説明

廊下灯

【課題】本発明は、病室に入る場合の一連の動作に手指消毒の行為を関連付けることによって、手指消毒を自然に行える消毒液塗布手段を内蔵する廊下灯を提供する。
【解決手段】廊下灯1は、本体10と表示灯4と復旧ボタン5と消毒液タンク6と液体吐出機構(消毒液塗布手段)7とを備える。本体10は、病室の外の廊下の壁に取り付けられる。表示灯4は、ナースコールの子機が操作されると待機状態から点灯状態へ変化する。復旧ボタン5は、本体10の外部に露出して設けられ、点灯状態の表示灯4を手動操作によって待機状態に回復させる。消毒液タンク6は、本体10に内蔵されて、消毒液600を貯留する。液体吐出機構7は、復旧ボタン5を手動操作した手指に消毒液タンク6に貯留された消毒液600を付着させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、病棟の各部屋の入口近辺の廊下の壁に設置される廊下灯に関する。
【背景技術】
【0002】
院内感染を防ぐために、手や指を消毒するための消毒用アルコール溶液などの入った容器は各病室へ通じる入口の廊下側の壁面に設置されている。特許文献1に記載の戸装置は、引き戸または回動式扉の戸当り部もしくは子扉に、この手指消毒液の入った容器を設置している。戸当り部もしくは子扉の壁面には、外面から引込んだ収納部が設けられている。手指消毒液が入れられた容器は、この収納部に設置されている。
【0003】
容器は、上部に押しボタンとノズル部とを有しており、押ボタンが押されることによって、ノズル部から消毒液を吐出させる。押ボタンおよびノズル部が壁面よりも廊下側に突出するように、容器は、傾いた状態に収納部に収納されている。
【0004】
また、特許文献2に記載の手指の消毒率表示装置は、病室の入口に設置され、通過検知装置と消毒検知装置と表示装置とを備えている。通過検知装置は、病室に出入りするものを検出する。消毒検知装置は、病室の外である廊下の壁に設置された消毒液ボトルに装着されており、消毒液ボトルが使用された回数を検出する。
【0005】
表示装置は、通過検知装置から出力される信号を通過数として記憶し、消毒検知装置から出力される信号を消毒回数として記憶する。表示装置は、通過回数と消毒回数とから消毒率を算出し、これを表示する。
【特許文献1】特開2002−188375号公報
【特許文献2】実用新案登録第3113835号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1および特許文献2に記載された手指消毒の手法によれば、手指消毒の動作は、病室に入るための動作と関連性が少ない。したがって、いずれの場合も病室に入る者にその意思が無い限り、急いでいるときは特に手指消毒することを忘れていても、それに気付かないこともある。
【0007】
また、回診の場合を除き、病室に入る医療従事者の多くは、その病室に設置されたナースコールで呼び出されることによって訪れることがほとんどである。一般的に各病室の寝台の周囲に用意されるナースコールの子機は、医療従事者が待機するナースセンターに設置される管理装置の他に、各病室の入口に設置された廊下灯と連動している。廊下灯は、表示灯と復旧ボタンとを有している。表示灯は、子機で呼出が行われると点灯する。復旧ボタンは、点灯した表示灯を復旧させるために、その病室に駆けつけた医療従事者によって操作される。したがって、呼び出された医療従事者は、各病室に到着すると、入口に設置されている廊下灯の復旧ボタンを必ず触る。
【0008】
そこで、本発明は、ナースコール等の呼出に応じて、病室に入る場合の一連の動作に手指消毒の行為を関連付けることによって、手指消毒を自然に行える消毒液塗布手段を内蔵する廊下灯を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る廊下灯は、本体と表示灯と復旧ボタンと消毒液タンクと消毒液塗布手段とを備える。本体は、ナースコールの子機が設置された病室の外の廊下の壁に取り付けられる。表示灯は、子機が操作されたことを待機状態から点灯状態へ変化することによって報知する。復旧ボタンは、本体の外部に露出して設けられ、点灯状態の表示灯を手動操作によって待機状態に回復させる。消毒液タンクは、本体に内蔵されて、消毒液を貯留する。消毒液塗布手段は、復旧ボタンを手動操作した手指に消毒液タンクに貯留された消毒液を付着させる。
【0010】
この場合、消毒液塗布手段は、噴射孔と液体吐出機構とを備えることが好ましい。噴射孔は、復旧ボタンに開口される。液体吐出機構は、復旧ボタンが操作されることによって消毒液タンクに貯留されている消毒液を噴射孔から噴出させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る廊下灯によれば、ナースコールによって作動する表示灯の復旧ボタンを操作することによって、この復旧ボタンを操作した手指に消毒液が塗布される。復旧ボタンは、ナースコールによって呼び出され病室に到着した医療従事者が必ず操作し触れる。このように、病室に入る前に手指を消毒するという動作と、表示灯を復旧させるという動作とが、1つの動作に関連付けられているので、病室に一番に到着した医療従事者は、少ない動作で表示灯の復旧と手指の消毒とを済ませることができ、呼び出された要件に迅速に対応することができるようになる。
【0012】
また、消毒液を貯留する容器を廊下灯に内蔵したので、消毒液の容器を別途設置するための場所を必要としない。したがって、廊下を往来する人や車椅子、移動ベッド等の邪魔にならないだけでなく、各病室の入口近辺に設置された消毒液の容器を引っ掛けて落としてしまう心配もなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明に係る第1の実施形態の廊下灯1について、図1から図10を参照して説明する。図1に示す廊下灯1は、病院内に設けられた病室の入口の近辺の外側である廊下の壁に取り付けられる。病室には、ナースコールの子機が寝台の数に応じて設備されている。廊下灯1は、図1に示すように、対応する病室の番号表示部2と、その病室に入院している人の氏名を表示する表札3とを本体10に有している。
【0014】
また、この廊下灯1は、表示灯4と復旧ボタン5と消毒液タンク6と液体吐出機構7とを本体10に備える。液体吐出機構7は、消毒液塗布手段の一形態である。表示灯4は、各表札3の隣にそれぞれ設けられており、ナースコールの子機が操作されると、待機状態から点灯状態へと変化する。ナースコールの親機は、ナースセンターに設置されている。ナースセンターには、看護師や医者等の医療従事者が待機しており、子機に設けられた呼出ボタンが操作されると、どの病室のどの寝台に付随する子機が操作されたか判るようになっている。
【0015】
ナースコールによって子機からの呼出があった場合、医療従事者は、ナースコールのインターホン機能を利用して子機を操作した者と通話するか、操作された子機のところまで駆け付けるかして、状況を確認する。また、操作された子機が設置された病室に駆け付けた医療関係者は、病室に入る前に復旧ボタン5を押して、表示灯4を点灯状態から待機状態に回復させる。復旧ボタン5は、図1に示すように廊下灯1の下部中央に露出して設けられている。
【0016】
復旧ボタン5の中央には、噴出孔51が設けられている。消毒液タンク6と液体吐出機構7とは、廊下灯1の本体10に内蔵されている。噴出孔51は、液体吐出機構7を介して消毒液タンク6に通じている。消毒液タンク6には、アルコール等の消毒液600が貯留されている。復旧ボタン5を奥まで押込み、放すことによって、消毒液タンク6に貯留されている消毒液600は、液体吐出機構7によって噴出孔51から噴出す。この結果、復旧ボタン5を押した手指には、必ず消毒液600が塗布される。
【0017】
復旧ボタン5を押したことによって消毒液600を吐出させる液体吐出機構7について、以下に具体的に説明する。
【0018】
図2に示すように、液体吐出機構7は、消毒液タンク6の上に配置され、正面に復旧ボタン5が装着されている。消毒液タンク6は、底部中央が最も深くなるように作られた外殻容器61と、底部中央に届くように設けられた汲出管62とを備えている。また、復旧ボタン5が押込まれた場合にこの復旧ボタン5と接触する位置にスイッチ52が配置されている。このスイッチ52は、復旧ボタン5があたって押込まれることによって、点灯状態の表示灯4を待機状態に回復させるための信号を出力する。
【0019】
液体吐出機構7は、図3に示すように、ハウジング71と圧力供給コック72と流路切換ロッド73とガスボンベ74とを備えている。ハウジング71は、図6に示すように、互いに立体交差する配置に第1の貫通孔711および第2の貫通孔712を有している。第1の貫通孔711には、図3および図5に示すように圧力供給コック72が装着される。第2の貫通孔712には、流路切換ロッド73が挿入される。
【0020】
第1の貫通孔711と第2の貫通孔712とは、図6に示すように、ハウジング71のほぼ中央部で第1の経路713によって連通されている。また、ハウジング71は、第2の貫通孔712から消毒液タンク6に向かって延びる第2の経路714と第3の経路715を有している。第2の経路714は、第1の経路713に対して復旧ボタン5が配置される手前側と反対側の奥側に配置され、第3の経路715は、第1の経路713に対して手前側に配置されている。
【0021】
図3および図8に示すように、消毒液タンク6は、上部に加圧ポート63および液吐出ポート64を有している。加圧ポート63および液吐出ポート64には、それぞれOリング65が装着されている。第2の経路714は、加圧ポート63と気密に嵌合するガス供給口716を有し、第3の経路715は、液吐出ポート64と液密に接続される消毒液流入口717を有している。
【0022】
液吐出ポート64は、外殻容器61の中に延びる汲出管62を装着するために外殻容器61と別体に設けられており、汲出管62が装着された状態で外殻容器61に接着固定される。消毒液タンク6は、加圧ポート63および液吐出ポート64以外、気密に構成されている。
【0023】
圧力供給コック72は、第1の貫通孔711に差し込まれる弁体721とガスボンベ74が接続されるボンベ取付部722とを有している。ガスボンベ74は、二酸化炭素または窒素など消毒液を劣化させない不活性ガスを高圧で封入したカートリッジである。ボンベ取付部722に螺合されることによって、ガスボンベ74は、開封される。圧力供給コック72は、図2に示すようにガスボンベ74を消毒液タンク6に沿う方向へ向けた状態で、ボンベ取付部722から第1の経路713とを連通させる圧力供給路723が形成されている。
【0024】
圧力供給コック72のエルボ部の弁体721の延長上に位置する部分には、圧力供給路723を加工したときにできる開口を塞ぐプラグ724が装着される。また、圧力供給路723の出口の外周、およびこの出口を挟んで弁体721の外周には、Oリング725,726が取り付けられている。
【0025】
また、図3および図7に示すように、圧力供給路723の出口に対してOリング725より離れた位置にグルーブ727が設けられている。圧力供給コック72が第1の貫通孔711から抜けないように、このグルーブ727に嵌合するロックピン728がハウジング71に圧入されている。なお、ロックピン728の代わりにスプリングピンや割ピンであってもよいし、EリングやCリングを取り付けられる構造としてもよい。
【0026】
流路切換ロッド73は、図3に示すように、第2の貫通孔712に奥側から摺動自在に挿入されている。また、流路切換ロッド73は、図5や図8に示すように、ハウジング71の手前側に突出する十分な長さを有しており、突出した部分に復旧ボタン5が取り付けられている。復旧ボタン5とハウジング71との間の流路切換ロッド73の外周には、流路切換ロッド73を手前側に付勢するスプリング75が装着されている。
【0027】
流路切換ロッド73は、ハウジング71の中を移動して流路を切換えるためのいわゆるスプールであり、アウタースリーブ731とコア732とで構成されている。アウタースリーブ731は、奥側にフランジ733を有している。このフランジ733は、スプリング75によって手前側に飛び出すことを防ぐストッパの役割をしている。アウタースリーブ731は、この内側と外側を連通する気体ポート734および液体ポート735を有している。
【0028】
図8に示すように、流路切換ロッド73がフランジ733によって係止された状態において、気体ポート734は、第1の経路713に連通され、液体ポート735は、第3の経路に連通される。また、図9に示すように復旧ボタン5が操作されることによって流路切換ロッド73が奥側に移動させられた状態において、気体ポート734は、第1の経路713と遮断され、第2の経路714と連通される。図9に示す状態において、液体ポート735は、第3の経路715と遮断される。
【0029】
上述のように流路切換ロッド73が摺動した場合に、気体ポート734および液体ポート735がそれぞれ第1の経路713、第2の経路714、第3の経路715に対して、連通または遮断されるために、アウタースリーブ731は、外周に溝が形成され、Oリング736が装着されている。
【0030】
コア732は、アウタースリーブ731に手前側から嵌入されている。これにより、アウタースリーブ731の奥側にガスチャンバ76が形成されている。このガスチャンバ76は、気体ポート734に連通している。コア732の中心には、手前側に貫けて復旧ボタン5の噴出孔51に通じる液体経路737が設けられている。また、液体経路737は、コア732を直径方向に貫通する孔によって、液体ポート735に連通している。さらに、コア732は、気体ポート734と液体ポート735とを分離するために、これらの間に対応する位置の外周に溝が形成されOリング738が装着されている。
【0031】
以上のように構成された液体吐出機構7は、以下のように機能する。まず、図4に示すように、ガスボンベ74および消毒液タンク6を取り付ける場合、もしくは交換する場合について説明する。廊下灯1の本体10の手前側に設けられるカバー11には、カム12が設けられている。カバー11を開けると消毒液タンク6が下りて、液体吐出機構7から分離される。また、カバー11を閉じると、消毒液タンク6は、カム12によって押し上げられ、液体吐出機構7に接続される。
【0032】
ガスボンベ74は、圧力供給コック72のボンベ取付部722が手前側に向いている状態で、開封されるまでねじ込まれる。このとき、圧力供給路723は、第1の経路713と遮断された状態である。ガスボンベ74が圧力供給コック72に接続されると、図4に示すようにガスボンベ74ごと回動され、圧力供給路723は、図5および図7に示すように第1の経路713に接続される。
【0033】
図8に示すように、スプリング75によって流路切換ロッド73が手前側に寄せられている待機状態において、ガスチャンバ76は、気体ポート734および第1の経路713を介してガスボンベ74に接続されることによって、このガスボンベ74の圧力と平衡する。
【0034】
図9に示すように復旧ボタン5を奥まで押込むと、復旧ボタン5が取り付けられた流路切換ロッド73が移動し、気体ポート734は、第1の経路713と遮断され第2の経路714と連通される。この結果、ガスチャンバ76内のガスは、消毒液タンク6に移動する。このとき図9に示すように液体ポート735は、第3の経路715と遮断された状態である。したがって、消毒液タンク6の中は、大気圧よりも加圧された状態となる。また、復旧ボタン5が押込まれることによって、スイッチ52が作動し信号を出力する。この信号を基に、表示灯4は、表示を待機状態に回復される。
【0035】
図10に示すように復旧ボタン5を放すと、スプリング75によって流路切換ロッド73は待機状態に戻される。液体ポート735は、第3の経路715と接続され、気体ポート734は、第2の経路714と遮断される。したがって、消毒液600は、消毒液タンク6内部の圧力によって、汲出管62から第3の経路715、液体経路737を通って、噴出孔51から吐出される。
【0036】
抽出される消毒液600の量は、ガスチャンバ76に隔離されるガスの体積と圧力によって、一定量に決まる。したがって、ガスボンベ74の定格圧力に応じてガスチャンバ76の容積を決定すれば、復旧ボタン5を1回操作することによって手指に塗布される消毒液の吐出量を適量に設定することができる。このように、本実施形態のように、ガスボンベ74を用いているので、復旧ボタン5の押込みストロークが小さくても、これに関係なく、手指消毒に十分な量の消毒液600を吐出させることができる。
【0037】
また、図10に示すように、流路切換ロッド73が待機状態に戻ることによって、気体ポート734が第1の経路713と接続され、ガスボンベ74からガスチャンバ76にガスが充填される。
【0038】
このように、この廊下灯1に設けられた液体吐出機構7は、復旧ボタン5を1回操作することによって、適量の消毒液600が吐出されるとともに、表示灯4が復旧される。また、液体吐出機構7は、復旧ボタン5を放したときにちょうど消毒液が吐出される機構を有しているので、噴出孔51を指で塞いでしまうこともない。
【0039】
噴出孔51の形状、またはコア732に設けられる液体経路737の出口の形状を一般に知られるスプレーの噴出ノズルのように形成することによって、消毒液600を霧状に噴射させることも可能である。また、汲出管62が消毒液タンク6の最下部に届くように設けられているので、最後まで完全に消毒液を使い切ることができる。
【0040】
ガスボンベ74および消毒液タンク6は、カートリッジ式であるため、消耗品としての交換が容易である。特にガスボンベ74は、廊下灯1に向かって突き立てる向きで圧力供給コック72に装着される場合、圧力供給路723が遮断された状態であるので、誤って消毒液600が噴出することもない。
【0041】
本発明に係る第2の実施形態の廊下灯について、図11および図12を参照して説明する。なお、第1の実施形態における廊下灯と同じ機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0042】
本実施形態における廊下灯1は、復旧ボタン5の操作部に滲出部材53を備えている。滲出部材53は、スポンジ状の柔軟な発泡体であり、噴出孔51を塞ぐ位置に取り付けられている。噴出孔51から吐出された消毒液600は、滲出部材53の表面を適度に湿らせ、かつ、垂れ落ちないように滲出部材53に保持される。
【0043】
また、この実施形態における液体吐出機構7は、復旧ボタン5が押込まれた状態で液体経路737が消毒液タンク6と連通される位置に第3の経路715を配置している。消毒液タンク6の液吐出ポート64は、復旧ボタン5が押込まれた状態で開通される液体供給路の入口に対応する位置に配置される。
【0044】
なお、第3の経路715を奥行き方向へ斜めに開通させることによって、第1の実施形態における消毒液タンク6の加圧ポート63と液吐出ポート64との位置を変更することなく、そのまま第2の実施形態の液体吐出機構7に適用することも可能である。上記以外の構成は、第1の実施形態における廊下灯の液体吐出機構と同じであるので、ここでの記載を省略する。
【0045】
上記構成を備える第2の実施形態の液体吐出機構7は、復旧ボタン5を奥まで押込むと、ガスチャンバ76は、第2の経路714を介して消毒液タンク6に連通され、液体経路737は、第3の経路715を介して消毒液タンク6に連通される。したがって、消毒液600は、復旧ボタン5が押込まれた状態で、消毒液タンク6からガス圧によって汲み上げられ、滲出部材53に染み渡る。このように、本実施形態の液体吐出機構7は、復旧ボタン5を押した時に消毒液600が滲出部材53に染み出し、手指に付着する。
【0046】
なお、第1の実施形態および第2の実施形態において、復旧ボタン5は、一度押せば表示灯4を点灯状態から待機状態に復旧させることができるものであり、待機状態で何度押してもナースコールに対して何か変化をもたらすものではない。したがって、ナースコールの子機が操作されて点灯状態となった表示灯4を復旧させるため以外に、その病室に入室する前に消毒液600を手指に塗布するためにこの復旧ボタン5を操作してもよい。
【0047】
また、消耗品である消毒液600がなくなった場合、消毒液タンク6を交換する必要がある。光学式の液量センサなどを設けて消毒液600の残量を検出し、消毒液600が無くなった、あるいは消毒液600が残りわずかとなったと判断した場合、アラームを鳴らしたり表示灯4を呼び出し時と異なる状態に点灯させたりすることによって消毒液タンク6の交換を促すことを報知することも好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、部屋に入る前または出た後で手指の消毒が必要となる施設の各部屋の入口に設置し、衛生面に配慮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明に係る第1の実施形態の廊下灯を示す正面図。
【図2】図1に示した廊下灯に内蔵される液体吐出機構の斜視図。
【図3】図2に示した液体吐出機構の分解斜視図。
【図4】図2に示した液体吐出機構の消耗品を交換する状況の斜視図。
【図5】図2に示した液体吐出機構の一部を断面にした斜視図。
【図6】図3に示した液体吐出機構のハウジングの一部を断面にした斜視図。
【図7】図5に示した液体吐出機構の圧力供給路を通る断面図。
【図8】図5に示した液体吐出機構の液体径路を通る断面図。
【図9】図5に示した液体吐出機構の液体径路を通る断面図において復旧ボタンを指で押込んだ状態の図。
【図10】図5に示した液体吐出機構の液体経路を通る断面図において復旧ボタンを押込んだ後で復旧ボタンから指を離した状態の図。
【図11】本発明に係る第2の実施形態の廊下灯に組み込まれる液体吐出機構の液体経路を通る断面図。
【図12】図11に示した液体吐出機構の液体経路を通る断面図において復旧ボタンを指で押込んだ状態の図。
【符号の説明】
【0050】
1…廊下灯、4…表示灯、5…復旧ボタン、6…消毒液タンク、7…液体吐出機構(消毒液塗布手段)、10…本体、51…噴出孔、600…消毒液。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナースコールの子機が設置された病室の外の廊下の壁に取り付けられる本体と、
前記子機が操作されたことを待機状態から点灯状態へ変化することによって報知する表示灯と、
前記本体の外部に露出して設けられ、点灯状態の前記表示灯を手動操作によって待機状態に回復させる復旧ボタンと、
前記本体に内蔵されて、消毒液を貯留する消毒液タンクと、
前記復旧ボタンを手動操作した手指に前記消毒液タンクに貯留された消毒液を付着させる消毒液塗布手段と
を備えることを特徴とする廊下灯。
【請求項2】
前記消毒液塗布手段は、
前記復旧ボタンに開口された噴射孔と、
前記復旧ボタンが操作されることによって前記消毒液タンクに貯留されている消毒液を前記噴射孔から噴出させる液体吐出機構と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の廊下灯。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−73348(P2008−73348A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−257845(P2006−257845)
【出願日】平成18年9月22日(2006.9.22)
【出願人】(591253593)株式会社ケアコム (493)
【Fターム(参考)】