または他端に開けられた穴から排出する工程と、
を含む廃蛍光灯のリサイクル方法。
【請求項2】
前記ガラス管の内部への剥離液の吸引は、槽に貯留された剥離液を、前記ガラス管の一端に開けられた穴から吸引することにより行う、請求項1に記載の廃蛍光灯のリサイクル方法。
【請求項3】
内部が真空に保持されたガラス管を有する廃蛍光灯のリサイクル方法であって、
(a)前記ガラス管の一端および他端に穴をそれぞれ開け、前記ガラス管の内部の負圧を利用して、前記ガラス管の一端および他端に開けられた穴から前記ガラス管の内部に剥離液を吸引し充填する工程と、
(b)前記剥離液により、前記ガラス管の内面に形成されている膜を剥離する工程と、
(c)剥離された膜を前記剥離液とともに、少なくとも1つの前記穴から排出する工程と、
を含む廃蛍光灯のリサイクル方法。
【請求項4】
前記ガラス管の内部への剥離液の吸引は、槽に貯留された剥離液を、前記ガラス管の一端および/または両端に開けられた穴から吸引することにより行う、請求項2に記載の廃蛍光灯のリサイクル方法。
【請求項5】
前記穴は、前記ガラス管の端部のステムに設けられている排気管の基端部を破砕することにより開ける、請求項2または4に記載の廃蛍光灯のリサイクル方法。
【請求項6】
前記穴は、前記ガラス管の端部を切断することにより開ける、請求項2または4に記載の廃蛍光灯のリサイクル方法。
【請求項7】
(d)前記ガラス管から剥離液を排出した廃蛍光灯、および前記排出された剥離液から、再利用可能な材料を回収する工程をさらに含む、請求項1〜6のいずれかに記載の廃蛍光灯のリサイクル方法。
【請求項8】
前記再利用可能な材料を回収する工程は、前記ガラス管から剥離液を排出した廃蛍光灯の両端部を切り取って、ガラス素管を回収する工程を含む、請求項7に記載の廃蛍光灯のリサイクル方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−109043(P2012−109043A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−254951(P2010−254951)
【出願日】平成22年11月15日(2010.11.15)
【出願人】(510302308)株式会社クラミー技術研究所 (1)