説明

引き出し用緩衝・閉鎖装置

【課題】引き出しの閉動作時に引き出しが幅方向に偏倚して移動しても係止部材同士が確実に係合し、閉鎖時の衝撃を緩衝するとともに、引き出しを完全な閉鎖位置まで移動させることができる引き出し用緩衝・閉鎖装置を提供すること。
【解決手段】第1の係止部材20が、係着部材26に水平面内で揺動可能に配設した本体部21に、引き出し70の開動作時に、第2の係止部材3が係合する第1の当接片22と、引き出し70の閉動作時に、第2の係止部材3が係合する第2の当接片23と、第1の係止部材20を揺動させて緩衝・閉鎖機構2の本体27に当接して停止させる第3の当接片24とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、引き出し用緩衝・閉鎖装置に関し、例えば、事務机やシステムキッチン等の引き出しに使用する引き出し用緩衝・閉鎖装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、事務机やシステムキッチン等の引き出しに使用される引き出し用緩衝・閉鎖装置としては、引き出し本体側及び引き出し収納部側に配設した係止部材の相対移動を制動するロータリダンパを主要構成部品としたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この引き出し用緩衝・閉鎖装置に使用されるロータリダンパは、内部にオイルを充填したオイル式ロータリダンパが汎用されており、このため、長年の使用によってシール部材が劣化し、内部のオイルが漏れ出し、引き出し内の書類や貴重な装飾品を汚してしまうことがあるという問題があった。
【0004】
かかる問題に対処するため、作動流体として空気を使用するエアダンパを用いた引き出し用緩衝・閉鎖装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
ところで、この引き出し用緩衝・閉鎖装置は、引き出し収納部側に配設する、第1の係止部材並びに該第1の係止部材に係着部材を介して係着した引き出しの閉動作時に引き出しに緩衝力を付与するダンパ部材及び閉じ方向の付勢力を付与する付勢手段を備えた緩衝・閉鎖機構と、引き出し側に配設する、前記緩衝・閉鎖機構の第1の係止部材と係合する第2の係止部材とからなり、引き出しの開動作時に、前記第1の係止部材と第2の係止部材とが係合した状態で、第1の係止部材が緩衝・閉鎖機構本体の第1の位置から第2の位置に移動して、前記係合が解除されて、当該位置で第1の係止部材が停止するようにし、引き出しの閉動作時に、緩衝・閉鎖機構本体の第2の位置に停止している第1の係止部材に第2の係止部材が係合し、第2の係止部材が緩衝・閉鎖機構本体の第2の位置から第1の位置に移動するようにしている。
【0006】
より具体的には、図10に示すように、この引き出し用緩衝・閉鎖装置60は、正面側が化粧板71、両側が側板72、72、背面側が裏板73、そして、底面側が底板74となった引き出し70と、該引き出し70を収納する机や家具に形成した引き出し収納部75に取り付けるもので、引き出し収納部75側に、第1の係止部材62並びに該第1の係止部材62に係着部材66を介して係着した引き出し70の閉動作時に引き出し70に緩衝力を付与するダンパ部材64及び閉じ方向の付勢力を付与する付勢手段65を備えた緩衝・閉鎖機構61を配設し、引き出し70側に、前記緩衝・閉鎖機構61の第1の係止部材62と係合する第2の係止部材63を配設するようにしている。
なお、引き出し70は、周知のとおり、引き出し70に配設したガイドローラ(図示省略)が、引き出し収納部75に配設した固定レール77に案内され、固定レール77の先端に配設したガイドローラ(図示省略)が、引き出し70に配設した可動レール76に案内されて開閉動作がなされる。
【0007】
第1の係止部材62は、緩衝・閉鎖機構61の本体67内を、該本体67に開口した入口側(図例左側)が斜め下方に段状に屈曲したガイド溝68に沿って走行する第1のガイドピン62cと第2のガイドピン62dとが離れた位置に突出して形成されるとともに、上部には第2の係止部材63と係合する第1の当接片62aと第2の当接片62bとが緩衝・閉鎖機構61の本体67より突出するように形成されている。
引き出し70の閉動作時に引き出し70に緩衝力を付与するダンパ部材64は、係着部材66を介して第1の係止部材62が揺動可能となるように第1の係止部材62と係合され、第1の係止部材62が奥側(図例右側)に移動する際に十分な抵抗を与えるようにしている。
また、緩衝・閉鎖機構61の本体67内に配設する前記付勢手段65は、一端を本体67内に係合し、他端を第1の係止部材62に係合した引張バネで構成し、常時、第1の係止部材62を本体67の奥側(図例右側)に付勢するように配設されている。
【0008】
ここで、第1の係止部材62を入口側(図例左側)に移動させると、第1のガイドピン62cが屈曲したガイド溝68の下端部68bに位置し、第1のガイドピン62cと離れた位置の第2のガイドピン62dはガイド溝68の水平部分68aに位置した状態となり、第1の当接片62aが本体67内に埋没し、第2の当接片62bのみが本体67から突出した状態となる(二点鎖線参照)。
この状態では、第1の係止部材62は付勢手段65によって奥側に付勢されているものの、第1のガイドピン62cが屈曲したガイド溝68の下端部68bに係合しているために第1の係止部材62は停止した状態を維持しているが、この状態で本体67より突出している第2の当接片62bに引き出し70に配設した第2の係止部材63が当接し、引き出し収納部75の奥側へ第1の係止部材62が押圧されると、第1のガイドピン62cの係合が解除され、第1の当接片62aが本体67から突出し、引き出し収納部75の奥側への引き出し70の移動を止めたとしても、第1の当接片62aが第2の係止部材63と係合して付勢手段65の付勢力によって引き出し70を閉鎖位置まで移動させる。
このとき、引き出し70の移動は、閉動作時に引き出し70に緩衝力を付与するダンパ部材64によって、ゆっくりとした移動となる。
【0009】
ところで、上記従来の引き出し用緩衝・閉鎖装置は、第1の係止部材62が、鉛直面内で揺動するようにされているため、引き出し70を閉動作する際に、引き出し70と引き出し収納部75との幅方向のクリアランスによって、引き出し70が幅方向に偏倚して移動すると第2の係止部材63が、第1の係止部材62と係合されない場合があるという問題があった。
また、第1の係止部材62が誤作動によって単独で、ガイド溝68の下端部68bとの係合が解除されて引き出し収納部75の奥側に移動した場合、引き出し70を閉動作して閉鎖位置に移動させようとしても、第2の係止部材63が、第1の係止部材62の第1の当接片62aの入口側(図例左側)に当接して完全に閉鎖せず、無理に引き出し70を閉めようとすると第1の係止部材62が破損するおそれがあり、通常の使用状態に復帰させるために、一端引き出し70を引き出し収納部75から取り外して、第1の係止部材62を第2の位置に移動させる必要があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2005−204790号公報
【特許文献2】特開2009−32206号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上記従来の引き出し用緩衝・閉鎖装置の有する問題点に鑑み、引き出しの閉動作時に引き出しが幅方向に偏倚して移動しても係止部材同士が確実に係合し、閉鎖時の衝撃を緩衝するとともに、引き出しを完全な閉鎖位置まで移動させることができる引き出し用緩衝・閉鎖装置を提供することを第1の目的とする。
また、引き出し収納部に配設する係止部材が、誤作動によって、引き出し収納部の奥側に移動した場合でも、引き出しを引き出し収納部から取り外すことなく通常の使用状態に復帰させることができる引き出し用緩衝・閉鎖装置を提供することを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記第1の目的を達成するため、本発明の引き出し用緩衝・閉鎖装置は、引き出し収納部側に配設する、第1の係止部材並びに該第1の係止部材に係着部材を介して係着した引き出しの閉動作時に引き出しに緩衝力を付与するダンパ部材及び閉じ方向の付勢力を付与する付勢手段を備えた緩衝・閉鎖機構と、引き出し側に配設する、前記緩衝・閉鎖機構の第1の係止部材と係合する第2の係止部材とからなり、引き出しの開動作時に、前記第1の係止部材と第2の係止部材とが係合した状態で、第1の係止部材が緩衝・閉鎖機構本体の第1の位置から第2の位置に移動して、前記係合が解除されて、当該位置で第1の係止部材が停止するようにし、引き出しの閉動作時に、緩衝・閉鎖機構本体の第2の位置に停止している第1の係止部材に第2の係止部材が係合し、第2の係止部材が緩衝・閉鎖機構本体の第2の位置から第1の位置に移動するようにした引き出し用緩衝・閉鎖装置において、前記第1の係止部材が、前記係着部材に水平面内で揺動可能に配設した本体部に、引き出しの開動作時に、前記第2の係止部材が係合する第1の当接片と、引き出しの閉動作時に、前記第2の係止部材が係合する第2の当接片と、第1の係止部材を緩衝・閉鎖機構本体の第2の位置に移動した位置で揺動して緩衝・閉鎖機構本体に当接して停止させる第3の当接片とを備えてなることを特徴とする。
【0013】
また、上記第2の目的を達成するため、前記第1の係止部材の第1の当接片に、第1の係止部材が誤作動によって単独で緩衝・閉鎖機構本体の第1の位置に移動した場合に、引き出しの閉動作時に、前記第2の係止部材が第1の当接片を乗り越えて、第1の当接片と第2の当接片が対向する間に設けられた溝部に案内されるようにする第1の案内部を形成することができる。
【0014】
また、前記前記第1の係止部材の第2の当接片に、引き出しの閉動作時に、前記第2の係止部材が、第1の当接片と第2の当接片が対向する間に設けられた溝部に案内されるようにする第2の案内部を形成することができる。
【0015】
また、前記前記第1の係止部材を上下対称に形成するとともに、前記係着部材に着脱可能に配設するようにし、第1の係止部材を反転して取り付けることにより、緩衝・閉鎖機構本体に対する第1の係止部材の第1の当接片及び第2の当接片の突出方向を変更できるようにすることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の引き出し用緩衝・閉鎖装置によれば、第1の係止部材が、前記係着部材に水平面内で揺動可能に配設した本体部に、引き出しの開動作時に、前記第2の係止部材が係合する第1の当接片と、引き出しの閉動作時に、前記第2の係止部材が係合する第2の当接片と、第1の係止部材を緩衝・閉鎖機構本体の第2の位置に移動した位置で揺動して緩衝・閉鎖機構本体に当接して停止させる第3の当接片とを備えるようにすることにより、第1の係止部材と第2の係止部材とが係合する範囲を引き出しの幅方向で大きく取ることが可能となり、引き出しの閉動作時に引き出しが幅方向に偏倚して移動しても係止部材同士を確実に係合させることができ、これによって、閉鎖時の衝撃を緩衝するとともに、引き出しを完全な閉鎖位置まで移動させることができる。
【0017】
また、第1の係止部材の第1の当接片に、第1の係止部材が誤作動によって単独で緩衝・閉鎖機構本体の第1の位置に移動した場合に、引き出しの閉動作時に、前記第2の係止部材が第1の当接片を乗り越えて、第1の当接片と第2の当接片が対向する間に設けられた溝部に案内されるようにする第1の案内部を形成することにより、第1の係止部材が誤作動によって単独で緩衝・閉鎖機構本体の第1の位置に移動した場合でも、第1の係止部材を手動で第2の位置に移動させることなく、引き出しを閉鎖位置まで移動させるだけで通常の使用状態に復帰させることができ、一般の使用者でも、誤作動時の復旧を手数を要することなく簡易に行えるようにすることができる。
【0018】
また、前記第1の係止部材の第2の当接片に、引き出しの閉動作時に、前記第2の係止部材が、第1の当接片と第2の当接片が対向する間に設けられた溝部に案内されるようにする第2の案内部を形成することにより、引き出しの開閉動作時に、引き出しが幅方向に偏倚して移動する際の移動量が大きいときでも、第2の係止部材が第2の案内部によって確実に溝部に案内され、第1の係止部材と第2の係止部材とを確実に係合させることができる。
【0019】
また、前記第1の係止部材を上下対称に形成するとともに、前記係着部材に着脱可能に配設するようにし、第1の係止部材を反転して取り付けることにより、緩衝・閉鎖機構本体に対する第1の係止部材の第1の当接片及び第2の当接片の突出方向を変更できるようにすることにより、引き出し及び引き出し収納部の左右のいずれにも共通の引き出し用緩衝・閉鎖装置を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の引き出し用緩衝・閉鎖装置の一実施例を示し、(a)は引き出しの閉鎖状態を示す一部切り欠き断面の底面図、(b)は(a)のX−X断面図である。
【図2】同引き出し用緩衝・閉鎖装置の主要部品を示し、(a)は第1の係止部材の斜視図、(b)は第2の係止部材の斜視図、(c)は緩衝・閉鎖機構を構成する第1の係止部材、係着部材、ダンパ部材(エアダンパ)及び付勢手段を緩衝・閉鎖機構本体に取り付ける方法を示す斜視図である。
【図3】同引き出し用緩衝・閉鎖装置の緩衝・閉鎖機構に使用するエアダンパの一実施例を示し、(a)は一部断面の正面図、(b)は(a)のY−Y断面図である。
【図4】同エアダンパのピストンを示し、(a)は一部切り欠きの正面図、(b)は分割構造にした例を示す正面図である。
【図5】同ピストンに取り付けるシール部材を示し、(a)は正面図、(b)はピストンロッド側の側面図、(c)は(a)のZ−Z断面図、(d)は(b)のW−W断面図である。
【図6】同ピストンにシール部材を取り付けた状態を示す一部切り欠き断面の正面図である。
【図7】同エアダンパの作動を説明する一部切り欠き断面の正面図で、(a)はピストンをシリンダ閉鎖端側へ移動させている状態(収縮させている際の状態)を、(b)はピストンをシリンダ開放端側へ移動させている状態(伸長させている際の状態)を、それぞれ示す。
【図8】本発明の引き出し用緩衝・閉鎖装置の引き出し及び引き出し収納部への取り付けを示し、(a)は一部断面の平面図、(b)は(a)の一部切り欠きのT−T断面図である。
【図9】同引き出し用緩衝・閉鎖装置の作動を説明する一部切り欠き断面の底面図で、(a)は引き出しが閉鎖されている状態(第1の係止部材が緩衝・閉鎖機構本体の第1の位置に位置する状態)を、(b)は引き出しが開放側に移動している状態を、(c)は引き出しが開放側に移動し、第1の係止部材と第2の係止部材の係合が解除された状態(第1の係止部材が緩衝・閉鎖機構本体の第2の位置に位置する状態)を、それぞれ示す。
【図10】従来の引き出し用緩衝・閉鎖装置を示す概略図で、(a)は一部断面の平面図、(b)は(a)のV−V断面図、(c)は同引き出し用緩衝・閉鎖装置に使用する緩衝・閉鎖機構の正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の引き出し用緩衝・閉鎖装置の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0022】
図1〜図9に、本発明の引き出し用緩衝・閉鎖装置の一実施例を示す。
この引き出し用緩衝・閉鎖装置1は、引き出し収納部75側に配設する、第1の係止部材20並びにこの第1の係止部材20に係着部材26を介して係着した引き出し70の閉動作時に引き出しに緩衝力を付与するダンパ部材4及び閉じ方向の付勢力を付与する付勢手段25を備えた緩衝・閉鎖機構2と、引き出し側に配設する、緩衝・閉鎖機構の第1の係止部材20と係合する第2の係止部材3とからなり、引き出し70の開動作時に、第1の係止部材20と第2の係止部材3とが係合した状態で、第1の係止部材20が緩衝・閉鎖機構2の本体27の第1の位置27Aから第2の位置27Bに移動して、係合が解除されて、当該位置で第1の係止部材20が停止するようにし、引き出し70の閉動作時に、緩衝・閉鎖機構2の本体27の第2の位置27Bに停止している第1の係止部材20に第2の係止部材3が係合し、第2の係止部材3が緩衝・閉鎖機構2の本体27の第2の位置27Bから第1の位置27Aに移動するようにする。
そして、第1の係止部材20が、係着部材26に水平面内で揺動可能に配設した本体部21に、引き出し70の開動作時に、第2の係止部材3が係合する第1の当接片22と、引き出し70の閉動作時に、第2の係止部材3が係合する第2の当接片23と、第1の係止部材20を緩衝・閉鎖機構2の本体27の第2の位置27Bに移動した位置で揺動して緩衝・閉鎖機構2の本体27に当接して停止させる第3の当接片24とを備えてなるようにしている。
【0023】
緩衝・閉鎖機構2は、図1〜図2に示すように、2つ割り構造で内部が空洞の矩形の本体27内に、引き出し70の閉動作時に引き出し70に緩衝力を付与するダンパ部材4、閉じ方向の付勢力を付与する付勢手段25及び係着部材26を配設する。
ダンパ部材4は、引き出し70の閉動作時に引き出し70に緩衝力を付与するものであれば、特に限定するものではないが、本実施例においては、エアダンパ5を使用するようにしている。
【0024】
また、付勢手段25も、閉じ方向の付勢力を付与するものであれば、特に限定するものではないが、本実施例においては、スプリング等の弾性部材を使用し、エアダンパ5を収縮させる方向に、付勢力を付与するように取り付けている。
スプリングからなる付勢手段25は、エアダンパ5のピストンロッドに挿通し、エアダンパ5のシリンダ内に配設してもよいが、本実施例においては、第1の係止部材20とエアダンパ5とを係着する係着部材26に一端を取り付け、他端を本体27に取り付けるようにしている。
【0025】
係着部材26は、エアダンパ5のピストンロッドの先端と第1の係止部材20とを係着するものであれば、その構造は特に限定されるものではないが、本実施例においては、本体27内をエアダンパ5のピストンの移動方向と平行に移動するエアダンパ5のシリンダ長さと略同一長さの摺動部26bと、この摺動部26bの一端に形成した第1の係止部材20を枢着する枢軸26aと、摺動部26bの他端に形成したエアダンパ5のピストンロッド先端及び付勢手段25の一端を取り付ける取付部26cとからなり、枢軸26aに第1の係止部材20を揺動自在に取り付け、他端にエアダンパ5のピストンロッド先端と付勢手段25の一端を固定するようにしている。
この場合、摺動部26bに、図2(c)に示すように、全長に亘って溝部Mを形成し、本体27の凸部Nに嵌合させて、本体27で挟み込むことによって、上下に振れることなく第1の係止部材20を移動させることができる。
また、エアダンパ5のピストンロッド先端を揺動中心として、第1の係止部材を揺動させる従来の緩衝・閉鎖機構と異なり、第1の係止部材20は係着部材26の枢軸26aを揺動中心として揺動するから、従来の緩衝・閉鎖機構のように、揺動の際にピストンロッドが上下方向の撓むことがない。
【0026】
本体27は、係着部材26の枢軸26aが突出する開口部27Cを形成し、この開口部27Cのエアダンパ5が収縮した状態で枢軸26aが突出している位置を第1の位置27Aとし、第2の位置27Bは、第1の係止部材20の第3の当接片24が揺動しながら係合するように、平面視(図1(a)参照)円弧状となるようにしている。
【0027】
第1の係止部材20は、図2(a)に示すように、平面視略三角形状の本体部21の1辺に、第1の当接片22と第2の当接片23と、両当接片22、23が対向する間に設けられた溝部21bとを形成する。
第2の当接片23には、引き出し70の閉動作時に、第2の係止部材3が、溝部21bに案内されるようにする第2の案内部23aを形成し、第1の係止部材20を緩衝・閉鎖機構2の構成部品として引き出し収納部75に配設したとき、引き出し収納部75の側壁側から引き出し収納部75の内部に向かって第2の当接片23が延設するようにした形状としている。
本体部21は、係着部材26に配設した枢軸26aが、嵌着される孔部21aを開口し、緩衝・閉鎖機構2が引き出し収納部75に配設されたときに第1の係止部材20が、水平面内で揺動可能となるようにしている。
【0028】
また、第1の当接片22には、第1の係止部材20が誤作動によって単独で緩衝・閉鎖機構2の本体27の第1の位置27Aに移動した場合に、引き出し70の閉動作時に、第2の係止部材3が第1の当接片22を乗り越えて、第1の当接片22と第2の当接片23が対向する間に設けられた溝部21bに案内されるようにする第1の案内部22aを形成するようにしている。
この第1の案内部22aは、第1の係止部材20が本体27の第1の位置27Aに位置したときに、第1の当接片22の引き出し70側の側面で形成し、引き出し70を閉動作したときに、第2の係止部材3が第1の当接片22を乗り越えるように、図1(a)に示すように、底面視した引き出し収納部75の側壁側から引き出し収納部75の内側に徐々に引き出し収納部75の奥側に向かって傾く傾斜面となるようにしている。
これによって、第1の係止部材20が誤作動によって単独で緩衝・閉鎖機構2の本体27の第1の位置27Aに移動した場合でも、第1の係止部材20を手動で第2の位置27Bに移動させることなく、引き出し70を閉鎖位置まで移動させるだけで通常の使用状態に復帰させることができ、一般の使用者でも、誤作動時の復旧を手数を要することなく簡易に行えるようにすることができる。
【0029】
また、第1の係止部材20は、図2(a)に示すように、上下対称に形成するとともに、係着部材26に着脱可能に配設するようにし、第1の係止部材20を反転して取り付けることにより、緩衝・閉鎖機構2の本体27に対する第1の係止部材20の第1の当接片22及び第2の当接片23の突出方向を変更できるようにしている。
これによって、第1の係止部材20を水平面内で揺動するように構成した緩衝・閉鎖機構2でも、引き出し70及び引き出し収納部75の左右のいずれにも共通の引き出し用緩衝・閉鎖装置1を適用することができる。
【0030】
第2の係止部材3は、引き出し70が閉鎖位置にあるときに、第1の係止部材20の第1の当接片22と第2の当接片23が対向する間に設けられた溝部21bに位置する係合バー3Aと、この係合バー3Aを取り付けるフランジ3Bとからなる。
そして、第2の係止部材3は、引き出し70の背面側の裏板73の外側で、緩衝・閉鎖機構2と対応する位置にフランジ3Bを当接させ、ネジ等の固定手段によって取り付けるようにしている。
【0031】
緩衝・閉鎖機構2に使用するエアダンパ5は、図3に示すように、一端を閉鎖し、他端を開放したシリンダ15と、このシリンダ15の内周面16aに摺接するシール部材10を取り付けたピストン18と、このピストン18から延設したピストンロッド19とからなり、シール部材10を、ピストンロッド19側から、シリンダ15の内周面16aとの間に隙間が形成されるようにシリンダ15の内径よりも小径に形成した円筒部11と、この円筒部11に連なり漸次拡径してシリンダ15の内周面16aに摺接するように形成した拡径部12と、円筒部11の内周側に形成した、ピストン18に形成した小径段部30に遊嵌する環状突部13とからなる可撓性を有する筒状部材で構成するようにしている。
【0032】
シリンダ15は、一端が閉塞され、他端が開放された筒状のものであれば、特に限定されるものではないが、本実施例においては、両端が開放された筒状部材16と、この筒状部材16の一端を塞ぐ蓋部材17とから構成する。
また、開放端側も、ピストンロッド19の通過と空気が流通する空間を有するように構成してあれば、蓋部材を嵌合することもできる。
【0033】
ピストン18は、シリンダ15内をピストンロッド19のシリンダ15の軸方向の移動に伴って移動するもので、シリンダ15の内径よりも小径に形成されている。
そして、ピストン18はその周面に、シリンダ15の内周面16aに摺接するシール部材10を取り付けるための小径段部30を形成している。
【0034】
また、ピストン18は、小径段部30を挟んで、シリンダ15の閉鎖側(図例左側)を前段部31、シリンダ15の開放側(図例右側のピストンロッド19側)を後段部32としている。
前段部31、小径段部30及び後段部32は、一体構造とすることもできるが、本実施例においては、図4(b)に示すように、シール部材10の取り付けを容易に行うことができるように、前段部31及び小径段部30を、後段部32側と別体に成形し、小径段部30側の端面に取付孔33を開口するとともに、後段部32の端面に取付孔33に嵌合する突出ピン34を形成するようにして、一体化するようにしている。
取付孔33の内径と突出ピン34の外径との公差は、ピストンロッド19のシリンダ15の軸方向の移動によって容易に抜けないように、中間嵌め、又は、締まり嵌めの範囲となるようにしている。
また、突出ピン34に雄ネジを、取付孔33に雌ネジを形成し、突出ピン34を取付孔33に螺合するように構成することもできる。
これによって、一体に成形された前段部31及び小径段部30を、シール部材10の内周側の空間10Aに挿入し、取付孔33をシール部材10の環状突部13側の端面に位置させ、後段部32の突出ピン34を取付孔33に嵌入するという簡単な手順でシール部材10をピストン18に取り付けることができる。
【0035】
ピストン18の後段部32から延設して設けられるピストンロッド19は、後段部32に螺合や接着等の固定手段によって取り付けることができるが、本実施例においては、一体構造としている。
また、ピストンロッド19は、ピストン18がシリンダ15内のシリンダ閉鎖側の最奥に位置するときでも、その一端がシリンダ15の開放端から外部に突出する長さを有し、その端部には、係着部材26の取付部26cに接続する接続部19bを形成する。
ピストンロッド19の形状は、シリンダ15内に挿通可能なように、シリンダ15の内径より若干小径の円筒形状や、角柱形状とすることができるが、本実施例においては、図3(b)に示すように、ピストンロッド19の外周面に、シリンダ15の内周面16aに摺接する軸方向に延びる複数本のリブ19aを形成するようにしている。
これにより、ピストン18の直動性を向上して、シール部材10のシリンダ15の内周面16aへの摺接状態を均一にでき、後述のシール部材10の動作を安定させることができるようにしている。
【0036】
シール部材10は、図5に示すように、円筒部11と、拡径部12と、環状突部13とからなる、ゴム製の可撓性を有する筒状部材で構成するようにしている。
【0037】
シール部材10の円筒部11の外周面には、図5(c)に示すように、軸方向に延びる複数本、本実施例においては、等間隔に4本の溝11aを形成するようにしている。
これにより、円筒部11の変形性能を向上させ、エアダンパ5を収縮させる際に、シール部材10の内周側の空間10Aの空気の圧力によって、内周面11bが押圧され、円筒部11の外周面が内周面16a側に向かって膨張し、シリンダ15の内周面16aに円筒部11の外周面が摺接するようにして、ピストン18の移動に対してより大きな抵抗力を与えることができるようにするとともに、エアダンパ5を収縮させる方向の負荷が解除された際に、シール部材10の内周側の空間10Aの空気の圧力によって、ピストン18が逆方向に押し戻されるのを防止するようにしている。
【0038】
拡径部12は、先端に摺接部12aを形成し、この摺接部12aは、シリンダ15の内径と略同径となるように形成されており、ピストン18の移動に伴って、シリンダ15の内周面16aに摺接しながら移動し、シリンダ15内の空気の流れを規制するようにしている。
また、拡径部12は、エアダンパ5を収縮させる際に、シール部材10の内周側の空間10Aの空気の圧力によって摺接部12aをシリンダ15の内周面16aに押圧するようにする内周面12bと、エアダンパ5を伸長させる際に、シール部材10の内周側の空間10Aが負圧になることによって、拡径部12が撓んで、シリンダ15の開放端側の空気がシール部材10の外周側を円滑に流通するようにする外周面12cとを備えている。
【0039】
円筒部11の内周側に形成した、ピストン18に形成した小径段部30に遊嵌する環状突部13は、環状突部13の内径D1を、ピストン18の小径段部30の外周面30aとの間に隙間が形成されるようにピストン18の小径段部30の外径D2よりも小径に形成するとともに、環状突部13の軸方向の長さL1を、小径段部30の軸方向の長さL2よりも短く形成し、これによって、ピストン18の小径段部30の外周面30aと環状突部13の内周面13cとの間、ピストン18の前段部31の小径段部30側の立設面31aと環状突部13の内側立設面13bとの間及びピストン18の後段部32の小径段部30側の立設面32aと環状突部13の外側立設面13aとの間にそれぞれ微小な隙間S1、S2及びS3が形成されるようにしている。
これらの隙間のうち、隙間S2及び隙間S3は、ピストン18がシリンダ15内を移動するときに、ピストン18及びシール部材10の環状突部13の立設面同士が当接した状態になるが、完全にはシールされず、高圧側から低圧側への空気の流通が許容されるようにされている。
また、本実施例においては、環状突部13の外側立設面13aの箇所の外径D4を、円筒部11の外径D3よりも小径に形成することにより、高圧側から低圧側への空気の流通量を調節する(増加させる)ようにし、これにより、緩衝力の大きさを調整するようにしている。
なお、ピストン18及びシール部材10の環状突部13の立設面のいずれか又は両方に空気が流通する溝(図示省略)を形成することにより、高圧側から低圧側への空気の流通量を調節する(増加させる)ことができ、これにより、引き出し70を閉鎖する際の緩衝力の大きさを調整することができる。
【0040】
そして、この引き出し用緩衝・閉鎖装置1は、図8に示すように、引き出し70の一方の側板72側及びこの側板72側に対応する引き出し収納部75の側壁に配設する。
なお、上述したとおり、第1の係止部材20を、上下対称に形成することによって、同一の部材を用いて、引き出し70及び引き出し収納部75の左右のいずれにも共通の引き出し用緩衝・閉鎖装置1を適用することができる。
緩衝・閉鎖機構2は、引き出し収納部75の固定レール77の下側に配設し、引き出し70が開かれている状態では、第1の係止部材20は、本体27の第2の位置27Bで揺動し、第2の当接片のみが突出して第2の係止部材3の係合バー3Aと係合可能な状態で待機している。
ここで、図8(b)に示すように、少なくとも緩衝・閉鎖機構2が配設される側の固定レール77は、断面コ字状の上端部を下側に折り返した規制部77aを形成し、引き出し70に配設するガイドローラRの幅方向の偏倚を規制することによって、第1の係止部材20と第2の係止部材3との係合をより確実なものとなるようにしている。
【0041】
次に、この引き出し用緩衝・閉鎖装置1の動作を、図9に基づいて説明する。
【0042】
引き出し70が、閉鎖されている状態では、図9(a)に示すように、第2の係止部材3の係合バー3Aが、第1の係止部材20の第1の当接片22と第2の当接片23とが対向する間に設けられた溝部21bに位置している。
そして、引き出し70の開動作に伴って、係合バー3Aは、第1の当接片22に当接し、第2の係止部材3と第1の係止部材20とは、係合した状態で図9(b)に示すように、図例左側に移動する。
【0043】
このとき、エアダンパ5は伸長され、図7(a)に示すように、ピストン18はシリンダ15の開放端側(図例右側)に移動し、シリンダ15の閉鎖端側の空間15A及びこれに連なるシール部材10の内周側の空間10Aが負圧になることによって、拡径部12が撓んで、シリンダ15の開放端側の空間15Bの空気が、シール部材10の外周側を通って(一部の空気は、シール部材10の内周側の空気の流通経路になって、具体的には、微小な隙間S1、S2及びS3(ここで、隙間S2は、ピストン18及びシール部材10の環状突部13の立設面31a、13b同士が当接した状態S2’になるが、完全にはシールされず、高圧側から低圧側への空気の流通が許容される。)を通って)、低圧側のシリンダ15の閉鎖端側の空間15Aに円滑に流通し、小さい抵抗力で容易にピストン18を移動させることができ、引き出し70の開動作においては、抵抗を感じることなく引き出し70を開くことができる。
【0044】
さらに、引き出し70の開動作を続けると、図9(c)に示すように、第1の係止部材20は、本体27の第2の位置27Bに到達し、係合バー3Aの第1の当接片22の押圧力によって、枢軸26aを揺動中心として、図例反時計回りに揺動し、第3の当接片24が、円弧状の本体27の第2の位置27Bに係合する。
この状態では、付勢手段25の付勢力が、図例右側に係着部材26を介して、第1の係止部材20に加わっているものの、第1の係止部材20は、本体27の第2の位置27Bで停止した状態となる。
そして、第1の係止部材20と第2の係止部材3との係合が解除された引き出し70は、緩衝・閉鎖機構2の抵抗を一切受けることなく完全開放位置まで移動する。
【0045】
次に、引き出し70の閉動作では、本体27の第2の位置27Bで停止した状態の第1の係止部材20の第2の当接片23に係合バー3Aが当接し、さらに奥側(図例右側)へ移動させることにより、第1の係止部材20は、図例時計回りに揺動して、第3の当接片24の第2の位置27Bでの係止状態が解除される。
【0046】
そして、さらに引き出しの閉動作を継続すると、エアダンパ5は収縮され、図7(b)に示すように、ピストン18はシリンダ15の閉鎖端側(図例左側)に移動し、シリンダ15の閉鎖端側の空間15A内の空気によって、拡径部12の内周面12bが押圧され、拡径部12の摺接部12aがさらに強くシリンダ15の内周面20aに押し当てられ、ピストン18のシリンダ15の閉鎖端側への移動に抵抗力を与える
これによって、引き出し70を勢いよく閉鎖しようとしても引き出し70の閉動作は緩衝され、引き出し収納部75の奥側に勢いよくぶつかって大きな音が発生したり、指をつめることを防止することができる。
さらに、シール部材10の内周側の空間10Aの空気の圧力によって、内周面11bが押圧され、円筒部11の外周面が内周面20a側に向かって膨張し、シリンダ15の内周面20aに円筒部11の外周面が摺接するようにして、ピストン18の移動に対してより大きな抵抗力が与えられるとともに、エアダンパ5を収縮させる方向の負荷が解除された際に、シール部材10の内周側の空間10Aの空気の圧力によって、ピストン18が逆方向に押し戻されるのが防止されるから、引き出しの70の閉動作を停止しても引き出し70が開くことはない。
そして、付勢手段25の付勢力によって、途中で引き出し70の閉動作を止めても引き出し70はゆっくりと閉鎖位置(図9(a)の位置)まで移動する。
【0047】
このとき、高圧側のシリンダ15の閉鎖端側の空間15Aの空気が、シール部材10の内周側が空気の流通経路になって、具体的には、ピストン18の小径段部30の外周面30aと環状突部13の内周面13cとの間、ピストン18の前段部31の小径段部30側の立設面31aと環状突部13の内側立設面13bとの間及びピストン18の後段部32の小径段部30側の立設面32aと環状突部13の外側立設面13aとの間に形成された微小な隙間S1、S2及びS3(ここで、隙間S3は、ピストン18及びシール部材10の環状突部13の立設面32a、13a同士が当接した状態S3’になるが、完全にはシールされず、高圧側から低圧側への空気の流通が許容される。)を通って、低圧側のシリンダ15の開放端側の空間15Bに徐々に流通し、このとき、ピストン18に十分な抵抗力を与えることができるから、引き出し70の閉動作での緩衝力を得ることができる。
【0048】
以上、本発明の引き出し用緩衝・閉鎖装置について、その実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明の引き出し用緩衝・閉鎖装置は、引き出しの閉動作時に引き出しが幅方向に偏倚して移動しても係止部材同士が確実に係合し、閉鎖時の衝撃を緩衝するとともに、引き出しを完全な閉鎖位置まで移動させることができるとともに、引き出し収納部に配設する係止部材が、誤作動によって、引き出し収納部の奥側に移動した場合でも、引き出しを引き出し収納部から取り外すことなく通常の使用状態に復帰させることができることから、引き出し用の緩衝装置として好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0050】
1 引き出し用緩衝・閉鎖装置
2 緩衝・閉鎖機構
20 第1の係止部材
22 当接片
22a 案内部
23 当接片
23a 案内部
24 当接片
25 付勢手段
26 係着部材
3 第2の係止部材
4 ダンパ部材
5 エアダンパ
70 引き出し
75 引き出し収納部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
引き出し収納部側に配設する、第1の係止部材並びに該第1の係止部材に係着部材を介して係着した引き出しの閉動作時に引き出しに緩衝力を付与するダンパ部材及び閉じ方向の付勢力を付与する付勢手段を備えた緩衝・閉鎖機構と、引き出し側に配設する、前記緩衝・閉鎖機構の第1の係止部材と係合する第2の係止部材とからなり、引き出しの開動作時に、前記第1の係止部材と第2の係止部材とが係合した状態で、第1の係止部材が緩衝・閉鎖機構の本体の第1の位置から第2の位置に移動して、前記係合が解除されて、当該位置で第1の係止部材が停止するようにし、引き出しの閉動作時に、緩衝・閉鎖機構の本体の第2の位置に停止している第1の係止部材に第2の係止部材が係合し、第2の係止部材が緩衝・閉鎖機構の本体の第2の位置から第1の位置に移動するようにした引き出し用緩衝・閉鎖装置において、前記第1の係止部材が、前記係着部材に水平面内で揺動可能に配設した本体部に、引き出しの開動作時に、前記第2の係止部材が係合する第1の当接片と、引き出しの閉動作時に、前記第2の係止部材が係合する第2の当接片と、第1の係止部材を緩衝・閉鎖機構の本体の第2の位置に移動した位置で揺動して緩衝・閉鎖機構の本体に当接して停止させる第3の当接片とを備えてなることを特徴とする引き出し用緩衝・閉鎖装置。
【請求項2】
前記第1の係止部材の第1の当接片に、第1の係止部材が誤作動によって単独で緩衝・閉鎖機構の本体の第1の位置に移動した場合に、引き出しの閉動作時に、前記第2の係止部材が第1の当接片を乗り越えて、第1の当接片と第2の当接片が対向する間に設けられた溝部に案内されるようにする第1の案内部を形成してなることを特徴とする請求項1記載の引き出し用緩衝・閉鎖装置。
【請求項3】
前記第1の係止部材の第2の当接片に、引き出しの閉動作時に、前記第2の係止部材が、第1の当接片と第2の当接片が対向する間に設けられた溝部に案内されるようにする第2の案内部を形成してなることを特徴とする請求項1又は2記載の引き出し用緩衝・閉鎖装置。
【請求項4】
前記第1の係止部材を上下対称に形成するとともに、前記係着部材に着脱可能に配設するようにし、第1の係止部材を反転して取り付けることにより、緩衝・閉鎖機構の本体に対する第1の係止部材の第1の当接片及び第2の当接片の突出方向を変更できるようにしてなることを特徴とする請求項1、2又は3記載の引き出し用緩衝・閉鎖装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−172648(P2011−172648A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−37410(P2010−37410)
【出願日】平成22年2月23日(2010.2.23)
【出願人】(000205476)大阪金具株式会社 (20)
【Fターム(参考)】