説明

延伸テープ製品のためのポリエチレン組成物

特にモノフィラメント、モノテープ、及び延伸テープを製造するのに好適なポリエチレン組成物を開示する。本発明のポリエチレン組成物は、95.1重量%〜99.5重量%の、0.930g/cmより高い密度及び2.0〜5.9の多分散度:M/Mを有するポリエチレン、及び4.9重量%〜0.5重量%のポリブテンを含む。この組成物から製造されるフィルムのバブル安定性及び機械的特性は、有利に向上する。また、モノフィラメント、モノテープ、又は延伸テープを製造するための、90.0重量%〜99.5重量%の、0.930g/cmより高い密度を有するポリエチレン、及び10.0重量%〜0.5重量%のポリブテンを含むポリエチレン組成物の使用も開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特にモノフィラメント、モノテープ、及び延伸テープの用途に好適な新規なポリエチレン組成物、かかる組成物を含むフィルム、並びにフィラメント、モノテープ、又は延伸テープから出発して編織物品を製造するため、例えば人工芝、ネット、ジオテキスタイル、ロープ、ヤーン、布帛、防水布、及び袋を製造するための、ポリエチレン組成物の使用に関する。本発明は、また、ポリエチレン組成物を含むこれらの物品、並びにポリエチレン組成物を用いてこれらの物品を製造する方法にも関する。
【0002】
本明細書及び特許請求の範囲において、「モノフィラメント」という用語は、実質的に円形の横断面を有する単軸配向の線様ポリマーストランドを示すように用いられる。モノフィラメントは溶融紡糸法によって製造され、その寸法は最終用途によって直径50μm〜1.0mmの範囲である。
【0003】
本明細書及び特許請求の範囲の目的のためには、他に示す場合を除き、量、分量、割合などを表す全ての数は、全ての場合において用語「約」によって修飾されていると理解すべきである。また、全ての範囲は、開示されている最大点及び最小点の任意の組み合わせを包含し、明細書で具体的に示されていてもいなくてもよいその中の任意の中間範囲を包含する。
【0004】
本明細書及び特許請求の範囲において、「モノテープ」という用語は、横断面の軸方向に内側の部分におけるより厚い部分と軸方向に外側の部分における二つのより薄い部分を画定するように外側に向かって細くなっている横断面を有するテープを指すように意図される。
【0005】
本明細書及び特許請求の範囲において、「テープ」という用語は、所定の破断点伸びを有するストリップを示すように意図され、一方、ラフィアの用語でも当該分野において知られている「延伸テープ」という用語は、単軸配向処理の後に、配向前のテープの破断点伸びよりも小さい破断点伸びを有する同様のストリップを示すように用いられる。一例として、テープは一般に100%より高い破断点伸びを有し、一方、対応する延伸テープ、即ち配向後のテープは、一般に100%より低い破断点伸びを有する。配向後は、延伸テープは、配向前のテープの初期幅及び厚さに対して減少した幅及び厚さを有する。一般に、幅における減少は、厚さにおける減少よりも大きい。
【背景技術】
【0006】
編織物品に加工することができる延伸テープ、モノテープ、モノフィラメント、及び同様の半仕上げ製品を製造するために通常用いられる公知の原材料は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、及びポリエステルのようなポリマーである。
【0007】
公知のように、延伸テープは、一般に、ブローン法又はキャストフィルム法のいずれか、一般にはブローンフィルム法によって製造されるフィルムから出発して製造される。フィルムは、複数のテープに切断した後に配向するか、或いは逆に配向した後にテープに切断することができる。配向は、フィルム又はテープを、フィルム又はテープを構成する材料の融点より低い温度において、空気オーブンに通すか或いはホットプレート上で延伸することによって行う。延伸は、フィルム又はテープを、それぞれ空気オーブン/ホットプレートの上流及び下流に配置され、異なる速度で駆動されている第1及び第2のローラーの組(ここで、第2のローラーの組の速度は、第1のローラーの組の速度よりも大きい)の上に通すことによって行う。
【0008】
これらの用途のために市場において好ましく用いられているポリマーは、例えばBasellから商業的に入手することのできるHostalen GF7740F1、GF7740F2、GF7740F3、GF7750-M2グレードのような、チーグラー・ナッタ触媒を用いて製造される、1g/10分よりも小さいMFR(190/2)を有する高密度ポリエチレン(HDPE)である。これらのポリマーの分子量分布は非常にブロードであり、即ち、これらのポリマーは極めて長い鎖及び極めて短い鎖を含む可能性がある。
【0009】
本明細書及び特許請求の範囲において、MFR(190/2)という用語は、190℃の温度及び2.16kgの重量下で行う測定に相当するISO−1133標準規格にしたがうメルトフローレートを示すように用いられる。
【0010】
半結晶質ポリエチレン(PE)及びポリプロピレン(PP)もまた、例えば文献FR−2814761及びWO−2004/092459に開示されているように、モノフィラメント及び延伸テープのための原材料として用いられている。
【0011】
ポリエチレンを用いて製造された延伸テープ、モノテープ、及びモノフィラメントは、ポリプロピレンのような他の原材料から製造された延伸テープ、モノテープ、及びモノフィラメントよりも、より大きい柔軟性及び可撓性、より高い破断点伸び、及びより低い引張り強さを示す。これらの特性は、例えば、織成テープ布帛の製造において有利である。しかしながら、ポリエチレンから製造される製品は、たいていは、特にブローンフィルム用途において加工性が不適当であるという欠点を有する。この欠点は、ポリエチレンが狭い分子量分布を有する(これはテナシティーを最大にするために望ましい特徴である)場合により悪化する。
【0012】
実際、ブローンフィルム用途においては、フィルムは、ブローンフィルム押出により、環状ダイを通してポリエチレン溶融体を流動させることによって製造する。バブルが形成され、これは空気によって膨張し、ダイの排出速度よりも大きい速度において消去(hauled off)する。バブルを、空気流によって激しく冷却して、固化材料から溶融材料の境界を定めるフロストラインにおける温度が結晶溶融点よりも低くなるようにする。次に、バブルを崩壊させ、必要な場合には整形し、好適な巻き取り手段を用いて巻き取る。高い一定品質のフィルムを得るためには、フィルムをテープに切断して延伸する際の脆弱点である望ましくない不均一な厚さ及びしわを避けるために、バブルは十分に安定でなければならない。
【0013】
キャストフィルム用途においては、フィルムは、フラットフィルム押出によって製造する。この場合においては、ポリエチレンの伸長粘度が十分に安定でなく、これによりフィルムの不均一な厚さがもたらされる可能性がある。
【0014】
モノフィラメントは、通常は円形のピッチに沿って配置されている複数の孔が画定されているダイを通してポリエチレン溶融体を押出すことによって製造される。公知のように、溶融体は押出によって製造され、紡糸ポンプを用いてダイに供給される。ダイから排出されたモノフィラメントは、通常、次にクエンチにかけられ、テープの配向に関して上記に記載したものと同じようにして延伸によって配向される。モノフィラメントの製造においても、加工性を向上させる必要性が認識されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
而して、ブローン法又はキャスト法によってフィルムを形成する工程におけるより良好な加工性を有する延伸テープに対する必要性が存在する。
より詳しくは、出願人は、それから延伸テープを製造するフィルムが、一面では適当な溶融温度及び溶融圧力を有し、他の面では十分な生産速度で製造されることを確実にする必要性を認めた。実際、このようにしてかかるフィルムのバブル安定性が有利に達成される。
【0016】
したがって、本発明の目的は、特に引張り強さ及び破断点伸びの点でポリエチレンフィルムの適当な機械的特性を損なうことなく、特にフィルムを形成するように意図されたブローン法において、即ちかかるフィルムのバブル安定性の点で向上した加工性を有するポリエチレンをベースとするモノフィラメント、モノテープ、又は延伸テープ製品を提供することである。
【0017】
本明細書及び特許請求の範囲において、「バブル安定性」という用語は、ブローンプロセス中に形成されたバブルが、放射方向及び軸方向の両方において一定の形状を有する、即ち、一面ではバブルが軸方向において安定な位置を保持する固化材料から溶融材料の境界を定めるフロストラインを有し、他の面では一定の直径を有するという事実を示すように用いられる。これらの特性のために、かくして製造されたフィルムは、一定の厚さを有する。
【0018】
言い換えれば、ブローンプロセス中に形成されるバブルは、ブローンプロセス及びその後のフィルムの固化の間に一定の形状及び厚さを保持することができる。
【課題を解決するための手段】
【0019】
驚くべきことに、本出願人は、0.930g/cmより高い密度を有するポリエチレンに所定の特定量のポリブテンを加えることによって、ポリエチレンの加工性を向上させることができ、特にブローンフィルムのバブル安定性を向上させて、これにより従来技術よりも高い生産速度で均一な厚さを有するフィルムを得ることができることを見出した。言い換えれば、それから延伸テープを製造するフィルムを、より効率的で且つ生産的な方法でブローン処理することができる。同時に、かかるポリエチレンを所定の特定量のポリブテンと配合することによって、そのまま、即ちポリブテンを配合しないポリエチレンに対して、特に引張り強さ及び破断点伸びの点で機械的特性を保持又は向上させることができる。有利なことに、より高い延伸比が達成され、このために好都合により高いテナシティー及び配向後の最終的なより低い破断点伸びが得られる。
【0020】
言い換えれば、ポリブテンは、単に加工助剤として、即ち一般的に機械的特性を犠牲にして加工性を向上させる添加剤として機能するのではなく、これとは全く異なり、ポリブテンを加えることによって達成される加工性の向上は、組成物の機械的特性に実質的に影響を与えないか又は向上させない。したがって、本発明によれば、有利なことに、通常は互いに対立する加工性と機械的特性との間のバランスを得ることができる。実際、ポリエチレンの加工性は、分子量分布を広くすることによっても向上させることができるが、これは必然的により低いテナシティーをもたらす。逆に、ポリエチレンのテナシティーの向上は、通常、分子量分布を狭くすることによって達成されるが、これは必然的に劣った加工性をもたらす。
【0021】
加工性及び機械的特性の両方を向上させるかかる有利な効果は、ポリエチレンとポリブテンとの間の知られている非混和性の見地から驚くべきことである。この非混和性は周知であり、例えば、剥離性を獲得し、包装の開放を容易にするために包装の封止ラインに沿って所定の面積で通常ポリブテンをポリエチレンに加える熱封止包装において利用されている。
【0022】
したがって、その第1の態様によれば、本発明は、
95.1重量%〜99.5重量%の、0.930g/cmより高い密度及び2.0〜5.9の多分散度:M/Mを有するポリエチレン;及び
4.9重量%〜0.5重量%のポリブテン;
を含む、特に延伸テープに加工するためのフィルムを形成するか又は延伸テープに加工するためのモノフィラメントを押出すように意図されたポリエチレン組成物を提供する。
【0023】
本明細書及び特許請求の範囲において、多分散度:M/Mという用語は、モル質量分布:M/M(ここで、Mは重量平均分子量であり、Mは数平均分子量であり、DIN−55672にしたがってゲル透過クロマトグラフィーを用いて測定される)を示すように用いられる。
【0024】
、Mの値、及びそれから誘導されるモル質量分布M/Mの測定は、WATERS 150C上での高温ゲル透過クロマトグラフィーを用い、DIN−55672に基づく方法を用いて、直列に接続した以下のカラム:3×SHODEX AT 806MS、1×SHODEX UT 807、及び1×SHODEX AT-Gを用い、以下の条件:溶媒=1,2,4−トリクロロベンゼン(0.025重量%の2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールによって安定化);流量=1mL/分;注入容積=500μL、温度=140℃;の下で行った。カラムは、100〜10g/モルのモル質量を有するポリエチレン標準試料を用いて較正した。評価は、Fa. HS-Entwicklungsgesellschaft fur wissenschaftliche Hard- und Software mbH, Ober-HilbersheimのWin-GPCソフトウェアを用いることによって行った。
【0025】
ポリブテンの所定の特定量が0.5重量%よりも低い場合には、組成物から出発して得られるフィルムのバブル安定性における向上が観察されない。
好ましい態様によれば、本発明のポリエチレン組成物は、1.0重量%〜4.8重量%、より好ましくは1.5重量%〜4.5重量%、より好ましくは2.0重量%〜4.4重量%、更により好ましくは3.0重量%〜4.2重量%のポリブテンを含む。
【0026】
かかる好ましい範囲内においては、有利なことに、組成物から得られるフィルムのバブル安定性及び機械的特性の両方の向上を得ることができる。
驚くべきことに、かかる好ましい組成においては、フィルムのバブル安定性が向上するだけでなく、ポリエチレンのみ、及び場合によってはこれとポリブテン以外の他の通常の添加剤から構成される対応する組成物から出発して製造されるフィルムの機械的特性に対して、フィルムの機械的特性が更に向上する。
【0027】
本発明の組成物のポリエチレンの密度は、好ましくは中及び高密度範囲、即ち、0.93〜0.96g/cm、より好ましくは0.940〜0.958g/cm、更により好ましくは0.940〜0.950g/cmである。
【0028】
本明細書及び特許請求の範囲において、「中密度ポリエチレン」(MDPE)という表現は0.930より高く0.940g/cmまでの範囲の密度を有するポリエチレンを示すように用いられ、一方、「高密度ポリエチレン」(HDPE)という表現は0.940g/cmより高く、例えば0.940g/cm〜0.960g/cmの密度を有するフィルムを示すように用いられる。
【0029】
本発明の好ましい態様によれば、ポリエチレンは、チーグラー・ナッタ触媒を用いて製造されるMDPE又はHDPEを包含する。他の好ましい態様によれば、ポリエチレンは、メタロセン触媒を用いて製造されるMDPE又はHDPEを包含する。
【0030】
本発明の好ましい態様によれば、ポリエチレンは、異なる分子量を有する複数のエチレンポリマーフラクションを含む多峰性ポリエチレンを包含する。
このように、本発明の組成物は、一面においては幅広い分子量分布を有することができ、このために、有利なことに組成物の加工性が更に向上する。更に、本発明の多峰性の第1のポリエチレン成分が異なるコモノマー含量を有する複数のエチレンポリマーフラクションを含むという事実のために、本発明の組成物は、他の面においては、更なる好ましい態様に関して上記に記載したように、相対的により高い分子量のフラクション内の相対的により多い量のコモノマー、及び相対的により低い分子量のフラクション内の相対的により少ない量のコモノマーを選択的に含むように調節することができ、これにより、有利なことに、組成物の機械的特性、特にそれから製造されるフィルム製品の穿刺抵抗並びに引張り及び引裂強さを向上させることができる。
【0031】
本発明の好ましい態様によれば、ポリエチレンは、相対的に低い分子量のエチレンポリマー及び相対的に高い分子量のエチレンポリマーを含む二峰性ポリエチレンを包含する。
これにより、有利なことに、分子量分布が幅広くなり、これにより、有利なことに、適度な機械的特性を保持しながら向上した加工性を有するフィルムを製造することができる。
【0032】
好ましくは、二峰性ポリエチレンは、相対的に低分子量のエチレンホモポリマー、及び相対的に高分子量のエチレンコポリマーを含む。
このように、本組成物から得られるフィルムの機械的特性は更に向上する。
【0033】
好ましくは、高分子量エチレンコポリマーは、好ましくはプロペン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、及び1−デセン、並びにこれらの組み合わせを含む群から選択される、所定重量の少なくとも1種類のコモノマーを含む。
【0034】
より好ましくは、高分子量エチレンコポリマーは、10重量%以下、好ましくは0.5重量%〜10重量%の少なくとも1種類のコモノマー、より好ましくは0.5重量%〜5重量%の少なくとも1種類のコモノマーを含み、いずれの場合においても、1種類又は複数のコモノマーは、好ましくは上記記載の好ましいコモノマーのリストから選択される。
【0035】
一例として、コモノマーが1−ブテンである場合には、高分子量エチレンコポリマーは、2重量%未満の1−ブテン、より好ましくは0.5重量%〜1.5重量%の1−ブテンを含む。
【0036】
本発明の好ましい態様によれば、多峰性ポリエチレンは、互いに直列に配列された個々の複数の反応器内でエチレンを重合することによって製造する。この場合においては、対応する複数の重合段階を逐次モードで行い、異なるその後の重合段階の結果として多峰性ポリエチレン組成物が得られる。
【0037】
本発明の他の態様によれば、多峰性ポリエチレンは、混合タイプの触媒、即ちそれぞれが複数の異なる活性種を含む粒子を含む触媒を用いて製造する。このように、有利なことに、単一の反応器内で行う重合プロセスを用いてポリエチレンを製造することが可能である。例えば、混合タイプの触媒が2種類の活性種のみを含む場合には、二峰性ポリエチレンが有利に得られ、これにより、一面においては、幅広い分子量分布の組成物を製造することができ、他の面においては、相対的に低い分子量の成分及び相対的に高い分子量の成分の両方を、一つの単一の反応器内において、並行して、即ち実質的に同時に重合することができる。
【0038】
或いは、少なくとも2種類の異なる活性触媒種を、異なる触媒粒子内に含ませる。またこの場合においては、少なくとも2種類の粒子状触媒の混合物を与えることによって、有利なことに対応する複数の重合段階が並行モードで実質的に同時に行われ、異なる実質的に同時の重合段階の結果として多峰性ポリエチレン組成物が得られる。
【0039】
好ましくは、ポリエチレンは、5.0g/10分より低いMFR(190/5)を有する。
有利なことに、このようにして人工芝を製造するように意図された延伸テープを形成するのに特に好適な組成物を得ることができる。
【0040】
本明細書及び特許請求の範囲において、MFR(190/5)という用語は、190℃の温度及び5kgの重量下で行う測定に相当するISO−1133標準規格にしたがうメルトフローレートを示すように用いられる。
【0041】
ポリエチレンは、好ましくは、1.5g/10分〜5.0g/10分、より好ましくは3.5g/10分より低く、更により好ましくは1.5g/10分〜2.5g/10分のMFR(190/5)を有する。
【0042】
かかるメルトフローレートの好ましい範囲内においては、円形梱包ネットを製造するように意図された延伸テープを形成するのに特に好適な組成物が有利に得られる。
更に好ましくは、ポリエチレンは、好ましくは2.5g/10分よりも低いMFR(190/5)を有する。本発明に更に好ましい態様によれば、ポリエチレンは、0.5g/10分〜2.5g/10分、より好ましくは0.5〜2.0g/10分のMFR(190/5)を有する。
【0043】
有利なことに、このようにしてポリエチレンの加工性が更に向上する。
好ましくは、ポリエチレンは、20より低く、好ましくは10〜18、より好ましくは15より低く、更に好ましくは2〜9のFRR(21/5)を有する。
【0044】
本明細書及び特許請求の範囲において、FRR(21/5)という用語は、フローレート比、即ちMFR(190/21)とMFR(190/5)との間の比を示すように用いられる。
【0045】
ポリエチレンが20より低く、特に12〜20のFRR(21/5)を有する場合には、有利なことに、人工芝を製造するように意図された延伸テープを形成するのに特に好適な組成物を得ることができ、一方、ポリエチレンが12より低いFRR(21/5)を有する場合には、有利なことに、円形梱包ネットを製造するように意図された延伸テープを形成するのに特に好適な組成物を得ることができる。
【0046】
好ましくは、ポリエチレンは、EN ISO 1628−3:2003によって測定して、デカリン中、135℃において1.5〜3dL/gの典型的な固有粘度を有する。
ポリブテンは、好ましくは、1g/10分〜200g/10分、より好ましくは1g/10分〜50g/10分、更により好ましくは1g/10分〜10g/10分のMFR(190/2)を有する。
【0047】
好ましくは、ポリブテンはホモポリマー1−ポリブテンである。
本発明の好ましい態様によれば、ホモポリマー1−ポリブテンは、3〜6g/10分、より好ましくは3.5〜5g/10分のMFR(190/2)を有する。
【0048】
更なる好ましい態様によれば、1−ポリブテンは、好ましくは2〜5g/10分、より好ましくは3〜4g/10分のMFR(190/2)を有するランダムコポリマーである。
【0049】
ポリブテンは、好ましくは、エチレン、プロピレン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、及び1−デセン、並びにこれらの組み合わせを含む群から選択される少なくとも1種類のコモノマーを含むブテンのコポリマーである。
【0050】
好ましくは、1−ポリブテンコポリマーは、1〜15重量%の、好ましくは上記に記載の群から選択される少なくとも1種類のコモノマーを含む。
例えば、コモノマーがエチレンである場合には、1−ポリブテンコポリマーは、好ましくは1〜4重量%のエチレンを含む。
【0051】
好ましくは、ポリエチレン組成物は、0.929g/cm〜0.960g/cm、より好ましくは0.940g/cm〜0.958g/cm、より好ましくは0.940g/cm〜0.950g/cm、更により好ましくは0.942g/cm〜0.946g/cmの密度を有する。
【0052】
その第2の態様によれば、本発明は、フィルムを製造するための、
95.1重量%〜99.5重量%の、0.930g/cmより高い密度を有するポリエチレン;及び
4.9重量%〜0.5重量%のポリブテン;
を含むポリエチレン組成物の使用に関する。本発明は、また、かかる特徴を有するフィルムにも関する。
【0053】
好ましくは、ポリエチレンの多分散度:M/Mは、2〜10、より好ましくは2.0〜5.9、更により好ましくは3.0〜5.9である。
更なる好ましい態様によれば、フィルムを製造するためのかかるポリマー組成物、及びそれから製造されるフィルムは、本発明の第1の態様に関して上記に記載した好ましい特徴を有する。
【0054】
有利なことに、本発明のフィルムは、80〜95kg/時以下であってよいより高い生産速度においても、その表面の全体にわたって実質的に一定の厚さ、即ち、その変動量がフィルムの平均厚さの10%より低い厚さを有する。
【0055】
本発明は、また、特に上記記載の特徴を有するブローンフィルム又はキャストフィルムにも関する。
本発明は、また、モノフィラメント、モノテープ、又は延伸テープを製造するための、
90.0重量%〜99.5重量%の、0.930g/cmより高い密度を有するポリエチレン;及び
10.0重量%〜0.5重量%のポリブテン;
を含むポリエチレン組成物の使用にも関する。
【0056】
ポリブテンの所定の特定量が0.5重量%よりも低い場合には、バブル安定性の向上は観察されない。ポリブテンの所定の特定量が10重量%よりも高い場合には、ポリエチレンの機械的特性の悪化が観察される。好ましくは、組成物は、95.1重量%〜99.5重量%のポリエチレン及び4.9重量%〜0.5重量%のポリブテンを含む。更なる好ましい態様においては、上記記載の用途のために、1.0重量%〜4.8重量%、より好ましくは1.5重量%〜4.5重量%、より好ましくは2.0重量%〜4.4重量%、更により好ましくは3.0重量%〜4.2重量%のポリブテンを含むポリエチレン組成物が想到される。
【0057】
代表例として、このように定義されたポリエチレン組成物は、人工芝、円形梱包ネット、護岸保護用のジオテキスタイル、ロープ、ヤーン、漁網、日よけ及び風よけ衣類、フィルター布帛、防水布、包装チューブ、可撓性バルクコンテナ、農業用袋、遮光ネット、足場ネット、鳥保護ネットのような編織物品を製造するのに好適である。
【0058】
したがって、本発明は、また、モノフィラメント、モノテープ、又は延伸テープ、並びにモノフィラメント、モノテープ、又は延伸テープから製造することができる例えば上記に列記したもののような物品にも関する。
【0059】
本発明は、また、
(a)90.0重量%〜99.5重量%の、0.930g/cmより高い密度を有するポリエチレン;及び
10.0重量%〜0.5重量%のポリブテン;
を含むポリエチレン組成物を調製し;
(b)該ポリエチレン組成物からフィルムを製造し;
(c)該フィルムを複数のテープに切断し;そして
(d)該複数のテープを好ましくは延伸によって配向する;
工程を含む、ポリエチレン組成物を用いてモノフィラメント、モノテープ、及び延伸テープ製品を製造する方法も提供する。
【0060】
ポリブテンは、好ましくは、ホッパー内での重力又は容積投与システムを用いてライン内において、或いは通常の押出機システムを用いて予め配合することによって、ポリエチレンに加える。
【0061】
また、フィルムをまず延伸によって配向し、次にテープに切断することができる。かかる場合においては、配合工程はフィルムに対して行い、切断工程は配向フィルムに対して行う。言い換えれば、かかる他の態様においては、プロセスは、
(a)90.0重量%〜99.5重量%の、0.930g/cmより高い密度を有するポリエチレン;及び
10.0重量%〜0.5重量%のポリブテン;
を含むポリエチレン組成物を調製し;
(b)該ポリエチレン組成物からフィルムを製造し;
(c)該フィルムを好ましくは延伸によって配向し;そして
(d)該配向フィルムを複数のテープに切断する;
工程を含む。
【0062】
本発明方法の好ましい態様によれば、プロセスは、2つの配向工程、即ち、フィルムを好ましくは延伸によって配向する所謂第1の配向工程、及び配向フィルムを切断する工程に続いて、切断によって形成された複数のテープを更に配向する第2の配向工程を含むことができる。
【0063】
本発明方法の特定の態様にかかわらず、工程(b)において製造されたフィルムは、ブローンフィルムか又はキャストフィルムのいずれかであってよい。本発明の第1の態様に関して上記に定義したようなポリエチレン及びポリブテンを含むもののような処理された組成物を用いると、フィルムの製造はより容易であり、生産性はより高い。
【0064】
ブローンフィルムの製造においては、本発明の組成物を用いて製造された樹脂は、極めて安定なバブルを与え、それによって一定で均一な厚さを有し、しわが全くないか又は極めて少ししかないフィルムが導かれる。
【0065】
更に、ブローンフィルム又はキャストフィルムは、引張り強さ及びテナシティーのような良好な機械的特性を保持することが観察される。
フィルム及び/又はそれから切断されたテープの配向は、好ましくは延伸によって行う。延伸は、好ましくは、少なくとも1つの延伸ユニットを用いて行う。延伸ユニットは、好ましくは、例えば空気オーブン又はホットプレートのような加熱手段、加熱手段の上流に配置された少なくとも1つのローラー、及び加熱手段の下流に配置された少なくとも1つのローラーを含み、少なくとも1つのローラー及び少なくとも1つの第2のローラーは、異なる速度、即ちそれぞれ第1の速度及び第2の速度で駆動することができる。
【0066】
したがって、例えば、フィルム及び/又はそれから切断されたテープの配向は、好ましくは、異なる速度で駆動されている複数のローラー(ここで、少なくとも1つの第2のローラーは、少なくとも1つの第1のローラーの速度よりも高い速度で駆動されている)を用いて、ポリエチレン組成物の溶融温度より低い温度に保持されている加熱手段を通しながら、フィルム又はテープを延伸することによって行う。オーブンを用いる場合には、加熱空気を、好ましくはフィルム/テープの移動に対して対向流で、好ましくは迅速で均一な加熱を可能にするような流速で、オーブン内に吹き込む。
【0067】
延伸ユニットは、また、それぞれ加熱手段の上流及び下流に配置されていて、異なる速度で駆動することができる少なくとも2組のローラーを含むことができる。第2のローラーの組は、第1のローラーの組の速度よりも高い速度で駆動する。
【0068】
テープの延伸は、好ましくは、2組のローラーを含むかかる延伸ユニットを用いて行う。
延伸は、第1のローラー(又は第2のローラーの組)の速度に対する第2のローラー(又は第2のローラーの組)の速度の比によって定義される所定の延伸比:SRで行う。
【0069】
例えば60℃〜120℃の範囲の高温における延伸によって、鎖/結晶の配向が起こり、同時に結晶度が増加する。これらの構造変化によって、引張り強さの増大、及び同時に伸びの減少が引き起こされる。引張り強さは、延伸比を増大し、延伸温度を上昇させると増大する。
【0070】
延伸温度は、溶融温度と可能な限り近接するがこれよりも低いことが好ましい。0.930g/cmより高い密度を有するポリエチレン組成物に関しては、延伸比に関する好ましい値は、組成物の最終用途、特に組成物から製造される物品の必要な特性に応じて、2〜10である。
【0071】
典型的な延伸温度は、ポリエチレン組成物の溶融温度によって定まり、この温度は溶融温度よりも低くなければならない。好ましくは、延伸温度は60℃〜100℃である。
好ましくは、延伸テープは、延伸テープ内での残留応力の結果として起こる可能性がある収縮を最小にするために、延伸操作の直後にアニールする。アニーリングは、好ましくは、延伸テープを、少なくとも第2のローラーから、第2のローラー(又は第2のローラーの組)の速度よりも低い第3の速度を有する少なくとも1つの第3のローラー(又は第3のローラーの組)の上に移しながら加熱することによって行う。好ましくは、第3の速度は第2の速度の約5%である。アニーリングは、好ましくは、延伸温度よりも僅かに低い温度において行う。好ましくは、アニーリング温度は、延伸温度よりも5℃〜20℃低い。
【0072】
非常に長い線状鎖又は長鎖分岐分子のいずれも有しないポリマーは、良好な延伸性を有する。例えば、通常チーグラー・ナッタ触媒を用いて得られる線状ポリエチレン鎖は、高度の延伸性を有する。
【0073】
以下の好ましい態様を用いて、本発明の範囲を限定することなく本発明を更に説明する。
【実施例】
【0074】
本発明の好ましい態様:
以下の実施例にしたがって、延伸テープを製造することに関して3種類のポリエチレン組成物を試験した。
【0075】
実施例1(比較例):
第1のポリエチレンP1は、互いに直列に配列された2つの反応器内において、チーグラー・ナッタ触媒系(Basellから入手したHostalen GF7740 F3)の存在下でエチレンを重合することによって製造された市販の二峰性高密度ポリエチレン樹脂であった。P1は、0.946g/cmの密度、1.8g/10分のMFR(190/5)、及び0.5g/10分のMFR(190/2)を有していた。ポリエチレンP1を粒状にした。
【0076】
実施例2(本発明):
本発明によるポリエチレン組成物P2は、実施例1の粒状化された粉末のポリエチレンに、0.89g/cmの密度及び3.4g/10分のMFR(190/2)を有する市販のランダム1−ポリブテン(PB8340、Basellより入手)を加えることによって調製した。組成物は、99.5重量%のポリエチレン及び0.5重量%の1−ポリブテンから構成されていた。
【0077】
実施例3(本発明):
本発明によるポリエチレン組成物P3は、実施例1の粒状化された粉末のポリマーに実施例2の1−ポリブテンを加えたものであった。組成物は、97.0重量%のポリエチレン及び3.0重量%の1−ポリブテンから構成されていた。
【0078】
実施例1〜3の組成物の特性を下表1に示す。
【0079】
【表1】

【0080】
MFR(190/5)は、ISO−1133、条件Tにしたがって、190℃において2.16kgの負荷下で測定した。
MFR(190/21)は、ISO−1133、条件Gにしたがって、190℃において21.6kgの負荷下で測定した。
【0081】
FRR(21/5)は、MFR(190/21)とMFR(190/5)との間の比である。
密度は、ISO−1183にしたがって測定した。
【0082】
フィルムの押出:
上記の実施例1〜3のポリエチレン組成物のそれぞれを、フィルターパッケージを備えた9E4/24D単軸押出機を取り付けたBarmagによって製造されたブローンフィルムライン上でのブローンフィルム押出によってフィルムに押出した。押出機は90mmのスクリュー直径を有していた。押出機は、特に、3.5:1の圧縮比(即ち、最大スクリュー行程深さと最小スクリュー行程深さとの間の比)を有する3領域スクリュー配置、即ち供給領域、圧縮領域、及び計量領域を含む配置を有していた。押出機は、2mmのダイギャップを有する250mmのダイヘッドを有していた。冷却空気を押出フィルム上に吹き付ける角度は4°であった。
【0083】
50回転/分の所定の速度にスクリュー速度を設定することによって第1の試験を行い、表2に示す生産量を与えた。押出機の温度プロファイルは以下の通りであった:190℃(供給領域);210℃(圧縮領域);235℃(計量領域及びヘッド)。一方、ヘッド及び投与温度はいずれも235℃であった。
【0084】
ブローアップ比は1.4:1であり、破断時のフィルム速度は16m/10分であった。フロストラインの高さは、50rpmの設定押出機速度において600mmであった。50μmのオーダーの厚さを有するフィルムが得られた。設定スクリュー速度における異なるフィルムの押出特性を表2に要約する。
【0085】
【表2】

【0086】
最大延伸処理量(the maximum stretchable output)、並びに延伸比の最小値及び最大値を測定する目的で、実施例1〜3の組成物を用いて製造したフィルムについて更なる試験を行った。この目的のために、所定の溶融温度及び所定の溶融圧力の異なるフィルムの押出特性を測定した。結果を表3に要約する。
【0087】
【表3】

【0088】
本発明によるフィルムにおいては、バブルの不安定性の問題は観察されなかった。これは、従来技術の組成物P1から製造されたフィルムの延伸処理量に対して、本発明の組成物P2及びP3から製造されたフィルムの延伸処理量のより高い値によって示される。また、延伸処理量のより高い値によって、与えられた処理量において有利に対応してより高い生産量が得られる。
【0089】
更に、本発明の組成物の場合において延伸比がとることのできるより広い操作範囲により、本発明のフィルムが、人工芝(比較的低いテナシティーを得るために比較的低い延伸比が適用される)から円形梱包ネット(比較的高いテナシティーを得るために比較的高い延伸比が適用される)までのより幅広い種類の製品に好適であることが示される。
【0090】
延伸テープの製造:
次に、それぞれのブローンフィルムを、6mmの幅及び50μmの厚さを有する複数のテープに切断した。この目的のために、互いに等間隔で離隔している複数のブレードを有する切断工具を用いた。
【0091】
次に、テープを延伸によって配向した。この目的のために、押出機の下流に配置された1連の延伸ユニットにテープを供給した。
押出機の直ぐ下流に配置された第1の延伸ユニットは、3つのラバーコート引取ローラー、テープを安定させるための4つのスチールローラー、1つのラバーコート圧搾ローラー、並びに130℃に保持された第1の加熱空気延伸オーブンを、この順番で有していた。
【0092】
ラバーでコートされたローラーは、テープの滑りを回避しながらテープを有利に移送する。
第1の延伸ユニットの下流、特に第1の加熱空気延伸オーブンの下流に配置された第2の延伸ユニットは、テープを安定させるための7つのスチールローラー、1つのラバーコート圧搾ローラー、及び120℃に保持された第2の加熱空気延伸オーブンを、この順番で有していた。
【0093】
第2の延伸ユニット、特に第2の加熱空気延伸オーブンの下流に配置された第3の延伸ユニットは、7つのスチールローラー、及び1つのラバーコート圧搾ローラーを、この順番で有していた。
【0094】
3つの延伸ユニットのローラーは、全て室温に保持した。
テープを、第1、第2、及び第3の延伸ユニットに、この順番で通した。
このようにして、テープを、好ましくは6:1〜9:1の延伸比(SR)(ここで、SRは、第3の延伸ユニットのローラーの速度と第1の延伸ユニットのローラーの速度との間の比である)で規定された延伸にかけた。
【0095】
第1の延伸ユニットは18m/分の第1の速度で運転し、一方、第2及び第3の延伸ユニットは、表4に示すSRの値を達成するような速度で運転した。
最終的な延伸テープは、20μmのオーダーの厚さ:SR値によって定まる特定の厚さの値を有していた。一例として、20μmの厚さは6:1のSRによって得られ、17μmの厚さは9:1のSRによって得られた。
【0096】
上記記載の配向工程の後、次にテープをボビン巻き取り機で回収し、テープの機械的特性を試験した。
より詳細には、実施例1〜3の組成物から製造されたテープの機械的特性を、標準規格DIN EN ISO 527にしたがって、200mmのクランプ距離、100mm/分の試験速度、及び23℃の温度を用いて、標準動力計(Instrom 4302)で測定した。特に、テープを、破断荷重(N)、引張り強さ(mN/tex)、及び破断点伸び(%)に関して試験した。6、7、8、及び9のSRにおいて測定した機械的特性を表4に示す。
【0097】
【表4】

【0098】
タイター(tex)は、1000mの長さの重量(g)を与え、フィラメント又は繊維の線質量(linear mass)の測定値である。
延伸テープは、高い破断荷重、引張り強さ、及び破断点伸びを有していた。これらは、また、柔らかな手触り及び高い可撓性を有していた。
【0099】
SRがより高いと、引張り強さ、破断点伸びの上昇がより強くなったが、未だ適度な値を有していた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
95.1重量%〜99.5重量%の、0.930g/cmより高い密度及び2.0〜5.9の多分散度:M/Mを有するポリエチレン;
4.9重量%〜0.5重量%のポリブテン;
を含むポリエチレン組成物。
【請求項2】
ポリエチレンの密度が0.940〜0.960g/cmである、請求項1に記載のポリエチレン組成物。
【請求項3】
ポリエチレンが、3.5g/10分より低いMFR(190/5)を有する、請求項2に記載のポリエチレン組成物。
【請求項4】
ポリブテンがホモポリマー1−ポリブテンである、請求項1〜3のいずれかに記載のポリエチレン組成物。
【請求項5】
ポリブテンが、エチレン、プロピレン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、及び1−デセン、並びにこれらの組み合わせの群から選択される少なくとも1種類のコモノマーを含むブテンのコポリマーである、請求項1〜4のいずれかに記載のポリエチレン組成物。
【請求項6】
フィルムを製造するための、
95.1重量%〜99.5重量%の、0.930g/cmより高い密度を有するポリエチレン;及び
4.9重量%〜0.5重量%のポリブテン;
を含むポリエチレン組成物の使用。
【請求項7】
95.1重量%〜99.5重量%の、0.930g/cmより高い密度を有するポリエチレン;及び
4.9重量%〜0.5重量%のポリブテン;
を含むポリエチレン組成物を含むフィルム。
【請求項8】
モノフィラメント、モノテープ、又は延伸テープを製造するための、
90.0重量%〜99.5重量%の、0.930g/cmより高い密度を有するポリエチレン;及び
10.0重量%〜0.5重量%のポリブテン;
を含むポリエチレン組成物の使用。
【請求項9】
90.0重量%〜99.5重量%の、0.930g/cmより高い密度を有するポリエチレン;及び
10.0重量%〜0.5重量%のポリブテン;
を含むポリエチレン組成物を含む物品であって、人工芝、円形梱包ネット、護岸保護用のジオテキスタイル、ロープ、ヤーン、漁網、日よけ及び風よけ衣類、フィルター布帛、防水布、包装チューブ、可撓性バルクコンテナ、農業用袋、遮光ネット、足場ネット、鳥保護ネットを含む群から選択される物品。
【請求項10】
(a)90.0重量%〜99.5重量%の、0.930g/cmより高い密度を有するポリエチレン;及び
10.0重量%〜0.5重量%のポリブテン;
を含むポリエチレン組成物を調製し;
(b)該ポリエチレン組成物からフィルムを製造し;
(c)該フィルムを複数のテープに切断し;そして
(d)該複数のテープを延伸によって配向する;
工程を含む、ポリエチレン組成物を用いて延伸テープを製造する方法。

【公表番号】特表2009−523872(P2009−523872A)
【公表日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−550718(P2008−550718)
【出願日】平成19年1月9日(2007.1.9)
【国際出願番号】PCT/EP2007/050177
【国際公開番号】WO2007/082817
【国際公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【出願人】(500289758)バーゼル・ポリオレフィン・ゲーエムベーハー (118)
【Fターム(参考)】