説明

廃酸液の固化と安定化の方法

【課題】固化効率及び安定性を高める廃酸液の固化と安定化の方法の提供。
【解決手段】廃酸液の固化と安定化の方法は、リン酸をから除いて蒸発させ、リン酸を廃酸液から除くことによって容積を減らし、濃縮したリン酸廃酸液とホウフッ化水素酸(Fluoroboric acid)を混合して固化及び安定化する。そのうち混合した廃酸液は、水酸化バリウムを酸アルカリ中和剤として廃酸液の酸アルカリ値(PH値)を調節し、部分粒生成と間接固化剤添加法によって混合廃酸液の固化効率を高める。本発明の方法は、固化剤を添加することによって発生する酸アルカリ反応の瞬間放熱を防ぎ、更に本発明の方法は摂氏30度から40度の温度操作によって混合除去廃酸液によって発生した集合反応を利用して得た濃縮混合廃酸液の固化効率を高める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃酸液を処理する方法で、特に廃酸液の固化と安定化の方法に関し、効率及び安定性を高めるものである。
【背景技術】
【0002】
放射性の汚染金属廃棄物は、ステンレスを主とする他に、炭素鋼もまた常用の核エネルギーの工場建設材である。核施設の役割を終えた放射性汚染金属及び老朽化した管体を交換するため、大量の役割を終えたステンレス放射性廃棄物が処理を必要としている。上述の問題及び潜在的な問題を解決するため、除汚材の開発及び除汚技術の応用は研究機関において幅広く進められており、高圧水噴射洗浄の機械除汚法、リン酸、硫酸及び硝酸混合液の電化学除汚法と、ホウフッ化水素酸(Fluoroboric acid)除汚材を応用した化学除汚法を含む。放射性廃棄物は上述の方法で除汚し、極めて低い放射性廃棄物の標準にする。
【0003】
リン酸及びホウフッ化水素酸(Fluoroboric acid)除汚剤は、多種の放射性金属廃棄物に対して平均的に良好な除汚効果を得ることができる。そのうち、リン酸及び硝酸混合液は、銅及びアルミニウム材の金属廃棄物除汚に適しており、リン酸、硫酸及び硝酸混合液は、ステンレス金属廃棄物の電化学除汚に適し、またホウフッ化水素酸(Fluoroboric acid)除汚剤は、化学除汚を応用している。除汚の過程に於いて、金属イオンが徐々に除汚剤内に累積し、一定の飽和濃度に達すると、金属塩類の沈殿が発生し、それが除汚反応及び除汚効率に影響するか、もしくは核の汚染を受けて放射性が高まった後、再生を必要とする。使用したリン酸及びホウフッ化水素酸(Fluoroboric acid)除汚剤は、シュウ酸選択性沈殿法、電解回収法及びプラスイオン交換法で、金属イオンを除去し、除汚剤を回収して再利用する。そのうち、プラスイオン交換法はプラスイオン樹脂に金属イオンを吸い付ける。除汚剤は何度か再利用して、再び使用できなくなった時、放射性を含む廃酸液となり、交換される。
【0004】
今日、放射性廃酸液の処理は、良好な処理方式が求められており、公知の処理方式の中でホウフッ化水素酸(Fluoroboric acid)除汚剤は先ず安定したBF4キレートを破壊し、再びそれを安定したCaF2沈殿に形成させる。安定したBF4は常温下で、アルミニウム塩を触媒として加水分解し、HFを生成し、その後更にカルシウムイオンを加えてCaF2を生成する。上述の反応は3HBF4+Al2(SO4)3+9H2O←→2H3AlF6+3H2SO4+3H3BO3とH3AlF6+3Ca(OH)2←→3CaF2+Al(OH)3+3H2Oに示すとおりである。
そのうち、アルミニウム塩の添加量は、ホウフッ化水素酸(Fluoroboric acid)の濃度より高くしてホウフッ化水素酸(Fluoroboric acid)の破壊で除去効果を高めなければならない。しかしながら、このホウフッ化水素酸(Fluoroboric acid)の処理方式は、破壊除去効果であり、二次廃棄物が大量に生産されてしまう。
【0005】
公知の廃リン酸除汚剤の処理方式は、選択性沈殿法、直接中和沈殿法等の処理方法を含む。選択性沈殿法は、2500リットルの廃リン酸除汚剤を処理する時、鉄粉117キログラムとシュウ酸1558,5キログラムを添加し、廃リン酸除汚剤を沈殿させる。固体液体分離に必要な水は7089リットルで、ろ過完了の廃水は再び中和処理及び紫外線/オゾン(UV/O3)によるシュウ酸の分子構造を破壊する必要があり、その後廃酸除汚剤に、後続の放射性廃液処理を行う。この特許文献1に示すとおり、リン酸塩陶磁剤で固体と液体の廃棄物を処理し、そのうち固体廃棄物は先ず4ミクロンから75ミクロンの粒径粉末に研磨し、次にリン酸溶液を混合して、液体固体状のゾル廃棄物を形成し、それが廃棄物を固化させ、後続処理を楽にする。
【0006】
【特許文献1】米国特許第5,645,518号明細書
【0007】
上述からわかるとおり、現在の廃酸液処理の主な改善点は、
(一)処理の時、大量の中和剤を添加して同量の廃酸液内で混合するため、廃酸液の容積減少効果を下げる。
(二)廃酸液処理過程で発生するろ過泥と廃液は、更に処理しなければならず、廃酸液処理によって二次汚染と廃棄物の量が増える。
(三)廃酸液の処理を制御しにくいため、反応によって発生する熱が廃酸液の発生を早める。
(四)中和剤で廃酸液を中和すると、廃酸液が安定しにくい。
廃酸液の処理は、以上四項の短所を改善し、廃酸液の固化品質及び安定品質を高める必要がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
廃酸液の固化と安定化の方法を提供し、それは水酸化バリウムを添加して廃酸液のPH値を調整することにより、廃酸液を安定させ、更に廃酸液の腐蝕性を下げることを本発明の主な目的とする。
【0009】
廃酸液の固化と安定化の方法を提供し、それは先ず、少なくとも一種の固化剤で廃酸液を無数個の顆粒体に生成し、廃酸液の固化体を更に小さい体積にして更によい機械強度を具えることを本発明の次の目的とする。
【0010】
廃酸液の固化と安定化の方法を提供し、それは廃酸液処理の過程に於いて、カルシウムミョウバンを発生するのを防止して廃酸液の固化体が膨張、亀裂するのを防ぎ、廃酸液の固化体を安定させることを本発明の別の目的とする。
【0011】
廃酸液の固化と安定化の方法を提供し、それは廃酸液内に水酸化バリウムを添加し、廃酸液を硬い微細なリン酸フッ化顆粒に生成させ、結塊が粘着せず、溶液中に簡単に分散し、更に溶液が容易に輸送でき、混合しやすいことを更に別の目的とする。
【0012】
本発明は廃酸液の固化と安定化の方法とし、主なステップは、リン酸廃酸液を濃縮する。水酸化バリウムをリン酸廃酸液に入れ、そのPH値を調整してバリウム・ハイドロフォスフェイト(Barium Hydrophosphate)を生成する。更に固化剤をバリウム・ハイドロフォスフェイトに入れて固化する−を含む。そのうち、リン酸廃酸液に水酸化バリウムを加えることにより、廃酸液のPH値を調節し、廃酸液を安定化させ、リン酸廃酸液のPH値によりバリウム・ハイドロフォスフェイト(Barium Hydrophosphate)を反応生成する。更に廃酸液内に固化剤を複数回、もしくは連続して添加することにより、酸アルカリ放熱によって廃酸液の固化に影響を与えることから防止する。この他、リン酸廃酸液は固化剤によって顆粒体に生成し、廃酸液の固化体の体積を小さくして容積減少効果を高める。更にリン酸廃酸液にホウフッ化水素酸(Fluoroboric acid)廃酸液を混合し、混合廃酸液を生成し、続いて水酸化バリウムを添加して混合廃酸液のPH値を調節し、廃酸液を安定化させる。更に混合廃酸液は溶液濃度及びその金属イオンの固化反応に影響を受けない。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1の発明は、廃酸液の固化と安定化の方法において、主なステップは、
リン酸廃酸液を濃縮し、
水酸化バリウムをリン酸廃酸液に加えて、そのPH値を酸性にし、バリウム・ハイドロフォスフェイトを生成し、更に固化剤をバリウム・ハイドロフォスフェイトに混合して固化することを含むことを特徴とする廃酸液の固化と安定化の方法としている。
請求項2の発明は、請求項1記載の廃酸液の固化と安定化の方法において、前記固化剤を添加するステップの時、その固化剤は複数回、もしくは連続して入れ、温度を30から45℃に制御することを特徴とする廃酸液の固化と安定化の方法としている。
請求項3の発明は、請求項1記載の廃酸液の固化と安定化の方法において、前記水酸化バリウムをリン酸廃酸液に添加してそのPH値を酸性にするステップは、PH値を2.5から4.5に調整することを特徴とする廃酸液の固化と安定化の方法としている。
請求項4の発明は、請求項1記載の廃酸液の固化と安定化の方法において、前記リン酸廃酸液を濃縮するステップの時、そのリン酸廃酸液濃縮後の濃度は少なくとも50%とすることを特徴とする廃酸液の固化と安定化の方法としている。
【0014】
請求項5の発明は、廃酸液の固化と安定化の方法において、その主なステップは、
リン酸廃酸液を濃縮し、
ホウフッ化水素酸(Fluoroboric acid)廃酸液内に水酸化バリウムを入れ、更にリン酸廃酸液と混合し、混合廃酸液に生成し、その混合廃酸液は二部分に分け、
固化剤を二つに分け、第一部分の固化剤を攪拌器内に入れて混合攪拌し、その後第一部分の混合廃酸液を攪拌内の第一部分の固化剤内に垂らしながら入れ、少なくとも顆粒体に生成し、
その顆粒体を第二部分の混合廃酸液内に入れ、攪拌して混合し、
続いて第二部分固化剤を加え、満遍なく混合し続け、静かにおいて固化を待つことを特徴とする廃酸液の固化と安定化の方法としている。
請求項6の発明は、請求項5記載の廃酸液の固化と安定化の方法において、前記第一固化剤は、セメント、コークス粉、飛灰を含むことを特徴とする廃酸液の固化と安定化の方法としている。
請求項7の発明は、請求項5記載の廃酸液の固化と安定化の方法において、前記第二固化剤は、セメントを含むことを特徴とする廃酸液の固化と安定化の方法としている。
請求項8の発明は、請求項5記載の廃酸液の固化と安定化の方法において、前記ホウフッ化水素酸廃酸液内に水酸化バリウムを入れた後、リン酸廃酸液と混合して混合廃酸液にするステップの時、そのリン酸廃酸液/ホウフッ化水素酸の重量比は6とすることを特徴とする廃酸液の固化と安定化の方法としている。
【0015】
請求項9の発明は、廃酸液の固化と安定化の方法において、その主なステップは、
リン酸廃酸液を濃縮し、
リン酸廃酸液とホウフッ化水素酸廃酸液を混合して混合廃酸液とし、
水酸化バリウムを混合廃酸液内に入れ、混合廃酸液のPH値を酸性とし、
固化剤混合廃酸液内に加えて、固化することを含むことを特徴とする廃酸液の固化と安定化の方法としている。
請求項10の発明は、請求項9記載の廃酸液の固化と安定化の方法において、前記固化剤を添加するステップの時、その固化剤は複数回、もしくは一度に連続して入れ、温度を30から45℃に制御することを特徴とする廃酸液の固化と安定化の方法としている。
請求項11の発明は、請求項9記載の廃酸液の固化と安定化の方法において、前記混合廃酸液に水酸化バリウムを加え、そのPH値を賛成に調整するステップの時、そのPH値は2.5から4.5とすることを特徴とする廃酸液の固化と安定化の方法としている。
請求項12の発明は、請求項9記載の廃酸液の固化と安定化の方法において、前記リン酸廃酸液を濃縮するステップの時、そのリン酸廃酸液濃縮後の濃度は少なくとも50%とすることを特徴とする廃酸液の固化と安定化の方法としている。
【発明の効果】
【0016】
本発明の廃酸液の固化と安定化の方法は、廃酸液の固化品質及び安定品質を高めるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明は、廃酸液の固化と安定化の方法で、廃酸液の固化効率を高め、酸アルカリ反応時の発熱問題、及び廃酸液の濃度とその金属イオンが混合できずに固化効率に影響を与えるのを解決する。公知のpH値を調整する方法は、石灰(水酸化カルシウム)、もしくは水酸化ナトリウムを添加するが、水酸化カルシウムを添加することにより、リン酸廃酸液はリン酸カルシウムとなり、廃酸液が固化反応する。カルシウムは反応の過程に於いて、セメントのアルミン酸カルシウムと共に低密度のカルシウムミョウバンを形成し、それが廃酸液の固化体を徐々に膨張させて固化体に亀裂を入れる。廃酸液の固化体が膨張して亀裂が入ってしまうのを改善するため、固化体の廃棄物負荷量を改善する必要があるが、これらの方法は、かえって固化体の体積を大幅に増やしてしまう。この他、リン酸カルシウムは廃酸液内に於いて、溶液を結晶に生成するが、廃酸液の輸送管が結晶の影響を受け、固化した廃酸液を輸送しにくくする。この他、固化過程中に生成した顆粒体により、廃酸液の固化体を更に小さい体積にして更によい機械強度を具える。以下に本発明の一実施例で詳細な説明をする。
【0018】
図1に示すのは、本発明の一実施例のフローチャートである。図に示すように、本発明は廃酸液の固化と安定化の方法であり、本実施例中、廃酸液はリン酸を含む廃酸液とし、リン酸と硝酸の混合液、もしくはリン酸、もしくは硫酸と硝酸の混合溶液とし、金属廃棄物を洗浄することにより発生する。ステップS100に示すとおり、リン酸廃酸液は、加熱攪拌して水を水蒸気にして揮発させる。そしてその水蒸気を冷却し、水蒸気を再び水に戻す。この過程により、濃縮されたリン酸廃酸液が生成され、その濃度は濃縮50%から65%で、固化反応する濃度条件に符合する。次にステップS110に示すとおり、リン酸廃酸液の濃度を50〜65%にした後、リン酸塩の転化を行うため、水酸化バリウムを濃縮したリン酸廃酸液に添加して攪拌し、濃酸のリン酸廃酸液と水酸化バリウムを完全に反応させてバリウム・ハイドロフォスフェイト(Barium Hydrophosphate)に転化する。溶液の初期PH値は2.5から4.5に調整し、最も理想的なPH値は3とする。ステップS120に示すとおり、濃縮した廃酸液のPH値が2.5から4.5に達した時、固化剤をリン酸廃酸液に添加して、バリウム・ハイドロフォスフェイト(Barium Hydrophosphate)を含む廃酸液にして固化する。そのうち、固化剤は、リン酸廃酸液の中に複数回で、もしくは連続して添加し、且つリン酸廃酸液の温度は30〜45度に制御し、最も理想的な固化剤添加方法は三度に分けて添加し、第一回の添加量は固化剤の総重量の二分の一、二回目の添加量は固化剤の四分の一、三回目の添加量は固化剤の四分の一とする。
【0019】
図1に示す実施ステップについて、更に詳しく説明する。ステップS100のうち、先ずリン酸廃酸液を取り出して濃縮し、リン酸廃酸液の重量総和を3510gとし、リン酸廃酸液の初期濃度は45%とする。リン酸廃酸液を濃縮する時、先ずカップ中に入れ、電熱板上で加熱し、自動攪拌機で攪拌し、リン酸廃酸液を自動攪拌機の攪拌と、電熱板の加熱によって水蒸気に揮発させ、リン酸廃酸液のリン酸の重量百分比を増やし、水重量の百分比を減らす。上述の濃縮方法によって、一濃縮廃酸液が得られる。その総和は2700グラムとする。濃縮リン酸廃酸液の濃度は50〜65%に制御する。濃縮リン酸廃酸液は、ステップS110において、2700グラムの濃縮リン酸廃酸液を二度に分けて取り、それを各々1350グラムの濃縮リン酸にして混合器に分ける。そこに各々189グラムと181.6グラムの水酸化バリウムを添加し、一時間攪拌してリン酸を完全なバリウム・ハイドロフォスフェイト(Barium Hydrophosphate)に転化する。そのうち、水酸化バリウムは廃酸液のPH値を調節することによって、廃酸液を安定させる。リン酸廃酸液に水酸化バリウムを添加すると、リン酸がバリウム・ハイドロフォスフェイトに転化するだけでなく、廃酸液のPH値も3に上昇する。
【0020】
上述のとおり、中和剤の単水水酸化バリウムの用量を181.6グラムとした結果数値において、固化剤の用量は310グラムとし、リン酸廃酸液の固化体のPH値は3.8で、抗圧強度は十二日目において、7.8キログラム/cm2とし、抗圧強度は二十八日目において、61.2kg/cm2とする。中和剤用量を189gとした結果数値において、固化剤の用量は404.5gで、リン酸廃酸液の固化体のPH値は3.9であり、抗圧強度は、十二日目で101.9kg/cm2である。抗圧強度は二十八日目において、112.2kg/cm2とする。以上の実施数値結果は表1に示すとおりで、本発明の廃酸液の固化と安定化の方法は、日増しに抗圧強度が高まり、且つ固化剤と中和剤の用量は廃酸液の固化体の固化品質を高める。
【0021】
【表1】

【0022】
そのうち、リン酸廃酸液の濃縮前の総重量は1755グラムで、濃縮前の総体積は1013mlであり、水酸化バリウムをリン酸廃酸液に添加し、固化剤を複数回に分けて添加することにより、リン酸廃酸液が固化する。リン酸廃酸液が固化体に生成されると、リン酸廃酸液の固化体の総重量は1572.5グラム、総体積は834mlとなる。リン酸廃酸液の処理条件と固化結果は、表2に示すとおりで、リン酸廃酸液は、本発明の固化と安定の方法によって固化すると、リン酸廃酸液は用量、重量を有効に減らす。
【0023】
【表2】

【0024】
図2に示すのは、本発明の別の実施例のフローチャートである。そのうち、図1と図2が異なる点は、図1のフローチャートでは、水酸化バリウムと固化剤だけを添加してリン酸廃酸液を固化しているが、図2のフローチャートでは、更に水酸化バリウムをホウフッ化水素酸(Fluoroboric acid)廃酸液に添加し、リン酸廃酸液と混合して混合廃酸液にしており、更にその一混合廃酸液は第一固化剤で顆粒体に生成し、第二固化剤で廃酸液を固化する。ステップS200に示すとおり、その濃縮リン酸廃酸液は、リン酸廃酸液の濃度を55%にする。ステップ210では、水酸化バリウムをホウフッ化水素酸(Fluoroboric acid)廃酸液に添加し、安定したフッ化バリウム(BaF2)沈殿を形成し、濃度55%のリン酸廃酸液と混合攪拌し、廃酸液の安定処理を完成する。そのうち、リン酸廃酸液とホウフッ化水素酸(Fluoroboric acid)の重量比は6とする。S220では、混合廃酸液を第一固化剤内にゆっくりと点滴し、混合廃酸液を複数個の微小な顆粒体に生成する。そのうち、第一固化剤にはセメント、コークス粉と飛灰を含む。ステップS230では、複数個の顆粒体を半分にした廃酸液内に混合して攪拌し、続いて第二固化剤を添加し、混合廃酸液を固化する。混合廃酸液には無数個の顆粒体を含み、混合廃酸液の固化体は無数個の顆粒体によって骨材となり、固化体は更に軽くなる。そのうち、第二固化剤はセメントとする。
【0025】
図2の実施フローチャートについて詳しく説明し、詳細な数値を本実施が提供する効果とする。ステップS220では、濃度を55%とする濃縮リン酸廃酸液を取りだす。リン酸廃酸液濃縮前の重量は6282グラムとし、リン酸廃酸液濃縮後の重量を5140グラムとする。ステップS210では先ず水酸化バリウムをホウフッ化水素酸(Fluoroboric acid)内に添加し、続いてリン酸廃酸液を混合し、混合廃酸液を生成する。そのうち、ホウフッ化水素酸(Fluoroboric acid)廃酸液の重量は860グラムとし、水酸化バリウムの使用量は396グラムとする。ステップ220では、固化剤を混合廃酸液内に添加し、顆粒体を生成する。そのうち固化剤の用量は3029グラムとし、且つ廃酸液に混合して粒生成すると、上述重量の累計値の68.91%に減る。他に、更に別のリン酸廃酸液を取り出して比較する。そのうちリン酸廃酸液の濃度は50%、別のリン酸廃酸液濃縮後の重量は5747グラム、ホウフッ化水素酸(Fluoroboric acid)廃酸液の重量は1122グラム、水酸化バリウムの使用量は524グラムとし、固化剤の用量は4223グラムとする。混合廃酸液が粒生成後、上述重量の累計値の77.72%に減る。以上表3に示すとおり、本発明の廃酸液の固化と安定化の方法は顆粒体の生成により、総重量を有効に下げることができる。
【0026】
【表3】

【0027】
ステップS230では、取り出した混合廃酸液で、リン酸濃縮前の総重量は1571グラム、ホウフッ化水素酸(Fluoroboric acid)の総重量は215グラム、水酸化バリウムの用量は210グラム、固化剤の用量と混合廃酸液の重量百分比は30.1%である。混合廃酸液固化後、固化体三日目の抗圧強度は25kg/cm2、28日目の抗圧強度は28kg/cm2、その他量列の結果数値もまた混合廃酸液の固化体が日数を経るごとに抗圧強度が高まることを表している。この他、浸水テストの結果数値で最良の抗圧強度が74kg/cm2で、三ヶ月の浸水テストで、抗圧強度は53.5kg/cm2である。そのため廃酸液の固化体は良好な耐性及び耐水性を具える。表4に示すのは、本発明の廃酸液の固化と安定化の方法で、第一固化剤で顆粒体を生成しても固化効率に影響を与えない。これは先ず、二分の一の混合廃酸液の活性を慣性化し、更に二分の一の混合廃酸液を添加して固化する。酸アルカリ反応時の放熱問題を解決する他に、強度な発熱によって廃酸液が早く固まり、混合廃酸液の固化体品質に影響を及ぼすことを防止する。本発明の廃酸液の固化と安定化の方法は、生成顆粒体増やすステップがフローチャートに於いて実施された時、廃酸液の固化体に抗圧強度を高める。
【0028】
【表4】

【0029】
図3に示すのは、本発明の別の実施例のフローチャートである。そのうち、図2と図3の異なる点は、図2のフローチャート内でホウフッ化水素酸(Fluoroboric acid)廃酸液に水酸化バリウムを添加し、更にリン酸廃酸液を混合し、混合廃酸液を形成する。図3のフローチャートでは、ホウフッ化水素酸(Fluoroboric acid)廃酸液を、先ずリン酸廃酸液に混合し、次に水酸化バリウムを添加する。ステップS300では、濃縮リン酸廃酸液の濃度を50%から65%にする。ステップS310では、濃度50%から65%のリン酸廃酸液とホウフッ化水素酸(Fluoroboric acid)を混合廃酸液にする。そのうち、リン酸/ホウフッ化水素酸廃酸液の重量比は6とする。ステップS320では、水酸化バリウムを廃酸液に混合し、混合廃酸液のPH値を制御し、且つ一時間の反応時間を取り、水酸化バリウムとホウフッ化水素酸(Fluoroboric acid)廃液を十分に反応させる。そのうち、混合廃酸液のPH値は2.5から4.5とする。ステップS330では、混合廃酸液を均一に攪拌しながら、固化剤を複数回に分けて添加し、固化剤の最も良好な添加方式は混合廃酸液に三回に分けて添加する。そのうち、第一回目の固化剤は、総重量の二分の一で、第二回目は総重量の四分の一、三回目は総重量の四分の一とする。固化剤の成分は、セメント、コークス粉、シリコン灰と飛灰を含み、固化剤を添加する時の温度は摂氏30度から45度に制御する。
【0030】
図3の実施フローチャートに基づき、詳細な数値結果を本発明の効果とする。ステップS300ではリン酸廃酸液を取り出してNo.B5の実施数値とする。そのうち、リン酸濃縮前の総重量は5711グラムで、濃縮したリン酸廃酸液を加熱拡散して取り出し、その総重量は5140グラムとする。ステップS310では、濃縮リン酸廃酸液にホウフッ化水素酸(Fluoroboric acid)廃酸液を混合して安定した混合廃酸液を生成する。そのうち、ホウフッ化水素酸(Fluoroboric acid)の総重量は860グラムとする。ステップS320では水酸化バリウムを廃酸液内に混合し、水酸化バリウムと混合廃酸液の反応時間を一時間とし、水酸化バリウムと混合廃酸液を完全に反応させる。そのうち水酸化バリウムの用量は840グラムとする。続いてステップS330では混合廃酸液内に数回に分けて固化剤を添加する。そのうち、固化剤はセメント1200グラム、コークス粉96グラム、シリコン灰172グラム及び飛灰504グラムを含む。固化剤の総重量は1560グラムで、且つ固化剤用量/混合廃酸液総重量は23.74%とし、(固化剤用量+中和剤)/混合廃酸液総重量は36.83%とする。固化体は二十八日目の抗圧強度が27.0kg/cm2で、三ヵ月後の浸水テストの抗圧強度は60kg/cm2である。
【0031】
表5に示すのは、上述の実施数値であり、この他、No.B6とNo.B7の数値もまたNo.B5と同じである。表5の数値結果からわかるのは、廃酸液の固化体は良好な耐性と耐水性を具えるため、本発明の廃酸液の固化と安定化の方法により、固化剤添加に依る瞬間放熱の問題を改善し、更に瞬間放熱によって廃酸液が早く凝固してしまい、固化効率及び品質に影響を与えるのを防ぐ。
【0032】
【表5】

【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の一実施例のフローチャートである。
【図2】本発明の別の実施例のフローチャートである。
【図3】本発明の別の実施例のフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃酸液の固化と安定化の方法において、主なステップは、
リン酸廃酸液を濃縮し、
水酸化バリウムをリン酸廃酸液に加えて、そのPH値を酸性にし、バリウム・ハイドロフォスフェイトを生成し、更に固化剤をバリウム・ハイドロフォスフェイトに混合して固化することを含むことを特徴とする廃酸液の固化と安定化の方法。
【請求項2】
請求項1記載の廃酸液の固化と安定化の方法において、前記固化剤を添加するステップの時、その固化剤は複数回、もしくは連続して入れ、温度を30から45℃に制御することを特徴とする廃酸液の固化と安定化の方法。
【請求項3】
請求項1記載の廃酸液の固化と安定化の方法において、前記水酸化バリウムをリン酸廃酸液に添加してそのPH値を酸性にするステップは、PH値を2.5から4.5に調整することを特徴とする廃酸液の固化と安定化の方法。
【請求項4】
請求項1記載の廃酸液の固化と安定化の方法において、前記リン酸廃酸液を濃縮するステップの時、そのリン酸廃酸液濃縮後の濃度は少なくとも50%とすることを特徴とする廃酸液の固化と安定化の方法。
【請求項5】
廃酸液の固化と安定化の方法において、その主なステップは、
リン酸廃酸液を濃縮し、
ホウフッ化水素酸(Fluoroboric acid)廃酸液内に水酸化バリウムを入れ、更にリン酸廃酸液と混合し、混合廃酸液に生成し、その混合廃酸液は二部分に分け、
固化剤を二つに分け、第一部分の固化剤を攪拌器内に入れて混合攪拌し、その後第一部分の混合廃酸液を攪拌内の第一部分の固化剤内に垂らしながら入れ、少なくとも一顆粒体に生成し、
その顆粒体を第二部分の混合廃酸液内に入れ、攪拌して混合し、
続いて第二部分固化剤を加え、満遍なく混合し続け、静かにおいて固化を待つことを特徴とする廃酸液の固化と安定化の方法。
【請求項6】
請求項5記載の廃酸液の固化と安定化の方法において、前記第一固化剤は、セメント、コークス粉、飛灰を含むことを特徴とする廃酸液の固化と安定化の方法。
【請求項7】
請求項5記載の廃酸液の固化と安定化の方法において、前記第二固化剤は、セメントを含むことを特徴とする廃酸液の固化と安定化の方法。
【請求項8】
請求項5記載の廃酸液の固化と安定化の方法において、前記ホウフッ化水素酸廃酸液内に水酸化バリウムを入れた後、リン酸廃酸液と混合して混合廃酸液にするステップの時、そのリン酸廃酸液/ホウフッ化水素酸の重量比は6とすることを特徴とする廃酸液の固化と安定化の方法。
【請求項9】
廃酸液の固化と安定化の方法において、その主なステップは、
リン酸廃酸液を濃縮し、
リン酸廃酸液とホウフッ化水素酸廃酸液を混合して混合廃酸液とし、
水酸化バリウムを混合廃酸液内に入れ、混合廃酸液のPH値を酸性とし、
固化剤混合廃酸液内に加えて、固化することを含むことを特徴とする廃酸液の固化と安定化の方法。
【請求項10】
請求項9記載の廃酸液の固化と安定化の方法において、前記固化剤を添加するステップの時、その固化剤は複数回、もしくは一度に連続して入れ、温度を30から45℃に制御することを特徴とする廃酸液の固化と安定化の方法。
【請求項11】
請求項9記載の廃酸液の固化と安定化の方法において、前記混合廃酸液に水酸化バリウムを加え、そのPH値を酸性に調整するステップの時、そのPH値は2.5から4.5とすることを特徴とする廃酸液の固化と安定化の方法。
【請求項12】
請求項9記載の廃酸液の固化と安定化の方法において、前記リン酸廃酸液を濃縮するステップの時、そのリン酸廃酸液濃縮後の濃度は少なくとも50%とすることを特徴とする廃酸液の固化と安定化の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−212796(P2008−212796A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−51848(P2007−51848)
【出願日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【出願人】(599171866)行政院原子能委員會核能研究所 (37)
【Fターム(参考)】