弾性ラミネートおよび強化不織布
特におむつ用の、自己把持フックおよびループ式クロージャから成るフック部であって、フックが突出するシートを含むフック要素と、フック要素に固定されたラミネート要素とを備え、ラミネートが、2つの左右各側方縁部の間の横方向に延在し、不織布の少なくとも1つの層(2、3)に粘着物の層によって固定された層、特に2層の不織布の間に、粘着物の1つのそれぞれの層で不織布の各層に固定することによって挿入した層を含み、この層は、一体層または一体化層であり、特にエラストマー材料でできたフィルムの形態の弾性区域(6、16)を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも不織布の一層に、特に不織布の2つのそれぞれの上層および下層に粘着物によって固定された少なくとも1枚のフィルムを含むラミネートに関する。このタイプのラミネートは特に、衣類で、特におむつおよび成人用の失禁用品などの使い捨て衣類の分野における応用例、あるいは伸縮包帯の形の医療分野における応用例で使用される。おむつの場合では、前記ラミネートは従来、乳児の腰周りのウエストバンドを形成する部分に使用されている。特に有利なおむつの応用例の場合では、前記ラミネートは、おむつが乳児にしっかりと、特に弾力的に確実に保持されるようにする弾性フラップを製造するのに使用され、このフラップはフック部を形成して、例えば自己把持クロージャのオス要素で、特に、例えばおむつのウエストバンドの中心部のループと協働するように意図されたフックを載せる。
【背景技術】
【0002】
このタイプのラミネートは従来技術で、特に本出願人の名前で2005年11月8日出願のフランス特許出願第0511343号で、既に知られている。同出願で開示されているラミネートは、特に一方ではおむつの構成物に固定され、もう一方では、フックを構成する細片に固定されるようになっている。従来技術のこれらラミネートを形成する不織布は、伸長の能力がない不織布であるか、一方向に引き伸ばすことができる不織布であるかのどちらかである。伸長不可能な不織布の場合では、弾性能力を有するラミネートを得るには、それを形成する繊維を部分的に破断するか、または少なくとも繊維の結合力を低減することによって、特にカッターで繊維を破断することによってラミネートを「活性化」し、このようにしてラミネートに全体として弾性を与える必要がある。
【0003】
米国特許第A−6245401号には、1枚の弾性フィルム、および弾性が小さいが水蒸気透過性の2枚のフィルムから成る層と、液体不透過性であるおむつ構成物の外部カバーとして使用できる不織布の層とを含むラミネートが開示されている。
【0004】
米国特許第A−5773374号には、弾性要素を挟む2層の不織布を含むラミネートが開示されており、前記弾性要素は、弾性材料でできているコアと、コアの両側の、あらかじめ引き伸ばされ、引き伸ばされた状態でコアに固定された2枚の被膜とからなり、このコアはそれ自体、引き伸ばされた状態にあり、その結果、固定後に被膜が、しわを形成すべきコアと同時に収縮するようになる。こうして、コアおよび2枚の被膜から成る要素は、その静止状態の長さと、それが引き伸ばされたときの最大長さとの間で弾性を備え、その結果、被膜はもはやしわを形成しなくなる。このラミネート製造方法は、それゆえに複雑で時間がかかる。
【0005】
国際公開第A−01/53076号には、弾性材料でできた一体層を挟んでいる2層の不織布を含むラミネートが開示されている。さらに、非弾性強化フィルムが弾性層と不織材料層との間に置かれ、強化フィルムを一方で不織布に、もう一方で弾性層に接着するために、接着剤が強化フィルムの両側に挿入されている。複数のフィルムを接着することによるこのアセンブリでは、ラミネートの製造方法が複雑で時間がかかることになる。
【0006】
米国特許出願公開第2005/0060849A1により、一方がエラストマー材料でできており、もう一方が、フックに成形できる熱可塑性材料でできている2つの細片を共押出し成形することが知られており、この共押出し成形は、接着剤の挿入物がない支持層に対して実施され、次に、2つの共押出し成形細片を方向CDに引き離すことによって、後に別々のフック要素が得られる。
【0007】
全ての場合で、特にラミネートが多数の部分から構成され複雑になるので、ラミネートを製造すること、あるいは、高い坪量を有する上部または下部の不織布を使用しないで、おむつの構成物またはフック・フラップに素早くラミネートが確実に固定されるようにすることのどちらも困難であり、このことが量産コストに不利な影響を及ぼす。
【0008】
従来技術の別の例によれば、例えば、ラミネートの厚さを増大させる剛性フィルムまたは不織布の補足層を追加することによって、(1つまたは複数の)不織布の区域を、これらの区域の領域内のラミネートの弾性特性が除去されるように加工することが知られている。しかし、この場合でも、その加工はコストがかかり、高速量産ラインでの実施には適さない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第6245401号明細書
【特許文献2】米国特許第5773374号明細書
【特許文献3】国際公開第01/53076号
【特許文献4】米国特許出願公開第2005/0060849号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、2層の不織布の間に粘着物で固定された少なくとも1枚の弾性フィルムを含むラミネートを提案することによって従来技術の欠点を克服することを目的とし、このラミネートは、非常に簡単に得ることができ、特に非常に大規模な製造に適しており、同時に、おむつ、特におむつの構成物に組み合わせるのがより簡単であり、またこのおむつに対し、フックを備える細い幅の要素を組み合わせて、前記おむつの閉止を可能にするフック部を形成することもより容易である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によれば、特におむつ用の、自己把持フック及びループ式クロージャから成るフック部が、請求項1に定義され、改善点が従属請求項2〜9に定義されている。
【0012】
本発明による「一体」という語は、粘着物または接着剤などの介在固定手段を用いて複数の部分、特に複数のフィルムを一緒に固定することによって形成される層と理解されたい。特に、一体層は、1つの材料を押出し成形する、または複数の材料を共押出し成形することによって得られる層である。
【0013】
特に、フィルムの形態の前記1つの弾性区域は、1つだけの粘着物層の可能な挿入物、特に接着剤により、少なくとも一層の不織布と直接接触する。
【0014】
好ましくは、ラミネートは、左側と右側の2つの端部間の横方向に測定された幅と、ラミネートの層の積み重ね方向に測定された厚さと、幅および厚さの方向に垂直の方向の長さと、ラミネートの全幅にわたって延在する不織布の層またはシートおよび粘着物とを有し、(1つまたは複数の)弾性フィルムの形態の(1つまたは複数の)区域の全幅は、厳密にラミネートの幅よりも小さく、(1つまたは複数の)強化フィルムの形態の(1つまたは複数の)区域の全幅もまた、厳密にラミネートの幅よりも小さい。
【0015】
特に、本発明の好ましい一実施形態によれば、(1つまたは複数の)強化フィルムの形態の(1つまたは複数の)区域、および(1つまたは複数の)弾性フィルムの形態の(1つまたは複数の)区域は、これらを不織布の少なくとも1つの層に固定する前に、共押出し成形によって、それらの側方縁部が互いに接触するように一体に、または単一フィルムとして形成される。例えば熱可塑性材料およびエラストマー材料である、強化フィルムおよび(1つまたは複数の)弾性フィルムの材料は、強化フィルムと弾性フィルムが一体成形物を形成するように、互いに隣接して押出し成形される。
【0016】
好ましくは、強化フィルムの形態の(1つまたは複数の)区域は、特に熱可塑性材料、場合によりエラストマー材料を混合する配合物または配合により作られる材料から成り、これらの混合材料は、以下で開示する伸長を試験する方法によれば、弾性フィルムの形態の(1つまたは複数の)区域よりも少数の伸長特性を等価負荷で与える。前記区域は、非弾性であることが好ましい。
【0017】
本発明によるフック部を用いると、使用された不織布と等しい坪量では、横方向引張りに対する抵抗力の改善と、フック部の縁部領域でおむつの構成物に対するフック部の効果的な固定とを得ることが今や可能であり、あるいは、使用された不織布の少なくとも1つより小さい坪量、特に5から20g/m2の間、好ましくは5から15g/m2の間、さらには5から10g/m2の間の坪量では、高い坪量の不織布を含む従来技術のフック部の場合と同様の効果的な固定を得ることが可能である。
【0018】
好ましい一実施形態によれば、基部細片と、この細片から作り出される複数のフック要素とから成るフック・シートは、強化区域、特に側方区域の1つの上または下に位置する一区域上の縁部領域で、ラミネートを形成する少なくとも1つの不織布の一外面に、例えば接合、ホット・カレンダー、超音波溶接などによって固定される。
【0019】
別の実施形態によれば、基部細片と、この細片から作り出される複数のフック要素とから成るフック・シートは、側方および/または中央の強化区域の少なくとも1つの一外面に、例えば接合、ホット・カレンダー、超音波溶接などによって固定される。
【0020】
本発明の好ましい一実施形態によれば、各不織布と、フィルムの形態の少なくとも2つの強化区域およびフィルムの形態の少なくとも1つの弾性区域から成る一体層または一体化層との間の粘着物、特に接着剤の2つの層それぞれは、不織布と、中間層の弾性区域を形成する(1つまたは複数の)部分との間で、粘着物が、粘着物のない細片によって互いに分離された細片の形に配置されるように製作される。
【0021】
接着剤の分離細片でラミネートに弾性を与えることが可能になる場合、または選択された不織布が伸縮可能でない場合のどちらでも、不織布は横方向に伸長する能力を有し、したがって不織布は、不織布の繊維群が接着剤の細片に結合するようにアセンブリを横に引き伸ばすことによって活性化される一方で、接着剤の細片の間で空洞部が不織布中に形成され、引き伸ばした後で不織布は、ひだ形状および空洞形状を有することになり、引き伸ばすことができる。
【0022】
好ましくは、(1つまたは複数の)フィルムの形態の(1つまたは複数の)強化区域および(1つまたは複数の)フィルムの形態の(1つまたは複数の)弾性区域を含む一体層または一体化層の厚さはほぼ均一であり、特に強化区域と弾性区域の間の接合部の領域で均一である。特に、接合部の領域で、2つの区域それぞれが接合領域で、接合部の付近よりも薄く、接合部の領域のフィルムの形態の2つの区域の合計厚さが、接合部の付近のフィルムの形態の区域の一方または他方の厚さとほぼ等しい
【0023】
別の実施形態によれば、2つの弾性区域と強化区域の間の接合部は、傾斜を付けた境界面に沿って形成される。
【0024】
好ましくは、(1つまたは複数の)フィルムの形態の(1つまたは複数の)弾性区域と(1つまたは複数の)フィルムの形態の(1つまたは複数の)強化区域との合計幅は、中央区域が設けられる場合はその幅を含めて、ラミネートの幅とほぼ等しく、その結果、末端強化区域は、実質的にちょうどラミネートのそれぞれの末端縁部まで延在するようになる。
【0025】
やはり非常に有利な別の応用例によれば、(1つまたは複数の)フィルムの形態の(1つまたは複数の)弾性区域の幅と、(1つまたは複数の)フィルムの形態の(1つまたは複数の)強化区域の幅とは、中央区域が設けられる場合はその幅を含めて、2つの末端強化区域のうちの一方が、実質的にちょうどそれぞれの側方縁部まで延在し、2つの末端強化区域のうちのもう一方が、それぞれの側方縁部を越えて延在して、ラミネートを越えて突出するような幅である。
【0026】
非常に有利な別の応用例によれば、(1つまたは複数の)フィルムの形態の(1つまたは複数の)弾性区域の幅と、(1つまたは複数の)フィルムの形態の(1つまたは複数の)強化区域の幅とは、中央区域が設けられる場合はその幅を含めて、2つの末端強化区域のうちの一方が、実質的にちょうどそれぞれの側方縁部まで延在し、2つの末端強化区域のうちのもう一方が、それぞれの側方縁部のこちら側に延在して、1つの不織布または2つの不織布、および接着剤の中間層だけからなる縁部を形成するような幅である。
【0027】
しかし、フィルムの形態の強化区域のそれぞれで、他とは無関係に、それがちょうどそれぞれの側方縁部まで、またはこのそれぞれの縁部の他方の側に、またはこのそれぞれの縁部のこちら側に延在することが考えられてよい。
【0028】
本発明はまた、請求項10に定義されているように、本発明によるフック部を得る方法にも関連する。
【0029】
好ましくは、(1つまたは複数の)弾性フィルムおよび(1つまたは複数の)強化フィルムから成る共押出し成形フィルムは、特に空気および/または液体に対し不浸透性の1つまたは複数の材料でできている。
【0030】
本発明の別の特徴によれば、前記発明は、前部と、後部と、前部と後部を接続する股あて部と、後部の上方の左右側方縁部を前部のそれぞれの上方の左右側方縁部に接続する2つの側方中間部とを画定するおむつに関連し、各中間部は、例えば溶接による固定方法で、後部の1つのそれぞれの上方の側方縁部に接合され、各中間部はラミネートを備え、このラミネートは、2つのそれぞれの左右側方縁部の間の横方向に延在し、不織布の少なくとも1つの層に粘着物の層によって固定された層、特に2層の不織布の間に、粘着物の1つのそれぞれの層で不織布の各層にそれぞれ固定することによって挿入した層を含み、この層は、一体または一体化層であり、特にエラストマー材料でできたフィルムの形態の弾性区域を含み、
一体層または一体化層は、フィルムの形態の弾性区域から前記側方縁部の一方に向かって延在するフィルムの形態の少なくとも1つの末端強化区域を含み、
前記側方縁部の一方とフィルムの形態の強化区域との間に弾性区域が配置されず、
フィルムの形態の少なくとも1つの強化区域は、フィルムの形態の前記1つの弾性区域よりも伸長性が小さく、特に弾性が小さく、好ましくは非弾性であり、例えば熱可塑性材料でできている、ことを特徴とする。
【0031】
有利な一実施形態によれば、基部細片と、この細片から作り出されるフックとを含む少なくとも1つのフック要素とがラミネートに固定され、ループ要素が前部に固定され、その構成は、中間部のフックと前部のループの間の協働によって、おむつが着用者の腰周りに閉止されるような構成である。
【0032】
やはり有利な別の実施形態によれば、中間部は、例えば溶接によって、分離できないようにして前部に固定される。
【0033】
本発明はまた、請求項11に定義されているおむつに関連する。
【0034】
次に、本発明の一実施形態を、図面を参照して例示的に開示する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明によるラミネートの一実施形態の概略的な断面図である。
【図2】本発明によるラミネートの別の実施形態の概略的な断面図である。
【図3】本発明によるラミネートで、特に図1および図2のラミネートを製造する設備の斜視図である。
【図4】SETを決定するために準備された弾性材料またはエラストマー材料のサンプルを示す図である。
【図5】材料、特に弾性またはエラストマーの材料のSETを決定するときに得られたヒステリシス曲線の形を示す図である。
【図6】フックを含む要素が上部に追加された図1のラミネートに対応する、本発明によるラミネートの別の実施形態を示す図である。
【図7】本発明によるラミネートの別の可能な実施形態を示す図である。
【図8】本発明によるラミネートの別の可能な実施形態を示す図である。
【図9】本発明によるラミネートの別の可能な実施形態を示す図である。
【図10】本発明によるラミネートの別の可能な実施形態を示す図である。
【図11】本発明によるラミネートの別の可能な実施形態を示す図である。
【図12】本発明によるラミネートの別の可能な実施形態を示す図である。
【図13】本発明によるラミネートの別の可能な実施形態を示す図である。
【図14】本発明によるラミネートの別の可能な実施形態を示す図である。
【図15】本発明によるラミネートの別の可能な実施形態を示す図である。
【図16】本発明によるラミネートの別の可能な実施形態を示す図である。
【図17】本発明によるラミネートの別の可能な実施形態を示す図である。
【図18】本発明によるラミネートの別の可能な実施形態を示す図である。
【図19】本発明によるラミネートの別の可能な実施形態を示す図である。
【図20】本発明によるラミネートの別の可能な実施形態を示す図である。
【図21】図1の実施形態の層の、押出し成形によって形成された後で、1層または2層の不織布と組み合わされる前の断面図である。
【図22】図21の図の一部の、斜面の形で製作された弾性フィルム−強化フィルム境界面を有する層を示す図である。
【図23】相対的な伸縮特性を試験する力の関数としての伸長を示す曲線の例を示す図である。
【図24】本発明によるラミネートの別の実施形態を示す図である。
【図25】フックを備える固定ウィングまたは固定タブを組み込み、かつ前の各図で開示されたラミネートを組み込む、本発明によるおむつの一実施形態を示す図である。
【図26】本発明によるおむつの別の実施形態の斜視図である。
【図27】本発明によるラミネートの別の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1に、第1の不織布の下層2と、第2の不織布の上層3とを含むラミネート1が示されている。不織布のこれら2つの下層2と上層3の間に(図で、断面図は、ラミネートが全体で、その全長が図1および図2の面に垂直な要素であるとして示されている)、中間層4が形成されている。この中間層4は、熱可塑性材料でできた左側方の強化フィルム5と、エラストマー材料でできた左側弾性フィルム6と、熱可塑性材料でできた中央の強化フィルム7と、エラストマー材料でできた右側弾性フィルム8と、熱可塑性材料でできた右側方の強化フィルム9とから成る。
【0037】
接着剤の層10および11は、不織布の各層と中間層4の間に挿入されている。ラミネートの全幅は、各不織布の幅ならびに接着剤の各層の幅と等しい。3つの強化フィルムと2つの弾性フィルムの合計幅は、ラミネートの全幅と等しい。
【0038】
2つの左側および右側の強化フィルムは、ラミネートの1つのそれぞれの左右縁部まで延在している。強化細片を伴わない小さな縁部がラミネートの各縁部に形成されること(図13参照)、または対照的に、一方または両方のフィルムがそれぞれの縁部を越えて突き出ること(図7、8、11または12参照)を考案することもまた可能である。全ての場合で、2つの末端強化フィルムの縁部の一方は、(1つまたは複数の)弾性フィルムから最も遠い末端強化フィルムのアセンブリ点の位置である。
【0039】
図21で分かるように、図の垂直方向に、すなわち幅の進行方向および長さの進行方向に対し垂直に、測定した層の厚さは、各弾性または強化区域の横寸法にわたって均一またはほぼ均一である。しかし、同図で分かるように、弾性区域の厚さは、徐々に増大し、次いで徐々に減少するように変化して、その強化区域との2つの接合部間で最大点を通過するが、(1つまたは複数の)弾性フィルムおよび(1つまたは複数の)強化区域の厚さは、それらのそれぞれの接合部の領域において、層の上面および/または下面に粗い縁部または不連続部を実質的に伴わないような厚さである。
【0040】
したがって、例えば(1つまたは複数の)弾性フィルムは、(1つまたは複数の)強化フィルムよりも約10〜25%大きい坪量を有し、例えば、(1つまたは複数の)弾性フィルムは55g/m2の坪量を有するのに対して、(1つまたは複数の)強化フィルムは45g/m2の坪量を有する。
【0041】
一般に3mmから10mmの間の範囲で、特に5mmの幅にわたって延在する接合部または接続部の全体にわたり、各(強化および弾性)フィルムの厚さは、接合部を越えたフィルムの厚さよりも薄い。すなわち、接合部の各フィルムは、接合部の他のフィルムの厚さが薄い部分の上に置くことによって組み合わされる、厚さが薄い部分を含む。この重ね合わせにより、図21に示すように、ある種の段が2つのフィルム間の境界面の領域に作り出される。また、この境界面が、図22に示されるように、斜面の形に作られることもありうる。
【0042】
しかし、実際には、2つの熱可塑性の弾性材料またはエラストマー材料の間の境界面接続部の領域で、重ね合わされる末端部の合計厚さが接合部の両側の2つのフィルムの厚さよりもわずかに厚いことにより、小さな隆起が形成されることが起こりうる。
【0043】
本発明では、所与の方向の「フィルムまたは弾性区域」という語は、室温で所与の方向に引き伸ばされ、または伸長された後でその初期の形状に実質的に戻るフィルムまたは区域のことであると理解されたい。好ましくは、これは、変形と緩和の後でわずかな量の残留変形または歪み(永久歪みまたはSET)しか保持しない、すなわち、室温(T≒23℃)で、サンプルの初期長さの100%の伸長に対して、初期長さの10%未満、より好ましくは5%未満の歪みしか保持しない、フィルムまたは区域である。
【0044】
より好ましくは、弾性フィルムは、室温で断裂時に少なくとも300%の伸長、好ましくは、室温で508mm/分の引き伸ばし速度で、少なくとも600%の伸長、より好ましくは少なくとも1000%の伸長を受けることができる。弾性フィルムが作られる材料は、純粋のエラストマー、またはエラストマー相を有する混合物とすることができ、あるいは、例えばメタロセン型触媒からのポリオレフィンなどの、室温でもなお実質的にエラストマー特性を有する材料とすることができる。この材料はまた、とりわけ強化フィルムとの一体化層の形成を補助するために、熱可塑性材料フィラーを含むこともできる。
【0045】
サンプルの残留磁気またはSETを測定するために、すなわちそれが弾性要素の、特にフィルムの、サンプルであるかを判定するために、以下の方法が使用される。
サンプルは、温度23℃±2℃および相対湿度50%±5%の、ASTDM5170規格で規定されているように、通常大気中でコンディショニングする。
装置として、EN10002規格に適合した動力計で、特に、MTS Systems Corp.USAから入手可能なSynergie 200H、1カラム、をTESTWORKS 4.04B利用ソフトウェアと共に使用する。
サンプルは、弾性を測定したい製品を長方形のサンプル(例えば、MD方向(図1の平面に垂直な縦方向)に45mmの幅と、CD方向(横方向、図1に対し水平方向)に60mmの長さを有する)の形にカッターを用いて切り出すことによって準備する。
サンプルは、図4に概略的に示すように、顎の間に、弾性を試験したい区域の両側面に接して、かつ各側面に接して配置する。
諸パラメータは、以下のように選ぶ。
顎の間の距離:20mm
機械速度:254mm/分
サイクル数:2
製品の伸長:一定速度で100%
製品は、0.05N程度の初期負荷を印加後、顎の垂直移動によって100%引き伸ばし、次に、その位置に30秒間保持し(第1サイクル)、次に初期位置に復帰させ、そこで60秒間そのままにしておき、次に、再度100%引き伸ばし、30秒間保持して(第2サイクル)初期位置に戻す。こうして、単位Nの引張り力が単位%の伸長の関数である曲線が得られ、前記曲線は、SET(n=2)によって、すなわち第2サイクルの開始時に図5のX軸(単位%の伸長)と交差する曲線の点によって、このように特徴付けることができるヒステリシスを呈示する。
【0046】
より好ましくは、弾性フィルムは、室温で断裂時に少なくとも300%の伸長、好ましくは、室温で508mm/分の引き伸ばし速度で、少なくとも600%の伸長、より好ましくは少なくとも1000%の伸長を受けることができる。弾性フィルムが作られる材料は、純粋のエラストマー、またはエラストマー相を有する混合物とすることができ、あるいは、例えばメタロセン型触媒からのポリオレフィンなどの、室温でもなお実質的にエラストマー特性を有する材料とすることができる。この材料はまた、とりわけ強化フィルムとの一体化層の形成を補助するために、熱可塑性材料フィラーを含むこともできる。
【0047】
特にエラストマーである弾性フィルムの材料は、熱収縮性または非熱収縮性である弾性材料とすることができる。この弾性材料は、特に、例えばA−Bなど交互の、または連続した例えばA−A−A−B−B−Bの、または統計的な例えばA−A−B−A−B−B−A−A−A−B−Aの、異なるタイプのモノマーモチーフから成る共重合体などのポリマーから形成することができ、その得られる全ネットワークは、指数n(n>2)の、A−B−A型の直鎖またはA−B型の放射状、あるいはA−B型のジブロックである様々な構造を有することができ、これらはエラストマーで、例えば、スチレン/イソプレン(SI)、スチレン/イソプレン/スチレン(SIS)、スチレン/ブタジエン/スチレン(SBS)、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレン(SEBS)、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレン(SEPS)、またはSIBS共重合体である。これらエラストマーの互いの混合物、またはこれらエラストマーと弾性以外の特定の特性を修正する非エラストマーとの混合物もまた考えることができる。スチレンポリビニル類、ポリスチレン類またはポリαメチルスチレン、エポキシポリエステル類、ポリオレフィン類、例えば、ポリエチレン類またはいくつかのエチレン/ビニルアセテート類で、好ましくは高分子量のものなどの、ポリマーの例えば、最大50重量%、しかし好ましくは30重量%未満を硬化添加物として加えることができる。
【0048】
弾性フィルム用の材料は、特に、例えば商品名KRATON D(登録商標)でKraton Polymersから入手可能な、または商品名VECTOR SBC 4211(登録商標)でDEXCO POLYMERS LPから入手可能なスチレン−イソプレン−スチレンとすることができる。また、ポリウレタンの熱可塑性エラストマーで、特に、The Dow Chemical CompanyのPELLATHANE(登録商標)2102−75Aを使用することも可能である。また、スチレン−ブタジエン−スチレンで、特に、Kraton PolymersのKRATON D−2122(登録商標)、またはDexco Polymers LPのVECTOR SBC 4461(登録商標)を使用することも可能である。また、スチレン−エチレン−ブチレンで、特に、Kraton PolymersのKRATON G−2832(登録商標)、またはスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン(SEBS)連続共重合体で、特に、KRATON(登録商標)G2703を使用することも可能である。また、90/10のモノマー比によるイソオクチル・アクリレートとアクリル酸の共重合体を使用することも可能である。また、Arkemaのポリエーテル・ポリアミド連続共重合体PEBAX(登録商標)2533を使用することも可能である。
【0049】
他の可能な材料は、Exxon Mobil Chemicalから入手可能なVISTAMAXX VM−1120(登録商標)などの、特にメタロセン触媒からのエラストマーの特性を有するポリオレフィン・ポリマー、またはSantoprene型のEPDM荷電ポリマーである。
【0050】
弾性フィルムおよび熱可塑性フィルムを不織布に固定するため、また場合により不織布を互いに固定するための粘着剤として接着剤が使用される場合では、本発明によれば、非反応性ホットメルト接着剤などの接着剤で、例えばBostickのH2511、または反応性接着剤で、特にBostickのAX75E、または反応性のPU接着剤を使用することが可能である。
【0051】
前記接着剤は、上記に開示の弾性フィルムおよび/または熱可塑性フィルムまたは強化フィルムを形成する材料と類似の、または親和性の化学的性質を有することが好ましい。
【0052】
不織布に関して、スパンボンド、および/またはメルトブロー、および/またはカレンダー・カード、および/またはスパンレース型の不織布で、基材として1つまたは複数のポリオレフィン類、好ましくはポリプロピレン、ポリエステル、またはこれらの混合物を有する不織布を使用することが可能である。特に、「スパンボンド」不織布は、1デシテックスから6デシテックスの間の、例えば2.2デシテックスのデシテックス数(10000mの長さで分割した糸のグラム単位の質量)を有する長い繊維または細糸を基材とする。特に、ラミネートが2層の不織布を含む場合、各層は、別々の種類および/または別々の材料とすることができる。
【0053】
不織布の1つ、または少なくとも1つ、または2つの不織布は、5から25g/m2の間で、特に5から15g/m2の間、さらには5から10g/m2の間の坪量を有することが好ましい。
【0054】
特に、不織布が、引き伸ばされる生来の能力がなく、活性化されなければならない不織布である場合、坪量は、5から20g/m2の間で、特にスパンボンドでは約15g/m2、メルトブローでは約8g/m2になる。ラミネートが弾性能力を有するように不織布を活性化しなくてもよい場合、すなわち不織布が、少なくとも50%までの、好ましくは少なくとも100%の伸長範囲にわたって引き伸ばされる生来の能力を有する場合、その坪量は、好ましくは15から25g/m2の間であり、例えば、カレンダー・カード不織では22g/m2、またはスパンレースでは25g/m2になる。さらに、不織布が2つある場合に、その2つの不織布が互いに異なっていてもよいことは、注目に値する。
【0055】
ある要素、特にフィルムが、他の要素、例えば別のフィルムよりも伸長性が大きいかどうかを判定するには、本発明によれば、以下のように、断裂まで力が加わる伸長試験を用いることが可能である。
装置として、EN10002規格に適合した動力計で、例えば前記の弾性試験用と同じ、すなわちMTS Systems Corp.USAから入手可能なSynergie 200H、1カラム、をTESTWORKS 4.04B利用ソフトウェアと共に使用する。例えば幅が45mm、長さが60mmである長方形のサンプルを準備する。 サンプルは、図4に概略的に示すように、顎の間に、伸長を試験したい区域の両側面に接して、かつ各側面に接して配置する。
諸パラメータは、以下のように選ぶ。
顎の間の距離:20mm
機械速度:254mm/分
製品の伸長:一定速度で断裂まで
【0056】
0.05Nの初期負荷を印加後、製品は、顎の垂直移動によって断裂まで引き伸ばす。こうして、図23に示されるように、単位Nの引張り力が単位%の伸長の関数である特性曲線がサンプルごとに得られる。各曲線はピーク点を含み、そこから伸長が、力の減少につれて増大する。このピークは、要素の破壊状態への遷移に対応する。
【0057】
2つの要素、特に2つのフィルムのどちらが最小の伸長性であるかを判定するために、上記の方法によって2つの要素、特に2つのフィルムを試験して、それらのそれぞれの特性曲線を得る。各曲線は、それぞれの所与の伸長に対応する所与のピーク点を有する。こうして、参照伸長として、2つの曲線の2つの所与の伸長のうち最小のものが選択され、あるいは2つの所与の伸長が同じ場合には所与の伸長が選択され、最小であるこの所与の伸長に対し、各曲線の2つの引張り力が比較され、この参照伸長に対し最大の引張り力を有する要素が、伸長性が最小の要素になる。したがって、例えば図23で、参照伸長は、フィルムAのピーク点に対応する伸長、すなわち約240%であり、この参照伸長において、フィルムAの曲線は約40Nの引張り力を示し、フィルムBの曲線は約32.5Nの引張り力を示し、その結果、伸長性が最小であるのはフィルムAになる。
【0058】
強化細片の材料に関して、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルまたは任意の類似の材料などの熱可塑性材料群の、1つの材料あるいは複数の材料から成る1つの混合物を、弾性フィルムに使用される熱可塑性エラストマー群の材料(しかし、全ての場合で強化フィルムが弾性フィルムよりも小さい伸長性を有するようなタイプの材料)に加えて、選択することが可能であり、それにより一体化層を形成する材料の良好な親和性が得られるようになる。好ましくは、弾性フィルムの弾性材料またはエラストマー材料との親和性が良好な熱可塑性材料が選択され、その結果、これらの間の、それらのそれぞれの縁部に沿った接続部は冷却後、実現可能な最強の接続部になる。強化フィルム用の材料の具体的な例は、Polimeri EuropaのRiblene MV 10(登録商標)ポリエチレン、またはBorealisのMG9621、またはExxon Mobil ChemicalのLD259またはLD655である。
【0059】
接着剤の層10および11は、部分5、6、7、8および9から成る中間層4の間に設けられる。接着剤の細片10および11は、各不織布と各強化細片の間の境界面では連続しており、不織布と弾性フィルムの間では接着剤の細片から成り、この細片は、接着剤がない細片の形の区域によって互いに分離されている。しかし、強化フィルムと不織布を連続的に接合しないことも、例えばこの領域にも接着剤の分離細片を製作することによって、さらにはスポット接着またはランダムスプレーによる接着によっても、可能になりうる。強化細片および弾性フィルムは、共押出し成形によって2つの不織布の間に配置される。これらは、共押出し成形装置の中で、軟化した材料の状態で圧力をかけられ、それらのそれぞれの側方縁部12、13、14および17に沿って接触するように、共押出し成形によってそれぞれ組み合わされる。弾性細片および強化細片の、2つの軟化した材料の2つの縁部が互いに密に接触することにより、装置内で2つの材料が互いに接合され、冷却後もこの接合が維持されるという結果が得られる。したがって、例えば、弾性フィルムは、熱可塑性エラストマーをベースとすることができ、強化細片は、側方縁部での2つの境界面同士の固定を簡単な方法で確実にする熱可塑性材料とすることができる。
【0060】
図2に、ラミネートが、中央の弾性フィルム16および2つの側方強化細片(15、19)によって形成されたフィルム18を含む、別の実施形態が示されている。この実施形態では、中央の強化細片の代わりに、単一の弾性フィルムがある。図2のラミネートの別の特徴は、図1のラミネートについて開示されたものと同じである。
【0061】
図3に、本発明によるラミネートを製作する設備が示されており、この設備は、押出し成形によって弾性フィルムの2つのウェブ201、202を形成する押出し成形機101を含み、これらのウェブは、ベルト203およびローラ204を使用するシステムによって2つのドラムの間を、不織布301と401の2つの層が固定ユニット500内で不織布の間のエラストマー材料の冷却によって固定されるのと同時に、搬送される。不織布301は、ボビン302から巻きほどかれる。第2の不織布401は、ボビン402から巻きほどかれる。熱可塑性材料の3つのウェブ203、204、205もまた、押出し成形機102によって形成される。5つのウェブ201〜205は、それらの隣接する縁部と互いに隣り合って共押出し成形され、その結果、共押出し成形装置の出口、およびその次に冷却した後で、一体成形物を形成することになる。不織布301および401と、弾性の熱可塑性ウェブ201〜205から成る複合物は、すなわち複合物601であり、次に、カレンダー機械600内で積層され、横幅の両端に円形ブレード701を備える切断システム700内で正しい幅に切断され、次に、溶接ユニット800の中に通されて、縦方向の縁部の溶接が可能になる。不織布は、活性化ユニット900内で非フィブリル化によって最終的に活性化される。
【0062】
活性化ユニット900の出口で、ラミネート全体が巻付け機械1000の上にロール1001の形に巻き付けられ、次にロール1001は、おむつの上への被着のために、おむつ製造ユニットまで直接移動される。
【0063】
弾性またはエラストマーの(1つまたは複数の)フィルムは、20ミクロンから120ミクロンの間の厚さを有することが好ましい。同様に強化細片は、同じ厚さを有することが好ましい。
【0064】
応用例に応じて、熱可塑性材料でできた複数の強化フィルムの大きさを選択することが可能であり、その結果、強化フィルムの1つがラミネートのちょうど左側または右側の縁部の一方まで延在し、もう一方の縁部では、細片が、やはりちょうど右側または左側の縁部まで延在するか、ラミネートの縁部を越えて外側へ短い距離だけ突出するか、あるいは対照的にこの縁部からのセットバックの末端を成して、特に強化フィルムを用いないで、小さな縁部を形成するようになる。
【0065】
図6に、左側の強化細片と反対側の、またはそれと一致する区域内の上部不織布にフック・シートが固定された図1のラミネートが示されており、このフック・シートは、熱可塑性材料でできており、フック要素、特にフックが突出する、熱可塑性材料でできた細片から成る。このフック細片の幅は、強化細片の幅よりも小さい。このような細片を、選択された応用例に応じて、図1または図2の実施形態の他の強化細片の1つまたは全ての上面に設けることもまた可能である。このフック細片、またはこれらのフック細片の固定は、粘着物、接着剤、または溶接、特に超音波溶接によって行うことができる。
【0066】
上で開示した例では、同じ不織布の2つの層が使用された。異なる不織布材料でできた、または異なる坪量を有する2つの層を設けることも可能であり、2層ではなく単一層の不織布を設けることもまた可能である。
【0067】
上で開示した例では、強化フィルムが、同じ押出し成形機102から押出し成形された。第3の押出し成形機を設けて、他の強化区域と異なる熱可塑性材料から成る配合物を用いて区域の1つを押出し成形することも可能である。
【0068】
上記の各例で、層4は、2つの弾性フィルムおよび3つの強化フィルムを含む。この層が、各場合で数が4つ以上である複数の弾性区域および強化区域から成るようにすることも可能である。
【0069】
さらに、(1つまたは複数の)弾性フィルムおよび/または(1つまたは複数の)強化フィルムの配合物に、フィルムが容易に識別可能になるように、マスターバッチの形態、液体の形態、または粉末の形態で着色剤を7%まで、好ましくは1%未満、追加することが可能である。
【0070】
同様に、各フィルムの配合物は、押出し成形によって従来技術の通例に従って作られ、場合により「処理助手(processing aid)」、膨張、耐紫外線、粘着防止タイプなどの助剤を混合する。
【0071】
図7〜20には、本発明によるラミネートの別の諸実施形態が示されており、図1および図2の実施形態に対して、不織布の層の数および/または幅、弾性フィルムの数、強化フィルムの数、強化フィルムの幅、ラミネートの縁部に対する強化フィルムの相対的配置、およびフックを含む要素の配置が変更されている。もちろん、図1、2、6〜18の実施形態の2つ以上を組み合わせることによって得られる実施形態もまた、特に、開示された別の実施形態には見られない1つまたは複数の特徴がこれらの実施形態の1つから取り込まれ、前記1つの実施形態のこの1つまたはこれら複数の特徴が前記別の実施形態に加えられる場合には、本明細書に包含される。これらの図では、図1および図2と同じ参照番号が、同一の要素を記述するために使用された。
【0072】
図7には、不織布の上部層だけを含むラミネートが開示され、この上部層は、2つの弾性フィルム6および8の上にだけ延在する。層4は、3つの強化フィルム5、7および9と、2つの弾性フィルム6および8とを含む。
【0073】
図8には、不織布の下部層もまた含み、この下部層もまた弾性フィルムの上にだけ延在すること以外は、図7とほぼ同じである一実施形態が示されている。
【0074】
図9には、不織布の下部層が追加され、この下部層が、中間層の幅全体にわたって、ちょうどこの層の一方の縁部からもう一方の縁部まで延在すること以外は、図7とほぼ同じである別の実施形態が示されている。
【0075】
図10には、下部不織布が中間層の側方縁部を越えて延在すること以外は、図9とほぼ同じである一実施形態が示されている。
【0076】
図11には、下部不織布が中間層の側方縁部のこちら側に延在し、2つの末端強化フィルムが、下部および上部の2つの不織布を越えて横方向に突出していること以外は、図9とほぼ同じである一実施形態が示されている。
【0077】
図12には、2つの末端強化フィルムが下部および上部の2つの不織布を越えて横方向に突出していること以外は、図1とほぼ同じである一実施形態が示されている。
【0078】
図13には、2つの末端強化フィルムがラミネートの側方縁部まで延在しないで、2つの不織布に対して横方向にセットバックしたままであること以外は、図1とほぼ同じである一実施形態が示されている。
【0079】
図14には、不織布の上部層が中間層の末端縁部まで延在しないで、2つの強化フィルムおよび不織布の下部層が、不織布の上部層を越えて横方向に延在していること以外は、図1とほぼ同じである一実施形態が示されている。
【0080】
図15には、不織布の上部層が中央のフィルムの上に延在しないで、前記中央のフィルムを露出したままにして、露出面が、図18に示すように、フックを含む要素を直接固定するのに使用できること以外は、図1とほぼ同じである一実施形態が示されている。
【0081】
図16には、フックを含む要素が、末端強化フィルムの一方の領域に固定されるのではなく、中央のフィルムの領域の上部不織布に固定されること以外は、図6と同じである一実施形態が示されている。
【0082】
図17には、不織布の上部層を越えて突出する末端強化フィルムの末端部分に、フックを含む要素が固定されている、図14の実施形態が示されている。
【0083】
図18には、フックを含む要素が、露出されたままの中央のフィルムの部分に固定されている、図15の実施形態が示されている。
【0084】
図19には、1つだけの弾性フィルム、および1つだけの末端強化フィルムを含むラミネートが示されている。この強化フィルムは、弾性フィルムから側方縁部まで(図の左側へ)延在する。前記1つの弾性フィルムに対向する側の強化フィルムの末端縁部は、どの弾性フィルムからも最も遠い末端強化フィルムの箇所になる。
【0085】
図20には、層が5つの強化フィルムおよび4つの弾性フィルムを交互に含むラミネートが示されている。
【0086】
図24には、不織布の上部層および不織布の下部層を含む、本発明によるラミネートの一実施形態が示されている。中間層は、連続して一緒に共押出し成形された強化フィルム、弾性フィルムおよび強化フィルムを含む。押出し成形中、2つの強化フィルムは、弾性フィルムの上に薄い層が形成されるまで弾性フィルムを越えて突出する傾向があり、強化材料(エラストマー材料よりも伸長性が小さい)でできた薄い層は、2つの強化フィルムを接続する。この薄い層は、弾性材料の厚さと比べて十分に薄いが、その弾性特性を弾性フィルムの領域で保持する。薄い層は、上部不織布と直接接触している(単に接着剤の挿入によって)。下側では、直接接触部が、エラストマーフィルムと下部不織布の間(単に接着剤の点または線の挿入による)、および強化フィルムと下部不織布の間にある。図27には、図24のラミネートの実施形態の変形形態が示されており、図27のラミネートは、不織布の上部層、および共押出し成形層と不織布の上部層との間の接着剤の中間層を含まないこと以外は、図24のラミネートと同じである。すなわち、図27のこのラミネートの上面は、強化細片と弾性層の上のブリッジ部分とを形成する材料から単独で形成され、場合によりこの上面にフック細片が固定される。
【0087】
図25には、おむつが、それ自体の上で閉じられずにほぼ平坦に配置して示されている。層100は、不浸透性の外部カバー101と、体液に対し浸透性の、体側上のライナー102との積層構成によって形成された構成物から成る。カバーとライナーの間に吸収材料が配置される。
【0088】
この構成物は、おむつを着用したときにその着用者の前側に位置するように意図された前部104と、おむつを着用したときにその着用者の後側に位置するように意図された後部105と、後部と前部を接続する股あて部分106とを形成する。外部カバー101の外面の前部に、例えばループ編物、ループ織物、またはループ不織布の形でループ部107が、例えば接着、超音波溶接などによって配置されている。
【0089】
この構成物の後部の対向する2つの縁部から、上で開示されたラミネートの1つから成る中間フック部103が突出し、中間フック部103には、着用者の腰周りでおむつを閉じるために、前部のループと協働するように意図されたフックが固定されている。特に、フックは、強化細片の1つの領域で、最上部に直接、または強化細片の上に置かれた不織布の層が介在して、固定される。
【0090】
中間部103は、その両側の後部に、好ましくは図示のように、後部のおおむね上部領域で接合される。この接合は、直接または間接的に行うことができる。例えば、粘着物、熱溶接または超音波溶接などを用いることによって、各中間部を後部に直接固定することが可能である。この接合を補助する中間部を設けること、さらには中間部103を一体で、または後部との一体化で製作することも可能である。おむつの構成物の後部の上部側方縁部に各中間部を固定することは、この中間部を形成するラミネートの強化細片の領域、または各強化細片のうちの1つの領域で直接に、またはこの強化細片の上に置かれた不織布の層が介在して行われ、この強化細片が存在することにより、この固定が容易になる。
【0091】
図26に、本発明によるおむつの別の実施形態が示されている。この実施形態では、中間部103’が両方で、(図25の実施形態のように)後部に接合され、また前部104’に、後部と中間部が接合される方法と同様の方法で接合される。中間部もまた、図25の実施形態のように、上で開示されたラミネートの1つによって形成される。唯一の相違は、この実施形態では、中間部103’がフックを含まず、前部との接合部が、図25の実施形態の場合のようにフックとループの協働によって分離可能ではないことである。したがって、図26のこの実施形態では、前部にループ部を設ける必要がない。おむつの構成物の後部および前部の側方上部縁部に各中間部を固定することは、この中間部を形成するラミネートの1つのそれぞれの強化細片の領域で直接に、またはこの強化細片の上に置かれた不織布の層が介在して行われ、強化細片が存在することにより、この固定が容易になる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも不織布の一層に、特に不織布の2つのそれぞれの上層および下層に粘着物によって固定された少なくとも1枚のフィルムを含むラミネートに関する。このタイプのラミネートは特に、衣類で、特におむつおよび成人用の失禁用品などの使い捨て衣類の分野における応用例、あるいは伸縮包帯の形の医療分野における応用例で使用される。おむつの場合では、前記ラミネートは従来、乳児の腰周りのウエストバンドを形成する部分に使用されている。特に有利なおむつの応用例の場合では、前記ラミネートは、おむつが乳児にしっかりと、特に弾力的に確実に保持されるようにする弾性フラップを製造するのに使用され、このフラップはフック部を形成して、例えば自己把持クロージャのオス要素で、特に、例えばおむつのウエストバンドの中心部のループと協働するように意図されたフックを載せる。
【背景技術】
【0002】
このタイプのラミネートは従来技術で、特に本出願人の名前で2005年11月8日出願のフランス特許出願第0511343号で、既に知られている。同出願で開示されているラミネートは、特に一方ではおむつの構成物に固定され、もう一方では、フックを構成する細片に固定されるようになっている。従来技術のこれらラミネートを形成する不織布は、伸長の能力がない不織布であるか、一方向に引き伸ばすことができる不織布であるかのどちらかである。伸長不可能な不織布の場合では、弾性能力を有するラミネートを得るには、それを形成する繊維を部分的に破断するか、または少なくとも繊維の結合力を低減することによって、特にカッターで繊維を破断することによってラミネートを「活性化」し、このようにしてラミネートに全体として弾性を与える必要がある。
【0003】
米国特許第A−6245401号には、1枚の弾性フィルム、および弾性が小さいが水蒸気透過性の2枚のフィルムから成る層と、液体不透過性であるおむつ構成物の外部カバーとして使用できる不織布の層とを含むラミネートが開示されている。
【0004】
米国特許第A−5773374号には、弾性要素を挟む2層の不織布を含むラミネートが開示されており、前記弾性要素は、弾性材料でできているコアと、コアの両側の、あらかじめ引き伸ばされ、引き伸ばされた状態でコアに固定された2枚の被膜とからなり、このコアはそれ自体、引き伸ばされた状態にあり、その結果、固定後に被膜が、しわを形成すべきコアと同時に収縮するようになる。こうして、コアおよび2枚の被膜から成る要素は、その静止状態の長さと、それが引き伸ばされたときの最大長さとの間で弾性を備え、その結果、被膜はもはやしわを形成しなくなる。このラミネート製造方法は、それゆえに複雑で時間がかかる。
【0005】
国際公開第A−01/53076号には、弾性材料でできた一体層を挟んでいる2層の不織布を含むラミネートが開示されている。さらに、非弾性強化フィルムが弾性層と不織材料層との間に置かれ、強化フィルムを一方で不織布に、もう一方で弾性層に接着するために、接着剤が強化フィルムの両側に挿入されている。複数のフィルムを接着することによるこのアセンブリでは、ラミネートの製造方法が複雑で時間がかかることになる。
【0006】
米国特許出願公開第2005/0060849A1により、一方がエラストマー材料でできており、もう一方が、フックに成形できる熱可塑性材料でできている2つの細片を共押出し成形することが知られており、この共押出し成形は、接着剤の挿入物がない支持層に対して実施され、次に、2つの共押出し成形細片を方向CDに引き離すことによって、後に別々のフック要素が得られる。
【0007】
全ての場合で、特にラミネートが多数の部分から構成され複雑になるので、ラミネートを製造すること、あるいは、高い坪量を有する上部または下部の不織布を使用しないで、おむつの構成物またはフック・フラップに素早くラミネートが確実に固定されるようにすることのどちらも困難であり、このことが量産コストに不利な影響を及ぼす。
【0008】
従来技術の別の例によれば、例えば、ラミネートの厚さを増大させる剛性フィルムまたは不織布の補足層を追加することによって、(1つまたは複数の)不織布の区域を、これらの区域の領域内のラミネートの弾性特性が除去されるように加工することが知られている。しかし、この場合でも、その加工はコストがかかり、高速量産ラインでの実施には適さない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第6245401号明細書
【特許文献2】米国特許第5773374号明細書
【特許文献3】国際公開第01/53076号
【特許文献4】米国特許出願公開第2005/0060849号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、2層の不織布の間に粘着物で固定された少なくとも1枚の弾性フィルムを含むラミネートを提案することによって従来技術の欠点を克服することを目的とし、このラミネートは、非常に簡単に得ることができ、特に非常に大規模な製造に適しており、同時に、おむつ、特におむつの構成物に組み合わせるのがより簡単であり、またこのおむつに対し、フックを備える細い幅の要素を組み合わせて、前記おむつの閉止を可能にするフック部を形成することもより容易である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によれば、特におむつ用の、自己把持フック及びループ式クロージャから成るフック部が、請求項1に定義され、改善点が従属請求項2〜9に定義されている。
【0012】
本発明による「一体」という語は、粘着物または接着剤などの介在固定手段を用いて複数の部分、特に複数のフィルムを一緒に固定することによって形成される層と理解されたい。特に、一体層は、1つの材料を押出し成形する、または複数の材料を共押出し成形することによって得られる層である。
【0013】
特に、フィルムの形態の前記1つの弾性区域は、1つだけの粘着物層の可能な挿入物、特に接着剤により、少なくとも一層の不織布と直接接触する。
【0014】
好ましくは、ラミネートは、左側と右側の2つの端部間の横方向に測定された幅と、ラミネートの層の積み重ね方向に測定された厚さと、幅および厚さの方向に垂直の方向の長さと、ラミネートの全幅にわたって延在する不織布の層またはシートおよび粘着物とを有し、(1つまたは複数の)弾性フィルムの形態の(1つまたは複数の)区域の全幅は、厳密にラミネートの幅よりも小さく、(1つまたは複数の)強化フィルムの形態の(1つまたは複数の)区域の全幅もまた、厳密にラミネートの幅よりも小さい。
【0015】
特に、本発明の好ましい一実施形態によれば、(1つまたは複数の)強化フィルムの形態の(1つまたは複数の)区域、および(1つまたは複数の)弾性フィルムの形態の(1つまたは複数の)区域は、これらを不織布の少なくとも1つの層に固定する前に、共押出し成形によって、それらの側方縁部が互いに接触するように一体に、または単一フィルムとして形成される。例えば熱可塑性材料およびエラストマー材料である、強化フィルムおよび(1つまたは複数の)弾性フィルムの材料は、強化フィルムと弾性フィルムが一体成形物を形成するように、互いに隣接して押出し成形される。
【0016】
好ましくは、強化フィルムの形態の(1つまたは複数の)区域は、特に熱可塑性材料、場合によりエラストマー材料を混合する配合物または配合により作られる材料から成り、これらの混合材料は、以下で開示する伸長を試験する方法によれば、弾性フィルムの形態の(1つまたは複数の)区域よりも少数の伸長特性を等価負荷で与える。前記区域は、非弾性であることが好ましい。
【0017】
本発明によるフック部を用いると、使用された不織布と等しい坪量では、横方向引張りに対する抵抗力の改善と、フック部の縁部領域でおむつの構成物に対するフック部の効果的な固定とを得ることが今や可能であり、あるいは、使用された不織布の少なくとも1つより小さい坪量、特に5から20g/m2の間、好ましくは5から15g/m2の間、さらには5から10g/m2の間の坪量では、高い坪量の不織布を含む従来技術のフック部の場合と同様の効果的な固定を得ることが可能である。
【0018】
好ましい一実施形態によれば、基部細片と、この細片から作り出される複数のフック要素とから成るフック・シートは、強化区域、特に側方区域の1つの上または下に位置する一区域上の縁部領域で、ラミネートを形成する少なくとも1つの不織布の一外面に、例えば接合、ホット・カレンダー、超音波溶接などによって固定される。
【0019】
別の実施形態によれば、基部細片と、この細片から作り出される複数のフック要素とから成るフック・シートは、側方および/または中央の強化区域の少なくとも1つの一外面に、例えば接合、ホット・カレンダー、超音波溶接などによって固定される。
【0020】
本発明の好ましい一実施形態によれば、各不織布と、フィルムの形態の少なくとも2つの強化区域およびフィルムの形態の少なくとも1つの弾性区域から成る一体層または一体化層との間の粘着物、特に接着剤の2つの層それぞれは、不織布と、中間層の弾性区域を形成する(1つまたは複数の)部分との間で、粘着物が、粘着物のない細片によって互いに分離された細片の形に配置されるように製作される。
【0021】
接着剤の分離細片でラミネートに弾性を与えることが可能になる場合、または選択された不織布が伸縮可能でない場合のどちらでも、不織布は横方向に伸長する能力を有し、したがって不織布は、不織布の繊維群が接着剤の細片に結合するようにアセンブリを横に引き伸ばすことによって活性化される一方で、接着剤の細片の間で空洞部が不織布中に形成され、引き伸ばした後で不織布は、ひだ形状および空洞形状を有することになり、引き伸ばすことができる。
【0022】
好ましくは、(1つまたは複数の)フィルムの形態の(1つまたは複数の)強化区域および(1つまたは複数の)フィルムの形態の(1つまたは複数の)弾性区域を含む一体層または一体化層の厚さはほぼ均一であり、特に強化区域と弾性区域の間の接合部の領域で均一である。特に、接合部の領域で、2つの区域それぞれが接合領域で、接合部の付近よりも薄く、接合部の領域のフィルムの形態の2つの区域の合計厚さが、接合部の付近のフィルムの形態の区域の一方または他方の厚さとほぼ等しい
【0023】
別の実施形態によれば、2つの弾性区域と強化区域の間の接合部は、傾斜を付けた境界面に沿って形成される。
【0024】
好ましくは、(1つまたは複数の)フィルムの形態の(1つまたは複数の)弾性区域と(1つまたは複数の)フィルムの形態の(1つまたは複数の)強化区域との合計幅は、中央区域が設けられる場合はその幅を含めて、ラミネートの幅とほぼ等しく、その結果、末端強化区域は、実質的にちょうどラミネートのそれぞれの末端縁部まで延在するようになる。
【0025】
やはり非常に有利な別の応用例によれば、(1つまたは複数の)フィルムの形態の(1つまたは複数の)弾性区域の幅と、(1つまたは複数の)フィルムの形態の(1つまたは複数の)強化区域の幅とは、中央区域が設けられる場合はその幅を含めて、2つの末端強化区域のうちの一方が、実質的にちょうどそれぞれの側方縁部まで延在し、2つの末端強化区域のうちのもう一方が、それぞれの側方縁部を越えて延在して、ラミネートを越えて突出するような幅である。
【0026】
非常に有利な別の応用例によれば、(1つまたは複数の)フィルムの形態の(1つまたは複数の)弾性区域の幅と、(1つまたは複数の)フィルムの形態の(1つまたは複数の)強化区域の幅とは、中央区域が設けられる場合はその幅を含めて、2つの末端強化区域のうちの一方が、実質的にちょうどそれぞれの側方縁部まで延在し、2つの末端強化区域のうちのもう一方が、それぞれの側方縁部のこちら側に延在して、1つの不織布または2つの不織布、および接着剤の中間層だけからなる縁部を形成するような幅である。
【0027】
しかし、フィルムの形態の強化区域のそれぞれで、他とは無関係に、それがちょうどそれぞれの側方縁部まで、またはこのそれぞれの縁部の他方の側に、またはこのそれぞれの縁部のこちら側に延在することが考えられてよい。
【0028】
本発明はまた、請求項10に定義されているように、本発明によるフック部を得る方法にも関連する。
【0029】
好ましくは、(1つまたは複数の)弾性フィルムおよび(1つまたは複数の)強化フィルムから成る共押出し成形フィルムは、特に空気および/または液体に対し不浸透性の1つまたは複数の材料でできている。
【0030】
本発明の別の特徴によれば、前記発明は、前部と、後部と、前部と後部を接続する股あて部と、後部の上方の左右側方縁部を前部のそれぞれの上方の左右側方縁部に接続する2つの側方中間部とを画定するおむつに関連し、各中間部は、例えば溶接による固定方法で、後部の1つのそれぞれの上方の側方縁部に接合され、各中間部はラミネートを備え、このラミネートは、2つのそれぞれの左右側方縁部の間の横方向に延在し、不織布の少なくとも1つの層に粘着物の層によって固定された層、特に2層の不織布の間に、粘着物の1つのそれぞれの層で不織布の各層にそれぞれ固定することによって挿入した層を含み、この層は、一体または一体化層であり、特にエラストマー材料でできたフィルムの形態の弾性区域を含み、
一体層または一体化層は、フィルムの形態の弾性区域から前記側方縁部の一方に向かって延在するフィルムの形態の少なくとも1つの末端強化区域を含み、
前記側方縁部の一方とフィルムの形態の強化区域との間に弾性区域が配置されず、
フィルムの形態の少なくとも1つの強化区域は、フィルムの形態の前記1つの弾性区域よりも伸長性が小さく、特に弾性が小さく、好ましくは非弾性であり、例えば熱可塑性材料でできている、ことを特徴とする。
【0031】
有利な一実施形態によれば、基部細片と、この細片から作り出されるフックとを含む少なくとも1つのフック要素とがラミネートに固定され、ループ要素が前部に固定され、その構成は、中間部のフックと前部のループの間の協働によって、おむつが着用者の腰周りに閉止されるような構成である。
【0032】
やはり有利な別の実施形態によれば、中間部は、例えば溶接によって、分離できないようにして前部に固定される。
【0033】
本発明はまた、請求項11に定義されているおむつに関連する。
【0034】
次に、本発明の一実施形態を、図面を参照して例示的に開示する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明によるラミネートの一実施形態の概略的な断面図である。
【図2】本発明によるラミネートの別の実施形態の概略的な断面図である。
【図3】本発明によるラミネートで、特に図1および図2のラミネートを製造する設備の斜視図である。
【図4】SETを決定するために準備された弾性材料またはエラストマー材料のサンプルを示す図である。
【図5】材料、特に弾性またはエラストマーの材料のSETを決定するときに得られたヒステリシス曲線の形を示す図である。
【図6】フックを含む要素が上部に追加された図1のラミネートに対応する、本発明によるラミネートの別の実施形態を示す図である。
【図7】本発明によるラミネートの別の可能な実施形態を示す図である。
【図8】本発明によるラミネートの別の可能な実施形態を示す図である。
【図9】本発明によるラミネートの別の可能な実施形態を示す図である。
【図10】本発明によるラミネートの別の可能な実施形態を示す図である。
【図11】本発明によるラミネートの別の可能な実施形態を示す図である。
【図12】本発明によるラミネートの別の可能な実施形態を示す図である。
【図13】本発明によるラミネートの別の可能な実施形態を示す図である。
【図14】本発明によるラミネートの別の可能な実施形態を示す図である。
【図15】本発明によるラミネートの別の可能な実施形態を示す図である。
【図16】本発明によるラミネートの別の可能な実施形態を示す図である。
【図17】本発明によるラミネートの別の可能な実施形態を示す図である。
【図18】本発明によるラミネートの別の可能な実施形態を示す図である。
【図19】本発明によるラミネートの別の可能な実施形態を示す図である。
【図20】本発明によるラミネートの別の可能な実施形態を示す図である。
【図21】図1の実施形態の層の、押出し成形によって形成された後で、1層または2層の不織布と組み合わされる前の断面図である。
【図22】図21の図の一部の、斜面の形で製作された弾性フィルム−強化フィルム境界面を有する層を示す図である。
【図23】相対的な伸縮特性を試験する力の関数としての伸長を示す曲線の例を示す図である。
【図24】本発明によるラミネートの別の実施形態を示す図である。
【図25】フックを備える固定ウィングまたは固定タブを組み込み、かつ前の各図で開示されたラミネートを組み込む、本発明によるおむつの一実施形態を示す図である。
【図26】本発明によるおむつの別の実施形態の斜視図である。
【図27】本発明によるラミネートの別の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1に、第1の不織布の下層2と、第2の不織布の上層3とを含むラミネート1が示されている。不織布のこれら2つの下層2と上層3の間に(図で、断面図は、ラミネートが全体で、その全長が図1および図2の面に垂直な要素であるとして示されている)、中間層4が形成されている。この中間層4は、熱可塑性材料でできた左側方の強化フィルム5と、エラストマー材料でできた左側弾性フィルム6と、熱可塑性材料でできた中央の強化フィルム7と、エラストマー材料でできた右側弾性フィルム8と、熱可塑性材料でできた右側方の強化フィルム9とから成る。
【0037】
接着剤の層10および11は、不織布の各層と中間層4の間に挿入されている。ラミネートの全幅は、各不織布の幅ならびに接着剤の各層の幅と等しい。3つの強化フィルムと2つの弾性フィルムの合計幅は、ラミネートの全幅と等しい。
【0038】
2つの左側および右側の強化フィルムは、ラミネートの1つのそれぞれの左右縁部まで延在している。強化細片を伴わない小さな縁部がラミネートの各縁部に形成されること(図13参照)、または対照的に、一方または両方のフィルムがそれぞれの縁部を越えて突き出ること(図7、8、11または12参照)を考案することもまた可能である。全ての場合で、2つの末端強化フィルムの縁部の一方は、(1つまたは複数の)弾性フィルムから最も遠い末端強化フィルムのアセンブリ点の位置である。
【0039】
図21で分かるように、図の垂直方向に、すなわち幅の進行方向および長さの進行方向に対し垂直に、測定した層の厚さは、各弾性または強化区域の横寸法にわたって均一またはほぼ均一である。しかし、同図で分かるように、弾性区域の厚さは、徐々に増大し、次いで徐々に減少するように変化して、その強化区域との2つの接合部間で最大点を通過するが、(1つまたは複数の)弾性フィルムおよび(1つまたは複数の)強化区域の厚さは、それらのそれぞれの接合部の領域において、層の上面および/または下面に粗い縁部または不連続部を実質的に伴わないような厚さである。
【0040】
したがって、例えば(1つまたは複数の)弾性フィルムは、(1つまたは複数の)強化フィルムよりも約10〜25%大きい坪量を有し、例えば、(1つまたは複数の)弾性フィルムは55g/m2の坪量を有するのに対して、(1つまたは複数の)強化フィルムは45g/m2の坪量を有する。
【0041】
一般に3mmから10mmの間の範囲で、特に5mmの幅にわたって延在する接合部または接続部の全体にわたり、各(強化および弾性)フィルムの厚さは、接合部を越えたフィルムの厚さよりも薄い。すなわち、接合部の各フィルムは、接合部の他のフィルムの厚さが薄い部分の上に置くことによって組み合わされる、厚さが薄い部分を含む。この重ね合わせにより、図21に示すように、ある種の段が2つのフィルム間の境界面の領域に作り出される。また、この境界面が、図22に示されるように、斜面の形に作られることもありうる。
【0042】
しかし、実際には、2つの熱可塑性の弾性材料またはエラストマー材料の間の境界面接続部の領域で、重ね合わされる末端部の合計厚さが接合部の両側の2つのフィルムの厚さよりもわずかに厚いことにより、小さな隆起が形成されることが起こりうる。
【0043】
本発明では、所与の方向の「フィルムまたは弾性区域」という語は、室温で所与の方向に引き伸ばされ、または伸長された後でその初期の形状に実質的に戻るフィルムまたは区域のことであると理解されたい。好ましくは、これは、変形と緩和の後でわずかな量の残留変形または歪み(永久歪みまたはSET)しか保持しない、すなわち、室温(T≒23℃)で、サンプルの初期長さの100%の伸長に対して、初期長さの10%未満、より好ましくは5%未満の歪みしか保持しない、フィルムまたは区域である。
【0044】
より好ましくは、弾性フィルムは、室温で断裂時に少なくとも300%の伸長、好ましくは、室温で508mm/分の引き伸ばし速度で、少なくとも600%の伸長、より好ましくは少なくとも1000%の伸長を受けることができる。弾性フィルムが作られる材料は、純粋のエラストマー、またはエラストマー相を有する混合物とすることができ、あるいは、例えばメタロセン型触媒からのポリオレフィンなどの、室温でもなお実質的にエラストマー特性を有する材料とすることができる。この材料はまた、とりわけ強化フィルムとの一体化層の形成を補助するために、熱可塑性材料フィラーを含むこともできる。
【0045】
サンプルの残留磁気またはSETを測定するために、すなわちそれが弾性要素の、特にフィルムの、サンプルであるかを判定するために、以下の方法が使用される。
サンプルは、温度23℃±2℃および相対湿度50%±5%の、ASTDM5170規格で規定されているように、通常大気中でコンディショニングする。
装置として、EN10002規格に適合した動力計で、特に、MTS Systems Corp.USAから入手可能なSynergie 200H、1カラム、をTESTWORKS 4.04B利用ソフトウェアと共に使用する。
サンプルは、弾性を測定したい製品を長方形のサンプル(例えば、MD方向(図1の平面に垂直な縦方向)に45mmの幅と、CD方向(横方向、図1に対し水平方向)に60mmの長さを有する)の形にカッターを用いて切り出すことによって準備する。
サンプルは、図4に概略的に示すように、顎の間に、弾性を試験したい区域の両側面に接して、かつ各側面に接して配置する。
諸パラメータは、以下のように選ぶ。
顎の間の距離:20mm
機械速度:254mm/分
サイクル数:2
製品の伸長:一定速度で100%
製品は、0.05N程度の初期負荷を印加後、顎の垂直移動によって100%引き伸ばし、次に、その位置に30秒間保持し(第1サイクル)、次に初期位置に復帰させ、そこで60秒間そのままにしておき、次に、再度100%引き伸ばし、30秒間保持して(第2サイクル)初期位置に戻す。こうして、単位Nの引張り力が単位%の伸長の関数である曲線が得られ、前記曲線は、SET(n=2)によって、すなわち第2サイクルの開始時に図5のX軸(単位%の伸長)と交差する曲線の点によって、このように特徴付けることができるヒステリシスを呈示する。
【0046】
より好ましくは、弾性フィルムは、室温で断裂時に少なくとも300%の伸長、好ましくは、室温で508mm/分の引き伸ばし速度で、少なくとも600%の伸長、より好ましくは少なくとも1000%の伸長を受けることができる。弾性フィルムが作られる材料は、純粋のエラストマー、またはエラストマー相を有する混合物とすることができ、あるいは、例えばメタロセン型触媒からのポリオレフィンなどの、室温でもなお実質的にエラストマー特性を有する材料とすることができる。この材料はまた、とりわけ強化フィルムとの一体化層の形成を補助するために、熱可塑性材料フィラーを含むこともできる。
【0047】
特にエラストマーである弾性フィルムの材料は、熱収縮性または非熱収縮性である弾性材料とすることができる。この弾性材料は、特に、例えばA−Bなど交互の、または連続した例えばA−A−A−B−B−Bの、または統計的な例えばA−A−B−A−B−B−A−A−A−B−Aの、異なるタイプのモノマーモチーフから成る共重合体などのポリマーから形成することができ、その得られる全ネットワークは、指数n(n>2)の、A−B−A型の直鎖またはA−B型の放射状、あるいはA−B型のジブロックである様々な構造を有することができ、これらはエラストマーで、例えば、スチレン/イソプレン(SI)、スチレン/イソプレン/スチレン(SIS)、スチレン/ブタジエン/スチレン(SBS)、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレン(SEBS)、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレン(SEPS)、またはSIBS共重合体である。これらエラストマーの互いの混合物、またはこれらエラストマーと弾性以外の特定の特性を修正する非エラストマーとの混合物もまた考えることができる。スチレンポリビニル類、ポリスチレン類またはポリαメチルスチレン、エポキシポリエステル類、ポリオレフィン類、例えば、ポリエチレン類またはいくつかのエチレン/ビニルアセテート類で、好ましくは高分子量のものなどの、ポリマーの例えば、最大50重量%、しかし好ましくは30重量%未満を硬化添加物として加えることができる。
【0048】
弾性フィルム用の材料は、特に、例えば商品名KRATON D(登録商標)でKraton Polymersから入手可能な、または商品名VECTOR SBC 4211(登録商標)でDEXCO POLYMERS LPから入手可能なスチレン−イソプレン−スチレンとすることができる。また、ポリウレタンの熱可塑性エラストマーで、特に、The Dow Chemical CompanyのPELLATHANE(登録商標)2102−75Aを使用することも可能である。また、スチレン−ブタジエン−スチレンで、特に、Kraton PolymersのKRATON D−2122(登録商標)、またはDexco Polymers LPのVECTOR SBC 4461(登録商標)を使用することも可能である。また、スチレン−エチレン−ブチレンで、特に、Kraton PolymersのKRATON G−2832(登録商標)、またはスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン(SEBS)連続共重合体で、特に、KRATON(登録商標)G2703を使用することも可能である。また、90/10のモノマー比によるイソオクチル・アクリレートとアクリル酸の共重合体を使用することも可能である。また、Arkemaのポリエーテル・ポリアミド連続共重合体PEBAX(登録商標)2533を使用することも可能である。
【0049】
他の可能な材料は、Exxon Mobil Chemicalから入手可能なVISTAMAXX VM−1120(登録商標)などの、特にメタロセン触媒からのエラストマーの特性を有するポリオレフィン・ポリマー、またはSantoprene型のEPDM荷電ポリマーである。
【0050】
弾性フィルムおよび熱可塑性フィルムを不織布に固定するため、また場合により不織布を互いに固定するための粘着剤として接着剤が使用される場合では、本発明によれば、非反応性ホットメルト接着剤などの接着剤で、例えばBostickのH2511、または反応性接着剤で、特にBostickのAX75E、または反応性のPU接着剤を使用することが可能である。
【0051】
前記接着剤は、上記に開示の弾性フィルムおよび/または熱可塑性フィルムまたは強化フィルムを形成する材料と類似の、または親和性の化学的性質を有することが好ましい。
【0052】
不織布に関して、スパンボンド、および/またはメルトブロー、および/またはカレンダー・カード、および/またはスパンレース型の不織布で、基材として1つまたは複数のポリオレフィン類、好ましくはポリプロピレン、ポリエステル、またはこれらの混合物を有する不織布を使用することが可能である。特に、「スパンボンド」不織布は、1デシテックスから6デシテックスの間の、例えば2.2デシテックスのデシテックス数(10000mの長さで分割した糸のグラム単位の質量)を有する長い繊維または細糸を基材とする。特に、ラミネートが2層の不織布を含む場合、各層は、別々の種類および/または別々の材料とすることができる。
【0053】
不織布の1つ、または少なくとも1つ、または2つの不織布は、5から25g/m2の間で、特に5から15g/m2の間、さらには5から10g/m2の間の坪量を有することが好ましい。
【0054】
特に、不織布が、引き伸ばされる生来の能力がなく、活性化されなければならない不織布である場合、坪量は、5から20g/m2の間で、特にスパンボンドでは約15g/m2、メルトブローでは約8g/m2になる。ラミネートが弾性能力を有するように不織布を活性化しなくてもよい場合、すなわち不織布が、少なくとも50%までの、好ましくは少なくとも100%の伸長範囲にわたって引き伸ばされる生来の能力を有する場合、その坪量は、好ましくは15から25g/m2の間であり、例えば、カレンダー・カード不織では22g/m2、またはスパンレースでは25g/m2になる。さらに、不織布が2つある場合に、その2つの不織布が互いに異なっていてもよいことは、注目に値する。
【0055】
ある要素、特にフィルムが、他の要素、例えば別のフィルムよりも伸長性が大きいかどうかを判定するには、本発明によれば、以下のように、断裂まで力が加わる伸長試験を用いることが可能である。
装置として、EN10002規格に適合した動力計で、例えば前記の弾性試験用と同じ、すなわちMTS Systems Corp.USAから入手可能なSynergie 200H、1カラム、をTESTWORKS 4.04B利用ソフトウェアと共に使用する。例えば幅が45mm、長さが60mmである長方形のサンプルを準備する。 サンプルは、図4に概略的に示すように、顎の間に、伸長を試験したい区域の両側面に接して、かつ各側面に接して配置する。
諸パラメータは、以下のように選ぶ。
顎の間の距離:20mm
機械速度:254mm/分
製品の伸長:一定速度で断裂まで
【0056】
0.05Nの初期負荷を印加後、製品は、顎の垂直移動によって断裂まで引き伸ばす。こうして、図23に示されるように、単位Nの引張り力が単位%の伸長の関数である特性曲線がサンプルごとに得られる。各曲線はピーク点を含み、そこから伸長が、力の減少につれて増大する。このピークは、要素の破壊状態への遷移に対応する。
【0057】
2つの要素、特に2つのフィルムのどちらが最小の伸長性であるかを判定するために、上記の方法によって2つの要素、特に2つのフィルムを試験して、それらのそれぞれの特性曲線を得る。各曲線は、それぞれの所与の伸長に対応する所与のピーク点を有する。こうして、参照伸長として、2つの曲線の2つの所与の伸長のうち最小のものが選択され、あるいは2つの所与の伸長が同じ場合には所与の伸長が選択され、最小であるこの所与の伸長に対し、各曲線の2つの引張り力が比較され、この参照伸長に対し最大の引張り力を有する要素が、伸長性が最小の要素になる。したがって、例えば図23で、参照伸長は、フィルムAのピーク点に対応する伸長、すなわち約240%であり、この参照伸長において、フィルムAの曲線は約40Nの引張り力を示し、フィルムBの曲線は約32.5Nの引張り力を示し、その結果、伸長性が最小であるのはフィルムAになる。
【0058】
強化細片の材料に関して、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルまたは任意の類似の材料などの熱可塑性材料群の、1つの材料あるいは複数の材料から成る1つの混合物を、弾性フィルムに使用される熱可塑性エラストマー群の材料(しかし、全ての場合で強化フィルムが弾性フィルムよりも小さい伸長性を有するようなタイプの材料)に加えて、選択することが可能であり、それにより一体化層を形成する材料の良好な親和性が得られるようになる。好ましくは、弾性フィルムの弾性材料またはエラストマー材料との親和性が良好な熱可塑性材料が選択され、その結果、これらの間の、それらのそれぞれの縁部に沿った接続部は冷却後、実現可能な最強の接続部になる。強化フィルム用の材料の具体的な例は、Polimeri EuropaのRiblene MV 10(登録商標)ポリエチレン、またはBorealisのMG9621、またはExxon Mobil ChemicalのLD259またはLD655である。
【0059】
接着剤の層10および11は、部分5、6、7、8および9から成る中間層4の間に設けられる。接着剤の細片10および11は、各不織布と各強化細片の間の境界面では連続しており、不織布と弾性フィルムの間では接着剤の細片から成り、この細片は、接着剤がない細片の形の区域によって互いに分離されている。しかし、強化フィルムと不織布を連続的に接合しないことも、例えばこの領域にも接着剤の分離細片を製作することによって、さらにはスポット接着またはランダムスプレーによる接着によっても、可能になりうる。強化細片および弾性フィルムは、共押出し成形によって2つの不織布の間に配置される。これらは、共押出し成形装置の中で、軟化した材料の状態で圧力をかけられ、それらのそれぞれの側方縁部12、13、14および17に沿って接触するように、共押出し成形によってそれぞれ組み合わされる。弾性細片および強化細片の、2つの軟化した材料の2つの縁部が互いに密に接触することにより、装置内で2つの材料が互いに接合され、冷却後もこの接合が維持されるという結果が得られる。したがって、例えば、弾性フィルムは、熱可塑性エラストマーをベースとすることができ、強化細片は、側方縁部での2つの境界面同士の固定を簡単な方法で確実にする熱可塑性材料とすることができる。
【0060】
図2に、ラミネートが、中央の弾性フィルム16および2つの側方強化細片(15、19)によって形成されたフィルム18を含む、別の実施形態が示されている。この実施形態では、中央の強化細片の代わりに、単一の弾性フィルムがある。図2のラミネートの別の特徴は、図1のラミネートについて開示されたものと同じである。
【0061】
図3に、本発明によるラミネートを製作する設備が示されており、この設備は、押出し成形によって弾性フィルムの2つのウェブ201、202を形成する押出し成形機101を含み、これらのウェブは、ベルト203およびローラ204を使用するシステムによって2つのドラムの間を、不織布301と401の2つの層が固定ユニット500内で不織布の間のエラストマー材料の冷却によって固定されるのと同時に、搬送される。不織布301は、ボビン302から巻きほどかれる。第2の不織布401は、ボビン402から巻きほどかれる。熱可塑性材料の3つのウェブ203、204、205もまた、押出し成形機102によって形成される。5つのウェブ201〜205は、それらの隣接する縁部と互いに隣り合って共押出し成形され、その結果、共押出し成形装置の出口、およびその次に冷却した後で、一体成形物を形成することになる。不織布301および401と、弾性の熱可塑性ウェブ201〜205から成る複合物は、すなわち複合物601であり、次に、カレンダー機械600内で積層され、横幅の両端に円形ブレード701を備える切断システム700内で正しい幅に切断され、次に、溶接ユニット800の中に通されて、縦方向の縁部の溶接が可能になる。不織布は、活性化ユニット900内で非フィブリル化によって最終的に活性化される。
【0062】
活性化ユニット900の出口で、ラミネート全体が巻付け機械1000の上にロール1001の形に巻き付けられ、次にロール1001は、おむつの上への被着のために、おむつ製造ユニットまで直接移動される。
【0063】
弾性またはエラストマーの(1つまたは複数の)フィルムは、20ミクロンから120ミクロンの間の厚さを有することが好ましい。同様に強化細片は、同じ厚さを有することが好ましい。
【0064】
応用例に応じて、熱可塑性材料でできた複数の強化フィルムの大きさを選択することが可能であり、その結果、強化フィルムの1つがラミネートのちょうど左側または右側の縁部の一方まで延在し、もう一方の縁部では、細片が、やはりちょうど右側または左側の縁部まで延在するか、ラミネートの縁部を越えて外側へ短い距離だけ突出するか、あるいは対照的にこの縁部からのセットバックの末端を成して、特に強化フィルムを用いないで、小さな縁部を形成するようになる。
【0065】
図6に、左側の強化細片と反対側の、またはそれと一致する区域内の上部不織布にフック・シートが固定された図1のラミネートが示されており、このフック・シートは、熱可塑性材料でできており、フック要素、特にフックが突出する、熱可塑性材料でできた細片から成る。このフック細片の幅は、強化細片の幅よりも小さい。このような細片を、選択された応用例に応じて、図1または図2の実施形態の他の強化細片の1つまたは全ての上面に設けることもまた可能である。このフック細片、またはこれらのフック細片の固定は、粘着物、接着剤、または溶接、特に超音波溶接によって行うことができる。
【0066】
上で開示した例では、同じ不織布の2つの層が使用された。異なる不織布材料でできた、または異なる坪量を有する2つの層を設けることも可能であり、2層ではなく単一層の不織布を設けることもまた可能である。
【0067】
上で開示した例では、強化フィルムが、同じ押出し成形機102から押出し成形された。第3の押出し成形機を設けて、他の強化区域と異なる熱可塑性材料から成る配合物を用いて区域の1つを押出し成形することも可能である。
【0068】
上記の各例で、層4は、2つの弾性フィルムおよび3つの強化フィルムを含む。この層が、各場合で数が4つ以上である複数の弾性区域および強化区域から成るようにすることも可能である。
【0069】
さらに、(1つまたは複数の)弾性フィルムおよび/または(1つまたは複数の)強化フィルムの配合物に、フィルムが容易に識別可能になるように、マスターバッチの形態、液体の形態、または粉末の形態で着色剤を7%まで、好ましくは1%未満、追加することが可能である。
【0070】
同様に、各フィルムの配合物は、押出し成形によって従来技術の通例に従って作られ、場合により「処理助手(processing aid)」、膨張、耐紫外線、粘着防止タイプなどの助剤を混合する。
【0071】
図7〜20には、本発明によるラミネートの別の諸実施形態が示されており、図1および図2の実施形態に対して、不織布の層の数および/または幅、弾性フィルムの数、強化フィルムの数、強化フィルムの幅、ラミネートの縁部に対する強化フィルムの相対的配置、およびフックを含む要素の配置が変更されている。もちろん、図1、2、6〜18の実施形態の2つ以上を組み合わせることによって得られる実施形態もまた、特に、開示された別の実施形態には見られない1つまたは複数の特徴がこれらの実施形態の1つから取り込まれ、前記1つの実施形態のこの1つまたはこれら複数の特徴が前記別の実施形態に加えられる場合には、本明細書に包含される。これらの図では、図1および図2と同じ参照番号が、同一の要素を記述するために使用された。
【0072】
図7には、不織布の上部層だけを含むラミネートが開示され、この上部層は、2つの弾性フィルム6および8の上にだけ延在する。層4は、3つの強化フィルム5、7および9と、2つの弾性フィルム6および8とを含む。
【0073】
図8には、不織布の下部層もまた含み、この下部層もまた弾性フィルムの上にだけ延在すること以外は、図7とほぼ同じである一実施形態が示されている。
【0074】
図9には、不織布の下部層が追加され、この下部層が、中間層の幅全体にわたって、ちょうどこの層の一方の縁部からもう一方の縁部まで延在すること以外は、図7とほぼ同じである別の実施形態が示されている。
【0075】
図10には、下部不織布が中間層の側方縁部を越えて延在すること以外は、図9とほぼ同じである一実施形態が示されている。
【0076】
図11には、下部不織布が中間層の側方縁部のこちら側に延在し、2つの末端強化フィルムが、下部および上部の2つの不織布を越えて横方向に突出していること以外は、図9とほぼ同じである一実施形態が示されている。
【0077】
図12には、2つの末端強化フィルムが下部および上部の2つの不織布を越えて横方向に突出していること以外は、図1とほぼ同じである一実施形態が示されている。
【0078】
図13には、2つの末端強化フィルムがラミネートの側方縁部まで延在しないで、2つの不織布に対して横方向にセットバックしたままであること以外は、図1とほぼ同じである一実施形態が示されている。
【0079】
図14には、不織布の上部層が中間層の末端縁部まで延在しないで、2つの強化フィルムおよび不織布の下部層が、不織布の上部層を越えて横方向に延在していること以外は、図1とほぼ同じである一実施形態が示されている。
【0080】
図15には、不織布の上部層が中央のフィルムの上に延在しないで、前記中央のフィルムを露出したままにして、露出面が、図18に示すように、フックを含む要素を直接固定するのに使用できること以外は、図1とほぼ同じである一実施形態が示されている。
【0081】
図16には、フックを含む要素が、末端強化フィルムの一方の領域に固定されるのではなく、中央のフィルムの領域の上部不織布に固定されること以外は、図6と同じである一実施形態が示されている。
【0082】
図17には、不織布の上部層を越えて突出する末端強化フィルムの末端部分に、フックを含む要素が固定されている、図14の実施形態が示されている。
【0083】
図18には、フックを含む要素が、露出されたままの中央のフィルムの部分に固定されている、図15の実施形態が示されている。
【0084】
図19には、1つだけの弾性フィルム、および1つだけの末端強化フィルムを含むラミネートが示されている。この強化フィルムは、弾性フィルムから側方縁部まで(図の左側へ)延在する。前記1つの弾性フィルムに対向する側の強化フィルムの末端縁部は、どの弾性フィルムからも最も遠い末端強化フィルムの箇所になる。
【0085】
図20には、層が5つの強化フィルムおよび4つの弾性フィルムを交互に含むラミネートが示されている。
【0086】
図24には、不織布の上部層および不織布の下部層を含む、本発明によるラミネートの一実施形態が示されている。中間層は、連続して一緒に共押出し成形された強化フィルム、弾性フィルムおよび強化フィルムを含む。押出し成形中、2つの強化フィルムは、弾性フィルムの上に薄い層が形成されるまで弾性フィルムを越えて突出する傾向があり、強化材料(エラストマー材料よりも伸長性が小さい)でできた薄い層は、2つの強化フィルムを接続する。この薄い層は、弾性材料の厚さと比べて十分に薄いが、その弾性特性を弾性フィルムの領域で保持する。薄い層は、上部不織布と直接接触している(単に接着剤の挿入によって)。下側では、直接接触部が、エラストマーフィルムと下部不織布の間(単に接着剤の点または線の挿入による)、および強化フィルムと下部不織布の間にある。図27には、図24のラミネートの実施形態の変形形態が示されており、図27のラミネートは、不織布の上部層、および共押出し成形層と不織布の上部層との間の接着剤の中間層を含まないこと以外は、図24のラミネートと同じである。すなわち、図27のこのラミネートの上面は、強化細片と弾性層の上のブリッジ部分とを形成する材料から単独で形成され、場合によりこの上面にフック細片が固定される。
【0087】
図25には、おむつが、それ自体の上で閉じられずにほぼ平坦に配置して示されている。層100は、不浸透性の外部カバー101と、体液に対し浸透性の、体側上のライナー102との積層構成によって形成された構成物から成る。カバーとライナーの間に吸収材料が配置される。
【0088】
この構成物は、おむつを着用したときにその着用者の前側に位置するように意図された前部104と、おむつを着用したときにその着用者の後側に位置するように意図された後部105と、後部と前部を接続する股あて部分106とを形成する。外部カバー101の外面の前部に、例えばループ編物、ループ織物、またはループ不織布の形でループ部107が、例えば接着、超音波溶接などによって配置されている。
【0089】
この構成物の後部の対向する2つの縁部から、上で開示されたラミネートの1つから成る中間フック部103が突出し、中間フック部103には、着用者の腰周りでおむつを閉じるために、前部のループと協働するように意図されたフックが固定されている。特に、フックは、強化細片の1つの領域で、最上部に直接、または強化細片の上に置かれた不織布の層が介在して、固定される。
【0090】
中間部103は、その両側の後部に、好ましくは図示のように、後部のおおむね上部領域で接合される。この接合は、直接または間接的に行うことができる。例えば、粘着物、熱溶接または超音波溶接などを用いることによって、各中間部を後部に直接固定することが可能である。この接合を補助する中間部を設けること、さらには中間部103を一体で、または後部との一体化で製作することも可能である。おむつの構成物の後部の上部側方縁部に各中間部を固定することは、この中間部を形成するラミネートの強化細片の領域、または各強化細片のうちの1つの領域で直接に、またはこの強化細片の上に置かれた不織布の層が介在して行われ、この強化細片が存在することにより、この固定が容易になる。
【0091】
図26に、本発明によるおむつの別の実施形態が示されている。この実施形態では、中間部103’が両方で、(図25の実施形態のように)後部に接合され、また前部104’に、後部と中間部が接合される方法と同様の方法で接合される。中間部もまた、図25の実施形態のように、上で開示されたラミネートの1つによって形成される。唯一の相違は、この実施形態では、中間部103’がフックを含まず、前部との接合部が、図25の実施形態の場合のようにフックとループの協働によって分離可能ではないことである。したがって、図26のこの実施形態では、前部にループ部を設ける必要がない。おむつの構成物の後部および前部の側方上部縁部に各中間部を固定することは、この中間部を形成するラミネートの1つのそれぞれの強化細片の領域で直接に、またはこの強化細片の上に置かれた不織布の層が介在して行われ、強化細片が存在することにより、この固定が容易になる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特におむつ用の、自己把持フックおよびループ式クロージャから成るフック部であって、フックが突出するシートを含むフック要素と、前記フック要素に固定されたラミネート要素とを備え、前記ラミネートが、2つの左右各側方縁部の間の横方向に延在し、不織布の少なくとも1つの層(2、3)に粘着物の層によって固定された層、特に2層の不織布の間に、粘着物の1つのそれぞれの層で不織布の各層に固定することによって挿入した層を含み、前記層が、一体層または一体化層であり、特にエラストマー材料でできたフィルムの形態の弾性区域(6、16)を含み、
前記一体層または一体化層が、フィルムの形態の前記弾性区域から前記側方縁部の一方に向かって延在するフィルムの形態の少なくとも1つの末端強化区域(5、15)を含み、
前記側方縁部の一方とフィルムの形態の前記強化区域との間に弾性区域が配置されず、
フィルムの形態の前記少なくとも1つの強化区域(5、15)が、フィルムの形態の前記弾性区域よりも伸長性が小さく、特に弾性が小さく、好ましくは非弾性であり、例えば熱可塑性材料でできていることを特徴とする、フック部。
【請求項2】
前記一体層または一体化層が、フィルムの形態の前記1つの弾性区域の両側にフィルムの形態の2つの末端強化区域(5、9、15、19)を含むことを特徴とする、請求項1に記載のフック部。
【請求項3】
前記層が、不織布の2つの層またはシートの間に挿入され、粘着物の1つのそれぞれの層によって、不織布の各層または各シートにそれぞれ固定されることを特徴とする、請求項1または2に記載のフック部。
【請求項4】
前記一体化層が、フィルムの形態の前記弾性区域からある距離のところにフィルムの形態の第2の弾性区域(8)を含み、前記2つの末端強化区域の外側にフィルムの形態の中央区域(7)が、フィルムの形態の前記1つの弾性区域とフィルムの形態の前記第2の弾性区域との間で延在することを特徴とする、請求項1、2または3に記載のフック部。
【請求項5】
前記(1つまたは複数の)弾性フィルムおよび前記(1つまたは複数の)強化区域の厚さが、それらのそれぞれの接合部の領域で、前記層の上面および/または下面に粗い縁部または不連続部を実質的に伴わないような厚さであることを特徴とする、請求項1から4の一項に記載のフック部。
【請求項6】
前記接合部の領域で前記2つのフィルムそれぞれが、前記接合部の付近よりも薄く、前記接合部の領域の前記2つのフィルムの合計厚さが、前記接合部の付近の前記フィルムの一方または他方の厚さとほぼ等しいことを特徴とする、請求項5に記載のフック部。
【請求項7】
2つの弾性区域と強化区域の間の接合部が、斜面の形の境界面に沿った接合部の領域に形成されることを特徴とする、請求項6に記載のフック部。
【請求項8】
前記フック要素が、前記ラミネートの外面で、(1つまたは複数の)フィルムの形態の前記末端強化区域のうちの1つの領域に位置する区域に固定されることを特徴とする、前記請求項の一項に記載のフック部。
【請求項9】
不織布の前記層の1つまたは少なくとも1つが、5から15g/m2の範囲の坪量を有することを特徴とする、請求項1から8の一項に記載のフック部。
【請求項10】
強化フィルムの形態の区域(5、7、9、15、19)、および(1つまたは複数の)弾性フィルムの形態の(1つまたは複数の)区域(6、8、16)を共押出し成形によって、共押出し成形装置内でフィルムの形態の上記区域を形成する各材料が、それらのそれぞれの側方縁部(12、13、14、17)に沿って軟化材料状態で接触するように成形し、圧力をかけることによって、(1つまたは複数の)フィルムの形態の(1つまたは複数の)強化区域と、(1つまたは複数の)フィルムの形態の(1つまたは複数の)弾性区域とが、一体層または一体化層を前記共押出し成形装置の出口で形成させ、冷却してこのアセンブリを維持するようにしたことを特徴とする、請求項1から9の一項に記載のフック部を得る方法。
【請求項11】
特におむつのウエストバンドの領域で、前記おむつを閉止するために互いに協働するように前記おむつにそれぞれが固定または取り付けられる、請求項1から9の一項に記載のループ部およびフック部を有する自己把持クロージャを備えるおむつ。
【請求項1】
特におむつ用の、自己把持フックおよびループ式クロージャから成るフック部であって、フックが突出するシートを含むフック要素と、前記フック要素に固定されたラミネート要素とを備え、前記ラミネートが、2つの左右各側方縁部の間の横方向に延在し、不織布の少なくとも1つの層(2、3)に粘着物の層によって固定された層、特に2層の不織布の間に、粘着物の1つのそれぞれの層で不織布の各層に固定することによって挿入した層を含み、前記層が、一体層または一体化層であり、特にエラストマー材料でできたフィルムの形態の弾性区域(6、16)を含み、
前記一体層または一体化層が、フィルムの形態の前記弾性区域から前記側方縁部の一方に向かって延在するフィルムの形態の少なくとも1つの末端強化区域(5、15)を含み、
前記側方縁部の一方とフィルムの形態の前記強化区域との間に弾性区域が配置されず、
フィルムの形態の前記少なくとも1つの強化区域(5、15)が、フィルムの形態の前記弾性区域よりも伸長性が小さく、特に弾性が小さく、好ましくは非弾性であり、例えば熱可塑性材料でできていることを特徴とする、フック部。
【請求項2】
前記一体層または一体化層が、フィルムの形態の前記1つの弾性区域の両側にフィルムの形態の2つの末端強化区域(5、9、15、19)を含むことを特徴とする、請求項1に記載のフック部。
【請求項3】
前記層が、不織布の2つの層またはシートの間に挿入され、粘着物の1つのそれぞれの層によって、不織布の各層または各シートにそれぞれ固定されることを特徴とする、請求項1または2に記載のフック部。
【請求項4】
前記一体化層が、フィルムの形態の前記弾性区域からある距離のところにフィルムの形態の第2の弾性区域(8)を含み、前記2つの末端強化区域の外側にフィルムの形態の中央区域(7)が、フィルムの形態の前記1つの弾性区域とフィルムの形態の前記第2の弾性区域との間で延在することを特徴とする、請求項1、2または3に記載のフック部。
【請求項5】
前記(1つまたは複数の)弾性フィルムおよび前記(1つまたは複数の)強化区域の厚さが、それらのそれぞれの接合部の領域で、前記層の上面および/または下面に粗い縁部または不連続部を実質的に伴わないような厚さであることを特徴とする、請求項1から4の一項に記載のフック部。
【請求項6】
前記接合部の領域で前記2つのフィルムそれぞれが、前記接合部の付近よりも薄く、前記接合部の領域の前記2つのフィルムの合計厚さが、前記接合部の付近の前記フィルムの一方または他方の厚さとほぼ等しいことを特徴とする、請求項5に記載のフック部。
【請求項7】
2つの弾性区域と強化区域の間の接合部が、斜面の形の境界面に沿った接合部の領域に形成されることを特徴とする、請求項6に記載のフック部。
【請求項8】
前記フック要素が、前記ラミネートの外面で、(1つまたは複数の)フィルムの形態の前記末端強化区域のうちの1つの領域に位置する区域に固定されることを特徴とする、前記請求項の一項に記載のフック部。
【請求項9】
不織布の前記層の1つまたは少なくとも1つが、5から15g/m2の範囲の坪量を有することを特徴とする、請求項1から8の一項に記載のフック部。
【請求項10】
強化フィルムの形態の区域(5、7、9、15、19)、および(1つまたは複数の)弾性フィルムの形態の(1つまたは複数の)区域(6、8、16)を共押出し成形によって、共押出し成形装置内でフィルムの形態の上記区域を形成する各材料が、それらのそれぞれの側方縁部(12、13、14、17)に沿って軟化材料状態で接触するように成形し、圧力をかけることによって、(1つまたは複数の)フィルムの形態の(1つまたは複数の)強化区域と、(1つまたは複数の)フィルムの形態の(1つまたは複数の)弾性区域とが、一体層または一体化層を前記共押出し成形装置の出口で形成させ、冷却してこのアセンブリを維持するようにしたことを特徴とする、請求項1から9の一項に記載のフック部を得る方法。
【請求項11】
特におむつのウエストバンドの領域で、前記おむつを閉止するために互いに協働するように前記おむつにそれぞれが固定または取り付けられる、請求項1から9の一項に記載のループ部およびフック部を有する自己把持クロージャを備えるおむつ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【公表番号】特表2012−521239(P2012−521239A)
【公表日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−501337(P2012−501337)
【出願日】平成22年3月5日(2010.3.5)
【国際出願番号】PCT/FR2010/000190
【国際公開番号】WO2010/109087
【国際公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(596170996)
【氏名又は名称原語表記】APLIX
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月5日(2010.3.5)
【国際出願番号】PCT/FR2010/000190
【国際公開番号】WO2010/109087
【国際公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(596170996)
【氏名又は名称原語表記】APLIX
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]