説明

強度消滅食品及び製造方法

【課題】食品及びその製造方法を提供する。
【解決手段】食品の各部分の強度レベルが制御される強度消滅食品。各部分の強度レベルは、酸味レベル又は香辛味レベルとすることができる。強度消滅食品は、ハードキャンディ、フルーツスナック、又は他のスナック食品とすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権請求/関連出願
本出願は、共に引用によって本明細書に組み込まれる2006年1月24日出願の「強度消滅キャンディ及び製造方法」という名称の米国特許仮出願出願番号第60/761、983号、並びに2006年10月10日出願の「強度消滅食品及び製造方法」という名称の米国特許仮出願出願番号第60/850、616号に対して「35 USC 119(e)及び120」に基づく優先権を請求するものである。
本発明は、一般的に食品及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フルーツスナック、香辛味食品、及び酸味食品のような多くの食品が現在市場で入手可能である。例えば、「サワー・タルト」及び「サワー・パッチ・キッズ」などのような多くの公知の酸味キャンディが現在市場に存在する。これらの様々な食品の各々について、食品は、特定の量又はレベルの酸味を有するように設計されている。しかし、これらの既存の食品のうち、各食品部分が異なる(増大又は減少した)レベルの味覚強度を有し、かつこの味覚強度を酸味又は香辛味とすることができる複数の食品部分を有するものはない。加えて、キャンディを含むこれらの既存の食品のうち、他の食品部分の味覚強度を低減することができる食品部分を有するものはない。異なるレベルの強度を有する複数の食品部分と、他の食品部分の強度を低減することができる食品部分とを有する食品を提供することが望ましい。
【0003】
従来的に、酸味食品は、砂糖が料理されてその料理工程の終わりに酸が添加されるか、又は酸がこの食品の外部に添加される工程によって作られる。これらの従来的な酸味食品に伴う問題は、ベースとして使用される砂糖と、熱(食品を料理するため)と、酸(食品を酸味のものとするため)との混合が砂糖の転化に寄与し、転化が、キャンディのような食品の貯蔵寿命を著しく縮めることである。砂糖の転化は、スクロースのグルコース及びフルクトースへの転換であり、食品内の「糖類」の液状化を招く。食品のこの液状化は、それが食品を数週間又は数箇月内に軟化又は液化させるので、食品を普通の流通には不適にする。砂糖転化は、食品内に存在する水素イオンの量に正比例し、より多くの水素イオンが存在する時に砂糖の転化はより迅速に生じる。酸味食品では、pHが低下する時に(すなわち、酸味レベルが高まる時に)転化の速度が増大する。更に、料理工程及び最終製品が置かれる周囲環境での熱及び湿気は、この転化過程を加速する可能性がある。酸味食品がより長い貯蔵寿命を有するように砂糖の転化を低減する酸味食品を生成することが望ましい。
【0004】
加えて、高い酸味又は香辛味のような高強度を有する他の食品を作り出すことが望ましい。すなわち、食品の強度を低減するか又は強度を消滅させることができる食品部分を有する高強度食品と、この強度消滅食品を製造する方法とを有することが望ましい。この目的に本発明が向けられている。
【0005】
【特許文献1】米国特許仮出願出願番号第60/761、983号
【特許文献2】米国特許仮出願出願番号第60/850、616号
【発明の開示】
【0006】
本発明は、以下に説明する特定の食品部分を有する酸味強度消滅食品及び製造方法に特に適用することができ、これに関連して本発明を以下に説明する。しかし、強度消滅食品は、各異なる食品部分が異なる強度レベル(それは、酸味又は香辛味とすることができる)を有する異なる数の食品部分(1個から数百個)から製造することができ、様々な原料/成分を用いて製造することができ、かつ様々な製造技術によって製造することができるので、本発明による強度消滅食品は、より大きい有用性を有し、かつそれらの変更は、それらが当業者に公知であると考えられるので本発明の範囲内であることは認められるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図1は、強度消滅食品10を説明し、食品は、異なる強度レベルを有する1つ又はそれよりも多くの部分12(図1の例に示されている121−123)と強度消滅部分14とを有する。異なる強度レベルは、各食品部分の酸味又は香辛味のような食品の特性の増大するレベルとすることができる。強度消滅部分14は、他の部分12の効果を相殺/低減することができる。例えば、異なる酸味レベルを有する食品について、強度消滅部分14は、酸味部分の効果を急速に相殺する多汁及び/又は甘味部分とすることができる。強度消滅食品は、様々な異なる種類の食品とすることができ、異なる種類の食品の一部の例は、図5及び図6を参照して以下でより詳細に説明するスナック又はハードキャンディである強度消滅食品の例示的な実施形態で以下に説明する。
【0008】
強度消滅食品スナックは、フルーツスナック又は他のスナックとすることができ、かつリコリス、ガム質又は「チュー」/タフィー状テクスチャのようなチューイングスナックとすることができる。このスナックは、1つ又はそれよりも多くのガム部分とすることもできる。スナックは、何らかの方法で栄養価を高めることができ、若干量の実際のフルーツ又はフルーツジュースを使用することができる。スナックは、様々な形式で製造することができる。例えば、スナックは、ストリップ、捩れストリップ、部分、ロール、又はスナックを食している人物がスナック内を噛む時に放出される液体中心部を有するスナックとして作ることができる。スナックの部分の強度レベルは、各部分に含有されるように処方することができるが、各部分の強度レベルを変化させる成分は、コーティング又は粉付けの使用によるなどでスナックの外面に付加することもできる。
【0009】
図2は、スナックである強度消滅食品10の実施形態の例を説明している。この例において、スナックは、食品の連続ストリップであり(使用者に販売される時には、例えば、巻くことができる)、ストリップの異なる部分の各々は、図2に示すように(実際の食品には存在しない点線によって説明する異なる部分の分離により)、異なる強度レベルを有し(ストリップのその部分が使用者によって食される時に)、かつストリップは、強度消滅部分14も有する。代替的に、ストリップの諸部分の異なる強度レベルは、ストリップが製造された後に、ストリップ上に添加される粉末によって調節することができる。一例においては、ストリップは、フルーツスナックとすることができる。図3A及び図3Bは、強度消滅食品10の別の実施形態の例を説明し、食品は、1つ又はそれよりも多くのガム部分であり(図3Aに示すような単一部分として形成されるか又は図3Bに示すような分離部分として形成されたもの)、1つ又はそれよりも多くのガム部分121−123は、1つ又はそれよりも多くの強度レベルを有し、かつ上述の強度消滅食品と同じ特性を有する強度消滅ガム部分14も存在する。図4は、強度消滅食品10の別の実施形態の例を説明し、食品は、例えば、スナック部分とすることができる1つ又はそれよりも多くの部分を有する。各部分は、液体の中心部/コアを有することができ、この部分が噛まれた時に、液体中心部が放出される。スナック部分121−123の強度レベルは、スナック部分の成分に基づくことができ、又は液体含量に基づくことができる。同様に、他の部分の強度レベルを相殺/低減する強度消滅部分14も存在することができ、この部分の強度消滅特性は、スナック部分の成分に基づいて又は液体含量に基づくことができる。一例において、この部分は、フルーツ部分とすることができる。ここで、強度消滅食品のハードキャンディの例をより詳細に以下に説明する。
【0010】
図5は、ハードキャンディとすることができる強度消滅食品の別の実施形態の例を説明している。この例において、4つのキャンディ部分121−14が説明目的のために示されているが(部分121−123は、異なるレベルの強度を有し、部分14は、強度消滅部分である)、強度消滅食品は、容器/パケット内に複数のキャンディ部分を有することができ、複数のキャンディ部分は、図5に示されている4つの異なるキャンディ部分121−14から選択される。この例においては、キャンディ部分121−123は、異なる酸味レベルを有することができる。例えば、第1のキャンディ部分121は、低酸味レベルを有し、第2のキャンディ部分122は、中酸味レベルを有し、第3のキャンディ部分123は、高酸味レベルを有する。例えば、各キャンディ部分は、各キャンディ部分内に含有された異なる酸に基づく異なるpHレベルを有する。第4のキャンディ部分14は、酸味キャンディ部分の効果を相殺/低減する強度消滅部分である。例えば、強度消滅部分14は、酸味キャンディの効果を急速に相殺する多汁及び/又は甘味キャンディとすることができる。
【0011】
一実施形態では、強度消滅食品は、「サワー・エクスティングィッシャー」キャンディとして公知である場合があり、風味豊かで相乗効果的かつ参加型の遊び体験を提供することができる。市場は、強度消滅食品を用いるこの遊び体験の必要性を有し、強度消滅食品は、その必要性を充足する。「サワー・エクスティングィッシャー」は、増大する酸味を有する「タンギ・タンジェリン」、「スーパー・サワー・レモン」、及び「タング・ツイスティング・ライム」の3つの酸味フルーツ香料を含む4つのフルーツ香料/色を含むことができる。例えば、「スーパー・サワー・レモン」は、多くの小児に対して非常に酸っぱいことになり、「タング・ツイスティング・ライム」は、キャンディ部分を食する人物に対して極めて酸っぱいことになる。小児がこの様々な酸味香料物を食する時、彼らは、様々な酸味レベル体験を作り出すことができる。次に、彼らが望ましい酸味レベルを獲得し、又は彼らの最大許容範囲に達した状態で、彼らは、「クール・ブルー・ラズベリー」の強度消滅部分を食して他のキャンディ部分の酸味を急速に消すことができ、それによって市場では得られない遊び体験をもたらす。図5に示すように、一実施形態では、酸味キャンディ部分121−123には凹凸があり、一方、強度消滅部分14はより平滑である。図5に示されている10セント貨幣は、図5に示すキャンディ部分の寸法を説明しているが、本発明は、キャンディ又は食品の各部分に対するいかなる特定の寸法にも限定されない。
【0012】
強度消滅食品を用いる遊び体験に対する「チャレンジ」は、それを食する人が全ての酸味レベル(この例示的な実施形態では3レベル)を「やり遂げる」ことができるかを見ることである。次に、全ての酸味レベルを「やり遂げる」ことのできない(かつ酸味軽減を要求する)小児又はその小児が全ての酸味レベルをやり遂げて褒美として強度消滅を食する時のいずれかにより、強度消滅キャンディを食することができる。更に、最高酸味レベルのキャンディ部分の結合(同時に1つよりも多いキャンディ部分を食することによるなど)は、究極のチャレンジのための「極度の」酸味体験を作り出すことができる。強度消滅キャンディは、小児の彼ら自身、彼らの仲間、及び彼らの両親に対する競争本能に特異的に訴える。強度消滅食品/キャンディによって提供されるゲーム競技体験の変形は、以下を含むことができる:1)食品部分の強度レベルに対処し、次に味覚強度限界に達した状態で強度消滅部分を摂取してその強度レベルを低減することができるかということ、2)キャンディ部分を結合させてより強度の味覚レベルを作り出し、次に強度限界に達した状態で強度消滅部分を摂取してその強度レベルを低減すること、及び3)異なる強度レベルの部分のランダムな部分を人々が各々手渡され、食している部分の強度レベルに誰が対処することができるかを見る社交的遊び体験。ここで、強度消滅キャンディを製造する方法をより詳細に以下に説明する。
【0013】
図6は、図5に示す強度消滅キャンディの製造方法20の実施形態を説明している。酸味キャンディの製造方法においては、冷間配合処理(キャンディを料理する熱を使用しない)が、チューイングキャンディのコアを作るために使用され、次に、これは、以下に説明するハードパンニング処理を用いてデキストロース/グルコースのシロップと粉末/顆粒状の酸との混合物で被覆されて、強度消滅キャンディに存在する高レベルの酸味が得られ、ここで、冷間配合処理は、冷間ガム製作処理とすることができる。以下で示すように修正された処理、及びキャンディのための独特の原料配合物は、貯蔵安定性に優れた非常に酸味の強いキャンディを作り出す。代替の方法において、コアは、転化の危険性を低減した状態で料理することができる。冷間中心部処理は、料理されたコアよりもコア内のより多くの酸を恐らく可能にするので好ましい。しかし、料理された腰の強い中心部を製造し、次にアラビアゴムのような1つ又はそれよりも多くの材料でこの中心部を被覆又は密封し、次に以下のようなパンニング処理を行う方法を使用して、強度消滅食品を作り出すこともできる。料理された中心部に対する密封は、コアとコーティングの間の砂糖と酸の移動を防ぐことによって転化の危険性を低減する。
【0014】
冷間処理と料理工程の両方に関して、強度消滅キャンディの製造工程は、砂糖転化の遅延によって通常の酸味キャンディに関する上述の貯蔵寿命低下の問題を克服する。従って、この製造工程は、砂糖転化の低減をもたらし、それは、すなわち、加水分解を低減し、従って、従来の酸味キャンディよりも貯蔵寿命が高められる。
【0015】
図6に示すように、製造工程20は、強度消滅キャンディのコアの成分/原料を混合する段階22を含むことができる。強度消滅キャンディのコアは、砂糖、コーンシロップ、1つ又はそれよりも多くの酸、及びゲル化に殆ど又は全く加熱を要しないインスタント顆粒澱粉の混合物で製造される。より詳細には、この調製物は、インスタント澱粉(市販のStaley製「Mira−Thik 468」及び「Mira−Thik 603」など)、1つ又はそれよりも多くの酸、コーンシロップ、マルトデキストリン、ゼラチン、及び砂糖の独特の配合物であり、これは、加熱なしに混合されて、キャンディが加水分解される恐れなく、腰の強いテクスチャと酸味香料をもたらすことができる。このキャンディは、最終水分含量で処方され、それによって蒸発的料理が何ら必要とされない。
【0016】
段階24において、キャンディのコアのために混合された原料は、切断されるか又は型で成形される前に特定の期間(好ましくは2−3時間)にわたって放置され、これは、酸味キャンディを製造するための新規な処理段階である。この段階は、水分レベルを安定化させ、その結果、それに作用する(重力以外の)外力なしに1つの形状から別の形状へのキャンディの移動である冷間フローの発生を低減する。混合した原料の放置が終わった状態で、段階26において、混合した原料を成形及び/又は切断して部分とすることにより、各キャンディ部分のコアが製造される。一実施形態では、各酸味キャンディ部分121−123は、同じコアを用いて製造することができるが(製造コストを低減するために)、異なるコアを用いて各キャンディ部分121−123を製造することができ、各キャンディ部分のための各コアは、各コアについて1つ又はそれよりも多くの酸を使用することにより(以下で説明するように)、異なるレベルの酸味を有する。加えて、強度消滅部分は、それ自体のコアを用いて製造することができる。
【0017】
キャンディ部分のコアが製造された状態で、段階28において、酸味部分のためのコアは、ハードパンニング処理に掛けることができる。以下に説明する1つ又はそれよりも多くの酸と関連するハードパンニング処理は、望ましいレベルの酸味を有する図5に示されている凹凸のあるキャンディ部分を製造する。ハードパンニング処理中に、コアは、ハードパンニングユニット内に置かれ、コアがグルコース/デキストロースと1つ又はそれよりも多くの顆粒/粉末状の酸との混合物で被覆される時に、このユニットで攪拌され、混合物が乾燥してコアを覆うシェルが形成され、1つ又はそれよりも多くの顆粒/粉末状の酸が乾燥シェル内に捕捉されるので、シェルは、望ましいレベルの酸味を有する。コアを覆うシェルを形成するこの処理は、複数回反復することができ(最大10回)、望ましいキャンディ部分が作り出される。ハードパンニング処理が完了した状態で、製造工程は、このシェル層を覆う硬質層で各キャンディ部分を被覆する段階も含むことができ、キャンディ部分の貯蔵寿命が改善し、キャンディ部分が湿気から保護される。強度消滅部分のためのコアには、ハードパンニング処理は行われないが、キャンディ部分の貯蔵寿命を改善し、キャンディ部分を湿気から保護するために硬質層で被覆することができる。
【0018】
強度消滅キャンディの望ましい酸味を達成するために、1つ又はそれよりも多くの酸が使用され、その場合、酸の放出時間の重なりのために持続性の酸味/タートネスが得られる。より詳細には、異なる種類の酸の混合物は、酸味及びタートネスを有する酸の順次的放出を生じさせ、それは、香料のシトラスプロフィールと協調する。複数の酸は、特定の期間にわたって最適の味覚を有する強度消滅キャンディを提供する。例示的な実施形態では、強度消滅キャンディは、4種の異なる酸(酒石酸、クエン酸、乳酸、及びフマール酸を含む)を使用することができ、口内に異なる酸味の感覚及び強度レベルを作り出す。酒石酸は、酸味及びタートネスの即時スパイクを生じさせる。次に、酒石酸が衰え始めると、クエン酸が、鋭く渋いシトラス香料と最も良く協調する。乳酸(よりマイルドであるが、持続する)は、酸味の感覚を延長させ、フマール酸も同様であり、これは、遅延的であるが「清浄」なタートネスを有する。上述の酸味強度消滅の例については、「タンギ・タンジェリン」部分は、クエン酸のみを含有し、「スーパー・サワー・レモン」部分は、クエン酸及びフマール酸を含有し(かつ粉末/顆粒形態のフマール酸が、ハードパンニング処理中にコアを被覆するために使用される)、「タング・ツイスティング・ライム」部分(最酸味部分)は、クエン酸、フマール酸、及び酒石酸を用いる(かつ粉末/顆粒形態のフマール酸及び酒石酸が、ハードパンニング処理中にコアを被覆するために使用される)。
【0019】
強度消滅キャンディ(サワー・エクスティングィッシャー)の例示的な実施形態に関して、酸味キャンディ(「タンギ・タンジェリン」、「スーパー・サワー・レモン」、及び「タング・ツイスティング・ライム」)の各部分は、キャンディの各部分のコア内及びシェル内に以下の原料を有することができる(キャンディの各部分内の全原料のうちの大体の百分率としてのものであり、各原料に関する百分率の数値丸めのために、合計の百分率は、100より僅かに大きいか又は小さい場合がある)。
【0020】
(表1)

【0021】
表1での各キャンディ部分のコアは、同じ原料を有するが、各キャンディは、各原料の百分率に影響する異なるコーティング(ハードパンニング処理中に各キャンディ部分上に被覆される)を有するので、各異なるキャンディ部分に関する百分率は異なっている。加えて、表1及び表2に示す処方は、各キャンディ部分の例に過ぎず、本発明は、表1及び表2に示す特定の処方に限定されない。この例においては、最も酸味の弱いキャンディ部分は、1種類の酸を有し、酸味が中位レベルのキャンディ部分は、2種類の酸を有し、かつ最も酸味の強いキャンディ部分は4種類の酸を有し、これは、各キャンディ部分に対する異なるレベルの酸味を部分的に説明するものである。
【0022】
キャンディの強度消滅部分(クール・ブルー・ラズベリ)は、以下の原料をキャンディの強度消滅部分のコア内及びシェル内に有することができる(ここでも、キャンディの各部分内の全原料のうちの大体の百分率としてのものであり、各原料に関する百分率の数値丸めのために、合計の百分率は、100より僅かに大きいか又は小さい場合がある)。
【0023】
(表2)

【0024】
表1と同様に、表2は、キャンディの強度消滅部分の全体重量の百分率として列挙した原料を示している。
【0025】
本発明の代替的な実施形態では、製造工程中に、第1の組の混合原料と、第2の組の混合原料と、第3の組の混合原料と、第4の組の混合原料とを形成することができ、キャンディの各異なる部分が、コアのための僅かに異なる原料の組を有するので、3つの異なる酸味レベルのキャンディ部分が、混合原料の第1、第2、及び第3の組からそれぞれ生成され、強度消滅キャンディは、混合原料の第4の組から製造される。異なる数の酸味キャンディ部分を有する強度消滅キャンディ又は異なる強度消滅キャンディ(飲用エクスティングィッシャーのような)の場合には、異なる組数の混合原料を製造工程中に生成することができ、それらの異なる組数の混合原料は、本発明の範囲内である。
【0026】
上述の製造工程において、強度消滅キャンディ部分を極めて酸味のものとし、かつ砂糖転化を抑制するために、この工程は、強度消滅キャンディの高温への露出を最小にし(冷間処理を使用する時)、最終製品内の水分を低減するように、乾燥した粉末又は顆粒の形態で諸原料を使用し、クエン酸塩又は乳酸塩のような緩衝塩を添加し、かつ疎水性酸の超高レベル/混合を伴ってハードパンニングを行う。コアを料理する処理を使用する場合には、砂糖転化を抑制するためにコアが密封される。
【0027】
代替的な実施形態では、強度消滅キャンディは、各キャンディ部分が異なるレベルの酸味を有するあらゆる数のキャンディ部分を有することができ、その場合、3レベル(上述のような)が好ましいが、2つ又はそれよりも多くの酸味レベルを強度消滅キャンディのために使用することができる。別の代替的な実施形態では、強度消滅キャンディは、上述のような酸味キャンディ部分を使用することができるが、強度消滅キャンディ部分の代わりにドリンクを有する。このドリンクは、酸味を低減する多汁及び/又は甘味ドリンクとすることができる。代替的に、強度消滅キャンディは、一杯の液体に溶解して異なる酸味レベルを有するドリンクを作り出す1つ又はそれよりも多くの酸味タブレット、及び液体に溶解してドリンクの酸味を低減する砂糖タブレットとすることができる。
【0028】
上述の強度消滅キャンディは、キャンディ部分の酸味レベルが様々であり、かつ強度消滅キャンディ部分がその酸味を低減するキャンディである。強度消滅キャンディは、各部分が香辛味/辛味の味覚を有するように作り出すことができ、キャンディ部分は、異なるレベルの香辛味/辛味を有し、強度消滅部分は、このキャンディ部分の香辛味/辛味を低減する。キャンディのこれらの香辛味部分を用いて、酸味キャンディ部分に関して上述したものと同じ「ゲーム」を競技することができる。
以上は本発明の特定に実施形態に関連したものであるが、特許請求の範囲によって範囲が定められる本発明の原理及び意図から逸脱することなく、この実施形態に変更が可能であることは、当業者によって認められるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】強度消滅食品を説明する図である。
【図2】強度消滅食品の実施形態の例を説明する図である
【図3A】強度消滅食品の別の実施形態の例を説明する図である。
【図3B】強度消滅食品の別の実施形態の例を説明する図である。
【図4】強度消滅食品の別の実施形態の例を説明する図である。
【図5】ハードキャンディとすることができる強度消滅食品の別の実施形態の例を説明する図である。
【図6】図5に示す強度消滅ハードキャンディの製造方法の実施形態を説明する図である。
【符号の説明】
【0030】
10 強度消滅食品
12 異なる強度レベルを有する部分
14 強度消滅部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各部分が各他の部分と異なる強度レベルを有する2つ又はそれよりも多くの部分と、
前記2つ又はそれよりも多くの部分のいずれか1つの摂取の後に摂取された時に、該2つ又はそれよりも多くの部分の前記強度レベルを低減する強度消滅部分と、
を含むことを特徴とする食品。
【請求項2】
前記2つ又はそれよりも多くの部分は、所定の強度レベルを有する第1の部分と、該第1の部分よりも高い第2の所定の強度レベルを有する第2の部分と、該第2の部分よりも高い第3の所定の強度レベルを有する第3の部分とを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の食品。
【請求項3】
前記第1、第2、及び第3の部分、及び前記強度消滅部分の各々は、ガム、キャンディ、フルーツスナック、チューイングスナック、風味スナック、又はハードキャンディを含むことを特徴とする請求項2に記載の食品。
【請求項4】
食品の前記第1の部分は、クエン酸を更に含み、
食品の前記第2の部分は、クエン酸及びフマール酸を更に含み、
食品の前記第3の部分は、酒石酸、クエン酸、及びフマール酸を更に含む、
ことを特徴とする請求項3に記載の食品。
【請求項5】
前記強度レベルは、酸味レベル及び香辛味レベルの一方を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の食品。
【請求項6】
前記第1、第2、及び第3の部分、及び前記強度消滅部分は、フルーツジュース又はフルーツで栄養価を高められることを特徴とする請求項2に記載の食品。
【請求項7】
前記第1、第2、及び第3の部分、及び前記強度消滅部分の各々は、外壁部分によって囲まれた液体中心部分を有することを特徴とする請求項2に記載の食品。
【請求項8】
前記第1、第2、及び第3の部分、及び前記強度消滅部分の各々は、コア部分と該コア部分を覆う外層部分とを有することを特徴とする請求項2に記載の食品。
【請求項9】
前記第1、第2、及び第3の部分に対する前記コア部分は、該それぞれの部分の前記強度レベルを設定する酸を更に含むことを特徴とする請求項8に記載の食品。
【請求項10】
前記第1、第2、及び第3の部分に対する前記外層部分は、該それぞれの部分の前記強度レベルを設定する酸を更に含むことを特徴とする請求項8に記載の食品。
【請求項11】
前記第1、第2、及び第3の部分、及び前記強度消滅部分は、連続ストリップとして形成されることを特徴とする請求項2に記載の食品。
【請求項12】
前記第1、第2、及び第3の部分、及び前記強度消滅部分は、ガムの連続ストリップとして形成されることを特徴とする請求項2に記載の食品。
【請求項13】
前記第1、第2、及び第3の部分の各々は、個々の部分であり、
前記強度消滅部分は、個々の部分である、
ことを特徴とする請求項2に記載の食品。
【請求項14】
前記強度消滅部分は、ドリンクを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の食品。
【請求項15】
前記第1、第2、及び第3の部分は、液体に溶解して酸味ドリンクを形成するタブレットであることを特徴とする請求項2に記載の食品。
【請求項16】
異なる強度レベルを有する2つ又はそれよりも多くの部分を有する食品を製造する方法であって、
コア部分を形成するために、クエン酸及び食用澱粉を更に含む1つ又はそれよりも多くの原料を混合する段階と、
前記コア部分の冷間フローを低減するために該コア部分を放置する段階と、
前記コア部分の周囲に複数の外層を形成して、異なる強度レベルを有する2つ又はそれよりも多くの部分を備えた食品を形成する段階と、
を含み、
各部分に対する前記強度レベルは、前記食品の該特定の部分に対する前記外層の一部である1つ又はそれよりも多くの酸に依存する、
ことを特徴とする方法。
【請求項17】
前記異なる強度レベルを備えた前記2つ又はそれよりも多くの部分の該強度レベルを消滅させる強度消滅部分を形成する段階を更に含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記1つ又はそれよりも多くの原料を混合する段階は、前記食品の前記2つ又はそれよりも多くの部分の各々に対して異なるコア部分を形成する段階を更に含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記1つ又はそれよりも多くの原料を混合する段階は、前記2つ又はそれよりも多くの部分の全てに使用される単一のコア部分を形成する段階を更に含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記複数の外層を形成する段階は、前記コア部分をハードパンニング処理して該複数の外層を形成する段階を更に含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項21】
前記ハードパンニング処理する段階は、前記2つ又はそれよりも多くの部分の前記強度レベルに影響を及ぼすように前記コア部分に酸ベースの層を付加する段階を更に含むことを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
異なる強度レベルと強度消滅部分とを有する食品の2つ又はそれよりも多くの部分を用いてゲームを競技する方法であって、
所定の強度レベルを有する食品の部分の少なくとも1つを摂取する段階と、
強度消滅部分を摂取することにより、所定の強度レベルを有する前記食品の前記部分の少なくとも1つの該強度レベルを消滅させる段階と、
を含むことを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2009−524433(P2009−524433A)
【公表日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−552482(P2008−552482)
【出願日】平成19年1月24日(2007.1.24)
【国際出願番号】PCT/US2007/002356
【国際公開番号】WO2007/133303
【国際公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【出願人】(508223594)アメリカン リコリス カンパニー (1)
【Fターム(参考)】