説明

建築構造物の構築方法

【課題】耐力壁のコンクリート打設工程にとらわれることなく、上階の構築作業を進めることができ、工期短縮を図ることができる建築構造物の構築方法を提供する。
【解決手段】RC耐力壁18が構築される領域の頂部に梁22を架け渡し、当該梁22に支持されるようにハーフプレキャスト床版16を敷設する床版敷設工程を実施した後に、RC耐力壁18をコンクリートで構築する耐力壁構築工程を実施する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレキャスト床版を敷設する床版敷設工程と、耐力壁をコンクリートで構築する耐力壁構築工程とを実施する建築構造物の構築方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ビル等の建築構造物の構築においては、柱、梁、床版等の部品の多くをプレキャスト化することにより、工期を短縮させている。
しかし、当該建築構造物に現場打ちRC耐力壁(以下、RC耐力壁という)が備えられ、且つ、そのRC耐力壁がハーフプレキャスト床版を支持するような場合には、RC耐力壁の構築工程を完了させてからでなければ、ハーフプレキャスト床版の敷設工程を行うことができず、即ち、上階の構築作業に着手できない(例えば、特許文献1、2参照)。
【0003】
なお、支保工でハーフプレキャスト床版を支持した状態でRC耐力壁のコンクリート打設を行うことも考えられるが、支保工が障害となることから施工性に問題がある。また、RC耐力壁の周囲に設けられる通常の梁を、RC耐力壁の頂部にハーフプレキャスト床版の支持用として設けることも考えられる。しかし、RC耐力壁が構築された後には、常時の床荷重は耐力壁に直設支持され、また地震荷重に対しては当該梁を一部として含む耐力壁全体で抵抗する。ゆえに、ハーフプレキャスト床版の支持用の梁は、独立した梁としての役割を果たし得ないため、当該梁を設けることはコスト上好ましくない。
【特許文献1】特開平10−131353号公報
【特許文献2】特開平6−129042号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記事実を考慮してなされたものであり、耐力壁のコンクリート打設工程にとらわれることなく、上階の構築作業を進めることができ、工期短縮を図ることができる建築構造物の構築方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の建築構造物の構築方法は、後に耐力壁が構築される耐力壁構築部の頂部に梁を架け渡し、当該梁に支持されるようにプレキャスト床版を敷設する床版敷設工程を実施した後に、前記耐力壁をコンクリートで構築する耐力壁構築工程を実施することを特徴とする。
【0006】
請求項1に記載の建築構造物の構築方法では、まず、床版敷設工程において、後に耐力壁が構築される耐力壁構築部の頂部に梁を架け渡し、当該梁に支持されるようにプレキャスト床版を敷設する。そして、当該工程を実施した後に、耐力壁構築工程を実施し、耐力壁をコンクリートで構築する。これにより、耐力壁のコンクリート打設に先行して、その上に配置されるプレキャスト床版の敷設を行うことが可能となる。
【0007】
ここで、当該梁は、耐力壁に埋め込めばよいため、支保工のようにコンクリートの打設作業の障害となることはない。また、当該梁は、耐力壁構築工程が完了するまでの間、プレキャスト床版を支持できるだけの支持力を備えていれば十分であり、耐力壁の周囲に設けられる通常の梁のような曲げやせん断等に対する強度は不要であるため、低コストなものを採用できる。
即ち、耐力壁が構築された後は、常時の床荷重は耐力壁に直接支持され、地震荷重に対しては当該梁を一部として含む耐力壁全体で抵抗するため、当該梁には、独立したラーメン架構内の梁としての役割が不要である。また、当該梁は、プレキャスト床版の施工時荷重を支持することができればよいため、当該梁の支持方法として、例えば、柱に設置した顎に当該梁を乗せ掛けるだけのような仮設的及び簡易な方法を採用することが可能である。
よって、耐力壁のコンクリート打設工程にとらわれることなく、上階の構築作業を進めることができ、工期短縮を図ることができる。
【0008】
請求項2に記載の建築構造物の構築方法は、請求項1に記載の建築構造物の構築方法であって、前記梁をプレキャストコンクリート梁とすることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の建築構造物の構築方法では、床版敷設工程において、上記耐力壁構築部の頂部にプレキャストコンクリート梁を架け渡すことにより、耐力壁のコンクリートとその中に埋め込まれる当該梁との一体化を容易にしている。これにより、プレキャストコンクリート梁と現場内の耐力壁とが、地震時の水平荷重に対して、共同して一体的に抵抗することが可能である。
【0010】
請求項3に記載の建築構造物の構築方法は、請求項1又は請求項2に記載の建築構造物の構築方法であって、前記耐力壁構築工程においてコンクリートを打設する際に当該コンクリートを流し込む孔、及び前記耐力壁の鉄筋を配筋する孔の少なくとも一方を、前記梁に形成することを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の建築構造物の構築方法では、耐力壁構築工程においてコンクリートを打設する際に、コンクリートを梁に形成された孔に流し込んで耐力壁の構築位置へ供給することが可能であることから、コンクリートの充填性が向上し、高い施工性をもって耐力壁の構築を行うことが可能である。
【0012】
また、本構築方法では、当該孔を通じて上下耐力壁の鉄筋を連結して重ね継手接合を行うことが可能であり、当該梁が壁筋の継手を行う際の障害にならない。
【発明の効果】
【0013】
本発明は上記構成にしたので、耐力壁のコンクリート打設工程にとらわれることなく、上階の構築作業を進めることができ、工期短縮を図ることができる建築構造物の構築方法を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に図面を参照しながら本発明の第1実施形態について説明する。
図1〜図5には、本発明の第1実施形態に係る建築構造物の構築方法により構築される建築構造物10が示されている。これらの図に示されるように、当該建築構造物10の各階は、縦横に配置される複数のプレキャストコンクリート製のプレキャスト(以下、PCaという)柱部材12の上部を、複数のPCa梁部材14で結合し、多数の短冊状のハーフPCa床版16をPCa梁部材14上に敷設し、そして、各階中央部に設けられたPCa柱部材12間に耐力壁としての現場打ちRC耐力壁(以下、RC耐力壁という)18を構築することにより構築される。
【0015】
建築構造物10の各階は、平面視にて矩形状に構成されており、PCa柱部材12は、各行(図中矢印X方向)各列(図中矢印Y方向)に複数ずつ配置されている。また、PCa梁部材14は、各階外周部の各辺に複数ずつ配置され、各階内周側においては各列に複数ずつ配置されている。ここで、各階中央部においては、PCa梁部材14が配置されず、その場所には行方向(図中矢印X方向)に対向した一対のRC耐力壁18が構築される。
【0016】
また、RC耐力壁18の列方向(図中矢印Y方向)の両側に設けられたPCa柱部材12の上部には、RC耐力壁18側へ突出した立方体状の顎部(梁支持部)20が一体で形成されており、RC耐力壁18の頂部(後にRC耐力壁18が構築される耐力壁構築部の頂部)に相当する位置において、プレキャストコンクリート製の仮設の梁22を一対の顎部20の上に設置することが可能となっている。
また、ハーフPCa床版16は、行方向を長手方向とし、両端部が一対のPCa梁部材14により支持されるように設けられている。なお、各階中央部においては、ハーフPCa床版16の両端部が一対のRC耐力壁18により支持される。
【0017】
ここで、建築構造物10の構築方法について説明する。
本構築方法では、まず、各階を構成するPCa柱部材12及びPCa梁部材14を組み合わせる。次に、床版敷設工程を実施する。当該工程では、まず、図2に示すように、一対の梁22を各階中央部の所定位置に設置する。ここでは、各梁22を、列方向に対向する一対の顎部20の上に設置する。そして、図3に示すように、ハーフPCa床版16を、行方向に並んだ一対のPCa梁部材14や一対の梁22の上に載置する。
なお、複数の貫通孔24を、梁22にその長手方向に沿って1列又は複数列形成しておき、当該貫通孔24が、上下方向に延びるように、梁22を設置する。
【0018】
その後、上階を構成するPCa柱部材12及びPCa梁部材14の組み合わせを実施し、上階において床版敷設工程を実施する。
そして、上階の構築の進行に並行して、耐力壁構築工程を実施する。当該工程では、図4に示すように、まず、梁22及び梁22を支える一対のPCa柱部材12により三方を囲まれる領域に、鉄筋26、27を縦横に配筋する。この際、上下方向に延びる鉄筋(以下、縦鉄筋という)26の上端部を貫通孔24内に配筋する。
【0019】
そして、図5に示すように、縦鉄筋26の行方向両側に型枠(図示省略)を設置して、型枠内へコンクリートを流し込む。この際、縦鉄筋26の上方に配置された貫通孔24へコンクリートを流し込むことにより、型枠内にコンクリートを充填し、梁22をRC耐力壁18内に埋没させる。
【0020】
以上、説明したように、本実施形態によれば、RC耐力壁18の構築を行っていない状態で、RC耐力壁18上に配置されるハーフPCa床版16を設置することが可能である。即ち、RC耐力壁の構築工程にとらわれずに、上階のハーフPCa床版16等のPCa部材設置が可能であり、現場打ちコンクリート打設作業と、PCa部材の組み立て作業を同時並行して行うことで、工期短縮を図ることができる。
ここで、ハーフPCa床版16を支持する仮設の梁22はRC耐力壁18に埋め込めばよいので、支保工のようにコンクリートの打設作業の障害となることはない。また、梁22は、耐力壁構築工程が完了するまでの間、ハーフPCa床版16を支持できるだけの支持力を備えていれば十分であり、RC耐力壁18の周囲に設けられるPCa梁部材14のような曲げやせん断等に対する強度は不要であるため、低コストなものを採用できる。
即ち、RC耐力壁18が構築された後は、常時の床荷重はRC耐力壁18に直接支持され、地震荷重に対しては当該梁22を一部として含むRC耐力壁18全体で抵抗するため、当該梁22には、独立したラーメン架構内の梁としての役割が不要である。また、当該梁22は、ハーフPCa床版16の施工時荷重を支持することができればよいため、当該梁22の支持方法として、PCa柱部材12に設置した顎部20に当該梁22を乗せ掛けるだけのような仮設的及び簡易な本実施形態の方法を採用することが可能である。
よって、RC耐力壁18のコンクリート打設工程にとらわれることなく、上階の構築作業を進めることができ、工期短縮を図ることができる。
【0021】
また、本実施形態では、床版敷設工程において、RC耐力壁18の頂部にプレキャストコンクリート製の梁22を架け渡すことにより、RC耐力壁18を構成するコンクリートとその中に埋め込まれる梁22との一体化を容易にしている。これにより、プレキャストコンクリート製の梁22と現場内のRC耐力壁18とが、地震時の水平荷重に対して、共同して一体的に抵抗することが可能である。
【0022】
また、本実施形態では、耐力壁構築工程においてRC耐力壁18を構成するコンクリートを打設する際に、コンクリートを梁22に形成された貫通孔24に流し込んでコンクリート打設用の型枠の中へ充填することにより、高い施工性をもってRC耐力壁18の構築を行うことを可能としている。
さらに、本実施形態では、耐力壁構築工程においてRC耐力壁18の縦鉄筋26を梁22に形成された貫通孔24に配筋することにより、当該縦鉄筋26を梁の上側まで延ばすことが可能であり、当該貫通孔24を通じて上下のRC耐力壁18の鉄筋を連結して重ね継手接合を行うことが可能であり、当該梁22が壁筋の継手を行う際の障害にならない。
なお、本実施形態では、下階のRC耐力壁18の縦鉄筋26を梁22の上方まで延ばし、梁22に形成された貫通孔24を通じて上階のRC耐力壁18の縦鉄筋26と重ね継ぎ手を形成したが、当該継ぎ手を、上階のRC耐力壁18の縦鉄筋26を梁22の下方まで延ばすことによって形成してもよい。また、上下階のRC耐力壁18の縦鉄筋26は、梁を貫通しない長さにしておき、上下の縦鉄筋26と重ね継ぎ手を形成する挿入筋を別途施工してもよい。
【0023】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、説明は省略する。
図6に示すように、一対の顎部20上に設置される梁22には、複数の鉄筋28が梁22の長手方向に沿って設けられている。鉄筋28は、上下方向に延びており、梁22の上下両面から上方及び下方の少なくとも一方へ突出している。
【0024】
ここで、鉄筋28の下部は、下側のRC耐力壁18の縦鉄筋26の上端部と近接され、鉄筋28の上部は、上側のRC耐力壁18の縦鉄筋26と近接される。詳細には、鉄筋28の下部は、下側のRC耐力壁18の縦鉄筋26の上部と列方向に見て重なり合い(オーバーラップし)、鉄筋28の上部は、上側のRC耐力壁18の縦鉄筋26の下部と列方向に見て重なり合う(オーバーラップする)、すなわち重ね継手を形成する。これによって、梁22とその上下のRC耐力壁18との結合強度、ひいては、上下のRC耐力壁18の縦鉄筋26に生じる引張力の伝達を確実なものにできる。
【0025】
次に、本発明の第3実施形態について説明する。なお、第1、第2実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、説明は省略する。
図7に示すように、一対の顎部20上に設置される梁22には、複数の鉄筋30が梁22の長手方向に沿って設けられている。鉄筋30は、上下方向に延びており、梁22の上下両面から上方及び下方の少なくとも一方へ突出している。
【0026】
鉄筋30の下部は、下側のRC耐力壁18の縦鉄筋26と近接され、鉄筋30の上部は、上側のRC耐力壁18の縦鉄筋26と近接されている。詳細には、鉄筋30の下部は、下側のRC耐力壁18の縦鉄筋26の上部と列方向に見て重なり合い、鉄筋28の上部は、上側のRC耐力壁18の縦鉄筋26の下部と列方向に見て重なり合う。
【0027】
ここで、鉄筋30の太さは、縦鉄筋26の数倍程度(例えば、3倍程度)とされており、鉄筋30の下部は、下側のRC耐力壁18の少なくとも2本の縦鉄筋26と近接され、鉄筋30の上部は、上側のRC耐力壁18の少なくとも2本の縦鉄筋26と近接されている。即ち、細径の縦鉄筋26、28と細径のRC耐力壁18の鉄筋とを一本一本重ね継手するのではなく、複数本の細径の縦鉄筋26、28と、それと同等以上の断面積を持つ太径の鉄筋30とを重ね継手している。これによって、配筋手間を減ずることができ、施工性の向上が可能である。
【0028】
次に、本発明の第4実施形態について説明する。なお、第1〜第3実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、説明は省略する。
図8に示すように、顎部20(図7参照)上に設置される梁32の幅方向両側の側面には、複数のコッター(切欠部、凹部)34が、長手方向に沿って所定間隔おきに形成されている。即ち、梁32の側面は、長手方向へかけて凸部と凹部とが連続する凸凹状に形成されている。これにより、梁32とRC耐力壁18のコンクリートとの付着強度が高められるので、梁32とRC耐力壁18との結合強度を向上できる。
【0029】
なお、本実施形態では、梁32の側面の長手方向へかけてのみ凸部と凹部とが連続する凸凹状に形成したが、当該側面の幅方向(すなわち上下方向)へかけても凸部と凹部とが連続するように構成してもよい。
【0030】
次に、本発明の第5実施形態について説明する。なお、第1〜第4実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、説明は省略する。
図9に示すように、本実施形態では、RC耐力壁18の側方両側に配置されたPCa柱部材12の上部に、仮設の梁22の長手方向両端部を嵌め込むためのコッター(切欠き部、凹部)36が形成されている。即ち、梁22は、長手方向両端部がコッター36に嵌め込まれた状態で、PCa柱部材12に支持される。これにより、顎部20を特別に設けるのではなく、PCa柱部材12の製作時に嵌め合い用のコッター36を形成するだけでよいため、PCa柱部材12の製作が容易になり、品質向上・製作コスト低減が図られる。
【0031】
以上、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、本実施形態では、仮設の梁22、梁32をプレキャストコンクリート製としたが、梁22、32の材料の選択は適宜行えばよく、金属製や樹脂製等であってもよい。
【0032】
また、本実施形態では、特許請求の範囲でいうところの「プレキャスト床版」をハーフPCa床版としたが、フルプレキャスト床版とすることも可能である。さらに、RC耐力壁18の構築位置は、本実施形態に限られるものではなく、建築構造物の構成に応じた必要箇所に設定すればよい。そして、そのRC耐力壁18の構築、その上へのプレキャスト床版の敷設を、本発明を用いて行えばよい。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の第1実施形態に係る建築構造物の構築方法により構築される建築構造物を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る建築構造物の構築方法により構築される建築構造物の一部を拡大して示す斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る建築構造物の構築方法により構築される建築構造物の一部を拡大して示す斜視図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る建築構造物の構築方法により構築される建築構造物の一部を拡大して示す側面図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る建築構造物の構築方法により構築される建築構造物の一部を拡大して示す側面図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る建築構造物の構築方法により構築される建築構造物の一部を拡大して示す側面図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係る建築構造物の構築方法により構築される建築構造物の一部を拡大して示す側面図である。
【図8】本発明の第4実施形態に係る建築構造物の構築方法により構築される建築構造物の一部を拡大して示す平面図である。
【図9】本発明の第5実施形態に係る建築構造物の構築方法により構築される建築構造物の一部を拡大して示す側面図である。
【符号の説明】
【0034】
10 建築構造物
12 プレキャスト柱部材
14 プレキャスト梁部材
16 ハーフプレキャスト床版(プレキャスト床版)
18 RC耐力壁(耐力壁)
22 梁
24 貫通孔(孔)
26 鉄筋
32 梁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
後に耐力壁が構築される耐力壁構築部の頂部に梁を架け渡し、当該梁に支持されるようにプレキャスト床版を敷設する床版敷設工程を実施した後に、前記耐力壁をコンクリートで構築する耐力壁構築工程を実施することを特徴とする建築構造物の構築方法。
【請求項2】
前記梁をプレキャストコンクリート梁とすることを特徴とする請求項1に記載の建築構造物の構築方法。
【請求項3】
前記耐力壁構築工程においてコンクリートを打設する際に当該コンクリートを流し込む孔、及び前記耐力壁の鉄筋を配筋する孔の少なくとも一方を、前記梁に形成することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の建築構造物の構築方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−167688(P2009−167688A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−7042(P2008−7042)
【出願日】平成20年1月16日(2008.1.16)
【出願人】(000003621)株式会社竹中工務店 (1,669)