説明

引火及び可燃性液体貯蔵タンクの消火及び防火方法

【課題】応急的に既設配管に注入管を既設配管中の液体を除去することなく取付け、防火、消火のために泡或いは不活性ガスを効果的に液体表面に届けることのできる引火及び可燃性液体貯蔵タンクの消火及び防火方法を提供することにある。
【解決手段】固定屋根式の引火及び可燃性液体貯蔵タンクの消火及び防火方法であって、前記引火及び可燃性液体貯蔵タンクの下端内部に連通した既設配管に発泡した泡消火薬剤水溶液注入のための開閉弁を有した注入管を既設配管中の液体を除去することなく取付け、前記注入管から発泡した泡消火薬剤水溶液を引火及び可燃性液体の液面下から注入することにより、引火及び可燃性液体表面に泡を浮上展開してシール層を形成するので、タンク内の引火及び可燃性液体を周囲に漏らす事なく注入管を取付けるとともに、泡或いは不活性ガスを効果的に液体表面に届けることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工業用貯蔵タンク、特に引火及び可燃性液体を貯蔵するための工業用貯蔵タンクの火災時、消火のために液面下放射(Sub Surface Injection)によりタンク底部から発泡した泡消火薬剤水溶液を注入し、或いは地震等の異常時、防火のために不活性ガスを注入する引火及び可燃性液体貯蔵タンクの消火及び防火方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、石油等の引火及び可燃性液体を貯蔵するタンクでは、法令(石油コンビナート等災害防止法令等)により大型化学消防車、大型高所放水車、泡原液搬送車の3点セットを備えることが義務とされている。しかし、タンク火災は大量の油が燃え、熱輻射が大きく一般に消火作業は容易ではない。
【0003】
タンク火災で生じる現象としては、主にヒートウエーブ(熱波)、ボイルオーバー(突沸)、スロップオーバー、フロッスオーバー等の現象が知られている。
ヒートウエーブ現象は、原油又は重油が液面付近で加熱されると重い成分が残り、沈み始める。この結果、温度の高い層は、次第に液面より深い層に達する。
ボイルオーバー現象は、タンク底部に水やエマルジョンが存在し、ヒートウエーブがこれに達すると、水分が急激に体積を増し(数百倍以上)、タンク内容物が外部に放出される。
スロップオーバー現象は、燃焼油面に水または泡を注入すると、油泡を生じ、体積膨張のために溢流するものである。
フロッスオーバー現象は、100℃以上の油と100℃未満の油が混合すると、冷たい油に含まれる水分が蒸発し、油泡となって溢流することを云う。
【0004】
従来は、法令の定める大型化学消防車1、大型高所放水車2、泡原液搬送車3によって、図7に示すように工業用貯蔵タンク4から離れた位置から、発泡した泡消火薬剤水溶液をタンク頂部に向かって放出し、消火作業を行っていた。
しかし、このような従来の工業用貯蔵タンクが地震等で火災が発生した場合、大型高所放水車の放水銃によって発泡した泡消火薬剤水溶液を散布しようとしても固定屋根式タンクの場合、屋根が邪魔をして発泡した泡消火薬剤水溶液を効果的に火災部分に届けることが出来ず、充分な消火作業ができなかった。
また、火災になった工業用貯蔵タンクは、爆発の危険を伴う為に大型高所放水車が近くまで行くことが出来ず、或いは防油堤の外側である遠距離からの泡放水では風による影響や火災による上昇気流により、目的位置に発泡した泡消火薬剤水溶液を集中することが困難であった。
【0005】
そこで、これらの問題点を解決するべく、工業用貯蔵タンクに半固定式液面下泡注入装置を設置し、大型化学消防車、泡原液搬送車、発泡器、送泡設備等で消火する代替案が認められている。
また、特許文献1には、工業用貯蔵タンクの消火を行う技術が開示されている。ここでは、タンク壁部を冷却し、残留火災に乾燥粉末を噴霧することでタンク火災を行うものであるが、タンク火災の発生と同時にタンク壁部の冷却を行うのでなく、火災が鎮火(ノックダウン)後に側壁の冷却を行い熱による側壁の湾曲を防止するものである。更に、冷却箇所は、タンク液面上、約3フィートが好ましいとするものである。
【0006】
更に、従来は地震等で工業用貯蔵タンク内に異常が確認された場合、貯蔵液を除去して修理を行わなければならず、この作業に際して作業員がタンク上部に乗って不活性ガスを導入し、タンク内雰囲気を限界酸素濃度以下にする必要があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特表2001−500397号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、従来の半固定式液面下泡注入装置、大型化学消防車、泡原液搬送車、発泡器、送泡設備等で消火する代替案では、予め発泡した泡消火薬剤水溶液を送泡するための専用配管を設置するか、または既設配管に予め送泡専用の弁を取り付けておく必要があり、設置費用が嵩むという欠点が存在した。
また、特許文献1に開示された消火方法では、火災が鎮火(ノックダウン)後に側壁の冷却を行い熱による側壁の湾曲を防止するもので、火災の程度が大きい時期に積極的にタンク側壁の変形を防止するものではない。
更に、作業者が防火の為に工業用貯蔵タンク上部に乗って作業することは、非常に危険を伴うものであった。
本発明は、上記実情に鑑み提案されたもので、既設配管に発泡した泡消火薬剤水溶液或いは不活性ガスを注入するための開閉弁を有した注入管を既設配管中の液体を除去することなく取付け、この注入管を介して発泡した泡消火薬剤水溶液をタンクの液面下から投入することにより、引火及び可燃性液体表面に泡を浮上展開してシール層を形成して消火し、或いは不活性ガスを注入して防火することのできる引火及び可燃性液体貯蔵タンクの消火及び防火方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために、本発明は固定屋根式の引火及び可燃性液体貯蔵タンクの消火方法であって、前記引火及び可燃性液体貯蔵タンクの下端内部に連通した既設配管に発泡した泡消火薬剤水溶液注入のための開閉弁を有した注入管を既設配管中の液体を除去することなく取付け、前記注入管から発泡した泡消火薬剤水溶液を引火及び可燃性液体の液面下から注入することにより、引火及び可燃性液体表面に泡を浮上展開してシール層を形成することを特徴としている。
【0010】
また、本発明において、固定屋根式の引火及び可燃性液体貯蔵タンクの防火方法であって、前記引火及び可燃性液体貯蔵タンクの下端内部に連通した既設配管に不活性ガス注入のための開閉弁を有した注入管を既設配管中の液体を除去することなく取付け、前記開閉弁を有した注入管から不活性ガスを注入し、引火及び可燃性液体貯蔵タンク内の酸素濃度、引火及び可燃性ガス濃度を限界濃度以下に低下させ火災の発生を未然に防止することを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明において、前記注入管は、既設配管の周囲に水密的に取付けられる筒を分割した形状のカバー部材と、前記カバー部材に直交接続された分岐管と、前記分岐管に接続され、管路を開閉する開閉弁とを備え、前記開閉弁にドリル及び円筒カッターを有した穿孔装置を取付け、前記穿孔装置によって、既設配管に穿孔した後に開閉弁を閉じ、既設配管から内部流体が流出するのを防止しつつ、穿孔装置を取り外した跡に発泡装置を接続することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
この発明は前記した構成からなるので、以下に説明するような効果を奏することができる。
【0013】
本発明では、固定屋根式の引火及び可燃性液体貯蔵タンクの消火方法であって、前記引火及び可燃性液体貯蔵タンクの下端内部に連通した既設配管に発泡した泡消火薬剤水溶液注入のための開閉弁を有した注入管を既設配管中の液体を除去することなく取付け、前記注入管から発泡した泡消火薬剤水溶液を引火及び可燃性液体の液面下から注入することにより、引火及び可燃性液体表面に泡を浮上展開してシール層を形成するので、風や火災による上昇気流の影響を受けることなく、貯蔵タンクの消火を効果的に行うことができる。
また、短時間で施工できるので安全である。更に、予め貯蔵タンクに注入口を設けておく場合に比べて、設備費用の大幅な低減を図ることができる。また、既設配管中の可燃性液体を除去する必要がないので、設置作業の安全性を確保できる。
【0014】
また、本発明では、固定屋根式の引火及び可燃性液体貯蔵タンクの防火方法であって、前記引火及び可燃性液体貯蔵タンクの下端内部に連通した既設配管に不活性ガス注入のための開閉弁を有した注入管を既設配管中の液体を除去することなく取付け、前記開閉弁を有した注入管から不活性ガスを注入し、引火及び可燃性液体貯蔵タンク内の酸素濃度、引火及び可燃性ガス濃度を限界濃度以下に低下させ火災の発生を未然に防止するので、固定屋根式の引火及び可燃性液体貯蔵タンクの内部に異常事態が発生し、発火の危険性が生じた場合に効果的に防火処置を行い、静電気によるスパーク等を防止しつつ引火及び可燃性液体の抜き取りを実行することができる。
【0015】
また、本発明では、前記注入管は、既設配管の周囲に水密的に取付けられる筒を分割した形状のカバー部材と、前記カバー部材に直交接続された分岐管と、前記分岐管に接続され、管路を開閉する開閉弁とを備え、前記開閉弁にドリル及び円筒カッターを有した穿孔装置を取付け、前記穿孔装置によって、既設配管に穿孔した後に開閉弁を閉じ、既設配管から内部流体が流出するのを防止しつつ、穿孔装置を取り外した跡に発泡装置を接続するので、短時間で安全に発泡した泡消火薬剤水溶液をタンク内に投入して、消火作業をすることができる。また、不活性ガスを投入することにより、異常事態の発生したタンクの火災発生を未然に防止することができる。更に、溶接作業等が不要なので安全である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本発明に係る引火及び可燃性液体貯蔵タンクの消火方法の一実施の形態を示す説明図である。
【図2】図2は、同引火及び可燃性液体貯蔵タンクの消火及び防火方法において、既存配管に注入管を取付ける準備工程を示す説明図である。
【図3】図3は、同引火及び可燃性液体貯蔵タンクの消火及び防火方法において、既存配管に注入管を取付ける準備工程を示す説明図である。
【図4】図4は、同引火及び可燃性液体貯蔵タンクの消火及び防火方法において、既存配管に注入管を取付ける準備工程を示す説明図である。
【図5】図5(a)〜(c)は、同引火及び可燃性液体貯蔵タンクの消火及び防火方法において、既存配管に開閉弁を有した注入管を取付ける手順を示す説明図である。
【図6】図6(d)〜(e)は、同引火及び可燃性液体貯蔵タンクの消火及び防火方法において、既存配管に開閉弁を有した注入管を取付ける手順を示す説明図である。
【図7】図7は、従来の引火及び可燃性液体貯蔵タンクの消火方法の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の引火及び可燃性液体貯蔵タンクの消火方法は、固定屋根式の引火及び可燃性液体貯蔵タンクの消火及び防火方法であって、前記引火及び可燃性液体貯蔵タンクの下端内部に連通した既設配管に発泡した泡消火薬剤水溶液注入のための開閉弁を有した注入管を既設配管中の液体を除去することなく取付け、前記注入管から発泡した泡消火薬剤水溶液を引火及び可燃性液体の液面下から注入することにより、引火及び可燃性液体表面に泡を浮上展開してシール層を形成するので、風や火災による上昇気流の影響を受けることなく、貯蔵タンクの消火を効果的に行うことができる。
【実施例1】
【0018】
以下、一実施の形態を示す図面に基づいて本発明を詳細に説明する。図1は、本発明に係る引火及び可燃性液体貯蔵タンクの消火方法の一実施の形態を示す説明図である。ここで、本発明は、固定屋根式の引火及び可燃性液体貯蔵タンク10の消火方法であって、引火及び可燃性液体貯蔵タンク10の下端内部に連通した既設配管11に発泡した泡消火薬剤水溶液注入のための開閉弁12を有した注入管13を取付け、注入管13から発泡した泡消火薬剤水溶液を引火及び可燃性液体の液面下から注入することにより、引火及び可燃性液体表面14に泡を浮上展開してシール層15を形成する。
【0019】
引火及び可燃性液体貯蔵タンク10内に貯蔵される引火及び可燃性液体としては、原油、重油、石油、灯油、軽油、ガソリン、ナフサ、アルコール類等が挙げられる。図1に示す様な固定屋根式の引火及び可燃性液体貯蔵タンク10に火災が発生した場合、先ず、既設配管11に泡消火薬剤水溶液注入のための注入管13を取付ける。この際、既設配管11から引火及び可燃性液体が流出しないことが重要です。
【0020】
図2〜図4は本発明の引火及び可燃性液体貯蔵タンクの消火及び防火方法において、既存配管に注入管を既設配管中の液体を除去することなく取付ける準備工程を示す説明図、図5(a)〜(c)、図6(d)、(e)は本発明の引火及び可燃性液体貯蔵タンクの消火及び防火方法において、既存配管に開閉弁を有した注入管を既設配管中の液体を除去することなく取付ける手順を示す説明図である。
注入管13は、既設配管11の周囲に水密的に取付けられる筒を2分割した形状のカバー部材16と、カバー部材16の一方に直交接続された分岐管17と、前記分岐管に接続され、管路を開閉する開閉弁12とを備えると共に、開閉弁12には、ドリル18及び円筒カッター19を有した穿孔装置20が接続可能に構成されている。また、穿孔装置20は、水密性を有しており、開閉弁12を開成しても、液体が漏れる虞れがない。
【0021】
カバー部材16は、図2、3に示すように筒を2分割した形状をしており、既設配管11の周囲に水密的に取付けられるように内周面に弾性部材から成るシール部材21が配設されている。また、2分割されたカバー部材16の分岐管17の取付けられた部位には、分岐管17の外径より大きな環状のシール部材22が配設されている。また、カバー部材16には、ボルトで固定するためにボルト孔23が複数形成されている。更に、分岐管17の端部には、開閉弁12を接続するためのボルト孔を有したフランジ17aが形成されている。
【0022】
開閉弁12は、弁箱内に配置された弁体12aがハンドル25を回転することにより、上昇、下降して、管路を開閉する。開閉弁12は、種々の弁装置を使用することができ、仕切弁、玉弁、摺動弁等を使用できる。
【0023】
穿孔装置20は、既設配管11に対して進退機構24によって前進後退可能に構成されたドリル18と円筒カッター19を有するとともに、ドリルと円筒カッターは、駆動機構により仮想軸線Lに対して回転可能に配設されている。ドリル18は、円筒カッター19の円の中心に位置しており、先端が円筒カッター19より突出している。したがって、既設配管11の外周から穿孔装置20のドリルと円筒カッターが近づいていくと、先ずドリル18がセンタリング用の小孔を穿った後、円筒カッター19が既設配管11の壁面を円形に切断して取り除く。切断された円形壁面11aは、後退するドリル18と円筒カッター19によって、既設配管11から取り除かれる。
【0024】
次に、以上のように構成された引火及び可燃性液体貯蔵タンクの消火方法について説明する。先ず、消火を行うべき工業用貯蔵タンク10の既設配管11に図2に示すように2分割されたカバー部材16をボルトで固定し、既設配管11の周囲に水密的に取付ける。次に、図5、6に示すように分岐管17のフランジ17aにパッキンを介して開閉弁12を取付ける。また、開閉弁12の先には、パッキンを介して穿孔装置20を取付ける。穿孔装置20を取付けた後、図5(a)に示すようにハンドル25を回転させ、弁体12aを上昇させる。弁体12aが完全に上昇し、開閉弁12が開成した後に図5(b)に示すように穿孔装置20の進退機構24を操作してドリル18及び円筒カッター19を既設配管11の位置まで前進させる。また、ドリル18及び円筒カッター19は、駆動機構により仮想軸線Lに対して回転しており、更に前進することで既設配管11の側壁を円形に取り除く(円形壁面11a)(図5(b)参照)。
【0025】
既設配管11の側壁を取り除き穴を形成した後、ドリル18及び円筒カッター19は、円形壁面11aを保持したまま当初の位置まで後退する。ドリル18及び円筒カッター19の後退後に、図5(c)に示すようにハンドル25を操作して、開閉弁12を閉成する。更に、図6に示すように穿孔装置20を取り外した跡に発泡装置26を接続する。
【0026】
発泡装置26を接続した後は、図1に示すように大型化学消防車1、泡原液搬送車3、消火栓5によって引火及び可燃性液体貯蔵タンク10内に発泡した泡消火薬剤水溶液を投入することができ、風や火災の上昇気流の影響を受けることなく、消火活動を実行できる。また、予め引火及び可燃性液体貯蔵タンク10に発泡した泡消火薬剤水溶液を注入するための固定設備を設置する必要がないので、多額の設備投資を必要としない。
【0027】
次に、本願発明の引火及び可燃性液体貯蔵タンクの防火方法について説明する。引火及び可燃性液体貯蔵タンクが火災に到らなくとも、地震や落雷でタンク内部に異常が生じた場合等には、防火措置を講じる必要がある。本願発明の引火及び可燃性液体貯蔵タンクの防火方法は、固定屋根式の引火及び可燃性液体貯蔵タンクの防火方法であって、引火及び可燃性液体貯蔵タンク10の下端内部に連通した既設配管11に不活性ガス注入のための開閉弁12を有した注入管13を既設配管中の液体を除去することなく取付け、開閉弁12を有した注入管13から不活性ガスを注入し、引火及び可燃性液体貯蔵タンク内の酸素濃度、引火及び可燃性ガス濃度を限界濃度以下に低下させ火災の発生を未然に防止するものである。
【0028】
不活性ガスとしては、二酸化炭素ガス、窒素ガス等を使用することができる。注入管13の取付け手順は、前述した方法と同様である。
【0029】
以上のような引火及び可燃性液体貯蔵タンクの防火方法によれば、タンクの異常時に短時間で、且つ引火及び可燃性液体を漏らすことなく不活性ガス注入用の注入管13を取付けることができるので、安全にタンク内に不活性ガスを充填してタンク気相部を限界酸素濃度以下に下げることができる。
【0030】
なお、上記説明は、カバー部材を2分割した例を説明したが、これに限ることなく、3分割以上の多数に分割してもよい。
【符号の説明】
【0031】
L 仮想軸線
10 引火及び可燃性液体貯蔵タンク
11 既設配管
11a 円形壁面
12 開閉弁
12a 弁体
13 注入管
14 引火及び可燃性液体表面
15 シール層
16 カバー部材
17 分岐管
17a フランジ
18 ドリル
19 円筒カッター
20 穿孔装置
21 シール部材
22 シール部材
23 ボルト孔
24 進退機構
25 ハンドル
26 発泡装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定屋根式の引火及び可燃性液体貯蔵タンクの消火方法であって、
前記引火及び可燃性液体貯蔵タンクの下端内部に連通した既設配管に発泡した泡消火薬剤水溶液注入のための開閉弁を有した注入管を既設配管中の液体を除去することなく取付け、
前記注入管から発泡した泡消火薬剤水溶液を引火及び可燃性液体の液面下から注入することにより、引火及び可燃性液体表面に泡を浮上展開してシール層を形成することを特徴とする引火及び可燃性液体貯蔵タンクの消火方法。
【請求項2】
固定屋根式の引火及び可燃性液体貯蔵タンクの防火方法であって、
前記引火及び可燃性液体貯蔵タンクの下端内部に連通した既設配管に不活性ガス注入のための開閉弁を有した注入管を既設配管中の液体を除去することなく取付け、
前記開閉弁を有した注入管から不活性ガスを注入し、引火及び可燃性液体貯蔵タンク内の酸素濃度、引火及び可燃性ガス濃度を限界濃度以下に低下させ火災の発生を未然に防止することを特徴とする引火及び可燃性液体貯蔵タンクの防火方法。
【請求項3】
前記注入管は、既設配管の周囲に水密的に取付けられる筒を分割した形状のカバー部材と、前記カバー部材に直交接続された分岐管と、前記分岐管に接続され、管路を開閉する開閉弁とを備え、
前記開閉弁にドリル及び円筒カッターを有した穿孔装置を取付け、前記穿孔装置によって、既設配管に穿孔した後に開閉弁を閉じ、既設配管から内部流体が流出するのを防止しつつ、穿孔装置を取り外した跡に発泡装置を接続することを特徴とする請求項1または2に記載の引火及び可燃性液体貯蔵タンクの消火及び防火方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−29873(P2012−29873A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−172028(P2010−172028)
【出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【出願人】(391043240)日本機械工業株式会社 (14)