説明

建物開口用エアユニット

【課題】窓や扉等の開口部を開放することによる開放感を得つつも外気中の花粉等の当該開口部を通じての流入を抑制することができる建物開口用エアユニットを提供する。
【解決手段】空気を吸い込み可能な吸込み口31と、吸込み口31を通じて空気を強制吸引可能な吸気機構32と、吸気機構32を制御する制御手段33とを備え、吸込み口31を、建物に開閉可能に設けられる開口部7に沿って当該開口部7よりも屋外側に設け、吸込み口31の開口端を当該開口部7又は当該開口部7の屋外側前方に向けた状態で設置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅建築や公共建築物等の建物の開口用エアユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、外気の取り込みに際し、外気を屋外から屋内に導く流路を窓や扉等の開口部とは別に設け、該流路上にフィルタを設けて外気と共に侵入する花粉や粉塵等の室内への流入を防止する技術が公知である。
例えば特許文献1には、給気ファン及び排気ファンを駆動して、排気ファンによって排気する室内空気の大部分を循環用ダクトへ導いて室内へ戻すとともに、屋外へ排気する室内空気量と略同量の外気を給気ファンによって給気し、その際、給気する外気及び循環する室内空気については、花粉除去フィルタを通過させることで花粉を除去することとした花粉除去システムが開示されている。
また、特許文献2には、建物外部と建物内部を連通する通気孔が形成された框本体を備え、当該通気孔の中途部に花粉除去部材を装着するサッシが開示されている。
【特許文献1】特開2006−46683号公報
【特許文献2】特開2000−110452号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献1においては、外気は花粉除去フィルタ及び給気ファンを通じてダクトに取り込まれ、さらには途中で室内を循環した室内循環空気と混合されて室内に送り出されるものとなり、これよって外気を窓等の開口部から室内に直に取り込むことができず、室内の換気は上記ファンによってのみなされ、花粉等の室内流入を防止するためには換気時等においても開口部を閉鎖しなければならないという問題があった。
また、特許文献2においては、窓を閉じ状態としても通気孔を通じて外気を室内に取り込むことができるものの、当該通気孔は窓の框に設けられる構成であるため、窓を開放することによる開放感を得ることができないという問題がある。
【0004】
そこで、本発明は、窓や扉等の開口部を開放することによる開放感を得つつも外気中の花粉等の当該開口部を通じての流入を抑制することができる建物開口用エアユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題解決のための具体的手段として、本願発明に係る建物開口用エアユニットは、
(1)空気を吸い込み可能な吸込み口と、該吸込み口を通じて空気を強制吸引可能な吸気機構と、前記吸気機構を制御する制御手段とを備え、
前記吸込み口は、建物に開閉可能に設けられる開口部に沿って当該開口部よりも屋外側に設けられると共に、吸込み面となる開口端を当該開口部又は当該開口部の屋外側前方に向けた状態で設置されていることを特徴としている。
これによれば、吸込み機構を起動させることで吸込み口から開口部前方の空気が吸い込まれることとなり、開口部の前方に吸込み機構により形成される強制空気流が形成されることとなる。このため、外気中の花粉等は、当該強制空気流によって吸込み機構に吸込まれることとなり、この結果、開口部を開放している場合であっても、該開口部を通じての花粉の室内への侵入を抑制することができる。
【0006】
ここで、屋外側とは、開口部を開閉する窓や扉を閉鎖した状態で当該窓や扉よりも屋外側であることを示しており、外壁面はもちろん、当該窓や扉を配備する小口面であって、閉鎖状態の窓や扉よりも屋外側に位置する部分をも含む。
また、開口部の屋外側の前方とは、開口部よりも屋外側であって開口部に隣接し、開口部の正面視において開口部にオーバーラップしている空間範囲を意味する。
また、花粉とは、スギ花粉やヒノキ花粉に限らず、人体にアレルギー症状を引き起こす他の花粉を含む。また本発明に係るエアユニットは、花粉の室内への侵入を抑制若しくは低減させるものであるが、花粉以外の粉塵、塵芥、浮遊微小物質等の室内への侵入も抑制若しくは低減させうることは言うまでもない。
【0007】
(2)また、前記吸込み口は、前記開口部の下方に設けられていることが好ましい。これにより、花粉等の自重による沈降との相乗効果でより効果的に当該花粉等を吸込むことが可能となるばかりでなく、当該開口部の下側に堆積する花粉等も吸い込んで除去することができる。
(3)また、前記吸込み口は、前記開口部縁部に沿う細長のスリット状に形成されていることが好ましい。
これによれば、開口部の全面に亘って強制空気流による吸引効果を及ぼすことができるものとなる。
【0008】
(4)また、前記開口部縁部には、前記開口部の屋外側前方に空気を吹き出す吹出し部が設けられており、前記吸気機構は、吸引空気を排出する排出路が前記吹出し部に接続されており、少なくとも前記吸気機構と吹出し部のいずれかには、前記吸込み口を通じて強制吸引される空気中の花粉等を除去する除去手段が設けられていることが好ましい。
これによれば、吹出し部から空気が吹き出されることにより当該開口部の屋外側にエアカーテンが形成されることとなり、当該エアカーテンによって当該開口部を通じての花粉の室内への侵入をさらに抑制することができ、上記強制空気流との相乗効果により、より効果的に開口部を通じての花粉等の侵入を抑制することができる。また、上述の如く吹出し部から吹き出される空気を吸込み口から再び吸込むことができるので、当該エアカーテンを形成する空気を循環させることができ、吸気機構の負荷を抑えてユニット全体の省力化及び効率化を図ることができる。
さらに、吹出し部から吹き出される空気は、除去手段を通過した空気であるため、花粉等を可及的に低減した清浄空気であり、当該清浄空気が循環することにより開口部前方の空気の清浄化の図られることとなる。
【0009】
(5)また、前記除去手段は、0.1μm以上20μm未満の空隙を有するフィルタを前記吸気機構により吸引された空気の流路上に備えていることが好ましい。
一般にスギ花粉に代表される花粉の粒径は20μm〜40μmであるため、上記空隙を有するフィルタであれば、当該フィルタを通過する空気中の花粉を有効に除去することができる。
(6)また、前記フィルタは、花粉の不活化機能を有する素材を主材として形成されていることが好ましい。
これによれば、フィルタ内に留まる花粉は不活性となるので、フィルタに留まっていた花粉が再び強制空気流の過大な風量等によりフィルタから離間して吹き出される場合やフィルタを交換等する場合に前記花粉がフィルタから飛散する場合であっても、当該花粉が人体にアレルギー症状を引き起こす虞は大幅に減じられるものとなる。
(7)前記制御手段は、前記開口部の開閉を検出するセンサ手段と、該センサ手段からの受信信号を判断して吸気機構に作動信号を出力する処理手段とを備えていることが好ましい。
これによれば、開口部の開閉と吸気機構の起動/停止を連動させることができ、吸気機構の起動し忘れや停止し忘れを防止することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の建物開口用エアユニットによれば、窓や扉等の開口部を開放することによる開放感を得つつも外気中の花粉等の当該開口部を通じての流入を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図1〜図11に基づき、本発明を2階建ての戸建て住宅に採用した実施の形態につき、詳細に説明する。
【0012】
<第1実施形態>
図1〜図4を参照して本発明の第1実施形態に係るエアユニットを説明する。
図1に示す如く、本発明に係る戸建て住宅1は、鉄骨を組み合わせて形成される鉄骨造の架構2と、該架構2に取り付けられて住宅の側面を形成する外壁構造3とを備えている所謂組立家屋である。
架構2は、布基礎B上に立設される複数の柱材や面材と、これら柱材や面材を連結する梁材とを備えて形成されている。柱材は、鋼製の角パイプや該角パイプの端部に柱頭部材や柱脚部材を取り付けて形成され、面材は、一対の角パイプをブレースや制振フレームにより連結して形成される。梁材は、H型鋼や鋼製の角パイプにより形成されている。
外壁構造3は、平板状の外壁躯体層4と、該外壁躯体層4よりも屋内側に設けられる断熱層5と、該断熱層5よりも屋内側に設けられる下地材6とを備え、該断熱層5と下地材6との間には、配管等を配設するための壁内空間Sが設けられている。
【0013】
外壁躯体層4は、平板状の軽量気泡コンクリートパネル(以下、ALCパネルともいう)により形成される複数の外壁材を並列状に並べて形成されている。各外壁材は、自重受け金具やイナズマプレート等の金物(図示省略)を介して架構2の最外枠を構成する梁に支持されている。上記ALCパネルは、軽量で且つ高い断熱性能を有するため外壁材として好ましく用いることが可能である。
断熱層5は、材料を特に限定するものではなく、適度な硬度と充分に高い気密性と断熱性を有するものであれば利用することが可能である。このような断熱材としては、硬質ウレタンフォームや押出発泡ポリスチレン或いはフェノール樹脂発泡体等の成形体や発泡体を含む硬質プラスチック系断熱材があり、何れも利用することが可能である。
【0014】
また、当該外壁構造3を厚さ方向に貫通して室内と屋外を連通する開口部7が設けられている。該開口部7は、外壁躯体層4から下地材6に亘って形成される開口8の小口面を覆う開口枠9と、該開口枠9に取付けられる開閉窓10とを備えている。また、該開口部7には、外壁躯体層4の屋外側の表面(以下、外壁面という)となる開口部縁部にシャッターボックス20が取付けられると共に、エアユニット30が設けられている。
【0015】
外壁構造3に形成される開口8は、正面視正方形又はやや縦長の長方形に形成されており、開口枠9は、開口8の側部の小口面に対向して設けられる側枠11と、開口8の上部の小口面に対向して設けられる上枠12と、開口8の下部の小口面に対向して設けられる下枠13とを備えた四角形状のフレーム枠として形成されている。
開閉窓10は、一対のガラス戸16を備え、各ガラス戸16は、一対の框と上桟及び下桟からなるサッシュ17と、該サッシュ17に嵌め込まれるガラス18とを備えて形成され、上桟及び下桟が開口枠9の上枠12と下枠13に摺動可能に夫々嵌り込でいる。即ち、該開閉窓10は所謂引違い窓であって、各ガラス戸16を上枠12及び下枠13に沿って摺動させることにより、開口部7は、各ガラス戸16を開口枠9の側枠11に夫々当接させた閉じ状態と各ガラス戸16を重ね合わせた開き状態との間で開閉する。
【0016】
図2〜図4に示す如く、エアユニット30は、開口部7の屋外側前方の空気を吸い込み可能な吸込み口31を備えるボックス34と、該ボックス34内に収容されて吸込み口31を通じて空気を強制吸引可能な吸気機構32と、吸気機構32を制御する制御手段33とを備えている。
ここで、屋外側とは、開口部7に配備されて当該開口部7を開閉する窓や扉を閉鎖した状態で当該窓や扉よりも屋外側であることを示しており、外壁面はもちろん、当該窓や扉を配備する小口面であって、閉鎖状態の窓や扉よりも屋外側に位置する部分をも含む。
また、開口部7の屋外側前方とは、開口部7よりも屋外側であって開口部7に隣接し、開口部7の正面視において開口部7にオーバーラップしている空間範囲を意味する。よって、開口部7が開放されたときに開口部7に空気流が流入する流路となる可能性のある範囲全体を含む。
【0017】
ボックス34は、長手方向の長さが開口部7の一対の側枠11、11間の長さと略等しい直方体状に形成されており、開口部7の開口部縁部となる下枠13の下部に沿って取付けられている。該ボックス34の上壁部には、開口部7の開口枠9の下枠13に沿って延びる細長のスリット状の複数の吸込み口31が形成されており、これにより、該ボックス34の上面は開口部7の前方を向く吸込み面となる。
なお、吸込み口31がボックス34の上壁部に形成されているため、各吸込み口31の上壁部の上面側の開口縁部がそれぞれ吸込み口31の開口端となる。
吸気機構32は、プロペラ式のファン35と、該ファン35を回転駆動するファンモータ36とを備え、ファン35の吸い込み側が吸込み口31に向く状態で、ボックス34の長手方向中央部(左右方向中央部)に収容されている。すなわち、ファン35は吸い込み側が上方に向く状態でボックス34内に縦置きされ、ファンモータ36が、ボックス34の内壁にフレーム等を介して支持されている。また、ボックス34の下面で、ファン35の排気側に対向する位置には、排気口37が開設されており、該ファン35を回転させると、ボックス34の吸込み口31から空気が強制吸引されると共に、当該空気は排気口37を通じてボックス34下方の地盤面に向けて排気される。したがって、ファン35を回転させると、開口部7の前方を風上とすると共にボックス34下方を風下とする強制空気流が形成されることとなる。
【0018】
制御手段33は、使用者が操作するための操作手段40と、開口部7の開閉を検出する開閉センサ(センサ手段)41と、これら操作手段40、開閉センサ41からの信号を受けて吸気機構32に制御信号を出力する処理手段43とを備えている。
操作手段40は、ユニット全体の起動と停止を操作するための主電源スイッチ45と、使用者による制御(以下、使用者制御モードという)と自動制御(以下、自動制御モードという)とを切り替える制御モード切替ボタン46と、使用者制御モードの状態で吸気機構32の起動を操作するための起動/停止ボタン47と、吸気機構32による強制空気流の風量を操作するための操作するための風量操作ボタン48と、ユニットの作動状態を視認するための表示画面49とを備える制御パネル50と、各ボタンの押圧を検知する複数の検出手段51a〜51dとを備えている。
【0019】
開閉センサ41は、開口枠9の側枠11にそれぞれ取付けられる磁気センサと、閉鎖状態で開口枠9の各側枠11に当接することとなるガラス戸16側に取付けられる磁石とを備えてなる。磁石は、地磁気よりも強い磁束密度を発する永久磁石の微小片であり、例えば希土類ネオジム系磁石、希土類サマリウム−コバルト系磁石、フェライト系磁石など、種々の汎用磁石が利用可能である。磁気センサは、リードスイッチ、磁気抵抗効果センサ、ホールセンサなど、永久磁石の磁場を所望とする近接距離において判別可能なセンサであれば如何なるタイプのものでもよい。上述の如く開口部7を閉じ状態に設定すると各ガラス戸16のサッシュ17がそれぞれ開口枠9の側枠11に当接すると共に、開閉センサ41の磁気センサと磁石も互いに近接することとなり、磁気センサが磁束密度の変化を検知することによって、開閉センサ41から閉じ状態である旨の信号が処理手段43に向けて出力される。また、この状態からいずれか又はいずれのガラス戸16を摺動させると、開口枠9の側枠11と各ガラス戸16のサッシュ17も離間すると共に、開閉センサ41の磁気センサと磁石も互いに離間することとなり、これによって、開閉センサ41から当該ガラス戸16が開かれている旨の信号が処理手段43に向けて出力される。
なお、開閉センサ41として、本実施形態では磁気センサと磁石の組合せを用いたが、窓の開閉を検知できるものであれば、光センサなど、他の如何なるセンサを用いてもよい。
【0020】
処理手段43は、ファン35のファンモータ36の出力を規定するモータドライバ52と、各検出手段51a〜51d及び開閉センサ41からの出力信号を演算処理すると共にモータドライバ52に制御信号を出力するCPU54と、該CPU54に接続されて前記演算処理する際の演算情報を格納するROM55とを備え、各検出手段51a〜51dからの信号を受信し、当該受信信号の基づく演算に応じてモータドライバ52に動作信号を出力する。当該動作信号は、ファンモータ36の起動/停止信号のみならず、ファンモータ36の出力調整信号をも含む。
【0021】
本発明の第1実施形態に係るエアユニット30の構成は以上からなるものであって、次に、その制御について図5に基づいて順次説明する。
まず、制御パネル50の主電源スイッチ45を押圧する。すると、検出手段51aにより主電源スイッチ45の押圧が検出され、当該検出手段51aからCPU54に向けて起動信号が出力される(ステップS1)。CPU54は、起動信号を受信すると、現在の制御モードが自動制御モードであるか使用者制御モードであるかを判断する(ステップS2)。使用者制御モードであると判断すると、ステップS9に移行し、制御パネル50の起動/停止ボタン47、制御モード切替ボタン46、風量操作ボタン48の検出手段51b、51c、51dからの信号を受け入れる一方、開閉センサ41からの信号を拒絶する。一方、自動制御モードであると判断すると、ステップS3に移行し、制御パネル50の起動/停止ボタン47と風量操作ボタン48の検出手段51b、51dからの信号を拒絶する一方、開閉センサ41、制御モード切替ボタン46の検出手段51cからの信号を受け入れる。
【0022】
なお、当該使用者制御モードと自動制御モードの切り替えは、制御パネル50の制御モード切替ボタン46の押圧によって操作可能であり、当該制御モード切替ボタン46に接続される検出手段51cが、使用者制御モードボタンと自動制御モードボタンのいずれのボタンを押圧されたかを検出し、当該検出に基づく検出信号をCPU54に出力し、当該CPU54が検出信号を受信することによって行われる(ステップS6、S10)。
【0023】
ステップS3に移行すると、開閉センサ41から出力される信号をCPU54が受信し、当該信号に基づいてガラス戸16が開いているかを判断する。そして、少なくとも一方のガラス戸16が開き状態であると判断されると、作動信号をモータドライバ52に出力し、当該作動信号をモータドライバ52が受信することにより、ファンモータ36が駆動してファン35を回転させる。これにより、吸込み口31から空気が強制的に吸込まれ、開口部7の前方の空気には吸込み口31に空気が流入する強制空気流が形成される(ステップS4)。
また、開閉センサ41からはガラス戸16の開き具合についての信号も出力されており、CPU54は、当該信号に基づいてファン35によって形成される強制空気流の風量を演算し、当該演算から割り出されるファンモータ36の出力についての信号をモータドライバ52に出力する。モータドライバ52は、当該信号に基づいてファンモータ36の出力を制御し、これによって強制空気流の風量が調整されることとなる(ステップS5)。
【0024】
また、ガラス戸16を動かして開口部7を閉じ状態とすると、ステップS7に移行し、開閉センサ41が閉じ状態となった旨の信号をCPU54に出力する。当該CPU54は、開閉センサ41からの信号を判断し、モータドライバ52に停止信号を出力する。そうすると、モータドライバ52は、当該停止信号を受けることでファンモータ36への電力供給を遮断して当該ファンモータ36の回転を停止させる(ステップS8)。これにより、ユニットは停止状態となって制御が完了する。
また、使用者制御モードである場合、使用者が風量調整ボタン48の風量上げボタンと風量下げボタンのいずれのボタンを押圧したかを検出手段51dが判断し、当該判断に基づく風量上げ信号又は風量下げ信号がCPU54に出力される。CPU54は、いずれかの信号を受信すると、風量上げ又は下げ信号をモータドライバ52に出力し、当該駆動信号をモータドライバ52が受信することにより、ファンモータ36の出力が調整される。これにより、強制空気流の風量が調整される。起動/停止ボタン47についても同様である(ステップS9)。
【0025】
本実施形態においては、花粉等の飛散時期に開口部7の窓や扉を開放しても、吸気機構32を起動させることで吸込み口31に開口部7前方の空気が吸い込まれる。このため、開口部7の前方には、当該開口部7の前方から下方に流れ込む強制空気流が形成されることとなり、当該強制空気流によって屋外の花粉等は開口部7下方に送り込まれることとなり、これによって当該開口部7を通じての花粉の室内への侵入が抑制される。
したがって、本実施形態によれば、開口部7を開放して開放感を得つつも、当該開放した開口部7からの花粉等の室内への侵入は著しく制限されることとなるのである。
なお、花粉とは、スギ花粉やヒノキ花粉に限らず、人体にアレルギー症状を引き起こす他の花粉を含む。また本発明に係るエアユニット30は、花粉の室内への侵入を抑制若しくは低減させるものであるが、花粉以外の粉塵、塵芥、浮遊微小物質等の室内への侵入も抑制若しくは低減させうることは言うまでもない。
また、本実施形態においては、上述の如く制御を自動制御モードに設定することにより、開口部7の開閉とエアユニット30との制御が連動する。したがって、使用者は開口部7を開閉するだけでエアユニット30を起動/停止させることができ、エアユニット30の操作性の向上が図られ、また、エアユニット30の起動し忘れや停止し忘れも防止される。
【0026】
なお、本実施形態においては、ファン35は、ボックス34の長手方向中央部に吸込み側が上方に向くように縦置きに配したが、吸込み口31からファン35で空気を吸い込むことができるものであれば、如何なる構成でも構わない。例えば、ボックス34をその下面に排気口を設けないで閉塞した状態のまま長手方向に延長し、該延長部に吸込み側を連通させて吸込み側が吸込み口31に臨むようにしてファン35を横置きに配してもよいし、あるいはボックス34とは別の位置にファン35を設置し、その吸込み側をボックス34にダクト等を介して連通させてもよい。また、ボックス34の下方にファンを設置し、その吸込み側がボックス34の開口に連通するようにしてもよいし、ボックス34の内部を上下に仕切って仕切り壁に開口を穿設し、該開口にファン35を取り付けてもよい。
また、上記ではプロペラ式のファンを用いたが、強制空気流を形成できるものであれば、シロッコファン等、如何なる形式のものでも構わない。
さらに、上記においては、吸込み口31の開口端を開口部7の屋外側前方に向けたが、開口部7に流入する空気流を吸引可能とさえできれば、開口部7側に向けても構わない。
【0027】
<第2実施形態>
図6〜図7を参照して本発明の第2実施形態に係るエアユニットを説明する。
本実施形態においては、以下の風向フィン38(及び屋外空気計測センサ41a)以外の構成は上記第1実施形態と同様であるので、上記第1実施形態と同じ符号を付してその説明を省略する。
本実施形態においては、図6及び図7に示す如く、各吸込み口31には、長尺の短冊状の本体に軸部が備えられてなる風向フィン38がそれぞれ取付けられている。該風向フィン38は、その軸部がボックス34に支持されて各吸込み口31内にその長手方向に沿って収容され、軸部を中心に揺動自在とされて各吸込み口31を全閉全開可能な構造とされている。また、出力軸がギア等の動力伝達機構を介して各風向フィン38の各軸部に連結されて各風向フィン38に回転駆動力を付与するフィンモータ39もボックス34内に収容されている。
また、屋外空気計測センサ41aは、屋外空気の風量、風向、温度、湿度、花粉等の量のいずれか、いずれか複数又は全てを計測可能であって、当該計測データを信号に変換して処理手段43のCPU54に出力する。また、当該屋外空気計測センサ41aは、外壁構造3の屋外側壁面のいずれかに取付けられていればよいが、本実施形態においては、吸気機構32による強制空気流の影響を回避すべく開口部7の上部に取付けられている。
また、制御手段33は、使用者の制御により風向フィン38の姿勢を調整するための風向調整用ボタン48aが制御パネル50に設けられ、処理手段43に当該ボタン48aの押圧を検出する検出手段51eと、CPU54からの作動信号を受けてフィンモータ39を作動させるフィンドライバ53が設けられている。
【0028】
本実施形態に係るエアユニット30の構成は以上からなるものであって、次に、その制御について図8に基づいて順次説明する。
なお、以下は、自動制御モードを中心に説明し、使用者制御モード(ステップS12)及びモード切替(ステップS8)については上記第1実施例と同様であるのでその説明を省略する。
まず、制御パネル50の主電源スイッチ45を押圧する。すると、検出手段51aにより主電源スイッチ45の押圧が検出され、当該検出手段51aからCPU54に向けて起動信号が出力される(ステップS1)。CPU54は、起動信号を受信すると、現在の制御モードが自動制御モードであるか使用者制御モードであるかを判断する(ステップS2)。
自動制御モードであると判断すると、ステップS3に移行し、開閉センサ41から出力される信号をCPU54が受信し、当該信号に基づいて開口部7が開いているか閉じているのかを判断する。
そして、開き状態であると判断されると、ステップS4に移行し、開閉信号を風向フィン38のフィンドライバ53に出力する。これにより、フィンモータ39が駆動して風向フィン38が揺動し、吸込み口31が全閉状態から開き状態となる。その後、ステップS5に移行し、作動信号を吸気機構32のモータドライバ52に出力し、当該作動信号をモータドライバ52が受信することにより、ファンモータ36が駆動する。これにより、開口部7の前方の空気には吸込み口31に空気が流入する強制空気流が形成される。
【0029】
また、屋外空気計測センサ41aも起動しており、定期的に種々のデータを信号化してCPU54に出力する。CPU54は当該出力信号に基づいて強制空気流の最適な風向及び風量を演算により算出し、風向についての風向信号を風向フィン38のフィンドライバ53に出力すると共に風量についての風量信号を吸気機構32のモータドライバ52に出力する。各ドライバ52、53は、当該信号に応じてフィンモータ39及びファンモータ36の出力等を調整して風向フィン38の角度やファン35の回転速度を制御し、これによって強制空気流を最適な風向及び風量に設定する(ステップS6、ステップS7)。
また、ガラス戸16を動かして開口部7を閉じ状態とすると、当該閉じ状態を開閉センサ41が検出し、閉じ状態となった旨の信号をCPU54に出力する。当該CPU54は、開閉センサ41からの信号を判断し(ステップS9)、モータドライバ52に停止信号を出力する。そうすると、モータドライバ52は、当該停止信号を受けることでファンモータ36への電力供給を遮断して当該ファンモータ36の回転を停止させる(ステップS10)。
そして、ステップS11に移行し、CPU54がフィンドライバ53に向けて閉鎖信号を出力する。そうすると、該フィンドライバ53は、当該閉鎖信号を受けることでフィンモータ39を起動させて風向フィン38を揺動させ、吸込み口31を開き状態から全閉状態に設定する。
これにより、ユニットは停止状態となり、これによって制御が完了する。
【0030】
本実施形態によれば、自動制御モードに設定することにより、屋外の空気状態に対応した風向及び風量による強制空気流が自動的に形成されるので、使用者は、開口部7を開き状態に設定するだけでより効果的に花粉等の室内への侵入を抑制しつつ開放感を得ることが可能となっている。また、開口部7を閉じ状態としているときには吸込み口31も風向フィン38によって全閉状態となるので、吸込み口31に花粉等が沈降する虞はなく、雨天時の雨水等の侵入も防止されることとなる。
【0031】
<第3実施形態>
図9〜図10を参照して本発明の第3実施形態に係るエアユニットを説明する。
図9及び図10に示す如く、本実施形態においてエアユニット30は、開口部7の屋外側前方の空気を吸い込み可能な吸込み口31を備えるボックス34と、該ボックス34内に収容されて吸込み口31を通じて空気を強制吸引可能な吸気機構32と、前記吸気機構32を制御する制御手段33とを備えると共に、該吸気機構32により吸気した空気を開口部7前方に向けて吹き出す吹出し部61を備えている。
本実施形態の吸気機構32は、ボックス34の左右方向中央部に設けられるファン35と、該ファン35を駆動させるファンモータ36とを備えている。ファン35は、ボックス34の長手方向に一致する回転軸を有している。したがって、ファン35を回転させることにより、ボックス34内は、ファン35を境として一方がファン35による強制空気流の風上側となると共に他方が当該強制空気流の風下側となる。また、ファンモータ36は正逆回転可能に形成されており、ファン35の回転方向を切り替えることにより、ボックス34内の他方を強制空気流の風上側とすると共に一方を当該強制空気流の風下側とすることができる。
【0032】
吹出し部61は、ボックス34の左右両端部から起立状に延びる一対の筒状のヘッダ62を備えている。各ヘッダ62は、下端部をボックス34内部に連通されると共に、開口枠9の側枠11に沿って上下方向に延設されて上枠12の端部まで延びている。これにより、ヘッダ62は、吸込み口31からボックス34に流入する空気の排気路(排出路)を形成することとなる。また、各ヘッダ62には、開口枠9に対して内側となる壁部に複数のスリット63が開設されている。該スリット63は、上下方向に所定の間隔を空けて設けられている。
また、各ヘッダ62の下部には、吸込み口31を通じて強制吸引される空気中の花粉等を除去する除去手段64が設けられている。
【0033】
本実施形態において、除去手段64は、ヘッダ62下部に充填されるフィルタであって、該フィルタは、捕捉された花粉を不活化してアレルゲンとして作用できないようにする花粉の不活化機能を有する素材、例えば花粉の不活化剤を含浸させた素材を主材として形成されていると共に、0.1μm〜20μm未満の空隙を有する不織布として形成されている。
ここで、花粉の不活化剤としては、例えばラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアニオン系界面活性剤、ポリ4−ビニルフェノール、ポリチロシン等のフェノール系ポリマー、硫酸アルミニウムカリウム等の金属塩、その他酵素等が挙げられる。
アニオン系界面活性剤は、適当な長さの疎水部でアレルゲン表面に吸着し、親水部がアレルゲンの抗原抗体反応を起こす部位を立体的に妨害すると考えられている。また、フェノール系ポリマーは、分子中のフェノール性OH基がアレルゲンの表面の塩基性部位と弱い結合を行い、アレルゲンを不活化させると考えられている。また、金属塩は、アレルゲン表面の電荷との相互作用により抗原抗体反応を抑制すると考えられ、酵素は、アレルゲンのペプチド結合を加水分解してアレルゲンを不活化させると考えられている。
また、一般にスギ花粉に代表される花粉の粒径は20μm〜40μmであるため、上記空隙を有するフィルタであれば、当該フィルタを通過する空気中の花粉を有効に除去することが可能となっている。フィルタとしては、上述の範囲の空隙を採用可能であるが、上記スギ花粉等の花粉の粒径に鑑みると、10μm〜30μm程度のものが好ましく、より好ましいものとして15μm〜20μm程度の空隙を有するものが挙げられる。
【0034】
かかる構成により、ボックス34内部の吸気機構32のファン35が回転すると、上述の如くボックス34内にファン35を介して風下側と風上側が形成されることとなるが、風下側に位置するヘッダ62にはボックス34を通じて当該ファン35により吸引された空気が流れ込むこととなり、当該空気は、スリット63を通じて開口部7前方に向けて吹き出される。この結果、当該吹出し空気により開口部7前方にエアカーテンが形成されることとなる。また、当該エアカーテンは、除去手段64であるフィルタを通過して花粉等の含有を可及的低減された清浄空気により生成される。
制御手段33は、制御の方法が上記第1実施形態と異なるものの、構成としては上記第1実施形態と同様であるので、第1実施形態と同じ符号を付してその説明を省略する。
【0035】
本発明の第3実施形態に係るエアユニット30の構成は以上からなるものであって、次に、その制御について図11に基づいて順次説明する。
制御パネル50の主電源スイッチ45を押圧する。すると、検出手段51aにより主電源スイッチ45の押圧が検出され、当該検出手段51aからCPU54に向けて起動信号が出力される(ステップS1)。CPU54は、起動信号を受信すると、現在の制御モードが自動制御モードであるか使用者制御モードであるかを判断する(ステップS2)。
自動制御モードであると判断する場合、ステップS3に移行し、開閉センサ41から出力される信号をCPU54が受信し、当該信号に基づいて一方のガラス戸16が開いているか否かを判断する。
そして、一方のガラス戸16が開き状態であると判断されると、ステップS4に移行し、CPU54は、正回転信号をモータドライバ52に出力し、当該正回転信号をモータドライバ52が受信することにより、ファンモータ36は正回転する。これにより、閉じている他方のガラス戸16の前方の空気が、ファン35を境に風上側にある吸込み口31に強制的に吸込まれる強制空気流が形成される。そして、当該強制空気はファン35を通じてボックス34内のファン35を境に風下側に排出されることとなるが、当該排出空気は、ボックス34内から一方のヘッダ62内に流入し、除去手段64であるフィルタを通過してスリット63を通じて開いている側の開口部7の前方に吹き出される。これにより、一方のガラス戸16が開いていることにより屋内と室内とが通じている領域にエアカーテンが形成される。
【0036】
また、一方のガラス戸16が閉じ状態であると判断されると、ステップS5に移行し、開閉センサ41から出力される信号をCPU54が受信し、当該信号に基づいて他方のガラス戸16が開いているか否かを判断する。
該他方のガラス戸16が開き状態であると判断されると、CPU54は、逆回転信号をモータドライバ52に出力し、当該逆回転信号をモータドライバ52が受信することにより、ファンモータ36は逆回転する。これにより、閉じている一方のガラス戸16の前方の空気が、ファン35を境に風上側になった吸込み口31に強制的に吸込まれる強制空気流が形成される。そして、当該強制空気はファン35を通じてボックス34内のファン35を境に風下側になった側に排出されることとなるが、当該排出空気は、ボックス34内から他方のヘッダ62内に流入し、除去手段64であるフィルタを通過してスリット63を通じて開いている側の開口部7の前方に吹き出される。これにより、他方のガラス戸16が開いていることにより屋内と室内とが通じている領域にエアカーテンが形成される。
また、いずれのガラス戸16も閉じていると判断されると、待機状態となって制御を完了する。
以下、ステップS7以降の制御方法は、上記第1実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0037】
本実施形態によれば、開いている側のヘッダ62のスリット63から空気が吹き出されることにより当該開口部7の屋外側にエアカーテンが形成される。当該エアカーテンよって、開口部7に向けて花粉等が接近しても当該エアカーテンより吹き飛ばされることとなり、当該エアカーテンによって当該開口部7を通じての花粉の室内への侵入が抑制されることとなる。
この様に、本実施形態においては、吸気機構32による強制空気流の生成による花粉等の除去作用のみならず、花粉を除去し且つ花粉を不活性化させるフィルタを通過した清浄空気によるエアカーテンの生成によっても花粉等の除去が図られ、これらの相乗効果により花粉等の除去効果が大幅に向上し、さらには、開口部7の前方の空気の清浄化が図られるのである。
しかも、上述の如く吹出し部61から吹き出される空気を吸込み口31から再び吸込むこととなるので、当該強制空気流及びエアカーテンの生成が、ファン35の回転のみによって行われることとなり、吸気機構32の負荷が抑制されてユニット全体の省力化及び効率化が図られることとなる。
【0038】
なお、本願発明の構成は、上記実施形態に限定されず、上記実施形態以外の構成も採用可能である。
例えば、検出手段として、屋外の温度を計測する温度センサや、空気中の花粉量を計測する花粉センサ、開口部7前方の風向を計測する風向センサ等を設けることが可能であり、各センサの計測値を信号として処理手段43のCPU54に出力し、CPU54により各信号に基づいて各ドライバに作動信号を出力する構成とする場合であっても、本実施形態と同様の効果を奏する。なお、花粉量の計測は任意の公知手段によるが、例えば半導体レーザ光を空気中に照射して散乱を検知する光学式のものを好適に使用できる。
また、各センサから得られる計測値を指標として吸込み口31から吸い込まれる空気の風量と風速を厳格に規定することにより、開口部7に吹き込む風と当該風に運ばれてくる花粉の進行方向とを分解して花粉のみを強制的に吸引し、当該風を開口部7を通じて室内に取り込む構成を採用することも可能である。
【0039】
また、1つの吹込み口31につき、一方のガラス戸16に対応した風向フィン38と、他方のガラス戸16に対応した風向フィン38の2つを夫々独立に揺動可能に設け、各ガラス戸16の開閉と夫々の風向フィン38の開閉とを連動させる構成を採用することも可能である。
また、開口部7の上方にミスト形成装置を設けることにより、当該開口部7前方にドライミストを形成し、ドライミストによる花粉等の沈降効果との相乗効果によってより効率的に花粉等を除去する構成を採用することも可能である。
また、前記実施形態においては、吸込み口31は、開口部7の下縁の略全長にわたって連続したものとしたが、連続とせず、複数の吸込み口を間隔を開けて配してもよいし、開口部7の下部のみでなく、開口部7の側部や上部に設けてもよく、要は開口部7の屋外側前方の空気流を開口部7から逸らせることができればよい。ヘッダ62のスリット63を開口部枠の側部のみでなく上方に設ける構成を採用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明のエアユニットを設置した戸建住宅の側断面図である。
【図2】図1の要部を拡大した側断面図で、本発明の第1実施形態に係るエアユニットの取付け構造を示す図である。
【図3】第1実施形態に係るエアユニットの概略平面図である。
【図4】第1実施形態に係るエアユニットのブロック図である。
【図5】第1実施形態に係るエアユニットの制御を説明するためのフローチャートである。
【図6】図2と同様の図で、本発明の第2実施形態に係るエアユニットの取付け構造を示す図である。
【図7】第2実施形態に係るエアユニットのブロック図である。
【図8】第2実施形態に係るエアユニットの制御を説明するためのフローチャートである。
【図9】戸建住宅の概略側断面図で、本発明の第3実施形態に係るエアユニットを示す図である。
【図10】第3実施形態に係るエアユニットが備えられた開口部の概略立面図である。
【図11】第3実施形態に係るエアユニットの制御を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0041】
1 戸建て住宅
2 架構
B 布基礎
3 外壁構造
4 外壁躯体層
5 断熱層
6 下地材
S 壁内空間
7 開口部
8 開口
9 開口枠
10 開閉窓
11 側枠
12 上枠
13 下枠
16 ガラス戸
17 サッシュ
18 ガラス
20 シャッターボックス
30 エアユニット
31 吸込み口
32 吸気機構
33 制御手段
34 ボックス
35 ファン
36 モータ
37 排気口
38 風向フィン
39 フィンモータ
40 操作手段
41 開閉センサ(センサ手段)
41a 屋外空気計測センサ
43 処理手段
45 主電源スイッチ
46 制御モード切替ボタン
47 起動/停止ボタン
48 風量操作ボタン
48a 風向操作ボタン
49 表示画面
50 制御パネル
51a〜51e 検出手段
52 モータドライバ
53 フィンドライバ
54 CPU
55 ROM
61 吹出し部
62 ヘッダ(排出路)
63 スリット
64 除去手段(フィルタ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気を吸い込み可能な吸込み口と、該吸込み口を通じて空気を強制吸引可能な吸気機構と、前記吸気機構を制御する制御手段とを備え、
前記吸込み口は、建物に開閉可能に設けられる開口部に沿って当該開口部よりも屋外側に設けられると共に、開口端を当該開口部又は当該開口部の屋外側前方に向けた状態で設置されていることを特徴とする建物開口用エアユニット。
【請求項2】
前記吸込み口は、前記開口部の下方に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の建物開口用エアユニット。
【請求項3】
前記吸込み口は、前記開口部縁部に沿う細長のスリット状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項2のいずれかに記載の建物開口用エアユニット。
【請求項4】
前記開口部縁部には、前記開口部の屋外側前方に空気を吹き出す吹出し部が設けられており、前記吸気機構は、吸引空気を排出する排出路が前記吹出し部に接続されており、少なくとも前記吸気機構と吹出し部のいずれかには、前記吸込み口を通じて強制吸引される空気中の花粉等を除去する除去手段が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の建物開口用エアユニット。
【請求項5】
前記除去手段は、0.1μm以上20μm未満の空隙を有するフィルタを前記吸気機構により吸引された空気の流路上に備えていることを特徴とする請求項4に記載の建物開口用エアユニット。
【請求項6】
前記フィルタは、花粉の不活化機能を有する素材を主材として形成されていることを特徴とする請求項5に記載の建物開口用エアユニット。
【請求項7】
前記制御手段は、前記開口部の開閉を検出するセンサ手段と、該センサ手段からの受信信号を判断して吸気機構に作動信号を出力する処理手段とを備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の建物開口用エアユニット。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2009−243830(P2009−243830A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−93167(P2008−93167)
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【出願人】(000000033)旭化成株式会社 (901)
【出願人】(303046244)旭化成ホームズ株式会社 (703)
【出願人】(303046303)旭化成せんい株式会社 (548)