説明

建具用引手

【課題】 間仕切用の引戸に使用するのに好適な換気口の機能を有する建具用引手を提供すること。
【解決手段】 建具の取付孔に挿入されて取り付けられる引手であって、該引手は外周に建具の表面に面接されるフランジを形成した縦長の矩形状の筒体で、一方の側板から他方の側板方向に向かって延びる風受板を有し、他方の側板と風受板端部との間に形成される隙間を隠す隠蔽板を他方の側板側に形成してあることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、換気口の機能を有する建具用引手に関するものである。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】 実開昭57−119088号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
換気口の機能を有する建具用引手として、実開昭57−119088号公報に襖用の引手が従来技術として記載されている。
【0004】
この引手にあっては、換気口の機能としては何等問題はないが、襖用であるから正面形状が円形であるだけでなく、通気口が正面からまる見えで、襖以外の間仕切用の引戸等に使用した場合は廊下側から室内が素通しになって体裁が悪いという問題点があった。
【発明の目的】
【0005】
本発明は、特に間仕切用の引戸に使用するのに好適な換気口の機能を有する建具用引手を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る建具用引手は、建具の取付孔に挿入されて取り付けられる引手であって、該引手は外周に建具の表面に面接されるフランジを形成した縦長の矩形状の筒体で、一方の側板から他方の側板方向に向かって延びる風受板を有し、他方の側板と風受板端部との間に形成される隙間を隠す隠蔽板を他方の側板側に形成してあることを特徴とするものである。
【発明の作用】
【0007】
本発明では、一対の前後対称の引手を建具の取付孔に前後から挿入して取り付けると、他方の側板と風受板端部との間に形成される隙間が通気口となって換気口として作用し、隠蔽板によって通気口が隠される。
【実施例】
【0008】
図1は、本発明に係る建具用引手の建具に取り付けた状態の斜視図、図2は、同引手の拡大斜視図、図3は、同引手の横断平面図、図4は、同引手を建具に取り付けた状態の横断平面図、図5は、他の実施例の引手の隙間を閉鎖した状態の要部横断平面図、図6は、同引手の隙間を開放した状態の横断平面図である。
【0009】
図において、1は、本発明に係る建具用引手本体であって、縦長の矩形状の筒体2の外周に建具Dの表面に面接されるフランジ2−1が形成されている。
【0010】
3は、前記筒体2の一方の側板2−2から他方の側板2−3方向に向かって延びる湾曲した手掛部兼用の風受板であって、他方の側板2−3と風受板端部との間に隙間Sが形成されている。
【0011】
4は、正面から見て前記隙間Sが見えないようにする手掛部兼用の隠蔽板であって、端部が直角に折り曲げられて手掛部4−1が形成されている。
【0012】
次に、本発明に係る建具用引手本体1、1を引戸等の建具D取り付ける方法を説明する。
【0013】
即ち、前後対称の引手本体1、1の筒体2、2を予め建具Dに形成しておいた引手の取付孔に前後からフランジ2−1、2−1が建具Dを挟むように挿入し、前後の引手本体1、1を適宜ネジにて一体化して取り付ける。
【0014】
尚、押入の襖のように裏側から見られる心配のない場合には引手は表側に取り付けるだけでよく、この場合、引手本体1の筒体2の外周に接着剤を塗布して取り付ければよいものである。
【0015】
本発明に係る建具用引手は上記のような構成であるから、他方の側板2−3と風受板3の端部との間に形成された隙間Sが通気口となるもので、特に、この引手を間仕切用の引戸に使用した場合、引戸を全閉した状態でも室内の換気を行うことができ、また、正面から見て隙間Sを見えないようにする隠蔽板4を設けてあるので、廊下側から室内が素通しになることがなく体裁がよい。
【0016】
また、図5、図6のように、前後の引手本体1、1の風受板3、3の間に隙間Sを開閉するシャッタープレート5を、風受板3、3に形成された長孔3−1に案内される摘み5−1を操作することにより左右摺動できるように設けておけば、換気を必要としないときにはシャッタープレート5の摘み5−1を図5のように左側に寄せて隙間Sを閉じ、換気を必要とするときにシャッタープレート5の摘み5−1を図6のように右側に寄せ、隙間Sを開いて換気を行うということが任意にできるもので、摘み5−1の頭部に花模様の飾り等を付けておけば、引手の装飾にもなるという効果も生じる。
【発明の効果】
【0017】
以上述べたように、本発明に係る建具用引手によれば、建具の取付孔に挿入されて取り付けられる引手であって、該引手は外周に建具の表面に面接されるフランジを形成した縦長の矩形状の筒体で、一方の側板から他方の側板方向に向かって延びる風受板を有し、他方の側板と風受板端部との間に形成される隙間を隠す隠蔽板を他方の側板側に形成してあるので、従来公知の換気口の機能を有する襖用の引手と比較して建具に取り付けた全体形状もよく、通気口が正面からは見えないだけでなく、廊下側から室内が素通しにならず、特に間仕切用の引戸に使用するのに好適な建具用引手といえるものである。
【0018】
また、第2実施例のように前後の引手本体の風受板の間に隙間Sを開閉するシャッタープレートを左右摺動自在に設けておけば、必要に応じて換気を行うことができるという効果があるものである。
【0019】
更に、上記引手において、シャッタープレートに変えてサーモスタット板で隙間Sを閉じるようにしておき、熱によってサーモスタット板が変形して隙間Sが開くようにしておけば、この引手を屋外に設置される密閉型の物置用引戸の引手として使用したとき、物置内が高温になったときに自動的に隙間Sが開いて物置内の熱気を自動的に排出して物置内の温度を下げる調温機能付きの物置を提供することもできるものである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】 本発明に係る建具用引手の建具に取り付けた状態の斜視図である。
【図2】 同引手の拡大斜視図である。
【図3】 同引手の横断平面図である。
【図4】 同引手を建具に取り付けた状態の要部横断平面図である。
【図5】 他の実施例の引手の隙間を閉鎖した状態の要部横断平面図である。
【図6】 同引手の隙間を開放した状態の要部横断平面図である。
【符号の説明】
【0021】
1 建具用引手本体
2 筒体
3 風受板
4 隠蔽板
5 シャッタープレート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建具の取付孔に挿入されて取り付けられる引手であって、該引手は外周に建具の表面に面接されるフランジを形成した縦長の矩形状の筒体で、一方の側板から他方の側板方向に向かって延びる風受板を有し、他方の側板と風受板端部との間に形成される隙間を隠す隠蔽板を他方の側板側に形成してあることを特徴とする建具用引手
【請求項2】
請求項1に記載される建具用引手において、
前後一対の引手本体の風受板の間に隙間を開閉するシャッタープレートを左右摺動自在に設けたことを特徴とする請求項1記載の建具用引手

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−132176(P2007−132176A)
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−354102(P2005−354102)
【出願日】平成17年11月9日(2005.11.9)
【出願人】(592048176)ケージーパルテック株式会社 (35)