引き伸ばし可能な吸収性物品
【課題】縦方向に延び横方向に引き伸ばし可能であり且つ両側の端部と両側の側部領域とを有する吸収性複合材を備えた吸収性衣類を提供する。
【解決手段】吸収性複合材は、裏面シートと、上面シートと、裏面シートと上面シートとの間に配置された保持部とを備える。裏面シートと保持部との各々は、両側の側部領域の少なくとも一方に沿って形成された少なくとも1つの折畳み部を備え、該折畳み部は互いに折り込まれてもよい。吸収性複合材の両側の端の一方に隣接する吸収性複合材の両側の側部領域に一対の前身体パネルが取り付けられ、吸収性複合材の両側の端の他方に隣接する両側の側部領域に一対の背身体パネルが取り付けられる。前及び背身体パネルは、一対の側部身体パネルを形成するために接合されてもよい。
【解決手段】吸収性複合材は、裏面シートと、上面シートと、裏面シートと上面シートとの間に配置された保持部とを備える。裏面シートと保持部との各々は、両側の側部領域の少なくとも一方に沿って形成された少なくとも1つの折畳み部を備え、該折畳み部は互いに折り込まれてもよい。吸収性複合材の両側の端の一方に隣接する吸収性複合材の両側の側部領域に一対の前身体パネルが取り付けられ、吸収性複合材の両側の端の他方に隣接する両側の側部領域に一対の背身体パネルが取り付けられる。前及び背身体パネルは、一対の側部身体パネルを形成するために接合されてもよい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、吸収性衣類、特に引き伸ばし可能な吸収体部分を有する吸収性衣類と、該衣類を製造し、用いる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
吸収性衣類、特に使い捨て吸収性衣類は、裏面シートと、吸収性保持部と、上面シート又はライナとを含むことが多く、保持部は裏面シートと上面シートとの間に挟み込まれる。ある使い捨て吸収性衣類は、裏面シート、保持部、及び上面シートの各々に形成され相互に折り込まれたプリーツを含む。プリーツは、衣類が液体を吸収するのに伴って広がり、なおかつ広がって使用者の身体を囲むように配置される。したがって、プリーツは、使用者の胴回りに適応するように配置しなければならず、その結果として、衣類の股領域にバンチングが生じることがある。したがって、こうした衣類は、使用者に嵩張り感を与える。さらに、使用者の身体に隣接して置かれる相互に折り込まれた上面シートの折畳み部は、使用者に途切れのない滑らかな表面を与えるのではなく、使用者を挟んだり拘束したりする。
他の吸収性衣類は、プリーツのついた裏面シート及び/又は上面シートのみを与え、単一層の保持部がそれらの間に挟み込まれる。このように、保持部は、種々の液体に適応し且つ衣類の吸収能力を増加させることができる付加的な折畳み部をもたない。したがって、上述のような通常の衣類は、所望のレベルのフィット性、吸収性及び製造の容易さをもたらすことができない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
手短に述べると、1つの態様においては、本発明は、縦方向に延び横方向に引き伸ばし可能であり且つ両側の端部と両側の側部領域とを有する吸収性複合材からなる吸収性衣類に向けられている。吸収性複合材は、裏面シートと、上面シートと、裏面シートと上面シートとの間に配置された保持部とを備える。1つの好ましい実施形態においては、裏面シートと保持部との各々は、両側の側部領域の少なくとも一方に沿って形成された少なくとも1つの折畳み部を備える。保持部の折畳み部は、裏面シートの折畳み部と互いに折り込まれる。一対の前身体パネルが、吸収性複合材の相対する端の一方に隣接する複合材の両側の側部領域に取り付けられる。一対の背身体パネルが、吸収性複合材の相対する端の他方に隣接する複合材の両側の側部領域に取り付けられる。好ましい実施形態においては、前身体パネルと背身体パネルは、接合されて一対の側部身体パネルを形成する。
【0004】
本発明の別の態様においては、吸収性衣類は、両側の側部領域を有する引き伸ばし可能な裏面シートと、両側の側部を有する液体透過性の上面シートと、両側の側縁と或る面積を定める外面とを有する保持部とを含む。保持部は、外面が裏面シートに面し、且つ裏面シート及び上面シートの両側の側部が該保持部の側縁を越えて延びるように、上面シートと裏面シートとの間に配置される。上面シートの両側の側部は、保持部の両側において、裏面シートの両側の側部に取り付けられる。裏面シートと上面シートの面積の好ましくは30%より少なく、より好ましくは10%より少ない部分が、取り付けられる。さらに、保持部の外面の面積の好ましくは30%より少なく、より好ましくは外面の面積の10%より少ない部分が、裏面シートに取り付けられる。1つの好ましい実施形態においては、上面シートは引き伸ばし可能である。別の好ましい実施形態においては、保持部の内面の好ましくは30%より少なく、より好ましくは内面の10%より少ない部分が、上面シートに取り付けられる。1つの好ましい実施形態においては、保持部は、裏面シート又は上面シートのいずれにも取り付けられず、むしろそれらの間で自由に浮動する。さらに別の好ましい実施形態においては、保持部は少なくとも1つの折畳み部を含む。好ましくは、裏面シート、より好ましくは裏面シートと上面シートは、脚開口部を形成するために取り付けられた耳部を有する。この場合には、裏面シートと上面シートは、付加的な身体パネルを必要とすることなく、吸収性衣類の全体を定める。
本発明の別の態様においては、種々の吸収性衣類で体液を吸収する方法が提供される。他の態様においては、吸収性衣類を組み立てる方法が提供される。
【0005】
本発明は、他の吸収性衣類とそれを使用し及び製造する方法を上回る目立った利点を与える。例えば、第1の態様においては、衣類複合材に取り付けられた身体パネルは、吸収性複合材の一部が使用者の自然な身体のラインに適合するように広がることを可能にする一方で、それと同時に、乾燥時の嵩張り感なしに、放出されたときに広がることができる股領域の高い吸収能力を与える。したがって、吸収性衣類は、使用者の衣服の下に見苦しいライン又は使用者の股領域に見苦しい膨らみをもたせずに、使用者に対して最大の快適さを与える。さらに、吸収性複合材は、別々の要素として効率良く及び低コストで製造することができ、その後に身体パネルに取り付けて低コストの組立体を与えることができる。
【0006】
さらに、別の態様においては、保持部は、引き伸ばし可能な裏面シート及び上面シートに最小限に取り付けられ、これは、保持部が使用者の身体と上面シートから遠ざかる方向に外向きに広がることを可能にする。広がることができる場合には、保持部は、その表面積と液体保持容積を増加させることができる一方で、同時に使用者に快適なフィット性を与える。本質において、引き伸ばし可能な裏面シートは、好ましくは引き伸ばし可能である保持部が、外向きに広がって、上面シートと保持部の身体側の面との間にスペースを生じさせることを可能にする。さらに、好ましくは裏面シート又は保持部に互いに折り込まれない上面シートは、使用者に対するぴったりとした快適なフィットを与える。最小限に取り付けられた保持部は、吸収性衣類が乾燥時に薄く狭くなるように作ることを可能にするが、保持部が湿潤時に上面シートから遠ざかる方向に広がることを可能にする。したがって、吸収性衣類は、使用者に対して改善されたフィット及び快適さを与える一方で、同時に最大の吸収力を与える。
本発明は、さらなる目的及び利点と共に、以下の詳細な説明を付属の図面と併せて読むことで最も良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】身体側から見た吸収性衣類の1つの好ましい実施形態の部分的に切り取られた平面図である。
【図1A】図1に示された吸収性衣類の1つの好ましい実施形態の概略的な断面図である。
【図1B】図1に示された吸収性衣類の別の好ましい実施形態の概略的な断面図である。
【図2】身体側から見た別の好ましい吸収性衣類の部分的に切り取られた平面図である。
【図2A】図2に示された吸収性衣類の1つの好ましい実施形態の概略的な断面図である。
【図2B】図2に示された吸収性衣類の別の好ましい実施形態の概略的な断面図である。
【図3】身体側から見た別の好ましい吸収性衣類の部分的に切り取られた平面図である。
【図3A】図3に示された吸収性衣類の1つの好ましい実施形態の概略的な断面図である。
【図3B】図3に示された吸収性衣類の別の好ましい実施形態の概略的な断面図である。
【図4】身体側から見た別の好ましい吸収性衣類の部分的に切り取られた平面図である。
【図4A】図4に示された吸収性衣類の1つの好ましい実施形態の概略的な断面図である。
【図4B】図4に示された吸収性衣類の別の好ましい実施形態の概略的な断面図である。
【図5】身体側から見た別の好ましい吸収性衣類の部分的に切り取られた平面図である。
【図5A】図5に示された吸収性衣類の1つの好ましい実施形態の概略的な断面図である。
【図5B】図5に示された吸収性衣類の別の好ましい実施形態の概略的な断面図である。
【図6】身体側から見た別の好ましい吸収性衣類の部分的に切り取られた平面図である。
【図6A】図6に示された吸収性衣類の1つの好ましい実施形態の概略的な断面図である。
【図6B】図6に示された吸収性衣類の別の好ましい実施形態の概略的な断面図である。
【図7】身体側から見た別の好ましい吸収性衣類の部分的に切り取られた平面図である。
【図7A】図7に示された吸収性衣類の線7A−7Aに沿って見た好ましい実施形態の概略的な断面図である。
【図7B】図7に示された吸収性衣類の線7B−7Bに沿って見た好ましい実施形態の概略的な断面図であり、吸収性複合材は広げられていない状態で示されている。
【図7C】図7に示された吸収性衣類の線7C−7Cに沿って見た別の好ましい実施形態の概略的な断面図であり、吸収性複合材は広げられた状態で示されている。
【図8】身体側から見た別の好ましい吸収性衣類の平面図である。
【図8A】図8に示された吸収性衣類の線8A−8Aに沿って見た好ましい実施形態の概略的な断面図である。
【図8B】図8に示された吸収性衣類の線8B−8Bに沿って見た好ましい実施形態の概略的な断面図であり、吸収性複合材は広げられていない状態で示されている。
【図8C】図8に示された吸収性衣類の線8C−8Cに沿って見た好ましい実施形態の概略的な断面図であり、吸収性複合材は広げられた状態で示されている。
【図9】身体側から見た別の好ましい吸収性衣類の平面図である。
【図9A】図9に示された吸収性衣類の線9A−9Aに沿って見た好ましい実施形態の概略的な断面図である。
【図9B】図9に示された吸収性衣類の線9B−9Bに沿って見た好ましい実施形態の概略的な断面図であり、吸収性複合材は広げられていない状態で示されている。
【図9C】図9に示された吸収性衣類の線9C−9Cに沿って見た好ましい実施形態の概略的な断面図であり、吸収性複合材は広げられた状態で示されている。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図面に描かれている多くの特徴及び寸法、特に構成材の層及びそれらの間のスペースの提示は、説明及び理解を容易にするために若干拡大されている。
ここで用いられる「縦方向」という用語は、長さ又は長さ方向、特に使用者の前と後ろの間に延びる方向の意味であるか又はそれに関連する。ここで用いられる「横方向」という用語は、側部から側部に、特に着用者の左から右に延びる方向に、位置されること、向けられること、又はその方向に延びることを意味する。ここで用いられる「上側」、「下側」、「内側」、及び「外側」という用語は、股領域の上に吸収性衣類を着用する使用者に対する方向を示すように意図されており、一方では、「内方」及び「外方」という用語は、衣類の中心線に対する方向のことをいう。例えば、「内側」及び「上側」という用語は、使用者の身体に最も近い側を意味する「身体側」のことをいい、一方では、「外側」及び「下側」という用語は、使用者によって着用される外側衣類に向けて使用者の身体から遠ざかる方向に面する側である「衣類側」のことをいう。
【0009】
図1から図3Bまでを参照すると、吸収性衣類は、裏面シート2と、上面シート4と、それらの間に配置され又は挟み込まれた保持部6とを含む。裏面シートは、液体不透過性であることが好ましいが、例えば保持部と共に障壁層が用いられるときには液体透過性であっても良い。例えば、一実施形態においては、裏面シートは、薄いプラスチックフィルムか、又は他の可撓性のほぼ液体不透過性の材料から形成することができる。ここで用いられる「可撓性の」という用語は、応従性があり使用者の身体の大まかな形状及び輪郭に容易に適合する材料を意味する。裏面シートは、種々の体液及び排出物が、種々の寝具又は使用者によって吸収性衣類の上に着用される他の外側衣類を汚すのを防ぐ。特に、裏面シートは、約0.012mmから約0.051mmまでの厚さを有するポリエチレンフィルムのようなフィルムを含むことができる。別の代替的構成においては、裏面シートは、吸収性保持部に隣接する又はその近位にある選択された領域に所望のレベルの液体不透過性を付与するために部分的に又は全体的に処理されるか又は構成された、織成又は不織繊維性ウェブ層から形成することができる。例えば、裏面シートは、気体透過性又は気体不透過性とすることができるポリマーフィルム層にラミネートされた気体透過性の不織布層を含んでも良い。他の繊維性の布状裏面シート材料の例は、厚さ0.6ミル(0.015mm)のポリプロピレン及び/又はポリエチレンキャストフィルムと、0.7オンス毎平方ヤード(23.8gsm)のポリプロピレンスパンボンド材料(2デニール繊維)とからなる、伸ばして薄くされた又はストレッチサーマルラミネート材料を含むことができる。この種の材料は、キンバリー・クラーク社から市販されているHUGGIES(登録商標)ウルトラトリム使い捨ておむつの外側カバーを形成するのに使用されている。裏面シート2は、典型的には、物品の外側カバーを与える。しかしながら、随意的には、物品は、裏面シートに対する付加物である別個の外側カバー構成部材を含んでも良い。或いは、裏面シートと外側カバーは、伸ばせる弾性材料から形成することができ、この「弾性」という用語は、変形後にその寸法及び形状を回復し及び/又は収縮力を呈することが可能なことを意味する。
【0010】
裏面シートは、本質的に水蒸気透過性の材料か、又は水蒸気のようなガスを吸収性衣類から逃がす一方で、液体排出物が裏面シートを通過することを実質的に防ぐ微孔性の「通気性」材料を含んでも良い。例えば、通気性の裏面シートは、所望のレベルの液体不透過性を付与するために被覆されるか又は他の手法で改良された微孔性ポリマーフィルムか又は不織布から構成されてもよい。例えば、適切な微孔性フィルムは、日本の東京所在の三井東圧化学株式会社から市販されているPMP−1材料か、又はミネソタ州ミネアポリス所在の3M社から市販されているXKO−8044ポリオレフィンフィルムとすることができる。裏面シートはまた、より美的に感じの良い外観をもたらすために、エンボス加工されるか、又は他の手法でパターンを形成されるか、或いはマット仕上げされてもよい。本発明の種々の構成においては、裏面シート2のような構成材が、気体透過性である一方で水性液体に対する抵抗性及び制限された透過性をもつように構成される場合には、液体抵抗性の構成材は、実質的にそれを通して漏らすことなく、選択された水頭圧の水を支持できる構造をもつことが可能である。液体の透過に対する材料の抵抗性を求めるのに適した技術は、連邦試験方法標準規格FTMS191方法5514、1978か又はその均等物である。
【0011】
1つの好ましい実施形態においては、裏面シート2は、液体と半液体材料に対しては、例えば尿及び便を含む排出物として定義される排出物質の望ましくない漏れを実質的に防ぐのに十分なだけ不透過性である。例えば、裏面シート部材は、実質的に漏らさずに少なくとも約45センチメートル(cm)の水頭圧を望ましくは支持することができる。或いは、裏面シート部材2は、少なくとも約55cmの水頭圧を支持することができ、随意的には、改善された利点を与えるために、少なくとも約60cm又はそれ以上の水頭圧を支持することができる。
【0012】
裏面シート2は、引き伸ばし可能であることが好ましく、これは、引張力がかけられたときに、広がることができる、すなわち選択された伸びを与えることができることを意味する。裏面シートはまた、引張力がかけられ、次いで弛緩されたときに、引張力の除去の直後から始まる選択された時間だけ、選択された持続的変形をもたらすことができることが好ましい。持続的変形は、ほぼ恒久的な変形であることが好ましい。選択された伸びと持続的変形は、衣類の少なくとも横断面方向に沿って生じることが好ましいが、縦方向又はその両方向に沿って生じてもよいことを理解されたい。1つの好ましい実施形態においては、裏面シートは、11.8g/cmの引張力がかけられたときに少なくとも約1cmの伸びを与え、さらに、19.70g/cmの引張力がかけられ、次いで、かけられる負荷がゼロの状態で1分間弛緩されたときに、少なくとも約20%のほぼ恒久的な変形を与えることができる。種々の引き伸ばし可能な材料が、1999年2月12日付けの「Expandable Cover Garment」と題する米国特許出願S/N09/249,434号に説明されており、その開示内容の全体が、引用によりここに組み入れられる。
例えば、引き伸ばし可能な裏面シートは、ネック生成布、クレープ加工布、マイクロプリーツ加工布、ポリマーフィルム等、並びにこれらの組み合わせから構成することができる。布は、織成材料か又はスパンボンド布のような不織材料であってもよい。適した引き伸ばし可能な材料の一例は、約1.2osyの坪量を有する60%ネック生成ポリプロピレンスパンボンドである。ネック生成ポリプロピレンスパンボンドは、米国特許第4,965,122号に記載されている。
【0013】
上面シート4は、応従性があり、柔軟な感触で、着用者の皮膚に刺激を与えない身体対向面を与える。さらに、上面シート4は、保持部6より親水性の低いものとすることができ、液体透過性となって液体がその厚みを通して容易に浸透して保持部に到達できるようにするのに十分なだけ多孔性にされる。適当な上面シート層4は、多孔性発泡体、網状発泡体、穿孔プラスチックフィルム、天然繊維(例えば木材又は綿繊維)、合成繊維(例えばポリエステル又はポリプロピレン繊維)、或いは天然繊維と合成繊維との組合せといったウェブ材料の幅広い選択肢から製造することができる。上面シート層4は、典型的には、着用者の皮膚を保持部に収容された液体から隔離する一助とするために用いられる。
上面シート4に種々の織布及び不織布を用いることができる。例えば、上面シートは、所望の繊維のメルトブローン又はスパンボンデッドウェブから構成されてもよく、ボンデッド・カーデッド・ウェブであってもよい。種々の布を、天然繊維、合成繊維又はこれらの組合せから構成することができる。
本明細書の目的においては、「不織ウェブ」という用語は、テキスタイル織成又は編成工程の助けを借りずに形成された繊維性材料のウェブを意味する。「布」という用語は、織成繊維性ウェブ、編成繊維性ウェブ及び不織繊維性ウェブの全てを指すのに用いられる。
【0014】
上面シート布は、実質的に疎水性の材料から構成されてもよく、疎水性材料は、随意的に、所望のレベルの湿潤性及び親水性を付与するために、界面活性剤で処理されるか又は他の手法で加工されてもよい。本発明の特定的な実施形態においては、上面シート4は、約2.8−3.2デニールの繊維が、約22gsmの坪量と約0.06gm/ccの密度をもつウェブに形成されたものからなるスパンボンドポリプロピレン不織布である。布は、約0.28%のトリトンX−102界面活性剤のような有効な量の界面活性剤で表面処理することができる。界面活性剤は、スプレーすること、印刷すること、ブラシコーティングすること等のような通常の手段のいずれかによって適用することができる。
以下に説明する種々の実施形態においては、上面シートは、裏面シートについて上述されたような引き伸ばし可能な材料から形成することができる。
【0015】
保持部6は、使用者によって排出され又は分泌された液体を吸収するのに伴って膨潤するか又は膨張する傾向があるどんな吸収体材料とすることもできる。例えば、吸収体材料は、繊維が空気形成された空気堆積及び/又は湿式堆積複合材と、超吸収体と呼ばれる高吸収体材料とから形成することができる。超吸収体は、典型的には、ノースカロライナ州グリーンズボロ所在のStockhausen社から市販されているFAVOR880のようなポリアクリル酸から形成される。繊維は、Alliance CR−1654のようなフラフパルプ材料か、又は架橋パルプ、硬木、軟木、及び合成繊維の組合せのいずれかとすることができる。空気堆積及び湿式堆積構造は、典型的には、構造を安定化させるのに用いられる結合剤を含む。さらに、種々の発泡体、吸収性フィルム、及び超吸収性布は、吸収体材料として用いることができる。
【0016】
1つの好ましい実施形態においては、吸収体材料は、例えば空気堆積吸収体における熱可塑性バインダ繊維と共に形成されるもの、例えばパルプ、二成分結合繊維、及び超吸収体を含む、折畳まれた領域においてより高い密度を有する比較的高い内部一体性をもつ繊維性吸収体材料から形成される。これらの領域における密度がより高くなり、その結果として毛管寸法がより小さくなると、液体の良好な吸上げが促進される。良好な吸上げによって、吸収体材料のより多くの使用が促進され、その結果として、液体を吸収したときに吸収体材料の全体にわたってより均一に膨潤する傾向がある。
【0017】
種々のタイプの湿潤可能な親水性繊維性材料を用いて、吸収体の構成材部品、特に保持部6を形成することができる。適切な繊維の例は、セルロース繊維のような本質的に湿潤性の材料からなる天然由来の有機繊維、レーヨン繊維のようなセルロース又はセルロース誘導体からなる合成繊維、ガラス繊維のような本質的に湿潤性の材料からなる無機繊維、特定のポリエステル又はポリアミド繊維のような本質的に湿潤性の熱可塑性ポリマーから形成された合成繊維、及び適切な手段によって親水性にされたポリプロピレン繊維のような非湿潤性の熱可塑性ポリマーからなる合成繊維を含む。繊維は、例えばシリカで処理すること、適切な親水性部分をもち且つ繊維から容易に除去できない材料によって処理すること、或いは、繊維の形成中又は形成後に非湿潤性の疎水性繊維を親水性ポリマーで鞘状に包むことによって、親水性にすることができる。本発明の目的においては、上述の種々のタイプの繊維の選択されたブレンドを用いても良いことが考慮されている。
【0018】
ここで用いられる「親水性」という用語は、繊維に接触する水性液体によって湿潤される繊維又は繊維の表面を表す。材料の湿潤度は、関係する液体と材料の接触角及び表面張力によって説明することができる。特定の繊維材料の湿潤性を測定するのに適した装置及び技術は、Cahn SFA−222表面力分析器システム又はこれと実質的に同等なシステムによって与えられる。このシステムで測定する場合は、90度より小さい接触角を有する繊維は「湿潤性」すなわち親水性を示し、90度に等しいか又はそれより大きい接触角を有する繊維は「非湿潤性」すなわち疎水性を示す。
【0019】
特定の配置においては、吸収体の保持部6は、超吸収体ヒドロゲル形成粒子と合成ポリマーメルトブローン繊維との混合物か、又は超吸収体粒子が天然繊維及び/又は合成ポリマー繊維のブレンドからなる繊維性コフォーム材料と混合されたものから構成されてもよい。超吸収体粒子は、親水性繊維と実質的に均一に混合されてもよいし、不均一に混合されてもよい。例えば、超吸収体粒子の濃度は、吸収性複合材の身体側に向かうにつれて濃度が低くなり、吸収性構造体の外側に向かうにつれて濃度が比較的高くなるように、吸収性構造体の厚さ(z−方向)の大部分にわたって非階段状の勾配をもつように構成してもよい。適切なz−勾配構成は、Kellenberger他の1987年8月13日付けの米国特許第4,699,823号に記載されており、その開示内容の全ては、本開示に一致する(不一致ではない)という意味で引用することによりここに組み入れられる。或いは、超吸収体粒子の濃度は、吸収性複合材の身体側に向かうにつれて濃度が高くなり、吸収性構造体の外側に向かうにつれて濃度が比較的低くなるように、吸収性構造体の厚さ(z−方向)の大部分にわたって非階段状の勾配をもつように構成してもよい。超吸収体粒子はまた、親水性繊維のマトリックス内にほぼ個別の層状に配置されても良い。さらに、2つ又はそれ以上の異なるタイプの超吸収体を、繊維マトリックス内に又はそれに沿う異なる位置に選択的に配置しても良い。
【0020】
高吸収体材料は、超吸収体のような吸収性ゲル化材料を含んでも良い。吸収性ゲル化材料は、天然、合成、及び修飾天然ポリマー及び材料とすることができる。さらに、さらに、吸収性ゲル化材料は、シリカゲルのような無機材料か、又は架橋ポリマーのような有機化合物とすることができる。「架橋」という用語は、通常水溶性の材料を、効果的に、実質的に非水溶性かつ水膨潤性にするための何らかの手段を指す。こうした手段は、例えば、物理的交絡、結晶ドメイン、共有結合、イオン結合型錯体及び会合、水素結合のような親水性会合、及び疎水性会合すなわちファンデルワールス力を含む。
【0021】
合成吸収性ゲル化材料ポリマーの例は、ポリ(アクリル酸)及びポリ(メタクリル酸)のアルカリ金属及びアンモニウム塩、ポリ(アクリルアミド)、ポリ(ビニルエーテル)、ビニルエーテルとα−オレフィンとの無水マレイン酸共重合体、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(ビニルモルフォリノン)、ポリ(ビニルアルコール)、並びにこれらの混合物及び共重合体を含む。吸収体に使用するのに適した他のポリマーは、加水分解されたアクリロニトリル・グラフトでんぷん、アクリル酸グラフトでんぷん、メチルセルロース、キトサン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースのような天然高分子及び改質された天然高分子と、アルギン酸塩、キサンタンガム、イナゴマメガムなどのような天然ガムとを含む。天然の吸収性ポリマーと完全に又は部分的に合成された吸収性ポリマーとの混合物も本発明において有用となり得る。その他の好適な吸収性ゲル化材料は、1975年8月26日付けのAssarsson他の米国特許第3,901,236号に開示されている。合成吸収性ゲル化ポリマーを調製するプロセスは、1978年2月28日付けのマスダ他の米国特許第4,076,663号と、1981年8月25日付けのツバキモト他の米国特許第4,286,082号に開示されている。
【0022】
既に説明したように、吸収体に用いられる高吸収体材料は、通常は個々の粒子の形態である。この粒子は、例えば、渦巻き、半渦巻き、立方体、棒状、多面体などの所望の形状のいずれとすることもできる。針、フレーク、及び繊維のような大きい方の寸法と小さい方の寸法との比が大きい形状も、ここでの使用が考慮される。吸収性ゲル化材料の粒子の集合体も、吸収体に使用することができる。使用に望ましいのは、平均粒径が約20マイクロメートルから約1ミリメートルまでの粒子である。
親水性繊維と高吸収性粒子は、約50−1500gsmの範囲内の平均複合坪量をなすように構成することができる。本発明の特定の態様においては、平均複合坪量は、約2000−1200gsmの範囲内であり、或いは、所望の性能を与えるために約500−800gsmの範囲内とされる。さらに、高吸収性粒子の比率は、約0から約100%までの範囲にわたることができ、繊維性材料の比率は約0から約100%までである。また、英国リンカンシャー州グリムズビー所在のTechnical Absorbent Ltd.から入手可能なOasis Type121及びType122超吸収体繊維のような高吸収性繊維を用いることができる。
吸収性衣類はさらに、吸収性衣類に一般的に知られ及び用いられている種々のラップシート、サージ層、及び他の構成材を含むことができることを理解されたい。
【0023】
図1−図3Bを参照すると、裏面シート2と上面シート4は、縦方向及び横方向に延び、吸収性衣類の長さ及び幅を定めることが好ましい。他の実施形態においては、衣類は、種々のウエストバンド又は身体パネル、或いは裏面シート及び上面シートの端に固定された他の構成材を含んでも良い。裏面シートと上面シートの各々は、吸収性衣類の各端において横方向外側に延びる耳部8と、耳部8の間に延びる凹形の周辺側縁10を有する。好ましくは、弾性部材12は、周辺側縁に沿って固定される。弾性部材は、使用者の脚部にガスケットを形成することが好ましい。弾性部材はまた、衣類のウエストバンド領域の周りに固定することができる。
【0024】
好ましくは、この実施形態においては、それらの間に配置される保持部をもつ、裏面シートと上面シートとの組み合せが、付加的な身体パネルなしに、衣類全体を構成するか、或いは衣類の形状又は計画表面積を定める。もちろん、外側カバーを含む他の層を裏面シートと表面シートとの間に固定するか又は挟み込むことができることを理解されたい。締結タブ14は、衣類の一方の端における耳部の両端に取り付けられ、且つそこから横方向に延びる。締結タブは、VELCRO(登録商標)締結システムのようなフック及び/又はループを備えることもできるし、その片面に適用された接着剤又は他の結合剤を有することもできる。或いは、締結タブは、ボタン、スナップ、タイ、又は他の公知の締結装置を含むことができる。衣類を使用者に装着するときには、衣類の一方の端16における耳部8に固定された締結タブ14が、衣類の反対側の端18における耳部8に係合されるか又は他の手法で結合される。この方法で固定されるときには、衣類の各側に凹形の周辺縁10に沿って開口部が形成され、使用者の脚を受け入れる形状にされる。
耳部は、それらの外方縁20の各々に沿って別の手法で固定して側部シームを形成することができ、そのとき衣類は、脚開口部を通して使用者の身体に対して穿かせたり脱がせたりされるパンツとして構成されることを理解されたい。
【0025】
図1−図3Bに示されるように、縦方向に延びる保持部6は、吸収性衣類の全長にわたって延びないことが好ましい。
図1Aを参照すると、裏面シート2は引き伸ばし可能であることが好ましい。裏面シートの外方周辺縁32は、裏面シートが上面シートに最小限に取り付けられるように、外方周辺縁34に沿って上面シート4に固定される。好ましい実施形態においては、裏面シート2と上面シート4との間の取り付け部のみが、側部の外方縁32、34に沿う。もちろん、裏面シートと上面シートは、他の領域に沿って、例えば吸収性衣類の端に沿って最小限に取り付けることもできることを理解されたい。制限された取り付けは、種々の体液及び排出物が放出された後に保持部が膨潤するのに伴って、上面シートによって制限されることなく、引き伸ばし可能な裏面シートが使用者の身体から遠ざかる方向に外向きに延びることを可能にする。裏面シートと上面シートは、結合剤又は接着剤、超音波結合、熱結合、ピンニング、ステッチング、又は当該技術分野で知られているその他の取り付け技術、並びにこれらの組み合わせによって最小限に取り付けることができる。好ましくは、取り付け部の面積は、裏面シート2か又は上面シート4のいずれかの面積の30%より少なく、もっと好ましくは、裏面シート2か又は上面シート4のいずれかの面積の20%より少なく、もっとも好ましくは、裏面シート2か又は上面シート4のいずれかの面積の10%より少ない。図1−図1Bの好ましい実施形態に示されるように、保持部6は、裏面シートか又は上面シートのいずれかに取り付けられず、むしろそれらの間に自由に浮動する状態で単に挟み込まれることが好ましい。
【0026】
図1Bを参照すると、吸収性衣類はさらに、使用者の身体から遠ざかる方に面する保持部の側部38に固定された障壁層36を備え、障壁層は、保持部の一部と考えられる。同様に、保持部はまた、例えば及び限定的な意味ではなく、種々のティッシュ、障壁又はサージ層を含む吸収体材料の内側の身体側又は外側の衣類側の一方又は両方に固定された他の層を含んでも良いことを理解されたい。障壁層36は、液体不透過性であることが好ましく、裏面シートについて上述されたのと同じ材料から形成することができる。障壁層36は、縦方向及び横方向の両方において保持部を越えて延びることが好ましい。図2及び図2Aを参照すると、吸収性衣類の別の実施形態が示されている。この実施形態においては、保持部6の外側又は下側38、すなわち使用者の身体から遠ざかる方向に外側に面する衣類側は、裏面シート2に最小限に取り付けられる。好ましくは、保持部6は、縦方向位置42に沿って、より好ましくは保持部6の中心線又は中央領域に沿って最小限に取り付けられる。上面シート4と裏面シート2はまた、保持部6の端を越える縦方向の広がり42に沿って、好ましくは上述のような取り付け面積の割合で最小限に取り付けることができる。好ましくは、縦方向に延びる中央取り付け面積は、保持部の外面の表面積の30%より少なく、さらに好ましくは、保持部の横方向の幅の30%より少ないのがよい。1つの好ましい実施形態においては、取り付け面積は、保持部の外面の表面積の20%より少なく、より好ましくは10%より少なく、さらに好ましくは保持部の横方向の幅の20%より少なく、より好ましくは10%より少ないのがよい。
【0027】
保持部は、結合剤又は接着剤、超音波結合、熱結合、ピンニング、ステッチング、又は当該技術分野で知られているその他の取り付け技術、並びにこれらの組み合わせによって裏面シートに最小限に取り付けられることが好ましい。図2Bに示すように、障壁層36は、該障壁層が保持部の一部と考えられるように保持部6の下側38に固定することができ、障壁層36は、好ましくは上述の取り付け面積の割合で裏面シート2の身体側面44に最小限に取り付けられる下側面48を有する。保持部6の裏面シート2への取り付けは、保持部6が裏面シート2と共に上面シート4から遠ざかる方向に外向きに延びることを可能にし、それにより上面シート4と保持部6との間にスペースを生じさせる。
【0028】
図3及び図3Aを参照すると、吸収性衣類のさらに別の実施形態においては、保持部の下側38、すなわち使用者の身体から遠ざかる方向に外向きに面する側が、上述のように裏面シート2に最小限に取り付けられ、上側40、すなわち保持部6の身体側の面が上面シート4の下側面46に最小限に取り付けられる。上面シート4は、使用者の身体から引き離すことができるように、引き伸ばし可能であることが好ましい。引き伸ばし可能な上面シートは、上述の引き伸ばし可能な材料から形成されることが好ましい。好ましくは、保持部6は、縦方向に延びる位置42に沿って、より好ましくは上部側40及び下部側38における保持部の中心線に沿って、裏面シートと上面シートに最小限に取り付けられる。好ましくは、保持部と上面シートとの間の縦方向に延びる中央取り付け面積は、保持部の内側の身体側面の表面積の30%より少なく、さらに好ましくは、保持部の横方向の幅の30%より少ない。1つの好ましい実施形態においては、取り付け面積は、保持部の内面の表面積の20%より少なく、より好ましくは10%より少なく、さらに好ましくは保持部の横方向の幅の20%より少なく、より好ましくは10%より少ないのがよい。
【0029】
保持部6は、結合剤又は接着剤、超音波結合、熱結合、ピンニング、ステッチング、又は当該技術分野で知られているその他の取り付け技術、並びにこれらの組み合わせによって裏面シートに最小限に取り付けられることが好ましい。図3Bに示すように、障壁層36は、該障壁層が保持部の一部と考えられるように保持部6の下側38に固定することができ、障壁層36は、裏面シートの身体側面44に最小限に取り付けられる下側面48を有する。保持部6の裏面シート2と上面シート4への取り付けは、保持部6が上面シート4と裏面シート2を使用者の身体から遠ざかる方向に外向きに引き伸ばすことを可能にし、それにより上面シート4と保持部6との間に空きスペースを生じさせる。
【0030】
図4及び図4Aを参照すると、底部52と、両側の側部領域に沿って形成された一対のz字形折畳み部56、58又はプリーツを有する引き伸ばし可能な保持部50を含むものとして吸収性衣類の別の実施形態が示されている。保持部の折畳まれ重ねられた他の種々の構成は、本出願と同じ日に出願された「Absorbent Garment With Expandable Absorbent Element」と題する米国特許出願S/N第 号(代理人整理番号659−700)に示され及び説明されており、その開示内容の全体は引用によりここに組み入れられる。ここで用いられる「引き伸ばし可能」という用語は、例えば折畳むことによってその広がり又は面積を拡大すること又は増大させることを意味する。折畳み部の一番上の外方周辺縁60は、保持部の長さに沿って上面シートに取り付けられる。折畳み部58、56の内方折畳み縁62は、それらの間に開口部64を形成して、保持部50によって種々の体液を捕捉し吸収できるようにする。保持部50は、結合剤又は接着剤、超音波結合、熱結合、ピンニング、ステッチング、又は当該技術分野で知られているその他の取り付け技術、並びにこれらの組み合わせによって裏面シートに最小限に取り付けられることが好ましい。折畳まれた保持部50は、種々の体液及び排出物を吸収することができる付加的な表面積を与える。保持部50は、該保持部が裏面シートに対して自由に浮動するように、裏面シート2に直接取り付けられないことが好ましい。吸収性衣類に身体排出物が放出されるのに伴って、保持部50は、引き伸ばし可能な裏面シート2と共に、使用者の身体から遠ざかる方向に外向きに広がり、それにより、身体に対する上面シート4の位置に影響を及ぼすことなく、空隙容量を増大させる。上面シート4は、どんな折畳み部をももたず、裏面シートの保持部と相互に折り込まれず、むしろ使用者の身体に対してほぼ平らな状態を維持して快適なぴったりとしたフィット性をもたらすことが好ましい。
【0031】
図4Bを参照すると、障壁層66は、保持部50と裏面シート2との間に配置することができる。障壁層66は、裏面シート2と保持部50の折畳み部56、58の周りをラップするか又は相互に折り込むことができる横方向の縁68を含む。障壁層66は、保持部の一部と考えられるように保持部50に取り付けるか、又は裏面シート2に、或いはそれらの間を自由に浮動できるように取り付けることができる。
図5及び図5Aを参照すると、吸収性衣類の別の実施形態が示されている。この実施形態においては、保持部50の下側70、すなわち使用者の身体から遠ざかる方向に外向きに面する側が、裏面シートにさらに最小限に取り付けられる。保持部は、好ましくは縦方向位置42に沿って、より好ましくは保持部の中心線又は中央領域42に沿って最小限に取り付けられる。縦方向に延びる中央取り付け面積は、保持部の外側の衣類側の表面積の、すなわち保持部50の横方向の折畳まれない幅の30%より少ないことが好ましい。1つの好ましい実施形態においては、取り付け面積は、保持部の外面の表面積の、すなわち保持部の横方向の折畳まれない幅の20%より少なく、より好ましくは10%より少ないのがよい。
【0032】
保持部50は、結合剤又は接着剤、超音波結合、熱結合、ピンニング、ステッチング、又は当該技術分野で知られているその他の取り付け技術、並びにこれらの組み合わせによって裏面シート2に最小限に取り付けられることが好ましい。図5Bに示されるように、障壁層66は、該障壁層が保持部の一部と考えられるように保持部50の下側70に固定することができ、障壁層66は、裏面シート2の身体側面44に最小限に取り付けられる下側面72を有する。保持部の裏面シートへの取り付けは、保持部50が引き伸ばし可能な裏面シート2と共に上面シート4から遠ざかる方向に外向きに延びることを可能にし、それにより上面シート4と保持部50との間にスペースを生じさせる。
【0033】
図6及び図6Aを参照すると、吸収性衣類のさらに別の実施形態においては、保持部50の下側70、すなわち使用者の身体から遠ざかる方向に外向きに面する側が、裏面シートと上側74にさらに最小限に取り付けられるか、又は保持部50の身体側の面が上面シートの下側の面46に最小限に取り付けられる。上面シートは、使用者の身体から引き離せるように引き伸ばし可能であることが好ましい。保持部50は、好ましくは縦方向に延びる位置42に沿って、より好ましくは保持部の両側の側縁の中間にある上側及び下側の保持部の中心線に沿って最小限に取り付けられる。保持部の各側の縦方向に延びる中央取り付け面積は、内側の身体側の表面積の30%より少なく、或いは20%より少なく、好ましくは10%より少ないのがよく、保持部の外側の衣類側の表面積の、すなわち保持部50の横方向の折畳まれない幅の30%より少なく、或いは20%より少なく、好ましくは10%より少ないのがよい。1つの好ましい実施形態においては、取り付け面積は、保持部の外面の表面積の、すなわち保持部の横方向の折畳まれない幅の20%より少なく、より好ましくは10%より少ないのがよい。保持部50は、結合剤又は接着剤、超音波結合、熱結合、ピンニング、ステッチング、又は当該技術分野で知られているその他の取り付け技術、並びにこれらの組み合わせによって裏面シートに最小限に取り付けられることが好ましい。
【0034】
図6Bに示されるように、障壁層66は、該障壁層が保持部の一部と考えられるように保持部の下側70に固定することができ、障壁層は、裏面シート2の身体側面44に最小限に取り付けられる下側面72を有する。保持部の裏面シート2及び上面シート4への取り付けは、保持部が上面シートと裏面シートを使用者の身体から遠ざかる方向に外向きに引っ張って延びることを可能にし、それにより上面シートと使用者の身体との間に空隙スペースを生じさせる。
【0035】
図7−9Cを参照すると、使い捨て吸収性衣類の種々の別の実施形態が示されている。図7−図9Cの実施形態においては、吸収性複合材100は、一方の端116から他方の端118までの衣類の広がり全体に沿って縦方向に延びる。一対の前身体パネル108は、一方の端に隣接する吸収性複合材の両側の側部領域182に固定される内方縁180を有する。同様に、一対の背身体パネル208は、一方の端に隣接する吸収性複合材の両側の側部領域182に固定される内方縁280を有する。身体パネル108、208は、吸収性複合材から横方向外向きに延びて、耳部を形成する。
【0036】
締結タブ114は、背身体パネルの外方縁282に取り付けられ、且つそこから横方向に延びる。締結タブは、前身体パネルに、又は前身体パネルと背身体パネルとの両方に取り付けることができることを理解されたい。締結タブは、VELCRO(登録商標)締結システムのようなフックとループとの組合せから形成することができ、或いは、その片面に適用された接着剤又は他の結合剤を有することもできる。或いは、締結タブは、ボタン、スナップ、タイ、又は他の公知の締結装置を含むことができる。衣類を使用者に装着するときには、吸収性複合材の一方の端116における身体パネル208に固定された締結タブ114が、衣類の反対側の端における身体パネル108に係合されるか又は他の手法で結合される。この方法で固定されるときには、吸収性複合材の各側に開口部が形成され、吸収性複合材の周辺縁184はさらに、衣類の股領域に沿って開口部を定める。固定されたときには、前及び背身体パネル108、208が、両側の身体パネルを形成する。
前及び背身体パネルの外方縁220、282は、例えば、結合すること又は縫うことによって接続されて、パンツ状衣類のシームを形成する。或いは、前及び背身体パネルは、吸収性複合材の両側の端116、118に取り付けられた単一の側部パネルとして一体に形成することができる。
【0037】
本発明の特定の態様においては、身体パネル108、208のいずれか又は全ては、種々の坪量及び特性をもつ多種多様な材料から構成されてもよい。例えば、身体パネル材料は、編成又は他の織成布、不織布、ポリマーフィルム、ラミネート等、並びにそれらの組合せを含んでもよい。身体パネルは弾性材料から形成されることが好ましく、「弾性」という用語は、変形後にその寸法及び形状の少なくとも幾らかの程度を回復し、及び/又は収縮力を呈することができることを意味する。身体パネルはまた、引き伸ばし可能な材料から形成することもできる。個々の身体パネルの各々は、異なる材料から構成されてもよいし、実質的に同じ材料から構成されてもよいことが、すぐに認識されるであろう。
本発明の種々の構成においては、身体パネル材料の坪量は、少なくとも最小約10g/m2とすることができる。或いは、坪量は、少なくとも約20g/m2とすることができ、随意的には、改善された利点を与えるために、少なくとも約40g/m2とすることができる。さらなる態様においては、身体パネル材料の坪量は、最大約100g/m2より少ないものとすべきである。或いは、坪量は、約80g/m2より少ないものとすることができ、随意的には、改善された性能を与えるために、約60g/m2より少ないものとすることができる。
【0038】
本発明の異なる構成においては、身体パネル材料は、空気に対して実質的に透過性とされてもよいし、空気に対して実質的に不透過性とされてもよい。身体パネル材料はまた、実質的に液体透過性とされてもよいし、実質的に液体不透過性とされてもよい。特定の配置においては、身体パネル材料は、実質的に非エラストマー性であってもよい。他の態様においては、身体パネルは、少なくとも物品の横方向の幅に沿ってエラストマー的に伸ばすことができるエラストマー性材料を含むことができる。こうしたエラストマー性材料の例は、米国特許第5,336,545号に記載されたネック・ボンデッド・ラミネート(NBL)、米国特許第4,720,415号に記載されたストレッチ・ボンデッド・ラミネート(SBL)、ネック生成サーマルラミネート等、並びにこれらの組合せを含むことができる。こうしたラミネートは、布状の感触とエラストマー的な伸長性との改善された組合せを与えることができる。
【0039】
所望の構成においては、エラストマー性身体パネル材料は、少なくとも約3%、望ましくは少なくとも約5%のエラストマー的な伸長性を与えることができる。或いは、伸長性は、少なくとも約10%とすることができ、随意的には、改善された性能を与えるために少なくとも約20%とすることができる。他の態様においては、エラストマー的な伸長性は、約200%より少ないものとすることができ、望ましくは約100%より少ないものとすることができる。或いは、伸長性は、約50%より少ないものとすることができ、随意的には、改善された性能を与えるために、約30%より少ないものとすることができる。
エラストマー的な伸び又は他の伸長の割合は、次式に従って求めることができる。
100*((L−L0)/L0)
ここで、L=伸びた長さ、L0=最初の長さ、である。
さらに、伸長量は、適用される引張力の方向に対して垂直に計測された幅1インチ当たり100グラム重量の引張力がかけられた状態で求められる。
【0040】
吸収性複合材は、裏面シート102と、上面シート104と、それらの間に挟み込まれた保持部150とを含む。1つの好ましい実施形態においては、上面シート104と裏面シート102との各々は、複合材100の縦方向の広がりのほぼ全体にわたって延びる。弾性部材112は、好ましくは横方向の縁部132、134の少なくとも一部に沿って、より好ましくは少なくとも使用者の脚用の開口部の一部を形成する露出された側部領域に沿って、上面シート104と裏面シート102との間に固定される。裏面シートと上面シートは、上述の種々の材料の1つ又はそれ以上から形成されることが好ましい。
図7−図7Cに示された実施形態においては、裏面シート102、保持部150、及び上面シート104の各々は、両側の側部に沿って形成されたz字形の折畳み部128、126、156、158、190、192又はプリーツ30、54、194を含む。裏面シート、保持部、及び上面シート104の各々の折畳み部126、128、156、158、190、192は、互いに折り込まれることが好ましい。上面シート104と裏面シート102は、その各側の保持部150を越えて横方向に延びることが好ましい。
【0041】
最初に折畳まれ又は圧縮された構成においては、吸収性複合材100の横方向の幅は、最初の複合材の幅Cwiとして定められる。吸収性衣類が使用者によって取り付けられ又は着用される際に、身体パネル108、208は、その端116、118において吸収性複合材の横方向の縁184を横方向外向きの方向に引っ張る。それにより、身体パネルと吸収性複合材の端部は、使用者の身体のライン/輪郭に適合するように横方向外向きに広げられる。この構成においては、裏面シートと上面シートの互いに折り込まれた折り畳み部の少なくとも一部は、複合材の端116、118の各々に隣接して折畳まれない。使用者の身体の寸法に応じて、好ましくは、裏面シート102と上面シート104の端領域は、快適なぴったりとしたフィットをもたらすように、使用者の身体に対してほぼ平らに引っ張られる。身体パネル108、208は、衣類が様々な異なる身体の寸法に適合できるように、付加的な可撓性を与えることが好ましい。吸収性複合材の端が横方向に広げられるのと同時に、吸収性複合材の介在部すなわち股領域は、圧縮された構成のまま維持され、Cwiの幅をもつことが好ましい。
衣類に放出されたときに、吸収性複合材100の股領域198は、使用者の身体から離れる方向に下向きに広がって衣類の液体保持容量を増大させる。
【0042】
図7Cに示されるように、吸収性複合材の広げられた端116、118は、裏面シートの底部122と折畳み部126、128の幅の和にほぼ等しい複合材の幅を有する。吸収性複合材の最大のすなわち最終的な広げられた幅は、Cwfとして定められる。この場合には、吸収性複合材を広げることができる量、すなわちその拡張ファクタ(Cf)は、CwfとCwiとの間の差を最初の幅で割ること、すなわちCf=(Cwf−Cwi)/Cwiによって算出される。Cfは、0.1より大きいことが好ましい。
好ましい実施形態においては、吸収性衣類はさらに、吸収性複合材の端116、118に沿って固定される横方向に延びるウエスト弾性部材(図示せず)を含む。
【0043】
図8−図8Cを参照すると、吸収性衣類の別の実施形態が、裏面シートの外面302にわたって、裏面シート、上面シート、及び/又は身体パネルの1つ又はそれ以上に最小限に取り付けられた引き伸ばし可能なカバー300を含むものとして示されている。カバーは流体透過性であることが好ましく、裏面シートは障壁層として働くが、カバーは流体不透過性であってもよい。好ましくは、引き伸ばし可能なカバー300は、少なくとも裏面シートの縦方向の広がりに沿って裏面シート102の両側の側縁132に取り付けられた両側の横方向側縁304を有する。カバーは、上述の引き伸ばし可能な材料から形成されることが好ましい。この実施形態においては、流体不透過性の裏面シート102又は障壁層は、吸収性複合材の縦方向の広がりの全体に亘って延びずに、むしろカバー300と上面シート104より短いことが好ましい。引き伸ばし可能なカバー104は、使用者によって取り付けられるか又は着用されるまで、吸収性複合材100の圧縮された又は折畳まれた構成を維持する一助となる。さらに、引き伸ばし可能なカバー300は、衣類に連続的な布状のテキスチャーを与える。カバーの引き伸ばし性の割合は、複合材を横方向に広げることができる量に影響する。使用の際に、身体パネル108、208は、引き伸ばし可能な吸収性複合材100を横方向外向きに引っ張り、引き伸ばし可能なカバー300が吸収性複合材と共に伸び、それにより使用者の身体に対して適合する一方で、同時に衣類に布状のテキスチャーを生じさせる。引き伸ばし可能なカバーは、好ましくは、11.8g/cmの引張力がかけられたときに、少なくとも約1cmの伸びを与えることができるのがよい。引き伸ばし可能なカバー300はさらに、19.70g/cmの引張力がかけられ、次いで、かけられる力がゼロの状態で1分間弛緩されたときに、少なくとも約20%のほぼ恒久的な変形を与える。
【0044】
図9−図9Cに最も良く示されている吸収性複合材のさらに別の実施形態を参照すると、吸収性複合材100は、引き伸ばし可能な、折畳まれていない上面シート400を含む。この実施形態においては、上面シートは、下にある保持部と裏面シートが広がるのに伴って、吸収性衣類の端116、118に沿って横方向外向きに延びる。引き伸ばし可能な上面シート400は、裏面シート102とカバー300の外方の横方向縁132、304に最小限に取り付けられることが好ましい。引き伸ばし可能な上面シート400とカバー300との両方は、吸収性衣類の長さを定める縦方向の広がりをもち、裏面シートの端を超えて縦方向に延びる領域において、上面シート400及びカバー300は、非常に柔軟な、適合性のある、通気性の複合材を与える。衣類が使用者に着用されたときには、身体パネルは、吸収性複合材の端116、118を横方向外向きに引っ張り、引き伸ばし可能なカバーと上面シート400が伸びて使用者の身体に適合する。好ましくは、引き伸ばし可能な上面シート400は、11.8g/cmの引張力がかけられたときに、少なくとも約1cmの伸びを与えることができるのがよい。引き伸ばし可能な上面シート400はさらに、19.70g/cmの引張力がかけられ、次いで、かけられる力がゼロの状態で1分間弛緩されたときに、少なくとも約20%のほぼ恒久的な変形を与える。
【0045】
本発明は、好ましい実施形態に関連して説明されてきたが、当業者であれば、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、形式的に及び詳細に変更を加えてもよいことを認識するであろう。したがって、上記の詳細な説明は、制限するものではなく説明するものとみなされることが意図されており、その全ての均等物を含む特許請求範囲の請求項は、本発明の範囲を定めることが意図されている。
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、吸収性衣類、特に引き伸ばし可能な吸収体部分を有する吸収性衣類と、該衣類を製造し、用いる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
吸収性衣類、特に使い捨て吸収性衣類は、裏面シートと、吸収性保持部と、上面シート又はライナとを含むことが多く、保持部は裏面シートと上面シートとの間に挟み込まれる。ある使い捨て吸収性衣類は、裏面シート、保持部、及び上面シートの各々に形成され相互に折り込まれたプリーツを含む。プリーツは、衣類が液体を吸収するのに伴って広がり、なおかつ広がって使用者の身体を囲むように配置される。したがって、プリーツは、使用者の胴回りに適応するように配置しなければならず、その結果として、衣類の股領域にバンチングが生じることがある。したがって、こうした衣類は、使用者に嵩張り感を与える。さらに、使用者の身体に隣接して置かれる相互に折り込まれた上面シートの折畳み部は、使用者に途切れのない滑らかな表面を与えるのではなく、使用者を挟んだり拘束したりする。
他の吸収性衣類は、プリーツのついた裏面シート及び/又は上面シートのみを与え、単一層の保持部がそれらの間に挟み込まれる。このように、保持部は、種々の液体に適応し且つ衣類の吸収能力を増加させることができる付加的な折畳み部をもたない。したがって、上述のような通常の衣類は、所望のレベルのフィット性、吸収性及び製造の容易さをもたらすことができない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
手短に述べると、1つの態様においては、本発明は、縦方向に延び横方向に引き伸ばし可能であり且つ両側の端部と両側の側部領域とを有する吸収性複合材からなる吸収性衣類に向けられている。吸収性複合材は、裏面シートと、上面シートと、裏面シートと上面シートとの間に配置された保持部とを備える。1つの好ましい実施形態においては、裏面シートと保持部との各々は、両側の側部領域の少なくとも一方に沿って形成された少なくとも1つの折畳み部を備える。保持部の折畳み部は、裏面シートの折畳み部と互いに折り込まれる。一対の前身体パネルが、吸収性複合材の相対する端の一方に隣接する複合材の両側の側部領域に取り付けられる。一対の背身体パネルが、吸収性複合材の相対する端の他方に隣接する複合材の両側の側部領域に取り付けられる。好ましい実施形態においては、前身体パネルと背身体パネルは、接合されて一対の側部身体パネルを形成する。
【0004】
本発明の別の態様においては、吸収性衣類は、両側の側部領域を有する引き伸ばし可能な裏面シートと、両側の側部を有する液体透過性の上面シートと、両側の側縁と或る面積を定める外面とを有する保持部とを含む。保持部は、外面が裏面シートに面し、且つ裏面シート及び上面シートの両側の側部が該保持部の側縁を越えて延びるように、上面シートと裏面シートとの間に配置される。上面シートの両側の側部は、保持部の両側において、裏面シートの両側の側部に取り付けられる。裏面シートと上面シートの面積の好ましくは30%より少なく、より好ましくは10%より少ない部分が、取り付けられる。さらに、保持部の外面の面積の好ましくは30%より少なく、より好ましくは外面の面積の10%より少ない部分が、裏面シートに取り付けられる。1つの好ましい実施形態においては、上面シートは引き伸ばし可能である。別の好ましい実施形態においては、保持部の内面の好ましくは30%より少なく、より好ましくは内面の10%より少ない部分が、上面シートに取り付けられる。1つの好ましい実施形態においては、保持部は、裏面シート又は上面シートのいずれにも取り付けられず、むしろそれらの間で自由に浮動する。さらに別の好ましい実施形態においては、保持部は少なくとも1つの折畳み部を含む。好ましくは、裏面シート、より好ましくは裏面シートと上面シートは、脚開口部を形成するために取り付けられた耳部を有する。この場合には、裏面シートと上面シートは、付加的な身体パネルを必要とすることなく、吸収性衣類の全体を定める。
本発明の別の態様においては、種々の吸収性衣類で体液を吸収する方法が提供される。他の態様においては、吸収性衣類を組み立てる方法が提供される。
【0005】
本発明は、他の吸収性衣類とそれを使用し及び製造する方法を上回る目立った利点を与える。例えば、第1の態様においては、衣類複合材に取り付けられた身体パネルは、吸収性複合材の一部が使用者の自然な身体のラインに適合するように広がることを可能にする一方で、それと同時に、乾燥時の嵩張り感なしに、放出されたときに広がることができる股領域の高い吸収能力を与える。したがって、吸収性衣類は、使用者の衣服の下に見苦しいライン又は使用者の股領域に見苦しい膨らみをもたせずに、使用者に対して最大の快適さを与える。さらに、吸収性複合材は、別々の要素として効率良く及び低コストで製造することができ、その後に身体パネルに取り付けて低コストの組立体を与えることができる。
【0006】
さらに、別の態様においては、保持部は、引き伸ばし可能な裏面シート及び上面シートに最小限に取り付けられ、これは、保持部が使用者の身体と上面シートから遠ざかる方向に外向きに広がることを可能にする。広がることができる場合には、保持部は、その表面積と液体保持容積を増加させることができる一方で、同時に使用者に快適なフィット性を与える。本質において、引き伸ばし可能な裏面シートは、好ましくは引き伸ばし可能である保持部が、外向きに広がって、上面シートと保持部の身体側の面との間にスペースを生じさせることを可能にする。さらに、好ましくは裏面シート又は保持部に互いに折り込まれない上面シートは、使用者に対するぴったりとした快適なフィットを与える。最小限に取り付けられた保持部は、吸収性衣類が乾燥時に薄く狭くなるように作ることを可能にするが、保持部が湿潤時に上面シートから遠ざかる方向に広がることを可能にする。したがって、吸収性衣類は、使用者に対して改善されたフィット及び快適さを与える一方で、同時に最大の吸収力を与える。
本発明は、さらなる目的及び利点と共に、以下の詳細な説明を付属の図面と併せて読むことで最も良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】身体側から見た吸収性衣類の1つの好ましい実施形態の部分的に切り取られた平面図である。
【図1A】図1に示された吸収性衣類の1つの好ましい実施形態の概略的な断面図である。
【図1B】図1に示された吸収性衣類の別の好ましい実施形態の概略的な断面図である。
【図2】身体側から見た別の好ましい吸収性衣類の部分的に切り取られた平面図である。
【図2A】図2に示された吸収性衣類の1つの好ましい実施形態の概略的な断面図である。
【図2B】図2に示された吸収性衣類の別の好ましい実施形態の概略的な断面図である。
【図3】身体側から見た別の好ましい吸収性衣類の部分的に切り取られた平面図である。
【図3A】図3に示された吸収性衣類の1つの好ましい実施形態の概略的な断面図である。
【図3B】図3に示された吸収性衣類の別の好ましい実施形態の概略的な断面図である。
【図4】身体側から見た別の好ましい吸収性衣類の部分的に切り取られた平面図である。
【図4A】図4に示された吸収性衣類の1つの好ましい実施形態の概略的な断面図である。
【図4B】図4に示された吸収性衣類の別の好ましい実施形態の概略的な断面図である。
【図5】身体側から見た別の好ましい吸収性衣類の部分的に切り取られた平面図である。
【図5A】図5に示された吸収性衣類の1つの好ましい実施形態の概略的な断面図である。
【図5B】図5に示された吸収性衣類の別の好ましい実施形態の概略的な断面図である。
【図6】身体側から見た別の好ましい吸収性衣類の部分的に切り取られた平面図である。
【図6A】図6に示された吸収性衣類の1つの好ましい実施形態の概略的な断面図である。
【図6B】図6に示された吸収性衣類の別の好ましい実施形態の概略的な断面図である。
【図7】身体側から見た別の好ましい吸収性衣類の部分的に切り取られた平面図である。
【図7A】図7に示された吸収性衣類の線7A−7Aに沿って見た好ましい実施形態の概略的な断面図である。
【図7B】図7に示された吸収性衣類の線7B−7Bに沿って見た好ましい実施形態の概略的な断面図であり、吸収性複合材は広げられていない状態で示されている。
【図7C】図7に示された吸収性衣類の線7C−7Cに沿って見た別の好ましい実施形態の概略的な断面図であり、吸収性複合材は広げられた状態で示されている。
【図8】身体側から見た別の好ましい吸収性衣類の平面図である。
【図8A】図8に示された吸収性衣類の線8A−8Aに沿って見た好ましい実施形態の概略的な断面図である。
【図8B】図8に示された吸収性衣類の線8B−8Bに沿って見た好ましい実施形態の概略的な断面図であり、吸収性複合材は広げられていない状態で示されている。
【図8C】図8に示された吸収性衣類の線8C−8Cに沿って見た好ましい実施形態の概略的な断面図であり、吸収性複合材は広げられた状態で示されている。
【図9】身体側から見た別の好ましい吸収性衣類の平面図である。
【図9A】図9に示された吸収性衣類の線9A−9Aに沿って見た好ましい実施形態の概略的な断面図である。
【図9B】図9に示された吸収性衣類の線9B−9Bに沿って見た好ましい実施形態の概略的な断面図であり、吸収性複合材は広げられていない状態で示されている。
【図9C】図9に示された吸収性衣類の線9C−9Cに沿って見た好ましい実施形態の概略的な断面図であり、吸収性複合材は広げられた状態で示されている。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図面に描かれている多くの特徴及び寸法、特に構成材の層及びそれらの間のスペースの提示は、説明及び理解を容易にするために若干拡大されている。
ここで用いられる「縦方向」という用語は、長さ又は長さ方向、特に使用者の前と後ろの間に延びる方向の意味であるか又はそれに関連する。ここで用いられる「横方向」という用語は、側部から側部に、特に着用者の左から右に延びる方向に、位置されること、向けられること、又はその方向に延びることを意味する。ここで用いられる「上側」、「下側」、「内側」、及び「外側」という用語は、股領域の上に吸収性衣類を着用する使用者に対する方向を示すように意図されており、一方では、「内方」及び「外方」という用語は、衣類の中心線に対する方向のことをいう。例えば、「内側」及び「上側」という用語は、使用者の身体に最も近い側を意味する「身体側」のことをいい、一方では、「外側」及び「下側」という用語は、使用者によって着用される外側衣類に向けて使用者の身体から遠ざかる方向に面する側である「衣類側」のことをいう。
【0009】
図1から図3Bまでを参照すると、吸収性衣類は、裏面シート2と、上面シート4と、それらの間に配置され又は挟み込まれた保持部6とを含む。裏面シートは、液体不透過性であることが好ましいが、例えば保持部と共に障壁層が用いられるときには液体透過性であっても良い。例えば、一実施形態においては、裏面シートは、薄いプラスチックフィルムか、又は他の可撓性のほぼ液体不透過性の材料から形成することができる。ここで用いられる「可撓性の」という用語は、応従性があり使用者の身体の大まかな形状及び輪郭に容易に適合する材料を意味する。裏面シートは、種々の体液及び排出物が、種々の寝具又は使用者によって吸収性衣類の上に着用される他の外側衣類を汚すのを防ぐ。特に、裏面シートは、約0.012mmから約0.051mmまでの厚さを有するポリエチレンフィルムのようなフィルムを含むことができる。別の代替的構成においては、裏面シートは、吸収性保持部に隣接する又はその近位にある選択された領域に所望のレベルの液体不透過性を付与するために部分的に又は全体的に処理されるか又は構成された、織成又は不織繊維性ウェブ層から形成することができる。例えば、裏面シートは、気体透過性又は気体不透過性とすることができるポリマーフィルム層にラミネートされた気体透過性の不織布層を含んでも良い。他の繊維性の布状裏面シート材料の例は、厚さ0.6ミル(0.015mm)のポリプロピレン及び/又はポリエチレンキャストフィルムと、0.7オンス毎平方ヤード(23.8gsm)のポリプロピレンスパンボンド材料(2デニール繊維)とからなる、伸ばして薄くされた又はストレッチサーマルラミネート材料を含むことができる。この種の材料は、キンバリー・クラーク社から市販されているHUGGIES(登録商標)ウルトラトリム使い捨ておむつの外側カバーを形成するのに使用されている。裏面シート2は、典型的には、物品の外側カバーを与える。しかしながら、随意的には、物品は、裏面シートに対する付加物である別個の外側カバー構成部材を含んでも良い。或いは、裏面シートと外側カバーは、伸ばせる弾性材料から形成することができ、この「弾性」という用語は、変形後にその寸法及び形状を回復し及び/又は収縮力を呈することが可能なことを意味する。
【0010】
裏面シートは、本質的に水蒸気透過性の材料か、又は水蒸気のようなガスを吸収性衣類から逃がす一方で、液体排出物が裏面シートを通過することを実質的に防ぐ微孔性の「通気性」材料を含んでも良い。例えば、通気性の裏面シートは、所望のレベルの液体不透過性を付与するために被覆されるか又は他の手法で改良された微孔性ポリマーフィルムか又は不織布から構成されてもよい。例えば、適切な微孔性フィルムは、日本の東京所在の三井東圧化学株式会社から市販されているPMP−1材料か、又はミネソタ州ミネアポリス所在の3M社から市販されているXKO−8044ポリオレフィンフィルムとすることができる。裏面シートはまた、より美的に感じの良い外観をもたらすために、エンボス加工されるか、又は他の手法でパターンを形成されるか、或いはマット仕上げされてもよい。本発明の種々の構成においては、裏面シート2のような構成材が、気体透過性である一方で水性液体に対する抵抗性及び制限された透過性をもつように構成される場合には、液体抵抗性の構成材は、実質的にそれを通して漏らすことなく、選択された水頭圧の水を支持できる構造をもつことが可能である。液体の透過に対する材料の抵抗性を求めるのに適した技術は、連邦試験方法標準規格FTMS191方法5514、1978か又はその均等物である。
【0011】
1つの好ましい実施形態においては、裏面シート2は、液体と半液体材料に対しては、例えば尿及び便を含む排出物として定義される排出物質の望ましくない漏れを実質的に防ぐのに十分なだけ不透過性である。例えば、裏面シート部材は、実質的に漏らさずに少なくとも約45センチメートル(cm)の水頭圧を望ましくは支持することができる。或いは、裏面シート部材2は、少なくとも約55cmの水頭圧を支持することができ、随意的には、改善された利点を与えるために、少なくとも約60cm又はそれ以上の水頭圧を支持することができる。
【0012】
裏面シート2は、引き伸ばし可能であることが好ましく、これは、引張力がかけられたときに、広がることができる、すなわち選択された伸びを与えることができることを意味する。裏面シートはまた、引張力がかけられ、次いで弛緩されたときに、引張力の除去の直後から始まる選択された時間だけ、選択された持続的変形をもたらすことができることが好ましい。持続的変形は、ほぼ恒久的な変形であることが好ましい。選択された伸びと持続的変形は、衣類の少なくとも横断面方向に沿って生じることが好ましいが、縦方向又はその両方向に沿って生じてもよいことを理解されたい。1つの好ましい実施形態においては、裏面シートは、11.8g/cmの引張力がかけられたときに少なくとも約1cmの伸びを与え、さらに、19.70g/cmの引張力がかけられ、次いで、かけられる負荷がゼロの状態で1分間弛緩されたときに、少なくとも約20%のほぼ恒久的な変形を与えることができる。種々の引き伸ばし可能な材料が、1999年2月12日付けの「Expandable Cover Garment」と題する米国特許出願S/N09/249,434号に説明されており、その開示内容の全体が、引用によりここに組み入れられる。
例えば、引き伸ばし可能な裏面シートは、ネック生成布、クレープ加工布、マイクロプリーツ加工布、ポリマーフィルム等、並びにこれらの組み合わせから構成することができる。布は、織成材料か又はスパンボンド布のような不織材料であってもよい。適した引き伸ばし可能な材料の一例は、約1.2osyの坪量を有する60%ネック生成ポリプロピレンスパンボンドである。ネック生成ポリプロピレンスパンボンドは、米国特許第4,965,122号に記載されている。
【0013】
上面シート4は、応従性があり、柔軟な感触で、着用者の皮膚に刺激を与えない身体対向面を与える。さらに、上面シート4は、保持部6より親水性の低いものとすることができ、液体透過性となって液体がその厚みを通して容易に浸透して保持部に到達できるようにするのに十分なだけ多孔性にされる。適当な上面シート層4は、多孔性発泡体、網状発泡体、穿孔プラスチックフィルム、天然繊維(例えば木材又は綿繊維)、合成繊維(例えばポリエステル又はポリプロピレン繊維)、或いは天然繊維と合成繊維との組合せといったウェブ材料の幅広い選択肢から製造することができる。上面シート層4は、典型的には、着用者の皮膚を保持部に収容された液体から隔離する一助とするために用いられる。
上面シート4に種々の織布及び不織布を用いることができる。例えば、上面シートは、所望の繊維のメルトブローン又はスパンボンデッドウェブから構成されてもよく、ボンデッド・カーデッド・ウェブであってもよい。種々の布を、天然繊維、合成繊維又はこれらの組合せから構成することができる。
本明細書の目的においては、「不織ウェブ」という用語は、テキスタイル織成又は編成工程の助けを借りずに形成された繊維性材料のウェブを意味する。「布」という用語は、織成繊維性ウェブ、編成繊維性ウェブ及び不織繊維性ウェブの全てを指すのに用いられる。
【0014】
上面シート布は、実質的に疎水性の材料から構成されてもよく、疎水性材料は、随意的に、所望のレベルの湿潤性及び親水性を付与するために、界面活性剤で処理されるか又は他の手法で加工されてもよい。本発明の特定的な実施形態においては、上面シート4は、約2.8−3.2デニールの繊維が、約22gsmの坪量と約0.06gm/ccの密度をもつウェブに形成されたものからなるスパンボンドポリプロピレン不織布である。布は、約0.28%のトリトンX−102界面活性剤のような有効な量の界面活性剤で表面処理することができる。界面活性剤は、スプレーすること、印刷すること、ブラシコーティングすること等のような通常の手段のいずれかによって適用することができる。
以下に説明する種々の実施形態においては、上面シートは、裏面シートについて上述されたような引き伸ばし可能な材料から形成することができる。
【0015】
保持部6は、使用者によって排出され又は分泌された液体を吸収するのに伴って膨潤するか又は膨張する傾向があるどんな吸収体材料とすることもできる。例えば、吸収体材料は、繊維が空気形成された空気堆積及び/又は湿式堆積複合材と、超吸収体と呼ばれる高吸収体材料とから形成することができる。超吸収体は、典型的には、ノースカロライナ州グリーンズボロ所在のStockhausen社から市販されているFAVOR880のようなポリアクリル酸から形成される。繊維は、Alliance CR−1654のようなフラフパルプ材料か、又は架橋パルプ、硬木、軟木、及び合成繊維の組合せのいずれかとすることができる。空気堆積及び湿式堆積構造は、典型的には、構造を安定化させるのに用いられる結合剤を含む。さらに、種々の発泡体、吸収性フィルム、及び超吸収性布は、吸収体材料として用いることができる。
【0016】
1つの好ましい実施形態においては、吸収体材料は、例えば空気堆積吸収体における熱可塑性バインダ繊維と共に形成されるもの、例えばパルプ、二成分結合繊維、及び超吸収体を含む、折畳まれた領域においてより高い密度を有する比較的高い内部一体性をもつ繊維性吸収体材料から形成される。これらの領域における密度がより高くなり、その結果として毛管寸法がより小さくなると、液体の良好な吸上げが促進される。良好な吸上げによって、吸収体材料のより多くの使用が促進され、その結果として、液体を吸収したときに吸収体材料の全体にわたってより均一に膨潤する傾向がある。
【0017】
種々のタイプの湿潤可能な親水性繊維性材料を用いて、吸収体の構成材部品、特に保持部6を形成することができる。適切な繊維の例は、セルロース繊維のような本質的に湿潤性の材料からなる天然由来の有機繊維、レーヨン繊維のようなセルロース又はセルロース誘導体からなる合成繊維、ガラス繊維のような本質的に湿潤性の材料からなる無機繊維、特定のポリエステル又はポリアミド繊維のような本質的に湿潤性の熱可塑性ポリマーから形成された合成繊維、及び適切な手段によって親水性にされたポリプロピレン繊維のような非湿潤性の熱可塑性ポリマーからなる合成繊維を含む。繊維は、例えばシリカで処理すること、適切な親水性部分をもち且つ繊維から容易に除去できない材料によって処理すること、或いは、繊維の形成中又は形成後に非湿潤性の疎水性繊維を親水性ポリマーで鞘状に包むことによって、親水性にすることができる。本発明の目的においては、上述の種々のタイプの繊維の選択されたブレンドを用いても良いことが考慮されている。
【0018】
ここで用いられる「親水性」という用語は、繊維に接触する水性液体によって湿潤される繊維又は繊維の表面を表す。材料の湿潤度は、関係する液体と材料の接触角及び表面張力によって説明することができる。特定の繊維材料の湿潤性を測定するのに適した装置及び技術は、Cahn SFA−222表面力分析器システム又はこれと実質的に同等なシステムによって与えられる。このシステムで測定する場合は、90度より小さい接触角を有する繊維は「湿潤性」すなわち親水性を示し、90度に等しいか又はそれより大きい接触角を有する繊維は「非湿潤性」すなわち疎水性を示す。
【0019】
特定の配置においては、吸収体の保持部6は、超吸収体ヒドロゲル形成粒子と合成ポリマーメルトブローン繊維との混合物か、又は超吸収体粒子が天然繊維及び/又は合成ポリマー繊維のブレンドからなる繊維性コフォーム材料と混合されたものから構成されてもよい。超吸収体粒子は、親水性繊維と実質的に均一に混合されてもよいし、不均一に混合されてもよい。例えば、超吸収体粒子の濃度は、吸収性複合材の身体側に向かうにつれて濃度が低くなり、吸収性構造体の外側に向かうにつれて濃度が比較的高くなるように、吸収性構造体の厚さ(z−方向)の大部分にわたって非階段状の勾配をもつように構成してもよい。適切なz−勾配構成は、Kellenberger他の1987年8月13日付けの米国特許第4,699,823号に記載されており、その開示内容の全ては、本開示に一致する(不一致ではない)という意味で引用することによりここに組み入れられる。或いは、超吸収体粒子の濃度は、吸収性複合材の身体側に向かうにつれて濃度が高くなり、吸収性構造体の外側に向かうにつれて濃度が比較的低くなるように、吸収性構造体の厚さ(z−方向)の大部分にわたって非階段状の勾配をもつように構成してもよい。超吸収体粒子はまた、親水性繊維のマトリックス内にほぼ個別の層状に配置されても良い。さらに、2つ又はそれ以上の異なるタイプの超吸収体を、繊維マトリックス内に又はそれに沿う異なる位置に選択的に配置しても良い。
【0020】
高吸収体材料は、超吸収体のような吸収性ゲル化材料を含んでも良い。吸収性ゲル化材料は、天然、合成、及び修飾天然ポリマー及び材料とすることができる。さらに、さらに、吸収性ゲル化材料は、シリカゲルのような無機材料か、又は架橋ポリマーのような有機化合物とすることができる。「架橋」という用語は、通常水溶性の材料を、効果的に、実質的に非水溶性かつ水膨潤性にするための何らかの手段を指す。こうした手段は、例えば、物理的交絡、結晶ドメイン、共有結合、イオン結合型錯体及び会合、水素結合のような親水性会合、及び疎水性会合すなわちファンデルワールス力を含む。
【0021】
合成吸収性ゲル化材料ポリマーの例は、ポリ(アクリル酸)及びポリ(メタクリル酸)のアルカリ金属及びアンモニウム塩、ポリ(アクリルアミド)、ポリ(ビニルエーテル)、ビニルエーテルとα−オレフィンとの無水マレイン酸共重合体、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(ビニルモルフォリノン)、ポリ(ビニルアルコール)、並びにこれらの混合物及び共重合体を含む。吸収体に使用するのに適した他のポリマーは、加水分解されたアクリロニトリル・グラフトでんぷん、アクリル酸グラフトでんぷん、メチルセルロース、キトサン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースのような天然高分子及び改質された天然高分子と、アルギン酸塩、キサンタンガム、イナゴマメガムなどのような天然ガムとを含む。天然の吸収性ポリマーと完全に又は部分的に合成された吸収性ポリマーとの混合物も本発明において有用となり得る。その他の好適な吸収性ゲル化材料は、1975年8月26日付けのAssarsson他の米国特許第3,901,236号に開示されている。合成吸収性ゲル化ポリマーを調製するプロセスは、1978年2月28日付けのマスダ他の米国特許第4,076,663号と、1981年8月25日付けのツバキモト他の米国特許第4,286,082号に開示されている。
【0022】
既に説明したように、吸収体に用いられる高吸収体材料は、通常は個々の粒子の形態である。この粒子は、例えば、渦巻き、半渦巻き、立方体、棒状、多面体などの所望の形状のいずれとすることもできる。針、フレーク、及び繊維のような大きい方の寸法と小さい方の寸法との比が大きい形状も、ここでの使用が考慮される。吸収性ゲル化材料の粒子の集合体も、吸収体に使用することができる。使用に望ましいのは、平均粒径が約20マイクロメートルから約1ミリメートルまでの粒子である。
親水性繊維と高吸収性粒子は、約50−1500gsmの範囲内の平均複合坪量をなすように構成することができる。本発明の特定の態様においては、平均複合坪量は、約2000−1200gsmの範囲内であり、或いは、所望の性能を与えるために約500−800gsmの範囲内とされる。さらに、高吸収性粒子の比率は、約0から約100%までの範囲にわたることができ、繊維性材料の比率は約0から約100%までである。また、英国リンカンシャー州グリムズビー所在のTechnical Absorbent Ltd.から入手可能なOasis Type121及びType122超吸収体繊維のような高吸収性繊維を用いることができる。
吸収性衣類はさらに、吸収性衣類に一般的に知られ及び用いられている種々のラップシート、サージ層、及び他の構成材を含むことができることを理解されたい。
【0023】
図1−図3Bを参照すると、裏面シート2と上面シート4は、縦方向及び横方向に延び、吸収性衣類の長さ及び幅を定めることが好ましい。他の実施形態においては、衣類は、種々のウエストバンド又は身体パネル、或いは裏面シート及び上面シートの端に固定された他の構成材を含んでも良い。裏面シートと上面シートの各々は、吸収性衣類の各端において横方向外側に延びる耳部8と、耳部8の間に延びる凹形の周辺側縁10を有する。好ましくは、弾性部材12は、周辺側縁に沿って固定される。弾性部材は、使用者の脚部にガスケットを形成することが好ましい。弾性部材はまた、衣類のウエストバンド領域の周りに固定することができる。
【0024】
好ましくは、この実施形態においては、それらの間に配置される保持部をもつ、裏面シートと上面シートとの組み合せが、付加的な身体パネルなしに、衣類全体を構成するか、或いは衣類の形状又は計画表面積を定める。もちろん、外側カバーを含む他の層を裏面シートと表面シートとの間に固定するか又は挟み込むことができることを理解されたい。締結タブ14は、衣類の一方の端における耳部の両端に取り付けられ、且つそこから横方向に延びる。締結タブは、VELCRO(登録商標)締結システムのようなフック及び/又はループを備えることもできるし、その片面に適用された接着剤又は他の結合剤を有することもできる。或いは、締結タブは、ボタン、スナップ、タイ、又は他の公知の締結装置を含むことができる。衣類を使用者に装着するときには、衣類の一方の端16における耳部8に固定された締結タブ14が、衣類の反対側の端18における耳部8に係合されるか又は他の手法で結合される。この方法で固定されるときには、衣類の各側に凹形の周辺縁10に沿って開口部が形成され、使用者の脚を受け入れる形状にされる。
耳部は、それらの外方縁20の各々に沿って別の手法で固定して側部シームを形成することができ、そのとき衣類は、脚開口部を通して使用者の身体に対して穿かせたり脱がせたりされるパンツとして構成されることを理解されたい。
【0025】
図1−図3Bに示されるように、縦方向に延びる保持部6は、吸収性衣類の全長にわたって延びないことが好ましい。
図1Aを参照すると、裏面シート2は引き伸ばし可能であることが好ましい。裏面シートの外方周辺縁32は、裏面シートが上面シートに最小限に取り付けられるように、外方周辺縁34に沿って上面シート4に固定される。好ましい実施形態においては、裏面シート2と上面シート4との間の取り付け部のみが、側部の外方縁32、34に沿う。もちろん、裏面シートと上面シートは、他の領域に沿って、例えば吸収性衣類の端に沿って最小限に取り付けることもできることを理解されたい。制限された取り付けは、種々の体液及び排出物が放出された後に保持部が膨潤するのに伴って、上面シートによって制限されることなく、引き伸ばし可能な裏面シートが使用者の身体から遠ざかる方向に外向きに延びることを可能にする。裏面シートと上面シートは、結合剤又は接着剤、超音波結合、熱結合、ピンニング、ステッチング、又は当該技術分野で知られているその他の取り付け技術、並びにこれらの組み合わせによって最小限に取り付けることができる。好ましくは、取り付け部の面積は、裏面シート2か又は上面シート4のいずれかの面積の30%より少なく、もっと好ましくは、裏面シート2か又は上面シート4のいずれかの面積の20%より少なく、もっとも好ましくは、裏面シート2か又は上面シート4のいずれかの面積の10%より少ない。図1−図1Bの好ましい実施形態に示されるように、保持部6は、裏面シートか又は上面シートのいずれかに取り付けられず、むしろそれらの間に自由に浮動する状態で単に挟み込まれることが好ましい。
【0026】
図1Bを参照すると、吸収性衣類はさらに、使用者の身体から遠ざかる方に面する保持部の側部38に固定された障壁層36を備え、障壁層は、保持部の一部と考えられる。同様に、保持部はまた、例えば及び限定的な意味ではなく、種々のティッシュ、障壁又はサージ層を含む吸収体材料の内側の身体側又は外側の衣類側の一方又は両方に固定された他の層を含んでも良いことを理解されたい。障壁層36は、液体不透過性であることが好ましく、裏面シートについて上述されたのと同じ材料から形成することができる。障壁層36は、縦方向及び横方向の両方において保持部を越えて延びることが好ましい。図2及び図2Aを参照すると、吸収性衣類の別の実施形態が示されている。この実施形態においては、保持部6の外側又は下側38、すなわち使用者の身体から遠ざかる方向に外側に面する衣類側は、裏面シート2に最小限に取り付けられる。好ましくは、保持部6は、縦方向位置42に沿って、より好ましくは保持部6の中心線又は中央領域に沿って最小限に取り付けられる。上面シート4と裏面シート2はまた、保持部6の端を越える縦方向の広がり42に沿って、好ましくは上述のような取り付け面積の割合で最小限に取り付けることができる。好ましくは、縦方向に延びる中央取り付け面積は、保持部の外面の表面積の30%より少なく、さらに好ましくは、保持部の横方向の幅の30%より少ないのがよい。1つの好ましい実施形態においては、取り付け面積は、保持部の外面の表面積の20%より少なく、より好ましくは10%より少なく、さらに好ましくは保持部の横方向の幅の20%より少なく、より好ましくは10%より少ないのがよい。
【0027】
保持部は、結合剤又は接着剤、超音波結合、熱結合、ピンニング、ステッチング、又は当該技術分野で知られているその他の取り付け技術、並びにこれらの組み合わせによって裏面シートに最小限に取り付けられることが好ましい。図2Bに示すように、障壁層36は、該障壁層が保持部の一部と考えられるように保持部6の下側38に固定することができ、障壁層36は、好ましくは上述の取り付け面積の割合で裏面シート2の身体側面44に最小限に取り付けられる下側面48を有する。保持部6の裏面シート2への取り付けは、保持部6が裏面シート2と共に上面シート4から遠ざかる方向に外向きに延びることを可能にし、それにより上面シート4と保持部6との間にスペースを生じさせる。
【0028】
図3及び図3Aを参照すると、吸収性衣類のさらに別の実施形態においては、保持部の下側38、すなわち使用者の身体から遠ざかる方向に外向きに面する側が、上述のように裏面シート2に最小限に取り付けられ、上側40、すなわち保持部6の身体側の面が上面シート4の下側面46に最小限に取り付けられる。上面シート4は、使用者の身体から引き離すことができるように、引き伸ばし可能であることが好ましい。引き伸ばし可能な上面シートは、上述の引き伸ばし可能な材料から形成されることが好ましい。好ましくは、保持部6は、縦方向に延びる位置42に沿って、より好ましくは上部側40及び下部側38における保持部の中心線に沿って、裏面シートと上面シートに最小限に取り付けられる。好ましくは、保持部と上面シートとの間の縦方向に延びる中央取り付け面積は、保持部の内側の身体側面の表面積の30%より少なく、さらに好ましくは、保持部の横方向の幅の30%より少ない。1つの好ましい実施形態においては、取り付け面積は、保持部の内面の表面積の20%より少なく、より好ましくは10%より少なく、さらに好ましくは保持部の横方向の幅の20%より少なく、より好ましくは10%より少ないのがよい。
【0029】
保持部6は、結合剤又は接着剤、超音波結合、熱結合、ピンニング、ステッチング、又は当該技術分野で知られているその他の取り付け技術、並びにこれらの組み合わせによって裏面シートに最小限に取り付けられることが好ましい。図3Bに示すように、障壁層36は、該障壁層が保持部の一部と考えられるように保持部6の下側38に固定することができ、障壁層36は、裏面シートの身体側面44に最小限に取り付けられる下側面48を有する。保持部6の裏面シート2と上面シート4への取り付けは、保持部6が上面シート4と裏面シート2を使用者の身体から遠ざかる方向に外向きに引き伸ばすことを可能にし、それにより上面シート4と保持部6との間に空きスペースを生じさせる。
【0030】
図4及び図4Aを参照すると、底部52と、両側の側部領域に沿って形成された一対のz字形折畳み部56、58又はプリーツを有する引き伸ばし可能な保持部50を含むものとして吸収性衣類の別の実施形態が示されている。保持部の折畳まれ重ねられた他の種々の構成は、本出願と同じ日に出願された「Absorbent Garment With Expandable Absorbent Element」と題する米国特許出願S/N第 号(代理人整理番号659−700)に示され及び説明されており、その開示内容の全体は引用によりここに組み入れられる。ここで用いられる「引き伸ばし可能」という用語は、例えば折畳むことによってその広がり又は面積を拡大すること又は増大させることを意味する。折畳み部の一番上の外方周辺縁60は、保持部の長さに沿って上面シートに取り付けられる。折畳み部58、56の内方折畳み縁62は、それらの間に開口部64を形成して、保持部50によって種々の体液を捕捉し吸収できるようにする。保持部50は、結合剤又は接着剤、超音波結合、熱結合、ピンニング、ステッチング、又は当該技術分野で知られているその他の取り付け技術、並びにこれらの組み合わせによって裏面シートに最小限に取り付けられることが好ましい。折畳まれた保持部50は、種々の体液及び排出物を吸収することができる付加的な表面積を与える。保持部50は、該保持部が裏面シートに対して自由に浮動するように、裏面シート2に直接取り付けられないことが好ましい。吸収性衣類に身体排出物が放出されるのに伴って、保持部50は、引き伸ばし可能な裏面シート2と共に、使用者の身体から遠ざかる方向に外向きに広がり、それにより、身体に対する上面シート4の位置に影響を及ぼすことなく、空隙容量を増大させる。上面シート4は、どんな折畳み部をももたず、裏面シートの保持部と相互に折り込まれず、むしろ使用者の身体に対してほぼ平らな状態を維持して快適なぴったりとしたフィット性をもたらすことが好ましい。
【0031】
図4Bを参照すると、障壁層66は、保持部50と裏面シート2との間に配置することができる。障壁層66は、裏面シート2と保持部50の折畳み部56、58の周りをラップするか又は相互に折り込むことができる横方向の縁68を含む。障壁層66は、保持部の一部と考えられるように保持部50に取り付けるか、又は裏面シート2に、或いはそれらの間を自由に浮動できるように取り付けることができる。
図5及び図5Aを参照すると、吸収性衣類の別の実施形態が示されている。この実施形態においては、保持部50の下側70、すなわち使用者の身体から遠ざかる方向に外向きに面する側が、裏面シートにさらに最小限に取り付けられる。保持部は、好ましくは縦方向位置42に沿って、より好ましくは保持部の中心線又は中央領域42に沿って最小限に取り付けられる。縦方向に延びる中央取り付け面積は、保持部の外側の衣類側の表面積の、すなわち保持部50の横方向の折畳まれない幅の30%より少ないことが好ましい。1つの好ましい実施形態においては、取り付け面積は、保持部の外面の表面積の、すなわち保持部の横方向の折畳まれない幅の20%より少なく、より好ましくは10%より少ないのがよい。
【0032】
保持部50は、結合剤又は接着剤、超音波結合、熱結合、ピンニング、ステッチング、又は当該技術分野で知られているその他の取り付け技術、並びにこれらの組み合わせによって裏面シート2に最小限に取り付けられることが好ましい。図5Bに示されるように、障壁層66は、該障壁層が保持部の一部と考えられるように保持部50の下側70に固定することができ、障壁層66は、裏面シート2の身体側面44に最小限に取り付けられる下側面72を有する。保持部の裏面シートへの取り付けは、保持部50が引き伸ばし可能な裏面シート2と共に上面シート4から遠ざかる方向に外向きに延びることを可能にし、それにより上面シート4と保持部50との間にスペースを生じさせる。
【0033】
図6及び図6Aを参照すると、吸収性衣類のさらに別の実施形態においては、保持部50の下側70、すなわち使用者の身体から遠ざかる方向に外向きに面する側が、裏面シートと上側74にさらに最小限に取り付けられるか、又は保持部50の身体側の面が上面シートの下側の面46に最小限に取り付けられる。上面シートは、使用者の身体から引き離せるように引き伸ばし可能であることが好ましい。保持部50は、好ましくは縦方向に延びる位置42に沿って、より好ましくは保持部の両側の側縁の中間にある上側及び下側の保持部の中心線に沿って最小限に取り付けられる。保持部の各側の縦方向に延びる中央取り付け面積は、内側の身体側の表面積の30%より少なく、或いは20%より少なく、好ましくは10%より少ないのがよく、保持部の外側の衣類側の表面積の、すなわち保持部50の横方向の折畳まれない幅の30%より少なく、或いは20%より少なく、好ましくは10%より少ないのがよい。1つの好ましい実施形態においては、取り付け面積は、保持部の外面の表面積の、すなわち保持部の横方向の折畳まれない幅の20%より少なく、より好ましくは10%より少ないのがよい。保持部50は、結合剤又は接着剤、超音波結合、熱結合、ピンニング、ステッチング、又は当該技術分野で知られているその他の取り付け技術、並びにこれらの組み合わせによって裏面シートに最小限に取り付けられることが好ましい。
【0034】
図6Bに示されるように、障壁層66は、該障壁層が保持部の一部と考えられるように保持部の下側70に固定することができ、障壁層は、裏面シート2の身体側面44に最小限に取り付けられる下側面72を有する。保持部の裏面シート2及び上面シート4への取り付けは、保持部が上面シートと裏面シートを使用者の身体から遠ざかる方向に外向きに引っ張って延びることを可能にし、それにより上面シートと使用者の身体との間に空隙スペースを生じさせる。
【0035】
図7−9Cを参照すると、使い捨て吸収性衣類の種々の別の実施形態が示されている。図7−図9Cの実施形態においては、吸収性複合材100は、一方の端116から他方の端118までの衣類の広がり全体に沿って縦方向に延びる。一対の前身体パネル108は、一方の端に隣接する吸収性複合材の両側の側部領域182に固定される内方縁180を有する。同様に、一対の背身体パネル208は、一方の端に隣接する吸収性複合材の両側の側部領域182に固定される内方縁280を有する。身体パネル108、208は、吸収性複合材から横方向外向きに延びて、耳部を形成する。
【0036】
締結タブ114は、背身体パネルの外方縁282に取り付けられ、且つそこから横方向に延びる。締結タブは、前身体パネルに、又は前身体パネルと背身体パネルとの両方に取り付けることができることを理解されたい。締結タブは、VELCRO(登録商標)締結システムのようなフックとループとの組合せから形成することができ、或いは、その片面に適用された接着剤又は他の結合剤を有することもできる。或いは、締結タブは、ボタン、スナップ、タイ、又は他の公知の締結装置を含むことができる。衣類を使用者に装着するときには、吸収性複合材の一方の端116における身体パネル208に固定された締結タブ114が、衣類の反対側の端における身体パネル108に係合されるか又は他の手法で結合される。この方法で固定されるときには、吸収性複合材の各側に開口部が形成され、吸収性複合材の周辺縁184はさらに、衣類の股領域に沿って開口部を定める。固定されたときには、前及び背身体パネル108、208が、両側の身体パネルを形成する。
前及び背身体パネルの外方縁220、282は、例えば、結合すること又は縫うことによって接続されて、パンツ状衣類のシームを形成する。或いは、前及び背身体パネルは、吸収性複合材の両側の端116、118に取り付けられた単一の側部パネルとして一体に形成することができる。
【0037】
本発明の特定の態様においては、身体パネル108、208のいずれか又は全ては、種々の坪量及び特性をもつ多種多様な材料から構成されてもよい。例えば、身体パネル材料は、編成又は他の織成布、不織布、ポリマーフィルム、ラミネート等、並びにそれらの組合せを含んでもよい。身体パネルは弾性材料から形成されることが好ましく、「弾性」という用語は、変形後にその寸法及び形状の少なくとも幾らかの程度を回復し、及び/又は収縮力を呈することができることを意味する。身体パネルはまた、引き伸ばし可能な材料から形成することもできる。個々の身体パネルの各々は、異なる材料から構成されてもよいし、実質的に同じ材料から構成されてもよいことが、すぐに認識されるであろう。
本発明の種々の構成においては、身体パネル材料の坪量は、少なくとも最小約10g/m2とすることができる。或いは、坪量は、少なくとも約20g/m2とすることができ、随意的には、改善された利点を与えるために、少なくとも約40g/m2とすることができる。さらなる態様においては、身体パネル材料の坪量は、最大約100g/m2より少ないものとすべきである。或いは、坪量は、約80g/m2より少ないものとすることができ、随意的には、改善された性能を与えるために、約60g/m2より少ないものとすることができる。
【0038】
本発明の異なる構成においては、身体パネル材料は、空気に対して実質的に透過性とされてもよいし、空気に対して実質的に不透過性とされてもよい。身体パネル材料はまた、実質的に液体透過性とされてもよいし、実質的に液体不透過性とされてもよい。特定の配置においては、身体パネル材料は、実質的に非エラストマー性であってもよい。他の態様においては、身体パネルは、少なくとも物品の横方向の幅に沿ってエラストマー的に伸ばすことができるエラストマー性材料を含むことができる。こうしたエラストマー性材料の例は、米国特許第5,336,545号に記載されたネック・ボンデッド・ラミネート(NBL)、米国特許第4,720,415号に記載されたストレッチ・ボンデッド・ラミネート(SBL)、ネック生成サーマルラミネート等、並びにこれらの組合せを含むことができる。こうしたラミネートは、布状の感触とエラストマー的な伸長性との改善された組合せを与えることができる。
【0039】
所望の構成においては、エラストマー性身体パネル材料は、少なくとも約3%、望ましくは少なくとも約5%のエラストマー的な伸長性を与えることができる。或いは、伸長性は、少なくとも約10%とすることができ、随意的には、改善された性能を与えるために少なくとも約20%とすることができる。他の態様においては、エラストマー的な伸長性は、約200%より少ないものとすることができ、望ましくは約100%より少ないものとすることができる。或いは、伸長性は、約50%より少ないものとすることができ、随意的には、改善された性能を与えるために、約30%より少ないものとすることができる。
エラストマー的な伸び又は他の伸長の割合は、次式に従って求めることができる。
100*((L−L0)/L0)
ここで、L=伸びた長さ、L0=最初の長さ、である。
さらに、伸長量は、適用される引張力の方向に対して垂直に計測された幅1インチ当たり100グラム重量の引張力がかけられた状態で求められる。
【0040】
吸収性複合材は、裏面シート102と、上面シート104と、それらの間に挟み込まれた保持部150とを含む。1つの好ましい実施形態においては、上面シート104と裏面シート102との各々は、複合材100の縦方向の広がりのほぼ全体にわたって延びる。弾性部材112は、好ましくは横方向の縁部132、134の少なくとも一部に沿って、より好ましくは少なくとも使用者の脚用の開口部の一部を形成する露出された側部領域に沿って、上面シート104と裏面シート102との間に固定される。裏面シートと上面シートは、上述の種々の材料の1つ又はそれ以上から形成されることが好ましい。
図7−図7Cに示された実施形態においては、裏面シート102、保持部150、及び上面シート104の各々は、両側の側部に沿って形成されたz字形の折畳み部128、126、156、158、190、192又はプリーツ30、54、194を含む。裏面シート、保持部、及び上面シート104の各々の折畳み部126、128、156、158、190、192は、互いに折り込まれることが好ましい。上面シート104と裏面シート102は、その各側の保持部150を越えて横方向に延びることが好ましい。
【0041】
最初に折畳まれ又は圧縮された構成においては、吸収性複合材100の横方向の幅は、最初の複合材の幅Cwiとして定められる。吸収性衣類が使用者によって取り付けられ又は着用される際に、身体パネル108、208は、その端116、118において吸収性複合材の横方向の縁184を横方向外向きの方向に引っ張る。それにより、身体パネルと吸収性複合材の端部は、使用者の身体のライン/輪郭に適合するように横方向外向きに広げられる。この構成においては、裏面シートと上面シートの互いに折り込まれた折り畳み部の少なくとも一部は、複合材の端116、118の各々に隣接して折畳まれない。使用者の身体の寸法に応じて、好ましくは、裏面シート102と上面シート104の端領域は、快適なぴったりとしたフィットをもたらすように、使用者の身体に対してほぼ平らに引っ張られる。身体パネル108、208は、衣類が様々な異なる身体の寸法に適合できるように、付加的な可撓性を与えることが好ましい。吸収性複合材の端が横方向に広げられるのと同時に、吸収性複合材の介在部すなわち股領域は、圧縮された構成のまま維持され、Cwiの幅をもつことが好ましい。
衣類に放出されたときに、吸収性複合材100の股領域198は、使用者の身体から離れる方向に下向きに広がって衣類の液体保持容量を増大させる。
【0042】
図7Cに示されるように、吸収性複合材の広げられた端116、118は、裏面シートの底部122と折畳み部126、128の幅の和にほぼ等しい複合材の幅を有する。吸収性複合材の最大のすなわち最終的な広げられた幅は、Cwfとして定められる。この場合には、吸収性複合材を広げることができる量、すなわちその拡張ファクタ(Cf)は、CwfとCwiとの間の差を最初の幅で割ること、すなわちCf=(Cwf−Cwi)/Cwiによって算出される。Cfは、0.1より大きいことが好ましい。
好ましい実施形態においては、吸収性衣類はさらに、吸収性複合材の端116、118に沿って固定される横方向に延びるウエスト弾性部材(図示せず)を含む。
【0043】
図8−図8Cを参照すると、吸収性衣類の別の実施形態が、裏面シートの外面302にわたって、裏面シート、上面シート、及び/又は身体パネルの1つ又はそれ以上に最小限に取り付けられた引き伸ばし可能なカバー300を含むものとして示されている。カバーは流体透過性であることが好ましく、裏面シートは障壁層として働くが、カバーは流体不透過性であってもよい。好ましくは、引き伸ばし可能なカバー300は、少なくとも裏面シートの縦方向の広がりに沿って裏面シート102の両側の側縁132に取り付けられた両側の横方向側縁304を有する。カバーは、上述の引き伸ばし可能な材料から形成されることが好ましい。この実施形態においては、流体不透過性の裏面シート102又は障壁層は、吸収性複合材の縦方向の広がりの全体に亘って延びずに、むしろカバー300と上面シート104より短いことが好ましい。引き伸ばし可能なカバー104は、使用者によって取り付けられるか又は着用されるまで、吸収性複合材100の圧縮された又は折畳まれた構成を維持する一助となる。さらに、引き伸ばし可能なカバー300は、衣類に連続的な布状のテキスチャーを与える。カバーの引き伸ばし性の割合は、複合材を横方向に広げることができる量に影響する。使用の際に、身体パネル108、208は、引き伸ばし可能な吸収性複合材100を横方向外向きに引っ張り、引き伸ばし可能なカバー300が吸収性複合材と共に伸び、それにより使用者の身体に対して適合する一方で、同時に衣類に布状のテキスチャーを生じさせる。引き伸ばし可能なカバーは、好ましくは、11.8g/cmの引張力がかけられたときに、少なくとも約1cmの伸びを与えることができるのがよい。引き伸ばし可能なカバー300はさらに、19.70g/cmの引張力がかけられ、次いで、かけられる力がゼロの状態で1分間弛緩されたときに、少なくとも約20%のほぼ恒久的な変形を与える。
【0044】
図9−図9Cに最も良く示されている吸収性複合材のさらに別の実施形態を参照すると、吸収性複合材100は、引き伸ばし可能な、折畳まれていない上面シート400を含む。この実施形態においては、上面シートは、下にある保持部と裏面シートが広がるのに伴って、吸収性衣類の端116、118に沿って横方向外向きに延びる。引き伸ばし可能な上面シート400は、裏面シート102とカバー300の外方の横方向縁132、304に最小限に取り付けられることが好ましい。引き伸ばし可能な上面シート400とカバー300との両方は、吸収性衣類の長さを定める縦方向の広がりをもち、裏面シートの端を超えて縦方向に延びる領域において、上面シート400及びカバー300は、非常に柔軟な、適合性のある、通気性の複合材を与える。衣類が使用者に着用されたときには、身体パネルは、吸収性複合材の端116、118を横方向外向きに引っ張り、引き伸ばし可能なカバーと上面シート400が伸びて使用者の身体に適合する。好ましくは、引き伸ばし可能な上面シート400は、11.8g/cmの引張力がかけられたときに、少なくとも約1cmの伸びを与えることができるのがよい。引き伸ばし可能な上面シート400はさらに、19.70g/cmの引張力がかけられ、次いで、かけられる力がゼロの状態で1分間弛緩されたときに、少なくとも約20%のほぼ恒久的な変形を与える。
【0045】
本発明は、好ましい実施形態に関連して説明されてきたが、当業者であれば、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、形式的に及び詳細に変更を加えてもよいことを認識するであろう。したがって、上記の詳細な説明は、制限するものではなく説明するものとみなされることが意図されており、その全ての均等物を含む特許請求範囲の請求項は、本発明の範囲を定めることが意図されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
引き伸ばし可能な吸収性衣類であって、
長さと、両側の端と、両側の側部領域とを有し、裏面シートと、上面シートと、前記裏面シートと前記上面シートとの間に配置された保持部とからなり、少なくとも前記両側の端に沿って横方向に引き伸ばし可能である吸収性複合材と、
前記吸収性複合材の前記両側の端の一方に隣接する前記両側の側部領域に接続された一対の前身体パネルと、
前記吸収性複合材の前記両側の端の他方に隣接する前記両側の側部領域に接続された一対の背身体パネルと、
を備える衣類。
【請求項2】
前記裏面シートは、前記両側の側部領域の少なくとも一方に沿って形成された少なくとも1つの折畳み部を備え、前記保持部は、前記両側の側部領域の少なくとも一方に沿って形成された少なくとも1つの折畳み部を備え、前記保持部の折畳み部は、前記裏面シートの折畳み部と互いに折り込まれることを特徴とする請求項1に記載の発明。
【請求項3】
前記裏面シートと前記保持部との各々は、少なくとも折畳まれた構成の間で横方向に引き伸ばし可能であり、前記裏面シートと前記保持部は、互いに折り込まれ広げられた構成にされ、前記裏面シートと前記保持部は、ほぼ平らにされ、前記吸収性複合材は、前記折畳まれた構成にあるときに第1の幅を有し、かつ前記吸収性複合材は、前記広げられた構成にあるときに第2の幅を有することを特徴とする請求項2に記載の発明。
【請求項4】
前記吸収性複合材の前記端を、前記広げられた構成まで独立して横方向に広げることができる一方で、前記吸収性複合材の少なくとも中間部分は、前記折畳まれた構成のままとどまることを特徴とする請求項3に記載の発明。
【請求項5】
前記第2の幅と前記第1の幅との差を前記第1の幅で割ったものは、0.1より大きいことを特徴とする請求項3に記載の発明。
【請求項6】
前記前身体パネルと前記背身体パネルは、その両側の端に沿って接合されて、一対の両側の側部身体パネルを形成することを特徴とする請求項1に記載の発明。
【請求項7】
前記吸収性複合材の外面の周りに配置された引き伸ばし可能なカバーをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の発明。
【請求項8】
前記引き伸ばし可能なカバーは、11.8g/cmの引張力がかけられたときに、少なくとも約1cmの伸びを与えることを特徴とする請求項7に記載の発明。
【請求項9】
前記引き伸ばし可能なカバーは、19.70g/cmの引張力がかけられ、該引張力が除去されてから1分間弛緩されたときに、少なくとも約20%の持続的変形を与えることを特徴とする請求項7に記載の発明。
【請求項10】
前記上面シートは、前記裏面シート及び前記保持部と互いに折り込まれる少なくとも1つの折畳み部を備えることを特徴とする請求項2に記載の発明。
【請求項11】
前記上面シートは引き伸ばし可能であることを特徴とする請求項1に記載の発明。
【請求項12】
前記引き伸ばし可能な上面シートは、11.8g/cmの引張力がかけられたときに、少なくとも約1cmの伸びを与えることを特徴とする請求項11に記載の発明。
【請求項13】
前記引き伸ばし可能な上面シートは、19.70g/cmの引張力がかけられ、該引張力が除去されてから1分間弛緩されたときに、少なくとも約20%の持続的変形を与えることを特徴とする請求項11に記載の発明。
【請求項14】
前記吸収性複合材の前記両側の側部の一方の少なくとも一部に沿って配置された弾性部材をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の発明。
【請求項15】
前記裏面シートと前記保持部との間に配置された障壁層をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の発明。
【請求項16】
前記吸収性複合材の端に接続され該端に沿って横方向に延びる弾性部材をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の発明。
【請求項17】
前記前身体パネル及び背身体パネルは、弾性材料から形成されることを特徴とする請求項1に記載の発明。
【請求項18】
引き伸ばし可能な吸収性衣類であって、
長さと、両側の端と、両側の側部領域とを有し、裏面シートと、上面シートと、前記裏面シートと前記上面シートとの間に配置された保持部とからなる吸収性複合材を備え、
前記裏面シートは、前記両側の側部領域の各々に沿って形成されたプリーツを備え、前記保持部は、前記両側の側部領域に沿って形成されたプリーツを備え、前記裏面シートと前記保持部との各々は、少なくとも折畳まれた構成の間で横方向に引き伸ばし可能であり、前記裏面シート及び前記保持部のプリーツは互いに折り込まれ広げられた構成にされ、前記裏面シートと前記保持部は、ほぼ平らにされ、前記吸収性複合材は、前記折畳まれた構成にあるときに第1の幅を有し、かつ前記吸収性複合材は、前記広げられた構成にあるときに第2の幅を有し、
前記吸収性複合材の前記両側の端の一方に隣接する前記両側の側部領域に接続された一対の前身体パネルと、
前記吸収性複合材の前記両側の端の他方に隣接する前記両側の側部領域に接続された一対の背身体パネルと、
を備える衣類。
【請求項19】
前記裏面シートは、前記吸収性複合材の長さにわたって延びることを特徴とする請求項18に記載の発明。
【請求項20】
前記吸収性複合材の前記端を、前記広げられた構成まで独立して横方向に広げることができる一方で、前記吸収性複合材の少なくとも中間部分は、前記折畳まれた構成のままとどまることを特徴とする請求項18に記載の発明。
【請求項21】
前記前身体パネルと前記背身体パネルは、その両側の端に沿って接合されて、一対の両側の側部身体パネルを形成することを特徴とする請求項18に記載の発明。
【請求項22】
前記吸収性複合材の外面の周りに配置された引き伸ばし可能なカバーをさらに備えることを特徴とする請求項18に記載の発明。
【請求項23】
前記上面シートは、前記保持部のプリーツの1つと互いに折り込まれるプリーツを備えることを特徴とする請求項18に記載の発明。
【請求項24】
前記上面シートは引き伸ばし可能であることを特徴とする請求項18に記載の発明。
【請求項25】
前記裏面シートと前記保持部との間に配置された障壁層をさらに備えることを特徴とする請求項18に記載の発明。
【請求項26】
前記前身体パネル及び背身体パネルは、弾性材料から形成されることを特徴とする請求項18に記載の発明。
【請求項27】
引き伸ばし可能な吸収性衣類で身体排出物を吸収する方法であって、
長さと、両側の端と、両側の側部領域と、前記両側の端に隣接する前記両側の側部領域に取り付けられ且つ結合されて使用者の脚を受け入れるための開口を形成する身体パネルとを有し、裏面シートと、上面シートと、前記裏面シートと前記上面シートとの間に配置された保持部とからなる吸収性複合材を備えた引き伸ばし可能な吸収性衣類を用意し、
前記使用者の脚が前記開口の中に延びるように前記吸収性衣類を前記使用者に固定し、
前記身体パネルが使用者の腰の周りにフィットされる一方で、前記吸収性複合材の股領域が広がっていない構成のままとどまるように、前記吸収性複合材の前記端において該吸収性複合材を横方向に広げ、
前記吸収性複合材の前記股領域に前記身体排出物を放出し、前記保持部が前記身体排出物を吸収するのに伴って前記吸収性複合材の前記股領域が広がる、
ことを含む方法。
【請求項28】
前記裏面シートは、前記両側の側部領域の少なくとも一方に沿って形成された少なくとも1つの折畳み部を備え、前記保持部は、前記両側の側部領域の少なくとも一方に沿って形成された少なくとも1つの折畳み部を備え、前記保持部の折畳み部は、前記裏面シートの折畳み部と互いに折り込まれ、前記吸収性複合材の端において前記吸収性複合材を広げることは、前記身体パネルが使用者の腰の周りにフィットされる際に前記吸収性複合材の前記端における前記裏面シートの一部を展開することを含み、前記吸収性複合材の前記股領域を前記広がっていない構成のままとどめることは、前記保持部が前記吸収性複合材の前記股領域に存在する状態で、前記裏面シートの一部を折畳まれた構成のままとどめることを含む、請求項27に記載の発明。
【請求項29】
前記吸収性複合材は、折畳まれた構成にあるときに第1の幅を有し、かつ前記吸収性複合材は、広げられた構成にあるときに第2の幅を有し、前記第2の幅と前記第1の幅との差を前記第1の幅で割ったものは、0.1より大きいことを特徴とする請求項28に記載の発明。
【請求項30】
前記吸収性複合材の前記両側の端の一方に隣接する前記両側の側部領域に取り付けられた一対の前身体パネルと、前記吸収体の前記両側の端の他方に隣接する前記両側の側部領域に取り付けられた一対の背身体パネルとを備え、前記前身体パネルと前記背身体パネルをその両端に沿って接合して前記開口部を形成することをさらに含む、請求項27に記載の発明。
【請求項31】
前記吸収性衣類はさらに、前記吸収性複合材の外面の周りに配置された引き伸ばし可能なカバーを備え、前記吸収性複合材の前記端を広げることは、前記カバーを引き伸ばすことを含む、請求項27に記載の発明。
【請求項32】
前記上面シートは、前記裏面シート及び前記保持部と互いに折り込まれる少なくとも1つの折畳み部を備え、前記身体パネルが使用者の腰の周りにフィットされる一方で前記上面シートの一部が折畳まれた構成のままとどまる際に、前記保持部が、前記吸収性複合材の前記端の中間にあり且つ使用者の股領域に隣接する前記吸収性複合材の前記股領域に存在する状態で、前記吸収性複合材の前記端において前記裏面シートと共に前記上面シートの一部を展開することをさらに含む、請求項28に記載の発明。
【請求項33】
前記上面シートは引き伸ばし可能であり、前記吸収性複合材が前記吸収性複合材の前記端において広がるのに伴って前記上面シートが引き伸ばされることをさらに含む、請求項27に記載の発明。
【請求項34】
前記脚開口部の少なくとも一方の周辺において前記吸収性複合材の前記両側の側部の一方の少なくとも一部に沿って配置された弾性部材をさらに備えることを特徴とする請求項27に記載の発明。
【請求項35】
前記裏面シートと前記保持部との間に配置された障壁層をさらに備えることを特徴とする請求項27に記載の発明。
【請求項36】
引き伸ばし可能な吸収性衣類を組み立てる方法であって、
長さと、両側の端と、両側の側部領域とを有し、少なくとも前記両側の端において横方向に引き伸ばし可能である吸収性複合材を用意し、
横方向内側の縁と横方向外側の縁とを有する一対の前身体パネルを用意し、
横方向内側の縁と横方向外側の縁とを有する一対の背身体パネルを用意し、
前記吸収性複合材の前記端の一方において、前記前身体パネルの前記内側の縁を前記吸収性衣類の前記両側の側部領域に固定し、
前記吸収性複合材の前記端の他方において、前記背身体パネルの前記内側の縁を前記吸収性衣類の前記両側の側部領域に固定する、
ことを含む方法。
【請求項37】
前記吸収性複合材の両側において、前記前身体パネルの前記外側の縁を前記背身体パネルの前記外側の縁にそれぞれ固定することを特徴とする請求項36に記載の発明。
【請求項38】
前記裏面シートは、前記両側の側部領域の少なくとも一方に沿って形成された少なくとも1つの折畳み部を備え、前記保持部は、前記両側の側部領域の少なくとも一方に沿って形成された少なくとも1つの折畳み部を備え、前記保持部の折畳み部は、前記裏面シートの折畳み部と互いに折り込まれることを特徴とする請求項36に記載の発明。
【請求項39】
前記吸収性複合材の上に配置された引き伸ばし可能なカバーをさらに備えることを特徴とする請求項36に記載の発明。
【請求項40】
前記上面シートは引き伸ばし可能であることを特徴とする請求項36に記載の発明。
【請求項1】
引き伸ばし可能な吸収性衣類であって、
長さと、両側の端と、両側の側部領域とを有し、裏面シートと、上面シートと、前記裏面シートと前記上面シートとの間に配置された保持部とからなり、少なくとも前記両側の端に沿って横方向に引き伸ばし可能である吸収性複合材と、
前記吸収性複合材の前記両側の端の一方に隣接する前記両側の側部領域に接続された一対の前身体パネルと、
前記吸収性複合材の前記両側の端の他方に隣接する前記両側の側部領域に接続された一対の背身体パネルと、
を備える衣類。
【請求項2】
前記裏面シートは、前記両側の側部領域の少なくとも一方に沿って形成された少なくとも1つの折畳み部を備え、前記保持部は、前記両側の側部領域の少なくとも一方に沿って形成された少なくとも1つの折畳み部を備え、前記保持部の折畳み部は、前記裏面シートの折畳み部と互いに折り込まれることを特徴とする請求項1に記載の発明。
【請求項3】
前記裏面シートと前記保持部との各々は、少なくとも折畳まれた構成の間で横方向に引き伸ばし可能であり、前記裏面シートと前記保持部は、互いに折り込まれ広げられた構成にされ、前記裏面シートと前記保持部は、ほぼ平らにされ、前記吸収性複合材は、前記折畳まれた構成にあるときに第1の幅を有し、かつ前記吸収性複合材は、前記広げられた構成にあるときに第2の幅を有することを特徴とする請求項2に記載の発明。
【請求項4】
前記吸収性複合材の前記端を、前記広げられた構成まで独立して横方向に広げることができる一方で、前記吸収性複合材の少なくとも中間部分は、前記折畳まれた構成のままとどまることを特徴とする請求項3に記載の発明。
【請求項5】
前記第2の幅と前記第1の幅との差を前記第1の幅で割ったものは、0.1より大きいことを特徴とする請求項3に記載の発明。
【請求項6】
前記前身体パネルと前記背身体パネルは、その両側の端に沿って接合されて、一対の両側の側部身体パネルを形成することを特徴とする請求項1に記載の発明。
【請求項7】
前記吸収性複合材の外面の周りに配置された引き伸ばし可能なカバーをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の発明。
【請求項8】
前記引き伸ばし可能なカバーは、11.8g/cmの引張力がかけられたときに、少なくとも約1cmの伸びを与えることを特徴とする請求項7に記載の発明。
【請求項9】
前記引き伸ばし可能なカバーは、19.70g/cmの引張力がかけられ、該引張力が除去されてから1分間弛緩されたときに、少なくとも約20%の持続的変形を与えることを特徴とする請求項7に記載の発明。
【請求項10】
前記上面シートは、前記裏面シート及び前記保持部と互いに折り込まれる少なくとも1つの折畳み部を備えることを特徴とする請求項2に記載の発明。
【請求項11】
前記上面シートは引き伸ばし可能であることを特徴とする請求項1に記載の発明。
【請求項12】
前記引き伸ばし可能な上面シートは、11.8g/cmの引張力がかけられたときに、少なくとも約1cmの伸びを与えることを特徴とする請求項11に記載の発明。
【請求項13】
前記引き伸ばし可能な上面シートは、19.70g/cmの引張力がかけられ、該引張力が除去されてから1分間弛緩されたときに、少なくとも約20%の持続的変形を与えることを特徴とする請求項11に記載の発明。
【請求項14】
前記吸収性複合材の前記両側の側部の一方の少なくとも一部に沿って配置された弾性部材をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の発明。
【請求項15】
前記裏面シートと前記保持部との間に配置された障壁層をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の発明。
【請求項16】
前記吸収性複合材の端に接続され該端に沿って横方向に延びる弾性部材をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の発明。
【請求項17】
前記前身体パネル及び背身体パネルは、弾性材料から形成されることを特徴とする請求項1に記載の発明。
【請求項18】
引き伸ばし可能な吸収性衣類であって、
長さと、両側の端と、両側の側部領域とを有し、裏面シートと、上面シートと、前記裏面シートと前記上面シートとの間に配置された保持部とからなる吸収性複合材を備え、
前記裏面シートは、前記両側の側部領域の各々に沿って形成されたプリーツを備え、前記保持部は、前記両側の側部領域に沿って形成されたプリーツを備え、前記裏面シートと前記保持部との各々は、少なくとも折畳まれた構成の間で横方向に引き伸ばし可能であり、前記裏面シート及び前記保持部のプリーツは互いに折り込まれ広げられた構成にされ、前記裏面シートと前記保持部は、ほぼ平らにされ、前記吸収性複合材は、前記折畳まれた構成にあるときに第1の幅を有し、かつ前記吸収性複合材は、前記広げられた構成にあるときに第2の幅を有し、
前記吸収性複合材の前記両側の端の一方に隣接する前記両側の側部領域に接続された一対の前身体パネルと、
前記吸収性複合材の前記両側の端の他方に隣接する前記両側の側部領域に接続された一対の背身体パネルと、
を備える衣類。
【請求項19】
前記裏面シートは、前記吸収性複合材の長さにわたって延びることを特徴とする請求項18に記載の発明。
【請求項20】
前記吸収性複合材の前記端を、前記広げられた構成まで独立して横方向に広げることができる一方で、前記吸収性複合材の少なくとも中間部分は、前記折畳まれた構成のままとどまることを特徴とする請求項18に記載の発明。
【請求項21】
前記前身体パネルと前記背身体パネルは、その両側の端に沿って接合されて、一対の両側の側部身体パネルを形成することを特徴とする請求項18に記載の発明。
【請求項22】
前記吸収性複合材の外面の周りに配置された引き伸ばし可能なカバーをさらに備えることを特徴とする請求項18に記載の発明。
【請求項23】
前記上面シートは、前記保持部のプリーツの1つと互いに折り込まれるプリーツを備えることを特徴とする請求項18に記載の発明。
【請求項24】
前記上面シートは引き伸ばし可能であることを特徴とする請求項18に記載の発明。
【請求項25】
前記裏面シートと前記保持部との間に配置された障壁層をさらに備えることを特徴とする請求項18に記載の発明。
【請求項26】
前記前身体パネル及び背身体パネルは、弾性材料から形成されることを特徴とする請求項18に記載の発明。
【請求項27】
引き伸ばし可能な吸収性衣類で身体排出物を吸収する方法であって、
長さと、両側の端と、両側の側部領域と、前記両側の端に隣接する前記両側の側部領域に取り付けられ且つ結合されて使用者の脚を受け入れるための開口を形成する身体パネルとを有し、裏面シートと、上面シートと、前記裏面シートと前記上面シートとの間に配置された保持部とからなる吸収性複合材を備えた引き伸ばし可能な吸収性衣類を用意し、
前記使用者の脚が前記開口の中に延びるように前記吸収性衣類を前記使用者に固定し、
前記身体パネルが使用者の腰の周りにフィットされる一方で、前記吸収性複合材の股領域が広がっていない構成のままとどまるように、前記吸収性複合材の前記端において該吸収性複合材を横方向に広げ、
前記吸収性複合材の前記股領域に前記身体排出物を放出し、前記保持部が前記身体排出物を吸収するのに伴って前記吸収性複合材の前記股領域が広がる、
ことを含む方法。
【請求項28】
前記裏面シートは、前記両側の側部領域の少なくとも一方に沿って形成された少なくとも1つの折畳み部を備え、前記保持部は、前記両側の側部領域の少なくとも一方に沿って形成された少なくとも1つの折畳み部を備え、前記保持部の折畳み部は、前記裏面シートの折畳み部と互いに折り込まれ、前記吸収性複合材の端において前記吸収性複合材を広げることは、前記身体パネルが使用者の腰の周りにフィットされる際に前記吸収性複合材の前記端における前記裏面シートの一部を展開することを含み、前記吸収性複合材の前記股領域を前記広がっていない構成のままとどめることは、前記保持部が前記吸収性複合材の前記股領域に存在する状態で、前記裏面シートの一部を折畳まれた構成のままとどめることを含む、請求項27に記載の発明。
【請求項29】
前記吸収性複合材は、折畳まれた構成にあるときに第1の幅を有し、かつ前記吸収性複合材は、広げられた構成にあるときに第2の幅を有し、前記第2の幅と前記第1の幅との差を前記第1の幅で割ったものは、0.1より大きいことを特徴とする請求項28に記載の発明。
【請求項30】
前記吸収性複合材の前記両側の端の一方に隣接する前記両側の側部領域に取り付けられた一対の前身体パネルと、前記吸収体の前記両側の端の他方に隣接する前記両側の側部領域に取り付けられた一対の背身体パネルとを備え、前記前身体パネルと前記背身体パネルをその両端に沿って接合して前記開口部を形成することをさらに含む、請求項27に記載の発明。
【請求項31】
前記吸収性衣類はさらに、前記吸収性複合材の外面の周りに配置された引き伸ばし可能なカバーを備え、前記吸収性複合材の前記端を広げることは、前記カバーを引き伸ばすことを含む、請求項27に記載の発明。
【請求項32】
前記上面シートは、前記裏面シート及び前記保持部と互いに折り込まれる少なくとも1つの折畳み部を備え、前記身体パネルが使用者の腰の周りにフィットされる一方で前記上面シートの一部が折畳まれた構成のままとどまる際に、前記保持部が、前記吸収性複合材の前記端の中間にあり且つ使用者の股領域に隣接する前記吸収性複合材の前記股領域に存在する状態で、前記吸収性複合材の前記端において前記裏面シートと共に前記上面シートの一部を展開することをさらに含む、請求項28に記載の発明。
【請求項33】
前記上面シートは引き伸ばし可能であり、前記吸収性複合材が前記吸収性複合材の前記端において広がるのに伴って前記上面シートが引き伸ばされることをさらに含む、請求項27に記載の発明。
【請求項34】
前記脚開口部の少なくとも一方の周辺において前記吸収性複合材の前記両側の側部の一方の少なくとも一部に沿って配置された弾性部材をさらに備えることを特徴とする請求項27に記載の発明。
【請求項35】
前記裏面シートと前記保持部との間に配置された障壁層をさらに備えることを特徴とする請求項27に記載の発明。
【請求項36】
引き伸ばし可能な吸収性衣類を組み立てる方法であって、
長さと、両側の端と、両側の側部領域とを有し、少なくとも前記両側の端において横方向に引き伸ばし可能である吸収性複合材を用意し、
横方向内側の縁と横方向外側の縁とを有する一対の前身体パネルを用意し、
横方向内側の縁と横方向外側の縁とを有する一対の背身体パネルを用意し、
前記吸収性複合材の前記端の一方において、前記前身体パネルの前記内側の縁を前記吸収性衣類の前記両側の側部領域に固定し、
前記吸収性複合材の前記端の他方において、前記背身体パネルの前記内側の縁を前記吸収性衣類の前記両側の側部領域に固定する、
ことを含む方法。
【請求項37】
前記吸収性複合材の両側において、前記前身体パネルの前記外側の縁を前記背身体パネルの前記外側の縁にそれぞれ固定することを特徴とする請求項36に記載の発明。
【請求項38】
前記裏面シートは、前記両側の側部領域の少なくとも一方に沿って形成された少なくとも1つの折畳み部を備え、前記保持部は、前記両側の側部領域の少なくとも一方に沿って形成された少なくとも1つの折畳み部を備え、前記保持部の折畳み部は、前記裏面シートの折畳み部と互いに折り込まれることを特徴とする請求項36に記載の発明。
【請求項39】
前記吸収性複合材の上に配置された引き伸ばし可能なカバーをさらに備えることを特徴とする請求項36に記載の発明。
【請求項40】
前記上面シートは引き伸ばし可能であることを特徴とする請求項36に記載の発明。
【図1】
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【公開番号】特開2009−106789(P2009−106789A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−23723(P2009−23723)
【出願日】平成21年2月4日(2009.2.4)
【分割の表示】特願2002−588893(P2002−588893)の分割
【原出願日】平成14年5月10日(2002.5.10)
【出願人】(504460441)キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド (396)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月4日(2009.2.4)
【分割の表示】特願2002−588893(P2002−588893)の分割
【原出願日】平成14年5月10日(2002.5.10)
【出願人】(504460441)キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド (396)
【Fターム(参考)】
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