説明

延長保証ロスコスト予測装置及び延長保証ロスコスト予測システム

【課題】予測精度の飛躍的向上が図れる延長保証ロスコスト予測装置及び延長保証ロスコスト予測システムを提供する。
【解決手段】延長保証ロスコスト予測装置は、保証対象とする物品のメーカー保証の既経過期間における販売年月別の販売数及び物品のメーカー保証の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別のロス実績データからメーカー保証の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別のロスコストを算出する手段と、物品の延長保証の既経過期間における販売年月別の契約数及び物品の延長保証の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別のロス実績データから延長保証の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別のロスコストを算出する手段と、メーカー保証の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別のロスコスト及び延長保証の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別のロスコストから、チェーンラダー法によって未経過期間における販売年月別かつ経過月数別のロスコストを算出する手段とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メーカー保証付の物品に関してメーカー保証後の延長保証のロスコストを予測する延長保証ロスコスト予測装置及び延長保証ロスコスト予測システムに関する。
【背景技術】
【0002】
保険会社等が、例えば自動車のごとくメーカー保証付の高額の物品についてメーカー保証終了後の延長保証を行う場合に、その単位物品の延長保証期間における修理費用、交換費用、損失費用等の総額に相当する延長保証ロスコストを予測しておく必要がある。
【0003】
高額物品、例えば自動車、の延長保証ロスコストの従来の予測方法は、過去にその延長保証を実際に行った物品数(自動車台数)と、延長保証期間に実際に要した修理費用等のロス実績データとを用いて、過去の平均値を算出したりして予測するものであった。当然、対象となる物品自体又はこれを構成する部品が将来も大きな進化がないことを前提としていた。また、この他にもワイブル分布等の現在から連続している条件を単純に当てはめる解析的な予測方法もあるが、これは故障発生そのものの予測に有効であるが、修理請求を予測対象とする本発明においては、故障発生から修理請求のタイムラグ、即ち、人が請求行為を起こす節目やタイミングがもたらす請求の偏在への考慮が全くないことから、本出願人の採用するところではなかった。
【0004】
なお、本出願人の調査によれば、このような修理請求を予測対象とする延長保証ロスコストの予測についての公知文献は存在しなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
延長保証期間における物品数及びロス実績データから延長保証ロスコストの予測を行う本出願人の従来方法によると、対象となる物品自体又はこれを構成する部品が急激に進化した場合に、その影響の有無や度合を知ることなく、従ってその影響を全く反映させることなく延長保証ロスコストが予測されてしまうので、その予測精度に限界があった。
【0006】
従って本発明の目的は、予測精度の飛躍的向上が図れる延長保証ロスコスト予測装置及び延長保証ロスコスト予測システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明では、延長保証ロスコスト予測装置は、
ロスコスト予測用コンピュータと、
ロスコスト予測用コンピュータに接続されており、物品の全体を保証対象とするメーカー保証について全ての物品毎のメーカー保証の既経過期間における販売年月別の販売数を販売年月対応でマトリクス状に記憶保存すると共に、全ての物品毎のメーカー保証の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別のロス実績データを販売年月及び経過月数対応でマトリクス状に記憶保存するように構成された第1のデータ記憶部と、
物品の契約した一部のみを保証対象とする延長保証について保証対象とする全ての物品毎の延長保証の既経過期間における販売年月別の契約数を販売年月対応でマトリクス状に記憶保存すると共に、保証対象とする全ての物品毎の延長保証の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別のロス実績データを販売年月及び経過月数対応でマトリクス状に記憶保存するように構成された第2のデータ記憶部と、
第3のデータ記憶部と、
第4のデータ記憶部と、
第5のデータ記憶部と、
第6のデータ記憶部と、
第7のデータ記憶部と、
第8のデータ記憶部と、
第9のデータ記憶部と、
第10のデータ記憶部と
を備えている。
ロスコスト予測用コンピュータは、
第1のデータ記憶部から、予測すべき物品の販売年月及び経過月数に対応する既経過期間における販売年月別の販売数及び予測すべき物品の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別のロス実績データを読み出し、読み出したロス実績データを読み出した販売数で除算することにより、メーカー保証の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別のロスコストを算出し、算出したロスコストを販売年月及び経過月数対応で第3のデータ記憶部にマトリクス状に記憶保存する第1の算出手段と、
第2のデータ記憶部から、予測すべき物品の販売年月及び経過月数に対応する既経過期間における販売年月別の契約数及び予測すべき物品の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別のロス実績データを読み出し、読み出したロス実績データを読み出した契約数で除算することにより、延長保証の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別のロスコストを算出し、算出したロスコストを販売年月及び経過月数対応で第4のデータ記憶部にマトリクス状に記憶保存する第2の算出手段と、
第3のデータ記憶部から、予測すべき物品のメーカー保証の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別のロスコストを読み出すと共に第4のデータ記憶部から、予測すべき物品の延長保証の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別のロスコストを読み出し、読み出したメーカー保証に関するロスコストと読み出した延長保証に関するロスコストとを一本化してメーカー保証及び延長保証の通算の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別の経過月数方向の累計ロスコストを算出し、算出した既経過期間における販売年月別かつ経過月数別の経過月数方向の累計ロスコストを販売年月及び経過月数対応で第5のデータ記憶部にマトリクス状に記憶保存する第3の算出手段と、
第5のデータ記憶部から、既経過期間における販売年月別かつ経過月数別の経過月数方向の累計ロスコストを読出し、既経過期間における販売年月別かつ経過月数別の販売年月方向の累計ロスコストを算出し、算出して得た既経過期間における販売年月別かつ経過月数別の経過月数方向及び販売年月方向の累計ロスコストを販売年月及び経過月数対応で第6のデータ記憶部にマトリクス状に記憶保存する第4の算出手段と、
第6のデータ記憶部から、既経過期間における販売年月別かつ経過月数別の経過月数方向及び販売年月方向の累計ロスコストを読出し、販売年月別にみて未経過期間の最初の月を境界月とすると、直前の販売年月における境界月と同じ経過月数の累計ロスコストを直前の販売年月における境界月の直前の経過月数の累計ロスコストで除算することによって境界月のみのロスディベロップメントファクタを算出し、算出して得た境界月のみのロスディベロップメントファクタを販売年月及び経過月数対応で第7のデータ記憶部にマトリクス状に記憶保存する第5の算出手段と、
第7のデータ記憶部から、境界月のみのロスディベロップメントファクタを読出し、境界月のロスディベロップメントファクタを未経過月の販売年月及び経過月数の範囲内で累乗することによって未経過期間通算の全てのロスディベロップメントファクタを算出し、算出して得た未経過期間通算の全てのロスディベロップメントファクタを第8のデータ記憶部にマトリクス状に記憶保存する第6の算出手段と、
第5のデータ記憶部から販売年月別にみて既経過期間の最終の月の累計ロスコストを読出すと共に、第8のデータ記憶部から未経過期間通算の全てのロスディベロップメントファクタを読出し、販売年月別にみて既経過期間の最終の月の累計ロスコストに経過月数別のロスディベロップメントファクタをそれぞれ乗算して未経過期間における既経過期間及び未経過期間通算の販売年月別かつ経過月数別の経過月数方向の累計ロスコストを算出し、第5のデータ記憶部から既経過期間通算における販売年月別かつ経過月数別の経過月数方向の累計ロスコストを読出し、算出した未経過期間における既経過期間及び未経過期間通算の販売年月別かつ経過月数別の経過月数方向の累計ロスコストと読出した既経過期間通算における販売年月別かつ経過月数別の経過月数方向の累計ロスコストとを一本化して、第9のデータ記憶部にマトリクス状に記憶保存する第7の算出手段と、
第9のデータ記憶部から、予測すべき物品のメーカー保証及び延長保証の既経過期間及び未経過期間通算における販売年月別の累計ロスコストを読み出し、メーカー保証及び延長保証の既経過期間及び未経過期間通算における累計ロスコストからメーカー保証の既経過期間及び未経過期間通算における累計ロスコストを差引くことにより、延長保証のみの既経過期間及び未経過期間通算における販売年月別の累計ロスコストを算出し、算出した延長保証のみの既経過期間及び未経過期間通算における累計ロスコストを販売年月別対応で第10のデータ記憶部に記憶保存する第8の算出手段と
を備えている。
【0008】
なお、本明細書において用いている「ロスコスト」とは、「1つの物品について1ヶ月経過する間に発生する故障修理費用」を意味している。即ち、メーカー保証期間においてはメーカー保証契約に基づいて行われる故障修理に関わる故障修理費用を、販売年月、経過月数毎に合計し、それを販売年月、経過月数毎に既経過する販売数で割ったものである。また、延長保証期間においては延長保証契約に基づいて行われる故障修理に関わる故障修理費用を、販売年月、経過月数毎に合計し、それを販売年月、経過月数毎に既経過する契約数で割ったものである。なお、メーカー保証契約と延長保証契約の契約上の差異から、故障修理の保証範囲は自ずと異なっているが、できるだけ等質なものとする必要がある。そこで、メーカー保証契約の保証範囲が全体を対象とするのに対し延長保証契約の保証範囲が特定の一部のみを対象とするような場合(例えば、保証範囲が特別保証範囲と一般保証範囲とからなり、メーカー保証契約が特別保証範囲については5年、一般保証範囲については3年であり、延長保証契約がメーカー保証後の2年の一般保証範囲からなる場合)は、延長保証契約の保証範囲外はメーカー保証期間における故障修理費用から除いている。当然その逆も考えられるが、影響が小さいので別枠計算することとし、本願では共通の保証範囲に合せることを前提としている。
【0009】
メーカー保証の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別のロスコストを算出すると共に延長保証の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別のロスコストを算出する。メーカー保証及び延長保証の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別のロスコストから販売年月別かつ経過月数別の経過月数方向の累計ロスコストを求め、チェーンラダー法によって未経過期間における販売年月別かつ経過月数別の累計ロスコストを算出する。算出したメーカー保証及び延長保証の既経過期間及び未経過期間通算における累計ロスコストからメーカー保証の既経過期間及び未経過期間通算における累計ロスコストを差引くことにより、延長保証のみの既経過期間及び未経過期間通算における累計ロスコストを得る。このように、本発明では、メーカー保証の販売数及びロス実績データと、延長保証の契約数及びロス実績データとのベースを揃えるため、ロスコストを共通分析指標として採用している。即ち、通常のチェーンラダー法は、販売数又は契約数をベースに累計ロス実績データを予測するが、本発明では、販売物品の全数である販売数が対象となるメーカー保証(当然、ロス実績データも非常に大きい)と販売物品の選択された一部契約のみが対象である延長保証(当然、ロス実績データも小さい)とを同時一体化した分析を可能とするため、ロス実績データを販売数又は契約数で除したロスコストを用いて、累計ロスコストを予測している。さらに、きめ細かな予測を可能とするため、通常は年単位で使用するチェーンラダー法を月単位に応用している。延長保証に先行して実績が得られるメーカー保証は、物品自体やその構成部品の進化の影響の有無、度合を確認することができるから、未だ延長保証には現れていない物品自体やその構成部品の進化の影響を先触れして加味することができる。その結果、予測精度の飛躍的向上を図ることができる。また、未だ延長保証には出現していない特定の構成部品の故障リスクを事前に予見することが可能となる。
【0010】
保証対象とする物品が自動車であり、第1のデータ記憶部に記憶保存されている販売数及びロス実績データが、保証対象とする全ての自動車毎のメーカー保証の既経過期間における販売年月別の販売数及び保証対象とする全ての自動車毎のメーカー保証の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別のロス実績データであり、第2のデータ記憶部に記憶保存されている契約数及びロス実績データが、保証対象とする全ての自動車毎の延長保証の既経過期間における販売年月別の契約数及び保証対象とする全ての自動車毎の延長保証の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別のロス実績データであることが好ましい。この場合、メーカー保証が販売年月から36ヶ月であり、延長保証がメーカー保証終了時から24ヶ月であるかもしれない。
【0011】
第3の算出手段は、第3のデータ記憶部から読出した予測すべき物品のメーカー保証の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別のロスコストをCij(iは販売年月、jは経過月数)、第4のデータ記憶部から読出した予測すべき物品の延長保証の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別のロスコストをcij(iは販売年月、jは経過月数)とすると、メーカー保証及び延長保証の通算の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別の経過月数方向の累計ロスコストRijをRij=ΣCij+Σcij(j=1〜最終既経過月数)の演算から算出する手段を含むことが好ましい。ロスコストCijに関しては後述する実施形態の図7a及び7bを参照し、ロスコストcijに関しては後述する実施形態の図8a及び8bを参照し、累計ロスコストRijに関しては後述する実施形態の図9a、9b及び9cを参照すると理解が容易となる。
【0012】
第4の算出手段は、第5のデータ記憶部から読出したメーカー保証及び延長保証の通算の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別の経過月数方向の累計ロスコストをRij(iは販売年月、jは経過月数)とすると、既経過期間における販売年月別かつ経過月数別の経過月数方向及び販売年月方向の累計ロスコストTijをTij=ΣRij(i=最初販売年月〜既経過最終販売年月)の演算から算出する手段を含むことも好ましい。累計ロスコストRijに関しては後述する実施形態の図9a、9b及び9cを参照し、累計ロスコストTijに関しては後述する実施形態の図10a、10b及び10cを参照すると理解が容易となる。
【0013】
第5の算出手段は、第6のデータ記憶部から読出した既経過期間における販売年月別かつ経過月数別の経過月数方向及び販売年月方向の累計ロスコストをTij(iは販売年月、jは経過月数)とすると、境界月のみのロスディベロップメントファクタFijをFij=T(i−1)j/T(i−1)(j−1)の演算から算出する手段を含むことも好ましい。累計ロスコストTijに関しては後述する実施形態の図10a、10b及び10cを参照し、境界月のみのロスディベロップメントファクタFijに関しては後述する実施形態の図11a、11b及び11cを参照すると理解が容易となる。
【0014】
第6の算出手段は、第7のデータ記憶部から読出した境界月のみのロスディベロップメントファクタをFij(iは販売年月、jは経過月数)とすると、未経過期間通算の全てのロスディベロップメントファクタLDFijをLDFij=ΠFkl(k≦iかつl≦jを満たす全ての境界月ロスディベロップメントファクタFklについての累乗)の演算から算出する手段を含むことも好ましい。境界月のみのロスディベロップメントファクタFijに関しては後述する実施形態の図11a、11b及び11cを参照し、全てのロスディベロップメントファクタLDFijに関しては後述する実施形態の図12a、12b及び12cを参照すると理解が容易となる。
【0015】
第7の算出手段は、第8のデータ記憶部から読出した未経過期間通算の全てのロスディベロップメントファクタをLDFij(iは販売年月、jは経過月数)、第5のデータ記憶手段から読出した販売年月別にみて既経過期間の最終の月の累計ロスコストをSC(iは販売年月)とすると、未経過期間における既経過期間及び未経過期間通算の販売年月別かつ経過月数別の経過月数方向の累計ロスコストMCijをMCij=SC×LDFijの演算から算出する手段を含むことも好ましい。第7の算出手段は、第5のデータ記憶部から読出した既経過期間通算における販売年月別かつ経過月数別の経過月数方向の累計ロスコストをRij(iは販売年月、jは経過月数)と、算出した未経過期間における既経過期間及び未経過期間通算の販売年月別かつ経過月数別の経過月数方向の累計ロスコストMCijとを一本化して、予測すべき物品のメーカー保証及び延長保証の既経過期間及び未経過期間通算における販売年月別の累計ロスコストとすることがより好ましい。全てのロスディベロップメントファクタLDFijに関しては後述する実施形態の図12a、12b及び12cを参照し、累計ロスコストRij及び累計ロスコストMCijを一本化した累計ロスコストに関しては後述する実施形態の図13a、13b及び13cを参照すると理解が容易となる。
【0016】
本発明では、さらにまた、延長保証ロスコスト予測システムは、クライアント側端末と、通信ネットワークを介してクライアント側端末に接続されたサーバ側の延長保証ロスコスト予測装置とを備えている。
延長保証ロスコスト予測装置は、
ロスコスト予測用コンピュータと、
ロスコスト予測用コンピュータに接続されており、物品の全体を保証対象とするメーカー保証について全ての物品毎のメーカー保証の既経過期間における販売年月別の販売数を販売年月対応でマトリクス状に記憶保存すると共に、全ての物品毎のメーカー保証の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別のロス実績データを販売年月及び経過月数対応でマトリクス状に記憶保存するように構成された第1のデータ記憶部と、
物品の契約した一部のみを保証対象とする延長保証について保証対象とする全ての物品毎の延長保証の既経過期間における販売年月別の契約数を販売年月対応でマトリクス状に記憶保存すると共に、保証対象とする全ての物品毎の延長保証の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別のロス実績データを販売年月及び経過月数対応でマトリクス状に記憶保存するように構成された第2のデータ記憶部と、
第3のデータ記憶部と、
第4のデータ記憶部と、
第5のデータ記憶部と、
第6のデータ記憶部と、
第7のデータ記憶部と、
第8のデータ記憶部と、
第9のデータ記憶部と、
第10のデータ記憶部と
を備えている。
ロスコスト予測用コンピュータは、
第1のデータ記憶部から、予測すべき物品の販売年月及び経過月数に対応する既経過期間における販売年月別の販売数及び予測すべき物品の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別のロス実績データを読み出し、読み出したロス実績データを読み出した販売数で除算することにより、メーカー保証の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別のロスコストを算出し、算出したロスコストを販売年月及び経過月数対応で第3のデータ記憶部にマトリクス状に記憶保存する第1の算出手段と、
第2のデータ記憶部から、予測すべき物品の販売年月及び経過月数に対応する既経過期間における販売年月別の契約数及び予測すべき物品の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別のロス実績データを読み出し、読み出したロス実績データを読み出した契約数で除算することにより、延長保証の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別のロスコストを算出し、算出したロスコストを販売年月及び経過月数対応で第4のデータ記憶部にマトリクス状に記憶保存する第2の算出手段と、
第3のデータ記憶部から、予測すべき物品のメーカー保証の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別のロスコストを読み出すと共に第4のデータ記憶部から、予測すべき物品の延長保証の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別のロスコストを読み出し、読み出したメーカー保証に関するロスコストと読み出した延長保証に関するロスコストとを一本化してメーカー保証及び延長保証の通算の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別の経過月数方向の累計ロスコストを算出し、算出した既経過期間における販売年月別かつ経過月数別の経過月数方向の累計ロスコストを販売年月及び経過月数対応で第5のデータ記憶部にマトリクス状に記憶保存する第3の算出手段と、
第5のデータ記憶部から、既経過期間における販売年月別かつ経過月数別の経過月数方向の累計ロスコストを読出し、既経過期間における販売年月別かつ経過月数別の販売年月方向の累計ロスコストを算出し、算出して得た既経過期間における販売年月別かつ経過月数別の経過月数方向及び販売年月方向の累計ロスコストを販売年月及び経過月数対応で第6のデータ記憶部にマトリクス状に記憶保存する第4の算出手段と、
第6のデータ記憶部から、既経過期間における販売年月別かつ経過月数別の経過月数方向及び販売年月方向の累計ロスコストを読出し、販売年月別にみて未経過期間の最初の月を境界月とすると、直前の販売年月における境界月と同じ経過月数の累計ロスコストを直前の販売年月における境界月の直前の経過月数の累計ロスコストで除算することによって境界月のみのロスディベロップメントファクタを算出し、算出して得た境界月のみのロスディベロップメントファクタを販売年月及び経過月数対応で第7のデータ記憶部にマトリクス状に記憶保存する第5の算出手段と、
第7のデータ記憶部から、境界月のみのロスディベロップメントファクタを読出し、境界月のロスディベロップメントファクタを未経過月の販売年月及び経過月数の範囲内で累乗することによって未経過期間通算の全てのロスディベロップメントファクタを算出し、算出して得た未経過期間通算の全てのロスディベロップメントファクタを第8のデータ記憶部にマトリクス状に記憶保存する第6の算出手段と、
第5のデータ記憶部から販売年月別にみて既経過期間の最終の月の累計ロスコストを読出すと共に、第8のデータ記憶部から未経過期間通算の全てのロスディベロップメントファクタを読出し、販売年月別にみて既経過期間の最終の月の累計ロスコストに経過月数別のロスディベロップメントファクタをそれぞれ乗算して未経過期間における既経過期間及び未経過期間通算の販売年月別かつ経過月数別の経過月数方向の累計ロスコストを算出し、第5のデータ記憶部から既経過期間通算における販売年月別かつ経過月数別の経過月数方向の累計ロスコストを読出し、算出した未経過期間における既経過期間及び未経過期間通算の販売年月別かつ経過月数別の経過月数方向の累計ロスコストと読出した既経過期間通算における販売年月別かつ経過月数別の経過月数方向の累計ロスコストとを一本化して、第9のデータ記憶部にマトリクス状に記憶保存する第7の算出手段と、
第9のデータ記憶部から、予測すべき物品のメーカー保証及び延長保証の既経過期間及び未経過期間通算における販売年月別の累計ロスコストを読み出し、メーカー保証及び延長保証の既経過期間及び未経過期間通算における累計ロスコストからメーカー保証の既経過期間及び未経過期間通算における累計ロスコストを差引くことにより、延長保証のみの既経過期間及び未経過期間通算における販売年月別の累計ロスコストを算出し、算出した延長保証のみの既経過期間及び未経過期間通算における累計ロスコストを販売年月別対応で第10のデータ記憶部に記憶保存する第8の算出手段と
を備えている。
【0017】
なお、本明細書において用いている「ロスコスト」とは、「1つの物品について1ヶ月経過する間に発生する故障修理費用」を意味している。即ち、メーカー保証期間においてはメーカー保証契約に基づいて行われる故障修理に関わる故障修理費用を、販売年月、経過月数毎に合計し、それを販売年月、経過月数毎に既経過する販売数で割ったものである。また、延長保証期間においては延長保証契約に基づいて行われる故障修理に関わる故障修理費用を、販売年月、経過月数毎に合計し、それを販売年月、経過月数毎に既経過する契約数で割ったものである。なお、メーカー保証契約と延長保証契約の契約上の差異から、故障修理の保証範囲は自ずと異なっているが、できるだけ等質なものとする必要がある。そこで、メーカー保証契約の保証範囲が全体を対象とするのに対し延長保証契約の保証範囲が特定の一部のみを対象とするような場合(例えば、保証範囲が特別保証範囲と一般保証範囲とからなり、メーカー保証契約が特別保証範囲については5年、一般保証範囲については3年であり、延長保証契約がメーカー保証後の2年の一般保証範囲からなる場合)は、延長保証契約の保証範囲外はメーカー保証期間における故障修理費用から除いている。当然その逆も考えられるが、影響が小さいので別枠計算することとし、本願では共通の保証範囲に合せることを前提としている。
【0018】
メーカー保証の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別のロスコストを算出すると共に延長保証の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別のロスコストを算出する。メーカー保証及び延長保証の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別のロスコストから販売年月別かつ経過月数別の経過月数方向の累計ロスコストを求め、チェーンラダー法によって未経過期間における販売年月別かつ経過月数別の累計ロスコストを算出する。算出したメーカー保証及び延長保証の既経過期間及び未経過期間通算における累計ロスコストからメーカー保証の既経過期間及び未経過期間通算における累計ロスコストを差引くことにより、延長保証のみの既経過期間及び未経過期間通算における累計ロスコストを得る。このように、本発明では、メーカー保証の販売数及びロス実績データと、延長保証の契約数及びロス実績データとのベースを揃えるため、ロスコストを共通分析指標として採用している。即ち、通常のチェーンラダー法は、販売数又は契約数をベースに累計ロス実績データを予測するが、本発明では、販売物品の全数である販売数が対象となるメーカー保証(当然、ロス実績データも非常に大きい)と販売物品の選択された一部契約のみが対象である延長保証(当然、ロス実績データも小さい)とを同時一体化した分析を可能とするため、ロス実績データを販売数又は契約数で除したロスコストを用いて、累計ロスコストを予測している。さらに、きめ細かな予測を可能とするため、通常は年単位で使用するチェーンラダー法を月単位に応用している。延長保証に先行して実績が得られるメーカー保証は、物品自体やその構成部品の進化の影響の有無、度合を確認することができるから、未だ延長保証には現れていない物品自体やその構成部品の進化の影響を先触れして加味することができる。その結果、予測精度の飛躍的向上を図ることができる。また、未だ延長保証には出現していない特定の構成部品の故障リスクを事前に予見することが可能となる。
【0019】
保証対象とする物品が自動車であり、第1のデータ記憶部に記憶保存されている販売数及びロス実績データが、保証対象とする全ての自動車毎のメーカー保証の既経過期間における販売年月別の販売数及び保証対象とする全ての自動車毎のメーカー保証の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別のロス実績データであり、第2のデータ記憶部に記憶保存されている契約数及びロス実績データが、保証対象とする全ての自動車毎の延長保証の既経過期間における販売年月別の契約数及び保証対象とする全ての自動車毎の延長保証の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別のロス実績データであることが好ましい。この場合、メーカー保証が販売年月から36ヶ月であり、延長保証がメーカー保証終了時から24ヶ月であるかもしれない。
【0020】
第3の算出手段は、第3のデータ記憶部から読出した予測すべき物品のメーカー保証の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別のロスコストをCij(iは販売年月、jは経過月数)、第4のデータ記憶部から読出した予測すべき物品の延長保証の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別のロスコストをcij(iは販売年月、jは経過月数)とすると、メーカー保証及び延長保証の通算の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別の経過月数方向の累計ロスコストRijをRij=ΣCij+Σcij(j=1〜最終既経過月数)の演算から算出する手段を含むことが好ましい。ロスコストCijに関しては後述する実施形態の図7a及び7bを参照し、ロスコストcijに関しては後述する実施形態の図8a及び8bを参照し、累計ロスコストRijに関しては後述する実施形態の図9a、9b及び9cを参照すると理解が容易となる。
【0021】
第4の算出手段は、第5のデータ記憶部から読出したメーカー保証及び延長保証の通算の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別の経過月数方向の累計ロスコストをRij(iは販売年月、jは経過月数)とすると、既経過期間における販売年月別かつ経過月数別の経過月数方向及び販売年月方向の累計ロスコストTijをTij=ΣRij(i=最初販売年月〜既経過最終販売年月)の演算から算出する手段を含むことも好ましい。累計ロスコストRijに関しては後述する実施形態の図9a、9b及び9cを参照し、累計ロスコストTijに関しては後述する実施形態の図10a、10b及び10cを参照すると理解が容易となる。
【0022】
第5の算出手段は、第6のデータ記憶部から読出した既経過期間における販売年月別かつ経過月数別の経過月数方向及び販売年月方向の累計ロスコストをTij(iは販売年月、jは経過月数)とすると、境界月のみのロスディベロップメントファクタFijをFij=T(i−1)j/T(i−1)(j−1)の演算から算出する手段を含むことも好ましい。累計ロスコストTijに関しては後述する実施形態の図10a、10b及び10cを参照し、境界月のみのロスディベロップメントファクタFijに関しては後述する実施形態の図11a、11b及び11cを参照すると理解が容易となる。
【0023】
第6の算出手段は、第7のデータ記憶部から読出した境界月のみのロスディベロップメントファクタをFij(iは販売年月、jは経過月数)とすると、未経過期間通算の全てのロスディベロップメントファクタLDFijをLDFij=ΠFkl(k≦iかつl≦jを満たす全ての境界月ロスディベロップメントファクタFklについての累乗)の演算から算出する手段を含むことも好ましい。境界月のみのロスディベロップメントファクタFijに関しては後述する実施形態の図11a、11b及び11cを参照し、全てのロスディベロップメントファクタLDFijに関しては後述する実施形態の図12a、12b及び12cを参照すると理解が容易となる。
【0024】
第7の算出手段は、第8のデータ記憶部から読出した未経過期間通算の全てのロスディベロップメントファクタをLDFij(iは販売年月、jは経過月数)、第5のデータ記憶手段から読出した販売年月別にみて既経過期間の最終の月の累計ロスコストをSC(iは販売年月)とすると、未経過期間における既経過期間及び未経過期間通算の販売年月別かつ経過月数別の経過月数方向の累計ロスコストMCijをMCij=SC×LDFijの演算から算出する手段を含むことも好ましい。第7の算出手段は、第5のデータ記憶部から読出した既経過期間通算における販売年月別かつ経過月数別の経過月数方向の累計ロスコストをRij(iは販売年月、jは経過月数)と、算出した未経過期間における既経過期間及び未経過期間通算の販売年月別かつ経過月数別の経過月数方向の累計ロスコストMCijとを一本化して、予測すべき物品のメーカー保証及び延長保証の既経過期間及び未経過期間通算における販売年月別の累計ロスコストとすることがより好ましい。全てのロスディベロップメントファクタLDFijに関しては後述する実施形態の図12a、12b及び12cを参照し、累計ロスコストRij及び累計ロスコストMCijを一本化した累計ロスコストに関しては後述する実施形態の図13a、13b及び13cを参照すると理解が容易となる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、延長保証に先行して実績が得られるメーカー保証は、物品自体やその構成部品の進化の影響の有無、度合を確認することができるから、未だ延長保証には現れていない物品自体やその構成部品の進化の影響を先触れして加味することができる。その結果、予測精度の飛躍的向上を図ることができる。また、未だ延長保証には出現していない特定の構成部品の故障リスクを事前に予見することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る実施形態について詳細に説明する。
【0027】
図1は本発明の一実施形態における延長保証ロスコスト予測システムの全体構成を概略的に示すブロック図である。ただし、この実施形態はメーカー保証付の高額物品として自動車の保険又は保証業界で利用される場合に好適な自動車の延長保証ロスコスト予測システムに関する。この実施形態では、メーカー保証は販売年月から3年、延長保証はそれから2年であるとする。
【0028】
同図に示すように、サーバ側の延長保証ロスコスト予測装置10はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット又は専用ネットワーク回線等の通信ネットワーク11を介して複数のクライアント側端末12に接続されている。例えば、サーバをメインのパーソナルコンピュータ(PC)としクライアントをこれにLANを介して接続された端末としても良いし、サーバを本部のサーバコンピュータとしクライアントを各支店の端末としても良い。また、延長保証ロスコスト予測装置10をネットワーク11に接続することなしに独立して動作させても良いことはもちろんである。
【0029】
クライアント側端末12は、コンピュータ、ユーザが操作するためのキーボードやマウス、ディスプレイ等の他に、通信ネットワーク11に接続可能な通信機能をも備えている。なお、クライアント側端末12が、サーバとの通信時に、WEBブラウザ等のプログラムによりユーザインタフェースを実現するものであっても良い。
【0030】
サーバ側の延長保証ロスコスト予測装置10には、ネットワークを介する通信を制御する通信制御装置10aと、ロスコスト予測用コンピュータ10bと、データベース10cとが少なくとも設けられている。
【0031】
ロスコスト予測用コンピュータ10bは、図示されていないが、オペレーティングシステム(OS)を格納するROM、各種プログラムを実行するためのCPU及び各種処理のワークエリアとして機能するRAM等を備えており、通信制御装置10aとの間で送受信データを処理したり、データベース10c内の第1のデータ記憶部10c、第2のデータ記憶部10c、第3のデータ記憶部10c、第4のデータ記憶部10c、第5のデータ記憶部10c及び第6のデータ記憶部10c(図2参照)に記憶保存されているデータの読み書きを行ったり、ROMに格納されているプログラムを実行する。
【0032】
図2は図1の実施形態におけるロスコスト予測用コンピュータ及びデータベースの機能構成を概略的に示すブロック図である。
【0033】
同図から分かるように、本実施形態のロスコスト予測用コンピュータ10bは、第1のデータ記憶部10c及び第3のデータ記憶部10cに接続されておりメーカー保証の既経過期間における販売年月別かつ経過月数(1〜36ヶ月)別のロスコストを算出する第1の算出手段10bと、第2のデータ記憶部10c及び第4のデータ記憶部10cに接続されており延長保証の既経過期間における販売年月別かつ経過月数(37〜60ヶ月)別のロスコストを算出する第2の算出手段10bと、第3のデータ記憶部10c、第4のデータ記憶部10c及び第5のデータ記憶部10cに接続されており、販売年月別かつ経過月数(1〜60ヶ月)別の経過月数(横)方向の累計ロスコストを算出する第3の算出手段10bと、第5のデータ記憶部10c及び第6のデータ記憶部10cに接続されており、販売年月別かつ経過月数(1〜60ヶ月)別の販売年月(縦)方向の累計ロスコストを算出する第4の算出手段10bと、第6のデータ記憶部10c及び第7のデータ記憶部10cに接続されており、チェーンラダー法における境界月のみのロスディベロップメントファクタを算出する第5の算出手段10bと、第7のデータ記憶部10c及び第8のデータ記憶部10cに接続されており、チェーンラダー法における未経過期間通算の全ての月のロスディベロップメントファクタを算出する第6の算出手段10bと、第5のデータ記憶部10c、第8のデータ記憶部10c及び第9のデータ記憶部10cに接続されており、チェーンラダー法によって未経過期間における販売年月別かつ経過月数(1〜60ヶ月)別の累計ロスコストを算出すると共にメーカー保証及び延長保証の既経過期間及び未経過期間通算における累計ロスコストを算出する第7の算出手段10bと、第9のデータ記憶部10c及び第10のデータ記憶部10c10に接続されており、メーカー保証及び延長保証の既経過期間及び未経過期間通算における累計ロスコストからメーカー保証の既経過期間及び未経過期間通算における累計ロスコストを差引くことにより、延長保証のみの既経過期間及び未経過期間通算における累計ロスコストを算出する第8の算出手段10bとを備えている。
【0034】
第1のデータ記憶部10cには、図3aにその一部が示されており図3bにその全部が示されているような、メーカー保証の既経過期間における販売年月別及び経過月数(1〜36ヶ月)別の販売数Dij(販売年月をi、経過月数をjとする)と、図4aにその一部が示されており図4bにその全部が示されているような、メーカー保証の既経過期間における販売年月別及び経過月数(1〜36ヶ月)別のロス実績データLij(販売年月をi、経過月数をjとする)とが各自動車毎にマトリクス状に記憶保存されている。ただし、図3a、図3b、図4a及び図4bにおいて、列(縦)方向は販売年月iを表しており、行(横)方向は経過月数jを表している。なお、販売数Dijの単位は台、ロス実績データLijの単位は千円である。
【0035】
第2のデータ記憶部10cには、図5aにその一部が示されており図5bにその全部が示されているような、延長保証の既経過期間における販売年月別の契約数dij(販売年月をi、経過月数をjとする)と、図6aにその一部が示されており図6bにその全部が示されているような、延長保証の既経過期間における販売年月別かつ経過月数(37〜60ヶ月)別のロス実績データlij(販売年月をi、経過月数をjとする)とが各自動車毎にマトリクス状に記憶保存されている。ただし、図5a、図5b、図6a及び図6bにおいて、列(縦)方向は販売年月iを表しており、行(横)方向は経過月数jを表している。なお、契約数dijの単位は台、ロス実績データlijの単位は千円である。
【0036】
第3のデータ記憶部10cには、図7aにその一部が示されており図7bにその全部が示されているような、メーカー保証の既経過期間における販売年月別かつ経過月数(1〜36ヶ月)別のロスコストCij(販売年月をi、経過月数をjとする)が各自動車毎にマトリクス状に記憶保存されるように構成されている。ただし、図7a及び図7bにおいて、列(縦)方向は販売年月iを表しており、行(横)方向は経過月数jを表している。なお、ロスコストCijの単位は千円/台である。
【0037】
第4のデータ記憶部10cには、図8aにその一部が示されており図8bにその全部が示されているような、延長保証の既経過期間における販売年月別かつ経過月数(37〜60ヶ月)別のロスコストcij(販売年月をi、経過月数をjとする)がマトリクス状に記憶保存されるように構成されている。ただし、図8a及び図8bにおいて、列(縦)方向は販売年月iを表しており、行(横)方向は経過月数jを表している。なお、ロスコストcijの単位は千円/台である。
【0038】
第5のデータ記憶部10cには、図9aにその一部が示されており図9b及び図9cにその全部の前半及び後半がそれぞれ示されているような、メーカー保証及び延長保証の通算の既経過期間通算における販売年月別かつ経過月数(1〜60ヶ月)別の経過月数(横)方向の累計ロスコストRij(販売年月をi、経過月数をjとする)が各自動車毎にマトリクス状に記憶保存されるように構成されている。
【0039】
さらに、第6のデータ記憶部10cには、図10aにその一部が示されており図10b及び図10cにその全部の前半及び後半がそれぞれ示されているような、経過月数(横)方向の累計ロスコストをさらに販売年月(縦)方向に累計した、既経過期間通算における販売年月別かつ経過月数(1〜60ヶ月)別のロスコストTij(販売年月をi、経過月数をjとする)が各自動車毎にマトリクス状に記憶保存されるように構成されている。ただし、図9a、図9b及び図9c並びに図10a、図10b及び図10cにおいて、列(縦)方向は販売年月iを表しており、行(横)方向は経過月数jを表している。なお、累計ロスコストTijの単位は千円/台である。
【0040】
第7のデータ記憶部10cには、さらに、図11aにその一部が示されており、図11b及び図11cにその全部の前半及び後半がそれぞれ示されているような、境界月のみのロスディベロップメントファクタFij(販売年月をi、経過月数をjとする)が各自動車毎にマトリクス状に記憶保存されるように構成されている。ただし、図11a、図11b及び図11cにおいて、列(縦)方向は販売年月iを表しており、行(横)方向は経過月数jを表している。
【0041】
第8のデータ記憶部10cには、さらに、図12aにその一部が示されており、図12b及び図12cにその全部の前半及び後半がそれぞれ示されているような、後述する、未経過期間通算の全てのロスディベロップメントファクタLDFij(販売年月をi、経過月数をjとする)が各自動車毎にマトリクス状に記憶保存されるように構成されている。ただし、図11a、図11b及び図11cにおいて、列(縦)方向は販売年月iを表しており、行(横)方向は経過月数jを表している。
【0042】
第9のデータ記憶部10cには、またさらに、図13aにその一部が示されており図13b及び図13cにその全部の前半及び後半がそれぞれ示されているような、メーカー保証及び延長保証の既経過期間及び未経過期間通算における販売年月別かつ経過月数(1〜60ヶ月)別の累計ロスコストが各自動車毎にマトリクス状に記憶保存されるように構成されている。ただし、図13a、図13b及び図13cにおいて、列(縦)方向は販売年月を表しており、行(横)方向は経過月数を表している。なお、累計ロスコストの単位は千円/台である。
【0043】
第10のデータ記憶部10c10には、図14に示されているような、延長保証のみの未経過期間における販売年月別及び経過月数別の累計ロスコストがマトリクス状に記憶保存されている。
【0044】
図15〜図18はロスコスト予測用コンピュータ10bのプログラムの一部を概略的に示すフローチャートであり、以下、これらの図を用いてロスコスト予測用コンピュータ10bの処理内容を説明する。
【0045】
まず、図15に示すように、第1の算出手段10bは、第1のデータ記憶部10cにマトリクス状に記憶保存されており、図3a及び図3b並びに図4a及び図4bに示されているデータのうち、対象となる自動車のメーカー保証の既経過期間における販売年月別の販売数Dijとメーカー保証の既経過期間における販売年月別かつ経過月数(1〜36ヶ月)別のロス実績データLijとを読み出し(ステップS1)、読み出した各データについて(ロス実績データLij)/(販売数Dij)なる除算を行うことにより、メーカー保証の既経過期間における販売年月別かつ経過月数(1〜36ヶ月)別のロスコストCijを得る(ステップS2)。得られたメーカー保証の既経過期間におけるロスコストCij(図7a及び図7bに示されている)は、第3の記憶部10cにマトリクス状に記憶保存される(ステップS3)。
【0046】
一方、図16に示すように、第2の算出手段10bは、第2のデータ記憶部10cにマトリクス状に記憶保存されており、図5a及び図5b並びに図6a及び図6bに示されているデータのうち、対象となる自動車の延長保証の既経過期間における販売年月別の契約数dijと延長の既経過期間における販売年月別かつ経過月数(37〜60ヶ月)別のロス実績データlijとを読み出し(ステップS11)、読み出した各データについて(ロス実績データlij)/(契約数dij)なる除算を行うことにより、延長保証の既経過期間における販売年月別かつ経過月数(37〜60ヶ月)別のロスコストcijを得る(ステップS12)。得られた延長保証の既経過期間におけるロスコストcij(図8a及び図8bに示されている)は、第4の記憶部10cにマトリクス状に記憶保存される(ステップS13)。
【0047】
さらに、図17に示すように、第3の算出手段10bは、第3のデータ記憶部10cにマトリクス状に記憶保存されており図7a及び図7bに示されているデータのうち、メーカー保証の既経過期間における販売年月別かつ経過月数(1〜36ヶ月)別のロスコストCijと、第4のデータ記憶部10cにマトリクス状に記憶保存されており図8a及び図8bに示されている延長保証の既経過期間における販売年月別かつ経過月数(37〜60ヶ月)別のロスコストcijとを読み出し(ステップS21)、読み出した両方のロスコストを一本化してメーカー保証及び延長保証の既経過期間における販売年月別かつ経過月数(1〜60ヶ月)別のロスコストとし(ステップS22)、次いで、経過月数方向にロスコストを累計することにより、メーカー保証及び延長保証の通算の既経過期間における販売年月別かつ経過月数(1〜60ヶ月)別の経過月数(横)方向の累計ロスコストRijを算出し、第5のデータ記憶部10cにマトリクス状に記憶保存する(ステップS23)。即ち、第3の算出手段10bは、Rij=ΣCij+Σcijの演算(各iについてjを1から最大値である60(最終既経過月数)まで累加する演算、j=1〜60)を行う。図9a、図9b及び図9cは、このようにして算出し、第5のデータ記憶部10cに記憶保存されている経過月数(横)方向の累計ロスコストRijを示している。
【0048】
次いで、第4の算出手段10bは、第5のデータ記憶部10cにマトリクス状に記憶されている経過月数(横)方向の累計ロスコストRijを読出し、この経過月数(横)方向の累計ロスコストRijを販売年月方向にロスコストを累計することにより、既経過期間における販売年月別かつ経過月数(1〜60ヶ月)別の経過月数(横)方向及び販売年月(縦)方向の累計ロスコストTijを算出し、第6のデータ記憶部10cにマトリクス状に記憶保存する(ステップS24)。即ち、第4の算出手段10bは、Tij=ΣRijの演算(各jについてiを最初販売年月(この例では2001/01)から最大値である既経過最終販売年月まで累加する演算)を行う。図10a、図10b及び図10cは、このようにして算出し、第6のデータ記憶部10cに記憶されている経過月数(横)方向及び販売年月(縦)方向の累計ロスコストTijを示している。
【0049】
次いで、チェーンラダー法によって、未経過期間における販売年月別かつ経過月数別の累計ロスコストMCijを算出する。チェーンラダー法は、既経過期間の実績統計に現れたロスコスト発生の推移の規則性に着目し、将来もこの規則性が保たれるとして未経過期間のロスコストを推定する方法である。以下、図19を用いてその方法を概略的に説明する。
【0050】
図19は、販売年月別かつ経過月数(1〜60ヶ月)別の累計ロスコストRij(経過月数方向にロスコストを累計した値)を示している。ただし、同図において、列(縦)方向は販売年月iを表しており、行(横)方向は経過月数j(1〜60ヶ月)を表している。より具体的には、図19において、○、A〜Z及びa〜yは既経過期間であり実績値があるデータ、△及びz(網掛け部分)は未経過期間であり実績値がなく推定が必要なデータである。
【0051】
販売年月が2007/12であり、経過月が04月目のzは境界月であり、その累計ロスコストを求めるには、まず、(累計ロスコストデータa〜yの累計値)/(累計ロスコストデータA〜Yの累計値)の演算を行ってこのzにおける境界月のみのロスディベロップメントファクタFijを算出し、算出したロスディベロップメントファクタを既経過期間における最終月の累計ロスコストZ(=SC)に乗じることにより、この累計ロスコストzが算出される。
【0052】
以下、このチェーンラダー法を用いて、境界月のみでなく、未経過期間全体における販売年月別かつ経過月数別の累計ロスコストMCijの算出方法について詳細に説明する。
【0053】
まず、第5の算出手段10bは、図10a、図10b及び図10cに示すような、第6のデータ記憶部10cにマトリクス状に記憶されている既経過期間通算における販売年月別かつ経過月数(1〜60ヶ月)別の経過月数(横)方向及び販売年月(縦)方向の累計ロスコストTijを読出し、販売年月別にみて未経過期間となる最初の月である境界月(図19の例では、例えばzの月)のみのロスディベロップメントファクタFijを算出し、第7のデータ記憶部10cにマトリクス状に記憶保存する(ステップS25)。即ち、第5の算出手段10bは、既経過期間通算における販売年月別かつ経過月数別の経過月数方向及び販売年月方向の累計ロスコストについて、直前の販売年月における境界月と同じ経過月数の累計ロスコストを直前の販売年月における境界月の直前の経過月数の累計ロスコストで除算する演算である、Fij=T(i−1)j/T(i−1)(j−1)の演算を行う。図11a、図11b及び図11cは、このようにして算出し、第7のデータ記憶部10cに記憶されている境界月のみのロスディベロップメントファクタFijを示している。
【0054】
次いで、第6の算出手段10bは、図11a、図11b及び図11cに示すような、第7のデータ記憶部10cにマトリクス状に記憶されている境界月のみのロスディベロップメントファクタFijを読出し、未経過期間通算の全てのロスディベロップメントファクタLDFijを算出し、第8のデータ記憶部10cにマトリクス状に記憶保存する(ステップS26)。即ち、第6の算出手段10bは、境界月のロスディベロップメントファクタFijを未経過月の販売年月及び経過月数の範囲内で累乗する演算であるLDFij=ΠFkl(k≦iかつl≦jを満たす全ての境界月ロスディベロップメントファクタFklについての累乗)の演算を行う。図12a、図12b及び図12cは、このようにして算出し、第8のデータ記憶部10cに記憶されている、未経過期間通算の全てのロスディベロップメントファクタLDFijを示している。
【0055】
次いで、第7の算出手段10bは、図9a、図9b及び図9cに示すような、第5のデータ記憶部10cにマトリクス状に記憶されている既経過期間通算における販売年月別かつ経過月数別の経過月数(横)方向の累計ロスコストRijから最終月(販売年月別にみて既経過期間の最終の月)の累計ロスコストSCを読出すと共に、図12a、図12b及び図12cに示すような、第8のデータ記憶部10cにマトリクス状に記憶されている未経過期間通算の全てのロスディベロップメントファクタLDFijを読出し、両者をそれぞれ乗算して未経過期間における既経過期間及び未経過期間通算の累計ロスコストMCij(販売年月をi、経過月数をjとする)を算出する(ステップS27)。即ち、第7の算出手段10bは、まず、MCij=SC×LDFijの演算を行う。
【0056】
さらに、第7の算出手段10bは、このようにチェーンラダー法を用いて算出した未経過期間における既経過期間及び未経過期間通算の累計ロスコストMCijと、図9a、図9b及び図9cに示すような、第5のデータ記憶部10cにマトリクス状に記憶されている既経過期間通算における販売年月別かつ経過月数別の経過月数(横)方向の累計ロスコストRijとを一本化して、未経過期間も含む既経過期間及び未経過期間通算における販売年月別かつ経過月数(1〜60ヶ月)別の経過月数(横)方向の累計ロスコストを求め、第9のデータ記憶部10cにマトリクス状に記憶保存する(ステップS28)。図13aには、このようにして第9のデータ記憶部10cに記憶保存された未経過期間も含む既経過期間通算における販売年月別かつ経過月数(1〜60ヶ月)別の累計ロスコストの一部が、図13b及び図13cにその全部の前半及び後半がそれぞれ示されている。
【0057】
上述したように、第5の算出手段10b、第6の算出手段10b及び第7の算出手段10bによるチェーンラダー法を用いた演算によって、既経過期間における販売年月別かつ経過月数(1〜60ヶ月)別の経過月数(横)方向及び販売年月(縦)方向の累計ロスコストから、まず、図11aにその一部が、図11b及び図11cにその全部の前半及び後半がそれぞれ示されているごとき、境界月のみのロスディベロップメントファクタが算出され、次いで、図12aにその一部が、図12b及び図12cにその全部の前半及び後半がそれぞれ示されているごとき、全てのロスディベロップメントファクタが算出される。即ち、上述した図19に示す(累計ロスコストデータa〜yの累計値)/(累計ロスコストデータA〜Yの累計値)の演算は経過月数毎の未経過1ヶ月目のロスディベロップメントファクタを算出するものであり、未経過2ヶ月目以降のロスディベロップメントファクタは該当経過月数までの未経過1ヶ月目のロスディベロップメントファクタを累乗することで求められる。例えば、図12aに示す販売年月2007/11の経過月数6ヶ月のロスディベロップメントファクタ2.78は、2.78=1.49×1.29×1.22×1.19で算出される。その後、これらロスディベロップメントファクタに最終月の累計ロスコストを乗ずることによって、未経過期間における販売年月別かつ経過月数別の累計ロスコストが求められ、さらに、これと既経過期間における販売年月別かつ経過月数別の累計ロスコストとを一体化することによって、図13a〜図13cに示すような、既経過期間及び未経過期間通算における販売年月別かつ経過月数(1〜60ヶ月)別の経過月数(横)方向の累計ロスコストが求められるのである。このように、第5の算出手段10b、第6の算出手段10b及び第7の算出手段10bで扱われるチェーンラダー法は、第5のデータ記憶部10c、第6のデータ記憶部10c、第7のデータ記憶部10c、第8のデータ記憶部10c及び第9のデータ記憶部10cにおいて、図9a〜図13c、及び図19に示されているようなマトリクスを準備又は作成し、これらマトリクス上の数値を対象にして何重にも加工計算を繰り返して最終的なマトリクスを完成させ、未経過期間の数値を予測するものであり、コンピュータのハードウエア資源を用いてソフトウエアによる処理を具体的に実現したものである。
【0058】
図18に示すように、第8の算出手段10bは、第9のデータ記憶部10cに記憶されており図13aにその一部が示されており図13b及び図13cにその全部の前半及び後半がそれぞれ示されている累計ロスコストデータのうち、メーカー保証及び延長保証の既経過期間及び未経過期間通算(1〜60ヶ月)における累計ロスコストを読み出し(ステップS31)、読み出したメーカー保証及び延長保証の既経過期間及び未経過期間通算における累計ロスコストからメーカー保証の既経過期間及び未経過期間通算(1〜36ヶ月)における累計ロスコストを差引くことにより、延長保証のみの既経過期間及び未経過期間通算(37〜60ヶ月)における累計ロスコストを算出する(ステップS32)。得られた延長保証のみの既経過期間及び未経過期間通算(37〜60ヶ月)における累計ロスコスト(図14に示されている)を第10のデータ記憶部10c10に記憶保存する(ステップS33)。
【0059】
以上述べたように本実施形態によれば、メーカー保証の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別のロスコストを算出すると共に延長保証の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別のロスコストを算出する。メーカー保証及び延長保証の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別のロスコストから販売年月別かつ経過月数別の経過月数方向の累計ロスコストを求め、チェーンラダー法によって未経過期間における販売年月別かつ経過月数別の累計ロスコストを算出する。算出したメーカー保証及び延長保証の既経過期間及び未経過期間通算における累計ロスコストからメーカー保証の既経過期間及び未経過期間通算における累計ロスコストを差引くことにより、延長保証のみの既経過期間及び未経過期間通算における累計ロスコストを得る。このように、メーカー保証の販売数及びロス実績データと、延長保証の契約数及びロス実績データとのベースを揃えるため、ロスコストを共通分析指標として採用している。即ち、通常のチェーンラダー法は、販売数又は契約数をベースに累計ロス実績データを予測するが、本発明では、販売物品の全数である販売数が対象となるメーカー保証(当然、ロス実績データも非常に大きい)と販売物品の選択された一部契約のみが対象である延長保証(当然、ロス実績データも小さい)とを同時一体化した分析を可能とするため、ロス実績データを販売数又は契約数で除したロスコストを用いて、累計ロスコストを予測している。さらに、きめ細かな予測を可能とするため、通常は年単位で使用するチェーンラダー法を月単位に応用している。延長保証に先行して実績が得られるメーカー保証は、物品自体やその構成部品の進化の影響の有無、度合を確認することができるから、未だ延長保証には現れていない物品自体やその構成部品の進化の影響を先触れして加味することができる。その結果、予測精度の飛躍的向上を図ることができる。また、未だ延長保証には出現していない特定の構成部品の故障リスクを事前に予見することが可能となる。
【0060】
上述した実施形態では物品が自動車であり、自動車に関する延長保証保険の保険料計算に活用されているが、本発明が、それ以外にも、高額のメーカー保証付き物品においてメーカー保証につづく延長保証による故障リスク予測に関わる分野に広く活用可能であり、例えば、物品が住宅や高額電化製品等における故障リスクの保証料や保険料の算定に活用できることは明らかである。
【0061】
以上述べた実施形態は全て本発明を例示的に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明は他の種々の変形態様及び変更態様で実施することができる。従って本発明の範囲は特許請求の範囲及びその均等範囲によってのみ規定されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の一実施形態における延長保証ロスコスト予測システムの全体構成を概略的に示すブロック図である。
【図2】図1の実施形態におけるロスコスト予測用コンピュータ及びデータベースの機能構成を概略的に示すブロック図である。
【図3a】第1のデータ記憶部に記憶されているメーカー保証の既経過期間における販売年月別及び経過月数別の販売数データの一部を示す図である。
【図3b】第1のデータ記憶部に記憶されているメーカー保証の既経過期間における販売年月別及び経過月数別の販売数データの全部を示す図である。
【図4a】第1のデータ記憶部に記憶されているメーカー保証の既経過期間における販売年月別及び経過月数別のロス実績データの一部を示す図である。
【図4b】第1のデータ記憶部に記憶されているメーカー保証の既経過期間における販売年月別及び経過月数別のロス実績データの全部を示す図である。
【図5a】第2のデータ記憶部に記憶されている延長保証の既経過期間における販売年月別及び経過月数別の契約数データの一部を示す図である。
【図5b】第2のデータ記憶部に記憶されている延長保証の既経過期間における販売年月別及び経過月数別の契約数データの全部を示す図である。
【図6a】第2のデータ記憶部に記憶されている延長保証の既経過期間における販売年月別及び経過月数別のロス実績データの一部を示す図である。
【図6b】第2のデータ記憶部に記憶されている延長保証の既経過期間における販売年月別及び経過月数別のロス実績データの全部を示す図である。
【図7a】第3のデータ記憶部に記憶されているメーカー保証の既経過期間における販売年月別及び経過月数別のロスコストデータの一部を示す図である。
【図7b】第3のデータ記憶部に記憶されているメーカー保証の既経過期間における販売年月別及び経過月数別のロスコストデータの全部を示す図である。
【図8a】第4のデータ記憶部に記憶されている延長保証の既経過期間における販売年月別及び経過月数別のロスコストデータの一部を示す図である。
【図8b】第4のデータ記憶部に記憶されている延長保証の既経過期間における販売年月別及び経過月数別のロスコストデータの全部を示す図である。
【図9a】第5のデータ記憶部に記憶されている既経過期間通算における販売年月別及び経過月数別の経過月数方向の累計ロスコストデータの一部を示す図である。
【図9b】第5のデータ記憶部に記憶されている既経過期間通算における販売年月別及び経過月数別の経過月数方向の累計ロスコストデータの全部の前半を示す図である。
【図9c】第5のデータ記憶部に記憶されている既経過期間通算における販売年月別及び経過月数別の経過月数方向の累計ロスコストデータの全部の後半を示す図である。
【図10a】第6のデータ記憶部に記憶されている既経過期間通算における販売年月別及び経過月数別の経過月数方向及び販売年月方向の累計ロスコストデータの一部を示す図である。
【図10b】第6のデータ記憶部に記憶されている既経過期間通算における販売年月別及び経過月数別の経過月数方向及び販売年月方向の累計ロスコストデータの全部の前半を示す図である。
【図10c】第6のデータ記憶部に記憶されている既経過期間通算における販売年月別及び経過月数別の経過月数方向及び販売年月方向の累計ロスコストデータの全部の後半を示す図である。
【図11a】第7のデータ記憶部に記憶されている境界月のみのロスディベロップメントファクタのデータの一部を示す図である。
【図11b】第7のデータ記憶部に記憶されている境界月のみのロスディベロップメントファクタのデータの全部の前半を示す図である。
【図11c】第7のデータ記憶部に記憶されている境界月のみのロスディベロップメントファクタのデータの全部の後半を示す図である。
【図12a】第8のデータ記憶部に記憶されている全てのロスディベロップメントファクタのデータの一部を示す図である。
【図12b】第8のデータ記憶部に記憶されている全てのロスディベロップメントファクタのデータの全部の前半を示す図である。
【図12c】第8のデータ記憶部に記憶されている全てのロスディベロップメントファクタのデータの全部の後半を示す図である。
【図13a】第9のデータ記憶部に記憶されている既経過期間及び未経過期間通算における販売年月別及び経過月数別の累計ロスコストデータの一部を示す図である。
【図13b】第9のデータ記憶部に記憶されている既経過期間及び未経過期間通算における販売年月別及び経過月数別の累計ロスコストデータの全部の前半を示す図である。
【図13c】第9のデータ記憶部に記憶されている既経過期間及び未経過期間通算における販売年月別及び経過月数別の累計ロスコストデータの全部の後半を示す図である。
【図14】第10のデータ記憶部に記憶されている、メーカー保証のみの未経過期間及び既経過期間通算、メーカー保証及び延長保証の未経過期間及び既経過期間通算、及び、延長保証のみの未経過期間及び既経過期間通算、における販売年月別の累計ロスコストデータを示す図である。
【図15】図1の実施形態におけるロスコスト予測用コンピュータのプログラムの一部を概略的に示すフローチャートである。
【図16】図1の実施形態におけるロスコスト予測用コンピュータのプログラムの一部を概略的に示すフローチャートである。
【図17】図1の実施形態におけるロスコスト予測用コンピュータのプログラムの一部を概略的に示すフローチャートである。
【図18】図1の実施形態におけるロスコスト予測用コンピュータのプログラムの一部を概略的に示すフローチャートである。
【図19】チェーンラダー法を説明するための図である。
【符号の説明】
【0063】
10 延長保証ロスコスト予測装置
10a 通信制御装置
10b ロスコスト予測用コンピュータ
10b 第1の算出手段
10b 第2の算出手段
10b 第3の算出手段
10b 第4の算出手段
10b 第5の算出手段
10b 第6の算出手段
10b 第7の算出手段
10b 第8の算出手段
10c データベース
10c 第1のデータ記憶部
10c 第2のデータ記憶部
10c 第3のデータ記憶部
10c 第4のデータ記憶部
10c 第5のデータ記憶部
10c 第6のデータ記憶部
10c 第7のデータ記憶部
10c 第8のデータ記憶部
10c 第9のデータ記憶部
10c10 第10のデータ記憶部
11 通信ネットワーク
12 クライアント側端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロスコスト予測用コンピュータと、
該ロスコスト予測用コンピュータに接続されており、物品の全体を保証対象とするメーカー保証について全ての物品毎のメーカー保証の既経過期間における販売年月別の販売数を販売年月対応でマトリクス状に記憶保存すると共に、全ての物品毎のメーカー保証の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別のロス実績データを販売年月及び経過月数対応でマトリクス状に記憶保存するように構成された第1のデータ記憶部と、
物品の契約した一部のみを保証対象とする延長保証について保証対象とする全ての物品毎の延長保証の既経過期間における販売年月別の契約数を販売年月対応でマトリクス状に記憶保存すると共に、保証対象とする全ての物品毎の延長保証の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別のロス実績データを販売年月及び経過月数対応でマトリクス状に記憶保存するように構成された第2のデータ記憶部と、
第3のデータ記憶部と、
第4のデータ記憶部と、
第5のデータ記憶部と、
第6のデータ記憶部と、
第7のデータ記憶部と、
第8のデータ記憶部と、
第9のデータ記憶部と、
第10のデータ記憶部と
を備えており、
前記ロスコスト予測用コンピュータは、
前記第1のデータ記憶部から、予測すべき物品の販売年月及び経過月数に対応する既経過期間における販売年月別の販売数及び該予測すべき物品の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別のロス実績データを読み出し、該読み出したロス実績データを該読み出した販売数で除算することにより、メーカー保証の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別のロスコストを算出し、該算出したロスコストを販売年月及び経過月数対応で前記第3のデータ記憶部にマトリクス状に記憶保存する第1の算出手段と、
前記第2のデータ記憶部から、該予測すべき物品の販売年月及び経過月数に対応する既経過期間における販売年月別の契約数及び該予測すべき物品の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別のロス実績データを読み出し、該読み出したロス実績データを該読み出した契約数で除算することにより、延長保証の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別のロスコストを算出し、該算出したロスコストを販売年月及び経過月数対応で前記第4のデータ記憶部にマトリクス状に記憶保存する第2の算出手段と、
前記第3のデータ記憶部から、該予測すべき物品のメーカー保証の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別のロスコストを読み出すと共に前記第4のデータ記憶部から、該予測すべき物品の延長保証の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別のロスコストを読み出し、該読み出したメーカー保証に関するロスコストと該読み出した延長保証に関するロスコストとを一本化してメーカー保証及び延長保証の通算の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別の経過月数方向の累計ロスコストを算出し、該算出した既経過期間における販売年月別かつ経過月数別の経過月数方向の累計ロスコストを販売年月及び経過月数対応で前記第5のデータ記憶部にマトリクス状に記憶保存する第3の算出手段と、
前記第5のデータ記憶部から、既経過期間における販売年月別かつ経過月数別の経過月数方向の累計ロスコストを読出し、既経過期間における販売年月別かつ経過月数別の販売年月方向の累計ロスコストを算出し、該算出して得た既経過期間における販売年月別かつ経過月数別の経過月数方向及び販売年月方向の累計ロスコストを販売年月及び経過月数対応で前記第6のデータ記憶部にマトリクス状に記憶保存する第4の算出手段と、
前記第6のデータ記憶部から、既経過期間における販売年月別かつ経過月数別の経過月数方向及び販売年月方向の累計ロスコストを読出し、販売年月別にみて未経過期間の最初の月を境界月とすると、直前の販売年月における境界月と同じ経過月数の累計ロスコストを直前の販売年月における境界月の直前の経過月数の累計ロスコストで除算することによって境界月のみのロスディベロップメントファクタを算出し、該算出して得た境界月のみのロスディベロップメントファクタを販売年月及び経過月数対応で前記第7のデータ記憶部にマトリクス状に記憶保存する第5の算出手段と、
前記第7のデータ記憶部から、境界月のみのロスディベロップメントファクタを読出し、該境界月のロスディベロップメントファクタを未経過月の販売年月及び経過月数の範囲内で累乗することによって未経過期間通算の全てのロスディベロップメントファクタを算出し、該算出して得た未経過期間通算の全てのロスディベロップメントファクタを前記第8のデータ記憶部にマトリクス状に記憶保存する第6の算出手段と、
前記第5のデータ記憶部から販売年月別にみて既経過期間の最終の月の累計ロスコストを読出すと共に、前記第8のデータ記憶部から未経過期間通算の全てのロスディベロップメントファクタを読出し、該販売年月別にみて既経過期間の最終の月の累計ロスコストに経過月数別の該ロスディベロップメントファクタをそれぞれ乗算して未経過期間における既経過期間及び未経過期間通算の販売年月別かつ経過月数別の経過月数方向の累計ロスコストを算出し、前記第5のデータ記憶部から既経過期間通算における販売年月別かつ経過月数別の経過月数方向の累計ロスコストを読出し、前記算出した未経過期間における既経過期間及び未経過期間通算の販売年月別かつ経過月数別の経過月数方向の累計ロスコストと該読出した既経過期間通算における販売年月別かつ経過月数別の経過月数方向の累計ロスコストとを一本化して、前記第9のデータ記憶部にマトリクス状に記憶保存する第7の算出手段と、
前記第9のデータ記憶部から、該予測すべき物品のメーカー保証及び延長保証の既経過期間及び未経過期間通算における販売年月別の累計ロスコストを読み出し、メーカー保証及び延長保証の既経過期間及び未経過期間通算における累計ロスコストからメーカー保証の既経過期間及び未経過期間通算における累計ロスコストを差引くことにより、延長保証のみの既経過期間及び未経過期間通算における販売年月別の累計ロスコストを算出し、該算出した延長保証のみの既経過期間及び未経過期間通算における累計ロスコストを販売年月別対応で前記第10のデータ記憶部に記憶保存する第8の算出手段と
を備えていることを特徴とする延長保証ロスコスト予測装置。
【請求項2】
前記保証対象とする物品が自動車であり、前記第1のデータ記憶部に記憶保存されている販売数及びロス実績データが、保証対象とする全ての自動車毎のメーカー保証の既経過期間における販売年月別の販売数及び保証対象とする全ての自動車毎のメーカー保証の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別のロス実績データであり、前記第2のデータ記憶部に記憶保存されている契約数及びロス実績データが、保証対象とする全ての自動車毎の延長保証の既経過期間における販売年月別の契約数及び保証対象とする全ての自動車毎の延長保証の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別のロス実績データであることを特徴とする請求項1に記載の延長保証ロスコスト予測装置。
【請求項3】
前記メーカー保証が販売年月から36ヶ月であり、前記延長保証がメーカー保証終了時から24ヶ月であることを特徴とする請求項2に記載の延長保証ロスコスト予測装置。
【請求項4】
前記第3の算出手段は、前記第3のデータ記憶部から読出した予測すべき物品のメーカー保証の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別のロスコストをCij(iは販売年月、jは経過月数)、前記第4のデータ記憶部から読出した予測すべき物品の延長保証の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別のロスコストをcij(iは販売年月、jは経過月数)とすると、メーカー保証及び延長保証の通算の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別の経過月数方向の累計ロスコストRijをRij=ΣCij+Σcij(j=1〜最終既経過月数)の演算から算出する手段を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の延長保証ロスコスト予測装置。
【請求項5】
前記第4の算出手段は、前記第5のデータ記憶部から読出したメーカー保証及び延長保証の通算の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別の経過月数方向の累計ロスコストをRij(iは販売年月、jは経過月数)とすると、既経過期間における販売年月別かつ経過月数別の経過月数方向及び販売年月方向の累計ロスコストTijをTij=ΣRij(i=最初販売年月〜既経過最終販売年月)の演算から算出する手段を含むことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の延長保証ロスコスト予測装置。
【請求項6】
前記第5の算出手段は、前記第6のデータ記憶部から読出した既経過期間における販売年月別かつ経過月数別の経過月数方向及び販売年月方向の累計ロスコストをTij(iは販売年月、jは経過月数)とすると、境界月のみのロスディベロップメントファクタFijをFij=T(i−1)j/T(i−1)(j−1)の演算から算出する手段を含むことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の延長保証ロスコスト予測装置。
【請求項7】
前記第6の算出手段は、前記第7のデータ記憶部から読出した境界月のみのロスディベロップメントファクタをFij(iは販売年月、jは経過月数)とすると、未経過期間通算の全てのロスディベロップメントファクタLDFijをLDFij=ΠFkl(k≦iかつl≦jを満たす全ての境界月ロスディベロップメントファクタFklについての累乗)の演算から算出する手段を含むことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の延長保証ロスコスト予測装置。
【請求項8】
前記第7の算出手段は、前記第8のデータ記憶部から読出した未経過期間通算の全てのロスディベロップメントファクタをLDFij(iは販売年月、jは経過月数)、前記第5のデータ記憶手段から読出した販売年月別にみて既経過期間の最終の月の累計ロスコストをSC(iは販売年月)とすると、未経過期間における既経過期間及び未経過期間通算の販売年月別かつ経過月数別の経過月数方向の累計ロスコストMCijをMCij=SC×LDFijの演算から算出する手段を含むことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の延長保証ロスコスト予測装置。
【請求項9】
前記第7の算出手段は、前記第5のデータ記憶部から読出した既経過期間通算における販売年月別かつ経過月数別の経過月数方向の累計ロスコストをRij(iは販売年月、jは経過月数)と、前記算出した未経過期間における既経過期間及び未経過期間通算の販売年月別かつ経過月数別の経過月数方向の累計ロスコストMCijとを一本化して、予測すべき物品のメーカー保証及び延長保証の既経過期間及び未経過期間通算における販売年月別の累計ロスコストとすることを特徴とする請求項8に記載の延長保証ロスコスト予測装置。
【請求項10】
クライアント側端末と、通信ネットワークを介して該クライアント側端末に接続されたサーバ側の延長保証ロスコスト予測装置とを備えており、
該延長保証ロスコスト予測装置は、
ロスコスト予測用コンピュータと、
該ロスコスト予測用コンピュータに接続されており、物品の全体を保証対象とするメーカー保証について全ての物品毎のメーカー保証の既経過期間における販売年月別の販売数を販売年月対応でマトリクス状に記憶保存すると共に、全ての物品毎のメーカー保証の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別のロス実績データを販売年月及び経過月数対応でマトリクス状に記憶保存するように構成された第1のデータ記憶部と、
物品の契約した一部のみを保証対象とする延長保証について保証対象とする全ての物品毎の延長保証の既経過期間における販売年月別の契約数を販売年月対応でマトリクス状に記憶保存すると共に、保証対象とする全ての物品毎の延長保証の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別のロス実績データを販売年月及び経過月数対応でマトリクス状に記憶保存するように構成された第2のデータ記憶部と、
第3のデータ記憶部と、
第4のデータ記憶部と、
第5のデータ記憶部と、
第6のデータ記憶部と、
第7のデータ記憶部と、
第8のデータ記憶部と、
第9のデータ記憶部と、
第10のデータ記憶部と
を備えており、
前記ロスコスト予測用コンピュータは、
前記第1のデータ記憶部から、予測すべき物品の販売年月及び経過月数に対応する既経過期間における販売年月別の販売数及び該予測すべき物品の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別のロス実績データを読み出し、該読み出したロス実績データを該読み出した販売数で除算することにより、メーカー保証の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別のロスコストを算出し、該算出したロスコストを販売年月及び経過月数対応で前記第3のデータ記憶部にマトリクス状に記憶保存する第1の算出手段と、
前記第2のデータ記憶部から、該予測すべき物品の販売年月及び経過月数に対応する既経過期間における販売年月別の契約数及び該予測すべき物品の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別のロス実績データを読み出し、該読み出したロス実績データを該読み出した契約数で除算することにより、延長保証の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別のロスコストを算出し、該算出したロスコストを販売年月及び経過月数対応で前記第4のデータ記憶部にマトリクス状に記憶保存する第2の算出手段と、
前記第3のデータ記憶部から、該予測すべき物品のメーカー保証の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別のロスコストを読み出すと共に前記第4のデータ記憶部から、該予測すべき物品の延長保証の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別のロスコストを読み出し、該読み出したメーカー保証に関するロスコストと該読み出した延長保証に関するロスコストとを一本化してメーカー保証及び延長保証の通算の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別の経過月数方向の累計ロスコストを算出し、該算出した既経過期間における販売年月別かつ経過月数別の経過月数方向の累計ロスコストを販売年月及び経過月数対応で前記第5のデータ記憶部にマトリクス状に記憶保存する第3の算出手段と、
前記第5のデータ記憶部から、既経過期間における販売年月別かつ経過月数別の経過月数方向の累計ロスコストを読出し、既経過期間における販売年月別かつ経過月数別の販売年月方向の累計ロスコストを算出し、該算出して得た既経過期間における販売年月別かつ経過月数別の経過月数方向及び販売年月方向の累計ロスコストを販売年月及び経過月数対応で前記第6のデータ記憶部にマトリクス状に記憶保存する第4の算出手段と、
前記第6のデータ記憶部から、既経過期間における販売年月別かつ経過月数別の経過月数方向及び販売年月方向の累計ロスコストを読出し、販売年月別にみて未経過期間の最初の月を境界月とすると、直前の販売年月における境界月と同じ経過月数の累計ロスコストを直前の販売年月における境界月の直前の経過月数の累計ロスコストで除算することによって境界月のみのロスディベロップメントファクタを算出し、該算出して得た境界月のみのロスディベロップメントファクタを販売年月及び経過月数対応で前記第7のデータ記憶部にマトリクス状に記憶保存する第5の算出手段と、
前記第7のデータ記憶部から、境界月のみのロスディベロップメントファクタを読出し、該境界月のロスディベロップメントファクタを未経過月の販売年月及び経過月数の範囲内で累乗することによって未経過期間通算の全てのロスディベロップメントファクタを算出し、該算出して得た未経過期間通算の全てのロスディベロップメントファクタを前記第8のデータ記憶部にマトリクス状に記憶保存する第6の算出手段と、
前記第5のデータ記憶部から販売年月別にみて既経過期間の最終の月の累計ロスコストを読出すと共に、前記第8のデータ記憶部から未経過期間通算の全てのロスディベロップメントファクタを読出し、該販売年月別にみて既経過期間の最終の月の累計ロスコストに経過月数別の該ロスディベロップメントファクタをそれぞれ乗算して未経過期間における既経過期間及び未経過期間通算の販売年月別かつ経過月数別の経過月数方向の累計ロスコストを算出し、前記第5のデータ記憶部から既経過期間通算における販売年月別かつ経過月数別の経過月数方向の累計ロスコストを読出し、前記算出した未経過期間における既経過期間及び未経過期間通算の販売年月別かつ経過月数別の経過月数方向の累計ロスコストと該読出した既経過期間通算における販売年月別かつ経過月数別の経過月数方向の累計ロスコストとを一本化して、前記第9のデータ記憶部にマトリクス状に記憶保存する第7の算出手段と、
前記第9のデータ記憶部から、該予測すべき物品のメーカー保証及び延長保証の既経過期間及び未経過期間通算における販売年月別の累計ロスコストを読み出し、メーカー保証及び延長保証の既経過期間及び未経過期間通算における累計ロスコストからメーカー保証の既経過期間及び未経過期間通算における累計ロスコストを差引くことにより、延長保証のみの既経過期間及び未経過期間通算における販売年月別の累計ロスコストを算出し、該算出した延長保証のみの既経過期間及び未経過期間通算における累計ロスコストを販売年月別対応で前記第10のデータ記憶部に記憶保存する第8の算出手段と
を備えていることを特徴とする延長保証ロスコスト予測システム。
【請求項11】
前記保証対象とする物品が自動車であり、前記第1のデータ記憶部に記憶保存されている販売数及びロス実績データが、保証対象とする全ての自動車毎のメーカー保証の既経過期間における販売年月別の販売数及び保証対象とする全ての自動車毎のメーカー保証の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別のロス実績データであり、前記第2のデータ記憶部に記憶保存されている契約数及びロス実績データが、保証対象とする全ての自動車毎の延長保証の既経過期間における販売年月別の契約数及び保証対象とする全ての自動車毎の延長保証の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別のロス実績データであることを特徴とする請求項10に記載の延長保証ロスコスト予測システム。
【請求項12】
前記メーカー保証が販売年月から36ヶ月であり、前記延長保証がメーカー保証終了時から24ヶ月であることを特徴とする請求項11に記載の延長保証ロスコスト予測システム。
【請求項13】
前記第3の算出手段は、前記第3のデータ記憶部から読出した予測すべき物品のメーカー保証の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別のロスコストをCij(iは販売年月、jは経過月数)、前記第4のデータ記憶部から読出した予測すべき物品の延長保証の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別のロスコストをcij(iは販売年月、jは経過月数)とすると、メーカー保証及び延長保証の通算の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別の経過月数方向の累計ロスコストRijをRij=ΣCij+Σcij(j=1〜最終既経過月数)の演算から算出する手段を含むことを特徴とする請求項10から12のいずれか1項に記載の延長保証ロスコスト予測システム。
【請求項14】
前記第4の算出手段は、前記第5のデータ記憶部から読出したメーカー保証及び延長保証の通算の既経過期間における販売年月別かつ経過月数別の経過月数方向の累計ロスコストをRij(iは販売年月、jは経過月数)とすると、既経過期間における販売年月別かつ経過月数別の経過月数方向及び販売年月方向の累計ロスコストTijをTij=ΣRij(i=最初販売年月〜既経過最終販売年月)の演算から算出する手段を含むことを特徴とする請求項10から13のいずれか1項に記載の延長保証ロスコスト予測システム。
【請求項15】
前記第5の算出手段は、前記第6のデータ記憶部から読出した既経過期間における販売年月別かつ経過月数別の経過月数方向及び販売年月方向の累計ロスコストをTij(iは販売年月、jは経過月数)とすると、境界月のみのロスディベロップメントファクタFijをFij=T(i−1)j/T(i−1)(j−1)の演算から算出する手段を含むことを特徴とする請求項10から14のいずれか1項に記載の延長保証ロスコスト予測システム。
【請求項16】
前記第6の算出手段は、前記第7のデータ記憶部から読出した境界月のみのロスディベロップメントファクタをFij(iは販売年月、jは経過月数)とすると、未経過期間通算の全てのロスディベロップメントファクタLDFijをLDFij=ΠFkl(k≦iかつl≦jを満たす全ての境界月ロスディベロップメントファクタFklについての累乗)の演算から算出する手段を含むことを特徴とする請求項10から15のいずれか1項に記載の延長保証ロスコスト予測システム。
【請求項17】
前記第7の算出手段は、前記第8のデータ記憶部から読出した未経過期間通算の全てのロスディベロップメントファクタをLDFij(iは販売年月、jは経過月数)、前記第5のデータ記憶手段から読出した販売年月別にみて既経過期間の最終の月の累計ロスコストをSC(iは販売年月)とすると、未経過期間における既経過期間及び未経過期間通算の販売年月別かつ経過月数別の経過月数方向の累計ロスコストMCijをMCij=SC×LDFijの演算から算出する手段を含むことを特徴とする請求項10から16のいずれか1項に記載の延長保証ロスコスト予測システム。
【請求項18】
前記第7の算出手段は、前記第5のデータ記憶部から読出した既経過期間通算における販売年月別かつ経過月数別の経過月数方向の累計ロスコストをRij(iは販売年月、jは経過月数)と、前記算出した未経過期間における既経過期間及び未経過期間通算の販売年月別かつ経過月数別の経過月数方向の累計ロスコストMCijとを一本化して、予測すべき物品のメーカー保証及び延長保証の既経過期間及び未経過期間通算における販売年月別の累計ロスコストとすることを特徴とする請求項17に記載の延長保証ロスコスト予測システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3a】
image rotate

【図3b】
image rotate

【図4a】
image rotate

【図4b】
image rotate

【図5a】
image rotate

【図5b】
image rotate

【図6a】
image rotate

【図6b】
image rotate

【図7a】
image rotate

【図7b】
image rotate

【図8a】
image rotate

【図8b】
image rotate

【図9a】
image rotate

【図9b】
image rotate

【図9c】
image rotate

【図10a】
image rotate

【図10b】
image rotate

【図10c】
image rotate

【図11a】
image rotate

【図11b】
image rotate

【図11c】
image rotate

【図12a】
image rotate

【図12b】
image rotate

【図12c】
image rotate

【図13a】
image rotate

【図13b】
image rotate

【図13c】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate


【公開番号】特開2009−259196(P2009−259196A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−268478(P2008−268478)
【出願日】平成20年10月17日(2008.10.17)
【特許番号】特許第4241897号(P4241897)
【特許公報発行日】平成21年3月18日(2009.3.18)
【出願人】(592018320)あいおい損害保険株式会社 (21)