弾性外側レッグカフを有する使い捨て吸収性物品
【課題】基部と、基部によって支持されるガスケットカフとを備える弾性外側レッグカフが、吸収性物品を広げた後、期待されるように働くことを確実にする使い捨て吸収性物品を提供する。
【解決手段】吸収性物品20に設けられた弾性外側レッグカフ42は、吸収性物品の長手方向側縁部22に隣接して配置され、基部68と、基部とガスケットカフ70との接合部72で基部によって支持されるガスケットカフとを有する。ガスケットカフは弾性を備え、ガスケットカフ上部表面と、接合部から横方向内向きに延びる内側カフ100と、接合部から横方向外向きに延びる外側カフと102を有する。吸収性物品の使用前には、ガスケットカフ上部表面は上を向くよう、弾性外側レッグカフは横方向内向きに吸収性物品の内側表面上へ折り畳まれる。
【解決手段】吸収性物品20に設けられた弾性外側レッグカフ42は、吸収性物品の長手方向側縁部22に隣接して配置され、基部68と、基部とガスケットカフ70との接合部72で基部によって支持されるガスケットカフとを有する。ガスケットカフは弾性を備え、ガスケットカフ上部表面と、接合部から横方向内向きに延びる内側カフ100と、接合部から横方向外向きに延びる外側カフと102を有する。吸収性物品の使用前には、ガスケットカフ上部表面は上を向くよう、弾性外側レッグカフは横方向内向きに吸収性物品の内側表面上へ折り畳まれる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾性外側レッグカフを有する使い捨て吸収性物品に関する。より具体的には、本発明は、基部と、基部により支持され、吸収性物品の使用の前には折り畳まれるガスケットカフとを有する弾性外側レッグカフを備える使い捨て吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
弾性外側レッグカフを備える使い捨て吸収性物品は周知である。弾性外側レッグカフを形成する多くの方法がある。最も一般的な方法は、連続するトップシートと、吸収性コアの縁部を超えて延びるバックシートとに囲まれる弾性部材から、弾性外側レッグカフを形成することである。これらの弾性外側レッグカフは、ガスケットカフの機能を着用者の脚の周りに提供して、脚の周りの密閉を維持し、すき間を最小化する。漏れを最小化するために、弾性外側レッグカフを更に改善する多くの試みが行われてきた。
【0003】
日本公開特許特開平04−12751(Japanese Patent Laid-open publication H04-12751)(1992年1月17日発行)は、吸収性コアの長手方向側縁部から横方向外向きに延びる可撓性サイドフラップと、同サイドフラップ上に配置された弾性材料とを備える吸収性物品を開示している。サイドフラップは、吸収性コアの長手方向側縁部と、弾性材料の内側縁部との間の部分で、吸収性コアに向かって内向きに折り畳まれて、第一折り畳み部分を形成し、第一折り畳み部分と、弾性材料の内側縁部との間の部分で横方向に外向きに折り畳まれて、第二折り畳み部分を形成する。第二折り畳み部分は、股領域で第一折り畳み部分に接合される。第二折り畳み部分が、股領域における密閉を提供し、第一折り畳み部分と第二折り畳み部分とによって形成されたポケットが体の排出物を収容することが示されている。欧州特許0346477(European Patent publication 0 346 477)(1989年12月20日発行)は、漏れを防ぐために、股領域において対向する側面上に配置された手段を備える使い捨ておむつを開示している。同手段は、可撓性フラップ及び一以上の弾性部分を備える。フラップは、T字状のカフを提供するために、おむつから上に延びる支持セクションと、支持セクションから内向きに延びる内側ウイング(羽根)セクションと、支持セクションから外向きに延びる外側ウイングセクションとを備える。
【0004】
しかし、これらの公報は、吸収性物品を使用する前に略T字状の外側レッグカフを有する吸収性物品を折り畳むことに関する問題を扱っておらず、吸収性物品を広げて使用するときに、略T字状の外側レッグカフが期待どおりに働くことを確実にする解法を何も提供していない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述のことに基づいて、基部と、基部によって支持されるガスケットカフとを備える弾性外側レッグカフが、吸収性物品を広げた後、期待されるように働くことを確実にするための解法を提供する必要性がある。既存の吸収性物品には、本発明の利点と利益の全てを提供するものはない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、使い捨て吸収性物品に関する。使い捨て吸収性物品は、長手方向中心線と、横方向中心線と、外側表面と、内側表面とを備える。吸収性物品は、使用前には横方向に沿って折り畳まれる。使い捨て吸収性物品は、液体透過性トップシートと、液体不透過性バックシートと、トップシートとバックシートとの間に設けられた吸収性コアと、弾性外側レッグカフとを備える。弾性外側レッグカフは、吸収性物品の長手方向側縁部に隣接して配置される。弾性外側レッグカフは、基部と、ガスケットカフと基部との接合部で基部によって支持されるガスケットカフとを有する。ガスケットカフは、弾性を備え、ガスケットカフ上部表面、接合部から横方向内向きに延びる内側カフと、接合部から横方向外向きに延びる外側カフとを有する。吸収性物品の使用前は、ガスケットカフ上部表面が上を向くよう、弾性外側レッグカフは横方向内向きに吸収性物品の内側表面上へ折り畳まれる。
【0007】
すべての引用される文書は、関連部分において、参考として本明細書に組み込まれるが、いずれの文書の引用も、それが本発明に関して先行技術であるという承認として解釈されるべきではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本明細書は、本発明を特定して指摘し明白に請求する特許請求の範囲にて結論とするが、次の好ましい実施形態の説明を添付図面と関連して読むことにより、本発明を更に良く理解できると考えられる。
【0009】
本明細書で使用するとき、用語「含む」とは、最終結果に影響しない他の工程及び他の成分も加え得ることを意味する。この用語には、「からなる」及び「から本質的になる」という用語が包含される。
【0010】
本明細書で使用するとき、用語「吸収性物品」とは、身体排出物を吸収し収容するデバイスを指し、更に具体的には、着用者の身体に押し付けて又は近接して配置されて、身体から排出される種々の排出物を吸収して収容するデバイスを指す。本明細書において、用語「使い捨て可能な」とは、洗濯、又は吸収性物品として修復若しくは再使用することを通常意図しない(すなわち、その物品を、一回の使用後に廃棄するか、好ましくは、リサイクルするか、堆肥化するか、又はそうでなければ環境に適応した方法で処分することを意図する)吸収性物品を説明するのに使用される。本明細書で使用するとき、用語「配置された」とは、おむつの(一つ又は複数の)要素が、おむつの他の要素と共に一体の構造物として、又はおむつの他の要素へ接合される別個の要素として、特定の場所又は位置に形成される(接合され位置付けられる)ことを意味するのに使用する。本明細書で使用するとき、用語「接合した」とは、ある要素を他の要素に直接固着することによりその要素に直接固定する構成と、ある要素を中間部材に固着して、その中間部材を他の要素に固着することにより他の要素に間接的に固定する構成とを包含する。本明細書で使用するとき、用語「おむつ」とは、一般に乳幼児及び失禁者により胴体下部の周囲で着用される吸収性物品を指す。本発明はまた、失禁用パンツ、失禁用下着、吸収性挿入物品、おむつホルダー及びライナー、女性用衛生衣類などといったその他の吸収性物品にも適用可能である。本明細書で使用するとき、用語「長手方向」とは、吸収性物品を着用したときに、起立した着用者の体を左半分と右半分に二等分する垂直面とおおむね並び合う(例えば、ほとんど並行する)吸収性物品の平面における線、軸線又は方向を指す。本明細書で使用するとき、用語「横断方向」又は「横方向」とは、互換可能であり、長手方向におおむね垂直に交わる吸収性物品の平面における線、軸線又は方向を指す。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態であるおむつ20の斜視図である。図1の線II〜IIに沿って取った横断面図を示す図2、並びに図1のおむつ20の広げた形体における平面図を示す図3に関し、おむつ20は、着用者に面する内側表面26、対向する外側表面28、長手方向中心線L、及び横方向中心線Tを有する。おむつ20はまた、おむつのほぼ長手方向に通る長手方向側縁部22と、おむつ20のほぼ横方向に、長手方向側縁部22間に通る横方向末端縁部24も有する。おむつ20の周囲は、長手方向側縁部22と横方向末端縁部24とによって画定される。おむつ20は、前側腰部領域36と、後側腰部領域38と、前側腰部領域36と後側腰部領域38との間に配置された股部領域40とを更に有する。
【0012】
おむつ20は、シャーシ54と、シャーシ54に接合した耳パネル48とを備える。シャーシ54は、図3に示されるような広げた形体において、ほぼ四角い形状を有する。シャーシ54は、横方向末端縁部58と長手方向側縁部56とを有する。シャーシ54の横方向末端縁部58は、好ましくはおむつ20の横方向末端縁部24を画定する。シャーシ54の長手方向側縁部56は、好ましくは少なくとも股部領域40においておむつ20の長手方向側縁部22を画定する。シャーシ54は、液体透過性トップシート30と;液体不透過性バックシート32と;好ましくはトップシート30とバックシート32との少なくとも一部分の間に設けられた、吸収性コア34と;吸収性コア34から横方向外向きに延びるサイドフラップ44とを備える。サイドフラップ44は、近位フラップ74と遠位フラップ76とを有する。シャーシ54は、股部領域40において長手方向側縁部22に隣接して配置された弾性外側レッグカフ42を更に備える。弾性外側レッグカフ42は、基部68と、基部68とガスケットカフ70との接合部72で基部68によって支持されるガスケットカフ70とを有する。ガスケットカフ70は、弾性材料46を備え、接合部72から横方向内向きに延びる内側カフ100と、接合部72から横方向外向きに延びる外側カフ102とを備える。図1に示されるシャーシ54はまた、バリアレッグカフ52と弾性的ウエスト機構(図示せず)とを備えてもよい。耳パネル48は、接着剤、又は熱及び圧力による取り付けなど、あらゆる既知の手段によって、シャーシ54の長手方向側縁部56に隣接して接合され、トップシート、バックシート、吸収性コア、弾性外側レッグカフ、バリアレッグカフ、又はこれらの組み合わせなど、シャーシ54を構成する要素に接合されて、その結果、耳パネル48は、吸収性コア34から横方向外向きに延びる。図1に示される実施形態では、耳パネル48は、熱及び圧力による取り付けによってバックシート32に接合される。固着テープ39などの閉鎖部材が耳パネル48の長手方向側縁部に提供される。
【0013】
液体透過性トップシート30は、好ましくは吸収性コア34の身体面表面に隣接して配置され、当該技術分野において既知のいずれかの取り付け手段によって、吸収性コア34に及び/又はバックシート32に接合されてもよい。トップシート30は、好ましくは弾性があり、柔らかい感触であり、着用者の皮膚に刺激がない。更に、トップシート30の少なくとも一部分は液体透過性であって、液体はその厚さを容易に透過することができる。好適なトップシート30は、多孔質発泡体;網状発泡体;孔あきプラスチックフィルム;あるいは天然繊維(例:木質繊維又は綿繊維)、合成繊維(例:ポリエステル繊維又はポリプロピレン繊維)、若しくは天然繊維と合成繊維との組み合わせの織布ウェブ又は不織布ウェブなど、広範囲の材料から製造されてもよい。好ましくは、トップシート30は、着用者の皮膚を吸収性コア34に収容された液体から分離するために、疎水性材料から作製されるか、又は疎水性であるように処理される。トップシート30が疎水性材料から作製される場合、好ましくはトップシート30の少なくとも上面は、親水性であるように処理されて、液体は、トップシートをより迅速に移動する。
【0014】
液体不透過性バックシート32は、一般に吸収性コア34の衣類に面する表面に隣接して配置されるおむつ20の部分である。バックシート32は、中に吸収され及び収容される排出物が、ベッドシーツ及び下着など、おむつ20に接触することがある物品を汚すのを防ぐ。好ましい実施形態では、バックシート32は、液体(例:尿)に対して不透過性であり、約0.012mm(0.5ミル)〜約0.051mm(2.0ミル)の厚さを有する熱可塑性フィルムなどの薄いプラスチックフィルムを備える。好適なバックシートフィルムとしては、インディアナ州テレホート(Terre Haute,IN)のトレドガーインダストリーズ社(Tredegar Industries Inc.)により製造され、X15306、X10962、及びX10964の商品名で販売されるものが挙げられる。他の好適なバックシート材料には、おむつ20から蒸気を逃がす一方、排出物がバックシート32を透過するのを防ぐ通気性材料が挙げられてもよい。代表的な通気性材料としては、織布ウェブ、不織布ウェブ、フィルム被覆不織布ウェブのような複合材料、及びESPOIR NOの名称で日本の三井東圧株式会社(Mitsui Toatsu Co.)により、またEXXAIREの名称でテキサス州ベイシティー(Bay City,TX)のエクソンケミカル社(EXXON Chemical Co.)により製造されるような微小多孔性フィルムなどがある。ポリマーブレンドを含む好適な通気性複合材料が、HYTRELブレンドP18−3097の名称でオハイオ州シンシナティ(Cincinnati,OH)のクロペイ社(Clopay Corporation)から入手可能である。
【0015】
吸収性コア34は、ほぼ圧縮可能、快適、着用者の皮膚に刺激がない、並びに尿及び他の体の排出物などの液体を吸収及び保持し得るいかなる吸収性材料を備えてもよい。吸収性コア34は、長手方向側縁部及び末端縁部を有し、多種多様の寸法及び形状(例:四角形、砂時計形、「T」字状、非対称など)で製造可能であり、一般にエアフェルトと呼ばれる粉砕木材パルプなど、使い捨ておむつ及び他の吸収性物品において一般に使用される、多種多様の液体吸収性材料を含んでもよい。その他の好適な吸収性材料の例としては、縮みセルロース詰め物(creped cellulose wadding);コフォームを含むメルトブローポリマー;化学的に剛化、変性又は架橋されたセルロース繊維;ティッシュラップとティッシュラミネートとを含むティッシュ;吸収性フォーム;吸収性スポンジ;超吸収性ポリマー;吸収性ゲル材料;又は他のあらゆる既知の吸収性材料若しくはこれらの材料の組み合わせが挙げられる。いずれにしても、コアの全体又は一部分がコアに引き延ばされるとき、糞便物質が流れ込むことがある開口部を形成させるスリットを含んでもよい。吸収性コア34の形体及び構成をまた、変更してもよい(例えば、吸収性コア又は他の吸収性構造体は、様々なキャリパーゾーン、親水性勾配、超吸収性勾配、又は低平均密度、及び低平均坪量獲得領域を有してもよく;又は一以上の層若しくは構造体を備えてもよい)。しかし、吸収性コア34の全吸収能力は、設計負荷、おむつ20の意図される用途に適合性があるべきである。
【0016】
バリアレッグカフ52は、シャーシ54の長手方向側縁部56に隣接して接合される。図2に示される実施形態では、バリアレッグカフ52は、いずれかの既知の手段によって、バリアレッグカフ52の近位縁66でトップシート30上に接合される。あるいは、バリアレッグカフ52は、トップシート30に接合されずに、バックシート32に接合されてもよい。バリアレッグカフ52は、液体不透過性及び/又は疎水性であってもよい不織布材料など、あらゆる既知の材料を含んでもよい。バリアレッグカフ52は、近位縁66から横方向内向きに延び、横方向内側部分62の遠位縁で弾性材料を備える横方向内側部分62を有し、トップシート30から上向きに横方向内側部分62との間の間隔をあけて、体の排出物の漏れへのバリアとして役立つ。バリアレッグカフ52はまた、近位縁66から横方向外向きに延び、図2に示される実施形態におけるトップシート30の横方向の伸長上とバックシート32の横方向の伸長上とに接合した横方向外側部分60も有する。図2に示される横方向外側部分60は、トップシート30の長手方向側縁部31とバックシート34の長手方向側縁部33との両方を超えて、更に横方向外向きに延びる。
【0017】
図1、図2、及び図3に示されるサイドフラップ44は、図2に示される実施形態において、吸収性コア34から横方向外向きに延びるために、シャーシ54の長手方向側縁部56に隣接して配置される。サイドフラップ44は、好ましくは液体不透過性及び/又は疎水性である材料で形成される。サイドフラップ44は、吸収性コア34に横方向に最も近い近位フラップ74と、近位フラップ74から横方向外向きに延びる遠位フラップ76とを有する。近位フラップ74と遠位フラップ76とは、一体式材料によって形成されてもよく、又は別の方法としては、互いに接合される別個の材料によって形成されてもよい。サイドフラップ44は、単層の材料、又は二層以上の材料によって形成されてもよい。図2に示される実施形態では、近位縁66に最も近い近位フラップ74の部分は、トップシート30の横方向の伸長と、バックシート32の横方向の伸長と、横方向外側部分60とによって形成される。近位フラップ74の横方向外側の一部分は、バックシート32の横方向の伸長とバリアレッグカフ52の横方向外側部分60とによって形成される。液体不透過性バックシート32が近位フラップ74内まで延びるので、この構成は、近位フラップ74を液体不透過性にする。この実施形態では、遠位フラップ76は、バリアレッグカフ52の横方向外側部分60のみによって形成される。二層以上を備えるサイドフラップの一部分は、接着剤など、いずれかの既知の手段によって、その層の同一の広がりを持つ領域全体で接合されることが好ましい。これによって、バックシート34の長手方向側縁部33をバリアレッグカフ52の横方向外側部分60から分離させず、おむつのぴったり合った外側縁部を提供するのに役立つ。
【0018】
サイドフラップを形成するための多くの変化形が可能である。図2に示される実施形態では、近位フラップ74は、バックシート32の横方向の伸長なしに、バリアレッグカフ52の横方向の外側部分60のみによって形成されてもよい。バリアレッグカフ52が疎水性及び/又は液体不透過性材料によって形成されるとき、近位フラップ74は、その中に延びるバックシート32がなくても、充分な液体不透過性を有することがある。この設計によってはまた、近位フラップ74は通気性が高くなり、嵩高でなくなる。図2に示される実施形態では、トップシート30は、近位フラップ74内まで延び、バックシート32と同程度まで延びてもよい。
【0019】
図4、図5、及び図6に示されるのは、サイドフラップ44の別の実施形態である。図4に示される実施形態では、バリアレッグカフは省かれる。その代わり、サイドフラップシート240が、トップシート230の横方向の伸長と、バックシート232の横方向の伸長とに接合されて、サイドフラップ244を形成する。吸収性コア234に最も近い近位フラップ274の一部分は、トップシート230の横方向の伸長と、バックシート232の横方向の伸長と、サイドフラップシート240とによって形成される。近位フラップ274の外側の一部分は、バックシート232とサイドフラップシート240との横方向の伸長によって形成される。この実施形態では、遠位フラップ276は、サイドフラップシート240のみによって形成される。遠位フラップ276を形成するサイドフラップシート240の少なくとも一部分又はサイドフラップシート240全体は、好ましくは疎水性及び/又は液体不透過性である。図5に示される実施形態では、トップシート330の横方向の伸長は、近位フラップ374及び遠位フラップ376内まで延びて、サイドフラップ344を形成する。吸収性コア334に最も近い近位フラップ374の一部分は、トップシート330の横方向の伸長と、バックシート332の横方向の伸長と、バリアレッグカフ352の横方向外側部分360によって形成される。近位フラップ374の外側の部分は、バックシート332の横方向の伸長と、トップシート330の横方向の伸長とによって形成される。この実施形態では、遠位フラップ376は、トップシート330の横方向の伸長のみによって形成される。遠位フラップ376を形成するトップシート330の少なくとも一部分は、好ましくは疎水性及び/又は液体不透過性にされる。図6に示される実施形態では、バックシート432は、液体不透過性バックシートフィルム425を覆う外側不織布424を備える。外側不織布424は、近位フラップ474及び遠位フラップ476内まで延びて、サイドフラップ444を形成する。吸収性コア434に最も近い近位フラップ474の部分は、トップシート430の横方向の伸長と、バックシートフィルム425の横方向の伸長と、バリアレッグカフ452の横方向外側部分460と、外側不織布424とによって形成される。近位フラップ474の外側の一部分は、バックシート432の横方向の伸長と外側不織布424とによって形成される。この実施形態では、遠位フラップ476は、外側不織布424のみによって形成される。遠位フラップ476を形成する外側不織布424の少なくとも一部分又は外側不織布424の全体は、好ましくは疎水性及び/又は液体不透過性にされる。
【0020】
サイドフラップの更なる別の実施形態が可能である。例えば、サイドフラップは、シャーシ54に接合した他のいかなる材料を備えてもよく、又はトップシートの伸長、バックシートンの伸長、バリアレッグカフの伸長、及び/又は他の材料のいかなる組み合わせを備えてもよい。図4、図5、及び図6に示される遠位フラップは、遠位フラップ内まで延びる一層のみの材料で形成されるが、遠位フラップ内まで延びる二以上の層を備えてもよい。本明細書において次に説明されるように、遠位フラップは、その一部分が着用者の皮膚に触れる弾性外側レッグカフを形成するために使用される。それ故に、着用者の皮膚に触れる遠位フラップの表面は、不織布又は織布などの弾力的な、可撓性のある、及び柔らかい材料を備えることが好ましい。
【0021】
図1、図2、及び図3に示される弾性外側レッグカフ42は、サイドフラップ44と弾性材料46とを備える。外側レッグカフ42は、基部68と、基部68とガスケットカフ70との接合部72で、基部68によって支持されるガスケットカフ70とを有する略T字状のカフである。用語「略T字状」とは、基部が、ガスケットカフの内側カフと外側カフとの間の接合部でガスケットカフから枝分かれして、おむつがゆるんだ形体であるとき、基部が、横断面図において、内側カフとある角度を形成し、外側カフとある角度を形成することを意味する。それ故に、基部は、内側カフ及び外側カフと90°の角度を形成してもよく、又は90°以外の角度を形成してもよい。基部68は、近位フラップ74を備え、吸収性コア34の長手方向側縁部と、接合部72との間で延びる。ガスケットカフ70は、遠位フラップ76を備え、基部68の頂部上に配置される。
【0022】
ガスケットカフ70は、図2に示されるように、接合部72から横方向内向きに延びる内側カフ100と、接合部72から横方向外向きに延びる外側カフ102とを有する。ガスケットカフ70は、おむつ20の長手方向中心線Lに向かって横方向内向きに第一折り畳み線78と第二折り畳み線80とに沿って少なくとも二回折り畳まれる、サイドフラップ44の遠位フラップ76を有して形成され、内側長手方向縁部82と、外側長手方向縁部84と、ガスケットカフ上部表面86と、対向する表面88とを有する、横断面において薄く平坦なスリーブ様形状に形成される。ガスケットカフ上部表面86は、図2に示されるような断面図において、ほぼ平坦な表面を有するが、図1に示されるような弾性材料46によって作られるギャザーによって形成される、長手方向におけるある程度の起伏を有してもよい。ガスケットカフ70は、円形、楕円形、U字形、又はV字形など、異なる横断面に形成されてもよいが、薄く平坦な形状が好ましい。図に示される実施形態では、第一折り畳み線78と第二折り畳み線80とはそれぞれ、ガスケットカフ70の内側長手方向縁部82と外側長手方向縁部84とに一致する。ガスケットカフ70の対向する表面88は、接着剤などいずれかの既知の手段によって、内側カフ100と外側カフ102との間に位置する接合部72で、好ましくは内側カフ100と外側カフ102との中間で、基部68に接合される。ガスケットカフ70は、複数の弾性ストランドと、単一の弾性ベルトなどの弾性材料46とを備える。弾性材料46は、ガスケットカフ70の薄いスリーブ様空間内に入れられ、その内側表面に接合される。図2に示される実施形態では、弾性材料46は、四本の弾性ストランドを含む。二本の弾性ストランドは、内側長手方向縁部82と外側長手方向縁部84とに沿って配置され、他の二本の弾性ストランドは、接合部72に隣接して、好ましくは接合部72の横方向に対向する側に配置される。あるいは、弾性ストランド46は、二本以上の弾性ストランドを備えてもよく、又は内側長手方向縁部82と外側長手方向縁部84との間で延びる幅を有する単一の弾性ベルトを備えてもよい。弾性材料46はほぼ股部領域40において延び、弾性材料46は、ガスケットカフ70に弾性を提供し、図1に示されるようにおむつ20がゆるむとき、ガスケットカフ70にギャザーを提供する。弾性材料46はまた、図2に示されるように、基部68を吸収性コア34からほぼ上向きに立てる力も提供する。故に、外側レッグカフ42がゆるんだ形体であるとき、基部68とガスケットカフ70との組み合わせは、略T字状のカフを提供する。この組み合わせはまた、内側カフ100の対向する表面88と、基部68の内側表面との間に溝90を提供して、体の排出物を収容する特性を増大する。内側カフ100は、体の排出物がガスケットカフ70から溢れ出るのを防ぐための有効なバリアとして働く。
【0023】
ガスケットカフ70が使用中に着用者の皮膚に触れるとき、ガスケットカフ70は、好ましくは横方向の幅を有し、体の排出物の漏れに対して良好な密閉効果を提供する。広いガスケットカフ70は、良好な密閉効果のための広い皮膚接触領域を有効に提供する。しかし、そのような広いガスケットカフは、広い皮膚接触領域のために、着用者に不快感を引き起こすことがある。それ故に、ガスケットカフ70は、おむつ20の股部領域40で横方向中心線Tに沿って、約3mm〜約50mm、好ましくは約5mm〜約30mm、より好ましくは約10mm〜約20mmの横方向の幅を有してもよい。横方向の幅は、ガスケットカフ70の内側長手方向縁部82と外側長手方向縁部84との間の幅として測定され得る。ガスケットカフ70は、その長手方向の長さの端から端まで同じ横方向の幅を有してもよい。しかし、ガスケットカフ70の横方向の幅は、ガスケットカフ70の長手方向の長さに沿って変化してもよい。例えば、ガスケットカフ70は、前側腰部領域36及び/又は後側腰部領域38での横方向の幅より大きい、股部領域40での横方向の幅を有してもよい。
【0024】
図2に示されるように、基部68が吸収性コア34から上向きに立つとき、基部68は、好ましくは横方向の幅を有し、良好な収容特性を提供する。基部68は、おむつ20の股部領域40で横方向中心線Tに沿って、約10mm〜約100mm、好ましくは約20mm〜約80mm、より好ましくは約30mm〜約70mmの横方向の幅を有してもよい。横方向の幅は、接合部72と、吸収性コア34の長手方向側縁部との間の幅として測定され得る。基部68は、その長手方向の長さの端から端まで同じ横方向の幅を有してもよい。しかし、基部68の横方向の幅は、基部68の長手方向の長さに沿って変化してもよい。例えば、基部68は、前側腰部領域36及び/又は後側腰部領域38での横方向の幅より大きい、股部領域49での横方向の幅を有してもよい。
【0025】
図7〜図12は、サイドフラップ44及び弾性材料46から、図1、図2、及び図3の弾性外側レッグカフ42を形成するためのプロセスを示している。図7及び図8に示される実施形態では、外側レッグカフ42を形成する前に、トップシート30と、バックシート32と、バリアレッグカフ52とを接合することによって、サイドフラップ44は予め組立てられる。図8に示される実施形態において、サイドフラップ44は、近位フラップ74と、接合部72の点によって実質的に分離する遠位フラップ76とを有する。サイドフラップ44は、第一表面43と第二表面45とを有する。遠位フラップ76は、第一フラップ部分(第一折り畳まれた部分)73と、第二フラップ部分(第二折り畳まれた部分)75と、第三フラップ部分77とを有する。第一フラップ部分73及び第二フラップ部分75は、図7において想像線によって示される第一折り畳み線78によって分けられる。第二フラップ部分75及び第三フラップ部分77は、図7において想像線によって示される第二折り畳み線80によって分けられる。図7及び図8において示される実施形態では、四本の弾性ストランドを備える弾性材料46は、引き延ばされて、遠位フラップ76の第二フラップ部分75の第一表面43上に配置される。次に、弾性ストランド46は、接着剤などいずれかの既知の手段によって、そこに接合される。弾性ストランド46は、股部領域40において第一折り畳み線78と第二折り畳み線80との間の領域において延びる。弾性ストランド46は、前側腰部領域36及び/又は後側腰部領域38内まで延びてもよい。第一フラップ部分73が本明細書において次に説明されるように折り畳まれるとき、第一フラップ部分73は、四本の弾性ストランド46を覆う横方向の幅を有し、第二フラップ部分75とほぼ同じ横方向の幅を有する。第三フラップ部分77は、第二フラップ部分75の横方向の幅のほぼ半分の幅である。第一フラップ部分73が第二フラップ部分75上に折り畳まれるとき、第一カフ形成接着剤116が提供されて、第一フラップ部分73を、横方向末端縁部24に隣接する第二フラップ部分75に接合する。
【0026】
次に、サイドフラップ44の遠位フラップ76が、図9及び図10に示されるように、おむつ20の長手方向中心線Lに向かって横方向内向きに、最も外側の弾性ストランド47に隣接する第一折り畳み線78に沿って一回折り畳まれる。遠位フラップ76の第一フラップ部分73は、おむつ20の内側表面26の側に向かって折り畳まれる。遠位フラップ76は、第一折り畳み部分(第一フラップ部分)73と、第二フラップ部分75との間に四本の弾性ストランド46を挟む。弾性ストランド46が挟まれるとき、弾性ストランド46は、好ましくは第一折り畳み部分73の第一表面43と第二フラップ部分75とに接合される。接合接着剤92が第一折り畳み部分73の第二表面45上に提供されて、ガスケットカフ70と基部68との間の接合部72を形成する。接合接着剤92は、ガスケットカフ70が図2に示されるように組立てられる形体で、第一折り畳み線78と第二折り畳み線80との間で、好ましくはそれらの中間で、連続するまっすぐな線として配置されて、ガスケットカフ70と基部68とは、略T字状のカフを形成する。換言すれば、接合接着剤92は、第一折り畳み線78と、遠位フラップ76の長手方向側縁部94との中間に提供される。図9に示される実施形態では、接合接着剤92は、シャーシ54の横方向末端縁部58間で長手方向に連続して延びる。ガスケットカフ70と基部68とが略T字状のカフを形成する限り、接合接着剤は、波線若しくは点線など、いかなる形状を取ってもよく、又はいかなる位置をとってもよい。図9及び図10に示される実施形態では、接合接着剤92は、第一折り畳み線78と、遠位フラップ76の長手方向側縁部94との間の中間のみに提供される一方、接合接着剤92は、図9及び図10に示される接合接着剤92の位置と、遠位フラップ76の長手方向側縁部94との間に提供されてもよい。接合接着剤92は、遠位フラップ76が図9及び図10に示されるような形体に折り畳まれる前又は後に、第一折り畳み部分73上に提供されてもよい。あるいは、接合接着剤92は、図10において参照番号193によって示されるような、接合部72に一致するサイドフラップ44の位置上に提供されてもよい。第一フラップ部分73が、第三フラップ部分77とその内側部分とに接合されるとき、第二カフ形成接着剤118が提供されて、第一フラップ部分73を、第三フラップ部分77と、横方向末端縁部24に隣接するその内側部分とに接合する。
【0027】
図11及び図12に示されるように、第一フラップ部分73及び第二フラップ部分75によって挟まれる四本の弾性ストランド46を有する遠位フラップ76は、次に、おむつ20の長手方向中心線Lに向かって横方向内向きに、最も内側の弾性ストランド49に隣接する第二折り畳み線80に沿って、再度折り畳まれる。遠位フラップ76は、おむつ20の内側表面26の側に向かって折り畳まれる。遠位フラップ76は、第一折り畳まれた部分73と、第二折り畳まれた部分75と、第一折り畳み線78と、第二折り畳み線80とによって四本の弾性ストランド46を囲む。第一折り畳み線78及び第二折り畳み線80はそれぞれ、ガスケットカフ70の内側長手方向縁部82及び外側長手方向縁部84と一致する。図12に示される実施形態では、第一の折り畳まれた部分73は、横方向の幅を有するので、遠位フラップ76の長手方向側縁部94は、ガスケットカフ70の内側に隠れる。接合接着剤92は、ガスケットカフ70と基部68との間で接合部72を形成して、それにより、内側カフ100と外側カフ102とが形成される。更に、同接着剤は、ガスケットカフ70と基部68とを形成し、それらが外側レッグカフ42を構成する。外側レッグカフ42は、シャーシ54の長手方向側縁部56に沿って提供される。ガスケットカフ70の外側長手方向縁部84は、シャーシ54の長手方向側縁部56を画定する。外側レッグカフ42がゆるんだ形体であるとき、外側レッグカフ42は、薄く平坦な形状のガスケットカフ70と、ほぼ上向きに立つ基部68とを有する略T字状体を有する。
【0028】
このように形成された弾性外側レッグカフ42は、いくつかの利点を有する。薄く平坦なスリーブ様形状に形成され、平坦なガスケットカフ上部表面86を有する外側レッグカフ42のガスケットカフ70は、着用者の皮膚と表面86との間に有効なガスケットの密閉を提供する。ガスケットカフ70は、少なくとも二回折り畳まれることによって一定の剛性を備えるが、尚も、着用者の皮膚には優しく、柔らかい。それ故に、着用者の皮膚と表面86との間の密閉効果が増大する。更に、一定の剛性を有するガスケットカフ70は、ガスケットカフ70の外側長手方向縁部84が、おむつ20の長手方向中心線Lに向かって横方向内向きに裏返るのを防ぐか又は少なくとも低減する。それ故に、ユーザ又は着用者は、着用者がおむつ20を着用するときにガスケットカフが裏返らないか、及び/又はガスケットカフ70が適切に着用者に適合するかを確認するために多くの注意を払う必要がない。本発明のガスケットカフ70は、遠位フラップ76を、おむつ20の長手方向中心線Lに向かって横方向内向きに少なくとも二回折り畳むことによって形成される、外側長手方向縁部84と内側長手方向縁部82とを有する。これは、ガスケットカフ70を形成するために経費のかからない単純な操作を提供するのみならず、切断し又は切り取った側面縁部と共に形成される、劣った外観を与える露出した外側縁部を有する従来の外側レッグカフと比較して、ぴったり合った外観を有するガスケットカフ70も提供する。ガスケットカフ70が不織布材料を含む場合、ガスケットカフに柔らかい布様の外観も提供する。
【0029】
耳パネル48が、シャーシ54の長手方向側縁部56に隣接して提供されて、吸収性コア34から横方向外向きに延びる。サイドフラップ44の遠位フラップ76を折り畳むことによって外側レッグカフ42のガスケットカフ70が形成される前に、耳パネル48が、シャーシ54に接合されてもよい。しかし、外側レッグカフ42を形成する前に耳パネル48がシャーシ54に接合されるとき、遠位フラップ76を折り畳む操作は、遠位フラップ76を折り畳む操作が、遠位フラップ76と共に耳パネル48を折り畳まないことを確認するために、複雑な操作を必要とする。それ故に、耳パネル48は、外側レッグカフ42が形成された後、シャーシ54に接合されるのが好ましい。換言すれば、ガスケットカフ70は、好ましくは耳パネル48とガスケットカフ70とが、バックシート、トップシート、及び/又はバリアレッグカフなど、シャーシ54を構成する要素を通して互いに接合される前に、遠位フラップ76を折り畳むことによって形成される。耳パネル48は、遠位フラップ76を折り畳んでガスケットカフ70を形成する際の障害物ではないので、これによって、遠位フラップ76を折り畳む容易で単純な操作が可能になる。それ故に、外側レッグカフ42を有するシャーシ54が最初に組立てられ、次に、図13に示されるように耳パネル48がシャーシ54に接合されるのが好ましい。
【0030】
図1〜図3に示される実施形態は、おむつの閉鎖を形成するための固着テープ39を有する、いわゆるテープ付きおむつである。あるいは、前側腰部領域と後側腰部領域との両領域において、一対の耳パネルがシャーシに接合されてもよい。前側腰部領域と後側腰部領域とにおける耳パネルの長手方向側縁部は、おむつが、一つの腰部開口部と二つの脚部開口部とを有する、いわゆるプルオンおむつを形成するように、継ぎ目によって接合されてもよい。
【0031】
おむつなどの吸収性物品は典型的に、使用前には折り畳まれて、その嵩を低減し、塑性体バッグ又はカートンボックスなど、パッケージ内に包装される。おむつの嵩を低減するために、おむつの一部分は、長手方向中心線に向かって内向きに、長手方向側に沿って折り畳まれてもよい。おむつは、横方向に沿って更に折り畳まれてもよい。
【0032】
おむつ20は、使用前には折り畳まれる。図14及び図15に示されるように、ガスケットカフ70の上部表面86が上を向くよう、弾性外側レッグカフ42は、横方向内向きに第一折り畳み線150に沿っておむつ20の内側表面26上へ折り畳まれ、横方向外向きに第二折り畳み線152に沿って折り返される。これによって、パッケージ内におむつ20を包装するために、おむつ20の横方向の寸法が低減される。第一折り畳み線150は、近位フラップ74上に、好ましくは吸収性コア34の長手方向側縁部154に隣接して配置される。第一折り畳み線150は、長手方向側縁部154にできるだけ接近して配置されて、おむつ20の横方向の寸法を有効に低減することが好ましい。第一折り畳み線150は吸収性コア34上に配置され得るが、第一折り畳み線150は吸収性コア34上よりも近位フラップ74上に配置されるのが好ましい。これは、近位フラップ74が、吸収性コア34より可撓性があり、吸収性コア34よりも容易に折り畳まれるからである。第一折り畳み線150と接合部72との間に、好ましくは接合部72に隣接して、第二折り畳み線152が配置される。弾性外側レッグカフ42の折り畳まれた形体では、左右のガスケットカフ70の内側長手方向縁部82は重ならないのが好ましい。あるいは、左右のガスケットカフ70の内側長手方向縁部82は重なってもよい。ガスケットカフの外側長手方向縁部84は、第一折り畳み線150の横方向内側に配置される。
【0033】
ガスケットカフ70の上部表面86が上を向くよう、弾性外側レッグカフ42を折り畳むことが重要である。ガスケットカフ上部表面86は、使用前、おむつ20の折り畳まれた形体で上を向いて維持されるので、同表面86は、おむつ20が使用のために広げられた後でも上を向き、図2に示される形体を容易に取る傾向がある。しかし、図16に示されるように、弾性外側レッグカフ42が折り畳まれて、ガスケットカフ上部表面86が下(すなわち、トップシート30の方)を向く場合、ガスケットカフ70は、図2に示される形体を容易には取らない。その結果、ガスケットカフ70は、期待されるように働かない。
【0034】
図14及び図15に示されるように、弾性外側レッグカフ42を折り畳んだ後、おむつ20は、横方向に沿って、好ましくは横方向中心線Tに沿って、折り畳まれてもよい。あるいは、おむつ20は、二本以上の折り畳み線で、横方向に沿って折り畳まれてもよい。これによりまた、包装するための、おむつ20の長手方向の寸法も低減させる。
【0035】
本発明の特定の実施形態を説明し記載したが、本発明の趣旨から逸脱することなく、様々な他の変更及び修正が可能であることは、当業者に明らかである。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を添付の特許請求の範囲で扱うものとする。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の一実施形態のおむつの斜視図。
【図2】図1の線II〜IIに沿った横断面図。
【図3】広げた形体での、図1のおむつの平面図。
【図4】サイドフラップの第一の他の実施形態。
【図5】サイドフラップの第二の他の実施形態。
【図6】サイドフラップの第三の他の実施形態。
【図7】弾性外側レッグカフを形成する第一工程を示す平面図。
【図8】図7の線VIII〜VIIIに沿った横断面図。
【図9】弾性外側レッグカフを形成する第二工程を示す平面図。
【図10】図9の線X〜Xに沿った横断面図。
【図11】弾性外側レッグカフを形成する第三工程を示す平面図。
【図12】図11の線XII〜XIIに沿った横断面図。
【図13】広げた形体での、耳パネルを有するおむつの平面図。
【図14】弾性外側レッグカフが折り畳まれる、図1のおむつの斜視図。
【図15】図14の線XV〜XVに沿った横断面図。
【図16】弾性レッグカフの異なる折り畳み形体を示すための、図15に対応する横断面図。
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾性外側レッグカフを有する使い捨て吸収性物品に関する。より具体的には、本発明は、基部と、基部により支持され、吸収性物品の使用の前には折り畳まれるガスケットカフとを有する弾性外側レッグカフを備える使い捨て吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
弾性外側レッグカフを備える使い捨て吸収性物品は周知である。弾性外側レッグカフを形成する多くの方法がある。最も一般的な方法は、連続するトップシートと、吸収性コアの縁部を超えて延びるバックシートとに囲まれる弾性部材から、弾性外側レッグカフを形成することである。これらの弾性外側レッグカフは、ガスケットカフの機能を着用者の脚の周りに提供して、脚の周りの密閉を維持し、すき間を最小化する。漏れを最小化するために、弾性外側レッグカフを更に改善する多くの試みが行われてきた。
【0003】
日本公開特許特開平04−12751(Japanese Patent Laid-open publication H04-12751)(1992年1月17日発行)は、吸収性コアの長手方向側縁部から横方向外向きに延びる可撓性サイドフラップと、同サイドフラップ上に配置された弾性材料とを備える吸収性物品を開示している。サイドフラップは、吸収性コアの長手方向側縁部と、弾性材料の内側縁部との間の部分で、吸収性コアに向かって内向きに折り畳まれて、第一折り畳み部分を形成し、第一折り畳み部分と、弾性材料の内側縁部との間の部分で横方向に外向きに折り畳まれて、第二折り畳み部分を形成する。第二折り畳み部分は、股領域で第一折り畳み部分に接合される。第二折り畳み部分が、股領域における密閉を提供し、第一折り畳み部分と第二折り畳み部分とによって形成されたポケットが体の排出物を収容することが示されている。欧州特許0346477(European Patent publication 0 346 477)(1989年12月20日発行)は、漏れを防ぐために、股領域において対向する側面上に配置された手段を備える使い捨ておむつを開示している。同手段は、可撓性フラップ及び一以上の弾性部分を備える。フラップは、T字状のカフを提供するために、おむつから上に延びる支持セクションと、支持セクションから内向きに延びる内側ウイング(羽根)セクションと、支持セクションから外向きに延びる外側ウイングセクションとを備える。
【0004】
しかし、これらの公報は、吸収性物品を使用する前に略T字状の外側レッグカフを有する吸収性物品を折り畳むことに関する問題を扱っておらず、吸収性物品を広げて使用するときに、略T字状の外側レッグカフが期待どおりに働くことを確実にする解法を何も提供していない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述のことに基づいて、基部と、基部によって支持されるガスケットカフとを備える弾性外側レッグカフが、吸収性物品を広げた後、期待されるように働くことを確実にするための解法を提供する必要性がある。既存の吸収性物品には、本発明の利点と利益の全てを提供するものはない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、使い捨て吸収性物品に関する。使い捨て吸収性物品は、長手方向中心線と、横方向中心線と、外側表面と、内側表面とを備える。吸収性物品は、使用前には横方向に沿って折り畳まれる。使い捨て吸収性物品は、液体透過性トップシートと、液体不透過性バックシートと、トップシートとバックシートとの間に設けられた吸収性コアと、弾性外側レッグカフとを備える。弾性外側レッグカフは、吸収性物品の長手方向側縁部に隣接して配置される。弾性外側レッグカフは、基部と、ガスケットカフと基部との接合部で基部によって支持されるガスケットカフとを有する。ガスケットカフは、弾性を備え、ガスケットカフ上部表面、接合部から横方向内向きに延びる内側カフと、接合部から横方向外向きに延びる外側カフとを有する。吸収性物品の使用前は、ガスケットカフ上部表面が上を向くよう、弾性外側レッグカフは横方向内向きに吸収性物品の内側表面上へ折り畳まれる。
【0007】
すべての引用される文書は、関連部分において、参考として本明細書に組み込まれるが、いずれの文書の引用も、それが本発明に関して先行技術であるという承認として解釈されるべきではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本明細書は、本発明を特定して指摘し明白に請求する特許請求の範囲にて結論とするが、次の好ましい実施形態の説明を添付図面と関連して読むことにより、本発明を更に良く理解できると考えられる。
【0009】
本明細書で使用するとき、用語「含む」とは、最終結果に影響しない他の工程及び他の成分も加え得ることを意味する。この用語には、「からなる」及び「から本質的になる」という用語が包含される。
【0010】
本明細書で使用するとき、用語「吸収性物品」とは、身体排出物を吸収し収容するデバイスを指し、更に具体的には、着用者の身体に押し付けて又は近接して配置されて、身体から排出される種々の排出物を吸収して収容するデバイスを指す。本明細書において、用語「使い捨て可能な」とは、洗濯、又は吸収性物品として修復若しくは再使用することを通常意図しない(すなわち、その物品を、一回の使用後に廃棄するか、好ましくは、リサイクルするか、堆肥化するか、又はそうでなければ環境に適応した方法で処分することを意図する)吸収性物品を説明するのに使用される。本明細書で使用するとき、用語「配置された」とは、おむつの(一つ又は複数の)要素が、おむつの他の要素と共に一体の構造物として、又はおむつの他の要素へ接合される別個の要素として、特定の場所又は位置に形成される(接合され位置付けられる)ことを意味するのに使用する。本明細書で使用するとき、用語「接合した」とは、ある要素を他の要素に直接固着することによりその要素に直接固定する構成と、ある要素を中間部材に固着して、その中間部材を他の要素に固着することにより他の要素に間接的に固定する構成とを包含する。本明細書で使用するとき、用語「おむつ」とは、一般に乳幼児及び失禁者により胴体下部の周囲で着用される吸収性物品を指す。本発明はまた、失禁用パンツ、失禁用下着、吸収性挿入物品、おむつホルダー及びライナー、女性用衛生衣類などといったその他の吸収性物品にも適用可能である。本明細書で使用するとき、用語「長手方向」とは、吸収性物品を着用したときに、起立した着用者の体を左半分と右半分に二等分する垂直面とおおむね並び合う(例えば、ほとんど並行する)吸収性物品の平面における線、軸線又は方向を指す。本明細書で使用するとき、用語「横断方向」又は「横方向」とは、互換可能であり、長手方向におおむね垂直に交わる吸収性物品の平面における線、軸線又は方向を指す。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態であるおむつ20の斜視図である。図1の線II〜IIに沿って取った横断面図を示す図2、並びに図1のおむつ20の広げた形体における平面図を示す図3に関し、おむつ20は、着用者に面する内側表面26、対向する外側表面28、長手方向中心線L、及び横方向中心線Tを有する。おむつ20はまた、おむつのほぼ長手方向に通る長手方向側縁部22と、おむつ20のほぼ横方向に、長手方向側縁部22間に通る横方向末端縁部24も有する。おむつ20の周囲は、長手方向側縁部22と横方向末端縁部24とによって画定される。おむつ20は、前側腰部領域36と、後側腰部領域38と、前側腰部領域36と後側腰部領域38との間に配置された股部領域40とを更に有する。
【0012】
おむつ20は、シャーシ54と、シャーシ54に接合した耳パネル48とを備える。シャーシ54は、図3に示されるような広げた形体において、ほぼ四角い形状を有する。シャーシ54は、横方向末端縁部58と長手方向側縁部56とを有する。シャーシ54の横方向末端縁部58は、好ましくはおむつ20の横方向末端縁部24を画定する。シャーシ54の長手方向側縁部56は、好ましくは少なくとも股部領域40においておむつ20の長手方向側縁部22を画定する。シャーシ54は、液体透過性トップシート30と;液体不透過性バックシート32と;好ましくはトップシート30とバックシート32との少なくとも一部分の間に設けられた、吸収性コア34と;吸収性コア34から横方向外向きに延びるサイドフラップ44とを備える。サイドフラップ44は、近位フラップ74と遠位フラップ76とを有する。シャーシ54は、股部領域40において長手方向側縁部22に隣接して配置された弾性外側レッグカフ42を更に備える。弾性外側レッグカフ42は、基部68と、基部68とガスケットカフ70との接合部72で基部68によって支持されるガスケットカフ70とを有する。ガスケットカフ70は、弾性材料46を備え、接合部72から横方向内向きに延びる内側カフ100と、接合部72から横方向外向きに延びる外側カフ102とを備える。図1に示されるシャーシ54はまた、バリアレッグカフ52と弾性的ウエスト機構(図示せず)とを備えてもよい。耳パネル48は、接着剤、又は熱及び圧力による取り付けなど、あらゆる既知の手段によって、シャーシ54の長手方向側縁部56に隣接して接合され、トップシート、バックシート、吸収性コア、弾性外側レッグカフ、バリアレッグカフ、又はこれらの組み合わせなど、シャーシ54を構成する要素に接合されて、その結果、耳パネル48は、吸収性コア34から横方向外向きに延びる。図1に示される実施形態では、耳パネル48は、熱及び圧力による取り付けによってバックシート32に接合される。固着テープ39などの閉鎖部材が耳パネル48の長手方向側縁部に提供される。
【0013】
液体透過性トップシート30は、好ましくは吸収性コア34の身体面表面に隣接して配置され、当該技術分野において既知のいずれかの取り付け手段によって、吸収性コア34に及び/又はバックシート32に接合されてもよい。トップシート30は、好ましくは弾性があり、柔らかい感触であり、着用者の皮膚に刺激がない。更に、トップシート30の少なくとも一部分は液体透過性であって、液体はその厚さを容易に透過することができる。好適なトップシート30は、多孔質発泡体;網状発泡体;孔あきプラスチックフィルム;あるいは天然繊維(例:木質繊維又は綿繊維)、合成繊維(例:ポリエステル繊維又はポリプロピレン繊維)、若しくは天然繊維と合成繊維との組み合わせの織布ウェブ又は不織布ウェブなど、広範囲の材料から製造されてもよい。好ましくは、トップシート30は、着用者の皮膚を吸収性コア34に収容された液体から分離するために、疎水性材料から作製されるか、又は疎水性であるように処理される。トップシート30が疎水性材料から作製される場合、好ましくはトップシート30の少なくとも上面は、親水性であるように処理されて、液体は、トップシートをより迅速に移動する。
【0014】
液体不透過性バックシート32は、一般に吸収性コア34の衣類に面する表面に隣接して配置されるおむつ20の部分である。バックシート32は、中に吸収され及び収容される排出物が、ベッドシーツ及び下着など、おむつ20に接触することがある物品を汚すのを防ぐ。好ましい実施形態では、バックシート32は、液体(例:尿)に対して不透過性であり、約0.012mm(0.5ミル)〜約0.051mm(2.0ミル)の厚さを有する熱可塑性フィルムなどの薄いプラスチックフィルムを備える。好適なバックシートフィルムとしては、インディアナ州テレホート(Terre Haute,IN)のトレドガーインダストリーズ社(Tredegar Industries Inc.)により製造され、X15306、X10962、及びX10964の商品名で販売されるものが挙げられる。他の好適なバックシート材料には、おむつ20から蒸気を逃がす一方、排出物がバックシート32を透過するのを防ぐ通気性材料が挙げられてもよい。代表的な通気性材料としては、織布ウェブ、不織布ウェブ、フィルム被覆不織布ウェブのような複合材料、及びESPOIR NOの名称で日本の三井東圧株式会社(Mitsui Toatsu Co.)により、またEXXAIREの名称でテキサス州ベイシティー(Bay City,TX)のエクソンケミカル社(EXXON Chemical Co.)により製造されるような微小多孔性フィルムなどがある。ポリマーブレンドを含む好適な通気性複合材料が、HYTRELブレンドP18−3097の名称でオハイオ州シンシナティ(Cincinnati,OH)のクロペイ社(Clopay Corporation)から入手可能である。
【0015】
吸収性コア34は、ほぼ圧縮可能、快適、着用者の皮膚に刺激がない、並びに尿及び他の体の排出物などの液体を吸収及び保持し得るいかなる吸収性材料を備えてもよい。吸収性コア34は、長手方向側縁部及び末端縁部を有し、多種多様の寸法及び形状(例:四角形、砂時計形、「T」字状、非対称など)で製造可能であり、一般にエアフェルトと呼ばれる粉砕木材パルプなど、使い捨ておむつ及び他の吸収性物品において一般に使用される、多種多様の液体吸収性材料を含んでもよい。その他の好適な吸収性材料の例としては、縮みセルロース詰め物(creped cellulose wadding);コフォームを含むメルトブローポリマー;化学的に剛化、変性又は架橋されたセルロース繊維;ティッシュラップとティッシュラミネートとを含むティッシュ;吸収性フォーム;吸収性スポンジ;超吸収性ポリマー;吸収性ゲル材料;又は他のあらゆる既知の吸収性材料若しくはこれらの材料の組み合わせが挙げられる。いずれにしても、コアの全体又は一部分がコアに引き延ばされるとき、糞便物質が流れ込むことがある開口部を形成させるスリットを含んでもよい。吸収性コア34の形体及び構成をまた、変更してもよい(例えば、吸収性コア又は他の吸収性構造体は、様々なキャリパーゾーン、親水性勾配、超吸収性勾配、又は低平均密度、及び低平均坪量獲得領域を有してもよく;又は一以上の層若しくは構造体を備えてもよい)。しかし、吸収性コア34の全吸収能力は、設計負荷、おむつ20の意図される用途に適合性があるべきである。
【0016】
バリアレッグカフ52は、シャーシ54の長手方向側縁部56に隣接して接合される。図2に示される実施形態では、バリアレッグカフ52は、いずれかの既知の手段によって、バリアレッグカフ52の近位縁66でトップシート30上に接合される。あるいは、バリアレッグカフ52は、トップシート30に接合されずに、バックシート32に接合されてもよい。バリアレッグカフ52は、液体不透過性及び/又は疎水性であってもよい不織布材料など、あらゆる既知の材料を含んでもよい。バリアレッグカフ52は、近位縁66から横方向内向きに延び、横方向内側部分62の遠位縁で弾性材料を備える横方向内側部分62を有し、トップシート30から上向きに横方向内側部分62との間の間隔をあけて、体の排出物の漏れへのバリアとして役立つ。バリアレッグカフ52はまた、近位縁66から横方向外向きに延び、図2に示される実施形態におけるトップシート30の横方向の伸長上とバックシート32の横方向の伸長上とに接合した横方向外側部分60も有する。図2に示される横方向外側部分60は、トップシート30の長手方向側縁部31とバックシート34の長手方向側縁部33との両方を超えて、更に横方向外向きに延びる。
【0017】
図1、図2、及び図3に示されるサイドフラップ44は、図2に示される実施形態において、吸収性コア34から横方向外向きに延びるために、シャーシ54の長手方向側縁部56に隣接して配置される。サイドフラップ44は、好ましくは液体不透過性及び/又は疎水性である材料で形成される。サイドフラップ44は、吸収性コア34に横方向に最も近い近位フラップ74と、近位フラップ74から横方向外向きに延びる遠位フラップ76とを有する。近位フラップ74と遠位フラップ76とは、一体式材料によって形成されてもよく、又は別の方法としては、互いに接合される別個の材料によって形成されてもよい。サイドフラップ44は、単層の材料、又は二層以上の材料によって形成されてもよい。図2に示される実施形態では、近位縁66に最も近い近位フラップ74の部分は、トップシート30の横方向の伸長と、バックシート32の横方向の伸長と、横方向外側部分60とによって形成される。近位フラップ74の横方向外側の一部分は、バックシート32の横方向の伸長とバリアレッグカフ52の横方向外側部分60とによって形成される。液体不透過性バックシート32が近位フラップ74内まで延びるので、この構成は、近位フラップ74を液体不透過性にする。この実施形態では、遠位フラップ76は、バリアレッグカフ52の横方向外側部分60のみによって形成される。二層以上を備えるサイドフラップの一部分は、接着剤など、いずれかの既知の手段によって、その層の同一の広がりを持つ領域全体で接合されることが好ましい。これによって、バックシート34の長手方向側縁部33をバリアレッグカフ52の横方向外側部分60から分離させず、おむつのぴったり合った外側縁部を提供するのに役立つ。
【0018】
サイドフラップを形成するための多くの変化形が可能である。図2に示される実施形態では、近位フラップ74は、バックシート32の横方向の伸長なしに、バリアレッグカフ52の横方向の外側部分60のみによって形成されてもよい。バリアレッグカフ52が疎水性及び/又は液体不透過性材料によって形成されるとき、近位フラップ74は、その中に延びるバックシート32がなくても、充分な液体不透過性を有することがある。この設計によってはまた、近位フラップ74は通気性が高くなり、嵩高でなくなる。図2に示される実施形態では、トップシート30は、近位フラップ74内まで延び、バックシート32と同程度まで延びてもよい。
【0019】
図4、図5、及び図6に示されるのは、サイドフラップ44の別の実施形態である。図4に示される実施形態では、バリアレッグカフは省かれる。その代わり、サイドフラップシート240が、トップシート230の横方向の伸長と、バックシート232の横方向の伸長とに接合されて、サイドフラップ244を形成する。吸収性コア234に最も近い近位フラップ274の一部分は、トップシート230の横方向の伸長と、バックシート232の横方向の伸長と、サイドフラップシート240とによって形成される。近位フラップ274の外側の一部分は、バックシート232とサイドフラップシート240との横方向の伸長によって形成される。この実施形態では、遠位フラップ276は、サイドフラップシート240のみによって形成される。遠位フラップ276を形成するサイドフラップシート240の少なくとも一部分又はサイドフラップシート240全体は、好ましくは疎水性及び/又は液体不透過性である。図5に示される実施形態では、トップシート330の横方向の伸長は、近位フラップ374及び遠位フラップ376内まで延びて、サイドフラップ344を形成する。吸収性コア334に最も近い近位フラップ374の一部分は、トップシート330の横方向の伸長と、バックシート332の横方向の伸長と、バリアレッグカフ352の横方向外側部分360によって形成される。近位フラップ374の外側の部分は、バックシート332の横方向の伸長と、トップシート330の横方向の伸長とによって形成される。この実施形態では、遠位フラップ376は、トップシート330の横方向の伸長のみによって形成される。遠位フラップ376を形成するトップシート330の少なくとも一部分は、好ましくは疎水性及び/又は液体不透過性にされる。図6に示される実施形態では、バックシート432は、液体不透過性バックシートフィルム425を覆う外側不織布424を備える。外側不織布424は、近位フラップ474及び遠位フラップ476内まで延びて、サイドフラップ444を形成する。吸収性コア434に最も近い近位フラップ474の部分は、トップシート430の横方向の伸長と、バックシートフィルム425の横方向の伸長と、バリアレッグカフ452の横方向外側部分460と、外側不織布424とによって形成される。近位フラップ474の外側の一部分は、バックシート432の横方向の伸長と外側不織布424とによって形成される。この実施形態では、遠位フラップ476は、外側不織布424のみによって形成される。遠位フラップ476を形成する外側不織布424の少なくとも一部分又は外側不織布424の全体は、好ましくは疎水性及び/又は液体不透過性にされる。
【0020】
サイドフラップの更なる別の実施形態が可能である。例えば、サイドフラップは、シャーシ54に接合した他のいかなる材料を備えてもよく、又はトップシートの伸長、バックシートンの伸長、バリアレッグカフの伸長、及び/又は他の材料のいかなる組み合わせを備えてもよい。図4、図5、及び図6に示される遠位フラップは、遠位フラップ内まで延びる一層のみの材料で形成されるが、遠位フラップ内まで延びる二以上の層を備えてもよい。本明細書において次に説明されるように、遠位フラップは、その一部分が着用者の皮膚に触れる弾性外側レッグカフを形成するために使用される。それ故に、着用者の皮膚に触れる遠位フラップの表面は、不織布又は織布などの弾力的な、可撓性のある、及び柔らかい材料を備えることが好ましい。
【0021】
図1、図2、及び図3に示される弾性外側レッグカフ42は、サイドフラップ44と弾性材料46とを備える。外側レッグカフ42は、基部68と、基部68とガスケットカフ70との接合部72で、基部68によって支持されるガスケットカフ70とを有する略T字状のカフである。用語「略T字状」とは、基部が、ガスケットカフの内側カフと外側カフとの間の接合部でガスケットカフから枝分かれして、おむつがゆるんだ形体であるとき、基部が、横断面図において、内側カフとある角度を形成し、外側カフとある角度を形成することを意味する。それ故に、基部は、内側カフ及び外側カフと90°の角度を形成してもよく、又は90°以外の角度を形成してもよい。基部68は、近位フラップ74を備え、吸収性コア34の長手方向側縁部と、接合部72との間で延びる。ガスケットカフ70は、遠位フラップ76を備え、基部68の頂部上に配置される。
【0022】
ガスケットカフ70は、図2に示されるように、接合部72から横方向内向きに延びる内側カフ100と、接合部72から横方向外向きに延びる外側カフ102とを有する。ガスケットカフ70は、おむつ20の長手方向中心線Lに向かって横方向内向きに第一折り畳み線78と第二折り畳み線80とに沿って少なくとも二回折り畳まれる、サイドフラップ44の遠位フラップ76を有して形成され、内側長手方向縁部82と、外側長手方向縁部84と、ガスケットカフ上部表面86と、対向する表面88とを有する、横断面において薄く平坦なスリーブ様形状に形成される。ガスケットカフ上部表面86は、図2に示されるような断面図において、ほぼ平坦な表面を有するが、図1に示されるような弾性材料46によって作られるギャザーによって形成される、長手方向におけるある程度の起伏を有してもよい。ガスケットカフ70は、円形、楕円形、U字形、又はV字形など、異なる横断面に形成されてもよいが、薄く平坦な形状が好ましい。図に示される実施形態では、第一折り畳み線78と第二折り畳み線80とはそれぞれ、ガスケットカフ70の内側長手方向縁部82と外側長手方向縁部84とに一致する。ガスケットカフ70の対向する表面88は、接着剤などいずれかの既知の手段によって、内側カフ100と外側カフ102との間に位置する接合部72で、好ましくは内側カフ100と外側カフ102との中間で、基部68に接合される。ガスケットカフ70は、複数の弾性ストランドと、単一の弾性ベルトなどの弾性材料46とを備える。弾性材料46は、ガスケットカフ70の薄いスリーブ様空間内に入れられ、その内側表面に接合される。図2に示される実施形態では、弾性材料46は、四本の弾性ストランドを含む。二本の弾性ストランドは、内側長手方向縁部82と外側長手方向縁部84とに沿って配置され、他の二本の弾性ストランドは、接合部72に隣接して、好ましくは接合部72の横方向に対向する側に配置される。あるいは、弾性ストランド46は、二本以上の弾性ストランドを備えてもよく、又は内側長手方向縁部82と外側長手方向縁部84との間で延びる幅を有する単一の弾性ベルトを備えてもよい。弾性材料46はほぼ股部領域40において延び、弾性材料46は、ガスケットカフ70に弾性を提供し、図1に示されるようにおむつ20がゆるむとき、ガスケットカフ70にギャザーを提供する。弾性材料46はまた、図2に示されるように、基部68を吸収性コア34からほぼ上向きに立てる力も提供する。故に、外側レッグカフ42がゆるんだ形体であるとき、基部68とガスケットカフ70との組み合わせは、略T字状のカフを提供する。この組み合わせはまた、内側カフ100の対向する表面88と、基部68の内側表面との間に溝90を提供して、体の排出物を収容する特性を増大する。内側カフ100は、体の排出物がガスケットカフ70から溢れ出るのを防ぐための有効なバリアとして働く。
【0023】
ガスケットカフ70が使用中に着用者の皮膚に触れるとき、ガスケットカフ70は、好ましくは横方向の幅を有し、体の排出物の漏れに対して良好な密閉効果を提供する。広いガスケットカフ70は、良好な密閉効果のための広い皮膚接触領域を有効に提供する。しかし、そのような広いガスケットカフは、広い皮膚接触領域のために、着用者に不快感を引き起こすことがある。それ故に、ガスケットカフ70は、おむつ20の股部領域40で横方向中心線Tに沿って、約3mm〜約50mm、好ましくは約5mm〜約30mm、より好ましくは約10mm〜約20mmの横方向の幅を有してもよい。横方向の幅は、ガスケットカフ70の内側長手方向縁部82と外側長手方向縁部84との間の幅として測定され得る。ガスケットカフ70は、その長手方向の長さの端から端まで同じ横方向の幅を有してもよい。しかし、ガスケットカフ70の横方向の幅は、ガスケットカフ70の長手方向の長さに沿って変化してもよい。例えば、ガスケットカフ70は、前側腰部領域36及び/又は後側腰部領域38での横方向の幅より大きい、股部領域40での横方向の幅を有してもよい。
【0024】
図2に示されるように、基部68が吸収性コア34から上向きに立つとき、基部68は、好ましくは横方向の幅を有し、良好な収容特性を提供する。基部68は、おむつ20の股部領域40で横方向中心線Tに沿って、約10mm〜約100mm、好ましくは約20mm〜約80mm、より好ましくは約30mm〜約70mmの横方向の幅を有してもよい。横方向の幅は、接合部72と、吸収性コア34の長手方向側縁部との間の幅として測定され得る。基部68は、その長手方向の長さの端から端まで同じ横方向の幅を有してもよい。しかし、基部68の横方向の幅は、基部68の長手方向の長さに沿って変化してもよい。例えば、基部68は、前側腰部領域36及び/又は後側腰部領域38での横方向の幅より大きい、股部領域49での横方向の幅を有してもよい。
【0025】
図7〜図12は、サイドフラップ44及び弾性材料46から、図1、図2、及び図3の弾性外側レッグカフ42を形成するためのプロセスを示している。図7及び図8に示される実施形態では、外側レッグカフ42を形成する前に、トップシート30と、バックシート32と、バリアレッグカフ52とを接合することによって、サイドフラップ44は予め組立てられる。図8に示される実施形態において、サイドフラップ44は、近位フラップ74と、接合部72の点によって実質的に分離する遠位フラップ76とを有する。サイドフラップ44は、第一表面43と第二表面45とを有する。遠位フラップ76は、第一フラップ部分(第一折り畳まれた部分)73と、第二フラップ部分(第二折り畳まれた部分)75と、第三フラップ部分77とを有する。第一フラップ部分73及び第二フラップ部分75は、図7において想像線によって示される第一折り畳み線78によって分けられる。第二フラップ部分75及び第三フラップ部分77は、図7において想像線によって示される第二折り畳み線80によって分けられる。図7及び図8において示される実施形態では、四本の弾性ストランドを備える弾性材料46は、引き延ばされて、遠位フラップ76の第二フラップ部分75の第一表面43上に配置される。次に、弾性ストランド46は、接着剤などいずれかの既知の手段によって、そこに接合される。弾性ストランド46は、股部領域40において第一折り畳み線78と第二折り畳み線80との間の領域において延びる。弾性ストランド46は、前側腰部領域36及び/又は後側腰部領域38内まで延びてもよい。第一フラップ部分73が本明細書において次に説明されるように折り畳まれるとき、第一フラップ部分73は、四本の弾性ストランド46を覆う横方向の幅を有し、第二フラップ部分75とほぼ同じ横方向の幅を有する。第三フラップ部分77は、第二フラップ部分75の横方向の幅のほぼ半分の幅である。第一フラップ部分73が第二フラップ部分75上に折り畳まれるとき、第一カフ形成接着剤116が提供されて、第一フラップ部分73を、横方向末端縁部24に隣接する第二フラップ部分75に接合する。
【0026】
次に、サイドフラップ44の遠位フラップ76が、図9及び図10に示されるように、おむつ20の長手方向中心線Lに向かって横方向内向きに、最も外側の弾性ストランド47に隣接する第一折り畳み線78に沿って一回折り畳まれる。遠位フラップ76の第一フラップ部分73は、おむつ20の内側表面26の側に向かって折り畳まれる。遠位フラップ76は、第一折り畳み部分(第一フラップ部分)73と、第二フラップ部分75との間に四本の弾性ストランド46を挟む。弾性ストランド46が挟まれるとき、弾性ストランド46は、好ましくは第一折り畳み部分73の第一表面43と第二フラップ部分75とに接合される。接合接着剤92が第一折り畳み部分73の第二表面45上に提供されて、ガスケットカフ70と基部68との間の接合部72を形成する。接合接着剤92は、ガスケットカフ70が図2に示されるように組立てられる形体で、第一折り畳み線78と第二折り畳み線80との間で、好ましくはそれらの中間で、連続するまっすぐな線として配置されて、ガスケットカフ70と基部68とは、略T字状のカフを形成する。換言すれば、接合接着剤92は、第一折り畳み線78と、遠位フラップ76の長手方向側縁部94との中間に提供される。図9に示される実施形態では、接合接着剤92は、シャーシ54の横方向末端縁部58間で長手方向に連続して延びる。ガスケットカフ70と基部68とが略T字状のカフを形成する限り、接合接着剤は、波線若しくは点線など、いかなる形状を取ってもよく、又はいかなる位置をとってもよい。図9及び図10に示される実施形態では、接合接着剤92は、第一折り畳み線78と、遠位フラップ76の長手方向側縁部94との間の中間のみに提供される一方、接合接着剤92は、図9及び図10に示される接合接着剤92の位置と、遠位フラップ76の長手方向側縁部94との間に提供されてもよい。接合接着剤92は、遠位フラップ76が図9及び図10に示されるような形体に折り畳まれる前又は後に、第一折り畳み部分73上に提供されてもよい。あるいは、接合接着剤92は、図10において参照番号193によって示されるような、接合部72に一致するサイドフラップ44の位置上に提供されてもよい。第一フラップ部分73が、第三フラップ部分77とその内側部分とに接合されるとき、第二カフ形成接着剤118が提供されて、第一フラップ部分73を、第三フラップ部分77と、横方向末端縁部24に隣接するその内側部分とに接合する。
【0027】
図11及び図12に示されるように、第一フラップ部分73及び第二フラップ部分75によって挟まれる四本の弾性ストランド46を有する遠位フラップ76は、次に、おむつ20の長手方向中心線Lに向かって横方向内向きに、最も内側の弾性ストランド49に隣接する第二折り畳み線80に沿って、再度折り畳まれる。遠位フラップ76は、おむつ20の内側表面26の側に向かって折り畳まれる。遠位フラップ76は、第一折り畳まれた部分73と、第二折り畳まれた部分75と、第一折り畳み線78と、第二折り畳み線80とによって四本の弾性ストランド46を囲む。第一折り畳み線78及び第二折り畳み線80はそれぞれ、ガスケットカフ70の内側長手方向縁部82及び外側長手方向縁部84と一致する。図12に示される実施形態では、第一の折り畳まれた部分73は、横方向の幅を有するので、遠位フラップ76の長手方向側縁部94は、ガスケットカフ70の内側に隠れる。接合接着剤92は、ガスケットカフ70と基部68との間で接合部72を形成して、それにより、内側カフ100と外側カフ102とが形成される。更に、同接着剤は、ガスケットカフ70と基部68とを形成し、それらが外側レッグカフ42を構成する。外側レッグカフ42は、シャーシ54の長手方向側縁部56に沿って提供される。ガスケットカフ70の外側長手方向縁部84は、シャーシ54の長手方向側縁部56を画定する。外側レッグカフ42がゆるんだ形体であるとき、外側レッグカフ42は、薄く平坦な形状のガスケットカフ70と、ほぼ上向きに立つ基部68とを有する略T字状体を有する。
【0028】
このように形成された弾性外側レッグカフ42は、いくつかの利点を有する。薄く平坦なスリーブ様形状に形成され、平坦なガスケットカフ上部表面86を有する外側レッグカフ42のガスケットカフ70は、着用者の皮膚と表面86との間に有効なガスケットの密閉を提供する。ガスケットカフ70は、少なくとも二回折り畳まれることによって一定の剛性を備えるが、尚も、着用者の皮膚には優しく、柔らかい。それ故に、着用者の皮膚と表面86との間の密閉効果が増大する。更に、一定の剛性を有するガスケットカフ70は、ガスケットカフ70の外側長手方向縁部84が、おむつ20の長手方向中心線Lに向かって横方向内向きに裏返るのを防ぐか又は少なくとも低減する。それ故に、ユーザ又は着用者は、着用者がおむつ20を着用するときにガスケットカフが裏返らないか、及び/又はガスケットカフ70が適切に着用者に適合するかを確認するために多くの注意を払う必要がない。本発明のガスケットカフ70は、遠位フラップ76を、おむつ20の長手方向中心線Lに向かって横方向内向きに少なくとも二回折り畳むことによって形成される、外側長手方向縁部84と内側長手方向縁部82とを有する。これは、ガスケットカフ70を形成するために経費のかからない単純な操作を提供するのみならず、切断し又は切り取った側面縁部と共に形成される、劣った外観を与える露出した外側縁部を有する従来の外側レッグカフと比較して、ぴったり合った外観を有するガスケットカフ70も提供する。ガスケットカフ70が不織布材料を含む場合、ガスケットカフに柔らかい布様の外観も提供する。
【0029】
耳パネル48が、シャーシ54の長手方向側縁部56に隣接して提供されて、吸収性コア34から横方向外向きに延びる。サイドフラップ44の遠位フラップ76を折り畳むことによって外側レッグカフ42のガスケットカフ70が形成される前に、耳パネル48が、シャーシ54に接合されてもよい。しかし、外側レッグカフ42を形成する前に耳パネル48がシャーシ54に接合されるとき、遠位フラップ76を折り畳む操作は、遠位フラップ76を折り畳む操作が、遠位フラップ76と共に耳パネル48を折り畳まないことを確認するために、複雑な操作を必要とする。それ故に、耳パネル48は、外側レッグカフ42が形成された後、シャーシ54に接合されるのが好ましい。換言すれば、ガスケットカフ70は、好ましくは耳パネル48とガスケットカフ70とが、バックシート、トップシート、及び/又はバリアレッグカフなど、シャーシ54を構成する要素を通して互いに接合される前に、遠位フラップ76を折り畳むことによって形成される。耳パネル48は、遠位フラップ76を折り畳んでガスケットカフ70を形成する際の障害物ではないので、これによって、遠位フラップ76を折り畳む容易で単純な操作が可能になる。それ故に、外側レッグカフ42を有するシャーシ54が最初に組立てられ、次に、図13に示されるように耳パネル48がシャーシ54に接合されるのが好ましい。
【0030】
図1〜図3に示される実施形態は、おむつの閉鎖を形成するための固着テープ39を有する、いわゆるテープ付きおむつである。あるいは、前側腰部領域と後側腰部領域との両領域において、一対の耳パネルがシャーシに接合されてもよい。前側腰部領域と後側腰部領域とにおける耳パネルの長手方向側縁部は、おむつが、一つの腰部開口部と二つの脚部開口部とを有する、いわゆるプルオンおむつを形成するように、継ぎ目によって接合されてもよい。
【0031】
おむつなどの吸収性物品は典型的に、使用前には折り畳まれて、その嵩を低減し、塑性体バッグ又はカートンボックスなど、パッケージ内に包装される。おむつの嵩を低減するために、おむつの一部分は、長手方向中心線に向かって内向きに、長手方向側に沿って折り畳まれてもよい。おむつは、横方向に沿って更に折り畳まれてもよい。
【0032】
おむつ20は、使用前には折り畳まれる。図14及び図15に示されるように、ガスケットカフ70の上部表面86が上を向くよう、弾性外側レッグカフ42は、横方向内向きに第一折り畳み線150に沿っておむつ20の内側表面26上へ折り畳まれ、横方向外向きに第二折り畳み線152に沿って折り返される。これによって、パッケージ内におむつ20を包装するために、おむつ20の横方向の寸法が低減される。第一折り畳み線150は、近位フラップ74上に、好ましくは吸収性コア34の長手方向側縁部154に隣接して配置される。第一折り畳み線150は、長手方向側縁部154にできるだけ接近して配置されて、おむつ20の横方向の寸法を有効に低減することが好ましい。第一折り畳み線150は吸収性コア34上に配置され得るが、第一折り畳み線150は吸収性コア34上よりも近位フラップ74上に配置されるのが好ましい。これは、近位フラップ74が、吸収性コア34より可撓性があり、吸収性コア34よりも容易に折り畳まれるからである。第一折り畳み線150と接合部72との間に、好ましくは接合部72に隣接して、第二折り畳み線152が配置される。弾性外側レッグカフ42の折り畳まれた形体では、左右のガスケットカフ70の内側長手方向縁部82は重ならないのが好ましい。あるいは、左右のガスケットカフ70の内側長手方向縁部82は重なってもよい。ガスケットカフの外側長手方向縁部84は、第一折り畳み線150の横方向内側に配置される。
【0033】
ガスケットカフ70の上部表面86が上を向くよう、弾性外側レッグカフ42を折り畳むことが重要である。ガスケットカフ上部表面86は、使用前、おむつ20の折り畳まれた形体で上を向いて維持されるので、同表面86は、おむつ20が使用のために広げられた後でも上を向き、図2に示される形体を容易に取る傾向がある。しかし、図16に示されるように、弾性外側レッグカフ42が折り畳まれて、ガスケットカフ上部表面86が下(すなわち、トップシート30の方)を向く場合、ガスケットカフ70は、図2に示される形体を容易には取らない。その結果、ガスケットカフ70は、期待されるように働かない。
【0034】
図14及び図15に示されるように、弾性外側レッグカフ42を折り畳んだ後、おむつ20は、横方向に沿って、好ましくは横方向中心線Tに沿って、折り畳まれてもよい。あるいは、おむつ20は、二本以上の折り畳み線で、横方向に沿って折り畳まれてもよい。これによりまた、包装するための、おむつ20の長手方向の寸法も低減させる。
【0035】
本発明の特定の実施形態を説明し記載したが、本発明の趣旨から逸脱することなく、様々な他の変更及び修正が可能であることは、当業者に明らかである。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を添付の特許請求の範囲で扱うものとする。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の一実施形態のおむつの斜視図。
【図2】図1の線II〜IIに沿った横断面図。
【図3】広げた形体での、図1のおむつの平面図。
【図4】サイドフラップの第一の他の実施形態。
【図5】サイドフラップの第二の他の実施形態。
【図6】サイドフラップの第三の他の実施形態。
【図7】弾性外側レッグカフを形成する第一工程を示す平面図。
【図8】図7の線VIII〜VIIIに沿った横断面図。
【図9】弾性外側レッグカフを形成する第二工程を示す平面図。
【図10】図9の線X〜Xに沿った横断面図。
【図11】弾性外側レッグカフを形成する第三工程を示す平面図。
【図12】図11の線XII〜XIIに沿った横断面図。
【図13】広げた形体での、耳パネルを有するおむつの平面図。
【図14】弾性外側レッグカフが折り畳まれる、図1のおむつの斜視図。
【図15】図14の線XV〜XVに沿った横断面図。
【図16】弾性レッグカフの異なる折り畳み形体を示すための、図15に対応する横断面図。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向中心線と、横方向中心線と、外側表面と、内側表面とを備え、使用前には横方向に沿って折り畳まれる使い捨て吸収性物品であって、
液体透過性トップシートと、
液体不透過性バックシートと、
トップシートとバックシートとの間に設けられた吸収性コアと、
前記吸収性物品の長手方向側縁部に隣接して設けられ、弾性を有する弾性外側レッグカフであって、
基部と、
基部との接合部において基部に支持されるガスケットカフであって、ガスケットカフ上部表面と、前記接合部から横方向内向きに延びる内側カフと、前記接合部から横方向外向きに延びる外側カフと、を有するガスケットカフと、を有する弾性外側レッグカフと、
を備え、
前記吸収性物品の使用前には、前記ガスケットカフ上部表面が上を向くよう、前記弾性外側レッグカフが横方向内向きに前記吸収性物品の前記内側表面上へ折り畳まれることを特徴とする、使い捨て吸収性物品。
【請求項2】
前記吸収性物品が前記横方向に沿って更に折り畳まれる、請求項1に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項3】
前記吸収性物品が前記吸収性コアから横方向外向きに延び、近位フラップと遠位フラップとを有するサイドフラップを備え、前記基部が前記近位フラップからなり、前記ガスケットカフが前記遠位フラップからなり、前記弾性外側レッグカフが前記近位フラップ上に配置された第一折り畳み線に沿って横方向内向きに折り畳まれる、請求項1又は2に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項4】
前記吸収性コアが長手方向側縁部を有し、前記第一折り畳み線が前記吸収性コアの前記長手方向側縁部に隣接して配置されている、請求項3に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項5】
前記弾性外側レッグカフが、前記第一折り畳み線と前記接合部との間に配置された第二折り畳み線に沿って、横方向外向きに折り返される、請求項3に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項6】
前記第二折り畳み線が前記接合部に隣接して配置されている、請求項5に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項7】
前記外側カフが外側長手方向縁部を有し、前記弾性外側レッグカフが折り畳まれているとき、前記外側長手方向縁部が前記第一折り畳み線の横方向内側に配置される、請求項1に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項8】
前記弾性外側レッグカフが前記吸収性物品を構成する要素の延長部分と一体に形成される、請求項1に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項9】
前記吸収性物品を構成する前記要素の前記延長部分が、前記トップシートの延長部分、前記バックシートの延長部分、前記バックシートを覆う外側不織布の延長部分、バリアレッグカフの延長部分、又はこれらの組み合わせから選択される要素を包含する、請求項8に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項10】
前記弾性外側レッグカフが略T字状である、請求項1に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項1】
長手方向中心線と、横方向中心線と、外側表面と、内側表面とを備え、使用前には横方向に沿って折り畳まれる使い捨て吸収性物品であって、
液体透過性トップシートと、
液体不透過性バックシートと、
トップシートとバックシートとの間に設けられた吸収性コアと、
前記吸収性物品の長手方向側縁部に隣接して設けられ、弾性を有する弾性外側レッグカフであって、
基部と、
基部との接合部において基部に支持されるガスケットカフであって、ガスケットカフ上部表面と、前記接合部から横方向内向きに延びる内側カフと、前記接合部から横方向外向きに延びる外側カフと、を有するガスケットカフと、を有する弾性外側レッグカフと、
を備え、
前記吸収性物品の使用前には、前記ガスケットカフ上部表面が上を向くよう、前記弾性外側レッグカフが横方向内向きに前記吸収性物品の前記内側表面上へ折り畳まれることを特徴とする、使い捨て吸収性物品。
【請求項2】
前記吸収性物品が前記横方向に沿って更に折り畳まれる、請求項1に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項3】
前記吸収性物品が前記吸収性コアから横方向外向きに延び、近位フラップと遠位フラップとを有するサイドフラップを備え、前記基部が前記近位フラップからなり、前記ガスケットカフが前記遠位フラップからなり、前記弾性外側レッグカフが前記近位フラップ上に配置された第一折り畳み線に沿って横方向内向きに折り畳まれる、請求項1又は2に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項4】
前記吸収性コアが長手方向側縁部を有し、前記第一折り畳み線が前記吸収性コアの前記長手方向側縁部に隣接して配置されている、請求項3に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項5】
前記弾性外側レッグカフが、前記第一折り畳み線と前記接合部との間に配置された第二折り畳み線に沿って、横方向外向きに折り返される、請求項3に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項6】
前記第二折り畳み線が前記接合部に隣接して配置されている、請求項5に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項7】
前記外側カフが外側長手方向縁部を有し、前記弾性外側レッグカフが折り畳まれているとき、前記外側長手方向縁部が前記第一折り畳み線の横方向内側に配置される、請求項1に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項8】
前記弾性外側レッグカフが前記吸収性物品を構成する要素の延長部分と一体に形成される、請求項1に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項9】
前記吸収性物品を構成する前記要素の前記延長部分が、前記トップシートの延長部分、前記バックシートの延長部分、前記バックシートを覆う外側不織布の延長部分、バリアレッグカフの延長部分、又はこれらの組み合わせから選択される要素を包含する、請求項8に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項10】
前記弾性外側レッグカフが略T字状である、請求項1に記載の使い捨て吸収性物品。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2011−235157(P2011−235157A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−162272(P2011−162272)
【出願日】平成23年7月25日(2011.7.25)
【分割の表示】特願2009−18335(P2009−18335)の分割
【原出願日】平成15年7月1日(2003.7.1)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−162272(P2011−162272)
【出願日】平成23年7月25日(2011.7.25)
【分割の表示】特願2009−18335(P2009−18335)の分割
【原出願日】平成15年7月1日(2003.7.1)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】
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