説明

建物の縦壁用の点検口器材及び建物の縦壁の点検口構造

【課題】点検口の外観的な見栄えを向上させ得ると共に、点検口を閉蓋した蓋板の取り外しを、点検口の周縁部分や蓋板を損傷することなく安全に行うことのできる建物の縦壁用の点検口器材を提供する。
【解決手段】建物の縦壁2の壁開口3に枠体5を嵌挿して点検口6を形成する。点検口6は蓋板7で閉蓋される。枠体5は、壁開口3の内側面を覆う内側面覆い片26に、蓋板7の後面部を受ける蓋受け片35を有する。蓋受け片35は、蓋板7の下の外縁部分の後面部に設けられた弾性係合部材89の弾性後方突出片92を下方から支持する係合立片36を有する。弾性後方突出片92の後端に連なる弾性係合片96は、係合立片36の後面部分に弾性的に係合できる。蓋板7の上の外縁部分の後面部に設けられた取着部115は、点検口6の上部に設けられた保持部119に着脱可能に取り付けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の縦壁に点検口を形成するために用いられる建物の縦壁用の点検口器材に関するものであり、又、それを用いる建物の縦壁の点検口構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
配管や配線等の設備を点検するための点検口を建物の壁体に設けるために用いられる壁用の点検口器材の一例として、特開平6−146317号公報(特許文献1)や特開2001−140460号公報(特許文献2)、特開2005−139704号公報(特許文献3)に記載のものが提案されているが、これらの点検口器材は、壁体に設けた壁開口を縁取りするべく枠体を嵌装し、その枠体に着脱可能又は開閉可能な蓋板を嵌め込むことで、該枠体を以て形成される点検口を蓋体で閉蓋するようにしていたため、枠体の外部への露出が不可避であり、見栄えの向上を図る上で改善の余地があった。特に近年は、配管の維持管理の要請が強くなってきており、エアコンの配管の点検のためにも点検口を設ける等、居室の縦壁の可視面に点検口を取り付けることが多くなってきている。このような場合、壁開口を縁取る枠体が外部に露出すると、これが観者に視認されることになって点検口部分の外観的な見栄えを損なうことになる。
【0003】
そこで、かかる枠体の露出による見栄えを改善せんとして、特開2009−57711号公報が開示する点検口器材が提案されている。該点検口器材aは、図25に示すように、壁体(例えば建物の縦壁)bに開口された壁開口cを縁取りするべく該壁開口cに嵌装されて点検口dを形成する矩形枠状の枠体eと、該点検口dを閉蓋する蓋板fとを具えており、該点検口dを蓋板fで閉蓋した状態において、該枠体eを目立ちにくくすることで外観的な見栄えを改善せんとするものであった。
【0004】
該枠体eは、より具体的には図25〜26に示すように、壁開口cの上下左右の内側面g,g,g,gを覆う周壁部hの開口縁jに、壁体bの壁面kを覆う壁面当接部mが設けられると共に、該周壁部hの奥部の縁nに、前記蓋板fの外縁部分pの後面部qを受ける蓋受け部rが設けられており、該蓋受け部rの上面部と下面部の夫々の両端部に球状クリップu,uが突出形成されていた。該球状クリップuは軸部vの先端に、それよりも大径の球状の頭部wが一体に形成されてなり、全体として適度な可撓性を有していた。
【0005】
そして、該枠体eを壁開口cに嵌装した状態で、前記壁面kと前記壁面当接部mの表面及び前記蓋受け部rの表面xをビニールクロス等のシート状の表面仕上げ材yで被覆することにより、該枠体eが外部に露出して観者に視認されることがないようにして外観的な見栄えを良好とするように構成されていた。又、前記蓋板fの表面も該表面仕上げ材yで被覆していた。
【0006】
又前記蓋板fは、その裏面zの上部分と下部分の夫々の両端側に、前記枠体eに設けられている前記球状クリップuに対応する位置に、凹状の球状穴クリップc1が設けられていた。そして、前記点検口dを蓋板fで閉蓋するに際しては、該蓋板fを前記枠体eに嵌め込む。この嵌め込みにより、前記蓋受け部rの四隅に設けられている球状クリップuと球状穴クリップc1が合致する状態となるのでこの合致を感触的に確認できた状態で、両者を係合させるべく該蓋板fを更に押し込む。これにより該球状クリップuと球状穴クリップc1とが凹凸嵌合状態で係合し、最終的には、該蓋板fの仕上げ表面a1が壁体bの仕上げ壁面d1と略面一状態を呈して、該点検口dを蓋板fで閉蓋できその状態を保持できるように構成されていた。
【0007】
図27〜28は、同公報が開示する点検口器材aの他の態様を示すものであり、前記蓋受け部rの上辺部の両端部には、前記と同様の構成で球状クリップu,uが突出されると共に、下辺部には、その全長に亘り、断面L字状の引っ掛けフランジ部e1が設けられていた。そして、前記蓋板fの裏面の内、前記球状クリップuに対応する位置には、前記と同様の構成で球状穴クリップc1が設けられると共に、その下側部分には、前記引っ掛けフランジ部e1と互いに引っ掛かりの関係を以て係止されて、あたかもヒンジとして機能し得る引っ掛けフランジ部f1が設けられていた。そして、前記点検口dを蓋板fで閉蓋するに際しては、該蓋板fの姿勢を傾斜気味に維持して前記引っ掛けフランジ部e1,f1同士を係止させ、それに続いて、該引っ掛けフランジ部同士の係止部g1を支点として蓋板fを押し込んで、前記球状クリップuと前記球状穴クリップc1とを相互に係合させる。これにより、蓋板fで点検口dを閉蓋でき、その状態を保持できるものであった。
【0008】
かかる構成の点検口器材aによるときは、枠体eの露出による見栄えを改善できる利点はあったが、閉蓋状態にある蓋板fを取り外す際に、前記のように枠体eや前記蓋板fを被覆する表面仕上げ材yを損傷しやすい問題があった。即ち、図25〜26に示す点検口器材aにあっても、図27〜28に示す点検口器材aにあっても、共に、点検口dを開く必要がある場合は、前記閉蓋状態にある蓋板fを取り外すに際して、前記枠体eと蓋板fとの周囲の隙間h1(図26)に例えばマイナスドライバー等を差し込んでこじ開けて、前記球状クリップuと前記球状穴クリップc1との係合を解除し(図25〜26の場合)、或いは、同様にこじ開けて前記球状クリップuと前記球状穴クリップc1との係合を解除した上で、蓋板f側の引っ掛けフランジ部f1を枠体e側の引っ掛けフランジ部e1から抜き取るようにしていた(図27〜28の場合)。
【0009】
しかしながら、このようにこじ開ける際に、ドライバーの先端部分が、表面仕上げ材yによる化粧面を大きな力で擦る現象が生じた。これは、蓋板fの下端の支持部分の高さが変化しにくいために、こじ開けに大きな力を必要としたからである。その結果、マイナスドライバー等で前記表面仕上げ材yが損傷されて外観的な見栄えが損われやすかったのである。かかることから、特許文献3が開示する点検口器材によるときも更に改善の余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平6−146317号公報
【特許文献2】特開2001−140460号公報
【特許文献3】特開2005−139704公報
【特許文献4】特開2009−57711号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、前記従来の問題点に鑑みて開発されたものであり、点検口を構成する枠体を目立ちにくくなし得て、点検口の開口縁部分における外観的な見栄えを向上させ得るだけでなく、点検口を閉蓋状態の蓋板を点検口の縁取り部分を損傷することなく安全に取り外すことのできる建物の縦壁用の点検口器材及び、該点検口器材を用いてなる建物の縦壁の点検口構造の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決するため本発明は以下の手段を採用する。
即ち、本発明に係る建物の縦壁用の点検口器材(以下点検口器材という)は、建物の縦壁に形成された、左右に延長する上下の内側面と上下に延長する左右の内側面とを有する壁開口に、該壁開口の室内開放端側を縁取りするように嵌装される枠体と、該枠体を嵌装して形成される点検口を閉蓋する蓋板とを具えており、該枠体は、前記壁開口の上下左右の内側面の室内開放端側を覆う上下左右の内側面覆い片と、該下の内側面覆い片の後部で突設されて前記蓋板の下の外縁部分の後面部を受ける蓋受け片とを具えており、該蓋受け片には、係合立片が上方に突設されている。又、該蓋受け片により前記蓋板の下の外縁部分が受けられて該蓋板が前記点検口を閉蓋した状態で、該蓋板の前面が前記縦壁の壁面と略面一となる如くなされており、又、前記蓋板の下の外縁部分の後面部に弾性係合部材が設けられると共に、該蓋板の上の外縁部分の後面部には取着部が設けられている。そして前記弾性係合部材は、前記下の外縁部分の後面部に固定される固定片に、バネ性素材からなり後方に突出する弾性後方突出片が設けられ、該弾性後方突出片の後部に、前記係合立片の後面部分に弾性的に係合し得るバネ性素材からなる弾性係合片が設けられてなり、前記蓋板の前記下の外縁部分の後面部が前記蓋受け片の前面に直接的に又は間隔調整突部を介して当接されると共に、前記弾性後方突出片が前記係合立片の上端で下方から支持され、且つ、前記弾性係合片が前記係合立片の前記後面部分に弾性的に係合した状態で、前記蓋板の下の外縁部分が前記点検口の周縁部分の下部に取り付けられる如くなされている。そして前記取着部は、前記点検口の周縁部分の上部に設けられた保持部に着脱可能に保持されるものとなされていることを特徴とするものである。
【0013】
本発明に係る点検口器材のより具体的な態様は、建物の縦壁に形成された、左右に延長する上下の内側面と上下に延長する左右の内側面とを有する壁開口に、該壁開口の室内開放端側を縁取りするように嵌装される枠体と、該枠体を嵌装して形成される点検口を閉蓋する蓋板とを具えており、該枠体は、前記壁開口の上下左右の内側面を覆う上下左右の内側面覆い片と、該下の内側面覆い片の後部で突設されて前記蓋板の下の外縁部分の後面部を受ける蓋受け片とを具えており、該蓋受け片には、係合立片が上方に突設されている。又、該蓋受け片により前記蓋板の下の外縁部分が受けられて該蓋板が前記点検口を閉蓋した状態で、該蓋板の前面が前記縦壁の壁面と略面一となる如くなされており、又、前記蓋板の下の外縁部分の後面部に弾性係合部材が設けられると共に、該蓋板の上の外縁部分の後面部には取着部が設けられている。そして前記弾性係合部材は、前記下の外縁部分の後面部に固定される固定片に、バネ性素材からなり後方に突出する弾性後方突出片が設けられ、該弾性後方突出片の後部に、前記係合立片の後面部分に弾性的に係合し得るバネ性素材からなる弾性係合片が設けられてなり、前記蓋板の前記下の外縁部分の後面部が前記蓋受け片の前面に直接的に又は間隔調整突部を介して当接されると共に、前記弾性後方突出片が前記係合立片の上端で下方から支持され、且つ、前記弾性係合片が前記後面部分に弾性的に係合した状態で、前記蓋板の下の外縁部分が前記点検口の周縁部分の下部に取り付けられる如くなされている。又、前記取着部は、前記点検口の前記周縁部分の上部に設けられた、ラッチ機構を用いる保持部に着脱可能に保持されるものとなされている。該ラッチ機構は、前後動し得る作動杆を具え、該作動杆は、付勢手段の付勢作用によって前方に突出状態となり得ると共にその付勢作用に逆らって後退でき、該後退状態で、ストッパ部との係合によって停止状態となされ、又、該後退状態において後方向に押圧されることにより、前記ストッパ部との係合が解除され前記付勢作用によって前方に突出する如くなされており、又、前記取着部が、後退した前記作動杆の前端に取着された状態で、前記蓋板の上の外縁部分が前記点検口の前記周縁部分の上部に取り付けられる如くなされる一方、該取着部が、突出した前記作動杆の先端に取着され且つ、前記弾性後方突出片が前記係合立片の上端で下方から支持された状態で、前記蓋板の前記上の外縁部分が前記壁面から突出することを特徴とするものである。
【0014】
前記の各点検口器材において、前記蓋板の下の外縁部分の後面部に、前記点検口を閉蓋した状態にある前記蓋板の前面を前記縦壁の壁面と略面一状態となし得るように該後面部と前記蓋受け片の前面との間隔を所要に調整でき、且つ前記蓋受け片の前面に当接し得る間隔調整突部を取り付けるのがよい。該間隔調整突部は、前記固定片を前記蓋板の下の外縁部分の後面部に固定するための固定ビスのビス頭部とするのがよい。
【0015】
前記の各点検口器材において、前記弾性係合部材の前記固定片に設けたビス孔を挿通する固定ビスを用いて該固定片を前記後面部に固定する場合、該固定ビスをドライバーで締め付ける際に該固定ビスの締め付けの障害とならないように、前記弾性係合片の下端を、該固定片に設けるビス孔よりも上側に位置させるのがよい。
【0016】
本発明に係る建物の縦壁の点検口構造は、前記建物の縦壁用の点検口器材の何れかを用いる建物の縦壁の点検口構造であって、前記枠体が、その上下左右の内側面覆い片が前記壁開口の上下左右の内側面の室内開放端側を覆った状態で該壁開口に取り付けられることにより、点検口が形成されると共に、該点検口が前記蓋板で閉蓋可能となされており、該蓋板が該点検口を閉蓋した状態で、該基板と該点検口の内周面との間に、周方向に連続する目地溝が形成される如くなされており、又、前記壁開口の縁と前記内側面覆い片との繋ぎ目と、前記枠体の縁取り前面と、前記枠体の内側面覆い片の内側面が、前記縦壁を形成するために壁下地部に固定された壁材の表面を被覆すると同じ表面仕上げ層を以て被覆されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明は以下の如き優れた効果を奏する。
(1) 本発明に係る点検口器材は、前記弾性係合部材の前記弾性後方突出片と前記弾性係合片が弾性変形できることから、点検口を蓋板で閉蓋するに際し、該弾性係合部材の弾性変形によって、蓋板の取付けを容易に行うことができる。又、該弾性係合部材の弾性変形によって、閉蓋状態にある蓋板を、点検口の周縁部分や蓋板を損傷することなく安全に取り外すことができる。
【0018】
(2) 前記保持部を前記ラッチ機構を用いて構成するときは、点検口を閉蓋状態にある蓋板を無理なく容易に取り外すことができる。
【0019】
(3) 前記蓋板の下の外縁部分の後面部に、前記点検口を閉蓋した状態にある前記蓋板の前面を前記縦壁の壁面と略面一状態となし得るように該後面部と前記蓋受け片の前面との間の間隔を所要に調整するための間隔調整突部を取り付ける構成を採用するときは、所要突出量の間隔調整突部を選択してこれを該後面部に取り付けることにより、施工現場に応じて、点検口を閉蓋した状態にある蓋板の前面を前記縦壁の壁面と略面一状態となるように、該後面部と前記蓋受け片との間隔を容易に調整できる。
【0020】
(4) 前記間隔調整突部を、前記固定片を前記蓋板の下の外縁部分の後面部に固定するための固定ビスのビス頭部として構成するときは、固定片を後面部にビス固定しさえすれば、自ずから、前記後面部と前記蓋受け片との間の間隔を所要に設定でき、閉蓋状態にある蓋板の前面を、前記壁面と略面一状態となし得る。
【0021】
(5) 前記弾性係合片の下端を前記固定片に設けるビス孔よりも上側に位置させるときは、該固定片を前記後面部にビス固定する際に、ドライバーによるビスの締め付け作業を障害なく行うことができる。
【0022】
(6) 本発明に係る建物の縦壁の点検口構造は、前記壁開口の縁と前記内側面覆い片との繋ぎ目と、前記枠体の縁取り前面と、前記枠体の内側面覆い片の内側面が、前記縦壁を形成するために壁下地部に固定された壁材の表面を被覆すると同じ表面仕上げ層を以て被覆されている。従って、点検口が蓋板で閉蓋された状態では、蓋板と壁面との外観上の一体感が得られるため、点検口部分の外観的な見栄えを向上させ得ると共に、点検口を蓋板で閉蓋するに際し、蓋板の取り付けを容易に行うことができ、又、閉蓋状態にある蓋板を、点検口の周縁部分を損傷することなく安全に取り外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係る点検口器材を、建物の縦壁に設けられた壁開口と共に示す斜視図である。
【図2】枠体を示す一部欠切斜視図である。
【図3】壁開口に枠体を嵌装して構成された点検口の構造を説明する部分縦断面図である。
【図4】その部分横断面図である。
【図5】枠体を構成する押出成形材を壁開口枠組の一部分と共に示す斜視図である。
【図6】壁開口枠組に枠体を取り付けた状態を示す部分断面図である。
【図7】壁開口に枠体を取り付けて構成された点検口を示す正面図である。
【図8】枠体を構成する枠材相互の留め継ぎ状態を示す部分斜視図である。
【図9】壁開口に枠体を取り付けて構成された点検口を、表面仕上げ材により化粧された状態で示す斜視図である。
【図10】蓋板を示す斜視図である。
【図11】蓋板の後面部に固定された弾性係合部材を示す斜視図と、弾性係合部材の固定片をビス固定する作業工程を説明する断面図である。
【図12】点検口を蓋板で閉蓋した状態を示す斜視図である。
【図13】点検口を蓋板で閉蓋した状態を示す断面図である。
【図14】その上下の部分拡大図である。
【図15】蓋板を点検口から取り外すに際し、保持部のラッチ機構の作動杆を突出させた状態を示す断面図である。
【図16】その後、蓋板を上方向に取り外す作業工程を説明する断面図である。
【図17】蓋板で点検口を閉蓋する作業工程を説明する断面図である。
【図18】蓋板の閉蓋保持構成の他の態様を示す断面図である。
【図19】その蓋板の取り外しの作業工程を説明する断面図である。
【図20】蓋板の閉蓋保持構成のその他の態様を示す断面図である。
【図21】その閉蓋保持構成において、蓋板を閉蓋する作業工程を説明する断面図である。
【図22】蓋板の閉蓋保持の途中係合段階を示す説明図である。
【図23】閉蓋状態にある蓋板を取り外す作業工程を説明する断面図である。
【図24】間隔調整突部の他の態様を示す斜視図と正面図と断面図である。
【図25】従来の点検口器材の一例を示す断面図である。
【図26】その点検口器材を用いて構成された点検口を蓋板で閉蓋した状態を示す部分断面図である。
【図27】従来の点検口器材の他の例を示す断面図である。
【図28】その点検口器材を用いて構成された点検口を蓋板で閉蓋した状態を示す部分断面図である。
【実施例1】
【0024】
図1において本発明に係る点検口器材1は、建物の縦壁(縦方向の壁)2に形成された壁開口3に、該壁開口3の室内開放端側4を縁取るように嵌装される枠体5と、該枠体5を嵌装して形成された点検口6を閉蓋する蓋板7とを具えている。
【0025】
前記壁開口3は、本実施例においては、キッチンやユニットバス、トイレ等の水回り部位における排水管や給水管、エアコンの配管等の、配管や配線等の設備を点検するために縦壁2に設けられており、例えば正方形状の開口として形成され、左右に延長する上下の内側面9,10と、上下に延長する左右の内側面11,12とを有しており、その一辺長さが例えば300mmに設定されている。前記縦壁2は、例えば石膏ボード等からなる壁材(厚さは約12.5mm)13を壁下地部15に釘着やビス止め等で固定することにより形成されており、前記壁開口3は、該縦壁2の前記点検の為に必要な所要部分に設けられている。該壁開口3は、横断面が正方形状を呈する上下左右の木製下地枠材16,17,19,20を正方形状に枠組みして形成された壁開口枠組21の前面22の、内側の前面部分23を除いた外側の前面部分25を前記壁材13で覆うことによって形成されている。
【0026】
前記枠体5は、図2〜4に示すように、前記壁開口3の前記上下左右の内側面9,10,11,12の室内開放端側の面9a,10a,11a,12aを覆う上下左右の内側面覆い片26,26、26,26と、該下の内側面覆い片26aの後縁31で突設されて前記蓋板7の外縁部分32の後面部33を受け得る蓋受け片35とを具えており、該蓋受け片35は、係合立片36が上方に突設されている。
【0027】
該枠体5は本実施例においては、例えば、ポリプロピレン製や塩化ビニール製の押出成形材37(図5)を所要長さに切断して、図7に示すような、両端部が45度の角度で斜めに切り落とされてなる同一長さの上下左右の枠材39,39,39,39を形成し、これを正方形状に枠組みして構成されている。
【0028】
該押出成形材37は、図5〜6に示すように、前記壁開口3の前記室内開放端側の面9a,10a,11a,12a(図6においては10a)と当接し得る前記内側面覆い片26を具えている。該内側面覆い片26は本実施例においては図5〜6に示すように、前記壁材13の厚さに等しい幅を有する基板40の裏面の前後の側縁41,42で、裏面側に突出する平行する前後の脚片43,43が該基板40と直角に折曲形成されると共に、該前後の脚片43,43の先端で、向き合う方向に、前記基板40と平行して折曲形成された座片45,45が設けられている。そして、該脚片43と該座片45とからなるL字状脚片46,46が左右対向状態にあり、前記基板40の裏面側で、両L字状脚片46,46によって、向き合う方向に開放された連結片嵌込み溝47が形成されている。該両座片45,45は、図6に示すように、上下左右の内側面9,10,11,12の室内開放端側の面9a,10a,11a,12a(図6においては10a)に当接できる。
【0029】
そして、前記基板40の後部(本実施例においては後縁)42で前面当接片49が、図5〜6に示すように、その後面50を前記後の脚片43aの後面51と面一状態にして該脚片43aとは逆方向に突設されている。本実施例においては、両後面50,51は、前記壁開口枠組21の前記上下左右の木製下地枠材16,17,19,20の夫々の前記内側の前面部分23に当接できる。又、該前面当接片49の先端52で、前記上下左右の木製下地枠材16,17,19,20の夫々の内面53に当接し得る内面当接片55が、後方に向けて直角に折曲形成されている。これによって、該前面当接片49と該内面当接片55とからなるL字状片56の直角の入隅面57が、上下左右の木製下地枠材16,17,19,20の夫々の直角の出隅面59に面接触の当接状態となり得る。又、該内面当接片55の後端48で、前記壁開口3の内方に向けて且つ該内面当接片55と直交する状態で内方突出片61が屈曲形成されている。該内方突出片61は、前記内側面覆い片26が前記壁開口3の下の室内開放端側の面12aを覆う場合は、前記係合立片36を構成する。
【0030】
かかる押出成形材37を所要長さに切断して構成された上下左右の前記枠材39,39,39,39を正方形状に枠組みし、その四隅において、図8に示すように、前記基板40の裏面側に存する前記連結片嵌込み溝47,47にL字状連結片62を嵌合し、これを前記基板40の裏面63に接着すると、図7〜8に示すように、直角に交わる枠材39,39の端部65,65相互が留め継ぎされて一体化し、前記枠体5が形成されることになる。
【0031】
かかる構成を有する枠体5で前記壁開口3を縁取りするに際しては、該枠体5を、図7に示すように、その上下左右の内側面覆い片26,26,26,26が該壁開口3の前記室内開放端側の面9a,10a,11a,12aを覆う如く壁開口3に嵌装し、図6に示すように、前記L字状片56の直角の入隅面57を、上下左右の木製下地枠材16,17,19,20の夫々の直角の出隅面59に面接触の当接状態とする。この状態で、上下左右の前記前面当接片49,49,49,49を、夫々の両側に設けられているビス挿通孔66を挿通する皿ビス67で前記木製下地枠材16,17,19,20にビス固定する。これにより、該枠体5が前記壁開口3を縁取るように嵌装され、前記壁開口枠組21に固定される。このようにして枠体5が、壁開口3を縁取るように嵌装されることによって、前記点検口6が形成されることになる。
【0032】
この嵌装状態で、図3〜4、図6に示すように、前記上下左右の内側面覆い片26,26,26,26の縁取り前面69は前記壁材13の表面(壁面)70と略面一状態とされる。その後、図3〜4、図6、図9に示すように、壁開口3の縁71と該内側面覆い片26との繋ぎ目72と、前記枠体5の前記縁取り前面(縁取りの前側の面)69と、前記内側面覆い片26の内側面(点検口の内側に位置する面)73が、前記壁材13の表面(壁面)70を被覆すると同じ表面仕上げ層(例えばビニールクロス等のシート状の表面仕上げ材75a)75を以て一連状態に被覆される。なお説明の便宜上、図3〜4においては、表面仕上げ層75を破線で示している。これにより、前記枠体5の前記上下左右の内側面覆い片26,26,26,26が外部に露出しない状態となり、これが観者に視認されない状態とされる。
【0033】
本実施例においては、上下左右の各枠材39が、押出成形材を所要長さに切断して構成されているため、前記のように、壁開口3を縁取るように枠体5を嵌装させる際、該枠体5をその向きを考慮することなく該壁開口3に嵌装させれば、下に位置する前記前面当接片49が前記蓋受け片35として機能し、且つ、下に位置する内方突出片61が前記係合立片36として機能することになる。
【0034】
前記蓋板7は、本実施例においては図1、図10に示すように、例えば正方形板状の合板を以て形成されており、その前面76とその外周面77が、前記と同様の表面仕上げ層75で被覆されている。前記蓋板7は、その一辺長さが約300mmに設定され、その厚さは、前記点検口6の前記内側面覆い片26の内側面73の前後幅よりも小さい約8mmに設定されている。このように蓋板7の厚さを比較的小さく設定しているのは、図13に示すように起立状態で点検口6を閉蓋した蓋板7を、該蓋板7の上の外縁部分112を後方に押圧することにより、後述の作動杆120と後述のストッパ部との係合を解除して、該作動杆120を前方に突出させるための押圧余裕幅L(図14(A))を形成できるようにするためである。この押圧余裕幅Lは、本実施例においては、後述のビス頭部107aによって設定された幅と略同幅である。
【0035】
以下の説明では、前記壁面70を表面仕上げ層75で被覆してなる面を化粧壁面79(図14(B))といい、前記縁取り前面69を表面仕上げ層75で被覆してなる面を化粧縁取り前面80といい、前記内側面覆い片26の内側面73を表面仕上げ層75で被覆してなる面を化粧内周面81といい、前記蓋板7の前記前面76を表面仕上げ層75で被覆してなる面を化粧前面82といい、前記外周面77を表面仕上げ層75で被覆してなる面を化粧外周面83という。なお、該表面仕上げ層75は厚さが小さいため、図13、図15(A)、図16、図17(A)、図18(A)、図19(A)、図20(A)、図22においては、説明の便宜上、その厚さを明示していない。
【0036】
そして図10〜11に示すように、該蓋板7の下の外縁部分86の後面部87に、その左右両側に位置させて弾性係合部材89,89が設けられている。該弾性係合部材89は、図10、図11、図14(B)に示すように、前記後面部87に固定される固定片90に、バネ性素材からなり後方に突出する弾性後方突出片92が設けられ、該弾性後方突出片92の後端93に、前記係合立片36の後面部分95に弾性的に係合し得るバネ性素材からなる弾性係合片96が設けられてなり、曲げ加工によって、全体としてコ字状に形成されている。
【0037】
該弾性係合部材89は、本実施例においては図11、図14(B)に示すように、比較的薄肉(例えば約0.5mm程度の厚さ)で左右方向の幅寸法が例えば約25mmに設定された矩形板状のステンレス板を屈曲して形成された、下端開放のコ字状に形成されており、前記後面部87に間隔調整用ビス(固定ビス)97を用いて固定される、左右方向に稍長い矩形板状の前記固定片90(上下幅は例えば約15mm)を具え、該固定片90の、例えば上端91に、後方に突出する弾性後方突出片92(突出長さは例えば約8.5mm)が直角に折曲形成されると共に、その先端部分99が、前記内方突出片61が構成する前記係合立片36の上端100で下方から支持される如くなされている。そして、該弾性後方突出片92の後部(本実施例においては後端)93に、前記係合立片36の後面部分95の上部分101と当接し得る垂下片102(上下長さは例えば約3mm)が直角に折曲形成されると共に、該垂下片102の下端103で、後方に向け下方に傾斜する傾斜案内片98(傾斜方向の長さは例えば約4mm)が屈曲形成されることによって、前記弾性係合片96が構成されている。
【0038】
かかる構成を有する弾性係合部材89は、図11(A)に示すように、前記固定片90の左右に2個のビス孔105,105が設けられている。又、前記弾性係合片96は、該ビス孔105を挿通する前記固定ビス97を、図11(B)に示すように前記後面部87にドライバー104でねじ込む際に障害とならないように、該弾性係合片96の下端106が前記ビス孔105の上方に位置するように形成されている。
【0039】
又、該固定ビス97の、間隔調整突部107としてのビス頭部107aの高さは、図14(B)に示すように、該固定ビス97を目一杯にねじ込んで前記固定片90を前記後面部87にビス固定した状態で、該ビス頭部107a(間隔調整突部107)の高さにより、前記蓋受け片35の前面110と該固定片90の後面111との間に所要間隔が形成されるようになされている。より具体的には、前記蓋板7が図14(B)に示すように前記点検口6を閉蓋した状態で、前記化粧前面82が前記化粧壁面79と略面一状態となるように設定される。要するに、作業現場に応じた必要な所要間隔の大きさを考慮して、所要高さのビス頭部107aを具える固定ビス97を選択し、該固定片90を前記後面部87にビス固定するのである。
【0040】
又、図10、図13、図14(A)に示すように、前記蓋板7の上の外縁部分112の後面部113の左右方向の中央部位に位置させて取着部115が設けられると共に、該取着部115は、前記点検口6の周縁部分116の上部117に設けられたラッチ機構を用いてなる保持部119(図1)に着脱可能に保持されるようになされている。本実施例においては、該取着部115は、例えば鉄片としての磁性片115aを以て構成されている。又、前記ラッチ機構119aは、図13、図15に示すように、前後動し得る作動杆120がケース121に内蔵されており、該ケース121は、前記点検口6の前記周縁部分116の上部117(前記壁開口枠組21の上の木製下地枠材16の下面122)にビス固定されている。該作動杆120は、該ケース121に内蔵された付勢手段(図示せず)の付勢作用によって前方に突出状態となり得ると共にその付勢作用に逆らって後退でき、該後退状態で、該ケース121に内蔵されたストッパ部(図示せず)との係合によって停止状態となされ、又、該後退状態において、図13に矢印Fで示すように後方向に押圧されることにより、前記ストッパ部との係合が解除され、図15に示すように、前記付勢作用によって前方に突出する如くなされている。そして該作動杆120の先端部には、前記磁性片115aと互いに磁気吸着し得る、磁石片123が設けられている。本実施例においては、図7に示すように、前記上に位置する内方突出片61の中央部位が、該作動杆120の前後動の妨げとならないように切除されて欠切部125が設けられている。
【0041】
図12〜13は、前記蓋板7が前記点検口6を閉蓋した状態を示している。該閉蓋状態で、該蓋板7が、図14(B)に示すように、前記蓋受け片35の前面110に当接し(本実施例においては前記間隔調整突部107としてのビス頭部107aが当接し)、前記弾性後方突出片92が前記係合立片36の上端100で下方から支持されると共に、前記弾性係合片96が前記係合立片36の後面部分95に弾性的に係合した状態にある。これにより、蓋板7の下の外縁部分86が、前記点検口6の周縁部分116の下部124に取り付けられた状態となる。そして、鉄片からなる前記取着部115が、前記ストッパ部との係合によって後退状態にある前記作動杆120の先端部に設けられている磁石片123に磁気吸着状態で着脱可能に保持されている。この状態で、図14(B)に示すように、前記蓋板7の化粧前面82が前記化粧壁面79と略面一状態となされている。そして、該蓋板7が前記点検口6を閉蓋した状態で、図12〜14に示すように、該蓋板7の前記化粧外周面83(図14(B))と、これと対向する前記化粧内周面81との間に2〜3mm程度の目地溝85が、前記点検口6の内周面の全周に亘って形成されるようになされている。
【0042】
かかる閉蓋状態にある蓋板7を取り外して前記点検口6を開く必要がある場合は、図13に矢印Fで示すように、該蓋板7の上の外縁部分112の中央部位を、矢印で示すように後方向に押圧する。この押圧は、前記のように押圧余裕幅L(図14(A))が形成されていることから可能である。これにより、前記作動杆120と前記ストッパ部との係合が解除され、前記付勢作用によって該作動杆120が前方に突出する。この突出は、該作動杆120の先端に設けられている磁石片123が前記鉄片としての磁性片115aと磁気吸着状態を維持して行われる。
【0043】
かかる前方への突出は、図15(B)に示すように、前記弾性係合部材89の前記弾性後方突出片92と前記弾性係合片96とが適宜、屈曲変形して行われる。この際、該弾性後方突出片92の、前記係合立片36の上端100で支持されている部分92a(図17(C))があたかもヒンジ部のように機能し、前記作動杆120の前方への突出に伴い蓋板7が前方に回動する。そして、該作動杆120が前方に突出した状態で、該弾性後方突出片92が前記係合立片36の上端100で下方から支持されたまま、図15(A)に示すように、前記蓋板7の前記上の外縁部分112が前記化粧壁面79から手前に突出した状態となる。この突出状態で、前記蓋板7の上の外縁部分112を手前に引っ張って前記取着部115と前記作動杆120との磁気吸着状態を解除し、その後、前記弾性係合部材89と前記係合立片36との係合状態を解除するように該蓋板7を図16に矢印F2で示すように斜め上方に持ち上げると、前記弾性係合部材89は、適宜の弾性変形を伴いながら前記係合立片36と分離されることとなる。これにより点検口6を開くことができる。
【0044】
その後、該点検口6を該蓋板7で閉蓋するに際しては、図17(A)に示すように、先ず、前記弾性後方突出片92と前記弾性係合片96と前記固定片90とで形成される下端開放の係合溝126内に前記係合立片36の先側部分が入り込むように、前記蓋板7を、その上端127がその下端129よりも前方に位置する手前に傾いた傾斜状態にし、図17(A)に矢印F3で示すように、該蓋板7を斜め下方に下げる。このように入り込ませる際、前記弾性係合片96が、前記垂下片102の下端に傾斜案内片98を屈曲形成させてなるため、前記係合立片36の上端100で弾性後方突出片92を下方から支持させる際、該傾斜案内片98がガイド作用を発揮し、且つ、前記弾性係合部材89が適宜弾性変形することによって、該係合立片36を前記係合溝126に無理なく誘導できることになる。その後、図17(A)に一点鎖線で示すように、該係合立片36の上端100で前記弾性後方突出片92を支持させた状態で、前記蓋板7の上の外縁部分112に設けられている前記取着部115を、突出状態にある前記作動杆120の先端の磁石片123と磁気吸着状態とする。
【0045】
この状態で、図17(A)に矢印F4で示すように蓋板7の上の外縁部分112を後方に押すと、前記弾性後方突出片92の、前記係合立片36の上端100で支持されている部分92a(図17(C))があたかもヒンジ部のように機能し、前記作動杆120の後退に伴い蓋板7が後方に回動し、その後、前記作動杆120が前記ストッパ部との係合によって停止状態となることにより、該蓋板7は、図13に示すように、垂直状態を呈して前記点検口6を閉蓋した状態となる。このとき、図14(B)に示すように、前記蓋受け片35と前記係合立片36とが、前記弾性係合部材89の前記弾性係合片96と前記固定片90との間で弾性的に挾持された状態となり、これにより、前記弾性係合片96の前記垂下片102が前記係合立片36の後面部分95の上部分101に弾性的に当接した状態となることから、結果的に、前記ビス頭部(間隔調整突部107)107aの端部130が該蓋受け片35に弾性的な圧接状態となり、前記蓋板7の下の外縁部分86の後面部87が、前記ビス頭部107aを介して該蓋受け片35で支持された状態となる。このようにして蓋板7を垂直状態にして点検口6を閉蓋状態にしたときには、弾性変形した前記弾性係合部材89が弾性復帰することにより、該弾性係合片96が該係合立片36の後面部分95に弾性的に係合した状態となり、これにより、該係合立片36による弾性後方突出片92の安定支持が得られることになる。
【0046】
このように点検口6を蓋板7で閉蓋した状態においては、前記枠体5の前記内側面覆い片26が、前記壁面70を被覆すると同じ表面仕上げ材75aで被覆されており、然も、前記蓋板7の前面76及び外周面77が、前記壁面70を被覆すると同じ表面仕上げ材75aで被覆されていることから、該閉蓋状態で前記枠体5が外部に露出せず、然も、前記化粧前面82と前記化粧壁面79とが略面一状態にある。かかることから、前記目地溝85を除いては全体が外観的に一連状態にあり、然も目地溝85においても、その対向する溝側面131,131が共に表面仕上げ材75aで被覆されているために、該目地溝85にあっても、表面仕上げ材75aしか見えず、目地溝85の見栄えが良好である。
【実施例2】
【0047】
前記蓋板7の閉蓋の保持構成は、該蓋板7の上の外縁部分112の後面部113に設けられた取着部115を、前記点検口6の前記周縁部分116の上部117に設けられた保持部119に着脱可能に保持させることにより行うことができるものであり、図18、図20は、その他の構成を示している。これらの図においては共に、蓋板7の下の外縁部分86の支持は、図18(C)に示すように、前記と同様構成のコ字状の弾性係合部材89を用い、その弾性後方突出片92を前記と同様構成の係合立片36の上端100で下方から支持させて行われている。
【0048】
そして、図18に示す閉蓋保持構成にあっては、前記取着部115は、例えば鉄片又は磁石片としての磁性片115aを用いて構成されており、前記保持部119は、前記壁開口枠組21を構成する上の木製下地枠材16の下面136(前記上部117)にビス固定等により固定されてなる磁石片119bを用いて構成されている。そして、該磁性片115aと該磁石片119bとの磁気吸着により、蓋板7の閉蓋状態が保持される。該磁気吸着により閉蓋状態にある蓋板7を点検口6から取り外すに際しては、例えば図18(A)(B)に示すように、蓋板7の化粧外周面83の上面139と化粧内周面81の上面140との隙間141に例えばマイナスドライバー138等を差し込んで、図19(A)に示すように、蓋板7を手前に傾かせるようにこじ開ける。このこじ開けの際に、該蓋板7が、前記コ字状の弾性係合部材89の弾性変形を伴いながら図19(A)に矢印F5に示すように下方向に移動できるので、前記点検口6の周縁部分116の損傷や蓋板7の化粧外周面83の損傷を防止できる。より詳しくは、このこじ開けの際に、前記点検口6の化粧内周面81の上面140や、前記蓋板7の化粧外周面83の上面139が前記マイナスドライバー138等の先で損傷されるのを防止できることとなる。このようにこじ開けて、前記磁性片115aと前記磁石片119bとの係合を図19(A)(B)に示すように解除する。これにより蓋板7が、図19(A)に示すように手前に傾いた状態となるので、該蓋板7を、その上の外縁部分112を手で持って斜めに持ち上げることにより、前記弾性係合部材89と前記係合立片36との係合状態を解除でき、これにより点検口6を開くことができる。
【0049】
図18〜19に示す閉蓋保持構成において、前記取着部115を、互いに掛着し得る面ファスナの一方を用いて構成すると共に、前記保持部119を、その他方を用いて構成し、両方の面ファスナの係合作用によって、前記蓋板7を閉蓋状態で保持するように構成することもできる。このように構成する場合も、前記と同様にして、マイナスドライバー等を用いて、化粧面の損傷を生じさせることなくこじ開けて、閉蓋状態の蓋板7を取り外すことができる。
【0050】
図20に示す閉蓋保持構成にあっては、前記取着部115は弾性係合具115cを用いて構成されると共に、前記保持部119は、前記点検口6の前記周縁部分116の上部117としての前記上の内方突出片61aを以て構成されている。該弾性係合具115cは例えば図21(A)に示すように、全体がバネ製素材、例えばステンレス板を折曲して構成されており、前記上の外縁部分112の後面部113に、前記固定ビス97と同種の固定ビス143を用いて固定される固設片145の下端146等の該固設片145の所要部位(本実施例においては下端146)で、後方に向け突出する後方屈曲片147を屈曲形成すると共に、その先端149で、後方に向け上方に傾斜する上方傾斜係合片150を屈曲形成し、該上方傾斜係合片150の上端で、円弧部152を介して、後方に向け下方に傾斜する下方傾斜係合片153を一連に屈曲形成してなる山形係合部154を有する。
【0051】
前記点検口6を閉蓋する際、該下方傾斜係合片153を、図21(B)に示すように、前記上の内方突出片61aの下端160に当接した状態にした後、同図に矢印F6で示すように、前記蓋板7の上の外縁部分112を後方向に押す。これにより、前記山形係合部154の前記円弧部152が前記下端160を乗り越える際に、図22に矢印F7で示すように、該山形係合部154が前記固設片145の下端146を支点として下方に弾性変形し、該山形係合部154の上端部(円弧部)152が前記下端160を乗り越え、その後、該山形係合部154が弾性復帰に移行する。
【0052】
この移行によって、図20に示すように、ねじ込まれた状態にある前記固定ビス143の、ビス頭部155としての間隔調整突部156の先端157が、前記前面当接片49の前面142に当接する。そして、前記蓋板7が前記点検口6を閉蓋した状態においては、図20に示すように、前記上方傾斜係合片150の長さ方向の中間部位の上面159が前記上の内方突出片61aの下端160に当接した係合状態となり、これにより、蓋板7の閉蓋状態が保持されることになる。
【0053】
かかる閉蓋状態の蓋板7を取り外すに際しては、例えば、図23(A)に示すように、蓋板7の前記化粧外周面83の上面139と前記化粧内周面81の上面140との隙間141にマイナスドライバー138等を差し込んで、図22(B)に示すように、蓋板7を手前に傾かせるようにこじ開ける。このこじ開けは、蓋板7が、図22(B)で矢印F8で示すように、前記弾性係合部材89の弾性変形によって下方向に移動できることから無理なく行うことができ、従って、前記表面仕上げ層75による化粧面(前記上面139等)の損傷を回避できることになる。このこじ開けの際に、前記山形係合部154の上端部(円弧部)152(図22(C))が前記上の内方突出片61aの下端160を乗り越えることにより、該蓋板7は手前に倒れた状態となる。その後、該蓋板7を斜め上方に持ち上げると、前記弾性係合部材89と前記係合立片36との係合状態を解除でき、これにより、蓋板7を取り外して前記点検口6を開くことができる。
【0054】
閉蓋状態にある蓋板7の上の外縁部分112を前記取着部115と前記保持部119とによって保持させるその他の構成としては、該取着部と該保持部との凹凸嵌合による係合作用によって行うこともできる。このような係合作用によって蓋板7を閉蓋状態で保持する場合も、蓋板7が、前記弾性係合部材89の弾性変形によって下方向に移動できることから、前記のようなこじ開け操作を、化粧面を損傷する恐れなく行い得ることとなる。
【実施例3】
【0055】
本発明は、前記実施例で示したものに限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内で種々の設計変更が可能であることはいうまでもない。その一例を挙げれば次のようである。
【0056】
(1) 前記弾性係合部材89を、固定片90の上端91に弾性後方突出片92を突設すると共に該弾性後方突出片92の後端93に弾性係合片96を屈曲形成したコ字状に構成する場合、その全体を、バネ性を有する樹脂素材を用いて一体に構成することもできる。なお、該弾性後方突出片92は、前記固定片90の上下方向の中間部位や下端等、該固定片90の所要部位で突設されることもある。
【0057】
又、該弾性係合部材89は、固定片90と弾性後方突出片92と弾性係合片96とを、ステンレス板等のバネ製素材からなる板体を屈曲して一体物として形成したり、樹脂の一体成形品として形成すればその製作が容易であるが、バネ性を有さない固定片90の上端91等の該固定片90の所要部位に、バネ性素材からなる弾性後方突出片92とその後端93に一連に屈曲形成された弾性係合片96とからなる別体のL字状弾性部材を、リベット止めやビス止め等によって連結して構成することもできる。
【0058】
(2) 弾性係合部材89を構成する固定片90を蓋板7の下の外縁部分86の後面部87に固定する手段は、前記のようなビス固定によることの他、接着固定によってもよい。
【0059】
(3) 弾性係合部材89は、蓋板7の下の外縁部分86の後面部87に固定される固定片90の上端91等の該固定片90の所要部位に、バネ性素材からなり後方に突出する弾性後方突出片92と、該弾性後方突出片92の後端93に設けられ且つ、前記係合立片36の後面部分95に弾性的に係合し得るバネ性素材からなる弾性係合片96とを具えるものである限り、その形態は各種に設定でき、その左右方向の長さは、前記のように比較的短く形成することがある他、該後面部87の左右方向の略全長に亘るような長い長さのものとして構成されることもある。
【0060】
これに合わせて、左右方向の長さが比較的短い弾性係合部材89であるときは、前記係合立片36は、前記弾性係合片96と係合する部位にのみ設けるだけでもよく、又、左右方向に長く形成される場合は、左右方向に長い係合立片96として構成すればよい。
【0061】
(4) 前記蓋板7の下の外縁部分86の後面部87は、前記蓋受け片35に直接的に当接することもある。
【0062】
(5) 前記蓋板7の下の外縁部分86の後面部87に間隔調整突部107を設ける場合、該間隔調整突部107は、前記のように、前記固定片90を該後面部87に固定するために用いる固定ビス97のビス頭部107aとして構成することの他、該固定片90を該後面部87に固定する固定ビスとは別体に設けることもある。
【0063】
例えば図24に示すように、固定片90を皿ビス161を用いて固定する一方、該間隔調整突部107は、該皿ビス161とは別個のビス162のビス頭部107bとして構成し、該ビス頭部107bの高さは、形成せんとする点検口6のサイズに合わせた所要のものとし、該ビス162を該後面部87に、例えば目一杯にねじ込むことによって、該後面部87と前記蓋受け片35の前面110との間の間隔を所要に設定し得るように構成することもできる。
【0064】
又、間隔調整突部107は固定片90に近接させて設けることは必ずしも必要ではなく、該後面部87と前記蓋受け片35の前面110との間の間隔を所要に設定できる限り、その設ける場所は特定されない。又、該後面部87に1箇所設けることの他、複数箇所設けることもある。
【0065】
(6) 前記取着部115や前記保持部119の構造、その配置状態は、蓋板7の大きさや蓋板7による閉蓋状態の強度的な安定性等を考慮して設定されるものである。
即ち、前記点検口6の前記周縁部116の上部117に設けられる前記保持部119は、該上部117の中央部位に1箇所設けられることの他、該上部117の両側に設けられることもある。又、該上部117の左右方向に長く設けられることもある。
【0066】
(7) 前記実施例においては、係合立片36が、前記内面当接片55からなる段差を介して立設されているが、該係合立片36は、前記蓋受け片35の上端で上方に突出される如く構成されてもよい。
【0067】
(8) 前記蓋板7は、合板の他、縁部分を補強した石膏ボード板やプラスチック製とされることもある。
【0068】
(9) 前記枠体5は、押出成形材を所要長さに切断して形成した上下左右の枠材を正方形状や長方形状に枠組みして構成されることの他、全体を射出成形により一体に形成されることもある。又金属製とされることもある。
【0069】
(10)前記点検口6は、パイプの継手部が上下2カ所設けられている配管を点検する等の場合、上下に長い長方形状に構成されることもある。
【0070】
(11)前記枠体5の前記内側面覆い片26及び、前記蓋板7の前面76とその外周面77を、前記壁面70を被覆すると同じ表面仕上げ層75を以て被覆する場合、該表面仕上げ層75は、ビニールクロス等のシート状の表面仕上げ材75aであることの他、塗布や吹き付けによって形成される塗装層であってもよく、又、パテ塗りした後にその表面に塗膜を形成すること等によって設けることも可能である。
【符号の説明】
【0071】
1 点検口器材
2 縦壁
3 壁開口
4 壁開口の室内開放端側
5 枠体
6 点検口
7 蓋板
9 壁開口の上の内側面
10 壁開口の下の内側面
11 壁開口の左の内側面
12 壁開口の右の内側面
13 壁材
15 壁下地部
26 内側面覆い片
35 蓋受け片
36 係合立片
39 枠材
75 表面仕上げ層
89 弾性係合部材
90 固定片
92 弾性後方突出片
95 係合立片の後面部分
96 弾性係合片
107 間隔調整突部
115 取着部
119 保持部
120 作動杆

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の縦壁に形成された、左右に延長する上下の内側面と上下に延長する左右の内側面とを有する壁開口に、該壁開口の室内開放端側を縁取りするように嵌装される枠体と、該枠体を嵌装して形成される点検口を閉蓋する蓋板とを具えており、
該枠体は、前記壁開口の上下左右の内側面の室内開放端側を覆う上下左右の内側面覆い片と、該下の内側面覆い片の後部で突設されて前記蓋板の下の外縁部分の後面部を受ける蓋受け片とを具えており、該蓋受け片には、係合立片が上方に突設されており、
又、該蓋受け片により前記蓋板の下の外縁部分が受けられて該蓋板が前記点検口を閉蓋した状態で、該蓋板の前面が前記縦壁の壁面と略面一となる如くなされており、
又、前記蓋板の下の外縁部分の後面部に弾性係合部材が設けられると共に、該蓋板の上の外縁部分の後面部には取着部が設けられており、
前記弾性係合部材は、前記下の外縁部分の後面部に固定される固定片に、バネ性素材からなり後方に突出する弾性後方突出片が設けられ、該弾性後方突出片の後部に、前記係合立片の後面部分に弾性的に係合し得るバネ性素材からなる弾性係合片が設けられてなり、前記蓋板の前記下の外縁部分の後面部が前記蓋受け片の前面に直接的に又は間隔調整突部を介して当接されると共に、前記弾性後方突出片が前記係合立片の上端で下方から支持され、且つ、前記弾性係合片が前記係合立片の前記後面部分に弾性的に係合した状態で、前記蓋板の下の外縁部分が前記点検口の周縁部分の下部に取り付けられる如くなされており、
又、前記取着部は、前記点検口の前記周縁部分の上部に設けられた保持部に着脱可能に保持されるものとなされていることを特徴とする建物の縦壁用の点検口器材。
【請求項2】
建物の縦壁に形成された、左右に延長する上下の内側面と上下に延長する左右の内側面とを有する壁開口に、該壁開口の室内開放端側を縁取りするように嵌装される枠体と、該枠体を嵌装して形成される点検口を閉蓋する蓋板とを具えており、
該枠体は、前記壁開口の上下左右の内側面を覆う上下左右の内側面覆い片と、該下の内側面覆い片の後部で突設されて前記蓋板の下の外縁部分の後面部を受ける蓋受け片とを具えており、該蓋受け片には、係合立片が上方に突設されており、
又、前記蓋受け片により前記蓋板の下の外縁部分が受けられて該蓋板が前記点検口を閉蓋した状態で、該蓋板の前面が前記縦壁の壁面と略面一となる如くなされており、
又、前記蓋板の下の外縁部分の後面部に弾性係合部材が設けられると共に、該蓋板の上の外縁部分の後面部には取着部が設けられており、
前記弾性係合部材は、前記下の外縁部分の後面部に固定される固定片に、バネ性素材からなり後方に突出する弾性後方突出片が設けられ、該弾性後方突出片の後部に、前記係合立片の後面部分に弾性的に係合し得るバネ性素材からなる弾性係合片が設けられてなり、前記蓋板の前記下の外縁部分の後面部が前記蓋受け片の前面に直接的に又は間隔調整突部を介して当接されと共に、前記弾性後方突出片が前記係合立片の上端で下方から支持され、且つ、前記弾性係合片が前記後面部分に弾性的に係合した状態で、前記蓋板の下の外縁部分が前記点検口の周縁部分の下部に取り付けられる如くなされており、
又、前記取着部は、前記点検口の前記周縁部分の上部に設けられた、ラッチ機構を用いてなる保持部に着脱可能に保持されるものとなされており、該ラッチ機構は、前後動し得る作動杆を具え、該作動杆は、付勢手段の付勢作用によって前方に突出状態となり得ると共にその付勢作用に逆らって後退でき、該後退状態で、ストッパ部との係合によって停止状態となされ、又、該後退状態において後方向に押圧されることにより、前記ストッパ部との係合が解除され前記付勢作用によって前方に突出する如くなされており、
又、前記取着部が、後退した前記作動杆の前端に取着された状態で、前記蓋板の上の外縁部分が前記点検口の前記周縁部分の上部に取り付けられる如くなされる一方、該取着部が、突出した前記作動杆の先端に取着され且つ、前記弾性後方突出片が前記係合立片の上端で下方から支持された状態で、前記蓋板の前記上の外縁部分が前記壁面から突出することを特徴とする建物の縦壁用の点検口器材。
【請求項3】
前記蓋板の下の外縁部分の後面部に、前記点検口を閉蓋した状態にある前記蓋板の前面を前記縦壁の壁面と略面一状態となし得るように該後面部と前記蓋受け片の前面との間の間隔を所要に調整でき、且つ前記蓋受け片の前面に当接し得る間隔調整突部を取り付けたことを特徴とする請求項1又は2記載の建物の縦壁用の点検口器材。
【請求項4】
前記間隔調整突部は、前記固定片を前記蓋板の下の外縁部分の後面部に固定するための固定ビスのビス頭部であることを特徴とする請求項3記載の建物の縦壁用の点検口器材。
【請求項5】
前記弾性係合部材の前記固定片に設けたビス孔を挿通する固定ビスを用いて該固定片を前記後面部に固定する場合、該固定ビスをドライバーで締め付ける際に該固定ビスの締め付けの障害とならないように、前記弾性係合片の下端を、該固定片に設けるビス孔よりも上側に位置させることを特徴とする請求項1又は2記載の建物の縦壁用の点検口器材。
【請求項6】
請求項1〜4の何れかに記載の建物の縦壁用の点検口器材を用いる建物の縦壁の点検口構造であって、前記枠体が、その上下左右の内側面覆い片が前記壁開口の上下左右の内側面の室内開放端側を覆った状態で該壁開口に取り付けられることにより、点検口が形成されると共に、該点検口が前記蓋板で閉蓋可能となされており、該蓋板が該点検口を閉蓋した状態で、該蓋板と該点検口の内周面との間に、周方向に連続する目地溝が形成される如くなされており、又、前記壁開口の縁と前記内側面覆い片との繋ぎ目と、前記枠体の縁取り前面と、前記枠体の内側面覆い片の内側面が、前記縦壁を形成するために壁下地部に固定された壁材の表面を被覆すると同じ表面仕上げ層を以て被覆されていることを特徴とする建物の縦壁の点検口構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2011−179295(P2011−179295A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−47603(P2010−47603)
【出願日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【出願人】(000010065)フクビ化学工業株式会社 (150)