引き出し式収納ケース体
【課題】極めて安価に抱負なデザインの引き出し式収納ケース体を提供でき、しかも安価且つ容易にこの引き出し式収納ケース体の外観視を飛躍的に良くすることができ、しかもこの引き出し式収納ケース体を積み重ねることにより、一体となる極めて斬新なデザイン壁部が形成され、しかも、この壁部のデザインを充実したラインナップなら選択できることとなる引き出し式収納ケース体を提供すること。
【解決手段】引き出しケース体1の正面板部6に、別体の樹脂パーツとして成形した重合正面板7を正面側から重合付設して板材重合構成の正面壁部5とし、前記重合正面板7の周縁部8がケース本体2の正面開口部3の縁部9の正面に配設してこの縁部9を正面から隠す形状で且つこの縁部9からはみ出さない形状にこの重合正面板7の外形状を設定した引き出し式収納ケース体とする。
【解決手段】引き出しケース体1の正面板部6に、別体の樹脂パーツとして成形した重合正面板7を正面側から重合付設して板材重合構成の正面壁部5とし、前記重合正面板7の周縁部8がケース本体2の正面開口部3の縁部9の正面に配設してこの縁部9を正面から隠す形状で且つこの縁部9からはみ出さない形状にこの重合正面板7の外形状を設定した引き出し式収納ケース体とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、引き出し式収納ケース体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的な引き出し式収納ケース体は、上面開口形の引き出しケース体を、積み重ね自在に設けたケース本体の正面開口部から引き出し自在に設け、このケース本体の正面開口部から前記引き出しケース体を前方へ引き出して、引き出しケース体の上部開口部から物を出し入れできるように構成されたものであり、原価の安い合成樹脂により、金型を用いて大量生産されているため、極めて安価で便利な収納ケースとして市場に広く浸透している。
【0003】
しかしながら、この一般的な引き出し式収納ケース体は、金型が高額であるため商品ラインナップが少ないという問題点を有しており、近年の生活水準の高まりやリフォームブームに伴う市場のニーズ、即ち、安価で便利なだけの商品ではなく、便利且つデザイン性を有し、しかも多種の選択肢を供えた商品が求められることとなった現在の市場のニーズに答えることができない。
【0004】
そこで、引き出し式収納ケース体に収納される引き出しケース体として、この引き出しケース体に一体成形される正面板部をケース本体とは異なる材質、形状及び色彩若しくは模様で構成して、全体のデザインを変えることなく、即ちコスト安に正面視の外観を良くした、例えば、引き出しケース体の正面板部だけを光沢がある見栄え良い材質で構成したものが提案されている。
【0005】
しかしながら、このような引き出しケース体は、正面板部がケース本体に一体成形される構造のため、新しい素材、形状及び色彩若しくは模様を提案するためには新しい金型を高額な資金を投じて用意する必要があり、製造費がかかることとなり、よって、引き出し式収納ケース体のコストアップの原因となってしまう。また、この様に、引き出しケース体の正面板部の外観を良くしたとしても、ケース本体に収納し引き出しケース体の周囲に露出するケース本体の縁部(何ら体裁について考慮されていない安価な材質やデザインの縁部)により、台無しになってしまうのが現状である。
【0006】
この点、引き出し式収納ケース体の中には、ケース本体に引き出しケース体を収納した際に、この引き出しケース体の正面板である正面板部が前記ケース本体の正面開口部の周縁より大きい形状として、ケース本体の正面開口部の縁部を正面板部の周縁部で隠す形状としたものが提案されているが、このような商品であっても、前述したようにケース本体に一体成形される正面板部の素材や形状などを良くしてデザイン性を向上しようとすると、やはり新しい金型を高額な資金を投じて用意する必要があり、よって、製造費がかかってコストアップの問題が生じてしまう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、これら問題に鑑みて、ケース本体の正面開口部の縁部を正面から隠して正面視の外観が良い引き出し式収納ケース体を提供可能とすると共に、ケース本体を積み重ねて且つ引き出しケース体をケース本体内に収納した際には正面からは一体の壁部を形成するものとして、多段の棚を有する機能性を有したデザイン壁を提供でき、しかも高額な金型代を投資すること無しに、異なる材質、形状及び色彩若しくは模様の引き出し式収納ケース体を製造できることとして、様々なデザインの引き出し式収納ケース体を選択できる、つまり、前記デザイン壁のデザインを充実したラインナップから選択できることとなる極めて実用的で秀れた引き出し式収納ケース体を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0009】
上面開口形の引き出しケース体1を、積み重ね自在に設けたケース本体2の正面開口部3から引き出し自在に設け、このケース本体2の正面開口部3から前記引き出しケース体1を前方へ引き出して、引き出しケース体1の上部開口部4から物を出し入れできるように構成すると共に、前記ケース本体2に前記引き出しケース体1を収納した際に、この引き出しケース体1の正面壁部5が前記ケース本体2の正面開口部3を閉塞するように構成し、前記引き出しケース体1の前記正面壁部5を、前記引き出しケース体1を樹脂成形する際に一体成形される正面板部6に、別体の樹脂パーツとして成形した重合正面板7を正面側から重合付設して板材重合構成の正面壁部5とし、前記重合正面板7の周縁部8が前記ケース本体2の正面開口部3の縁部9の正面に配設してこの縁部9を正面から隠す形状で且つこの縁部9からはみ出さない形状にこの重合正面板7の外形状を設定したことを特徴とする引き出し式収納ケース体に係るものである。
【0010】
また、前記板材重合構成の正面壁部5の前記樹脂製の重合正面板7は、前記樹脂製の引き出しケース体1の前記正面板部6の材質とは別材質としたことを特徴とした請求項1記載の引き出し式収納ケース体に係るものである。
【0011】
また、前記板材重合構成の正面壁部5の前記樹脂製の重合正面板7は、材質、形状及び色彩若しくは模様を設定して飾り板に構成したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の引き出し式収納ケース体に係るものである。
【0012】
また、前記板材重合構成の正面壁部5の前記樹脂製の重合正面板7は、中央を開口して前記正面板部6が露出する窓部10を設けた枠板状に構成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の引き出し式収納ケース体に係るものである。
【0013】
また、前記引き出しケース体1の前記正面板部6を透明若しくは半透明な樹脂で形成して前記板材重合構成の正面壁部5の前記樹脂製の重合正面板7の前記窓部10から前記正面板部6を介して引き出しケース体1内が正面から透視できるように構成したことを特徴とする請求項4記載の引き出し式収納ケース体に係るものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、上述のように構成したから、単に別体の樹脂パーツとして成形した重合正面板を引き出しケース体の正面から重合付設するだけで、引き出しケース体の正面に新しいデザインの板材重合構成の正面壁部を構成することが可能となり、またケース本体の正面開口部の縁部を正面から隠して正面視の外観が良い引き出し式収納ケース体を提供可能とすると共に、ケース本体を積み重ねて且つ引き出しケース体をケース本体内に収納した際には正面からは一体の壁部を形成するものとして、多段の棚を有する機能性を有したデザイン壁を提供でき、しかも高額な金型代を投資すること無しに、異なる材質、形状及び色彩若しくは模様の引き出し式収納ケース体を製造できることとして、様々なデザインの引き出し式収納ケース体を選択できる、つまり、前記デザイン壁のデザインを充実したラインナップから選択できることとなる極めて実用的で秀れた引き出し式収納ケース体を提供できることとなる。
【0015】
また、請求項2の発明においては、一層デザイン性の高い引き出し式収納ケース体となる。
【0016】
また、請求項3の発明においては、一層多くのデザインを安価に製造できることとなり、消費者にも一層多くの選択肢を提供できることとなる。
【0017】
また、請求項4の発明においては、一層安価な製品となる。
【0018】
また、請求項5の発明においては、安価な製品となると共に内部が確認しやすい、一層安価で一層機能的な極めて秀れた引き出し式収納ケース体となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
好適と考える本発明の実施形態(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0020】
別体の樹脂パーツとして成形した重合正面板7を、例えば、材質、形状及び色彩若しくは模様をケース本体2もしくは引き出しケース体1と異なるものとして、この重合正面板7を引き出しケース体1の正面から重合付設することにより、同じケース本体2や引き出しケース体1を用いて見た目には全く異なる新しいデザインの引き出し式収納ケース体を提供できることとなる。
【0021】
しかも、重合正面板7は、引き出しケース体1とは別体としたから、新しいデザインの引き出し式収納ケース体の提供には、この別体の樹脂パーツとして成形した重合正面板7の金型のみを新しく準備すれば良く、この引き出し式収納ケース体の主たる部分を構成するケース本体2及び引き出しケース体1の2パーツの製造には既存の引き出し式収納ケース体の金型をそのまま利用できることとなり、安価に新しいデザインの引き出し式収納ケース体を製造・提供できることとなる。
【0022】
即ち、一デザイン当りの投資コストが安いので、同じ新製品開発費を投資する場合、より多くの重合正面板7用の金型を用意することが出来ることとなり、よって、豊富なラインナップを提供できることとなる。従って、消費者は、引き出し式収納ケース体の柄即ち前記デザイン壁の柄を豊富なラインナップから選択できることとなる。
【0023】
また、単に別体の樹脂パーツとして成形した重合正面板7を引き出しケース体1の正面から重合付設して板材重合構成の正面壁部5とするだけで、周縁部8が前記ケース本体2の正面開口部3の縁部9の正面に配設してこの縁部9を正面から隠す形状で且つこの縁部9からはみ出さない形状とした重合正面板7が、ケース本体2の何ら体裁について考慮されていない安価な材質の正面開口部3の縁部9や、前記ケース本体2の正面開口部3の縁部9と引き出しケース体1の境界線を隠すことが出来ることとなり、この引き出し式収納ケース体を正面視した際の外観を極めて良くすることが出来ることとなる。
【0024】
例えば、重合正面板7を高級感のある材質で提供するだけで、引き出しケース体1を正面視した際にあたかも全体が高級感を有する素材で構成されているかのように見せることができ、引き出し式収納ケース体の商品価値を飛躍的に向上させることができる引き出し式収納ケース体となる。
【0025】
しかも、この引き出し式収納ケース体は、例えば引き出し式収納ケース体同士を積み重ねて使用すると、ケース本体2に引き出しケース体1を収納して引き出しケース体1の正面壁部5がケース本体2の正面開口部3を閉塞するように構成する際には、引き出しケース体1の正面板部6に重合付設した重合正面板7がこの重合正面板7の周縁部8が前記ケース本体2の正面開口部3の縁部9の正面に配設してこの縁部9を正面から隠す形状で且つこの縁部9からはみ出さない形状としたことにより、隣接する重合正面板7の隣り合う辺同士が近接若しくは当接することとなると共に正面からはケース本体2の存在を隠せることとなり、正面視がこの重合正面板7を正面側から重合付設して板材重合構成の正面壁部5で形成される一体の壁部と見えることとなる。
【0026】
その上、板状重合構成の正面壁部5で構成される前記デザイン壁のデザインは、重合正面板7の材質、形状及び色彩若しくは模様を替えた様々な重合正面板7から使用者の好みに合致するものを選択できるから、使用者の好みのデザインを有した正面壁部5とすることができ、しかも、このデザイン性の高い正面壁部5は、大容量の収納スペースを有する多機能な収納棚でるため、この一体の壁部は単なる引き出し式収納ケース体から構成されているとは思えない極めて実用的かつデザイン性に秀れた斬新な引き出し式収納ケース体といえる。
【0027】
即ち、本発明の引き出し式収納ケース体は重合正面板7を別体として設けたことにより、この重合正面板7を引き出しケース体1に一体に成形される正面板部6に重合付設するだけで、この重合正面板7の周縁部8でケース本体2の縁部9を隠すことができ、安く簡単にこの引き出し式収納ケース体の正面視を良くすることが出来ると共に、この引き出し式収納ケース体を積み重ねて使用すれば、単なる引き出し式収納ケース体から構成されているとは思えない斬新なデザインのデザイン壁を簡単に設けることができることとなる。
【0028】
しかも機能的な、引き出し式収納ケース体の商品価値を飛躍的に向上させ得る引き出し式収納ケース体となる。
【0029】
以上のように、単に引き出しケース体1の正面板部6に重合付設するだけの構造である別パーツとして設けた重合正面板7により、引き出し式収納ケース体単体の商品価値を飛躍的に向上することができ、且つ、この引き出し式収納ケース体同士を積み上げるなどして使用する場合には、従来にない斬新なデザイン、使用スタイルを提供することができ、複数組み合わせて使用する引き出し式収納ケース体の商品価値を飛躍的に向上させることができる。
【0030】
つまり、重合正面板7は引き出し式収納ケース体における単体での使用は勿論、複数組み合わせて使用する場合も考慮された構造である。
【実施例1】
【0031】
本発明の具体的な実施例1について図面に基づいて説明する。
【0032】
本実施例に係る引き出し式収納ケース体は、図1〜3に示すように、ケース本体2と、引き出しケース体1と、重合正面板7とで構成される。
【0033】
以下、本実施例に係る構成各部の詳細な説明をする。
【0034】
ケース本体2は、従来から使用している金型を用いることができる一般的な引き出し式収納ケース体の一般的なケース本体2とし、積み重ね自在のケース本体2とする。
【0035】
具体的には、このケース本体2は直方体もしくは立方体とし、正面は開口された正面開口部3とする。
【0036】
また、このケース本体2の下面15は、このケース本体2の積み重ね時にこのケース本体2を安定させ得る凹凸部若しくは足部を有する構成とする。また、このケース本体2の上面14は、他のケース本体2の下面15に設けた凹凸部もしくは足部が係止する構成とする。本実施例では、ケース本体2は直方体とし、このケース本体2の下面15の下部を凹凸形状として、上面14の上部の凹凸形状に係止させる構成とする。
【0037】
また、このケース本体2の正面に正面開口部3を設けて、後述する引き出しケース体1を挿入して、この引き出しケース体1が引き出し自在となる構成とする。
【0038】
また、このケース本体2の背面及び左右両側面16は、引き出し式収納ケース体を積み重ねた際に上下方向にかかる圧力に耐え得る構成とする。
【0039】
尚、上面14、下面15、左右両側面16及び背面17は、板状(面状)とせずにメッシュ構造などにし、一定の強度を保持しつつ材料費の削減となる構成としても良い。更に、前記ケース本体2の枠部に耐圧性が高く変形しない素材を使用して、下面15、左右両側面16を設けない構成としても良い。この構成により、材料費が削減でき、より安価に製造できるから、より安価な製品とすることが可能となる。
【0040】
ケース本体2の素材は、積み重ねの重みに耐え得る素材且つコスト安な素材を選択する。本実施例では、ポリプロピレン樹脂(PP樹脂)とする。
【0041】
引き出しケース体1は、ケース本体2と同様に、従来から使用している金型を用いることができる一般的な引き出しケース体1とし、上面開口形の引き出しケース体1とする。
【0042】
また、この上面開口形の引き出しケース体1は、図1〜4に示すように、積み重ね自在に設けたケース本体2の正面開口部3から引き出し自在に設け、このケース本体2の正面開口部3から前記引き出しケース体1を前方へ引き出して、引き出しケース体1の上部開口部4から物を出し入れできるように構成すると共に、前記ケース本体2に前記引き出しケース体1を収納した際に、この引き出しケース体1の正面壁部5が前記ケース本体2の正面開口部3を閉塞するように構成する。
【0043】
前記引き出しケース体1の正面壁部5は、この引き出しケース体1の正面板部6であり、この正面板部6は前記引き出しケース体1を樹脂成形する際に一体成形することとする。
【0044】
また、この正面板部6は、図5に示すように、ケース本体2に引き出しケース体1を収納した際に、この正面板部6は前記ケース本体2の正面開口部3より内側に収納され、この正面板部6の表面とケース本体2の正面開口部3の縁部9とが略同一面上に位置することとなる構成とする。
【0045】
引き出しケース体1の左右両側面19の幅は正面板部6の幅より狭く、引き出しケース体1をケース本体2から引き出す際に、引き出しケース体1の左右両側面がケース本体2の両側面16と擦れて滑りにくくなることを防止し、抵抗なく簡単に引き出せる構成とする。
【0046】
従って正面板部6の左右部は引き出しケース体1の左右両側面より外側に突出した縁部21を有する。後述する重合正面板7に設けられた爪部13は、正面板部6の上下の縁部21及び正面開口部3の内周より外方に位置する縁部21を利用して挟着することとする(図4)。
【0047】
また、引き出しケース体1の奥行き長さは、ケース本体2の奥行きの長さと略合致するサイズとする。従って、引き出しケース体1は引き出しケース体1収納時に前記ケース本体2の背面17が、この引き出しケース体1を所定位置で制止させ、この制止状態時に、この正面板部6の表面とケース本体2の縁部9とが略同一面上に位置することとなる。
【0048】
また、引き出しケース体1の正面板部6の下方には、この引き出しケース体1をケース本体2から引き出すための取手11を設けることとする。
【0049】
また、引き出しケース体1の正面板部6を透明若しくは半透明な樹脂で形成する。
【0050】
具体的には、この引き出しケース体1は、ケース本体2と同様、安価な合成樹脂とする。本実施例は具体的には透明なポリプロピレン樹脂(PP樹脂)で製造した。
【0051】
重合正面板7は、図4に示すように、引き出しケース体1及びケース本体2とは別体のパーツとして設け、この重合正面板7を引き出しケース体1の正面板部6に正面側から重合付設して板材重合構成の正面壁部5とする。
【0052】
この重合正面板7の外形状は、図6,7に示すように、前記重合正面板7の周縁部8がケース本体2の正面開口部3の縁部9の正面に配設してこの縁部9を正面から隠す形状で且つこの縁部9からはみ出さない形状に設定する。
【0053】
この構成により、引き出し式収納ケース体の積み重ね時には、隣接する重合正面板7の隣り合う辺同士が近接若しくは当接することとなる。
【0054】
また、本実施例では、具体的には重合正面板7のサイズをケース本体2と同等の高さとし、同等の幅を有した形状とする。
【0055】
尚、本発明でいう重合正面板7周縁部8が縁部9を正面から隠す形状とは、必ずしも完全に隠すという場合に限られるものではなく、例えば取手を設けたりする機能上の為であったり、デザイン上の為であったりなど、重合正面板7の外形状を設定する上でわずかに隠れない部位が生じてしまうのも含む意味である。この点については、縁部9からはみ出さない形状についても同様である。
【0056】
また、板材重合構成の正面壁部5の前記樹脂製の重合正面板7は、中央を開口して前記正面板部6が露出する窓部10を設けた枠板状に構成することとする。
【0057】
本実施例では、前記重合正面板7は、この重合正面板7の中央を開口して前記正面板部6が露出するロ字状の窓部10を設けた枠板状の構成とした。
【0058】
尚、重合正面板7をコ字状としても良い。開放部を壁、もしくは天井側に配置することにより、積み重ね時に正面壁部5はロ字状の枠が形成されているように見える。
【0059】
前記板材重合構成の正面壁部5の前記樹脂製の重合正面板7の前記窓部10から、前記透明若しくは半透明な樹脂で形成した引き出しケース体1の正面板部6を介して引き出しケース体1内が正面から透視できるように構成することとする。
【0060】
また、重合正面板7の引き出しケース体1の正面板部6への重合付設は、図4,8,9に示すように、重合正面板7に設けられた爪部13を介して成されることとする。
【0061】
本実施例では、具体的には、この重合正面板7の背面に引き出しケース体1の正面板部6と略合致するサイズの枠部22を設け、この枠部に柔軟性を有する樹脂素材の爪部13を設けて、この爪部13で正面板部6の上下の縁部21及び正面開口部3の内周より外方に位置する縁部21を(図4)を挟み込み、この柔軟性を有する樹脂素材の爪部13のバネ付勢によって重合正面板7を正面板部6に固定する構成とする。
【0062】
また、爪部13は重合正面板7の背面の周縁部8に複数箇所設けることとする。より具体的には、この周縁部の左右に各2箇所、上部に6箇所、下部に6箇所の爪部13を設けることとする。また、本実施例では、引き出しケース体1に重合正面板7を嵌め殺しとする。
【0063】
尚、本実施例では、引き出しケース体1に重合正面板7を嵌め殺したが、着脱自在の構成としても良い。これにより、ケース本体2及び引き出しケース体1はそのままに、多大なコストをかける必要もなく、入れ替える手間をかける必要もなく、季節に合わせ、気分に合わせ、部屋の雰囲気に合わせ、使用者に好み合わせ、また子供の成長に合わせ、消費者が自分の個性や好み合わせ模様替えすることが可能となる。
【0064】
重合正面板7を着脱自在に構成することにより、交換することにより模様替えすれば、模様変えの度に大きなゴミを排出することが避けられ、環境にも優しい商品となる。
【0065】
尚、重合正面板7の重合付設は、重合付設できれば良く、前記爪部13を介した構成に限るものでは無く、また、この重合正面板7は、市販の引き出し式収納ケース体のケース本体2の正面板部6にも重合付設できるものとする。
【0066】
また、重合正面板7の下方には、この重合正面板7を引き出しケース体1に重合付設した状態で、引き出しケース体1を引き出すための取手部12を設けることとする。
【0067】
また、この取手部12は、重合正面板7の下方で引き出しケース体1の取手11と重合する位置を開口部とする構成として、引き出しケース体1の取手11を使用して引き出しケース体1を引き出せる構成とする。
【0068】
尚、重合正面板7の下方に直接取手を設ける構成として、この重合正面板7に設けた取手を利用して引き出しケース体1を引き出す構成としても良い。
【0069】
前記板材重合構成の正面壁部5の前記樹脂製の重合正面板7は、前記樹脂製の引き出しケース体1の正面板部6の材質とは別材質とする。
【0070】
本実施例では、樹脂パーツとして成形する。具体的には、光沢を有し、高級感のあるABS樹脂(アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合合成樹脂)を用いることとする。
【0071】
尚、重合正面板7は、引き出しケース体1やケース本体2と同素材でもよく、同素材でカラーバリエーションを揃えても良い。
【0072】
本発明の引き出し式収納ケース体は単体で用いても良いが、図10に示すように重ねて使用するとなお良い。
【0073】
尚、図11に示すように、色彩の異なる2色の重合正面板7を用い、複数の引き出し式収納ケース体を複数並べてその上に複数の引き出し式収納ケース体を積み重ねることにより構成した多段の棚の正面板部6に、前記2色の重合正面板7を交互に取り付けることにより、各重合正面板7が隣接する上下左右4つの重合正面板7とは異なる色彩を有するように重合付設し、これら重合正面板7から成る板材重合構成の正面壁部5が、一体となるデザインとしても良い。
【0074】
従って、本実施例は、上述のように構成したから、別体の樹脂パーツとして成形した重合正面板7を、例えば、材質、形状及び色彩若しくは模様をケース本体2もしくは引き出しケース体1と異なるものとして、この重合正面板7を引き出しケース体1の正面から重合付設することにより、同じケース本体2や引き出しケース体1を用いて見た目には全く異なる新しいデザインの引き出し式収納ケース体を提供できることとなる。
【0075】
しかも、重合正面板7は、引き出しケース体1とは別体としたから、新しいデザインの引き出し式収納ケース体の提供には、この別体の樹脂パーツとして成形した重合正面板7の金型のみを新しく準備すれば良く、この引き出し式収納ケース体の主たる部分を構成するケース本体2及び引き出しケース体1の2パーツの製造には既存の引き出し式収納ケース体の金型をそのまま利用できることとなり、安価に新しいデザインの引き出し式収納ケース体を製造・提供できることとなる。
【0076】
即ち、一デザイン当りの投資コストが安いので、同じ新製品開発費を投資する場合、より多くの重合正面板7用の金型を用意することが出来ることとなり、よって、豊富なラインナップを提供できることとなる。従って、消費者は、引き出し式収納ケース体の柄即ち前記デザイン壁の柄を豊富なラインナップから選択できることとなる。
【0077】
また、単に別体の樹脂パーツとして成形した重合正面板7を引き出しケース体1の正面から重合付設して板材重合構成の正面壁部5とするだけで、周縁部8が前記ケース本体2の正面開口部3の縁部9の正面に配設してこの縁部9を正面から隠す形状で且つこの縁部9からはみ出さない形状とした重合正面板7が、ケース本体2の何ら体裁について考慮されていない安価な材質の正面開口部3の縁部9や、前記ケース本体2の正面開口部3の縁部9と引き出しケース体1の境界線を隠すことが出来ることとなり、この引き出し式収納ケース体を正面視した際の外観を極めて良くすることが出来ることとなる。
【0078】
例えば、重合正面板7を高級感のある材質で提供するだけで、引き出しケース体1を正面視した際にあたかも全体が高級感を有する素材で構成されているかのように見せることができ、引き出し式収納ケース体の商品価値を飛躍的に向上させることができる引き出し式収納ケース体となる。
【0079】
しかも、この引き出し式収納ケース体は、この引き出し式収納ケース体を積み重ねて使用すると、引き出しケース体1の正面板部6に重合付設した重合正面板7がこの重合正面板7の周縁部8が前記ケース本体2の正面開口部3の縁部9の正面に配設してこの縁部9を正面から隠す形状で且つこの縁部9からはみ出さない形状としたことにより、隣接する重合正面板7の隣り合う辺同士が近接若しくは当接することとなると共に正面からはケース本体2の存在を隠せることとなり、正面視がこの重合正面板7を正面側から重合付設して板材重合構成の正面壁部5で形成される一体の壁部と見えることとなる。
【0080】
その上、板状重合構成の正面壁部5で構成される前記デザイン壁のデザインは、重合正面板7の材質、形状及び色彩若しくは模様を替えた様々な重合正面板7から使用者の好みに合致するものを選択できるから、使用者の好みのデザインを有した正面壁部5とすることができ、しかも、このデザイン性の高い正面壁部5は、大容量の収納スペースを有する多機能な収納棚でるため、この一体の壁部は単なる引き出し式収納ケース体から構成されているとは思えない極めて実用的かつデザイン性に秀れた斬新な引き出し式収納ケース体といえる。
【0081】
また、本実施例は、重合正面板7の素材を、光沢を有した高級感のあるABS樹脂に設定して飾り板に構成すると共に、中央を開口して前記正面板部6が露出する窓部10を設けた枠板状の構成とし、更に前記引き出しケース体1の前記正面板部6を透明なPP樹脂で形成して前記重合正面板7の前記窓部10から前記正面板部6を介して引き出しケース体1内が正面から透視できるように構成するので、正面壁部5の窓部10は、透明な引き出しケース体1の正面板部6が持つ機能を無駄にせず上手く利用した窓部10であって、一重構成としたことにより、透視可能な材質で設けた引き出しケース体1の正面板部6と透視可能な材質で設けた重合正面板7とを二重に重合付設したものと比し、より透視しやすくなり、例えばこの引き出し式収納ケース体の内部に入れた服などを、引き出しケース体1をその都度引き出すことなく、この引き出し式収納ケース体の内部を容易に確認できることとなり、極めて便利で実用的な引き出し式収納ケース体となる。更に、この重合正面板7を開口して設けた窓部10に相当する材料費を削減することが可能となり、より一層安価な製品とすることが可能となる引き出し式収納ケース体となる。
【0082】
その上、この引き出し式収納ケース体は、利便性、実用性、経済性のみに傾くことなく、この引き出し式収納ケース体を積み重ねた際には、ケース本体2のケース本体2の正面開口部3に閉塞された正面壁部5が一体となった壁部となり、しかもその壁部は光沢を有した高級感のある斬新なデザインとなって正面視の外観が極めて良い引き出し式収納ケース体となる。
【0083】
即ち、本発明の引き出し式収納ケース体は重合正面板7を別体として設けたことにより、この重合正面板7を引き出しケース体1に一体に成形される正面板部6に重合付設するだけで、この重合正面板7の周縁部8でケース本体2の縁部9を隠すことができ、安く簡単にこの引き出し式収納ケース体の正面視を良くすることが出来ると共に、この引き出し式収納ケース体を積み重ねて使用すれば、単なる引き出し式収納ケース体から構成されているとは思えない斬新なデザインのデザイン壁を簡単に設けることができることとなる。
【0084】
しかも機能的な、引き出し式収納ケース体の商品価値を飛躍的に向上させ得る引き出し式収納ケース体となる。
【実施例2】
【0085】
本発明の具体的な実施例2について図面に基づいて説明する。
【0086】
図12〜14に示すように、板状重合構成の正面壁部5の前記樹脂製の重合正面板7は、中央を開口せずに、板状のままで使用することとする。
【0087】
また、板材重合構成の正面壁部5の前記樹脂製の重合正面板7は、材質、形状及び色彩若しくは模様を設定して飾り板に構成することとする。
【0088】
具体的には、重合正面板7の素材は、光沢を有し高級感のあるABS樹脂を用い、引き出しケース体1及びケース本体2には、安価なPP樹脂を用いることとする。
【0089】
また、重合正面板7の背面には、この重合正面板7の背面と引き出しケース体1の表面間の高さを有した突起部23を設けてこの重合正面板7を重合付設した際に、この重合正面板7が撓むことを防止する構成とする。
【0090】
従って、本実施例では、引き出しケース体1の正面壁部5を、前記引き出しケース体1を樹脂形成する際に一体成形される正面板部6に、別体の樹脂パーツとし成形した重合正面板7を正面から重合付設して板状重合構成の正面壁部5とすると、この正面壁部5は、
尚、重合正面板7の中央部を開口しない状態(閉塞した状態)で、この重合正面板7全体に模様を設ける構成として、複数の引き出し式収納ケース体を並べてその上に複数の引き出し式収納ケース体を積み重ねることにより、より一体感のあるデザインとしても良い。
【0091】
その余は実施例1と同様とする。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】実施例1を示す斜視図である。
【図2】実施例1の使用状態を示す斜視図である。
【図3】実施例1に係る要部を示す斜視図である。
【図4】実施例1に係る要部を示す斜視図である。
【図5】実施例1に係る要部の説明図である。
【図6】実施例1を示す側面図である。
【図7】実施例1を示す上面図である。
【図8】実施例1に係る要部の側断面図である。
【図9】実施例1に係る要部の断面図である。
【図10】実施例1を示す使用状態説明図である。
【図11】実施例1を示す使用状態説明図である。
【図12】実施例2を示す斜視図である。
【図13】実施例2の使用状態を示す斜視図である。
【図14】実施例2の分解図である。
【符号の説明】
【0093】
1 引き出しケース体
2 ケース本体
3 正面開口部
4 上部開口部
5 正面壁部
6 正面板部
7 重合正面板
8 周縁部
9 縁部
【技術分野】
【0001】
本発明は、引き出し式収納ケース体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的な引き出し式収納ケース体は、上面開口形の引き出しケース体を、積み重ね自在に設けたケース本体の正面開口部から引き出し自在に設け、このケース本体の正面開口部から前記引き出しケース体を前方へ引き出して、引き出しケース体の上部開口部から物を出し入れできるように構成されたものであり、原価の安い合成樹脂により、金型を用いて大量生産されているため、極めて安価で便利な収納ケースとして市場に広く浸透している。
【0003】
しかしながら、この一般的な引き出し式収納ケース体は、金型が高額であるため商品ラインナップが少ないという問題点を有しており、近年の生活水準の高まりやリフォームブームに伴う市場のニーズ、即ち、安価で便利なだけの商品ではなく、便利且つデザイン性を有し、しかも多種の選択肢を供えた商品が求められることとなった現在の市場のニーズに答えることができない。
【0004】
そこで、引き出し式収納ケース体に収納される引き出しケース体として、この引き出しケース体に一体成形される正面板部をケース本体とは異なる材質、形状及び色彩若しくは模様で構成して、全体のデザインを変えることなく、即ちコスト安に正面視の外観を良くした、例えば、引き出しケース体の正面板部だけを光沢がある見栄え良い材質で構成したものが提案されている。
【0005】
しかしながら、このような引き出しケース体は、正面板部がケース本体に一体成形される構造のため、新しい素材、形状及び色彩若しくは模様を提案するためには新しい金型を高額な資金を投じて用意する必要があり、製造費がかかることとなり、よって、引き出し式収納ケース体のコストアップの原因となってしまう。また、この様に、引き出しケース体の正面板部の外観を良くしたとしても、ケース本体に収納し引き出しケース体の周囲に露出するケース本体の縁部(何ら体裁について考慮されていない安価な材質やデザインの縁部)により、台無しになってしまうのが現状である。
【0006】
この点、引き出し式収納ケース体の中には、ケース本体に引き出しケース体を収納した際に、この引き出しケース体の正面板である正面板部が前記ケース本体の正面開口部の周縁より大きい形状として、ケース本体の正面開口部の縁部を正面板部の周縁部で隠す形状としたものが提案されているが、このような商品であっても、前述したようにケース本体に一体成形される正面板部の素材や形状などを良くしてデザイン性を向上しようとすると、やはり新しい金型を高額な資金を投じて用意する必要があり、よって、製造費がかかってコストアップの問題が生じてしまう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、これら問題に鑑みて、ケース本体の正面開口部の縁部を正面から隠して正面視の外観が良い引き出し式収納ケース体を提供可能とすると共に、ケース本体を積み重ねて且つ引き出しケース体をケース本体内に収納した際には正面からは一体の壁部を形成するものとして、多段の棚を有する機能性を有したデザイン壁を提供でき、しかも高額な金型代を投資すること無しに、異なる材質、形状及び色彩若しくは模様の引き出し式収納ケース体を製造できることとして、様々なデザインの引き出し式収納ケース体を選択できる、つまり、前記デザイン壁のデザインを充実したラインナップから選択できることとなる極めて実用的で秀れた引き出し式収納ケース体を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0009】
上面開口形の引き出しケース体1を、積み重ね自在に設けたケース本体2の正面開口部3から引き出し自在に設け、このケース本体2の正面開口部3から前記引き出しケース体1を前方へ引き出して、引き出しケース体1の上部開口部4から物を出し入れできるように構成すると共に、前記ケース本体2に前記引き出しケース体1を収納した際に、この引き出しケース体1の正面壁部5が前記ケース本体2の正面開口部3を閉塞するように構成し、前記引き出しケース体1の前記正面壁部5を、前記引き出しケース体1を樹脂成形する際に一体成形される正面板部6に、別体の樹脂パーツとして成形した重合正面板7を正面側から重合付設して板材重合構成の正面壁部5とし、前記重合正面板7の周縁部8が前記ケース本体2の正面開口部3の縁部9の正面に配設してこの縁部9を正面から隠す形状で且つこの縁部9からはみ出さない形状にこの重合正面板7の外形状を設定したことを特徴とする引き出し式収納ケース体に係るものである。
【0010】
また、前記板材重合構成の正面壁部5の前記樹脂製の重合正面板7は、前記樹脂製の引き出しケース体1の前記正面板部6の材質とは別材質としたことを特徴とした請求項1記載の引き出し式収納ケース体に係るものである。
【0011】
また、前記板材重合構成の正面壁部5の前記樹脂製の重合正面板7は、材質、形状及び色彩若しくは模様を設定して飾り板に構成したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の引き出し式収納ケース体に係るものである。
【0012】
また、前記板材重合構成の正面壁部5の前記樹脂製の重合正面板7は、中央を開口して前記正面板部6が露出する窓部10を設けた枠板状に構成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の引き出し式収納ケース体に係るものである。
【0013】
また、前記引き出しケース体1の前記正面板部6を透明若しくは半透明な樹脂で形成して前記板材重合構成の正面壁部5の前記樹脂製の重合正面板7の前記窓部10から前記正面板部6を介して引き出しケース体1内が正面から透視できるように構成したことを特徴とする請求項4記載の引き出し式収納ケース体に係るものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、上述のように構成したから、単に別体の樹脂パーツとして成形した重合正面板を引き出しケース体の正面から重合付設するだけで、引き出しケース体の正面に新しいデザインの板材重合構成の正面壁部を構成することが可能となり、またケース本体の正面開口部の縁部を正面から隠して正面視の外観が良い引き出し式収納ケース体を提供可能とすると共に、ケース本体を積み重ねて且つ引き出しケース体をケース本体内に収納した際には正面からは一体の壁部を形成するものとして、多段の棚を有する機能性を有したデザイン壁を提供でき、しかも高額な金型代を投資すること無しに、異なる材質、形状及び色彩若しくは模様の引き出し式収納ケース体を製造できることとして、様々なデザインの引き出し式収納ケース体を選択できる、つまり、前記デザイン壁のデザインを充実したラインナップから選択できることとなる極めて実用的で秀れた引き出し式収納ケース体を提供できることとなる。
【0015】
また、請求項2の発明においては、一層デザイン性の高い引き出し式収納ケース体となる。
【0016】
また、請求項3の発明においては、一層多くのデザインを安価に製造できることとなり、消費者にも一層多くの選択肢を提供できることとなる。
【0017】
また、請求項4の発明においては、一層安価な製品となる。
【0018】
また、請求項5の発明においては、安価な製品となると共に内部が確認しやすい、一層安価で一層機能的な極めて秀れた引き出し式収納ケース体となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
好適と考える本発明の実施形態(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0020】
別体の樹脂パーツとして成形した重合正面板7を、例えば、材質、形状及び色彩若しくは模様をケース本体2もしくは引き出しケース体1と異なるものとして、この重合正面板7を引き出しケース体1の正面から重合付設することにより、同じケース本体2や引き出しケース体1を用いて見た目には全く異なる新しいデザインの引き出し式収納ケース体を提供できることとなる。
【0021】
しかも、重合正面板7は、引き出しケース体1とは別体としたから、新しいデザインの引き出し式収納ケース体の提供には、この別体の樹脂パーツとして成形した重合正面板7の金型のみを新しく準備すれば良く、この引き出し式収納ケース体の主たる部分を構成するケース本体2及び引き出しケース体1の2パーツの製造には既存の引き出し式収納ケース体の金型をそのまま利用できることとなり、安価に新しいデザインの引き出し式収納ケース体を製造・提供できることとなる。
【0022】
即ち、一デザイン当りの投資コストが安いので、同じ新製品開発費を投資する場合、より多くの重合正面板7用の金型を用意することが出来ることとなり、よって、豊富なラインナップを提供できることとなる。従って、消費者は、引き出し式収納ケース体の柄即ち前記デザイン壁の柄を豊富なラインナップから選択できることとなる。
【0023】
また、単に別体の樹脂パーツとして成形した重合正面板7を引き出しケース体1の正面から重合付設して板材重合構成の正面壁部5とするだけで、周縁部8が前記ケース本体2の正面開口部3の縁部9の正面に配設してこの縁部9を正面から隠す形状で且つこの縁部9からはみ出さない形状とした重合正面板7が、ケース本体2の何ら体裁について考慮されていない安価な材質の正面開口部3の縁部9や、前記ケース本体2の正面開口部3の縁部9と引き出しケース体1の境界線を隠すことが出来ることとなり、この引き出し式収納ケース体を正面視した際の外観を極めて良くすることが出来ることとなる。
【0024】
例えば、重合正面板7を高級感のある材質で提供するだけで、引き出しケース体1を正面視した際にあたかも全体が高級感を有する素材で構成されているかのように見せることができ、引き出し式収納ケース体の商品価値を飛躍的に向上させることができる引き出し式収納ケース体となる。
【0025】
しかも、この引き出し式収納ケース体は、例えば引き出し式収納ケース体同士を積み重ねて使用すると、ケース本体2に引き出しケース体1を収納して引き出しケース体1の正面壁部5がケース本体2の正面開口部3を閉塞するように構成する際には、引き出しケース体1の正面板部6に重合付設した重合正面板7がこの重合正面板7の周縁部8が前記ケース本体2の正面開口部3の縁部9の正面に配設してこの縁部9を正面から隠す形状で且つこの縁部9からはみ出さない形状としたことにより、隣接する重合正面板7の隣り合う辺同士が近接若しくは当接することとなると共に正面からはケース本体2の存在を隠せることとなり、正面視がこの重合正面板7を正面側から重合付設して板材重合構成の正面壁部5で形成される一体の壁部と見えることとなる。
【0026】
その上、板状重合構成の正面壁部5で構成される前記デザイン壁のデザインは、重合正面板7の材質、形状及び色彩若しくは模様を替えた様々な重合正面板7から使用者の好みに合致するものを選択できるから、使用者の好みのデザインを有した正面壁部5とすることができ、しかも、このデザイン性の高い正面壁部5は、大容量の収納スペースを有する多機能な収納棚でるため、この一体の壁部は単なる引き出し式収納ケース体から構成されているとは思えない極めて実用的かつデザイン性に秀れた斬新な引き出し式収納ケース体といえる。
【0027】
即ち、本発明の引き出し式収納ケース体は重合正面板7を別体として設けたことにより、この重合正面板7を引き出しケース体1に一体に成形される正面板部6に重合付設するだけで、この重合正面板7の周縁部8でケース本体2の縁部9を隠すことができ、安く簡単にこの引き出し式収納ケース体の正面視を良くすることが出来ると共に、この引き出し式収納ケース体を積み重ねて使用すれば、単なる引き出し式収納ケース体から構成されているとは思えない斬新なデザインのデザイン壁を簡単に設けることができることとなる。
【0028】
しかも機能的な、引き出し式収納ケース体の商品価値を飛躍的に向上させ得る引き出し式収納ケース体となる。
【0029】
以上のように、単に引き出しケース体1の正面板部6に重合付設するだけの構造である別パーツとして設けた重合正面板7により、引き出し式収納ケース体単体の商品価値を飛躍的に向上することができ、且つ、この引き出し式収納ケース体同士を積み上げるなどして使用する場合には、従来にない斬新なデザイン、使用スタイルを提供することができ、複数組み合わせて使用する引き出し式収納ケース体の商品価値を飛躍的に向上させることができる。
【0030】
つまり、重合正面板7は引き出し式収納ケース体における単体での使用は勿論、複数組み合わせて使用する場合も考慮された構造である。
【実施例1】
【0031】
本発明の具体的な実施例1について図面に基づいて説明する。
【0032】
本実施例に係る引き出し式収納ケース体は、図1〜3に示すように、ケース本体2と、引き出しケース体1と、重合正面板7とで構成される。
【0033】
以下、本実施例に係る構成各部の詳細な説明をする。
【0034】
ケース本体2は、従来から使用している金型を用いることができる一般的な引き出し式収納ケース体の一般的なケース本体2とし、積み重ね自在のケース本体2とする。
【0035】
具体的には、このケース本体2は直方体もしくは立方体とし、正面は開口された正面開口部3とする。
【0036】
また、このケース本体2の下面15は、このケース本体2の積み重ね時にこのケース本体2を安定させ得る凹凸部若しくは足部を有する構成とする。また、このケース本体2の上面14は、他のケース本体2の下面15に設けた凹凸部もしくは足部が係止する構成とする。本実施例では、ケース本体2は直方体とし、このケース本体2の下面15の下部を凹凸形状として、上面14の上部の凹凸形状に係止させる構成とする。
【0037】
また、このケース本体2の正面に正面開口部3を設けて、後述する引き出しケース体1を挿入して、この引き出しケース体1が引き出し自在となる構成とする。
【0038】
また、このケース本体2の背面及び左右両側面16は、引き出し式収納ケース体を積み重ねた際に上下方向にかかる圧力に耐え得る構成とする。
【0039】
尚、上面14、下面15、左右両側面16及び背面17は、板状(面状)とせずにメッシュ構造などにし、一定の強度を保持しつつ材料費の削減となる構成としても良い。更に、前記ケース本体2の枠部に耐圧性が高く変形しない素材を使用して、下面15、左右両側面16を設けない構成としても良い。この構成により、材料費が削減でき、より安価に製造できるから、より安価な製品とすることが可能となる。
【0040】
ケース本体2の素材は、積み重ねの重みに耐え得る素材且つコスト安な素材を選択する。本実施例では、ポリプロピレン樹脂(PP樹脂)とする。
【0041】
引き出しケース体1は、ケース本体2と同様に、従来から使用している金型を用いることができる一般的な引き出しケース体1とし、上面開口形の引き出しケース体1とする。
【0042】
また、この上面開口形の引き出しケース体1は、図1〜4に示すように、積み重ね自在に設けたケース本体2の正面開口部3から引き出し自在に設け、このケース本体2の正面開口部3から前記引き出しケース体1を前方へ引き出して、引き出しケース体1の上部開口部4から物を出し入れできるように構成すると共に、前記ケース本体2に前記引き出しケース体1を収納した際に、この引き出しケース体1の正面壁部5が前記ケース本体2の正面開口部3を閉塞するように構成する。
【0043】
前記引き出しケース体1の正面壁部5は、この引き出しケース体1の正面板部6であり、この正面板部6は前記引き出しケース体1を樹脂成形する際に一体成形することとする。
【0044】
また、この正面板部6は、図5に示すように、ケース本体2に引き出しケース体1を収納した際に、この正面板部6は前記ケース本体2の正面開口部3より内側に収納され、この正面板部6の表面とケース本体2の正面開口部3の縁部9とが略同一面上に位置することとなる構成とする。
【0045】
引き出しケース体1の左右両側面19の幅は正面板部6の幅より狭く、引き出しケース体1をケース本体2から引き出す際に、引き出しケース体1の左右両側面がケース本体2の両側面16と擦れて滑りにくくなることを防止し、抵抗なく簡単に引き出せる構成とする。
【0046】
従って正面板部6の左右部は引き出しケース体1の左右両側面より外側に突出した縁部21を有する。後述する重合正面板7に設けられた爪部13は、正面板部6の上下の縁部21及び正面開口部3の内周より外方に位置する縁部21を利用して挟着することとする(図4)。
【0047】
また、引き出しケース体1の奥行き長さは、ケース本体2の奥行きの長さと略合致するサイズとする。従って、引き出しケース体1は引き出しケース体1収納時に前記ケース本体2の背面17が、この引き出しケース体1を所定位置で制止させ、この制止状態時に、この正面板部6の表面とケース本体2の縁部9とが略同一面上に位置することとなる。
【0048】
また、引き出しケース体1の正面板部6の下方には、この引き出しケース体1をケース本体2から引き出すための取手11を設けることとする。
【0049】
また、引き出しケース体1の正面板部6を透明若しくは半透明な樹脂で形成する。
【0050】
具体的には、この引き出しケース体1は、ケース本体2と同様、安価な合成樹脂とする。本実施例は具体的には透明なポリプロピレン樹脂(PP樹脂)で製造した。
【0051】
重合正面板7は、図4に示すように、引き出しケース体1及びケース本体2とは別体のパーツとして設け、この重合正面板7を引き出しケース体1の正面板部6に正面側から重合付設して板材重合構成の正面壁部5とする。
【0052】
この重合正面板7の外形状は、図6,7に示すように、前記重合正面板7の周縁部8がケース本体2の正面開口部3の縁部9の正面に配設してこの縁部9を正面から隠す形状で且つこの縁部9からはみ出さない形状に設定する。
【0053】
この構成により、引き出し式収納ケース体の積み重ね時には、隣接する重合正面板7の隣り合う辺同士が近接若しくは当接することとなる。
【0054】
また、本実施例では、具体的には重合正面板7のサイズをケース本体2と同等の高さとし、同等の幅を有した形状とする。
【0055】
尚、本発明でいう重合正面板7周縁部8が縁部9を正面から隠す形状とは、必ずしも完全に隠すという場合に限られるものではなく、例えば取手を設けたりする機能上の為であったり、デザイン上の為であったりなど、重合正面板7の外形状を設定する上でわずかに隠れない部位が生じてしまうのも含む意味である。この点については、縁部9からはみ出さない形状についても同様である。
【0056】
また、板材重合構成の正面壁部5の前記樹脂製の重合正面板7は、中央を開口して前記正面板部6が露出する窓部10を設けた枠板状に構成することとする。
【0057】
本実施例では、前記重合正面板7は、この重合正面板7の中央を開口して前記正面板部6が露出するロ字状の窓部10を設けた枠板状の構成とした。
【0058】
尚、重合正面板7をコ字状としても良い。開放部を壁、もしくは天井側に配置することにより、積み重ね時に正面壁部5はロ字状の枠が形成されているように見える。
【0059】
前記板材重合構成の正面壁部5の前記樹脂製の重合正面板7の前記窓部10から、前記透明若しくは半透明な樹脂で形成した引き出しケース体1の正面板部6を介して引き出しケース体1内が正面から透視できるように構成することとする。
【0060】
また、重合正面板7の引き出しケース体1の正面板部6への重合付設は、図4,8,9に示すように、重合正面板7に設けられた爪部13を介して成されることとする。
【0061】
本実施例では、具体的には、この重合正面板7の背面に引き出しケース体1の正面板部6と略合致するサイズの枠部22を設け、この枠部に柔軟性を有する樹脂素材の爪部13を設けて、この爪部13で正面板部6の上下の縁部21及び正面開口部3の内周より外方に位置する縁部21を(図4)を挟み込み、この柔軟性を有する樹脂素材の爪部13のバネ付勢によって重合正面板7を正面板部6に固定する構成とする。
【0062】
また、爪部13は重合正面板7の背面の周縁部8に複数箇所設けることとする。より具体的には、この周縁部の左右に各2箇所、上部に6箇所、下部に6箇所の爪部13を設けることとする。また、本実施例では、引き出しケース体1に重合正面板7を嵌め殺しとする。
【0063】
尚、本実施例では、引き出しケース体1に重合正面板7を嵌め殺したが、着脱自在の構成としても良い。これにより、ケース本体2及び引き出しケース体1はそのままに、多大なコストをかける必要もなく、入れ替える手間をかける必要もなく、季節に合わせ、気分に合わせ、部屋の雰囲気に合わせ、使用者に好み合わせ、また子供の成長に合わせ、消費者が自分の個性や好み合わせ模様替えすることが可能となる。
【0064】
重合正面板7を着脱自在に構成することにより、交換することにより模様替えすれば、模様変えの度に大きなゴミを排出することが避けられ、環境にも優しい商品となる。
【0065】
尚、重合正面板7の重合付設は、重合付設できれば良く、前記爪部13を介した構成に限るものでは無く、また、この重合正面板7は、市販の引き出し式収納ケース体のケース本体2の正面板部6にも重合付設できるものとする。
【0066】
また、重合正面板7の下方には、この重合正面板7を引き出しケース体1に重合付設した状態で、引き出しケース体1を引き出すための取手部12を設けることとする。
【0067】
また、この取手部12は、重合正面板7の下方で引き出しケース体1の取手11と重合する位置を開口部とする構成として、引き出しケース体1の取手11を使用して引き出しケース体1を引き出せる構成とする。
【0068】
尚、重合正面板7の下方に直接取手を設ける構成として、この重合正面板7に設けた取手を利用して引き出しケース体1を引き出す構成としても良い。
【0069】
前記板材重合構成の正面壁部5の前記樹脂製の重合正面板7は、前記樹脂製の引き出しケース体1の正面板部6の材質とは別材質とする。
【0070】
本実施例では、樹脂パーツとして成形する。具体的には、光沢を有し、高級感のあるABS樹脂(アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合合成樹脂)を用いることとする。
【0071】
尚、重合正面板7は、引き出しケース体1やケース本体2と同素材でもよく、同素材でカラーバリエーションを揃えても良い。
【0072】
本発明の引き出し式収納ケース体は単体で用いても良いが、図10に示すように重ねて使用するとなお良い。
【0073】
尚、図11に示すように、色彩の異なる2色の重合正面板7を用い、複数の引き出し式収納ケース体を複数並べてその上に複数の引き出し式収納ケース体を積み重ねることにより構成した多段の棚の正面板部6に、前記2色の重合正面板7を交互に取り付けることにより、各重合正面板7が隣接する上下左右4つの重合正面板7とは異なる色彩を有するように重合付設し、これら重合正面板7から成る板材重合構成の正面壁部5が、一体となるデザインとしても良い。
【0074】
従って、本実施例は、上述のように構成したから、別体の樹脂パーツとして成形した重合正面板7を、例えば、材質、形状及び色彩若しくは模様をケース本体2もしくは引き出しケース体1と異なるものとして、この重合正面板7を引き出しケース体1の正面から重合付設することにより、同じケース本体2や引き出しケース体1を用いて見た目には全く異なる新しいデザインの引き出し式収納ケース体を提供できることとなる。
【0075】
しかも、重合正面板7は、引き出しケース体1とは別体としたから、新しいデザインの引き出し式収納ケース体の提供には、この別体の樹脂パーツとして成形した重合正面板7の金型のみを新しく準備すれば良く、この引き出し式収納ケース体の主たる部分を構成するケース本体2及び引き出しケース体1の2パーツの製造には既存の引き出し式収納ケース体の金型をそのまま利用できることとなり、安価に新しいデザインの引き出し式収納ケース体を製造・提供できることとなる。
【0076】
即ち、一デザイン当りの投資コストが安いので、同じ新製品開発費を投資する場合、より多くの重合正面板7用の金型を用意することが出来ることとなり、よって、豊富なラインナップを提供できることとなる。従って、消費者は、引き出し式収納ケース体の柄即ち前記デザイン壁の柄を豊富なラインナップから選択できることとなる。
【0077】
また、単に別体の樹脂パーツとして成形した重合正面板7を引き出しケース体1の正面から重合付設して板材重合構成の正面壁部5とするだけで、周縁部8が前記ケース本体2の正面開口部3の縁部9の正面に配設してこの縁部9を正面から隠す形状で且つこの縁部9からはみ出さない形状とした重合正面板7が、ケース本体2の何ら体裁について考慮されていない安価な材質の正面開口部3の縁部9や、前記ケース本体2の正面開口部3の縁部9と引き出しケース体1の境界線を隠すことが出来ることとなり、この引き出し式収納ケース体を正面視した際の外観を極めて良くすることが出来ることとなる。
【0078】
例えば、重合正面板7を高級感のある材質で提供するだけで、引き出しケース体1を正面視した際にあたかも全体が高級感を有する素材で構成されているかのように見せることができ、引き出し式収納ケース体の商品価値を飛躍的に向上させることができる引き出し式収納ケース体となる。
【0079】
しかも、この引き出し式収納ケース体は、この引き出し式収納ケース体を積み重ねて使用すると、引き出しケース体1の正面板部6に重合付設した重合正面板7がこの重合正面板7の周縁部8が前記ケース本体2の正面開口部3の縁部9の正面に配設してこの縁部9を正面から隠す形状で且つこの縁部9からはみ出さない形状としたことにより、隣接する重合正面板7の隣り合う辺同士が近接若しくは当接することとなると共に正面からはケース本体2の存在を隠せることとなり、正面視がこの重合正面板7を正面側から重合付設して板材重合構成の正面壁部5で形成される一体の壁部と見えることとなる。
【0080】
その上、板状重合構成の正面壁部5で構成される前記デザイン壁のデザインは、重合正面板7の材質、形状及び色彩若しくは模様を替えた様々な重合正面板7から使用者の好みに合致するものを選択できるから、使用者の好みのデザインを有した正面壁部5とすることができ、しかも、このデザイン性の高い正面壁部5は、大容量の収納スペースを有する多機能な収納棚でるため、この一体の壁部は単なる引き出し式収納ケース体から構成されているとは思えない極めて実用的かつデザイン性に秀れた斬新な引き出し式収納ケース体といえる。
【0081】
また、本実施例は、重合正面板7の素材を、光沢を有した高級感のあるABS樹脂に設定して飾り板に構成すると共に、中央を開口して前記正面板部6が露出する窓部10を設けた枠板状の構成とし、更に前記引き出しケース体1の前記正面板部6を透明なPP樹脂で形成して前記重合正面板7の前記窓部10から前記正面板部6を介して引き出しケース体1内が正面から透視できるように構成するので、正面壁部5の窓部10は、透明な引き出しケース体1の正面板部6が持つ機能を無駄にせず上手く利用した窓部10であって、一重構成としたことにより、透視可能な材質で設けた引き出しケース体1の正面板部6と透視可能な材質で設けた重合正面板7とを二重に重合付設したものと比し、より透視しやすくなり、例えばこの引き出し式収納ケース体の内部に入れた服などを、引き出しケース体1をその都度引き出すことなく、この引き出し式収納ケース体の内部を容易に確認できることとなり、極めて便利で実用的な引き出し式収納ケース体となる。更に、この重合正面板7を開口して設けた窓部10に相当する材料費を削減することが可能となり、より一層安価な製品とすることが可能となる引き出し式収納ケース体となる。
【0082】
その上、この引き出し式収納ケース体は、利便性、実用性、経済性のみに傾くことなく、この引き出し式収納ケース体を積み重ねた際には、ケース本体2のケース本体2の正面開口部3に閉塞された正面壁部5が一体となった壁部となり、しかもその壁部は光沢を有した高級感のある斬新なデザインとなって正面視の外観が極めて良い引き出し式収納ケース体となる。
【0083】
即ち、本発明の引き出し式収納ケース体は重合正面板7を別体として設けたことにより、この重合正面板7を引き出しケース体1に一体に成形される正面板部6に重合付設するだけで、この重合正面板7の周縁部8でケース本体2の縁部9を隠すことができ、安く簡単にこの引き出し式収納ケース体の正面視を良くすることが出来ると共に、この引き出し式収納ケース体を積み重ねて使用すれば、単なる引き出し式収納ケース体から構成されているとは思えない斬新なデザインのデザイン壁を簡単に設けることができることとなる。
【0084】
しかも機能的な、引き出し式収納ケース体の商品価値を飛躍的に向上させ得る引き出し式収納ケース体となる。
【実施例2】
【0085】
本発明の具体的な実施例2について図面に基づいて説明する。
【0086】
図12〜14に示すように、板状重合構成の正面壁部5の前記樹脂製の重合正面板7は、中央を開口せずに、板状のままで使用することとする。
【0087】
また、板材重合構成の正面壁部5の前記樹脂製の重合正面板7は、材質、形状及び色彩若しくは模様を設定して飾り板に構成することとする。
【0088】
具体的には、重合正面板7の素材は、光沢を有し高級感のあるABS樹脂を用い、引き出しケース体1及びケース本体2には、安価なPP樹脂を用いることとする。
【0089】
また、重合正面板7の背面には、この重合正面板7の背面と引き出しケース体1の表面間の高さを有した突起部23を設けてこの重合正面板7を重合付設した際に、この重合正面板7が撓むことを防止する構成とする。
【0090】
従って、本実施例では、引き出しケース体1の正面壁部5を、前記引き出しケース体1を樹脂形成する際に一体成形される正面板部6に、別体の樹脂パーツとし成形した重合正面板7を正面から重合付設して板状重合構成の正面壁部5とすると、この正面壁部5は、
尚、重合正面板7の中央部を開口しない状態(閉塞した状態)で、この重合正面板7全体に模様を設ける構成として、複数の引き出し式収納ケース体を並べてその上に複数の引き出し式収納ケース体を積み重ねることにより、より一体感のあるデザインとしても良い。
【0091】
その余は実施例1と同様とする。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】実施例1を示す斜視図である。
【図2】実施例1の使用状態を示す斜視図である。
【図3】実施例1に係る要部を示す斜視図である。
【図4】実施例1に係る要部を示す斜視図である。
【図5】実施例1に係る要部の説明図である。
【図6】実施例1を示す側面図である。
【図7】実施例1を示す上面図である。
【図8】実施例1に係る要部の側断面図である。
【図9】実施例1に係る要部の断面図である。
【図10】実施例1を示す使用状態説明図である。
【図11】実施例1を示す使用状態説明図である。
【図12】実施例2を示す斜視図である。
【図13】実施例2の使用状態を示す斜視図である。
【図14】実施例2の分解図である。
【符号の説明】
【0093】
1 引き出しケース体
2 ケース本体
3 正面開口部
4 上部開口部
5 正面壁部
6 正面板部
7 重合正面板
8 周縁部
9 縁部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面開口形の引き出しケース体を、積み重ね自在に設けたケース本体の正面開口部から引き出し自在に設け、このケース本体の正面開口部から前記引き出しケース体を前方へ引き出して、引き出しケース体の上部開口部から物を出し入れできるように構成すると共に、前記ケース本体に前記引き出しケース体を収納した際に、この引き出しケース体の正面壁部が前記ケース本体の正面開口部を閉塞するように構成し、前記引き出しケース体の前記正面壁部を、前記引き出しケース体を樹脂成形する際に一体成形される正面板部に、別体の樹脂パーツとして成形した重合正面板を正面側から重合付設して板材重合構成の正面壁部とし、前記重合正面板の周縁部が前記ケース本体の正面開口部の縁部の正面に配設してこの縁部を正面から隠す形状で且つこの縁部からはみ出さない形状にこの重合正面板の外形状を設定したことを特徴とする引き出し式収納ケース体。
【請求項2】
前記板材重合構成の正面壁部の前記樹脂製の重合正面板は、前記樹脂製の引き出しケース体の前記正面板部の材質とは別材質としたことを特徴とした請求項1記載の引き出し式収納ケース体。
【請求項3】
前記板材重合構成の正面壁部の前記樹脂製の重合正面板は、材質、形状及び色彩若しくは模様を設定して飾り板に構成したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の引き出し式収納ケース体。
【請求項4】
前記板材重合構成の正面壁部の前記樹脂製の重合正面板は、中央を開口して前記正面板部が露出する窓部を設けた枠板状に構成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の引き出し式収納ケース体。
【請求項5】
前記引き出しケース体の前記正面板部を透明若しくは半透明な樹脂で形成して前記板材重合構成の正面壁部の前記樹脂製の重合正面板の前記窓部から前記正面板部を介して引き出しケース体内が正面から透視できるように構成したことを特徴とする請求項4記載の引き出し式収納ケース体。
【請求項1】
上面開口形の引き出しケース体を、積み重ね自在に設けたケース本体の正面開口部から引き出し自在に設け、このケース本体の正面開口部から前記引き出しケース体を前方へ引き出して、引き出しケース体の上部開口部から物を出し入れできるように構成すると共に、前記ケース本体に前記引き出しケース体を収納した際に、この引き出しケース体の正面壁部が前記ケース本体の正面開口部を閉塞するように構成し、前記引き出しケース体の前記正面壁部を、前記引き出しケース体を樹脂成形する際に一体成形される正面板部に、別体の樹脂パーツとして成形した重合正面板を正面側から重合付設して板材重合構成の正面壁部とし、前記重合正面板の周縁部が前記ケース本体の正面開口部の縁部の正面に配設してこの縁部を正面から隠す形状で且つこの縁部からはみ出さない形状にこの重合正面板の外形状を設定したことを特徴とする引き出し式収納ケース体。
【請求項2】
前記板材重合構成の正面壁部の前記樹脂製の重合正面板は、前記樹脂製の引き出しケース体の前記正面板部の材質とは別材質としたことを特徴とした請求項1記載の引き出し式収納ケース体。
【請求項3】
前記板材重合構成の正面壁部の前記樹脂製の重合正面板は、材質、形状及び色彩若しくは模様を設定して飾り板に構成したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の引き出し式収納ケース体。
【請求項4】
前記板材重合構成の正面壁部の前記樹脂製の重合正面板は、中央を開口して前記正面板部が露出する窓部を設けた枠板状に構成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の引き出し式収納ケース体。
【請求項5】
前記引き出しケース体の前記正面板部を透明若しくは半透明な樹脂で形成して前記板材重合構成の正面壁部の前記樹脂製の重合正面板の前記窓部から前記正面板部を介して引き出しケース体内が正面から透視できるように構成したことを特徴とする請求項4記載の引き出し式収納ケース体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2010−5224(P2010−5224A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−169635(P2008−169635)
【出願日】平成20年6月27日(2008.6.27)
【出願人】(591239003)株式会社サンカ (9)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月27日(2008.6.27)
【出願人】(591239003)株式会社サンカ (9)
【Fターム(参考)】
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